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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20220127BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20220127BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20220127BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20220127BHJP
   F21K 9/27 20160101ALI20220127BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220127BHJP
   F21W 131/40 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
F21S9/02 200
F21S8/02 400
F21V23/04 130
F21V3/00 310
F21K9/27
F21S2/00 600
F21Y115:10
F21W131:40
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020115272
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2020-07-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年11月7日に日刊工業新聞にて公開 令和1年11月20~22日にINCHEM TOKYO 2019にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高村 公治
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157526(JP,A)
【文献】特開2019-029185(JP,A)
【文献】特開平10-241453(JP,A)
【文献】特開2016-162505(JP,A)
【文献】特開2016-035848(JP,A)
【文献】特開2019-175747(JP,A)
【文献】特開2017-103006(JP,A)
【文献】特開2018-147587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21S 8/02
F21V 23/04
F21V 3/00
F21K 9/27
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21W 131/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平常時にランプを点灯可能な光源ユニットと、
非常時に非常灯を点灯させる非常灯ユニットと、
前記光源ユニットおよび前記非常灯ユニットが収容される筐体とを備え、
前記非常灯ユニットには、動作確認用の点検スイッチが設けられ、
前記筐体は、開口を有するケースと、前記ケースの開口を塞ぐカバーとを含み、
前記カバーにはガラス板が設けられ、前記ガラス板には前記筐体の外部から前記点検スイッチを操作するためのスイッチユニットが設けられ、
前記スイッチユニットは、ユーザによって操作される操作ロッドと、前記操作ロッドを付勢するスプリングと、前記スプリングを保持する保持部材と、前記スイッチユニットが取り付けられる部分の前記ガラス板を補強する補強板とを含み、
前記ガラス板には貫通孔および取付孔が形成され、前記ガラス板の取付孔にはシール材が設けられ、
前記保持部材は、前記スプリングが収容される収容部と、挿通孔が形成された取付片とを有し、
前記補強板は、貫通孔が形成された板本体と、前記板本体から突出するように設けられたボルト部とを有し、
前記操作ロッドは、前記ガラス板および前記補強板の貫通孔に挿通されるロッド本体と、前記ロッド本体から径方向外側に張り出すフランジ部とを有しており、前記フランジ部の一方の面にシール材が設けられ、前記フランジ部の他方の面が前記スプリングによって付勢され、
前記ガラス板の取付孔および前記保持部材の挿通孔に前記補強板のボルト部が挿通された状態で、前記ボルト部にナットが締め付けられることにより、前記スイッチユニットが前記ガラス板に取り付けられ、
前記スイッチユニットは、非操作時に前記スプリングの付勢力によって前記フランジ部のシール材が前記ガラス板に押し付けられるとともに、操作時に前記スプリングの付勢力に抗して前記操作ロッドが押し込まれることによってその操作ロッドが前記点検スイッチを押すように構成されていることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クリーンルームや塗装ブースなどで用いられる安全増防爆型の照明装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の照明装置は、埋め込み型であり、室内を照らす光源と、光源が収容される筐体とを備えている。光源は直管型であり、筐体は矩形箱状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-306218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、照明装置に非常灯ユニットが設けられる場合には、その非常灯ユニットの点検作業の容易化が望まれる。たとえば、非常灯ユニットの点検の際に、筐体の開閉が必要になると、点検作業に要する時間が長くなることが考えられる。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、非常灯ユニットを容易に点検することが可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による照明装置は、平常時にランプを点灯可能な光源ユニットと、非常時に非常灯を点灯させる非常灯ユニットと、光源ユニットおよび非常灯ユニットが収容される筐体とを備える。非常灯ユニットには、動作確認用の点検スイッチが設けられている。筐体は、開口を有するケースと、ケースの開口を塞ぐカバーとを含む。カバーにはガラス板が設けられ、ガラス板には筐体の外部から点検スイッチを操作するためのスイッチユニットが設けられている。スイッチユニットは、ユーザによって操作される操作ロッドと、操作ロッドを付勢するスプリングと、スプリングを保持する保持部材と、スイッチユニットが取り付けられる部分のガラス板を補強する補強板とを含む。ガラス板には貫通孔および取付孔が形成され、ガラス板の取付孔にはシール材が設けられている。保持部材は、スプリングが収容される収容部と、挿通孔が形成された取付片とを有する。補強板は、貫通孔が形成された板本体と、板本体から突出するように設けられたボルト部とを有する。操作ロッドは、ガラス板および補強板の貫通孔に挿通されるロッド本体と、ロッド本体から径方向外側に張り出すフランジ部とを有しており、フランジ部の一方の面にシール材が設けられ、フランジ部の他方の面がスプリングによって付勢されている。ガラス板の取付孔および保持部材の挿通孔に補強板のボルト部が挿通された状態で、ボルト部にナットが締め付けられることにより、スイッチユニットがガラス板に取り付けられている。スイッチユニットは、非操作時にスプリングの付勢力によってフランジ部のシール材がガラス板に押し付けられるとともに、操作時にスプリングの付勢力に抗して操作ロッドが押し込まれることによってその操作ロッドが点検スイッチを押すように構成されている。
【0008】
このように構成することによって、スイッチユニットを用いて、筐体の内部に配置される点検スイッチの操作を行うことができるので、非常灯ユニットを容易に点検することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明装置によれば、非常灯ユニットを容易に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態による照明装置を示した斜視図である。
図2図1の照明装置のカバーが取り外されたケースを示した図である。
図3図1の照明装置のカバーを内側(裏面側)から見た図である。
図4図1の照明装置の非常灯ユニットの点検スイッチを含む面で切断した断面図である。
図5図4のスイッチユニットを拡大して示した断面図である。
図6】第2実施形態による照明装置を示した斜視図である。
図7図6の照明装置の開閉扉を開いた状態を示した図である。
図8図6の照明装置のスイッチユニットを示した図である。
図9図6の照明装置の非常灯ユニットの点検スイッチを示した図である。
図10図6の照明装置の非常灯ユニットの点検スイッチを含む面で切断した断面図である。
図11図10のスイッチユニットを拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、図1図5を参照して、本発明の第1実施形態による照明装置1について説明する。
【0017】
照明装置1は、安全増防爆型であり、たとえばクリーンルームや塗装ブースなどで用いられる。この照明装置1は、防塵防水性を有し、たとえばIP54に準拠するように構成されている。照明装置1は、埋め込み型であり、図4に示すように設置される場合に、吊りボルト101によって支持され、天井板102の埋込孔102aに嵌め合わされる。また、照明装置1は、図1に示すように、光源ユニット2と、非常灯ユニット3と、筐体4と、スイッチユニット5とを備えている。
【0018】
[光源ユニット]
光源ユニット2は、直管型のLEDランプ21が着脱可能に構成されている。たとえば、光源ユニット2は、1本のLEDランプ21を装着可能である。そして、光源ユニット2は、装着されたLEDランプ21を平常時に点灯可能に構成されている。光源ユニット2は、たとえばユーザからの操作指令に応じて、LEDランプ21の点灯または消灯を切り替え可能に設けられている。この光源ユニット2は、外部電源(図示省略)から供給される電力を用いてLEDランプ21を点灯させるようになっている。このため、光源ユニット2は、停電などの非常時にLEDランプ21を点灯不能になる。なお、LEDランプ21は、本発明の「ランプ」の一例である。
【0019】
[非常灯ユニット]
非常灯ユニット3は、非常灯31を有し、停電などの非常時に非常灯31を自動的に点灯させるように構成されている。すなわち、非常灯ユニット3は、電源(図示省略)が内蔵され、非常時に作動可能である。具体的に、非常灯ユニット3は、非常時を検出する機能を有しており、非常時が検出されていない場合(平常時の場合)に非常灯31を消灯させるとともに、非常時が検出された場合に非常灯31を点灯させるようになっている。
【0020】
また、非常灯ユニット3には、図2に示すように、非常灯ユニット3の動作確認用の点検スイッチ32が設けられている。点検スイッチ32は、非常時になった場合に非常灯ユニット3が適切に作動するか否かを平常時において確認するために設けられている。この点検スイッチ32は、後述する筐体4の開口41a側を向くように配置されている。たとえば、非常灯ユニット3は、点検スイッチ32が操作された場合に、非常灯31を一時的に点灯させるように構成されている。
【0021】
[筐体]
筐体4は、図1に示すように、矩形箱状に形成され、光源ユニット2および非常灯ユニット3を収容するように構成されている。この筐体4は、開口41aを有するケース41と、その開口41aを塞ぐカバー42とを含んでいる。
【0022】
ケース41は、たとえば鋼板製であり、光源ユニット2および非常灯ユニット3が内部に取り付けられている。ケース41内の光源ユニット2および非常灯ユニット3は、長手方向(X方向)に連なるように配置され、光源ユニット2のLEDランプ21および非常灯ユニット3の非常灯31が開口41a側に配置されている。図4に示すように、ケース41の天面に吊りボルト101が連結され、ケース41の大部分が天井裏S1に配置されている。
【0023】
カバー42は、図1に示すように、ケース41に着脱可能であり、ケース41に装着された場合に開口41aを塞ぐように構成されている。このカバー42は、鋼板製の矩形枠421と、矩形枠421の内側に設けられたガラス板422とを有する。矩形枠421には、複数のスプリングクリップ421a(図3参照)が設けられている。スプリングクリップ421aは、カバー42をケース41に取り付けるために設けられている。ガラス板422は、透明ガラス部422aと、すりガラス部422bとを有する。LEDランプ21および非常灯31が透明ガラス部422aと対応する位置に配置され、LEDランプ21および非常灯31から出射される光が透明ガラス部422aを透過するように構成されている。すりガラス部422bは、筐体4の内部の一部を隠すために設けられている。
【0024】
図4に示すように、カバー42は、室内S2側で天井板102に沿うように配置され、埋込孔102aを塞ぐように形成されている。カバー42とケース41との間にはシール材43が設けられ、筐体4と天井板102との間にはシール材44が設けられている。この筐体4では、たとえばLEDランプ21の交換時にカバー42が取り外される。
【0025】
[スイッチユニット]
スイッチユニット5は、筐体4の外部(室内S2側)から点検スイッチ32を操作するために設けられている。すなわち、スイッチユニット5は、ケース41からカバー42を取り外すことなく、筐体4の内部に配置された点検スイッチ32を操作するために設けられている。このスイッチユニット5は、カバー42のガラス板422のすりガラス部422bに設けられている。
【0026】
スイッチユニット5は、図5に示すように、ユーザによって操作される操作ロッド51と、操作ロッド51を付勢するスプリング52と、スプリング52を保持する保持部材53と、ガラス板422を補強する補強板54と、ガラス板422を保護する保護シート55と、ナット56と、シール材57および58とを含んでいる。
【0027】
ここで、ガラス板422には、操作ロッド51が配置される貫通孔422cが形成されるとともに、スイッチユニット5を取り付けるための一対の取付孔422dが形成されている。取付孔422dには、シール材57が設けられている。このシール材57は、取付孔422dに挿入される円筒状部571と、円筒状部571の一方端部(Y2方向側の端部)から外側に張り出すフランジ部572とを有する。
【0028】
補強板54は、スイッチユニット5が取り付けられる部分のガラス板422を補強するために設けられている。補強板54は、円形の板本体541と、板本体541から突出するように設けられたボルト部542とを有する。板本体541は、ガラス板422の外側(筐体4の外部側)に配置され、中央に貫通孔543が形成されている。貫通孔543には、操作ロッド51が配置されている。ボルト部542は、取付孔422dと対応するように2つ設けられている。
【0029】
保護シート55は、ガラス板422と板本体541との間に介在され、板本体541と対応するように円形に形成されている。すなわち、保護シート55は、板本体541がガラス板422に直接接触されないようにするために設けられている。保護シート55には、操作ロッド51が配置される貫通孔551が形成されるとともに、ボルト部542が配置される挿通孔552が形成されている。
【0030】
保持部材53は、ガラス板422の内側(筐体4の内部側)に配置されている。保持部材53は、スプリング52が収容される収容部531と、ガラス板422に取り付けられる取付片532と、収容部531および取付片532を連結する連結部533とを有する。収容部531(図3参照)は、有天筒状であり、天面部に貫通孔531aが形成されている。この収容部531は、開口部がガラス板422側に配置され、天面部がばね受け座として機能する。貫通孔531aには、操作ロッド51が配置されている。取付片532は、収容部531を挟み込むように一対で設けられている。取付片532は、収容部531の開口部側に配置され、ガラス板422と平行に配置されている。取付片532とガラス板422との間には、たとえばワッシャ59が設けられている。取付片532には、ボルト部542および円筒状部571が配置される挿通孔532aが形成されている。連結部533は、収容部531の天面部と、取付片532の収容部531側の端部とを連結するように構成されている。
【0031】
そして、保持部材53の挿通孔532aとワッシャ59とガラス板422の取付孔422dとにシール材57の円筒状部571が挿入されるとともに、保護シート55の挿通孔552と円筒状部571とに補強板54のボルト部542が挿通された状態で、ボルト部542にナット56が締め付けられることにより、スイッチユニット5がガラス板422に取り付けられている。このとき、シール材57によりガラス板422の取付孔422dがシールされている。なお、シール材57のフランジ部572は、取付片532とナット56との間に配置されている。
【0032】
操作ロッド51は、軸方向(Y1およびY2方向)に移動可能であり、ロッド本体511およびフランジ部512を有する。ロッド本体511は、補強板54の貫通孔543、保護シート55の貫通孔551、ガラス板422の貫通孔422cおよび保持部材53の貫通孔531aに挿通されている。ロッド本体511は、ガラス板422から外部側に突出するように設けられている。フランジ部512は、ロッド本体511から径方向外側に張り出すように形成されている。フランジ部512の一方の面(Y1方向側の面)には、シール材58が設けられている。
【0033】
スプリング52は、たとえば圧縮コイルばねであり、収容部531の天面部と操作ロッド51のフランジ部512との間に設けられている。このため、フランジ部512の他方の面(Y2方向側の面)がスプリング52によって付勢されている。すなわち、スプリング52により操作ロッド51がY1方向側(筐体4の外部側)に付勢されている。なお、スプリング52の内側には、操作ロッド51が配置されている。
【0034】
このようなスイッチユニット5では、ユーザによる操作が行われていない非操作時には、スプリング52の付勢力によってフランジ部512のシール材58がガラス板422に押し付けられる。このため、シール材58によりガラス板422の貫通孔422cがシールされる。このとき、操作ロッド51の一方端部51aが、点検スイッチ32から離間されている。
【0035】
そして、ユーザによる操作が行われる操作時には、ユーザによって操作ロッド51の他方端部51bがY2方向側に押し込まれる。このため、操作ロッド51がスプリング52の付勢力に抗してY2方向側に移動されることにより、操作ロッド51の一方端部51aが点検スイッチ32に当接し、点検スイッチ32が一方端部51aによって押し込まれる。このようにして点検スイッチ32が操作されると、非常灯ユニット3の動作確認が行われる。
【0036】
-効果-
第1実施形態では、上記のように、スイッチユニット5が設けられることによって、筐体4のカバー42を取り外すことなく、筐体4の内部に配置される点検スイッチ32の操作を行うことができるので、非常灯ユニット3を容易に点検することができる。
【0037】
また、第1実施形態では、カバー42のガラス板422にスイッチユニット5が取り付けられることによって、室内S2側から非常灯ユニット3を点検することができる。
【0038】
また、第1実施形態では、操作ロッド51のフランジ部512にシール材58が設けられることによって、操作ロッド51が配置されるガラス板422の貫通孔422cをシールすることができるので、防塵防水性の低下を抑制することができる。
【0039】
また、第1実施形態では、ガラス板422に取付孔422dが形成され、取付孔422dにシール材57が設けられることによって、取付孔422dをシールすることができるので、防塵防水性の低下を抑制することができる。
【0040】
また、第1実施形態では、補強板54が設けられることによって、スイッチユニット5が取り付けられる部分のガラス板422を補強することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図6図11を参照して、本発明の第2実施形態による照明装置6について説明する。
【0042】
照明装置6は、上記した照明装置1と同様に、安全増防爆型であり、防塵防水性を有する。照明装置6は、埋め込み型であり、設置される場合に、図示省略した天井板の埋込孔に嵌め合わされ、天井板に取り付けられる。この照明装置6は、図6に示すように、光源ユニット7と、非常灯ユニット8と、筐体9と、スイッチユニット10とを備えている。
【0043】
光源ユニット7は、直管型のLEDランプ71が着脱可能に構成されている。光源ユニット7の構成は、上記した光源ユニット2と同様である。なお、LEDランプ71は、本発明の「ランプ」の一例である。
【0044】
非常灯ユニット8は、非常灯81および点検スイッチ82(図9参照)を有する。点検スイッチ82は、後述する筐体9のケース91の側面側を向くように配置されている。非常灯ユニット8のその他の構成は、上記した非常灯ユニット3と同様である。
【0045】
筐体9は、矩形箱状に形成され、光源ユニット7および非常灯ユニット8を収容するように構成されている。この筐体9は、開口91a(図7参照)を有するケース91と、その開口91aを塞ぐカバー92とを含んでいる。ケース91(図7および図8参照)には、側面にスイッチユニット10が設けられている。カバー92は、ケース91に取り付けられる枠体921と、枠体921にヒンジ922を介して取り付けられる開閉扉923とを含んでいる。開閉扉923にはガラス板924が設けられ、ガラス板924は透明ガラス部924aおよびすりガラス部924bを有する。この筐体9では、たとえばLEDランプ71の交換時に開閉扉923が開かれる。筐体9のその他の構成は、上記した筐体4と同様である。
【0046】
スイッチユニット10は、筐体9の外部(天井裏側)から点検スイッチ82を操作するために設けられている。すなわち、スイッチユニット10は、筐体9の開閉扉923を開くことなく、筐体9の内部に配置された点検スイッチ82を操作するために設けられている。このスイッチユニット10は、ケース91の長手方向の一方側面に設けられている。
【0047】
スイッチユニット10は、図10に示すように、ユーザによって操作される操作ロッド11と、操作ロッド11を付勢するスプリング12と、スプリング12を保持する保持部材13と、操作ロッド11をガイドするガイド部材14と、ナット15および16(図8参照)と、シール材17とを含んでいる。
【0048】
ここで、ケース91の側面には、操作ロッド11が配置される貫通孔911(図11参照)が形成されるとともに、ボルト部912および913(図8参照)が形成されている。ボルト部912は保持部材13を取り付けるために設けられ、ボルト部913はガイド部材14を取り付けるために設けられている。ボルト部912および913は、それぞれ、貫通孔911を挟み込むように一対で設けられている。
【0049】
保持部材13は、図11に示すように、ケース91の内部に配置されている。保持部材13は、スプリング12が収容される収容部131と、ケース91に取り付けられる取付片132と、収容部131および取付片132を連結する連結部133とを有する。収容部131(図8参照)は、有天筒状であり、天面部に貫通孔131aが形成されている。この収容部131は、開口部がケース91の側面側に配置され、天面部がばね受け座として機能する。貫通孔131aには、操作ロッド11が配置されている。取付片132は、収容部131を挟み込むように一対で設けられている。取付片132には、ボルト部912が配置される挿通孔132aが形成されている。連結部133は、収容部131の天面部と、取付片132の収容部131側の端部とを連結するように構成されている。そして、保持部材13の挿通孔132aにケース91のボルト部912が挿通された状態で、ボルト部912にナット15が締め付けられることにより、保持部材13がケース91の側面に取り付けられている。
【0050】
操作ロッド11は、軸方向(X1およびX2方向)に移動可能であり、ロッド本体111およびフランジ部112を有する。ロッド本体111は、ケース91の貫通孔911および保持部材13の貫通孔131aに挿通されている。ロッド本体111は、ケース91から外部側に突出するように設けられている。フランジ部112は、ロッド本体111から径方向外側に張り出すように形成されている。フランジ部112の一方の面(X1方向側の面)には、シール材17が設けられている。
【0051】
スプリング12は、たとえば圧縮コイルばねであり、収容部131の天面部と操作ロッド11のフランジ部112との間に設けられている。このため、フランジ部112の他方の面(X2方向側の面)がスプリング12によって付勢されている。すなわち、スプリング12により操作ロッド11がX1方向側(筐体9の外部側)に付勢されている。なお、スプリング12の内側には、操作ロッド11が配置されている。
【0052】
図8に示すように、ガイド部材14は、操作ロッド11の撓みを抑制するために設けられている。このガイド部材14は、ケース91の側面に取り付けられる取付片141と、取付片141から非常灯ユニット8側に向けて延びるアーム部142と、アーム部142を連結する連結部143とを有する。取付片141およびアーム部142は、保持部材13の収容部131を挟み込むように一対で設けられている。取付片141には、挿通孔(図示省略)が形成されている。取付片141の挿通孔にボルト部913が挿通された状態で、ボルト部913にナット16が締め付けられることにより、ガイド部材14がケース91の側面に取り付けられている。連結部143は、非常灯ユニット8の点検スイッチ82(図9参照)の近傍に配置され、ガイド孔143aが形成されている。ガイド孔143aには、操作ロッド11が挿通されている。
【0053】
このようなスイッチユニット10では、ユーザによる操作が行われていない非操作時には、図11に示すように、スプリング12の付勢力によってフランジ部112のシール材17がケース91の側面に押し付けられる。このため、シール材17によりケース91の貫通孔911がシールされる。このとき、図10に示すように、操作ロッド11の一方端部11aが、点検スイッチ82から離間されている。
【0054】
そして、ユーザによる操作が行われる操作時には、ユーザによって操作ロッド11の他方端部11bがX2方向側に押し込まれる。このため、操作ロッド11がスプリング12の付勢力に抗してX2方向側に移動されることにより、操作ロッド11の一方端部11aが点検スイッチ82に当接し、点検スイッチ82が一方端部11aによって押し込まれる。このようにして点検スイッチ82が操作されると、非常灯ユニット8の動作確認が行われる。
【0055】
-効果-
第2実施形態では、上記のように、ガイド部材14が設けられることによって、ケース91の側面から点検スイッチ82までの距離が長い場合であっても、操作ロッド11の一方端部11aで点検スイッチ82を適切に押すことができる。
【0056】
また、第2実施形態では、ケース91の側面にスイッチユニット10が取り付けられることによって、スイッチユニット10の操作ロッド11を天井裏側に隠すことができる。
【0057】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0058】
(他の実施形態)
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0059】
たとえば、第1実施形態では、光源ユニット2が直管型のLEDランプ21を点灯可能に構成される例を示したが、これに限らず、光源ユニットがその他のランプを点灯可能に構成されていてもよい。なお、第2実施形態についても同様である。
【0060】
また、第1実施形態では、光源ユニット2が1本のLEDランプ21を装着可能である例を示したが、これに限らず、光源ユニットが複数本のLEDランプを装着可能であってもよい。なお、第2実施形態についても同様である。
【0061】
また、第1実施形態では、すりガラス部422bがガラス板422に設けられる例を示したが、これに限らず、すりガラス部がガラス板に設けられていなくてもよいし、すりガラス部に代えて不透明なシートがガラス板に設けられていてもよい。なお、第2実施形態についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、平常時にランプを点灯可能な光源ユニットと、非常時に非常灯を点灯させる非常灯ユニットと、光源ユニットおよび非常灯ユニットが収容される筐体とを備える照明装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1、6 照明装置
2、7 光源ユニット
3、8 非常灯ユニット
4、9 筐体
5、10 スイッチユニット
11、51 操作ロッド
12、52 スプリング
13、53 保持部材
17、57、58 シール材
21、71 LEDランプ(ランプ)
31、81 非常灯
32、82 点検スイッチ
41、91 ケース
41a、91a 開口
42、92 カバー
54 補強板
56 ナット
111、511 ロッド本体
112、512 フランジ部
422、924 ガラス板
422c、543、911 貫通孔
422d 取付孔
531 収容部
532 取付片
532a 挿通孔
541 板本体
542 ボルト部
【要約】
【課題】非常灯ユニットを容易に点検することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、平常時にLEDランプ21を点灯可能な光源ユニット2と、非常時に非常灯31を点灯させる非常灯ユニット3と、光源ユニット2および非常灯ユニット3が収容される筐体4とを備える。非常灯ユニット3には、動作確認用の点検スイッチが設けられている。筐体4には、筐体4の外部から点検スイッチを操作するためのスイッチユニット5が設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
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図5
図6
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図9
図10
図11