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特許6991245管腔内撮像デバイス用の支持部材並びに関連デバイス、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】管腔内撮像デバイス用の支持部材並びに関連デバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
A61B8/12
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019561929
(86)(22)【出願日】2018-05-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2018061239
(87)【国際公開番号】W WO2018206369
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】62/504,600
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ミナス マリテス
(72)【発明者】
【氏名】スティガル ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】サロハ プリンストン
(72)【発明者】
【氏名】フライデー メリサ
【審査官】姫島 あや乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-305333(JP,A)
【文献】特開平11-089841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体腔内に配置するためのフレキシブル伸長部材と、
前記フレキシブル伸長部材に結合される支持部材と、
前記支持部材に結合される撮像アセンブリと、
を含み、
前記支持部材は、前記フレキシブル伸長部材の遠位部と結合する近位セクション、及び、前記撮像アセンブリの近位端と結合する遠位セクションを含み、前記近位セクションは、第1の直径を含み、前記遠位セクションは、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を含み、
前記フレキシブル伸長部材は、前記支持部材上に配置され、
前記支持部材の前記近位セクション、前記支持部材の前記遠位セクション、及び前記フレキシブル伸長部材の前記遠位部は、環状管腔を画定し、
前記環状管腔は接着剤で満たされる、管腔内撮像デバイス。
【請求項2】
前記フレキシブル伸長部材の遠位端は、前記撮像アセンブリの前記近位端からギャップによって離間され、前記ギャップは、前記環状管腔と流体連通し、更に、当該ギャップ内に前記接着剤を含む、請求項に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項3】
前記支持部材は、前記近位セクション及び前記遠位セクションを通って長手方向に延在する管腔を含む、請求項1に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項4】
前記撮像アセンブリは、管状部材、及び、前記管状部材の周りに配置されるフレキシブル基板を含み、前記支持部材の前記管腔は、前記管状部材を受け入れる、請求項に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項5】
前記支持部材の前記管腔は更に、ガイドワイヤを受け入れる内側部材を受け入れる、請求項に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項6】
前記支持部材は更に、前記管腔と連通する、壁を通じて延在する開口部を含み、前記開口部は、前記撮像アセンブリに関連付けられる電気ケーブルを受け入れる、請求項に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項7】
前記撮像アセンブリの接続インターフェースが、前記支持部材の外面に取り付けられる、請求項に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項8】
前記支持部材は、前記第1の直径と前記第2の直径との間に移行部を含み、前記移行部は、テーパ領域を含む、請求項1に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項9】
前記撮像アセンブリは、超音波トランスデューサアレイを含む、請求項1に記載の管腔内撮像デバイス。
【請求項10】
第1の直径を有する近位セクション、及び、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する遠位セクションを含む支持部材を提供するステップと、
撮像アセンブリの近位部を前記支持部材の前記遠位セクションに結合するステップと、
前記支持部材の前記近位セクション、前記支持部材の前記遠位セクション、及び、フレキシブル伸長部材の遠位部が環状管腔を画定するように、前記フレキシブル伸長部材を前記支持部材上に配置するステップと、
前記環状管腔を接着剤で満たすステップと、
を含む、管腔内撮像デバイスを形成する方法。
【請求項11】
前記フレキシブル伸長部材を前記支持部材上に配置するステップは、前記フレキシブル伸長部材の遠位端を前記撮像アセンブリの近位端からギャップによって離間させるステップを含み、前記ギャップは前記環状管腔と流体連通し、
前記環状管腔を前記接着剤で満たすステップは、前記ギャップを通して前記接着剤を供給し、前記ギャップも満たすステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フレキシブル伸長部材を前記支持部材上に配置するステップは、前記フレキシブル伸長部材の遠位端を前記撮像アセンブリの近位端からギャップによって離間させるステップを含み、
前記フレキシブル伸長部材の前記遠位端が前記撮像アセンブリの前記近位端から前記ギャップによって離間されているとき、前記支持部材の遠位端が、前記撮像アセンブリの前記近位端と直接接触する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記状管腔を前記接着剤で満たすステップは、前記接着剤の外面を形成するステップを含み、前記接着剤の外面は、前記撮像アセンブリの前記近位部の外面及び前記フレキシブル伸長部材の前記遠位部の外面と同一平面にある、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記支持部材は、前記近位セクション及び前記遠位セクションを通って長手方向に延在する管腔を含み、
前記撮像アセンブリは、管状部材を含み、
前記撮像アセンブリの前記近位部を前記支持部材の前記遠位セクションに結合するステップは、前記管状部材を前記管腔に挿入するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記撮像アセンブリの接続インターフェースを電気ケーブルに結合するステップを更に含み、
記撮像アセンブリの前記接続インターフェースを前記電気ケーブルに結合するステップは、
前記電気ケーブルを、前記支持部材の前記近位セクションに配置される開口部を通して、前記支持部材の前記遠位セクション及び前記近位セクションを通って長手方向に延在する管腔内へと通すステップと、
前記電気ケーブルを前記支持部材の前記近位セクション付近で前記接続インターフェースに電気的に接合するステップと、
を含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、参照によりその全体が組み込まれる米国仮特許出願第62/504,600号の利益及び優先権を主張する。
【0002】
[0001] 本開示は、概して管腔内撮像に関し、特に管腔内撮像デバイスの接続構成要素に関する。
【背景技術】
【0003】
[0002] 血管内超音波(IVUS)撮像は、治療の必要性を判断し、介入を誘導し、及び/又は、その有効性を評価するために、人体内の動脈といった罹患血管を評価する診断手段として、介入心臓学において広く使用されている。1つ以上の超音波トランスデューサを含むIVUSデバイスが血管内を通され、撮像されるべき領域に誘導される。トランスデューサは、関心血管の画像を作成するために、超音波エネルギーを放出する。超音波は、組織構造(血管壁の様々な層等)、赤血球及びその他の関心特徴から生じる不連続性によって部分的に反射される。反射波からのエコーが、トランスデューサによって受信され、IVUS撮像システムに送られる。撮像システムは、受信した超音波エコーを処理して、デバイスが置かれている血管の断面画像を生成する。
【0004】
[0003] 固体(合成開口とも知られている)IVUSカテーテルは、今日一般的に使用されている2つのタイプのIVUSデバイスのうちの1つであり、もう1つのタイプは、回転式IVUSカテーテルである。固体IVUSカテーテルは、トランスデューサアレイに隣接して取り付けられる1つ以上の集積回路コントローラチップと共に、その周囲に分布した超音波トランスデューサのアレイを含むスキャナアセンブリを担持する。コントローラは、超音波パルスを送信するため及び超音波エコー信号を受信するために個々のトランスデューサ素子(又は素子群)を選択する。一連の送受信対をステップスルーすることによって、固体IVUSシステムは、可動部品なしで機械的にスキャンされた超音波トランスデューサの効果を合成することができる(固体と言われる所以である)。回転する機械的要素がないので、トランスデューサアレイは、血管の外傷の危険性を最小限に抑えて、血液及び血管組織と直接接触して配置することができる。更に、回転要素がないので、電気的インターフェースを単純化することができる。固体スキャナは、回転式IVUSデバイスに必要とされる複雑な回転式電気インターフェースではなく、単純な電気ケーブル及び標準的な取り外し可能な電気コネクタを用いて、撮像システムに直接配線することができる。
【0005】
[0004] 電気ケーブルと固体スキャナとは、IVUSデバイスの組み立て中に接続される。一般に、これには、電気ケーブル内の導体を固体スキャナの各導電性パッドと一直線にしてはんだ付けする必要がある。多くの場合、導体と導電性パッドとのはんだ付けされた接続部は、支持部材の近くにある。支持部材は、カテーテルのシャフトとスキャナアセンブリ(又は撮像アセンブリ)との間のインターフェースとして機能する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0005] 従来、支持部材は、カテーテルのシャフトの内径とほぼ同じ均一な直径を有する円筒形状である。更に、支持部材と撮像アセンブリとの接合部に接着剤を塗布して、電気的接続部を血液や生理食塩水といった流体から絶縁し、また、追加の機械的強度を提供する。この点で、接着剤は主にシャフト及び撮像アセンブリの外面に塗布されるため、結果として生じるシールは、流体が進入し易かったり、水分にさらされやすかったりするので、撮像アセンブリの故障を引き起こす。更に、結果として生じる接着剤の塊は、シャフトと撮像アセンブリとの接合部にわたって比較的滑らかな移行があるようにアセンブリのオペレータによって手で成形されるか又は滑らかにされる。したがって、この成形及び平滑化処理は、アセンブリのオペレータ間、更には同じオペレータによって組み立てられたデバイス間でも、デバイスの最終外形や、流体シールの完全性に大きなばらつきをもたらす。更に、支持部材は通常接合部に構造強度を与えるために硬い材料で作られているため、シャフトと撮像アセンブリとの接合部の柔軟性は制限され、管腔内撮像デバイスのナビゲーション機能に影響を及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0006] 本開示の実施形態は、管腔内撮像デバイス内の撮像アセンブリと外側カテーテルシャフトを相互接続するための支持部材を提供する。支持部材の少なくとも一部が、外側カテーテルシャフトの遠位部内に配置され、支持部材の遠位端は、撮像アセンブリの近位端と接触している。支持部材は、その長さに沿って可変の外径を有する。支持部材の近位セクションは、支持部材の遠位セクションの直径よりも大きい直径を有する。このようにして、支持部材が外側カテーテルシャフト内に少なくとも部分的に配置されると、支持部材の外面と外側カテーテルシャフトの遠位部の内面とが環状管腔を形成する。外側カテーテルシャフトの遠位端と撮像アセンブリの近位端との間にはギャップが残される。ギャップは環状管腔と流体連通している。ギャップ及び環状管腔は共に接着剤で満たされる。直径の大きい近位セクションは、接着剤が入れられ、接着剤のはみ出しを防ぐ一方で、直径の小さい遠位セクションは、接着剤のためのより大きい接着表面積を提供することで接着力が高められる。環状管腔はまた、接着剤を手で成形し滑らかにすることによって生じるプロセスのばらつきを取り除くことによって、アセンブリの一貫性や、組立プロセスの再現性を向上させる。ギャップ及び環状管腔を接着剤で満たした後、成形や平滑化は不要であるか、最小限で済む。
【0008】
[0007] 一実施形態では、管腔内撮像デバイスが提供される。管腔内撮像デバイスは、患者の体腔内に配置するためのフレキシブル伸長部材と、フレキシブル伸長部材に結合される支持部材と、支持部材に結合される撮像アセンブリとを含む。支持部材は、フレキシブル伸長部材の遠位部と結合する近位セクションと、撮像アセンブリの近位端と結合する遠位セクションとを含み、近位セクションは、第1の直径を有し、遠位セクションは、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
【0009】
[0008] 幾つかの実施形態では、支持部材の近位セクション、支持部材の遠位セクション及びフレキシブル伸長部材の遠位部は、環状管腔を画定する。幾つかの実施形態では、フレキシブル伸長部材の遠位端は、撮像アセンブリの近位端からギャップによって離間され、ギャップは、環状管腔と流体連通する。幾つかの実施形態では、管腔内撮像デバイスは更に、環状管腔及びギャップ内に配置される接着剤を含む。幾つかの実施形態では、支持部材は、近位セクション及び遠位セクションを通って長手方向に延在する管腔を含む。幾つかの実施形態では、撮像アセンブリは、管状部材と、管状部材の周りに配置されるフレキシブル基板とを含み、支持部材の管腔は、管状部材を受け入れる。幾つかの実施形態では、支持部材の管腔は更に、ガイドワイヤを受け入れる内側部材を受け入れる。幾つかの実施形態では、支持部材は更に、管腔と連通する、壁を通って延在する開口部を含み、開口部は、撮像アセンブリに関連付けられる電気ケーブルを受け入れる。幾つかの実施形態では、撮像アセンブリの接続インターフェースが、支持部材の外面に取り付けられる。幾つかの実施形態では、支持部材は、第1の直径と第2の直径との間に移行部を含み、移行部はテーパ領域を含む。幾つかの実施形態では、撮像アセンブリは、超音波トランスデューサアレイを含む。
【0010】
[0009] 幾つかの実施形態では、管腔内撮像デバイスを形成する方法が提供される。この方法は、第1の直径を有する近位セクション、及び、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する遠位セクションを含む支持部材を提供するステップと、撮像アセンブリの近位部を支持部材の遠位セクションに結合するステップと、支持部材の近位セクション、支持部材の遠位セクション及びフレキシブル伸長部材の遠位部が環状管腔を画定するように、フレキシブル伸長部材を支持部材上に配置するステップと、環状管腔を接着剤で満たすステップとを含む。
【0011】
[0010] 幾つかの実施形態では、フレキシブル伸長部材を支持部材上に配置するステップは、フレキシブル伸長部材の遠位端を撮像アセンブリの近位端からギャップによって離間させるステップを含み、ギャップは環状管腔と流体連通する。幾つかの実施形態では、フレキシブル伸長部材の遠位端が撮像アセンブリの近位端からギャップによって離間されているとき、支持部材の遠位端が、撮像アセンブリの近位端と直接接触する。幾つかの実施形態では、管状管腔を接着剤で満たすステップは、接着剤をギャップを通して供給してギャップを満たすステップを含む。幾つかの実施形態では、管状管腔を接着剤で満たすステップは、接着剤の外面を形成するステップを含み、接着剤の外面は、撮像アセンブリの近位部の外面及びフレキシブル伸長部材の遠位部の外面と同一平面にある。幾つかの実施形態では、支持部材は、近位セクション及び遠位セクションを通って長手方向に延在する管腔を含み、撮像アセンブリは、管状部材を含み、撮像アセンブリの近位部を支持部材の遠位セクションに結合するステップは、管状部材を管腔に挿入するステップを含む。幾つかの実施形態では、方法は更に、撮像アセンブリの接続インターフェースを電気ケーブルに結合するステップを含む。幾つかの実施形態では、撮像アセンブリの接続インターフェースを電気ケーブルに結合するステップは、電気ケーブルを、支持部材の近位セクションに配置される開口部を通して、支持部材の遠位セクション及び近位セクションを通って長手方向に延在する管腔内へと通すステップと、電気ケーブルを支持部材の近位セクション付近で接続インターフェースに電気的に接合するステップとを含む。
【0012】
[0011] 本開示の更なる態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0012] 本開示の例示的な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1】[0013]図1は、本開示の態様による撮像システムの概略図である。
図2】[0014]図2は、本開示の態様による平坦構成にある撮像アセンブリの上面図である。
図3】[0015]図3は、本開示の態様による管状部材の周りに巻かれた構成にある撮像アセンブリの側面図である。
図4】[0016]図4は、本開示の態様によるIVUSデバイスの側面図である。
図5】[0017]図5は、本開示の態様によるフレキシブル伸長部材と撮像アセンブリとの接合部の図である。
図6】[0018]図6は、本開示の態様によるフレキシブル伸長部材と撮像アセンブリとの接合部の側面図である。
図7】[0019]図7は、本開示の態様によるフレキシブル伸長部材と撮像アセンブリとの接合部の側面図である。
図8】[0020]図8は、本開示の態様によるフレキシブル伸長部材と撮像アセンブリとの接合部の側面図である。
図9A】[0021]図9Aは、本開示の態様による支持部材の斜視図である。
図9B】[0022]図9Bは、本開示の態様による支持部材の側面図である。
図9C】[0023]図9Cは、本開示の態様による支持部材の側面図である。
図10】[0024]図10は、本開示の態様による管腔内撮像デバイスを形成する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0025] 本開示の原理の理解を深めるために、ここで、図面に示す実施形態を参照し、特定の用語を用いてそれを説明する。しかし、当然ながら、本開示の範囲に対する限定は意図されていない。説明されるデバイス、システム及び方法に対する任意の変更及び更なる修正、並びに、本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示が関連する分野の当業者に通常想起されるように、十分に検討され本開示内に含まれる。特に、一実施形態に関して説明される特徴、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して説明される特徴、構成要素及び/又はステップと組み合わせることができると十分に考えられる。しかし、簡潔さのために、これらの組み合わせの多数の繰り返しは、個別には説明しない。
【0016】
[0026] 本明細書に説明される管腔内撮像デバイスは、多くの利点を達成する。例えば本開示の態様による管腔内撮像デバイスの支持部材は、管腔内デバイスのより高速で、あまり労働集約的でなく、より一貫しかつより効率的な製造プロセスを容易にする。更に、支持部材を使用してフレキシブル伸長部材を撮像アセンブリに結合することによって、破損及び流体の侵入が起こりにくいよりロバストな撮像アセンブリがもたらされる。例えば支持部材の遠位セクションの直径が支持部材の近位セクションよりも小さいため、支持部材の外面とフレキシブル伸長部材の遠位部の内面との間に環状管腔が形成される。環状管腔は、接着剤のためのより多くの接着面を提供し、これにより、支持部材、フレキシブル伸長部材及び撮像アセンブリ間のよりロバストな結合がもたらされる。このようにして、接着剤は流体に対するより強い障壁を形成することができる。本開示による管腔内撮像デバイスは、少なくとも以下の理由でナビゲーション能力が向上される。環状管腔内の接着剤は、フレキシブル伸長部材と撮像アセンブリとの接合部に柔軟性及び引張強度をもたらす。加えて、環状管腔が接着剤のための接着面を提供するため、フレキシブル伸長部材と撮像アセンブリとの接合部の外面に接着剤を塗布する必要がないか、最小限の接着剤を塗布するのでよい。この結果、結果として生じる接合部は薄くなり、これはナビゲーション機能に貢献する。
【0017】
[0027] 図1は、本開示の態様による血管内超音波(IVUS)撮像システム100の概略図である。IVUS撮像システム100は、カテーテル、ガイドワイヤ又はガイドカテーテルといった固体IVUSデバイス102と、患者インターフェースモジュール(PIM)104と、IVUS処理システム又はコンソール106と、モニタ108とを含む。
【0018】
[0028] 高レベルでは、IVUSデバイス102は、カテーテルデバイスの遠位端付近に取り付けられた撮像アセンブリ110に含まれるトランスデューサアレイ124から超音波エネルギーを放出する。超音波エネルギーは、撮像アセンブリ110を囲む血管120といった媒体内の組織構造によって反射され、超音波エコー信号は、トランスデューサアレイ124によって受信される。PIM104は、受信したエコー信号を、処理システム106に転送し、そこで超音波画像(フロー情報を含む)が再構成されてモニタ108に表示される。処理システム106は、プロセッサ及びメモリを含んでよい。処理システム106は、本明細書に説明されるIVUS撮像システム100の特徴を容易にするように動作可能である。例えばプロセッサは、非一時的有形コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読命令を実行することができる。
【0019】
[0029] PIM104は、処理システム106と、IVUSデバイス102に含まれる撮像アセンブリ110との間の信号の通信を容易にする。この通信には、(1)送受信に使用される特定のトランスデューサアレイ素子を選択するために、撮像アセンブリ110に含まれる、図2に示す集積回路コントローラチップ206A、206Bにコマンドを提供するステップ、(2)選択されたトランスデューサアレイ素子を励起させる電気パルスを発生させるように、送信回路を起動させるように、撮像アセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップ206A、206Bに送信トリガ信号を提供するステップ、及び/又は、(3)撮像アセンブリ110の集積回路コントローラチップに含まれる増幅器を介して、選択されたトランスデューサアレイ素子から受信される増幅エコー信号を受け取るステップが含まれる。幾つかの実施形態では、PIM104は、エコーデータを処理システム106に中継する前に、当該データの予備処理を行う。このような実施形態の例では、PIM104は、データの増幅、フィルタリング及び/又は集約を行う。一実施形態では、PIM104はまた、撮像アセンブリ110内の回路を含むIVUSデバイス102の動作をサポートするために、高電圧及び低電圧のDC電力を供給する。
【0020】
[0030] 処理システム106は、PIM104を介して撮像アセンブリ110からエコーデータを受信し、当該データを処理して、撮像アセンブリ110を囲む媒体内の組織構造の画像を再構成する。処理システム106は、血管120の断面画像といった血管120の画像がモニタ108に表示されるように画像データを出力する。血管120は、自然及び人工の両方の流体で満たされた又は囲まれた構造を表す。血管120は患者の体内であってよい。血管120は、心臓血管系、末梢血管系、神経血管系、腎臓血管系及び/又は体内の任意の他の適切な管腔を含む患者の血管系の動脈又は静脈といった血管であってよい。例えばIVUSデバイス102は、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を含む臓器や、管や、腸や、脳、硬膜嚢、脊髄及び末梢神経を含む神経系構造や、尿路だけでなく、血液内の弁、心腔又は心臓の他の部分や、及び/又は、身体の他の器官を含むが、これらに限定されない任意の数の解剖学的位置及び組織型を検査するために使用される。IVUSデバイス102は、自然な構造に加えて、限定はしないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ及び他のデバイスといった人工構造物を検査するために使用されてもよい。
【0021】
[0031] 幾つかの実施形態では、IVUSデバイスは、ボルケーノ社から入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテルや、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,846,101号に開示されるものといった従来の固体IVUSカテーテルと同様の特徴を幾つか含む。例えばIVUSデバイス102は、IVUSデバイス102の遠位端付近の撮像アセンブリ110と、IVUSデバイス102の長手方向本体に沿って延在する電気ケーブル112とを含む。電気ケーブル112は、1、2、3、4、5、6、7本又はそれ以上の導体218(図2)を含む複数の導体を含む。なお、導体218には任意の適切なゲージワイヤを使用してよい。一実施形態では、電気ケーブル112は、例えば41AWGゲージワイヤを使用する4導体伝送線路構成を含むことができる。一実施形態では、電気ケーブル112は、例えば44AWGゲージワイヤを利用する7導体伝送線路構成を含むことができる。幾つかの実施形態では、43AWGゲージワイヤを使用してもよい。
【0022】
[0032] 電気ケーブル112は、IVUSデバイス102の近位端におけるPIMコネクタ114で終端する。PIMコネクタ114は、電気ケーブル112をPIM104に電気的に結合し、また、IVUSデバイス102をPIM104に物理的に結合する。一実施形態では、IVUSデバイス102は更に、ガイドワイヤ出口ポート116を含む。したがって、場合によっては、IVUSデバイスは、迅速交換カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116は、デバイス102を血管120に通すために、ガイドワイヤ118を遠位端に向けて挿入することを可能にする。
【0023】
[0033] IVUSデバイス102は、近位部と遠位部とを有するフレキシブル伸長部材115を含む。撮像アセンブリ110は、フレキシブル伸長部材115の遠位部に配置される。フレキシブル伸長部材115は、長手方向軸LAを含む。長手方向軸LAは、IVUSデバイス102及び/又は撮像アセンブリ110と関連付けられてよい。
【0024】
[0034] 図2は、本開示の一実施形態による超音波撮像アセンブリ110の一部の上面図である。撮像アセンブリ110は、トランスデューサ領域204に形成されたトランスデューサレイ124と、制御領域208に形成されたトランスデューサ制御論理ダイ206(ダイ206A及び206Bを含む)とを含み、これらの間には遷移領域210が配置される。トランスデューサ制御論理ダイ206及びトランスデューサ212は、図2では平坦構成で示すフレキシブル基板214に取り付けられている。図3は、フレキシブル基板214の巻かれた構成を示す。トランスデューサアレイは、医療用センサ素子及び/又は医療用センサ素子アレイの非限定的な例である。トランスデューサ制御論理ダイ206は、制御回路の非限定的な例である。トランスデューサ領域204は、フレキシブル基板214の遠位部221に隣接して配置される。制御領域208は、フレキシブル基板214の近位部222に隣接して配置される。遷移領域210は、制御領域208とトランスデューサ領域204との間に配置される。トランスデューサ領域204、制御領域208及び遷移領域210の寸法(例えば長さ225、227、229)は、様々な実施形態において異なっていてよい。幾つかの実施形態では、長さ225、227、229は、実質的に同様であるか、又は、遷移領域210の長さ227がトランスデューサ領域及びコントローラ領域の長さ225、229より大きくてもよい。なお、撮像アセンブリ110は、フレキシブル基板を含むものとして説明するが、トランスデューサ及び/又はコントローラは、フレキシブル基板を省略したものを含む他の構成で撮像アセンブリ110を形成するように配置されてもよい。
【0025】
[0035] 明確にするために、図2には限られた数の超音波トランスデューサしか示していないが、トランスデューサアレイ124は、任意の数及びタイプの超音波トランスデューサ212を含んでよい。一実施形態では、トランスデューサアレイ124は、64個の個々の超音波トランスデューサ212を含む。更なる実施形態では、トランスデューサアレイ124は、32個の超音波トランスデューサ212を含む。他の数も想定され提供される。トランスデューサのタイプに関しては、一実施形態では、超音波トランスデューサ212は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,641,540号に開示されているように、ポリマー圧電性材料を使用して、微小電気機械システム(MEMS)基板上に作られる圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(PMUT)である。代替実施形態では、トランスデューサアレイは、バルクPZTトランスデューサ、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)、単結晶圧電材料、他の適切な超音波送信器及び受信器、並びに/又は、それらの組み合わせといった圧電ジルコン酸トランスデューサ(PZT)を含む。
【0026】
[0036] 撮像アセンブリ110は、図示する実施形態では、個別の制御論理ダイ206に分割されている様々なトランスデューサ制御論理を含んでよい。様々な例では、撮像アセンブリ110の制御論理は、電気ケーブル112を介してPIM104によって送信された制御信号を復号し、超音波信号を発するように、1つ以上のトランスデューサ212を駆動し、超音波信号の反射エコーを受信するように、1つ以上のトランスデューサ212を選択し、受信したエコーを表す信号を増幅し、及び/又は、電気ケーブル112を介して信号をPIMに送信する。図示する実施形態では、64個の超音波トランスデューサ212を有する撮像アセンブリ110が、制御論理を9個の制御論理ダイ206に分割し、そのうちの5個を図2に示す。他の実施形態では、8、9、16、17以上を含む他の数の制御論理ダイ206を組み込んだデザインが使用される。一般に、制御論理ダイ206は、それが駆動可能であるトランスデューサの数によって特徴付けられ、例示的な制御論理ダイ206は、4、8及び/又は16個のトランスデューサを駆動する。
【0027】
[0037] 制御論理ダイは、必ずしも同質である必要はない。幾つかの実施形態では、1つのコントローラがマスタ制御論理ダイ206Aに指定され、電気ケーブル112用の通信インターフェースを含む。したがって、マスタ制御回路は、電気ケーブル112を介して受信した制御信号を復号し、電気ケーブル112を介して制御応答を送信し、エコー信号を増幅し、及び/又は、電気ケーブル112を介してエコー信号を送信する制御論理を含んでよい。残りのコントローラは、スレーブコントローラ206Bである。スレーブコントローラ206Bは、超音波信号を放出するようにトランスデューサ212を駆動し、エコーを受信するトランスデューサ212を選択する制御論理を含んでよい。図示する実施形態では、マスタコントローラ206Aは、トランスデューサ212を直接は制御しない。他の実施形態では、マスタコントローラ206Aは、スレーブコントローラ206Bと同数のトランスデューサ212を駆動するか、又は、スレーブコントローラ206Bに比べて少ないセットのトランスデューサ212を駆動する。例示的な実施形態では、1つのマスタコントローラ206A及び8つのスレーブコントローラ206Bが設けられ、各スレーブコントローラ206Bに、8つのトランスデューサが割り当てられている。
【0028】
[0038] トランスデューサ制御論理ダイ206及びトランスデューサ212が取り付けられているフレキシブル基板214は、構造的支持及び電気的結合のための相互接続を提供する。フレキシブル基板214は、KAPTON(商標)(DuPont社の商標)といった可撓性ポリイミド材料のフィルム層を含むように作られてよい。他の適切な材料としては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム又はポリエーテルイミドフィルム、他のフレキシブルプリント半導体基板、並びに、Upilex(登録商標)(宇部興産株式会社の登録商標)及びTEFLON(登録商標)(E.I.duPont社の登録商標)といった製品が挙げられる。図2に示す平坦構成では、フレキシブル基板214は、概して長方形である。本明細書に示され説明されるように、フレキシブル基板214は、場合によっては、円筒形トロイドを形成するように、管状部材230(図3)の周りに巻き付けられる。したがって、フレキシブル基板214のフィルム層の厚さは、通常、最終的に組み立てられた撮像アセンブリ110における曲率の程度に関係している。幾つかの実施形態では、フィルム層は5μmから100μmであり、幾つかの特定の実施形態は12.7μmから25.1μmである。
【0029】
[0039] 一実施形態では、制御論理ダイ206とトランスデューサ212とを電気的に相互接続するために、フレキシブル基板214は更に、制御論理ダイ206とトランスデューサ212との間で信号を搬送するフィルム層上に形成された導電性トレース216を含む。具体的には、制御論理ダイ206とトランスデューサ212との間の通信を提供する導電性トレース216は、遷移領域210内でフレキシブル基板214に沿って延在する。場合によっては、導電性トレース216はまた、マスタコントローラ206Aとスレーブコントローラ206Bとの間の電気通信を容易にすることができる。導電性トレース216はまた、電気ケーブル112の導体218がフレキシブル基板214に機械的及び電気的に結合されたときに、電気ケーブル112の導体218と接触する一組の導電パッドを提供することができる。導電性トレース216に適した材料は、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル及び錫を含み、スパッタリング、メッキ及びエッチングといったプロセスによってフレキシブル基板214上に堆積されてよい。一実施形態では、フレキシブル基板214は、クロム接着層を含む。導電性トレース216の幅及び厚さは、フレキシブル基板214が丸められたときに、適切な導電性及び弾力性を提供するように選択される。この点に関して、導電性トレース216及び/又は導電パッドの厚さの例示的な範囲は10から50μmである。例えば一実施形態では、20μmの導電性トレース216が20μmの間隔で隔てられる。フレキシブル基板214上の導電性トレース216の幅は、トレース/パッドに結合される導体218の幅によって更に決定されてもよい。
【0030】
[0040] 幾つかの実施形態では、フレキシブル基板214は、接続インターフェース220を含んでよい。接続インターフェース220は、電気ケーブル112の導体218がフレキシブル基板214に結合されるフレキシブル基板214の場所としてよい。例えば電気ケーブル112の裸導体が、接続インターフェース220において、フレキシブル基板214に電気的に結合される。接続インターフェース220は、フレキシブル基板214の本体から延在するタブであってよい。この点に関して、フレキシブル基板214の本体は、トランスデューサ領域204、コントローラ領域208及び遷移領域210をまとめて指すことができる。図示する実施形態では、接続インターフェース220は、フレキシブル基板214の近位部222から延在する。他の実施形態では、接続インターフェース220は、遠位部221といったフレキシブル基板214の他の部分に配置されるか、又は、フレキシブル基板214は、接続インターフェース220を省略する。幅224といった接続インターフェース220又はタブの寸法値は、幅226といったフレキシブル基板214の本体の寸法値よりも小さくてよい。幾つかの実施形態では、接続インターフェース220を形成する基板は、フレキシブル基板214と同じ材料で作られ、及び/又は、フレキシブル基板214と同様に可撓性である。他の実施形態では、接続インターフェース220は、フレキシブル基板214とは異なる材料で作られ、及び/又は、フレキシブル基板214よりも比較的剛性が高い。例えば接続インターフェース220は、ポリオキシメチレン(例えばDELRIN(登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン及び/又は他の適切な材料を含むプラスチック、熱可塑性物質、ポリマー、硬質ポリマー等で作ることができる。本明細書に更に詳細に説明されるように、管状部材230、フレキシブル基板214、接続インターフェース220及び/又は導体218は、撮像アセンブリ110の効率的な製造及び動作を容易にするために、様々に構成することができる。
【0031】
[0041] 場合によっては、撮像アセンブリ110は、平坦構成(図2)から、巻かれた構成、即ち、より円筒形の構成(図3及び図4)に移される。例えば幾つかの実施形態では、「ULTRASONIC TRANSDUCER ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」なる名称の米国特許第6,776,763号及び「HIGH RESOLUTION INTRAVASCULAR ULTRASOUND TRANSDUCER ASSEMBLY HAVING A FLEXIBLE SUBSTRATE」なる名称の米国特許第7,226,417号の何れか又は両方に開示されている技術が利用される。これら特許それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
[0042] 図3に示すように、フレキシブル基板214は、巻かれた構成で管状部材230の周りに配置される。図3は、本開示の態様による、フレキシブル基板214が管状部材230の周りに巻かれた構成にある側面図である。場合によっては、管状部材230はユニボディとして言及される。管状部材230は、2014年4月28日に出願され、「Pre-doped Solid Substrate for Intravascular Devices」なる名称の米国仮特許出願第61/985,220号に説明されているように、ステンレス鋼といった金属材料又はプラスチック若しくはポリマーといった非金属材料から構成することができる。当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。管状部材230は、遠位セクション232と、近位セクション234と、その中を長手方向に延在する管腔236とを有する。管腔236は、ガイドワイヤ出口ポート116と連絡し、ガイドワイヤ118(図1)を受け入れるようなサイズ及び形状にされてよい。管状部材230は、任意の適切なプロセスを用いて製造されてよい。例えば管状部材230は、ブランクから材料を除去して管状部材230を成形することといったように機械加工されても、射出成形プロセスによってといったようにモールド成形されてもよい。幾つかの実施形態では、管状部材230は、単一構造として一体形成されても、また、他の実施形態では、管状部材230は、様々な構成要素で形成されてもよい。
【0033】
[0043] 図4は、本開示の例示的な実施形態によるIVUSデバイス102を示す。IVUSデバイス102は、撮像アセンブリ110、先端部305、支持部材300及びフレキシブル伸長部材115を含む。フレキシブル伸長部材115は、フレキシブル外側カテーテルシャフト及び/又はフレキシブル内側部材を含むことができる。撮像アセンブリ110は、支持部材300を介してフレキシブル伸長部材115に接続されている。幾つかの実施形態では、図4に示すように、フレキシブル伸長部材115の遠位部は、その中に支持部材300を受け入れるように予め広げられ、この結果、フレキシブル伸長部材115の遠位部の近く又は遠位部では、より近位の部分よりも直径が比較的大きい。しかし、図4に示さない他の幾つかの実施形態では、支持部材300がフレキシブル伸長部材115の遠位部内に受け入れられるとき、フレキシブル伸長部材の外径と撮像アセンブリ110の外径とは実質的に同じ直径である。幾つかの実施形態では、支持部材300は金属又は金属合金でできている。幾つかの他の実施形態では、支持部材300は、Pebax(登録商標)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエステル又はこれらのブレンドといったプラスチック又はポリマーでできている。幾つかの実施形態では、支持部材300は、柔軟性を達成するために2つの材料層の同心円状の複合体である。支持部材300は、接着剤のためのより多くの接着面を可能にして、薄いカテーテルを維持しながら、接合部での耐久性、柔軟性及び完全な電気シールを提供することを可能にするように構成することができる。
【0034】
[0044] 図5は、フレキシブル伸長部材115と撮像アセンブリ110との接合部の図である。半透明のフレキシブル伸長部材115を通して見ることができるように、撮像アセンブリ110からの接続インターフェース220が、電気ケーブル112に接合されている。電気ケーブル112は、フレキシブル伸長部材115の長さに沿って延在する。接続インターフェース220及び電気ケーブル112は図2にも示されている。
【0035】
[0045] ここで図6図7及び図8を参照する。図6図7及び図8には、本開示による管腔内撮像デバイスの撮像アセンブリ110とフレキシブル伸長部材115との接合部の態様が示されている。具体的には、図6は、フレキシブル伸長部材115と撮像アセンブリ110との接合部の側面図である。図7は、フレキシブル伸長部材115と撮像アセンブリ110との接合部の側面透視図である。図8は、フレキシブル伸長部材115と撮像アセンブリ110との接合部の側面図である。図6図7及び図8は、本開示の態様に従って、支持部材300の様々な特徴や、支持部材300がIVUSデバイス102の様々な構成要素とどのように結合されるのかを示す。
【0036】
[0046] 図6に示すように、支持部材300は、近位セクション310及び遠位セクション320を含む。遠位セクション320は、近位セクション310の直径よりも小さい直径を有する。幾つかの実施形態では、近位セクション310及び遠位セクション320は共にそれぞれの長さ全体にわたって均一な直径を有する円筒形である。このデザインは、近位セクション310が遠位セクション320に移行するときの直径の段階的な変化を含む。幾つかの実施形態では、遠位セクション320は円錐形のテーパであり、近位セクション310付近の移行点の直径から遠位セクション320の遠位端のより小さい直径に移行する。幾つかの他の実施形態では、遠位セクション320の側面プロファイルは、フレキシブル伸長部材115と撮像アセンブリ110との接合部の接着力又は機械的強度を高めるための様々な特徴を有する。例えば遠位セクション320の側面プロファイルは隆起部(図示せず)を有することができる。
【0037】
[0047] 組み立てられると、近位セクション310は、フレキシブル伸長部材115の少なくとも一部と係合又は接触し、遠位セクション320の遠位端は、撮像アセンブリ110の近位端と係合又は接触する。接続インターフェース220は、撮像アセンブリ110から支持部材300の上に延在する。図6に示すように、幾つかの実施形態では、接続インターフェース220は、遠位セクション320及び近位セクション310の一部の上に延在する。幾つかの実施形態では、接続インターフェース220は、遠位セクション320又は遠位セクション320の一部にしか延在しない。幾つかの実施形態では、接続インターフェース220は、支持部材300に取り付けられる。例えば接続インターフェース220は、近位セクション310の外面に取り付けることができる。
【0038】
[0048] 近位セクション310の遠位に面する表面、遠位セクション320の外面及びフレキシブル伸長部材115の遠位部330の内面によって、環状管腔340が形成される。図6から分かるように、遠位セクション320がその長さに沿って均一な直径を有する円筒形である場合、環状管腔340はリング形状又はドーナツ形状である。遠位セクション320の側面プロファイルが円錐形のテーパであるか、他の特徴を含む場合、結果として生じる環状管腔340は、対応又は反転する形状を有する。遠位セクション320の遠位端が撮像アセンブリ110の近位端に係合又は結合されると、フレキシブル伸長部材115の遠位端は、撮像アセンブリ110の近位端からギャップ350によって離される。ギャップ350は、環状管腔340と流体連通し、接着剤がギャップ350を介して供給されると、接着剤は環状管腔340を満たし、最終的にはギャップ350も満たす。幾つかの実施形態では、ギャップは約0.5mmである。
【0039】
[0049] 図7に示すように、幾つかの実施形態では、支持部材300は、近位セクション310及び遠位セクション320を通って長手方向に延在する管腔を含む。幾つかの実施形態では、撮像アセンブリ110は、撮像アセンブリ110の近位端から近位に延在する管状部材460を含む。支持部材300は、管状部材460を受け入れる。幾つかの実施形態では、管状部材460と支持部材300との結合を強化するために、管腔の内面は、プラズマ又は他の粗面化プロセスで処理される。幾つかの実施形態では、粗面化プロセスは、プライマーといった表面処理剤の塗布を含む。幾つかの実施形態では、接続インターフェース220は、フレキシブル伸長部材115に向かって延在し、接続点420で電気ケーブル112に結合される。幾つかの実施形態では、電気ケーブル112は、支持部材300の近位セクション310上又はその近くの開口部430に通される。開口部430は接続点420に隣接する。幾つかの実施形態では、電気ケーブル112は、近位セクション310とフレキシブル伸長部材115の内面との間で近位セクション310上に延在し、支持部材300は開口部430を有さない。幾つかの実施形態では、内側部材450が、フレキシブル伸長部材115、支持部材300内の管腔及び管状部材460を通り延在する。内側部材450は、IVUSデバイス102が患者の血管内の標的位置までガイドワイヤに沿って移動できるように、ガイドワイヤを受け入れる。
【0040】
[0050] 図8は、接着剤500が環状管腔340及びギャップ350をどのように満たすのかを示す。接着剤500は、ギャップ350を通して供給され、環状管腔340及びギャップ350の両方を満たす。幾つかの実施形態では、環状管腔340及びギャップ350内の接着剤500を硬化させる必要がある。幾つかの実施形態では、接着剤500は水硬化性であり、水分にさらされることにより硬化する。他の実施形態では、接着剤500は熱硬化性であり、室温よりも大幅に高温の熱源にさらされることにより硬化する。更に他の実施形態では、接着剤500はUV硬化性であり、紫外線(UV)源からの紫外線にさらされることにより硬化する。図5に示すように、フレキシブル伸長部材115は半透明であり、撮像デバイスがUVにさらされると、UVエネルギーはフレキシブル伸長部材115を効果的に通過し、環状管腔340内の接着剤500を硬化させることができる。ギャップ350内の接着剤は外面510を有する。外面510は実質的に平らであり、フレキシブル伸長部材115の外面及び撮像アセンブリ110の外面と同一平面上にある。接着剤500は、硬化すると可撓性である。例えば接着剤500は、アクリル系、エポキシ系又はシアノアクリレートであってよい。
【0041】
[0051] ここで図9A図9B及び図9Cを参照する。図9A図9B及び図9Cには、管腔内撮像デバイスの支持部材300の態様が示されている。具体的には、図9Aは支持部材300の斜視図である。図9Bは支持部材300の側面図である。図9Cも支持部材300の側面図である。図9Aから図9Cは、本開示の態様による支持部材300の様々な特徴を示す。
【0042】
[0052] 図9Aに示すように、幾つかの実施形態では、支持部材300は、テーパセクション315を介して遠位セクション320に移行する近位セクション310を含む。幾つかの実施形態では、支持部材300は開口部430を含む。図7を参照して上述したように、電気ケーブル112といった電気ケーブルを開口部430に通して、接続インターフェース220(図9Aには図示せず)と結合することができる。開口部430は、電気ケーブル112と接続インターフェース220との頑丈な接続/結合を維持する。図9Aに示すように、開口部430の開口部は遠位セクション320に向かって傾斜しているため、開口部430に通された電気ケーブルは最小限の曲げを受けるか又は曲げられず、破損又は電気短絡が生じにくい。
【0043】
[0053] 図9Bに示すように、支持部材300は長さLを有する。遠位セクション320は、外径D1及び内径D2を有する。近位セクション310は、長さLp、外径D3及び内径D4を有する。開口部430は直径D5を有する。幾つかの実施形態では、Lは約0.060から0.157インチである。幾つかの実施形態では、Lpは約0.05から0.1インチである。幾つかの実施形態では、D1は約0.030から0.035インチであり、D2は約0.025から0.030インチである。幾つかの実施形態では、D3は約0.035から0.040インチであり、D4は0.030から0.035インチである。幾つかの実施形態では、D5は約0.01インチから約0.02インチであり、約0.015インチといった値を含む。例示的な実施形態では、D1は約0.033インチであり、D2は約0.027インチであり、D3は約0.037から0.038インチであり、D4は約0.032インチである。
【0044】
[0054] 図9Cは、支持部材300の側面図である。幾つかの実施形態では、テーパセクション315は、近位セクション310から遠位セクション320まで延在する円錐面を有する。円錐面の傾斜角はAである。幾つかの実施形態では、Aは約4度から約5.6度であり、4.8度といった値を含む。幾つかの実施形態では、この傾斜角Aにより、開口部430の開口部は遠位セクション320に向かって傾斜している。
【0045】
[0055] 図10は、本開示の態様による管腔内撮像デバイスを形成する方法600のフロー図を示す。方法600は、ステップ610、620、630、640及び650を含む。ステップ610において、支持部材300が提供される。支持部材300は、第1の直径を有する近位セクション310と、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する遠位セクション320とを含む。ステップ620において、撮像アセンブリ110の接続インターフェース220が電気ケーブル112に結合される。幾つかの実施形態では、電気ケーブル112は、接続インターフェース220に結合される前に開口部430を通過する。これらの実施形態では、ステップ620は、電気ケーブル112を開口部430に通すことを含む。ステップ630において、撮像アセンブリ110の近位部が支持部材300の遠位セクション320に結合される。ステップ640において、フレキシブル伸長部材115は、フレキシブル伸長部材115の遠位端が撮像アセンブリ110の近位端からギャップ350によって離されるように、支持部材300上に配置される。最後に、ステップ650において、接着剤がギャップ350を通して供給され、ギャップ350と、支持部材300及びフレキシブル伸長部材115によって画定される環状管腔340とを満たすことが可能になる。幾つかの実施形態では、接着剤は硬化される必要があり、ステップ650は、熱、水分又はUVにより接着剤を硬化することを含む。
【0046】
[0056] 当業者であれば、上記装置、システム及び方法が、様々なやり方で変更可能であることを認識するであろう。したがって、当業者であれば、本開示に包含される実施形態が、上記特定の例示的実施形態に限定されないことを理解するであろう。この点に関して、例示的な実施形態が示され説明されたが、前述の開示では、広範囲の修正、変更及び置換が考えられる。なお、本開示の範囲から逸脱することなく、上記変更が前述に対してなされうる。したがって、添付の特許請求の範囲は、広く、また、本開示と一致する方法で解釈されることが適切である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10