(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】睫毛および/または眉毛に製品を塗布するアプリケータ
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20220104BHJP
A46B 9/02 20060101ALI20220104BHJP
A46B 3/04 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A45D34/04 510A
A46B9/02
A46B3/04
(21)【出願番号】P 2019045376
(22)【出願日】2019-03-13
(62)【分割の表示】P 2016517727の分割
【原出願日】2014-06-06
【審査請求日】2019-04-11
(32)【優先日】2013-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】595100370
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】マルセル サンチェス
(72)【発明者】
【氏名】エリック コーリエ
(72)【発明者】
【氏名】オードリー テーニン
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-006295(JP,A)
【文献】特開2001-145515(JP,A)
【文献】特開2006-087962(JP,A)
【文献】特表2010-536518(JP,A)
【文献】特開2006-051350(JP,A)
【文献】特開2003-259914(JP,A)
【文献】特開2009-183702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A46B 9/02
A46B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形されたアプリケータ部材(8)を備える、睫毛、および/または、眉毛に製品を塗布するアプリケータであって、前記アプリケータ部材(8)は、
‐ 長手方向軸(X)を有するコア(10)、ここで該コアは円形または多角形の断面を有する、
‐ 該コア(10)の回りに分布され且つ各々が該コア(10)の該長手方向軸(X)に沿って延在するところの複数の長手方向の歯列(50)、ここで該歯列(50)の歯(20、20a、20b)は夫々、該コア(10)の該長手方向軸(X)に直角な方向に沿って扁平な断面を有する、
を有し、
該歯列(50)の各々は、該コア(10)の回りに配置された継続する複数の歯からなり、一つの歯列(50)の継続する複数の歯は該コア(10)の回りで互いにオフセットされており、かつ該コア(10)の該長手方向軸(X)に直角な面への投影において該歯の基部(25)で部分的に
互いに重なり、該歯は、該コア(10)の該長手方向軸(X)に直角な面への投影において、凸状縁(22)を有する非対称形状を有しており、全ての歯の該凸状縁(22)は該歯列(50)の外側の方へ向けられている、
上記アプリケータ。
【請求項2】
各歯(20)は、直線的縁(24)または凹状縁を有している、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
1つの歯列(50)内の該歯(20;20a、20b)の高さは、該歯列の長さqmax少なくとも半分に沿い、該アプリケータ部材(8)の遠位端(42)からの距離が増加するにつれて全体的に増大する、請求項1~2のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項4】
該歯列(50)の数は、4以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項5】
1つの歯列(50)内の歯(20;20a、20b)の数は、10と100の間である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項6】
該歯列(50)の各々内の該歯(20;20a、20b)は、該歯(20;20a、20b)の高さhの少なくとも一部分Bにわたり上方へ、且つ前記歯列(50)の外側に置かれた縁の方への両方で薄くなる、請求項1~5のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項7】
該歯列(50)の各々内の偶数ランクの該歯(20a)は、相互に整列させられ且つ第1配列(50a)を形成し、該歯列(50)の各々内の奇数ランクの該歯(20b)は、相互に整列させられ且つ第2配列(50b)を形成している、請求項1~6のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項8】
該第1配列(50a)は、該第2配列(50b)と同一ではない、請求項7に記載のアプリケータ。
【請求項9】
該第1配列(50a)は、該コア(10)の長手方向軸(X)に平行な平面に関する該第2配列(50b)の、該コア(10)の該長手方向軸(X)に直角な面への投影において、鏡像である、請求項7または8のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項10】
2つの隣接する歯(20a、20b)の間の高さの比m/nは、0.6と0.9の間である、ここで、mは該2つの隣接する歯の内のより短い歯の高さであり、nはより長い歯の高さである、請求項1~9のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項11】
該歯(20;20a、20b)の高さは、同一の高さの歯の塊毎に変わる、請求項1~10のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項12】
それぞれの歯列(50)の該継続する歯(20)は、同一の高さhの2つの継続する該歯(20)の塊を構成し、異なる塊の歯の高さは、長手方向軸(X)に沿って高くそして低くと交互に変わる、請求項11に記載のアプリケータ。
【請求項13】
該歯列(50)は、該コア(10)の該長手方向軸(X)に直角な面への投影において
重なる、請求項1~
12のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項14】
該アプリケータ部材(8)は、複数の該歯列(50)の間のスパイク(23)の複数の列(60)を有している、請求項1~
13のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項15】
該スパイク(23)は、該アプリケータ部材(8)が側面から見られるとき、該歯列(50)の該歯(20;20a、20b)の間に挿入されている、請求項
14に記載のアプリケータ。
【請求項16】
該スパイク列(60)は、該コア(10)の該長手方向軸(X)に直角な面への投影において、少なくとも部分的に、該歯列(50)と
重なる、請求項
14または
15に記載のアプリケータ。
【請求項17】
アプリケータ(8)は、軸体(7)のハウジング内で固定されるように設計された末端部(4)を有し、コア(10)の断面は該末端部(4)の方向に太くされている、請求項1~16のいずれか1項に記載のアプリケータ。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれか1項に記載のアプリケータおよび塗布されるべき該製品(P)を容れる容器(3)を有している、包装並びに塗布デバイス(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形されたアプリケータ部材を有する、睫毛および/または眉毛に製品を塗布するアプリケータと、そのようなアプリケータを備える包装および塗布デバイスとに関する。
【背景技術】
【0002】
コアおよびそれと一体成形された歯を有するアプリケータ部材を有する多数のアプリケータが、既に提案されている。
【0003】
欧州特許出願公開第1070466号明細書は、部分的または全体的に重ねられた交互の列に置かれた1列の歯を有するコームを開示している。
【0004】
仏国特許出願(FR2962888)は、交互の列に置かれた、正面図で対称的な形状をもつ歯を有するブラッシを開示している。
【0005】
欧州特許出願(EP1070465)は、正面図で非対称的な形状をもつ歯を有するコームを開示しており、上記歯は部分的または全体的に重ねられかつ扁平な基部を有している。
【0006】
睫毛が可能な限り効果的に塗られかつ分離されるように使用者がメーキャップすることを可能にするために、成形されたアプリケータ部材を有しているアプリケータをさらに改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、製品ですでに被覆されているか否かにかかわらず、睫毛または眉毛にメーキャップを施すことを可能にするアプリケータから利益を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主題は、その局面の1つによれば、成形されたアプリケータ部材を備える、睫毛、および/または、眉毛に製品を塗布するアプリケータであって、上記アプリケータ部材は、
‐ 長手方向軸を有するコア、
‐ 該コアの回りに分布され且つ各々は該コアの該長手方向軸に沿って延在するところの、扁平な断面を有する歯の複数の長手方向の列、
を有し、
該列の各々は、該コアに沿う交互の列に置かれかつ正面図でそれらの基部で部分的に重畳されているところの継続する歯を有し、該歯は、正面図で凸状縁を有する非対称形状を有している、上記アプリケータである。
【0009】
アプリケータは、複数の長手方向の歯列によってブラシを構成している。
【0010】
扁平にされ、正面図において非対称で、且つ凸状縁をもつ歯の特定の形状は、製品の保持をより良好にし、そして睫毛と歯の間に比較的大きな接触面をもつことを可能にし、このことは塗布中、睫毛に製品を適切に塗布することを可能にする。歯の各々の扁平化は、睫毛の並びの分離を促進するように、塗布または梳いている間に良く画定された睫毛の多数の塊を生成するように、そして睫毛の過度に大きな塊の形成を防ぐように、コアに対して実質的に横方向である。
【0011】
列の歯の特定の分布、すなわち、ジグザグ状の列の分布、および正面図での歯の部分的な重なりは、歯に存在する製品と睫毛との接触の面積を増大させることを可能にする。
【0012】
本発明は、ユーザーにより所望されるならば、塊の睫毛、および/または、眉毛で、即ち、小さな塊に集められた睫毛で、メーキャップ結果を得ることを可能にし、それにより睫毛を組織化し睫毛にボリュームを与える。
【0013】
歯は、それがコアの長手方向軸に沿って見られるとき、コアの長手方向軸に垂直な平面への投影における正面図で見られる。
【0014】
「コアの長手方向軸」という表現は、コアの断面の重心の全てを結ぶ線を指している。長手方向軸は、特にコアが円形断面又は正多角形の全体の形状における断面を有するとき、中心軸またはコアの対称軸でありうる。コアの長手方向軸は、直線的または曲げられていてもよく、かつコアの断面のいくつか又は全てに対する対称面でありうる平面内に含まれていてもよい。好ましくは、コアの長手方向軸は、直線的である。
【0015】
「歯の長手方向列」という表現は、長手方向における歯の連なりを指している。好ましくは、列は全て、コアの長手方向軸に平行である夫々の長手方向軸に沿って延在している。
【0016】
「歯」という表現は、製品を塗布するために及び睫毛を分離するために用いられる、個別的に扱いうる突出要素を指しており、本発明に従い製作される。
【0017】
「扁平な断面」という表現は、歯は、その高さの少なくとも一部分にわたり、平坦化面内に伸ばされた形状を有する、即ちそれは厚いよりもより幅が広い、伸ばされたその方向に垂直に測られた、断面を有していることを意味すると理解されるべきである。好ましくは、歯は、コアの長手方向軸に垂直な方向に扁平にされている。
【0018】
「ジグザグの列に置かれる」という表現は、同一の列の2つの連なる歯の基部が、アプリケータ部材が正面から見られたとき、正確には重畳されておらず、そして中心線の両側に交互にずらされていることを意味すると理解されるべきである。
【0019】
「非対称形状を正面図で有している歯」という表現は、歯が、それが正面から見られたとき、対称軸を持たないように作られた歯を指している。そのような歯は、好ましくは異なる形状を有する左側縁および右側縁を有している。
【0020】
「凸状縁」という表現は、それが正面から見られたとき、歯の外側の方へ丸くされた、特に楕円の、円の、または放物線の一部分の形状における曲率を有する歯の縁を指している。
【0021】
好ましくは、歯とコアとの接合部で歯の基部での角度広がりは、コアの長手方向軸の回りの歯の全体的な角度広がりを規定する。好ましくは、歯は、正面図で歯の最大の横寸法に等しい幅を有する長方形内に、正面図において内接させられる。
【0022】
長手方向列の数は、4以上、より良好には6以上でありうる。
【0023】
歯列の歯の数は、好ましくは、10と100の間、より良好には20と50の間である。
【0024】
1の列の歯の高さは、アプリケータの遠位端からの距離の増加に伴い、歯の列の少なくとも半分の長さに沿い、より良好には歯列の全長に沿い、全体として増加しうる。
【0025】
「全体として増加する」という表現は、歯の遠位端により規定されたアプリケータ部材の包絡面の半径は、アプリケータの遠位端からの距離の増加に伴い、連続的にまたはステップ状に増加することを意味すると理解されるべきである。
【0026】
1変形形態として、1の列の歯の高さは、アプリケータの遠位端からの距離の増加に伴い、歯列の少なくとも半分の長さに沿い、より良好には歯列の全長に沿い、全体として減少しうる。
【0027】
複数の列の各々の各歯は、歯の高さの少なくとも一部分にわたり、より良好には歯の高さの全体にわたり、上向きに薄くなりうる。
【0028】
複数の列の各々の各歯は、上記歯列の外側に位置する縁の方へ薄くなりうる。上記歯列の外側端部上に位置された該縁は、好ましくは凸状縁である。
【0029】
複数の列の各々の各歯は、その高さの少なくとも半分、より良くは全高さにわたり、または場合によっては歯の基部に近いその断面における狭まりの上方でのみ、扁平な断面を有しうる。
【0030】
凸形状縁は、歯の高さの少なくとも半分にわたり、より良好には歯の全高さにわたり、特に歯の基部から自由端まで延在しうる。
【0031】
複数の列の各々の各歯は、好ましくは、歯列の内側に好ましくは位置する直線的縁を有している。歯は、特に直線的縁から歯列の外側に位置された縁、特に凸形状の縁へ薄くなる。
【0032】
1変形形態として、複数の列の各々の各歯は、好ましくは歯列の内側に位置された凸状縁を有している。歯は、特に直線的縁から歯列の外側に位置する縁、特に凸状縁へ薄くなる。
【0033】
凸状縁は、各歯の角のある縁であり得、歯を通る断面においてリッジを構成しうる。
【0034】
凸状縁は、好ましくは歯列の外部の方へ向けられている。
【0035】
列の隣接する歯の凸状縁は、好ましくは該列の反対側に向けられている。
【0036】
歯は、好ましくは、歯の軸に沿って見られるとき、閉じられた輪郭を有する単一基部から伸びている。
【0037】
好ましくは、歯は中実である。歯は、実質的に1点を指す自由端を有しうる。コアの回りの各歯の円周方向の広がりは、180°未満、より良好には90°未満でありうる。
【0038】
好ましくは、歯は、一点を形成するように遠位端で徐々に細くされる。歯の全高さの90%で取られた、正面図での各歯の表面に対する複数の接線は、相互間で90°以下の角度を形成しうる。歯の最大幅のその高さに対する比は、好ましくは0.5と2の間である。
【0039】
複数の列の各々の偶数ランクの歯は、相互に整列され得、そして長手方向に第1配列を形成する。複数の列の各々の奇数ランクの歯は、相互に整列され得、そして長手方向に第2配列を形成する。
【0040】
偶数ランクの歯は、好ましくは相互に同一である。同様に、奇数ランクの歯は、好ましくは相互に同一である。
【0041】
該配列の各々の同じランクの歯は、異なりえて、特に異なる高さおよび/または異なる向きを有し得る。1変形形態として、配列の各々の同じランクの歯は、同一である。
【0042】
好ましくは、正面図で、第1配列は、問題になっている歯列の長さの少なくとも半分に沿って、より良好には該歯列の全長に沿って、コアの長手方向軸に平行な平面に対する第2配列の鏡像である。
【0043】
2つの隣接する歯の間の高さの比m/nは、0.1と0.9の間でありうる。ここで、mは2つの隣接する歯のうちより短い歯の高さであり、nはより長い歯の高さである。第1配列内の歯は、このように第2配列内の歯よりも大きいか又は小さい。
【0044】
1変形形態として、歯の高さは、歯の塊毎に変化する仕方において変わり得て、各固まりは、同じ高さを有する2つの歯によって特に構成される。
【0045】
コアは、円形、多角形、特に六角形の断面を有する。配列の各々の歯は、それらの最大幅の半分を超える幅にわたり、それらの基部でコアの同一の平坦面に取り付けられうる。好ましくは、該配列の各々の歯は、それらの基部で、コアの同一の平坦面から、事実上それらの幅全体にわたり伸びている。
【0046】
各歯列は、コアのリッジから伸び得て、第2配列内の歯は、該リッジの片側に位置された面から伸び、第1配列内の歯は、別の側に位置された面から伸びている。好ましくは、第2配列は、正面図で、コアの長手方向軸と上記リッジによって規定された平面に対して第1配列と対称である。1変形形態として、2つの配列は、正面図で対称的でない。
【0047】
列は、正面図で、特にそれらの基部で、少なくとも部分的に重畳されうる。複数の列の各々の第1配列内の歯は、隣接する列の1つの第2配列内の歯と、正面図で、特にそれらの基部で重畳されうる。1変形形態として、複数の列の各々の第1配列内の歯は、隣接する列の1つの第2配列内の歯と、正面図で、重畳されない。
【0048】
アプリケータ部材8は、歯列の間の複数のスパイク列を有している。各スパイクは、アプリケータ部材が側面から見られるとき、好ましくは、歯列と隣接するスパイク列との間でのスパイクおよび歯と交替で、1つの歯列の複数の歯の間に挿入されうる。スパイクの各列は、正面図において歯の少なくとも1つの列で、少なくとも部分的に、より良好には全体的に重畳されうる。
【0049】
アプリケータ部材は、好ましくは、円周上に連なる2つの、歯列の間に、少なくとも1つの、より良好には2つのスパイク列を有している。
【0050】
本発明の別の主題は、
‐ 上述されたように本発明に従うアプリケータ、
‐ 該アプリケータの助けで睫毛または眉毛に塗布されるべき製品を容れている容器、
を有している、包装および塗布デバイスである。
【0051】
本発明の別の主題は、本発明に従うアプリケータの助けにより睫毛、および/または、眉毛をメーキャップするための方法である。
【0052】
塗布されるべき製品は、マスカラまたはケア製品でありうる。
【0053】
本発明は、非限定的な例示のための実施例に関する以下の詳細な記載を読み、添付された図面を検討するとより良く理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明に従い作られた包装および塗布デバイスの一例の長手方向断面における概略図である。
【
図2】本発明の1の例示的な実施例に従うアプリケータ部材の概略の斜視図である。
【
図3】
図2からアプリケータ部材の1の歯列だけの斜視図である。
【
図4A】本発明に従う歯の実施例の概略的な正面図である。
【
図6】
図4におけるVIに沿って見た側面図である。
【
図7A】コア上の歯の配置の実施例の平面図である。
【
図7B】コア上の歯の配置の他の実施例の平面図である。
【
図8】連続する歯の相対位置を示した概略的な側面図である。
【
図9】
図8におけるIXに沿って見た正面図である。
【
図10A】本発明に従うアプリケータ部材の概略的な正面図である。
【
図10B】本発明に従う別のアプリケータ部材の概略的な正面図である。
【
図12】本発明に従うアプリケータ部材の別の実施態様の正面図である。
【
図14】別のアプリケータ部材の
図12に類似の正面図である。
【
図16】別のアプリケータ部材の
図12に類似の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、睫毛および/または眉毛へ塗布される製品Pを容れている容器3と、上記製品Pを塗布するためのアプリケータ1とを有する包装および塗布デバイス100を示している。アプリケータ1は、本発明に従うアプリケータ部材8を有し、それは、軸体7によって、容器3を閉じるための部材をも構成するところの把持部材5へ接続されている。この閉じる部材5は、例えば図示されたように、容器の首9にねじ込まれよう設計されたキャップである。容器3は、アプリケータ1を払拭するための、容器3の首9に固定された払拭部材6を有しうる。
【0056】
アプリケータ部材8は、本発明に従う歯により構成された塗布要素20およびもし必要ならスパイクを支持するコア10を有している。
【0057】
もし必要ならば、軸体7は、貯蔵の間、該払拭部材6に過度に機械的な応力を加えないように、払拭部材6の唇部の反対に置かれているその部分で環状の狭隘部を有しうる。
【0058】
アプリケータ部材8は、様々な仕方で軸体7に接続され得、そして例えば、
図2で示されたように、そのハウジング内で固定されよう設計された末端部4を有しうる。
【0059】
アプリケータ部材8は、軸体7の端部に設けられた対応するハウジングにおいて、何らかの手段、特に圧入、ステープル止め、スナップ締め、接着剤による接合、溶接、または圧着により軸体7に固定されうる。
【0060】
1の変形形態として、軸体7は、コア10内に設けられたハウジング内に挿入され得、または該軸体およびコアは、少なくとも部分的に一体として製作されうる。
コア
【0061】
図2および3に示されたように、コアは、長手方向軸Xに沿う細長い形状を有し、直線的または湾曲され得、好ましくは直線的でありうる。
【0062】
図10Aに示されたように、コア10は、その長さの大部分に沿って、多角形、特に六角形の断面を有しえて、該コア10の複数の側面は長手方向面40を画定する。該長手方向面40は歯20を備えうる。該面40は、示された例のように好ましくは平坦であるが、別の態様として湾曲していることもありうる。図示されていない1変形形態において、コア10の該面40の一部分のみが歯20を保持する。
【0063】
1の変形形態として
図10Bに示されたように、コア10は、その長さの大部分に沿って円形断面を有しうる。
【0064】
図示されたように、長手方向軸Xは中央に在りえ、そしてコアは5mm以下の直径を有する円の断面に内接させられうる。
【0065】
図2および3に示されたように、コアの断面は、端部片4の方向に太くされうる。1変形形態として、コアの断面は、端部片4の方向に細くされうる。1変形形態として、コア10は、一定の断面を有し得、特に円柱形状を有しうる。
【0066】
コア10は中空であり得、該コア10の内径は好ましくは1mmと2.5mmの間である。
【0067】
その遠位端42で、コア10は、アプリケータ1を容器3内へ戻すのを容易にするように面取りされた頭部を有しうる。
【0068】
図15に示された変形形態に従うと、コア10は、端部片4のその近位端の側で円錐形状に太くされた部分45を有している。この部分45は、塗布要素、特に歯20およびスパイク23を有している。この円錐部分45の軸寸法cは、1mmと5mmの間でありうる。円錐部分45は、以下に記載されるように各列50に少なくとも1つの歯20、および以下に記載されるように各列60に少なくとも1つのスパイク23を備えうる。
【0069】
円錐部分45は、軸体7に隣接するその端部で、軸体7の外径にほぼ等しい直径を有している。
【0070】
コア10は、比較的剛性であるか否かにかかわらず、熱可塑性材料、例えばSEBS、シリコーン、ラテックス、ブチル、EPDM、ニトリル、熱可塑性エラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエチレンエラストマーもしくはビニルエラストマー、ポリオレフィン、例えばPEもしくはPP、PVC、EVA、PS、PET、POM、PAまたはPMMAから作られうる。特に、Hytrel(商標)、Cariflex(商標)、Alixine(商標)、Santoprene(商標)またはPebax(商標)という商標で知られている材料を使用することが可能であるが、この一覧は限定的でない。
【0071】
コア10は、それらを一緒に成形することにより軸体7と一体に製作されうる。
【0072】
1変形形態において、図示されていないが、コア10は捩じられ、そのとき歯20はコアによって作られた捩じれに従う。
歯
【0073】
アプリケータ部材8は歯20を備え、各々の歯は、コア10から外部へ自由端26の方向に延在する。
歯の形状
【0074】
複数の図面に示されているように、歯20の少なくとも1つの列の歯は、より良くは、
図2に示されているように、歯20の全ては、正面図で凸状縁22を有している。上記凸状縁は、
図4に示されたように、曲線の一部分、特に円または放物線の一部分、特に楕円の一部分である。
【0075】
凸状縁22は、
図4に示されたように、歯20の各々の高さhの半分超にわたり、より良好には歯20の各々の高さhの全体にわたり、延在しうる。
【0076】
各歯20は、
図5に示されたように凸状縁22の方へ薄くなりうる。断面において、歯20の対向する主面31と32の間に形成された頂角βは、40°以下、より良好には15°以下である。この薄くすることは、睫毛がアプリケータ1と接触されるやいなや、睫毛が移動することを可能にする。
図4に示されたように、各歯20は、正面から見て上方向に、その高さの少なくとも一部分B、より良好にはその高さの少なくとも半分にわたってより薄くされうる。部分Bは、基部25から延在しうる。基部25の主要寸法は、例えば0.3mmと3mmの間である。好ましくは、各歯の自由端26は、
図4に示されたように、正面から見て徐々に細くされ、特に、複数の睫毛の中へ入っていくことおよび睫毛を分離することを容易にするところの一点を形成する。
【0077】
図5に示されたように、各歯20は、その高さの一部分にわたり、より良好にはその高さの半分を超える部分にわたり、さらにより良好にはその高さの全体にわたって、扁平な断面を有している。歯20の平坦化面Zは、好ましくは、コア10にほぼ垂直に向けられている。平坦化面Zは、好ましくは歯20の対称の正中面である。
【0078】
図4および5に示されたように、各歯20は、正面から見て、直線的な縁24を有し、それは特に、コア10の長手方向軸Xに関して半径方句であり、歯20の高さhの半分にわたり、好ましくは歯20の高さ全体にわたって、延在する。
【0079】
好ましくは、
図4に示されたように、歯20は、正面図で歯20の最大横寸法Lに実質的に等しい幅を有する四角形に正面図で内接させられている。
【0080】
好ましくは、各歯20は、該歯の基部25の角度の広がりと等しい角度広がりγを有している。
【0081】
各歯20は、好ましくは、
図5に示されたように、この直線的端部を規定している平坦面24を有している。該平坦面24は、歯20の凸状縁22から離れている。好ましくは、各歯20は、平坦面24から凸状縁22へと、より薄くなっている。好ましくは、凸状縁22はリッジを規定している。
【0082】
各歯20は、2つの対向する主要長手方向面31および32を有し得、それらは平坦または曲げられ、凹状または好ましくは、
図5に示されたように、外側に向けて凸状である。
図5に示されたように、該面31および32は、好ましくは楕円の一部である。
【0083】
図5に示されたように、該面31および32は、好ましくは同一形状である。示された実施例において、該面31および32は、平坦面24を凸状縁22へ接続している。
【0084】
平坦化面Z上の歯20の最大寸法として定義された各歯20の最大幅Lは、0.3mmと3mmの間、より良好には0.5mmと1.5mmの間でありうる。
図4に示されたように、この最大幅Lは、好ましくは歯20の基部から測られる。
【0085】
各歯20の高さhは、0.5mmと1cmの間、より良好には1mmと5mmの間でありうる。各歯20の最大厚さlは、0.2mmと1mmの間、より良好には0.4mmと1.5mmの間でありうる。最大厚さlは、歯20の基部で測られうる。自由端26での各歯20の厚さは、0.5mm以下でありうる。
【0086】
好ましくは、歯20は中実である。変形形態として、歯20は、貫通口であるなしに関わらず開口部を有しうる。
【0087】
歯20は、単一の基部25から閉じられ輪郭線で延在しうる。コア上の歯の周状の広がりγは、180°以下、より良好には90°以下でありうる。
【0088】
好ましくは、
図4Aに示されたように、歯20は、その遠位端26で点を形成するように徐々に細くされている。好ましくは、正面図において、歯20の高さhの90%に等しい高さh’で取られた歯20の表面に対する接線t1とt2は90°以下の角度βを形成する。
【0089】
歯20の最大幅Lの、歯20の高さhに対する比L/hは、0.5と2の間であるべきである。
【0090】
歯20は、好ましくは、コア10の少なくとも一部分と、より良好にはコア10の全てと同一の材料で作られている。歯20は、好ましくは、熱可塑性物質の成形によりコア10と一体に作られる。
【0091】
1変形形態として、各歯20は、その全高さにわたり薄くなることはない。すると、各歯20は、その高さの一部分Aにわたって一定の幅または上方に増加する幅をもつ領域を有しうる。この部分Aは、好ましくは歯20の高さhの半分未満であるところの高さを有する。
【0092】
図7Bに示されたように、平坦化面Zは、コア10の長手方向軸Xに対して、45°と90°の間の角度θで傾けた向きに置かれうる。
【0093】
示されていない1の変形形態において、平坦面24の中央軸は、該軸Xに対して垂直にではなく、それらに対して正面の方へ、すなわちアプリケータの遠位端の方へ、または背面の方へ傾けられて延在する。
【0094】
歯20およびコア10は、別々の材料から、もし必要なら、2成分射出成形によって作られうる。歯20は、例えばコア10内の開口を通して成形される。歯20は、コアよりも柔軟な材料から作られ、または1変形形態としてコアよりもより硬い材料から作られうる。
2つの連続する隣接する歯の配置
【0095】
複数の図面に示したように、コア10は、その表面上に、隣接する歯の対15の少なくとも1つの列、さらに良好には
図2に示されたように、隣接する歯の対15の複数の列、例えば上述された歯20を有しうる。
【0096】
図8から分かるように、隣接する歯の各対15の歯20aおよび20bは、距離Dだけ軸方向にずれており、該距離は、該2つの歯20aおよび20bの平坦化面Zの間の距離である。距離Dは、0.5mmと3mmの間でありうる。
【0097】
図7Aおよび9から分かるように、隣接する歯20aおよび20bは、コア10の長手方向軸Xの回りでずれている。2つの歯20aおよび20bの間の角度広がりαは、好ましくは5°と60°の間であり、この角度広がりαは、正面図において、歯20aとコア10との交差の弧の中間Xaを通過するコア10の半径と、歯20bのコア10との交差の弧の中間Xbを通過するコア10の半径の間の角度αによって定義される。
【0098】
2つの隣接する歯20aおよび20bは、
図12に示されたように同じ高さであり得、また具体的に
図10Aに示されたように異なる高さを有してもよい。この
図10Aは、各歯20aが、各隣接する歯20bよりも僅かに高く、歯20bは歯20aの前に置かれている、即ちそれはアプリケータの遠位端42により近いことを示している。
【0099】
図9に示されたように、歯20aの凸状縁22は、正面図で右に向けられ得、一方、歯20bの凸状縁22は、左に向けられ得、またはその逆でありうる。この複数の凸状縁22の反対の向きは、ブラシが、同じ効果を生みだしながら、どちらの方向にも使われることを可能にする。
【0100】
隣接する歯20aおよび20bは、少なくとも部分的に、特にそれらの基部25で、および2つの歯20aおよび20bの高さhの少なくとも一部分に亘り、より良好には、
図9で分かるように、歯20aまたは20bの少なくとも1つの全高さにわたり、重畳されうる。2つの歯20aおよび20bの間の角度間隔αは、歯20aおよび20bの各々によって取られた角度拡がりγ未満であり、これら角度拡がりは、その基部で歯によって取られた角度によって定義される。
図9に示されたように、正面図で、長手方向軸Xの回りの2つの歯20aと20bの間の重畳Sabの領域によって取られた角度、即ちγ―αとして定義された重なりの角度φは、5°以下でありうる。
【0101】
図10A、10B、および11に示されたように、各歯20aは、各隣接する歯20bよりも大きくあり得、またその反対もありうる。高さの比m/nは、好ましくは0.1と0.9の間である。ここで、mは小さな歯の高さであり、nは大きな歯の高さである。
【0102】
図9および12で示されたように、歯20aおよび20bは同じ高さでもよく、第1歯20aは、好ましくは正面図で、コア10の長手方向軸Xに平行な対称面Mに対して第2歯20bの鏡像である。
歯の列
【0103】
複数の図面で示されたように、アプリケータ部材8は、歯の対15の少なくとも1つの列50、より良好には歯の対15の複数の列50を有しうる。ここで、該歯の対15は、上述された歯20aおよび20bを有している。列50は、好ましくはコア10の長手方向軸Xに沿って延在している。
【0104】
アプリケータ部材8は、コア10の長手方向軸Xの回りに置かれた、歯の対15の少なくとも2つの列50、より良好には少なくとも4列50、一層良好には少なくとも6列50を有しうる。
【0105】
アプリケータ部材8の全ての列50は、好ましくは同一である。
【0106】
各列50の歯は、隣接する列50における同一ランク(rank)の歯として、好ましくは長手方向軸Xに沿う同じ横座標を有している。これにより同一ランクの歯は、アプリケータ部材が側面から見られるとき、整列されて見える。
【0107】
列50は、好ましくはコア10の長手方向軸Xの周りに規則的に間隔を空けられている。
【0108】
図10Aおよび10Bに示されたように、コア10の長手方向軸Xの周りの2つの連続した列50の間の角度間隔ωは、好ましくは一定であり、該角度間隔ωは、正面図で、上記複数の列の各重心を通るコア10の複数の半径の間の角度により定義される。該角度間隔ωは、好ましくは15°と95°の間、より良好には45°と75°の間であり、さらに良好には60°に等しい。
【0109】
そのような複数の列50は、夫々の歯20aおよび20bの2つの異なる配列50aおよび50bの存在の故に「二重列」と呼ばれうる。該歯20aおよび20bは夫々、アプリケータ部材8が長手方向軸Xに沿い正面から見られるとき、相互に整列される。
【0110】
図13に示されるように、列50の歯の2つの連続する対15の間の軸方向距離qは、好ましくは一定でありかつ0.8mmと4mmの間である。該軸方向距離qは、側面図で歯20aの配列50a内で第1歯20aの複数の平坦化面Zの間の距離によって定義される。
【0111】
図10Aに示されたように、コアが六角形の断面を有するとき、アプリケータ部材8は、好ましくは6つの二重列50を有し、各二重列50は、コア10のリッジに沿い置かれたその長手方向軸を有している。該歯20aは、上記リッジに取り付けられた、コア10の平らな面40の1つの上のそれらの基部25のほとんど全てにわたり延在する。該歯20aは、上記リッジに取り付けられている、別の平らな面40の上に、それらの基部25のほとんど全てにわたり延在する。
【0112】
歯20の自由端26により定義されたアプリケータ部材8の包絡面Sは、回転面、特に円錐面でありうる。
【0113】
該包絡面Sの半径rSは、好ましくは、列50のほぼ全長qmaxに沿って端部片4の方向に実質的に増加している。
【0114】
好ましくは、
図13に示されたように、各配列50aおよび50bは、小さな歯(大きな歯よりも高さが低い)と交互に置かれる大きな歯を有している。各配列50aおよび50bの偶数ランクの歯は、例えば奇数ランクの歯よりも小さい、またはその逆である。高さの比m/nは、好ましくは0.6と0.9の間であり、mは小さな歯の高さ、nは大きな歯の高さである。
【0115】
第1配列50a内の奇数ランクの各歯は、好ましくは第2配列50b内の偶数ランクの隣接する歯と同じ高さhである。第1配列50a内の偶数ランクの各歯は、好ましくは第2配列50b内の奇数ランクの隣接する歯と同じ高さhである。歯20aおよび20bは、このように二重列50内の隣接する歯の各対について同一サイズである。
【0116】
好ましくは、各二重列50について、第1配列50aは、
図10Aおよび9に示されたように、特にその基部で、隣接する二重列50の第2配列50bと重畳される。この重畳が、小さな角度広がりのみを持つことが可能である。正面図で長手方向軸Xに対して、2つの配列50aおよび50bの2つの歯20aおよび20bの間の重畳の領域S
abによって取られた角度として定義された重なりの角度φは、45°以下でありうる。
【0117】
1変形形態として、正面図で、隣接する列50内の歯は重畳されていない。
【0118】
アプリケータ部材8の長手方向軸Xの回りの、2つの引き続く列50の間の角度間隔ωはまた、図示されていない変形形態において、コア10の回りで変化する。
【0119】
図11に示されたように、歯の対15は、列50のほぼ全長qmaxに沿いコアの長手方向軸に沿って互に関して増加する高さを有しうる。各配列50aおよび50b内の歯20aおよび20bは、アプリケータ部材8の遠位端42からの距離が増すにつれて増加する高さhを有しえて、第1配列50a内の歯20aは、同一ランクの第2配列50b内の歯20bよりも小さい、またはその逆である。
【0120】
1つの列50内の2つの隣接する歯20aおよび20bの間の距離Dは、列50の長さqmaxの少なくとも半分に沿って変化しうる。
【0121】
アプリケータ部材8の列50は、お互に異なりうる。2つの隣接する列50内の歯20aおよび20bの形状は、特に対応する歯20aおよび20bの高さによって、実質的に変わりうる。1つの列50内の歯は、隣接する列50の1つの同一ランクの歯よりも全て大きくありうる。
【0122】
1変形形態として、隣接する列50の同一ランクの歯20aおよび20bは、アプリケータ部材8がコアの長手方向軸に垂直に見られるとき、長手方向軸Xの周りに整列されていない。隣接する列50の同一ランクの歯20aおよび20bは、長手方向軸Xに沿ってずらされうる。
【0123】
1変形形態として、歯は、同じ高さの隣接する歯の塊(バッチ)を形成しうる。歯の隣接する塊の高さは、長手方向軸Xに沿って交替する。塊は各々少なくとも3つの歯から形成されうる。
スパイク
【0124】
図15~18に示されたように、アプリケータ部材は、歯の列50に加えて、スパイクの少なくとも1つの列60、より良好にはスパイクの複数の列60を有しうる。
スパイク
【0125】
複数の列60の各々のスパイク23の各々は、コア10に対して半径方向に延在する。
【0126】
スパイク23は、好ましくは円形断面を有するが、何らかの別の断面、特に多角形の断面を有してもよい。
【0127】
スパイク23は、
図15に示されたように例えば円錐形状を有して、その自由端の方へ徐々に細くなっている。
【0128】
スパイク23の断面は、全て0.8mm以下の、より良好には0.65mm以下の直径を有する円に内接させられうる。スパイク23の基部は、歯の最大幅未満の幅でありうる。
【0129】
スパイク23の高さは、例えば0.5mmと4mmの間である。
【0130】
スパイク23は、好ましくは、熱可塑性材料の成形によりコア10と同一材料で一体に製作される。
【0131】
スパイク23およびコア10はまた、1変形形態として、異なる材料から、もし必要なら2成分射出成形によって作られうる。スパイク23は、例えばコア10内の開口を通して成形される。スパイク23は、コアよりもより柔らかい、または1変形形態としてコアよりもより硬い材料から製作されうる。スパイクは、歯20よりも柔らかい、または1変形形態として歯20よりもより硬い材料から製作されうる。
スパイクの列
【0132】
アプリケータ部材8は、
図15~18に示されたように、スパイクの少なくとも2つの列60、より良好には6つの列60、更に良好には12列60を有している。
【0133】
隣接するスパイクの列60は、好ましくはコア10上で相互に等距離である。
【0134】
列60内のスパイク23の数は、10~100の間である。
【0135】
複数の列60の各々において、アプリケータ部材8が長手方向軸Xに沿って見られるとき、スパイク23は、好ましく整列される。
【0136】
各列60内の隣接するスパイク23は、好ましくは全て、列60内で同一の間隔fで間隔を取られ、該間隔fは、好ましくは0.5mmと2mmの間である。
【0137】
該複数の列60の各々内のスパイク23は、アプリケータ部材8が側面から見られるとき、隣接する列内の同じランクのスパイク23と整列されうる。スパイクの複数の列60は、同じ数の、スパイク23を有し得て、好ましくは同一である。
【0138】
図示されたように、スパイクの各列60は、好ましくは歯の少なくとも2つの連続する列50の間に置かれ、スパイク23は、歯20に対して軸方向にずらされている。
【0139】
好ましくは、スパイクの列60の各々は、これが間に置かれたところの2つの列50から等距離ではない。
【0140】
図14および16に示されたように、歯の列50の長手方向軸と、スパイクの連続する列60の長手方向軸との間の角度間隔εは、5°と60°の間でありうる。
【0141】
好ましくは、各列60内のスパイク23は、各列50内の歯20と長手方向に交互に置かれる。
【0142】
複数の列60の各々のスパイク23は、同一の列50内の2つの連続する歯20から等距離でありうる、又は等距離でなくてもよい。
【0143】
アプリケータ部材8が、側面から見られるとき、列60の各々内のスパイク23は全て、
図15および17に示されたように、コア10上にスパイクに先行して置かれるところの歯20から同じ距離kで長手方向に置かれ、この距離kは、好ましくは0.1mmと1mmの間である。
【0144】
各列60内のスパイク23の高さは、アプリケータ部材8の端部片4から遠位端へ、列60の長さの少なくとも半分に沿って、より良好には列60の全長に沿って、増加しうる。
【0145】
図14~16に示されたように、列60内の最大のスパイク23の高さは、隣接する列50内の最大歯20の高さと同じでありうる。
【0146】
図14~17に示されたように、2つの隣接する列50は、2つの列60の側面に位置する。
【0147】
好ましくは、列60の各々内のスパイク23は、正面図で、隣接する列50の1つの歯20の上に、
図14に示されたように少なくとも部分的に、または
図15に示されたように全面的に重畳されている。
【0148】
2つの列60の間の角度間隔は、好ましくは10°と90°の間、より良好には25°と65°の間、一層良好には30°である。
【0149】
本発明は、これまで述べられた説明のための実施態様に限定されるものではなく、その特性は、図示されていない変形形態の部分として相互に組合せられうる。
【0150】
アプリケータ部材8は、振動可能でありうる、すなわち、振動が、製品を塗布、梳くまたは製品を取り出す間、アプリケータ部材8に与えられうる。
【0151】
1変形形態として、アプリケータ部材は、回転可能でありうる、すなわち、例えば、製品を塗布、睫毛を梳く、または取り出す間、コアの長手方向軸の回りの回転運動を実行するように作られうる。
【0152】
別の変形形態として、アプリケータ部材は加熱される、すなわち、それは、睫毛および/または眉毛、および/または、アプリケータ部材の歯および/またはコアを加熱するための加熱要素を有しうる。
【0153】
アプリケータ部材はまた、振動が可能でありえ、および/または回転が可能でありえ、および/または加熱されうる。
【0154】
表現「1の~を有する」は、「少なくとも1つの~を有する」と同義であると理解されるべきであり、「の間の」は特に反対のことを言わない限り、境界を包含するように理解される。
【符号の説明】
【0155】
1 アプリケータ
3 容器
4 末端部、端部片
5 把持部材、閉じ部材
6 払拭部材
7 軸体
8 アプリケータ部材
9 容器の首
10 コア
20、20a、20b 歯、塗布要素
22 凸状縁
23 スパイク
24 直線的縁
25 基部
40 コアの長手方向面
42 遠位端(アプリケータ部材の)
50、50a、50b 歯の列
60 列(スパイクの)
100 塗布デバイス