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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】緊締装置およびセンサケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01R 11/11 20060101AFI20220104BHJP
   H01R 4/48 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H01R11/11 Z
H01R4/48 Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020161087
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2021057343
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】10 2019 006 783.5
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】308011030
【氏名又は名称】ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Draegerwerk AG & Co.KGaA
【住所又は居所原語表記】Moislinger Allee 53-55,Luebeck,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス グラースル
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-047683(JP,A)
【文献】実公昭39-004538(JP,Y1)
【文献】米国特許第06487430(US,B1)
【文献】実開昭56-117478(JP,U)
【文献】実開昭48-015173(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 11/11
H01R 4/48-4/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサケーブル(2)を電気接点に電気的に接続する緊締装置(1)であって、当該緊締装置(1)は、弾性変形可能な環状のフレーム(3)を有し、該フレーム(3)は、フレーム内側領域(4)、該フレーム内側領域(4)とは反対の側のフレーム外面(5)、前記フレーム内側領域(4)に面したフレーム内面(6)、第1のフレーム端面(7)および該第1のフレーム端面(7)とは反対の側の第2のフレーム端面(8)を有し、当該緊締装置(1)はさらに、前記フレーム(3)に保持されかつ前記フレーム内側領域(4)内へ延びる当接装置(9)ならびに前記フレーム(3)に配置されかつ前記当接装置(9)の方向に前記フレーム内側領域(4)内へ延びる、保持部材(11)を備えた保持装置(10)を有し、前記当接装置(9)と前記保持装置(10)とは、当該緊締装置(1)の保持位置において、前記当接装置(9)の端部領域と前記保持装置(10)の端部領域との間に、前記電気接点を受容しかつ保持するための受容空間を形成するように形成され、
当該緊締装置(1)は、前記フレーム内側領域(4)を貫通する第1のフレーム軸線(12)上で前記フレーム外面(5)の両側を押圧することにより、前記保持装置(10)が前記第1のフレーム軸線(12)から離反する移動をして、前記保持装置(10)が前記当接装置(9)に対して相対的に第1の解放位置へ動かされ、これにより前記電気接点を前記受容空間から解放することができ、かつ前記第1のフレーム軸線(12)とは異なる、前記フレーム内側領域(4)を貫通する第2のフレーム軸線(13)上で前記フレーム外面(5)の両側を外側から押圧することにより、前記保持装置(10)が前記第2のフレーム軸線(13)から離反する移動をして、前記保持装置(10)が前記当接装置(9)に対して相対的に、前記第1の解放位置とは異なる第2の解放位置へ動かされ、これにより前記電気接点を前記受容空間から解放することができるように形成され、
前記第1のフレーム軸線(12)が前記保持装置(10)の一方の側に、前記第2のフレーム軸線(13)が前記保持装置(10)の他方の側に配置されている、
緊締装置(1)。
【請求項2】
前記保持装置(10)は、前記第2のフレーム軸線(13)の一方の側および他方の側に配置された保持部材(11)を有して、当該緊締装置(1)は、前記第2のフレーム軸線(13)上で前記フレーム外面(5)の両側を押圧することにより、前記保持部材(11)同士離反する方向に移動する、請求項記載の緊締装置(1)。
【請求項3】
前記フレーム(3)は、複数のヒンジ領域(14)を有して、これらのヒンジ領域(14)は、前記第1のフレーム軸線(12)および/または前記第2のフレーム軸線(13)上で前記フレーム外面(5)の両側を押圧することに応じて撓むように形成されている、請求項1または2記載の緊締装置(1)。
【請求項4】
前記当接装置(9)は、前記保持装置(10)に面した当接端部に、前記電気接点を部分的に包囲して当接する当接窪みを有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項5】
前記当接装置(9)には、当該緊締装置(1)と前記電気接点とを電気的に接続するために電気コンタクト(16)が配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項6】
前記電気コンタクト(16)は、当該緊締装置(1)と前記電気接点との電気的な接続を、当該緊締装置(1)の前記第1のフレーム端面と前記第2のフレーム端面の両方を介して行うことができるように形成されかつ配置されている、請求項記載の緊締装置(1)。
【請求項7】
前記フレーム外面(5)は少なくとも部分的に、滑り止め式の表面(17)を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項8】
前記フレーム端面(7,8)のうちの少なくとも一方は、平らにかつ/または湾曲されて形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項9】
当該緊締装置(1)は、当該緊締装置(1)をケーブル(19)に電気的に接続するための、前記フレーム外面(5)に配置されたケーブルインタフェース(18)を有し、該ケーブルインタフェース(18)は、前記ケーブル(19)を前記フレーム内側領域(4)に対して側方に案内するように形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項10】
当該緊締装置(1)は、プラスチックから一体に成形されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項11】
当該緊締装置(1)は、周囲にプラスチックが射出成形されたばね部材(22)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の緊締装置(1)。
【請求項12】
電気接点を診断装置と電気的に接続するセンサケーブル(2)であって、当該センサケーブル(2)は、少なくとも単心ケーブル(19)と、当該センサケーブル(2)を電気接点に電気的に接続する少なくとも1つの緊締装置(1)とを有し、
前記少なくとも1つの緊締装置(1)は、請求項1から11までのいずれか1項記載の緊締装置(1)として形成されていることを特徴とする、
センサケーブル(2)。
【請求項13】
前記ケーブル(19)は、複数の導体(20)を備えて多心式に形成され、当該センサケーブルは、複数の緊締装置(1)を有して、これらの緊締装置(1)はそれぞれ、前記ケーブル(19)の異なる導体(20)と電気的に接続されている、請求項12記載のセンサケーブル(2)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの緊締装置(1)は、前記ケーブル(19)に流し込み成形されている、請求項12または13記載のセンサケーブル(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサケーブルを電極に電気的に接続する緊締装置に関する。さらに本発明は、電極を診断装置に電気的に接続するセンサケーブルに関する。
【0002】
背景技術
センサケーブルを、緊締装置を介して電極に電気的に接続することは周知である。このために従来の電極はしばしば導電性のリベットを有しており、このリベットを、緊締装置が挟み込むことができるようになっている。センサケーブルの他方の端部は、例えば患者モニタ、心電図装置、脳波装置等といった診断装置に電気的に接続するように形成されており、このために例えば多心コネクタを有している。診断装置により、例えば2つの電極間の電位差が検出可能であると共に、診断装置のオペレータに対して可視化可能でありかつ/または音響出力可能である。診断装置は例えば、時間に関連する前記のような電位差および電位差の変化から心拍数またはST区間を求めると共に、視覚的かつ/または音響的に出力するように形成されていてよい。
【0003】
刊行物である米国特許第9226680号明細書、独国特許発明第19643988号明細書、米国特許第4040697号明細書、米国特許第6397439号明細書、独国特許出願公開第4009938号明細書、米国特許第2011151728号明細書および米国特許第2004203273号明細書からは、請求項1の上位概念に記載の様々な緊締装置が公知である。これらの緊締装置は、2つの緊締ジョーを備えた緊締領域および2つの操作面を供えた操作領域を有している。操作面に押圧力を加えることにより、緊締領域の緊締ジョーは互いに離反する方向に可動であり、これにより緊締装置を電極に配置することもしくは電極から外すことが可能である。操作面に対する押圧力を低下させることにより、緊締ジョーは再び互いに接近する方向に可動である。このために緊締装置は、戻しばねもしくは戻しばね部を有している。
【0004】
センサケーブルを電極に電気的に接続する従来の緊締装置は特に、センサケーブルのねじれにより不都合な力およびモーメントが電極ひいては患者に伝達される恐れがある、という欠点を有している。さらに、従来の緊締装置はしばしば、緊締装置を電極に接続することができる唯一つの優先側しか有していない。多くの緊締装置の別の欠点は、操作面が、比較的密に相並んで配置された電極の場合にはオペレータにとって接近し難くなっているため、特に緊締装置を電極から分離する際に不本意な傾動モーメントが電極に伝達される、という点にある。このことは、患者にとって極めて不快に感じられると共に、電極の解離につながる恐れがある。この問題は、特に例えば幼児等の幼い患者の場合に生じる。その上、多くの緊締装置は、極めて手間をかけねば殺菌することができない分離接合部を有している、という欠点を有している。最後に、大抵の緊締装置は、いわゆる「モノリード」、すなわち複数のケーブルがまとめられた1つの総合ケーブルにおける使用には、幾何学形状的な構成に基づき全くまたは限定的にしか適していない。
【0005】
発明の開示
前記従来技術から出発して本発明の根底を成す課題は、前記欠点を有さないまたは少なくとも部分的に有さない緊締装置ならびにセンサケーブルを提供することにある。したがって本発明の課題は特に、簡単な手段を用いた廉価な方式で、緊締装置と電極との簡単な電気的な接続ならびに分離を保証すると同時に、オペレータにとって改善された操作性および/または患者にとって改善された快適性を保証する、センサケーブルを電極に電気的に接続する緊締装置ならびに電極を診断装置に電気的に接続するセンサケーブルを提供することにある。
【0006】
前記課題は、独立特許請求項1記載の特徴を有する緊締装置ならびに並列特許請求項14記載の特徴を有するセンサケーブルにより解決される。本発明の別の特徴および詳細は、下位請求項、本明細書および図面から明らかである。この場合、本発明による緊締装置に関連して記載された特徴および詳細は当然、本発明によるセンサケーブルにも関連しておりかつその逆も言え、個別の発明の態様についての開示に関して常に相互参照されたいもしくはしてよい。
【0007】
本発明の第1の態様に基づき、前記課題は、センサケーブルを電気接点と電気的に接続する緊締装置により解決される。当該緊締装置は、弾性変形可能な環状のフレームを有しており、この場合、フレームは、フレーム内側領域、フレーム内側領域とは反対の側のフレーム外面、フレーム内側領域に面したフレーム内面、第1のフレーム端面および第1のフレーム端面とは反対の側の第2のフレーム端面を有している。さらに当該緊締装置は、電気接点に当接するようにフレームに保持されかつフレーム内側領域内へ延びる当接装置ならびにフレームに配置された、保持部材を備えた保持装置を有している。当接装置および保持装置は、緊締装置の保持位置において電気接点を受容しかつ保持するための受容空間を形成するように形成されている。本発明に基づき当該緊締装置は、フレーム内側領域を貫通する第1のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより、保持装置が当接装置に対して相対的に第1の解放位置へ動かされ、これにより電気接点を受容空間から解放することができるように形成されている。さらに当該緊締装置は、第1のフレーム軸線とは異なる、フレーム内側領域を貫通する第2のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより、保持装置が当接装置に対して相対的に、第1の解放位置とは異なる第2の解放位置へ動かされ、これにより電気接点を受容空間から解放することができるように形成されている。
【0008】
当該緊締装置は、好適には、無荷重状態において保持位置を形成するように形成されている。さらに当該緊締装置は、電気接点のリベットと電気的かつ機械的に接続するように形成されている。電気接点は、電極、例えば規格に従って人間の心電図測定に用いられる電極等の電気接点として形成されていてよい。フレーム内側領域内で当接装置と保持装置とにより形成される受容空間は、リベットを少なくとも部分的に受容するように形成されている。受容空間は、例えば当接装置と保持装置とにより、リベットが保持位置において形状接続式に受容空間内に保持されているように形成される。このためには、当接装置および保持装置により供与された、互いに間隔をあけて配置された3つの保持点で足りる。さらに好適には、当該緊締装置は、リベットの周を全体的にまたは少なくとも部分的に包囲するように形成されている。周を全体的に包囲するとは、本発明の枠内では少なくとも360°にわたる包囲を意味する。
【0009】
特に好適には、当該緊締装置は、特に当該緊締装置の互いに相対的に可動の構成部材の間に、密な接合部を全く有していない。密な接合部は、例えば直接に隣り合うもしくは接触し合う2つの構成部材の間の接合部である。2mm超の接合幅を有する接合部は、本発明の枠内ではいずれにしろ密な接合部ではない。このことは、当該緊締装置は特に容易に洗浄もしくは殺菌され得る、という利点を有している。よって、患者への感染リスクが低下させられている。
【0010】
第1のフレーム軸線は、好適には第1のフレーム端面の面中心点と第2のフレーム端面の面中心点とを通って延びるフレーム中心軸線と交差している。よって、フレームを弾性的に圧縮する力の作用点はそれぞれ、フレーム外面において互いに反対側の箇所に配置されている。好適には、第1のフレーム軸線はフレーム中心軸線と、第1のフレーム端面と第2のフレーム端面との間の中心で交差している。好適には、第1のフレーム軸線は、第1のフレーム端面および/または第2のフレーム端面に対して平行に延びている。第2のフレーム軸線は、好適にはフレーム中心軸線と交差している。好適には、第2のフレーム軸線はフレーム中心軸線と、第1のフレーム端面と第2のフレーム端面との間の中心で交差している。好適には、第2のフレーム軸線は、第1のフレーム端面および/または第2のフレーム端面に対して平行に延びている。好適には、第1のフレーム軸線と第2のフレーム軸線とは、1つの共通の平面に配置されている。本発明に基づき好適には、第1のフレーム軸線と第2のフレーム軸線との間の角度は45°~90°である。好適には、この角度は90°である。
【0011】
フレームは、弾性変形可能に形成されている。つまり、フレーム外面に対する押圧力によるフレームの変形により、フレームの戻し力を生ぜしめることができ、この場合、戻し力は、フレームを再び元の形状に戻すように形成されている。当該緊締装置は、特にフレームに荷重が加えられていないときに、電気接点もしくは電気接点のリベットを保持位置に保持するように形成されている。本発明に基づき、フレーム内側領域の部分領域に、例えば発泡材、網目構造体等といった充填材が配置されている、ということが想定されていてもよい。これにより、当該緊締装置の安定性が改良され得る。
【0012】
電気接点もしくは電気接点のリベットを保持するために、当該緊締装置は、フレーム内側領域内へ延びる当接装置ならびに保持装置を有している。本発明に基づき、保持装置は、当接装置に対して相対的に可動の、好適には旋回可能な保持部材を有している。フレームの無荷重状態において、リベットを当接装置と保持部材との受容空間内に保持することもしくは挟み込むことができる。無荷重状態とは、本発明の枠内では特に、フレーム外面の両側に押圧力が一切作用していないフレーム状態を意味する。それにもかかわらず、フレームは、例えば物体、特に電気接点のリベットが受容空間内に配置されておりひいては当接装置と保持装置とに接触しているときに、無荷重状態において弾性応力を有していてよい。好適には、当接装置および/または保持部材は、フレームの無荷重状態においてリベットのアンダカット内に係合するように形成されている。
【0013】
さらに好適には、当該緊締装置からリベットを取り外すための、当該緊締装置の第1の解放位置ならびに第2の解放位置への変形を改良するために、別の保持部材は一切設けられていない。当該緊締装置の第1の解放位置もしくは第2の解放位置とは、本発明の枠内では、受容空間が少なくとも、この受容空間からリベットが脱出する方向に開かれているように、当接装置と保持装置、特に保持部材とが互いに配置されていることを意味する。つまりリベットは、当該緊締装置の第1の解放位置ならびに第2の解放位置では、当該緊締装置から容易に分離可能もしくは当該緊締装置に容易に挿入可能である。
【0014】
当該緊締装置からリベットを取り外すためもしくは当該緊締装置をリベットと電気的かつ機械的に接続するために、本発明では2つの手段が存在する。第1のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することによりフレームは変形可能であり、これにより、当接装置と保持装置とは互いに相対的に第1の解放位置を占めることになる。第1の解放位置では、受容空間はリベットを解放するために少なくとも1つの方向に開かれており、これにより、リベットを当該緊締装置から取り外すことができるようになっている。第2のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することによりフレームは変形可能であり、これにより、当接装置と保持装置とは互いに相対的に第2の解放位置を占めることになり、この場合、第2の解放位置は、第1の解放位置とは異なっている。
【0015】
本発明による緊締装置は、従来の緊締装置に比べ、簡単な手段でかつ廉価な方式で、例えば大人または子供用の市販の心電図電極等の電気接点、特に電気接点のリベットとの電気的かつ機械的な接続が保証されている、という利点を有している。さらに当該緊締装置は、当該緊締装置のそれぞれ異なるフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより当該緊締装置を外すことができる、という大きな利点を有している。このことは特に、密に相並んで位置する電気接点、特に電極において、当該緊締装置を外すための作用点が隣接する緊締装置の近傍に位置しており、これにより当該緊締装置の取外しが隣接する緊締装置により妨げられる場合に有利である。つまり、例えば第1のフレーム軸線に対して90°回動させられた第2のフレーム軸線上で両側を圧縮してフレームを開くことにより、別の緊締装置との不本意な衝突を容易に回避することができる。
【0016】
本発明の1つの好適な改良では、当該緊締装置において、当該緊締装置は、第1のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより、保持装置の、当接装置からの離反運動を生ぜしめることができるように形成されている、ということが想定されていてよい。このために好適には、保持装置は第2のフレーム軸線に沿って延在している。フレームの両側を押圧することにより、フレームは、好適には押圧点同士は接近し合い、約90°だけ押圧点から離れたフレーム点同士は互いに離れるように、変形可能である。保持装置は、好適にはこれらのフレーム点のうちの一方に隣接するようにフレームに配置されており、これにより、保持装置と当接装置との間の間隔は拡大することになる。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で第1の解放位置が実現されている、という利点を有している。
【0017】
好適には、当該緊締装置は、第2のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を外側から押圧することにより、保持装置の、第2のフレーム軸線からの離反運動を生ぜしめることができるように形成されている。フレームの両側を押圧することにより、フレームは、好適には押圧点同士は接近し合い、約90°だけ押圧点から離れたフレーム点同士は互いに離れるように、変形可能である。保持装置は、好適にはこれらのフレーム点のうちの一方に隣接するようにフレームに配置されており、これにより、保持装置もしくは保持部材の離反旋回を、特に受容空間内に配置されたリベットと協働して生ぜしめることができる。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で第2の解放位置が実現されている、という利点を有している。
【0018】
好適には、保持装置は2つの保持部材を有しており、この場合、当該緊締装置は、第2のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより、保持部材同士の離反運動を生ぜしめることができるように形成されている。つまり、第2のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより、フレームは、特に保持部材同士の離反旋回により2つの保持部材同士の間隔が拡大されるように変形可能である。これにより、第2の解放位置が実現される。この場合、当該緊締装置は、好適には2つの保持部材が互いに反対の方向に離反運動するように形成されている。この場合、本発明では、保持部材は方向および/または範囲に関してそれぞれ異なる運動を実施する、ということが想定されていてもよい。このように動作する場合、択一的に当該緊締装置は、一方の保持部材だけが他方の保持部材から離反運動、特に離反旋回し、この時他方の保持部材は、当接装置に対するその相対的な位置を変えないように形成されていてもよい。本発明では、さらに別の保持部材が設けられていてもよい。好適には、当該緊締装置は、第2のフレーム軸線に対して最大約30°だけ回動させられたフレーム軸線のフレーム外面の両側を押圧することにより、保持部材を互いに離反運動させることができ、好適には旋回させることができるように形成されている。2つ以上の保持部材は、簡単な手段でかつ廉価な方式で、当該緊締装置の保持力を増大させることができかつ当該緊締装置の解離を容易にすることができる、という利点を有している。
【0019】
本発明の1つの好適な改良では、当該緊締装置において、フレームは複数のヒンジ領域を有しており、この場合、ヒンジ領域は、第1のフレーム軸線および/または第2のフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することに対する反応として撓むように形成されている、ということが想定されていてよい。この場合、好適には、少なくとも2つのヒンジ領域が、隣接する第1のフレーム軸線または第2のフレーム軸線に対して等距離に配置されている。好適には、ヒンジ領域はそれぞれ、フレームの先細り部として形成されている。先細り部は、好適にはフレーム外面とフレーム内面との間の間隔に関する。追加的または択一的に、ヒンジ領域は別の材料、特に各ヒンジ領域の間に形成されたフレーム領域よりも高い弾性を有する材料から形成されていてもよい。ヒンジ領域の間に形成されたフレーム領域は、本発明では非可撓性もしくは剛性に形成されていてもよい。この場合、フレームの、本発明に基づく弾性変形は、好適にはヒンジ領域を介して保証される。ヒンジ領域は、比較的剛性のフレーム材料を使用することができるもしくはフレーム外面の両側を押圧することにより当該緊締装置を外すためのフレームの変形が、簡単な手段でかつ廉価な方式で容易にされている、という利点を有している。
【0020】
本発明に基づき好適には、当接装置は、保持装置に面した当接端部に、電気接点を部分的に包囲して当接する当接窪みを有している。当接窪みは、好適には市販の電気接点、特に例えば大人または子供の心電図電極等の市販の電極のリベットの外側の曲率に対応するかまたは少なくとも実質的に対応する内側の曲率を供えた湾曲部を有している。よって当接窪みは、第1のフレーム端面から見て好適には凹状または少なくとも部分的に凹状の構成を有している。このような当接窪みは特に、簡単な手段でかつ廉価な方式で、電気接点における当該緊締装置の、特により確実な保持が保証されている、という利点を有している。
【0021】
さらに好適には、当接装置には、当該緊締装置と電気接点とを電気的に接続するために電気コンタクトが配置されている。択一的または追加的に、保持装置、特に第1の保持部材および/または場合により存在する第2の保持部材にも電気コンタクトが配置されていてよい。好適には、電気コンタクトは当接端部に形成されている。さらに好適には、電気コンタクトは、当接端部または当接端部の少なくとも一部を形成している。電気コンタクトは、好適にはフレームのフレーム厚さの少なくとも1/2に相当するコンタクト厚さを有している。フレーム厚さとは、本発明の枠内で、フレーム外面とフレーム内面との間の間隔を意味する。好適には、電気コンタクトは、当接装置の当接厚さの少なくとも1/2に相当するコンタクト厚さを有している。電気コンタクトは、好適には、フレームに荷重が加えられておらずかつ緊締装置に電気接点が保持されているときに、電気接点のリベットと電気コンタクトとの間に電気的な接触接続が生ぜしめられるように形成されかつ配置されている。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で、センサケーブルと電気接点との間に電気的な接触接続を生ぜしめることができる、という利点を有している。
【0022】
本発明の1つの特に好適な構成では、緊締装置において、電気コンタクトは、当該緊締装置と電気接点との電気的な接続を、当該緊締装置の第1のフレーム端面と第2のフレーム端面の両方を介して行うことができるように形成されかつ配置されている、ということが想定されていてよい。この場合、電気コンタクトが対称に形成されていると好適である。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で当該緊締装置と電気接点との接続が簡単にされている、という利点を有している。それというのも、当該緊締装置の一方の任意のフレーム端面を介して接続を行うことができるからである。よって、電気接点に対する当該緊締装置の位置調整が大幅に簡単になっており、これにより、オペレータによる接続は、例えばブラインドでも行うことができる。
【0023】
好適には、フレーム外面は少なくとも部分的に、滑り止め式の表面を有している。滑り止め式の表面は、好適には少なくとも第1のフレーム軸線および/または第2のフレーム軸線とフレーム外面との交差領域内に形成されている。1つの滑り止め式の表面セグメントは、好適にはフレームの周方向において少なくとも1cmのセグメント長さを有している。択一的に、滑り止め式の表面は、フレーム外面の全周に配置されていてもよい。さらに好適には、フレーム外面全体が、滑り止め式の表面として形成されている。滑り止め式の表面は、好適には粗面部、溝、突起等を有している。択一的または追加的に、滑り止め式の表面は、コーティングとして形成されていてよいか、またはコーティングを有していてよい。好適には、フレーム外面は前記交差領域に、好適な押圧点を可視化するためのマーキングを有している。可視化部は、本発明ではフレームの比較的大きなフレーム厚さとして形成されていてもよい。択一的または追加的に、可視化部は、グレースケールコントラストおよび/またはカラーコントラストとして形成されていてもよい。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で、当該緊締装置の操作、特に両側を押圧することによるフレームの変形が改良されている、という利点を有している。それというのも、押圧点からスリップする危険が減少されていると共に、オペレータにとって好適な押圧点をより良好に認識することができるようになっているからである。
【0024】
本発明の1つの好適な実施形態では、少なくとも一方のフレーム端面が平らにかつ/または湾曲されて形成されている。好適には、両方のフレーム端面が平らにまたは湾曲されて形成されている。湾曲部は、好適には凸状に形成されている。さらに好適には、フレーム端面とフレーム外面との間の少なくとも1つの縁部、好適には2つの縁部は、丸み付けられている。当該緊締装置、特にフレーム端面の表面は、好適には実質的に平滑に形成されている。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で、特に容易に洗浄もしくは殺菌され得る緊締装置が提供されている、という利点を有している。
【0025】
好適には、当該緊締装置は、プラスチックから一体に形成されている。好適には、プラスチックはばね弾性的な特性を有している。このような緊締装置は、簡単な手段でかつ廉価な方式で製造可能である。
【0026】
特に好適には、当該緊締装置は、当該緊締装置をケーブルに電気的に接続するためのケーブルインタフェースを有しており、この場合、ケーブルインタフェースは、ケーブルをフレーム内側領域に対して側方に案内するように形成されている。換言すると、ケーブルインタフェースは、ケーブルを接線もしくは接線に近似した割線に従って案内するように形成されている。つまりこのことはセンサケーブルに関して、センサケーブルのケーブルから当該緊締装置が突出していることを意味する。ケーブルインタフェースは、好適にはケーブルを直線的にガイドするように形成されている。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で、当該緊締装置により、当該緊締装置と電気接点との、ケーブルから電気接点に伝達される曲げモーメントが特に少ない接続を可能にするセンサケーブルを形成することができる、という利点を有している。
【0027】
さらに好適には、当該緊締装置は、周囲にプラスチックが射出成形されたばね部材を有している。ばね部材は、好適にはばね鋼等から製造されている。このような緊締装置は、簡単な手段でかつ廉価な方式で製造可能であると共に、さらに、改良されたばね弾性的な特性を有している。
【0028】
本発明の第2の態様に基づき、前記課題は、電気接点を診断装置と電気的に接続するセンサケーブルにより解決される。センサケーブルは、少なくとも単心ケーブルと、センサケーブルを電気接点に電気的に接続する少なくとも1つの緊締装置とを有している。本発明では、少なくとも1つの緊締装置は、本発明による緊締装置として形成されている。
【0029】
緊締装置は、好適には緊締装置がケーブルから側方に突出するようにもしくはケーブルに偏心的に保持されているように、ケーブルと機械的に接続されている。その上、緊締装置は好適には、緊締装置の電気コンタクトが、緊締装置と電気接点、特に電気接点、特に電極のリベットとの電気的な接続のためにケーブルの導体に電気的に接続されているように、ケーブルと電気的に接続されている。
【0030】
説明したセンサケーブルでは、本発明の第1の態様による緊締装置について既に説明した全ての利点が得られる。つまり本発明によるセンサケーブルは、従来のセンサケーブルに比べ、簡単な手段でかつ廉価な方式で、センサケーブルと、電気接点、特に例えば大人または子供用の市販の心電図電極等の電極のリベットとの電気的かつ機械的な接続が保証されている、という利点を有している。さらに当該センサケーブルは、緊締装置のそれぞれ異なるフレーム軸線上でフレーム外面の両側を押圧することにより緊締装置を外すことができる、という大きな利点を有している。このことは特に、密に相並んで位置する電気接点において、緊締装置を外すための作用点が隣接する緊締装置の近傍に位置しており、これにより緊締装置の取外しが隣接する緊締装置により妨げられる場合に有利である。つまり、例えば第1のフレーム軸線に対して90°だけ回動させられた第2のフレーム軸線上で両側を圧縮してフレームを開くことにより、別の緊締装置との不本意な衝突を容易に回避することができる。
【0031】
好適には、ケーブルは複数の導体を備えて多心式に形成されており、当該センサケーブルは、複数の緊締装置を有しており、この場合、緊締装置はそれぞれ、ケーブルの異なる導体と電気的に接続されている。緊締装置は、好適には緊締装置がケーブルから側方に突出するようにもしくはケーブルに偏心的に保持されているように、ケーブルと機械的に接続されている。その上、緊締装置は好適にはそれぞれ、ケーブルの固有の導体と電気的に接続されており、これにより緊締装置の電気コンタクトは、緊締装置と電気接点、特に電極のリベットとの電気的な接続のために、ケーブルの各導体と電気的に接続されている。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で、複数の電気接点をセンサケーブルに接続することができる、という利点を有している。
【0032】
特に好適には、少なくとも1つの緊締装置が、特に水密かつ/または形状接続式にケーブルに接続されている、特に流し込み成形されている。この場合、少なくとも1つの緊締装置とケーブルとの間に分離接合部が一切形成されていないと好適である。このことは、簡単な手段でかつ廉価な方式で容易に洗浄され得るもしくは容易に殺菌可能なセンサケーブルが提供されておりひいては患者における感染のリスクが低下させられている、という利点を有している。
【0033】
好適な実施例
本発明を改良する別の手段は、図示する本発明のいくつかの実施例に関する以下の説明から明らかである。請求項、本明細書または図面から明らかになる全ての特徴および/または利点は、構造的な細部および空間的な配置も含め、それ自体も、様々な組合せにおいても、本発明にとって重要なものであり得る。それぞれを概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による緊締装置の好適な第1の実施形態を示す斜視図である。
図2図1に示した緊締装置の平面図である。
図3】本発明による緊締装置の好適な第2の実施形態を示す斜視図である。
図4】本発明による緊締装置の好適な第3の実施形態を示す斜視図である。
図5】本発明による緊締装置の好適な第4の実施形態を示す斜視図である。
図6】本発明によるセンサケーブルの好適な第1の実施形態を示す平面図である。
図7】本発明によるセンサケーブルの好適な第2の実施形態を示す平面図である。
【0035】
同一の機能および作用形式を有する部材には、図1図7においてそれぞれ同一の符号を付してある。
【0036】
図1および図2には、本発明による緊締装置1の好適な第1の実施形態が斜視図で概略的に示されている。緊締装置1は、環状のフレーム3を有しており、フレーム3は、フレーム内側領域4の全周を包囲している。フレーム3は、フレーム内側領域4とは反対の側のフレーム外面5、フレーム内側領域に面したフレーム内面6ならびにフレーム外面5とフレーム内面6との間に形成されて見えている第1のフレーム端面7およびこの図面では見えない、第1のフレーム端面7とは反対の側の第2のフレーム端面8を有している。
【0037】
フレーム3は、フレーム3にわたり配分された複数のヒンジ領域14を有している。ヒンジ領域14は、この好適な第1の実施例では、フレーム3の先細り部としてかつフレーム外面5の凹状延在部として形成されている。各ヒンジ領域14の間に形成されたフレーム外面5の領域は、フレーム3を両側において圧縮するオペレータ用の把持面21として形成されている。この図面ではフレーム3の下側に、ケーブルインタフェース18がフレーム3に形成されている。ケーブルインタフェース18を介して、緊締装置1はケーブル19に電気的かつ機械的に接続されている。ケーブルインタフェース18は、ケーブル19がフレーム3に対して実質的に接線方向に案内されているように形成されている。
【0038】
ケーブルインタフェース18の、フレーム内側領域4に面した側には、電気接点(図示せず)のリベット(図示せず)に当接する当接装置9が形成されている。当接装置9は、リベットの部分領域を受容するために当接窪み15を有している。当接窪み15の所定の領域は、リベットとケーブル19との間に電気的な接続を生ぜしめる電気コンタクト16として形成されている。フレーム3の、当接面9とは反対の側には、保持装置10が配置されている。保持装置10は、互いに間隔をあけて配置された2つの保持部材11を有しており、保持部材11は、互いに収束しつつフレーム内側領域4内へ延びている。保持部材11の、当接装置9に隣接する端部領域は、電気接点のリベットに当接するように形成されている。緊締装置1は、無荷重状態で、つまり電気接点のリベットを保持する保持状態で図示されている。
【0039】
図1および図2には、第1のフレーム軸線12および第1のフレーム軸線12に対して90°に配置された第2のフレーム軸線13が例示的に示されている。第1のフレーム軸線12と第2のフレーム軸線13とは、第1のフレーム端面7もしくは第2のフレーム端面8に対して平行でありかつ第1のフレーム端面7と第2のフレーム端面8との間に配置された、1つの共通の面を張設している。第1のフレーム軸線12上で把持面21の両側を押圧することにより、フレーム3の、この図面では左右のフレーム部分が、互いに接近する方向に可動である。その結果、フレームの、この図面では上下のフレーム部分は、互いに離反する方向に動く。つまりこれにより、当接装置9と保持装置10とが互いに離反する方向に動くため、電気接点のリベットを解放することができる。第2のフレーム軸線13上で把持面21の両側を押圧することにより、フレーム3の、この図面では上下のフレーム部分が、互いに接近する方向に可動である。その結果、両保持部材11が互いに離反する方向に旋回するため、電気接点のリベットを解放することができる。
【0040】
図3には、本発明による緊締装置1の好適な第2の実施形態が斜視図で概略的に示されている。この緊締装置1は、第1の実施形態による緊締装置1と、特にフレーム3に対する保持部材11の接続部において相違している。さらに、第2のフレーム軸線13上にヒンジ領域14が配置されている。最後に、フレーム外面5の把持面21は、滑り止め式の表面17を有している。
【0041】
図4には、本発明による緊締装置1の好適な第3の実施形態が斜視図で概略的に示されている。第3の実施形態による緊締装置1は、図1図3に示した緊締装置1と、特に保持装置10が1つの保持部材11のみを有しているという点において相違している。保持部材11-ひいては保持装置10全体-は、当接装置9に対して斜めに配置されている。1つの択一的な実施形態では、保持部材11は、当接装置9に直面しているか、または当接装置9と共に1つの共通の列内に配置されていてもよい。図示の状態では、フレーム3は無荷重状態にあり、電気接点のリベットを緊締装置1内に挟み込むことができる。第2のフレーム軸線13上で把持面21の両側を押圧することにより、フレーム3の、この図面では上下のフレーム部分が、互いに接近する方向に可動である。その結果、保持部材11が当接装置9から-この図面では時計回り方向に-離反する方向に旋回させられるため、電気接点のリベットを解放することができる。
【0042】
図5には、本発明による緊締装置1の好適な第4の実施形態が斜視図で概略的に示されている。第4の実施形態による緊締装置1は、図1図3に示した緊締装置1と、特にフレームがほぼ環状のばね部材22を有しており、ばね部材22は、周囲にフレーム材料が流し込み成形もしくは射出成形されているという点において相違している。よって好適には、ばね部材22は、フレーム3のフレーム外面5と、フレーム内面6と、第1のフレーム端面7と、第2のフレーム端面8との間に配置されている。ばね部材22は、変形後にフレーム3を図示の無荷重状態に戻すように形成されており、フレーム3の無荷重状態では、リベットを緊締装置1により挟み込むことができる。ケーブルインタフェース18の領域で、ばね部材22は中断されている。好適には、ばね部材22はケーブルインタフェース18に保持されているもしくはケーブルインタフェース18に固定されている。ばね部材22は、好適にはばね鋼から成っているか、または好適には少なくともばね鋼を有している。
【0043】
図6には、本発明によるセンサケーブル2の好適な第1の実施形態が平面図で概略的に示されている。この図面には、センサケーブル2の一部のみが示されている。好適には、センサケーブル2は一方の端部に、分析装置に電気的に接続するコネクタ(図示せず)を有している。センサケーブル2は、電気的に互いに絶縁された複数の個別の導体20を備えたケーブル19を有している。ケーブル19には、複数の本発明による緊締装置1が互いに間隔をあけられて、ケーブル19から側方に突出するように配置されている。この実施例では、各緊締装置1は互いに反対の2つの側においてケーブル19から突出している。好適には、緊締装置1は、緊締装置1とケーブル19との間に分割接合部が一切存在していないようにケーブル19に保持されている。このことは、これによりセンサケーブル2をより簡単に殺菌することができる、という利点を有している。各緊締装置1は、ケーブル19の異なる導体20と電気的に接続されている。
【0044】
図7には、本発明によるセンサケーブル2の好適な第2の実施形態が平面図で概略的に示されている。本発明によるセンサケーブル2の好適な第2の実施形態は、図6に示した第1の実施形態と、特に各緊締装置1が全て同じ側においてケーブル19から突出しているという特徴において、相違している。
【符号の説明】
【0045】
1 緊締装置
2 センサケーブル
3 フレーム
4 フレーム内側領域
5 フレーム外面
6 フレーム内面
7 第1のフレーム端面
8 第2のフレーム端面
9 当接装置
10 保持装置
11 保持部材
12 第1のフレーム軸線
13 第2のフレーム軸線
14 ヒンジ領域
15 当接窪み
16 電気コンタクト
17 滑り止め式の表面
18 ケーブルインタフェース
19 ケーブル
20 導体
21 把持面
22 ばね部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7