(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】電子膨張弁用のバルブコア
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
(21)【出願番号】P 2020151302
(22)【出願日】2020-09-09
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】201910910289.3
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520349089
【氏名又は名称】江西鴎迪銅業有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangxi Audy Brasswork Inc.
【住所又は居所原語表記】No.1,Shuangting Road,Taoyuan Street,Yiyang County,Shangrao,Jiangxi,334400,China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】姚鵬
(72)【発明者】
【氏名】陳振賓
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-546987(JP,A)
【文献】特開昭57-9379(JP,A)
【文献】中国実用新案第208153754(CN,U)
【文献】中国実用新案第202992195(CN,U)
【文献】国際公開第2013/057695(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
31/00-31/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子膨張弁用のバルブコアであって、ロータコア(2)と、前記ロータコア(2)の外側に覆設される中空のロータスリーブ(1)を含み、前記ロータコア(2)は、案内部(21)と、直径が前記案内部(21)よりも小さな位置規制部(22)からなり、前記ロータスリーブ(1)の内孔は、前記案内部(21)が摺動して嵌入する案内部孔(11)と、前記位置規制部(22)が摺動して貫通する位置規制部孔(12)に分けられ、前記位置規制部(22)のうち前記位置規制部孔(12)を貫通して伸出する伸出端には、脱落防止用のサークリップを装着するための装着溝(221)が設けられており、前記位置規制部孔(12)の孔径は前記案内部(21)の直径よりも小さいバルブコアにおいて、
前記案内部(21)のうち前記位置規制部(22)から離間する側の一端の側壁には第1位置決めリブ(211)が設けられており、前記位置規制部(22)のうち前記装着溝(221)よりも内側の側壁には第2位置決めリブ(222)が設けられており、前記案内部孔(11)の外端には、前記第1位置決めリブ(211)と一致する第1位置決め溝(111)が設けられており、前記位置規制部孔(12)の内側壁には、前記第2位置決めリブ(222)を嵌入可能とする第2位置決め溝(121)が設けられていることを特徴とするバルブコア。
【請求項2】
前記第2位置決め溝(121)は前記位置規制部孔(12)の内側壁全体を貫通しており、前記第2位置決めリブ(222)は、貫通した前記第2位置決め溝(121)に完全に嵌入可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項3】
前記第2位置決め溝(121)は、前記位置規制部孔(12)の内側壁における階段状のメクラ穴であり、前記第2位置決めリブ(222)は、階段状のメクラ穴である前記第2位置決め溝(121)に完全に嵌入可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項4】
前記案内部(21)の長さは、前記位置規制部(22)よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項5】
前記第1位置決め溝(111)と前記案内部孔(11)の内壁とが階段状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項6】
前記ロータスリーブ(1)は磁気ロータスリーブであり、前記磁気ロータスリーブの周壁には均一に分布する10対の磁極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項7】
前記第1位置決めリブ(211)と前記第2位置決めリブ(222)はいずれも2個1対存在しており、これらはそれぞれ前記案内部(21)の側壁と前記位置規制部(22)の側壁に対称に分布しており、
前記第1位置決め溝(111)と前記第2位置決め溝(121)はいずれも2個1対存在しており、これらはそれぞれ前記案内部孔(11)の外端と前記位置規制部孔(12)の内側壁に対称に分布していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項8】
前記第1位置決めリブ(211)と前記第2位置決めリブ(222)はいずれも4個2対存在しており、これらはそれぞれ前記案内部(21)の側壁と前記位置規制部(22)の側壁に対称に分布しており、
前記第1位置決め溝(111)と前記第2位置決め溝(121)はいずれも4個2対存在しており、これらはそれぞれ前記案内部孔(11)の外端と前記位置規制部孔(12)の内側壁に対称に分布していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【請求項9】
前記第1位置決めリブ(211)と前記第2位置決めリブ(222)はいずれも6個3対存在しており、これらはそれぞれ前記案内部(21)の側壁と前記位置規制部(22)の側壁に対称に分布しており、
前記第1位置決め溝(111)と前記第2位置決め溝(121)はいずれも6個3対存在しており、これらはそれぞれ前記案内部孔(11)の外端と前記位置規制部孔(12)の内側壁に対称に分布していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電子膨張弁用のバルブコア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷房やヒートポンプシステム分野における電子膨張弁に関し、特に、電子膨張弁の内部に使用されるバルブコアに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、電子膨張弁は冷房やヒートポンプシステムの分野に幅広く利用されており、スロットルによる流体の圧力低下や流量の調節に用いられる。電子膨張弁は、調整パラメータにより信号が生成されると、コンピュータに設定されたプログラムに基づいて、コイルに印加される電圧又は電流を制御することで磁場を発生させる。これにより、主弁体のバルブコアを回転駆動させて弁口の流路面積を変更することで、流量を自動調節するとの目的を達成する。
【0003】
図1~
図3に示すように、現在のところ電子膨張弁に使用されているバルブコアは、ロータスリーブ1と、ロータスリーブ1内に嵌装されるロータコア2から構成される。ロータスリーブ1の内部には内壁全体を貫通する線状の位置決め溝101が1対設けられており、ロータコア2の外壁には、当該線状の位置決め溝101に嵌入可能な線状の位置決めリブ201が1対設けられている。ロータスリーブ1とロータコア2は、各々の線状の位置決め溝101と線状の位置決めリブ201との係合によって組み付けられる。ロータスリーブ1の内部には内壁全体を貫通する線状の位置決め溝101が1対設けられているため、ロータスリーブ1のうち線状の位置決め溝101が設けられた位置は、ほかの側壁の位置よりもやや薄く、弱くなっている。つまり、ロータのうち位置決め溝が設けられた位置には薄く弱い箇所が存在する。そのため、ロータの動作時に内部の磁場分布にムラができ、動作時に運転が安定しなかったり、ロータの運転にズレが生じて不十分になったり等の問題が発生する結果、機能や性能が劣る。また、バルブコア全体の動作の信頼性を保障するために、ロータスリーブ1に使用される材料はネオジム磁石とされる。しかし、ネオジム磁石には硬くて脆いとの特徴があるため、ロータが外力による衝撃を受けると、薄く弱くなった箇所が破損しやすく、一定の品質上の潜在リスクが存在する。このような場合には、ロータの動作時の機能や性能が影響を受けないよう保障し、且つ、薄く弱くなった箇所が破損しやすくならないよう、ロータの体壁全体をやや分厚くすることになるが、そうするとロータの生産コストが増大してしまう。このほか、現在のバルブコアのロータは磁気ロータであり、当該磁気ロータの周壁には10対の磁極が均一に分布している。そのため、磁気ロータの内側壁の厚さが同一でない場合には内部の磁場分布にムラが生じ、このムラによって膨張弁全体の動作時の揺らぎが大きくなることがある結果、膨張弁の性能に支障をきたす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の瑕疵を解消し、合理的な構造で品質が確実であり、性能にいっそう優れ、且つ低コストのバルブコアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術方案を用いる。即ち、電子膨張弁用のバルブコアであって、ロータコア2と、当該ロータコア2の外側に覆設される中空のロータスリーブ1を含む。前記ロータコア2は、案内部21と、直径が当該案内部21よりも小さな位置規制部22からなる。前記ロータスリーブ1の内孔は、当該案内部21が摺動して嵌入する案内部孔11と、当該位置規制部22が摺動して貫通する位置規制部孔12に分けられる。前記位置規制部22のうち当該位置規制部孔12を貫通して伸出する伸出端には、脱落防止用のサークリップを装着するための装着溝221が設けられている。前記位置規制部孔12の孔径は当該案内部21の直径よりも小さい。前記案内部21のうち当該位置規制部22から離間する側の一端の側壁には第1位置決めリブ211が設けられており、前記位置規制部22のうち当該装着溝221よりも内側の側壁には第2位置決めリブ222が設けられている。前記案内部孔11の外端には、第1位置決めリブ211と一致する第1位置決め溝111が設けられており、前記位置規制部孔12の内側壁には、当該第2位置決めリブ222を嵌入可能とする第2位置決め溝121が設けられている。
【0006】
前記電子膨張弁のバルブコアにおいて、第2位置決め溝121は前記位置規制部孔12の内側壁全体を貫通しており、第2位置決めリブ222は、貫通した第2位置決め溝121に完全に嵌入可能である。第2位置決め溝121は、前記位置規制部孔12の内側壁における階段状のメクラ穴であり、第2位置決めリブ222は、階段状のメクラ穴である第2位置決め溝121に完全に嵌入可能である。
【0007】
更に、前記案内部21の長さは当該位置規制部22よりも長い。
【0008】
更に、前記第1位置決め溝111と当該案内部孔11の内壁とが階段状をなしている。
【0009】
前記電子膨張弁用のバルブコアにおいて、前記ロータスリーブ1は磁気ロータスリーブであり、当該磁気ロータスリーブの周壁には均一に分布する10対の磁極が設けられている。
【0010】
前記電子膨張弁のバルブコアにおいて、前記第1位置決めリブ211と第2位置決めリブ222はいずれも2個1対存在しており、これらはそれぞれ案内部21の側壁と位置規制部22の側壁に対称に分布している。また、前記第1位置決め溝111と第2位置決め溝121はいずれも2個1対存在しており、これらはそれぞれ案内部孔11の外端と位置規制部孔12の内側壁に対称に分布している。
【0011】
前記電子膨張弁のバルブコアに基づいて、本発明の電子膨張弁のバルブコアには以下のような変形があり得る。
【0012】
1.前記第1位置決めリブ211と第2位置決めリブ222はいずれも4個2対存在しており、これらはそれぞれ案内部21の側壁と位置規制部22の側壁に対称に分布している。且つ、前記第1位置決め溝111と第2位置決め溝121はいずれも4個2対存在しており、これらはそれぞれ案内部孔11の外端と位置規制部孔12の内側壁に対称に分布している。
【0013】
2.前記第1位置決めリブ211と第2位置決めリブ222はいずれも6個3対存在しており、これらはそれぞれ案内部21の側壁と位置規制部22の側壁に対称に分布している。また、前記第1位置決め溝111と第2位置決め溝121はいずれも6個3対存在しており、これらはそれぞれ案内部孔11の外端と位置規制部孔12の内側壁に対称に分布している。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は下記の通りである。即ち、本発明の第1位置決め溝111と第2位置決め溝121は、ロータスリーブの内孔における案内部孔の外端箇所と位置規制部孔の内壁にそれぞれ設けられており、且つ、第1位置決め溝111と案内部孔の内壁とが階段状をなしている。これにより、ロータスリーブの側壁の厚さが同一となる結果、ロータ内部の側壁に薄く弱い箇所が存在しなくなる。よって、動作時に磁場分布が均一となって動作が安定するとともに、ロータスリーブの体壁全体を分厚くする必要もなくなる。これにより、ロータスリーブの生産コストが節約されるほか、ロータスリーブが外力からの衝撃を受けた場合の品質上の潜在リスクも存在しなくなるため、品質が確実となる。且つ、ロータスリーブの側壁の厚さが同一のため、内部の磁場分布が均一となる結果、膨張弁全体の動作時における揺らぎが小さくなり、運転精度が良好となる。これにより、構造が合理的となり、品質が確実になるとともに、低コストとなる。
【0015】
以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本発明につき更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、従来のバルブコアの斜視図である(底面から見た場合)。
【
図2】
図2は、従来のバルブコアの斜視図である(上面から見た場合)。
【
図3】
図3は、従来のバルブコアの装着を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の斜視
図1である(底面から見た場合)。
【
図5】
図5は、本発明の斜視
図2である(上面から見た場合)。
【
図8】
図8は、本発明のロータスリーブの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
電子膨張弁用のバルブコアは、
図4~
図8に示すように、ロータコア2と、当該ロータコア2の外側に覆設される中空のロータスリーブ1を含む。前記ロータスリーブ1は磁気ロータスリーブとすればよく、当該磁気ロータスリーブの周壁には、均一に分布する10対の磁極が設けられている。前記ロータコア2は、案内部21と、直径が当該案内部21よりも小さな位置規制部22からなる。また、前記ロータスリーブ1の内孔は、当該案内部21が摺動して嵌入する案内部孔11と、当該位置規制部22が摺動して貫通する位置規制部孔12に分けられる。前記位置規制部22のうち当該位置規制部孔12を貫通して伸出する伸出端には、脱落防止用のサークリップを装着するための装着溝221が設けられている。前記位置規制部孔12の孔径は当該案内部21の直径よりも小さい。即ち、ロータコア2がロータスリーブ1の内孔に嵌入しても、案内部21は位置規制部孔12に入り得ない。これにより、位置規制部孔からのロータコアの滑り出しが防止される。前記案内部21のうち当該位置規制部22から離間する側の一端の側壁には、第1位置決めリブ211が設けられている。また、前記位置規制部22のうち当該装着溝221よりも内側の側壁には、第2位置決めリブ222が設けられている。また、前記案内部孔11の外端には、第1位置決めリブ211と一致する第1位置決め溝111が設けられている。また、前記位置規制部孔12の内側壁には、内側壁全体を貫通し、当該第2位置決めリブ222を嵌入可能とする第2位置決め溝121が設けられている。
【0018】
本実施例では、組み立ての際に、まずロータコア2における位置規制部22が設けられた側の一端をロータスリーブ1の内孔に嵌め込む。このとき、案内部21の外側壁と案内部孔11の内側壁が接触することで案内作用が奏される。そして、案内部21の案内作用の下で、ロータコア2をゆっくりと下方に摺動させると、ロータコア2の下方へのゆっくりとした摺動に伴い、位置規制部22が位置規制部孔12に挿通されて、端部がロータスリーブ1の外部に露出する。また、これと同時に、案内部21の第1位置決めリブ211と位置規制部22の第2位置決めリブ222が、それぞれ第1位置決め溝111と第2位置決め溝121に嵌入する。そして、最後に、脱落防止用のサークリップを位置規制部22の伸出端における装着溝221に装着することで、ロータスリーブとロータコアの組み立てが完了する。
【0019】
前記案内部21の長さは、当該位置規制部22よりも長い。
【0020】
前記第1位置決め溝111と当該案内部孔11の内壁とは階段状をなしている。即ち、第1位置決め溝111は案内部孔の内壁全体を貫通しているわけではない。
【0021】
本実施例における前記第1位置決めリブ211と第2位置決めリブ222はいずれも2個1対存在しており、これらはそれぞれ案内部21の側壁と位置規制部22の側壁に対称に分布している。また、前記第1位置決め溝111と第2位置決め溝121はいずれも2個1対存在しており、これらはそれぞれ案内部孔11の外端と位置規制部孔12の内側壁に対称に分布している。
【実施例2】
【0022】
電子膨張弁用のバルブコアにおいて、第2位置決め溝121は、前記位置規制部孔12の内側壁における階段状のメクラ穴とし、第2位置決めリブ222を階段状のメクラ穴である第2位置決め溝121に完全に嵌入可能としてもよい。また、第1位置決めリブ211と第2位置決めリブ222はいずれも4個2対存在しており、これらはそれぞれ案内部21の側壁と位置規制部22の側壁に対称に分布している。且つ、前記第1位置決め溝111と第2位置決め溝121はいずれも4個2対存在しており、これらはそれぞれ案内部孔11の外端と位置規制部孔12の内側壁に対称に分布している。その他については実施例1と同様である。
【実施例3】
【0023】
電子膨張弁用のバルブコアにおいて、第1位置決めリブ211と第2位置決めリブ222はいずれも6個3対存在しており、これらはそれぞれ案内部21の側壁と位置規制部22の側壁に対称に分布している。また、前記第1位置決め溝111と第2位置決め溝121はいずれも6個3対存在しており、これらはそれぞれ案内部孔11の外端と位置規制部孔12の内側壁に対称に分布している。その他については実施例1と同様である。
【0024】
比較例1:
従来技術において、電子膨張弁のバルブコアは、ロータスリーブ1と、ロータスリーブ1内に嵌装されるロータコア2から構成される。前記ロータスリーブ1は磁気ロータスリーブとすればよく、当該磁気ロータスリーブの周壁には均一に分布する10対の磁極が設けられている。ロータスリーブ1の内部には内壁全体を貫通する線状の位置決め溝101が1対設けられており、ロータコア2の外壁には、当該線状の位置決め溝101に嵌入可能な線状の位置決めリブ201が1対設けられている。ロータスリーブ1とロータコア2は、各々の線状の位置決め溝101と線状の位置決めリブ201との係合によって組み付けられる。
【0025】
効果の比較:
1.各実施例及び比較例における電子膨張弁のロータスリーブ1(規格:外径15.8mm、内径12mm)を20個ずつ準備した。そして、GB/T(推奨国家標準)2423.8-1995(自由落下試験法)に基づいて落下高さ1mで試験を実施し、各群の破損率を観察したところ、試験結果は表1のようになった。
【0026】
2.各実施例及び比較例における電子膨張弁のロータスリーブ1(規格:外径15.8mm、内径12mm)を20個ずつ準備した。そして、GB/T 6804-2008(焼結金属スリーブの圧環強さ測定)に基づき圧環強さ試験を実施したところ、試験結果は表1のようになった。
【0027】
【0028】
3.各実施例及び比較例におけるバルブコアを電子膨張弁に装入したものを20個ずつ準備した。そして、同じ指令パラメータによって電子膨張弁の調整過程における運転状態を観察したところ、試験結果は表2のようになった。
【0029】
4.各実施例及び比較例におけるバルブコアを電子膨張弁(定格動作電圧規格:DC12V±1.2V)に装入したものを20個ずつ準備した。そして、電圧を低下させながら電子膨張弁が動作するか否かを観察することで、各電子膨張弁の最小反応電圧を測定したところ、試験結果は表2のようになった。
【0030】
【0031】
表1より、以下が明らかである。実施例1~3の第1位置決め溝111と第2位置決め溝121は、ロータスリーブ1の案内部孔11の外端箇所と位置規制部孔12の側壁にそれぞれ設けられており、且つ、第1位置決め溝111と案内部孔11の内壁とが階段状をなしている。そのため、ロータスリーブは、第1位置決め溝が存在する部分のわずかな壁の厚さを除いて、案内部孔が存在する部分の壁の厚さが同一となる。ロータスリーブの壁の厚さが均一であることから、ロータスリーブが外力からの衝撃を受けたとしても品質上の潜在リスクは存在せず、落下破損率が低下し、且つ圧環強さが増大する。よって、ロータスリーブの厚さを増大する必要がなく、ロータスリーブの生産コストの節約になると同時に、品質もより確実となる。
【0032】
表2より、以下が明らかである。実施例1~3のバルブコアが組み付けられた電子膨張弁は、動作時にバルブコア内部の磁場分布が均一となるため、動作が安定する。また、最小反応電圧も低下し、動作感度が良好になる。よって、本発明によれば品質が確実となる。
【0033】
上記の実施例は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲の内容に基づき行われる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の技術範囲に属するとみなされる。