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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】オゾン水消毒機の消毒方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20220127BHJP
   A61B 1/12 20060101ALI20220127BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220127BHJP
   A61L 101/10 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
A61L2/18 100
A61B1/12 510
A61B1/00 550
A61L101:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018101106
(22)【出願日】2018-05-28
(65)【公開番号】P2019205486
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】関口 重幸
(72)【発明者】
【氏名】元森 信吾
【審査官】越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-033794(JP,A)
【文献】特開平06-031286(JP,A)
【文献】特開2004-330050(JP,A)
【文献】特開平03-176061(JP,A)
【文献】特開平07-116117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/18
A61B 1/12
A61B 1/00
A61L 101/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン水に検査光を照射したときに当該検査光の透過量に対応する信号を出力するオゾン濃度計を備えておき、消毒槽に被消毒物を収容し当該消毒槽に原水を供給して当該被消毒物を水没させる消毒用原水供給工程と、前記消毒槽に供給された前記原水にオゾンガスを注入してオゾン水を生成するとともに前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記オゾン水を所定のオゾン濃度とするオゾン水生成工程と、前記オゾン水によって前記消毒槽内で被消毒物を消毒する消毒動作を行う消毒工程と、を有するオゾン水消毒機の消毒方法において、
前記消毒用原水供給工程の前に、前記消毒槽に原水を供給して前記被消毒物を水没させるとともに当該原水に洗剤を投入して洗浄水とする洗浄水生成工程と、前記洗浄水により前記消毒槽内で前記被消毒物を洗浄する洗剤洗浄動作を行う洗剤洗浄工程と、を備え、
前記洗浄水生成工程は、前記被消毒物を水没させながら前記原水に前記検査光を照射して前記オゾン濃度計から出力される信号を濃度測定の基準信号とする原点調整動作を行い、原点調整動作の終了後に前記原水に洗剤を投入して洗浄水とし、
洗剤洗浄工程では、前記検査光を前記洗浄水に照射して前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記原水への前記洗剤の投入の有無を判定することを特徴とするオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項2】
前記洗剤の投入が無いと判定した場合には、洗剤の投入が無いことを報知することを特徴とする請求項1に記載のオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項3】
前記洗剤の投入が無いと判定した場合には、前記洗剤洗浄動作を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項4】
オゾン水に検査光を照射したときに当該検査光の透過量に対応する信号を出力するオゾン濃度計を備えておき、消毒槽に被消毒物を収容し当該消毒槽に原水を供給して当該被消毒物を水没させる消毒用原水供給工程と、前記消毒槽に供給された前記原水にオゾンガスを注入してオゾン水を生成するとともに前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記オゾン水を所定のオゾン濃度とするオゾン水生成工程と、前記オゾン水によって前記消毒槽内で被消毒物を消毒する消毒動作を行う消毒工程と、を有するオゾン水消毒機の消毒方法において、
前記消毒用原水供給工程の前に、前記消毒槽に原水を供給して前記被消毒物を水没させるとともに当該原水に洗剤を投入して洗浄水とする洗浄水生成工程と、前記洗浄水により前記消毒槽内で前記被消毒物を洗浄する洗剤洗浄動作を行う洗剤洗浄工程と、を備え、
前記洗浄水生成工程は、前記被消毒物を水没させながら前記原水に前記検査光を照射して前記オゾン濃度計から出力される信号を濃度測定の基準信号とする原点調整動作を行い、原点調整動作の終了後に前記原水に洗剤を投入して洗浄水とし、
前記消毒用原水供給工程では、前記検査光を前記原水に照射して前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記消毒槽内の前記洗剤の残留を判定することを特徴とするオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項5】
前記洗剤洗浄工程と、前記消毒用原水供給工程との間に、前記原水をすすぎ水として前記消毒槽に供給して当該被消毒物を前記消毒槽内で洗浄するすすぎ動作を行うすすぎ工程と、前記すすぎ水を前記消毒槽から排出するすすぎ水排水工程と、を有することを特徴とする請求項4に記載のオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項6】
前記洗剤が残留していると判定した場合には、前記原水を前記消毒槽から排出する原水排水動作を行い、
しかる後に、前記消毒用原水供給工程、前記オゾン水生成工程、および、前記消毒工程
、を有することを特徴とする請求項4または5に記載のオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項7】
前記原水排水動作と、前記消毒用原水供給工程との間に、前記原水をすすぎ水として前記消毒槽に供給して当該被消毒物を前記消毒槽内で洗浄するすすぎ動作を行うすすぎ工程と、前記すすぎ水を前記消毒槽から排出するすすぎ水排水工程と、を有することを特徴とする請求項6に記載のオゾン水消毒機の消毒方法。
【請求項8】
前記洗剤として、液体のアルカリ洗剤を用いることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のオゾン水消毒機の消毒方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡などの被消毒物を、洗剤を含む洗浄水で洗浄した後にオゾン水で消毒するオゾン水消毒機の消毒方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を消毒する内視鏡消毒機は特許文献1、2に記載されている。特許文献1の内視鏡消毒機は、消毒槽に内視鏡を収容して、水道水を原水として供給して内視鏡を水没させる。次に、消毒槽に供給した原水にオゾンガスを注入してオゾン水を生成する。そして、生成したオゾン水を、消毒槽を経由する循環水路に沿って循環させて、消毒槽内で内視鏡を消毒する。特許文献1では、原水にオゾンガスを注入する際に、オゾン濃度計からの信号に基づいてオゾンガスの量を調節して、オゾン水を所定のオゾン濃度としている。オゾン濃度計は、紫外線からなる検査光をオゾン水に照射したときに当該検査光の透過量に対応する信号を出力するものである。
【0003】
特許文献2に記載の内視鏡消毒機は、内視鏡を収容した消毒槽内に消毒液を供給する。そして、消毒槽を経由する循環水路に沿って消毒液を循環させて、消毒槽内で内視鏡を消毒する。特許文献2の内視鏡消毒機は、消毒槽に洗剤を投入する洗剤投入機構を有しており、消毒液により内視鏡を消毒する前に、原水に洗剤を溶解させた洗浄水で内視鏡を洗浄する洗浄動作を行う。洗剤投入機構は、洗剤を貯留する洗剤タンクと、原水が供給されている消毒槽に洗剤を添加するため洗剤供給ノズルと、洗剤タンクと洗剤供給ノズルとの間を接続する洗剤供給路を備える。洗剤供給路には、洗剤タンクから洗剤を吸引して洗剤供給ノズルから吐出させる洗剤供給ポンプが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-33794号公報
【文献】特開2009-207742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オゾン水で内視鏡を消毒するオゾン水消毒機においても、洗剤投入機構を備えておき、オゾン水で内視鏡を消毒する前に、原水に洗剤を溶解させた洗浄水で内視鏡を洗浄する洗浄動作を行うことが考えられる。
【0006】
しかし、オゾン水消毒機に洗剤投入機構を備えても、洗剤タンクなどの洗剤の貯留部に洗剤の充填や補充を忘れてしまった場合には、原水に洗剤が投入されず、洗浄水による内視鏡の洗浄が行われないという事態が発生する。
【0007】
原水に洗剤が投入されたか否かを判定するためには、洗剤供給路などに洗剤の流通を検出する流量計を配置して、洗剤が実際に洗剤供給路を流通したか否かを検出することが考えられる。しかし、この場合には、流量計を備える分、装置の製造コストが増加する。
【0008】
また、オゾン水消毒機が、原水に洗剤を溶解させた洗浄水で内視鏡を洗浄する洗浄動作を行う場合には、消毒槽にオゾン水を生成するための原水を供給する時点で消毒槽内に洗剤が残留していることがある。ここで、消毒槽内に洗剤が残留していると、所望の濃度のオゾン水を生成できないという問題が発生する。すなわち、消毒槽内に洗剤が残留していると、消毒槽に供給された原水に洗剤が溶解してしまうので、原水にオゾンガスを注入し
てもオゾン濃度が上昇しない。
【0009】
消毒槽内に洗剤が残留しているか否かを判定するためには、洗剤検出用の検出器を新たに設けることが考えられる。しかし、この場合には、新たな検出器を備える分、装置の製造コストが増加する。
【0010】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、流量計などのセンサを新たに設けることなく、原水への洗剤の投入を検出できるオゾン水消毒機の消毒方法を提案することにある。
【0011】
また、本発明の課題は、洗剤検出用の検出器などのセンサを新たに設けることなく、消毒槽内の洗剤の残留を検出できるオゾン水消毒機の消毒方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、オゾン水に検査光を照射したときに当該検査光の透過量に対応する信号を出力するオゾン濃度計を備えておき、消毒槽に被消毒物を収容し当該消毒槽に原水を供給して当該被消毒物を水没させる消毒用原水供給工程と、前記消毒槽に供給された前記原水にオゾンガスを注入してオゾン水を生成するとともに前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記オゾン水を所定のオゾン濃度とするオゾン水生成工程と、前記オゾン水によって前記消毒槽内で被消毒物を消毒する消毒動作を行う消毒工程と、を有するオゾン水消毒機の消毒方法において、前記消毒用原水供給工程の前に、前記消毒槽に原水を供給して前記被消毒物を水没させるとともに当該原水に洗剤を投入して洗浄水とする洗浄水生成工程と、前記洗浄水により前記消毒槽内で前記被消毒物を洗浄する洗剤洗浄動作を行う洗剤洗浄工程と、を備え、前記洗浄水生成工程は、前記被消毒物を水没させながら前記原水に前記検査光を照射して前記オゾン濃度計から出力される信号を濃度測定の基準信号とする原点調整動作を行い、原点調整動作の終了後に前記原水に洗剤を投入して洗浄水とし、洗剤洗浄工程では、前記検査光を前記洗浄水に照射して前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記原水への前記洗剤の投入の有無を判定することを特徴とする。
【0013】
本発明者らは、水道水などの原水に洗剤を溶解させた洗浄水に検査光を照射したときにオゾン濃度計から出力される信号が、原水に検査光を照射して原点調整動作を行った時点のオゾン濃度計からの信号(基準信号)とは異なる値となるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づくものである。本発明によれば、原水に洗剤が投入さたか否かを、内視鏡の消毒に用いるオゾン水を生成する際に用いるオゾン濃度計を利用して判定する。従って、新たにセンサを設けることなく、原水に洗剤が投入されているか否かを判定できる。これにより、洗剤洗浄工程において、原水に洗剤を溶解させた洗浄水が用いられているか否かを把握できる。
【0014】
本発明において、前記洗剤の投入が無いと判定した場合には、洗剤の投入が無いことを報知することが望ましい。このようにすれば、オゾン水消毒機を操作する操作者は、報知に基づいて、消毒槽に洗剤を投入する作業を行うことができる。また、オゾン水消毒機を操作する操作者は、報知に基づいて、洗剤洗浄工程の洗剤洗浄動作を停止させることが可能となる。
【0015】
本発明において、前記洗剤の投入が無いと判定した場合には、前記洗剤洗浄動作を停止するものとすることができる。このようにすれば、洗剤洗浄動作の中止後に、原水に洗剤を投入し、しかる後に、改めて洗剤洗浄動作を行うことが可能となる。
【0016】
次に、本発明の別の形態は、オゾン水に検査光を照射したときに当該検査光の透過量に対応する信号を出力するオゾン濃度計を備えておき、消毒槽に被消毒物を収容し当該消毒
槽に原水を供給して当該被消毒物を水没させる消毒用原水供給工程と、前記消毒槽に供給された前記原水にオゾンガスを注入してオゾン水を生成するとともに前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記オゾン水を所定のオゾン濃度とするオゾン水生成工程と、前記オゾン水によって前記消毒槽内で被消毒物を消毒する消毒動作を行う消毒工程と、を有するオゾン水消毒機の消毒方法において、前記消毒用原水供給工程の前に、前記消毒槽に原水を供給して前記被消毒物を水没させるとともに当該原水に洗剤を投入して洗浄水とする洗浄水生成工程と、前記洗浄水により前記消毒槽内で前記被消毒物を洗浄する洗剤洗浄動作を行う洗剤洗浄工程と、を備え、前記洗浄水生成工程は、前記被消毒物を水没させながら前記原水に前記検査光を照射して前記オゾン濃度計から出力される信号を濃度測定の基準信号とする原点調整動作を行い、原点調整動作の終了後に前記原水に洗剤を投入して洗浄水とし、前記消毒用原水供給工程では、前記検査光を前記原水に照射して前記オゾン濃度計からの信号に基づいて前記消毒槽内の前記洗剤の残留を判定することを特徴とする。
【0017】
本発明では、消毒用原水供給工程の前に、原水に洗剤を溶解させた洗浄水によって被消毒物を洗浄する洗剤洗浄動作を行う。従って、消毒用原水供給工程の開始の時点で、消毒槽内に洗剤が残留していることがある。ここで、消毒槽内に残留した洗剤は、消毒用原水供給工程において消毒槽内に供給される原水に溶解する。よって、原水に検査光を照射したときに、オゾン濃度計から出力される信号と基準信号とを比較すれば、洗剤の残留の有無を判定できる。従って、オゾン濃度計とは別に新たにセンサを設けることなく、消毒槽内に洗剤が残留しているか否かを判定できる。また、消毒用原水供給工程の後に行われるオゾン水生成工程では、原水に洗剤が溶解していると、オゾン濃度が上昇しないという問題がある。このような問題に対して、消毒用原水供給工程において消毒槽内の洗剤の残留を判定できれば、当該問題に対応することが可能となる。
【0018】
本発明において、前記洗剤洗浄工程と、前記消毒用原水供給工程との間に、前記原水をすすぎ水として前記消毒槽に供給して当該被消毒物を前記消毒槽内で洗浄するすすぎ動作を行うすすぎ工程と、前記すすぎ水を前記消毒槽から排出するすすぎ水排出工程と、を有することが望ましい。このようにすれば、消毒用原水供給工程に至る前に、消毒槽内に洗剤が残留することを抑制できる。
【0019】
本発明において、前記洗剤が残留していると判定した場合には、前記原水を前記消毒槽から排出する原水排水動作を行い、しかる後に、前記消毒用原水供給工程、前記オゾン水生成工程、および、前記消毒工程、を有することが望ましい。すなわち、洗剤が残留している場合には、消毒槽に供給した原水を、一旦、排出して、その後に消毒用原水供給工程およびオゾン水生成工程を行えば、消毒槽内で残留する洗剤の量を低減できるので、原水に溶解する洗剤の量を低減できる。よって、オゾン水生成工程において、所定のオゾン濃度のオゾン水を生成することが容易となる。
【0020】
本発明において、前記原水排水動作と、前記消毒用原水供給工程との間に、前記原水をすすぎ水として前記消毒槽に供給して当該被消毒物を前記消毒槽内で洗浄するすすぎ動作を行うすすぎ工程と、前記すすぎ水を前記消毒槽から排出するすすぎ水排出工程と、を有することが望ましい。このようにすれば、消毒用原水供給工程に至る前に、消毒槽内に洗剤が残留することをより、抑制できる。
【0021】
本発明において、前記洗剤として、液体のアルカリ洗剤を用いることが望ましい。洗剤が液体であれば、洗剤が原水に溶解しやすい。また、洗剤がアルカリ洗剤であれば、内視鏡に付着した付着物を除去しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明を適用した内視鏡消毒機の斜視図および側面図である。
図2】内視鏡消毒機の消毒槽および内視鏡支持トレイの斜視図である。
図3】内視鏡消毒機の概略構成図である。
図4】内視鏡消毒機の制御系を示す概略構成図である。
図5】オゾン水のオゾン濃度とオゾン濃度計からの信号との関係を示すグラフである。
図6】洗浄水の洗剤濃度とオゾン濃度計からの信号との関係を示すグラフである。
図7】内視鏡の洗浄消毒動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(全体構成)
図1(a)は本実施の形態に係る内視鏡消毒機を正面から見た場合の外観斜視図であり、図1(b)は内視鏡消毒機の側面図である。図2は内視鏡消毒機の内部に設けられた消毒槽と内視鏡支持トレイの斜視図である。図2は、消毒槽の内部を示すために、消毒槽の前板を取り除いて図示している。本例の内視鏡消毒機1は、消毒槽2に収容した内視鏡10の洗浄消毒処理を行う。洗浄消毒処理は、原水に洗剤を溶解させた洗浄水を用いて消毒槽2内で内視鏡10を洗浄する洗浄動作を行う洗浄工程と、オゾン水を用いて消毒槽2内で内視鏡10を消毒する消毒動作を行う消毒工程と、を有する。
【0024】
図1に示すように、内視鏡消毒機1は、全体として縦長の直方体形状の筐体5を備える。筐体5の上面には、後端縁を中心として上方に開けることができる開閉蓋6が取り付けられている。開閉蓋6は、筐体5の内部に設けられた消毒槽2の上端の開口部2aを開閉する。筐体5の上面における開閉蓋6の後側の部分にはタッチパネル7が配置されている。タッチパネル7に表示された作業内容にタッチすることにより、洗浄消毒処理が実行される。タッチパネル7には、現在の作業の進行状態などが表示される。筐体5の正面の上側部分には、透明な窓8が設けられている。また、後述するように、消毒槽の前板15は透明であるため、消毒槽2内の状態は、窓8と前板15を介して目視できる。以下の説明では、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向とする。X方向は、内視鏡消毒機1の前後方向であり、窓8が設けられている側が前方である。Z方向は上下方向であり、鉛直方向である。Y方向は内視鏡消毒機1の幅方向である。また、内視鏡消毒機1を正面から見た場合の左側(一方側)をY1方向とし、右側(他方側)をY2方向とする。
【0025】
消毒槽2は、X方向から見た場合にZ方向に長い長方形形状をしている。図1(b)に鎖線で示すように、消毒槽2は、X方向の幅が狭い下側部分11と、下側部分11よりもX方向の幅が広い上側部分12と、を備える。上側部分12は下側部分11よりも前方に突出する。消毒槽2には開口部2aを介して内視鏡支持トレイ14が挿入されている。
【0026】
図2に示すように、消毒槽2は、消毒槽2の正面を規定する前板15と、背面を規定する背板16と、側面を規定する一対の側板17、18と、底面を規定する底板19と、を備える。各側板17、18は、上側部分のX方向の幅が下側部分のY方向の幅よりも広く、上側部分は下側部分よりも前方に突出している。底板19は、Y方向の中央部分に消毒槽排水口20を備える。前板15は透明であり、前板15を通して消毒槽2の内部を見ることが出来る。
【0027】
内視鏡支持トレイ14は、消毒槽2の形状に対応する長方形形状の背板部21と、背板部21におけるY方向の両端縁から、前方に突出する側板部22、23と、背板部21の下側から前方に向かって上方に湾曲する下板部24と、を備える。また、内視鏡支持トレイ14は、背板部21から前方に突出する複数の支柱(不図示)を備える。内視鏡支持トレイ14は、背板部21が消毒槽2の背板16に沿った姿勢で消毒槽2内に配置される。背板部21には、Y方向の中央部分の下側部分に小物洗浄容器25が設けられている。小物洗浄容器25は、多数の孔が開けられた板材で形成され、上部に開口可能な蓋を備え、内視鏡10から取り外された図示しない送気・送水ボタンなどの小物部品が収容される。
各側板部22、23のX方向の幅は、消毒槽2の側板17、18のX方向の幅と比較して狭い。背板部21の上端のY2方向の角部分には、洗剤投入機構27が設けられている。
【0028】
内視鏡10は、消毒槽2の外側において、支柱に支持された状態で内視鏡支持トレイ14にセットされる。しかる後に、内視鏡支持トレイ14とともに消毒槽2に挿入されて、消毒槽2内に配置される。内視鏡支持トレイ14が消毒槽2に挿入されると、洗剤投入機構27も消毒槽2内に位置する。
【0029】
図3は、内視鏡消毒機1の概略構成図である。内視鏡消毒機1は、内視鏡10を収容する消毒槽2と、消毒槽2に原水を供給する原水供給機構31と、消毒槽2内に配置された内視鏡10に原水をシャワー状に浴びせるシャワー機構32と、を備える。原水供給機構31は、水道水などの原水の配管に接続される給水口33と、消毒槽2の下側部分11に設けられた消毒槽通水口34と、給水口33と消毒槽通水口34とを接続する原水供給路35と、原水供給路35を開閉する開閉バルブ36を備える。
【0030】
シャワー機構32は、消毒槽2の側面に設けられた複数のシャワーノズル37と、原水供給路35における開閉バルブ36よりも上流側の部分(開閉バルブ36よりも給水口33に近い側の部分)と、シャワーノズル37と、を接続するシャワー用原水供給路38と、シャワー用原水供給路38を開閉するシャワー用バルブ39と、を備える。シャワー用原水供給路38には、無菌フィルタが配置されている場合もある。
【0031】
また、内視鏡消毒機1は、消毒槽2を経由する循環水路41を備える。循環水路41は、消毒槽2と、消毒槽2の上側部分12に設けられた還流口42と、還流口42と原水供給路35における開閉バルブ36よりも下流側の部分(開閉バルブ36よりも消毒槽通水口34に近い側の部分)とを接続する循環水路部分43と、を備える。循環水路部分43には循環ポンプ44(ポンプ)が設置されている。また、循環水路部分43にはオゾン濃度計45が設置されている。オゾン濃度計45は、循環水路部分43を流通する原水などの液体に検査光を照射して検査光の透過量に対応する信号を出力する。検査光は紫外線である。
【0032】
ここで、循環水路部分43は、循環ポンプ44と還流口42と間で分岐して消毒槽2内に延びる内視鏡接続用分岐水路47を備える。内視鏡接続用分岐水路47は、消毒槽2内に収容された内視鏡10に接続される。より具体的には、各内視鏡接続用分岐水路47の先端部分は可撓性のチューブから構成されており、各チューブの先端は内視鏡10の鉗子口、および、送気送水口、副送水口に接続される。内視鏡接続用分岐水路47には、内視鏡10内に無菌のエアーを吹き込むための送風路48が接続されている。送風路48には、エアーポンプ49と、無菌フィルタ(不図示)と、が設けられている。さらに、循環水路部分43は、循環ポンプ44と還流口42と間で分岐して、消毒槽2の下側部分11に設けられたオゾン水供給口51に至るオゾンガス注入用分岐水路52を備える。
【0033】
また、内視鏡消毒機1は、オゾン水を生成するオゾン水生成機構55を備える。オゾン水生成機構55は、オゾンガスを生成するオゾナイザ56と、オゾナイザ56から延びて、アスピレータ57を介して、オゾンガス注入用分岐水路52に接続されたオゾンガス供給路58を備える。オゾナイザ56は、外部の酸素供給源である酸素ボンベ59から供給される酸素からオゾンガスを生成する。
【0034】
さらに、内視鏡消毒機1は消毒槽2内でオゾン水から発生するオゾンガスを排出するオゾンガス排気機構61を備える。オゾンガス排気機構61は、消毒槽2の上端部分に設けられた消毒槽排気口62と、筐体5に設けられた排気口63と、消毒槽排気口62と排気口63とを接続する排気路64を備える。排気路64は、オゾン分解機構65を経由して
延びており、オゾンガスは、オゾン分解機構65において分解されて、ガスとなって排気口63から外部に排出される。
【0035】
また、内視鏡消毒機1は、消毒槽2に貯留された原水などの液体を排出する排水機構66を備える。排水機構66は、消毒槽2の底面に設けられた消毒槽排水口20と、液体を内視鏡消毒機1の外部に排出する排出口67と、排出口67と消毒槽排水口20とを接続する排水路68を備える。排水路68には、排水路68を開閉する排水バルブ69と排水ポンプ70が設けられている。
【0036】
さらに、内視鏡消毒機1は、内視鏡支持トレイ14が消毒槽2内に配置されることにより、消毒槽2内に洗剤投入機構27を備える。洗剤投入機構27は、内視鏡支持トレイ14に支持された内視鏡10よりも上方に位置する。
【0037】
図2に示すように、洗剤投入機構27は、内視鏡10を洗浄する1回分の洗剤を収容するカップ71、および、空気が封入されたフロート72を有する回転体73を備える。フロート72はカップ71の側方に位置する。また、洗剤投入機構27は、カップ71をX方向に通過する回転軸L回りに回転体73を回転可能に支持する支持機構75を備える(図2参照)。
【0038】
洗剤投入機構27は、カップ71に洗剤を保持しているときに消毒槽2に原水が供給されると、内視鏡10が水没した後に、カップ71から原水に洗剤を投入して洗浄水とする洗剤投入動作を行う。
【0039】
洗剤投入動作は、原水の水面の上昇に伴って行われる。すなわち、消毒槽2に供給される原水の水面がフロート72に達すると、水面の上昇に伴ってフロート72が上昇して回転体73が回転軸L回りを第1回転方向R1に回転する。これにより、カップ71が回転して、カップ71の開口部71aが原水の水面よりも下方で、下側に向かって開口した状態となる。従って、カップ71内の洗剤が原水に拡散され、溶解して、洗浄水が生成される。本例では、洗剤は、液体のアルカリ洗剤である。洗剤が液体であれば、洗剤が原水に拡散しやすく、溶解しやすい。また、洗剤がアルカリ洗剤であれば、内視鏡10に付着した付着物を除去しやすい。
【0040】
ここで、洗剤投入機構27が原水に洗剤を投入する洗剤投入動作は、消毒槽2に最初に原水が供給されたときに行われる。
【0041】
さらに、内視鏡消毒機1は、図3に示すように、消毒槽2に供給された原水などの液体の水位を検出する第1水位計77、第2水位計78、および、第3水位計79を備える。第1水位計77は、消毒槽2の下側部分11に設置されている。第2水位計78は、消毒槽2の上側部分12に設置されている。第3水位計79は、第2水位計78よりも上方で、消毒槽2の開口部2aに近い上端部分に設置されている。各水位計77、78、79は、消毒槽2内の原水などの液体の水面が各水位計の設置位置に達したことを検出する。第2水位計78は、消毒槽2内に供給された液体が満杯となる満水水位(設定水位)を検出する。満水水位では、内視鏡10は液体に水没した状態となる。また、洗剤投入機構27のカップ71も、液体内に水没した状態となる。第3水位計79は、液体が、消毒槽2に貯留可能な上限に達したことを検出する。第1水位計77が検出する水面の位置は、液体の水面から内視鏡10の全体が露出する所定水位である。
【0042】
(制御系)
図4は内視鏡消毒機1の制御系の概略構成図である。図5はオゾン水のオゾン濃度とオゾン濃度計からの信号との関係を示すグラフである。図5において、縦軸であるオゾン濃
度計からの信号は、オゾン濃度がゼロの時を100とした目盛である。図6は洗浄水の洗剤濃度とオゾン濃度計からの信号との関係を示すグラフである。図6において、縦軸であるオゾン濃度計からの信号は、洗剤濃度がゼロの時を100とした目盛である。次に、図4から図6を参照して内視鏡消毒機1の制御系を説明する。
【0043】
内視鏡消毒機1の制御系は、CPU、ROM、RAMを備える制御部80を中心に構成されている。制御部80の入力側には、オゾン濃度計45、第1水位計77、第2水位計78、第3水位計79が接続されている。制御部80の出力側には、原水供給機構31の開閉バルブ36、オゾン水生成機構55のオゾナイザ56、循環ポンプ44、排水バルブ69および排水ポンプ70が接続されている。また、制御部80には、タッチパネル7が接続されている。タッチパネル7の操作により、洗浄消毒処理の開始命令が入力されると、制御部80は、各機構を駆動して、洗浄消毒処理を行う。
【0044】
制御部80は、予めインストールされているプログラムを実行することにより、各機構を駆動制御する機能を有する。本例では、プログラムが実行されることにより、制御部80は、洗浄用原水供給制御部81、オゾン濃度計原点調整制御部82、洗浄制御部83、判定部84、および、報知部85を備える。また、制御部80は、排出制御部86およびシャワー制御部87を備える。さらに、制御部80は、すすぎ用原水供給制御部91およびすすぎ制御部92を備える。また、制御部80は、消毒用原水供給制御部95、オゾン水生成制御部96、および、消毒制御部97を備える。
【0045】
洗浄用原水供給制御部81は、タッチパネル7を介して制御部80に洗浄消毒処理の開始命令が入力されると、原水供給機構31を駆動して消毒槽2に最初に原水を供給して、消毒槽2に収容された内視鏡10を水没させる。洗浄用原水供給制御部81は、原水の水面が第2水位計78により検出されるまで(満水位置まで)原水を供給する。
【0046】
オゾン濃度計原点調整制御部82は、オゾン濃度計45を駆動して、洗浄用原水供給制御部81によって消毒槽2に供給される原水に検査光を照射する。そして、オゾン濃度計原点調整制御部82は、オゾン濃度計45から出力される信号を濃度測定の基準信号とする原点調整動作を行う。すなわち、オゾン濃度計原点調整制御部82は、洗浄消毒処理が開始されて、最初に消毒槽2に供給される原水を用いて、原点調整動作を行う。
【0047】
ここで、原点調整動作は、消毒槽2に供給される原水の水面が第2水位計78による水位の検出位置に達する前におこなわれる。より、詳細には、原点調整動作は、原水の水面が洗剤投入機構27のフロート72に達する前に行われる。従って、洗剤投入機構27のカップ71が原水に水没してカップ71から洗剤が投入される時点では、原点調整動作は完了している。
【0048】
洗浄制御部83は、循環ポンプ44の駆動により循環水路41に沿って洗浄水を循環させて洗浄水で内視鏡10を洗浄する洗浄動作を行う。洗浄動作は、予め設定された所定の洗浄時間だけ行われる。
【0049】
ここで、洗浄制御部83は、洗浄用原水供給制御部81によって原水が消毒槽2に供給され、原水の水位が第1水位計77により検出された時点から、循環ポンプ44を駆動する。従って、洗浄制御部83は、循環ポンプ44の駆動によってまず原水を循環水路41に沿って循環させる。そして、洗浄制御部83は、原水に内視鏡10が水没して原水に洗剤が投入された後に洗浄水を循環水路41に沿って循環させる。従って、循環経路に配置されたオゾン濃度計45により、消毒槽2に供給された原水に検査光を照射して、原点調整動作を行うことができる。また、洗浄水が生成された後には、洗浄水が循環水路41を循環して消毒槽2内で水流を発生させるので、洗浄水によって消毒槽2に収容された内視
鏡10を洗剤で洗浄できる。
【0050】
判定部84は、洗浄動作が行われている間、オゾン濃度計45を駆動して洗浄水に検査光を照射し、オゾン濃度計45からの信号を監視している。そして、判定部84は、オゾン濃度計45からの信号に基づいて原水への洗剤の投入の有無を判定する洗剤投入判定動作を行う。
【0051】
洗剤投入判定動作は、洗剤が溶解している洗浄水に検査光を照射したときにオゾン濃度計45から出力される信号が、原水に検査光を照射して原点調整動作を行った時点のオゾン濃度計45からの信号(基準信号)とは異なる値となるという本発明者らの新たな知見に基づく。すなわち、オゾン水に検査光を照射したときの検査光の透過量は、オゾン水のオゾン濃度の増加に伴って、低下する。従って、図5のグラフに示すように、オゾン濃度計45から出力される信号は、オゾン水中のオゾン濃度の増加に伴って、基準信号から低下するものとなる。一方、洗浄水に検査光を照射した場合にオゾン濃度計45から出力される信号は、図6のグラフに示すように、洗浄水の洗剤濃度の増加に伴って、基準信号から低下するものとなる。ここで、図5および図6を比較すれば明らかなように、オゾン水に検査光を照射した場合のオゾン濃度とオゾン濃度計45からの信号との関係と、洗浄水に検査光を照射した場合の洗剤濃度とオゾン濃度計45からの信号との関係と、同様の傾向を示している。
【0052】
従って、洗剤投入判定動作では、判定部84は、オゾン濃度計45からの信号と基準信号との乖離が、予め設定された閾値以上となった場合に、原水への洗剤の投入があったと判定する。また、洗剤投入判定動作では、判定部84は、オゾン濃度計45からの信号と基準信号との乖離が、予め設定された閾値に達しない場合には、原水への洗剤の投入が無いと判定する。本例では、基準信号をI0、洗浄水に検査光を照射した場合のオゾン濃度計45からの信号をI1、閾値をα1としたときに、以下の条件式(1)を満たす場合に、原水への洗剤の投入があったと判定する。本例ではα1の値は100である。
I0/I1 > α1 ・・・(1)
【0053】
ここで、例えば、洗剤投入機構27のカップ71に洗剤を充填していなかった場合には、洗剤が原水に投入されていない。このような場合には、オゾン濃度計45からの信号と基準信号との乖離が閾値に達せず、条件式(1)を満たさないので、判定部84は原水への洗剤の投入が無いと判断する。
【0054】
報知部85は、判定部84が洗剤の投入が無いと判定した場合に、洗剤の投入が無い旨を報知する。本例では、判定部84は、タッチパネル7に洗剤の投入が無い旨を表示する。ここで、報知部85は、スピーカーなどから警告音を発生させるものとすることもできる。
【0055】
排出制御部86は、洗浄槽からの原水などの液体の排出を司る。排出制御部86は、洗浄動作が終了すると、排水機構66を駆動して、洗浄水を排出する洗浄水排水動作を行う。すなわち、排出制御部86は、洗浄動作が終了すると、排水バルブ69および排水ポンプ70を駆動して洗浄水を排出する洗浄水排水動作を行う。また、排出制御部86は、排水動作中に、エアーポンプ49を駆動して、内視鏡接続用分岐水路47から内視鏡10内に無菌のエアーを吹き込む。これにより、内視鏡10の内部から洗浄水を排出させる。
【0056】
シャワー制御部87は、消毒槽2からの排出によって低下する洗浄水の水位が、予め定めた所定水位に達すると、シャワー機構32を駆動して、シャワーすすぎ動作を行う。すなわち、シャワー制御部87は、シャワー用バルブ39を駆動し、消毒槽2の外部から供給される原水をシャワーノズル37から噴出させて、内視鏡10にシャワー状に浴びせる
。所定水位は、洗浄水の水面から内視鏡10の全体が露出する水位であり、洗浄水の水面が第1水位計77に検出される水位である。
【0057】
すすぎ用原水供給制御部91は、洗浄水が排出された後に原水供給機構31を駆動し、原水をすすぎ水として消毒槽2に供給して、内視鏡10を原水に水没させる。すすぎ制御部92は、すすぎ用原水供給制御部91が消毒槽2にすすぎ水を供給すると、循環ポンプ44を駆動する。すなわち、すすぎ制御部92は、消毒槽2にすすぎ水が供給され、すすぎ水の水位が第1水位計77により検出された時点から循環ポンプ44を駆動して、すすぎ水を循環水路41に沿って循環させる。これにより、消毒槽2内に水流が発生するので、すすぎ水で内視鏡10を洗うすすぎ動作が行われる。すすぎ動作は、予め設定された所定のすすぎ時間だけ行われる。
【0058】
ここで、排出制御部86は、すすき動作が終了すると、排水機構66を駆動して消毒槽2からすすぎ水を排出するすすぎ水排水動作を行う。また、シャワー制御部87は、消毒槽2からの排出によって低下するすすぎ水の水位が所定水位に達すると、シャワー機構32を駆動してシャワーすすぎ動作を行う。
【0059】
消毒用原水供給制御部95は、すすき動作が終了して消毒槽2からすすぎ水が排出された後に、原水供給機構31を駆動して内視鏡10を原水に水没させる消毒用原水供給動作を行う。消毒用原水供給制御部95は、原水の水面が第2水位計78により検出される満水水位まで消毒槽2に原水を供給する。また、消毒用原水供給制御部95は、消毒用原水供給動作中に、オゾン濃度計45を駆動して原水に検査光を照射し、オゾン濃度計45からの信号に基づいて消毒槽2内に洗剤が残留しているか否かを判定する洗剤残留判定動作を行う。
【0060】
すなわち、消毒槽2内に洗剤が残留している場合には、消毒槽2に供給される原水に洗剤が溶解する。従って、オゾン濃度計45からの信号が基準信号とは異なる値となる。よって、消毒用原水供給制御部95は、オゾン濃度計45からの信号と基準信号との乖離が、予め設定された閾値以上となった場合に、原水に洗剤が残留していると判定する。また、消毒用原水供給制御部95は、オゾン濃度計45からの信号と基準信号との乖離が、予め設定された閾値に達しない場合には、原水に洗剤が溶解しておらず、消毒槽2内に洗剤が残留していないものと判定する。本例では、基準信号をI0、消毒用の原水に検査光を照射した場合のオゾン濃度計45からの信号をI2、閾値をα2としたときに、以下の条件式(2)を満たす場合に、洗剤の残留があったと判定する。なお、閾値α2は、閾値α1より小さな値である。本例ではα2の値は2.5である。
I0/I2 > α2 ・・・(2)
【0061】
ここで、消毒用原水供給制御部95が、消毒槽2内に洗剤が残留していると判定した場合には、排出制御部86は、消毒槽2から原水を排水する原水排水動作を行う。また、シャワー制御部87は、原水排水動作の途中で、シャワーすすぎ動作を行う。さらに、消毒用原水供給制御部95が、消毒槽2内に洗剤が残留していると判定した場合には、原水排水動作によって原水が排出された後に、すすぎ用原水供給制御部91は消毒槽2にすすぎ水(原水)を供給し、すすぎ制御部92はすすぎ動作を行う。また、すすぎ動作が終了すると、排出制御部86は消毒槽2からすすぎ水を排水するすすぎ水排水動作を行う。すすぎ水排水動作中には、シャワー制御部87はシャワーすすぎ動作を行う。しかる後に、消毒用原水供給制御部95は、再び原水供給機構31を駆動して、内視鏡10を原水に水没させる。また、消毒用原水供給制御部95は、オゾン濃度計45を駆動して原水に検査光を照射し、オゾン濃度計45からの信号に基づいて原水に洗剤が残留しているか否かを判定する。そして、消毒用原水供給制御部95が、原水に洗剤の残留が無いと判定するまで、上記の動作(原水排水動作、シャワーすすぎ動作、すすぎ動作、すすぎ水排水動作、シ
ャワーすすぎ動作)が繰り返される。
【0062】
オゾン水生成制御部96は、オゾン水生成機構55を駆動してオゾン水を生成するオゾン水生成動作を行うとともに、オゾン濃度計45からの信号に基づいてオゾン水を所定のオゾン濃度とするオゾン濃度調整動作を行う。すなわち、オゾン水生成制御部96は、オゾナイザ56を駆動して、オゾンガス注入用分岐水路52を流れる原水にオゾンガスを注入する。また、オゾン水生成制御部96は、オゾン濃度計45を駆動してオゾン水に検査光を照射し、オゾン濃度計45から出力される信号を監視する。そして、オゾン水生成制御部96は、オゾン濃度計45からの信号に基づいて、オゾナイザ56を駆動制御してオゾンガスの注入量を制御し、オゾン水を所定のオゾン濃度とする。
【0063】
消毒制御部97は、循環ポンプ44の駆動により循環水路41に沿ってオゾン水を循環させて、オゾン水で内視鏡10を消毒する消毒動作を行う。消毒動作は、予め設定された所定の消毒時間だけ行われる。ここで、消毒制御部97は、消毒用原水供給制御部95によって消毒槽2に原水が供給され、原水の水位が第1水位計77により検出された時点から循環ポンプ44を駆動して原水を循環水路41に沿って循環させる。従って、オゾン水生成動作では、オゾンガス注入用分岐水路52にオゾンガスを供給することにより、原水にオゾンガスを注入して、オゾン水を生成できる。また、オゾン水が生成された後には、オゾン水が循環水路41を循環して消毒槽2内で水流を発生させるので、オゾン水によって消毒槽2に収容された内視鏡10を消毒できる。
【0064】
なお、オゾン水生成制御部96は、消毒動作が行われている間、オゾン濃度計45からの信号を監視する。そして、オゾン水生成制御部96は、オゾン濃度計45からの信号に基づいてオゾナイザ56を駆動して、オゾン水のオゾン濃度を維持するオゾン濃度維持動作を行う。消毒動作中においてオゾン水から放出されるオゾンガスは、消毒槽排気口62から、オゾン分解機構65を介して分解されて、排気口63から外部に排出される。
【0065】
ここで、排出制御部86は、消毒動作が終了すると、排水機構66を駆動して消毒槽2からオゾン水を排出するオゾン水排水動作を行う。また、シャワー制御部87は、消毒槽2からの排出によって低下するオゾン水の水位が所定水位に達すると、シャワー機構32を駆動してシャワーすすぎ動作を行う。消毒槽2から排出されたオゾン水は、不図示のオゾン分解器を介して、外部に放出される。なお、オゾン分解器は、活性炭等のオゾン分解物を保持しており、排出されるオゾン水に含まれているオゾンを分解する。
【0066】
(洗浄消毒処理)
次に、図7を参照して、内視鏡消毒機1の洗浄消毒処理を説明する。図7は洗浄消毒処理のフローチャートである。まず、作業者は、内視鏡支持トレイ14に内視鏡10をセットし、内視鏡支持トレイ14を消毒槽2内に配置する(ステップST01)。次に、作業者は、洗剤投入機構27のカップ71に洗剤を保持させる(ステップST02)。その後、作業者は、タッチパネル7を介して、洗浄消毒処理の開始命令を入力する(ステップST03)。これにより、内視鏡消毒機1は、洗浄消毒処理を開始する。
【0067】
洗浄消毒処理は、洗浄工程(ステップST1)、洗浄水排水工程(ステップST2)、すすぎ工程(ステップST3)、すすぎ水排水工程(ステップST4)、消毒工程(ステップST5)、オゾン水排水工程(ステップST6)、を備える。
【0068】
洗浄工程(ステップST1)は、消毒槽2に原水を供給して内視鏡10を水没させ、その後に洗剤を投入して洗浄水とする洗浄水生成工程(ステップST11)と、洗浄水により消毒槽2内で内視鏡10を洗浄する洗剤洗浄動作を行う洗剤洗浄工程(ステップST12)と、を備える。
【0069】
洗浄水生成工程(ステップST11)では、洗浄用原水供給制御部81が原水供給機構31を駆動して消毒槽2に原水を供給する。また、原水の水面が洗剤投入機構27に達する前に、オゾン濃度計原点調整制御部82がオゾン濃度計45の原点調整動作(ステップST111)を行い、その後、洗剤投入機構27による洗剤投入動作(ステップST112)が行われ、洗浄水が生成される。
【0070】
洗剤洗浄工程(ステップST12)では、洗浄制御部83は、循環ポンプ44の駆動により洗浄水を循環水路41に沿って循環させて内視鏡10を洗浄する洗剤洗浄動作を行う。洗剤洗浄動作は所定の洗浄時間だけ行われる。また、洗剤洗浄工程(ステップST12)では、判定部84がオゾン濃度計45からの信号および条件式(1)に基づいて原水への洗剤の投入の有無を判定する洗剤投入判定動作(ステップST121)を行う。ここで、洗剤が投入されていない場合には、タッチパネル7にその旨が表示される。
【0071】
洗浄水排水工程(ステップST2)では、排出制御部86が排水機構66を駆動して洗浄水を排出する洗浄水排水動作(ステップST21)を行う。洗浄水排水動作(ステップST21)中には、シャワー制御部87が、シャワー機構32を駆動して、消毒槽2から排出される洗浄水の水位の低下に伴って洗浄水の水面から上方に露出する内視鏡10の露出部分(内視鏡10の全体)に、原水をシャワー状に浴びせるシャワーすすぎ動作(ステップST211)を行う。シャワーすすぎ動作(ステップST211)では、シャワー状の原水は、消毒槽2の壁面(前板15、背板16、および、側板17、18)にも浴びせられる。これにより、消毒槽2の壁面は原水によって洗われる。
【0072】
すすぎ工程(ステップST3)では、すすぎ用原水供給制御部91は、原水供給機構31を駆動して原水(すすぎ水)を消毒槽2に供給して、内視鏡10を原水に水没させる。また、すすぎ制御部92は、循環ポンプ44を駆動して、原水を循環水路41に沿って循環させて、原水で内視鏡10を洗うすすぎ動作を行う。すすぎ動作は、予め設定されたすすぎ時間だけ行われる。
【0073】
すすぎ水排水工程(ステップST4)では、排出制御部86が排水機構66を駆動して原水(すすぎ水)を排出するすすぎ水排水動作(ステップST41)を行う。すすぎ水排水動作(ステップST41)中には、シャワー制御部87が、シャワー機構32を駆動して、消毒槽2から排出されるすすぎ水の水位の低下に伴ってすすぎ水の水面から上方に露出する内視鏡10の露出部分(内視鏡10の全体)に、原水をシャワー状に浴びせる第2のシャワーすすぎ動作(ステップST411)を行う。第2のシャワーすすぎ動作(ステップST411)において、シャワー状の原水は、消毒槽2の壁面(前板15、背板16、および、側板17、18)にも浴びせられる。これにより、消毒槽2の壁面は原水によって洗われる。
【0074】
消毒工程(ステップST5)は、消毒用原水供給工程(ステップST51)と、オゾン水生成工程(ステップST52)と、オゾン水消毒工程(ステップST53)と、を備える。消毒用原水供給工程(ステップST51)では、消毒用原水供給制御部95は、原水供給機構31を駆動して内視鏡10を原水に水没させる消毒用原水供給動作を行う。また、消毒用原水供給制御部95は、消毒用原水供給動作中にオゾン濃度計45からの信号および条件式(2)に基づいて洗剤残留判定動作(ステップST511)を行う。
【0075】
ここで、洗剤残留判定動作(ステップST511)において、消毒用原水供給制御部95が、消毒槽2内に洗剤が残留していると判定した場合には(ステップST511:Yes)、消毒用原水供給制御部95は、排水機構を駆動して消毒槽2の原水を排出する原水排水動作(ステップST512)を行う。また、消毒用原水供給制御部95が、消毒槽2
内に洗剤が残留していると判定した場合には、消毒用原水供給制御部95が、原水に洗剤が残留していないと判定するまで(ステップST511:No)、原水排水工程(ステップST512)、すすぎ工程(ステップST3)、すすぎ水排水工程(ステップST4)、および、消毒用原水供給工程(ステップST51)が繰り返えされる。
【0076】
その後、消毒用原水供給工程(ステップST51)において、消毒槽2内に洗剤が残留していないと判定されると、オゾン水生成工程(ステップST52)およびオゾン水消毒工程(ステップST53)が行われる。オゾン水生成工程(ステップST52)では、オゾン水生成制御部96は、オゾン水生成機構55を駆動してオゾン水を生成するとともに、オゾン濃度計45からの信号に基づいてオゾン水を所定のオゾン濃度とする。オゾン水消毒工程(ステップST53)では、消毒制御部97による循環ポンプ44の駆動によって、所定の消毒時間だけ、オゾン水消毒動作を行う。また、オゾン水消毒工程(ステップST53)では、オゾン水生成制御部96がオゾン濃度計45からの信号を監視し、オゾン濃度計45からの信号に基づいてオゾナイザ56を駆動して、オゾン水のオゾン濃度を維持する。
【0077】
オゾン水排水工程(ステップST6)では、排出制御部86が排水機構66を駆動して消毒槽2からオゾン水を排出するオゾン水排水動作を行う。オゾン水排水動作(ステップST61)中には、シャワー制御部87が、シャワー機構32を駆動して、消毒槽2から排出されるオゾン水の水位の低下によってオゾン水の水面から上方に露出する内視鏡10の露出部分(内視鏡10の全体)に、原水をシャワー状に浴びせる第3のシャワーすすぎ動作(ステップST611)を行う。第3のシャワーすすぎ動作(ステップST611)において、シャワー状の原水は、消毒槽2の壁面(前板15、背板16、および、側板17、18)にも浴びせられる。これにより、消毒槽2の壁面も原水によって洗われる。
【0078】
消毒槽2から排出されたオゾン水はオゾン分解器を介して、外部に放水される。これにより、内視鏡10の洗浄消毒動作は終了し、内視鏡消毒機1は停止する。洗浄消毒動作が終了すると、作業者は、内視鏡支持トレイ14を消毒槽2から取り出して、内視鏡10を取り外し(ステップST04)、所定の保管場所に保管する。
【0079】
(作用効果)
本例によれば、原水に洗剤が投入さたか否かを、オゾン濃度計45を利用して判定する。従って、新たにセンサを設けることなく、原水に洗剤が投入されているか否かを判定できる。これにより、洗剤洗浄工程(ステップST12)において、原水に洗剤を溶解させた洗浄水を用いて内視鏡10が洗浄されているか否かを把握できる。
【0080】
また、本例では、原水への洗剤の投入が無い場合には、タッチパネル7に、洗剤の投入が無いことが報知(表示)される。従って、内視鏡消毒機1を操作する操作者は、報知に基づいて、消毒槽2に洗剤を投入できる。また、内視鏡消毒機1を操作する操作者は、報知に基づいて、洗剤洗浄工程(ステップST12)の洗浄動作を停止させることが可能となる。
【0081】
ここで、オゾン水を生成するオゾン水生成工程(ステップST52)では、原水に洗剤が残留していると、オゾン濃度が上昇しないという問題が発生する。このような問題に対して、本例では、消毒用原水供給工程(ステップST51)において、検査光を原水に照射してオゾン濃度計45からの信号に基づいて消毒槽2内に洗剤が残留しているか否かを判定する洗剤残留判定動作(ステップST511)を行う。また、洗剤残留判定動作(ステップST511)において消毒槽2内に洗剤が残留していると判定された場合には、原水を消毒槽2から排出する原水排水動作(ステップST512)を行い、しかる後に、すすぎ工程(ステップST3)およびすすぎ水排水工程(ステップST4)を行って、消毒
用原水供給工程(ステップST51)に戻る。そして、再び、洗剤残留判定動作(ステップST511)を行う。その後、洗剤残留判定動作(ステップST511)において、消毒槽2内に洗剤が残留しないと判定された場合には、オゾン水生成工程(ステップST52)、および、消毒工程(ステップST5)、が行なわれる。これにより、消毒槽2内で残留する洗剤の量を低減できるので、原水に溶解する洗剤の量を低減できる。よって、オゾン水生成工程(ステップST52)において、所定のオゾン濃度のオゾン水を生成できる。
【0082】
また、本例では、洗剤洗浄工程(ステップST12)と、消毒用原水供給工程(ステップST51)との間に、原水をすすぎ水として消毒槽2に供給して当該内視鏡10を水没させ、すすぎ水により消毒槽2内で内視鏡10を洗浄するすすぎ動作を行うすすぎ工程(ステップST3)を有する。従って、消毒用原水供給工程(ステップST51)に至る前に、原水に洗剤が残留することを抑制できる。
【0083】
さらに、本例では、洗剤として、液体のアルカリ洗剤を用いる。洗剤が液体であれば、洗剤が原水に溶解しやすい。また、洗剤がアルカリ洗剤であれば、内視鏡10に付着した付着物を除去しやすい。
【0084】
(変形例)
本例において、判定部84が洗剤の投入が無いと判定した場合には、洗浄制御部83が循環ポンプ44を停止して、洗剤洗浄動作を中止するものとすることができる。このようにすれば、洗剤洗浄動作の中止後に、原水に洗剤を投入し、しかる後に、改めて洗剤洗浄動作を行うことが可能となる。
【0085】
また、消毒用原水供給工程(ステップST51)の洗剤残留判定動作(ステップST511)において、消毒槽2内に洗剤が残留していると判定された場合には、原水を消毒槽2から排出する原水排水動作(ステップST512)を行い、しかる後に、消毒用原水供給工程(ステップST51)に戻ってもよい。すなわち、洗剤残留判定動作(ステップST511)において、消毒槽2内に洗剤が残留していると判定された場合において、原水排水動作(ステップST512)の後の、すすぎ工程(ステップST3)およびすすぎ水排水工程(ステップST4)を省略してもよい。
【0086】
また、洗剤投入機構として、洗剤を貯留する洗剤タンクと、原水が供給されている消毒槽に洗剤を投入するための洗剤供給ノズルと、洗剤タンクと洗剤供給ノズルとの間を接続する洗剤供給路と、洗剤タンクから洗剤を吸引して洗剤供給ノズルから吐出させる洗剤供給ポンプと、を備えるものを採用してもよい。この場合には、制御部80に、洗剤供給ポンプを駆動制御する洗剤投入制御部を備える。洗剤投入制御部は、洗浄用原水供給制御部81によって消毒槽2に最初に原水が供給されて内視鏡10が水没した後に、洗剤供給ポンプを駆動して、循環水路41を循環する原水に洗剤を溶解させる。
【0087】
なお、本発明は、内視鏡10とは異なる医療器具等を被消毒物として消毒槽2に収容して洗剤洗浄動作とオゾン水消毒動作とを行うオゾン水消毒機に適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0088】
1…内視鏡消毒機(オゾン水消毒機)、2…消毒槽、2a…開口部、5…筐体、6…開閉蓋、7…タッチパネル、8…窓、10…内視鏡(被消毒物)、11…下側部分、12…上側部分、14…内視鏡支持トレイ、15…前板、16…背板、17、18…側板、19…底板、20…消毒槽排水口、21…背板部、22、23…側板部、24…下板部、25…小物洗浄容器、27…洗剤投入機構、31…原水供給機構、32…シャワー機構、33…
給水口、34…消毒槽通水口、35…原水供給路、36…開閉バルブ、37…シャワーノズル、38…シャワー用原水供給路、39…シャワー用バルブ、41…循環水路、42…還流口、43…循環水路部分、44…循環ポンプ、45…オゾン濃度計、47…内視鏡接続用分岐水路、48…送風路、49…エアーポンプ、51…オゾン水供給口、52…オゾンガス注入用分岐水路、55…オゾン水生成機構、56…オゾナイザ、57…アスピレータ、58…オゾンガス供給路、59…酸素ボンベ、61…オゾンガス排気機構、62…消毒槽排気口、63…排気口、64…排気路、65…オゾン分解機構、66…排水機構、67…排出口、68…排水路、69…排水バルブ、70…排水ポンプ、71…カップ、71a…開口部、72…フロート、73…回転体、75…支持機構、77…第1水位計、78…第2水位計、79…第3水位計、80…制御部、81…洗浄用原水供給制御部、82…オゾン濃度計原点調整制御部、83…洗浄制御部、84…判定部、85…報知部、86…排出制御部、87…シャワー制御部、91…すすぎ用原水供給制御部、92…すすぎ制御部、95…消毒用原水供給制御部、96…オゾン水生成制御部、97…消毒制御部
図1
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図7