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▶ スミス アンド ネフュー ピーエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】陰圧閉鎖療法の装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20220104BHJP
   A61M 27/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A61M1/00 137
A61M1/00 151
A61M27/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017551382
(86)(22)【出願日】2015-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2015002535
(87)【国際公開番号】W WO2016103032
(87)【国際公開日】2016-06-30
【審査請求日】2018-12-11
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/095,721
(32)【優先日】2014-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391018787
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー ピーエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Building 5,Croxley Park,Hatters Lane,Watford,Hertfordshire WD18 8YE,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベン・アラン・アスケム
(72)【発明者】
【氏名】イアコポ・クラウディオ・フェラーリ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・フォイニ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・フォルザーニ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジョン・フライヤー
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ケネス・フレイザー・グルジョン・ハント
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・リヴァ
【合議体】
【審判長】千壽 哲郎
【審判官】倉橋 紀夫
【審判官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/151930号(WO,A2)
【文献】特表2014-533583号公報(JP,A)
【文献】特表2014-526924号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61M 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰圧閉鎖療法用に構成されているポンプシステム(100)であって、
陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされるように構成されている創傷被覆材(950)に印加するように構成されているポンプアセンブリ(400)であって、前記流路は前記ポンプシステム(100)を前記創傷被覆材(950)に流体的に接続するように構成されている、ポンプアセンブリと、
前記流路内の圧力を測定するように構成されているセンサと、
前記ポンプシステム(100)の動作を制御するように構成されているコントローラと
を具備し、
前記コントローラは、
前記ポンプアセンブリ(400)が作動しているときに、第1の時点で前記流路内の第1の圧力値を測定し、
前記ポンプアセンブリ(400)が作動しているときに、第2の時点で前記流路内の第2の圧力値を測定し、
前記第1の圧力値および前記第2の圧力値が高圧閾値と低圧閾値との間にあると決定したことに応答して、
前記第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算し、
前記計算された第1の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、前記創傷被覆材(950)がフル状態であることを示す情報を提供するようにさらに構成されるポンプシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、
第3の時点で前記流路内の第3の圧力値を測定し、
第4の時点で前記流路内の第4の圧力値を測定し、
前記第3および第4の圧力値を使用して第2の圧力変化率を計算し、
前記計算された第1および第2の圧力変化率が前記閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、前記創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するようにさらに構成される請求項1に記載のポンプシステム。
【請求項3】
前記流路内の前記圧力は、前記高圧閾値前記低圧閾値との間である請求項1または2に記載のポンプシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第2の圧力値が前記低圧閾値よりも低いかどうかを決定するようにさらに構成される請求項1から3のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記計算された第1の圧力変化率が前記閾値変化率に等しいか、または超えていると決定したことに応答して、前記創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するようにさらに構成される請求項1から4のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項6】
前記閾値変化率は、約-50mmHg/秒である、または、
前記閾値変化率は、約-70mmHg/秒である請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項7】
前記閾値変化率は、約-20mmHg/秒から約-200mmHg/秒の間である、または、
前記閾値変化率は、約-40mmHg/秒から約-100mmHg/秒の間である請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項8】
前記閾値変化率は、約-50mmHg/秒から約-75mmHg/秒の間である請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記計算された第1の圧力変化率が最大変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するようにさらに構成される請求項1から8のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記計算された第1および第2の圧力変化率が最大変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するようにさらに構成される請求項1から9のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項11】
前記最大変化率は、前記閾値変化率の約110%、約120%、約130%、約140%、または約150%である請求項9または10に記載のポンプシステム。
【請求項12】
前記最大変化率は、前記閾値変化率の約105%から約155%の間のパーセンテージを含む請求項9または10に記載のポンプシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記計算された第1の圧力変化率が前記最大変化率に等しいか、または超えると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するようにさらに構成される請求項9から12のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、1以上の時間間隔の間に前記流路内の圧力をサンプリングし、1以上の前記時間間隔の各々の間に少なくとも2回、前記圧力をサンプリングするようにさらに構成されており、
前記コントローラは、1以上の前記時間間隔の各々の間に圧力サンプルを平均するようにさらに構成される請求項1から13のいずれか一項に記載のポンプシステム。
【請求項15】
陰圧閉鎖療法用に構成されているポンプシステム(100)であって、前記ポンプシステム(100)が、陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされるように構成されている創傷被覆材(950)に印加することを引き起こすように構成されたポンプアセンブリ(400)を備え、前記流路は前記ポンプシステム(100)を前記創傷被覆材(950)に流体的に接続するように構成され、前記ポンプシステム(100)が、前記流路内の圧力を測定するように構成されているセンサと、前記ポンプシステム(100)の動作を制御するように構成されているコントローラと、を備えている、ポンプシステム(100)の作動方法であって、
前記ポンプアセンブリ(400)が作動しているときに、前記センサによって第1の時点で前記流路内の第1の圧力値を測定するステップと、
前記ポンプアセンブリ(400)が作動しているときに、前記センサによって第2の時点で前記流路内の第2の圧力値を測定するステップと、
前記第1の圧力値および前記第2の圧力値が高圧閾値と低圧閾値との間にあると決定したことに応答して、
前記コントローラによって前記第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算するステップと、
前記コントローラによって、前記計算された第1の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、前記創傷被覆材(950)がフル状態であることを示す情報を提供するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2014年12月22日に出願した米国仮特許出願第62/095,721号、名称「NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY APPARATUS AND METHODS」の優先権を主張するものである。
【0002】
参照による組込み
本出願において開示されている実施形態のいずかとともに使用され得るポンプアセンブリ、創傷被覆材、創傷治療装置およびキット、ならびに陰圧創傷治療方法のさらなる構成要素、特徴、および詳細は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、次の出願および/または公開に記載されている。
【0003】
2015年5月18日に出願した、米国特許出願第14/715,527号、名称「FLUIDIC CONNECTOR FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」。
【0004】
2015年1月30日に出願した、米国特許出願第14/418,908号(米国特許出願公開第2015/0190286号明細書)、名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」。
【0005】
2014年11月21日に出願した、米国特許出願第14/403,036号(米国特許出願公開第2015/0141941号明細書)、名称「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」。
【0006】
2013年5月15日に出願した、国際特許出願第PCT/IB2013/001513号(国際公開第2013/171585号)、名称「NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY APPARATUS」。
【0007】
2013年3月12日に出願した、国際特許出願第PCT/IB2013/000847号(国際公開第2013/136181号)、名称「REDUCED PRESSURE APPARATUS AND METHODS」。
【0008】
2011年4月21日に出願した、米国特許出願第13/092,042号(米国特許出願公開第2011/0282309号明細書)、名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF USE」。
【0009】
前述の特許出願の各々およびすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本開示の一部をなす。
【0010】
本明細書で開示されている実施形態または配置構成は、創傷を覆うように被覆材を配置し、局所陰圧(TNP)療法で創傷を治療するための方法および装置に関するものである。たとえば、限定はしないが、本明細書で開示されているいくつかの実施形態は、ポンプキットから供給される減圧により創傷を治療することに関係する。必要というわけではないが、ポンプキットの実施形態は、滅菌済みとすることができる。別の非限定的な例として、本明細書で開示されている実施形態は、TNPシステムの動作を制御するための装置および方法に関係する。
【背景技術】
【0011】
ヒトまたは動物の治癒過程を補助するために多くの異なる種類の創傷被覆材が知られている。これらの異なる種類の創傷被覆材は、多くの異なる種類の材料および層、たとえば、ガーゼパッド、および/または発泡体パッドなどのパッドを含む。局所陰圧(「TNP」)療法は、時には、真空支援閉鎖、陰圧創傷療法、または減圧創傷療法とも称され、創傷の治癒速度を改善するための有益な機構として広く認識されている。そのような療法は、切開創傷、開放創、および腹部創などの広範な創傷に適用可能である。
【0012】
TNP療法は、組織浮腫を低減し、血流を促し、肉芽組織の形成を刺激し、過剰な浸出液を除去することによって創傷の閉鎖および治癒を補助し、細菌量を減らし、したがって創傷の感染の潜在的可能性を低減し得る。さらに、TNP療法では、創傷の外部攪乱を減らし、より高速な治癒を促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許出願公開第2011/0282309号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0110058号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0331823号明細書
【文献】国際公開第2013/171585号
【文献】米国特許第8,734,425号明細書
【文献】米国特許第8,905,985号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0051560号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本開示の実施形態は、創傷治療のための装置および方法に関する。本明細書で説明されている創傷治療装置のいくつかは、陰圧を創傷部位に与えるためのポンプシステムを備える。創傷治療装置は、本明細書で説明されているポンプアセンブリと組み合わせて使用され得る創傷被覆材、および創傷被覆材をポンプアセンブリに接続するためのコネクタも備え得る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法で使用するための装置は、導電性コイル、磁石、ダイアフラム、および吸収体(dampener)を備えるポンプアセンブリを具備する。コイルは、ダイアフラムと直接的にまたは間接的に結合されるものとしてよく、コイルに印加された駆動信号に応答して、ダイアフラムの少なくとも一部を動かし、流体をポンプ動作でポンプアセンブリに通すように構成され得る。
【0016】
ポンプ装置であるか、または備え得る、装置は、ポンプアセンブリが導電性上極、導電性下極、および1以上の弁を備えるように配置構成されるものとしてよく、磁石は、上極の少なくとも一部と下極との間に位置決めされ、コイルは、上極の少なくとも一部と下極との間に位置決めされる。ポンプ装置は、ポンプハウジングが吸収体が中に位置決めされ得るチャンバを備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、吸収体が締まり嵌めを介してチャンバ内に保持されるように配置構成され得る。ポンプ装置は、ポンプハウジングがポンプアセンブリから出る流体流を連通させるように設計された排出チャネルを備えるように配置構成されるものとしてよく、チャンバは排出チャネルと連通する。ポンプ装置は、チャンバが開口部を備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、チャンバが1以上のリブを備えるように配置構成されるものとしてよく、リブは開口部と吸収体との間の間隔をあける。ポンプ装置は、開口部が排出チャネルの端部に位置決めされるように配置構成され得る。
【0017】
ポンプ装置は、ポンプアセンブリと創傷被覆材との間に位置決めされたマニホールドを備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、マニホールド内に第2の吸収体を備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、制御盤を備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、制御盤を導電性コイルに接続するための電線用導管を備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、創傷を封止可能に囲むように設計されている創傷被覆材を備えるように配置構成され得る。ポンプ装置は、バネ部材を備えるように配置構成されるものとしてよく、バネ部材の周囲は、ダイアフラムに関して固定された位置にあるようにポンプアセンブリ内で支持され、バネ部材の中間部分は、ダイアフラムの中間部分が軸方向に撓むときにバネ部材の周囲に関して撓むように設計される。
【0018】
本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、ポンプシステムは、適宜、創傷被覆材も含む創傷治療装置の一部を形成し得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムおよび/または創傷被覆材は、適宜、中に1以上のセンサを有することができる。たとえば、本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、ポンプシステムおよび/または被覆材は、ポンプシステム内のまたはポンプシステムと被覆材との間の、ポンプハウジング、被覆材、または導管もしくはチャンバ内の、またはそのような任意の組合せで、圧力を監視するように構成されている圧力モニタを有することができる。それに加えて、本明細書で開示されているいくつかのポンプ実施形態は、ポンプシステムを通る流体の流れまたは流量を制御するためにオリフィスもしくは他の特徴もしくは構成要素を使用することができる。
【0019】
本明細書で開示されているいくつかの実施形態は、減圧創傷療法のための陰圧療法キットにも関係し得る。いくつかの実施形態における陰圧療法キットは、外側ハウジング、ハウジング内で支持されているポンプアセンブリ、および外側ハウジング内に、または外側ハウジングによって支持されているコントローラを有するポンプシステムを備え得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのスイッチまたはボタンが外側ハウジングによって支持され得る。少なくとも1つのスイッチまたはボタンは、コントローラと連通しているものとしてよく、ユーザがポンプシステムの1以上の動作モードを制御することを可能にするようにユーザからアクセス可能であり得る。
【0020】
本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、必須というわけではないが、陰圧療法システムは、創傷上に実質的に流体密封の封止を形成するように構成されている被覆材と、被覆材とポンプシステムとともに結合可能でありポンプシステムから被覆材への実質的にまたは完全に封入されている流体流経路をもたらすように構成されている導管とを備え得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、ポンプシステムを制御するための方法は、すでに計算されているパラメータと陰圧設定とに少なくとも部分的に基づき駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップと、少なくとも1つの計算された振幅およびオフセットを有する駆動信号を生成するステップと、駆動信号をポンプシステムに印加するステップとを含むことができる。いくつかの実施形態において、この方法は、ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正済み振幅を含み得る。いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正済みオフセットを含み得る。いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、少なくとも3つのパラメータを含み得る。いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、ポンプシステムに固有のものであってよい。いくつかの実施形態において、駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップは、駆動信号に対する振幅およびオフセットの両方を計算するステップを含み得る。いくつかの実施形態において、駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップは、少なくとも2つのすでに計算されている振幅またはオフセットの間の補間を行うステップを含み得る。いくつかの実施形態において、補間は、線形補間とすることができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ダイアフラムに接続されているボイスコイルアクチュエータを備え得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステムの共振周波数に影響を及ぼし得るバネを備え得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、方法は、不活動期間の後にポンプシステムがアクティブ化されているときにスタートアップ信号を印加するステップを含むものとしてよく、スタートアップ信号は駆動信号の振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方と異なる振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を有する。いくつかの実施形態において、この方法は、すでに計算されているパラメータと駆動信号を計算するための陰圧設定よりも小さい陰圧設定とに少なくとも部分的に基づきスタートアップ信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップを含み得る。いくつかの実施形態において、この方法は、少なくとも1つの計算された振幅およびオフセットを有するスタートアップ信号を生成するステップを含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムは、アクチュエータおよびダイアフラムを有するポンプアセンブリと、ポンプシステムの動作を制御することができるコントローラとを備え得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、すでに計算されているパラメータと陰圧設定とに少なくとも部分的に基づき駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算し、少なくとも1つの計算された振幅およびオフセットを有する駆動信号を生成し、駆動信号をポンプシステムに印加することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正済み振幅を含み得る。いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正済みオフセットを含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、コントローラは、駆動信号に対する振幅およびオフセットの両方を計算することができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、少なくとも2つのすでに計算されている振幅またはオフセットの間の補間を行うことができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、少なくとも2つのすでに計算されている振幅またはオフセットの間の線形補間を行うことができる。いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、少なくとも3つのパラメータを含み得る。いくつかの実施形態において、すでに計算されているパラメータは、ポンプシステムに固有のものであってよい。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、ダイアフラムに接続されているボイスコイルアクチュエータを備えることができる。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリの共振周波数に影響を及ぼし得るバネを備えることができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、コントローラは、不活動期間の後にポンプシステムがアクティブ化されているときにスタートアップ信号を印加することができ、スタートアップ信号は駆動信号の振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方と異なる振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を有する。いくつかの実施形態において、コントローラは、すでに計算されているパラメータと駆動信号を計算するための陰圧設定よりも小さい陰圧設定とに少なくとも部分的に基づきスタートアップ信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算し、少なくとも1つの計算された振幅およびオフセットを有するスタートアップ信号を生成することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムを較正するための方法は、駆動信号を生成するステップと、駆動信号でポンプシステムに作動させるステップと、ポンプシステムの構成要素の移動量を測定するステップと、構成要素の測定された移動量に基づき第1の寸法を計算するステップと、収束条件が満たされているかどうかを決定するステップとを含むことができ、収束条件は、第1の寸法が第1のターゲット値の第1の許容範囲内にあるという第1の条件を含む。いくつかの実施形態において、この方法は、ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、この方法は、構成要素の測定された移動量に基づき第2の寸法を計算するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、収束条件は、第2の寸法が第2のターゲット値の第2の許容範囲内にあるという第2の条件を含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件は、第1の条件および第2の条件が実質的に同時に満たされるという第3の条件を含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件が満たされていると決定したことに応答して、方法は、駆動信号に関連付けられているパラメータのセットを記憶するステップを含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件が満たされていないと決定したことに応答して、この方法は、構成要素の測定された移動量に少なくとも部分的に基づき駆動信号の1以上のパラメータを調整するステップと、調整された駆動信号を生成するステップと、調整された駆動信号でポンプシステムに作動させるステップと、ポンプアセンブリの構成要素の移動量を測定するステップと、収束条件が満たされているかどうかを決定するステップとを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、駆動信号を生成ステップは、駆動信号の振幅を選択するステップを含む。いくつかの実施形態において、駆動信号を生成ステップは、駆動信号のオフセットを選択するステップを含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の行程を含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の平均位置を含む。いくつかの実施形態において、構成要素は、ダイアフラムに接続されているピストンを備える。
【0031】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムを較正するための較正システムは、センサと、較正システムの動作を制御することができるコントローラとを備え得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、駆動信号を生成し、駆動信号でポンプシステムに作動させ、ポンプシステムの構成要素の移動量をセンサで測定し、構成要素の測定された移動量に基づき第1の寸法を計算し、収束条件が満たされているかどうかを決定することができ、収束条件は、第1の寸法が第1のターゲット値の第1の許容範囲内にあるという第1の条件を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、コントローラは、構成要素の測定された移動量に基づき第2の寸法を計算することができる。いくつかの実施形態において、収束条件は、第2の寸法が第2のターゲット値の第2の許容範囲内にあるという第2の条件を含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件は、第1の条件および第2の条件が実質的に同時に満たされるという第3の条件を含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件が満たされていると決定した後、コントローラは、駆動信号に関連付けられているパラメータのセットを記憶することができる。いくつかの実施形態において、収束条件が満たされていないと決定した後、コントローラは、構成要素の測定された移動量に少なくとも部分的に基づき駆動信号の1以上のパラメータを調整し、調整された駆動信号を生成し、調整された駆動信号でポンプシステムに作動させ、ポンプアセンブリの構成要素の移動量をセンサで測定し、収束条件が満たされているかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、駆動信号を生成するときに駆動信号の振幅を選択することができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、駆動信号を生成するときに駆動信号のオフセットを選択することができる。いくつかの実施形態において、第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の行程を含み得る。いくつかの実施形態において、第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の平均位置を含み得る。いくつかの実施形態において、構成要素は、ダイアフラムに接続されているピストンを備え得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムを制御するための方法は、陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされている創傷被覆材に与えるステップであって、流路はポンプシステムを創傷被覆材に流体的に接続する、ステップと、第1の時点で流路内の第1の圧力値を測定するステップと、第2の時点で流路内の第2の圧力値を測定するステップと、第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算するステップと、計算された第1の圧力変化率が閾値率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するステップとを含み得る。いくつかの実施形態において、この方法は、ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行され得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、この方法は、第3の時点で流路内の第3の圧力値を測定するステップと、第4の時点で流路内の第4の圧力値を測定するステップと、第3および第4の圧力値を使用して第2の圧力変化率を計算するステップと、計算された第1および第2の圧力変化率が閾値率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するステップとを含み得る。いくつかの実施形態において、流体流路内の圧力は、最大圧力と最小圧力との間である。いくつかの実施形態において、この方法は、第2の圧力値が最小圧力よりも小さいかどうかを決定するステップを含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムは、陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされている創傷被覆材に与え、流路はポンプシステムを創傷被覆材に流体的に接続する、ためのポンプアセンブリと、流路内の圧力を測定することができるセンサと、ポンプシステムの動作を制御することができるコントローラとを備え得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、第1の時点で流路内の第1の圧力値を測定し、第2の時点で流路内の第2の圧力値を測定し、第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算し、計算された第1の圧力変化率が閾値率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、コントローラは、第3の時点で流路内の第3の圧力値を測定し、第4の時点で流路内の第4の圧力値を測定し、第3および第4の圧力値を使用して第2の圧力変化率を計算し、計算された第1および第2の圧力変化率が閾値率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供することができる。いくつかの実施形態において、流体流路内の圧力は、最大圧力と最小圧力との間である。いくつかの実施形態において、コントローラは、第2の圧力値が最小圧力よりも小さいかどうかを決定し得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムを制御するための方法は、駆動信号をポンプシステムのポンプアセンブリに印加するステップであって、駆動信号は正の振幅と負の振幅とを交互にとり、駆動信号はオフセットを有する、ステップと、1以上の時間間隔の間にポンプシステムを創傷を覆うように配置された創傷被覆材に接続する流体流路内の圧力をサンプリングするステップとを含むことができ、1以上の時間間隔のうちの各々は、駆動信号が近似的に、実質的に1以上のサンプリング振幅にある振幅であるときに生じる。いくつかの実施形態において、この方法は、ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅の極大値を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅の極小値を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅のゼロ交差を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅のオフセット交差を含み得る。いくつかの実施形態において、この方法は、1以上の時間間隔の各々の間に、少なくとも2回圧力をサンプリングするステップを含み得る。いくつかの実施形態において、この方法は、各時間間隔の間の圧力サンプルを平均するステップを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態において、陰圧閉鎖療法のためのポンプシステムは、アクチュエータおよびダイアフラムを有するポンプアセンブリと、ポンプシステムの動作を制御することができるコントローラとを備え得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、駆動信号をポンプアセンブリに印加し、駆動信号は正の振幅と負の振幅とを交互にとり、駆動信号はオフセットを有し、1以上の時間間隔の間にポンプアセンブリを創傷を覆うように配置された創傷被覆材に接続する流体流路内の圧力をサンプリングことができ、1以上の時間間隔のうちの各々は、駆動信号が近似的に、実質的に1以上のサンプリング振幅にある振幅であるときに生じる。
【0040】
いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅の極大値を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅の極小値を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅のゼロ交差を含み得る。いくつかの実施形態において、サンプリング振幅は、振幅のオフセット交差を含み得る。いくつかの実施形態において、1以上の時間間隔の各々の間、コントローラは、圧力を少なくとも2回サンプリングすることができる。いくつかの実施形態において、コントローラは、各時間間隔の間の圧力サンプルを平均することができる。
【0041】
様々な実施形態において、陰圧閉鎖療法用に構成されているポンプシステムが、説明されている。ポンプシステムは、陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされるように構成されている創傷被覆材に印加するように構成されているポンプアセンブリであって、流路はポンプシステムを創傷被覆材に流体的に接続するように構成されている、ポンプアセンブリを備えることができる。ポンプシステムは、流路内の圧力を測定するように構成されているセンサを備えることができる。ポンプシステムは、ポンプシステムの動作を制御するように構成されているコントローラを備えることができる。コントローラは、第1の時点で流路内の第1の圧力値を測定し、第2の時点で流路内の第2の圧力値を測定し、第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算し、計算された第1の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するように構成され得る。
【0042】
様々な実施形態において、陰圧閉鎖療法用に構成されているポンプシステムを制御するための方法が、説明されている。方法は、陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされるように構成されている創傷被覆材に印加することを引き起こすステップであって、流路はポンプシステムを創傷被覆材に流体的に接続するように構成されている、ステップを含むことができる。方法は、第1の時点で流路内の第1の圧力値を測定するステップを含み得る。方法は、第2の時点で流路内の第2の圧力値を測定するステップを含み得る。方法は、第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算するステップを含み得る。方法は、計算された第1の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するステップを含み得る。方法は、ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行され得る。
【0043】
限定することなく以下に開示されているポンプ実施形態(たとえば、ボイスコイルポンプ実施形態のいずか)および陰圧閉鎖療法実施形態のいずかを含む、本出願で開示されている配置構成または実施形態の特徴、構成要素、または詳細はいずも、新しい配置構成および実施形態を形成するために本明細書で開示されている配置構成または実施形態のいずかの他の特徴、構成要素、または詳細と交換可能に組み合わせ可能である。
【0044】
本開示の実施形態は、添付図面を参照しつつ、例としてのみ、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】オプションの取付構成要素が装着されている外側ハウジングを有するポンプシステムの一実施形態の正面斜視図である。
図2図1のポンプシステムの正面図である。
図3図1のポンプシステムの後面斜視図である。
図4図1のポンプシステムの後面図である。
図5図1のポンプシステムの上面図である。
図6図1のポンプシステムの底面図である。
図7図1のポンプシステムの右側面図である。
図8図1のポンプシステムの左側面図である。
図9】オプションの装着構成要素を有しない、図1の外側ハウジングの後面図である。
図10】外側ハウジング内のキャビティを露出させるためにカバーが取り外されている、図9の外側ハウジングの後面図である。
図11】回路基板およびポンプアセンブリの一実施形態を露出させるために外側ハウジングの前部分が取り外されている、図1の外側ハウジングの前面斜視図である。
図12】回路基板およびポンプアセンブリの一実施形態を露出させるために外側ハウジングの後部分が取り外されている、図1の外側ハウジングの後面斜視図である。
図13】ポンプアセンブリを露出させるために外側ハウジングの前部分および回路基板が取り外されている、図1の外側ハウジングの前面斜視図である。
図14】ポンプアセンブリおよびインテークマニホールドの一実施形態の正面斜視図である。
図15図14のポンプアセンブリおよびインテークマニホールドの後面図である。
図16図14のポンプアセンブリおよびインテークマニホールドの正面図である。
図17A図14のインテークマニホールドの断面図である。
図17B】外側ハウジングおよび制御盤を有するインテークマニホールドの断面図である。
図18図14のポンプアセンブリの断面図である。
図19図14のポンプアセンブリの分解図である。
図20図14のポンプアセンブリの分解図である。
図21】ポンプハウジングの一実施形態の後面図である。
図22図21のポンプハウジングの正面図である。
図23】弁の一実施形態の斜視図である。
図24】弁の一実施形態の斜視図である。
図25】ポンプチャンバ本体部の一実施形態の斜視図である。
図26図25のポンプチャンバ本体部の正面図である。
図27図25のポンプチャンバ本体部の後面図である。
図28】ダイアフラムの一実施形態の斜視図である。
図29】ダイアフラムの一実施形態の斜視図である。
図30図28図29のダイアフラムの側面図である。
図31図28図29のダイアフラムの側断面図である。
図32】スペーサの一実施形態の斜視図である。
図33図32のスペーサの側断面図である。
図34】支持部材の一実施形態の斜視図である。
図35】支持部材の一実施形態の斜視図である。
図36】シャフトの一実施形態の斜視図である。
図37図36のシャフトの側面図である。
図38】バネの一実施形態の斜視図である。
図39】ブッシングの一実施形態の斜視図である。
図40】ブッシングの一実施形態の斜視図である。
図41】減衰要素を備える図21のポンプハウジングの一実施形態の後面図である。
図42図41のポンプハウジングおよび減衰要素の側断面図である。
図43】脱着可能チャンバの一実施形態の斜視図である。
図44】ポンプハウジングの別の実施形態の斜視図である。
図45】ポンプハウジングの別の実施形態の斜視図である。
図46】マニホールドの別の実施形態の側断面図である。
図47】ポンプハウジングの別の実施形態の斜視図である。
図48図11の回路基板の正面図である。
図49図11の回路基板の後面図である。
図50】支持部材およびコイルの別の実施形態の斜視図である。
図51図50のコイルおよび支持部材に対する配線の一実施形態の概略断面図である。
図52図50のコイルおよび支持部材に対する配線の別の実施形態の概略断面図である。
図53図50のコイルおよび支持部材に対する配線の別の実施形態の概略断面図である。
図54図50のコイルおよび支持部材に対する配線の別の実施形態の概略断面図である。
図55】組み合わされたバネおよび電線用導管の一実施形態の斜視図である。
図56】表示のためのアイコンの配置構成の一実施形態を示す図である。
図57A】創傷被覆材に取り付けられたポンプシステムの一実施形態の上面図である。
図57B】創傷被覆材に取り付けられるように構成されているポンプシステムの一実施形態の図である。
図58】ポンプハウジングとポンプチャンバ本体部との間の溶接輪郭の一実施形態の上面図である。
図59】ポンプチャンバ本体部とブッシングとの間の溶接輪郭の一実施形態の上面図である。
図60】ポンプシステムの一実施形態の概略図である。
図61】ポンプシステムの別の実施形態の概略図である。
図62】ポンプシステムの別の実施形態の概略図である。
図63】いくつかの実施形態による最上位状態図である。
図64】いくつかの実施形態による例示的な圧力対時間のグラフを示す図である。
図65】いくつかの実施形態による陰圧源に対する例示的な駆動信号を示す図である。
図66】いくつかの実施形態による駆動信号の発生を例示する概略図である。
図67】駆動信号のパラメータを生成するための較正方法の一実施形態を示す図である。
図68】いくつかの実施形態による例示的な行程対繰り返し回数のグラフを示す図である。
図69】いくつかの実施形態による例示的な平均位置対繰り返し回数のグラフを示す図である。
図70】フィルタ閉塞を決定するための方法の一実施形態を示す図である。
図71】いくつかの実施形態による例示的な圧力対時間のグラフを示す図である。
図72】フィルタ閉塞を決定するための方法の別の実施形態を示す図である。
図73】オプションの装着構成要素が取り付けられていない、図1のポンプシステムの正面斜視図である。
図74図73のポンプシステムの正面図である。
図75図73のポンプシステムの後面斜視図である。
図76図73のポンプシステムの後面図である。
図77図73のポンプシステムの上面図である。
図78図73のポンプシステムの底面図である。
図79図73のポンプシステムの右側面図である。
図80図73のポンプシステムの左側面図である。
図81】ポンプ装着構成要素の正面斜視図である。
図82図81のポンプ装着構成要素の正面図である。
図83図81のポンプ装着構成要素の後面斜視図である。
図84図81のポンプ装着構成要素の後面図である。
図85図81のポンプ装着構成要素の上面図である。
図86図81のポンプ装着構成要素の底面図である。
図87図81のポンプ装着構成要素の右側面図である。
図88図81のポンプ装着構成要素の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書で開示されている実施形態は、ポンプおよび創傷被覆材構成要素および装置を含む、減圧により創傷を治療する装置および方法に関するものである。創傷オーバーレイおよびパッキング材料を含む装置および構成要素は、もしあれば、本明細書では被覆材と総称されることもある。
【0047】
本明細書全体を通して創傷が言及されていることは理解されるであろう。創傷という用語は、広い意味で解釈されるべきであり、皮膚が破れているか、切れているか、もしくは穴が空いているか、または外傷が患者の皮膚に打撲傷、または他の表面のもしくは他の状態もしくは欠陥を引き起こすか、そうでなければ減圧治療から恩恵を受ける、開放創および閉鎖創を包含することが理解されるべきである。したがって、創傷は、流体が産生される場合も産生されない場合もある組織の損傷領域として広い意味で定義される。このような創傷の例は、限定はしないが、急性創傷、慢性創傷、外科的切開および他の切開、亜急性および裂開創傷、外傷、皮弁および植皮、裂傷、表皮剥離、打撲傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡、瘻孔、外科創傷、外傷性および静脈性潰瘍などを含む。本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、本明細書で説明されているTNPシステムの構成要素は、少量の創傷浸出液を滲み出す切開創傷に特に適しているものとしてよい。
【0048】
本開示の実施形態は、局所陰圧(TNP)療法システムにおける使用に一般的に適用可能であることは理解されるであろう。簡単に言うと、陰圧閉鎖療法は、組織浮腫を低減し、血流および肉芽組織の形成を促し、および/または余分な浸出液を取り除くことによって「治癒しにくい」創傷の多くの形態の閉鎖および治癒を補助し、細菌量(したがって感染症のリスク)を減らすことができる。それに加えて、この療法は、創傷の障害を少なくしてより速やかな治癒をもたらすことを可能にする。TNP療法システムは、流体を取り除くことによって、および閉鎖部の併置位置にある組織を安定化するのを助けることによって、手術で縫合された創傷の治癒をも助けることができる。TNP療法のさらに有益な使用はグラフトおよびフラップに見ることができ、そこでは、余分な流体を取り除くことが重要であり、組織の生存を確実にするためにグラフトから組織への近接近が必要である。
【0049】
本明細書で使用されているように、-XmmHgなどの減圧または陰圧レベルは、標準大気圧より低い圧力レベルを表し、標準大気圧は760mmHg(または1atm、29.93mmHg、101.325kPa、14.696psiなど)に対応する。したがって、-XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりXmmHg低い絶対圧力、言い替えると、(760-X)mmHgの絶対圧力を反映する。それに加えて、XmmHgより「少ない」または「小さい」陰圧は、大気圧に近い圧力に対応する(たとえば、-40mmHgは-60mmHgより少ない)。-XmmHgより「多い」または「大きい」陰圧は、大気圧から遠い圧力に対応する(たとえば、-80mmHgは-60mmHgより多い)。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態に対する動作陰圧範囲は、約-20mmHgから約-200mmHgの間、約-50mmHgから約-150mmHgの間、約-70mmHgから-90mmHgの間、これらの範囲内の任意の部分範囲、または望むとおりの他の任意の範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、最大-70mmHgまで、最大-80mmHgまで、最大-90mmHg、最大-100mmHgまで、最大-110mmHgまで、または望まれているような他の圧力までの動作陰圧範囲が使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、創傷被覆材および/または創傷表面への-80mmHg(公称)±20mmHgの陰圧閉鎖療法を維持することができる。ポンプシステムの動作に関する他の詳細は、米国特許出願公開第2011/0282309号明細書、米国特許出願公開第2013/0110058号明細書、および米国特許出願公開第2013/0331823号明細書、さらには国際公開第2013/171585号において述べられており、これらの公開のすべての実施形態、構成、詳細、および図解は、本開示の一部をなしているかのように参照により本明細書に組み込まれている。
【0051】
本明細書で開示されている実施形態はいずも、ポンプおよび/またはポンプおよび被覆材キットを含み得る。しかしながら、本開示のポンプ装置および実施形態は、被覆材とともに使用すること、または創傷療法に限定されない。本明細書で開示されているポンプ実施形態はいずも、本明細書で開示されている被覆材構成要素から独立して使用できる。さらに、本明細書で開示されているポンプ実施形態はいずも、陰圧閉鎖療法を外れた他の目的に使用され得るか、またはそのための使用に適合され得る。そのようなものとして、本明細書で開示されているポンプ実施形態はいずも、システムまたはアプリケーションにおいて流体(ガスおよび/または液体)を移動するために使用され得るか、または使用に適合され得る。本明細書で開示されている実施形態はいずも、滲出創傷上で使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプおよび/またはキットは、浸出液レベルが低い(たとえば、24時間当たり創傷面積1cm当たり0.6g(公称)の滲出液)創傷、または滲出液レベルが中程度(たとえば、24時間当たり創傷面積1cm当たり1.1g(公称)の滲出液)創傷上で使用できる。いくつかの実施形態において、創傷からの滲出液は、被覆材中への吸収および被覆材を通しての水分の蒸発の組合せを通して本明細書で開示されている被覆材によって管理される。いくつかの実施形態において、創傷からの滲出液は、被覆材中への吸収または被覆材を通しての水分の蒸発を通して本明細書で開示されている被覆材によって管理される。被覆材を通しての滲出液の水分の蒸発が意図されている実施形態において、被覆材領域上に位置決めされた閉塞材料は、意図された蒸発を損ない得る。
【0052】
ポンプシステムの機械的態様の概要
本明細書で説明されているポンプシステム実施形態は、コンパクトで小さなサイズを有するものとしてよい。本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、ポンプシステムのポンプアセンブリは、15mmから35mmの間、15mm未満、25mm未満、35mm未満、または50mm未満の直径(たとえば、相当直径)もしくは横方向サイズを有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、10mm、23mm、または40mmの直径もしくは横方向サイズを有し得るか、または約26mmから約27mmの範囲内、約22mm以下から約28mmの間の直径もしくは横方向サイズを有し得る。本明細書で開示されているいくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、約8mm、約6mmから約10mmの間の厚さもしくは高さ、または20mm未満の厚さもしくは高さを有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリの厚さもしくは高さは、5mm、12mm、または20mmであってよい。たとえば、限定することなく、いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、約6.2立方センチメートル、約5.0立方センチメートル以下から約7.0立方センチメートルの間の容積、または10.0立方センチメートル未満の容積を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリの容積は、4.0立方センチメートル、6.0立方センチメートル、または8.0立方センチメートルであってよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、約60.0mm、約40.0mmから約80.0mmの間の横方向サイズ、または90mm未満の横方向サイズ、および約15.0mm、約10.0mmから約20.0mmの間の高さ、または30mm未満の高さを有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ハウジングは、72mm×66mm×21mm、約72mm×66mm×21mm、70mm~73mm×64mm~67mm×20mm~22mmの長さ×幅×高さの寸法、または90mm未満×90mm未満×30mm未満の長さ×幅×高さの寸法を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ハウジングの長さ×幅×高さの寸法は、68mm×62mm×18mm、65mm×78mm×21mm、65mm×79mm×21mm、または80mm×74mm×25mmであってよい。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、150グラム、約150グラム、100グラム~150グラムの間の質量、または200グラム未満の質量、または300グラム未満の質量を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムの質量は、90グラム、125グラム、150グラム、または220グラムであってよい。もちろん、ポンプシステムは、小型化されたサイズであってもよく、製造可能な質量および容積を有することができ、全体的な出力および効率は、創傷療法の範囲内または範囲外で、所望のアプリケーションに対する必要な要求条件を満たす。本明細書で使用されているように、効率は(出力流体動力)/(入力電力)として定義され得る。
【0053】
ポンプシステムは、安価に生産することができ、高い効率で動作可能であり、携帯型、処分可能、および/または使い捨てアプリケーションにとって有利である。このポンプは、適宜、超軽量型使い捨て陰圧閉鎖療法(NPWT)デバイスにおいて使用することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、バッテリ交換または充電を行うことなく、小さな一次電池で10日間運転できる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、3V、2000mAhの電池で最大10日間運転できる(たとえば、ポンプはその時間の約20%の間作動する)。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、直列接続された2個の1.5ボルト、2500mAh~3000mAhのバッテリから給電され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、バッテリ交換または充電を行うことなく、3Vの総容量3000mAhを有する1以上のバッテリなど小さな一次電池で1週間運転できる。それに加えて、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、その使用中に機能に干渉することなくX線撮影を受けることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、コンピュータ断層撮影(CT)法、コンピュータX線体軸断層撮影(CAT)法などの際に摩耗し得る。
【0054】
図1図8は、外側ハウジング102およびオプションの取付構成要素104を有するポンプシステム100の一実施形態の複数の図を示しており、図73図80は、オプションの装着構成要素104が取り外されている、ポンプシステム100の追加の図を示している。図1図8に例示されている実施形態に示されているように、ポンプシステム100は、ポンプシステム100の構成要素を収容し、および/または支持するための外側ハウジング102を備え得る。外側ハウジング102は、外側ハウジング102を形成するように取り外し可能に取り付けられ得る、図1に示されているような前部分102aおよび後部分102bなどの、1以上の部分から形成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態において、ポンプシステム100は、限定はしないが、ユーザである人などの、別の物体上にポンプシステム100を装着することを有利に可能にするように設計され得る装着構成要素104を適宜備え得る。たとえば、図81図88は、ポンプシステム100に取り付けることができる、図1図8にポンプシステム100に取り付けられているように図示されている、オプションの装着構成要素104の複数の図を示している。いくつかの実施形態において、装着構成要素104は、ユーザのポケット、ポーチ、ベルト、フラップ、または他の何らかのものなど、ユーザの上着に装着構成要素104を保持するように設計されているクリップ106(図3図8に示されているような)を備えることができる。クリップ106は、クリップ106がクリップ106を形成するために使用される材料の弾力性を用いて締付け力をもたらし得るように装着構成要素104の基部108と一体形成され得る。いくつかの実施形態において、クリップ106は、基部108からの別個の構成要素であってよく、コイルバネ、曲げたバネなどなどの付勢構成要素を備え、それにより、ユーザである人にクリップ106を保持するための締付け力をもたらし得る。いくつかの実施形態において、締付け力は、ユーザが締付け位置からハウジングを開けることができる程度に弱く、ポケット、フラップ、または他の材料に関して締め付けられたままにする程度に強いものとしてよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、装着構成要素104は、ポンプシステム100が装着構成要素104とともに、または装着構成要素104なしで使用できるように外側ハウジング102に取り外し可能に取り付けられ得る。たとえば、図1図8は、オプションの装着構成要素104を備えている、ポンプシステム100を示しており、図73図80は、オプションの装着構成要素104なしの、ポンプシステム100を示している。これらの図に示されているように、これは、ユーザが図73図80に示されているようなオプションの装着構成要素104の使用なしで済ませると決定した場合にポンプシステム100のフォームファクタ全体を縮小するオプションをユーザに有利に与えることができる。さらに、これは、ユーザがそうすることを決定した場合に、ユーザが一方の装着構成要素を別の装着構成要素とより容易に交換することを有利に可能にし得る。例示されている実施形態に示されているように、装着構成要素104は、基部108の周から延在する金具110などの、1以上の保持機能部を備え、これにより、装着構成要素104を外側ハウジング102の一部分に保持することができる。例示されている実施形態において、装着構成要素104は、金具110を使用することで、スナップ嵌めでポンプシステム100上に保持され得る。いくつかの実施形態において、保持機能部は、ネジ、ナット、ボルト、スナップ嵌めコネクタなどなどの、機械式留め具であってよい。
【0057】
引き続き図1図8のポンプシステム100を参照すると、外側ハウジング102は、ユーザに情報(たとえば、ポンプシステム100の動作状態に関する情報)を提供するように設計されるものとしてよいディスプレイ112を備えることができる。いくつかの実施形態において、ディスプレイ112は、アイコン114などの、1以上のインジケータを備えることができ、これは、ポンプシステム100の1以上の動作および/または故障状態をユーザに警告することができる。たとえば、これらのインジケータは、正常または適切な動作状態、ポンプ故障、停電、バッテリの状態もしくは電圧レベル、創傷被覆材の状態もしくは容量、被覆材とポンプアセンブリとの間の被覆材もしくは流体流路内の漏れの検出、吸引閉塞、または他の類似のもしくは好適な状態もしくはこれらの組合せを含む、をユーザに警告するためのアイコンを備えることができる。左から右へ、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備えることができるディスプレイ112’のアイコン114’の例示的なセットが図56に示されている。いくつかの実施形態において、アイコン114または114’は、緑色および/またはオレンジ色を有することができ、および/または緑色および/またはオレンジ色の光(たとえば、カラーLED)を照射され得る。
【0058】
例示されている実施形態において、1以上のアイコン114が、外側ハウジング102のディスプレイ112上に直接プリントされ得る。いくつかの実施形態において、これらのアイコン114のうちの1以上は、外側ハウジング102の一部に取り付けられているラベルに付けられ得る。これらのアイコン114のうちの1以上は、そのアイコンに対応するステータスがシステム内に存在するときに照らされ得る。以下でさらに詳しく説明されるように、LEDなどの、1以上の照明構成要素は、アイコン114を照らすために外側ハウジング102内に位置決めされ得る。外側ハウジング102内の照明構成要素を使用してアイコンの照明を増強するために、アイコン114のうちの1以上の近くにある、および/または下にある外側ハウジング102の一部分の厚さを小さくして、アイコン114の近くにある、および/またはアイコン114の下にある外側ハウジング102の透光性を高めることができる。いくつかの実施形態において、アイコン114の1以上の近くにある、および/またはアイコン114の1以上の下にある外側ハウジング102の一部分は、透明材料から作られるものとしてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、外側ハウジング102のディスプレイ112は、薄くされ、ならびに/または透明および/もしくは半透明材料から作られた照明パネルを備えることができる。外側ハウジング102の一部分を薄くし、ならびに/または外側ハウジング102の一部分を透明および/もしくは半透明材料から作ることで、照明構成要素から出た光をハウジング102に通し、アイコン114を照らすことを可能にできる。有利には、より薄いまたは透明および/もしくは半透明のハウジングで1以上のアイコン114を照らすために外側ハウジング102内に開口部が形成されていないので、アイコン114の周りに漏れが生じる潜在的可能性が排除されるか、または少なくとも著しく低減される。
【0059】
いくつかの実施形態において、ポンプハウジングは、ディスプレイがハウジングの一部を含むようにハウジングと一体化されたディスプレイを備えることができる。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、ハウジング内に位置決めされている1以上の対応する照明源によって照らされるように構成されている1以上のインジケータを備えることができる。いくつかの実施形態において、1以上の照明源は、1以上の発光ダイオード(LED)を備え得る。いくつかの実施形態において、ポンプハウジングは、厚さが不均一であってもよく、この不均一な厚さは少なくとも第1の厚さと第2の厚さとを含み、第1の厚さは第2の厚さよりも小さい。いくつかの実施形態において、第1の厚さは、第2の厚さに近い(たとえば、近接する)厚さであってよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイの一部は、第1の厚さを含むことができ、ディスプレイの近くのハウジングの少なくとも一部は、第2の厚さを含むことができる。いくつかの実施形態において、ディスプレイの一部は、1以上のインジケータを含み得る。いくつかの実施形態において、ディスプレイの一部は、半透明および/または透明材料を含むことができ、透明材料は、ディスプレイの近くのハウジングの部分と連続する。
【0060】
一方のアイコンの明かりが他方のアイコンに滲み出て照らすのを防ぐために、バッフルが、外側ハウジング102内に位置決めされている1以上の照明構成要素の近くの外側ハウジング102の1以上の内面の1以上の部分に位置決めされ得る。バッフルは、外側ハウジング102の内面と、および/または外側ハウジング102内に位置決めされている1以上の構成要素および/または構成要素の表面に取り付けられ、および/または一体形成され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、バッフルは、厚さを縮小されていない外側ハウジング102の部分を含み得る。いくつかの実施形態において、一体形成された、または別々に取り付けられているバッフルは、外側ハウジング102の内側の各アイコンの周りを囲み得る。もちろん、好適なバッフル、たとえば、縮小された厚さを有するが、1以上のアイコン114の下にある透明材料に関して暗色または不透明色を有する外側ハウジング102と一体形成されたバッフルなどが評価され、企図されている。当業者であれば、好適なバッフル配置が企図されていることも理解するであろう。いくつかの実施形態において、複数の種類のバッフルが使用され、および/または1以上の異なる種類のバッフルと組み合わされ得る。バッフルは、照明構成要素のうちの1以上が点灯しているときに照明構成要素のうちの1以上がアイコン114のうちの1以上を照らすのを阻害する(または防ぐ)ことができる。有利には、バッフルは、一方のアイコンに向けられた光で誤って別のアイコンを照らすのを防ぐことによってユーザがアイコンを間違って読み取る潜在的可能性を低減するのに役立ち得る。たとえば、図56に示されているディスプレイ112’のアイコン114’の例示的なセットを参照すると、バッフルは、4つのアイコンのうちの各々が他の3つのアイコンのうちの1つに光を滲ませてしまうことなく別々に照らされるようにディスプレイ112’の下に位置決めされ得る。
【0061】
図1図8に示されているポンプシステム100を引き続き参照すると、ポンプシステム100は、ポンプシステム100の動作を制御するためにユーザから入力を受け取るように設計されている、ボタン116などの1以上のユーザ入力機能部を備え得る。図示されている実施形態において、ポンプシステム100をアクティブ化し、非アクティブ化し、および/またはポンプシステム100の他の動作パラメータを制御するために使用され得る単一のボタンが存在する。たとえば、いくつかの実施形態において、ボタン116は、ポンプシステム100をアクティブ化する、ポンプシステム100を一時停止させる、アイコン114などのインジケータをクリアするために使用することができ、および/またはポンプシステム100の動作を制御するための他の好適な目的に使用され得る(たとえば、ボタン116を順次押していくことによって)。ボタンは、ハウジングの外側前面に位置決めされ得るプッシュ型ボタンであってよい。他の実施形態では、ポンプシステム100上に複数の入力機能部(たとえば、複数のボタン)が設けられ得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、ボタン116は、ボタン116の周りから漏れる潜在的可能性を排除するか、または少なくとも低減するように設計され得る。いくつかの実施形態において、ボタン116の周辺部分は、外側ハウジング102の囲むリップ部と締まり嵌めすることができる。いくつかの実施形態において、ボタン116の全体または一部は、ゴム、シリコーン、または他の好適な材料などの、表面に当接したときに比較的高い気密性の高いハーメチック封止を形成することができる変形可能材料から形成され得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、ポンプシステム100は、管または導管をポンプシステム100に接続するためのコネクタ302を備え得る。たとえば、図57Aおよび図57Bに示されているように、コネクタ302は、ポンプシステム100を被覆材950に接続するために使用され得る。例示されている実施形態において図示されているように、創傷被覆材950は、導管954の端部を受け入れるためのポート952を備え得る。いくつかの実施形態において、ポート952は、導管954を受け入れるためのコネクタ部分953を備えることができる。いくつかの実施形態において、導管954は、ポンプシステム100のコネクタ302に直接接続され得る。図57Aに示されているような、いくつかの実施形態において、中間導管956が使用され、クイックリリースコネクタ958、960などの、コネクタを介して導管954に取り付けられ得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、キャニスタレスシステムで動作するように構成されてよく、そこに、創傷被覆材950などの創傷被覆材が創傷から吸い込んだ滲出液を保持する。そのような被覆材は、被覆材の下流(ポンプシステムへ向かう)での液体の通過を防ぐ、疎水性フィルタなどのフィルタを備え得る。他の実施形態において、ポンプシステムは、創傷から吸い込んだ滲出液の少なくとも一部を貯蔵するためのキャニスタを有するシステムにおいて動作するように構成され得る。そのようなキャニスタは、被覆材の下流(ポンプシステムへ向かう)での液体の通過を防ぐ、疎水性フィルタなどのフィルタを備え得る。さらに他の実施形態において、被覆材およびキャニスタは両方とも、被覆材およびキャニスタの下流の液体の通過を防ぐフィルタを備えることができる。
【0065】
図13図17Bに関連して以下でさらに詳しく説明されるように、コネクタ302は、ポンプシステム100を通る初期流体流経路を形成することができるポンプシステム100のインテークマニホールド300の一部であってよい。例示されている実施形態に図示されているように、コネクタ302は、ネジ切り、クリップなどのスナップ嵌めマウント、バヨネットマウントなどなどの1以上の保持機能部を備え、接続構成要素をコネクタ302により確実に保持することができる。
【0066】
図9図10は、外側ハウジング102に取り付けられているオプションの取付構成要素104がない、ポンプシステム100の一実施形態の背面図を示している。例示されている実施形態において図示されているように、外側ハウジング102の後部分102bは、キャビティ120の上に置く取り外し可能なカバー118を備え得る。キャビティ120は、デバイスに給電するための、バッテリなどの1以上の電源を受け入れるように設計されている1以上の陥凹部122を含み得る。いくつかの実施形態において、キャビティ120の外周124は、水分がキャビティ120内に入り込む可能性を低くするためにカバー118のそれぞれの機能部と連携することができる機能部を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、外周124は、底部の周、側部の周、頂部の周、および/または1以上の周の組合せに沿ってリブを備え、キャビティ120内に水分が進入する可能性を低減することができる。いくつかの実施形態において、外周124は、底部の周、側部の周、頂部の周、および/または1以上の周の組合せに沿って陥凹部を備え、水滴などの水分をキャビティ120から離れる方向に導くことができる。
【0067】
図11図12は、回路基板200、インテークマニホールド300、およびポンプアセンブリ400などの陰圧源の実施形態を露出させるために外側ハウジング102の一部分が取り除かれているポンプシステム100の一実施形態の斜視図を示している。図13は、インテークマニホールド300およびポンプアセンブリ400を露出させるために外側ハウジング102の前部分さらには回路基板200が取り除かれているポンプシステム100の一実施形態の斜視図を示している。例示されている実施形態において図示されているように、回路基板200、インテークマニホールド300、および/またはポンプアセンブリ400は、外側ハウジング102内に位置決めされ、および/または外側ハウジング102によって支持され得る。
【0068】
制御盤200は、ポンプアセンブリ400などのポンプシステム100の機能を制御するように設計され得る。プリント基板アセンブリ(PCBA)などの制御盤200は、ポンプシステム100の様々な電気的/電子的構成要素を機械的に支持し、電気的に接続するように設計され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、制御盤200は、ポンプアセンブリ400を動作させる電力を供給するために1以上のバッテリ202をポンプアセンブリ400に接続することができる。いくつかの実施形態において、制御盤200は圧力モニタ204を備えることができる。圧力モニタ204は、制御盤200によって支持され、流体流通路内の圧力レベルを監視するように設計され得る。制御盤200は、圧力モニタ204と併せて、ポンプアセンブリ400が事前定義された閾値圧力を超えないよう保護するように設計され、および/または創傷でのターゲット圧力を維持するように設計され得る。
【0069】
回路基板200は、圧力読み取り値が所定の値に達した場合にポンプアセンブリ400への電力をカットするように設計されるものとしてよく、圧力レベルが所定の値、または第1の所定の値よりも高いもしくは低くい場合もあり得る第2の所定の値以下に下がったときに再開するように設計され得る。それに加えて、制御盤200は、そのような過剰加圧を防ぐようにプログラムされ得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、制御盤200は、インジケータライト、聴覚的アラーム、および/またはそのような特徴の組合せを備え得る。たとえば、いくつかの実施形態において、制御盤200は、1以上のLED206の形態のインジケータライトを備え得る。図1図8に関して上で説明されているように、1以上のLED206は、外側ハウジング102上のディスプレイ112の1以上のアイコン114を照らすために使用され得る。いくつかの実施形態において、各LED206は、1以上のアイコン114に対応し得る。いくつかの実施形態において、制御盤200は、制御ボタン116から入力を受け取るための1以上の機能部208(たとえば、圧力感知スイッチ)を有することができる。
【0071】
図13は、インテークマニホールド300およびポンプアセンブリ400を露出させるために外側ハウジング102の前部分さらには制御盤200が取り除かれているポンプシステム100の正面斜視図を示している。例示されている実施形態において図示されているように、マニホールド300およびポンプアセンブリ400は、外側ハウジング102の1以上の一部分内に位置決めされ、および/または外側ハウジング102の1以上の一部分によって支持され得る。
【0072】
図14図17Bは、インテークマニホールド300およびポンプアセンブリ400の様々な図を示している。例示されている実施形態において図示されているように、インテークマニホールド300は、ポンプアセンブリ400のインテークポート426(図21図22に示されている)と流体的に連通するものとしてよい。インテークマニホールド300は、インテークマニホールド300を形成するように取り外し可能に取り付けられ得る、上部分301aおよび底部分301bなどの、1以上の部分から形成され得る。たとえば、図17Aに最も明確に示されているように、上部分301aは、摩擦および/または締まり嵌めで底部分301b内に受け入れられ得る。いくつかの実施形態において、上部分301aおよび底部分301bは、モノリシック構造であり得る。いくつかの実施形態において、インテークマニホールド300は、管または導管をインテークマニホールド300に接続するために外側ハウジング102から突き出るものとしてよい上部分301aの端部にコネクタ302を備えることができる。上で説明されているように、コネクタ302は、管または導管をコネクタ302に固定し、うっかり脱着する可能性を低減するために、図示されているネジ切りなどの1つ複数の保持機能部を備えることができる。インテークマニホールド300は、インテークマニホールド300の上部分301aの周りに位置決めされた、Oリングなどの封止部材304を備えることができる。封止部材304は、インテークマニホールド300と外側ハウジング102との間に有利に位置決めされ、それにより、インテークマニホールド300の周りからの漏れの潜在的可能性を排除するか、または低減することができる。たとえば、封止部材304は、図17Bに示されているように外側ハウジング102の延長部126内に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、封止部材304は、シリコーンから作ることができる。
【0073】
インテークマニホールド300は、圧力モニタ204と流体的に連通するように設計されているポート306を備えることができる。たとえば、図17Bに示されているように、ポート306は、ポート306内に圧力モニタ204の一部を直接受け入れることができる。これは、ポンプシステム100を通る配管の総量を有利に減らし、および/または漏れを生じる潜在的可能性を低減することができる。ポート306は、インテークマニホールド300の底部分301b上に位置決めされ得るが、望む場合にはインテークマニホールド300の他の部分に沿って位置決めされてもよい。インテークマニホールド300は、ポンプアセンブリ400のインテークポート426に接続するための出口ポート308を備え得る。例示されている実施形態において図示されているように、インテークマニホールド300は、逆止弁または一方向弁を備えていない。いくつかの実施形態において、インテークマニホールド300は、ポンプシステム100内への流れを可能にするが、ポンプシステム100外への流れを阻止するために逆止弁もしくは一方向弁を備えることができる。
【0074】
図18は、組み立てられた構成のポンプアセンブリ400の一実施形態の断面図を示している。図19図20は、これらの様々な構成要素を示すポンプアセンブリ400の分解図を示している。例示されている実施形態において図示されているように、ポンプアセンブリ400は、カバー410、ポンプハウジング420、1以上の弁450、およびポンプチャンバ本体部470を備えることができる。1以上の弁450は、ポンプチャンバ本体部470とダイアフラム550との間に画成され得るダイアフラムチャンバ472を通して流体の流れを制御するために使用され得る。以下でさらに詳しく説明されるように、ダイアフラム550は、ポンプチャンバ本体部470に相対的に移動して、ダイアフラムチャンバ472の容積を変化させることができる。容積のこのような変化の結果、ダイアフラムチャンバ472内の圧力が変化し、これにより、ダイアフラムチャンバ472を出入りする流体流を発生させ得る。たとえば、1以上の弁450は、ダイアフラムチャンバ472内の圧力の変化に応答して交互に開閉するように設計され得る。1以上の弁450は、流体が1以上のインテーク開口部から入り、流体がインテーク開口部と異なり得る1以上の排出開口部から吐出されるようにダイアフラムチャンバ472を通る流体流を制御するように設計され得る。
【0075】
例示されている実施形態において図示されているように、ポンプアセンブリ400は、上極500、下極520、および磁石540を備えることができる。磁石540は、ポンプアセンブリ400の少なくとも一部を通して永久磁界を供給することができる。いくつかの実施形態において、上極500および/または下極520は、磁石540を支持することができる。いくつかの実施形態において、上極500および/または下極520は、コイル600などの、ポンプアセンブリ400の1以上の構成要素に関して磁界をより効果的に整列させるように配置構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、上極500および/または下極520は、コイルを通って流れる電流に対して法線方向となるように磁石の磁界を整形するように配置構成され得る。そうする際に、ポンプアセンブリ400の効率は、有利に高められ得る。いくつかの実施形態において、上極500および/または下極520は、適宜、磁性材料を含み得る。
【0076】
例示されている実施形態に図示されているように、ポンプアセンブリ400は、ボイスコイルアクチュエータ(VCA)を備え得る。ポンプアセンブリ400は、コイル600、シャフト700、および/またはバネ部材750を支持するように設計されている支持部材650を備えることができるピストンサブアセンブリに取り付けられているコイル600を備えることができる。ポンプアセンブリ400は、ベアリングまたはブッシング800も備えることができる。VCAは、磁石540の永久磁界内に完全に吸収される電流を電線内に通すことによってシャフト700の垂直調和運動を発生するために使用され得る。電流は、コイル600を通って流れ磁界を発生させ、それにより、磁石540によって形成される永久磁界により磁力がコイル600に印加され得る。いくつかの実施形態において、コイル600に印加される磁力は、支持部材650に伝えられ、次いで、コイル600と支持部材650との間の機械的接続部を通してダイアフラム550に伝えられ得る。たとえば、支持部材650およびバネ部材750は、コイル600に印加される力を、ダイアフラム550に接続され得るシャフト700に伝えるように設計されるものとしてよく、それによってコイル600に印加される力は、最終的にダイアフラム550に伝達される。コイル600を通って流れる電流を制御することによって、ダイアフラム550の移動が、最終的に制御され得る。いくつかの実施形態において、バネ部材750はシャフト700に取り付けられ、これによりポンプアセンブリ400の共振周波数を変えることができ、それによってその周波数を中心とする効率を高めることができる。いくつかの実施形態において、ブッシング800は、動作中にポンプアセンブリ400の構成要素のアライメントを維持するのを補助するために使用され得る。
【0077】
上で指摘されているように、図19図20は、カバー410およびポンプハウジング420などの様々な構成要素を例示するポンプアセンブリ400の分解図を示している。いくつかの実施形態において、ポンプハウジング420は、ポンプアセンブリ400の構成要素のうちの多くを支持し、保護するように適合され得る。ポンプハウジング420は、図22に最も明確に示されているようにポンプハウジング420の外面内に、および/またはそれに沿って形成されている、インテークチャネル422および排出チャネル424などの1以上の空気チャネルを有することができる。
【0078】
インテークチャネル422は、コネクタ302を介して創傷被覆材と連通し得るインテークポート426から、ポンプハウジング420とポンプチャンバ本体部470との間に形成された、インテーク弁が置かれる、インテーク弁チャンバに対する入口開口部427の方へ、空気などの流体をチャネルで導くか、または連通させるために使用され得る。排出チャネル424は、ポンプハウジング420とポンプチャンバ本体部470との間に形成された、排出弁が置かれる、排出弁チャンバに対する出口開口部429から、空気などの流体をチャネルで導くか、または連通させるために使用され得る。排出チャネル422は、そのような流体を排出ポート428の方へ、およびチャンバ430の内部にチャネルで導くか、または連通させることができ、そこで、最終的に、外側ハウジング102内で大気中に排出され得る。以下でさらに詳しく説明されるように、チャンバ430は、動作中にポンプアセンブリ400によって発生する騒音の量を減らすためにポンプアセンブリ400に対する騒音低減システムの一部を形成し得る。例示されている実施形態において示されているように、チャンバ430は、1以上のリブ431を備え得る。
【0079】
カバー410は、ポンプハウジング420の外面上に位置決めされ得る。カバー410は、接着剤を裏面に塗った箔、フィルム、紙、プラスチック板もしくはラベル、または他の類似の物体であってよい。いくつかの実施形態において、カバー410は、FLEXconのCompucal Excel 10442などのトップコートを使用する3Mの7815などの感熱転写用ポリエステルであってよい。いくつかの実施形態において、カバー410は、プラスチック、金属などから作られた板であってよく、カバー410とポンプハウジング420の外面との間の封止を高めるためにカバー410とポンプハウジング420の外面との間に位置決めするためのガスケットを備えることができる。カバー410は、ポンプハウジング420の外面上に位置決めされたときに、インテークチャネル422および排出チャネル424と連携して封入空気通路を形成し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、カバー410は、インテークチャネル422と排出チャネル424との間の空気短絡を防ぐように設計され得る。いくつかの実施形態において、カバー410は、ポンプハウジング420の外面とモノリシックに形成され得る。
【0080】
図21を参照すると、ポンプハウジング420は、一方の側から別の側へ構成要素を通すことを可能にする1以上の追加の開口部432を備え得る。たとえば、以下でさらに詳しく説明されるように、1以上の開口部432は、電線用導管604がコイル600を回路基板200に接続することを可能にするために使用され得る。開口部432は、ポンプアセンブリ400配管、配線などの電子部品などに対する追加のクリアランスを設けるために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、開口部432は、可撓性回路基板が開口部432を貫通することを可能にすることよって可撓性回路基板が主回路基板に接続することを可能にするように使用され得る。たとえば、図14に示されているように、電線用導管604は、ポンプアセンブリ内部の電子機器がポンプシステム100(図11に示されている)の主回路基板200(図11に示されている)に電気的に接続されるように追加の開口部432から延在し得る。この方法および他の方法により、当業者であれば理解するように、開口部432は、有利には、ポンプハウジング420内およびハウジング420の周りの電線の管理を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、ポンプハウジング420は、組み立てを容易にし、組み立てられたときに構成要素が適切に配向されることを確実にするように設計され得る、例示されている切欠434などの1以上のインデキシング機能部を備え得る。いくつかの実施形態において、ポンプハウジング420は、ポリカーボネート、金属、複合材料など、または材料の組合せから作られ得る。
【0081】
図23図24は、ポンプアセンブリ400とともに使用され得る弁450の一実施形態の様々な図を示している。弁450は、弁450の中間部分で支持されている可撓性および/または変形可能タブ部分もしくは部材452を有することができる。タブ部分452は、フレーム部分454によってその周に沿って囲まれ、タブ部分452から延在するネック部456を介してフレーム部分454に取り付けられ得る。例示されている実施形態に示されているように、開口部またはギャップ458は、タブ部分452とフレーム部分454との間に存在し、流体をタブ部分452の周りに通し、弁450に通すのを容易にすることができる。いくつかの実施形態において、開口部またはギャップ458は、約0.4mm、または約0.3mmから約0.5mmの間の幅を有することができ、タブ部分452の周の約80%を囲むことができる。
【0082】
例示されている実施形態において図示されているように、タブ部分452は、ネック部分456を介して片持ち梁方式で支持され、それにより、タブ部分452は、図23図24に示されているように弛緩した、または閉じられた位置から離れる方向に曲がるか、または撓むことができる。いくつかの実施形態において、弁450は、タブ部分452が曲がり、撓む能力を改善し、それによって弁の効率を潜在的に改善するためにタブ部分452のネック部分456のところに、またはネック部分456に隣接して1以上のヒンジ、継手、関節部、または湾曲部を有することができる。いくつかの実施形態において、弁および弁支持体は、封止およびポンプ効率の改善のために弁または弁支持体のインテーク側に弁が付勢されて当たるように構成され得る。上で説明されているように、ダイアフラム550の移動量は、弁がそれぞれの付勢から離れる反対方向に移動することを引き起こし得る。いくつかの実施形態において、弁は、弁を通り越したときの漏れが低圧条件の下である程度生じるように設計され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、弁450は、約0.1mL/分から約10mL/分の間の速度、または10mL/分未満の漏出速度、低圧条件では、約0.1mL/分から約5mL/分の間、または5mL/分の漏出速度、低圧条件では、約0.1mL/分から約2mL/分の間、または2mL/分未満の漏出速度、低圧条件では、これらの範囲内の部分範囲、または望むとおりに他の漏出速度で、漏れるように設計され得る。そのような漏れは、デバイスの滅菌を容易にすることができる。
【0083】
例示されている実施形態において図示されているように、弁450は、ポンプチャンバ本体部470などの、別の構成要素上の対応するインデキシング機能部とマッチし得る、アラインメントタブ460a、460bなどの、1以上のインデキシング機能部を備え得る。これは、有利には、構成要素に関して弁450の留置、固定、およびアラインメントを容易にすることができる。例示されている実施形態において図示されているように、アラインメントタブ460a、460bは、フレーム部分454の周から延在することができ、異なる形状を有して不適な取付けの可能性を低減することができる。いくつかの実施形態において、弁部材450は、アラインメントタブ460aまたは460bなどの、ちょうど1つのアラインメントタブを有することができる。
【0084】
例示されている実施形態において図示されているように、弁450は、弁450の表面から遠ざかるように延在する隆起した表面またはリブ462(圧縮リングとも称される)を有することができる。例示されている実施形態において図示されているように、リブ462は、フレーム部分454の周に沿って位置決めされ得る。リブ462は、有利には、スペーサとして機能することができ、それにより、タブ部分452と弁450の排出側との間にギャップが存在し、タブ部分452が開放位置まで曲がるかまたは撓むのに十分なスペースを有することを確実にすることができる。リブ462も、有利には、弁とノズルとの間の封止を高めるために入口または排出ノズルに対して予負荷(バイアスとも称される)をかけるように機能し得る。上で説明されているように、いくつかの実施形態において、弁450はポンプチャンバ本体部とポンプハウジングとの間に固定される(サンドイッチ状に挟まれ、とも称される)ものとしてよく、弁は、ポンプチャンバ本体部とポンプハウジングとの間で圧縮される。いくつかの実施形態において、以下でさらに詳しく説明されるように、ポンプチャンバ本体部は、ポンプハウジングにレーザ溶接され得る。弁450が固定されるときに、リブ462は圧縮できる。いくつかの実施形態において、リブ462の圧縮により、入口および排出ノズルに対する予負荷の形成が可能になる。
【0085】
たとえば、いくつかの実施形態において、リブ462の圧縮で、タブ部分452に、たとえば、入口もしくは排出ノズル開口部のインテーク側への方向など、リブから遠ざかる方向の予負荷がかかる。タブ部分452は、リブ462が圧縮されたときに入口排出開口部のノズル平面と接触するまで屈折(屈曲とも称される)するように設計され得る。たとえば、図23図25、および図26を参照すると、弁450は、リブ462がインテーク陥凹部476aの表面の方に面し、排出陥凹部476bの表面から離れる方向に面するようにインテーク陥凹部476aおよび排出陥凹部476b内に留置され得る。リブ462が圧縮されると、インテーク陥凹部476a内の弁450のタブ部分452は、力でポンプハウジング内の入口開口部の方へ押しやられ、排出陥凹部476b内の弁450のタブ部分452は、力でポンプチャンバ本体部470内の排出開口部の方へ押しやられる。このようにして、1以上の弁450のタブ部分452は、タブ部分が入口および排出ノズルの平面を横切って付勢されるように入口および排出ノズルに干渉し得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、弁450は、ゴム、シリコーンなど、または材料の組合せから作られ得る。いくつかの実施形態において、弁450は、所望の初期予負荷および総剛性を満たすように寸法を決められ得る。初期予負荷は、ノズルに対して封止を形成するように設計され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、弁450は、約0.03ミリメートルの入口または排出ノズルに対して初期予負荷を有することができ、総剛性は約12ニュートン/メートルであってよいが、好適な初期予負荷および総剛性が企図されている。
【0087】
図25図27は、ポンプアセンブリ400の一部を形成し得るポンプチャンバ本体部470の一実施形態の様々な図を示している。ポンプチャンバ本体部470は、ダイアフラム550と連携し、ダイアフラムチャンバ472(図18に示されている)を形成し得る。ポンプチャンバ本体部470に関するダイアフラム550の移動を介して、ダイアフラム550は、ダイアフラムチャンバ472の容積を効果的に変化させてダイアフラムチャンバ472への流体流の出入りを発生させることができる。
【0088】
上で説明されているように、ダイアフラムチャンバ472への流体流の出入りは、1以上の弁450によって制御されるものとしてよく、これはダイアフラムチャンバ内の容積および圧力の変化に応答して受動的に移動するように設計され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、1以上の弁450のタブ部分452は、ダイアフラムチャンバ内の容積および圧力の変化に応答して受動的に移動し得る。いくつかの実施形態において、ダイアフラムチャンバ472の内側の容積は、シャフト700がダイアフラム550を(たとえば、それを変形させることによって)ポンプチャンバ本体部470から(たとえば、ブッシング800の方へ)遠ざけるように移動するときに増大し得る。容積のこの増大は、ダイアフラムチャンバ472の内側の圧力を周囲大気圧以下に下げることによって真空状態を発生させることができる。シャフト700が移動して真空状態を作り出したときに、これは吸引行程にあると言うことができる。たとえば、吸引行程のときに、シャフト700は、ダイアフラム550をポンプチャンバ本体部470の入口および排出ノズルの下方および/または入口および排出ノズルから離れる方向におよび/またはポンプアセンブリ400の下死点(BDC)の方へ移動することができる。シャフト700の吸引行程の結果としてダイアフラムチャンバ472内に真空状態が形成されると、入口弁が開き、出口弁が閉じることができる。たとえば、真空状態は、入口弁のタブ部分を入口ノズルのノズル平面から遠ざけて、それによって、入口弁を開くことができ、出口弁のタブ部分を排出ノズルのノズル平面に押し当てて、それによって、出口弁を閉じることができる。同様に、いくつかの実施形態において、ダイアフラムチャンバ472の内側の容積は、シャフト700がダイアフラム550を(たとえば、それを変形させることによって)ポンプチャンバ本体部470の方へ(たとえば、ブッシング800から遠ざけて)移動するときに減少し得る。容積のこの減少は、ダイアフラムチャンバ472の内側の圧力を周囲大気圧よりも高く上げることによって過圧状態を発生させることができる。シャフト700が移動して過圧状態を作り出したときに、これはポンピング行程にあると言うことができる。たとえば、ポンピング行程のときに、シャフト700は、ダイアフラム550をポンプチャンバ本体部470の入口および排出ノズルの上方および/または入口および排出ノズルの方におよび/またはポンプアセンブリ400の上死点(TDC)の方へ移動することができる。シャフト700のポンピング行程の結果としてダイアフラムチャンバ472内に過圧状態が形成されると、出口弁が開き、入口弁が閉じることができる。たとえば、過圧状態は、出口弁のタブ部分を排出ノズルのノズル平面から遠ざけて、それによって、出口弁を開くことができ、入口弁のタブ部分を入口ノズルのノズル平面に押し当てて、それによって、入口弁を閉じることができる。
【0089】
シャフト700の吸引およびポンピング行程によって引き起こされるダイアフラムチャンバ472内の圧力の変化の結果として、いくつかの実施形態において、入口および排出弁は、開閉するとき(たとえば、入口および出口弁が両方ともダイアフラムとポンプチャンバ本体部との間に画成されるダイアフラムチャンバの内側または外側に位置決めされたとき)に互いに関して反対方向に同期して移動することができるか、または開閉するとき(たとえば、入口および出口弁が、一方がダイアフラムチャンバの内側にあるように位置決めされ、一方がダイアフラムとポンプチャンバ本体部との間に画成されたダイアフラムチャンバの外側に位置決めされるとき)に互いに関して同じ方向に同期して移動することができる。
【0090】
いくつかの実施形態において、入口および排出弁は、入口または出口弁が他方の弁が開く前に閉じるほぼ同期した移動を有することができる。この非同期移動(ほぼ同期した移動とも称される)は、上で説明されているようにポンプチャンバ本体部470の入口および排出ノズル開口部のインテーク側に対する1以上の弁450のタブ部分452の予負荷の結果であり得る。予負荷の量は、入口および出口弁について同じまたは異なり得る。いくつかの実施形態において、予負荷は、ダイアフラムチャンバ内の圧力が入口および出口弁を開くために打ち勝たなければならない力の量を表すものとしてよい。たとえば、入口および出口弁のタブ部分の予負荷に関連付けられている力は、それぞれ、入口および出口弁を開くために必要である閾値圧力に対応し得る。閾値圧力は、たとえば、入口弁に対する-10mmHgおよび出口弁に対する10mmHgなどの、好適な基準圧力に関して好適な圧力差であってよく、ここで0mmHgは基準大気圧である。
【0091】
たとえば、シャフト700の吸引行程のときに、入口弁450は、出口弁450が出口ノズルのノズル平面に押し付けられ出口を封止(閉じるとも称される)している間、特定の圧力変化(たとえば、-10mmHg)の下で開くことができ、シャフト700のポンピング行程のときに、出口弁450は、入口弁が入口ノズルのノズル平面に押し付けられ入口を封止(閉じるとも称される)している間に、特定の圧力変化(たとえば、10mmHg)の下で開くことができる。真空状態がシャフト700の吸引行程によって引き起こされるときに、出口弁は入口弁が開く前に閉じることができるが、それは、過圧状態の後に入口弁の予負荷に打ち勝つようにダイアフラムチャンバ内で真空状態を形成するのに短い時間を要するからである。同様に、過圧状態がシャフト700のポンプ行程によって引き起こされるときに、入口弁は出口弁が開く前に閉じることができるが、それは、真空状態の後に出口弁の予負荷に打ち勝つようにダイアフラムチャンバ内で過圧状態を形成するのに短い時間を要するからである。説明されているように、ダイアフラムの移動によって発生する真空および過圧状態が、予負荷の量を超えたときに、入口および排出弁450のタブ部分452が開くことができる。これは、流体がダイアフラムチャンバ472内に流れむこと、および流れ出ることを可能にし得る。入口および排出ノズル開口部に対する予負荷がノズルに対して弁を封止するのを助けることに加えて、弁450は、また、ポンピング作用のときにダイアフラムチャンバ472内に発生した真空および過圧状態が入口および排出弁のタブ部分452を入口および排出ノズルに押し付けるのを助けるように設計することもできる。
【0092】
いくつかの実施形態において、ダイアフラムチャンバ472への流体の流入および流出を制御するために、ポンプアセンブリ400は、弁450などの、1以上の弁を備えることができる。いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部470は、ポンプアセンブリ400の1以上の弁を受け入れ、支持するように設計されている弁支持部分474を含み得る。上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上の弁450は、ポンプチャンバ本体部470とポンプハウジング420との間に固定され得る。いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部470とポンプハウジング420との間に1以上の弁を留置することで、ポンプチャンバ本体部470とポンプハウジング420との間のダイアフラムチャンバ472に隣接する1以上の対応するプリチャンバを画成することができる。いくつかの実施形態において、プリチャンバは、それらの間の空気の短絡を回避するために、ポンプチャンバ本体部470をポンプハウジング420の内側に接続することができるレーザ溶接プロセスによって封止され得る。
【0093】
例示されている実施形態において図示されているように、弁支持部分474は、弁支持部分474の表面475に沿って形成される、インテークまたは入口陥凹部476aおよび排出または出口陥凹部476bなどの、1以上の陥凹部を備えることができる。陥凹部476a、476bは、1以上の弁を受け入れ、支持するように設計され得る。いくつかの実施形態において、陥凹部476a、476bは、それらが受け入れるように設計されている弁よりも大きい。より大きい陥凹部は、有利に、弁が圧縮されたときに生じ得る材料変形に対応するに機能し得る。入口陥凹部476aは、ダイアフラムチャンバ472と流体的に連通することができる入口開口部478aを備えることができる。入口陥凹部476aはインテーク弁と連携して、ポンプアセンブリ400のインテーク段階のときにダイアフラムチャンバ472内に流体が入ることを可能にすることができる。出口陥凹部476bは、ダイアフラムチャンバ472と流体的に連通することができる出口開口部478bを備えることができる。出口陥凹部476bは排出弁と連携して、ポンプアセンブリ400の排出段階のときにダイアフラムチャンバ472内に流体が入ることを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、表面475は、ポンプハウジング420の内面の近くに、または隣接して位置決めされるように設計され得る。したがって、ポンプハウジング420の内面は、入口陥凹部476aと連携して、出口陥凹部476bを介してインテーク弁チャンバおよび排出弁チャンバを形成し得る。いくつかの実施形態において、表面475とポンプハウジング420の内面との間にシーラントまたはガスケットが位置決めされ、それにより、これら2つの構成要素の間の封止を増強することができる。
【0094】
いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部470は、ポンプハウジング420にレーザ溶接などで溶接され得る。たとえば、吸収体材料を透明材料に通した後に融点まで加熱することによってポンプチャンバ本体部470の吸収体材料をポンプハウジング420の透明材料に溶接するためにレーザビームが使用され得る。透明材料は、レーザがポンプハウジングを通過し、ポンプチャンバ本体部上の、および/またはポンプチャンバ本体部内の吸収体材料を加熱することを可能にし得る。同様に、吸収体材料は、吸収体材料の温度が融点まで高めることができるようにレーザからの光の吸収を容易にする好適なレーザ吸収色素を含み得る。透明材料は、レーザが通過することを可能にし得るが、吸収体材料は、レーザが吸収されることを可能にし得る。レーザからのエネルギーの吸収を容易にするために、および次いで、吸収体材料の温度を融点まで高めるために、吸収体材料は、レーザによって放射される光の波長を吸収する色素を含むことができる。いくつかの実施形態において、吸収体材料の色素は、透明材料に関してより暗い色であるものとしてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、吸収体材料は、たとえば、1%~10%の間の黒色色素、1%~100%の間の黒色色素、5%~100%の間の黒色色素、50%~100%の間の黒色色素、80%~100%の間の黒色色素、90%~100%の間の黒色色素、もしくは他の好適なパーセンテージの間、または100%未満の黒色色素、90%未満の黒色色素、50%未満の黒色色素、15%未満の黒色色素、もしくは他の好適なパーセンテージ未満などの、適切に定められたパーセンテージの黒色色素を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、吸収体材料中の黒色色素のパーセンテージは、1%、30%、80%、95%、100%、または他の任意の好適なパーセンテージであってよい。いくつかの実施形態において、吸収体材料が有するレーザ吸収色素のパーセンテージが高ければ高いほど、与えられたレーザ光量に対して吸収体材料が溶けるのが速くなる。いくつかの実施形態において、ポンプハウジング420に溶接されるべきポンプチャンバ本体部470の部分のみが黒色である。溶接プロセスのときに、ポンプハウジング420およびポンプチャンバ本体部470は、たとえば、クランプを使用して互いに関して任意の次元で2つの構成要素が移動するのを防ぐために定圧、昇圧、または減圧で一緒に保持され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、バネクランプまたは空気式クランプが使用され得るが、好適な任意の張力供給クランプが企図される。ポンプハウジング420およびポンプチャンバ本体部470は、一緒に保持されるが、レーザビームは、設計された溶融輪郭に沿って誘導され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部470は、溶融輪郭に沿ってレーザ吸収色素を有することができる。その結果得られる溶融輪郭は、ポンプハウジングとポンプチャンバ本体部との間のレーザ溶接を表す。いくつかの実施形態において、ポンプハウジングおよびポンプチャンバ本体部を一緒に接続する溶融輪郭490は、図58に示されているように設計され得る。もちろん、他の任意の好適な形状の輪郭も企図される。溶融輪郭が固化した後、ポンプチャンバ470とポンプハウジング420との間の強力な接続が作り出される。いくつかの実施形態において、透明および吸収材料は、化学的親和性を有するように選択され得る。たとえば、透明および吸収材料は、同じ分子の異なる色素であってよい。図19を参照すると、ポンプチャンバ本体部470は、ポンプハウジング420の下側からポンプハウジング420にレーザ溶接され得る。いくつかの実施形態において、ポンプハウジング420の表面上のインテークおよびアウトテークチャネルは傾斜を付けることができ(図22に示されているように)、それにより、溶接プロセスのときにレーザがチャネル上を通り過ぎるときのレーザ回折の急激な変化を防ぐことができる。たとえば、インテークチャネル422および排出チャネル424は、図22に示されているように1以上の傾斜部分435を有することができる。いくつかの実施形態において、1以上の傾斜部分435は、真っすぐな、および/または湾曲した外形を有することができる。
【0095】
例示されている実施形態において図示されているように、陥凹部476a、476bは、弁部材450のアラインメントタブ460a、460bなどの、弁の対応するインデキシング機能部を受け入れるサイズおよび形状を有する、陥凹部480a、480bなどの1以上のインデキシング機能部を有することができる。アライメントタブ460a、460bおよび陥凹部480a、480bの位置決めは、弁部材450が陥凹部476a、476b内に位置決めされるときに適切に配向されおよびアラインメントされることを確実にすることができる。留意すべきは、いくつかの実施形態において、同じ弁450は、弁450の配向に応じてインテーク弁または排出弁のいずれかとして機能できることである。したがって、アライメントタブ460a、460bおよび陥凹部480a、480bの位置は、弁450が、弁450が留置される入口陥凹部476aまたは出口陥凹部476bなどの陥凹部に応じてインテーク弁または排出弁として機能するように適切に配向されることを確実にすることができる位置である。弁450の適切な配置は、リブ462が所望の方向に面すること、およびタブ部分452が、ポンプハウジング420の入口開口部、ポンプチャンバ本体部の出口開口部478bなどの弛緩または閉鎖状態にあるときの適切な開口部を覆うことを確実にすることができる。
【0096】
さらに、例示されている実施形態において図示されているように、ポンプチャンバ本体部470は、ポンプハウジング420の切欠434などの、別の構成要素上の対応するインデキシング機能部とマッチし得る、隆起部481などの、1以上のインデキシング機能部を備え得る。いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部470は、ポリカーボネートなどのプラスチック、金属、複合材料など、または材料の組合せから作られ得る。
【0097】
図28図31は、ポンプアセンブリ400の一部を形成し得るダイアフラム550の一実施形態の様々な図を示している。例示されている実施形態において図示されているように、ダイアフラム550は、接続部分560および周部分570を備え得る。いくつかの実施形態において、接続部分560は、接続部分560がダイアフラム550の概して中心にくるようにダイアフラム550の概して軸方向中心線に沿って位置決めされ得る。接続部分560は、シャフト700などの別の構成要素が挿入できる陥凹部562を備え得る。いくつかの実施形態において、ダイアフラム550は、ポンプアセンブリ400の残り部分とのシャフト700の径方向アライメントを維持するのを助けるように設計され得る。陥凹部562は、下を切り取られた部分564を備え、それによって、陥凹部562の少なくとも周の周りにリップ部566を形成することができる。いくつかの実施形態において、下を切り取られた部分564は、ダイアフラムに印加される応力の量を減らすように構成されている半径を有することができる。リップ部566は、有利には、他の構成要素が移動すると、結果として、ダイアフラム550も移動するようにシャフト700などの他の構成要素をダイアフラム550に解放可能に固定することができる。例示されている実施形態において図示されているように、リップ部は、ダイアフラム550の寿命を延ばすことができるフィレット形状のおよび/または面取りしたエッジを備えることができる。たとえば、フィレット形状のエッジおよび/または面取りしたエッジは、ダイアフラム550が生産用治工具から取り出されるときに接続部分560に印加される応力の量を減らすことができる。
【0098】
例示されている実施形態において図示されているように、周部分570は、環状リングの形態の本体部分572と、本体部分572の底面から延在するリップ部574を備えることができる。リップ部574は、本体部分572と一体形成され得る。リップ部574からの結果として厚さが増大すると、ダイアフラムの周部分570の封止性が改善され、したがって、ダイアフラム550の封止性が改善され得る。
【0099】
例示されている実施形態において図示されているように、接続部分560は、ウェブ580を介して周部分570に取り付けられ得る。ウェブ580は、接続部分560が周部分570に相対的に移動することを可能にし、ダイアフラム550の内部容積552を変えることを可能にするようなサイズおよび形状を有することができる。いくつかの実施形態において、ウェブ580は、好適な弾性率を有する弾力材から作ることができる。これは、ウェブ580がウェブ580にかかる力に応答して一時的に変形することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、ウェブ580は、接続部分560と周部分570との間の相対的移動を可能にするように過剰材料で設計され得る。たとえば、例示されている実施形態において図示されているように、ウェブ580は、ウェブ580にある程度のたるみがあり、初期構成において湾曲した形状を取るように過剰材料を有する。接続部分560が周部分570から遠ざかる場合、ウェブ580は、ウェブ580のたるみがなくなることである程度真っすぐにすることができる。いくつかの実施形態において、周部分570に関して接続部分560の半径を縮小してウェブ580の全長を増やすことは有利であり得る。これは、一定の、循環運動を受け得るダイアフラム550の寿命を有利に延ばすことができる。いくつかの実施形態において、ウェブ580が図28図31に示されているような初期構成をとるときに接続部分560の近くにあるウェブ580の半径582を増やすことが有利であり得る。たとえば、半径582は、ウェブ580と接続部分560との間の接合部がより厚くなるように増やすことができる。これは、ウェブ580と接続部分560との間の接合部における歪みを減らすことができ、次いで、これは、疲労を低減し、ダイアフラム550が半径580の近くまたは半径580の周りで壊れる可能性を小さくすることができる。いくつかの実施形態において、半径582は一様であるか、または接続部分562に近づくにつれ徐々に大きくなるものとしてよい。いくつかの実施形態において、ウェブ580の長さが大きくなるように接続部分560の直径を縮小することは有利であり得る。同様に、いくつかの実施形態において、接続部分560と周部分570との間のウェブ580の厚さおよび/または半径を増やすことは有利であり得る。これは、接続部分560と周部分570の間のウェブ580の歪みを減らすことができ、次いで、これは、疲労を低減し、ダイアフラム550がウェブ580の接続部分560と周部分570との間で壊れる可能性を小さくすることができる。いくつかの実施形態において、ダイアフラム550は、ゴムなどのポリマー、シリコーンなど、または材料の組合せから作られ得る。
【0100】
図32図33は、ポンプアセンブリ400の一部を形成し得るスペーサ590の一実施形態の様々な図を示している。いくつかの実施形態において、スペーサ590は、ポンプチャンバ本体部470に関してダイアフラム550を適切な位置に維持するため組み立てられた状態にあるときにダイアフラム550の上に位置決めされ得る。たとえば、スペーサ590は、スペーサ590がポンプチャンバ本体部470に対してダイアフラム550を圧縮状態に維持し、それによってダイアフラム550とポンプチャンバ本体部470との間の封止係合を維持するように位置決めされ得る。
【0101】
例示されている実施形態において図示されているように、スペーサ590は、例示されているリングなどの本体部分592を備え得る。本体部分592は、ポンプアセンブリ400内のスペーサ590の位置決めおよび配向を容易にすることができる本体部分592から延在する1以上のアライメントタブ594を備えることができる。たとえば、アライメントタブ594は、ポンプチャンバ本体部470(図25に示されているような)上に形成されたスロット482に対応し得る。いくつかの実施形態において、本体部分592は、本体部分592とダイアフラム550との間の接触表面598の表面積を増大させるために径方向内向き突起部596を備えることができる。これは、接触表面598に沿ってダイアフラム550に印加される局部応力を低減し、ダイアフラム550が故障する可能性を低くすることができる。いくつかの実施形態において、スペーサ590は、プラスチック、金属、複合材料など、または材料の組合せなどの材料から作られ得る。いくつかの実施形態において、スペーサ590は、ポリフェニレンエーテル(PPE)から作ることができる。
【0102】
図18図20を再び参照すると、ポンプアセンブリ400は、上極500、下極520、および磁石540を備え得る磁気アセンブリを具備することができる。上極500および下極520の一方または両方は、磁石540を支持することができる。いくつかの実施形態において、上極500および/または下極520の配置構成および/または留置は、有利には、磁石540の磁界を整列させ、ポンプアセンブリ400の効率を高める。磁界のそのような整列は、ポンプアセンブリ400の効率を改善することができる。磁界の整列に関する詳細は、米国特許出願公開第2013/0331823号明細書および国際公開第2013/171585号においてより詳しく説明されており、これらは両方とも本開示の一部であるかのように参照により本明細書に組み込まれている。
【0103】
上極500は、上極500の軸方向中心線を通って形成される開口部502を有することができる。ブッシング800は、開口部502内に位置決めされ、および/または上極500によって支持され得る。いくつかの実施形態において、上極500は、第1の部分504と第1の部分を横断して延在する第2の部分506を備えることができる。例示されている実施形態において図示されているように、第1の部分504は、一般的に平面状であり、上極500の軸方向中心線に一般的に垂直な方向に延在し得る。第2の部分506は、第1の部分504に関してほぼ90度の角度で軸方向中心線に一般的平行な方向に第1の部分504から遠ざかるように延在し得る。いくつかの実施形態において、第2の部分506は、限定はしないが、約10度から約170度の間、約30度から約150度の間、約45度から約135度の間、約60度から約120度の間、これらの範囲内の部分範囲、または望むとおりに第1の部分504に関する他の角度などの、第1の部分504に関する90度超または90度未満の角度で第1の部分504から遠ざかって延在し得る。いくつかの実施形態において、上極500は、軟鋼、GKN72-IBP2(S-FeP-130)などの焼結軟磁性金属、または焼結鋼(または好適な磁性もしくは強磁性材料)などの材料から作ることができる。
【0104】
下極520は、下極520の軸方向中心線を通って形成される開口部522を備えることができる。開口部522は、上極500の第2の部分506が通過できるようなサイズおよび形状を有し得る。例示されている実施形態において図示されているように、下極520は、上極500から離間され、ポンプハウジング420によって支持され得る。下極520は、軟鋼、GKN72-IBP2(S-FeP-130)などの焼結軟磁性金属、または焼結鋼(または好適な磁性もしくは強磁性材料)から作ることができる。
【0105】
磁石540は、上極500と下極520との間に位置決めされ得る。磁石540は、磁石540の軸方向中心線を通って形成される開口部542を有することができる。いくつかの実施形態において、磁石540の頂面は、上極500の第1の部分504の底面の近く、または底面に隣接して位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、磁石540の底面は、下極520の頂面の近く、または頂面に隣接して位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、磁石540は、上極500の第2の部分506が磁石540の開口部542を貫通するように位置決めされ得る。そのような配置構成において、磁界は、上極500の第1の部分502から遠ざかり、コイル600の中心に近づくようにシフトされ得る。磁石540は、ネオジム-鉄-ホウ素(NdFeB)-N45M、ネオジムN33、または他の好適な磁性材料から作られ得る。この材料は、磁界強度を最大化し、損失を最小にするために使用され、それによって、ポンプアセンブリ400の効率を高めることができる。
【0106】
図18図20を引き続き参照すると、ポンプアセンブリ400は、コイル600を備え得る。コイル600は、限定することなく、銅線または他の導電性材料などの、一定の長さの導電性巻線から形成された本体部602を有することができる。したがって、電流を本体部602に流した後、磁界が、概してコイル600に対する軸方向中心線に平行な方向に沿った向きで生成され得る。理解されるように、磁界の方向は、コイル600を通る電流の流れの方向を逆転することによって逆にすることができる。電流をコイル600に供給するために、電線用導管604は、コイル600の両端に接続され得る。いくつかの実施形態において、電線用導管604は、回路基板200に取り付けられた可撓性プリント基板(FPC)であってよい。細長い電線などの、他のタイプの電線用導管604も使用することができる。
【0107】
例示されている実施形態において図示されているように、コイル600は、上極500の第2の部分506が通過できるようなサイズおよび形状を有し得る開口部606を有することができる。図18に示されているように、コイル600は、上極500と下極520との間に位置決めされ、磁石540の近くに位置決めされ得る。したがって、コイル600に供給される電圧が、正の電圧と負の電圧との間で発振すると、コイル600は、ポンプアセンブリ400内で2つの極500、520の間で上下に振動し得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、コイル600は、約160巻き、約100巻きから、または200巻き未満もしくは200超巻きの電線を巻くことによって形成され、限定はしないが、42ゲージ(直径約0.102mm)の電線とすることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、コイル600は、約144巻きの電線を巻くことによって形成され得る。いくつかの実施形態において、電流がコイル600を通過するときにコイル600に所望のレベルの力が印加されるように必要な電線の適切な巻き数を決定するためにローレンツの法則が使用され得る。使用される電線は、熱を加えた後に電線の隣接するセクションに接着する自己融着線であってよい。電線は、非自己融着線であってもよい。いくつかの実施形態において、約200巻きの電線、または最大約260巻きの電線が、コイルの形成に使用できる。電線の巻き数を増やすと、潜在的に、抵抗損を低減し、ポンプアセンブリ400の全体的効率を約22%から約24%の間だけ改善できる。電線の巻き数が増え、それによってポンプの効率が高まると、磁石のサイズまたは厚さを縮小することができ、それによって、ペースメーカーおよび他の植え込み型心臓デバイス(ICD)の機能に干渉するおそれのあるポンプアセンブリ400の外部の磁界を低減することができる。
【0109】
図34図35は、コイル600を支持し、コイル600をダイアフラム550などのポンプアセンブリ400の他の構成要素に接続するように設計され得る、スパイダーなどの支持部材650の一実施形態を例示している。図示されている実施形態に示されているように、支持部材650は、長手方向に伸長するフィンガ部662を有する周部分660を備え得る。フィンガ部662は、コイル600の開口部606内に受け入れられ得る。いくつかの実施形態において、突起部662は、支持部材650に関して所望の位置にコイル600を維持するために摩擦および/または締まり嵌めで開口部606内に受け入れられるようにサイズおよび位置を決められ得る。いくつかの実施形態において、コイル600は、接着剤などの機械的固定手段および/または化学的固定手段を介して支持部材650に貼り付けられ得る。周部分660は、環状リング664の表面から延在する1以上の隆起したプラットフォーム666を有することができるリング664を備え得る。隆起したプラットフォーム666は、環状リング664からコイル600を隔てて並べるように設計され得る。
【0110】
例示されている実施形態において図示されているように、支持部材650は、1以上のアーム部672を介して周部分660に取り付けられた基部670を備えることができる。アーム部672は、ポンプチャンバ本体部470のスロット482、上極500のスロット508、および/またはブッシング760上の壁部材804の間のスロットと整列され得る。いくつかの実施形態において、アーム部672は、ポンプアセンブリ400の動作中に支持部材650の軸方向中心線に沿った回転を制限するようにそのようなスロットに関するサイズおよび/または形状を有することができる。アーム部672は、周部分660が基部670に関して移動し、およびその逆に移動するときにアーム部672内の屈曲の量を制限する比較的剛性の高いものとなるように設計され得る。
【0111】
基部670は、シャフト700などのポンプアセンブリ400の別の構成要素が通過することを可能にするための開口部674を備え得る。例示されている実施形態において図示されているように、開口部604は、コレット676、または締付け部材の他の形態を備え、締まりおよび/または摩擦嵌めで構成要素を基部670により確実に留めることができる。基部670は、開口部678などの1以上のインデキシング機能部を備え、シャフト700などのポンプアセンブリ400の他の構成要素に関して基部670の位置決めおよびアラインメントを容易にすることができる。
【0112】
図36図37は、ポンプアセンブリ400の一部を形成し得るシャフト700の一実施形態の様々な図を示している。シャフト700は、第1の端部分710、中間部分720、および第2の端部分730を備えることができる。いくつかの実施形態において、シャフト700は、ダイアフラム550を支持部材650に接続するために使用され得る。このようにして、シャフト700は、コイル600からの運動をダイアフラム550に伝達することができる。
【0113】
例示されている実施形態において図示されているように、シャフト700の第1の端部分710は、ダイアフラム550の接続部分560内に形成されている陥凹部562内に受け入れられ得る。端部分710は、下を切り取られた部分712と環状リップ部714とを備え、シャフト700をダイアフラム550の接続部分560に固定することができる。環状リップ部714のエッジは、陥凹部562の下を切り取られた部分564のものと類似のフィレットおよび/または面取り面を備えることができる。端部分710は、締まり嵌めでダイアフラム550の接続部分560上に保持され得る。これは、有利には、シャフト700とダイアフラム550の接続部分560との間の遊びの量を低減できる。いくつかの実施形態において、シャフト700は、接着剤でダイアフラム550の接続部分560にさらに固定され得る。
【0114】
中間部分720は、支持部材650への接続のための機能部を備え得る。たとえば、例示されている実施形態において図示されているように、中間部分720は、コレット676と連携することができる1以上のテーパ付き機能部722、724を備えることができる。シャフト700は、長手方向に延在するリブ726などの1以上のインデキシング機能部を備えることができ、これは支持部材650の開口部678などのポンプアセンブリ400の1以上の構成要素のインデキシング機能部と連携することができる。いくつかの実施形態において、シャフト700は、プラスチック、金属、複合材料など、または材料の組合せなどの材料から作られ得る。いくつかの実施形態において、シャフト700は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)から作ることができる。
【0115】
図38は、ポンプアセンブリ400の一部を形成し得るバネ750の一実施形態の斜視図を示している。バネ750は、シャフト700などの、ポンプアセンブリ400の構成要素が通過することができる開口部752を備え得る。図18に示されているように、バネ750は、シャフト700のプラットフォーム728と支持部材650のコレット676との間に位置決めされ得る。バネ750は、シャフト700に関してバネ750のアライメントおよび配向を容易にするためにシャフト700上のインデキシング機能部に対応し得る、切欠754などの1以上のインデキシング機能部を備え得る。いくつかの実施形態において、バネ750の外周は、スペーサ590とブッシング800との間に位置決めされ得る。したがって、シャフト700がブッシング800に関して移動されると、バネ750によってシャフト700に印加される力は変化し得る。いくつかの実施形態において、バネ750は、バネ750の外周に関してバネ750の中間部分の変形を可能にする1以上の切欠758を備え得る。これらの切欠758の長さおよび幅は、バネ750のバネ定数を変化させるように変えることができる。いくつかの実施形態において、切欠の幅は、ポンプアセンブリ400の動作中にバネ750の部分の間の潜在的な干渉を回避するように選択され得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、バネ部材750は、ダイアフラム550および/または他の振動する構成要素ポンプアセンブリ400の共振周波数に対する周波数同調または調整を行うようなサイズを有し、そのように設計され得る。いくつかの実施形態において、バネ部材750は、ポンプアセンブリ400の残り部分とのダイアフラム550、コイル600、支持部材650、および/またはシャフト700の径方向アライメントを維持するのを助けるように設計され得る。いくつかの実施形態において、バネは両方の機能を備えるものとしてよい。バネ部材750は、AISI 301 H03 3/4硬質-ステンレス鋼、バネ鋼、青銅、または他の好適な材料などのステンレス鋼から作られ得る。
【0117】
図39図40は、ポンプアセンブリ400の一部を形成し得るブッシング800の一実施形態の様々な図である。ブッシング800は、ポンプアセンブリ400の残り部分とのダイアフラム550、コイル600、支持部材650、および/またはシャフト700の径方向アライメントを維持するのを助けるように設計され得る。ブッシング800は、また、ダイアフラム550などのポンプアセンブリ400の他の構成要素への損傷を回避するために、支持部材650などのポンプアセンブリ400の構成要素の移動を制限するためにも使用され得る。
【0118】
例示されている実施形態において図示されているように、ブッシング800は、ブッシング800の軸方向中心線から概して径方向外向きの方向に延在し得る基部802を備えることができる。基部802は、基部802を概して横断する形で延在し得る1以上の壁部材804を備え得る。例示されている実施形態において、1以上の壁部材804は、ブッシング800の軸方向中心線と概して平行な方向に延在する。たとえば、図39に示されているように、基部802は、3つの壁部材804を有することができる。ブッシング800の壁部材804は、ダイアフラム550の周部分570にバネ750およびスペーサ590を押し付けてダイアフラム550のリップ部574がポンプチャンバ本体部470に対して圧縮されるように設計され得る。上で説明されているように、ダイアフラム550のリップ部574を圧縮してポンプチャンバ本体部470に当てることで、ダイアフラム550の封止性を改善することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、リップ部574を圧縮してポンプチャンバ本体部470に当てることで、ダイアフラムチャンバ472を封止するのを助けることができる。基部802は、基部802の表面808から延在する突起部806を備え得る。突起部806は、一般的に基部802の中心に置かれ、図18により明確に示されているように支持部材650に対するストッパとしての機能を果たすように設計され得る。たとえば、突起部806は、ポンプアセンブリに対する上死点(「TDC」)において支持部材650と接触することができる。このようにして、支持部材650はダイアフラム550が伸長しすぎることを防ぎ、それによって、ダイアフラム550への損傷の可能性を低減することができる。以下でさらに詳しく説明されるように、ポンプチャンバ本体部470およびブッシング800は、レーザ溶接で繋ぎ合わせられるように設計され得る。このようにして、ブッシング800およびポンプチャンバ本体部470は、たとえば、シャフト700、支持部材650、およびダイアフラム550などのポンプの振動する構成要素に関して移動しないように設計される。
【0119】
いくつかの実施形態において、ブッシング800の軸方向中心線から測定したときの、突起部806の径方向寸法は、基部802の径方向寸法の約75%未満、基部802の径方向寸法の約50%未満、基部802の径方向寸法の約25%未満、基部802の径方向寸法の約25%から約75%、基部802の径方向寸法の約40%から約60%、基部の径方向寸法の約50%、これらの範囲内の部分範囲、または所望の他のパーセンテージなど、基部802の径方向寸法よりも小さいものとしてよい。いくつかの実施形態において、基部802に関する突起部806の径方向寸法に加えて基部802に関する突起部806の深さは、アーム部672がポンプアセンブリ400の動作中に基部802と接触しないように支持部分650のアーム部672における屈曲を考慮するように選択され得る。
【0120】
例示されている実施形態において図示されているように、ブッシング800は、例示されているフィンガ部810およびリブ812などのインデキシング機能部を備えるものとしてよく、これはポンプアセンブリ400の他の構成要素に関するブッシング800の配向および整列を容易にすることができる。さらに、フィンガ部810およびリブ812は、ポンプアセンブリ400の他の構成要素に関してブッシング800の径方向アライメントを維持するために使用され得る。いくつかの実施形態において、ブッシング800は、シャフト700の第2の端部分730などの、構成要素を中に受け入れるための開口部814を備えることができる。開口部814は、ブッシング800の軸方向中心線を通って形成され得る。開口部814の直径は、シャフト700に著しい摩擦を与えることなくシャフト700におけるふらつきを低減するように設計され得る。ブッシング800は、低摩擦材料(ポリマーもしくは他の材料)または他の好適な材料から形成され得る。たとえば、ブッシング800は、ポリカーボネート、リン酸銅、オイライト、PTFE、アセタール、ナイロン、PTFEなど、または材料の組合せから作られ得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、ブッシング800は、ポンプチャンバ本体部470にレーザ溶接され得る。たとえば、ポンプチャンバ本体部470にポンプハウジング420をレーザ溶接することに関して上で説明されているように、吸収体材料を透明材料に通した後に融点まで加熱することによってポンプチャンバ本体部470の吸収体材料をブッシング800の透明材料に溶接するためにレーザビームが使用され得る。透明材料は、レーザがブッシングを通過し、ポンプチャンバ本体部上の、および/またはポンプチャンバ本体部内の吸収体材料を加熱することを可能にし得る。同様に、吸収体材料は、吸収体材料の温度が融点まで高めることができるようにレーザからの光の吸収を容易にする好適なレーザ吸収色素を含み得る。透明材料は、レーザが通過することを可能にし得るが、吸収体材料は、レーザが吸収されることを可能にし得る。レーザからのエネルギーの吸収を容易にするために、および次いで、吸収体材料の温度を融点まで高めるために、吸収体材料は、レーザによって放射される光の波長を吸収する色素を含むことができる。いくつかの実施形態において、吸収体材料の色素は、透明材料に関してより暗い色であるものとしてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、吸収体材料は、たとえば、1%~10%の間の黒色色素、1%~100%の間の黒色色素、5%~100%の間の黒色色素、50%~100%の間の黒色色素、80%~100%の間の黒色色素、90%~100%の間の黒色色素、もしくは他の好適なパーセンテージの間、または100%未満の黒色色素、90%未満の黒色色素、50%未満の黒色色素、15%未満の黒色色素、もしくは他の好適なパーセンテージ未満などの、適切に定められたパーセンテージの黒色色素を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、吸収体材料中の黒色色素のパーセンテージは、1%、30%、80%、95%、100%、または他の好適なパーセンテージであってよい。いくつかの実施形態において、吸収体材料が有するレーザ吸収色素のパーセンテージが高ければ高いほど、与えられたレーザ光量に対して吸収体材料が溶けるのが速くなる。いくつかの実施形態において、ブッシング800に溶接されるべきポンプチャンバ本体部470の部分のみが黒色である。たとえば、図25および図27に示されているように、ポンプチャンバ本体部470は、3つの垂直フランジ485を備えるものとしてよく、各々機械的ストッパ483および2つの円周溶接表面484を有する。いくつかの実施形態において、溶接表面484のみが黒色である。機械的ストッパ483は、溶接中にポンプチャンバ本体部470内へのブッシング800の貫通を制御するように設計され得る。図25および図27に示されているように、3つの垂直フランジ485は、スペーサ590を参照しつつ上で説明されている3つのスロット482によって分離され得る。いくつかの実施形態において、ブッシング800は、3つのリブ812を有することができる。リブ812は、有利には、所望の貫通量で溶接中にポンプチャンバ本体部470内へのブッシング800の貫通を停止するように機能し得る。たとえば、リブ812は、底面がポンプチャンバ本体部470の機械的ストッパ483と接触するように設計され得る。このようにして、ブッシング800が貫通する程度が制御され得る。
【0122】
溶接プロセスのときに、ポンプチャンバ本体部470およびブッシング800は、たとえば、クランプを使用して互いに関して任意の次元で2つの構成要素が移動するのを防ぐために定圧、昇圧、または減圧で一緒に保持され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、バネクランプまたは空気式クランプが使用され得るが、好適な任意の張力供給クランプが企図される。ポンプチャンバ本体部470およびブッシング800は、一緒に保持されるが、レーザビームは、設計された溶融輪郭に沿って誘導され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部470は、溶融輪郭に沿ってレーザ吸収色素を有することができる。その結果得られる溶融輪郭は、ポンプチャンバ本体部470とブッシング800との間のレーザ溶接を表す。いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ本体部とブッシングとを一緒に接続する溶融輪郭890は、図59に示されているように設計され得る。もちろん、垂直フランジ485の溶接表面484と合致する他の好適な形状の輪郭も企図される。溶融輪郭が固化した後、ポンプチャンバ本体部470とブッシング800との間の強力な接続が形成される。いくつかの実施形態において、透明および吸収材料は、化学的親和性を有するように選択され得る。たとえば、透明および吸収材料は、同じ分子の異なる色素であってよい。図19を参照すると、ポンプチャンバ本体部470は、ブッシング800の上側からブッシングにレーザ溶接され得る。
【0123】
図41図46は、騒音低減システムの実施形態を例示している。図41に例示されている実施形態において図示されているように、騒音低減システムは、ポンプハウジング420と一体形成されているチャンバ430を備えることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、チャンバ430は、直線AAに沿った図41のポンプハウジングの側断面図である、図42に示されているようなポンプハウジング420と一体形成され得る。図21および図22は、ポンプハウジング420と一体形成されているチャンバ430を有する実施形態も示している。もちろん、図41図42図21、および図22に示されているチャンバ430は、例示的であり、非制限的であり、当業者であれば、他の好適な一体形成されたチャンバが企図されていることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、チャンバ430は、ポンプハウジング420から分離しており、ポンプハウジング420に取り付けられ得る。たとえば、図44および図45は、チャンバ430がポンプハウジング420’、420”から分離されているポンプハウジング420’、420”を示している。チャンバ430は、たとえば、図44の排出チャネル424’に沿ったどこか、または図45の開口部436”の周りのどこかなど、流体流路に沿った好適な位置で図44および図45のポンプハウジング420に取り付けられ得ることは理解されるであろう。
【0124】
チャンバ430は、減衰構成要素902(消音器とも称される)を受け入れるように設計され得る。減衰構成要素は、ポンプからの騒音放射を低減することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプのアウトテーク流は、アウトテーク流中の圧力波の周波数および/または振幅が低減され、次いでポンプによって放射される騒音を減衰させるように減衰構成要素中を通過することができる。減衰構成要素902は、ポンプチャンバ430内に留置される形でポンプハウジング中に一体化され得る。上で説明されているように、いくつかの実施形態において、ポンプチャンバ430は、ポンプハウジング420と一体形成されるものとしてよく、他の実施形態では、ポンプチャンバ430は、ポンプハウジング420’に別々に取り付けられ得る。たとえば、図41図42図21、および図22に示されているように、減衰構成要素902は、チャンバ430内に留置される形でポンプハウジング420と一体化され得る。他の実施形態において、減衰構成要素は、ポンプハウジング420に別々に取り付けられるチャンバ430内に留置され得る。例示されている実施形態に示されているように、減衰構成要素902は、摩擦および/または締まり嵌めでチャンバ430内に受け入れられ得る(一体化されるとも称される)が、減衰構成要素902とチャンバ430との間の好適な接続が評価され、企図される。いくつかの実施形態において、外側ハウジング102の1以上の機能部を介して、減衰構成要素902がチャンバ430から出るのを防止することができる。いくつかの実施形態において、図41図42図21、および図22に示されているチャンバ430の配向は、ポンプハウジング420’’’およびチャンバ430’’’を例示する図47に示されているように反転させることができる。いくつかの実施形態において、チャンバ430’’’はハウジング420’’’と一体形成できる。それに加えて、図22および他の関係する図を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、排出チャネル424は、そのような流体を排出ポート428の方へ、およびチャンバ430の内部にチャネルで導くか、または連通させることができ、そこで、チャネルで導かれるか、または連通させることで消音器902に通した後、最終的に、外側ハウジング102内で大気中に排出され得る。
【0125】
減衰構成要素902は、騒音を減じながら、減衰構成要素902に、空気などの流体を通すことを可能にできる材料から作られ得る。たとえば、いくつかの実施形態において、減衰構成要素902は、発生する騒音を減じながら流体が発泡体中を流れることを有利に可能にすることができる、限定はしないが、ウレタン発泡体を含む、発泡体などの多孔質材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、減衰構成要素902の材料は、医療グレードのものとすることができる。減衰構成要素902の厚さは、使用される材料のタイプ、減衰構成要素902から流れ出る所望の流体流量、所望の騒音低減量を含む多数の要素に基づき選択され得る。いくつかの実施形態において、減衰構成要素902は、流体が減衰構成要素902を通って流れるときに流体中の望ましくない構成要素を低減することができるフィルタとしての機能も果たすことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、減衰構成要素は、厚さ3ミリメートルの発泡体挿入物であってよい。当業者であれば、発泡体挿入物は、たとえば、円筒形もしくは多角形などの、チャンバ430内に嵌合できる任意の好適な形状をとり得ることを理解するであろう。もちろん、他の形状およびサイズも企図される。たとえば、いくつかの実施形態において、発泡体挿入物の厚さは、約1ミリメートルから約5ミリメートルの範囲内であってよい。
【0126】
例示されている実施形態において示されているように、チャンバ430は、チャンバ430の内面433から延在する1以上のリブ431を備え得る。リブ431は、有利には、減衰構成要素902と内面433との間に間隙が形成されるように減衰構成要素902を内面433から隔てて並べることができる。この間隙は、排出ポート428からの流体流が減衰構成要素902を貫流する前に間隙内に膨張することを可能にし得る。これは、有利には、排出流を詰まらせる可能性を減じることができる。いくつかの実施形態において、排出ポート428は、図43に示されているのと似たディフューザ437の形状を有し、流体が排出ポート428を通過し、チャンバ430内に入るときに流体の膨張をさらに制御するように設計され得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、騒音低減システムは、排出ガスの少なくとも一部分をポンプハウジング420内に向け直すことを伴い得る。たとえば、図44に示されているように、ポンプハウジング420’は、排出流の少なくとも一部をポンプハウジングの内部容積に向け直して戻すために排出チャネル424’に沿って位置決めされた開口部436’を備えることができる。これは、チャネル424’とポンプアセンブリの内部容積との間の流れを分離することができ、そこで、音波が異なる幾何学的形状と出会いそれによって、減衰され得る。図45に例示されているような、いくつかの実施形態において、排出流の全体が、開口部436”を介してポンプハウジング420”の内部容積内に向け直されて戻され得る。
【0128】
図46を参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステム100のマニホールド300’は、騒音低減機能部を組み込むことができる。たとえば、例示されている実施形態において示されているように、マニホールド300’は、創傷被覆材と流体的に連通するように設計されている入口開口部312’と、ポンプハウジング420のインテークポート426などの、ポンプアセンブリのインテークと流体的に連通することができる出口開口部314’とを有する入口通路310’を備えることができる。入口通路310’は、圧力モニタ204などの、ポンプシステム100の他の構成要素と流体的に連通するように設計されている、ポート316’などの、1以上の追加のポートを備え得る。マニホールド300’は、ポンプハウジング420の排出ポート428などの、ポンプアセンブリの排出部と流体的に連通するように設計されている入口開口部320’と、外側ハウジング102内などの大気中に流体を排出するように設計されている出口開口部322’とを有する出口通路318’を備え得る。いくつかの実施形態において、マニホールド300’は、ポンプアセンブリによって発生する騒音を減衰させるために使用され得る。たとえば、入口通路310’および/または出口通路318’は、ポンプアセンブリによって発生する騒音を低減するために減衰構成要素902’を受け入れるように設計され得る。いくつかの実施形態において、減衰構成要素902’は、圧力モニタ204がより正確な読み取り値を返すことができるようにマニホールド内の気積を安定化するのを助けるために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、減衰構成要素902’は、ポンプの調和動力学(共振とも称される)から発生する騒音を減衰させるために使用され得る。いくつかの実施形態において、入口開口部312’、出口開口部314’、入口開口部320’、および/または出口開口部322’は、流体の膨張または圧縮の制御を助けるディフューザの形状および/またはノズルの形状を有するように設計され得る。いくつかの実施形態において、マニホールドは、約870mmの内部容積を有することができる。
【0129】
図14図16を再び参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ400は、デバイスの表面に取り付けられている1以上の減衰構成要素904を有することができる。減衰構成要素904は、外側ハウジング102内のポンプアセンブリ400の移動によって発生する騒音および/または振動を低減するように設計され得る。いくつかの実施形態において、1以上の減衰構成要素904は、ポンプアセンブリ400の前表面および後表面に取り付けられ得る。たとえば、図14図16に示されているように、ポンプアセンブリ400は、6個の減衰構成要素904を有し、そのうち3個は図15に示されているようにポンプアセンブリの後側にあり、残り3個は図14および図16に示されているようにポンプアセンブリの前側にある。有利には、1以上の減衰構成要素904は、ポンプアセンブリを囲む硬質構成要素の1以上から、および/またはポンプシステムの主回路基板からポンプアセンブリ400を減結合し、および/またはそれに対する衝撃を和らげるために使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ400の前側の1以上の減衰構成要素904は、ポンプアセンブリの前側と回路基板200(図13に示されている)との間に留置されるように設計されるものとしてよく、ポンプアセンブリ400の後側の1以上の減衰構成要素904は、ポンプアセンブリの後側と外側ハウジング102bの後部分(図11に示されている)との間に留置されるように設計されるものとしてよい。いくつかの実施形態において、減衰構成要素904は、発泡体などの騒音および/または振動減衰特性を有する材料から作られ得る。たとえば、1以上の減衰構成要素は、発泡体シリンダーであってよいが、任意の好適な形状が企図される。いくつかの実施形態において、開放発泡体または他の材料の層は、ポンプアセンブリ400によって発生する騒音および/または振動を低減するために少なくとも部分的にポンプアセンブリ400の外面の周りを包むことができる。それに加えて、いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ400は、1以上のウェイト、クッション、発泡体(粘弾性発泡体など)、プラスチック(ABS、ポリウレタン、ウレタン、もしくは他の物質など)、またはポンプによって支持されるかもしくはポンプの1以上の外側表面に隣接する他のパッド、パネル、シート、もしくはセグメントを有することができる。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリ400は、質量ベースまたは適合減衰材料を有することができる。そのような構成要素または材料(図示せず)は、ポンプによって発生する振動を弱め、および/または騒音を減衰させることができる。
【0130】
図48図49は、外側ハウジング102内のポンプシステム100の配線を例示する様々な図である。例示されている実施形態において図示されているように、ポンプシステム100は、回路基板200をバッテリ202などの電源に接続するための端子210を備え得る。回路基板200は、電源からの電力を、回路基板200のコネクタ212に取り付けられている電線用導管604を介してコイル600に送ることができる。いくつかの実施形態において、電線用導管604は、組み立てを容易にするための可撓性プリント基板(FPC)であってよい。いくつかの実施形態において、電線用導管604は、コイル600に直接接続され得る。たとえば、正および負の端子に対応するFPCの端部は、ハンダ付けおよび/または接着剤などを介して、コイル600の端部または端子に取り付けられ得る。たとえば、コイル600は、FPCの2つの対応するハンダパッドにハンダ付けされ得る2つの端子を有することができる。しかしながら、コイルを製造するために使用される電線は、手作業によるハンダ付けを困難にし、および/またはそれに頼れないものにする絶縁層および自己融着コーディング層によって保護され得るが、それは手作業によるハンダ付けでは、FPCをあまりにも長い時間400℃の温度に曝し、FPC基板を損傷する可能性があるからである。この問題を解消するために、いくつかの実施形態において、マイクロ溶接プロセスが使用され、それにより、FPCをコイル600の2つの端子に電気的に接続することができる。マイクロ溶接では、コイルの端子とFPCのパッドとの間に、数ミリ秒間、大電流スパイクが発生し得る。電流スパイクが発生する結果、局部温度スパイクが生じ、電線の絶縁および自己融着層を蒸発させ、コイルの電線をFPCのパッドに接着し得る。たとえば、温度スパイクは、400℃以上とすることができる。しかしながら、温度スパイクは、マイクロ溶接プロセスを使用した場合に数ミリ秒に制限されているので、FPC基板は損傷しない。
【0131】
図50は、コイル600’および支持部材650’の一実施形態を示している。支持部材650’は、コイル600’の端子を、制御盤200などの電源に接続することができる導電性ピン651’を組み込むことができる。例示されている実施形態において図示されているように、コイル600’の端子は、ハンダ付けおよび/または接着剤を介してピン651’に取り付けられ得る。
【0132】
図51は、コイル600を電源に接続するための接続機構の一例を示している。例示されている実施形態において図示されているように、ピン651’は、ポンプチャンバ本体部470’を超えて、板バネ214’と接触することができる。板バネ214’は、FPCの端子端部などの、電源用の電線用導管604’の端子端部に接続され得る。したがって、支持部材650’が垂直方向に移動するときに、板バネ214’は、ピン651’との接触を維持し得る。
【0133】
図52は、コイル600’を電源に接続するための接続機構の別の例を示している。例示されている実施形態において図示されているように、導電性コイルバネ215’は、ポンプチャンバ本体部470’の中に延びて、コイル600’の1以上の端子と接触することができる。したがって、コイル600’が垂直方向に移動するときに、コイルバネ215’は圧縮および/または膨張し得る。いくつかの実施形態において、導電性コイルバネ215’は、支持部材650’上のピン(図示せず)と接触し得る。コイルバネ215’は、FPCの端子端部などの、電源用の電線用導管の端子端部に接続され得る。
【0134】
図53は、コイル600’を電源に接続するための接続機構の別の例を示している。例示されている実施形態において図示されているように、導電性ゼブラコネクタ218’は、ポンプチャンバ本体部470’の中に延びて、コイル600’の1以上の端子と接触することができる。したがって、コイル600’が垂直方向に移動するときに、ゼブラコネクタ218’は、コイル600’の端子との接触を維持し得る。いくつかの実施形態において、ゼブラコネクタ218’は、支持部材650’上のピン(図示せず)と接触し得る。ゼブラコネクタ218’は、FPCの端子端部などの、電源用の電線用導管の端子端部、または接点219’に接続され得る。
【0135】
図54は、コイル600’を電源に接続するための接続機構の別の例を示している。例示されている実施形態において図示されているように、コイル600’の1以上の個別の端子は、ポンプチャンバ本体部470’から外へ延在する膜220’内に一緒に封入され得る。膜220’は、シリコーンなどの、好適な材料から作られ得る。次いで、個別の端子は、電源への引き回しのために、ハンダ付けおよび/または接着剤を用いて、より堅牢な配線222’に取り付けられ得る。
【0136】
図55は、コイル600’を電源に接続するための接続機構の別の例を示している。例示されている実施形態において図示されているように、電線用導管604’はバネ750’と一体化され得る。
【0137】
いくつかの実施形態において、ポンプシステム100は、バッテリの接続または端子が極性保護を有するように構成され得る。たとえば、限定することなく、バッテリの接点の1以上は、バッテリの端子接点に隣接するプラスチックまたは他の非導電性突起部を有し、バッテリの接点と不正な向きでバッテリコンパートメント内に挿入されたバッテリの不正な側との間の接触を阻止するように設計され得る。いくつかの実施形態において、1以上の突起部は、標準的な円筒形のバッテリの負の側が、そのようなバッテリの正の側がバッテリの接点との接触を可能にしながら、1以上の突起部に隣接するバッテリの接点と接触するのを防ぐようなサイズを有し、そのように設計され得る。一般的に、この構成では、バッテリは、バッテリコンパートメント内にバッテリが挿入される場合に、概して接点と接触することのみを行い、それによって、ポンプアセンブリの極性保護を行うことができる。代替的に、またはそれに加えて、ポンプアセンブリの制御盤は、極性保護機能部または構成要素を有するように設計され得る。それに加えて、ポンプアセンブリの制御盤は、電力超過状態またはサージ電力状態から保護するための1以上のヒューズを有することができる。
【0138】
本明細書で開示されている実施形態のうちのいずかにおいて、制御盤200は、可撓性回路基板を有することができ、および/または1以上の可撓性構成要素を有することができる。可撓性回路基板は、一般的に、可撓性オーバーレイあり、またはなしで可撓性ベース材料を利用するプリント回路および構成要素のパターン化された配置構成である。これらの可撓性電子回路アセンブリは、剛体プリント回路基板に使用されるのと同じ構成要素を使用して加工され得るが、基板を適用時に所望の形状に順応(屈曲)させ得る。その最も単純な形態において、可撓性回路は、最終製品内の非平面的位置決めを可能にする材料から作られるPCBである。典型的な材料はポリイミド系であり、Kapton(登録商標)(DuPont)などの商標を使用しているものとしてよい。それに加えて、本明細書で開示されている制御盤またはコントローラはいずも、単一パッケージにラミネートされる可撓性基板と剛性基板との組合せを有することができる。
【0139】
ポンプシステムの電気的態様の概要
図60は、ポンプシステム1000の一実施形態の概略図を示している。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1000は、上で説明されているポンプシステム100の実施形態を含む、参照により本明細書で開示されるか、または組み込まれている他のポンプシステム実施形態の同じもしくは類似の構成要素、特徴、材料、サイズ、構成、および他の詳細のいずかを有することができる。いくつかの実施形態では、ポンプシステム1000は、小型化された携帯型のものであってよいが、より大きい従来型の携帯型もしくは非携帯型(たとえば、壁吸引)ポンプも使用され得る。
【0140】
例示されている実施形態において図示されているように、ポンプシステム1000は、スイッチもしくはボタン1002、1以上のインジケータ1004、および制御盤1006を備えることができる。ボタン1002および/または1以上のインジケータ1004は、制御盤1006と電気的に連通し得る。以下でさらに詳しく説明されるように、いくつかの実施形態において、ボタン1002は、ポンプシステム1000の動作を制御する好適な目的のために使用され得る。たとえば、ボタン1002は、ポンプシステム1000をアクティブ化する、ポンプシステム1000を一時停止させる、システムインジケータ1004をクリアするために使用することができ、および/またはポンプシステム1000の動作を制御するための他の好適な目的に使用され得る。ボタン1002は、タッチパッド、タッチスクリーン、キーボードなどの、任意のタイプのスイッチまたはボタンであってよい。いくつかの実施形態において、ボタン1002は、押しボタンであってよい。たとえば、ボタン1002は、ポンプシステム100のボタン116に類似するものであってよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、1以上のインジケータ1004は、ポンプシステム1000の1以上の動作および/または故障状態を示すことができる。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータ1004の各々は、異なる動作および/または故障状態に関する指示を出すことができる。たとえば、アクティブ状態の(たとえば、点灯している)インジケータ1004は、通常動作を表すものとしてよい。別のインジケータ1004、たとえば、被覆材インジケータは、システム内に漏れが存在していることに関する指示を出すことができる。たとえば、アクティブ状態の(たとえば、点灯している)被覆材インジケータは、漏れを表すものとしてよい。別のインジケータ1004、たとえば、被覆材容量インジケータは、被覆材の流体残量に関する指示を出すことができる。たとえば、アクティブ状態の(たとえば、点灯している)被覆材容量インジケータは、被覆材が限度容量にあるか、または近づいていることを表すものとしてよい。バッテリインジケータなどの、別のインジケータ1004は、バッテリなどの電源の残量または寿命に関する指示を出すことができる。たとえば、アクティブ状態の(たとえば、点灯している)バッテリインジケータは、容量低下を表すものとしてよい。いくつかの実施形態において、インジケータ1004は、ポンプシステム1000の上記の動作および/または故障状態および/または他の動作および/または故障状態の組合せを表すことができる。
【0142】
図60に示されているポンプシステム1000の実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータ1004は、アイコンであってよい。たとえば、1以上のインジケータ1004は、ポンプシステム1004のアイコン114に類似のものであってよく、ポンプシステム100のLED206などの照明源を介してアクティブ化(たとえば、点灯)され得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータ1004は、異なる色、2つの異なる色(たとえば、2つのインジケータは同じ色を共有し得る)、または同じ色であってよい。ポンプシステム1000は、4つのアイコンおよび再生/一時停止押しボタンを備えることができるが、インジケータ、アラーム、およびスイッチの他の構成、配置、およびタイプが代替的に使用され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1000は、様々な動作状態を信号としてユーザに送るように構成されているインジケータまたはアラームの視覚的、聴覚的、触覚的、および他のタイプを含み得る。そのような状態は、システムのオン/オフ、スタンバイ、一時停止、通常動作、被覆材問題、漏出、エラーなどを含む。インジケータは、スピーカー、ディスプレイ、光源など、および/またはこれらの組合せを含み得る。
【0143】
例示されている実施形態において図示されているように、ポンプシステム1000は、電池などの電源1008によって給電され得る。ポンプシステム1000は、電気モータ1014から動力を供給されるポンプ1012を有するポンプアセンブリなどの、陰圧源1010、およびポンプシステム100の圧力モニタ204などの、圧力センサ1016も備え得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1000は、ポンプシステム1000を創傷被覆材に接続するための入口1018を備え得る。たとえば、いくつかの実施形態において、入口1018は、創傷被覆材と流体的に連通する導管に入口1018を接続するためのコネクタであってよい。コネクタは、ポンプシステム100のコネクタ302に類似するものであってよい。ポンプ1012は、出口1020に接続され得る。いくつかの実施形態において、出口1020は、空気を大気中に放出することができる。いくつかの実施形態において、フィルタ(図示せず)は、出口と大気との間に置くことができる。フィルタは、大気中に空気を放出する前に空気の濾過を行うものとしてよい。いくつかの実施形態において、フィルタは、細菌濾過器、脱臭フィルタなど、またはこれらの組合せであってよい。いくつかの実施形態において、騒音減衰構成要素などの、減衰構成要素(図示せず)は、出口と大気との間に置くことができる。減衰構成要素は、動作中にポンプシステム1000によって発生する騒音を低減することができる。いくつかの実施形態において、減衰構成要素は、ポンプシステム100の減衰構成要素902に類似するものであってよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、ポンプシステム1000は、創傷被覆材とポンプ1012の入口との間の流路内に、一方向弁などの弁(図示せず)を備え得る。弁は、ポンプ1012がアクティブでないときに一定レベルの陰圧を維持することを助けるものとしてよい。いくつかの実施形態において、弁は漏れを回避するのを助けるものとしてよい。弁は、創傷から吸引された、または取り除かれた流体および/または滲出液がポンプシステム1000内に入るのを防ぐのを助けることもできる。
【0145】
図61は、一実施形態によるポンプシステム1100の電気的構成要素の概略図を示している。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1100は、上で説明されているポンプシステム100、1000の実施形態を含む、参照により本明細書で開示されるか、または組み込まれている他のポンプシステム実施形態の同じもしくは類似の構成要素、特徴、材料、サイズ、構成、および他の詳細のいずかを有することができる。ポンプシステム1100は、1以上のボタン1102、1以上のインジケータ1104、1以上の圧力センサ1106、電源1108、陰圧源1109、および/またはモジュール1110を含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のボタン1102、1以上のインジケータ1104、1以上の圧力センサ1106、電源1108、および/または陰圧源1109は、ポンプシステム1000のボタン1002、インジケータ1004、圧力センサ1016、電源1008、および/または陰圧源1010に類似しているものとしてよい。制御盤(たとえば、PCBA)であってよい、モジュール1110は、入出力(I/O)モジュール1112、コントローラ1114、およびメモリ1116を備え得る。いくつかの実施形態において、モジュール1110は、追加の電気/電子構成要素、たとえば、ヒューズ、外部メモリ(フラッシュメモリなど)を備え得る。コントローラ1114は、マイクロコントローラ、プロセッサ、マイクロプロセッサなど、またはこれらの組合せであってよい。たとえば、コントローラ1114は、STM8L 151G4U6またはSTM8L 151K6U6TRなどの、ST MicroelectronicsのSTM8L MCUファミリタイプ、またはMC9S08QE4CWJなどの、FreescaleのMC9S08QE4/8シリーズタイプを使用することができる。好ましくは、コントローラ1114は、低電力または超低電力デバイスであるが、他のタイプのデバイスも、代替的に使用され得る。メモリ1116は、読出し専用メモリ(ROM)、追記型メモリ(WORM)、ランダムアクセスメモリ(たとえば、SRAM、DRAM、SDRAM、DDR、など)、ソリッドステートメモリ、フラッシュメモリ、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)、磁気記憶装置、など、またはこれらの組合せのうちの1
以上などの、揮発性および/または不揮発性メモリモジュールのうちの1以上を含み得る。メモリ1116は、プログラムコードもしくは命令(コントローラによって実行される)、システムパラメータ、動作データ、ユーザデータ、など、またはこれらの組合せを記憶するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1100の1以上の構成要素は、モノリシックユニットの一部を形成し得る。いくつかの実施形態において、メモリ1116は、16メガビット、32メガビット、またはポンプシステム1100の動作中にログに記録されるように構成されているデータの量に応じて他の好適なサイズのものであってよい。いくつかの実施形態において、ログに記録されたデータは、臨床試験に関連する情報を有利に収集するために記憶され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1100の1以上の構成要素は、他の構成要素から取り除き可能であってよい。たとえば、いくつかの実施形態において、メモリ1116は、取り外し可能なフラッシュメモリであってよい。
【0146】
図62は、一実施形態によるポンプシステム1200の電気的構成要素の概略図を示している。いくつかの実施形態において、ポンプシステム1200は、上で説明されているポンプシステム100、1000、1100の実施形態を含む、参照により本明細書で開示されるか、または組み込まれている他のポンプシステム実施形態の同じもしくは類似の構成要素、特徴、材料、サイズ、構成、および他の詳細のいずかを有することができる。電気的構成要素は、ユーザ入力を受け入れ、出力を使用者に送り、ポンプシステムおよび陰圧源を操作し、ネットワーク接続を提供するなどを行うように動作し得る。電気的構成要素は、1以上のPCB(図示せず)上に実装され得る。ポンプシステムは、コントローラまたはプロセッサ1202を備えることができる。本明細書で開示されている実施形態において、コントローラ1202は、低電力プロセッサなどの、汎用プロセッサとすることができる。他の実施形態では、コントローラ1202は、特定用途向けプロセッサであってもよい。本明細書で開示されている実施形態において、コントローラ1202は、ポンプシステムの電子アーキテクチャにおける「中央」プロセッサとして構成されるものとしてよく、コントローラ1202は、ユーザインターフェースコントローラ1204、I/Oインターフェースコントローラ1206、陰圧制御モジュール1208、通信インターフェースコントローラ1210などの、他のコントローラの活動を協調させることができる。
【0147】
ポンプシステム1200は、ユーザ入力を受け入れ、出力をユーザに提供するための、ボタン、インジケータ(たとえば、LED)、ディスプレイなどの、1以上の構成要素を操作することができるユーザインターフェースコントローラまたはプロセッサ1204も備えることができる。ポンプシステム1200への入力およびポンプシステム1200からの出力は、I/Oインターフェースモジュールもしくはコントローラ1206によって制御される1以上の入出力(I/O)ポート1212を介して制御され得る。たとえば、I/Oモジュール1206は、シリアルポート、パラレルポート、ハイブリッドポート、拡張ポート、および同様のポートなどの、1以上のI/Oポート1212からデータを受信することができる。本明細書で開示されている実施形態において、I/Oポート1212は、USBポート、SDポート、コンパクトディスク(CD)ドライブ、DVDドライブ、FireWire(登録商標)ポート、Thunderbolt(登録商標)ポート、PCI Express(登録商標)ポートなどのうちの1以上を含む。コントローラ1202は、他のコントローラまたはプロセッサとともに、システム1200の内部および/または外部にあるものとしてよい、1以上のメモリモジュール1214にデータを記憶することができる。RAM、ROM、WORM、磁気メモリ、ソリッドステートメモリ、MRAMなど、またはこれらの組合せなどの、揮発性および/または不揮発性メモリを含む、好適なタイプのメモリが使用され得る。ポンプシステム1200は、電源1216によって給電されるものとしてよく、これは1以上の使い捨てまたは充電式バッテリ、コンセントからの電源などを含み得る。電源1216は、システム1200の内部または外部にあってよい。
【0148】
図62に示されているポンプシステム1200の実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、陰圧またはポンプ制御モジュール1208は、陰圧源1218の動作を制御するように構成され得る。陰圧源1218は、ボイスコイルポンプであってよい。他の好適なポンプは、隔膜ポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、回転ベーンポンプ、スクロールポンプ、ネジポンプ、液封式ポンプ、圧電変換器によって作動される隔膜ポンプなどを含む。ポンプ制御モジュール1208は、陰圧源1218の動作を制御するように構成されているドライバモジュール1220を備え得る。たとえば、ドライバモジュール1220は、陰圧源1218に電力を供給することができる。電力は、電圧および/または電流信号の形態で供給され得る。本明細書で開示されている実施形態において、ドライバモジュール1220は、パルス幅変調(PWM)を使用して陰圧源1218を制御することができる。陰圧源1218(またはポンプ駆動信号)を駆動するための制御信号は、0%~100%デューティサイクルのPWM信号とすることができる。ドライバモジュール1220は、比例積分微分(PID)などの、他の好適な制御を使用して陰圧源1218を制御することができる。
【0149】
コントローラ1202は、ポンプシステム100のインテークマニホールド300内に留置される圧力モニタ204などの、流体流路内の好適な位置に留置されている、圧力センサ1206などの1以上のセンサから情報を受信することができる。本明細書で開示されている実施形態において、コントローラ1202は、1以上の圧力センサ1206から受信されたデータを使用して流体流路内の圧力を測定し、流体流量を計算し、陰圧源1218を、陰圧の所望のレベルが創腔内または被覆材の下で達成されるように制御することができる。所望のレベルの陰圧は、ユーザによって設定されるか、または選択された圧力であってよい。1以上のセンサによって測定された圧力は、コントローラが所望の陰圧レベルを達成するようにポンプ駆動信号を決定し調整できるようにコントローラ1202に供給され得る。本明細書で開示されている実施形態において、陰圧源1218を制御することに関連するタスクは、1以上のコントローラもしくはプロセッサを含み得る、ポンプ制御モジュール1208にオフロードされ得る。
【0150】
本明細書で開示されている実施形態において、複数のプロセッサを利用して様々なタスクを実行することが有利な場合がある。本明細書で開示されている実施形態において、第1のプロセッサは、ユーザ活動に関与し得、第2のプロセッサは、陰圧源を制御することに関与し得る。このようにして、より高いレベルの反応性を必要とし得る、陰圧源を制御する活動は、専用プロセッサにオフロードされ得、それによって、ユーザとのインタラクティブなやり取りがあることで完了に時間がかかる可能性のある、ユーザインターフェースタスクによって中断されなくなる。
【0151】
通信インターフェースコントローラまたはプロセッサ1210は、有線および/またはワイヤレス接続を行うように構成され得る。通信プロセッサ1210は、データの送受信に1以上のアンテナ(図示せず)を利用することができる。本明細書で開示されている実施形態において、通信プロセッサ1210は、2G、3G、LTE、4G、WiFi、インターネット接続性、Bluetooth(登録商標)、zigbee(登録商標)、RFID、および同様ものなどの、全世界測位システム(GPS)技術、セルラー、または他の接続性のタイプのうちの1以上を提供することができる。それに加えて、本明細書で開示されている実施形態は、データの同期、データのアップロード、またはデータのダウンロードを、ポンプ装置へおよび/またはポンプ装置から、タブレット、スマートフォン、または他の類似のデバイスなどの携帯型データデバイスへおよび/または携帯型データデバイスから行うように構成され得る。
【0152】
接続性は、ポンプシステムの配置追跡、資産追跡、順守監視、リモート選択、ログ、アラーム、および他の動作データのアップロード、ならびに療法設定の調整、ソフトウェアおよび/またはファームウェアのアップグレードなどの様々な活動に使用され得る。本明細書で開示されている実施形態において、通信プロセッサ1210は、GPS/セルラーのデュアル機能を提供することができる。セルラー機能は、たとえば、3Gおよび/または4G機能であってよい。そのような場合、GPSモジュールが、大気状態、ビルもしくは地形の干渉、衛星ジオメトリなどを含む、様々な要因により衛星接続を確立できない場合、デバイス配置は、セル識別、三角測量、フォワードリンクタイミングなどを使用することなどによって、3Gおよび/または4Gネットワーク接続を使用して決定され得る。本明細書で開示されている実施形態において、ポンプシステム1200は、SIMカードを備え、SIMベースの位置情報が取得され得る。
【0153】
ポンプシステム制御
図63は、いくつかの実施形態によるポンプシステムの動作の最上位レベル状態図1300を例示している。いくつかの実施形態において、ポンプシステム100、1000、1100、1200などのポンプシステムおよび本明細書で開示されている他の実施形態は、システムの動作を制御することができる。たとえば、ポンプシステムは、治療の中断のない実施および/またはたとえば、頻繁にまたは不必要に治療を一時停止するか、またはサスペンドすることによりユーザに不便をかけることの回避と、節電する、陰圧源よって発生する騒音および振動を制限するなどの望みとの間で好適なバランスをとることができる。いくつかの実施形態において、コントローラ1114、1202などのコントローラは、状態図1300の流れを実装するように構成され得る。図63に例示されているように、ポンプシステムの動作は、いくつかの実施形態において、初期化1302、メンテナンス1350を含む、動作1310、および寿命末期1390の3つの一般的モードにグループ分けされ得る、図63に例示されているように、カテゴリ1302、1310、および1350は、各々、複数の状態、および状態の間の遷移を含み得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、電源が接続されていないか、もしくは取り外されている、またはポンプシステムがアクティブ化されていない(たとえば、アクティブ化ストリップを引く、スイッチをトリガする、または同様の操作によって)限り、ポンプシステムは、非アクティブ状態に留まり得る。この状態に留まっている間、ポンプシステムは非アクティブのままであり得る。電源が接続され、および/またはポンプシステムが初回にアクティブ化されているなど非アクティブ状態からアクティブ化されたときに、ポンプシステムは、初期化モード1302に遷移することができ、ブートローダ1301が、ブロック1304に示されているようにスタートアップ手順のシーケンスを開始することができる。ブートローダ1301は、たとえば、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)などの、好適な不揮発性メモリに記憶され得る。いくつかの実施形態において、コントローラ1114または1202は、スタートアップ後にブートローダ1301を実行し得る。スタートアップ手順は、パワーオンセルフテスト(POST)およびスタートアップブロック1304に示されているように実行され得る他のテストもしくは手順を含み得る。図63に示されているように、ブートローダ1301は、POSTの1以上および/または他のテストの1以上を開始することができる。いくつかの実施形態において、スタートアップ手順は、有利には、ポンプシステムが動作中に陰圧閉鎖療法を安全に実施する準備をし、および/または確実にすることができる。
【0155】
パワーオンセルフテストは、限定はしないが、メモリ1116、1214などのメモリを備えるシステムの1以上の構成要素をテストする機能(たとえば、プログラムコードの周期的冗長検査(CRCチェック)などのチェックを実行して、完全性を決定する機能、ランダムアクセスメモリをテストする機能など)、圧力センサまたはモニタ204、1016、1106、1206などの圧力センサを読み取って圧力値が好適な限度範囲内にあるかどうかを決定する機能、電源の残量または寿命を読み取り(たとえば、バッテリ電圧、電流など)それが好適な限度範囲内にあるかどうかを決定する機能、陰圧源をテストする機能、および同様の機能などのシステムの適切な機能を確認するために様々なチェックを実行するステップを含み得る。他のテストまたは手順は、自動試験装置(ATE)を待つステップ、ウォッチドッグタイマ(WDT)を初期化するステップ、ポンプシステムにすでに回復不能エラー(NRE)を生じているかどうかをチェックするステップ、およびポンプシステムが割り当てられた動作可能ライフスパン(寿命末期(EOL)とも称される)に到達したかどうかを決定するステップ、および同様のステップを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、WDTは、有利には、ファームウェア実行ハング状態への対応策として使用することができ、前のNREのチェックは、有利には、NRE状態に遷移したデバイスの再利用を防ぐものとしてよく、デバイスがその寿命末期に到達したかどうかのチェックは、有利には、EOL状態に遷移したデバイスの再利用を防ぐものとしてよい。
【0156】
いくつかの実施形態において、コントローラ1114、1202によって実行され得る、ブートローダ1301は、動作モード1310も開始することができる。たとえば、図63に示されているように、ブートローダは、初期化モード1302が実行された後に動作モード1310の初期化を実行することができる。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータ(アイコン114、114’および/またはインジケータ1004、1104など)は、ポンプシステムがPOSTテストを受けていることを(たとえば、点滅するか、または1回フラッシングすることによって)ユーザに示すことができる。いくつかの実施形態において、初期化モード1302のときに、すべてのインジケータは、連続的にオンのままにできる。
【0157】
いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、システムがPOSTおよび/または他のテストおよび手順に合格したことをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備えることができる4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯され、ポンプシステムがPOSTおよび/または他のテストおよび手順に合格したことをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、システムが1以上のテストに合格したことを示すものとしてよく、「OK」LEDは1回フラッシングし、「漏れ」LEDは1回フラッシングし、「被覆材フル状態」LEDは1回フラッシングし、「バッテリクリティカル」LEDは1回フラッシングする。同様に、前の回復不能エラーがスタートアップ中に発見されるか、またはその後ポンプ動作中に発生した場合に、4つのアイコン114’のセットが連携して点灯し、「OK」LEDはソリッド、「漏れ」LEDはソリッド、「被覆材フル状態」LEDはソリッド、「バッテリクリティカル」LEDはソリッドとなる。いくつかの実施形態において好適な個別のまたは連携するLED配置構成が企図されている。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、POSTテストもしくは他のテストまたは手順の1以上が失敗した場合、ポンプシステムはリトライ状態1306に遷移し得る。リトライ状態1306は、POSTテストもしくは他のテストまたは手順をリトライする前に遅延を含み、および/またはユーザ入力を必要とし得る。いくつかの実施形態において、リトライ状態1306は、初期化モードの一部である各テストまたは手順に合格するか、または他の何らかの形で失敗しなくなるまで実行され得る。いくつかの実施形態において、POSTテストの1以上が、1以上のリトライの後に失敗した場合、ポンプシステムは回復不能エラー状態に遷移し得る。この状態にある間、ポンプシステムは、療法を非アクティブ化し、インジケータは、エラーが発生したことをユーザに示すことができる。いくつかの実施形態において、すべてのインジケータは、アクティブのままであってよい。エラーの重大度に基づき、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、エラーから回復して、動作を続ける(または回復不能エラー状態1394に遷移する)ことができる。例示されているように、ポンプシステムは、動作中に致命的エラーを生じた後、回復不能エラー状態1394に遷移することができる。致命的エラーは、プログラムメモリエラー、プログラムコードエラー(たとえば、無効な変数値があった)、コントローラ動作エラー(たとえば、コントローラ1114、1202などのコントローラによってリセットされることなくウォッチドッグタイマがタイムアウトする)、構成要素の故障(たとえば、陰圧源1010、1109、1218などの陰圧源動作不能、圧力センサまたはモニタ204、1016、1106、1206などの圧力センサ動作不能など)、およびこれらの組合せを含み得る。
【0159】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、状態1304で初期化が正常に完了したときに、ポンプシステムは、動作モード1310に遷移することができる。この遷移は、1以上のインジケータを非アクティブ化し、および/またはアクティブ化することによってユーザに対して示され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムが動作モード1310に遷移すると、ポンプシステムは最初にスタンバイまたは一時停止状態1312に入るものとしてよい。ポンプシステムが、スタンバイ状態1312に留まっている間、ユーザは、インジケータ(たとえば、OKインジケータおよび/または被覆材インジケータ)を非アクティブ化し、および/またはアクティブ化することなどによって指示を与えられ得る。いくつかの実施形態において、ユーザはすべてのインジケータを非アクティブ化することによってスタンバイ状態1312の指示を与えられ得る。いくつかの実施形態において、療法は、ポンプシステムがスタンバイ状態1312に留まっている間、サスペンドされ得る。たとえば、陰圧源1010、1109、1218などの陰圧源は、非アクティブ化(またはオフに)され得る。いくつかの実施形態において、指示は、陰圧源を非アクティブ化することによってユーザに与えられ得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ユーザから信号を受信したことに応答してスタンバイ状態1312から初期ポンプダウン(「IPD」)状態1314(ポンプシステムは療法を遂行するように構成されている)への遷移を行うように構成され得る。たとえば、ユーザはボタンを押して、療法を開始し、サスペンドし、および/または再開することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステムがスタンバイ状態1312にある時間の長さを監視することができる。これは、たとえば、ポンプシステムがスタンバイ状態1312に遷移するときにリセットされ、開始され得る、タイマ(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せ)を維持することによって遂行され得る。ポンプシステムは、持続時間が閾値を超えた(たとえば、タイムアウトした)ときにスタンバイ状態1312からIPD状態1314に自動的に遷移することができる。いくつかの実施形態において、そのような閾値は、1分以下から1時間以上の間などの、プリセット値であってよい。いくつかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定または変更され得る。いくつかの実施形態において、閾値は、様々な動作条件またはこれらの組合せに基づき変化し得る。たとえば、ポンプシステムが寿命末期に近づくにつれ(以下で説明されているように)、閾値は、ポンプシステムのライフスパンにわたって下げられ使用され得る。これは、有利には、スタンバイ状態1312に費やされる時間の量を減らし、ポンプを速やかにアクティブ化することでバッテリの利用を増やすことによってポンプシステムのライフスパンにわたってより効率的にバッテリが使用されることを確実にし得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、スタンバイ状態に費やされる時間の長さ全体を監視し、この情報をメモリに記憶することができる。
【0161】
IPD状態1314のときに、ポンプシステムは陰圧源をアクティブ化して療法を開始し、システムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力を下げることができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、システム内の圧力を低圧閾値などの、所望の圧力に下げることができる。ポンプシステムは、ポンプシステムまたはその一部の中の圧力を間欠的におよび/または連続的に監視することができる。たとえば、ポンプシステムは、約100msのプリセットされたサンプリングレートでポンプシステムまたはその一部の中の圧力を監視することができる。いくつかの実施形態において、サンプリングレートは、約20msから約500msの間、約50msから250msの間、約80msから150msの間、約100ms、これらの範囲内の任意の値および/または部分範囲、または所望の他のサンプリングレートであってよい。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、また、圧力変化率を計算して、ポンプシステムが低圧閾値などの、所望の圧力に到達するまでの時間の長さを推定することができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、ポンプシステムがIPD状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備える4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯して、システムがIPD状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、システムがIPD状態にあることを示すものとしてよく、「OK」LEDはフラッシングし、「漏れ」LEDはフラッシングし、「被覆材フル状態」LEDはオフ、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において好適な個別のまたは連携するLED配置構成が企図されている。IPD状態のときに望ましい陰圧に達した後、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯して、所望の陰圧に達したことを示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、その陰圧に達したことを示すものとしてよく、「OK」LEDはフラッシングし、「漏れ」LEDはオフになり、「被覆材フル状態」LEDはオフになり、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において、この同じ照明パターンは、ポンプシステムが、IPD状態などのときに正常に機能していることを示すためにも使用されるものとしてよく、IPD状態のときにその陰圧に達したことを示すためにフラッシングに加えて、IPD状態のときにポンプシステムが正常に機能していることを示し得る。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。
【0163】
いくつかの実施形態において、ユーザは、スイッチをアクティブ化する(たとえば、ボタンを押す)ことによって療法を一時停止し、それによってポンプシステムはIPD状態1314からスタンバイ状態1312に遷移することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ユーザが療法を一時停止することのみを行えるように構成され得るが、電源を切る(たとえば、バッテリを外す)ことで療法を停止する。そのようなものとして、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、スタンバイ状態1312にある間に潜在的にタイムアウトし、動作を再開し、それによってスタンバイ状態1312にある間にエネルギー消費を低減することができる。ユーザによって一時停止された後、ポンプシステムは、ボタンを押すなどのユーザ入力を受け取った後、スタンバイ状態1312からIPD状態1314に遷移することができる。いくつかの実施形態において、ユーザによって一時停止された後、ポンプシステムは、持続時間が閾値を超えたときにスタンバイ状態1312からIPD状態1314に自動的に遷移することができる。閾値は、ポンプシステムがスタートアップ1304の後にスタンバイ状態1312に入ったときに上で説明されているスタンバイ状態1312の閾値と同じまたは異なっていてもよい。
【0164】
ポンプシステムがスタンバイ状態1312に遷移し、スタンバイ状態1312に留まったときに、ユーザは指示を与えられ得る。たとえば、いくつかの実施形態において、すべてのインジケータは、非アクティブ化され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、インジケータ(たとえば、OKインジケータ)を非アクティブ化し、別のインジケータ(たとえば、被覆材インジケータ)をフラッシングまたは点滅させることができる。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、システムがスタンバイ状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備える4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯して、システムがスタンバイ状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、システムがスタンバイ状態にあることを示すものとしてよく、「OK」LEDはオフになり、「漏れ」LEDはオフになり、「被覆材フル状態」LEDはオフになり、「バッテリクリティカル」LEDはオフになる。いくつかの実施形態において、この同じ照明パターンは、ポンプがスタンバイ状態にあることを示すことに加えて、ポンプシステムがその陰圧閉鎖療法の過程を完了していることを示すか、またはバッテリが消耗していることを示すためにも使用され得る。いくつかの実施形態において好適な連携するLED配置構成が企図されている。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。いくつかの実施形態において、療法は、ポンプシステムがスタンバイ状態1312に留まっている間、サスペンドされ得る。たとえば、陰圧源は、非アクティブ化され(またはオフにされ)てよく、これは、ポンプシステムがスタンバイ状態1312にあることをユーザに示すものである。
【0165】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、リトライサイクルの回数がリトライ限度を超えたとき、および/またはポンプのデューティサイクル(以下で説明される)がデューティサイクル限度を超えると決定されたときに、初期ポンプダウン状態1314から漏れ状態1316に遷移し得る。いくつかの実施形態において、リトライ限度および/またはデューティサイクル限度を超えることは、システム内に漏れが存在することを反映するものとしてよい。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、所望の時間内に閾値圧力に達しないときに、IPD状態1314から漏れ状態1316に遷移することができる。閾値圧力が所望の時間内に閾値圧力に達することができないことは、システム内に漏れが存在することを反映するものとしてよい。いくつかの実施形態において、インジケータ(たとえば、漏れインジケータまたは被覆材インジケータ)は、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、システム内に漏れが存在していることをユーザに示すことができる。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、漏れが存在していることをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備える4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯し、漏れが存在していることをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、漏れが存在していることを示すものとしてよく、「OK」LEDはオフであり、「漏れ」LEDはフラッシングし、「被覆材フル状態」LEDはオフになり、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において好適な連携するLED配置構成が企図されている。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。
【0166】
漏れ状態1316に入った後、ポンプシステムは、ボタンを押すなどのユーザ入力を受け取った後、漏れ状態1316からIPD状態1314に遷移することができる。これは、有利には、創傷被覆材の接続部をチェックし、および/または創傷の周りの創傷被覆材の封止状態をチェックすることなどによって、漏れを緩和するか、または排除する時間をユーザに与えることができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステムが漏れ状態1316にある時間の長さを監視することができる。これは、たとえば、ポンプシステムが漏れ状態1316に遷移するときにリセットされ、開始され得る、タイマ(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せ)を維持することによって遂行され得る。いくつかの実施形態において、漏れ状態1316に入った後、ポンプシステムは、持続時間が閾値を超えたときに漏れ状態1316からIPD状態1314に自動的に遷移することができる。閾値は、スタンバイ状態1312からIPD状態1314への時間閾値など、本明細書で説明されている他の時間閾値と同じまたは異なり得る。この閾値は、漏れ状態1316(たとえば、IPD状態1314またはメンテナンスモード1350)に遷移する前の状態またはモードに応じて同じ、または異なり得る。いくつかの実施形態において、そのような閾値は、1分以下から1時間以上の間などの、プリセット値であってよい。いくつかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定または変更され得る。いくつかの実施形態において、閾値は、様々な動作条件またはこれらの組合せに基づき変化し得る。たとえば、ポンプシステムが寿命末期に近づくにつれ(以下で説明されているように)、閾値は、バッテリに十分な残量がある場合に下げられ得る。これは、有利には、漏れ状態1316に費やされる時間の量を減らし、ポンプを速やかにアクティブ化することでバッテリの利用を増やすことによってポンプシステムのライフスパンにわたってより効率的にバッテリが使用されることを確実にし得る。ポンプシステムは、スイッチをアクティブ化した後、または閾値を超えた後自動的に、メンテナンスモード1350などの、他のモードもしくは状態に遷移することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、遷移時の圧力などの、動作条件に応じてIPD状態1314またはメンテナンスモード1350に遷移し得る。
【0167】
上で指摘されているように、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、キャニスタレスシステムで動作するように構成されてよく、そこに、創傷被覆材が創傷から吸い込んだ滲出液を保持する。そのような被覆材は、被覆材の下流(ポンプシステムへ向かう)での液体の通過を防ぐ、疎水性フィルタなどのフィルタを備え得る。他の実施形態において、ポンプシステムは、創傷から吸い込んだ滲出液の少なくとも一部を貯蔵するためのキャニスタを有するシステムにおいて動作するように構成され得る。そのようなキャニスタは、被覆材の下流(ポンプシステムへ向かう)での液体の通過を防ぐ、疎水性フィルタなどのフィルタを備え得る。さらに他の実施形態において、被覆材およびキャニスタは両方とも、被覆材およびキャニスタの下流の液体の通過を防ぐフィルタを備えることができる。
【0168】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、システムが、創傷被覆材フィルタなどのフィルタが閉塞(たとえば、創傷被覆材が滲出液で限度容量までまたは限度容量近くまで満たされることにより引き起こされる)を生じたと決定したときに、初期ポンプダウン状態1314からフィルタ閉塞状態1318に遷移するように構成され得る。フィルタに閉塞が生じたと決定するための例示的なアルゴリズムが、以下でさらに詳しく説明される。いくつかの実施形態において、インジケータ(たとえば、フィルタ閉塞インジケータ)は、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、閉塞が存在していることをユーザに示すことができる。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、閉塞が存在していることをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備える4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯し、閉塞が存在していることをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、閉塞が存在していることを示すものとしてよく、「OK」LEDはオフであり、「漏れ」LEDはオフであり、「被覆材フル状態」LEDはフラッシングしており、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において好適な連携するLED配置構成が企図されている。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。いくつかの実施形態において、フィルタ閉塞状態1318への遷移は、キャニスタフィルタに閉塞(たとえば、キャニスタが満杯またはほぼ満杯であることによって引き起こされる)が生じたときに行われ得る。
【0169】
フィルタ閉塞状態1318に入った後、ポンプシステムは、ボタンを押すなどのユーザ入力を受け取った後、フィルタ閉塞状態1318からIPD状態1314に遷移することができる。これは、有利には、創傷被覆材(および/またはキャニスタ)を変更することなどによって、閉塞を緩和するか、または閉塞を取り除く機会をユーザに与えることができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステムがフィルタ閉塞状態1318にある時間の長さを監視することができる。これは、たとえば、ポンプシステムがフィルタ閉塞状態1318に遷移するときにリセットされ、開始され得る、タイマ(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組合せ)を維持することによって遂行され得る。いくつかの実施形態において、フィルタ閉塞状態1318に入った後、ポンプシステムは、持続時間が閾値を超えたときにフィルタ閉塞状態1318からIPD状態1314に自動的に遷移することができる。閾値は、スタンバイ状態1312からIPD状態1314へおよび/または漏れ状態1316からIPD状態1314への時間閾値など、本明細書で説明されている他の時間閾値と同じまたは異なり得る。この閾値は、フィルタ閉塞状態1318(たとえば、IPD状態1314またはメンテナンスモード1350)に遷移する前の状態またはモードに応じて同じ、または異なり得る。いくつかの実施形態において、そのような閾値は、1分以下から1時間以上の間などの、プリセット値であってよい。いくつかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定または変更され得る。いくつかの実施形態において、閾値は、様々な動作条件またはこれらの組合せに基づき変化し得る。たとえば、ポンプシステムが寿命末期に近づくにつれ(以下で説明されているように)、閾値は、バッテリに十分な残量がある場合に下げられ得る。これは、有利には、フィルタ閉塞状態1316に費やされる時間の量を減らし、ポンプを速やかにアクティブ化することでバッテリの利用を増やすことによってポンプシステムのライフスパンにわたってより効率的にバッテリが使用されることを確実にし得る。ポンプシステムは、スイッチをアクティブ化した後、または閾値を超えた後自動的に、メンテナンスモード1350などの、他のモードもしくは状態に遷移することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、遷移時の圧力などの、動作条件に応じてIPD状態1314またはメンテナンスモード1350に遷移し得る。
【0170】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、IPD状態1314のときに、ポンプシステムが、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などのその一部分内の圧力が低圧閾値であるか、またはおおよそ低圧閾値であると検出した後、ポンプシステムは、メンテナンスモード1350に遷移し、特に、監視状態1352に遷移することができる。たとえば、低圧閾値は、約-90mmHgであるものとしてよい。いくつかの実施形態において、低圧閾値は、約-50mmHgから約-250mmHgの間、約-75mmHgから約-125mmHgの間、約-80mmHgから約-115mmHgの間、約-94mmHg、これらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲、または所望の他の値であってよい。
【0171】
メンテナンスモード1350のときに、ポンプシステムは、有利には、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力を監視し、ターゲット圧力範囲(または動作範囲)内に、維持することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、メンテナンスモード1350のときに、ポンプシステムは、ポンプシステムまたはその一部分を高圧閾値から低圧閾値までの間に維持することができる。たとえば、高圧閾値は、約-70mmHgであるものとしてよい。いくつかの実施形態において、高圧閾値は、約-40mmHgから約-200mmHgの間、約-60mmHgから約-100mmHgの間、約-70mmHgから約-80mmHgの間、約-71mmHg、約-67mmHg、これらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲、または所望の他の値であってよい。低圧閾値は、約-90mmHgであるものとしてよい。いくつかの実施形態において、メンテナンスモード1350のときの低圧閾値は、IPD状態1314における低圧閾値と同じであり得る。いくつかの実施形態において、メンテナンスモード1350のときの低圧閾値は、IPD状態1314のときの低圧閾値と異なり得る。例示されている実施形態において図示されているように、メンテナンスモード1350は、監視状態1352およびメンテナンスポンプダウン(「MPD」)状態1354を含み得る。
【0172】
いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、システムがMPD状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備える4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯して、システムがMPD状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、システムがMPD状態にあることを示すものとしてよく、「OK」LEDはフラッシングし、「漏れ」LEDはオフになり、「被覆材フル状態」LEDはオフであり、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において好適な連携するLED配置構成が企図されている。MPD状態のときに望ましい陰圧に達した後、1以上のインジケータは連携して点灯して、その陰圧に達したことを示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、その陰圧に達したことを示すものとしてよく、「OK」LEDはフラッシングし、「漏れ」LEDはオフになり、「被覆材フル状態」LEDはオフになり、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において、この同じ照明パターンは、ポンプシステムが、MPD状態などのときに正常に機能していることを示すためにも使用されるものとしてよく、MPD状態のときにその陰圧に達したことを示すためにフラッシングに加えて、MPD状態のときにポンプシステムが正常に機能していることを示し得る。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。
【0173】
監視状態1352のときに、ポンプシステムは、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力を監視しポンプシステムまたはその監視されている部分内の圧力が高圧閾値と低圧閾値との間に維持されることを確実にすることができる。陰圧源は、監視状態1352のときに非アクティブ化され得る。ポンプシステムは、ポンプシステムまたはその一部の中の圧力を間欠的におよび/または連続的に監視することができる。たとえば、ポンプシステムは、約1秒のプリセットされたサンプリングレートでポンプシステムまたはその一部の中の圧力を監視することができる。いくつかの実施形態において、サンプリングレートは、約50msから約5秒の間、約200msから約2秒の間、約500msから約2秒の間、約1秒、これらの範囲内の任意の値および/または部分範囲、または所望の他のサンプリングレートであってよい。いくつかの実施形態において、監視状態1352のときのサンプリングレートは、IPD状態1314のときにサンプリングレートよりも小さく、有利に、電力使用量を減らし、電源の寿命を延ばすことができる。いくつかの実施形態ではより低いサンプリングレートが使用され得るが、それは監視状態1352のときに(たとえば、陰圧源が非アクティブ化されたとき)圧力変化率が、陰圧源がアクティブ化されたときの圧力変化率よりも小さい可能性があるからである。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、また、圧力変化率を計算して、ポンプシステムが低圧閾値などの、所望の圧力に到達するまでの時間の長さを推定することができる。
【0174】
いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、システムが監視状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、図56を参照しつつ上で説明されているように、いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは、ポンプシステム100の正常動作を示すことができる「OK」インジケータ、ポンプシステム100もしくはそれに取り付けられている構成要素内に漏れが存在していることを示すことができる「漏れ」インジケータ、創傷被覆材が容量いっぱいになっているか、もしくはそれに近いことを示すことができる「被覆材フル状態」インジケータ、およびバッテリがクリティカルレベルにあるか、もしくはそれに近いことを示すことができる「バッテリクリティカル」インジケータを備える4つのアイコン114’のセットを含み得る。いくつかの実施形態において、1以上のインジケータは個別にまたは連携して点灯して、システムが監視状態にあることをユーザに示すことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、4つのアイコン114’のセットは連携して点灯し、システムが監視状態にあることを示すものとしてよく、「OK」LEDはフラッシングし、「漏れ」LEDはオフになり、「被覆材フル状態」LEDはオフであり、「バッテリクリティカル」LEDは変化しない(オン、オフ、またはフラッシング)。いくつかの実施形態において、この同じ照明パターンは、また、システムが監視状態にあることを示すフラッシングに加えて、ポンプシステムが監視状態のときに正常に機能していることを示すために使用され得る。いくつかの実施形態において好適な連携するLED配置構成が企図されている。様々な実施形態において、1以上のインジケータを使用して視覚的指示を与えることに加えて、またはその代わりに、聴覚、触覚などを含む他の指示が与えられ得る。
【0175】
ポンプシステムは、ポンプシステムがポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力が高圧力閾値であるか、おおよそ高圧閾値であることを検出するまで、監視状態1352に留まり得る。ポンプシステムまたはその一部分が、高圧力閾値にあるか、おおよそ高圧閾値にあると検出した後、ポンプシステムは、MPD状態1354に遷移することができる。MPD状態1354のときに、ポンプシステムは、陰圧源をアクティブ化して療法を開始し、圧力が低圧閾値であるか、または低圧閾値に近くなるまでシステムまたはその一部分の中の圧力を下げることができる。いくつかの実施形態において、低圧閾値は、IPD状態1314に関連して説明されている低圧閾値と同じであるか、または類似しているものとしてよい。いくつかの実施形態において、この低圧閾値は、IPD状態1314における低圧閾値と異なり得る。
【0176】
ポンプシステムは、プリセットされたサンプリングレートでポンプシステムの中の圧力を継続的に監視することができる。いくつかの実施形態において、サンプリングレートは、IPD状態1314に関連して説明されている低圧閾値と同じであるか、または類似しているものとしてよい。いくつかの実施形態において、このサンプリングレートは、IPD状態1314のときのサンプリングレートと異なり得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、また、圧力変化率を計算して、ポンプシステムが低圧閾値などの、所望の圧力に到達するまでの時間の長さを推定することができる。ポンプシステムが、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力が低圧力閾値であるか、おおよそ低圧閾値であると検出したときに、ポンプシステムは、監視状態1352に遷移して戻ることができる。
【0177】
図63に関連して説明されている実施形態を再び参照すると、いくつかの実施形態において、ユーザは、スイッチをアクティブ化する(たとえば、ボタンを押す)ことによって療法を一時停止し、それによってポンプシステムはメンテナンスモード1350からスタンバイ状態1312に遷移することができる。ユーザによって一時停止された後、ポンプシステムは、ボタンを押すなどのユーザ入力を受け取った後、スタンバイ状態1312からIPD状態1314に遷移することができる。いくつかの実施形態において、ユーザによって一時停止された後、ポンプシステムは、持続時間が閾値を超えたときにスタンバイ状態1312からIPD状態1314に自動的に遷移することができる。閾値は、ポンプシステムがボタン押しからIPD状態1314からスタンバイ状態1312に入ったときに閾値などの、上で説明されている閾値と同じまたは異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、そのような閾値は、1分以下から1時間以上の間などの、プリセット値であってよい。いくつかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定または変更され得る。いくつかの実施形態において、閾値は、様々な動作条件またはこれらの組合せに基づき変化し得る。たとえば、ポンプシステムが寿命末期に近づくにつれ(以下で説明されているように)、閾値は、バッテリに十分な残量がある場合に下げられ得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、スイッチをアクティブ化した後、または閾値を超えた後自動的に、メンテナンスモード1350に遷移することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、遷移時の圧力などの、動作条件に応じてIPD状態1314またはメンテナンスモード1350に遷移し得る。
【0178】
ポンプシステムがスタンバイ状態1312に遷移し、スタンバイ状態1312に留まったときに、ユーザは指示を与えられ得る。たとえば、いくつかの実施形態において、すべてのインジケータは、非アクティブ化され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、インジケータ(たとえば、OKインジケータ)を非アクティブ化し、別のインジケータ(たとえば、被覆材インジケータ)をフラッシングまたは点滅させることができる。いくつかの実施形態において、療法は、ポンプシステムがスタンバイ状態1312に留まっている間、サスペンドされ得る。たとえば、陰圧源は、非アクティブ化され(またはオフにされ)てよく、これは、ポンプシステムがスタンバイ状態1312にあることをユーザに示すものである。
【0179】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、所望の時間内に閾値圧力に達しないときに、メンテナンスモード1350から漏れ状態1316に遷移することができる。閾値圧力が所望の時間内に閾値圧力に達することができないことは、システム内に漏れが存在することを反映するものとしてよい。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、リトライサイクルの回数がリトライ限度を超えたとき、および/またはポンプのデューティサイクルがデューティサイクル限度を超えると決定されたときに、メンテナンスモード1350から漏れ状態1316に遷移し得る。いくつかの実施形態において、リトライ限度および/またはデューティサイクル限度を超えることは、システム内に漏れが存在することを反映するものとしてよい。いくつかの実施形態において、インジケータ(たとえば、漏れインジケータまたは被覆材インジケータ)は、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、システム内に漏れが存在していることをユーザに示すことができる。
【0180】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、システムが、創傷被覆材フィルタ(および/またはキャニスタフィルタ)などのフィルタが閉塞(創傷被覆材が滲出液で限度容量までまたは限度容量近くまで満たされることにより引き起こされる)を生じたと決定したときに、メンテナンスモード1350からフィルタ閉塞状態1318に遷移するように構成され得る。フィルタに閉塞が生じたと決定するための例示的なアルゴリズムが、以下でさらに詳しく説明される。いくつかの実施形態において、インジケータ(たとえば、フィルタ閉塞インジケータ)は、点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行い、閉塞が存在していることをユーザに示すことができる。
【0181】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、電源の残量または寿命を監視するように構成され得る(たとえば、バッテリ電圧、電流などを定期的に読み取るか、またはサンプリングすることによって)。ポンプシステムは、ユーザに対して残量を示すように構成され得る。たとえば、電源が通常の残量を有すると決定された場合(たとえば、2.7V、2.6V、2.5Vなどの閾値と比較した結果として)、インジケータ(たとえば、バッテリインジケータ)が非アクティブ化され得る。電源の残量が少ないと決定された場合、ポンプシステムは、たとえば、インジケータ(たとえば、バッテリインジケータ)を点滅またはフラッシングさせることによってユーザに指示を与えることができる。いくつかの実施形態において、インジケータ(たとえば、バッテリインジケータ)は、ポンプシステムが入っている状態に関係なくまたは特定の状態でのみ点滅またはフラッシングすることを間欠的にもしくは連続的に行うように構成され得る。
【0182】
いくつかの実施形態において、電源の残量が、クリティカルレベルであるか、またはクリティカルレベルに近いと決定されたときに(たとえば、2.4V、2.3V、2.2Vなどの閾値との比較の結果として)、ポンプシステムは、電圧不足またはバッテリクリティカル状態1392に遷移し得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、電源を交換するか、または充電することなどによって、電源の容量が増加するまでこの状態に留まり得る。ポンプシステムは、バッテリクリティカル状態1392に留まっている間に療法を非アクティブ化することができる。それに加えて、ポンプシステムは、たとえば、すべてのインジケータを非アクティブ化することによって電源がクリティカルレベルにあるか、またはクリティカルレベルに近いことをユーザに示すように構成され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムが電圧不足状態1392に遷移した後に一時停止/再開ボタンが押されたときに、ポンプシステムは、たとえば、バッテリインジケータLEDをフラッシングすることによってデバイスがまだ寿命末期(EOL)に達していないことを示すように構成され得る。
【0183】
図63に関連して説明されている実施形態を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、最初のアクティブ化後、約1日、2日~10日、最大30日などの所定の期間に療法を実施するように構成され得る。いくつかの実施形態において、そのような期間は、ユーザによって変更され、および/または様々な動作条件またはこれらの組合せに基づき変化する、プリセットされた値であってよい。ポンプシステムは、そのような期間の終了後に処分され得る。ポンプシステムがアクティブ化された後、ポンプシステムは、アクティブ状態のままであった持続時間を監視することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、システムがアクティブ状態のままであった累積持続時間を監視することができる。これは、たとえば、そのような持続時間を反映する、タイマ(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せによる)を維持することによって遂行され得る。
【0184】
持続時間が閾値(たとえば、10日)に達するか、または超えたときに、ポンプシステムは、寿命末期(EOL)状態1390に遷移することができる。ポンプシステムは、状態1390に留まっている間、療法を非アクティブ化し、ポンプシステムの使用可能寿命の終わりに達したことをユーザに示すことができる。たとえば、ポンプシステムは、すべてのインジケータを非アクティブ化し、および/またはボタンを非アクティブ化することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムが使い捨てであるときには、寿命末期状態1390に遷移することは、ポンプシステムが処分できることを意味する。ポンプシステムは、寿命末期に達した後にポンプシステムの再アクティブ化を無効化することができる。たとえば、ポンプシステムは、電源が切断され、後で再接続される場合であっても再アクティブ化を可能にしないように構成されるものとしてよく、これは指示、値、フラグなどを読出し専用メモリ内に記憶することによって達成され得る。
【0185】
図64は、いくつかの実施形態により、メンテナンスモード1350のときなど、陰圧源がアクティブであるときに、圧力対時間の例示的なグラフ1400を示している。直線1410によって例示されているように、システムは、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力が低圧力閾値1402であるか、または低圧閾値1402に近いことを検出した後、監視状態1352に入ることができる。例示されている実施形態において、他の低圧閾値も上で説明されているように選択できるが、低圧閾値は約-100mmHgとすることができる。監視状態1352のとき、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力は、陰圧源が非アクティブ化され、システム内にわずかな漏れが存在することにより徐々に減少し始めることがある。例示されているように、ポンプシステムは、間隔1430によって表されているように、期間aにわたって圧力を監視することができる。いくつかの実施形態において、圧力は、遷移期が経過した後に間隔1430にわたってサンプリングされ得る。たとえば、いくつかの実施形態において、遷移期は、監視状態1352が始まると測定され得る。遷移期が経過した後、圧力は、連続サンプルでサンプリングされるものとしてよく、連続サンプルの2つ以上の平均をとることができる。
【0186】
システムが、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力が、高圧閾値1412であるか、または高圧閾値1412に近いことを検出したときに、システムは、直線1420によって例示されているように、MPD状態1354に切り替わり、陰圧源を再アクティブ化し、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力を下げることができる。例示されている実施形態において、他の高圧閾値も上で説明されているように選択できるが、高圧閾値は約-60mmHgとすることができる。例示されているように、ポンプシステムは、間隔1432によって表されているように、期間bにわたってアクティブ化することができる。ポンプシステムが、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力が低圧力閾値1422であるか、低圧閾値1422に近いと検出したときに、システムは、監視状態1352に切り替わって戻り、陰圧源を非アクティブ化することができる。このプロセスは、必要に応じて繰り返すことができる。
【0187】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、陰圧源(たとえば、ポンプ)のデューティサイクルを監視するように構成され得る。本明細書で使用されているように、「デューティサイクル」は、陰圧源が一定期間にわたってアクティブであるか、または動作している時間の長さを反映する。言い替えれば、デューティサイクルは、考慮対象の全時間のうちのわずかな時間として陰圧源がアクティブ状態にある時間を反映し得る。たとえば、上で説明されているように、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、たとえば、ポンプのデューティサイクルがデューティサイクル限度を超えると決定されたときに、IPD状態1314またはメンテナンスモード1350から漏れ状態1316に遷移し得る。そのような場合において、デューティサイクル限度を超えることは、システム内に漏れが存在することを反映するものとしてよい。いくつかの実施形態において、間隔1410と1420との間に例示されている期間(すなわち、a+b)にわたるポンプのデューティサイクル(DC)は、パーセントスケールで次のように表され得る。
【0188】
DC=100%*[b/(a+b)]
【0189】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、陰圧源のデューティサイクルを監視するように構成されている、コントローラ1114または1202などの、コントローラを備え得る。デューティサイクルの測定は、システムを通る流量を示し、陰圧源の活動レベルを反映し得る。たとえば、デューティサイクルは、陰圧源が正常に動作していること、激しく動作していること、極端に激しく動作していることなどを示し得る。さらに、定期的なデューティサイクルの測定などの、デューティサイクルの測定は、システム内の1以上の漏れの存在、率、および/または重大度、創傷から吸引される流体(たとえば、空気、液体、および/または固形滲出物など)の流量などの、様々な動作状態を反映することができる。測定されたデューティサイクルをデューティサイクル閾値(較正または実行時に決定される)と比較することなどによる、デューティサイクルの測定に基づき、コントローラは、様々なシステム要求条件に従ってシステムの動作を制御するアルゴリズムまたはロジックを実行し、および/またはそれらを実行するようにプログラムされ得る。たとえば、デューティサイクルの測定は、システム内に大きな漏れが存在することを示すことができ、コントローラは、この状態をユーザ(たとえば、患者、介護人、医師など)に示し、および/または節電のため陰圧源の動作を一時的にサスペンドまたは一時停止するようにプログラムされ得る。
【0190】
いくつかの実施形態において、ポンプシステム1000、1100、または1200は、10秒以下から5分以上毎に1回など、デューティサイクルを定期的に監視するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、毎分1回デューティサイクルを監視するように構成され得る。
【0191】
たとえば、デューティサイクルを決定するために、ポンプシステム1000、1100、1200は、ポンプがアクティブである(たとえば、ポンプ実行時)および/または非アクティブである間の持続時間を監視するように構成され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステム(たとえば、コントローラ1114、1202)は、決定されたデューティサイクルを、1%以下から50%以上までの範囲から選択され得る、デューティサイクル閾値と比較するように構成されるものとしてよい。たとえば、この比較は、システム内に漏れが存在することを示すことができる。言い替えれば、ポンプが、デューティサイクル閾値に達するか、または超えるように一定期間にわたってアクティブのままである場合に、陰圧源は、漏れを解消するために激しく働きすぎている可能性がある。そのような場合、上で説明されているように、ポンプアセンブリは、療法の実施をサスペンドするか、または一時停止するように構成されてよい。ポンプアセンブリは、たとえば、陰圧源を非アクティブ化すること、1以上のインジケータをアクティブ化すること、および同様のことによってポンプが激しく働いている(たとえば、デューティサイクルがデューティサイクル閾値を超える)という指示をユーザに与えるように構成され得る。いくつかの実施形態において、デューティサイクル閾値は、ユーザによって設定または変更され、および/または様々な動作条件またはこれらの組合せに基づき変化する、プリセットされた値であってよい。いくつかの実施形態において、デューティサイクルは、ポンプの活動レベルを示すが、ポンプ速度などの他の測定基準も、ポンプの活動レベルを測定するために使用され得る。いくつかの実施形態において、流体の流量は、流量計を使用することなどによって、直接的に測定され得る。
【0192】
いくつかの実施形態において、ポンプシステム1000、1100、または1200は、実行時に(または動的に)デューティサイクル閾値を決定し、調整する。たとえば、コントローラ1114または1202は、デューティサイクル閾値を、約1秒以下、30秒以下または以上、1分以下または以上、10分以下または以上、30分以下または以上、1時間以下または以上、などの時間おきなど、定期的におよび/または連続的に決定するように構成され得る。デューティサイクル閾値は、少なくとも一部は電源1108または1216(たとえば、図57Aに示されているポンプシステム、および図60図61、および図62に示されているポンプシステム1000、1100、または1200)の容量および装置の動作時間に基づき得る。上で説明されているように、ポンプシステムは、所定の期間に療法を行い、初期アクティブ化の後所定の期間に自らを非アクティブ化するように構成され得る。たとえば、そのような所定の期間(または、存続期間閾値)は、7日(または168時間)、10日(または240時間)など、1日以下または10日以上の間とすることができる。電源1108または1216は、十分な電力をポンプシステム100、1000、1100、または1200に供給し、少なくとも存続期間閾値に等しい時間の間動作する十分な容量を有するように構成されるか、または選択され得る。いくつかの実施形態において、装置(たとえば、コントローラ1114または1202を介した)は、装置の初期アクティブ化から経過した総時間に基づき動作時間を決定し、動作時間が存続期間閾値に達したときに陰圧源のアクティブ化を無効化するように構成され得る。
【0193】
いくつかの態様によれば、デューティサイクル閾値を調整することは、いくつかの理由から有益な場合がある。いくつかの実施形態において、デューティサイクル閾値は、中断がまったくないか数回程度でユーザに療法を施したいという望みと節電の必要性との間のバランスを表し得る。たとえば、システム内に漏れがあり、漏れ検出が少なくとも一部はポンプのデューティサイクルを監視し、監視されたデューティサイクルをデューティサイクル閾値と比較することに基づき実行される状況において、ポンプシステム100、1000、1100、または1200は、療法の実施を非アクティブ化することを含み得る、漏れが検出されたことをユーザに知らせる指示を出す前に一定期間にわたって療法を施すように構成され得る。漏れが対処された後、療法の実施を再開できる。しかしながら、デューティサイクル閾値を大きくすれば、有利には、結果として療法の実施の中断が数回程度と少なくなり得る。
【0194】
いくつかの実施形態において、デューティサイクルは、ポンプシステムの動作中に定期的におよび/または動的に(たとえば、コントローラ1114または1202によって)計算され得る。上で説明されているように、いくつかの実施形態において、デューティサイクル閾値は、ポンプシステムの残存もしくは残留バッテリ寿命の推定および/または計算に基づき計算され得る。残留バッテリ寿命の関数であるデューティサイクルの推定および/または計算は、ポンプシステムの動作中に(バッテリの充電が行われなければ)バッテリ寿命が減少するので動的である。その結果、推定された、および/または計算されたデューティサイクル閾値は、残留バッテリ寿命が減少し、寿命末期に近づきつつあるときに調整される。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムによって消費されるエネルギー(たとえば、ジュールで表される)は、与えられた時間における残留バッテリ寿命の長さを決定するために一定期間にわたって追跡され得る。いくつかの実施形態において、ポンプシステムによって消費される実際のエネルギーが追跡され得るか、またはポンプシステムによって消費される推定されるジュール数が追跡され得る。
【0195】
いくつかの実施形態において、デューティサイクル閾値は、残留バッテリ寿命の決定に基づき調整することができる。たとえば、ポンプシステムが、10日間動作するように構成されていると仮定する。初日に、デューティサイクル閾値は、ポンプシステムが後の9日間動作できるようにバッテリ寿命を温存するために、たとえば、10%などのより低い値に控えめに設定され得る。次に、5日目の動作で、残留バッテリ寿命は残存バッテリ容量の75%(動作期間の中ほどで予想されるように50%の残存容量でなく)を示すと仮定し、最初の5日間の動作における動作履歴に基づき、ポンプシステムは、最後の5日間の動作でバッテリ容量のせいぜい50%を消費すると推定されると仮定する。ポンプシステムの推定されたエネルギー消費量は、重大な場合もあり得る、1以上の漏れの存在下で動作しているポンプシステムの控えめな推定を行うことを含む、様々な方法で決定され得る。この例では、5日目の推定された残存バッテリ容量(または75%)は、寿命末期(または50%)までのポンプ動作に必要な推定容量を超えるので、デューティサイクル閾値は、25%(から12.5%)だけ、または別の好適な増分だけ増やされ得る。別の例では、デューティサイクル閾値は、残存バッテリ容量がたとえば動作中に発生した漏れのせいで予想容量を下回るので下げられ得る。いくつかの実施形態において、デューティサイクル閾値は、最小値と最大値の間に設定され得る。
【0196】
いくつかの実施形態において、デューティサイクル閾値(DC)は、次のように決定され得る。この決定は、コントローラ(たとえば、コントローラ1114または1202によって)実行され得る。次の計算では、Tpredicted,runは、ポンプがアクティブであるか、または動作中である(たとえば、IPD状態、MPD状態など)と予想される際の推定された時間であり、Tpredicted,waitは、ポンプが非アクティブであるか、またはアイドル状態である(たとえば、監視状態、一時停止状態など)と予想される際の推定された時間であり、Tresidualは、寿命末期に達するまでの残り時間の長さである。Tpredicted,runは、次のようにデューティサイクル閾値に関して表すことができる、ポンプシステムがアクティブであると予想される残留時間の長さ(Tresidual)として決定され得る。
【0197】
【数1】
【0198】
predicted,waitは、次のようにDCに関して表すことができる、ポンプシステムがアイドル状態であると予想される残留時間の長さ(Tresidual)として決定され得る。
【0199】
【数2】
【0200】
runおよびPwaitは、それぞれポンプが動作しているときとアイドル状態のときの推定される電力消費量である。これらの値は、デバイスの履歴的動作を考慮する技術、控えめの推定を実行する技術(上で説明されているように、1以上の重大な漏れの存在の下でシステムが動作していると予想することを含み得る)、あまり控えめでない推定を実行する技術(1以上の管理可能な漏れの存在下でシステムが動作していると予想することを含み得る)、および同様の技術のうちの1以上を使用して決定され得る。Eresidualは、推定され、および/または測定され得る、電源の推定される残留容量である。次の式に示されているように、Eresidualは、活動期間に消費される推定されるエネルギー(Tpredicted,run×Prun)と、不活動期間に消費されると推定されるエネルギー(Tpredicted,wait×Pwait)の総和としても表され得る。
【0201】
【数3】
【0202】
式(3)は次のように簡素化される。
【数4】
【0203】
式(4)を
【0204】
【数5】
【0205】
で除算する。
式(5)は次のように書き換えられる。
【0206】
【数6】
【0207】
デューティサイクル(DC)について解くと
【0208】
【数7】
【0209】
となる。
したがって、式(7)が、動的デューティサイクル閾値を決定するために使用され得る。この決定は定期的に実行され得る。
【0210】
ポンプシステム制御の追加の詳細は、米国特許第8,734,425号明細書、名称「PRESSURE CONTROL APPARATUS」、米国特許第8,905,985号明細書、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING OPERATION OF A REDUCED PRESSURE THERAPY SYSTEM」、米国特許出願公開第2015/0051560号明細書、名称「CONTROLLING OPERATION OF A REDUCED PRESSURE THERAPY SYSTEM BASED ON DYNAMIC DUTY CYCLE THRESHOLD DETERMINATION」において開示されており、これらは本開示の一部であるかのように参照により本明細書に組み込まれている。
【0211】
いくつかの実施形態において、IPDまたはMPD状態における圧力は、IPDまたはMPD状態が開始されたときから経過したプリセット期間の後にサンプリングされ得る。この時間が経過した後、圧力は、連続サンプルでサンプリングされるものとしてよく、連続サンプルの2つ以上の平均をとることができる。いくつかの実施形態において、圧力のサンプリングは、駆動信号と同期され得る。たとえば、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力のサンプリングは、駆動信号がおおよそ、実質的にオフセット(以下で説明されている)および/または0値である振幅を有しているときに実行され得る。いくつかの実施形態において、連続圧力サンプルの2つ以上のグループの平均をとり、モータの動作によって引き起こされる圧力変動による測定誤差を最小にすることができる。いくつかの実施形態において、連続圧力サンプルの2つ以上のグループの平均をとることで、圧力サンプルが0値で同期されるときに0値を検出するのに要する時間を補償することができる。ポンプアセンブリの移動は、ポンプシステムのマニホールドなどの、ポンプシステム内の圧力に大きな影響を及ぼし得る。圧力のサンプリングを駆動信号のオフセットおよび/または0値と同期させることによって、モータの動作によって引き起こされる圧力変動による測定誤差を小さくすることができる。いくつかの実施形態において、圧力のサンプリングは、駆動信号の極大値および/または極小値と同期され得る。いくつかの実施形態において、圧力のサンプリングは、負の変化率および/または正の変化率を有する駆動信号の部分などの、駆動信号のいくつかの部分と同期され得る。
【0212】
いくつかの実施形態において、圧力は、オフセットおよび/または0値、極大値、および/または極小値などの、1以上の選択されたサンプリング振幅で、またはおおよその1以上の選択されたサンプリング振幅で1以上の回数のサンプリングが行われ得る。これは、有利には、サンプリング誤差の尤度を小さくし、1以上の選択されたサンプリング振幅の検出から圧力のサンプリングまでに経過した遅延時間を補償することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、おおよそオフセットおよび/または0値毎に8つの連続サンプルをとることができる。したがって、ポンプシステムは、駆動信号の単一期間にわたって16個のサンプルをとることができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、一定期間にわたってとったサンプルの一部またはすべての平均をとることができる。
【0213】
ポンプの作動および制御
本明細書で開示されている実施形態において、ポンプの性能および効率は、アクチュエータ(たとえば、ポンプシステム100のコイル600)を駆動するため好適な信号または波形を選択することによって改善され得る。コントローラ(たとえば、コントローラ1006、1114、および/またはドライバモジュール1220)によって、好適な駆動波形がコイルに印加され得る。本明細書で開示されている実施形態において、ダイアフラムが真空に対抗して引いている(または流体流路からガスを取り除いている)ときにダイアフラムとポンプの出口弁(たとえば、ポンプシステム100のダイアフラム550)にかかる圧力差は、弁にかかる圧力低下と被覆材の下の真空レベルとの総和として決定され得る。たとえば、本明細書で開示されている実施形態において、陰圧範囲は、約-80mmHgであるものとしてよく、これは、最大80mmHgまでの真空レベルがダイアフラムにかかる圧力低下に影響を及ぼし得ることを意味する。ダイアフラムが取り除かれる流体を吐出している(たとえば、取り除かれるガスを大気中に吐出している)ときに、ダイアフラムおよび出口弁にかかる圧力差は、弁にかかる圧力低下として決定され得る。言い替えれば、ガスが吐出されているときに、ダイアフラムおよび出口弁にかかる圧力差は、弁にかかる圧力低下と実質的に同等である。
【0214】
本明細書で開示されている実施形態において、取り除かれるガスを吐出するための力は、真空を引く(たとえば、流体流路からガスを取り除く)ための力よりも小さいものとしてよい。正と負の等しい振幅を有する方形波または正弦波などの対称的な信号が、コイルに印加される場合、ダイアフラムは、弛緩中心状態でない点の周りで振動し、これはダイアフラムの全行程を縮小し、それによって効率を下げ得る。
【0215】
図65は、いくつかの実施形態による陰圧源に対する例示的な駆動信号を表している。本明細書で開示されている実施形態において、ダイアフラムは、オフセット正弦波(またはサイン)駆動信号1510によって駆動され得る。たとえば、駆動信号は、コイル600などの、ポンプのアクチュエータに印加され、それによって、ダイアフラムを屈曲させ、撓ませることができる。図65は、いくつかの実施形態によるアクチュエータに印加され得るオフセット正弦波形1510を示している。x軸は時間を表し、y軸は電圧などの振幅を表す。正弦波1510の例示されている振幅は、電圧であるが、ダイアフラムを駆動するために電流が使用され得る。
【0216】
正弦波1510は、約0.4Vである、直線1512によって示されているような0Vからのオフセットである。好適なオフセットは、0.05V、0.1V、0.65Vなどが使用され得る。オフセットは、負であってもよい。以下でさらに詳しく説明されるように、いくつかの実施形態において、オフセットは、ポンプシステムまたはその一部分の中の現在および/または所望の圧力などの、ポンプシステムの動作状態に応じて可変であってもよい。正弦波1510は、正弦波1510において例示されている-2.7Vから3.3Vなど、好適な大きさの信号であってよい。本明細書で開示されている実施形態において、-1.0Vから1.0V、-2.0Vから2.0V、-4.0から4.0Vなどの範囲の、電圧の他の好適な大きさも使用できる。以下でさらに詳しく説明されるように、いくつかの実施形態において、大きさは、ポンプシステムまたはその一部分の中の現在および/または所望の圧力などの、ポンプシステムの動作状態に応じて可変であってもよい。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリのダイアフラムおよび/または他の振動構成要素の共振周波数は、動作中に駆動信号のオフセットおよび/または大きさを修正することによってポンプシステムの動作中に整合され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、駆動信号オフセットおよび/または大きさは、駆動信号がポンプアセンブリのダイアフラムおよび/または他の振動構成要素を、陰圧が送達されることに関連付けられている共振周波数で振動させるように連続的に修正され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、駆動信号は、ターゲット低圧閾値が満たされるか、超えるまでIPD状態において連続的に修正され得る。いくつかの実施形態において、駆動信号は、ターゲット低圧が再び満たされるか、超えるまでMPD状態のときに同様に連続的に修正され得る。動作中に駆動信号のオフセットおよび/または大きさを修正することによって、ポンプは、有利には、動作中により効率的に、また静粛にされ得る。正弦波1510は、正弦波1510において例示されているような約200Hzなどの、好適な周波数のものであってよい。いくつかの実施形態において、約50Hzから約200Hz、または約25Hz以下から約300Hz以上までなど、他の好適な周波数も使用され得る。50Hz未満および200Hz超の周波数などの他の周波数も使用され得る。
【0217】
本明細書で開示されている実施形態において、オフセット正弦波1510などの、正弦波信号でダイアフラムを駆動することで、陰圧源の効率を高めることができる。たとえば、正弦波1510は、単一周波数を有するので、その周波数がポンプの単一の振動または共振モードを刺激することができる(たとえば、ポンプの第1の振動モードは、他のモードがより高い自然または共振周波数を有する場合に刺激される)。効率は、ポンプが運動するか、または単一周波数で共振する場合に最適化され得る。たとえば、ダイアフラムの軸方向バネ剛性および正弦波のオフセットは、より高い効率となるように最適化され得る。それに加えて、ゴム製構成要素などの、ダイアフラム以外の構成要素では駆動エネルギーはあまり、またはまったく吸収され得ない。
【0218】
本明細書で開示されている実施形態では、非オフセット正弦波駆動信号が使用され得る。様々な実施形態において、余弦波、正接波、方形波、三角波、鋸波、パルス幅変調波形などの他の周期的信号も、ダイアフラムを駆動するために使用され得る。ダイアフラムを駆動する信号は、対称的であるか、または非対称的であり、および/またはオフセットされるか、またはオフセットされ得ない。いくつかの実施形態において、非周期的駆動信号が使用され得る。
【0219】
図65の例示的な駆動信号を引き続き参照すると、いくつかの実施形態において、正弦波1510は、1以上の他の波の組合せを介して生成され得る。例示されている実施形態において図示されているように、正弦波1510を生成するために、2つの180度位相シフトした正弦波1520および1530が組み合わされ得る。正弦波1520および1530は、ピークツーピーク振幅などの、異なる振幅を有し得る。本明細書で開示されている実施形態において、概略図1540に示されているように、正弦波1530は、正弦波1520から差し引かれ、アクチュエータなどの陰圧源に印加され得る。本明細書で開示されている実施形態において、正弦波1520および1530は、互いに関して位相シフトされるものとしてよく、好適な位相シフト値は0から360度の範囲から選択される。様々な実施形態において、正弦波1520および1530は、線形または非線形的に結合され得る。
【0220】
図66は、いくつかの実施形態による、図65に例示されている正弦波1520および1530などの、駆動信号の発生を示している。コントローラ1550(たとえば、コントローラ1006、1114、および/またはドライバモジュール1220)によって、1以上のPWM駆動信号1560が生成され得る。異なる周波数の方形波の結合として洗わされ得る、これらのPWM駆動信号は、ローパルフィルタであってよい、フィルタ1570によってフィルタリングされる。フィルタ1570は、PWM駆動信号の1つを除くすべての周波数成分を除去するように構成され得る。本明細書で開示されている実施形態において、1以上のPWM駆動信号1560をフィルタリングすることで、正弦波1520および1530を生成することができる。例示されている実施形態において図示されているように、2つのPWM駆動信号1560(上信号および下信号として示されている)は、正弦波1520および1530をそれぞれ生成するために使用され得る。PWM駆動信号1560の各々は、それぞれの正弦波信号1520または1530を生成するために、振幅などの、適切な特性を有する信号であってよい。
【0221】
本明細書で開示されている実施形態において、ボイスコイルアクチュエータまたはモータは、フィルタ1570として使用され得る。ボイスコイルモータは、ローパスフィルタ特性を有する、LCまたはRLC回路などの、共振回路として振る舞うことができる。一実施形態において、モータは、特性として、抵抗R=20Ω、インダクタンスL=1mH、および時定数τ=50μsを有することができる。本明細書で開示されている実施形態において、好適な分離フィルタ1570が使用され得る。いくつかの実施形態において、フィルタ1570は、ハイパス、バンドパス、バンドストップ、および/またはノッチ特性を有することができる。本明細書で開示されている実施形態において、正弦波1510は、1以上のPWM信号から直接生成され得る。
【0222】
ポンプ作動パラメータの較正
本明細書で開示されている実施形態において、正弦波1510などの、駆動信号の1以上のパラメータは、ポンプシステムの現在のおよび/または所望の動作状態に基づき変えることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、駆動信号のオフセットおよび/または振幅などのパラメータは変更可能である。そのようなパラメータは、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分に対する現在のおよび/または所望の圧力に基づき変えることができる。以下で説明されているように、駆動信号のパラメータを変更することで、ポンプシステムの効率を高め、消費電力を低減し、陰圧源の構成要素によって発生する騒音を減らすことができる。
【0223】
いくつかの実施形態において、パラメータは、ダイアフラムチャンバが最小容積または最小容積の近くにあり得る上死点(「TDC」)およびダイアフラムチャンバが最大容積または最大容積の近くにある下死点(「BDC」)での機械的ストッパなどの機械的ストッパにより、支持体、シャフト、またはピストンなどのボイスコイルアクチュエータの構成要素の間の接触などの、ポンプアセンブリの構成要素の間の接触の可能性を低減するか、またはなくすように変えることができる。真空が増大するにつれ、オフセットは、BDCの方へよりバイアスされるものとしてよく、振幅は、ピストンがより高い真空状態において与えられた振幅についてより低い移動度を示すので高められ得る。いくつかの実施形態において、ダイアフラムは、駆動信号に対するオフセットが周囲圧または大気圧でTCDに向かい、圧力としての大きさに関してより高い陰圧を低減するように、バネなどの、ポンプアセンブリの構成要素を介してBDCの方へ最初に付勢され得る。ポンプアセンブリの構成要素の間の接触を減らすことによって、ポンプアセンブリの騒音、振動、およびハーシュネスも低減され得る。さらに、駆動信号のパラメータを変化させることによって、ポンプアセンブリを通る流れは、所望のレベルに維持され得る。
【0224】
いくつかの実施形態において、パラメータは、ポンプアセンブリがアクティブ化されたときに圧力減衰率を変えるように変化させることができる。たとえば、パラメータは、圧力減衰率が概して線形となるように変化させることができる。
【0225】
本明細書で開示されている実施形態において、ポンプシステムは、駆動信号に対する1以上のパラメータを(コントローラを使用して)決定し、(メモリ内に)記憶することができる。たとえば、ポンプシステムは、1以上のターゲット圧力に対するオフセットおよび/または振幅を決定し、記憶することができる。いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリは、3つのターゲット圧力におけるオフセットおよび振幅を記憶することができる。たとえば、ポンプシステムは、0mmHgまたはおおよそ0mmHg、-71mmHgまたはおおよそ-71mmHg(-9.5kPa)、および-94mmHgまたはおおよそ-94mmHg(-12.5kPa)で振幅およびオフセットを決定し、記憶することができる。いくつかの実施形態において、これらの圧力が選択されたのは、0mmHgがシステム内の初期圧力に対応しており、-71mmHgがおおよそ監視モード1350(上で説明されているような)における高圧閾値であり、-94mmHgがおおよそ監視モード1350(上で説明されているような)における低圧閾値であるからである。
【0226】
ポンプシステムは、-67mmHgまたはおおよそ-67mmHg(-9.0kPa)などの、他のターゲット圧力における振幅および/またはオフセットを決定し、記憶することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、低圧閾値および高圧閾値などの、周囲圧力またはおおよそ周囲圧力および圧力閾値またはおおよそ圧力閾値に対応する圧力に対する振幅および/またはオフセットを決定し、記憶することができる。たとえば、ポンプシステムは、周囲圧力、高圧閾値未満の陰圧、および低圧閾値超の陰圧に対応する圧力に対する振幅およびオフセットを決定し、記憶することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、メンテナンスモード1350などの、メンテナンスモードのときの通常動作範囲を外れる圧力に対する振幅および/またはオフセットを決定し、記憶することができる。
【0227】
ポンプシステムは、必要に応じてより少ないまたはより多いターゲット圧力におけるオフセットおよび/または振幅を決定し、記憶することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、5つのターゲット圧力におけるオフセットおよび/または振幅を決定し、記憶することができる。さらに、ポンプシステムは、必要に応じてリストに挙げられているものと異なる圧力におけるオフセットおよび/または振幅を決定し、記憶することができる。たとえば、より多い数の圧力におけるオフセットおよび/または振幅を記憶する結果として、より効率的なポンプシステムを実現できる。
【0228】
いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステムに対する典型的な動作範囲よりも大きい陰圧値における振幅および/またはオフセットも決定し、記憶することができる。たとえば、ポンプシステムは、-218mmHgまたはおおよそ-218mmHg(-29kPa)における振幅および/またはオフセットを決定し、記憶することができる。-218mmHgまたはおおよそ-218mmHgにおける記憶されている振幅および/またはオフセットは、-94mmHgなどの、ポンプシステムに対する上側動作陰圧範囲における記憶されている振幅および/またはオフセット以下とすることができる。より高い陰圧におけるそのような振幅および/またはオフセットを記憶する際に、より高い陰圧におけるポンプシステムを通る流れは低減され得、それによって、ポンプシステムの構成要素への損傷の可能性を減らせる。
【0229】
本明細書で開示されている実施形態において、ポンプシステムは、現在のおよび/または所望の陰圧などの、ポンプの動作状態に基づき駆動信号の1以上のパラメータを決定するか、または計算することができる。たとえば、ポンプシステムは、駆動信号に対するオフセットおよび/または振幅を計算することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステム内の記憶されているパラメータに少なくとも部分的に基づき駆動信号に対するオフセットおよび/または振幅を計算することができる。これは、有利には、ポンプシステムに記憶されるパラメータの総数を減らし、それによってポンプシステム内において必要なメモリの量を削減することができる。さらに、以下でさらに詳しく説明されるように、これは、また、ポンプを較正するために要する時間を短縮することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、記憶されているパラメータのうちの2つ以上の値で補間し得る。たとえば、ポンプシステムは、記憶されているパラメータのうちの2つ以上の間で、線形補間などの補間を行い得る。多項式およびスプライン補間などの、他のタイプの補間も使用され得る。ポンプシステムは、駆動信号に対する1以上のパラメータを計算するため他のアルゴリズムを使用することができる。そのような技術の組合せも使用され得る。
【0230】
図67は、いくつかの実施形態による駆動信号の1以上のパラメータを取得するための較正プロセスまたは方法1600を例示している。いくつかの実施形態において、ポンプシステムに記憶されている1以上のパラメータは、そのような較正のときのポンプシステムの性能に基づくものとしてよい。較正は、ポンプシステムのポンプアセンブリが部分的にまたは完全に組み立てられた後、製造または生産時に実行され得る。較正は、本明細書で説明されている小型ボイスコイルポンプを含む、小型ポンプなどの、製造または組み立て許容範囲が低いポンプアセンブリに特に有利であり得る。たとえば、製造および取付けの際のわずかな相違は、潜在的に、第1のポンプアセンブリと第2のポンプアセンブリとの間の最適なパラメータを著しく変える可能性がある。したがって、較正は、そのようなポンプシステムの効率を著しく高めることができる。較正方法1600は、本明細書で開示されているポンプの実施形態のいずかを較正するために使用され得る。
【0231】
いくつかの実施形態において、ポンプシステムの較正は、プロセス1600を実装することができる、較正システムによって実行され得る。較正システム(図示せず)は、限定はしないが、圧力を印加するための空気圧チャンバ、ポンプシステムの1以上の構成要素の移動を測定するための1以上のセンサ、メモリ、コントローラ、入力および出力インターフェースなどの構成要素を含み得る。較正は、有利には、ポンプシステム内の陰圧源が1以上のターゲット圧力に対する最大効率または最大効率の近くで動作していることを確実にするために使用され得る。さらに、較正は、陰圧源の構成要素が機械的ストッパと接触せず、それによって擦り切れ、故障を防ぎ、騒音および振動を低減することを確実にするうえでも有益であり得る。ダイアフラムを動かすためのピストンアセンブリを有する隔膜ポンプなどの、何らかの陰圧源に関して、ダイアフラムに力が印加された結果、ポンプ内の圧力に基づき異なるレベルの移動が生じ得る。したがって、異なる圧力で印加される力の大きさは、ピストンアセンブリなどのポンプの構成要素が機械的ストッパと接触して騒音、振動、およびハーシュネスを引き起こし得る可能性を低減するか、またはなくすために可変であるべきである。
【0232】
例示されている実施形態において図示されているように、較正が最初にポンプシステム上で較正が実行されたときに、較正システムは、初期化ステップ1602を実行することができる。初期化ステップ1602のときに、較正システムは、較正試行カウンタをリセットすることができる(たとえば、カウンタを0、1、または望む他の値に設定する)。初期化ステップ1602のときに、較正システムは、較正されるポンプシステムのポンプアセンブリに適用する駆動信号に対するパラメータの初期セットを生成し得る。初期オフセット、初期振幅、および/または初期周波数などの、パラメータの初期セットは、較正される圧力に対するプリセットされた値に基づき得る。いくつかの実施形態において、パラメータの初期セットは、すでに較正されている圧力に対するポンプシステムの性能に基づくものとしてもよい。いくつかの実施形態において、パラメータの初期セットは、ユーザによっても設定され得る。これは、有利には、ポンプシステムを較正するのに要する時間を短縮できる。いくつかの実施形態において、較正システムは、ポンプシステムの極性をテストし、しかるべくパラメータを調整し得る。これは、有利には、組み立てプロセスのときに極性の反転を考慮するものとしてよい。
【0233】
いくつかの実施形態において、初期化ステップ1602のときに、較正システムは、限定はしないが、ポンプアセンブリのピストンアセンブリを含むポンプの構成要素の1以上の位置を測定することができる。たとえば、較正システムは、支持部材650などの支持体、シャフト700などのシャフト、コイル600などのコイル、および/またはダイアフラム550などのダイアフラムの1以上の位置を測定することができる。限定はしないが、ボイスコイルアクチュエータを利用するポンプシステムを含む、単一の並進自由度を有するポンプシステムを伴うものなどの、いくつかの実施形態において、較正システムは、ポンプアセンブリが非アクティブであるときの1以上の構成要素の位置(「休止」)、それらの構成要素に対する第1の端部にあるときの1以上の構成要素の位置(「上死点」)、および/またはそれらの構成要素に対する対向端にある1以上の構成要素の位置(「下死点」)を測定することができる。いくつかの実施形態において、較正システムは、ゼロ位置が上死点と下死点との間の平均点であり、上死点が正の値であり、下死点が負の値であるように、座標系を設定することができる。
【0234】
次にステップ1604を参照すると、較正システムは、システムが較正を実行することを試みるべきかどうかを決定し得る。いくつかの実施形態において、較正システムは、システムが較正試行を特定の回数だけ実行するように構成され得る。これは、有利には、較正システムがポンプシステムを較正することを試みる際に著しい時間とリソースを費やすことを防ぐか、またはその可能性を低減することができる。いくつかの実施形態において、較正試行回数は、プリセットされた数であってよい。いくつかの実施形態において、較正試行回数は、ユーザによって設定され得る。いくつかの実施形態において、較正試行回数は可変であってよく、すでに較正されている圧力に対するポンプシステムの性能に基づくものとしてもよい。
【0235】
図67に例示されている実施形態において図示されているように、較正システムは、カウンタが較正試行の設定値よりも大きいかどうかを決定することができる。カウンタが較正試行の設定値よりも大きい場合、較正システムは、較正がステップ1606で図示されているように失敗したと決定することができ、プロセス1600は終了する。いくつかの実施形態において、較正では、視覚的および/または聴覚的インジケータなどを介して較正が失敗したという指示をユーザに出すことができる。カウンタが較正試行の設定値以下である場合、システムは、ステップ1608に遷移し得る。
【0236】
ステップ1608を参照すると、いくつかの実施形態において、較正システムは、設定されたパラメータを使用してポンプシステムの1以上の構成要素を作動させることができる。たとえば、較正システムは、設定された周波数、オフセット、および/または振幅でボイスコイルアクチュエータのコイルを作動させることができる。いくつかの実施形態において、較正システムは、ポンプシステムが比較的安定した状態に到達していることを確実にするのを助けるために1以上の期間または設定された持続時間の間にポンプシステムの1以上の構成要素を作動させ続けることができる。
【0237】
ステップ1610を参照すると、較正システムは、ポンプシステムがステップ1608に従って作動されている間にポンプシステムの1以上の構成要素の移動を測定することができる。たとえば、較正システムは、支持部材650などの支持体、シャフト700などのシャフト、コイル600などのコイル、および/またはダイアフラム550などのダイアフラムの1以上の位置を測定することができる。限定はしないが、ボイスコイルアクチュエータを利用するポンプシステムを含む単一の並進自由度を有するポンプシステムを伴うものなどの、いくつかの実施形態において、較正システムは、1以上の構成要素の線形位置を測定することができる。いくつかの実施形態において、較正システムは、設定された数の期間または設定された持続時間の後にポンプシステムの移動を測定し始めることができる。これは、有利には、デバイスの測定を行う前にポンプが比較的安定した状態に到達していることを確実にするのを助けることができる。
【0238】
ステップ1610のときに、較正システムは、ポンプシステムの1以上の構成要素の測定された移動に基づき1以上の寸法を計算することができる。たとえば、較正システムは、1以上の構成要素の行程および/または平均位置を計算することができる。いくつかの実施形態において、行程は、1以上の構成要素の高い位置(すなわち、測定された最も高い正の位置値)と低い位置(すなわち、測定された最も高い負の位置値)との間の線形距離に基づくものとしてよい。複数回の繰り返しによる行程の例示的なグラフ1700が図68に示されており、そこで、x軸は繰り返し回数であり、y軸は計算された行程である。高い位置および低い位置は、較正の2つ以上の期間に基づく平均位置値であり得るか、または測定された最大および最小位置値であってよい。複数回の繰り返しによる平均位置の例示的なグラフ1750が図69に示されており、そこで、x軸は繰り返し回数であり、y軸は計算された平均位置である。いくつかの実施形態において、較正システムは、吐出される流体体積、流量などの、ポンプシステムの測定移動量または他の何らかの特性に基づき追加のまたは代替的なパラメータを計算することができる。
【0239】
ステップ1612において、較正システムは、ポンプシステムの1以上の構成要素の測定された移動が所望の許容範囲内のターゲット値の条件を満たしているかどうかを決定することができる。たとえば、較正システムは、ポンプシステムの1以上の構成要素の計算された行程および/または平均位置が10%の許容範囲内の行程に対するターゲット値の条件を満たしているかどうかを決定することができる。ターゲット値および/または許容範囲は、較正されている特定の圧力に基づくプリセット値であるものとしてよい。いくつかの実施形態において、許容範囲は、約0.1%から約20%、約0.5%から約10%、約1%から約5%、約2%、次の範囲の部分範囲、および/または望むとおりの他の許容範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、ターゲット値および/または所望の許容範囲は、ユーザによって設定され得る。いくつかの実施形態において、許容範囲は、行程および平均位置パラメータについて同じであるものとしてよい。いくつかの実施形態において、許容範囲は、異なり得る。
【0240】
限定はしないが、ボイスコイルアクチュエータを利用するポンプシステムを含む単一の並進自由度を有するポンプシステムを伴うものなどの、いくつかの実施形態において、ターゲット値および/または許容範囲は、ピストンアセンブリなどの、ポンプアセンブリの構成要素が、機械的ストッパと接触しないか、または少なくとも機械的ストッパと接触する可能性を減じるように選択され得る。
【0241】
較正システムが、ポンプシステムの1以上の構成要素の測定移動が所望の許容範囲内のターゲット値の条件を満たしていないと決定した場合、較正システムは、ステップ1614に遷移し、オフセットおよび/または振幅などの設定されたパラメータを調整することができる。いくつかの実施形態において、設定されたパラメータへの調整は、以前の測定結果および計算結果に少なくとも部分的に基づくものとしてよい。次いで、較正システムは、ステップ1604に遷移するものとしてよい。いくつかの実施形態において、較正システムは、1つずつカウンタを増分することができる。
【0242】
較正システムが、ポンプシステムの1以上の構成要素の測定移動が所望の許容範囲内のターゲット値の条件を満たしていると決定した場合、較正システムは、ステップ1616に遷移し、収束条件が満たされたかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態において、収束条件は、設定された繰り返し回数に対して所望の許容範囲内のターゲット値の条件を満たすことを含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件は、計算された行程がたとえば、図68の領域1702内に示されているように1以上の回数の繰り返しに対して許容範囲内のターゲット行程を満たすという条件を含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件は、計算された平均位置がたとえば、図69の領域1752内に示されているように1以上の回数の繰り返しに対して許容範囲内のターゲット平均位置を満たすという条件を含み得る。いくつかの実施形態において、収束条件は、2つ以上の条件が実質的に同時にまたは同時に満たされることも含み得る。収束条件が満たされている場合、較正システムはステップ1618に遷移し、設定されたパラメータをメモリなど、ポンプシステム内に記憶することができる。ステップ1618において、プロセス1600は正常に終了する。収束条件が満たされていなかった場合、較正システムはステップ1604に遷移し得る。いくつかの実施形態において、較正システムは、1つずつカウンタを増分することができる。
【0243】
いくつかの実施形態において、プロセス1600は、ターゲット圧力のセット(上で説明されているような3つのターゲット圧力など)における各ターゲット圧力について繰り返され得る。セット内の各ターゲット圧力について、パラメータが決定され、記憶され得る。ポンプシステムが、ユーザによってアクティブ化され、陰圧閉鎖療法が行われるときに、記憶されているパラメータは、陰圧源をどのように駆動するかを決定するために利用され得る。たとえば、オフセット正弦波信号が、ボイスコイルモータなどの、アクチュエータを駆動するために使用されるときに、記憶されているパラメータは、正弦波信号のオフセットおよび振幅を決定しターゲット圧力を達成するために使用される。特定のターゲット圧力が、パラメータが決定され(較正を通じて)、記憶されているセット内のターゲット圧力のいずとも一致しないときに、ポンプシステムは、線形補間などの、補間による特定のターゲット圧力を達成するためのパラメータを決定することができる。いくつかの実施形態において、記憶されているパラメータは、パラメータを計算して特定のターゲット圧力を達成するために好適な線形または非線形方式で結合され得る。
【0244】
フィルタ閉塞決定
図70は、いくつかの実施形態によりフィルタ閉塞がポンプシステム内に存在しているかどうかを決定するためのプロセスまたは方法1800を例示している。プロセス1800は、コントローラ1114、1202などの、ポンプシステムのコントローラによって実装されるものとしてよく、プロセス1800は、状態図1300を実行するステップの一部として実装され得る。方法1800は、本明細書で開示されているポンプの実施形態のいずかに対するフィルタ閉塞の存在を決定するために使用され得る。いくつかの実施形態において、フィルタ閉塞が発生した場合にユーザが閉塞を解消する是正処置を講じることができるようにユーザに警告することは有利であり得る。たとえば、フィルタが創傷被覆材内に収容される実施形態では、フィルタ閉塞は、創傷被覆材が創傷滲出液を貯蔵する限度容量にあるか、それに近づいており、交換する必要がある場合にトリガされ得る。いくつかの実施形態において、方法1800の実行速度は、ポンプシステムに対する圧力サンプリングレートに基づき得る(または同じであってよい)。他の実施形態において、方法1800は、ポンプシステムに対する圧力サンプリングレートと異なる速度で実行され得る。
【0245】
ポンプシステムが、IPD状態1314またはMPD状態1354などの、アクティブ状態に遷移することは、アクティブ状態1802によって図70に例示されている。アクティブ状態1802に遷移した後、ポンプシステムは、ステップ1804に示されているようにポンプアセンブリなどの、陰圧源をアクティブ化することができる。
【0246】
いくつかの実施形態において、ポンプアセンブリがアクティブ状態1802にある間、ポンプシステムは、間欠的におよび/または連続的に、ポンプシステムまたは陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路などの、その一部分の中の圧力を監視し得る。ポンプシステムまたはその一部分の中の測定された圧力に基づき、ポンプシステムは、2つ以上の圧力値の間の差、および測定の間の時間の長さに基づき圧力変化率を計算することができる。例示されて実施形態において図示されているように、プロセス1800はステップ1804からステップ1806に遷移することができ、そこで、プロセス1800は、計算された圧力変化率または低下率が閾値を超えているかどうかを決定することができる。たとえば、閾値は、約-50mmHg/秒(6,750Pa/s)であるものとしてよい。閾値は、約-20mmHg/秒から約-200mmHg/秒の間、約-40mmHg/秒から約-100mmHg/秒の間、約-50mmHg/秒から約-75mmHg/秒の間、約-70mmHg/秒、これらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲、または所望の他の閾値であってよい。
【0247】
閾値は、マニホールド(たとえば、ポンプシステム100のマニホールド300)と導管(たとえば、導管904、906)など、陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路の容積、創傷被覆材の体積、および陰圧源の流量に基づき計算され得る。陰圧源の与えられた流量について、陰圧源と創傷被覆材との間の流体流路内の圧力変化率は、創傷被覆材内の滲出液または他の非圧縮性流体の量に応じて変化する。創傷被覆材内の滲出液または他の非圧縮性流体の量が増加すると、流体流路内の圧力変化率は、創傷被覆材内の圧縮性流体の縮小体積の結果として増大する。したがって、計算された圧力変化率に基づき創傷被覆材の残存容量を推定することが可能である。そのようなものとして、被覆材センサ、流量センサなどの、他のセンサを使用せずに、残存容量を推定することが可能である。閾値は、限度容量であるかまたは限度容量に近いときに創傷被覆材によって示される圧力変化率に、またはおおよその圧力変化率に設定され得る。
【0248】
プロセス1800が、圧力変化率が閾値率の条件を満たす(たとえば、超える)と決定した場合、プロセス1800は、ステップ1806からステップ1808に遷移し、フィルタ閉塞検出カウンタの値を増分することができる。いくつかの実施形態において、プロセス1800は、他の値も使用され得るがカウンタの値を1だけ増分することができる。さらに、いくつかの実施形態において、カウンタの値の増加は、計算された圧力低下率などの、他の要素に基づいてもよい。
【0249】
いくつかの状況において、計算された圧力変化率または低下率は、圧力変化率閾値を大幅に超え得ることが可能である。たとえば、マニホールドの近くで導管にキンクができているか導管が閉塞している状況では、圧力変化率は著しい場合がある。そのような一時的閉塞状態とより恒久的なフィルタ閉塞状態とを区別することは有利であり得る。そのようなものとして、いくつかの実施形態において、プロセス1800が、計算された圧力変化率が最大圧力変化率を超えたと決定した場合、プロセス1800は、カウンタを増分し得ず、および/または異なる指示をユーザに出し得る。いくつかの実施形態において、最大率は、閾値率の約110%以上、閾値率の約120%以上、閾値率の約130%以上、閾値率の約140%以上、閾値率の約150%以上、または閾値率の他のパーセンテージであってよい。
【0250】
プロセス1800が、圧力変化率が閾値率の条件を満たさない(たとえば、超えない)と決定した場合、プロセス1800は、ステップ1810に進むことができ、いくつかの実施形態において、カウンタの値を減分することができる。いくつかの実施形態において、プロセス1800は、他の値も使用され得るがカウンタの値を1だけ減分することができる。たとえば、プロセス1800は、カウンタを、0、1、または他の好適な値などの、その初期値にリセットすることができる。いくつかの実施形態において、カウンタの値の減少は、計算された圧力低下率などの、他の要素に基づいてもよい。いくつかの実施形態において、プロセス1800は、カウンタの値が0など、初期値未満に減少しないことを確実にし得る。
【0251】
ステップ1812のときに、プロセス1800は、カウンタが圧力変化率が閾値率の条件を満たしている回数閾値を表す設定値に達したかどうかを決定することができる。設定値は、工場からのプリセット値であるか、ポンプの他のパラメータに基づく変数値であるか、またはユーザによって設定され得る。いくつかの実施形態において、設定値は、有利には、1よりも高い値に設定され得る。1よりも高い値が有利であり得るのは、それが圧力読み取り値の外れ値、ポンプシステムと創傷被覆材との間の流体流路に配置されている導管内のキンク、または他の類似の要因などの、フィルタ閉塞以外の要因によって引き起こされ得る偽陽性の可能性を低減することができるからである。プロセス1800が、カウンタが設定値の条件を満たしている(たとえば、設定値に等しい)と決定した場合、プロセス1800は、フィルタ閉塞状態1814に遷移することができる。いくつかの実施形態において、状態1814で、ポンプシステムは、図63に関連して説明されている状態1318に関連して説明されている動作を実行し得る。
【0252】
プロセス1800が、カウンタが設定値の条件を満たしていない(たとえば、設定値よりも小さい)と決定した場合、プロセス1800システムは、ステップ1816に遷移することができ、そこで、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力が低圧閾値であるかまたは低圧閾値に近いかどうかを決定する。そうでない場合、プロセスは、ポンプをアクティブ状態に維持し続け、ステップ1804に遷移することができる。プロセス1800が、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力が低圧閾値であるかまたは低圧閾値に近いと決定した場合、プロセス1800は、監視状態1818に遷移し得るが、これは、図63に関連してされている説明されている監視状態1352と同じであるか、または類似しているものとしてよい。したがって、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプを非アクティブ化し、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力を監視することができる。上で説明されているように、プロセス1800はステップ1820に遷移することができ、そこで、ポンプシステムまたはその一部分の中の圧力が高圧閾値であるかまたは高圧閾値に近いかどうかを決定する。圧力が高圧閾値に達した場合、プロセス1800は、次いで、ステップ1804に進み、上で説明されている動作を実行することができる。
【0253】
IPD状態1910、監視状態1920、およびMPD状態1930における圧力対時間の例示的なグラフ1900は、図71に示されている。例示されている実施形態において図示されているように、IPD状態1910のときに、ポンプシステムは、それぞれ、時刻t1における圧力P1および時刻t2における圧力P2に対応する点1912、1914としてグラフ上に表されている2つ以上の時点で圧力をサンプリングすることができる。これら2つの点の間の圧力変化率は、(P2-P1)/(t2-t1)に従って計算され得る。
【0254】
いくつかの状況において、点1916から点1914への急激な圧力低下は、流体流路内のキンクのある導管などの、一時的閉塞を表す。上で説明されているように、プロセス1800は、圧力変化率が閾値を大幅に超えたと決定することによってこの状態を検出することができ、カウンタを更新することを控えることができる。
【0255】
図72は、いくつかの実施形態によりフィルタ閉塞がポンプシステム内に存在しているかどうかを決定するための別のプロセスまたは方法2000を例示している。プロセス2000は、コントローラ1114、1202などの、ポンプシステムのコントローラによって実装されるものとしてよく、プロセス2000は、状態図1300を実行するステップの一部として実装され得る。方法2000は、本明細書で開示されているポンプの実施形態のいずかに対するフィルタ閉塞の存在を決定するために使用され得る。いくつかの実施形態において、フィルタ閉塞が発生した場合にユーザが閉塞を解消する是正処置を講じることができるようにユーザに警告することは有利であり得る。たとえば、フィルタが創傷被覆材内に収容される実施形態では、フィルタ閉塞は、創傷被覆材が限度容量にあるか、それに近づいており、交換する必要がある場合にトリガされ得る。いくつかの実施形態において、方法2000の実行速度は、ポンプシステムに対する圧力サンプリングレートに基づき得る(または同じであってよい)。他の実施形態において、方法2000は、ポンプシステムに対する圧力サンプリングレートと異なる速度で実行され得る。
【0256】
例示されている実施形態において図示されているように、ステップ2010で、ポンプシステムは、ポンプシステムまたはその一部分の中の測定された陰圧が高圧閾値以上であり、および/または低圧閾値以下であるかどうかを決定することができる。そうであれば、ポンプシステムは、ステップ2015で示されているように、測定された圧力(P1)および時刻(t1)をメモリなどに記憶することができる。次いで、ポンプシステムは、ステップ2020に遷移するものとしてよい。
【0257】
ステップ2020で、ポンプシステムは、測定された陰圧が高圧閾値よりも高いかどうかを決定することができる。そうでない場合、ポンプシステムは、ステップ2025に遷移し、記憶されている圧力(P1)および時刻(t1)を削除し、ステップ2010に遷移して戻ることができる。ポンプシステムが、測定された陰圧が高圧閾値よりも高いと決定した場合、ポンプシステムは、ステップ2030に遷移することができる。ステップ2030のときに、ポンプシステムは、測定された陰圧が低圧閾値よりも高いかどうかを決定することができる。そうでない場合、ポンプシステムは、ステップ2020に遷移して戻るものとしてよい。ポンプシステムが、測定された陰圧が低圧閾値よりも高いと決定した場合、ポンプシステムは、ステップ2035に示されているようにこれが生じた測定された圧力(P2)および時刻(t2)を記憶することができる。次いで、ポンプシステムは、ステップ2040に遷移するものとしてよい。
【0258】
ステップ2040で、ポンプシステムは、2つの記憶されている圧力の間の圧力変化率または低下率を決定することができる。ポンプシステムは、計算された圧力変化率または低下率が閾値を超えたかどうかを決定することができる。たとえば、閾値は、約-50mmHg/秒(6,750Pa/s)であるものとしてよい。閾値は、約-20mmHg/秒から約-200mmHg/秒の間、約-40mmHg/秒から約-100mmHg/秒の間、約-50mmHg/秒から約-75mmHg/秒の間、約-70mmHg/秒、これらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲、または所望の他の閾値であってよい。
【0259】
プロセス2000が、圧力変化率が閾値率の条件を満たさない(たとえば、超えない)と決定した場合、プロセス2000は、ステップ2045に進むことができ、いくつかの実施形態において、フィルタ閉塞検出カウンタの値を減分することができる。たとえば、プロセス2000で、カウンタが0より大きいと決定した場合、ポンプシステムはステップ2050に遷移し、カウンタの値を減じることができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、他の値も使用され得るがカウンタの値を1だけ減分することができる。たとえば、プロセス2000は、カウンタを、0、1、または他の好適な値などの、その初期値にリセットすることができる。いくつかの実施形態において、カウンタの値の減少は、計算された圧力低下率などの、他の要素に基づいてもよい。例示されている実施形態において図示されているように、プロセス2000は、ステップ2045の結果として、カウンタの値が0など、初期値未満に減少しないことを確実にし得る。したがって、ステップ2045のときにプロセス2000がカウンタが0以下であると決定した場合、プロセス2000は、ステップ2025に遷移することができる。
【0260】
プロセス2000が、(P2-P1)/(t2-t1)として示されている圧力変化率が閾値率の条件を満たす(たとえば、超える)と決定した場合、プロセス2000は、ステップ2040からステップ2055に遷移し、カウンタの値を増分することができる。いくつかの実施形態において、プロセス2000は、他の値も使用され得るがカウンタの値を1だけ増分することができる。さらに、いくつかの実施形態において、カウンタの値の増加は、計算された圧力低下率などの、他の要素に基づいてもよい。
【0261】
図70に関連して説明されているプロセス1800に関連して上で指摘されているように、いくつかの状況において、計算された圧力変化率または低下率は、圧力変化率閾値を大幅に超え得ることが可能である。そのようなものとして、いくつかの実施形態において、プロセス2000が、計算された圧力変化率が最大圧力変化率を超えたと決定した場合、プロセス2000は、カウンタを増分し得ず、および/または異なる指示をユーザに出し得る。いくつかの実施形態において、最大率は、閾値率の約110%以上、閾値率の約120%以上、閾値率の約130%以上、閾値率の約140%以上、閾値率の約150%以上、または閾値率の他のパーセンテージであってよい。
【0262】
ステップ2060において、プロセス2000は、カウンタが、圧力変化率が閾値率の条件を満たしている回数閾値を表す設定値に達したかどうかを決定することができる。設定値は、工場からのプリセット値であるか、ポンプの他のパラメータに基づく変数値であるか、またはユーザによって設定され得る。いくつかの実施形態において、設定値は、有利には、1よりも高い値に設定され得る。プロセス2000が、カウンタが設定値の条件を満たしている(たとえば、設定値以上である)と決定した場合、プロセス2000は、フィルタ閉塞状態2065に遷移することができる。いくつかの実施形態において、状態2065で、ポンプシステムは、図63に関連して説明されている状態1318に関連して説明されている動作を実行し得る。プロセス2000が、カウンタが設定値の条件を満たしていない(たとえば、設定値以下であるか等しい)と決定した場合、プロセス2000は、ステップ2025に遷移することができる。
【0263】
方法2000に関して、圧力変化率は、2つの測定された陰圧に基づき計算され、そのうちの第1のものは、陰圧が高圧閾値と低圧閾値との間にあるときに測定され、第2のものは、陰圧が低圧閾値よりも大きいときに測定される。いくつかの場合において、第1の測定された陰圧と第2の測定された陰圧との間の持続時間は、ポンプシステムのサンプリングレートよりも、著しく長くないとしても、長い可能性がある。したがって、圧力読み取り値の外れ値、ポンプシステムと創傷被覆材との間の流体流路内のキンク、または著しい大きさの一時的圧力変化を引き起こし得る他の類似の要因などの、フィルタ閉塞以外の要因によって引き起こされ得る偽陽性の可能性が低いものとしてよい。
【0264】
フィルタ閉塞がポンプシステム内に存在しているかどうかを決定するための他のプロセスまたは方法も評価され、これはコントローラ1114または1202などの、ポンプシステムのコントローラによって実装されるものとしてよく、状態図1300を実行するステップの一部として実装され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、閉塞の存在は、測定されたデューティサイクルなどの、ポンプの活動レベルに基づき決定され得る。いくつかの実施形態において、これらのプロセスまたは方法は、測定されたデューティサイクルなどの、ポンプの活動レベルを、ポンプがキャニスタなしでまたはキャニスタありで動作しているかどうかに基づき調整できる、閉塞閾値と比較することができる。いくつかの実施形態において、キャニスタが存在しているかどうかの検出は、たとえばコントローラ1114または1202によって自動的に実行され得る。自動検出は、アプローチとして、流体流路内の圧力分布の特性(減衰する圧力、整定する圧力などの特性を含む)、キャニスタの取付けおよび/または存在を示すセンサ、RFID検出、キャニスタの取付けおよび/または存在を示すスイッチを作動させるステップなどのうちの1以上を使用して実行され得る。
【0265】
本明細書で開示されている実施形態において、陰圧源に対する駆動信号はスタートアップ後に減衰され、それにより陰圧源をゆっくりと増大させるか、または「ソフトスタート」させることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、駆動信号のオフセットおよび/または振幅などのパラメータは、陰圧源がある期間にわたってすでに非アクティブであった後に最初にアクティブ化されるときに小さくされ得る。陰圧源をソフトスタートする際に、陰圧源の1以上の構成要素に印加される力は、低減され得る。
【0266】
上で指摘されているように、ピストンはより低い真空状態において与えられた振幅に対してより大きい移動度を示すので、0mmHgなどの、より低い陰圧では、駆動信号に対するより低い振幅が望ましいものとしてよいが、-70mmHgなどの、より高い陰圧では、ピストンはより高い真空状態において与えられた振幅に対してより小さい移動度を示すので、より高い振幅が望ましい場合がある。したがって、陰圧源が、隔膜ポンプ内の圧力が0mmHgであるときにたとえば-70mmHgのターゲット圧力について計算された振幅およびオフセットを有する駆動信号に曝される場合、陰圧源がオーバードライブ状態になる潜在的可能性がある。さらに、陰圧源をオーバードライブ状態にすると、陰圧源内の1以上の構成要素同士が接触し得る。たとえば、ボイスコイルアクチュエータを利用する陰圧源では、ボイスコイルアクチュエータをオーバードライブ状態にすると、支持体、シャフト、またはピストンなどの構成要素が機械的ストッパと接触し、騒音、振動、およびハーシュネスを引き起こし得る。
【0267】
陰圧源をソフトスタートさせるステップは、陰圧源が非アクティブであった後アクティブ化されたときにいつでも実行され得る。いくつかの実施形態において、ソフトスタートは、陰圧源が設定された期間にわたって非アクティブ状態にあった後にのみ実行され得る。設定された期間は、プリセット値、ポンプシステムの動作状態に基づく可変パラメータ、および/またはユーザによる入力であってよい。
【0268】
上で指摘されているように、いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、ポンプシステム内の記憶されているパラメータに少なくとも部分的に基づき駆動信号に対するオフセットおよび/または振幅を計算することができる。いくつかの実施形態において、ソフトスタート時に、ポンプシステムは、測定された陰圧が-70mmHgであるときに約-15mmHg(-2kPa)などの測定された陰圧よりも低い陰圧に対応する駆動信号で陰圧源をアクティブ化することができる。いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、約0mmHgから約-100mmHgの間、約-5mmHgから約-75mmHgの間、約-10mmHgから約-50mmHgの間、約-15mmHgから約-25mmHgの間、これらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲、または所望の他の圧力の駆動信号などの、他の駆動信号で陰圧源をアクティブ化することができる。圧力は、プリセット値、ポンプシステムの動作状態に基づく可変パラメータ、および/またはユーザによる入力であってよい。
【0269】
いくつかの実施形態において、ポンプシステムは、設定された持続時間の間、ソフトスタート駆動信号で陰圧源を作動させることができる。設定された持続時間は、陰圧源がポンプシステムまたはその一部分の中の測定された圧力であるか、または測定された圧力に近くなることを確実にするのに十分な時間とすることができ、それにより、測定された圧力における駆動信号の印加が陰圧源をオーバードライブ状態にする可能性はあまりない。たとえば、持続時間は、約100msであるものとしてよい。いくつかの実施形態において、持続時間は、約10msから約1000msの間、約50msから約500msの間、約75msから約250msの間、約100ms、これらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲、および所望の他の持続時間であってよい。持続時間は、プリセット値、ポンプシステムの動作状態に基づく可変パラメータ、および/またはユーザによる入力であってよい。
【0270】
他の実施形態
次の説明されている実施形態は、本開示によって企図される他の実施形態である。
1.陰圧閉鎖療法で使用するための装置であって、
ポンプハウジング、
ポンプハウジング内に位置決めされている磁石、
ポンプハウジング内に位置決めされている導電性コイル、および
ダイアフラムを備え、コイルは、ダイアフラムと直接的にまたは間接的に結合され、ダイアフラムの少なくとも一部を移動してポンプ動作で流体をポンプアセンブリに通すように構成されている、ポンプアセンブリと、
ポンプアセンブリの動作中にポンプアセンブリによって発生する音を低減するように構成されているポンプアセンブリ内に位置決めされた吸収体とを具備する装置。
2.吸収体は、吸収体を通して流体を流せるように構成されている多孔質材料を含む実施形態1に記載の装置。
3.多孔質材料は、ウレタン発泡体である実施形態2に記載の装置。
4.ポンプハウジングは、チャンバを備え、吸収体は、チャンバ内に位置決めされる実施形態1に記載の装置。
5.チャンバは、ポンプハウジングと一体形成される実施形態4に記載の装置。
6.チャンバ内に位置決めされているディフューザをさらに備え、ディフューザは流体がチャンバ内に入るときその流体の膨張を容易にするように構成される実施形態4に記載の装置。
7.ポンプハウジングは、ポンプアセンブリから出る流体流を連通させるように構成されている排出チャネルをさらに備え、チャンバは、排出チャネルと連通する実施形態4または5に記載の装置。
8.排出チャネルは、排出チャネルからの流体流の一部をその方向を変えてハウジングの内部容積内に戻すように構成されているチャネルに沿った開口部を備え、その方向変更は、ポンプアセンブリの動作中にポンプアセンブリによって発生する音を低減するように構成される実施形態7に記載の装置。
9.排出チャネルからの流体流の一部は、排出チャネルからの流体流の全体を含む実施形態8に記載の装置。
10.装置が使用されるときにマニホールドがポンプアセンブリと創傷被覆材との間にあるように位置決めされるマニホールドをさらに備える実施形態1から9のいずれか一項に記載の装置。
11.マニホールド内に位置決めされているディフューザをさらに備える実施形態10に記載の装置。
12.マニホールド内に第2の吸収体をさらに備える実施形態10に記載の装置。
13.第2の吸収体は、吸収体を通して流体を流せるように構成されている多孔質材料を含む実施形態12に記載の装置。
14.第2の吸収体の多孔質材料は、ウレタン発泡体である実施形態13に記載の装置。
15.制御盤をさらに備える実施形態1から14のいずれか一項に記載の装置。
16.制御盤を導電性コイルに接続するための電線用導管をさらに備える実施形態15に記載の装置。
17.ポンプアセンブリは、
上極と、
上極から離間されている下極と、
ポンプアセンブリを通る流体の流れを制御するように構成されている1以上の弁とをさらに備え、
コイルの少なくとも一部は、上極と下極との間に位置決めされ、
磁石は、上極の少なくとも一部と下極との間に位置決めされる実施形態1から16のいずれか一項に記載の装置。
18.1以上の弁の各々の一部は、弁の表面から遠ざかる方向に延在するリブを備え、リブは圧縮または変形して対応する封止表面との封止を高めるように構成されている請求17に記載の装置。
19.ポンプアセンブリは、1以上の弁を1以上の対応する弁陥凹部内に受け入れるように構成されているポンプチャンバ本体部をさらに備える実施形態17に記載の装置。
20.シーラントがポンプチャンバ本体部とハウジングとの間に位置決めされる実施形態19に記載の装置。
21.ポンプアセンブリは、ポンプチャンバ本体部の外面の一部とハウジングの内面の一部との間の結合により一部は形成される1以上の弁チャンバをさらに備える実施形態19に記載の装置。
22.1以上の弁陥凹部は、ポンプチャンバ本体部内に弁を不適切に取り付けるのを阻止するために1以上の弁の1以上の対応するアライメント機能部を受け入れるように構成されている1以上のインデキシング機能部をさらに備える実施形態19に記載の装置。
23.創傷を封止可能に囲むように構成されている創傷被覆材をさらに備える実施形態1から22のいずれか一項に記載の装置。
24.バネ部材を備え、
バネ部材の周囲は、ダイアフラムに関して固定された位置にあるようにポンプアセンブリ内で支持され、
バネ部材の中間部分は、ダイアフラムの中間部分が軸方向に撓むときにバネ部材の周囲に関して撓むように構成されている実施形態1から23のいずれか一項に記載の装置。
25.ハウジング内に配設されている照明源をさらに備え、ハウジングの一部は、照明源から放射された光がハウジングを通過するように透明または半透明である実施形態1から24のいずれか一項に記載の装置。
26.吸収体は、流体が吸収体を通って流れるときに流体をフィルタリングするように構成されているフィルタである実施形態1から25のいずれか一項に記載の装置。
27.ポンプハウジングの外面上に位置決めされている吸収体をさらに備える実施形態1に記載の装置。
28.第1のセクションと第2のセクションとを有するハウジングと、
第1のセクションに隣接するハウジング内に配設されている照明源とを備え、
照明源は、第1のセクションを照らすように構成され、
第1のセクションは、透明および半透明の一方であり、
第1のセクションは、ハウジングの内側から外側へ垂直に測定したときに第2のセクションより薄い、ポンプ装置。
29.第2のセクションは、不透明である実施形態28に記載のポンプ装置。
30.照明源は、発光ダイオード(LED)を備える実施形態28に記載のポンプ装置。
31.第1のセクションは、アイコンを備える実施形態28に記載のポンプ装置。
32.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているハウジング内に配設されているポンプアセンブリをさらに備える実施形態28に記載のポンプ装置。
33.第1のセクションは、4つのアイコンを備える実施形態32に記載のポンプ装置。
34.これら4つのアイコンのうちの1つは、ポンプアセンブリが正常に動作しているときに点灯するように構成されているインジケータを備え、4つのアイコンのうちの第2のアイコンは、漏れがあるときに点灯するように構成されているインジケータを備え、4つのアイコンのうちの第3のアイコンは、創傷装置に接続されている被覆材がフル状態であるときに点灯するように構成されているインジケータを備え、4つのアイコンのうちの第4のアイコンは、バッテリ電圧レベルが低くなっていることを示すインジケータを備える実施形態33に記載のポンプ装置。
35.光を吸収することによって第1のセクションの照明を制御するように構成されているバッフルをさらに備える実施形態28に記載のポンプ装置。
36.バッフルは、第1のセクションの一方の部分の照明が第1のセクションの別の部分を照らすのを阻止するように構成され、照明は、第1のセクションの透明または半透明部分を通過する光を含む実施形態35に記載のポンプ装置。
37.バッフルは、第1のセクションおよび第2のセクションのうちの少なくとも一方に直接的にもしくは間接的に接続されるか、または一体形成される実施形態35または36に記載のポンプ装置。
38.レーザが通過することを可能にするように構成されている1以上の透明部分を有するポンプケーシングと、
ポンプケーシングにレーザ溶接されるように構成され、レーザによって溶融されるように構成されている1以上のレーザ吸収部分を備える構成要素ハウジングとを備えるポンプ装置。
39.1以上のレーザ吸収部分は、1以上の透明部分よりも暗い実施形態38に記載のポンプ装置。
40.1以上のレーザ吸収部分は、不透明材料およびレーザ吸収材料のうちの少なくとも一方を含む実施形態38または39に記載のポンプ装置。
41.不透明材料およびレーザ吸収材料のうちの少なくとも一方は、構成要素ハウジングの表面上に位置決めされるか、または構成要素ハウジングの厚さを通って延びる実施形態40に記載のポンプ装置。
42.不透明材料およびレーザ吸収材料のうちの少なくとも一方は、5%から100%の黒色色素を含む実施形態40または41に記載のポンプ装置。
43.ポンプケーシングの少なくとも一部は、透明であり、構成要素ハウジングの少なくとも一部は、不透明およびレーザ吸収のうちの少なくとも一方である実施形態38~42のいずれか一項に記載のポンプ装置。
44.構成要素ハウジングの1以上のレーザ吸収部分は、レーザが印加されるように構成されている溶接輪郭を表す実施形態38~43のいずれか一項に記載のポンプ装置。
45.構成要素ハウジングは、1以上の弁、ダイアフラム、磁石、および導電性コイルのうちの少なくとも1つを収納する実施形態38~44のいずれか一項に記載のポンプ装置。
46.ポンプケーシングの1以上の透明部分の一部は、ポンプケーシングの外側にインテークチャネルおよびアウトテークチャネルの一部を備え、インテークチャネルおよびアウトテークチャネルはレーザ溶接時に急なレーザ回折を防ぐための傾斜面を有する実施形態38~45のいずれか一項に記載のポンプ装置。
47.レーザ溶接時にレーザが通過することを可能にするように構成されている透明ポンプ構成要素と、
透明ポンプ構成要素にレーザ溶接されるように構成され、レーザによって溶融されるように構成されている1以上のレーザ吸収部分を備えるハウジングとを備えるポンプ装置。
48.ハウジングは、1以上のレーザ吸収部分を含む1以上の溶接表面を備える実施形態47に記載のポンプ装置。
49.1以上の溶接表面は、少なくとも6つの円周溶接表面を備える実施形態48に記載のポンプ装置。
50.少なくとも6つの円周溶接表面は、等間隔に離間されている実施形態49に記載のポンプ装置。
51.ハウジングは、1以上の垂直フランジをさらに備え、各垂直フランジは、2つの溶接表面と1つのストッパとを備え、ストッパは溶接時に透明ポンプ構成要素の、ハウジング内への潰れを制御するように構成される実施形態47~50のいずれか一項に記載のポンプ装置。
52.1以上の垂直フランジの各々の2つの溶接表面は、1以上のレーザ吸収部分を含む実施形態51に記載のポンプ装置。
53.透明ポンプ構成要素は、ブッシングを備える実施形態47~52のいずれか一項に記載のポンプ装置。
54.ハウジングは、ポンプチャンバ本体部を備える実施形態47~52のいずれか一項に記載のポンプ装置。
55.陰圧閉鎖療法で使用するための装置であって、
陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムを備え、ポンプシステムは
外側ハウジングと、
外側ハウジング内に位置決めされているポンプアセンブリであって、複数のポンプ構成要素を中に受け入れるポンプハウジングを備える、ポンプアセンブリと、
陰圧をポンプアセンブリから創傷に送達するために管または導管をポンプシステムに接続するコネクタとを備える装置。
56.コネクタとポンプアセンブリとの間の流体的連通をもたらすインテークマニホールドを外側ハウジング内にさらに備える実施形態55に記載の装置。
57.ポンプアセンブリを制御するように構成されている外側ハウジング内に位置決めされている回路基板をさらに備える実施形態55に記載の装置。
58.管または導管に接続するように構成されている創傷被覆材をさらに備える実施形態55に記載の装置。
59.ポンプハウジングは、ポンプハウジングと一体形成されているチャンバを備え、チャンバは、減衰構成要素を受け入れる実施形態55に記載の装置。
60.ポンプハウジングは、排出チャネルを備え、排出チャネルは排出チャネルからの流体流の流れの方向をポンプハウジングの内部容積内に変え、動作中にポンプアセンブリによって発生する音を低減するように構成される実施形態55に記載の装置。
61.ポンプアセンブリは、騒音低減システムを備える実施形態55に記載の装置。
62.ポンプハウジング内に受け入れられるポンプ構成要素は、磁石、導電性コイル、ダイアフラム、および吸収体を備える実施形態55に記載の装置。
63.ポンプハウジング内に受け入れられるポンプ構成要素は、ダイアフラムと相互作用するように構成されているバネを備える実施形態62に記載の装置。
64.ポンプハウジング内に受け入れられるポンプ構成要素は、上極、下極、および弁を備え、磁石、および導電性コイルの一部は、上極と下極との間に配設される実施形態62に記載の装置。
65.弁は、封止面に当たってリブをよりよく封止するように構成されているリブを備える実施形態64に記載の装置。
66.外側ハウジングは、複数のインジケータを備えるディスプレイを具備する実施形態55に記載の装置。
67.外側ハウジングは、比較的薄い材料、透明材料、または半透明材料を含み、これらは外側ハウジングの内側の照明構成要素に上に置かれる実施形態55に記載の装置。
68.一方のインジケータの照明が別のインジケータに滲み出て照らすのを防ぐために外側ハウジングの内面に取り付けられるか、または一体形成されているバッフルをさらに備える実施形態67に記載の装置。
69.外側ハウジングの外面上に1以上のユーザ入力機能部をさらに備える実施形態55に記載の装置。
70.ポンプハウジングおよびポンプ構成要素のうちの1以上は、ポンプシステムの組み立て時にレーザ溶接を容易にするため透明である実施形態55に記載の装置。
71.陰圧ポンプシステムであって、
アクチュエータ、および
ダイアフラムを備える
ポンプアセンブリと、
ポンプシステムの動作を制御するように構成されているコントローラとを具備し、コントローラは
すでに計算されているパラメータと陰圧設定とに少なくとも部分的に基づき駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算し、
少なくとも1つの計算された振幅およびオフセットを有する駆動信号を生成し、
駆動信号をポンプシステムに印加し、それによって陰圧創傷療法を行わせるようにさらに構成される陰圧ポンプシステム。
72.すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正されている振幅を含む実施形態71に記載の陰圧ポンプシステム。
73.すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正されているオフセットを含む実施形態71または72に記載の陰圧ポンプシステム。
74.コントローラは、駆動信号に対する振幅およびオフセットの両方を計算するようにさらに構成される実施形態71~73のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
75.コントローラは、少なくとも2つのすでに計算されている振幅またはオフセットの間の補間を行うようにさらに構成される実施形態71~74のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
76.コントローラは、少なくとも2つのすでに計算されている振幅またはオフセットの間の線形補間を行うようにさらに構成される実施形態75に記載の陰圧ポンプシステム。
77.すでに計算されているパラメータは、少なくとも3つのパラメータを含む実施形態71~76のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
78.すでに計算されているパラメータは、ポンプシステムの1以上の特性に依存する実施形態71~77のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
79.アクチュエータは、ボイスコイルアクチュエータを含み、ボイスコイルアクチュエータはダイアフラムに接続されている実施形態71~78のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
80.ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリの共振周波数に影響を及ぼすように構成されているバネをさらに備える実施形態71~79のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
81.コントローラは、ポンプシステムが不活動期間の後にアクティブ化されたときにスタートアップ信号を印加するようにさらに構成され、スタートアップ信号は駆動信号の振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方と異なる振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を含む実施形態71~80のいずれか一項に記載の陰圧ポンプシステム。
82.コントローラは、
すでに計算されているパラメータと陰圧設定よりも小さいソフトスタート陰圧設定とに少なくとも部分的に基づきスタートアップ信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算し、
スタートアップ信号をポンプシステムに印加するようにさらに構成される実施形態81に記載の陰圧ポンプシステム。
83.コントローラは、創傷を覆って配置されるように構成されている創傷被覆材の下でソフトスタート陰圧設定に達するまでスタートアップ期間にわたってスタートアップ信号をポンプシステムに印加し、その後、駆動信号をポンプシステムに印加するようにさらに構成される実施形態82に記載の陰圧ポンプシステム。
84.コントローラは、創傷被覆材の下で陰圧設定に達するまで駆動信号をポンプシステムに印加するように構成される実施形態83に記載の陰圧ポンプシステム。
85.スタートアップ期間は、約100ミリ秒である実施形態83または84に記載の陰圧ポンプシステム。
86.スタートアップ期間は、約10ミリ秒から約1000ミリ秒の間である実施形態83または84に記載の陰圧ポンプシステム。
87.スタートアップ期間は、約50ミリ秒から約500ミリ秒の間である実施形態83または84に記載の陰圧ポンプシステム。
88.スタートアップ期間は、約75ミリ秒から約250ミリ秒の間である実施形態83または84に記載の陰圧ポンプシステム。
89.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムを較正するための較正システムであって、
センサと、
較正システムの動作を制御するように構成されているコントローラとを備え、コントローラは
駆動信号の生成を引き起こし、
駆動信号でポンプシステムの作動を引き起こし、
ポンプシステムの構成要素の移動量をセンサで測定し、
構成要素の測定された移動量に基づき第1の寸法を計算し、
第1の寸法が第1のターゲット値の第1の許容範囲内にあると決定することによって第1の収束条件が満たされているかどうかを決定するようにさらに構成される較正システム。
90.コントローラは、
構成要素の測定された移動量に基づき第2の寸法を計算し、
第2の寸法が第2のターゲット値の第2の許容範囲内にあると決定することによって第2の収束条件が満たされているかどうかを決定するようにさらに構成される実施形態89に記載の較正システム。
91.コントローラは、第1および第2の収束条件が実質的に同時に満たされると決定するようにさらに構成される実施形態90に記載の較正システム。
92.第1または第2の収束条件のうちの少なくとも一方が満たされたと決定した後、コントローラは、ポンプシステムのメモリ内に駆動信号に関連付けられているパラメータのセットを記憶するようにさらに構成される実施形態89~91のいずれか一項に記載の較正システム。
93.第1または第2の収束条件のうちの少なくとも一方が満たされていないと決定した後に、コントローラは、
構成要素の測定された移動量に少なくとも部分的に基づき駆動信号の1以上のパラメータの調整を行わせ、
調整された駆動信号の生成を引き起こし、
調整された駆動信号でポンプシステムの作動を引き起こし、
ポンプアセンブリの構成要素の移動量をセンサで測定し、
収束条件が満たされているかどうかを決定するようにさらに構成される実施形態89~92のいずれか一項に記載の較正システム。
94.コントローラは、駆動信号および調整された駆動信号のうちの少なくとも一方の生成に対して駆動信号の振幅の選択を行わせるようにさらに構成される実施形態89~93のいずれか一項に記載の較正システム。
95.コントローラは、駆動信号および調整された駆動信号のうちの少なくとも一方の生成に対して駆動信号のオフセットの選択を行わせるようにさらに構成される実施形態89~94のいずれか一項に記載の較正システム。
96.第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の行程を含む実施形態90~95のいずれか一項に記載の較正システム。
97.第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の平均位置を含む実施形態90~96のいずれか一項に記載の較正システム。
98.構成要素は、ダイアフラムに接続されているピストンを備える実施形態90~97のいずれか一項に記載の較正システム。
99.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムを制御するための方法であって、
すでに計算されているパラメータと陰圧設定とに少なくとも部分的に基づき駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップと、
少なくとも1つの計算された振幅およびオフセットを有する駆動信号を生成するステップと、
駆動信号をポンプシステムに印加し、それによって陰圧閉鎖療法を行わせるステップとを含み、
方法は、ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行される方法。
100.すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正されている振幅を含む実施形態99に記載の方法。
101.すでに計算されているパラメータは、複数の陰圧設定の複数の較正されているオフセットを含む実施形態99または100に記載の方法。
102.駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップは、駆動信号に対する振幅およびオフセットの両方を計算するステップを含む実施形態99~101のいずれか一項に記載の方法。
103.駆動信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップは、少なくとも2つのすでに計算されている振幅またはオフセットの間の補間を行うステップをさらに含む実施形態99~102のいずれか一項に記載の方法。
104.補間は、線形補間である実施形態103に記載の方法。
105.すでに計算されているパラメータは、少なくとも3つのパラメータを含む実施形態99~104のいずれか一項に記載の方法。
106.すでに計算されているパラメータは、ポンプシステムの1以上の特性に依存する実施形態99~105のいずれか一項に記載の方法。
107.ポンプシステムは、ダイアフラムに接続されているボイスコイルアクチュエータを備える実施形態99~106のいずれか一項に記載の方法。
108.ポンプシステムは、ポンプシステムの共振周波数に影響を及ぼすように構成されているバネをさらに備える実施形態99~107のいずれか一項に記載の方法。
109.ポンプシステムが不活動期間の後にアクティブ化されたときにスタートアップ信号を印加するステップをさらに含み、スタートアップ信号は駆動信号の振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方と異なる振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を含む実施形態99~108のいずれか一項に記載の方法。
110.すでに計算されているパラメータと陰圧設定よりも小さいソフトスタート陰圧設定とに少なくとも部分的に基づきスタートアップ信号に対する振幅およびオフセットのうちの少なくとも一方を計算するステップと、
スタートアップ信号をポンプシステムに印加するステップとをさらに含む実施形態108に記載の方法。
111.スタートアップ信号を印加するステップは、創傷を覆って配置されるように構成されている創傷被覆材の下でソフトスタート陰圧設定に達するまでスタートアップ期間にわたってスタートアップ信号をポンプシステムに印加し、その後、駆動信号をポンプシステムに印加するステップを含む実施形態110に記載の方法。
112.駆動信号は、創傷被覆材の下で陰圧設定に達するまでポンプシステムに印加される実施形態111に記載の方法。
113.スタートアップ期間は、約100ミリ秒である実施形態111または112に記載の方法。
114.スタートアップ期間は、約10ミリ秒から約1000ミリ秒の間である実施形態111または112に記載の方法。
115.スタートアップ期間は、約50ミリ秒から約500ミリ秒の間である実施形態111または112に記載の方法。
116.スタートアップ期間は、約75ミリ秒から約250ミリ秒の間である実施形態111または112に記載の方法。
117.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムを較正するための方法であって、
駆動信号の生成を引き起こすステップと、
駆動信号でポンプシステムの作動を引き起こすステップと、
ポンプシステムの構成要素の移動量を測定するステップと、
構成要素の測定された移動量に基づき第1の寸法を計算するステップと、
第1の寸法が第1のターゲット値の第1の許容範囲内にあると決定することによって第1の収束条件が満たされているかどうかを決定するステップとを含み、較正システムのコントローラの制御の下で実行される方法。
118.構成要素の測定された移動量に基づき第2の寸法を計算するステップと、
第2の寸法が第2のターゲット値の第2の許容範囲内にあると決定することによって第2の収束条件が満たされているかどうかを決定するステップとをさらに含む実施形態117に記載の方法。
119.第1および第2の収束条件が実質的に同時に満たされると決定するステップをさらに含む実施形態118に記載の方法。
120.第1または第2の収束条件のうちの少なくとも一方が満たされたと決定したことに応答して、ポンプシステムのメモリ内に駆動信号に関連付けられているパラメータのセットを記憶するステップをさらに含む実施形態117~119のいずれか一項に記載の方法。
121.第1または第2の収束条件のうちの少なくとも一方が満たされていないと決定したことに応答して、
構成要素の測定された移動量に少なくとも部分的に基づき駆動信号の1以上のパラメータの調整を行わせるステップと、
調整された駆動信号の生成を引き起こすステップと、
調整された駆動信号でポンプシステムの作動を引き起こすステップと、
ポンプアセンブリの構成要素の移動量を測定するステップと、
収束条件が満たされているかどうかを決定するステップとをさらに含む実施形態117~120のいずれか一項に記載の方法。
122.駆動信号または調整された駆動信号の生成を引き起こすステップは、駆動信号の振幅を選択するステップを含む実施形態117~121のいずれか一項に記載の方法。
123.駆動信号または調整された駆動信号の生成を引き起こすステップは、駆動信号のオフセットを選択するステップを含む実施形態117~122のいずれか一項に記載の方法。
124.第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の行程を含む実施形態118~123のいずれか一項に記載の方法。
125.第1および第2の寸法のうちの少なくとも一方は、構成要素の平均位置を含む実施形態118~124のいずれか一項に記載の方法。
126.構成要素は、ダイアフラムに接続されているピストンを備える実施形態118~125のいずれか一項に記載の方法。
127.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムであって、
陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされるように構成されている創傷被覆材に印加するように構成されているポンプアセンブリであって、流路はポンプシステムを創傷被覆材に流体的に接続するように構成された、ポンプアセンブリと、
流路内の圧力を測定するように構成されているセンサと、
ポンプシステムの動作を制御するように構成されているコントローラとを具備し、コントローラは
第1の時点で流路内の第1の圧力値を測定し、
第2の時点で流路内の第2の圧力値を測定し、
第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算し、
計算された第1の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するようにさらに構成されるポンプシステム。
128.コントローラは、
第3の時点で流路内の第3の圧力値を測定し、
第4の時点で流路内の第4の圧力値を測定し、
第3および第4の圧力値を使用して第2の圧力変化率を計算し、
計算された第1および第2の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するようにさらに構成される実施形態127に記載のポンプシステム。
129.流体流路内の圧力は、最大圧力と最小圧力との間である実施形態127または128に記載のポンプシステム。
130.コントローラは、第2の圧力値が最小圧力よりも低いかどうかを決定するようにさらに構成される実施形態127から129のいずれか一項に記載のポンプシステム。
131.コントローラは、計算された第1の圧力変化率が閾値変化率に等しいか、または超えていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するようにさらに構成される実施形態127から130のいずれか一項に記載のポンプシステム。
132.閾値変化率は、約-50mmHg/秒である実施形態127から131のいずれか一項に記載のポンプシステム。
133.閾値変化率は、約-70mmHg/秒である実施形態127から131のいずれか一項に記載のポンプシステム。
134.閾値変化率は、約-20mmHg/秒から約-200mmHg/秒の間である実施形態127から131のいずれか一項に記載のポンプシステム。
135.閾値変化率は、約-40mmHg/秒から約-100mmHg/秒の間である実施形態127から131のいずれか一項に記載のポンプシステム。
136.閾値変化率は、約-50mmHg/秒から約-75mmHg/秒の間である実施形態127から131のいずれか一項に記載のポンプシステム。
137.コントローラは、計算された第1の圧力変化率が最大変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するようにさらに構成される実施形態127から136のいずれか一項に記載のポンプシステム。
138.コントローラは、計算された第1および第2の圧力変化率が最大変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するようにさらに構成される実施形態127から137のいずれか一項に記載のポンプシステム。
139.一時的閉塞状態は、流路内のキンクおよび流路内の閉塞のうちの少なくとも一方を含む実施形態137または138に記載のポンプシステム。
140.最大変化率は、閾値率の約110%、約120%、約130%、約140%、または約150%であるパーセンテージを含む実施形態137から138のいずれか一項に記載のポンプシステム。
141.最大変化率は、閾値変化率の約105%から約155%の間のパーセンテージを含む実施形態137から138のいずれか一項に記載のポンプシステム。
142.コントローラは、計算された第1の圧力変化率が最大変化率に等しいか、または超えると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するようにさらに構成される実施形態137から141のいずれか一項に記載のポンプシステム。
143.コントローラは、1以上の時間間隔で流体流路内の圧力をサンプリングするようにさらに構成される実施形態127から142のいずれか一項に記載のポンプシステム。
144.コントローラは、1以上の時間間隔の各々において少なくとも2回、圧力をサンプリングするようにさらに構成される実施形態143に記載のポンプシステム。
145.コントローラは、1以上の時間間隔の各々において圧力サンプルを平均するようにさらに構成される実施形態143または144に記載のポンプシステム。
146.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムを制御するための方法であって、
陰圧を、流路を介して、創傷上に位置決めされるように構成されている創傷被覆材に印加することを引き起こすステップであって、流路はポンプシステムを創傷被覆材に流体的に接続するように構成される、ステップと、
第1の時点で流路内の第1の圧力値を測定するステップと、
第2の時点で流路内の第2の圧力値を測定するステップと、
第1および第2の圧力値を使用して第1の圧力変化率を計算するステップと、
計算された第1の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するステップとを含み、
ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行される方法。
147.第3の時点で流路内の第3の圧力値を測定するステップと、
第4の時点で流路内の第4の圧力値を測定するステップと、
第3および第4の圧力値を使用して第2の圧力変化率を計算するステップと、
計算された第1および第2の圧力変化率が閾値変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、創傷被覆材がフル状態であることを示す情報を提供するステップとをさらに含む実施形態146に記載の方法。
148.流体流路内の圧力は、最大圧力と最小圧力との間である実施形態146または147に記載の方法。
149.第2の圧力値が最小圧力よりも小さいかどうかを決定するステップをさらに含む実施形態146~148のいずれか一項に記載の方法。
150.閾値変化率の条件を満たすことは、閾値変化率に等しいか、または超えることを含む実施形態146から149のいずれか一項に記載の方法。
151.閾値変化率は、約-50mmHg/秒である実施形態146から150のいずれか一項に記載の方法。
152.閾値変化率は、約-70mmHg/秒である実施形態146から150のいずれか一項に記載の方法。
153.閾値変化率は、約-20mmHg/秒から約-200mmHg/秒の間である実施形態146から150のいずれか一項に記載の方法。
154.閾値変化率は、約-40mmHg/秒から約-100mmHg/秒の間である実施形態146から150のいずれか一項に記載の方法。
155.閾値変化率は、約-50mmHg/秒から約-75mmHg/秒の間である実施形態146から150のいずれか一項に記載の方法。
156.計算された第1の圧力変化率が最大変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するステップをさらに含む実施形態146から155のいずれか一項に記載の方法。
157.計算された第1および第2の圧力変化率が最大変化率の条件を満たしていると決定したことに応答して、一時的閉塞状態を示す情報を提供するステップをさらに含む実施形態146から156のいずれか一項に記載の方法。
158.一時的閉塞状態は、流路内のキンクおよび流路内の閉塞のうちの少なくとも一方を含む実施形態156または157に記載の方法。
159.最大変化率は、閾値変化率の約110%、約120%、約130%、約140%、または約150%であるパーセンテージを含む実施形態156から158のいずれか一項に記載の方法。
160.最大変化率は、閾値変化率の約105%から約155%の間のパーセンテージを含む実施形態156から158のいずれか一項に記載の方法。
161.最大変化率の条件を満たすことは、最大変化率に等しいか、または超えることを含む実施形態156から160のいずれか一項に記載の方法。
162.流路内の圧力値を測定するステップは、1以上の時間間隔の間に流体流路内の圧力をサンプリングするステップを含む実施形態146から161のいずれか一項に記載の方法。
163.1以上の時間間隔の各々の間に、少なくとも2回圧力をサンプリングするステップをさらに含む実施形態162に記載の方法。
164.1以上の時間間隔の各々の間に、圧力サンプルを平均するステップをさらに含む実施形態162または163に記載の方法。
165.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムであって、
アクチュエータと、
ダイアフラムとを備える
ポンプアセンブリと、
ポンプシステムの動作を制御するように構成されているコントローラとを具備し、コントローラは
駆動信号をポンプアセンブリに印加し、駆動信号は正の振幅と負の振幅とを交互にとり、駆動信号はオフセットを有し、
1以上の時間間隔の間にポンプアセンブリを創傷を覆って配置されるように構成されている創傷被覆材に接続するように構成されている流体流路内の圧力をサンプリングし、1以上の時間間隔のうちの各々は、駆動信号が近似的に、1以上のサンプリング振幅に等しい振幅であるときに生じる、ようにさらに構成されるポンプシステム。
166.サンプリング振幅は、振幅の極大値を含む実施形態165に記載のポンプシステム。
167.サンプリング振幅は、振幅の極小値を含む実施形態165または166に記載のポンプシステム。
168.サンプリング振幅は、振幅のゼロ交差を含む実施形態165~167のいずれか一項に記載のポンプシステム。
169.サンプリング振幅は、振幅のオフセット交差を含む実施形態165~168のいずれか一項に記載のポンプシステム。
170.コントローラは、1以上の時間間隔の各々の間に少なくとも2回、圧力をサンプリングするようにさらに構成される実施形態165~169のいずれか一項に記載のポンプシステム。
171.コントローラは、各時間間隔の間に圧力サンプルを平均するようにさらに構成される実施形態170に記載のポンプシステム。
172.コントローラは、圧力サンプルに基づき駆動信号の少なくとも1つのパラメータを調整するようにさらに構成される実施形態165~171のいずれか一項に記載のポンプシステム。
173.陰圧閉鎖療法に合わせて構成されているポンプシステムを制御するための方法であって、
駆動信号をポンプシステムのポンプアセンブリに印加するステップであって、駆動信号は正の振幅と負の振幅とを交互にとり、駆動信号はオフセットを有する、ステップと、
1以上の時間間隔の間にポンプシステムを創傷を覆って配置されるように構成されている創傷被覆材に接続するように構成されている流体流路内の圧力をサンプリングするステップであって、1以上の時間間隔のうちの各々は、駆動信号が近似的に、1以上のサンプリング振幅に等しい振幅であるときに生じる、ステップとを含み、
ポンプシステムのコントローラの制御の下で実行される方法。
174.サンプリング振幅は、振幅の極大値を含む実施形態173に記載の方法。
175.サンプリング振幅は、振幅の極小値を含む実施形態173または174に記載の方法。
176.サンプリング振幅は、振幅のゼロ交差を含む実施形態173~175のいずれか一項に記載の方法。
177.サンプリング振幅は、振幅のオフセット交差を含む実施形態173~176のいずれか一項に記載の方法。
178.1以上の時間間隔の各々の間に、少なくとも2回圧力をサンプリングするステップをさらに含む実施形態173~177のいずれか一項に記載の方法。
179.各時間間隔の間に、圧力サンプルを平均するステップをさらに含む実施形態178に記載の方法。
180.圧力サンプルに基づき駆動信号の少なくとも1つのパラメータを調整するステップをさらに含む実施形態173~179のいずれか一項に記載の方法。
【0271】
本出願において説明されている装置および方法は、後の段落で説明されている特徴および組合せを含む、参照により本明細書に組み込まれている出願において説明されている特徴および組合せを含む、本明細書において説明されている他の特徴および組合せの中の、この段落および他の段落において説明されている前術の特徴の組合せを含むことができる。
【0272】
本明細書で提示されている閾値、制限、持続時間などの値は、絶対的であることを意図されておらず、したがって、近似的であってよい。それに加えて、本明細書で提示されている閾値、制限、持続時間などは、自動的に、またはユーザによって、のいずれかで、固定されるか、または可変であるものとしてよい。さらに、本明細書で使用されているように、基準値に関して、超える、より大きい、より小さいなどの相対的な用語は、基準値に等しいことも包含することを意図されている。たとえば、正である基準値を超えることは、基準値以上であることを包含し得る。それに加えて、本明細書で使用されているように、基準値に関して、超える、より大きい、より小さいなどの相対的な用語は、基準値に関して、より下、より小さい、より大きいなどの、開示されている関係の逆も包含することを意図されている。
【0273】
いくつかの実施形態が説明されているが、これらの実施形態は、ほんの一例であり、本開示の範囲を制限することは意図されていない。実際、本明細書で説明されている新規性のある方法およびシステムは、様々な他の形態で具現化することができる。さらに、本明細書で説明されているシステムおよび方法における様々な省略、置換、および変更は、本開示の精神から逸脱することなく行われ得る。付属の請求項およびその同等の項目は、本開示の範囲および精神に含まれるような形態または修正を対象とすることが意図されている。したがって、本開示の範囲は、本明細書に提示されているか、または将来提示されるような請求項を参照することのみにより定義される。
【0274】
特定の態様、実施形態、または例に関して説明されている機能部、材料、特性、グループは、不適合でない限り、この節でまたは本明細書の別のところで説明されている他の態様、実施形態、または例に適用可能であるものと理解されるべきである。本明細書(付属の請求項、要約、および図面を含む)で開示されている機能部のすべて、および/またはこうして開示されている方法もしくはプロセスのステップのすべては、そのような機能部および/またはステップの少なくともいくつかが相互排他的である組合せを除く、任意の組合せに組み合わせることができる。保護は、前術の実施形態の詳細に制限されない。保護は、本明細書(付属の請求項、要約、および図面を含む)で開示されている特徴のうちの新規性のある特徴、もしくは新規性のある組合せに、またはこうして開示されている方法もしくはプロセスのステップのうちの新規性のあるもの、または新規性のある組合せに拡大適用される。
【0275】
さらに、別の実装の背景状況において本開示で説明されているいくつかの特徴も、単一の実装において組み合わせて実装され得る。また、逆に、単一の実施態様の背景状況に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。さらに、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され得るが、請求される組合せからの1以上の特徴は、いくつかの場合において、その組合せから削除され、組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態として請求され得る。
【0276】
さらに、動作は特定の順序で図面に示されているか、または本明細書において説明されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でもしくは順番に実行されること、またはすべての動作が実行されることは、必要ない。図示または説明されていない他の動作は、例示的な方法およびプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1以上の追加の動作が、説明されている動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。さらに、動作は、他の実施態様では再配置構成されるかまたは順序を変更され得る。当業者であれば、いくつかの実施形態において、例示され、および/または開示されているプロセスで実行される実際のステップは、図に示されているものと異なり得ることを理解するであろう。実施形態に応じて、上で説明されているステップのいくつかを取り除くことができ、また他のステップを追加することもできる。図に示されている様々な構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、および/または専用ハードウェア上のソフトウェアおよび/またはファームウェアとして実装され得る。プロセッサ、ASIC、FPGAなどの、ハードウェアコンポーネントは、論理回路を含み得る。さらに、上で開示されている特定の実施形態の機能部および属性を異なる仕方で組み合わせて追加の実施形態を形成することができるが、すべて本開示の範囲内に収まる。また、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明されている構成要素およびシステムは、概して、単一の製品において互いに一体化されるか、または複数の製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。
【0277】
本開示の目的に関して、本明細書では、いくつかの態様、利点、および新規性のある特徴が説明されている。必ずしもそのようなすべての利点が特定の実施形態に従って達成されるとは限らない。そこで、たとえば、当業者であれば、本開示が、本明細書で教示または示唆されているような他の利点を必ずしも達成することなく本明細書で教示されているような1つの利点もしくは複数の利点の群を達成する形で具現化または実施され得ることを理解するであろう。
【0278】
「できる」、「し得る」、「してよい」、「し得るであろう」などの条件付きの言い回しは、特に断りのない限り、または使用されている文脈内で他の意味に理解されるべきでない限り、一般的に、いくつかの特徴、要素、および/またはステップを、いくつかの実施形態が含むが、他の実施形態は含まない、ことを伝達することを意図されている。したがって、そのような条件付きの言い回しは、特徴、要素、および/またはステップがいかなる形でも1以上の実施形態に対して必要であること、または1以上の実施形態が必ず、ユーザ入力またはプロンプトあり、またはなしで、これらの特徴、要素、および/またはステップが、特定の実施形態に含まれるか、または特定の実施形態において実行されるべきであるかを決定するための論理を含むことを意味することを意図されていない。
【0279】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という語句などの連言的な言い回しは、特に断りのない限り、一般に、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるために使用されるような文脈により他の形で理解される。したがって、そのような連言的な言い回しは、一般的にはいくつかの実施形態がXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つの存在を必要とすることを意味することを意図されていない。
【0280】
本明細書で使用されているような「おおよそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という言い回しなどの、本明細書で使用されている程度を表す言い回しは、所望の機能をそのまま果たすか、または所望の結果をもたらす述べられている値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。たとえば、「おおよそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という言い回しは、述べられている量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、および0.01%未満以内の量を指すものとしてよい。別の例として、いくつかの実施形態において、「概して平行な」および「実質的に平行な」という言い回しは、正確な平行から15度以下、10度、5度、3度、1度、または0.1度だけ逸脱する値、量、または特性を指す。
【0281】
本開示の範囲は、この節のまたは本明細書の別のところの好ましい実施形態の特定の開示によって制限されることを意図されておらず、この節にまたは本明細書の別のところに提示されているような、または将来提示されるような請求項によって定義され得る。請求項の言い回しは、請求項で採用されている言い回しに基づき広い意味で解釈されるべきであり、本明細書において、または出願の遂行時に説明されている例に限定されず、その例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0282】
100 ポンプシステム、102 外側ハウジング、102a 前部分、102b 後部分、104 取付構成要素,装着構成要素、106 クリップ、108 基部、110 金具、112 ディスプレイ、112’ ディスプレイ、114 アイコン、114’ アイコン、116 ボタン、118 取り外し可能なカバー、120 キャビティ、122 陥凹部、124 外周、126 延長部、200 回路基板,制御盤、202 バッテリ、204 圧力モニタ、206 LED、208 機能部、210 端子、212 コネクタ、214’ 板バネ、215’ 導電性コイルバネ、218’ ゼブラコネクタ、219’ 接点、220’ 膜、222’ 配線、300 インテークマニホールド、300’ マニホールド、301a 上部分、301b 底部分、302 コネクタ、304 封止部材、306 ポート、308 出口ポート、310’ 入口通路、312’ 入口開口部、314’ 出口開口部、316’ ポート、318’ 出口通路、320’ 入口開口部、322’ 出口開口部、400 ポンプアセンブリ、410 カバー、420 ポンプハウジング、420’ ポンプハウジング、420” ポンプハウジング、420’’’ ポンプハウジング、422 インテークチャネル、424 排出チャネル、424’ 排出チャネル、426 インテークポート、427 入口開口部、428 排出ポート、429 出口開口部、430 チャンバ、430’’’ チャンバ、431 リブ、432 開口部、433 内面、434 切欠、435 傾斜部分、436’ 開口部、436” 開口部、437 ディフューザ、450 弁、452 可撓性および/または変形可能タブ部分もしくは部材、454 フレーム部分、456 ネック部、458 開口部またはギャップ、460a,460b アラインメントタブ、462 リブ、470 ポンプチャンバ本体部、470’ ポンプチャンバ本体部、472 ダイアフラムチャンバ、474 弁支持部分、475 表面、476a インテークまたは入口陥凹部、476b 排出または出口陥凹部、478a 入口開口部、478b 出口開口部、480a,480b 陥凹部、481 隆起部、482 スロット、483 機械的ストッパ、484 円周溶接表面、485 垂直フランジ、490 溶融輪郭、500 上極、502 開口部、504 第1の部分、506 第2の部分、520 下極、522 開口部、540 磁石、542 開口部、550 ダイアフラム、560 接続部分、562 陥凹部、564 下を切り取られた部分、566 リップ部、570 周部分、572 本体部分、574 リップ部、580 ウェブ、582 半径、590 スペーサ、592 本体部分、594 アライメントタブ、598 接触表面、600 コイル、600’ コイル、602 本体部、604 電線用導管、604’ 電線用導管、606 開口部、650 支持部材、650’ 支持部材、651’ 導電性ピン、660 周部分、662 フィンガ部、664 環状リング、666 隆起したプラットフォーム、670 基部、672 アーム部、674 開口部、676 コレット、678 開口部、700 シャフト、710 第1の端部分、712 下を切り取られた部分、714 環状リップ部、720 中間部分、722,724 テーパ付き機能部、726 リブ、728 プラットフォーム、730 第2の端部分、750 バネ、750’ バネ、752 開口部、754 切欠、758 切欠、800 ベアリングまたはブッシング、802 基部、804 壁部材、806 突起部、808 表面、810 フィンガ部、812 リブ、814 開口部、890 溶融輪郭、902 減衰構成要素、902’ 減衰構成要素、904 減衰構成要素、950 被覆材、950 創傷被覆材、952 ポート、953 コネクタ部分、954 導管、956 中間導管、958,960 クイックリリースコネクタ、1000 ポンプシステム、1002 スイッチもしくはボタン、1004 インジケータ、1006 制御盤、1008 電源、1010 陰圧源、1012 ポンプ、1014 電気モータ、1016 圧力センサ、1018 入口、1020 出口、1100 ポンプシステム、1102 ボタン、1104 インジケータ、1106 圧力センサ、1108 電源、1109 陰圧源、1110 モジュール、1112 入出力(I/O)モジュール、1114 コントローラ、1116 メモリ、1200 ポンプシステム、1202 コントローラまたはプロセッサ、1204 ユーザインターフェースコントローラ、1206 I/Oインターフェースコントローラ,圧力センサ、1208 陰圧制御モジュール、1210 通信インターフェースコントローラ、1212 入出力(I/O)ポート、1214 メモリモジュール、1216 電源、1218 陰圧源、1220 ドライバモジュール、1300 状態図、1301 ブートローダ、1302 初期化、1304 状態、1306 リトライ状態、1310 動作、1312 スタンバイまたは一時停止状態、1314 初期ポンプダウン状態、1316 漏れ状態、1318 フィルタ閉塞状態、1350 メンテナンス、1352 監視状態、1354 MPD状態、1390 寿命末期状態、1392 電圧不足またはバッテリクリティカル状態、1394 回復不能エラー状態、1400 グラフ、1402 低圧閾値、1410 直線、1412 高圧閾値、1420 直線、1422 低圧閾値、1430 間隔、1432 間隔、1510 オフセット正弦波(またはサイン)駆動信号、1512 直線、1520,1530 180度位相シフトした正弦波、1540 概略図、1550 コントローラ、1560 PWM駆動信号、1570 フィルタ、1600 較正プロセスまたは方法、1700 グラフ、1702 領域、1750 グラフ、1752 領域、1800 プロセスまたは方法、1802 アクティブ状態、1814 フィルタ閉塞状態、1818 監視状態、1900 グラフ、1910 IPD状態、1912,1914 点、1916 点、1920 監視状態、1930 MPD状態、2000 プロセスまたは方法、2065 フィルタ閉塞状態
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