(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】アコーディオン式の骨盤折り畳み部を有するサイドエアバッグ
(51)【国際特許分類】
B60R 21/237 20060101AFI20220104BHJP
B60R 21/207 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B60R21/237
B60R21/207
(21)【出願番号】P 2020526497
(86)(22)【出願日】2018-10-23
(86)【国際出願番号】 US2018057047
(87)【国際公開番号】W WO2019112702
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-05-14
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598122843
【氏名又は名称】オートリブ エー・エス・ピー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ウィスコム、ディレク ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ディンズデール、チャールズ ポール
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、ドン ラリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルライト、テリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ホリデー、アンドリュー ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】デヴィー、クリスティン エリザベス
【審査官】鈴木 貴晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-025818(JP,A)
【文献】特開2014-227004(JP,A)
【文献】特開2015-143086(JP,A)
【文献】特開2009-190678(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0242067(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
21/16-21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシートに着座する乗客を保護するサイドエアバッグ装置であって、
膨張ガスを供給するインフレータと;
前記膨張ガスによって膨張展開することで乗員を保護するエアバッグクッションと;を備え、
前記エアバッグクッションは、前記インフレータの下端よりも上方の部分を含む主要クッション部分と、前記インフレータの下端よりも下方の部分を含む下方クッション部分とを有し、
前記エアバッグクッションは、前記主要クッション部分と前記下方クッション部分を含めて前後方向にロール状に圧縮し、上下方向に延びるロール状圧縮部を形成し、その後、当該ロール
状圧縮部の前記下方クッション部分に相当する部分
の全てを上方に向かってアコーディオン式に折り畳むことによって下方圧縮部を形成するとともに、前記主要クッション部分を上方圧縮部とし、
前記下方圧縮部の水平面内の幅が、前記ロール状圧縮部の水平面内の幅と概ね同等とすることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
【請求項2】
前記エアバッグクッション内の膨張ガスが、前記上方圧縮部を通って前記下方圧縮部に流れることを特徴とする、請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項3】
膨張すると、前記エアバッグクッションが全膨張容積を有し、前記下方圧縮部が膨張したときの第1の膨張容積は、前記全膨張容積の10%~65%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項4】
前記第1の膨張容積は、前記全膨張容積の30%~55%であることを特徴とする請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項5】
前記第1の膨張容積は、前記全膨張容積の40%~50%であることを特徴とする請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項6】
前記エアバッグクッションを収容する空間を有するカバーを更に備え、
前記インフレータは前記カバーの空間内部に配置されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項7】
前記エアバッグクッションの前記上方圧縮部が、前記インフレータに隣接して収納されることを特徴とする請求項6に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項8】
前記エアバッグクッションの前記下方圧縮部が、前記インフレータの下端近傍に収納されることを特徴とする請求項6又は7に記載のサイドエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、自動車の安全装置及びシステムに関し、より具体的には、側面衝撃又は衝突の場合又は発生時に着座した車両乗員の保護に特に好適なものなど、車両乗員の移動を抑制するために膨張可能なエアバッグクッション、及びそのようなエアバッグクッションを折り畳むか又は収納する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドエアバッグクッションの使用は、現在の自動車技術において広く普及している。典型的には、サイドエアバッグクッションは、車両の内部構造又はシートの背もたれに格納され又は位置しており、衝撃又は衝突が発生した場合、側面衝撃又は衝突時、乗員の胸部、腹部、骨盤領域を含む乗員を保護するのに役立つ。
【0003】
耐衝撃性要件の満足度の評価に使用される、新しい側面衝撃耐衝撃性要件及び擬人化テスト装置(ATD)は、一般に、「クラッシュテストダミー」と呼ばれ、テスト装置(特に骨盤領域又は骨盤領域の近く)とドアライナとの間の空隙又は空間の寸法を縮小するように機能し得る。例えば、膨張可能なエアバッグクッションは、新しいテスト装置のより広い骨盤に起因して、骨盤とドアライナとの間の容積内に膨張する時間が少なくなり得る。
【0004】
自動車製造業者や設計者が典型的に望んでいるような、薄くて滑らかな安全拘束アセンブリ又はモジュール設計を同時に提供しながら、車両の側面衝突安全拘束に対するますます厳格な性能基準を満たすことは、業界の人々に継続的な課題を提示している。
【発明の概要】
【0005】
主題開発の一般的な目的は、改良されたサイドエアバッグアセンブリ、膨張可能な折り畳み式サイドエアバッグクッション、及び/又は展開時に関連する車両の乗客のための骨盤カバーの改善されたタイミングを提供するなど、サイドエアバッグクッションをカバーに収納する方法の1つ以上を提供することである。
【0006】
主題開発のより具体的な目的は、上記課題の1つ以上を克服することである。
【0007】
主題開発の一態様によれば、関連する車両の乗客のための骨盤カバーの改善されたタイミングを提供するための膨張可能な折り畳み式サイドエアバッグクッションが提供される。膨張可能な折り畳み式サイドエアバッグクッションは、第1の巻き込み部分及び第2のアコーディオン式の折り畳まれた部分を含む。このような折り畳み式サイドエアバッグクッションを展開すると、アコーディオン式の折り畳み部分は、関連する車両の乗客のための改善された所望の骨盤カバーを提供するように機能する。
【0008】
主題開発の別の態様によれば、サイドエアバッグアセンブリが提供される。一実施形態では、サイドエアバッグアセンブリは、空洞の少なくとも一部を画定する壁を有するか又はそれを含むカバーを含む。サイドエアバッグアセンブリは、カバー空洞内に少なくとも部分的に配置されたインフレータ装置を更に含む。インフレータ装置は、作動すると、膨張ガスを提供するように作用するか、又は機能する。アセンブリは、サイドエアバッグクッションを更に含む。サイドエアバッグクッションは、インフレータ装置の作動時にインフレータ装置と膨張ガス流連通している。サイドエアバッグクッションは、収納構成において、カバー空洞内に少なくとも部分的に配置される。収納構成のサイドエアバッグは、第1の巻き込まれた主要部分と、第2のアコーディオン式の折り畳まれた遠位部分と、を含む。収納構成は、展開時に、エアバッグクッションに入る又はエアバッグクッション内の膨張ガスがクッションの遠位部分へと通過する前に、必ずクッション主要部分を通って連続的に流れる。
【0009】
主題開発の別の態様では、インフレータ装置が作動時に関連するサイドエアバッグクッションを膨張させる膨張ガスを提供するサイドエアバッグアセンブリにおいて、サイドエアバッグクッションをカバーに収納して、展開時に、関連する車両の乗客のための骨盤カバーの改善されたタイミングを提供する方法が提供される。一実施形態では、このような方法は、インフレータ装置をカバーと結合することと、サイドエアバッグクッションの近位主要部分内の入口開口部を介してインフレータ装置を膨張ガス流連通してサイドエアバッグクッションと結合することと、を伴う。サイドエアバッグクッションは、近位主要部分から延びる遠位部分を含む。サイドエアバッグクッションの近位主要部分は、巻き込まれて第1の巻き込み主要部分を形成する。サイドエアバッグクッションの遠位部分は、折り畳まれて第2のアコーディオン式の折り畳まれた遠位部分を形成する。更に、展開時に、サイドエアバッグクッション内の膨張ガスが、アコーディオン式の折り畳まれた遠位部分に入る前に、必ずサイドエアバッグクッションの近位主要部分を通って連続的に流れる。
【0010】
他の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲及び図面と併せて、以下の詳細な説明から、当業者に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開発の一実施形態によるサイドエアバッグアセンブリの上面図である。
【
図2】
図1に示されるサイドエアバッグアセンブリの簡略化された側面断面図である。
【
図3】本開発の一態様による、レイアウトされた方式のカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの上面図である。
【
図4】エアバッグクッションの上部が折り畳まれた、
図3に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの上面図である。
【
図5】
図4に示されるカバーとクッションの組み合わせの簡略化された側面断面図である。
【
図6】エアバッグクッションの上部左角が更に折り畳まれた、
図4に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの上面図である。
【
図7】
図6に示される線7-7に沿った
図6に示されるカバーとクッションの組み合わせの簡略化された側面断面図である。
【
図8】エアバッグクッションの第1の主要部分が部分的に巻き込まれた構成にある、
図6に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの上面図である。
【
図9】
図8に示されるカバーとクッションの組み合わせの簡略化された側面断面図である。
【
図10】エアバッグクッションの第1の主要部分が更に部分的に巻き込まれた構成にある、
図8に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの上面図である。
【
図11】
図10に示されるカバーとクッションの組み合わせの簡略化された側面断面図である。
【
図12】エアバッグクッションの第1の主要部分が更に部分的に巻き込まれた構成にあり、かつ、更に部分的に巻き込まれたエアバッグクッションが反対側にずれている、
図10に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの上面図である。
【
図13】
図12に示されるカバーとクッションの組み合わせの簡略化された側面断面図である。
【
図14】
図12に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせであるが、ここではカバーが反転されている上面図である。
【
図15】
図14に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせであるが、ここではエアバッグクッションの主要部分がカバーに挿入されている上面図である。
【
図16】主題開発の一態様によるクッションによる
図15に示されるようなカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの簡略化された概略側面図であり、関連するインフレータ装置を含むカバーも示し、更にエアバッグの遠位部分の連続的なアコーディオン式の折り畳み部を示す。
【
図17】主題開発の一態様によるクッションによる
図15に示されるようなカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの簡略化された概略側面図であり、関連するインフレータ装置を含むカバーも示し、更にエアバッグの遠位部分の連続的なアコーディオン式の折り畳み部を示す。
【
図18】主題開発の一態様によるクッションによる
図15に示されるようなカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの簡略化された概略側面図であり、関連するインフレータ装置を含むカバーも示し、更にエアバッグの遠位部分の連続的なアコーディオン式の折り畳み部を示す。
【
図19】主題開発の一態様によるクッションによる
図15に示されるようなカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの簡略化された概略側面図であり、関連するインフレータ装置を含むカバーも示し、更にエアバッグの遠位部分の連続的なアコーディオン式の折り畳み部を示す。
【
図20】主題開発の一態様によるクッションによる
図15に示されるようなカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせの簡略化された概略側面図であり、関連するインフレータ装置を含むカバーも示し、更にエアバッグの遠位部分の連続的なアコーディオン式の折り畳み部を示す。
【
図21】
図15に示されるカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせであり、更に、エアバッグクッションの遠位部分がまたカバーに挿入されていることを示す上面図である。
【
図22】主題開発の一態様による、及び適用表面に適用されているサイドエアバッグアセンブリの側面図である。
【
図23】主題開発の一実施形態による部分的に組み立てられたサイドエアバッグアセンブリの上面図である。
【
図24】
図23に示されるカバー、インフレータ装置及びサイドエアバッグクッションの組み合わせの側面図であり、カバーの閉鎖フラップの閉鎖を更に例示している。
【
図25】
図23及び
図24に示されるカバー、インフレータ装置及びサイドエアバッグクッションの組み合わせの断面図である。
【
図26】主題開発の実施形態及び態様による、標準的な折り畳み式サイドエアバッグクッション及びアコーディオン式の折り畳まれた遠位骨盤部分を備えたサイドエアバッグの展開の時間比較である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、添付の図面を参照しながら、例示的な実施形態をより完全に説明する。認識されるように、主題開発の理解に必要とされない特定の標準的な要素は、例示及び理解を容易にする目的で、図面から省略又は除去されている場合がある。
【0013】
本開示の実施形態を不備なく理解できるようにするように、具体的構成部品、装置、方法の例のような数多くの具体的詳細事項が記述される。当業者には明らかであろうが、具体的な詳細は必ずしも用いられる必要はなく、例示的な実施形態は、本開示の範囲を制限するものと考えるべきではない。更に、周知のプロセス、周知の装置構造、及び周知の技術については、本明細書では詳しく説明はされない。
【0014】
ここでいくつかの図を参照して、同じ参照文字は同じ又は対応する部分を示している図面を参照すると、
図1及び
図2には、本開発の一実施形態による全体的に参照番号10で示されるサイドエアバッグアセンブリが示されている。
【0015】
主題開発は、サイドエアバッグクッション及び関連するエアバッグ膨張可能な拘束システムの取り付けを含むような好ましい実施形態を特に参照して以下に説明されるが、本発明のより広い実施が、例えば、ニーエアバッグ、運転手、及び乗客前面エアバッグを含む他のタイプ又は種類のエアバッグアセンブリへの一般的な適用性を有することができ、バン、ピックアップトラック、特に自動車を含む自動車両などの様々な拘束アセンブリでの用途が望まれ、見出され得ることに必ずしも限定されないことを当業者及び本明細書に提供される教示によって導かれる業者は、理解し、認識するであろう。
【0016】
以下に詳述するように、サイドエアバッグアセンブリ10は、カバー又はラップ12、インフレータ装置14、及びサイドエアバッグクッション16を含み、サイドエアバッグクッション16は、展開時、高速衝撃が発生した場合など関連する車両の乗客のための骨盤カバーの改善されたタイミングをもたらすか、提供するか若しくは生成する形態で、折り畳まれるか、さもなければ収納される。更に、本明細書に記載されるようなサイドエアバッグクッション16及び関連するサイドエアバッグアセンブリ構成要素のこのような折り畳み及び/又は収納は、望ましくは、自動車への適切な組み込みに特に好適なパッケージを形成する。そのために、カバー又はラップは、望ましくは、収納容積18、又は本明細書で時には「空洞」又は「ポケット」と呼ばれるように構築又は成形されて、インフレータ装置14及び折り畳まれて収納されたエアバッグクッション16を収納又は保持することができる。
【0017】
当該技術分野において既知のようなインフレータ装置14は、作動時に機能して、エアバッグクッションを膨張させるために使用又は用いられるような膨張ガスを提供する。インフレータ装置及びエアバッグクッションが膨張ガス流連通のアセンブリ内に適切に配置されることを当業者及び本明細書に提供される教示によって導かれる業者は、理解し、認識する。例えば、インフレータ装置は、インフレータ装置から排出又は放出された膨張ガスが直接エアバッグクッションに排出又は放出されてエアバッグクッションが膨張するように、エアバッグクッション内に格納又は収納することができる。本発明のより広範な実施は、必ずしもそのように限定されない。例えば、インフレータ装置とエアバッグクッションとの間には、布地ディフューザ等が配置されてもよい。他の実施形態では、エアバッグクッション材料は、膨張ガスが排出されるか又は放出されるインフレータ装置の部分と、膨張するエアバッグクッション部分又はコンパートメントとの間に配置された縫い線を含んでもよい。
【0018】
ここで、特定の図を参照して、エアバッグクッション16の折り畳み、及び車両に適切に収納されるサイドエアバッグアセンブリ10のパッケージについて説明する。
【0019】
図3を参照すると、本開発の一態様による、レイアウトされた形式の組み合わせ20を形成するカバー12及びサイドエアバッグクッション16が示されている。エアバッグクッション及びカバーは、任意の好適な材料で作製することができる。例えば、クッションは、ナイロン66など、又は等価物で作製又は構築することができる。カバー又はラッパーは、ポリエステルなど又は同等物で作製又は構築することができる。
【0020】
例示されたレイアウト形式では、サイドエアバッグクッション16は、最初に平坦化され、折り畳まれていない形態でレイアウトされる。エアバッグクッション16は、任意の好適な形態であり得る。例えば、エアバッグクッションは、折り畳まれた、例えば半分に折り畳まれた、又は他の選択された折り畳み形態で折り畳まれたエアバッグクッション主要パネルを形成又は含むことができ、縫い目21によって又はその周囲に適切に接合され、エアバッグクッションは、適切な膨張で、拡張して衝撃吸収クッションを形成する。認識されるように、様々な設計及び構造のエアバッグクッションは、主題開発の実施において利用することができ、したがって主題開発のより広範な実施は、固有の又は特定の形態又は構造のエアバッグクッションによって、又はそれらに対して必ずしも限定されない。例えば、所望であれば、1つ以上の縫い付けシームによって接合又は接続されるような前面クッションパネル及び背面クッションパネルを含むような、複数のピース構造体のエアバッグクッションを使用することができる。
【0021】
エアバッグクッション16は、当該技術分野で一般に知られているように、動作中に膨張ガスをエアバッグクッションから適切に放出又は通気できるようにするために、望ましくは1つ以上の排気通気孔開口部22及び24を含むか又は有することができる。エアバッグクッション16は、更に望ましくは、1つ以上のインフレータ装置関連開口部26(より大きい)及び28(より小さい)を含むか、又はそれらを有することができる。例えば、インフレータ装置は、開口部26を通してクッションに挿入することができ、インフレータ装置に取り付けられた又はそこから延びるスタッド等の特徴は、クッションをインフレータ装置上に取り付けるのに役立つように開口部28に通過させることができる。
【0022】
例示されたレイアウト形式では、カバー12は反転された形態であり、図示されるように、前面パネル30及び背面パネル又は背面パネル32などの1つ以上の壁を含むことが望ましい場合がある。カバー12は、概ね対向する第1及び第2の端部34及び36並びに概ね対向する第1及び第2の側部38及び40を形成又は含み、前面パネル30及び背面パネルは、第1の端部34に沿って縫い目41などによって互いに接合又は接続され、第1の端部から、少なくとも部分的に第1及び第2の側部38及び40に沿って延びる。
【0023】
背面パネル32は、第1の側部38に配置又は位置するような側部閉鎖フラップ42、第2の端部36に配置又は位置するような底部閉鎖フラップ44、及び底部閉鎖フラップ44の側部38の第1の側から延びるようなラッパータブ45を形成又は含む。側部閉鎖フラップ42は、エアバッグクッション16内の関連するインフレータ装置関連開口部26及び28と一致するような、1つ以上のインフレータ装置関連開口部46(より大きい)及び48(より小さい)を望ましくは形成又は含む。
【0024】
示されるように、前面パネル30は、カバー12内に収納されたインフレータ装置のその後の取り付け又は接続を容易にするために、取り付けノッチ49などを含んでもよい。
【0025】
様々なデザイン、形、構造のカバー、ラップ、又はハウジングは、主題開発の実践で使用でき、したがって、主題開発のより広範な実施は、開発の特定の用途で利用されるカバー要素の設計、形態、又は構造によって、又はそれらに必ずしも限定されないことを当業者及び本明細書に提供される教示によって導かれる業者は理解し、認識するであろう。
【0026】
図4及び
図5を参照すると、
図3に示されカバー12及びサイドエアバッグクッション16からなるカバー及びサイドエアバッグクッションの組み合わせ20が、エアバッグクッション16の上部セクション50が適切に折り畳まれて示されている。
【0027】
図6及び
図7は、
図4の20に示されたカバー及びサイドエアバッグクッションの組み合わせを示し、カバー12及びサイドエアバッグクッション16からなるが、ここではエアバッグクッション16の上部左角54が更に折り畳まれて、カバー内へのエアバッグクッションのその後の収納を容易にする。
【0028】
図8及び
図9は、
図6に示され、カバー12及びサイドエアバッグクッション16からなるが、ここではエアバッグクッション16の自由端部58(すなわち、カバーに取り付けられた端部とは反対のエアバッグ)前面から背面に巻き込まれる、カバーとエアバッグクッションの組み合わせ20を示す。
【0029】
図10及び
図11は、
図8及び
図9に示され、カバー12及びサイドエアバッグクッション16からなるが、ここではエアバッグクッション16の自由端部58が、前面から背面4つの180°裏側巻き込みを形成するように更に巻き込まれた、カバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせ20を示す。当業者及び本明細書に提供される教示によって導かれる業者が認識するように、そのような完全又は部分的な巻き込みの数は、そのような折り畳まれた又は収納されたアセンブリを用いる具体的な又は特定の用途のニーズを満たすために適切に変更することができる。
【0030】
図12及び
図13は、
図10及び
図11に示され、カバー12及びサイドエアバッグクッション16からなるカバー及びサイドエアバッグクッションの組み合わせ20が、折り畳み部が更に180°の外側巻き込みを介して進んで示されている。
【0031】
図14は、
図12及び
図13に示され、カバー12及びサイドエアバッグクッション16からなるカバー及びサイドエアバッグクッションの組み合わせ20が、ここではカバー12がその動作形態に反転されており、きれいな外観を呈するように示されている。
【0032】
図15は、
図14に示されたカバーとサイドエアバッグクッションの組み合わせ20を示し、カバー12及びサイドエアバッグクッション16から構成されるが、エアバッグクッション16の巻き込まれた上部又は上側部分が、
図2に示すような、カバー12の前面と背面パネル30と32の間に形成されたポケット18内に適切に収納されている。
【0033】
認識されるように、折り畳まれた膨張可能なサイドエアバッグクッションのそのように収納された巻き込み部分は、関連するインフレータ装置に横方向に隣接して、概して横方向に並んで収納される。
【0034】
図15に示すように、部分的に収納されたエアバッグクッション16は、エアバッグクッション16の巻き込み上部又は上側部分から延びるような遠位部分60を含む。
【0035】
図16~
図20は、主題開発の一態様による、
図15に示されるような、かつカバー12及びサイドエアバッグクッション16から構成され、また関連するインフレータ装置14を含むカバー12を示し、更に、エアバッグクッション16の遠位部分60の順次のアコーディオン式の折り畳み部を示す、カバー及びサイドエアバッグクッションの組み合わせ20の簡略化された概略側面図である。
【0036】
より具体的には、
図16は、
図15に示されるものと同様の形態で軸方向に延びるエアバッグクッション遠位部分60を示す。
【0037】
図17は、エアバッグクッション遠位部分60のアコーディオン式の折り畳み部に第1の折り畳み部63を作成するように、第1の折り畳みブレード62の適用を例示する。
【0038】
図18~
図20は、更なる折り畳みブレード64、66、68、70、72、74、及び76のその後連続的な追加、並びにその後連続的に形成されたアコーディオン式の折り畳み部65、67、69、71、73、75及び77を例示する。
【0039】
認識されるように、好適なアコーディオン式の折り畳み部は、一般に、単純なジグザグ又は前後の折り畳み部を構成することができ、隣接する2つの折り畳み部は、アコーディオン式の蛇腹に似ているなどのプリーツを形成又は呈するなど、反対方向に進む。
【0040】
隣接する折り畳み部間の長さは、望ましくは、より均一な外観を提供するか若しくはもたらすなどのために、概して均一であり得るが、本発明のより広範な実施は、隣接する折り畳み部間で異なる長さのアコーディオン式の折り畳み部もまた本明細書に含まれるため、必ずしも限定されない。
【0041】
図21は、
図15に示されるカバー及びサイドエアバッグクッションの組み合わせを示しているが、ここでは
図16~
図20に示す処理から得られるような、またカバー12に挿入されている、エアバッグクッション16のアコーディオン式の折り畳まれた遠位部分60を更に示す。
【0042】
図22は、主題開発の一態様による、車両内のエアバッグモジュールを取り付けるための座席フレーム又は他の好適な表面などの適用表面Aに適用されたときの、サイドエアバッグアセンブリ110の側面図を例示する。
【0043】
示されるように、サイドエアバッグアセンブリ110は、現代の自動車両設計に含めるのに特に好適であり得、自動車製造業者及び設計者が一般に所望するような、望ましく狭く又はスリムな側面外殻を提供又はもたらすことができる。提供するか、又は結果としてもたらすことができる。例えば、関連する車両の乗客のためのサイドエアバッグ設備は、典型的には、エアバッグモジュール又はアセンブリを乗客の座席内に含めるか、又は組み込むことを伴い得る。主題開発の実施によって、又はその実施を通じて一般に形成されるような薄いエアバッグモジュール及びアセンブリは、サイドエアバッグモジュール又はアセンブリの車内、例えば乗客の席への包含又は組み込みを可能にし、一方、車両デザインの柔軟性を高めるために一般的に望まれるように、シートのスタイリングが滑らかであるか及び/又は薄いままであることを可能にするか又は許可する。
【0044】
図23~
図25は、カバー12内に適切に収容又は収納されたクッションの第1の巻き込まれた主要部分及び第2のアコーディオン式の折り畳まれた遠位部分を有するインフレータ装置14及びサイドエアバッグクッション16を含むカバー12を例示する。
【0045】
底部閉鎖フラップ44は、折り畳まれたクッションの周りに取り付けられ、当技術分野で既知の方法で、また折り畳まれたエアバッグクッションを所定の位置に保持し、車両設計のパッケージ要件を維持するなど、インフレータ装置14から延びるインフレータスタッドに取り付けられる。
【0046】
図1及び
図2に戻ると、インフレータ装置14に関連するワイヤハーネス80が適切に位置決めされ、ラッパータブ45がワイヤハーネス80の周りに取り付けられて、ハーネスを適所に適切に保持する。
【0047】
主題開発のより広範な実施は必ずしも寸法的に制限されないが、主題開発の1つの態様によれば、本明細書に記載のようにクッション容積の少なくとも10%がそのようなアコーディオン式の折り畳み(複数可)の形態であることが一般に望ましいことが見出されている。主題開発の別の態様によれば、クッション容積の65%以下が、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み(複数可)の形態であることが一般に望ましく見出されている。
【0048】
特定の好ましい実施形態によれば、クッション容積の少なくとも30%が、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み(複数可)の形態であることが一般に望ましく見出されている。
【0049】
特定の好ましい実施形態によれば、クッション容積の少なくとも55%が、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み(複数可)の形態であることが一般に望ましく見出されている。
【0050】
特定の好ましい実施形態によれば、クッション容積の少なくとも40%が、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み部(複数可)の形態であることが一般に望ましく見出されている。
【0051】
特定の好ましい実施形態によれば、クッション容積の少なくとも50%が、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み部(複数可)の形態であることが一般に望ましく見出されている。
【0052】
特定の一実施形態では、クッション容積の約45%は、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み部(複数可)の形態であることが望ましい。例えば、膨張容積が20リットルのエアバッグクッションの場合、エアバッグクッション容積の約8.9リットルは、本明細書に記載されるようなアコーディオン式の折り畳み部の形態であることが望ましい。
【0053】
主題開発の一態様によるエアバッグアセンブリでは、サイドエアバッグクッションは、サイドエアバッグクッションが収納された構成カバー内の空洞内に少なくとも部分的に配置された状態でインフレータ装置が作動すると、インフレータ装置と膨張ガス流連通する。そのような収納構成では、エアバッグクッションは、第1の巻き込まれた主要部分と第2のアコーディオン式の折り畳まれた遠位部分とを含み、展開時に、エアバッグクッションに入るか又はその中の膨張ガスは、クッションの遠位部分に入る前に必ずクッションの主要部分を順に流れる。
【0054】
図26は、本開発の実施形態及び態様による、標準的な折り畳まれたサイドエアバッグクッション及びアコーディオン式の折り畳まれた遠位骨盤部分を備えたサイドエアバッグの展開の時間比較である。
【0055】
示されるように、実施形態及び主題開発の態様によるアコーディオン式の折り畳まれた遠位骨盤部分を備えたサイドエアバッグクッションは、非常に良好なカバーのタイミング結果を提供したか又はもたらした。
【0056】
本開発の一態様によれば、作動時にインフレータ装置が膨張ガスを提供して関連するサイドエアバッグクッションを膨張させるサイドエアバッグアセンブリにおいて、サイドエアバッグクッションをカバーに収納して、展開時に、関連する車両の乗客のための骨盤のカバーを可能にするか、許可するか、又は改善するなどの改善されたタイミング提供する方法が提供される。一実施形態では、そのような方法は、インフレータ装置をカバーと結合することを含む。インフレータ装置は、サイドエアバッグクッションの近位主要部分の入口開口部を介して膨張ガス流連通状態でサイドエアバッグクッションと結合されている。サイドエアバッグクッションは、近位主要部分から延びる遠位部分を含む。サイドエアバッグクッションの近位主要部分は巻き込まれて、第1の巻き込まれた主要部分を形成する。サイドエアバッグクッションの遠位部分は、適切に折り畳まれ、すなわち、アコーディオン式に折り畳まれて、第2のアコーディオン式の折り畳まれた遠位部分を形成する。1つの好ましい実施形態によれば、上述のように、展開時に、サイドエアバッグクッションに入るか又はサイドエアバッグクッション内の膨張ガスが、アコーディオン式の折り畳まれた遠位部分に入る前に必ずサイドエアバッグクッションの近位主要部分を通って連続的に流れる。
【0057】
本明細書に記載されるようなサイドエアバッグクッションのアコーディオン式の折り畳み部は、望ましくは、自動車製造車両の設計ニーズ及び期待を満たすために、望ましくは薄い形状又はパッケージングをもたらし、生成又は形成し、一方、一斉に又は同時に、非常に優れた展開カバーとタイミングを提供又は生成するエアバッグクッション及びそれに関連するアセンブリを提供又は生成する。
【0058】
したがって、主題開発の少なくとも好ましい態様によれば、本明細書で説明するようなサイドエアバッグクッションのアコーディオン式の折り畳み部は、エアバッグクッションを、車両乗員と車両のサイドドア又はパネルの間のますます狭くなる設計空隙又は間隔に適切に展開するサイドエアバッグクッション及び関連するアセンブリの設計ニーズを望ましく解決し、また、一方、サイドエアバッグのクッションと関連するアセンブリに課せられるますます厳しくなる仙腸骨力の制限も満たす。
【0059】
本明細書に記載されているような折り畳み式膨張可能なサイドエアバッグクッション、及びそのような折り畳み式膨張可能なサイドエアバッグクッション並びに関連する方法を組み込んだ又は利用するサイドエアバッグアセンブリは、新しい、より厳格な、側面衝突の耐衝撃性要件の満足度を支援するだけでなく、例えば、USNCAPテストに使用されている現在のES-2re ATDよりも一般的に広い骨盤領域を持っているか、又は示すWorldSID ATDなどの擬人化テスト装置(ATD)を使用又はテストした場合、向上した性能をもたらすために望ましく役立つことができることを当業者及び本明細書に提供される教示によって導かれる業者は理解し、認識するであろう。
【0060】
結果的に、このようなATDの変化は、テスト装置(特に骨盤領域又は骨盤領域の近く)とドアライナの間の空隙又は空間の寸法を小さくするように機能し得る。その結果、膨張可能なエアバッグクッションは、新しいテスト装置のより広い骨盤に起因して、骨盤とドアライナとの間の容積内に膨張する時間が少なくなり得る。
【0061】
したがって、主題開発は、自動車製造業者や設計者が典型的に望んでいるような、薄くて滑らかな安全拘束アセンブリ又はモジュール設計を同時に提供しながら、車両の側面衝突安全拘束に対するますます厳格な性能基準を満たすことは、業界の人々に継続的な課題を提示していることを望ましくは提供するか、又はもたらすことができる。
【0062】
特許請求の範囲は、ミーンズプラス又はステッププラスファンクションの制限を含むことを意図されず、そのような制限が、それぞれ、「ための手段」又は「ためのステップ」という句(複数可)を使用して所与の特許請求の範囲において明示的に記載されない限り、それらを含むように解釈されるべきではない。
【0063】
本明細書で例示的に開示される主題開発は、本明細書において具体的に開示されていない要素、部品、工程、構成要素、又は成分の存在下で好適に実施され得る。
【0064】
前述の詳細な説明では、この開発は、その特定の好ましい実施形態に関連して説明されており、例示の目的で多くの詳細が説明されているが、開発は、追加の実施形態の影響を受けやすく、本明細書で説明する詳細のいくつかは、本発明の基本原理から逸脱することなく大幅に変更できることは当業者には明らかであろう。