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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】試験システム及び試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20220127BHJP
   A61M 11/00 20060101ALN20220127BHJP
   A61M 11/08 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
A61M11/00 D
A61M11/08
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018513767
(86)(22)【出願日】2016-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2016073834
(87)【国際公開番号】W WO2017060328
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-08-13
(31)【優先権主張番号】15189068.8
(32)【優先日】2015-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16169471.6
(32)【優先日】2016-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503277020
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D-44227 Dortmund,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】アイヒャー ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】アイゲマン ユッタ
(72)【発明者】
【氏名】ゲゼル ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ペーテルス アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ケルベル ハンス-ユルゲン
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02381237(EP,A3)
【文献】米国特許第02863316(US,A)
【文献】特表2003-535669(JP,A)
【文献】特表2010-509591(JP,A)
【文献】特表2007-522899(JP,A)
【文献】特表2009-505703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 99/00
A61M 11/00 - 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル(14)の形態で流体(2)を分注するためのアトマイザ(1)の適正な機能性を自動的に試験するためのシステム(23)であって、
前記システム(23)は、アトマイザ(1)と自動化された試験装置(24)とを含み、
前記アトマイザ(1)は、前記流体(2)を保持する容器(3)とハウジング部品(16)とを含み、該容器(3)は、前記流体(2)を分注するために前記ハウジング部品(16)に対して移動可能であり、
前記システム(23)は、前記自動化された試験装置(24)によって試験される前記アトマイザ(1)を自動的に保持又は把持するための保持デバイス(25)を含み、
前記自動化された試験装置(24)は、前記流体(2)が分注される時に前記容器(3)の移動を測定する測定デバイス(27)を含み、
前記システム(23)は、前記測定デバイス(27)に接続された又は接続することができるデータ処理デバイス(31)を含み、
前記自動化された試験装置(24)は、前記測定デバイス(27)に加えて、前記アトマイザ(1)によって生成されたスプレー霧に関する又は前記アトマイザ(1)によって生成されたエアロゾル雲に関する測定値を取るためのスプレーパラメータ測定デバイスを含み、前記スプレーパラメータ測定デバイスは、前記アトマイザ(1)によって生成されたスプレー霧内又は前記アトマイザ(1)によって形成されたエアロゾル雲内の定められた平面を切り込む光カーテンを生成し、
前記自動化された試験装置(24)は、前記アトマイザ(1)によって生成された前記スプレー霧の又は前記アトマイザ(1)によって生成された前記エアロゾル雲の画像を生成するための記録デバイス(34)を含み、
前記データ処理デバイス(31)は、前記測定デバイス(27)によって検出された測定値及び前記スプレーパラメータ測定デバイスによって取られた測定値を分析し、それらをターゲット値及び/又は限界値、及び基準画像と比較し、前記アトマイザ(1)に関して検出された前記測定値が該ターゲット値に準拠しない及び/又は該限界値によって定められた範囲の外側である時に、前記アトマイザ(1)を不良であると自動的に識別するように設計され、
前記システム(23)は、放出デバイスを含み、前記アトマイザ(1)が、不良であるとして検出されると、前記放出デバイスに自動的に摺動される及び/又は前記アトマイザ(1)が前記放出デバイスにより廃棄される、
ことを特徴とするシステム(23)。
【請求項2】
前記測定デバイス(27)は、前記容器(3)の速度(vstroke)、該容器(3)のストローク(Δsstroke)、及び/又は該ストローク(Δsstroke)の持続時間(Δtstroke)を測定するように設計されることを特徴とする請求項1に記載のシステム(23)。
【請求項3】
前記容器(3)が、挿入可能及び/又は交換可能である、請求項1又は請求項2に記載のシステム(23)。
【請求項4】
前記測定デバイス(27)は、容器底部(21)の移動を測定するように構成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項5】
前記スプレーパラメータ測定デバイス及び/又は前記記録デバイスは、システム(23)の前記データ処理デバイス(31)に接続され、該データ処理デバイス(31)は、該スプレーパラメータ測定デバイスによって検出された測定値又は該記録デバイスによって生成された画像を分析し、それらをターゲット値及び/又は限界値又は基準画像と比較し、前記アトマイザ(1)に関して検出された該測定値又は画像が該ターゲット値又は基準画像に準拠しない及び/又は該限界値又は基準画像によって定められた範囲の外側である時に、前記アトマイザ(1)を不良であると自動的に識別するように設計されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項6】
前記容器(3)内の前記流体(2)は、純粋な液体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項7】
前記容器(3)内の前記流体(2)は、エタノールであることを特徴とする請求項6に記載のシステム(23)。
【請求項8】
前記自動化された試験装置(24)は、制御デバイス(30)、及び/又は該アトマイザ(1)を起動するための起動デバイス(32)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項9】
前記測定デバイス(27)は、光学的及び/又は非接触測定デバイスとして設計され、及び/又はエミッタ(28)と、センサ(29)とを含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項10】
前記測定デバイス(27)は、エミッタ(28)としてレーザを含み、及び/又はセンサ(29)として電子画像コンバータを含むことを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項11】
前記測定デバイス(27)は、レーザ三角測量センサシステムを含み、又はレーザ三角測量センサシステムによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム(23)。
【請求項12】
エアロゾル(14)の形態で流体(2)を分注するためのアトマイザ(1)の適正な機能性を自動的に試験する方法であって、
前記アトマイザ(1)は、前記流体(2)を保持する容器(3)とハウジング部品(16)とを含み、
前記容器(3)が、前記流体(2)を分注するために前記ハウジング部品(16)に対して移動され、かつ
前記容器(3)の前記移動が、前記流体(2)が分注される時に測定及び/又は分析され、
前記アトマイザ(1)によって生成されたスプレー霧又は前記アトマイザ(1)によって形成されたエアロゾル雲に関する測定値を取るために、前記アトマイザ(1)によって生成されたスプレー霧内又は前記アトマイザ(1)によって形成されたエアロゾル雲内の定められた平面を切り込む光カーテンが生成され、
前記アトマイザ(1)によって生成されたスプレー霧又は前記アトマイザ(1)によって形成されたエアロゾル雲に関する測定値が取られ、そして前記アトマイザ(1)によって生成された前記スプレー霧の又は前記アトマイザ(1)によって生成された前記エアロゾル雲の画像が生成され、
前記容器(3)が移動する時に検出される測定値及び、前記光カーテンの生成により取られた、前記アトマイザ(1)によって生成されたスプレー霧又は前記アトマイザ(1)によって形成されたエアロゾル雲に関する測定値が、分析され、ターゲット値及び/又は限界値、及び基準画像と比較され、
前記アトマイザ(1)は、該アトマイザ(1)に関して検出された前記測定値が前記ターゲット値に準拠しない及び/又は前記限界値によって定められた範囲の外側である時に不良であるとして自動的に識別され、
その際、不良であるとして識別された後に、前記アトマイザ(1)は、自動的に廃棄される、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
速度(vstroke)、ストローク(Δsstroke)、及び/又は該ストローク(Δsstroke)の持続時間(Δtstroke)が、測定デバイス(27)によって測定され、及び/又は前記アトマイザ(1)が適正に機能しているか否かを決定するために、データ処理デバイス(31)によって分析され、及び/又はターゲット値に対して、及び/又は限界値に対して比較されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲット値は、ターゲット速度、ターゲットストローク、及び/又はターゲット持続時間を含み、及び/又は、
前記限界値は、最大及び/又は最小速度、最大及び/又は最小ストローク、及び/又は最大及び/又は最小持続時間を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記容器(3)は、挿入可能及び/又は交換可能である、請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定デバイス(27)は、容器底部(21)の移動を測定するように構成されている、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記アトマイザ(1)は、把持又は締結され、及び/又は
前記アトマイザ(1)は、前記流体(2)を分注するために起動される、
ことを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記分注された流体(2)の重量又は前記エアロゾル(14)の重量が測定され、
検出された重量値又は検出された特徴的なスプレーデータが、ターゲット値と比較されることを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記容器(3)の又は容器底部(21)の前記移動が、非接触的に、光学的に、及び/又は三角測量によって測定されることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記容器(3)又は容器底部(21)の速度(vstroke)、ストローク(Δsstroke)、及び/又は前記移動又はストローク(Δsstroke)の持続時間(Δtstroke)が、測定デバイス(27)により測定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記測定中に又はその目的のため、前記容器底部(21)は、照射され、及び/又は電磁波が、該容器底部(21)上で又はそれによって、反射されることを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項12から請求項21のいずれか1項に記載の方法を実施するための自動化された試験装置(24)。
【請求項23】
前記自動化された試験装置(24)は、スクリーニング試験装置であることを特徴とする請求項22に記載の自動化された試験装置(24)。
【請求項24】
前記自動化された試験装置(24)は、100%検査における使用に適切であることを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の自動化された試験装置(24)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のエアロゾルの形態で流体を分注するためのアトマイザの適正な機能性を試験するためのシステム又は試験システム、請求項10の前文に記載のエアロゾルの形態で流体を分注するためのアトマイザの適正な機能性を試験する方法又は試験方法、及び請求項16に記載の試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用語「アトマイザ」は、好ましくは、流体、特に医薬品製剤を霧化するように又は流体をエアロゾルに変えるように特に設計された構造化デバイスを意味すると捉えるべきである。特に好ましくは、本発明の意味でのアトマイザは、エアロゾルの形態で流体を吸入するための吸入器である。好ましくは、本発明の意味でのアトマイザは、霧化される流体のためのリザーバとしての容器を含む。容器は、好ましくは、アトマイザに挿入することができ(例えば、カバーを開けることなどにより)、そこにアクセス可能な方式で配置されるか又は交換可能である。この関連では、アトマイザは、特に、容器が流体を分注するためにハウジング又はハウジング部品に対して好ましくは軸線方向に移動可能であるアトマイザと見なされる。WO 09/047173 A2は、そのようなアトマイザの例を開示している。
【0003】
流体、特に液体医薬品製剤が冒頭に言及したタイプのアトマイザによって霧化される時に、可能な限り正確な量の有効成分が、吸入されるエアロゾルに変えられるべきである。この方式で生成されたエアロゾルは、狭い液滴サイズ分布及び低い衝撃又は低い分散速度を備えた低い平均液滴サイズを有することによって区別されるべきである。好ましくは、この方式で生成された液滴は、5μm未満、特に2μmと5μmの間の液滴直径を有し、その理由は、このサイズの液滴は、吸入されると肺系統に適切に堆積されるからである。
【0004】
本発明の意味では、用語「流体」は、広義に理解かつ解釈しなければならない。特に、用語「流体」は、液体溶液、並びに分散液又は懸濁液などを網羅する。
【0005】
本発明では、用語「エアロゾル」は、アトマイザによって好ましくは既に霧化された流体の多数の液滴の雲状又は霧状の蓄積物を意味するように捉えるべきであり、液滴は、好ましくは、低い速度及び/又は少なくとも実質的にランダムな移動方向を有する。「エアロゾル」は、例えば、円錐形の液滴の雲を有するか又は形成することができ、液滴雲の主分散方向は、特に、主放出方向又は放出パルス方向と少なくとも実質的に符合する。
【0006】
冒頭に言及したタイプのアトマイザを製造又は生産する時に、例えば品質管理の一部として、例えば完全又は100%検査において及び/又はサンプル検査の一部として、アトマイザを不良に関して点検し、又はそれらが適正に機能していることを点検し、及び/又は不良又は不良傾向のあるアトマイザを廃棄することが必要である。
【0007】
用語「適正な機能性」は、好ましくは、アトマイザによって流体が分注される又は霧化されるのに又は意図する目的又は機能が満足されるのに必要であるアトマイザの機能(能力)を意味すると捉えるべきである。好ましくは、アトマイザの適正な機能性は、アトマイザに対する又はアトマイザの(ターゲット)機能に対する要件を満たすことができる程度に対応する。
【0008】
好ましくは、適正な機能性は、アトマイザの起動中に検出される測定値を使用して点検される。特に好ましくは、機能的アトマイザの測定値が該当すると考えられる範囲のターゲット値及び/又は限界値は、例えば、品質管理の一部として設定される。
【0009】
主として、吸入可能なエアロゾルを生成するための機能的アトマイザは、指定特質を有するエアロゾル雲又はスプレー霧の形態で指定量の流体又は医薬品製剤を分注するべきである。アトマイザのこの基本的な機能は、生成されたエアロゾル雲又はスプレー霧に対して取られた測定値を使用して、例えば、液滴サイズ分布の直接測定値(例えば、光学的な方法又はカスケードインパクタによる)、スプレー霧に分注された流体の全体重量の測定値などによって点検することができる。
【0010】
一部のアトマイザでは、例えば、鼻用スプレーポンプでは、スプレーパターン、スプレー雲の形状、又は液滴サイズ分布のようなスプレー霧の特質は、アトマイザ又はポンプがトリガされる方法に依存する場合がある。従来の鼻用スプレーポンプでは、出口開口部を含む上側部品が、ポンプをトリガするために復元力に逆らって薬剤容器に向けて押される。この場合に、緩やかな起動は、一部の事例ではごく僅かな雲を形成して流出する流体をもたらす可能性が高いと考えられ、急速な起動は、液滴の多くが鼻腔粘膜で吸収されるのではなく、より奥の気道に吸入されるほどに細かいスプレー霧を生成する可能性があると考えられる。そのような鼻用スプレーポンプの適正な機能性を臨床上の認可の一部として要求される通りにユーザからの個別の介入なしにある一定の判断基準に従って点検するために、WO 2004/091806 A1は、この種の鼻用スプレーポンプ又は「定量吸入器」(Metered dose inhaler, MDI)を機械的に制御された方式でトリガすることができる装置の使用を提案している。この起動の調節機能により、装置は、アトマイザで取られた測定値と組み合わせて、可動及び不動アトマイザ部品の機械的相互作用とアトマイザの機能との間の関係を精査することを可能にする。この目的のため、例えば、薄層クロマトグラフィー板(Thin-layer chromatography plates, TLC)上のスプレーパターンの分析が、測定方法として説明されている。このようにして、(試験者によって手動で実行されるトリガ工程と比べて)通常点検における変動を低減する自動トリガシステムのためのパラメータを定めるのに使用することができるデータを発生させることが可能である。
【0011】
DE 10136554 A1は、吸入器からのエアロゾル内の粒子サイズ分布を決定する実験方法とこの方法を実行するための装置とを開示している。この文書は、レーザ回折分析又はレーザ回折方法によってエアロゾル粒子の粒子サイズを測定することを提案している。この場合に、患者が意図するように吸入器を使用する時の実際的な条件、すなわち、特に、ヒト中咽頭部位内の高い空気湿度レベルを再現する測定条件が確立される。EP 2381237 A1は、上述の方法の上に構築され、かつエアロゾルの吸入可能な部分(微細粒子部分)の決定がスプレーの持続時間の測定と組み合わされる実験測定方法を開示している。この場合の粒子測定中に、散乱レーザ光は、収束レンズによって半導体検出器に向けて集束され、かつMie散乱理論又はFraunhofer方法に基づく分析方法によって分析される。
【0012】
測定変数の他の可能な例は、アトマイザノズルダクト内の流量、流体の分注体積及び/又は分注重量、特にトリガ当たり及び/又は単位時間当たりのもの、漏出するアトマイザ内の流体の体積及び/又は重量、及び/又はアトマイザ内の流体圧力及び/又は流体圧力降下である。一部の場合では、そのような測定変数を直接に測定することは、複雑であり、従って、特に自動検査及び/又は100%検査又は100%スクリーニング検査のようなバッチ生産工程では限定された範囲で可能であるに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】WO 09/047173 A2
【文献】WO 2004/091806 A1
【文献】DE 10136554 A1
【文献】EP 2381237 A1
【文献】WO 96/06011 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この背景に対して、本発明の目的は、簡単、費用効果的、迅速、及び/又は信頼性の高い方式で、好ましくは識別し、定義し、評価し、及び/又は索引付けすることができ、又は識別され、定義され、評価され、及び/又は索引付けされるアトマイザの適切な機能性と、あらゆるアトマイザ故障不良とを試験するための試験システム及び試験方法を提供することである。
【0015】
特に、試験方法及び試験システムは、バッチ生産工程における使用に適切であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的は、請求項1に記載の試験システム、請求項10に記載の試験方法、及び請求項16に記載の試験装置によって達成される。従属請求項は、有利な発展に関連するものである。
【0017】
アトマイザの適正な機能性を試験するための本発明による試験装置又は本発明によるシステムは、好ましくは、アトマイザとアトマイザを試験するための試験装置とを含む。
【0018】
本発明の一態様では、機能検査の一部として、アトマイザの適正な機能性は、アトマイザ自体に対して、好ましくは、アトマイザの1又は2以上の可動部品に対して(特に、起動中に動かされる部品に対して)取られる測定値を少なくとも部分的に使用して試験される。これに関して、測定値は、好ましくは、特に対応するアトマイザの作動原理に起因してスプレー霧の特性との相関のある測定変数に対して検出される。その結果、アトマイザを起動するのに必要な時間よりもその測定時間が高々僅かに長いアトマイザの適正な機能性を試験するための装置又は試験システムを提供することが可能である。好ましくは、この機能検査は、特に自動化された100%検査又は100%スクリーニング検査において行われる。
【0019】
本発明により、分注される流体を保持する容器が、流体が分注されている間に移動するアトマイザに対して、容器の移動が測定され、関連の測定デバイスによって検出された測定値は、データ処理デバイス内で(例えば、コンピュータ化された方式で)ターゲット値及び/又は限界値と比較される。測定値がターゲット値(偏差範囲と共に特に指定された)に準拠しない及び/又は測定値が限界値によって定められた範囲外である時に、アトマイザは、試験システム内で又は試験システムによって不良であるとして識別され、かつ好ましくは自動的に廃棄される。この種の自動化システムの電子機器が適切に設計される場合に、アトマイザのサイクルタイムは、本発明により全ての流体/スプレーが分注された時に終了する実際の測定の持続時間によって実質的に決定される。従って、試験方法は、バッチ生産での使用に十分に適しており、同じく100%検査での使用に特に適切である。
【0020】
本発明の別の態様により、試験システム内で、アトマイザ自体に対するこの種の測定値は、それによって生成されたエアロゾル雲又はそれによって生成されたスプレー霧に対する測定値と組み合わされる。
【0021】
この目的のため、試験システムは、好ましくは、システムのデータ処理デバイスに接続されたスプレーパラメータ測定デバイス及び/又は撮像記録デバイスを含む。スプレーパラメータ測定デバイスでは、事前定義スプレーパラメータがスプレー写真に基づいて測定され、測定値は、データ処理デバイスによって事前定義限界値と比較される。これに代えて又はこれに加えて、撮像記録デバイスからの画像が、データ処理デバイス内で基準画像と比較される。
【0022】
アトマイザは、その目的で検出された測定値又は画像がターゲット値又は基準画像に準拠しない及び/又は限界値又は基準画像によって定められた範囲外である時に、不良であるとして好ましくは自動的に識別される(かつ特に廃棄される)。
【0023】
特に好ましくは、光セクション又はライトカーテンが、スプレー写真を生成するためにスプレーパラメータ測定デバイス内に生成される。
【0024】
好ましくは、アトマイザを組み立てる段階に加えて、アトマイザの生産はまた、アトマイザの一般的な機能を反映する選択された測定変数が測定される好ましくは自動化されたスクリーニング検査工程、並びにアトマイザの選択されたサンプルが詳細な実験室検査を受けるサンプリング段階を含む。この種の実験室検査では、選択されたアトマイザは、好ましくは、ユーザ使用パターンを再現しながら破壊点まで試験される。その工程では、実験室検査はまた、例えば、DE 10136554 A1から公知の特に液滴サイズ分布の測定及び/又は放出された流体重量の測定のようなより複雑な測定(スクリーニング検査と比べて)を伴う。
【0025】
アトマイザは、好ましくは、流体を保持する容器を挿入する及び/又は交換するオプションを有する(このオプションは、例えば、アトマイザのハウジング内のアクセス開口部により、及び/又は取り外し可能又は開放可能ハウジング部品によって提供することができる)。好ましくは、ユーザは、特に挿入可能、特に好ましくは交換可能であり、かつ流体を保持する容器と共にアトマイザを使用し、容器は、流体を分注又は霧化する又はエアロゾルを形成するためにハウジング部品に対して可動である。
【0026】
ユーザ使用パターンが再現される実験室検査では、ユーザが霧化を望む流体で満たされた容器が、好ましくは使用される。吸入器検査に対して、容器は、従って、好ましくは、液体医薬品製剤又は適切なプラセボで満たされたカートリッジである。
【0027】
しかし、100%検査又は100%スクリーニング検査では、アトマイザは、好ましくは、特に(汚染又は蓄積を防ぐために)いずれの残留物も残すことなくアトマイザから取り出すことができる液体又は試験液を収容する挿入された容器を使用して試験される。対応する液体、例えば水、又は特に好ましくはエタノールは、非常に高純度である必要がある。100%検査又は100%スクリーニング検査では、アトマイザは、好ましくは、使用される試験装置と相互作用することができる容器を含む。この目的のため、例えば、光学測定の場合に、容器は、適切な反射面(あるいは、電気的又は誘導的測定の場合は適切な導電性又は適切な磁気特性、又は触覚的又は機械的測定の場合は適切な輪郭など)を特に含む。任意的に、容器は、可読ラベルを含む。
【0028】
好ましくは、アトマイザは、能動霧化原理に基づいており、特に、霧化に必要とされるエネルギは、エネルギストレージ機構から放出され、及び/又は特に霧化は、アトマイザ上のトリガボタン又はスイッチなどが起動された後に自動的に起こる。
【0029】
流体の霧化のための圧力を発生させるために、アトマイザは、特に好ましくは、機械的ポンプ機構、特にピストンポンプ機構を含み、容器は、好ましくは、ポンプ機構の可動部品と共に移動される。好ましくは、ポンプ機構は、エネルギストレージ機構として作用するバネと組み合わされる。
【0030】
100%検査又は100%スクリーニング検査に対して独立に実施することもできる本発明の別の態様では、システム又は試験装置は、好ましくはアトマイザの適正な機能性を試験するために、流体が霧化されるか又は分注される時又はされる間にアトマイザの容器の移動又は容器底部の移動を好ましくは光学的に、機械的に、及び/又は電気的に、及び/又は非接触的に測定又は検出するための測定デバイスを含む。
【0031】
特に好ましくは、測定デバイスは、容器又は容器底部の速度、容器又は容器底部の(軸線方向)ストローク、及び/又はストロークの持続時間を好ましくは光学的に、機械的に、及び/又は電気的に、及び/又は非接触的に測定するように設計される。特に簡単、迅速、及び容易に自動化される及び/又は生産工程に統合することができる試験システムは、このようにして提供される。この場合に、用語「ストローク」は、容器及び容器底部がその間を移動する2つの端部位置間、特にアトマイザがトリガされる前及び後の状況間の経路又は経路にわたる通過を意味するように取るべきである。
【0032】
用語「移動」は、好ましくは、流体が分注又は霧化される時又はされる間の容器又は容器底部の速度、容器又は容器底部のストローク、及び/又は容器又は容器底部のストロークの持続時間を意味するように取るべきである。特に、容器又は容器底部の移動は、流体の分注又は霧化の持続時間の関数として容器又は容器底部の位置を網羅し、及び/又は移動は、時間の関数として容器又は容器底部の位置によって測定され、定義され、及び/又は定量化することができる。最も好ましくは、試験システム又は測定デバイスは、流体が分注される時に特に対応する測定値によって、移動、特に容器又は容器底部の速度、ストローク、及び/又はストロークの持続時間を測定又は定量化するように設計される。
【0033】
好ましくは、容器移動に関する事前定義ターゲット値は、機能的な又は少なくとも実質的に故障なしのアトマイザに対して設定することができる。これに関して、測定変数は、好ましくは、容器速度、容器ストローク(すなわち、容器の移動経路)、及び/又は容器ストロークに対応する容器移動の持続時間である。好ましくは、これらの測定変数又はこれらの変数の相互作用は、特にトリガ当たり及び/又は単位時間当たりのアトマイザノズルダクト内の流量、エアロゾルの分注体積及び/又は分注重量、漏出するアトマイザ内の流体の体積及び/又は重量、及び/又はアトマイザ内の流体圧力及び/又は流体圧力降下のような特性と相関させることができる。
【0034】
機能的な又は少なくとも実質的に故障なしのアトマイザの測定変数に対して、ターゲット範囲及び/又は限界値が好ましくは指定され、ターゲット値、ターゲット範囲及び/又は限界値は、好ましくは、概念的に、経験的に、数値的に、実用的に、及び/又は理論的に決定されてきた。
【0035】
本発明は、特に好ましくは、流体を加圧するか又はエアロゾルを形成するために機械的な又は手動起動可能なポンプ又は機械的な又は手動起動可能な張力機構を使用してアトマイザを試験することに関する。この場合に、容器の移動は、アトマイザ内のポンプ、圧力発生器、又はバルブのピストン移動に対応することができ、及び/又は容器の移動速度は、流体分注速度に対応することができる。しかし、原理的は、他の機構、特に、エアロゾルの分注体積、分注速度、及び/又は特性が容器移動の特徴に対応する機構も可能である。少なくとも流体が分注されている間の容器移動も使用することによって適正な機能性又はターゲット値又は許容範囲の準拠を点検することは、特に有利であると判明している。
【0036】
エアロゾルの形態で流体を分注するためのアトマイザの適正な機能性を試験するための提案する方法又は試験方法はまた、流体が分注又は霧化される時のアトマイザの容器の移動が、好ましくは測定デバイスによって測定され、及び/又は好ましくはデータ処理デバイスによって分析されるという点で区別される。
【0037】
特に好ましくは、流体が分注又は計量される時の容器又は容器底部の速度、容器又は容器底部のストローク、及び/又は容器ストロークの持続時間は、測定され、及び/又は分析され、及び/又はターゲット値、特に、ターゲット速度、ターゲットストローク、又はターゲット持続時間と、及び/又は限界値、特に、最大及び/又は最小速度、最大及び/又は最小ストローク、及び/又は最大又は最小持続時間と比較される。このようにして、対応する利点が得られる。
【0038】
特に好ましくは、測定デバイスは、光学三角測量法によって容器の移動を測定する。この場合に、可視変調光点が、好ましくは、容器底部の面の上に投射され、この光点の反射の少なくとも一部の画像が、空間解像素子(例えば、CCD素子)又はセンサ(受信機光学系に含有された)上に特に指定角度で配置された受信機光学系によって位置感応方式で生成される。容器底部の距離は、好ましくは、デジタル信号プロセッサによってセンサの出力信号から計算される。
【0039】
本発明により、測定デバイス及び関連のデータ処理デバイスは、検出された測定値が事前定義限界値の外にあるアトマイザが不良アトマイザであるとして好ましくは自動的に廃棄される好ましくは自動化された試験装置の一部である。データ処理デバイスは、従って、測定デバイスによって検出された測定値を分析し、及び/又はそれらをターゲット値及び/又は限界値と比較し、及び/又は試験システム内でアトマイザをそれに関して検出された測定値がターゲット値に準拠しない及び/又は限界値によって定められた範囲外である時に不良であるとして識別するように設計される。不良であるとして識別されたアトマイザが廃棄されるように、本発明によるシステムは、不良であるとして識別された後にアトマイザがその中に好ましくは自動的に摺動される及び/又は廃棄される放出デバイスを含む。
【0040】
独立に実施することもできる本発明の別の態様は、アトマイザの適正な機能性を試験するための試験デバイスに関連し、アトマイザは、エアロゾルの形態で流体を分注するように設計され、試験デバイスは、アトマイザを保持する又は把持するための保持デバイスと、アトマイザを起動するための起動デバイスと、測定デバイスと、データ処理デバイスとを含み、測定デバイスは、流体が分注される時に移動するアトマイザ部品を測定するように設計され、データ処理デバイスは、測定デバイスによって検出された測定値を分析し、及び/又はそれらをターゲット値及び/又は限界値と比較し、及び/又は検出された測定値がターゲット値に準拠しない及び/又は限界値によって定められた範囲外である時にアトマイザを不良であるとして自動的に識別するように設計される。
【0041】
独立に実施することもできる本発明の別の態様により、試験装置は、アトマイザの適正な機能性を試験するのに使用され、アトマイザは、エアロゾルの形態で流体を分注するように設計され、かつ流体を保持するための好ましくは挿入可能であり、かつ特に好ましくは交換可能である容器と、ハウジング部品とを含み、容器は、流体を分注するためにハウジング部品に対して移動され、容器の移動は、流体が分注される時に測定される。このようにして、対応する利点が生成される。
【0042】
本発明の更に別の態様、特徴、特質、及び利点は、特許請求の範囲、及び図面に基づいて与えられる好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】非張力状態におけるアトマイザを通した概略断面図である。
図2図1と比べて90°回転した張力状態におけるアトマイザを通した概略断面図である。
図3図1によるアトマイザを有する提案する試験システムと提案する試験装置との概略図である。
図4】時間の関数として容器ストロークの概略曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
一定の縮尺とは限らない純粋に概略的な図面では、同じ参照番号が同様又は類似の構成要素に対して使用され、符合する又は類似の特質及び利点は、説明が繰り返されない場合であっても得られるものである。
【0045】
図1及び図2は、流体2、特に高効能医薬品などを霧化するためのアトマイザ1を示し、その適正な機能性は、例えば、本発明による試験システム又は試験方法で試験することができる。図1及び2は、ユーザによって使用される時に生じる2つの状態でアトマイザ1を示している。図1及び図2は、非張力状態(図1)及び張力状態(図2)にあるアトマイザ1の概略図である。この場合に、用語「非張力」及び「張力」は、アトマイザに収容されて好ましくは主バネ7によって形成されたエネルギストレージ機構の状態を表している。「張力状態」(図2)では、エネルギストレージ機構は、ある一定の程度まで装填され、アトマイザ1は、トリガされる準備ができている。「非張力状態」(図1)は、トリガされた状態の(トリガの準備はできていない)アトマイザ1を示している。
【0046】
特に、アトマイザは、トリガするオプション、特にトリガボタン8aを有し、その起動時にスプレー霧が自動的に又は独立に生成され始めるか又はエアロゾル14が自動的に又は独立に分注され始める。従って、有利なことに、スプレー霧は、ユーザ/患者によるアトマイザの取り扱いからのいずれの影響にも露出されないか、又はごく僅かな影響に露出されるだけである。この実施形態では、トリガ時に又はトリガボタン8aからの圧力により、アトマイザ1は、(流体が分注されるか又はスプレー霧が生成されながら)「張力」状態から「非張力」状態に変わる。
【0047】
特に、アトマイザ1は、携帯吸入器として形成され、好ましくは高圧ガスなしで作動する。
【0048】
流体2、好ましくは液体、特に医薬品がアトマイザ1によって霧化された時に、好ましくはエアロゾルが形成され、ユーザ又は患者(図示せず)は、特に霧化された流体2又はエアロゾル14を吸入することができ、外気は、好ましくは少なくとも1つの外気開口部15を通してマウスピース13内に吸引することができる。典型的には、医薬品は、少なくとも1日に1回、特に1日に数回、好ましくは定められた間隔で、特に好ましくは患者の病気に応じて吸入される。
【0049】
アトマイザ1は、好ましくは挿入可能であり、かつ好ましくは交換可能である流体2を保持する容器3を含む。容器3は、好ましくは、霧化される流体2のためのリザーバを形成する。
【0050】
好ましくは、容器3は(ユーザによって使用される時又は図1及び2に示されている状態にある時)、例えば、200計量単位まで、すなわち、200回の霧化又は使用まで供給するのに十分な量の流体2又は有効成分を収容する。典型的な容器3は、WO 96/06011 A2に開示するように約2ml~10mlの体積を保持する。
【0051】
容器3は、好ましくは、少なくとも実質的に円筒形又はカートリッジ形であり、アトマイザ1を開けた後で下方からアトマイザ1に挿入可能であり、かつ潜在的に交換可能とすることができる。
【0052】
好ましくは、容器3は、その底部上に平坦面を有し、又は容器3は、平面容器底部を含む。任意的に、容器3は、金属及び/又は反射性の外側ケーシング、及び/又は金属及び/又は反射性の容器底部、又は容器底部上の金属及び/又は反射性の(外側)コーティングを含む。
【0053】
好ましくは、流体2は、容器3内の折畳み式袋によって形成された流体チャンバ4に保持される。
【0054】
好ましくは、アトマイザ1はまた、各場合に特に予め決められた潜在的に調整可能な計量された量で流体2を搬送かつ霧化するための圧力発生器5を含む。
【0055】
圧力発生器5は、好ましくは、容器3のためのマウント6と、アンロッキング目的で直接的に又は好ましくはトリガボタン8aによって手動で起動することができるロッキング要素8を有する関連の主バネ7(一部だけを示す)と、戻しバルブ10を有する供給チューブ9と、圧力チャンバ11と、マウスピース13の領域内の送出ノズル12とを含む。アトマイザをトリガするために、ロッキング要素8は、好ましくは、アトマイザ1の主軸に対して横断方向に/圧力発生器5の可動部品の移動方向に対して横断方向に摺動され、又はトリガボタン8aが、主軸/移動軸に対して横断方向に押圧される。有利なことに、トリガするために印加される力は、従って、トリガ時に解放される力に寄与しない。
【0056】
容器3は、供給チューブ9が容器3に入るように、好ましくは、マウント6によってアトマイザ1内に固定され、特にラッチ止めされる。この場合に、マウント6は、容器3を取り外して交換することができるように設計することができる。
【0057】
主バネ7を軸線方向に引っ張ると、マウント6は容器3及び供給チューブ9と共に図面の下方に移動し、流体2が容器3から戻しバルブ10を通して圧力発生器5の圧力チャンバ11に吸引される。
【0058】
ロッキング要素8が一旦起動されてその後にバネが弛緩されると、供給チューブ9は、主バネ7の弛緩の結果としてこの時点で閉じたその戻しバルブ10と共に再び上方に戻されて今やプランジャとして作用するので、圧力チャンバ11内の流体2は加圧される。この圧力が送出ノズル12を通して流体2を追い出し、流体2は、図1に示すように送出ノズル12上でエアロゾル14に霧化される。
【0059】
好ましくは、供給チューブ9は、その使用位置にある時に、特にマウント6によって容器3に対して所定位置に保持される。従って、特に、供給チューブ9の(軸線方向)移動は、容器3の(軸線方向)移動に対応する。
【0060】
供給チューブ9又は戻しバルブ10がプランジャとして作用する時に、供給チューブ9又は容器3の移動は、圧力チャンバ11内で置換された体積又は流体の送出される又は送出可能な量に対応する。
【0061】
アトマイザ1の流体力学的特性又は送出ノズル12の特性(ノズル形状、装着されたフィルタ及び/又は送出ノズル12によって形成される流体力学的抵抗など)を特に考慮すると、供給チューブ9又は戻しバルブ10及び/又は別のプランジャの移動及び容器3の対応する移動からアトマイザ1の適正な機能性に関して結論を引き出すことができる。この実施形態に見られるアトマイザ1では、エアロゾル14を生成するために、圧力チャンバ11内の及び/又は送出ノズル12の上流側の流体2は、圧力下で送出ノズル12を通して押し出されるので、この流体通路内の流体力学的抵抗に逆らって排出される。この工程では、流体圧力は、得られるスプレーパターン又はエアロゾル14の特性に影響を及ぼす。このようにして、エアロゾル形成に関するその検出に潜在的にそうでなければ複数の異なる測定方法を必要としたであろう様々な機能不良が、アトマイザ1のポンプのピストンに対する移動測定、この場合は供給チューブ9又はそれに取り付けられた(及び供給チューブ9によりそれと共に移動する)容器3の移動測定によって検出可能である。このようにして、例えば、移動測定により、その直接的な検出には放出されたエアロゾルの重量を測定することが要求される漏出と、アトマイザ1のスプレーの持続時間及びスプレー霧の品質に悪影響を与える誤った位置決め又は閉塞とを見出すことができる(誤った位置決めは、アトマイザ内の流体力学的抵抗を増加させ、流体は、圧力チャンバからよりゆっくりと排出される)。漏出の場合に、流体は、ノズルを通してだけでなく、追加の漏出箇所を通しても排出され、それによってアトマイザ内の流路における全体的な液圧が低下する(従って、流体は、液圧チャンバからより迅速に排出され、すなわち、より高速なピストン移動とスプレーのより短い持続時間とが観測される)。
【0062】
ピストンポンプ機構を含むアトマイザ1に対して、スプレーの持続時間、すなわち、エアロゾルが送出ノズル12で生成される時間は、好ましくは、アトマイザ1がトリガされるか又はスプレー霧が生成される時にピストン(供給チューブ9)又はそれに結合された容器3が移動する時間によって決定される。これに関して、アトマイザ1がトリガされた時にピストンと共に移動する容器3が、張力器具状態の位置から弛緩(非張力)状態の位置へ移動するために要する時間は、好ましくは光学的な測定方法によって測定される。この容器移動の持続時間は、この移動中に流体がアトマイザ1から送出ノズル12を通して外方に押し出されるので、実質的にアトマイザ1のスプレー持続時間と相関があるか又は対応する。
【0063】
アトマイザ1は、ハウジング部品16と、それに対して回転可能で上側部品17a及び下側部品17b(図1)を有する内側部品17(図2)とを有することが好ましく、特に手動起動可能な下側ハウジング部品又はカバー18が、好ましくは保持要素19によって内側部品17に対して取り外し可能に締結され、特に押圧される。
【0064】
容器3を挿入する及び/又は交換するために、下側ハウジング部品18は、好ましくはアトマイザ1から取り外し可能である。
【0065】
下側ハウジング部品18は、ハウジング部品16に向けて回転可能であり、下側ハウジング部品は、内側部品17の図面では下側にある部品17bを同伴することが好ましい。その結果、主バネ7は、マウント6上に作用するギアリング(図示せず)によって軸線方向に引っ張られる。この引張により、容器3は、好ましくは、図2に示す最終位置を取るまで軸線方向下方に移動する。この状態では、主バネ7は引張されている。
【0066】
好ましくは、ユーザ又は患者がアトマイザを使用し、初めて引張が印加されると、軸線方向に作用し、かつ下側ハウジング部品に配置されたバネ20は、容器底部21と当接し、穿刺要素22によって容器3又はその底部上のシールを初めてそれが底部と接触する時に穿刺し、空気を流入させる。霧化工程中に、容器3は、好ましくは、主バネ7によりその初期位置に戻される。
【0067】
容器3は、引張工程中に、又は流体を除去する間に、及び/又は流体2が霧化又は分注されている間にストローク移動を行うことが好ましい。特に好ましくは、流体2が霧化又は分注されている間に、容器3は、好ましくは、少なくとも部分的に線形の速度vstrokeで持続時間Δtstroke内にストローク又はストローク経路Δsstrokeだけ移動し、この持続時間Δtstrokeは、流体2が分注又は霧化される時間に少なくとも実質的に対応することが好ましい。
【0068】
図3は、アトマイザ1の適正な機能性を試験するための提案するシステム23の概略図である。
【0069】
提案するシステム又は試験システム23は、アトマイザ1又はアトマイザ1の少なくとも構成要素又はモジュールと、提案する試験装置24とを有することが好ましい。
【0070】
アトマイザ1は、好ましくは挿入可能であり、かつ好ましくは交換可能である流体2を保持する容器3を含む。容器3は、試験中に霧化されることになる流体2のためのリザーバを形成することが好ましい。
【0071】
容器3は、少なくとも実質的に円筒形又はカートリッジ形であることが好ましく、アトマイザ1に挿入することができ、かつ交換可能又は取り外し可能である。図示の例では、容器3の一部は、測定のために試験システム23内で直接アクセス可能であることが好ましい。
【0072】
容器3は、少なくとも実質的に剛性であることが好ましい。特に好ましくは、容器3は、プラスチック材料、特に熱可塑性プラスチック、最も好ましくはポリエーテルエーテルケトンで製造される。好ましくは、容器3は、その底部上に平坦面を有し、又は容器3は平面容器底部を有する。
【0073】
任意的に、容器3は、金属及び/又は反射性の外側ケーシング、及び/又は金属及び/又は反射性の容器底部21、又は容器底部21上に金属及び/又は反射性の(外側)コーティングを含む。
【0074】
試験装置24は、アトマイザ1を試験するように、特に、アトマイザ1が適正に機能していること及び/又はあらゆる不良に対して点検するように設計されることが好ましい。
【0075】
特に、システム23又は試験装置24により、アトマイザ1が機能すること及び/又は事前定義要件を満たすこと又は事前定義機能を有するか否か及び/又はその程度、及び/又はアトマイザ1の機能がそのために又は個々に定められた仕様に対応するか否かを試験するか又は確認することができる。
【0076】
特に好ましくは、システム23又は試験装置24は、不良アトマイザ1又は機能の損なわれたアトマイザ1を、好ましくはアトマイザ1の生産又は組立の一部として識別するように設計される。最も好ましくは、不良アトマイザ1又は機能の損なわれたアトマイザ1は、システム23又は試験装置24によって識別される及び/又は(その後に)廃棄される。
【0077】
好ましくは、システム23又は試験装置24は、アトマイザ1のための生産又は生産工程に、特に組立工程に統合されるか又は統合することができる。
【0078】
システム23又は試験装置24は、保持デバイス25を有することが好ましい。保持デバイス25は、特に流体2が分注される時にアトマイザ1又は少なくともハウジング部品16及び/又は内側部品17を保持デバイス25に対して不動にするように、アトマイザ1又はハウジング部品16及び/又は内側部品17を保持する、把持する、及び/又は受け入れるように設計されることが好ましい。
【0079】
好ましくは、保持デバイス25は、アトマイザ1の少なくとも一部を受け入れるか又は受け入れることができ、又は挿入するか又は挿入することができる孔26を含む。
【0080】
システム23又は試験装置24は、好ましくは、流体2が分注される時にピストン又は容器3(供給チューブ9)の移動を測定するように設計されることが好ましい測定デバイス27を含む。
【0081】
測定デバイス27は、光学的、機械的、及び/又は電気的な測定デバイスとして設計されることが好ましい。
【0082】
特に、測定デバイス27は、容器3又は容器底部21の移動、特に速度vstroke、ストロークΔsstroke、及び/又はストロークの持続時間Δtstrokeを非接触的、光学的、機械的、及び/又は電気的に測定するように設計される。
【0083】
特に、測定デバイス27は、容器3又は容器底部21の移動、特に速度vstroke、ストロークΔsstroke、及び/又はストロークの持続時間Δtstrokeを三角測量法で測定するように設計される。特に、測定デバイス27は、レーザ三角測量センサシステムを収容するか又はそれによって形成される。
【0084】
好ましくは、測定デバイス27は、エミッタ28、特にレーザ又は、放射線又は電磁波を放出する別のソースと、必要に応じてA/Dコンバータとを含み、センサ29によって検出された放射線、画像、又は他の検出された信号は、A/Dコンバータによって1又は2以上の電気信号に変換されることが好ましい。
【0085】
センサ29は、特に、入射する放射線又は電磁波の場所又は位置、及び/又は角度、及び/又は強度を検出するように、かつそれらを特に測定デバイス27の測定値又は測定信号のようなデータ又はデータ信号に変換するように設計することができる。
【0086】
特に、センサ29は、CCDセンサ又はCMOSセンサなどである。
【0087】
センサ29は、好ましくは互いに隣接して配列されたピクセルとして公知の複数の識別可能なセンサ部分を含む。入射電磁波又は入射光の位置又は場所は、このようにして決定することができるのが好ましい。
【0088】
センサ29は、エミッタ28により出力された電磁波又は放射線を受け入れる、検出する、及び/又は変換することが可能であるようにエミッタ28に対応することが好ましい。
【0089】
センサ29は、入射電磁波の場所及び/又は入射角及び/又は強度を変えるために、又はそれらを正確に定めるために(特にセンサ29での分析及び/又は精度を改善するために)好ましくは電磁波を集束させるレンズのような光学デバイスを含むことができる。
【0090】
エミッタ28及びセンサ29は、好ましくは、互いに対して配置され、容器3又は容器底部21の移動が、エミッタ28により出力される電磁波又は放射線の入射位置、入射角、及び/又は入射強度の変化をもたらすように設計される。これは、容器3又は容器底部21の場所又は位置、移動、及び/又は速度を正確に定めるのに特に有利であると判明している。
【0091】
エミッタ28は、特に、電磁波又は放射線、特にレーザ放射線を好ましくはアトマイザ1に向けて、特に容器3に向けて、特に好ましくは容器底部21に向けて放出するように設計される。好ましくは、エミッタは、レーザダイオードを収容するか又はそれによって形成される。
【0092】
測定デバイス27又はエミッタ28は、アトマイザ1の下方に、特に容器3又は容器底部21の下方に配置され、及び/又はアトマイザ1、特に容器3又は容器底部21がエミッタ28により照射可能であるように方向付けられることが好ましい。
【0093】
特に、エミッタ28により放出された放射線は、容器3又は容器底部21により、好ましくは少なくとも部分的にセンサ29へ向けて反射させることができる。任意的に、容器3又は容器底部21は、エミッタ28により放出された放射線を反射するための反射コーティング(図示せず)を含む。
【0094】
好ましくは、エミッタ28は、図3に示すように、エミッタ28により放出された放射線が容器底部21にほぼ直交して及び/又は容器3の移動軸とほぼ平行に達するようにアトマイザ1に対して配置される。
【0095】
特に、エミッタ28及びセンサ27は、入射角が反射角に等しいという原理に従ってエミッタ28により放出された放射線が容器底部21によってセンサ27に向けて反射されるように容器底部21に対して配置され、エミッタ28及びセンサ27は好ましくは互いに接近して配置される。
【0096】
図示の実施形態では、アトマイザ1の下側ハウジング部品18は、試験装置24を使用する試験又は測定のために取り外され、又はアトマイザ1は、下側ハウジング部品18なしで保持デバイス25内に把持されるか又は受け入れられる。このようにして、エミッタ28により放出された放射線の散乱が低減される。しかし、アトマイザ1が下側ハウジング部品18と共に測定されるか又は測定可能であるソリューションも考えられる。特に、(完全に)組み立てられた時にアトマイザ1が試験されるか又は試験可能であるソリューションも考えられる。例えば、下側ハウジング部品又はカバー18は、透明であるか又は放出又は反射された放射線を透過させるものとすることができる。センサ29は、エミッタ28により放出された及び/又は容器3又は容器底部21上で反射された放射線の少なくとも一部を検出するように設計されることが好ましい。
【0097】
放射線が容器3又は容器底部21上で反射され、その反射放射線がセンサ29によって検出される結果として、測定デバイス27又はアトマイザ1に向いた測定デバイス27の側部と容器3又は容器底部21の間の距離、又は、霧化工程中に変動可能な距離、及び/又は容器3のストロークΔsstroke又はストローク移動の場合の距離変化を決定することが可能である。
【0098】
三角測量法に加えて又はその代わりに、干渉法、シルエット手順、及び/又はカメラベースのセグメント化のような他の光学測定法又は原理を使用することもできる。特に、容器3又は容器底部21の移動、特に好ましくは速度vstroke、ストロークΔsstroke、及び/又はストロークの持続時間Δtstrokeは、三角測量法に加えて又はその代わりに、干渉法、シルエット手順、及び/又はカメラベースのセグメント化のような他の光学測定法によって測定可能である。
【0099】
例えば、試験装置24又は測定デバイス27は、(追加の)エミッタ及び(追加の)センサを有することができ、容器3は、好ましくは、エミッタとセンサの間に配置され、及び/又は流体2が分注される時の容器3の影又はシルエット又は容器3の移動がその影又はシルエットの変化によってセンサに検出されるようにエミッタによって照らされる。
【0100】
別の実施形態(図示せず)により、容器3は、側部上に少なくとも1つのマーキング、特にラインマーキングを含むことが好ましく、流体2が分注される時の容器3の移動は、好ましくは、そのマ―キング及び関連の(追加の)記録デバイス、特にカメラによって測定されるか又は追跡される。
【0101】
好ましくは、この種の実施形態では、データ処理デバイス31は、流体2が分注される前、分注されている間、及び/又はその後にマーキングを検出するように、及び/又は容器3又はマーキングの画像をセグメント化するように、特にそのエッジ検出を実行するように設計される。
【0102】
光学的な測定方法又は原理に加えて又はその代わりに、機械的及び/又は電気的な測定方法又は原理を使用することができる。特に、容器3又は容器底部21の移動、特に速度vstroke、ストロークΔsstroke、及び/又はストロークの持続時間Δtstrokeは、光学的な測定方法に加えて又はその代わりに、機械的及び/又は電気的な測定方法によって測定可能である。
【0103】
例えば、容器3の移動及び/又は位置は、流体2が分注される前、分注されている間、及び/又はその後に、少なくとも1つの触覚センサ又はセンサプローブによって検出可能である。
【0104】
別の実施形態(図示せず)では、容器3の移動又は容器3の距離変化は、誘導的に又は誘導センサによって測定することができる。
【0105】
好ましくは、この種の実施形態での容器3は、金属のような導電材料を例えば容器底部21上に含み、及び/又はこの種の実施形態での容器3は、少なくとも部分的に金属のような導電材料で構成され、関連のセンサに対する容器3の移動時又は容器3の距離変化時の変化するインダクタンスは、好ましくは検出されるか又は検出可能である。
【0106】
別の実施形態(図示せず)では、容器3の移動又は容器3の距離変化は、容量的に又は容量センサによって測定することができ、関連のセンサに対する容器3の移動時又は容器3の距離変化時の変化するキャパシタンスは、好ましくは検出されるか又は検出可能である。
【0107】
好ましくは、複数の特に異なる測定方法又は原理を組み合わせることができる。有利なことに、このようにしてあらゆる測定誤差を検出し、測定精度を改善することができる。
【0108】
好ましくは、約0.5mm~100mm、特に好ましくは1mm~20mm、特に4mm~12mmのストローク経路又はストロークΔsstrokeが測定される。
【0109】
好ましくは、アトマイザ1が張力状態にある時に、測定デバイス27、特にアトマイザ1又はエミッタ28に向いた測定デバイス27の側部と、アトマイザ1又は容器3又は容器底部21との間の距離は、5mmよりも大きく又は10mmよりも大きく、特に好ましくは20mmよりも大きく又は30mmよりも大きく、特に40mmよりも大きく、及び/又は200mm未満又は150mm未満であり、特に好ましくは100mm未満、特に80mm未満である。
【0110】
システム23又は試験装置24は、好ましくは制御デバイス30を含み、制御デバイス30は、測定デバイス27、特にエミッタ28及び/又はセンサ29を開ループ及び/又は閉ループの方式で制御するように設計されることが好ましい。
【0111】
好ましくは、システム23又は試験装置24は、コンピュータのようなデータ処理デバイス31を含み、データ処理デバイス31は、特に、測定デバイス27の測定値又は測定信号のようなデータ又はデータ信号を処理し、格納し、及び分析するように、及び/又はそれらをターゲット値、特にターゲット速度、ターゲットストローク、及び/又はターゲット持続時間、及び/又は限界値、特に最大及び/又は最小速度、最大及び/又は最小ストローク、最大及び/又は最小持続時間に対して比較するように設計されることが好ましい。
【0112】
特に好ましくは、データ処理デバイス31は、測定デバイス27によって検出された測定値が、ターゲット値、特にターゲット速度、ターゲットストローク、及び/又はターゲット持続時間に準拠しない、及び/又は最大及び/又は最小速度、最大及び/又は最小ストローク、最大及び/又は最小持続時間のような限界値によって定められた範囲の外側である時に、不良アトマイザ1を識別するように、又はアトマイザ1を不良であると(自動的に)識別するか又はフラグを立てるように設計される。
【0113】
特に好ましくは、測定デバイス27は、制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31に電気的に接続されるか又は接続可能である。
【0114】
好ましくは、システム23又は試験装置24は、アクチュエータのような起動又はトリガデバイス32を含み、起動デバイス32は、アトマイザ1又はアトマイザ1のロッキング要素8又はトリガボタン8aを起動するように、及び/又は流体2の分注をトリガするように設計されることが好ましい。
【0115】
好ましくは、起動デバイス32は、電気ドライブとして形成される。しかし、この場合に他のソリューションも可能である。任意的に、トリガデバイス32は、力測定デバイス(図示せず)を含み、この力測定デバイスは、特に、アトマイザ1をトリガする目的でロッキング要素8を移動するために、又はトリガする目的でトリガボタン8aを押圧するのに、必要とされる力を測定するように設計される。その工程において、トリガ力は、特に、トリガ又は起動工程の持続時間の関数として測定される。
【0116】
好ましくは、起動デバイス32は、制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31に電気的に接続され、及び/又は制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31によって制御される、特にトリガされるものとすることができる。
【0117】
任意的に、システム23又は試験装置24は、分注された流体2の重量を決定するように設計されることが好ましい秤(図示せず)を含む。特に好ましくは、秤は、試験装置24内のアトマイザ1のマウントに統合される(図示せず)。好ましくは、秤は、制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31に電気的に接続される。
【0118】
好ましくは、保持デバイス25、測定デバイス27、制御デバイス30、起動デバイス32、及び/又は秤は、共用ハウジング33を含み、又は保持デバイス25、測定デバイス27、制御デバイス30、起動デバイス32、及び/又は秤は、共用ハウジング33に統合される。それによって特にコンパクトな構成が可能になるか又は促進される。
【0119】
任意的に、システム23又は試験装置24は、内側部品17又は下側ハウジング部品18に対してアトマイザ1又はハウジング部品16に張力を付与するように設計されることが好ましい張力デバイス(図示せず)を含む。最も好ましくは、試験装置24によってアトマイザ1に張力を付与して起動することができる。好ましくは、張力デバイスは、測定デバイスを含み、測定デバイスは、アトマイザ1に張力を付与するのに必要な力を測定し、及び/又はエネルギストレージ機構を装填するために内側部品17又は下側ハウジング部品18に対してハウジング部品16を回転させるために打ち勝つべきトルクを測定するように設計される。好ましくは、試験装置24は、試験装置24上でアトマイザ1に張力を付与する段階とトリガする段階(アトマイザ1のロッキング要素8又はトリガボタン8aを起動する段階)とで構成される複数の試験サイクルを実行すること、及び一般的に霧化中に自動化方式で適正な機能性の少なくとも1つの測定を行うことが可能であるように設計される。
【0120】
任意的に、システム23又は試験装置24は、吸引デバイス(図示せず)を含み、又はシステム23又は試験装置24は、吸引デバイスに接続され、吸引デバイス又は吸引デバイスへの接続は、好ましくは、アトマイザ1がエアロゾルを生成している間に又はその後に、特に試験装置24から外へアトマイザ1により分注されたエアロゾルを吸引する及び/又は運び去るように設計される。
【0121】
任意的に、システム23又は試験装置24は、記録デバイス34を含み、記録デバイス34は、分注中にアトマイザ1の画像、特にエアロゾル14の画像を光学的に記録するか又は取るように、又はエアロゾル14の分注を光学的に又は画像の形態で記録するように設計されることが好ましい。
【0122】
好ましくは、記録デバイス34は、制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31に電気的に接続されるか又は接続可能である。
【0123】
本発明の意味での「記録デバイス」は、物体、特に分注される流体2又はエアロゾル14のビデオ、ビデオシーケンス、画像又は写真、連続画像、静止写真のような特にデジタルの、静止した、写真の及び/又は光学的な画像を取る、記録する、生成する、処理する、格納する、及び/又は送信するか又は送るように設計されることが好ましい特に光学的な写真のフィルム又はビデオデバイスである。好ましくは、本発明の意味での記録デバイスは、カメラ、特にフィルムカメラ又はビデオカメラ、ウェブカメラ、スクリーンカメラ、デジタルカメラ、又はカムコーダなど、及び/又は写真カメラであり、及び/又は記録デバイスは、そのような及び/又はカメラモジュールを含む。
【0124】
以下では、アトマイザ1の適正な機能性を試験する本発明による方法をより詳細に説明する。
【0125】
提案する試験方法は、提案するシステム23又は試験装置24によって実行されることが好ましい。特に、システム23又は試験装置24は、提案する方法を実行するように設計される。
【0126】
この試験方法では、アトマイザ1は、それが適正に機能していること及び/又はあらゆる不良について点検するために試験される。特に、アトマイザ1が機能するか及び/又は事前定義要件を満たすか又は事前定義機能を有するか否か及び/又はその程度が確認される。
【0127】
特に好ましくは、不良アトマイザ1又は機能の損なわれたアトマイザ1が識別され、及び/又は(その後に)廃棄される。好ましくは、本方法は、アトマイザ1に関して生産工程、特に組立工程中に又はその後に実行される。
【0128】
図4は、容器3が進んだストローク又は経路の概略的又は理想的曲線を時間tの関数として示し、時刻t1でアトマイザ1が好ましくは起動するか又は容器3のストローク移動が始まり、時刻t3で容器3のストローク移動又は流体2の分注が終わる。
【0129】
図4に示すように、容器3のストローク移動、特にストロークΔsstroke及びストローク持続時間Δtstrokeは、原理的に2つの区域に分けることができる。
【0130】
第1の区域t1からt2又はs1からs2では、容器3は、好ましくは、第2の区域t2からt3又はs2からs3におけるよりも高速度vstrokeで移動する。第1の区域では、容器3は、好ましくは、時間Δtstroke,1にわたってアイドルストロークΔsstroke,1だけ移動する。第1の区域では、好ましくは、流体2は、分注されないか又は霧化されず、又は僅かに少量の流体が分注されるか又は霧化されるだけである。これは、特にアトマイザ1に存在可能な気泡の圧縮、アトマイザ1又はアトマイザ1の構成要素の弾性変形などに起因するものとすることができる。
【0131】
第1の区域に続く第2の区域では、容器3は、好ましくは、時間Δtstroke,2にわたって有効ストロークΔsstroke,2だけ移動し、流体2は、好ましくは、分注されるか又は霧化される。
【0132】
好ましくは、アイドルストロークΔsstroke,1及び/又は時間Δtstroke,1は、時間Δtstroke,2よりも有意に短い。特に好ましくは、時間Δtstroke,1は、時間Δtstroke,2と比べて無視することができる。
【0133】
アトマイザ1内の潜在的な不良、及び/又は本試験方法によって測定され、識別され、定量化され、推定され、又は索引付けすることができるものは、特に、容器3のストロークΔsstroke又は有効ストロークΔsstroke,2が短すぎること、容器3の速度vstrokeが高すぎる及び/又は低すぎること、容器3のアイドルストロークΔsstroke,1が長すぎること、及びアトマイザ1のスプレー持続時間Δtstrokeが短すぎる及び/又は長すぎることを含む。その工程では、アトマイザ1の機能的欠陥として、流体2の分注中に漏出する流体2の体積又は重量が大きすぎること、アトマイザ1内、特に供給チューブ9及び/又は送出ノズル12内の圧力降下が大きすぎること、分注された流体2又はエアロゾル14の体積又は重量が小さすぎること、送出ノズル12内の流体2の流量が低すぎること、及びエアロゾル14の放出される速度が低すぎるか又は高すぎることが(好ましくは間接的に)検出されることが好ましい。より短いスプレー持続時間に基づいて検出することができる潜在的な漏出原因の例は、アトマイザ1内に流体通路を定める構成要素を結合した時のシール不良又は組立誤差である。対照的に、機能に影響を及ぼす流体通路内の(特にフィルタ又はノズル内の)堆積物又は不正確な位置決めは、より長いスプレー持続時間に基づいて検出されることになる。
【0134】
好ましくは、容器3のストロークΔsstroke、特に容器3のアイドルストロークΔsstroke,1及び有効ストロークΔsstroke,2、容器3の速度vstroke、及びアトマイザ1のスプレー又はストローク持続時間Δtstrokeは、直接的又は間接的に本試験方法によって測定されるか又は対応する測定値によって検出される。好ましくは、ストローク持続時間Δtstrokeと、時間に対して測定された第2区域、すなわち、時間範囲t2からt3におけるストローク推移に関連した最適合直線の勾配とは、試験パラメータとして使用される。
【0135】
好ましくは、測定値(好ましくは、測定デバイス27上で決定された値又はデータだけではなく、同じく試験装置24の他の測定デバイス又は記録デバイス上で決定されたもの)は、次に、好ましくは、経験的、数値的、理論的、及び/又は実用的に決定されたターゲット値及び/又はターゲット範囲又は限界値と比較される。
【0136】
好ましくは、アトマイザ1は、測定値がターゲット値に準拠しない及び/又はターゲット範囲に入らない場合に、少なくとも実質的に不良であるか又は機能しないとして(自動的に)廃棄されるか又は識別されるか又は分類される。
【0137】
試験装置24が、容器3の移動を測定するための測定デバイス27、例えば、秤、及び/又はトリガボタン8aを起動する力を測定するための測定デバイス、及び/又はアトマイザ1に張力を付与するのに必要とされる力を決定するための測定デバイスに加えて、追加の測定デバイス(図示せず)を含む場合に、それによって測定された値(例えば、重量又は力の値)も、好ましくは、予め決められた及び/又は指定されたターゲット値及び/又はターゲット範囲又は限界値と比較され、この比較に基づいて不良と識別されたアトマイザ1は、好ましくは廃棄される。好ましくは、(任意的な)記録デバイス34によって検出された光学的、写真、又は画像のデータも分析され、限界値として定められた対応するデータ又は画像の組と比較され、そのような比較に基づいて不良と識別されたアトマイザ1は廃棄される。
【0138】
好ましくは、アトマイザ1は、測定値がターゲット値に準拠する及び/又はターゲット範囲に入る場合に、機能しているか又は少なくとも実質的に不良なしとして(自動的に)識別されるか又は分類される。
【0139】
アトマイザ1を試験するために、アトマイザ1は、好ましくは、試験装置24又は保持デバイス25内に把持されるか又はそれらによって受け入れられる。特に好ましくは、アトマイザ1は、例えば、グリップ(図示せず)又は別のマニピュレータ(図示せず)によって試験装置24又は保持デバイス25内の孔26に挿入され、好ましくは自動的に把持されるか又は締結される。
【0140】
アトマイザ1は、好ましくは、バネのようなエネルギストレージ機構を含み、エネルギストレージ機構は、好ましくは、エアロゾルを分注するためにアトマイザ1を起動する前に張力工程で装填されるか又は張力を付与される。
【0141】
好ましくは、アトマイザ1は、それが既に張力状態にある時に試験装置24又は保持デバイス25に挿入されるか又はそれらに受け入れられる。しかし、(非張力)アトマイザ1が最初に試験装置24又は保持デバイス25に挿入されるか又はそれらに受け入れられて、次に張力が付与されることも可能である。
【0142】
特に、試験装置24が張力デバイス(図示せず)を含む構造的ソリューションが可能であり、アトマイザ1又はアトマイザ1のエネルギストレージ機構は、張力デバイスによって装填されるか又は張力を付与される。好ましくは、アトマイザ1は、特に容器3又は容器底部21を照射することができるように、測定デバイス27又はエミッタ28の上方に又はその直前に位置決めされる。
【0143】
好ましくは、測定デバイス27は、好ましくは制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31によって(次に)起動されるか又はオンに切り換えられる。しかし、測定デバイス27を持続的に起動するか又はオンにすることも可能である。
【0144】
好ましくは、容器3又は容器底部21は、特に、測定デバイス27又はエミッタ28によって照射される。特に好ましくは、放射線の少なくとも一部は、容器3又は容器底部21によって又はその上で反射され、好ましくは少なくとも部分的にセンサ29に向けられる。
【0145】
特に好ましくは、容器3又は容器底部21上で反射された放射線の位置は、センサ29で検出される及び/又はそこに格納される。
【0146】
好ましくは、容器3又は容器底部21と測定デバイス27又はアトマイザ1に向いた測定デバイス27の側部との間の距離、及び/又は容器3又は容器底部21と測定デバイス27又はアトマイザ1に向いた測定デバイス27の側部との間の距離の変化は、流体2が分注される時に好ましくは測定デバイス27によって測定される。好ましくは、この測定は、流体2が分注される前、分注されている間、及びその後に、言い換えれば連続的に実行される。
【0147】
好ましくは、測定信号35は、測定中に発生され、及び/又は制御デバイス30及び/又はデータ処理デバイス31に送信される。
【0148】
特に好ましくは、測定信号35は、好ましくは1kHzよりも高く又は2kHzよりも高く、特に好ましくは5kHzよりも高く又は10kHzよりも高く、特に20kHzよりも高く又は50kHzよりも高いの周波数で連続的に発生される及び/又は送信される。
【0149】
測定信号35は、好ましくは、容器3又は容器底部21と測定デバイス27の間の距離及び/又は距離の変化、及び/又はエミッタ28によって放出された放射線と容器3又は容器底部21上で反射された放射線の間の角度及び/又は角度の変化、及び/又はセンサ29で検出された放射線の位置及び/又は位置の変化に関する情報を有する信号である。
【0150】
特に好ましくは、測定信号35は、ストロークΔsstroke、速度vstroke、及び/又はストローク持続時間Δtstrokeに関する情報を含む。
【0151】
本発明の意味での信号は、好ましくは、情報を送信するための手段、特に導体内の(変調)波、ビットシーケンス、又はITの意味でのパケットなどである。特に、本発明の意味での信号は、伝送媒体を通じて又はデータ接続によって送信可能である。好ましくは、信号によって送信可能な情報は、信号に関連付けられるか又は信号内に含有される。
【0152】
好ましくは、アトマイザ1は、流体2を分注するために好ましくは起動デバイス32によって起動される。アトマイザ1を起動することにより、流体2が霧化されるか又はエアロゾル14が形成される。
【0153】
任意的に、アトマイザ1に張力を付与する及び/又はそれを起動するのに必要とされる力は、好ましくは測定デバイスによって測定される。特に測定されるものは、アトマイザ1をトリガする目的でロッキング要素8を移動するのに必要とされる力又はトリガする目的でトリガボタン8aを押圧するのに必要とされる力である。
【0154】
好ましくは、容器3又は容器底部21は、主バネ7が弛緩するか又は流体2が分注されるか又はエアロゾル14が形成された時、及び/又はアトマイザ1が起動された後に、ハウジング部品16に対して移動する。特に、容器3又は容器底部21は、送出ノズル12に向けて軸線方向に移動する。特に好ましくは、容器3又は容器底部21は、流体2が分注される時にストローク移動を行う。
【0155】
好ましくは、容器3のストロークΔsstroke、アイドルストロークΔsstroke,1、有効ストロークΔsstroke,2、ストローク持続時間Δtstroke、速度vstroke、及び/又は加速度が、測定信号35又は測定値により、好ましくはデータ処理デバイス31によって決定されるか又は計算される。これに加えて又はこれに代えて、アトマイザ1内の圧力降下、送出ノズル12内の流体2の流量、及び/又は分注された流体2の体積又は重量が、測定信号35又は測定値により、好ましくはデータ処理デバイス31によって決定されるか又は推定される。
【0156】
好ましくは、測定信号35又は測定値、特に、容器3のストロークΔsstroke、アイドルストロークΔsstroke,1、有効ストロークΔsstroke,2、持続時間Δtstroke、速度vstrokeは、、対応するターゲット値、特に、ターゲットストローク、ターゲット持続時間、及び/又はターゲット速度に対して、及び/又は限界値、特に、最大及び/又は最小ストローク、最大及び/又は最小ストローク持続時間、及び/又は最大及び/又は最小速度に対して比較される。
【0157】
好ましくは、ターゲット値及び/又は限界値は、データ処理デバイス31及び/又は(外部)データベースに格納され、データ処理デバイス31は、特に、データベースに接続される。
【0158】
好ましくは、分注中の流体2又はエアロゾル14又は分注中に生成されたスプレーパターンの光学測定値又は画像が、好ましくは記録デバイス34(図3に模式的に示すのみ)によって取られ、及び/又はスプレー霧又はスプレー/エアロゾル14が光学的に測定される。
【0159】
任意的に、スプレーパターンは、データ処理デバイス31に送信され、及び/又は基準画像と比較される。このようにして、エアロゾル雲の形成における不良又は鋭く偏向したスプレー霧のようなアトマイザ1における追加の不良は、識別され、定義され、及び/又は評価することができる。
【0160】
独立に実施可能な本発明の別の態様では、記録デバイス34によって記録されたスプレーパターンを含有する測定信号35又は測定値、又はスプレーパターンの比較結果は、基準画像と組み合わされる。
【0161】
特に、容器3の移動がスプレーパターンに対応するか否か、又は容器3の特定の移動が予期されるスプレーパターンをもたらすか否か、及び/又は逆に特定のスプレーパターンが容器3又は容器底部21の予期される移動、移動速度などと適合するか否かが点検される。利用可能な情報を組み合わせることにより、特に、圧力発生器5及び/又は送出ノズル12の適正な機能性に関する結論を引き出すことがこのようにして可能である。
【0162】
特に好ましくは、システム又は試験システム23は、スプレー霧又はスプレーを光学的に測定するためのスプレーパラメータ測定デバイスを含み、記録デバイス34は、特に、スプレーパラメータ測定デバイスの一部である。好ましくは、スプレーパラメータ測定デバイスは、データ処理デバイス31に接続され、送信された測定データは、そこで基準データと比較される。
【0163】
スプレーパラメータ測定デバイスにより、アトマイザ1によって分注された液滴雲又はスプレー又はスプレー霧の特徴的特性が測定される。この場合に、測定値は、好ましくは、生成されてシステム内で定められた限界値と比較され、決定された測定値が特に事前定義限界値によって定められた値範囲の外側であるアトマイザ1は、不良であるとして自動的に検出される。
【0164】
好ましい実施形態により、スプレーパラメータ測定デバイスの作動原理は、光切断法に基づいている。これに関して、光カーテンが、好ましくはレーザ光を用いて生成され、かつ定められた平面に沿って生成されたスプレー霧に切り込む。好ましくは、光カーテン平面は、スプレーの予期される主方向と垂直に、及び/又はアトマイザ1の長手主軸と垂直に、及び/又は容器3の移動方向と垂直に延びる。この切断平面は、アトマイザ1のノズル開口部から定められた距離に延び、又はアトマイザ1のマウスピース13にわたって定められた距離に生成される。スプレー霧又はスプレーが光カーテンを通過する時に、光は、スプレー霧のエアロゾル液滴上で散乱され、光散乱のレベルは、特にエアロゾル液滴の数に直接的に依存する。その結果、散乱光画像が、光カーテン平面に生成される。散乱光画像を検出するために、システムは、カメラシステム及び/又は記録デバイス34を含む。好ましくは、複数の散乱光画像が、事前定義期間にわたってかつ予め決められた瞬間(スプレー霧のトリガに基づく)に検出される。好ましくは、この期間は、予期されるスプレー持続時間、好ましくは1~1.5秒に対応する。散乱光画像は、好ましくは、全体として少なくとも4回取られ、特に好ましくは、散乱光画像は、規則的な間隔、例えば0.1秒毎に取られる。
【0165】
好ましくは、予期されるスプレーの円錐形状は、散乱光画像の分析の基礎として使用される(基準定義)。この種の円錐形エアロゾル雲上で光が散乱すると、散乱光の強度は、スプレー雲の中心に向けて放物線的に増大する。従って、予期されるスプレー輪郭に適合する分析パラメータ及び関連の限界値が定められる。この種の分析パラメータは、例えば、累積散乱光強度、主軸に対する強度中心の場所、及び散乱光における強度分布又は分散である。
【0166】
この種のスプレーパラメータ測定デバイスにより、スプレー霧の形成を、例えば、塞がれたノズル、不正確に組み立てられた又は更に損傷したノズル、又はノズル領域内の堆積物に帰する品質欠陥を識別するためなどにモニタすることができる。
【0167】
任意的に、アトマイザ1の重量は、好ましくは、流体2が分注される前、流体2が分注されている間、及び/又は流体2が分注された後に、特に秤によって検出されるか又は測定される。しかし、特に好ましくは、そのような重量測定は、特に試験装置24において既に試験されたアトマイザ1の選択されたサンプルに関して実施されるその後の実験室検査の一部である。
【0168】
流体2が分注される前のアトマイザ1及び/又はシステム23又は試験装置24、特に保持デバイス25の測定された重量と、流体2が分注された後のアトマイザ1及び/又はシステム23又は試験装置24、特に保持デバイス25の測定された重量との差を計算することにより、分注された流体2の重量を決定する又は推定することができる。
【0169】
任意的に、分注された流体2又はエアロゾル14の測定又は計算された重量又は体積は、好ましくはデータ処理デバイス31によってターゲット値又は限界値と比較される。
【0170】
提案した本発明の個々の態様及び特徴、及び上述の方法段階は、互いに独立に又はあらゆる組合せのいずれかで実施することができる。
【0171】
参照番号のリスト
1 アトマイザ
2 流体
3 容器
4 流体チャンバ
5 圧力発生器
6 マウント
7 主バネ
8 ロッキング要素
8a トリガボタン
9 供給チューブ
10 戻しバルブ
11 圧力チャンバ
12 送出ノズル
13 マウスピース
14 エアロゾル
15 外気開口部
16 ハウジング部品
17 内側部品
17a 上側部品(内側部品)
17b 下側部品(内側部品)
18 下側ハウジング部品
19 保持要素
20 バネ
21 容器底部
22 穿刺要素
23 システム
24 試験装置
25 保持デバイス
26 孔
27 測定デバイス
28 エミッタ
29 センサ
30 制御デバイス
31 データ処理デバイス
32 起動デバイス
33 ハウジング
34 記録デバイス
35 測定信号
s 経路
Δsstroke ストローク
Δsstroke,1 アイドルストローク
Δsstroke,2 有効ストローク
t 持続時間
Δtstroke ストローク持続時間
stroke ストローク速度
図1
図2
図3
図4