(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】有機化合物およびこれを含む有機電界発光素子
(51)【国際特許分類】
C07D 231/54 20060101AFI20220104BHJP
C07D 403/10 20060101ALI20220104BHJP
C07D 401/10 20060101ALI20220104BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20220104BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20220104BHJP
C07D 409/14 20060101ALI20220104BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20220104BHJP
C07D 231/56 20060101ALI20220104BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C07D231/54
C07D403/10 CSP
C07D401/10
C07D405/14
C07D401/14
C07D409/14
C07D401/04
C07D231/56 B
H05B33/22 B
H05B33/22 D
H05B33/14 B
(21)【出願番号】P 2019572367
(86)(22)【出願日】2018-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2018005079
(87)【国際公開番号】W WO2019004584
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2020-01-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0083287
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520069590
【氏名又は名称】ソリュース先端素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】SOLUS ADVANCED MATERIALS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ホン ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ベ
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0063394(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第106544006(CN,A)
【文献】特開2005-082701(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0237769(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0057018(KR,A)
【文献】特開2014-055131(JP,A)
【文献】国際公開第2007/065010(WO,A2)
【文献】特開2008-037848(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0121626(KR,A)
【文献】国際公開第2010/126270(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/002864(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0045019(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0109111(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0106067(KR,A)
【文献】国際公開第2015/175678(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D201/00-521/00
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式6で表される化合物:
【化1】
前記化学式6において、
環Aは、下記化学式2~4のうちのいずれか1つで表され;
【化2】
【化3】
【化4】
前記化学式2~4において、
点線は、縮合がなされる部分を意味し;
mは、0~4の整数であり;
nは、0~6の整数であり;
R
1及びR
4は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記R
1及びR
4のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なり;
Ar
1は、下記化学式5で表される置換基であり、前記Ar
1が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
【化5】
前記化学式5において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合、C
6~C
18のアリーレン基、および核原子数5~18個のヘテロアリーレン基からなる群より選択され;
Ar
2は、
下記化学式15で表される置換基であり;
【化6】
前記化学式15において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
前記化学式15で表される置換基は、下記化学式C-1~C-5のうちのいずれか1つで表される置換基であり;
【化7】
前記化学式C-1~C-5において、
*は、結合がなされる部分を意味し、
前記R
11
およびR
12
は、それぞれ独立に、C
1
~C
40
のアルキル基、C
6
~C
60
のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記R
11
およびR
12
のアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C
1
~C
40
のアルキル基、C
6
~C
60
のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記L
1およびL
2のアリーレン基およびヘテロアリーレン基と、前記Ar
2のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【請求項2】
前記R
1及びR
4は、それぞれ独立に、C
1~C
40のアルキル基、C
6~C
60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記R
1及びR
4のアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C
1~C
40のアルキル基、C
6~C
60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合であるか、下記化学式A-1~A-7のうちのいずれか1つで表されるリンカーである、請求項1に記載の化合物:
【化8】
前記化学式A-1~A-7において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
Z
1~Z
8は、それぞれ独立に、NまたはC(R
5)であり;
前記化学式A-1におけるリンカーとして結合がなされるZ
1~Z
6のうちのいずれか2つは、C(R
5)であり、この時、前記R
5は、不在であり;
前記化学式A-4におけるリンカーとして結合がなされるZ
1~Z
4のうちのいずれか1つ、およびZ
5~Z
8のうちのいずれか1つは、C(R
5)であり、この時、前記R
5は、不在であり;
前記化学式A-5におけるリンカーとして結合がなされるZ
1~Z
4のうちのいずれか2つは、C(R
5)であり、この時、前記R
5は、不在であり;
X
4およびX
5は、それぞれ独立に、O、S、N(R
6)、またはC(R
7)(R
8)であり;
X
6は、NまたはC(R
9)であり;
R
5~R
9は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基が結合して縮合環を形成し、前記R
5~R
8それぞれが複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記R
5~R
9のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【請求項4】
前記L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合であるか、下記化学式B-1~B-12のうちのいずれか1つで表されるリンカーである、請求項1に記載の化合物:
【化9】
前記化学式B-1~B-12において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
R
6~R
9は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記R
6~R
9のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【請求項5】
以下の化合物からなる群より選択されることを特徴とする
、化合物:
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【請求項6】
(i)陽極と、(ii)陰極と、(iii)前記陽極および陰極の間に介在した1層以上の有機物層とを含む有機電界発光素子であって、
前記1層以上の有機物層のうちの少なくとも1つは、請求項1に記載の化学式6で表される化合物
又は請求項5に記載の化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項7】
前記有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔輸送補助層、電子輸送層、電子輸送補助層、および発光層からなる群より選択される1つ以上の層を含む、請求項
6に記載の有機電界発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光素子用材料として使用可能な新規有機化合物およびこれを含む有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
1950年代におけるベルナノーズ(Bernanose)による有機薄膜発光の観測を始点として、1965年、アントラセン単結晶を用いた青色電気発光につながる有機電界発光(electroluminescent、EL)素子に関する研究が行われ、1987年、タン(Tang)によって正孔層と発光層の機能層に分けた積層構造の有機電界発光素子が提示された。この後、高効率、高寿命の有機電界発光素子を作るために、素子内にそれぞれの特徴的な有機物層を導入する形態で発展してきており、これに使用される特化した物質の開発につながった。
【0003】
有機電界発光素子は、2つの電極の間に電圧をかけると、陽極からは正孔が有機物層に注入され、陰極からは電子が有機物層に注入される。注入された正孔と電子とが接した時、エキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが基底状態に落ちる時、光を発する。この時、有機物層に使用される物質は、その機能によって、発光物質、正孔注入物質、正孔輸送物質、電子輸送物質、電子注入物質などに分類される。
【0004】
発光物質は、発光色によって、青色、緑色、赤色発光物質と、より良い天然色を実現するための黄色および橙色発光物質に区分される。また、色純度の増加とエネルギー転移による発光効率を増加させるために、発光物質としてホスト/ドーパント系を使用することができる。
【0005】
ドーパント物質は、有機物質を用いる蛍光ドーパントと、Ir、Ptなどの重原子(heavy atoms)が含まれた金属錯体化合物を用いる燐光ドーパントとに分けられる。この時、燐光材料の開発は、理論的に蛍光に比べて4倍まで発光効率を向上させることができるため、燐光ドーパントだけでなく、燐光ホスト材料に関する研究も多く進められている。
【0006】
現在まで正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層材料としては、NPB、BCP、Alq
3などが広く知られており、発光層材料としては、アントラセン誘導体が報告されている。特に、発光層材料のうち、効率向上の面でメリットがあるFirpic、Ir(ppy)
3、(acac)Ir(btp)
2などのようなIrを含む金属錯体化合物が青色(blue)、緑色(green)、赤色(red)の燐光ドーパント材料として使用されており、4,4-ジカルバゾリビフェニル(4,4-dicarbazolybiphenyl、CBP)は燐光ホスト材料として使用されている。
【化1】
【0007】
しかし、従来の有機物層材料は、発光特性の面では有利な面があるが、ガラス転移温度が低くて熱的安定性が非常に良くないため、有機電界発光素子の寿命の面で満足できる水準になっていない。したがって、性能に優れた有機物層材料の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、有機電界発光素子に適用可能であり、正孔、電子注入および輸送能、発光能などがいずれも優れた新規有機化合物を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、前記新規有機化合物を含むことで、低い駆動電圧と高い発光効率を示し、寿命が向上する有機電界発光素子を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で表される化合物を提供する:
【化2】
【0011】
前記化学式1において、
X
1は、S、O、N(R
1)、およびC(R
2)(R
3)からなる群より選択され;
X
2およびX
3は、それぞれ独立に、NまたはC(Ar
1)であり、少なくとも1つは、C(Ar
1)であり;
環Aは、下記化学式2~4のうちのいずれか1つで表され;
【化3】
【化4】
【化5】
前記化学式1~4において、
点線は、縮合がなされる部分を意味し;
mは、0~4の整数であり;
nは、0~6の整数であり;
R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記R
1~R
4のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なり;
Ar
1は、下記化学式5で表される置換基であり、前記Ar
1が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
【化6】
前記化学式5において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合、C
6~C
18のアリーレン基、および核原子数5~18個のヘテロアリーレン基からなる群より選択され;
Ar
2は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記L
1およびL
2のアリーレン基およびヘテロアリーレン基と、前記Ar
2のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0012】
本発明は、陽極と、陰極と、前記陽極および陰極の間に介在した1層以上の有機物層とを含み、前記1層以上の有機物層のうちの少なくとも1つは、前記化学式1の化合物を含む有機電界発光素子を提供する。
【0013】
本発明における「アルキル」は、炭素数1~40個の直鎖または側鎖の飽和炭化水素に由来する1価の置換基であり、その例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチル、iso-アミル、ヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0014】
本発明における「アルケニル(alkenyl)」は、炭素-炭素の二重結合を1個以上有する、炭素数2~40個の直鎖または側鎖の不飽和炭化水素に由来する1価の置換基であり、その例としては、ビニル(vinyl)、アリル(allyl)、イソプロペニル(isopropenyl)、2-ブテニル(2-butenyl)などがあるが、これらに限定されない。
【0015】
本発明における「アルキニル(alkynyl)」は、炭素-炭素の三重結合を1個以上有する、炭素数2~40個の直鎖または側鎖の不飽和炭化水素に由来する1価の置換基であり、その例としては、エチニル(ethynyl)、2-プロピニル(2-propynyl)などがあるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明における「アリール」は、単環または2以上の環が組み合わされた、炭素数6~60個の芳香族炭化水素に由来する1価の置換基を意味する。また、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み(例えば、炭素数は8~60個であってもよい)、分子全体が非-芳香族性(non-aromacity)を有する1価の置換基も含まれる。このようなアリールの例としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、フルオレニルなどがあるが、これらに限定されない。本発明における「ヘテロアリール」は、核原子数5~60個のモノヘテロサイクリックまたはポリヘテロサイクリック芳香族炭化水素に由来する1価の置換基を意味する。この時、環のうちの1つ以上の炭素、好ましくは、1~3個の炭素がN、O、P、S、およびSeの中から選択されたヘテロ原子で置換される。また、2以上の環が互いに単純付着(pendant)または縮合されており、環形成原子として、炭素以外にN、O、P、S、およびSeの中から選択されたヘテロ原子を含み、分子全体が非-芳香族性(non-aromacity)を有する1価のグループも含むと解される。このようなヘテロアリールの例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルのような6員モノサイクリック環;フェノキサチエニル(phenoxathienyl)、インドリジニル(indolizinyl)、インドリル(indolyl)、プリニル(purinyl)、キノリル(quinolyl)、ベンゾチアゾール(benzothiazole)、カルバゾリル(carbazolyl)のようなポリサイクリック環;2-フラニル、N-イミダゾリル、2-イソキサゾリル、2-ピリジニル、2-ピリミジニルなどがあるが、これらに限定されない。
【0017】
本発明における「アリールオキシ」は、RO-で表される1価の置換基であり、前記Rは、炭素数5~60個のアリールを意味する。このようなアリールオキシの例としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ジフェニルオキシなどがあるが、これらに限定されない。
【0018】
本発明における「アルキルオキシ」は、R’O-で表される1価の置換基であり、前記R’は、1~40個のアルキルを意味し、直鎖(linear)、側鎖(branched)、またはサイクリック(cyclic)構造を含むと解する。このようなアルキルオキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-プロポキシ、t-ブトキシ、n-ブトキシ、ペントキシなどがあるが、これらに限定されない。
【0019】
本発明における「アリールアミン」は、炭素数6~60個のアリールで置換されたアミンを意味する。
【0020】
本発明における「シクロアルキル」は、炭素数3~40個のモノサイクリックまたはポリサイクリック非-芳香族炭化水素に由来する1価の置換基を意味する。このようなシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル(norbornyl)、アダマンチン(adamantine)などがあるが、これらに限定されない。
【0021】
本発明における「ヘテロシクロアルキル」は、核原子数3~40個の非-芳香族炭化水素に由来する1価の置換基を意味し、環のうちの1つ以上の炭素、好ましくは、1~3個の炭素がN、O、S、またはSeのようなヘテロ原子で置換される。このようなヘテロシクロアルキルの例としては、モルホリン、ピペラジンなどがあるが、これらに限定されない。
【0022】
本発明における「アルキルシリル」は、炭素数1~40個のアルキルで置換されたシリルであり、「アリールシリル」は、炭素数5~60個のアリールで置換されたシリルを意味する。
【0023】
本発明における「縮合環」は、縮合脂肪族環、縮合芳香族環、縮合ヘテロ脂肪族環、縮合ヘテロ芳香族環、またはこれらの組み合わされた形態を意味する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の化合物は、熱的安定性、キャリア輸送能、発光能などに優れているため、有機電界発光素子の有機物層材料として有用に適用可能である。
【0025】
また、本発明の化合物を有機物層に含む有機電界発光素子は、発光性能、駆動電圧、寿命、効率などの面が大きく向上して、フルカラーディスプレイパネルなどに効果的に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子の断面図を示すものである。
【
図2】本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子の断面図を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】
1.新規有機化合物
本発明の新規化合物は、下記化学式1で表されてもよい:
【化7】
前記化学式1において、
X
1は、S、O、N(R
1)、およびC(R
2)(R
3)からなる群より選択され;
X
2およびX
3は、それぞれ独立に、NまたはC(Ar
1)であり、少なくとも1つは、C(Ar
1)であり;
環Aは、下記化学式2~4のうちのいずれか1つで表され;
【化8】
【化9】
【化10】
前記化学式1~4において、
点線は、縮合がなされる部分を意味し;
mは、0~4の整数であり;
nは、0~6の整数であり;
R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記R
1~R
4のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なり;
Ar
1は、下記化学式5で表される置換基であり、前記Ar
1が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
【化11】
前記化学式5において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合、C
6~C
18のアリーレン基、および核原子数5~18個のヘテロアリーレン基からなる群より選択され;
Ar
2は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記L
1およびL
2のアリーレン基およびヘテロアリーレン基と、前記Ar
2のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0029】
より具体的には、本発明の化学式1で表される化合物は、インドール、インダゾール、インデン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、トリアゾロなどのような5員芳香族環または5員芳香族ヘテロにEWGが結合するもので、この時、カルバゾールと類似のエネルギー準位を有するため、ドーパントのエネルギー準位に比べて高く調節できて、ホスト物質として適用可能である。特に、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンのモイエティは、電子が豊富で有機電界発光素子の電子輸送層材料への使用時に移動性が速くなるので、発光効率の上昇と駆動電圧の減少を期待することができる。また、本発明の前記5員芳香族環または5員芳香族ヘテロ環は、分子量が既存の化合物より少ないため、蒸着時の蒸着温度が他の材料より相対的に低い温度で蒸着可能なため、工程性が良く、熱安定性が向上できる。
【0030】
したがって、本発明の化学式1で表される化合物は、有機電界発光素子の有機物層材料、好ましくは、発光層材料(緑色の燐光ホスト材料)、電子輸送層/注入層材料、発光補助層材料、電子輸送補助層材料、さらに好ましくは、発光層材料、電子輸送層材料、電子輸送補助層材料として使用できる。また、前記化学式1の化合物を含む有機電界発光素子は、性能および寿命特性が大きく向上し、このような有機電界発光素子が適用されたフルカラー有機発光パネルも性能が極大化できる。
【0031】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化合物は、下記化学式6~14のうちのいずれか1つで表されてもよい:
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
前記化学式6~14において、
環A、Ar
1およびR
1~R
3それぞれは、化学式1で定義された通りである。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化合物は、前記化学式6~8のうちのいずれか1つで表されるものが、低い駆動電圧および高い発光効率の確保に好ましく、より好ましくは、前記化学式6または7で表されてもよいし、さらに好ましくは、前記化学式8または10で表されてもよい。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R1~R4は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記R1~R4のアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0034】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R1~R4は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフタレニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、およびジベンゾジオキシニル基からなる群より選択され、
前記R1~R4は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフタレニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、およびジベンゾジオキシニル基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリールアミン基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0035】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合であるか、下記化学式A-1~A-7のうちのいずれか1つで表されるリンカーであることが好ましいが、これに制限されることはない:
【化21】
前記化学式A-1~A-7において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
Z
1~Z
8は、それぞれ独立に、NまたはC(R
5)であり;
前記化学式A-1におけるリンカーとして結合がなされるZ
1~Z
6のうちのいずれか2つは、C(R
5)であり、この時、前記R
5は、不在であり;
前記化学式A-4におけるリンカーとして結合がなされるZ
1~Z
4のうちのいずれか1つ、およびZ
5~Z
8のうちのいずれか1つは、C(R
5)であり、この時、前記R
5は、不在であり;
前記化学式A-5におけるリンカーとして結合がなされるZ
1~Z
4のうちのいずれか2つは、C(R
5)であり、この時、前記R
5は、不在であり;
X
4およびX
5は、それぞれ独立に、O、S、N(R
6)、またはC(R
7)(R
8)であり;
X
6は、NまたはC(R
9)であり;
R
5~R
9は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基が結合して縮合環を形成し、前記R
5~R
8それぞれが複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記R
5~R
9のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0036】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記L
1およびL
2は、それぞれ独立に、直接結合であるか、下記化学式B-1~B-12のうちのいずれか1つで表されるリンカーであることが好ましいが、これに制限されることはない:
【化22】
前記化学式B-1~B-12において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
R
6~R
9は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され;
前記R
6~R
9のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式B-1~B-12において、前記R6~R9は、それぞれ独立に、水素、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択され;
前記R6~R9のアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C2~C40のアルケニル基、C2~C40のアルキニル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記L1およびL2は、それぞれ独立に、直接結合であるか、前記化学式B-1~B-3およびB-7~B-12からなる群より選択されたリンカーであってもよい。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記Ar2は、C6~C60のアリール基、または核原子数5~60個のヘテロアリール基、アリールアミン基であり、
前記Ar2のアリール基、ヘテロアリール基、アリールアミン基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリールアミン基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なっていてもよい。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記Ar
2は、下記化学式15で表される置換基であってもよい:
【化23】
前記化学式15において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
Y
1~Y
5は、それぞれ独立に、NまたはC(R
10)であり;
R
10は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択され、前記R
10が複数の場合、これらは、互いに同一または異なり;
前記R
10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式15で表される置換基は、下記化学式16で表される置換基であってもよい:
【化24】
前記化学式16において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
R
11およびR
12は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基と結合して縮合環を形成し;
前記R
11およびR
12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なり;
Y
1、Y
3およびY
5それぞれは、前記化学式15で定義された通りである。
【0042】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記化学式15で表される置換基は、下記化学式C-1~C-5のうちのいずれか1つで表される置換基であってもよい:
【化25】
前記化学式C-1~C-5において、
*は、結合がなされる部分を意味し、
R
11およびR
12は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基と結合して縮合環を形成し;
前記R
11およびR
12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0043】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R11およびR12は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記R11およびR12のアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0044】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R11およびR12は、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基からなる群より選択され、
前記R11およびR12のフェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0045】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R11およびR12は、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基からなる群より選択され、
前記R11およびR12のフェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロパニル基、ブチル基、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0046】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記Ar
2は、下記化学式17で表される置換基であってもよい:
【化26】
前記化学式17において、
*は、結合がなされる部分を意味し;
R
13およびR
14は、それぞれ独立に、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
3~C
40のアルキルシリル基、C
6~C
60のアリールシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールアミン基からなる群より選択されるか、隣接する基と結合して縮合環を形成し;
前記R
13およびR
14のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリールアミン基、アルキルシリル基、アルキルボロン基、アリールボロン基、アリールホスファニル基、モノまたはジアリールホスフィニル基、およびアリールシリル基は、それぞれ独立に、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C
1~C
40のアルキル基、C
2~C
40のアルケニル基、C
2~C
40のアルキニル基、C
6~C
60のアリール基、核原子数5~60個のヘテロアリール基、C
6~C
60のアリールオキシ基、C
1~C
40のアルキルオキシ基、C
6~C
60のアリールアミン基、C
3~C
40のシクロアルキル基、核原子数3~40個のヘテロシクロアルキル基、C
1~C
40のアルキルシリル基、C
1~C
40のアルキルボロン基、C
6~C
60のアリールボロン基、C
6~C
60のアリールホスファニル基、C
6~C
60のモノまたはジアリールホスフィニル基、およびC
6~C
60のアリールシリル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0047】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R13およびR14は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択され、
前記R13およびR14のアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0048】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R13およびR14は、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基からなる群より選択され、
【0049】
前記R13およびR14のフェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基は、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C60のアリール基、および核原子数5~60個のヘテロアリール基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0050】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記R13およびR14は、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基からなる群より選択され、
前記R13およびR14のフェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロパニル基、ブチル基、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、およびジベンゾチオフェニル基からなる群より選択された1種以上の置換基で置換もしくは非置換であり、複数の置換基で置換される場合、これらは、互いに同一または異なる。
【0051】
本発明の化学式1で表される化合物は、下記の化合物で表してもよいが、これに限定されるものではない:
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0052】
本発明の化学式1の化合物は、一般的な合成方法により合成される(Chem.Rev.,60:313(1960);J.Chem.SOC.4482(1955);Chem.Rev.95:2457(1995)等参照)。本発明の化合物に関する詳細な合成過程は、後述する合成例で具体的に記述する。
【0053】
1.有機電界発光素子
一方、本発明の他の態様は、上記の本発明に係る化学式1で表される化合物を含む有機電界発光素子(有機EL素子)に関する。
【0054】
具体的には、本発明は、陽極(anode)と、陰極(cathode)と、前記陽極および陰極の間に介在した1層以上の有機物層とを含む有機電界発光素子であって、前記1層以上の有機物層のうちの少なくとも1つは、前記化学式1で表される化合物を含む。この時、前記化合物は、単独または2以上混合して使用できる。
【0055】
前記1層以上の有機物層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、発光補助層、寿命改善層、電子輸送層、電子輸送補助層、および電子注入層のうちのいずれか1つ以上であってもよく、これらの少なくとも1つの有機物層が前記化学式1で表される化合物を含むことができる。
【0056】
前述した本発明に係る有機電界発光素子の構造は特に限定されないが、一つの例示として、
図1を参照すれば、例えば、互いに対向する陽極10および陰極20と、前記陽極10および陰極20の間に位置する有機層30とを含む。ここで、前記有機層30は、正孔輸送層31、発光層32、および電子輸送層34を含むことができる。また、前記正孔輸送層31および発光層32の間には正孔輸送補助層33を含むことができ、前記電子輸送層34および発光層32の間には電子輸送補助層35を含むことができる。
【0057】
本発明の他の例示として、
図2を参照すれば、前記有機層30は、正孔輸送層31と陽極10との間に正孔注入層37をさらに含んでもよいし、電子輸送層34と陰極20との間には電子注入層36を追加的にさらに含んでもよい。
【0058】
本発明において、前記正孔輸送層31および陽極10の間に積層される正孔注入層37は、陽極に使用されるITOと、正孔輸送層31に使用される有機物質との間の界面特性を改善するだけでなく、その表面が平坦でないITOの上部に塗布され、ITOの表面を滑らかにする機能をする層であり、当技術分野で通常用いられるものであれば特別な制限なく使用可能であり、例えば、アミン化合物を使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0059】
また、前記電子注入層36は、電子輸送層の上部に積層され、陰極からの電子注入を容易にして、窮極的に電力効率を改善させる機能を行う層であり、当技術分野で通常用いられるものであれば特別な制限なく使用可能であり、例えば、LiF、Liq、NaCl、CsF、Li2O、BaOなどの物質を用いることができる。
【0060】
さらに、本発明において、図には示さないものの、前記正孔輸送補助層33および発光層32の間に発光補助層をさらに含んでもよい。前記発光補助層は、発光層32に正孔を輸送する役割を果たしつつ、有機層30の厚さを調整する役割を果たすことができる。前記発光補助層は、正孔輸送物質を含むことができ、正孔輸送層31と同一の物質で作られる。
【0061】
また、本発明において、図には示さないものの、前記電子輸送補助層35および発光層32の間に寿命改善層をさらに含んでもよい。前記発光層32へ有機発光素子内でイオン化ポテンシャルレベルに沿って移動する正孔が、寿命改善層の高いエネルギー障壁に遮られて電子輸送層へ拡散、または移動することができず、結果として正孔を発光層に制限させる機能をする。このように正孔を発光層に制限させる機能は、還元によって電子を移動させる電子輸送層へ正孔が拡散するのを防止して、酸化による不可逆的分解反応による寿命低下現象を抑制して、有機発光素子の寿命改善に寄与することができる。
【0062】
本発明において、前記化学式1で表される化合物は、インドール、インダゾール、インデン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、トリアゾロなどのような5員芳香族環または5員芳香族ヘテロにEWGが結合するもので、この時、カルバゾールと類似のエネルギー準位を有するため、ドーパントのエネルギー準位に比べて高く調節できて、ホスト物質として適用可能である。特に、ベンゾフランおよびベンゾチオフェンのモイエティは、電子が豊富で、有機電界発光素子の電子輸送層材料への使用時に移動性が速くなるので、発光効率の上昇と駆動電圧の減少を期待することができる。また、本発明の前記5員芳香族環または5員芳香族ヘテロ環は、分子量が既存の化合物より少ないため、蒸着時の蒸着温度が他の材料より相対的に低い温度で蒸着可能なため、工程性が良く、熱安定性が向上できる。
【0063】
したがって、本発明の化学式1で表される化合物は、有機電界発光素子の有機物層である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層のうちのいずれか1つの材料として使用できるが、好ましくは、発光層、電子輸送層、および電子輸送層に追加的に積層される電子輸送補助層のうちのいずれか1つの材料、より好ましくは、電子輸送層、または電子輸送補助層の材料として使用できる。
【0064】
また、本発明に係る化合物を発光層材料として用いる場合、具体的には、前記化学式1で表される化合物を発光層の燐光ホスト、蛍光ホスト、またはドーパント材料として使用することができ、好ましくは、燐光ホスト(青色、緑色、および/または赤色の燐光ホスト材料)として使用することができる。
【0065】
さらに、本発明において、前記有機電界発光素子は、上記のように、陽極、1層以上の有機物層、および陰極が順次に積層されるだけでなく、電極と有機物層との界面に絶縁層または接着層を追加的に含んでもよい。
【0066】
本発明の有機電界発光素子は、前記有機物層のうちの少なくとも1つ以上(例えば、電子輸送補助層)が前記化学式1で表される化合物を含むように形成することを除けば、当技術分野で知られている材料および方法を利用して他の有機物層および電極を形成して製造できる。
【0067】
前記有機物層は、真空蒸着法や溶液塗布法によって形成される。前記溶液塗布法の例としては、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、または熱転写法などがあるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明で使用可能な基板としては特に限定されず、シリコンウエハ、石英、ガラス板、金属板、プラスチックフィルム、およびシートなどが使用できる。
【0069】
また、陽極物質としては、例えば、正孔注入が円滑となるように仕事関数の高い導電体で作られ、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO2:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリチオフェン、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール、またはポリアニリンのような導電性高分子;およびカーボンブラックなどがあるが、これらに限定されない。
【0070】
また、陰極物質としては、例えば、電子注入が円滑となるように仕事関数の低い導電体で作られ、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、または鉛のような金属、またはこれらの合金;およびLiF/AlまたはLiO2/Alのような多層構造の物質などがあるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例を通じて詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0072】
[準備例1]A1の合成
【化42】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-フェニル-1H-インダゾール8.5g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mmol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA1(6.8g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:396.3g/mol、測定値:396g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.45~7.55(m,8H),7.62(s,1H),7.84~92(m,4H)
【0073】
[準備例2]A2の合成
【化43】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インダゾール8.5g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA3(7.3g、18.3mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:397.3g/mol、測定値:397g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.45~7.55(m,5H),7.62(s,1H),7.84~92(m,4H),8.11~12(d,2H)
【0074】
[準備例3]A3の合成
【化44】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジフェニル-1H-インダゾール10.4g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA3(8.6g、18.3mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:472.4g/mol、測定値:472g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.44~7.59(m,14H),7.62(s,1H),8.23~25(d,2H)
【0075】
[準備例4]A4の合成
【化45】
窒素気流下、1-(3-ブロモフェニル)-3-フェニル-3H-ベンゾ[e]インダゾール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA4(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:446.4g/mol、測定値:446g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.45~7.55(m,10H),7.62(s,1H),7.81~99(m,4H)
【0076】
[準備例5]A5の合成
【化46】
窒素気流下、1-(3-ブロモフェニル)-3-(ピリジン-4-イル)-3H-ベンゾ[e]インダゾール9.8g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA5(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:447.4g/mol、測定値:447g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.45~7.55(m,9H),7.62(s,1H),7.81~99(m,2H),8.21~23(d,2H)
【0077】
[準備例6]A6の合成
【化47】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[f]インダゾール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA6(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:446.4g/mol、測定値:446g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.45~7.55(m,10H),7.58(s,1H),7.61(s,1H),7.78(s,1H),7.81~86(m,2H)
【0078】
[準備例7]A7の合成
【化48】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[g]インダゾール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA7(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:446.36g/mol、測定値:446g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.45~7.54(m,10H),7.62(s,1H),7.81~88(m,4H)
【0079】
[準備例8]A8の合成
【化49】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-フェニル-1H-インドール8.5g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA8(6.7g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:395.3g/mol、測定値:395g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.43~7.55(m,9H),7.62(s,1H),7.84~92(m,4H)
【0080】
【0081】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-(ピリジン-4-イル)-1H-インドール8.5g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA8(6.8g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:396.3g/mol、測定値:396g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.41~7.55(m,6H),7.62(s,1H),7.84~92(m,4H),8.11~12(d,2H)
【0082】
[準備例10]A10の合成
【化51】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1,5-ジフェニル-1H-インドール10.3g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA10(8.6g、18.3mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:471.4g/mol、測定値:471g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.41~7.60(m,15H),7.63(s,1H),8.23~25(d,2H)
【0083】
[準備例11]A11の合成
【化52】
窒素気流下、1-(3-ブロモフェニル)-3-フェニル-3H-ベンゾ[e]インドール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA11(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:445.4g/mol、測定値:445g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.41~7.55(m,11H),7.62(s,1H),7.81~99(m,4H)
【0084】
[準備例12]A12の合成
【化53】
窒素気流下、1-(3-ブロモフェニル)-3-(ピリジン-4-イル)-3H-ベンゾ[e]インダゾール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA12(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:446.4g/mol、測定値:446g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.42~7.55(m,10H),7.62(s,1H),7.81~99(m,2H),8.21~23(d,2H)
【0085】
[準備例13]A13の合成
【化54】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[f]インドール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA13(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:445.4g/mol、測定値:445g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.42~7.55(m,11H),7.58(s,1H),7.61(s,1H),7.78(s,1H),7.81~85(m,2H)
【0086】
[準備例14]A14の合成
【化55】
窒素気流下、3-(3-ブロモフェニル)-1-フェニル-1H-ベンゾ[g]インダゾール9.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA14(7.6g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:445.37g/mol、測定値:445g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.42~7.54(m,11H),7.62(s,1H),7.82~89(m,4H)
【0087】
[準備例15]A15の合成
【化56】
窒素気流下、2-(3-ブロモフェニル)benzofuran6.7g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA15(5.5g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:320.2g/mol、測定値:320g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.11(s,1H),7.58(s,1H),7.67~7.89(m,7H)
【0088】
[準備例16]A16の合成
【化57】
窒素気流下、2-(3-ブロモフェニル)-1,1-dimethyl-1H-indene7.3g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA16(5.9g、17.1mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:346.28g/mol、測定値:346g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),1.69(s,6H),7.01(s,1H),7.45(s,1H),7.57~7.77(m,7H)
【0089】
[準備例17]A17の合成
【化58】
窒素気流下、2-(3-ブロモフェニル)ベンゾ[b]チオフェン7.0g(24.4mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)7.4g(29.2mol)、Pd(dppf)Cl
2 0.6g(0.7mmol)、KOAc7.2g(73.1mmol)、および1,4-ジオキサン(200ml)を混合し、130℃で6時間撹拌した。反応終了後、エチルアセテートで抽出した後、MgSO
4で水分を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のA17(6.1g、18.3mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:336.26g/mol、測定値:336g/mol)
1H-NMR:δ1.25(s,12H),7.51(s,1H),7.59(s,1H),7.72~7.92(m,7H)
【0090】
[合成例1]R1の合成
【化59】
窒素気流下、A1 6.8g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR1(8.4g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:653.8g/mol、測定値:653g/mol)
【0091】
[合成例2]R8の合成
【化60】
窒素気流下、A1 6.8g(17.1mmol)、2-ブロモ-4,6-ビス(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-1,3,5-トリアジン9.2g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR8(9.0g、13.1mmol、収率77%)を得た。
GC-Mass(理論値:681.8g/mol、測定値:682g/mol)
【0092】
[合成例3]R21の合成
【化61】
窒素気流下、A2 6.8g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR21(7.8g、11.9mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:654.8g/mol、測定値:655g/mol)
【0093】
[合成例4]R41の合成
【化62】
窒素気流下、A3 8.6g(18.3mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン9.3g(20.1mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(73.1mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR41(10.0g、13.7mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:729.9g/mol、測定値:730g/mol)
【0094】
[合成例5]R61の合成
【化63】
窒素気流下、A4 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR61(9.0g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:703.9g/mol、測定値:703g/mol)
【0095】
[合成例6]R68の合成
【化64】
窒素気流下、A4 7.6g(17.1mmol)、2-ブロモ-4,6-ビス(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-1,3,5-トリアジン9.2g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR68(9.4g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:731.8g/mol、測定値:731g/mol)
【0096】
[合成例7]R81の合成
【化65】
窒素気流下、A5 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR81(8.9g、12.6mmol、収率74%)を得た。
GC-Mass(理論値:703.9g/mol、測定値:704g/mol)
【0097】
[合成例8]R101の合成
【化66】
窒素気流下、A6 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR101(9.0g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:703.9g/mol、測定値:703g/mol)
【0098】
[合成例9]R121の合成
【化67】
窒素気流下、A7 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR121(8.9g、12.0mmol、収率74%)を得た。
GC-Mass(理論値:703.9g/mol、測定値:703g/mol)
【0099】
[合成例10]R141の合成
【化68】
窒素気流下、A8 6.7g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR141(8.3g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:652.8g/mol、測定値:653g/mol)
【0100】
[合成例11]R148の合成
【化69】
窒素気流下、A8 6.7g(17.1mmol)、2-ブロモ-4,6-ビス(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-1,3,5-トリアジン9.2g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR148(8.7g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:680.8g/mol、測定値:681g/mol)
【0101】
[合成例12]R161の合成
【化70】
窒素気流下、A9 6.8g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR161(7.9g、11.1mmol、収率71%)を得た。
GC-Mass(理論値:653.8g/mol、測定値:654g/mol)
【0102】
[合成例13]R181の合成
【化71】
窒素気流下、A10 8.6g(18.3mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン9.3g(20.1mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(73.1mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR181(10.0g、13.7mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:729.9g/mol、測定値:730g/mol)
【0103】
[合成例14]R201の合成
【化72】
窒素気流下、A11 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR201(9.0g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:703.9g/mol、測定値:703g/mol)
【0104】
[合成例15]R208の合成
【化73】
窒素気流下、A11 7.6g(17.1mmol)、2-ブロモ-4,6-ビス(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-1,3,5-トリアジン9.2g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR208(9.4g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:731.8g/mol、測定値:731g/mol)
【0105】
[合成例16]R221の合成
【化74】
窒素気流下、A12 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR221(8.9g、12.6mmol、収率74%)を得た。
GC-Mass(理論値:703.9g/mol、測定値:704g/mol)
【0106】
[合成例17]R241の合成
【化75】
窒素気流下、A13 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR241(9.0g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:702.9g/mol、測定値:703g/mol)
【0107】
[合成例18]R261の合成
【化76】
窒素気流下、A14 7.6g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR261(8.9g、12.0mmol、収率74%)を得た。
GC-Mass(理論値:702.9g/mol、測定値:703g/mol)
【0108】
[合成例19]R281の合成
【化77】
窒素気流下、A15 5.5g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR281(9.9g、12.8mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:577.7g/mol、測定値:578g/mol)
【0109】
[合成例20]R285の合成
【化78】
窒素気流下、A15 5.5g(17.1mmol)、2-ブロモ-4,6-ビス(ジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-1,3,5-トリアジン9.2g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR285(8.0g、13.1mmol、収率77%)を得た。
GC-Mass(理論値:605.7g/mol、測定値:606g/mol)
【0110】
[合成例21]R286の合成
【化79】
窒素気流下、A16 5.9g(17.1mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン8.7g(18.8mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.1g(51.2mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR286(7.2g、11.9mmol、収率70%)を得た。
GC-Mass(理論値:603.8g/mol、測定値:604g/mol)
【0111】
[合成例22]R291の合成
【化80】
窒素気流下、A17 6.1g(18.3mmol)、2-(3’-ブロモビフェニル-3-イル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン9.3g(20.1mmol)、1.0g(5mol%)のPd(PPh
3)
4、および炭酸カリウム7.6g(73.1mmol)と80ml/40ml/40mlのトルエン/H
2O/エタノールを入れて、110℃で3時間撹拌した。反応終了後、メチレンクロライドを用いて有機層を分離し、MgSO
4を用いて水を除去した。有機層の溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製して、目的化合物のR291(9.2g、13.7mmol、収率75%)を得た。
GC-Mass(理論値:669.9g/mol、測定値:670g/mol)
【0112】
[実施例1~6]緑色有機電界発光素子の作製
合成例で合成した化合物を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、以下の過程により緑色有機電界発光素子を作製した。
【0113】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を、蒸留水超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic405、Hwashin Tech)に搬送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を搬送した。
【0114】
このように用意されたITO透明電極上に、m-MTDATA(60nm)/TCTA(80nm)/R1、R8、R141、R148、R201、R208のそれぞれの化合物+10%Ir(ppy)3(300nm)/BCP(10nm)/Alq3(30nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、有機電界発光素子を作製した。
【0115】
m-MTDATA、TCTA、Ir(ppy)
3、CBPおよびBCPの構造は、下記の通りである。
【化81】
【0116】
[比較例1]緑色有機電界発光素子の作製
発光層の形成時、発光ホスト物質として、化合物R141の代わりにCBPを用いることを除けば、実施例1と同様の過程で緑色有機電界発光素子を作製した。
【0117】
[評価例1]
実施例1~6および比較例2で作製したそれぞれの緑色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm2における駆動電圧、電流効率および発光ピークを測定し、その結果を下記表1に示した。
【0118】
【0119】
前記表1に示すように、本発明に係る化合物(R1、R8、R141、R148、R201、R208)を緑色有機EL素子の発光層として用いた場合(実施例1~6)、従来のCBPを用いた緑色有機EL素子(比較例1)と比較してみる時、効率および駆動電圧の面でより優れた性能を示すことが分かる。
【0120】
[実施例7~28]青色有機電界発光素子の作製
合成例で合成した化合物を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、以下の過程により青色有機電界発光素子を作製した。
【0121】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を、蒸留水超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic405、Hwashin Tech)に搬送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を搬送した。
【0122】
前記のように用意されたITO透明電極上に、DS-205((株)ドゥサン電子80nm)/NPB(15nm)/ADN+5%DS-405((株)ドゥサン電子、30nm)/R1、R8、R21、R41、R61、R68、R81、R101、R121、R141、R148、R161、R181、R201、R208、R221、R241、R261、R281、R285、R286、R291(5nm)/Alq3(25nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、有機電界発光素子を製造した。
【0123】
[比較例2]青色有機電界発光素子の作製
電子輸送補助層物質としてR1を用いず、電子輸送層物質のAlq3を25nmの代わりに30nmに蒸着することを除けば、前記実施例6と同様に行って青色有機電界発光素子を作製した。
【0124】
前記実施例6~28および比較例2で使用されたNPB、ADN、およびAlq
3の構造は、下記の通りである。
【化82】
【0125】
[比較例3]青色有機電界発光素子の作製
電子輸送補助層物質として、R1の代わりに下記構造式のA1を用いたことを除けば、前記実施例6と同様に行って青色有機電界発光素子を作製した。
【化83】
【0126】
[評価例2]
実施例7~28および比較例2~3でそれぞれ製造された有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm2における駆動電圧、発光波長、電流効率を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0127】
【0128】
前記表2に示すように、本発明の化合物を電子輸送補助層に用いた青色有機電界発光素子(実施例6~28)は、電子輸送補助層がない青色有機電界発光素子(比較例2および3)に比べて、電流効率、発光ピークおよび駆動電圧の面で優れた性能を示すことが分かった。
【0129】
[実施例29~32]青色有機電界発光素子の作製
合成例で合成した化合物を通常知られた方法で高純度昇華精製をした後、以下の過程により緑色有機電界発光素子を作製した。
【0130】
まず、ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を、蒸留水超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV OZONE洗浄機(Power sonic405、Hwashin Tech)に搬送させた後、UVを用いて前記基板を5分間洗浄し、真空蒸着機に基板を搬送した。
【0131】
前記のように用意されたITO透明電極上に、DS-205((株)ドゥサン電子、80nm)/NPB(15nm)/ADN+5%DS-405((株)ドゥサン電子、30nm)/R1、R8、R21、R41それぞれの化合物(30nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)の順に積層して、有機電界発光素子を作製した。
【0132】
[比較例4]青色有機電界発光素子の作製
電子輸送層物質として、R1の代わりにAlq3を用いることを除けば、前記実施例29と同様に行って青色有機電界発光素子を作製した。
【0133】
[比較例5]青色有機電界発光素子の作製
電子輸送層物質として、R1を用いないことを除けば、前記実施例29と同様に行って青色有機電界発光素子を作製した。
【0134】
[評価例3]
実施例29~32および比較例2、3でそれぞれ作製した青色有機電界発光素子に対して、電流密度10mA/cm2における駆動電圧、電流効率、発光波長を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0135】
【0136】
前記表3に示すように、本発明の化合物を電子輸送層に用いた青色有機電界発光素子(実施例29~32)は、従来のAlq3を電子輸送層に用いた青色有機電界発光素子(比較例4)および電子輸送層がない青色有機電界発光素子(比較例5)に比べて、駆動電圧、発光ピークおよび電流効率の面で優れた性能を示すことが分かった。
【符号の説明】
【0137】
10:陽極
20:陰極
30:有機層
31:正孔輸送層
32:発光層
33:正孔輸送補助層
34:電子輸送層
35:電子輸送補助層
36:電子注入層
37:正孔注入層