IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベーの特許一覧

特許6991302吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法
<>
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図1
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図2
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図3
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図4
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図5
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図6
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図7
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図8
  • 特許-吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】吸収性物品および吸収性物品を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/476 20060101AFI20220104BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20220104BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A61F13/476
A61F13/56 110
A61F13/15 390
A61F13/15 356
A61F13/15 357
A61F13/15 360
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020500117
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2017067071
(87)【国際公開番号】W WO2019007529
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペータル・レンバリ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ブロムストレーム
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0283131(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0138636(US,A1)
【文献】特開2012-213420(JP,A)
【文献】特表平07-506037(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1138294(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/476
A61F 13/56
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体浸透性表シート(3)、液体不浸透性裏シート(4)、および前記表シート(3)と前記裏シート(4)との間に挟まれる吸収性芯材(5)を有する主本体(2)を備える吸収性物品(1)であって、前記主本体(2)は、縦軸(Y1)と、前記縦軸(Y1)に対して垂直な方向に延びる横軸(X1)とに沿って配置され、前記主本体(2)は前部分(6)、後部分(7)、および股部分(8)を画定し、前記物品(1)は第1の羽根部(9)および第2の羽根部(10)を備え、前記第1の羽根部(9)および前記第2の羽根部(10)は、前記主本体(2)の前記股部分(8)から外方に、前記縦軸(Y1)に関して非対称に反対方向へ且つ前記横軸(X1)に概ね沿って延び、前記羽根部(9、10)には、前記主本体(2)に重なるように前記縦軸(Y1)に向けて折り畳まれるときに前記羽根部(9、10)を衣服に留め付けるように構成される留め付け手段(11、12)が設けられ、
各々の羽根部は、概して第1の直線(20a)に沿って外側縁(14、15)まで延びる第1の縁区域(20)と、概して第2の直線(21a)に沿って前記外側縁(14、15)まで延びる第2の縁区域(21)とを有し、前記第1の直線(20a)および前記第2の直線(21a)は平行ではなく、前記第1の直線(20a)は前記縦軸(Y1)に対して第1の角度(α2)を画定し、前記第2の直線(21a)は前記縦軸(Y1)に対して第2の角度(α3)を画定し、前記角度(α2、α3)の大きさはα2<α3となるように選択され、前記第2の角度(α3)は90°より大きく、前記羽根部(9、10)に、前記留め付け手段(11、12)とさらなる縁(21、23)との間に把持タブを構成する領域(24、25)が形成され、前記領域(24、25)は接着剤で覆われないことを特徴とする吸収性物品(1)。
【請求項2】
前記第1の角度(α2)の大きさは20°<α2<55°となるように選択される、請求項1に記載の吸収性物品(1)。
【請求項3】
前記第2の角度(α3)の大きさは70°<α3<110°となるように選択される、請求項1または2に記載の吸収性物品(1)。
【請求項4】
前記縦軸(Y1)および前記横軸(X1)が延在する平面において、前記横軸(X1)に対して0°を超えるが45°未満である第1の角度(α1)を画定する共通の直線(13)が延在しており、
記羽根部(9、10)は、前記共通の直線(13)に概して沿って延びる、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項5】
各々の羽根部(9、10)の前記外側縁(14、15)は、概して真っ直ぐで前記縦軸(Y1)と平行であ、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項6】
前記共通の直線(13)は、前記第1の羽根部(9)の前記外側縁(14)における第1の縁中間点(16)と、前記第2の羽根部(10)の前記外側縁(15)における第2の縁中間点(17)との間で延び、前記中間点(16、17)は、前記外側縁(14、15)に沿って中間に位置決めされ、前記羽根部(9、10)の最も外側の点を画定する、請求項4に記載の吸収性物品(1)。
【請求項7】
各々の羽根部(10)の前記外側縁(15)と前記縦軸(Y1)との間に画定されるような第1の距離(d1)が40~100mmの範囲にある、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項8】
前記主本体(2)の各々の縦辺の少なくとも一部が、各々の羽根部(9、10)が前記主本体(2)と交わる第1の羽根部折り畳み縁(26a)を画定し、前記第1の羽根部折り畳み縁に沿って各々の羽根部(9、10)が前記物品(1)の使用中に折り畳まれる、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項9】
前記第1の羽根部折り畳み縁(26)と、対応する前記外側縁(15)との間で画定されるような第2の距離(d2)が20~60mmの範囲にある、請求項8に記載の吸収性物品(1)。
【請求項10】
各々の羽根部(9、10)が前記物品(1)の使用中に折られ得る第2の羽根部折り畳み縁(26a)が画定され、前記第2の羽根部折り畳み縁(26a)は、前記主本体の全長の間隔10~80%の範囲内で、好ましくは前記主本体(2)の前記全長の間隔25~65%の範囲内である長さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項11】
前記吸収性芯材(5)の各々の縦辺は、前記縦軸(Y1)と概して平行である芯材縁(27)を少なくとも一部画定する、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項12】
前記芯材縁(27)と、対応する前記外側縁(15)との間で画定されるような第3の距離(d3)が29~69mmの範囲にある、請求項11に記載の吸収性物品(1)。
【請求項13】
前記芯材縁(27)と前記縦軸(Y1)との間に画定されるような第4の距離(d4)が10~50mmの範囲にある、請求項10または11に記載の吸収性物品(1)。
【請求項14】
前記吸収性芯材(5)は、前記主本体(2)の前記外側縁に概して付随し、前記吸収性芯材(5)の周辺全体に沿って概して等しい幅である前記主本体の縁領域(28)を画定する、請求項1から13のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項15】
前記留め付け手段(11、12)は、前記羽根部(9、10)の各々において接着剤材料を支持する1つまたは複数の領域の形態である、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項16】
前記留め付け手段(11、12)の1つ以上の領域は、概して矩形であり、前記物品(1)の方向において互いに対してずらされるように各々の羽根部(9、10)において位置決めされる、請求項15に記載の吸収性物品(1)。
【請求項17】
前記留め付け手段(11、12)の1つ以上の領域は、各々の対応する羽根部(9、10)の横方向の全長に概して沿って延びるように配置される、請求項15または16に記載の吸収性物品(1)。
【請求項18】
前記裏シート(4)の衣服に面する側において前記主本体(2)に沿って位置決めされる第2の留め付け手段(18)を備える、請求項1から17のいずれか一項に記載の吸収性物品(1)。
【請求項19】
縦軸(Y1)に沿う縦延長部と横軸(X1)に沿う横延長部とを有する吸収性物品(1)を製造するための方法であって、前記物品(1)は前部分(6)、後部分(7)、および股領域(8)を画定し、前記方法は、
液体浸透性表シート(3)を準備し、液体不浸透性裏シート(4)を準備し、前記表シート(3)と前記裏シート(4)との間に吸収体本体(5)を挟むことで主本体(2)を形成するステップと、
前記主本体(2)から外方に、前記縦軸(Y1)に関して非対称に反対方向へ且つ前記横軸(X1)に概ね沿って延びるように構成される第1の羽根部(9)および第2の羽根部(10)を形成するステップと、
前記羽根部(9、10)に、前記主本体(2)に重なるように前記縦軸(Y1)に向けて折り畳まれるときに前記羽根部(9、10)を衣服に留め付けるための留め付け手段(11、12)を設けるステップと
含み、
概して第1の直線(20a)に沿って外側縁(14、15)まで延びる第1の縁区域(20)と、概して第2の直線(21a)に沿って前記外側縁(14、15)まで延びる第2の縁区域(21)とを伴う各々の羽根部を形成するステップであって、前記第1の直線(20a)および前記第2の直線(21a)は平行ではなく、前記第1の直線(20a)は前記縦軸(Y1)に対して第1の角度(α2)を画定し、前記第2の直線(21a)は前記縦軸(Y1)に対して第2の角度(α3)を画定する、ステップと、
前記角度(α2、α3)の大きさをα2<α3となるようにかつα3>90°となるように選択するステップと、
前記留め付け手段(11、12)とさらなる縁(21、23)との間に把持タブを構成する領域(24、25)を伴う前記羽根部(9、10)を形成するステップであって、前記領域(24、25)は接着剤で覆われない、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記第1の角度(α2)の前記大きさは20°<α2<55°となるように選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の角度(α3)の前記大きさは70°<α3<110°となるように選択される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記縦軸(Y1)および前記横軸(X1)が延在する平面において、前記横軸(X1)に対して0°を超えるが45°未満である第1の角度(α1)を画定する共通の直線(13)に概して沿って延びるように前記羽根部9、10を配置するステップと、
概して真っ直ぐで前記縦軸(Y1)と平行である各々の羽根部(9、10)の前記外側縁(14、15)を成するステップと
を含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体浸透性表シート、液体不浸透性裏シート、および前記表シートと前記裏シートとの間に挟まれる吸収性芯材を有する主本体を備える吸収性物品であって、前記主本体は、縦軸と、縦軸に対して垂直な方向に延びる横軸とに沿って配置され、前記主本体は前部分、後部分、および股部分を画定し、前記物品は、主本体の前記股部分から、縦軸に関して非対称に反対方向へ外方に、概して前記横軸に沿って延びる第1の羽根部および第2の羽根部を備え、前記羽根部には、主本体に重なるように前記縦軸に向けて折り畳まれるときに前記羽根部を衣服に留め付けるように構成される留め付け手段が設けられる、吸収性物品に関する。
【0002】
本発明は、縦軸に沿う縦延長部と横軸に沿う横延長部とを有する吸収性物品を製造するための方法であって、前記物品は前部分、後部分、および股領域を画定する、方法にも関する。さらに、方法は、液体浸透性表シートを準備し、液体不浸透性裏シートを準備し、前記表シートと前記裏シートとの間に吸収体本体を挟むことで主本体を形成するステップと、前記主本体から反対方向へ外方に、概して前記横軸に沿って延びるように構成される第1の羽根部および第2の羽根部を形成するステップと、前記羽根部に、前記主本体に重なるように前記縦軸に向けて折り畳まれるときに前記羽根部を衣服に留め付けるための留め付け手段を設けるステップとを含む。
【背景技術】
【0003】
例えば生理用ナプキンおよびパンティライナの形態での吸収性物品がよく知られている。このような吸収性物品の大まかな目的は、様々な種類の身体浸出液を吸収、分散、および保管する一方で、吸収性物品の使用中に高水準の快適性および乾いている感覚を着用者に提供することである。また、このような吸収性物品は、着用者が身体浸出液によって布地を汚してしまうことを防止するように構成される。
【0004】
従来の生理用ナプキンは、液体浸透性表シート、液体不浸透性裏シート、および表シートと裏シートとの間に挟まれる吸収性芯材を備える主本体で通常は設計されている。主本体は、縦軸と、縦軸に対して垂直な方向に延びる横軸とに沿って配置される。
【0005】
さらに、生理用ナプキンの形態での吸収性物品には、2つの羽根部、つまり、主本体から反対方向へ外方に、概して横軸に沿って延びる2つの羽根形の留め付け要素がしばしば設けられる。羽根部の目的は、使用者の下着への生理用ナプキンの留め付けを可能にすることである。そのために、羽根部は、主本体に重なるように前記縦軸に向けて折り畳まれるように配置される。下着への生理用ナプキンの留め付けを可能にするために、各々の羽根部には、接着剤材料などの留め付け手段が提供される。このようにして、生理用ナプキンは、使用中に下着における所定位置で取り付けおよび保持され得る。
【0006】
先行技術によれば、生理用ナプキンの羽根部は、対称に形成でき、つまり、生理用ナプキン全体がその縦軸に関して対称である輪郭を画定すると言えるように形成できる。代替で、羽根部が縦軸に関して非対称に形成できることも知られている。
【0007】
前述の種類の非対称の羽根部を有する先に知られている吸収性物品が、米国特許第5401268号の特許文献から知られている。この文献は、ナプキンの縦縁の両側に沿って非対称に配置される2つの羽根部を有する生理用ナプキンを示している。
【0008】
米国特許第5401268号に開示されている羽根部は、2つの三角形部分から形成され、それらの部分の底辺に半円形の刻み目および各三角形部分の頂部にも丸い切込みを備える。米国特許第5401268号に示されている羽根部の目的は、生理用ナプキンを下着に固定するために比較的大きな表面を提供することである。
【0009】
米国特許第5401268号に開示されている物品が、羽根形の留め付け要素の設けられた吸収性物品に関する基本的な要件を満たしているにもかかわらず、この技術の分野内でさらなる向上が求められている。初めに、具体的には着用者のための快適性を向上させるように、羽根部がナプキンを下着にしっかりと取り付けるように構成されなければならないという要件がある。これは、羽根形の要素が、下着における何らかの望ましくないせん断力、または下着への物品の留め付けの不安定性の何らかの他の原因を引き起こしてはならないことを意味する。また、羽根部を形成するための方法を含め、この種類の製品のためのよりコスト効果のある製造方法を提供するために、継続的な努力が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第5401268号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明によれば、この分野内の先行技術に関する前述の問題を解決する目的を伴う吸収性物品が提供される。具体的には、物品は、高水準の快適性を着用者に提供する一方で必要な吸収特性も提供するために、下着への生理用ナプキンのしっかりとして安定した取り付けを提供するように構成される。また、本発明は、生理用ナプキンのコスト効果のある製造工程に寄与することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この目的は、液体浸透性表シート、液体不浸透性裏シート、および前記表シートと前記裏シートとの間に挟まれる吸収性芯材を有する主本体を備える吸収性物品であって、前記主本体は、縦軸と、縦軸に対して垂直な方向に延びる横軸とに沿って配置され、前記主本体は前部分、後部分、および股部分を画定し、前記物品は第1の羽根部および第2の羽根部を備え、第1の羽根部および第2の羽根部は、主本体の前記股部分から外方に、縦軸に関して非対称に反対方向へ且つ前記横軸に概ね沿って延び、前記羽根部には、前記主本体に重なるように前記縦軸に向けて折り畳まれるときに前記羽根部を衣服に留め付けるように構成される留め付け手段が設けられる、吸収性物品を用いて達成される。さらに、各々の羽根部は、概して第1の直線に沿って延びる第1の縁区域と、概して第2の直線に沿って延びる第2の縁区域とを有し、第1の線は縦軸に対して第1の角度(α2)を画定し、第2の線は縦軸に対して第2の角度(α3)を画定し、前記角度の大きさはα2<α3となるように選択される。
【0013】
本発明はいくつかの利点を提供する。具体的には、本発明は、着用者の下着において所定位置でしっかりと合わせられて保持されるという生理用ナプキンにおける要件を満たす。
【0014】
実施形態によれば、前記第1の角度の大きさは20°~55°の間となるように選択される。さらなる実施形態によれば、前記第2の角度の大きさは70°~110°の間となるように選択される。
【0015】
さらなる実施形態によれば、前記羽根部は、0°を超えるが45°未満である前記横軸に対する第3の角度を画定するさらなる共通の直線に概して沿って延びる。
【0016】
実施形態によれば、各々の羽根部は、概して真っ直ぐで縦軸と平行である外側縁を有する。
【0017】
実施形態によれば、前記直線は、第1の羽根部の外側縁における第1の縁中間点と、第2の羽根部の外側縁における第2の縁中間点との間で延び、前記中間点は、前記外側縁に沿って中間に位置決めされ、前記羽根部の最も外側の点を画定する。
【0018】
さらなる実施形態によれば、各々の羽根部の外側縁と縦軸との間に画定されるような第1の距離が40~100mmの範囲にある。これは、本発明が、実質的にすべての種類の生理用ナプキンおよび同様の吸収性物品のために使用できることを意味する。
【0019】
実施形態によれば、主本体の各々の縦辺の少なくとも一部が、各々の羽根部が主本体と交わる第1の羽根部折り畳み縁を画定し、第1の羽根部折り畳み縁に沿って各々の羽根部が物品の製造中に折り畳まれる。
【0020】
実施形態によれば、第1の羽根部折り畳み縁と、対応する外側縁との間で画定されるような第2の距離が20~60mmの範囲にある。
【0021】
実施形態によれば、各々の羽根部が物品の使用中に折られ得る第2の羽根部折り畳み縁が画定され、前記第2の羽根部折り畳み縁は、主本体の全長の間隔10~80%の範囲内で、好ましくは主本体の全長の間隔25~65%の範囲内である長さを有する。
【0022】
さらなる実施形態によれば、吸収性芯材の各々の縦辺は、縦軸と概して平行である芯材縁を少なくとも一部画定する。
【0023】
また、さらなる実施形態によれば、芯材縁と、対応する外側縁との間で画定されるような第3の距離が29~69mmの範囲にある。さらなる実施形態によれば、芯材縁と縦軸との間に画定されるような第4の距離が10~50mmの範囲にある。
【0024】
さらなる実施形態によれば、吸収性芯材は、主本体の外側縁に概して付随し、吸収性芯材の周辺全体に沿って概して等しい幅である主本体の縁領域を画定する。
【0025】
実施形態によれば、前記留め付け手段は、前記羽根部の各々において接着剤材料を支持する1つまたは複数の領域の形態である。
【0026】
さらなる実施形態によれば、領域は、概して矩形であり、物品の縦方向において互いに対してずらされるように各々の羽根部において位置決めされる。
【0027】
別の実施形態によれば、領域は、各々の対応する羽根部の横方向の全長に概して沿って延びるように配置される。これは、利用可能な接着剤の位置決めによって、下着への生理用ナプキンの羽根部の確固たる安定した取り付けに寄与する。
【0028】
実施形態によれば、前記羽根部に、前記留め付け手段とさらなる縁との間に把持タブを構成する領域が形成される。このようにして、羽根部は、下着への留め付けの間、および下着からの取り外しの間、容易に取り扱うことができる。
【0029】
さらなる実施形態によれば、物品は、前記裏シートの衣服に面する側において主本体に沿って位置決めされる第2の留め付け手段を備える。これは、下着における物品の取り付けに寄与する。
【0030】
本発明の前述の目的は、液体浸透性表シート、液体不浸透性裏シート、および前記表シートと前記裏シートとの間に挟まれる吸収性芯材を有する主本体を備える吸収性物品であって、前記主本体は、縦軸と、縦軸に対して垂直な方向に延びる横軸とに沿って配置され、前記主本体は前部分、後部分、および股部分を画定し、前記物品は第1の羽根部および第2の羽根部を備え、第1の羽根部および第2の羽根部は、主本体の前記股部分から外方に、縦軸に関して非対称に反対方向へ且つ前記横軸に概ね沿って延びる、吸収性物品によっても達成される。さらに、前記物品にわたって延びる斜め軸が、前記羽根部の少なくとも1つの縁区域に沿って延びる仮想線と実質的に平行である。
【0031】
さらに、本発明の前述の目的は、縦軸に沿う縦延長部と横軸に沿う横延長部とを有する吸収性物品を製造するための方法であって、前記物品は前部分、後部分、および股領域を画定し、前記方法は、液体浸透性表シートを準備し、液体不浸透性裏シートを準備し、前記表シートと前記裏シートとの間に吸収体本体を挟むことで主本体を形成するステップと、前記主本体から外方に、縦軸に関して非対称に反対方向へ且つ前記横軸に概ね沿って延びるように構成される第1の羽根部および第2の羽根部を形成するステップと、前記羽根部に、前記主本体に重なるように前記縦軸に向けて折り畳まれるときに前記羽根部を衣服に留め付けるための留め付け手段を設けるステップとを含む、方法を用いて達成される。さらに、方法は、以下のステップ、すなわち、概して第1の直線に沿って延びる第1の縁区域と、概して第2の直線に沿って延びる第2の縁区域とを伴う各々の羽根部を形成するステップであって、第1の線は縦軸に対して第1の角度を画定し、第2の線は縦軸に対して第2の角度を画定する、ステップと、前記角度の大きさをα2<α3となるように選択するステップとを含む。
【0032】
本発明のさらなる利点および有利な特徴は、以下の記載および従属請求項において開示されている。
【0033】
本発明は、添付の図面において示された図を参照して以下においてより詳細に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態による生理用ナプキンの形態で吸収性物品の上方からの図である。
図2】生理用ナプキンの断面図である。
図3】製造されたときの状態での図1および図2に示された生理用ナプキンの上方からの図である。
図4】本発明のさらなる実施形態を示す図である。
図5】本発明の特定の幾何学的特性が開示されている実施形態の概略図である。
図6】本発明のさらなる実施形態の簡略化された図である。
図7】本発明のなおも別の実施形態の簡略化された図である。
図8】本発明のなおも別の実施形態の簡略化された図である。
図9】本発明のなおも別の実施形態の簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の異なる態様が、添付の図面を参照して以後においてより完全に記載されている。しかしながら、本明細書で開示されている実施形態は、多くの異なる形態で実現でき、本明細書において明記された態様に限定されるとして解釈されるべきではない。
【0036】
図1を最初に参照すると、本発明の実施形態によって製造された生理用ナプキン1の形態で吸収性物品の上方からの図が示されている。生理用ナプキン1は、乾いた快適な臭いのない感覚を着用者に提供するために、着用者からの身体浸出液を吸収するための吸収性構造に基づく。
【0037】
図1から、生理用ナプキン1が、液体浸透性表シート3と液体不浸透性裏シート4とを伴う主本体2を備えることが、理解できる。生理用ナプキン1は、表シート3と裏シート4との間に挟まれる吸収性芯材5も備える。表シート3は、生理用ナプキン1の表面、つまり、着用者に面する側に配置される。裏シート4は、生理用ナプキン1の裏面、つまり、着用者の下着(図示せず)に面する側に配置される。さらに、表シート3と裏シート4との両方が、主本体2の外周全体に沿って吸収性芯材5の外側で側方に延びている。
【0038】
図1に示された吸収性芯材は、実質的に矩形の設計を有する。しかしながら、本発明はこの具体的な設計に限定されず、本発明の範囲内において概して任意の幾何学的形態で形成され得る。
【0039】
さらなる実施形態によれば、1つまたは複数の追加の層が吸収性物品1において設けられてもよい。例えば、捕獲層が吸収性芯材5と表シート3との間に配置されてもよい。このような追加の層は、例えば、液体捕獲層および液体吸収層として作用するために吸収性物品において使用され得るエアレイド層、スパンレース層、高ロフトの発泡体または任意の他の種類の材料の層の形態であり得る。捕獲層は、吸収性芯材によって吸収される前に排出された液体を素早く受け入れて一時的に保管するように適合される。このような捕獲層は、例えば、エアレイド不織布、スパンレース不織布、高ロフト不織布、または発泡材料から成り得る。エアレイド不織布は綿毛、木材パルプで製作でき、ここでは、綿毛繊維が素早く移動する空気流へと分散させられ、圧力および吸引を用いて移動する網へ凝集させられる。織物が、パルプの分散させられた樹脂および/または熱可塑性樹脂と結合させられ得る。織物は、(熱による)熱結合、(接着剤による)ラテックス結合、または複合結合(熱結合およびラテックス結合の組み合わせ)、または機械的結合(水素による高圧縮高温の結合)され得るエアレイド不織布の坪量は、例えば50~100gsmであり得る。
【0040】
表シート3、裏シート4、および吸収性芯材5は、以下においてさらに詳細に説明されているように、それらの具体的な目的に適した任意の材料から成り得る。また、前述の層3、4、5は、接着剤、熱結合、または超音波結合などを用いる任意の従来の手段によって、互いに連結され得る。
【0041】
さらに、図面には示されていないが、生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1の水平面に沿って見られるとき、つまり鉛直方向において異なる層で構成されることに加えて、異なる材料層、密度、または材料成分を有するように構成されてもよい。
【0042】
図1に示されているように、生理用ナプキン1は、縦軸Y1に沿った縦延長部と、横軸X1に沿った横延長部とを有する。さらに、生理用ナプキン1は、前部分6、後部分7、および股部分8へと分けられると言える。前部分6は、生理用ナプキン1の使用中、着用者のお腹に向かう方向に向けられるように意図されている。
【0043】
さらに、実施形態によれば、生理用ナプキン1には、ナプキン1を着用者の下着に留め付けるように構成された2つの留め付け羽根部9、10または留め付けタブが形成されている。より正確には、生理用ナプキン1は、各々が主本体2から反対方向で外向きに延びる第1の羽根部9および第2の羽根部10を備える。羽根部9、10は、概して横軸X1の方向に沿って延びている。また、羽根部9、10には留め付け手段11、12が設けられており、留め付け手段11、12は、実施形態によれば、羽根部9、10が縦軸Y1に向かう方向において主本体2の下へ折り畳まれるときに羽根部9、10を下着に留め付けるように構成される1つまたは複数の接着領域の形態である。
【0044】
図1において示されているように、2つの羽根部9、10は、横軸X1に対して角度α1を画定する共通の直線13に沿って概して延びるような非対称に配置されている。実施形態によれば、角度α1の大きさは、0°を超えるが45°未満であり、好ましくは35°未満であり、最も好ましくは25°未満である。羽根部9、10が、生理用ナプキン1の縦方向において互いに対してずらされるように配置され得ることは、留意されるべきである。
【0045】
また、各々の羽根部9、10は、概して真っ直ぐで縦軸Y1と平行である外側縁14、15を有する。これは、外側縁14、15の各々1つが、各々の羽根部9、10を終結させると共に縦軸Y1と概して平行でもある外側の真っ直ぐな側縁を形成するように切断または別の方法で成形されることを意味する。
【0046】
図1に示された前述の直線13の延在をはっきりと画定するために、第1の羽根部9の外側縁14において第1の縁中間点16が画定されている。また、第2の縁中間点17が第2の羽根部10の外側縁15に画定されている。これらの中間点16、17は、各々の対応する外側縁14、15の長さに沿って中間に位置決めされ、羽根部9、10の各々1つの最も外側の点も画定するように画定されている。これは、前述の直線13が2つの中間点16、17を通じて延びるとして画定され得ることを意味する。
【0047】
図2は、図1で示されている直線13に沿って見たときの断面図である。吸収性芯材5は表シート3と裏シート4との間に挟まれている。前述したように、適切にはエアレイド材料の捕獲層5aが、吸収性芯材5と表シート3との間に配置されてもよい。また、2つの羽根部9、10が、主本体2から反対方向に延びるように形成されている。実施形態によれば、羽根部9、10の各々には、少なくとも1つの接着領域11、12の形態で留め付け手段が設けられており、その留め付け手段は、各々の羽根部9、10の下側に、つまり、着用者に面していない側に適用されている。さらに、主本体2には、生理用ナプキン1を下着の内面に留め付ける目的のためのさらなる留め付け手段18も設けられている。このようなさらなる留め付け手段18は、裏シート4の裏側に配置されると共に生理用ナプキン1の縦方向に沿って延びるように配置される1つまたは複数の接着剤区域18の形態であり得る。
【0048】
図2に示されているように、接着剤区域18は、生理用ナプキン1がその使用されていない状態にあるとき、剥離紙層19で覆われている。生理用ナプキン1が使用されるとき、剥離紙層19は、生理用ナプキン1が下着に留め付けられ得るように使用者によって剥がされる。
【0049】
代替の実施形態によれば、生理用ナプキン1には、以前から知られているように、摩擦の留め具、面ファスナなどの機械的な留め具、または異なる種類の留め具の組み合わせの形態で、様々な種類の留め付け手段が設けられ得る。
【0050】
生理用ナプキン1の一部を形成する様々な層3、4、5の特性および設計は、図1および図2を主に参照してより詳細に記載されている。
【0051】
実施形態によれば、表シート3は、熱可塑性合成繊維から作られた流体浸透性不織布または膜によって形成されている。表シート3は、排出された体液を表シート3の厚さを通じて浸透させるに十分な液体浸透性がある。また、表シート3は、着用者の皮膚に馴染む柔らかい感触の材料から適切に製造されている。
【0052】
異なる実施形態によれば、表シート3は、例えば不織膜、発泡体、または前述の材料の組み合わせなど、様々な織物材料から製造できる。表シート3は穴あきであってもよい。
【0053】
さらに、裏シート4は、たとえポリエチレンまたはポリプロピレンの膜といった高分子膜など、液体不浸透性で通気性のある層によって構成されている。異なる実施形態によれば、裏シート4のために使用され得る材料には、薄く柔軟な流体不浸透性のプラスチック膜または流体不浸透性の不織材料、流体不浸透性の発泡体、および流体不浸透性の積層品がある。
【0054】
図面において示された実施形態によれば、裏シート4は、単一の層によって形成されるが、代替で、少なくとも1つの層が流体不浸透性である多層構造、つまり、積層品によって形成されてもよい。さらに、裏シート4は、任意選択で、任意の方向において弾性的であり得る。また、特には、比較的少ない量の身体浸出液が生理用ナプキン1によって吸収されると考えられる場合に、完全に液体不浸透性ではないが流体浸透に耐性のある裏シート材料が使用されてもよい。
【0055】
さらなる実施形態によれば、裏シート4は、空気および蒸気が裏シート4を通過できることを意味する通気性であってもよい。さらに、裏シート4は、不織布などの織物材料の外側の衣服に面する表面を任意選択で有してもよい。
【0056】
さらに、羽根部9、10は、表シート3と裏シート4とが重ねられ、羽根部9、10が図面において示されているように一体とされた状態で形成されるように形成されている。これは、概して真っ直ぐな外側縁14、15が、生理用ナプキン1についての製造工程の間に所望の形態へと切断されることを意味する。図面において示されていない代替の実施形態によれば、羽根部は、別に製造されてから、最終的な製造工程の間に主本体に供給されて最終的に取り付けられてもよい。
【0057】
さらに、図1および図2に示されている実施形態によれば、生理用ナプキン1は、セルロースのフラッフパルプの繊維を含む1つまたは複数の層によって形成された吸収性芯材5を備える。代替の実施形態によれば、吸収性芯材5は、例えば発泡体、繊維詰め物、および同様の材料といった、技術的に知られている任意の適切な吸収性または流体を吸収する材料から作られ得る。前述したように、当該の生理用ナプキン1の要求される特性および使用の分野に依存して、例えばエアレイド、スパンレース、および高ロフトの材料といった、異なる種類の材料の層が単独または組み合わせで使用できる。
【0058】
一実施形態によれば、吸収性物品はライナであり、その場合、吸収性芯材は、例えば不織層といった1つの薄い材料から作られるだけであり得る。
【0059】
さらなる実施形態によれば、吸収性芯材5は適切な量の超吸収性粒子を備える。このような超吸収性材料は、吸収性物品の分野においてよく知られており、大量の流体をヒドロゲルの形成によって吸収することができる水膨潤性で水不溶性の材料によって構成されている。通常の超吸収性材料は、それ自体の自重の少なくとも10倍の流体を吸収することができる。実施形態によれば、前記超吸収性粒子の量は、重量で、つまり、吸収性芯材5の全重量に対して、少なくとも10%である。
【0060】
超吸収性材は吸収性芯材5の材料へ混合されている。吸収性芯材5は、吸収性芯材5の特性を向上させるための構成要素をさらに組み込んでもよい。このような構成要素の一部の例は、技術的に知られているような結合繊維、流体分散材料、流体捕獲材料などである。実施形態によれば、セルロースのフラッフパルプと超吸収性物品との混合物が、吸収性芯材5全体を通じて概して一様に混合されている。
【0061】
さらなる実施形態によれば、吸収性芯材5は、一様な構造であり得るか、または同じ材料もしくは異なる材料の積層品による層状構造であり得る。吸収性層は、一様な厚さを有し得るか、または層の異なる部分において厚さが異なり得る。また、吸収性芯材5の基本の重量および組成は、このような吸収性層内で異なってもよい。
【0062】
さらに、当業者によって知られているように、生理用ナプキン1の様々な層は、接着剤材料の層を用いて適切に取り付けられ得る。このような接着剤層は図面では示されていない。
【0063】
再び図1を参照すると、第1の羽根部9は、生理用ナプキン1の後部分7に位置決めされる主本体2の外周に沿う点から第1の外側縁14まで延びる第2の縁区域20によって形成されていることに気付く。第1の羽根部9は、生理用ナプキン1の前部分6における主本体2の外周に沿う点から延び、第1の外側縁14までさらに延びる第3の縁区域21も含む。
【0064】
第2の縁区域20は、図1に示されているように、縦軸Y1に対してさらなる角度α2を画定する仮想的な直線20aに沿って概して延びている。また、第3の縁区域21は、縦軸Y1に対してなおも別の角度α3を画定するさらなる仮想的な直線21aに沿って概して延びている。より正確には、図1に示されているように、第2の縁区域20と第3の縁区域21との両方は、各々の区域20、21の少なくとも本質的な部分が概して真っ直ぐであり、前述した2つの直線20a、21aの各々1つと並べられると言えるように延びている。
【0065】
図1に示されている実施形態によれば、第1の羽根部9は、概して第1の直線20aに沿って延びる第1の縁区域20と、概して第2の直線21aに沿って延びる第2の縁区域21とを有する。第1の線20aは縦軸Y1に対して角度α2を画定し、第2の線21aは縦軸Y1に対してさらなる角度α3を画定する。また、前記角度α2、α3の大きさをα2<α3となるように選択されている。実施形態によれば、角度α2の大きさは間隔20°~55°の範囲内となるように選択される。さらなる実施形態によれば、角度α3の大きさは間隔70°~110°の範囲内となるように選択される。
【0066】
第2の羽根部10は、第1の羽根部9と同様に配置されているが、第1の羽根部9と比較して反転(つまり、「逆さまに」)されており、つまり、第4の縁区域22が前部分6から延びており、第5の縁区域23が後部分7から延びており、つまり、そのため、第2の外側縁15は第4の縁区域22と第5の縁区域23との間に据え付けられている。第2の羽根部10の第4の縁区域22および第5の縁区域23は、第1の羽根部9の直線20a、21aおよび角度α2、α3に関して先に記載されているのと同じ種類の配置を画定すると言える。
【0067】
図示された実施形態によれば、羽根部9、10は、概して平行に配置されている一方で、若干ずれて主本体2に連結されている。
【0068】
結果として、羽根部9、10は、羽根部9、10の設計のため、および羽根部9、10が横軸X1に対して角度α1を画定する前述の共通の直線13に概して沿って延びるという事実のためにも、非対称の設計を形成している。
【0069】
図1に示された実施形態によれば、角度α3は90°より大きく、これは、比較的小さい領域24が接着領域11と上方縁区域21との間に形成され、領域24は接着剤で覆われていないことを意味する。この領域24は、下着における生理用ナプキン1の留め付けの間、および下着からの生理用ナプキン1の取り外しの間、羽根部9、10の把持および取り扱いを簡単にする把持タブを形成している。
【0070】
以下において、本発明の実施形態に関する特定の寸法および測定が、図1を参照して記載されている。示されているように、各々の羽根部(ここでは第2の羽根部10だけを参照して示されている)の外側縁15と縦軸Y1との間に画定されているような第1の距離d1が、40~100mm、好ましくは50~90mm、最も好ましくは60~90mmの範囲にある。具体的な実施形態によれば、第1の距離d1はおおよそ77mmである。これは、吸収本体4の中心から各々の羽根部9、10の外側縁14、15までの距離に相当する。
【0071】
さらに、第1の羽根部折り畳み縁26が、各々の羽根部9、10が主本体2と交わる主本体2の縦辺の一部として画定されており、それに沿って、各々の羽根部9、10は生理用ナプキン1が製造されたときに折ることができる。図1に示されているような第1の羽根部折り畳み縁26は、縦軸Y1と平行である線として画定されている。
【0072】
結果として、第1の羽根部折り畳み縁26は、各々の羽根部9、10が主本体2と交わる主本体2の縦辺の一部として画定されており、それに沿って、各々の羽根部9、10は吸収性物品1が製造されたときに折り畳まれている。
【0073】
前述したように、第1の羽根部折り畳み縁26は、対応する羽根部10が生理用ナプキン1の製造の間に沿って折ることができる線を画定する。しかしながら、生理用ナプキン1の使用中、羽根部9、10は、下着の大きさに適合される線に沿って通常は折り畳まれる。結果として、図1に示されてもいるように、第2の羽根部折り畳み縁26aが、各々の羽根部9、10が生理用ナプキン1の使用中に沿って折り畳まれると考えられる線として画定されている。実施形態によれば、第2の羽根部折り畳み縁26aは、それが折り畳まれるのに沿う長さが、生理用ナプキン1の大きさおよび所望の特性に依存して、主本体の全長の間隔10~80%の範囲内で、好ましくは主本体の全長の間隔25~65%の範囲内となるように構成されている。
【0074】
第2の距離d2が、第1の羽根部折り畳み縁26と、対応する羽根部10の対応する外側縁15との間に画定されてもよく、前記第2の距離d2は、20~60mm、好ましくは25~50mm、最も好ましくは24~45mmの範囲にある。
【0075】
具体的な実施形態によれば、第2の距離d2はおおよそ39mmである。第2の距離d2の大きさを画定するさらなる方法は、それを生理用ナプキン1の全幅に関連して画定することによるものである。実施形態によれば、第2の距離d2と全幅との間の割合は、12~39%、好ましくは16~32%、最も好ましくは16~29%の範囲にある。
【0076】
さらに、芯材縁27が、吸収性芯材5の各々の縦辺の少なくとも一部に沿って画定され得る。図1に示されているように、芯材縁27は縦軸Y1と概して平行である。また、芯材縁27と、対応する羽根部10の外側縁15との間に画定されているような第3の距離d3が、29~69mm、好ましくは34~65mm、最も好ましくは34~61mmの範囲にある。具体的な実施形態によれば、第3の距離d3はおおよそ49mmである。第3の距離d3の大きさを画定するさらなる方法は、それを生理用ナプキン1の全幅に関連して画定することによるものである。実施形態によれば、第3の距離d3と全幅との間の割合は、18~45%、好ましくは21~42%、最も好ましくは21~40%の範囲にある。
【0077】
また、第4の距離d4が芯材縁27と縦軸Y1との間で画定されており、前記第4の距離d4は、10~50mm、好ましくは15~45mm、最も好ましくは20~40mmの範囲にある。具体的な実施形態によれば、第4の距離d4はおおよそ29mmである。第4の距離d4の大きさを画定するさらなる方法は、それを生理用ナプキン1の全幅に関連して画定することによるものである。実施形態によれば、第4の距離d4と全幅との間の割合は、6~33%、好ましくは9~29%、最も好ましくは12~25%の範囲にある。
【0078】
また、芯材縁27は、図面に示されている実施形態によれば、縦軸Y1と概して平行である。しかしながら、他の実施形態では、芯材縁は縦軸Y1に対して平行でなくてもよい。このような場合、前述の距離d3およびd4は、縦軸Y1に沿う位置に依存することになる。
【0079】
さらに、吸収性芯材5に、主本体2の外側縁に概して付随する周辺が形成され、吸収性芯材5は主本体2の周辺全体に沿って縁領域28を画定する。
【0080】
また、羽根部9、10の各々1つに配置されている留め付け手段11、12は、接着剤材料を支持する領域の形態での実施形態と一致している。これらの接着領域11、12は、概して矩形であり、物品1の縦方向において互いに対してずらされるように、および各々の対応する羽根部9、10の横方向の全長に概して沿って延びるようにも、各々の羽根部9、10に位置決めされている。
【0081】
本発明による留め付け手段11、12の配置は、各々の羽根部9、10の安定性を高めるという利点を提供する。また、生理用ナプキン1は、別の方法で着用者の快適性にとって有害となり得る何らかのせん断力が下着に作用することなく、しっかりとした快適に下着に位置決めされて取り付けられ得る。
【0082】
さらに、第3の縁21は、主本体2の縦方向に対して90°より大きい角度α3で配置されているという事実のため、任意の接着剤被覆を支持しない把持タブ24、25が各々の羽根部9、10に形成されている。このようにして、羽根部9、10の取り扱いがさらに簡単になる。また、使用中の生理用ナプキン1の快適性および安定性が向上させられる。
【0083】
図3は、図1および図2による生理用ナプキンを示しているが、製造されたときの状態、つまり、羽根部9、10が折り畳まれている状態で示している。図1および図2に示されている生理用ナプキン1のすべての構成要素および特徴が図3において符号で示されているわけではない。
【0084】
図3において示されているように、接着領域11、12の主要部分は、縦軸Y1の近くに位置されている。また、接着領域11、12は、生理用ナプキン1の縦方向に沿って互いに対してずらされている。これは、生理用ナプキン1の使用中、使用者へのしっかりとした快適な適合に寄与する一方で、適切な吸収特性を維持する。
【0085】
図3は、羽根部9、10の外側縁14、15が概して真っ直ぐであり、縦軸Y1に対して平行である実施形態を示している。しかしながら、さらなる実施形態によれば、外側縁は主本体2にわたってさらなる距離で延びることができ、つまり、そのため外側縁は縦軸Y1にわたって延びる。外側縁14、15の実際の位置に拘わらず、接着領域11、12が、使用中に主本体2の裏側における接着剤区域18と重なって協働するように、羽根部9、10が折り畳まれるときに位置決めされる場合に有利であることは、留意されるべきである。
【0086】
図4に示されているさらなる実施形態によれば、留め付け手段12は、対応する羽根部10の領域を一緒に覆ういくつかの比較的小さい領域12a、12b、12cによって形成され得る。これらの小さい領域12a、12b、12cは、図4に示されているように矩形であり得るか、または、対応する羽根部10の適切な領域を覆うために任意の他の適切な形態のものであり得る。図4の実施形態の代替として、小さい領域は、例えば縦軸Y1に対して横断する方向に延びるように配置され得る。また、図1と同様に、図4に示された小さい領域12a、12b、12cは、把持タブ25が形成されるように配置されている。これは、第3の角度α3(図1も参照されたい)が90°より大きいという事実のためである。
【0087】
図5は、ここで記載されているように、本発明の特定の幾何学的特性を表している実施形態を示している。最初に、第1の縦線L1が画定されている。図1および図5を参照すると、第1の縦線L1は縦軸Y1と平行であり、第1の羽根部9の外側縁14を通じて延びてもいる。さらに、第2の縦線L2が画定されており、第2の縦線L2も縦軸Y1と平行であり、第2の羽根部10の外側縁15を通じて延びている。
【0088】
また、前横線T1が図5において示されている。この前横線T1は、横線X1と平行であり、生理用ナプキン1の前部分6の前縁を通じて延びている。同様に、後横線T2が画定されており、後横線T2も横線X1と平行であり、生理用ナプキン1の後部分7の後縁を通じて延びている。
【0089】
さらに、斜め軸D1が図5に示されている。斜め軸D1は、第1の縦線L1が前横線T1と交われる点と、第2の縦線L2が後横線T2と交わる点とを通じて延びている。また、第2の斜め線D2が、前述したような第4の縁区域22(図1に示されている)に沿って延びており、第3の斜め線D3が、同じく前述したような第2の縁区域20に沿って延びている。
【0090】
実施形態によれば、第2の斜め線D2、つまり第4の縁区域22と、第3の斜め線D3、つまり第2の縁区域20とは、斜め軸D1と実質的に平行である。より正確には、第2の斜め線D2(または第3の斜め線D3)と斜め軸D1との間に画定され得る角度は、間隔±10°以下であり、好ましくは±5°以下である。
【0091】
主本体2の形状に関して、股部分8と称されるナプキン1の区域は、図5において示されているように、第3の横線T3と第4の横線T4との間で延びていることは、留意されるべきである。より正確には、第3の横線T3は第1の羽根部9の前縁30を通じて延びており、一方、第4の横線T4は第2の羽根部10の後縁31を通じて延びている。
【0092】
図6図9は、具体的には本発明の範囲内になおもある生理用ナプキン1の異なる種類の形状を開示するために、本発明のさらなる実施形態を示している。初めに、図6が、α3(図1参照)に対応する角度が90°未満であるナプキンの設計を示しており、(図1の実施形態において形成されているような)把持タブが図6の実施形態では同じように形成されていないことを意味することは、留意されるべきである。さらに、図7は、α3(図1参照)に対応する角度が90°であるナプキンの設計を示している。さらに、図8および図9は、各々の羽根部の若干丸められた外側縁を有するナプキンの設計を示している。図6図9によるすべての実施形態は本発明の原理の範囲内にある。
【0093】
先に記載されている生理用ナプキン1を製造するための工程は、これから記載されるいくつかのステップを含む。最初に、吸収性芯材5を構成する材料が、それ自体知られているように裏シート4と表シート3との間に挟まれる。このようにして、主本体2は形成される。続いて、第1の羽根部9および第2の羽根部10は、前述したように、主本体2から反対方向へ外方に、概して前記横軸X1に沿って延びるように形成される。さらに、羽根部9、10には、羽根部9、10が主本体2に重なるように折り畳まれるときに羽根部9、10を衣服に留め付けるための留め付け手段11、12が設けられる。さらに、製造方法は、0°を超えるが45°未満である前記横軸X1に対する角度α1を画定する共通の直線13に概して沿って延びるように羽根部9、10を配置するステップと、概して真っ直ぐで縦軸Y1と平行である外側縁14、15を伴う各々の羽根部9、10を形成するステップとを含む。
【0094】
生理用ナプキン1の製造の後、最初に後部分7および前部分6を股部分8に重なるように折り畳み、その後に折り畳まれたナプキン1が個々の包装で包装され、箱に保管されることで、生理用ナプキン1は梱包される。代替で、前部分6が最初に股部分8に重なるように折り畳まれてもよく、その後、後部分7は股部分8に重なるように折り畳まれ、折り畳まれたナプキン1は次に包装される。
【0095】
図3を参照して前述されているように、羽根部9、10は、製造ステップの間、第1の折り畳み縁26に沿って折り畳まれる。しかしながら、製造の間、生理用ナプキン1は、代替で、羽根部9、10および縁領域28の一部が芯材縁27に沿って折り畳まれるように折り畳まれてもよい。これは、折り畳まれた製品の幅が先行技術によるものより小さく作ることができることを意味し、これは、必要とされる材料、具体的には、剥離紙19および包装材料の一部の量が削減できるため、有利である。
【0096】
本発明は、実施形態に限定されず、添付の請求項の範囲内で変えることができる。例えば、羽根部9、10の具体的な形は、請求項の範囲内で変わることができる。また、吸収性物品1を形成する様々な層について使用される材料および寸法は、先に示されているように変えることができる。また、羽根部のすべての実施形態および寸法は、図示された実施形態と比較して反転されてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 生理用ナプキン、吸収性物品、物品
2 主本体
3 液体浸透性表シート
4 液体不浸透性裏シート、吸収本体
5 吸収性芯材、吸収体本体
6 前部分
7 後部分
8 股部分、股領域
9 第1の羽根部
10 第2の羽根部
11、12 接着領域、留め付け手段
12a、12b、12c 小さい領域
13 直線
14 第1の外側縁
15 第2の外側縁
16 第1の縁中間点
17 第2の縁中間点
18 接着剤区域、第2の留め付け手段
20 第2の縁区域、第1の縁区域
20a 第1の直線
21 第3の縁区域、第2の縁区域、第3の縁、縁
21a 第2の直線
22 第4の縁区域
23 第5の縁区域、縁
24、25 把持タブ
27 芯材縁
30 前縁
31 後縁
d1 第1の距離
D 斜め軸
D1 斜め軸
D2 第2の斜め線、仮想線
D3 第3の斜め線、仮想線
L1 第1の縦線
L2 第2の縦線
T1 前横線
T2 後横線
T3 第3の横線
T4 第4の横線
X1 横軸、横線
Y1 縦軸
α1 角度
α2 角度、第1の角度
α3 角度、第2の角度、第3の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9