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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】可撓性ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220104BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220104BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220104BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220104BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220104BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/00 342
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019501591
(86)(22)【出願日】2018-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2018071754
(87)【国際公開番号】W WO2018127173
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2019-06-12
(31)【優先権主張番号】201720023188.0
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179314
【氏名又は名称】昆山工研院新型平板顕示技術中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN NEW FLAT PANEL DISPLAY TECHNOLOGY CENTER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building No.3,No.188 Chenfeng Road,Yushan Town,Kunshan,Jiangsu 215300,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダン,ペングル
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シウユー
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,メイリン
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0183473(US,A1)
【文献】特開2010-204377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0275830(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0036299(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0209360(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0042406(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104167429(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103247233(CN,A)
【文献】特開2013-117747(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/02
H05B 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性ディスプレイスクリーンおよび駆動チップを備え、
前記可撓性ディスプレイスクリーンは、ディスプレイ領域および接着領域を含む可撓性基板を備える、
可撓性ディスプレイであって、
前記可撓性基板の背面には、支持フィルムが貼り付けられ、
前記駆動チップは、前記接着領域に接着され、
前記支持フィルムは、前記ディスプレイ領域および前記接着領域のそれぞれに貼り付けられ、
前記接着領域に設けられる前記支持フィルムは、そこに形成された穴を有し、
前記ディスプレイ領域に設けられる前記支持フィルムは、穴を有さず
前記接着領域に設けられる前記支持フィルムは、前記ディスプレイ領域に設けられる前記支持フィルムよりも可撓性が高い、
可撓性ディスプレイ。
【請求項2】
前記支持フィルムの厚さは、0.1μmから0.3μmまでの範囲内である、請求項1に記載の可撓性ディスプレイ。
【請求項3】
前記支持フィルムは、前記可撓性基板の材料と同一の材料から作製される、請求項1に記載の可撓性ディスプレイ。
【請求項4】
前記支持フィルムは樹脂から作製される、請求項1に記載の可撓性ディスプレイ。
【請求項5】
前記可撓性ディスプレイスクリーンは、さらに、
前記可撓性基板の前面に配置される駆動回路と、
前記可撓性基板の前記前面に配置され、前記駆動回路ユニットに接続される、有機発光素子と、
前記有機発光素子を覆うフィルムシーラントと、
前記フィルムシーラントを覆う水・酸素障壁層と、
を備える、請求項1に記載の可撓性ディスプレイ。
【請求項6】
可撓性ディスプレイスクリーンおよび駆動チップを備え、
前記可撓性ディスプレイスクリーンは、ディスプレイ領域および接着領域を含む可撓性基板を備える、
可撓性ディスプレイであって、
前記可撓性基板の背面には、支持フィルムが貼り付けられ、
前記駆動チップは、前記接着領域に接着され、
前記支持フィルムは、前記ディスプレイ領域および前記接着領域のそれぞれに貼り付けられ、
前記接着領域および前記ディスプレイ領域のそれぞれにおける前記支持フィルムは、そこに形成された穴を有し、
前記接着領域における前記支持フィルムの穴率は、前記ディスプレイ領域における前記支持フィルムの穴率よりも大きい、
可撓性ディスプレイ。
【請求項7】
前記接着領域に設けられる前記支持フィルムは、前記ディスプレイ領域に設けられる前記支持フィルムよりも可撓性が高い、請求項に記載の可撓性ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はディスプレイ技術の分野に関し、とくに可撓性ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、移動体電子装置に応用される次世代ディスプレイ装置として大きな注目を集めている。しかしながら、OLEDディスプレイにガラス基板を用いると、ガラス基板の壊れやすさおよび可撓性の低さ(これが結果としてOLEDディスプレイの発展をいくらか制限している)のために、OLEDディスプレイを持ち運ぶのが不便である。したがって、可撓性基板(たとえばプラスチック)を用いて、可撓性OLEDディスプレイが開発されている。可撓性OLEDディスプレイは良好な可撓性を持ち、持ち運びに便利なように折り曲げたり巻いたりすることができ、通常のOLEDディスプレイの不利を克服する。
【0003】
可撓性ディスプレイは、主に可撓性ディスプレイスクリーンおよび駆動チップを含み、可撓性ディスプレイスクリーンは、ディスプレイ領域および接着領域を備える可撓性基板を含み、駆動チップは接着領域に接着される。現時点では、可撓性ディスプレイスクリーンの厚さは非常に小さく、通常は約0.02mmである。したがって、駆動チップが接着領域に接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みやすく、可撓性ディスプレイスクリーンの品質劣化につながったり、吸着カップが可撓性ディスプレイスクリーンを吸着するのが困難になり、接着動作が困難になったりする。
【0004】
[サマリー]
本出願の目的は、既存の可撓性ディスプレイ製造工程において、駆動チップ接着処理中に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みやすい、または、可撓性ディスプレイスクリーンを接着するのが困難である、等の問題を解決するための可撓性ディスプレイを提供することである。
【0005】
上記の技術的問題を解決するために、本出願は、可撓性ディスプレイスクリーンおよび駆動チップを含む可撓性ディスプレイを提供する。可撓性ディスプレイスクリーンは、ディスプレイ領域および接着領域を備える可撓性基板を含み、支持フィルムが可撓性基板の背面に貼り付けられ、駆動チップは接着領域に接着される。
【0006】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、ディスプレイ領域および接着領域のそれぞれに支持フィルムが設けられ、ディスプレイ領域における支持フィルムは粘着性であり、接着領域における支持フィルムは除去可能である。
【0007】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、ディスプレイ領域には支持フィルムが貼り付けられ、接着領域は支持フィルムを持たない。
【0008】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、ディスプレイ領域および接着領域のそれぞれに支持フィルムが貼り付けられ、接着領域における支持フィルムはそこに形成された穴を有し、ディスプレイ領域における支持フィルムは穴を有しない。
【0009】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、ディスプレイ領域および接着領域のそれぞれに支持フィルムが貼り付けられ、接着領域およびディスプレイ領域のそれぞれにおいて支持フィルムはそこに形成された穴を有し、接着領域における支持フィルムの穴率はディスプレイ領域における支持フィルムの穴率より高い。
【0010】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、接着領域における支持フィルムはディスプレイ領域におけるよりも可撓性が高い。
【0011】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、支持フィルムの厚さは0.1μmから0.3μmまでの範囲内である。
【0012】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、支持フィルムは、可撓性基板の材料と同一の材料から作製される。
【0013】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、支持フィルムは樹脂から作製される。
【0014】
任意選択で、可撓性ディスプレイにおいて、可撓性ディスプレイスクリーンはさらに、
‐可撓性基板の前面に配置される駆動回路ユニットと、
‐可撓性基板の前面に配置され、駆動回路ユニットに接続される有機発光素子と、
‐有機発光素子を覆うフィルムシーラントと、
‐フィルムシーラントを覆う水・酸素障壁層と、
を含む。
【0015】
本出願において提供される可撓性ディスプレイでは、支持フィルムが可撓性基板の背面に貼り付けられ、可撓性ディスプレイスクリーンの剛性をいくらか改善するので、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーンに駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みにくく、接着を容易にするために吸着カップによって可撓性ディスプレイスクリーンが容易に吸着可能となっている。とくに、接着領域は支持フィルムを持たないか、または、接着領域における支持フィルムはディスプレイ領域におけるよりも可撓性が高い。すなわち、一方では、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーンに駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みにくく、また、接着を容易にするために吸着カップによって可撓性ディスプレイスクリーンが容易に吸着可能であり、他方では、可撓性ディスプレイ全体の曲げ要件を満たすように、接着領域が容易に曲げられるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本出願の実施形態1による可撓性ディスプレイの概略構造図である。
図2】本出願の実施形態1による、部分的に曲げられた可撓性ディスプレイの概略図である。
図3】本出願の実施形態1において用いられる、元の支持フィルムの概略構造図である。
図4】本出願の実施形態1において、可撓性基板に支持フィルムを貼り付け、可撓性基板に駆動チップを接着する工程の概略図である。
図5】本出願の実施形態1において、可撓性基板に支持フィルムを貼り付け、可撓性基板に駆動チップを接着する工程の概略図である。
図6】本出願の実施形態2において用いられる支持フィルムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願において提供される可撓性ディスプレイは、添付図面および特定の実施形態を参照して、より詳細に説明される。本出願の利点および特徴は、以下の説明および特許請求の範囲によって、より明らかとなる。添付図面は、非常に単純化された形式で提供されており、必ずしも寸法は正確ではなく、本出願の実施例をいくつか説明する際により便利かつ明確にすることのみを意図しているということに留意すべきである。
【0018】
本出願の核となる思想は、可撓性ディスプレイを提供することである。この可撓性ディスプレイにおいて、支持フィルムが可撓性ディスプレイの可撓性基板の背面に貼り付けられ、これが可撓性ディスプレイスクリーンの剛性をいくらか改善し得るので、可撓性ディスプレイ製造工程において、駆動チップが可撓性ディスプレイスクリーンに接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みにくくなり、また、接着を容易にするために吸着カップによって可撓性ディスプレイスクリーンが容易に吸着可能となる。とくに、接着領域は支持フィルムを持たないか、または、接着領域における支持フィルムはディスプレイ領域におけるよりも可撓性が高い。すなわち、一方では、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーンに駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みにくく、また、接着を容易にするために吸着カップによって可撓性ディスプレイスクリーンが容易に吸着可能であり、他方では、可撓性ディスプレイ全体の曲げ要件を満たすように、接着領域が容易に曲げられるようになっている。
【0019】
[実施形態1]
図1(本出願の実施形態1による可撓性ディスプレイの概略構造図)を参照されたい。図1に示すように、可撓性ディスプレイ1は可撓性ディスプレイスクリーン10および駆動チップ20を含み、可撓性ディスプレイスクリーン10は可撓性基板11を含み、可撓性基板11はディスプレイ領域および接着領域を備え、支持フィルム12が可撓性基板11の背面に貼り付けられ、駆動チップ20が接着領域に接着される。支持フィルム12は、可撓性ディスプレイスクリーン10の剛性をいくらか改善するように可撓性基板11の背面に貼り付けられており、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーン10に駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みにくく、接着を容易にするために可撓性ディスプレイスクリーンが吸着カップによって容易に吸着可能となっている。
【0020】
続けて図1を参照して、本出願の本実施形態では、支持フィルムがディスプレイ領域に貼り付けられ、接着領域は支持フィルムを持たない。通常、可撓性ディスプレイは、ディスプレイ領域に対してよりも接着領域に対して高度な曲げ要件を有する。すなわち、接着領域は、より高い度合いの曲率を持つ必要がある。したがって、本出願のこの実施形態では、支持フィルムがディスプレイ領域に貼り付けられ、接着領域は支持フィルムを持たないので、一方では、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーン10に駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーン10が歪みにくく、接着を容易にするために吸着カップにより可撓性ディスプレイスクリーン10が容易に吸着可能となっており、他方では、接着領域に対する高度な曲げ要件を満たすように、接着領域が優れた曲げ性能を持つことができるようになっている。曲げられた状態の接着領域は、図2において参照され得る。
【0021】
支持フィルム12は樹脂から作製されることが好ましい。樹脂は優れた可撓性を有するので、支持フィルム12が貼り付けられた可撓性基板11は良好な可撓性を維持できる。より好ましくは、支持フィルム12と可撓性基板11との間の連結がより固くより安定したものとなるよう、支持フィルム12は可撓性基板11の材料と同一の材料から作製される。
【0022】
さらに、支持フィルム12の厚さは、0.1μmから0.3μmまでの範囲内である。たとえば、支持フィルム12の厚さは、0.1μm、0.125μm、0.15μm、0.175μm、0.2μm、0.215μm、0.25μm、0.275μmまたは0.3μm、等であってもよい。本出願の本実施形態では支持フィルム12の厚さは選択的に0.1μmから0.3μmまでの範囲内であるので、一方では、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーン10に駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーン10が歪みにくく、接着を容易にするために吸着カップによって可撓性ディスプレイスクリーン10が容易に吸着可能となっており、他方では、接着領域に対する曲げ要件が満たされ得る。
【0023】
続けて図1を参照して、可撓性ディスプレイ1は、さらに、
‐可撓性基板11の前面に配置される駆動回路ユニット13と、
‐可撓性基板11の前面に配置され、駆動回路ユニット13に接続される有機発光素子14と、
‐有機発光素子14を覆うフィルムシーラント15と、
‐フィルムシーラント15を覆う水・酸素障壁層16と、
を含む。本出願のこの実施形態では、水・酸素障壁層は、フィルムシーラント15を覆う水・酸素障壁接着剤160と、水・酸素障壁接着剤160を覆う水・酸素障壁フィルム161とを含む。
【0024】
本出願のこの実施形態では、支持フィルム12は、以下のようにして可撓性基板11に貼り付けられる。
【0025】
まず、図3に示すように、分離線120を有する元の支持フィルム12’が提供され、分離線120は、元の支持フィルム12’を、第1部分121と第2部分122とに分割する。第1部分121の前面は粘着性であり、第2部分122の前面は粘着性ではない。
【0026】
続いて、図4に示すように、元の支持フィルム12の前面が、可撓性基板11の背面に貼り付けられる。
【0027】
本出願のこの実施形態では、元の支持フィルム12’が可撓性基板11に貼り付けられた後に、駆動チップ20が接着領域に接着される(図5に示す)。
【0028】
最後に、元の支持フィルムの第2部分122が、分離線120に沿って除去される。この場合には、対応して図1を参照すると、元の支持フィルムの第1部分121のみが可撓性基板11の背面に貼り付けられる。すなわち、支持フィルム12はディスプレイ領域に貼り付けられるだけである。
【0029】
本出願の別の実施形態では、代替的に、支持フィルムを製造する時に、元の支持フィルム12’が、第2部分122が除去されることなく、可撓性基板11に貼り付けられてもよい。この実施形態では、得られた可撓性ディスプレイのディスプレイ領域および接着領域のそれぞれに支持フィルムが設けられ、ディスプレイ領域(すなわち第1部分)における支持フィルムは粘着性であり、接着領域(すなわち第2部分)における支持フィルムは除去可能である。可撓性ディスプレイの接着領域における支持フィルムは、後の使用において保持されてもよく、除去されてもよく、これによって用途の柔軟性が大きくなる。
【0030】
[実施形態2]
実施形態2は、以下の点において実施形態1と異なる。実施形態1では、接着領域が支持フィルムを持たないか、または、接着領域における支持フィルムが除去可能であり、必要に応じて保持または除去可能である。しかしながら、実施形態2では、支持フィルムがディスプレイ領域および接着領域のそれぞれに貼り付けられ、接着領域における支持フィルムは穴を有し、ディスプレイ領域における支持フィルムは穴を有しない。または、接着領域およびディスプレイ領域それぞれにおける支持フィルムが穴を有するが、接着領域における支持フィルムの穴率はディスプレイ領域よりも高い。
【0031】
例として、接着領域およびディスプレイ領域それぞれの支持フィルムが穴を有するものを取り上げる。具体的には、図6(本出願の実施形態2における支持フィルムの概略構造図)を参照されたい。図2に示すように、支持フィルム32に分離線320が設けられ、支持フィルム32は第1部分321と第2部分322とに分割される。第1部分321および第2部分322の前面はいずれも粘着性である。
【0032】
さらに、第1部分321および第2部分322はいずれも穴を有する。さらに、第1部分321および第2部分322それぞれに複数の穴があり、第1部分321それぞれの複数の穴は一定間隔であり、第2部分322のそれぞれの複数の穴は一定間隔である。第1部分321の穴率は、第2部分322の穴率より低い。ここで、「穴率」とは、穴でない面積に対する穴の面積の比率である。とくに、第2部分322上の孔324の面積は比較的大きく、隣接する孔324間の間隔は比較的小さい。第1部分321上の孔323の面積は比較的小さく、隣接する孔323間の間隔もまた小さい。すなわち、本出願のこの実施形態では、第2部分322は第1部分321よりも可撓性が高い。
【0033】
続いて、支持フィルム32が可撓性基板の背面に貼り付けられる。ここで、第1部分321はディスプレイ領域に対応し、第2部分322は接着領域に対応する。次に、可撓性ディスプレイを得るために、駆動チップが接着領域に接着される。本出願のこの実施形態では、接着領域における支持フィルムはもはや除去されない。すなわち、穴を有する支持フィルムが接着領域に貼り付けられ、穴を有する支持フィルムがディスプレイ領域に貼り付けられ、ディスプレイ領域に貼り付けられた支持フィルムの穴率は、接着領域に貼り付けられた支持フィルムの穴率より低い。言い換えると、ディスプレイ領域に貼り付けられた支持フィルムは、接着領域に貼り付けられた支持フィルムよりも可撓性が低い。したがって、一方では、可撓性ディスプレイ製造工程において、可撓性ディスプレイスクリーンに駆動チップが接着される時に可撓性ディスプレイスクリーンが歪みにくく、接着を容易にするために吸着カップによって可撓性ディスプレイスクリーンが容易に吸着可能となっており、他方では、接着領域に対する高度な曲げ要件を満たすように、接着領域が優れた曲げ性能を持つことができるようになっている。
【0034】
上記の説明は、本出願の範囲に対するいかなる限定でもなく、単なる本出願の好適な実施形態の説明である。上記の説明に従い、当業者によって加えられるいかなる変形および修正も、添付の特許請求の範囲の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6