(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】アズトレオナム誘導体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 417/12 20060101AFI20220104BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20220104BHJP
C07D 471/08 20060101ALI20220104BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20220104BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20220104BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20220104BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220104BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
C07D417/12
C07D417/14 CSP
C07D471/08
A61K31/427
A61K31/437
A61K31/4545
A61P31/04
A61P43/00 111
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2020539680
(86)(22)【出願日】2018-10-01
(86)【国際出願番号】 US2018053778
(87)【国際公開番号】W WO2019070595
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-05-29
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519399567
【氏名又は名称】アリクサ ファーマシューティカルズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100137040
【氏名又は名称】宮澤 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン、エリック、エム.
(72)【発明者】
【氏名】ダンクトン、マシュー、エイ.ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フロイント、ジョン
【審査官】池上 佳菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-222480(JP,A)
【文献】米国特許第05192785(US,A)
【文献】特開昭58-134026(JP,A)
【文献】特表2020-519684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/12
C07D 417/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子はC
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環、もしくは置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、および置換C
5-6ヘテロアリールから選択され、式中、
R
4は水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキル、および置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素
であり;
R
6は水素
であり;
R
7は水素
である、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
各置換基が、-OH、-CN、-CF
3、-OCF
3、=O、-NO
2、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキル、-COOR、-NR
2および-CONR
2から独立して選択され、各Rが水素およびC
1-6アルキルから独立して選択され;
各R
1が、独立してC
1-6アルキルであるか、または各R
1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R
1がC
3-6シクロアルキル環もしくは置換C
3-6シクロアルキル環を形成し;
R
2が、単結合、C
1-6アルキル、C
1-2アルカンジイルおよび置換C
1-2アルカンジイルから選択され;
R
3が、-O-C(O)-R
4、-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-R
4、-C(O)-S-R
4、-S-S-R
4、-NH-R
4、および-CH(-NH
2)(-R
4)から選択され、式中、R
4が、水素、ならびにC
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-7シクロアルキル、C
5-7ヘテロシクロアルキル、C
6アリール、C
7-9アリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
6アリールおよび置換C
7-9アリールアルキルから選択さ
れる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2は単結合であり、
R
3がC
1-3アルキルであり、
各R
1が結合している炭素原子と一緒に、各R
1はC
4-6ヘテロシクロアルキル環または置換C
4-6ヘテロシクロアルキル環を形成
する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
各R
1がメチルであり、
R
2が単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH
2CH
3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、
R
3が、-O-C(O)-R
4、-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-R
4、-C(O)-S-R
4、-S-S-R
4、-NHR
4および-CH(-NH
2)(-R
4)から選択され、式中、R
4は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
7-9アリールアルキル、およびC
5-7ヘテロシクロアルキルから選択さ
れる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
各R
1がメチルであり、
R
2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH
2CH
3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、
R
3が、-C(O)-O-R
4から選択され、式中、R
4は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
7-9アリールアルキルおよびC
5-7ヘテロシクロアルキルから選択さ
れる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
各R
1がメチルであり、
R
2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH
2CH
3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、
R
3が、-O-C(O)-R
4、-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-R
4、-C(O)-S-R
4、-S-S-R
4、-NHR
4および-CH(-NH
2)(-R
4)から選択され、式中、R
4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび2-ピロリジニルから選択さ
れる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
各R
1がメチルであり、
R
2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH
2CH
3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、
R
3が、-C(O)-O-R
4から選択され、式中、R
4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび2-ピロリジニルから選択さ
れる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
各R
1がC
1-6アルキルであり、
R
2が単結合であり、
R
3が-C(O)-O-R
4であり、式中、R
4は、C
1-10アルキル、C
1-10ヘテロアルキル、C
7-10アルキルアレーンおよびC
5-10ヘテロアルキルシクロアルキルから選択さ
れる、
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
各R
1がメチルであり、
R
4が、メチル、エチルおよびn-プロピルから選択さ
れる、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が、
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-オキソ-3-プロポキシプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸
;
前述で記載されたもののいずれかのうちの薬学的に許容可能な塩;および
前述で記載されたもののいずれかの組合せから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なビヒクルを含む、医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬組成物が経口投与製剤を含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
患者の細菌感染症を治療する
ために用いられる、請求項11
または1
2に記載の医薬組成
物。
【請求項14】
治療有効量のβ-ラクタマーゼ阻害剤
と組み合わせて用いられる、請求項13に記載の
医薬組成物。
【請求項15】
前記β-ラクタマーゼ阻害剤が、式(20)のアビバクタム誘導体、式(21)のレレバクタム誘導体、式(22)のナクバクタム誘導体、式(23)のレレバクタム誘導体、式(24)のナクバクタム誘導体、前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩、または前述のいずれかの組合せを含む、請求項
14に記載の
医薬組成物:
【化2】
(式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキル、および置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は、水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は、水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
Aは、単結合(-)であり、R
7は水素であるか、またはAは二重結合(=)であり、R
7はC
1-3アルキルである。)
【化3】
(式中、R
1、R
2およびR
3は式(20)で定義される。)
【化4】
(式中、R
1、R
2およびR
3は式(20)で定義される。)
【化5】
(式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
6は、式(10)の部分、式(11)の部分、式(12)の部分、および式(13)
の部分から選択され:
【化6】
式中、
各R
7は、水素、C
1-8アルキルから独立して選択されるか、または各R
7およびそれらが結合しているジェミナル炭素原子は、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
nは1~4の整数であり;
XはOおよびNHから選択され;
R
8は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
9は水素およびC
1-6アルキルから選択され;
R
10は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキル;C
1-6アルキルから選択され;
R
11は水素およびC
1-6アルキルから選択され;また
R
12は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択される。)
【化7】
(式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
6は、式(10)の部分、式(11)の部分、式(12)の部分、および式(13)
の部分から選択され:
【化8】
式中、
各R
7は、水素、C
1-8アルキルから独立して選択されるか、または各R
7およびそれらが結合しているジェミナル炭素原子は、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
nは1~4の整数であり;
XはOおよびNHから選択され;
R
8は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
9は水素およびC
1-6アルキルから選択され;
R
10は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキル;C
1-6アルキルから選択され;
R
11は水素およびC
1-6アルキルから選択され;また
R
12は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択される。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年10月2日に出願された米国仮特許出願第62/566,909号に基づく利益を主張するものであり、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、アズトレオナム誘導体およびその医薬組成物、ならびに細菌感染症を治療するためのアズトレオナム誘導体の使用に関する。アズトレオナム誘導体を経口投与して、生物学的に利用可能なアズトレオナムが経口で提供され得る。
【背景技術】
【0003】
アズトレオナムは、主にグラム陰性菌の治療に使用されるモノバクタム系抗生物質である。アズトレオナムは経口バイオアベイラビリティが低いため、これにより静脈内、筋肉内または吸入により投与される。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、化合物は式(1):
【化1】
の構造を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子はC
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環、もしくは置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、および置換C
5-6ヘテロアリールから選択され、式中、
R
4は水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキル、および置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
7は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される。
【0005】
本発明によれば、医薬組成物は、本発明による化合物および薬学的に許容可能なビヒクルを含む。
【0006】
本発明によれば、患者の細菌感染症を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本発明による化合物を投与することを含む。
【0007】
本発明によれば、患者の細菌感染症を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本発明による医薬組成物を投与することを含む。
【0008】
本発明によれば、アズトレオナムの誘導体を合成する方法は、塩基の存在下で3-アミノ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-酪酸ベンジルエステルおよびクロロスルホニルオキシエステルを反応させて、対応する((2R、3R)-4-(ベンジルオキシ)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソブタン-2-イル)スルホニルオキシエステルを提供することと、((2R、3R)-4-(ベンジルオキシ)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソブタン-2-イル)スルホニルオキシエステルを水素化して、対応する(2R、3R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタン酸エステルを提供することと、(2R、3R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタン酸エステルを、環化剤の存在下で環化して、対応するβ-ラクタムを提供することと、を含む。
【0009】
本発明によれば、アズトレオナムの誘導体を合成する方法は、塩基の存在下でtert-ブチル(2S、3R)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタノアートおよびクロロスルホニルエステルを反応させ、対応するtert-ブチル(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタノアートエステルを提供することと、tert-ブチル(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタノアートエステルを、環化剤の存在下で環化して、対応するβ-ラクタムを提供することと、を含む。
【0010】
ここでは、特定の化合物および方法が参照される。開示された実施形態は、特許請求の範囲を限定することを意図していない。それとは反対に、特許請求の範囲は、すべての代替、修飾、および同等物を網羅することを意図している。
【0011】
当業者は、本明細書に記載される図面が例示目的のみのためであることを理解するであろう。図面は、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示により提供される、アズトレオナム誘導体の合成における特定の工程を示す。これらの工程は、例20~24に開示されている工程に対応する。
【0013】
【
図2】本開示により提供される、アズトレオナム誘導体の合成における特定の工程を示す。これらの工程は、例30~34に開示されているものに対応する。
【0014】
【
図3】本開示により提供される、アズトレオナム誘導体の合成における特定の工程を示す。これらの工程は、例2および例27に開示されている工程に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
2つの文字または記号の間にないダッシュ(「-」)は、部分または置換基の結合点を示すために使用される。例えば、-CONH2は炭素原子を介して結合される。
【0016】
「アルキル」とは、親アルカン、アルケン、またはアルキンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、飽和または不飽和、分岐鎖または直鎖の一価の炭化水素ラジカルを指す。アルキル基の例には、メチル、エタニル、エテニル、エチニルなどのエチル、プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、プロプ-1-エン-1-イル、プロプ-1-エン-2-イル、プロプ-2-エン-1-イル(アリル)、プロプ-1-イン-1-イル、プロプ-2-イン-1-イルなどのプロピル、ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロプ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、ブタ-1-イン-1-イル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イルなどのブチルなどが挙げられる。用語「アルキル」には、任意の飽和度または飽和レベルを有する基、すなわち、炭素-炭素単結合のみを有する基、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する基、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する基および炭素-炭素の単結合、二重結合、三重結合の組合せを有する基が挙げられる。特定の飽和レベルが意図されている場合、用語アルカニル、用語アルケニル、および用語アルキニルが使用される。アルキル基は、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、C1-3アルキル、エチルまたはメチルであり得る。
【0017】
「アルコキシ」は、ラジカル-ORを指し、Rは本明細書で定義されているアルキルである。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびブトキシが挙げられる。アルコキシ基は、C1-6アルコキシ、C1-5アルコキシ、C1-4アルコキシ、C1-3アルコキシ、エトキシまたはメトキシであり得る。
【0018】
それ自体または別の置換基の一部としての「アリール」は、親芳香環系の単一炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、一価の芳香族炭化水素ラジカルを指す。アリールには、例えばベンゼンなどの5員および6員の炭素環式芳香環、少なくとも1つの環が炭素環式および芳香族である二環式環系(例えばナフタレン、インダン、およびテトラリン)、ならびに少なくとも1つの環が炭素環式および芳香族である三環式環系(例えばフルオレン)が包含される。アリールは、少なくとも1つの炭素環式芳香環、シクロアルキル環またはヘテロシクロアルキル環に縮合した、少なくとも1つの炭素環式芳香環を有する複数環系を包含する。例えば、アリールは、N、OおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する、5~7員のヘテロシクロアルキル環に縮合したフェニル環を含む。そのような縮合二環式環系では、環の1つのみが炭素環式芳香環である場合、ラジカル炭素原子は炭素環式芳香環またはヘテロシクロアルキル環にあってよい。アリール基の例には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられる。アリール基は、C6-10アリール、C6-9アリール、C6-8アリールまたはフェニルであり得る。しかし、アリールは、本明細書で個別に定義されるヘテロアリールを包含せず、いかなる重複もしない。
【0019】
「アリールアルキル」とは、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリール基で置き換えられている非環式アルキルラジカルを指す。アリールアルキル基の例には、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチレタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが挙げられる。特定のアルキル部分が意図される場合、命名法のアリールアルカニル、アリールアルケニル、またはアリールアルキニルが使用される。アリールアルキル基は、C7-16アリールアルキルであり得、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分はC1-6であり、アリール部分はC6-10である。アリールアルキル基は、C7-16アリールアルキルであり得、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分はC1-6であり、アリール部分はC6-10である。アリールアルキル基は、C7-9アリールアルキルであり得、ここではアルキル部分はC1-3アルキルであり、アリール部分はフェニルである。アリールアルキル基は、C7-16アリールアルキル、C7-14アリールアルキル、C7-12アリールアルキル、C7-10アリールアルキル、C7-8アリールアルキルまたはベンジルであり得る。
【0020】
「バイオアベイラビリティ」は、患者へ薬物またはそのプロドラッグの投与後に患者の体循環に到達し、例えば薬物に対する血漿または血中濃度-時間プロファイルを評価することで決定され得る薬物の速度および量を指す。血漿または血中濃度-時間曲線を特徴付ける上で有用なパラメータには、曲線下面積(AUC)、最高血中濃度到達時間(Tmax)および最高薬物濃度(Cmax)が挙げられる。この場合、Cmaxは、1回の薬物または薬物形態投与後の患者の血漿もしくは血液中における薬物の最高濃度であり、Tmaxは1回の薬物または薬物形態投与後の患者の血漿もしくは血液中における薬物の最高濃度(Cmax)までの時間である。
【0021】
「経口バイオアベイラビリティ」(F%)は、体循環に到達する経口投与薬物の割合を指す。経口バイオアベイラビリティは、吸収率、腸壁排泄回避率および胆汁排泄回避率の積である。また、バイオアベイラビリティに影響する要因は、生理学的、物理化学的、およびバイオ医薬品的な要因に分類され得る。
【0022】
本明細書で開示されている「化合物」および部分には、開示される式内の特定の化合物のいかなるものも含まれる。化合物は、化学構造および/または化学名のいずれかで同定され得る。化合物は、ChemBioDraw Ultra 14.0.0.117(CambridgeSoft,Cambridge,MA)命名法プログラムを使用して命名される。化学構造と化学名が矛盾する場合、化学構造は化合物の同一性を決定するものである。本明細書に記載の化合物は、1つ以上の不斉中心および/または二重結合を含むことができる。したがって、二重結合異性体(すなわち、ジオステレオマー)、エナンチオマー、ジアステレオマーまたはアトロプ異性体などの立体異性体として存在し得る。したがって、全体的または部分的に、相対的な配置で描かれた、本明細書の範囲内の任意の化学構造は、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋またはジアステレオマー的に純粋)を含む、例示された化合物のすべての可能なエナンチオマーおよび立体異性体、ならびにエナンチオマーの混合物および立体異性体の混合物を包含する。エナンチオマーの混合物および立体異性体の混合物は、当業者に周知の分離技術またはキラル合成技術を使用して、それらの成分エナンチオマーまたは立体異性体へと分割され得る。
【0023】
本明細書で開示されている化合物および部分には、化合物および部分の光学異性体、それらのラセミ体およびそれらの他の混合物が含まれる。そのような実施形態では、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、不斉合成によって、またはラセミ体の分割によって得られてよい。ラセミ体の分割は、例えば、分割剤の存在下での結晶化、または例えば、キラル固定相を備えたキラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)カラムを使用するクロマトグラフィなどの、従来の方法によって達成され得る。加えて、化合物には、単一のジオステレオマーまたはそれらの混合物のいずれかとして二重結合を有する化合物の、(Z)および(E)型(またはシス型およびトランス型)が含まれる。
【0024】
化合物および部分は、エノール型、ケト型およびそれらの混合物を含む、いくつかの互変異性型でも存在し得る。したがって、本明細書に示される化学構造は、例示された化合物のすべての可能な互変異性型を包含する。化合物は、水和物形態を含む溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態で存在してよい。特定の化合物は、複数の結晶、共結晶、またはアモルファス形態で存在してよい。化合物には、その薬学的に許容可能な塩、または前述のいずれかの遊離酸形態の薬学的に許容可能な溶媒和物、および前述のいずれかの結晶形態が含まれる。
【0025】
「シクロアルキル」とは、飽和または部分的に不飽和の環式アルキルラジカルを指す。シクロアルキル基は、C3-6シクロアルキル、C3-5シクロアルキル、C5-6シクロアルキル、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る。シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択され得る。
【0026】
「シクロアルキルアルキル」は、炭素原子に結合した水素原子の1つが本明細書で定義されているシクロアルキル基で置き換えられている非環式アルキルラジカルを指す。特定のアルキル部分が意図される場合、命名法のシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルケニルまたはシクロアルキルアルキニルが使用される。シクロアルキルアルキル基は、C4-30シクロアルキルアルキルであり得、例えば、シクロアルキルアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分はC1-10であり、シクロアルキルアルキル部分のシクロアルキル部分はC3-20である。シクロアルキルアルキル基は、C4-20シクロアルキルアルキルであり得、例えば、シクロアルキルアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分はC1-8であり、シクロアルキルアルキル基のシクロアルキル部分はC3-12である。シクロアルキルアルキルは、C4-9シクロアルキルアルキルであり得、この場合、シクロアルキルアルキル基のアルキル部分はC1-3アルキルであり、シクロアルキルアルキル基のシクロアルキル部分はC3-6シクロアルキルである。シクロアルキルアルキル基は、C4-12シクロアルキルアルキル、C4-10シクロアルキルアルキル、C4-8シクロアルキルアルキルおよびC4-6シクロアルキルアルキルであり得る。シクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチル(-CH2-シクロ-C3H5)、シクロペンチルメチル(-CH2-シクロ-C5H9)またはシクロヘキシルメチル(-CH2-シクロ-C6H11)であり得る。シクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルエテニル(-CH=CH-シクロ-C3H5)、シクロペンチルエチニル(-C≡C-シクロ-C5H9)などであり得る。
【0027】
それ自体または別の置換基の一部としての「シクロアルキルヘテロアルキル」は、アルキル基の1つ以上の炭素原子(および特定の関連水素原子)が、同じまたは異なる1つまたは複数のヘテロ原子基で独立して置き換えられ、炭素原子に結合している水素原子の1つがシクロアルキル基で置き換えられる、ヘテロアルキル基を指す。特定のアルキル部分が意図される場合、命名法のシクロアルキルヘテロアルカニル、シクロアルキルヘテロアルケニルおよびシクロアルキルヘテロアルキニルが使用される。シクロアルキルヘテロアルキルでは、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-N(-CH3)-、-SO-および-SO2-から選択され得る。またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得るか、またはヘテロ原子基は-O-または-NH-である。
【0028】
「シクロアルキルオキシ」は、ラジカル-ORを指し、Rは本明細書で定義されているシクロアルキルである。シクロアルキルオキシ基の例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、およびシクロヘキシルオキシが挙げられる。シクロアルキルオキシ基は、C3-6シクロアルキルオキシ、C3-5シクロアルキルオキシ、C5-6シクロアルキルオキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシまたはシクロヘキシルオキシであり得る。
【0029】
「疾患」とは、前述のいずれかの疾患、障害、状態または症状を指す。
【0030】
FD&C法第321条(g)(1)の下で、定義される「薬物」は、「(A)公式の米国薬局方、公式の米国ホメオパシー薬局方または公式の国民医薬品集またはそれらのいずれかに対する任意の付録にて認識される物品、(B)ヒトまたは他の動物の疾患の、診断、治療、緩和、治療または予防で使用することが意図される物品、(C)ヒトまたは他の動物の身体構造または任意の機能に影響を与えることが意図される物品(食品以外)…」を意味する。
【0031】
「フルオロアルキル」とは、1つ以上の水素原子がフルオロで置き換えられている、本明細書で定義されているアルキル基を指す。フルオロアルキル基は、C1-6フルオロアルキル、C1-5フルオロアルキル、C1-4フルオロアルキルまたはC1-3フルオロアルキルであり得る。フルオロアルキル基は、ペンタフルオロエチル(-CF2CF3)またはトリフルオロメチル(-CF3)であり得る。
【0032】
「フルオロアルコキシ」とは、1つ以上の水素原子がフルオロで置き換えられている、本明細書で定義されているアルコキシ基を指す。フルオロアルコキシ基は、C1-6フルオロアルコキシ、C1-5フルオロアルコキシ、C1-4フルオロアルコキシ、C1-3フルオロアルコキシ、-OCF2CF3または-OCF3であり得る。
【0033】
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
【0034】
「ヘテロアルコキシ」とは、1つ以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられているアルコキシ基を指す。ヘテロアルコキシ基は、C1-6ヘテロアルコキシ、C1-5ヘテロアルコキシ、C1-4ヘテロアルコキシまたはC1-3ヘテロアルコキシであり得る。ヘテロアルコキシにおいて、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-NR-から選択され得る。ここで、RはC1-6アルキル、-SO2-および-SO2-であるか、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-である。ヘテロアルコキシ基は、C1-6ヘテロアルコキシ、C1-5ヘテロアルコキシ、C1-4ヘテロアルコキシまたはC1-3ヘテロアルコキシであり得る。
【0035】
それ自体または別の置換基の一部としての「ヘテロアルキル」は、1つ以上の炭素原子(および特定の関連水素原子)が、同じまたは異なる1つまたは複数のヘテロ原子基で独立して置き換えられるアルキル基を指す。ヘテロ原子基の例には、-O-、-S-、-NH-、-NR-、-O-O-、-S-S-、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR-、PR-、-P(O)OR-、-P(O)R-、-POR-、-SO-、-SO2-および-Sn(R)2-が挙げられる。式中、各Rは、水素、C1-6アルキル、置換C1-6アルキル、C6-12アリール、置換C6-12アリール、C7-18アリールアルキル、置換C7-18アリールアルキル、C3-7シクロアルキル、置換C3-7シクロアルキル、C3-7ヘテロシクロアルキル、置換C3-7ヘテロシクロアルキル、C1-6ヘテロアルキル、置換C1-6ヘテロアルキル、C6-12ヘテロアリール、置換C6-12ヘテロアリール、C7-18ヘテロアリールアルキルおよび置換C7-18ヘテロアリールアルキルから独立して選択される。各Rは、水素およびC1-3アルキルから独立して選択され得る。例えば、C1-6ヘテロアルキルへの言及は、少なくとも1つの炭素原子(および特定の関連する水素原子)がヘテロ原子で置き換えられるC1-6アルキル基を意味する。例えば、C1-6ヘテロアルキルには、5個の炭素原子と1個のヘテロ原子を有する基、4個の炭素原子と2個のヘテロ原子を有する基などが挙げられる。ヘテロアルキルにおいては、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-N(-CH3)-、-SO-および-SO2-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-または-NH-であり得る。ヘテロアルキル基は、C1-6ヘテロアルキル、C1-5ヘテロアルキルまたはC1-4ヘテロアルキルまたはC1-3ヘテロアルキルであり得る。
【0036】
それ自体または別の置換基の一部としての「ヘテロアリール」は、親ヘテロ芳香環系の単一原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、一価のヘテロ芳香族ラジカルを指す。ヘテロアリールは、芳香族または非芳香族であり得る、少なくとも1つの他の環に縮合した少なくとも1つのヘテロ芳香環を有する複数環系を包含する。例えば、ヘテロアリールは、1つの環がヘテロ芳香族であり、2番目の環がヘテロシクロアルキル環である二環式環を包含する。環の1つのみが1つ以上のヘテロ原子を含む、そのような縮合二環式ヘテロアリール環系の場合、ラジカル炭素は芳香環またはヘテロシクロアルキル環であってよい。ヘテロアリール基中のN、SおよびO原子の総数が1を超える場合、ヘテロ原子は互いに近接してもしなくてもよい。ヘテロアリール基のヘテロ原子の総数は2個以下である。ヘテロアリールでは、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-N(-CH3)-、-SO-および-SO2-から選択され得るか、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得るか、またはヘテロ原子基は-O-または-NH-であり得る。ヘテロアリール基は、C5-10ヘテロアリール、C5-9ヘテロアリール、C5-8ヘテロアリール、C5-7ヘテロアリール、C5-6ヘテロアリール、C5ヘテロアリールまたはC6ヘテロアリールから選択され得る。
【0037】
ヘテロアリール基の例には、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、α-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン、チアゾリジンおよびオキサゾリジンから誘導された基が挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールまたはピラジンから誘導され得る。例えば、ヘテロアリールはC5ヘテロアリールであり得、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリルまたはイソオキサゾリルから選択され得る。ヘテロアリールはC6ヘテロアリールであり得、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、およびピリダジニルから選択され得る。
【0038】
「ヘテロアリールアルキル」とは、炭素原子の1つ(および特定の関連する水素原子)がヘテロ原子で置き換えられるアリールアルキル基を指す。ヘテロアリールアルキル基は、C6-16ヘテロアリールアルキル、C6-14ヘテロアリールアルキル、C6-12ヘテロアリールアルキル、C6-10ヘテロアリールアルキル、C6-8ヘテロアリールアルキルまたはC7ヘテロアリールアルキルまたはC6ヘテロアリールアルキルであり得る。ヘテロアリールアルキルでは、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-N(-CH3)-、-SO-および-SO2-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-もしくは-NH-であり得る。
【0039】
それ自体または別の置換基の一部としての「ヘテロシクロアルキル」は、1つ以上の炭素原子(および特定の関連する水素原子)が同じまたは異なるヘテロ原子で独立して置き換えられる飽和または不飽和環式アルキルラジカルを指す。または、1つ以上の炭素原子(および特定の関連する水素原子)が同じまたは異なるヘテロ原子で独立して置き換えられ、環系がヒュッケル則を妨害する親芳香環系を指す。炭素原子(単数または複数)を置き換えるヘテロ原子の例には、N、P、O、SおよびSiが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基の例には、エポキシド、アジリン、チイラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジンおよびキヌクリジンから誘導される基が挙げられる。ヘテロシクロアルキルはC5ヘテロシクロアルキルであり得、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ドキソラニルおよびジチオラニルから選択される。ヘテロシクロアルキルはC6ヘテロシクロアルキルであり得、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、オキサジニル、ジチアニルおよびジオキサニルから選択され得る。ヘテロシクロアルキル基は、C3-6ヘテロシクロアルキル、C3-5ヘテロシクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキル、C5ヘテロシクロアルキルまたはC6ヘテロシクロアルキルであり得る。ヘテロシクロアルキルでは、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-N(-CH3)-、-SO-および-SO2-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-または-NH-であり得る。
【0040】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル環の1つ以上の炭素原子(および特定の関連する水素原子)が、同じまたは異なるヘテロ原子で独立して置き換えられるシクロアルキルアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキルアルキルは、C4-12ヘテロシクロアルキルアルキル、C4-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C4-8ヘテロシクロアルキルアルキル、C4-6ヘテロシクロアルキルアルキル、C6-7ヘテロシクロアルキルアルキルまたはC6ヘテロシクロアルキルアルキルまたはC7ヘテロシクロアルキルアルキルであり得る。ヘテロシクロアルキルアルキルでは、ヘテロ原子基は-O-、-S-、-NH-、-N(-CH3)-、-SO-および-SO2-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-および-NH-から選択され得、またはヘテロ原子基は-O-もしくは-NH-であり得る。
【0041】
「親芳香環系」とは、4n+2個の電子を有する(ヒュッケル則)環状共役π(パイ)電子系を有する不飽和の環式または多環式環系を指す。「親芳香環系」の定義に含まれるものには、1つ以上の環が芳香族であり、1つ以上の環が飽和または不飽和である、例えばフルオレン、インダン、インデン、フェナレンなどの縮合環系が挙げられる。親芳香環系の例には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどが挙げられる。
【0042】
「水和物」とは、化学量論的割合での本明細書に記載の化合物の結晶格子への水の取り込みを指し、付加物の形成をもたらす。水和物を作製する方法には、水蒸気を含有する雰囲気での保存、水を含む投与剤形、または、例えば結晶化(すなわち、水または混合水性溶媒から)、凍結乾燥、湿式造粒、水性フィルムコーティングもしくは噴霧乾燥などの通常の医薬品処理工程が含まれるが、これらに限定されない。水和物は、特定の状況下では、水蒸気にさらされたとき、または水中に無水物質が懸濁したときに、結晶性溶媒和物から形成されてもよい。また、水和物は、水和物の多形を生じるような2つ以上の形態で結晶化してもよい。
【0043】
「代謝中間体」とは、親化合物の代謝によって生体内で形成され、生体内で更に反応して活性剤を放出する化合物を指す。式(1)の化合物は、生体内で代謝され対応する代謝中間体を提供する、アズトレオナムの保護されたスルホン化求核剤プロドラッグである。代謝中間体は求核環化を受け、アズトレオナムおよび1つ以上の反応生成物を放出する。反応生成物またはその代謝産物は有毒ではないことが望ましい。
【0044】
「ネオペンチル」は、メチレン炭素が炭素原子に結合しており、その炭素原子が3つの非水素置換基に結合している、ラジカルを指す。非水素置換基の例には、炭素、酸素、窒素および硫黄が挙げられる。3つの非水素置換基のそれぞれは炭素であり得る。3つの非水素置換基のうち2つは炭素であり得、3番目の非水素置換基は酸素および窒素から選択され得る。ネオペンチル基は次の構造:
【化2】
を有し得、式中、各R
1は式(1)のように定義され得る。
【0045】
「親芳香環系」とは、共役π電子系を有する不飽和の環式または多環式環系を指す。「親芳香環系」の定義に具体的に含まれているものには、1つ以上の環が芳香族であり、1つ以上の環が飽和または不飽和である、例えばフルオレン、インダン、インデン、フェナレンなどの縮合環系が挙げられる。親芳香環系の例には、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレンおよびトリナフタレンが挙げられる。
【0046】
「親ヘテロ芳香環系」とは、芳香環の連続的なπ電子系特性およびヒュッケル則(4n+2)に対応する多くのπ電子を維持するような方法で、1つ以上の炭素原子(および関連する水素原子)が同じまたは異なるヘテロ原子で独立して置き換えられる芳香環系を指す。炭素原子を置き換えるヘテロ原子の例には、N、P、O、SおよびSiなどが挙げられる。「親ヘテロ芳香環系」の定義に具体的に含まれているものには、1つ以上の環が芳香族であり、1つ以上の環が飽和または不飽和である、例えばアルシンドール、ベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテンなどの縮合環系が挙げられる。親ヘテロ芳香環系の例には、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンおよびチアゾリジン、オキサゾリジンが挙げられる。
【0047】
「患者」とは、哺乳動物、例えばヒトを指す。
【0048】
「薬学的に許容可能な」とは、連邦政府または州政府の規制機関によって承認または承認可能であるもの、または米国薬局方もしくは動物、特にヒトで使用される他の一般的に認められた薬局方に記載されているものを指す。
【0049】
「薬学的に許容可能な塩」とは、親化合物の所望の薬理活性を有する化合物の塩を指す。そのような塩には、無機酸および親化合物内の一級、二級または三級アミンなどの1つ以上のプロトン化可能な官能基で形成される、酸付加塩が含まれる。好適な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。塩は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、ターシャリーブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸によって形成され得る。親化合物に存在する1つ以上の酸性プロトンが例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンなどの金属イオンまたはそれらの組合せで置き換えられる、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合すると、塩が形成され得る。薬学的に許容可能な塩は塩酸塩であり得る。薬学的に許容可能な塩はナトリウム塩であり得る。2つ以上のイオン化可能な基を有する化合物では、薬学的に許容可能な塩は、二塩、例えば二塩酸塩などの1つ以上の対イオンを含むことができる。
【0050】
「薬学的に許容可能な塩」という用語には、水和物および他の溶媒和物ならびに結晶形または非結晶形の塩が含まれる。特定の薬学的に許容可能な塩が開示されている場合、特定の塩(例えば塩酸塩)は塩の一例であり、他の塩は、当業者が既知の技術を使用して形成し得ることが理解される。更に、当業者は、当該技術分野で一般的に知られている技術を使用して、薬学的に許容可能な塩を対応する化合物、遊離塩基および/または遊離酸に変換することができよう。
【0051】
「薬学的に許容可能なビヒクル」は、薬学的に許容可能な希釈剤、薬学的に許容可能なアジュバント、薬学的に許容可能な賦形剤、薬学的に許容可能な担体、または本開示により提供される化合物と、患者に投与され得る前述のいずれかとの組合せを指す。これはその薬理活性を破壊せず、治療有効量の化合物を提供するのに十分な用量で投与された場合には非毒性である。
【0052】
「医薬組成物」は、式(1)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルであって、これと共に式(1)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が患者に投与される、ビヒクルと、を指す。薬学的に許容可能なビヒクルは当該技術分野で知られている。
【0053】
「予防する」または「予防」とは、疾患または障害を獲得するリスクの低下を指す(すなわち、疾患の臨床症状の少なくとも1つが、疾患に曝露または罹患しやすい可能性があるが、まだ疾患の症状を経験または呈していない患者において、症状を引き起こさないようにする)。いくつかの実施形態では、「予防する」または「予防」とは、本開示により提供される化合物を予防的に投与することにより、疾患の症状を軽減することを指す。障害の疾患を予防または予防するための治療薬の適用は、「予防投与」として知られている。本開示により提供される化合物は、長期間にわたる、長期のより低い副作用から、優れた予防投与を提供し得る。
【0054】
「プロドラッグ」とは、活性薬物を放出するために体内での変換が必要である、薬物分子の誘導体を指す。プロドラッグは、必ずしもそうとは限らないが、親薬物に変換されるまで薬理学的に不活性であることが多い。プロドラッグは、典型的には、プロモエティ(本明細書で定義される)を官能基を介して薬物に結合させることにより得ることができる。例えば式(1)の化合物を参照すると、式(1)の化合物の硫酸基アズトレオナムを介し、薬物であるアズトレオナムに結合するプロモエティは、患者の体内で代謝され得、アズトレオナムを放出するアズトレオナムのプロドラッグである。
【0055】
「プロモエティ」(“promoiety”)とは、特定の使用条件下で切断可能な1つまたは複数の結合を介して、薬物に、典型的には薬物の官能基に結合した基を指す。薬物とプロモエティの間の1つまたは複数の結合は、酵素的または非酵素的手段によって切断されてよい。例えば、患者への投与後の使用条件下では、薬物とプロモエティとの間の1つまたは複数の結合が切断されて、親薬物が放出され得る。プロモエティの開裂は、加水分解反応などを介して自発的に進行する場合がある。または、酵素、光、酸などの別の薬剤、もしくは温度変化、pHなどの物理的または環境的パラメータの変化もしくはその作用を受けることによって、触媒作用を及ぼされるか、もしくは誘導される場合がある。薬剤は、プロドラッグが投与される患者の体循環に存在する酵素などの使用条件、もしくは胃の酸性条件に対し内因性であってもよい。または薬剤は外因的に供給されてよい。例えば、式(1)の化合物の場合、プロモエティは、構造:
【化3】
を有し、この場合、R
1、R
2およびR
3は式(1)のように定義され得る。
【0056】
「R2は単結合から選択される」という表現における「単結合」は、R2およびR2への結合基のうちの2つが、単結合に対応する部分を指す。例えば、構造-C(R1)2-R2-R3を有する部分において、この場合、R2は単結合であり、-R2-は単結合(-)に対応し、部分は構造-C(R1)2-R3を有する。
【0057】
「溶媒和物」とは、化学量論量または非化学量論量の1つ以上の溶媒分子と化合物との、分子複合体を指す。そのような溶媒分子は、水またはエタノールなど、患者に無害であることが知られている製薬技術で一般的に使用されているものである。化合物または化合物の部分と溶媒の分子複合体は、例えば、静電気力、ファンデルワールス力または水素結合などの非共有分子内力によって安定化され得る。「水和物」という用語は、1つ以上の溶媒分子が水である溶媒和物を指す。
【0058】
「溶媒和物」とは、化学量論的割合での本明細書に記載の化合物の結晶格子への溶媒の取り込みを指し、付加物の形成をもたらす。溶媒和物を作製する方法には、例えば、溶媒を含有する雰囲気での保存、溶媒を含む投与剤形、または例えば結晶化(すなわち、溶媒または混合溶媒から)蒸気拡散などの通常の医薬品処理工程が含まれる。溶媒和物は、特定の状況下では、溶媒にさらされたとき、または溶媒中に物質が懸濁したときに、結晶性溶媒和物または水和物から形成されてもよい。また、溶媒和物は、溶媒和物の多形を生じるような2つ以上の形で結晶化してよい。
【0059】
「置換」とは、1つ以上の水素原子が同じまたは異なる1つまたは複数の置換基で独立して置き換えられている基を指す。各置換基は、重水素、ハロゲン、-OH、-CN、-CF3、-OCF3、=O、-NO2、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-COOR、-NR2および-CONR2から独立して選択され得、式中、各Rは水素およびC1-6アルキルから独立して選択され得る。各置換基は、重水素、ハロゲン、-NH2、-OH、C1-3アルコキシおよびC1-3アルキル、トリフルオロメトキシ、およびトリフルオロメチルから独立して選択され得る。各置換基は、重水素、-OH、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシから独立して選択され得る。各置換基は、重水素、C1-3アルキル、=O、C1-3アルキル、C1-3アルコキシおよびフェニルから選択され得る。各置換基は、重水素、-OH、-NH2、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから選択され得る。
【0060】
「持続放出」は、同様の投与経路による、同様の化合物の即時放出製剤を投与することによって得られるものに対し、長期期間にわたり、患者の体循環にて化合物またはその活性代謝物質の治療濃度または予防濃度を得るのに有効な速度で、医薬組成物の投与剤形からの化合物を放出することを指す。いくつかの実施形態では、化合物の放出は、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間など、少なくとも約4時間にわたって起こり、いくつかの実施形態では、少なくとも約24時間にわたって起こる。
【0061】
疾患の「治療する」または「治療」とは、疾患あるいは疾患もしくは障害の臨床症状のうち少なくとも1つを阻止もしくは改善すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうち少なくとも1つにかかるリスクを低減すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうち少なくとも1つの発症を減少させること、または疾患もしくは疾患の臨床症状のうち少なくとも1つの発症リスクを低減させることを指す。「治療する」または「治療」はまた、物理的に(例えば識別可能な症状の安定化)、生理的に(例えば物理パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで疾患を阻害することと、患者に対して識別することができる、または識別することができない少なくとも1つの物理パラメータまたは発現を阻害することと、を指す。「治療する」または「治療」はまた、たとえその患者がまだ疾患の症状を経験または呈していないとしても、疾患または障害にさらされているか、またはそれにかかりやすい患者において、疾患の発症を遅らせること、または少なくとも1つ以上のその症状の発症を遅らせることを指す。
【0062】
「治療有効量」とは、疾患、または疾患の臨床症状の少なくとも1つを治療するために患者に投与した場合、疾患またはその症状の治療に影響を及ぼすのに十分な化合物の量を指す。「治療有効量」は、例えば、化合物、疾患および/または疾患の症状、疾患および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、治療される患者の年齢、体重および/または健康および処方する医師の判断に応じて異なり得る。任意の所与の例における適切な量は、当業者によって確認されるか、または通常の実験方法によって決定され得る場合がある。
【0063】
「治療有効用量」とは、患者の疾患または障害の効果的な治療を提供する用量を指す。治療有効用量は、化合物ごとに、また患者ごとに異なり、患者の状態および送達経路などの要因に依存する場合がある。治療有効用量は、当業者に知られている通常の薬理学的手順に従って決定され得る。
【0064】
「ビヒクル」は、化合物が患者に投与される希釈剤、賦形剤または担体を指す。ビヒクルは、薬学的に許容可能なビヒクルであり得る。薬学的に許容可能なビヒクルは当該技術分野で知られている。
【0065】
ここで、化合物、組成物、および方法の特定の実施形態を詳細に参照する。開示された実施形態は、特許請求の範囲を限定することを意図していない。それとは反対に、特許請求の範囲は、すべての代替、修飾、および同等物を網羅することを意図している。
【0066】
アズトレオナムは、主にグラム陰性菌によって引き起こされる感染症の治療に使用されるモノバクタム系抗生物質である。アズトレオナムの経口バイオアベイラビリティは不十分である。本開示により提供される化合物は、アズトレオナムのN-スルホン酸エステルプロドラッグである。アズトレオナムN-スルホン酸エステルプロドラッグは、アズトレオナムと比較して経口バイオアベイラビリティの向上を示す。アズトレオナムプロドラッグでは、求核部分はスルホニル基の近くに位置している。生体内では、求核部分が反応して体循環でアズトレオナムを放出する。アズトレオナム、(2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソ-1-スルホアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸)は、以下の構造を有する。
【化4】
【0067】
本開示により提供される化合物には、式(1):
【化5】
の化合物が含まれ、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択され得るか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子はC
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環、もしくは置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され得;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、および置換C
5-6ヘテロアリールから選択され得、式中、
R
4は水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキル、および置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され得;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得;
R
7は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0068】
式(1)の化合物では、化合物は式(2)の構造:
【化6】
を有し得、式中、各R
1、R
2、R
3およびR
7は式(1)について定義されているものと同様である。
【0069】
式(1)の化合物では、各置換基は、重水素、-OH、-CN、-CF3、-OCF3、=O、-NO2、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-COOR、-NR2および-CONR2から独立して選択され得、式中、各Rは水素およびメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチルまたはイソブチルなどのC1-6アルキルから独立して選択され得る。
【0070】
式(1)の化合物では、置換基は求核基であり得る。求核基は、反応性の電子対を有し、電子を供与することで化学結合を形成する機能を有する官能基である。好適な求核基の例には、エステル、カルボキシラート、スルホナート、置換または非置換アミン、アルコール(ヒドロキシル)、チオール、スルフィド、ヒドロキシアミン、およびイミンが挙げられる。好適な求核基の他の例には、-OH、-CF3、-O-CF3、-NO2、-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-O-C(O)-O-R4、-S-C(O)-O-R4、-NH-C(O)-O-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-O-C(O)-O-R4、-O-C(O)-S-R4、-O-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4、-CH(-NH2)(-R4)が挙げられ、この場合、各R4が水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C5-8シクロアルキル、C5-8ヘテロシクロアルキル、C5-10シクロアルキルアルキル、C5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C6-8アリール、C6-8ヘテロアリール、C5-10アリールアルキル、C5-10ヘテロアリールアルキル、置換C1-6アルキル、置換C1-6ヘテロアルキル、置換C5-8シクロアルキル、置換C5-8ヘテロシクロアルキル、置換C5-10シクロアルキルアルキル、置換C5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6-8アリール、置換C6-8ヘテロアリール、置換C5-10アリールアルキルおよび置換C5-10ヘテロアリールアルキルから独立して選択され得る。
【0071】
式(1)の化合物では、各置換基は-OH、-CF3、-O-CF3、-NO2、-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-O-C(O)-O-R4、-S-C(O)-O-R4、-NH-C(O)-O-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-O-C(O)-O-R4、-O-C(O)-S-R4、-O-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4、-CH(-NH2)(-R4)から独立して選択され得、式中、各R4は水素、C1-8アルキルおよびC1-8ヘテロアルキルから選択され得る。
【0072】
式(1)の化合物では、R7は水素であり得る。
【0073】
式(1)の化合物では、R7はメチル、エチル、n-プロピルまたはイソ-プロピルなどのC1-3アルキルであり得る。
【0074】
式(1)の化合物において、R5およびR6のそれぞれは水素であり得る。
【0075】
式(1)の化合物では、R7は水素であり得る。また、R5およびR6は水素であり得る。
【0076】
式(1)の化合物では、R7はメチル、エチル、n-プロピル、またはイソ-プロピルなどのC1-3アルキルであり得る。また、R5およびR6のそれぞれは水素であり得る。
【0077】
式(1)および(2)の化合物において、R7は水素、C1-6アルキル、C5-8シクロアルキル、C6-12シクロアルキルアルキル、C2-6ヘテロアルキル、C5-8ヘテロシクロアルキル、C6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0078】
式(1)および(2)の化合物において、R7は水素、C1-6アルキル、C5-8シクロアルキルおよびC6-12シクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0079】
式(1)および(2)の化合物では、R
7は水素、エチル、tert-ブチル、ヘキシル、-(CH
2)
2-O-CH
3および
【化7】
(4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン)から選択され得る。
【0080】
式(1)および(2)の化合物において、R7は水素およびC1-6アルキルから選択され得る。
【0081】
式(1)の化合物では、R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり得る。
【0082】
式(1)の化合物では、化合物は式(3)の構造:
【化8】
を有し得、式中、各R
1、R
2およびR
3は、式(1)について定義されているものと同様である。
【0083】
式(1)の化合物において、R5は末端アミン基を含むC2-6ヘテロアルキルであり得、R6は水素であり得る。例えば、R5は-O-(CH2)2-NH2、-CH2-O-CH2-NH2または-(CH2)2-O-CH2-NH2、-CH2-O-(CH2)2-NH2であってよい。
【0084】
式(1)および(2)の化合物では、R7は水素であり得、R5は-O-(CH2)2-NH2であり得、R6は水素であり得る。
【0085】
式(1)および(2)の化合物では、R5は少なくとも1つの-NH-部分を含むC4-6ヘテロシクロアルキルであり得、R6は水素であり得る。例えば、R5は2-イル-ピペリジン、3-イル-ピペリジンまたは4-イル-ピペリジンであり得る。
【0086】
式(1)および(2)の化合物において、R7は水素であり得、R5は4-イル-ピペリジンであり得、R6は水素であり得る。
【0087】
式(1)~(3)の化合物において、各R1は独立してC1-6アルキルであり得る。
【0088】
式(1)~(3)の化合物において、各R1は独立してメチル、エチルまたはn-プロピルであり得る。
【0089】
式(1)~(3)の化合物において、各R1は同じであり得、メチル、エチルまたはn-プロピルであり得る。
【0090】
式(1)~(3)の化合物では、各R1はメチルであり得る。
【0091】
式(1)~(3)の化合物において、各R1に結合され得るジェミナル炭素原子と一緒に、各R1はC3-6シクロアルキル環または置換C3-6シクロアルキル環を形成し得る。
【0092】
式(1)~(3)の化合物において、各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1はC3-6シクロアルキル環を形成し得る。例えば、各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1はシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成し得る。
【0093】
式(1)~(3)の化合物において、各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1は、C3-6ヘテロシクロアルキル環または置換C3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し得る。
【0094】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合、C1-2アルカンジイルおよび置換C1-2アルカンジイルから選択され得る。
【0095】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合であり得る。
【0096】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合であり得る。また、R3はC1-6アルキルであり得る。
【0097】
式(1)~(3)の化合物において、R2は、C1-2アルカンジイルおよび置換C1-2アルカンジイルから選択され得る。
【0098】
式(1)~(3)の化合物において、R2はメタンジイル、エタンジイル、置換メタンジイルまたは置換エタンジイルであり得る。
【0099】
式(1)~(3)の化合物では、R2は置換C1-2アルカンジイルであり得、この場合置換基は、-OH、-CN、-CF3、-OCF3、=O、-NO2、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-COOR、-NR2および-CONR2から選択され得る。式中、各Rは水素およびC1-6アルキルから独立して選択され得る。
【0100】
式(1)~(3)の化合物では、R2は置換C1-2アルカンジイルであり得、この場合、置換基は求核基であり得る。例えば、R2は置換C1-2アルカンジイルであり得、この場合、置換基は-OH、-CF3、-O-CF3、-NO2、-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-O-C(O)-O-R4、-S-C(O)-O-R4、-NH-C(O)-O-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-O-C(O)-O-R4、-O-C(O)-S-R4、-O-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4、-CH(-NH2)(-R4)であり得、この場合、各R4は式(1)について定義されているものと同様であるか、または各R4は水素およびC1-8アルキルから選択され得る。
【0101】
式(1)~(3)の化合物では、R2は置換C1-2アルカンジイルであり得、この場合、置換基は-OH、-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4、-CH(-NH2)(-R4)、置換C5-6アリール、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)であり得、この場合、各R4は式(1)について定義されているものと同様であるか、または各R4は水素およびC1-8アルキルから選択され得る。
【0102】
式(1)~(3)の化合物では、R2が置換C1-6アルカンジイル、置換C1-6ヘテロアルカンジイルまたは置換C5-6アレーンジイルであり得る場合、置換基が結合している炭素原子の立体化学は、(S)配置であり得る。
【0103】
式(1)~(3)の化合物では、R2が置換C1-6アルカンジイル、置換C1-6ヘテロアルカンジイルまたは置換C5-6アレーンジイルであり得る場合、置換基が結合している炭素原子の立体化学は、(R)配置であり得る。
【0104】
式(1)~(3)の化合物では、R2は、C5-6シクロアルカンジイル、C5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C5-6アレーンジイルおよびC5-6ヘテロシクロアルカンジイルから選択され得る。
【0105】
式(1)~(3)の化合物では、R2は、シクロペンタ-1,3-ジエン-ジイル、置換シクロペンタ-1,3-ジエン-ジイル、ベンゼン-ジイルまたは置換ベンゼン-ジイルであり得る。例えば、R2は1,2-ベンゼン-ジイルまたは置換1,2-ベンゼン-ジイルである。
【0106】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-O-C(O)-O-R4、-S-C(O)-O-R4、-NH-C(O)-O-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-O-C(O)-O-R4、-O-C(O)-S-R4、-O-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4および-CH(-NH2)(-R4)であり得、この場合、R4は式(1)について定義されているものと同様であるか、または各R4は水素およびC1-8アルキルから選択され得る。
【0107】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NH-R4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され得、この場合、R4は式(1)について定義されているものと同様であるか、または各R4は水素およびC1-8アルキルから選択され得る。
【0108】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-C(O)-O-R4であり得、この場合、R4は式(1)で定義されているものと同様であるか、各R4は水素およびC1-8アルキルから選択され得る。
【0109】
式(1)~(3)の化合物では、R4は水素、C1-3アルキル、C5-6シクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキル、C5-6アリール、置換C1-3アルキル、置換C5-6シクロアルキル、置換C5-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C5-6アリールから選択され得る。
【0110】
式(1)~(3)の化合物では、R4はメチル、エチル、フェニルおよびベンジルから選択され得る。
【0111】
式(1)~(3)の化合物では、R4は水素およびC1-8アルキルから選択され得る。
【0112】
式(1)~(3)の化合物では、R4はC1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C7-9アリールアルキルおよび置換C5-7ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0113】
式(1)~(3)の化合物では、R4はC1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0114】
式(1)~(3)の化合物では、R4はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび2-ピロリジニルから選択され得る。
【0115】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-C(O)-O-R4であり得、R4は、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C5-7シクロアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、C6アリール、C7-9アリールアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C5-6シクロアルキル、置換C5-6ヘテロシクロアルキル、置換C6アリールおよびC7-9アリールアルキルから選択され得る。
【0116】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-C(O)-O-R4であり得、R4は、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C7-9アリールアルキルおよび置換C5-7ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0117】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-C(O)-O-R4であり得、R4は、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよび置換C5-7ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0118】
式(1)~(3)の化合物では、R3は-O-C(O)-CH3、-O-C(O)-CH2-CH3、-O-C(O)-フェニル、-O-C(O)-CH2-フェニル、-S-C(O)-CH3、-S-C(O)-CH2-CH3、-S-C(O)-フェニル、-S-C(O)-CH2-フェニル、-NH-C(O)-CH3、-NH-C(O)-CH2-CH3、-NH-C(O)-フェニル、-NH-C(O)-CH2-フェニル、-O-C(O)-O-CH3、-O-C(O)-O-CH2-CH3、-O-C(O)-O-フェニル、-O-C(O)-O-CH2-フェニル、-S-C(O)-O-CH3、-S-C(O)-O-CH2-CH3、-S-C(O)-O-フェニル、-S-C(O)-O-CH2-フェニル、-NH-C(O)-O-CH3、-NH-C(O)-O-CH2-CH3、-NH-C(O)-O-フェニル、-NH-C(O)-O-CH2-フェニル、-C(O)-O-CH3、-C(O)-O-CH2-CH3、-C(O)-O-フェニル、-C(O)-O-CH2-フェニル、-C(O)-S-CH3、-C(O)-S-CH2-CH3、-C(O)-S-フェニル、-C(O)-S-CH2-フェニル、-C(O)-NH-CH3、-C(O)-NH-CH2-CH3、-C(O)-NH-フェニル、-C(O)-NH-CH2-フェニル、-O-C(O)-O-CH3、-O-C(O)-O-CH2-CH3、-O-C(O)-O-フェニル、-O-C(O)-O-CH2-フェニル、-O-C(O)-S-CH3、-O-C(O)-S-CH2-CH3、-O-C(O)-S-フェニル、-O-C(O)-S-CH2-フェニル、-O-C(O)-NH-CH3、-O-C(O)-NH-CH2-CH3、-O-C(O)-NH-フェニル、-O-C(O)-NH-CH2-フェニル、-S-SH、-S-S-CH3、-S-S-CH2-CH3、-S-S-フェニル、-S-S-CH2-フェニル、-SH、-S-CH3、-S-CH2-CH3、-S-フェニル、-S-CH2-フェニル、-NH2、-NH-CH3、-NH-CH2-CH3、-NH-フェニル、-NH-CH2-フェニル、-CH(-NH2)(-CH3)、-CH(-NH2)(-CH2-CH3)、-CH(-NH2)(-フェニル)および-CH(-NH2)(-CH2-フェニル)から選択され得る。
【0119】
式(1)~(3)の化合物において、R
3はC
5-6シクロアルキル、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6アリール、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C
5-6アリールおよび置換C
5-6ヘテロアリールから選択され得、少なくとも1つの求核基を含む。例えば、R
3は式(5a)または式(5b)の構造を有し得る。
【化9】
【0120】
式(1)~(3)の化合物では、R4はC1-3アルキル、C5-6シクロアルキル、C5-6ヘテロシクロアルキル、C5-6アリール、置換C1-3アルキル、置換C5-6シクロアルキル、置換C5-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C5-6アリールから選択され得る。
【0121】
式(1)~(3)の化合物では、各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、2つの隣接するS原子を含むC4-6ヘテロシクロアルキル環、またはOおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子ならびに少なくとも1つのヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合した=O置換基を含む、置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0122】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合であり得る。R3はC1-3アルキルであり得る。各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、2つの隣接するS原子を含むC4-6ヘテロシクロアルキル環、またはOおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子ならびにヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合した=O置換基を含む、置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0123】
式(1)~(3)の化合物では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒に、C4ヘテロシクロアルキル基、C5ヘテロシクロアルキル基、またはC6ヘテロシクロアルキル基を形成し得る。ヘテロシクロアルキル基は、2つの隣接する硫黄原子を有し得る。式(1)~(3)の化合物では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒に、C4ヘテロシクロアルキル基、C5ヘテロシクロアルキル基、またはC6ヘテロシクロアルキル基を形成し得、R2は単結合であり得、R3はメチルまたはエチルなどのC1-4アルキルなどといったC1-6アルキルであり得る。
【0124】
式(1)~(3)の化合物では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換C4ヘテロシクロアルキル基、置換C5ヘテロシクロアルキル基、または置換C6ヘテロシクロアルキル基を形成し得る。置換ヘテロシクロアルキル基は、硫黄原子および隣接するカルボニル(=O)基を有し得る。置換ヘテロシクロアルキル基は、酸素原子および隣接するカルボニル(=O)基を有し得る。
【0125】
式(1)~(3)の化合物では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒に、置換C4ヘテロシクロアルキル基、置換C5ヘテロシクロアルキル基、または置換C6ヘテロシクロアルキル基を形成し得、R3は単結合であり得、R4はメチルまたはエチルなどのC1-4アルキルなどといったC1-6アルキルであり得る。
【0126】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合であり、R3はC1-3アルキルであり得、各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、C4-6ヘテロシクロアルキル環または置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成し得る。
【0127】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合であり得る。R3はC1-3アルキルであり得る。各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、2つの隣接するS原子を含むC4-6ヘテロシクロアルキル環、またはOおよびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子ならびにヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合した=O置換基を含む、置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成し得る。
【0128】
式(1)~(3)の化合物では、R2は単結合であり得る。R3はC1-3アルキルであり得る。各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、1,2-ジチオランテ(dithiolante)環、1,2-ジタン環、チエタン-2-オン環、ジヒドロチオフェン-2(3H)-オン環、テトラヒドロ-2H-チピラン(thipyran)-2-オン環、オキセタン-2-オン環、ジヒドロフラン-2(3H)-オン環またはテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン環を形成し得る。
【0129】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され得、
R3は、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され得、この場合、R4は水素、メチル、エチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルおよび2-ピロリジニルから選択され得る。
【0130】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1および各R1が結合しているジェミナル炭素は、C3-6シクロアルキル環を形成し得、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され得、
R3は、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され得、この場合、R4は水素、メチル、エチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルおよび2-ピロリジニルから選択され得る。
【0131】
式(1)~(3)の化合物では、
R2は単結合であり得、
R3はC1-3アルキルであり、
各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、1,2-ジチオランテ(dithiolante)環、1,2-ジタン環、チエタン-2-オン環、ジヒドロチオフェン-2(3H)-オン環、テトラヒドロ-2H-チピラン(thipyran)-2-オン環、オキセタン-2-オン環、ジヒドロフラン-2(3H)-オン環またはテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン環を形成し得る。
【0132】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され得、
R3は、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され得、この場合、R4はC1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0133】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はC1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルであり得る。
【0134】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され得、
R3は、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され得、式中、R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシル、および2-ピロリジニルから選択され得る。
【0135】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され得、
R3は、-O-C(O)-R4であり得、式中、R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシル、および2-ピロリジニルから選択され得る。
【0136】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C7-10アルキルアレーンおよびC5-10ヘテロアルキルシクロアルキルから選択され得る。
【0137】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はメチルであり得、
R2は、単結合であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C7-10アルキルアレーンおよびC5-10ヘテロアルキルシクロアルキルから選択され得、
R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり得る。
【0138】
式(1)~(3)の化合物では、R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり得る。
【0139】
式(1)~(3)の化合物では、各R1は独立してC1-3アルキルであり得、各R2は単結合であり得、R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり得る。
【0140】
式(1)~(3)の化合物では、各R1は独立してC1-3アルキルであり得、各R2は単結合であり得る。
【0141】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、または各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1はC3-6シクロアルキル環、置換C3-6シクロアルキル環、C3-6ヘテロシクロアルキル環または置換C3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、
R4はC1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C7-9アリールアルキルおよび置換C5-7ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0142】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は、単結合、メタンジイル、エタンジイルから選択され得、
R3は、-C(O)-O-R4および-S-C(O)-R4から選択され得、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0143】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3は、-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0144】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は-(CH2)2-であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0145】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1はC1-3アルキルから選択され得、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は-CH2-であり得、
R3は-S-C(O)-R4であり得、式中、R4は、C1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル、置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0146】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環、C3-6ヘテロシクロアルキル環、C3-6シクロアルキル環、またはC3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3はC1-3アルキルであり得る。
【0147】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は、単結合およびメタンジイルから選択され得、
R3は-O-C(O)-R4および-C(O)-O-R4から選択され得、式中、R4はC1-10アルキルおよび置換フェニルから選択され得る。
【0148】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は単結合であり得、
R3は-CH=C(R4)2であり得、式中、各R4は-C(O)-O-R8であるか、または各R4はそれらが結合されている炭素原子と一緒に置換ヘテロシクロヘキシル環を形成し、
各R8はC1-4アルキルであり得る。
【0149】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は、単結合およびメタンジイルから選択され得、
R3は、置換フェニルであり得、式中、1つ以上の置換基が、-CH2-O-C(O)-R4および-O-C(O)-R4から独立して選択され得、式中、R4はC1-10アルキルおよびフェニルから選択され得る。
【0150】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は、-C(R8)2-および-CH2-C(R8)2-から選択され得、各R8はC1-3アルキルから独立して選択され得、
R3は-C(O)-O-R4および-O-C(O)-R4から選択され得、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、置換C1-10アルキル、置換C1-10ヘテロアルキルおよび4(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得る。
【0151】
式(1)~(3)の化合物では、
各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換C5-6複素環式環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3はC1-3アルキルであり得る。
【0152】
式(1)の化合物では、
R5およびR6のそれぞれが水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
R2は単結合であり、
R3は-C(O)-O-R4であり、この場合R4はC1-6アルキルから選択される。
【0153】
式(1)の化合物は、亜属(sub-genus)(1A)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得るか、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は、単結合、メタンジイルおよびエタンジイルから選択され得、
R3は-C(O)-O-R4および-S-C(O)-R4から選択され得、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0154】
亜属の化合物(1A)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0155】
亜属の化合物(1A)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0156】
亜属の化合物(1A)では、各R1はC1-3アルキルから独立して選択され得る。
【0157】
亜属の化合物(1A)では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成する。
【0158】
亜属の化合物(1A)では、R2は単結合である。
【0159】
亜属の化合物(1A)では、R2はメタンジイルであり得る。
【0160】
亜属の化合物(1A)では、R2はエタンジイルであり得る。
【0161】
亜属の化合物(1A)では、R3は-C(O)-O-R4であり得る。
【0162】
亜属の化合物(1A)では、R3は-S-C(O)-R4であり得る。
【0163】
亜属の化合物(1A)では、R4はC1-10アルキルであり得る。
【0164】
亜属の化合物(1A)では、R4はC1-10ヘテロアルキルであり得る。
【0165】
亜属の化合物(1A)では、R4はC5-10アリールアルキルであり得る。
【0166】
亜属の化合物(1A)では、R4はC3-6ヘテロシクロアルキルであり得る。
【0167】
亜属の化合物(1A)では、R4は置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルであり得る。
【0168】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1B)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得るか、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、この場合、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0169】
亜属の化合物(1B)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0170】
亜属の化合物(1B)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0171】
亜属の化合物(1B)では、各R1はC1-3アルキルから独立して選択され得る。
【0172】
亜属の化合物(1B)では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成する。
【0173】
亜属の化合物(1B)では、R4は、C1-7アルキル、C1-10ヘテロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得る)、-CH2-C4-6シクロアルキル、-(CH2)2-C4-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得る)、-CH2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルおよび-(CH2)2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0174】
亜属の化合物(1B)では、置換C3-6ヘテロシクロアルキルにおいて、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択され得る。
【0175】
亜属の化合物(1B)では、各R1はメチルであり得るか、または各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒にシクロヘキシル環もしくはシクロペンチル環を形成し得る。
【0176】
亜属の化合物(1B)では、R4はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、-CH2-CH2-O-CH3、ベンジル、3-オキセタニルおよびメチル-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得る。
【0177】
亜属の化合物(1B)では、
R5およびR6のそれぞれが水素であり、
R7が、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1がメチルであり得るか、各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環またはシクロペンチル環を形成し得、
R2が単結合であり得、
R3が-C(O)-O-R4であり得、式中、R4が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-フェニル(ベンジル)、3-オキセタニルおよびメチル-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得る。
【0178】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1C)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得るか、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は-(CH2)2-であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、この場合、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0179】
亜属の化合物(1C)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0180】
亜属の化合物(1C)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0181】
亜属の化合物(1C)では、各R1はC1-3アルキルから独立して選択され得る。
【0182】
亜属の化合物(1C)では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成する。
【0183】
亜属の化合物(1C)では、R4は、C1-7アルキル、C1-10ヘテロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得る)、-CH2-C4-6シクロアルキル、-(CH2)2-C4-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得る)、-CH2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルおよび-(CH2)2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0184】
亜属の化合物(1C)では、置換C3-6ヘテロシクロアルキルにおいて、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択され得る。
【0185】
亜属の化合物(1C)では、R4はC1-10アルキルであり得る。
【0186】
亜属の化合物(1C)では、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1はメチルであり得、
R2は-(CH2)2-であり得、
R3は-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はn-ヘキシルおよびn-ヘプチルから選択され得る。
【0187】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1D)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから選択され得るか、または各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は-CH2-であり得、
R3は-S-C(O)-R4であり得、この場合、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され得る。
【0188】
亜属の化合物(1D)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0189】
亜属の化合物(1D)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0190】
亜属の化合物(1D)では、各R1はC1-3アルキルから独立して選択され得る。
【0191】
亜属の化合物(1D)では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成する。
【0192】
亜属の化合物(1D)では、R4は、C1-7アルキル、C1-10ヘテロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得る)、-CH2-C4-6シクロアルキル、-(CH2)2-C4-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得る)、-CH2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルおよび-(CH2)2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0193】
亜属の化合物(1D)では、置換C3-6ヘテロシクロアルキルにおいて、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択され得る。
【0194】
亜属の化合物(1D)では、R4はC1-10アルキルであり得る。
【0195】
亜属の化合物(1D)では、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1はメチルであり得、
R2は-CH2-であり得、
R3は-S-C(O)-R4であり得、式中、R4はメチルであり得る。
【0196】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1E)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得、
各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環、C3-6ヘテロシクロアルキル環、C3-6シクロアルキル環またはC3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し、
R2が単結合であり得、
R3がC1-3アルキルであり得る。
【0197】
亜属の化合物(1E)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0198】
亜属の化合物(1E)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0199】
亜属の化合物(1E)では、各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6ヘテロシクロアルキル環またはC3-6ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0200】
亜属の化合物(1E)では、1つ以上のヘテロ原子は酸素であり、1つ以上の置換基は=Oであり得る。
【0201】
亜属の化合物(1E)では、
各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ジヒドロフラン-2(3H)-オン環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3はメチルであり得る。
【0202】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1F)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は単結合およびメタンジイルから選択され得、
R3は-O-C(O)-R4および-C(O)-O-R4であり得、式中、R4はC1-10アルキルおよび置換フェニルから選択され得る。
【0203】
亜属の化合物(1F)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0204】
亜属の化合物(1F)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0205】
亜属の化合物(1F)では、R2は単結合であり得る。
【0206】
亜属の化合物(1F)では、R2はメタンジイルであり得る。
【0207】
亜属の化合物(1F)では、R3は-O-C(O)-R4であり得る。
【0208】
亜属の化合物(1F)では、R2はメタンジイルであり得、R3は-O-C(O)-R4であり得る。
【0209】
亜属の化合物(1F)では、R3は-C(O)-O-R4であり得る。
【0210】
亜属の化合物(1F)では、R2は単結合であり得、R3は-C(O)-O-R4であり得る。
【0211】
亜属の化合物(1F)では、R2は単結合であり得、R3は-C(O)-O-R4であり得、R4はC1-3アルキルであり得る。
【0212】
亜属の化合物(1F)では、R4はC1-10アルキルであり得る。
【0213】
亜属の化合物(1F)では、R4はC1-4アルキルであり得る。
【0214】
亜属の化合物(1F)では、R4は置換フェニルであり得る。
【0215】
亜属の化合物(1F)では、R2はメタンジイルであり得、R3は-O-C(O)-R4であり得、R4は置換フェニルであり得る。
【0216】
亜属の化合物(1F)では、1つ以上の置換基が、ハロゲン、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから独立して選択され得る。
【0217】
亜属の化合物(1F)では、置換フェニルは2,6-置換フェニルであり得る。
【0218】
亜属の化合物(1F)では、置換基のそれぞれはC1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから選択され得る。
【0219】
亜属の化合物(1F)では、置換フェニルは2,5,6-置換フェニルであり得る。
【0220】
亜属の化合物(1F)では、2位と6位のそれぞれの置換基は、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから独立して選択され得、5位の置換基はハロゲンであり得る。
【0221】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1G)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は単結合であり得、
R3は-CH=C(R4)2であり得、式中、各R4は-C(O)-O-R8であり得るか、または各R4はそれらが結合されている炭素原子と一緒に置換ヘテロシクロヘキシル環を形成し、
各R8はC1-4アルキルであり得る。
【0222】
亜属の化合物(1G)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0223】
亜属の化合物(1G)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0224】
亜属の化合物(1G)では、各R4は-C(O)-O-R8であり得る。
【0225】
亜属の化合物(1G)では、各R4は-C(O)-O-R8であり得るか、または各R4はそれらが結合している炭素原子と一緒に置換ヘテロシクロヘキシル環を形成する。
【0226】
亜属の化合物(1G)では、置換ヘテロシクロヘキシル環において、1つ以上のヘテロ原子は酸素であり得る。
【0227】
亜属の化合物(1G)では、置換ヘテロシクロヘキシル環において、1つ以上の置換基はC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択され得る。
【0228】
亜属の化合物(1G)では、置換ヘテロシクロアルキル環が、2,2-ジメチル-5-イル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンであり得る。
【0229】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1H)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
R5、R6およびR7は水素であり得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は単結合およびメタンジイルから選択され得、
R3は置換フェニルであり得、式中、1つ以上の置換基は、-CH2-O-C(O)-R4および-O-C(O)-R4から独立して選択され得、式中、R4は、C1-10アルキルおよびフェニルから選択され得る。
【0230】
亜属の化合物(1H)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0231】
亜属の化合物(1H)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0232】
亜属の化合物(1H)では、R2は単結合であり得る。
【0233】
亜属の化合物(1H)では、R2は2-置換フェニルであり得る。
【0234】
亜属の化合物(1H)では、1つ以上の置換基は-CH2-O-C(O)-R4であり得る。
【0235】
亜属の化合物(1H)では、1つ以上の置換基は-O-C(O)-R4であり得る。
【0236】
亜属の化合物(1H)では、R4はC1-10アルキルであり得る。
【0237】
亜属の化合物(1H)では、R4はメチル、エチル、イソ-プロピル、ピバロイルおよびフェニルから選択され得る。
【0238】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1I)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2は-C(R8)2-および-CH2-C(R8)2から選択され得、式中、各R8は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R3は-C(O)-O-R4および-O-C(O)-R4から選択され得、式中、R4は、C1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、置換C1-10アルキル、置換C1-10ヘテロアルキルおよび4(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得る。
【0239】
亜属の化合物(1I)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
亜属の化合物(1I)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0240】
亜属の化合物(1I)では、各R1はメチルであり得る。
【0241】
亜属の化合物(1I)では、R2は-C(R8)2-であり得る。
【0242】
亜属の化合物(1I)では、R2は-CH2-C(R8)2-であり得る。
【0243】
亜属の化合物(1I)では、各R8はメチルであり得る。
【0244】
亜属の化合物(1I)では、各R1はメチルであり得、各R8はメチルであり得る。
【0245】
亜属の化合物(1I)では、R3は-C(O)-O-R4であり得る。
【0246】
亜属の化合物(1I)では、R3は-O-C(O)-R4であり得る。
【0247】
式(1)の化合物は、亜属の化合物(1J)、またはその薬学的に許容可能な塩であり得、式中、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換C5-6複素環式環を形成し、
R2は単結合であり得、
R3はC1-3アルキルであり得る。
【0248】
亜属の化合物(1J)では、置換C5-6複素環式環において、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり得、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択され得る。
【0249】
亜属の化合物(1J)では、各R1は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン環を形成する。
【0250】
亜属の化合物(1J)では、
R5およびR6のそれぞれは水素であり得、
R7は、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得、
各R1は、C1-3アルキルから独立して選択され得、
R2はC2-4アルカンジイルから選択され得、
R3は置換C5-6ヘテロシクロアルキルであり得、式中、1つ以上のヘテロ原子はNおよびOから独立して選択され得、1つ以上の置換基はC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択され得る。
【0251】
亜属の化合物(1J)では、R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり得る。
【0252】
亜属の化合物(1J)では、R5およびR6のそれぞれが水素であり得る。R7は、C1-6アルキルおよびC1-6ヘテロアルキルから選択され得る。
【0253】
亜属の化合物(1J)では、R
3が式(5)の構造を有し得、
【化10】
式中、R
9は、水素、C
1-6アルキル、C
4-6シクロアルキル、C
1-6ヘテロアルキル、C
4-6ヘテロシクロアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
4-6シクロアルキル、置換C
1-6ヘテロアルキルおよび置換C
4-6ヘテロシクロアルキルから選択され得る。
【0254】
亜属の化合物(1J)では、R9は水素およびメチルまたはエチルといったC1-4アルキルなどのC1-6アルキルから選択され得る。
【0255】
式(1)の化合物は、式(4)の構造を有し得、
【化11】
式中、各R
1、R
4およびR
7は式(1)について定義されているものと同様である。
【0256】
式(4)の化合物では、
各R1がC1-6アルキルから選択され得、
R4が、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキル、C5-6シクロアルキルおよびC5-6ヘテロシクロアルキルから選択され得、
R7が、水素、C1-6アルキル、C1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得る。
【0257】
式(4)の化合物では、各R1が、C1-3アルキルから選択され得、R4が、C1-6アルキルおよびC5-6シクロアルキルから選択され得、R7が、水素およびC1-6アルキルから選択され得る。
【0258】
式(1)の化合物では、化合物は以下から選択され得る。
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-オキソ-3-プロポキシプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
メチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
プロピル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
メチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-エトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-エトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
プロピル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-エトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
メチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
プロピル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩;および
前述のいずれかの組合せ。
【0259】
式(1)の化合物では、化合物は以下から選択され得る。
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-4-(プロピオニルオキシ)ブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-((6-(ベンジルオキシ)-6-オキソヘキサノイル)オキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
6-(4-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブトキシ)-6-オキソヘキサン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-イソプロポキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘプチルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(2-メトキシエトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-(オキセタン-3-イルオキシ)-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロヘキシル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロペンチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロブチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩;および
前述のいずれかの組合せ。
【0260】
式(1)~(4)の化合物は、溶媒和物、薬学的に許容可能な塩、またはそれらの組合せであり得る。
【0261】
式(1)~(4)の化合物では、薬学的に許容可能な塩は塩酸塩であり得る。
【0262】
式(1)~(4)の化合物では、薬学的に許容可能な塩は二塩酸塩であり得る。
【0263】
式(1)~(4)の化合物は、式(1)~(4)の化合物の薬学的に許容可能な塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物であり得る。
【0264】
式(1)~(4)の化合物は、当該分野で既知の方法を使用して合成され得る。アズトレオナムの合成は、例えば、Singh et al.,Organic Process Research&Development,2002,6,863-868に記載されている。硫酸エステルの形成も、例えば、Simpson et al.,J.Am.Chem.Soc.2006,128,1605に開示されているように、当該技術分野で周知である。
【0265】
アズトレオナムのN-硫酸基などのN-スルホン酸基でプロドラッグを合成する一般的な工程は、以下の通りに提供される。
【0266】
図1を参照すると、Boc-O-ベンジルトレオニン1から開始して、無水トリフラートで処理し、続いてテトラブチルアンモニウムアジドと反応させると、対応するアジド中間体20が得られる。アジド中間体20のトリメチルホスフィン還元により、対応するアミノエステル21が60%の収率で産生される。クロロスルホナートによるアミノエステル22のN-スルホニル化により、30%の収率で対応するスルファマート25が得られる。定量的水素化分解によりスルファマート酸23が得られ、これは環化を受けて、対応するβ-ラクタム24を収率54%でもたらす。これらの工程は例20~24に開示されている。
【0267】
図2は、アズトレオナムのスルホン酸エステルプロドラッグを合成するための代替経路を示す。市販のアミノN-スルホナートから出発して、N-Cbz β-ラクタムの形成と、それに続く脱硫酸化により、対応するオキサゼチジン30が得られる。オキサゼチジン9をギ酸水溶液で処理すると、結晶性アミノ酸31が得られる。この場合スルホニル化は、酸31から対応するtert-ブチルエステルに進む。
図1に示されるようなクロロスルホナートによる処理により、酸性N-スルホン酸エステル33を得る。スルホン酸エステル33の環化により、対応するβ-ラクタム34を21%の収率で得る。ラクタム34のアミン基を脱保護して、対応するオキソアゼチジンN-スルホン酸エステル35を得ることができる。これらの工程を例30~34に提供する。
【0268】
図3は、2-((((2-アミノチアゾール-4-イル)(カルボキシ)メチレン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸側鎖を、N-スルホン化オキサゼチジン環に結合する方法を示す。これらの工程を例26~27に提供する。(Z)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)酢酸(1a)を塩基の存在下でトリチルクロリドと反応させて、対応するトリチルアミン26を提供する。トリチルアミン26をN-スルホン酸エステルと反応させて、対応する3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)-2-(2-(tert-ブチルアミノ)チアゾール-4-イル)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)エステル25/35を得る。これを脱保護し、次いで適切にエステル化して、対応するアズトレオナムN-スルホン酸エステルプロドラッグを得ることができる。
【0269】
式(1)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口(oral)、経口(peroral)、舌下、脳内、膣内、経皮的、直腸、吸入または局所を含む、任意の適切な投与経路により、患者に投与される医薬組成物中に導入されてよい。本開示により提供される医薬組成物は、経口製剤として提供され得る。経口製剤は経口投与剤形であってもよい。
【0270】
本開示により提供される医薬組成物は、患者へ適切に投与するための組成物を提供するように、治療有効量の式(1)の化合物または好適な量の1つ以上の薬学的に許容可能なビヒクルと一緒に、その薬学的に許容可能な塩を含んでよい。好適な薬学的ビヒクルおよび医薬組成物を調製する方法は、当該技術分野で記載されている。好適な医薬ビヒクルの例は、当該技術分野で記載されている。
【0271】
化合物を含む医薬組成物は、従来の混合、溶解、顆粒化、浮揚(levitating)、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスにより製造され得る。医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または助剤を使用して、好適な方法で製剤化されてよい。これは薬学的に使用され得る調製物への化合物の加工を促進する。好適な製剤は、選択された投与経路に依存する。
【0272】
式(1)の化合物は、経口投与される医薬組成物に導入されてよい。そのような医薬組成物の経口投与は、胃腸管の全体または一部での、式(1)の化合物の取り込みおよび体循環への進入をもたらし得る。そのような組成物は、製薬分野で既知の方法で調製することができ、式(1)の化合物および少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルを含み得る。医薬組成物は、患者への投与に適切な形態を提供するよう、治療有効量の式(1)の化合物および好適な量の薬学的に許容可能なビヒクルを含み得る。
【0273】
経口送達用の医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、水性または油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップまたはエリキシル剤の形態であってよい。経口投与される医薬組成物は、1つ以上の任意の薬剤、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなどの甘味剤、ペパーミントなどの香味剤、冬緑油、またはチェリー着色剤および保存剤を含んでよく、薬学的に口当たりの良い製剤を提供する。更に、錠剤または丸剤の形態では、医薬組成物をコーティングして、胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、それにより長期間にわたって持続作用を提供する。浸透圧的活性駆動化合物を取り囲む選択透過性膜も、経口投与される化合物および医薬組成物に好適である。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルを取り巻く環境からの流体が駆動化合物に吸収され、駆動化合物が膨張して、開口部を通して薬剤または薬剤組成物を移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤添加時のプロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次の送達プロファイルを提供し得る。グリセロールモノステアラートまたはグリセロールステアラートなどの時間遅延物質も使用されてよい。経口医薬組成物は、マンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的なビヒクルを含んでよい。そのようなビヒクルは、医薬品グレードのものであり得る。
【0274】
懸濁液、エリキシル剤および溶液などの経口液体製剤の場合、好適な担体、賦形剤を含むことができる。または希釈剤は、水、生理食塩水、アルキレングリコール(例えばプロピレングリコール)、ポリアルキレングリコール(例えばポリエチレングリコール)油、アルコール、わずかに酸性である約pH4~約pH6の緩衝液(例えば、約5mM~約50mMの酢酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩)などを含む。更に、香味料、防腐剤、着色剤、胆汁酸塩、アシルカルニチンなどが加えられてよい。
【0275】
式(1)の化合物を含む組成物は、賦形剤、担体、希釈剤および/またはアジュバントを含む、少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルと結合してよい。組成物を形成する際、式(1)の化合物を賦形剤と混合し、希釈剤で希釈するか、カプセル、小袋、紙または他の容器の形態であり得る担体内に封入してよい。賦形剤が希釈剤として機能する場合、それは、式(1)の化合物のビヒクル、担体、または媒体として作用し得る固体、半固体、または液体材料であり得る。したがって、組成物は、例えば、ソフトおよびハードゼラチンカプセルを使用し、最大90重量%までの式(1)の化合物を含有する錠剤、丸薬、粉末、トローチ、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液およびシロップの形態であり得る。この場合、重量%は投与剤形の総重量に基づく。
【0276】
組成物の調製において、他の成分と組み合わせる前に、式(1)の化合物を粉砕して適切な粒子サイズを提供することが有用であり得る。式(1)の化合物の粉砕粒子サイズは、水溶解度に応じて調整することができる。これは例えば、200メッシュ未満、100メッシュ未満または40メッシュ未満であり得る。好適な賦形剤の例には、乳糖、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが含まれる。組成物は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油などの潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルなどの保存剤、甘味料、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、香料などを更に含んでよい。組成物は、当該技術分野で既知の手順を使用することにより、患者への経口投与後に式(1)の化合物の迅速な持続放出または遅延放出を提供するように製剤化されてよい。
【0277】
組成物は、単位投与剤形にて製剤化してよい。各投与剤形は、例えば10mg~10gの範囲内の当量の式(1)の化合物を含む。単位投与剤形とは、ヒトおよび他の哺乳類用単位投与量として好適な物理学的な個別単位を指す。各単位は、好適な医薬賦形剤、希釈剤、担体および/またはアジュバントと併せて、意図される治療効果を産生するよう計算された所定量の活性物質を含有する。
【0278】
錠剤などの固体組成物を調製するために、式(1)の化合物を医薬賦形剤、希釈剤、担体および/またはアジュバントと混合して、式(1)の化合物を含有する均質混合物を含有する、固形の予備製剤組成物を形成してもよい。これらの予備製剤組成物を均質であると称する場合、式(1)の化合物は組成物全体に均一に分散しているため、これは組成物を錠剤、丸薬、カプセルなどの同等に有効な単位投与剤形へと容易に再分割できることを意味する。次いで、この固形の予備製剤は、本明細書に記載のタイプの単位投与剤形に細分され得る。これは例えば、約10mgから約10gの範囲で当量のアズトレオナムを含む。
【0279】
式(1)の化合物を含む錠剤または丸剤は、持続放出の利点をもたらす投与剤形を提供するためにコーティングされるか、またはそうでなければ配合されてもよい。例えば、錠剤または丸剤は、内部投与成分および外部投与成分を含んでよく、後者は前者を覆うおよび/または包む形態である。2つの成分は腸溶性層によって分けられていてよい。腸溶性層は、胃での崩壊に抵抗し、内部成分が無傷で十二指腸を通過することを可能にするか、または放出を遅らせることができる。そのような腸溶性層またはコーティングには、種々の材料が使用されてよい。例えば、そのような材料には、多くのポリマー酸およびシェラック、セチルアルコールまたは酢酸セルロースなどの材料とポリマー酸との混合物が挙げられる。
【0280】
式(1)の化合物の組成物が経口投与のために導入され得る液体投与剤形には、水溶液、好適に風味付けされたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ココナッツ油または落花生油などの食用油を含む、風味付けされたエマルジョン、ならびにエリキシル剤および類似の医薬品ビヒクルが挙げられ得る。
【0281】
式(1)の化合物を含む経口製剤は、経口投与後に式(1)の化合物の持続放出を提供するように適合させ得る、多くの異なる投与剤形で利用されてよい。
【0282】
持続放出経口投与剤形は、例えば、溶解または拡散時に、長時間にわたってプロドラッグを放出する、ビーズを含み得る。特定の実施形態では、この時間は少なくとも約4時間にわたる。いくつかの実施形態では、これは少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間、少なくとも約24時間にわたる。特定の実施形態では、これは約24時間超の間にわたる。プロドラッグ放出ビーズは、式(1)の化合物および少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルを含む中心組成物またはコアを有してもよく、任意選択で潤滑剤、抗酸化剤および/または緩衝剤を含んでよい。好適な徐放性ビーズの例は、当該技術分野で知られている。
【0283】
経口持続放出投与用に、腸溶性製剤を使用してもよい。コーティング材料には、pH依存性の溶解性を有するポリマー(すなわち、pH制御放出)、膨潤、溶解または侵食について、緩やかな速度またはpH依存性速度を有するポリマー(すなわち、時間制御放出)、酵素により分解され得るポリマー(すなわち、酵素制御放出)および圧力の増加によって破壊され得る強固な層を形成するポリマー(すなわち、圧力制御放出)が挙げられる。
【0284】
経口持続放出投与には、薬物放出脂質マトリックスまたはプロドラッグ放出ワックスを使用してよい。
【0285】
投与剤形は、ポリマー基材上にコーティングされた式(1)の化合物を含んでよい。ポリマーは、侵食性または非侵食性ポリマーであってよい。
【0286】
投与剤形は、ポリマーを介した拡散、または細孔を介した流動、またはポリマーマトリックスの破裂によりプロドラッグを放出する、ポリマーマトリックスに充填された式(1)の化合物を含んでよい。
【0287】
経口持続放出投与には、浸透圧送達システムが使用される。
【0288】
使用される、特定形態の持続放出経口投与剤形に関わらず、式(1)の化合物は、経口投与剤形などの投与剤形から十分な期間にわたって放出され、患者血中に、長期にわたって治療濃度の式(1)の化合物を提供し得る。これにより、基本的には1日に1回または2回のみ、その投与剤形の投与が可能となる。経口投与後、式(1)の化合物を含む投与剤形は、患者の血漿および/または血液中に、患者への投与剤形の経口投与後、少なくとも4時間、少なくとも8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間または少なくとも約24時間、治療または予防濃度のアズトレオナムを提供し得る。患者の血液および/または血漿中のアズトレオナムの治療的または予防的に有効な濃度は、例えば、治療されている疾患、疾患の重症度、患者の体重、患者の健康状態およびその他諸々といったものを含む、多数の要因によって変化し得る。
【0289】
本開示により提供される医薬組成物は、患者への適切な投与のための組成物を提供するよう、好適な量の1つ以上の薬学的に許容可能なビヒクルと一緒に式(1)の化合物を含む。好適な医薬ビヒクルの例は、当該技術分野で知られている。
【0290】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスにより製造され得る。医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または助剤を使用して従来方法で製剤化されてよい。これは式(1)の化合物またはその結晶形態および1つ以上の薬学的に許容可能なビヒクルを、薬学的に使用され得る製剤へと加工することを促進する。適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。特定の実施形態では、式(1)の化合物またはその結晶形態を含む医薬組成物は、経口投与用に製剤化されてよい。特定の実施形態では、持続放出経口投与用に製剤化されてよい。本開示により提供される医薬組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末、持続放出製剤、坐剤、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁液またはその他の形態の、患者への投与に好適な形態を取ってよい。
【0291】
本開示により提供される医薬組成物は、単位投与剤形に製剤化されてよい。単位投与剤形は、治療を受ける患者用の単位用量として好適な、物理的に個別の単位を指し、各単位は、意図された治療効果を産生するように計算された、所定量の式(1)の少なくとも1つの化合物を含有する。単位投与剤形は、1日1回投与、1日2回投与または1日複数回投与(例えば1日3回以上)のうちの1つであってよい。1日複数回の用量が使用される場合、単位用量は各用量で同じでも異なっていてもよい。1つ以上の投与剤形は、単一の時点または時間間隔中に患者に投与され得る用量を含んでよい。
【0292】
特定の実施形態では、式(1)の化合物は、経口投与される医薬組成物に導入されてよい。そのような医薬組成物の経口投与は、腸全体への式(1)の化合物の取り込みおよび体循環への流入をもたらし得る。そのような経口組成物は、製薬分野で既知の方法で調製することができ、少なくとも1つの、式(1)の化合物、および少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルを含み得る。経口医薬組成物は、患者への投与に適切な形態を提供するよう、治療有効量の、少なくとも1つの、式(1)の化合物および好適な量の薬学的に許容可能なビヒクルを含み得る。
【0293】
少なくとも1つの、式(1)の化合物を含む医薬組成物は、非経口投与、経口投与またはいずれかの他の適切な投与経路のため、即時放出用に製剤化され得る。
【0294】
制御された薬物送達システムは、システムが特定の速度で薬物を送達し続ける限り、薬物レベルが治療上有効な期間内維持され、効果的かつ安全な血中レベルが一定期間維持されるような方法で薬物を送達するように設計され得る。制御された薬物送達は、即時放出投与剤形で観察される変動と比較して、一定期間にわたり、実質的に一定である薬物の血中レベルを産生し得る。一部の薬物では、治療中にわたって血液と組織の濃度を一定に維持することが、治療の最も望ましい方式である。薬物の即時放出により、血中レベルが所望の応答を誘発するのに必要なレベルを超えてピークに達することがあり得る。この場合、薬物は浪費され、かつ有毒な副作用を引き起こすか、副作用を悪化させ得る。制御された薬物送達は、最適な治療をもたらし、投薬の頻度を減らし得るだけでなく、副作用の重症度も減らし得る。制御放出投与剤形の例には、溶解制御システム、拡散制御システム、イオン交換樹脂、浸透圧制御システム、侵食性マトリックスシステム、pH非依存性製剤、胃貯留システムなどが挙げられる。
【0295】
本開示により提供される経口投与剤形は、制御放出投与剤形であってもよい。制御送達技術は、胃腸管の1つまたは複数の特定の領域での薬物の吸収を改善し得る。
【0296】
本開示により提供される特定の医薬組成物用に適切な経口投与剤形は、少なくとも部分的に、式(1)の化合物の胃腸吸収特性、胃腸管における式(1)の化合物の安定性、式(1)の化合物の薬物動態および意図された治療プロファイルによって変化してよい。式(1)の特定の化合物に関して、適切な制御放出経口投与剤形を選択してよい。例えば、胃貯留経口投与剤形は、主に上部胃腸管から吸収される化合物に適している可能性があり、持続放出経口投与剤形は、主に下部胃腸管から吸収される化合物に適している可能性がある。特定の化合物は、主に小腸から吸収される。一般的に、化合物は約3~5時間で小腸の全長を横切る。小腸で容易に吸収されない化合物または容易に溶解しない化合物の場合、小腸での活性剤の吸収期間が、所望の治療効果を提供するには短すぎる可能性がある。
【0297】
胃貯留投与剤形、すなわち長期期間胃に貯留されるように設計された投与剤形は、上部胃腸管により最も容易に吸収される薬物のバイオアベイラビリティを増加させ得る。例えば、式(1)の特定の化合物は、限られた結腸吸収を示し、主に上部胃腸管から吸収され得る。したがって、上部胃腸管で式(1)の化合物を放出し、かつ/または上部胃腸管を通る投与剤形の通過を遅らせる投与剤形は、式(1)の化合物の経口バイオアベイラビリティを向上させる傾向がある。胃内での従来の投与剤形の滞留時間は、約1~約3時間である。胃を通過した後、投与剤形が結腸に到達するまでに約3時間から5時間の期間のバイオアベイラビリティが存在する。ただし、投与剤形が胃に貯留される場合、薬物は小腸に到達する前に放出される可能性があり、より容易に吸収され得る状態で、溶液で腸に流入する。胃貯留投与剤形の別の用途は、腸の基本的な状態に対して不安定である薬物のバイオアベイラビリティを改善することである。
【0298】
本開示により提供される医薬組成物は、経口投与時に式(1)の化合物の持続放出を提供するように適合された投与剤形で実施され得る。持続放出経口投与剤形は、長期期間にわたって薬物を放出する目的で使用され得る。また、薬物または薬物形態が下部胃腸管に送達されることが望ましい場合に有用である。持続放出経口投与剤形には、血漿、血液、脳脊髄液などの生体液中または組織もしくは臓器中の、薬物の治療濃度を長期間維持する、任意の経口投与剤形が含まれる。持続放出経口投与剤形には、貯蔵デバイスおよびマトリックスデバイスなどの拡散制御システム、溶解制御システム、浸透圧システムおよび侵食制御システムが含まれる。持続放出経口投与剤形およびその調製方法は、当該技術分野で周知である。
【0299】
持続放出経口投与剤形は、例えば、錠剤、丸剤または顆粒形態など、経口投与に適切な任意の形態であってよい。顆粒はカプセルに充填したり、錠剤に圧縮したり、液体懸濁液に含めることが可能である。持続放出経口投与剤形は、例えば、酸保護、嚥下の容易さ、風味、識別などを提供するための外部コーティングを更に含んでよい。
【0300】
持続放出経口投与剤形は、治療有効量の式(1)の化合物および少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルを含んでよい。特定の実施形態では、持続放出経口投与剤形は、治療有効量未満の式(1)の化合物および薬学的に有効なビヒクルを含んでよい。複数の持続放出経口投与剤形であり、治療有効量未満の式(1)の化合物を含む各投与剤形は、患者の疾患を治療するための治療有効用量または投薬計画を提供するよう、単回でまたは期間内にわたって投与されてよい。特定の実施形態では、持続放出経口投与剤形は、式(1)の化合物を2つ以上含む。
【0301】
本開示により提供される持続放出経口投与剤形は、式(1)の化合物を投与剤形から放出し、式(1)の化合物が胃腸管の適切な領域(例えば、小腸内または結腸内)から吸収される能力を促進し得る。持続放出経口投与剤形は、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間にわたって、投与剤形から式(1)の化合物を放出する場合がある。ある特定の実施形態では、少なくとも約24時間、放出する場合がある。特定の実施形態では、持続放出経口投与剤形は、約0~約4時間で約0重量%~約20重量%、約0~約8時間で約20重量%~約50重量%、約0~約14時間で約55重量%から約85重量%、約0~約24時間で約80重量%~約100重量%に対応する送達パターンで、投与剤形から式(1)の化合物を放出し得る。この場合重量%は、投与剤形中の化合物の総重量パーセントを指す。持続放出経口投与剤形は、約0~約4時間で約0重量%~約20重量%、約0~約8時間で約20重量%~約50重量%、約0~約14時間で約55重量%~約85重量%、約0~約20時間で約80重量%~約100重量%に対応する送達パターンで、投与剤形から式(1)の化合物を放出し得る。持続放出経口投与剤形は、約0~約2時間で約0重量%~約20重量%、約0~約4時間で約20重量%~約50重量%、約0~約7時間で約55重量%~約85重量%、約0~約8時間で約80重量%~約100重量%に対応する送達パターンで、投与剤形から式(1)の化合物を放出する場合がある。
【0302】
式(1)の化合物を含む持続放出経口投与剤形は、患者への経口投与後、経時的に患者の血漿、血液、脳脊髄液または組織中の、対応する薬物の濃度を提供し得る。薬物の濃度プロファイルは、式(1)の対応する化合物の用量に比例するAUCを示す場合がある。
【0303】
使用される制御放出経口投与剤形の特定のタイプに関係なく、式(1)の化合物は、患者の血漿および/または血液内の式(1)の化合物の長期治療濃度を提供するのに十分な期間にわたり、経口投与剤形から放出され得る。経口投与後、式(1)の化合物を含む投与剤形は、患者への投与剤形の経口投与後、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、特定の実施形態では、少なくとも約20時間の連続期間にわたって、患者の血漿および/または血液中の対応する薬物の治療有効濃度を提供し得る。薬物の治療有効濃度が維持される連続期間は、同じでも異なっていてもよい。薬物の治療上有効な血漿濃度が維持される連続期間は、経口投与の直後または所定の時間間隔の後に始まり得る。
【0304】
式(1)の化合物または式(1)の化合物を含む医薬組成物の適切な用量は、いくつかの十分に確立されたプロトコルのいずれか1つに従って決定され得る。例えば、マウス、ラット、イヌおよび/またはサルを使用した研究などの動物研究を使用して、医薬化合物の適切な用量を決定することができる。動物研究の結果を推定して、例えばヒトなどの他の種で使用する用量を決定することができる。
【0305】
本開示により提供される医薬組成物は、治療的なまたは予防的な治療のために投与され得る。治療量とは、疾患の状態または症状を改善する、または疾患もしくはいずれかの他の望ましくない症状の進行を何らかの方法で予防、妨害、遅延または逆転させるのに十分な量のことである。予防的用途では、医薬組成物または本開示は、特定の疾患または感染症にかかりやすいまたはそうではない場合、そのリスクがある患者に投与され得る。したがって、予防有効量は、疾患状態またはその症状を予防、妨害または遅延させるのに十分な量のことである。
【0306】
医薬組成物の適切な投与量は、いくつかの十分に確立されたプロトコルのいずれか1つに従って決定され得る。例えば、マウスまたはラットを使用した研究などの動物研究を使用して、医薬化合物の適切な用量を決定することができる。動物研究を基にした結果を推定して、例えばヒトなどの他の種で使用する用量が決定され得る。例えば、感染症を治療するための式(1)の化合物およびその組成物の有効性は、感染症の動物およびヒトモデルならびに臨床研究を使用して評価され得る。式(1)の化合物またはその医薬組成物は、持続放出システムとして投与され得る。特定の実施形態では、経口投与持続放出システムとして投与され得る。式(1)の化合物は、経口持続放出投与により送達され得る。式(1)の化合物またはその医薬組成物は、例えば、1日に2回、1日に1回、または1日1回を超える間隔で経口投与され得る。
【0307】
癌の治療に有効となる式(1)の化合物の量は、少なくとも部分的には疾患の性質に依存し、当該技術分野で知られている標準的な臨床技術によって決定され得る。加えて、最適な投与範囲の同定を支援するために、in vitroまたはin vivoアッセイを使用することができる。投与計画および投与間隔もまた、当業者に知られている方法によって決定され得る。投与される式(1)の化合物の量は、とりわけ、治療される患者、患者の体重、疾患の重症度、投与経路および処方する医師の判断に依存し得る。
【0308】
全身投与の場合、最初にin vitroアッセイから治療有効用量を推定してもよい。初期用量は、当該技術分野で知られている技法を使用して、例えば動物モデルなどのin vivoデータから推定することもできる。そのような情報は、ヒトの有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。当業者は、動物データに基づいてヒトへの投与を最適化してもよい。
【0309】
式(1)の化合物の用量および適切な投与間隔は、患者の血液中の式(1)の化合物の持続的治療有効濃度を、特定の実施形態では最小有害濃度を超えることなく維持するように選択され得る。
【0310】
特定の実施形態では、投与される用量は毒性用量未満である。本明細書に記載の組成物の毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順(例えば、LD50(母集団50%の致死量)またはLD100(母集団100%の致死量)を決定すること)により決定することができる。毒性と治療効果の用量比が治療指数である。特定の実施形態では、アズトレオナムプロドラッグは高い治療指数を示し得る。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトでの使用に対し、毒性のない用量範囲の策定に使用され得る。本開示により提供されるアズトレオナムプロドラッグの用量は、例えば血液、血漿または中枢神経系における循環濃度の範囲内であり得る。これは有効用量を含み、毒性をほとんどまたは全く示さない。用量は、使用される投与剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。特定の実施形態では、漸増用量を投与されてよい。
【0311】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は、1日1回、1日2回、特定の実施形態では1日2回以上の間隔で投与され得る。投薬は、単独で、または他の薬物と組み合わせて提供されてもよく、疾患の効果的な治療に必要な限り継続してよい。一定期間にわたる連続的または半連続的な投薬を使用して、投与を試みてもよい。投薬は、摂食状態または絶食状態で、ヒトなどの哺乳動物に医薬組成物を投与することを含む。
【0312】
医薬組成物は、単一の投与剤形もしくは複数の投与剤形で、またはある期間にわたる連続的もしくは累積的な用量として投与されてよい。複数の投与剤形が使用される場合、複数の投与剤形のそれぞれに含有される式(1)の化合物の量は、同じでも異なっていてもよい。
【0313】
投与に好適な1日の用量範囲は、体重1キログラムあたり約2μg~約20mgの式(1)の化合物の範囲であり得る。
【0314】
投与に好適な1日の用量範囲は、体表面の平方メートル(m2)あたり約1μg~約50mgの式(1)の化合物の範囲であり得る。
【0315】
式(1)の化合物は、患者の感染症を治療するために、1日あたり約1mg~約2,000mg、1日あたり約100μg~約1,500mg、1日あたり約20μg~約1,000mg、またはいずれかのその他の適切な1日の用量の量で投与され得る。
【0316】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は投与され、患者の感染症を治療し、患者の血液または血漿中に、式(1)の化合物の治療有効濃度を提供し得る。患者の血液または血漿中の、式(1)の化合物の治療有効濃度は、例えば、約1μg/mL~約60μg/mL、約2μg/mL~約50μg/mL、約5μg/mL~約40μg/mL、約5μg/mL~約20μg/mLまたは約5μg/mL~約10μg/mLであり得る。患者の血液または血漿中の、式(1)の化合物の治療有効濃度は、例えば、少なくとも約2μg/mL、少なくとも約5μg/mL、少なくとも約10μg/mL、少なくとも約15μg/mL、少なくとも約25μg/mL、または少なくとも約30μg/mLであり得る。患者の血液または血漿中の、式(1)の化合物の治療有効濃度は、恒常性への悪影響を含む、許容不可能な悪影響を引き起こす量未満であり得る。患者の血液または血漿中の、式(1)の化合物の治療有効濃度は、患者の恒常性を回復および/または維持するのに十分な量であり得る。例えば、治療有効用量の式(1)の化合物を投与した後、治療有効量のアズトレオナムは、1時間超、2時間超、3時間超、4時間超、5時間超、6時間超、7時間超または8時間以上維持され得る。例えば、治療有効用量の式(1)の化合物を投与した後、治療有効量のアズトレオナムは、例えば、1時間~10時間、2時間~8時間、2時間~6時間または2時間~4時間維持され得る。
【0317】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は、例えば、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、特定の実施形態では少なくとも約12時間などの長期期間にわたって、患者の血液または血漿中に治療有効濃度の式(1)の化合物を提供するよう、患者の感染症を治療するために投与されてよい。
【0318】
投与される式(1)の化合物の量は、治療投薬計画中に変動し得る。
【0319】
本開示により提供される医薬組成物は、式(1)の化合物に加えて、1つ以上の医薬的に活性な化合物を更に含み得る。そのような化合物は、式(1)の化合物で治療中の感染症を治療するため、または式(1)の化合物で治療中の感染症以外の疾患、障害または状態を治療するために提供され得る。
【0320】
式(1)の化合物は、少なくとも1つの他の治療薬と組み合わせて使用され得る。式(1)の化合物は、患者の感染症を治療するための別の化合物と一緒に患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療薬は、式(1)の化合物により包含される第2の化合物であり得る。式(1)の化合物および少なくとも1つの他の治療薬は、相加的に、または特定の実施形態では相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療薬は、式(1)の化合物を含む、同様の医薬組成物またはビヒクル中に含まれてもよい。または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれてもよい。したがって、本開示により提供される方法は、式(1)の化合物を投与することに加えて、感染症またはその感染症とは異なる疾患、障害もしくは状態を治療するのに有効な1つ以上の治療薬を投与することを更に含む。本開示により提供される方法は、組み合わせた投与が式(1)の化合物の治療効果を阻害せず、かつ/または有害な組合せ効果を産生しないということを条件として、式(1)の化合物および1つ以上の他の治療薬の投与を含む。
【0321】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は別の治療薬の投与と同時に投与されてよく、これは同様の医薬組成物の一部であるか、または式(1)の化合物を含む医薬組成物とは異なる医薬組成物中にあってよい。式(1)の化合物は、別の治療薬の投与の前または後に投与されてよい。併用療法の特定の実施形態では、併用療法は、式(1)の化合物と、別の治療薬を含む組成物の投与を交互に行うことを含み、例えば特定の薬物に関連する薬物有害作用を最小限にし、かつ/または治療の効果を向上させることができる。式(1)の化合物が、例えば毒性を含む有害な薬物効果を生じる可能性のある別の治療薬と同時に投与される場合、他の治療薬は、薬物有害反応を誘発する閾値を下回る用量で投与され得る。
【0322】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は、式(1)の化合物の放出、バイオアベイラビリティ、治療効果、治療有効性、安定性などを向上、調節および/または制御する1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、式(1)の化合物の治療効果を向上させるため、式(1)の化合物または式(1)の化合物を含む医薬組成物は、胃腸管から体循環への式(1)の化合物の吸収または拡散を増加させるか、または患者血中の式(1)の化合物の崩壊を阻害するために、1つ以上の活性剤とともに同時投与されてよい。式(1)の化合物を含む医薬組成物は、式(1)の化合物の治療効果を向上させる薬理効果を有する活性剤と同時投与されてもよい。
【0323】
式(1)の化合物または式(1)の化合物を含む医薬組成物は、患者の感染症の治療に有効であることが知られている、または信じられている薬剤と一緒に投与され得る。
【0324】
活性成分は一度に投与されてもよいし、または時間間隔で投与されるために、多数のより少ない用量へと分割されてもよい。正確な用量および治療期間は治療されている疾患の関数であり、既知の試験プロトコルを用いて、またはin vivoもしくはin vitro試験データからの外挿、続く臨床試験により、経験的に決定され得ることが理解される。濃度および用量の値は、緩和される状態の重症度によっても変動し得ることに留意されたい。任意の特定の患者の場合、個体の必要性および組成物の投与を管理し投与する人間の専門的な判断に応じて、経時的に、特定の投与計画を調整しなければならないこと、また、本明細書で規定される濃度範囲は、代表的なものでしかなく、特許請求された組成物の範囲またはその実施を制限することを意図していないことも更に理解される。
【0325】
当業者には明らかであるように、場合によっては、本明細書に開示されている範囲外である活性成分の投与量を使用する必要があり得る。更に、臨床医または治療を行う医師は、患者の反応と連動させながら治療を中断、調整、または終了する方法と時期を承知していることに留意する。
【0326】
全身投与の場合、最初にin vitroアッセイから治療有効用量が推定され得る。例えば、細胞培養で測定されるIC50(すなわち、細胞培養物50%に対して致死的である試験化合物の濃度)、細胞培養で測定されるMIC(すなわち、成長に対する最小発育阻止濃度)または細胞培養で測定されるIC100(すなわち、細胞培養物100%に対して致死的である抗菌性スルホンアミド誘導体の濃度)を含む循環濃度範囲を得るため、用量は動物モデルにて処方され得る。このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に測定するために使用され得る。
【0327】
初期用量は、当該技術分野で周知の技法を使用して、例えば動物モデルなどのin vivoデータから推定することもできる。当業者は、動物データに基づいてヒトへの投与を容易に最適化し得る。
【0328】
代替的に、本明細書で開示されている特定の化合物のIC50、MICおよび/またはI100を、既知の抗菌剤の用量と比較し、それに応じて初期用量を調整することによって、初期用量は投与された既知の抗菌剤の用量から決定され得る。最適な用量は、これらの初期値から通常の最適化により取得され得る。
【0329】
理想的には、本明細書に記載の化合物の治療有効用量は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療上の利益を提供する。化合物の毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順(例えば、LD50(母集団50%の致死量)またはLD100(母集団100%の致死量)を決定すること)を使用して決定することができる。毒性と治療効果の用量比が治療指数である。高い治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、患者での使用に対し、毒性のない用量範囲の策定に使用され得る。本明細書に記載の化合物の投与量は、毒性がほとんどまたは全くない有効用量を含む循環濃度範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用される投与剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動し得る。正確な処方、投与経路、および用量は、患者の状態を考慮して各医師が選択可能である(例えば、Fingl et al.,1975,The Pharmacological Basis of Therapeutics,Ch.1,p.1を参照されたい)。
【0330】
治療は、感染症が検出可能な間、または感染症が検出可能ではない場合であっても、断続的に繰り返される場合がある。本明細書で提供される同じ製剤の投与を繰り返してもよく、投与は少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2か月、75日、3か月または6か月で区切られてよい。
【0331】
式(1)の化合物および/またはその医薬組成物は、概して意図された目的を達成するのに有効な量で使用され得る。細菌感染症などの疾患を治療するのに使用する目的で、式(1)の化合物および/またはその医薬組成物は、治療有効量で投与または適用され得る。
【0332】
式(1)の化合物および/またはその医薬組成物の治療有効用量は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療上の利益を提供するであろう。式(1)の化合物および/またはその医薬組成物の毒性は、標準的な薬学的手順を使用して決定され得、当業者により容易に確認され得る。毒性と治療効果の用量比が治療指数である。式(1)の化合物および/またはその医薬組成物は、疾患および障害の治療において特に高い治療指数を示す。式(1)の化合物および/またはその医薬組成物の用量は、最小の毒性を有する有効用量を含む、循環濃度範囲内にあるだろう。
【0333】
式(1)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、または前述のいずれかの医薬組成物は、治療目的で患者に化合物を投与するために使用できるキットに含まれてよい。キットは、患者への投与に好適な式(1)の化合物を含む医薬組成物と、医薬組成物を患者に投与するための指示書と、を含んでよい。患者の細菌感染症の治療に使用するキットは、式(1)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、化合物を投与するための薬学的に許容可能なビヒクル、および化合物を患者に投与するための指示書を含む。キットに同梱されている指示書は、印刷されて、および/または、例えば電子可読媒体、ビデオカセット、オーディオテープ、フラッシュメモリデバイスとして提供されるか、インターネットのWEBサイトで公開するか、患者および/または医療提供者へと電子通信を用いて配布されてよい。
【0334】
細菌感染症の治療に有効となる式(1)の化合物の量は、少なくとも部分的には疾患の性質に依存し、当該技術分野で知られている標準的な臨床技術によって決定され得る。加えて、最適な投与範囲の同定を支援するために、in vitroまたはin vivoアッセイを使用することができる。投与計画および投与間隔もまた、当業者に知られている方法によって決定され得る。投与される式(1)の化合物の量は、とりわけ、治療される患者、患者の体重、疾患の重症度、投与経路および処方する医師の判断に依存し得る。
【0335】
全身投与の場合、最初にin vitroアッセイから治療有効用量を推定してもよい。初期用量は、当該技術分野で知られている技法を使用して、例えば動物モデルなどのin vivoデータから推定することもできる。そのような情報は、ヒトの有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。当業者は、動物データに基づいてヒトへの投与を最適化してもよい。
【0336】
式(1)の化合物の用量および適切な投与間隔は、患者の血液中の式(1)の化合物の持続的治療有効濃度を、特定の実施形態では最小有害濃度を超えることなく維持するように選択され得る。
【0337】
本明細書に記載の化合物および組成物は、患者の感染症を治療するための多種多様な用途に使用され得る。この方法は概して、治療有効量の式(1)の化合物もしくはその医薬組成物を患者に投与すること、または、治療有効量の式(1)の化合物および追加の抗生物質、もしくはその医薬組成物を患者に投与することを含む。追加の抗生物質は、経口または他の好適な経路で投与され得る。
【0338】
本開示により提供される化合物は、アズトレオナムのプロドラッグである。本開示により提供される化合物および組成物は、疾患の病因がグラム陰性菌により引き起こされる感染症に関連する疾患を治療するために使用され得る。
【0339】
本開示により提供される化合物および組成物は、グラム陰性菌により引き起こされる感染または疾患など、患者における細菌感染症、または細菌感染症により引き起こされる疾患を治療するために使用され得る。例えば、本開示により提供される化合物および組成物は、偏性好気性細菌、偏性嫌気性細菌、通性嫌気性細菌および微好気性細菌などの細菌に関連する細菌感染症を治療するために使用され得る。
【0340】
偏性好気性細菌の例には、モラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(N.meningitidi)などのグラム陰性球菌、コリネバクテリウムジェイケイウム(Corynebacterium jeikeium)などのグラム陽性桿菌、マイコバクテリウムアビウムコンプレックス(Mycobacterium avium complex)、マイコバクテリウムカンサシ(M.kansasii)、らい菌(M.leprae)、結核菌(M.tuberculosis)、ノカルディア株(Nocardia sp)などの抗酸菌、アシネトバクターカルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)、エリザベトキンギアメニンゴセプティカ(Elizabethkingia meningoseptica)(以前はフラボバクテリウムメニンゴセプチカム(Flavobacterium meningosepticum))、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナスアルカリゲネス(P.alcaligenes)、他のシュードモナス株(Pseudomonas sp)およびステノトロホモナスマルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)などの非発酵性である非腸内細菌科、ブルセラ菌(Brucella)、ボルデテラ菌(Bordetella)、フランシセラ(Francisella)、レジオネラ株(Legionella spp)などの偏好性グラム陰性球桿菌および桿菌、レストスピラ株(Leptospira sp)などのトレポネマタセエ(treponemataceae)(らせん状細菌)が挙げられる。
【0341】
偏性嫌気性細菌の例には、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)、他のバクテロイデス株(Bacteroides sp)およびフソバクテリウム株(Fusobacterium sp)、プレボテーラ株(Prevotella sp)などのグラム陰性桿菌、ベイロネラ株(Veillonella sp)などのグラム陰性球菌、ペプトコッカスニガー(Peptococcus niger)およびペプトストレプトコッカス株(Peptostreptococcus sp)などのグラム陽性球菌、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(C.perfringens)、破傷風菌(C.tetani)、その他のクロストリジウム株(Clostridium sp)などの非胞子形成グラム陽性桿菌ならびにボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(C.perfringens)および他のクロストリジウム株(Clostridium sp)などの芽胞形成グラム陽性桿菌が挙げられる。
【0342】
通性嫌気性細菌の例には、グラム陽性球菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(コアグラーゼ陽性)などのカタラーゼ陽性、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)(コアグラーゼ陰性)およびその他のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、エンテロコッカスフェカーリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカスフェシウム(E.faecium)、ストレプトコッカスアガラクティアエ(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌)、ウシレンサ球菌(S.bovis)、肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)、化膿レンサ球菌(S.pyogenes)(A群連鎖球菌)、ビリダンスレンサ球菌(viridans group streptococci)(ミュータンスレンサ球菌(S.mutans)、ストレプトコッカスミティス(S.mitis)、ストレプトコッカスサリバリウス(S.salivarius)、ストレプトコッカスサングイス(S.sanguis))、ストレプトコッカスアンギノーサス(S.anginosus)群(ストレプトコッカスアンギノーサス(S.anginosus)、ストレプトコッカスミレリ(S.milleri)、ストレプトコッカスコンステラタス(S.constellatus))およびゲメラモルビロルム(Gemella morbillorum)などのグラム陽性球菌(カタラーゼ陰性)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ガードネレラバギナリス(Gardnerella vaginalis)(グラム不定)などのグラム陽性桿菌、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)(サイトロバクター株(Citrobacter sp)、エンテロバクターアエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、大腸菌(Escherichia coli)、クレブシエラ株(Klebsiella sp)、モーガネラモーガニイ(Morganella morganii)、プロテウス株(Proteus sp)、プレジオモナスシゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、プロビデンシアレットゲリ(Providencia rettgeri)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、他のサルモネラ株(Salmonella sp)、セラチア(Serratia marcescens)およびシゲラ株(Shigella sp)、エルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Y.pestis))などのグラム陰性桿菌、エロモナスハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、クロモバクテリウムビオラセウム(Chromobacterium violaceum)、パスツレラムルトシダ(Pasteurella multocida)などの発酵性の非腸内細菌科(non-Enterobacteriaceae)、アクチノバシラスアクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、バルトネラバシリホルミス(Bartonella bacilliformis)、バルトネラヘンセラエ(B.henselae)、バルトネラクインターナ(B.quintana)、エイケネラコローデンス(Eikenella corrodens)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)および他のヘモフィラス株(Haemophilus sp)などの偏好性グラム陰性球桿菌、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)などのマイコプラズマ(mycoplasma)ならびにボレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)および梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)などのトレポネマタセエ(treponemataceae)(らせん状細菌)が挙げられる。
【0343】
微好気性細菌の例には、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)、コレラ菌(Vibrio cholerae)およびビブリオバルニフィカス(V.vulnificus)などの湾曲した桿菌、偏性細胞内寄生体、クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラニューモニアエ(Chlamydophila pneumoniae)およびオウム症クラミジア(C.psittaci)などのクラミジア、コクシエラバーネッティイ(Coxiella burnetii)などのコクシエラならびに発疹チフスリケッチア(Rickettsia prowazekii)、紅斑熱リケッチア(R.rickettsii)、発疹熱リケッチア(R.typhi)、ツツガムシ病リケッチア(R.tsutsugamushi)、エーリキアシャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)およびアナプラズマファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)などのリケッチア目が挙げられる。
【0344】
本開示により提供される化合物および組成物は、グラム陰性菌に関連する細菌性疾患を治療するために使用され得る。
【0345】
本開示により提供される化合物および組成物は、アズトレオナムが細菌感染症などの細菌性疾患の治療に有効である、細菌性疾患の治療に使用され得る。
【0346】
感染症は細菌感染症であり得る。細菌感染症は、グラム陽性細菌の感染症であり得る。グラム陰性菌の例には、アシネトバクター(Acinetobacter)、エロモナス(Aeromonas)、バクテロイデス(Bacteroides)、バークホルデリア(Burkholderia)、サイトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、エシェリキア(Escherichia)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ヘモフィルス(Haemophilus)、クレブシエラ(Klebsiella)、モラクセラ(Moraxella)、モルガネラ(Morganella)、マイコプラズマ(Mycoplasma)、ナイセリア(Neisseria)、パントエア(Pantoea)、パスツレラ(Pasteurella)、プレジオモナス(Plesiomonas)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)、プレボテーラ(Prevotella)、プロテウス(Proteus)、プロビデンシア(Providencia)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シゲラ(Shigella)、スピリルム(Spirillum)、ステノトロホモナス(Stenotrophomonas)、ストレプトバチルス(Streptobacillus)、トレポネーマ(Treponema)およびエルシニア(Yersinia)が挙げられる。グラム陰性菌の追加の例には、アシネトバクターバウマニ(Acinetobacter baumannii)、エロモナスハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アリゾナヒンシャウイ(Arizona hinshawii)、バクテロイデスフラジリス(Bacteroides fragilis)、ブランハメラカタラーリス(Branhamella catarrhalis)、バークホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)、サイトロバクターデヴェルズス(Citrobacter diversus)、サイトロバクターフレウンディイ(Citrobacter freundii)、エンテロバクターアエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクタークロアカ(Enterobacter cloacae)、大腸菌(Escherichia coli)、フソバクテリウムヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、クレブシエラオキシトカ(Klebsiella oxytoca)、クレブシエラニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、モラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis)、モーガネラモーガニイ(Morganella morganii)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、パントエアアグロメランス(Pantoea agglomerans)、パスツレラムルトシダ(Pasteurella multocida)、プレジオモナスシゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、プレボテーラメラニノジェニカ(Prevotella melaninogenica)、プロテウスミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシアレットゲリ(Proteus rettgeri)、プロテウスブルガリス(Proteus vulgaris)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナスディミヌタ(Pseudomonas diminuta)、シュードモナスフルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナススタッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、サルモネラエンテリカ(Salmonella enterica)、サルモネラエンテリティディス(Salmonella enteritidis)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、セラチア(Serratia marcescens)、スピリルムマイナス(Spirillum minus)、ステノトロホモナスマルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ストレプトバチルスモニリホルム(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)およびエルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)が挙げられる。
【0347】
式(1)の化合物またはその医薬組成物は、サイトロバクター株(Citrobacter species)、エンテロバクター株(Enterobacter species)、大腸菌(Escherichia coli)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、クレブシエラニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、プロテウスミラビリス(Proteus mirabilis)、シュードモナスエルギオーザ(Pseudomonas aerugiosa)、セラチア株(Serratia species)、エロモナスハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、モーガネラモーガニイ(Morganella morganii)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、パスツレラムルトシダ(Pasteurella multocida)、プロテウスブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシアスチュアーティイ(Providencia stuartii)、プロビデンシアレットゲリ(Providencia rettgeri)またはエルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)により引き起こされる感染性疾患を治療するために使用され得る。
【0348】
本明細書に記載の化合物および組成物は、上記細菌により引き起こされる種々の疾患を治療または予防するために使用され得る。
【0349】
本開示により提供される化合物および組成物は、経口投与され得る。
【0350】
本開示により提供される化合物は、経口投与された場合、経口投与されたアズトレオナムの経口バイオアベイラビリティと比較して、アズトレオナムの経口バイオアベイラビリティの向上を提供する。例えば、式(1)の化合物は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%または少なくとも60%の経口バイオアベイラビリティ(%F)を示し得る。式(1)の化合物は、例えば、5%から90%、10%から80%、15%から70%または20%から60%の、アズトレオナムの経口アベイラビリティを提供し得る。アズトレオナムの経口バイオアベイラビリティは1%未満である。
【0351】
本開示により提供される医薬組成物は、式(1)の化合物に加えて、1つ以上の医薬的に活性な化合物を更に含み得る。そのような化合物は、式(1)の化合物で治療中の細菌感染症を治療するため、または式(1)の化合物で治療中の細菌感染症以外の疾患、障害または状態を治療するために提供され得る。
【0352】
式(1)の化合物は、少なくとも1つの他の治療薬と組み合わせて使用され得る。式(1)の化合物は、患者の細菌感染症を治療するための別の化合物と一緒に患者に投与され得る。少なくとも1つの他の治療薬は、式(1)に包含される、異なる化合物であってよい。式(1)の化合物および少なくとも1つの他の治療薬は、相加的または相乗的に作用し得る。少なくとも1つの追加の治療薬は、式(1)の化合物を含む、同様の医薬組成物またはビヒクル中に含まれてもよい。または別個の医薬組成物もしくはビヒクルに含まれてもよい。したがって、本開示により提供される方法は、式(1)の化合物の投与に加えて、細菌感染症または細菌感染症以外の異なる疾患、障害または状態の治療に有効な1つまたは複数の治療薬の投与を更に含む。本開示により提供される方法は、組み合わせた投与が式(1)の化合物の治療効果を阻害せず、かつ/または有害な組合せ効果を産生しないということを条件として、式(1)の化合物および1つ以上の他の治療薬の投与を含む。
【0353】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は別の治療薬の投与と同時に投与されてよく、これは同様の医薬組成物の一部であるか、または式(1)の化合物を含む医薬組成物とは異なる医薬組成物中にあってよい。式(1)の化合物は、別の治療薬の投与の前または後に投与されてよい。併用療法の特定の実施形態では、併用療法は、式(1)の化合物と、別の治療薬を含む組成物の投与を交互に行うことを含み、例えば特定の薬物に関連する薬物有害作用を最小限にすることができる。式(1)の化合物が、例えば毒性を含む有害な薬物効果を生じる可能性のある別の治療薬と同時に投与される場合、他の治療薬は、薬物有害反応を誘発する閾値を下回る用量で投与され得る。
【0354】
式(1)の化合物を含む医薬組成物は、式(1)の化合物の放出、バイオアベイラビリティ、治療効果、治療有効性、安定性などを向上、調節および/または制御する1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、式(1)の化合物の治療効果を向上させるため、式(1)の化合物または式(1)の化合物を含む医薬組成物は、胃腸管から体循環への式(1)の化合物の吸収または拡散を増加させるか、または患者血中の式(1)の化合物の崩壊を阻害するために、1つ以上の活性剤とともに同時投与されてよい。式(1)の化合物を含む医薬組成物は、式(1)の化合物の治療効果を向上させる薬理効果を有する活性剤と同時投与されてもよい。
【0355】
式(1)の化合物は、別の治療化合物と一緒に投与することができ、この場合、他の治療化合物は式(1)の化合物の効果を向上させる。例えば、他の治療化合物は、β-ラクタマーゼ阻害剤であり得る。これは、β-ラクタム環の加水分解を阻害することにより、アズトレオナムの有効性を向上させ得る。
【0356】
本開示により提供される化合物および組成物は、抗生物質、β-ラクタマーゼ阻害剤、またはこれらの組合せと組み合わせて投与され得る。式(1)の化合物またはその組成物は、グラム陽性菌によって引き起こされる感染症の治療に有用な抗生物質、グラム陰性菌によって引き起こされる感染症の治療に有用な抗生物質、嫌気性細菌によって引き起こされる感染症の治療に有用な抗生物質、非定型抗生物質、または前述のいずれかの組合せなどの、別の好適な抗生物質とともに投与され得る。
【0357】
グラム陽性菌によって引き起こされる感染症を治療するための抗生物質の例には、アンピシリン、アモキシシリン、ジクロキサシリンおよびオキサシリンなどのペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、クラリスロマイシンおよびアジスロマイシンなどのマクロライド、バノマイシン、サルファ薬ならびにトリメトプリム、クリンダマイシン、クロラムフェニコールならびにリネゾリドおよびシナシッドなどのその他の抗生物質が挙げられる。
【0358】
グラム陰性菌によって引き起こされる感染症を治療するための抗生物質の例には、チカルシリン-クラブラナートおよびピペラシリン-タゾバクタムなどの薬効範囲の広いペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、アジスロマイシンなどのマクロライド、シプロフロキサシンなどのキノロン、アズトレオナムなどのモノバクタム、サルファ薬/トリメトプリム、イミペネムなどのカルバペネムならびにクロラムフェニコールなどが挙げられる。
【0359】
嫌気性細菌によって引き起こされる感染症を治療するための抗生物質の例には、メトロニダゾール、クリンダマイシン、薬効範囲の広いペニシリン、ガチフロキサシンなどのキノロンおよびモキシフロキサシン、カルバペネムおよびクロランジェニコールが挙げられる。
【0360】
非定型抗生物質の例には、マロライド、テトラサイクリン、キノロン、クロラムフェニコールおよびアンピシリンが挙げられる。
【0361】
抗生物質には、例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシンなどのアミノグリコシド、セファドロキシル、セファゾリン、セファレキシンなどのβ-ラクタム(セファロスポリン、第1世代)、セファクロル、セフォテタン、セフォキシチン、セフプロジルおよびセフロキシムなどのβ-ラクタム(セファロスポリン、第2世代)、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテンおよびセフトリアキソンなどのβ-ラクタム(セファロスポリン、第3世代)、セフェピムなどのβ-ラクタム(セファロスポリン、第6世代)、セフタロリンなどのβ-ラクタム(セファロスポリン、第5世代)、アモキシシリン、アンピシリン、ジクロキサシリン、ナフシリンおよびオキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGプロカイン、ピペラシリンおよびチカルシリンなどのβ-ラクタム(ペニシリン)、アズトレオナムなどのβ-ラクタムモノバクタム、エルタペネム、イミペネム、メロペネムおよびドリペネムなどのβ-ラクタムカルバペネム、シプロフロキサシン、ゲミフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシンおよびオフロキサシンなどのフルオロキノロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、フィダキソマイシン、ラクトビオナート、グルセプタートおよびテリスロマイシンなどのマクロライド、スルフィソキサゾール、スルファメチゾール、スルファメトキサゾールおよびトリメトプリムなどのスルホンアミド、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリンおよびチゲサイクリンなどのテトラサイクリン、クリンダマイシン、クロルラムフェニコール、コリスチン(ポロミキシンE)、ダルババンシン、ダプトマイシン、ホスホマイシン、リネゾリド、メトロニダゾール、ニトロフラントイン、オリタバンシン、キヌプリスチン、ダルホプリシン、リファンピン、リファペンチン、テジゾリド、テラバンシンおよびバンコマイシンなどのその他の抗生物質が挙げられる。
【0362】
抗生物質の他の例には、アモキシシリンおよびアンピシリンを含むアミノペニシリンなどのペニシリン、カルベニシリン、ピペラシリンおよびチカルシリンを含む抗緑膿菌ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリン、ピペラシリンおよびクラブラナートを含むβ-ラクタマーゼ阻害剤、ペニシリンgベンザチン、ペニシリンvカリウムおよびプロカインペニシリンを含む天然ペニシリン、オキサシリン、ジクロキサシリンおよびナフシリンを含むペニシリターゼ耐性ペニシリン、テトラサイクリン、セファロスポリンセファドロキシル、セファドロキシル、セファレキシンおよびセファゾリン、ロメフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、ガチフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、ゲミフロキサシン、デラフォキサシン、シノキサシン、ナリジクス酸、トロバフロキサシンおよびスパルフロキサシンなどのキノロン、リンコマイシンおよびクリンダマイシンなどのリンコマイシン、テリスロマイシンを含むデトライドなどのマクロライド、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンおよびフィダキソマイシンなどのマクロライド、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、スルフィソキサゾールなどのスルホンアミド、糖ペプチド、パロモマイシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシンなどのアミノグリコシドならびにドリペネム、メロペネム、エルタペネムおよびシラスタチン/イミペネムなどのカルバペネムが挙げられる。
【0363】
式(1)の化合物およびその医薬組成物は、アズトレオナムと相乗効果を有することが知られているアミノグリコシド、アレカシンまたはトブラマイシンと同時投与され得る。
【0364】
好適なβ-ラクタム抗生物質の例には、ベンザチンペニシリン、ベンジルペニシリン、フェノキシメチルペンシルリンおよびプロカインペニシリンなどのβ-ラクタマーゼ感受性ペナムなどのペナム、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリンおよびテモシリンなどのβ-ラクタマーゼ耐性ペナム、アモキシシリンやアンピシリンなどの薬効範囲の広いペナム、メシラナムなどの基質拡張型ペナム、カルベニシリンやチカルシリンなどのカルボキシペニシリンならびにアズロシリン、メズロシリンおよびペペラシリンなどのウレイドペニシリンが挙げられる。
【0365】
好適なβ-ラクタム抗生物質の例には、セファゾリン、セファレキシン、セファロスポリンC、セファロチンを含む第1世代セフェムなどのセフェム、セファクロル、セファモアンドール、セフロキシム、セフォテタン、セフォキシチンなどの第2世代のセフェム、セフィキシム、セフォタキシム、セフポドキシム、セフラジジムおよびセフトリアキソンなどの第3世代セフェム、セフィピムおよびセフピロムなどの第4世代のセフェム、およびセフタロリンなどの第5世代のセフェムが挙げられる。
【0366】
好適なβ-ラクタム抗生物質の例には、ビアペネム、ドリペネム、エルタペネム、ファロペネム、イミペネム、メロペネム、パニペルネム、ラズペネム、テビペネムおよびチエナマイシンなどのカルバペネムおよびペネムが挙げられる。
【0367】
好適なβ-ラクタム抗生物質の例には、アズトレオナム、チゲモナム、ノカルジシンA、およびタブトキシニンβ-ラクタムなどのモノバクタムが挙げられる。
【0368】
本開示により提供される化合物および医薬組成物は、β-ラクタマーゼ阻害剤および/またはカルバペネマーゼ阻害剤またはその医薬組成物とともに投与され得る。好適なβ-ラクタマーゼ阻害剤および/またはカルバペネマーゼ阻害剤の例には、クラブラン酸、スルバクタム、アビバクタム、タゾバクタム、レレバクタム、ナクバクタム、バボルバクタム、ETX 2514、RG6068(すなわち、OP0565)(Livermore et al.,J AntiMicrob Chemother 2015,70:3032)およびRPX7009(Hecker et al.,J Med Chem 2015 58:3682-3692)が挙げられる。β-ラクタマーゼ阻害剤およびβ-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体の例は、2018年3月23日に出願された米国特許出願第15/934,497号で提供されており、これはその全体が参照により組み込まれる、米国特許第10,085,999号として発行される。例えば、式(1)のアズトレオナム誘導体は、クラブラン酸、スルバクタム、アビバクタム、タゾバクタム、レレバクタム、ナクバクタム、バボルバクタム、ETX 2514、RG6068、RPX7009、または前述のいずれかの組合せなどの、β-ラクタマーゼ阻害剤と同時投与され得る。
【0369】
式(1)の化合物は、対応するβ-ラクタマーゼ阻害剤の経口バイオアベイラビリティを示す、β-ラクタマーゼ阻害剤誘導体と同時投与され得る。対応するβ-ラクタマーゼ阻害剤の経口バイオアベイラビリティを提供する、β-ラクタマーゼ阻害剤の好適な誘導体の例には、例えば2018年3月23日に出願され、米国特許第10,085,999号として発行される、米国特許出願第15/934,497号に記載されており、アビバクタムの誘導体、レレバクタムの誘導体およびナクバクタムの誘導体が挙げられる。レレバクタムおよびナクバクタムの経口で、生物学的に利用可能な誘導体は、2018年10月1日に出願された、Gordon et al.による「Derivatives of Relebactam and Uses Thereof」およびGordon et al.による「Derivatives of Nacubactam and Uses Thereof」と題する米国特許出願に開示されており、そのそれぞれが参照により組み込まれている。
【0370】
経口で生物学的に利用可能なアビバクタム誘導体は、式(20)の構造:
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し得、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキル、および置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は、水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は、水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
Aは、単結合(-)であり、R
7は水素であるか、またはAは二重結合(=)であり、R
7はC
1-3アルキルである。
【0371】
経口で生物学的に利用可能なレレバクタム誘導体は、式(21)の構造:
【化13】
を有し得、この場合、R
1、R
2およびR
3は式(20)で定義される。
【0372】
経口で生物学的に利用可能なナクバクタム誘導体は、式(22)の構造:
【化14】
を有し得、この場合、R
1、R
2およびR
3は式(20)で定義される。
【0373】
経口で生物学的に利用可能なナクバクタム誘導体は、式(23)の構造:
【化15】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し得、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
6は、式(10)の部分、式(11)の部分、式(12)の部分、および式(13)の部分から選択され:
【化16】
式中、
各R
7は、水素、C
1-8アルキルから独立して選択されるか、または各R
7およびそれらが結合しているジェミナル炭素原子は、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
nは1~4の整数であり;
XはOおよびNHから選択され;
R
8は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
9は水素およびC
1-6アルキルから選択され;
R
10は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキル;C
1-6アルキルから選択され;
R
11は水素およびC
1-6アルキルから選択され;また
R
12は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0374】
経口で生物学的に利用可能なナクバクタム誘導体は、式(24)の構造:
【化17】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し得、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
6は、式(10)の部分、式(11)の部分、式(12)の部分、および式(13)の部分から選択され:
【化18】
式中、
各R
7は、水素、C
1-8アルキルから独立して選択されるか、または各R
7およびそれらが結合しているジェミナル炭素原子は、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
nは1~4の整数であり;
XはOおよびNHから選択され;
R
8は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
9は水素およびC
1-6アルキルから選択され;
R
10は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキル;C
1-6アルキルから選択され;
R
11は水素およびC
1-6アルキルから選択され;また
R
12は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0375】
したがって、本開示により提供される組成物は、式(1)のアズトレオナム誘導体と、式(20)のアビバクタム誘導体、式(21)のレレバクタム誘導体、式(22)のナクバクタム誘導体、式(23)のレレバクタム誘導体、式(24)のナクバクタム誘導体または前述のいずれかの組合せとを組み合わせて、細菌感染症を治療するために患者へと投与することを含む。本開示により提供される方法は、治療有効量の式(1)のアズトレオナム誘導体を、治療有効量の式(20)のアビバクタム誘導体、式(21)のレレバクタム誘導体、式(22)のナクバクタム誘導体、式(23)のレレバクタム誘導体、式(24)のナクバクタム誘導体または前述のいずれかの組合せと組み合わせて、それを必要とする患者に投与することにより、患者の細菌感染症を治療することを含み得る。
【0376】
式(1)のアズトレオナム誘導体およびアビバクタム、レレバクタム、ナクバクタムの経口で生物学的に利用可能な誘導体または前述のいずれかの組合せは、単一の投与剤形または異なる投与剤形中に含まれ得る。式(1)のアズトレオナム誘導体およびアビバクタム、レレバクタム、ナクバクタムの経口で生物学的に利用可能な誘導体または前述のいずれかの組合せは、同時にまたは種々の間隔で投与され得る。
【0377】
本開示により提供される化合物および組成物は、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される。化合物は、別の治療薬と組み合わせて、または連続して投与されてよい。そのような他の治療薬には、感染症の治療、予防、または改善で知られているものが含まれる。
【0378】
本明細書で提供される化合物および医薬組成物と、上記治療薬の1つ以上および任意選択的には、1つ以上の更なる薬理活性物質との任意の好適な組合せは、本開示の範囲内であると考えられることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、本開示により提供される化合物および医薬組成物は、1つ以上の追加の活性成分の前または後に投与される。
【0379】
発明の諸態様
態様1。式(1)の化合物:
【化19】
であって、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6ヘテロシクロアルキル、置換C
5-6アリールおよび置換C
5-6ヘテロアリールから選択され、式中、
R
4は水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキル、および置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
7は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、化合物。
【0380】
態様2。各置換基が、-OH、-CN、-CF3、-OCF3、=O、-NO2、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-COOR、-NR2および-CONR2から独立して選択され、式中、各Rが水素およびC1-6アルキルから独立して選択される、態様1の化合物。
【0381】
態様3。各置換基が、-OH、-CF3、-O-CF3、-NO2、-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-O-C(O)-O-R4、-S-C(O)-O-R4、-NH-C(O)-O-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-O-C(O)-O-R4、-O-C(O)-S-R4、-O-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4、-CH(-NH2)(-R4)から独立して選択され、式中、各R4は、水素、C1-8アルキルおよびC1-8ヘテロアルキルから選択される、態様1~2のいずれか1つに記載の化合物。
【0382】
態様4。式(2)の構造を有する、態様1~3のいずれか1つに記載の1つの化合物。
【化20】
【0383】
態様5。R5が水素であり、R6が水素である、態様1~4のいずれか1つに記載の化合物。
【0384】
態様6。R7が水素である、態様1~5のいずれか1つに記載の1つの化合物。
【0385】
態様7。各R1が独立してC1-6アルキルである、態様1~6のいずれか1つに記載の化合物。
【0386】
態様8。各R1がメチルである、態様1~7のいずれか1つに記載の化合物。
【0387】
態様9。R5、R6およびR7のそれぞれが水素である、態様1~8のいずれか1つに記載の化合物。
【0388】
態様10。各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1は、C3-6シクロアルキル環または置換C3-6シクロアルキル環を形成する、態様1~6および9のいずれか1つに記載の化合物。
【0389】
態様11。各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1は、C3-6シクロアルキル環を形成する、態様1~6および9、10のいずれか1つに記載の化合物。
【0390】
態様12。各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1は、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する、態様1~6および態様9~11のいずれか1つに記載の化合物。
【0391】
態様13。各R1に結合されるジェミナル炭素原子と一緒に、各R1は、C3-6ヘテロシクロアルキル環または置換C3-6ヘテロシクロアルキル環を形成する、態様1~6および9のいずれか1つに記載の化合物。
【0392】
態様14。R2が単結合である、態様1~13のいずれか1つに記載の化合物。
【0393】
態様15。R2が単結合であり、R3はC1-6アルキルである、態様1~13のいずれか1つに記載の化合物。
【0394】
態様16。R2が、C1-2アルカンジイルおよび置換C1-2アルカンジイルから選択される、態様1~13のいずれか1つに記載の化合物。
【0395】
態様17。置換基が、-OH、-CN、-CF3、-OCF3、=O、-NO2、C1-6アルコキシ、C1-6アルキル、-COOR、-NR2および-CONR2から選択され、式中、各Rが水素およびC1-6アルキルから独立して選択される、態様16の化合物。
【0396】
態様18。置換基が、-OH、-O-C(O)-R4、-S-C(O)-R4、-NH-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-C(O)-S-R4、-C(O)-NH-R4、-S-S-R4、-S-R4、-NH-R4、-CH(-NH2)(-R4)および-CH(-NH2)(-R4)から選択され、R4が水素およびC1-6アルキルから選択される、請求項16に記載の化合物。
【0397】
態様19。R2が置換C1-2アルカンジイルであり、置換基が結合している炭素原子の立体化学が(S)配置である、態様1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0398】
態様20。R2が置換C1-2アルカンジイルであり、置換基が結合している炭素原子の立体化学は(R)配置である、態様1~18のいずれか1つに記載の化合物。
【0399】
態様21。R2が、C5-6シクロアルカンジイル、C5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C6アレーンジイルおよびC5-6ヘテロシクロアルカンジイルから選択される、態様1~20のいずれか1つに記載の化合物。
【0400】
態様22。R3が、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NH-R4および-CH(-NH2)(-R4)から選択される、態様1~21のいずれか1つに記載の化合物。
【0401】
態様23。R3が、-C(O)-O-R4である、態様1~22のいずれか1つに記載の化合物。
【0402】
態様24。R4が、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C5-7シクロアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、C6アリール、C7-9アリールアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C5-6シクロアルキル、置換C5-6ヘテロシクロアルキル、置換C6アリールおよびC7-9アリールアルキルから選択される、態様1~23のいずれか1つに記載の化合物。
【0403】
態様25。R4が、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C7-9アリールアルキルおよび置換C5-7ヘテロシクロアルキルから選択される、態様1~24のいずれか1つに記載の化合物。
【0404】
態様26。R4が、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルから選択される、態様1~25のいずれか1つに記載の化合物。
【0405】
態様27。R4が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび2-ピロリジニルから選択される、態様1~26のいずれか1つに記載の化合物。
【0406】
態様28。R3が-C(O)-O-R4であり、R4が、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C5-7シクロアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、C6アリール、C7-9アリールアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C5-6シクロアルキル、置換C5-6ヘテロシクロアルキル、置換C6アリールおよびC7-9アリールアルキルから選択される、態様1~27のいずれか1つに記載の化合物。
【0407】
態様29。R3が-C(O)-O-R4であり、R4が、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキル、C5-7ヘテロシクロアルキル、置換C1-8アルキル、置換C1-8ヘテロアルキル、置換C7-9アリールアルキルおよび置換C5-7ヘテロシクロアルキルから選択される、態様1~28のいずれか1つに記載の化合物。
【0408】
態様30。R3が-C(O)-O-R4であり、R4が、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルから選択される、態様1~29のいずれか1つに記載の化合物。
【0409】
態様31。各R1が、各R1が結合している炭素原子と一緒に、2つの隣接するS原子を含むC4-6ヘテロシクロアルキル環またはOおよびS、ならびに少なくとも1つのヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合した=O置換基から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成する、態様1~30のいずれか1つに記載の化合物。
【0410】
態様32。R2が単結合であり、R3はC1-3アルキルであり、各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、C4-6ヘテロシクロアルキル環または置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成する、態様1~31のいずれか1つに記載の化合物。
【0411】
態様33。R2が単結合であり、R3がC1-3アルキルであり、各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒に、2つの隣接するS原子を含むC4-6ヘテロシクロアルキル環またはOおよびS、ならびにヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合している=O置換基から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、置換C4-6ヘテロシクロアルキル環を形成する、態様1~32のいずれか1つに記載の化合物。
【0412】
態様34。R2が単結合であり、R3がC1-3アルキルであり、各R1は、各R1が結合している炭素原子と一緒になって、1,2-ジチオランテ(dithiolante)環、1,2-ジタン環、チエタン-2-オン環、ジヒドロチオフェン-2(3H)-オン環、テトラヒドロ-2H-チピラン(thipyran)-2-オン環、オキセタン-2-オン環、ジヒドロフラン-2(3H)-オン環またはテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン環を形成する、態様1~33のいずれか1つに記載の化合物。
【0413】
態様35。各R1がメチルであり、R2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、R3が、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され、式中、R4は、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルから選択される、態様1~34のいずれか1つに記載の化合物。
【0414】
態様36。各R1がメチルであり、R2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、R3が、-C(O)-O-R4から選択され、式中、R4は、C1-8アルキル、C1-8ヘテロアルキル、C7-9アリールアルキルおよびC5-7ヘテロシクロアルキルから選択される、態様1~35のいずれか1つに記載の化合物。
【0415】
態様37。各R1がメチルであり、R2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、R3が、-O-C(O)-R4、-C(O)-O-R4、-S-C(O)-R4、-C(O)-S-R4、-S-S-R4、-NHR4および-CH(-NH2)(-R4)から選択され、式中、R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび2-ピロリジニルから選択される、態様1~36のいずれか1つに記載の化合物。
【0416】
態様38。各R1がメチルであり、R2が、単結合、メタンジイル、エタンジイル、-CH(-OH)-、-CH(-O-C(O)-CH2CH3)-および1,2-ベンゼン-ジイルから選択され、R3が、-C(O)-O-R4から選択され、式中、R4は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、2-メトキシエチル、メチルベンゼン、オキセタン-3-オキシ-イル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび2-ピロリジニルから選択される、態様1~37のいずれか1つに記載の化合物。
【0417】
態様39。R5、R6およびR7のそれぞれが水素である、態様1~38のいずれか1つに記載の化合物。
【0418】
態様40。各R1が独立してC1-3アルキルであり、各R2が単結合であり、R5、R6およびR7のそれぞれが水素である、態様1~39のいずれか1つに記載の化合物。
【0419】
態様41。各R1がメチルであり、R2が単結合であり、R3が-C(O)-O-R4であり、R4がC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C7-10アルキルアレーンおよびC5-10ヘテロアルキルシクロアルキルから選択される、態様1~40のいずれか1つに記載の化合物。
【0420】
態様42。各R1がメチルであり、R2が単結合であり、R3が-C(O)-O-R4であり、R4がC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C7-10アルキルアレーンおよびC5-10ヘテロアルキルシクロアルキルから選択され、R5、R6およびR7のそれぞれが水素である、態様1~41のいずれか1つに記載の化合物。
【0421】
態様43。態様1~42のいずれか1つに記載の化合物であり、化合物は以下から選択される:
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-4-(プロピオニルオキシ)ブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-((6-(ベンジルオキシ)-6-オキソヘキサノイル)オキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
6-(4-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブトキシ)-6-オキソヘキサン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-イソプロポキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘプチルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(2-メトキシエトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-(オキセタン-3-イルオキシ)-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロヘキシル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロペンチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロブチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩;および
前述のいずれかの組合せ。
【0422】
態様44。態様1~43のいずれか1つに記載の化合物および薬学的に許容可能なビヒクルを含む、医薬組成物。
【0423】
態様45。抗生物質を更に含む、態様44の医薬組成物。
【0424】
態様46。抗生物質がβ-ラクタム抗生物質を含む、態様44~45のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0425】
態様47。医薬組成物が経口投与製剤を含む、態様44~46のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0426】
態様48。医薬組成物が経口投与剤形を含む、態様44~47のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0427】
態様49。患者の細菌感染症を治療するのに有効な量の請求項1~43のいずれか1項に記載の化合物を含む、態様44~48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【0428】
態様50。β-ラクタマーゼ阻害剤を更に含む、態様44~49のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0429】
態様51。患者の細菌感染症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、請求項1~43のいずれか1項に記載の治療有効量の化合物を投与することを含む、方法。
【0430】
態様52。投与することが経口投与することを含む、態様51に記載の方法。
【0431】
態様53。投与することが、経口投与剤形を投与することを含む、態様50~52のいずれか1つに記載の方法。
【0432】
態様54。抗生物質を患者に投与することを更に含む、態様50~53のいずれか1つに記載の方法。
【0433】
態様55。抗生物質がβ-ラクタム抗生物質を含む、態様54に記載の方法。
【0434】
態様56。患者にβ-ラクタマーゼ阻害剤を投与することを更に含む、態様50~55のいずれか1つに記載の方法。
【0435】
態様57。患者の細菌感染症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に請求項44~50のいずれか1項に記載の治療有効量の医薬組成物を投与することを含む方法。
【0436】
態様58。投与することが、経口投与することを含む、態様57に記載の方法。
【0437】
態様59。投与することが経口投与剤形を投与することを含む、態様50~58のいずれか1つに記載の方法。
【0438】
態様60。抗生物質を患者に投与することを更に含む、態様50~59のいずれか1つに記載の方法。
【0439】
態様61。抗生物質がβ-ラクタム抗生物質を含む、態様60に記載の方法。
【0440】
態様62。細菌感染症がグラム陰性菌感染症を含む、態様50~61のいずれか1つに記載の方法。
【0441】
態様63。細菌感染症は、治療有効量のアズトレオナムで治療することが可能である、態様50~62のいずれか1つに記載の方法。
【0442】
態様64。細菌感染症が治療有効量のβ-ラクタマーゼ阻害剤と同時投与される場合、治療有効量のアズトレオナムで治療することが可能である、態様50~63のいずれか1つに記載の方法。
【0443】
態様65。式(1)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1が独立してC1-3アルキルから選択されるか、各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は、単結合、メタンジイルおよびエタンジイルから選択され、
R3は、-C(O)-O-R4および-S-C(O)-R4から選択され、式中、R4は、C1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル、および置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、式(1)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0444】
態様66。各R1が独立してC1-3アルキルから選択される、態様65の化合物。
【0445】
態様67。各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環を形成する、態様65の化合物。
【0446】
態様68。R2が単結合である、態様65の化合物。
【0447】
態様69。R2がメタンジイルである、態様65~68のいずれか1つに記載の化合物。
【0448】
態様70。R2がエタンジイルである、態様65~68のいずれか1つに記載の化合物。
【0449】
態様71。R3が-C(O)-O-R4である、態様65~71のいずれか1つに記載の化合物。
【0450】
態様72。R3が-S-C(O)-R4である、態様65~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0451】
態様73。R4がC1-10アルキルである、態様65~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0452】
態様74。R4がC1-10ヘテロアルキルである、態様65~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0453】
態様75。R4がC5-10アリールアルキルである、態様65~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0454】
態様76。R4がC3-6ヘテロシクロアルキルである、態様65~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0455】
態様77。R4が置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルである、態様65~72のいずれか1つに記載の化合物。
【0456】
態様78。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1が独立してC1-3アルキルから選択されるか、各R1はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環を形成し、
R2は、単結合であり、
R3は、-C(O)-O-R4であり、式中、R4は、C1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル、および置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0457】
態様79。各R1が独立してC1-3アルキルから選択される、態様78の化合物。
【0458】
態様80。各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環を形成する、態様78の化合物。
【0459】
態様81。R4が、C1-7アルキル、C1-10ヘテロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素である)、-CH2-C4-6シクロアルキル、-(CH2)2-C4-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素である)、-CH2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルおよび-(CH2)2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルから選択される、態様78~80のいずれか1つに記載の化合物。
【0460】
態様82。置換C3-6ヘテロシクロアルキルにおいて、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択される、態様81の化合物。
【0461】
態様83。各R1がメチルであるか、または各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロヘキシル環もしくはシクロペンチル環を形成する、態様78~83のいずれか1つに記載の化合物。
【0462】
態様84。R4がメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、-CH2-CH2-O-CH3、ベンジル、3-オキセタニルおよびメチル-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択される、態様78~83のいずれか1つに記載の化合物。
【0463】
態様85。R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり、
各R1がメチルであるか、各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロヘキシル環またはシクロペンチル環を形成し、
R2が単結合であり、
R3が-C(O)-O-R4であり、式中、R4が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-フェニル(ベンジル)、3-オキセタニルおよびメチル-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択される、
態様78に記載の化合物。
【0464】
態様86。R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり、
各R1が、C1-3アルキルから独立して選択されるか、または各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2が-(CH2)2-であり、
R3が-C(O)-O-R4であり、式中、R4が、C1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキルおよび置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0465】
態様87。各R1がC1-3アルキルから独立して選択される、態様86の化合物。
【0466】
態様88。各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環を形成する、態様86の化合物。
【0467】
態様89。R4が、C1-7アルキル、C1-10ヘテロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素である)、-CH2-C4-6シクロアルキル、-(CH2)2-C4-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素である)、-CH2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルおよび-(CH2)2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルから選択される、態様86~88のいずれか1つに記載の化合物。
【0468】
態様90。置換C3-6ヘテロシクロアルキルにおいて、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択される、態様89の化合物。
【0469】
態様91。R4がC1-10アルキルである、態様86~88のいずれか1つに記載の化合物。
【0470】
態様92。R5、R6およびR7のそれぞれは水素であり、
各R1はメチルであり、
R2が-(CH2)2-であり、
R3が-C(O)-O-R4であり、R4はn-ヘキシルおよびn-ヘプチルから選択される、
態様86の化合物。
【0471】
態様93。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1が、C1-3アルキルから選択されるか、または各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3-6シクロアルキル環を形成し、
R2が-CH2-であり、
R3が、-S-C(O)-R4であり、式中、R4はC1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、C5-10アリールアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル、置換C4-10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0472】
態様94。各R1が、C1-3アルキルから独立して選択される、態様93の化合物。
【0473】
態様95。各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環を形成する、態様93の化合物。
【0474】
態様96。R4が、C1-7アルキル、C1-10ヘテロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素である)、-CH2-C4-6シクロアルキル、-(CH2)2-C4-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル(1つ以上のヘテロ原子が酸素である)、-CH2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルおよび-(CH2)2-C3-6置換ヘテロシクロアルキルから選択される、態様93~95のいずれか1つに記載の化合物。
【0475】
態様97。置換C3-6ヘテロシクロアルキルにおいて、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択される、態様96の化合物。
【0476】
態様98。R4がC1-10アルキルである、態様93~95のいずれか1つに記載の化合物。
【0477】
態様99。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1がメチルであり、
R2が-CH2-であり、
R3が-S-C(O)-R4であり、式中、R4はメチルである、
態様93の化合物。
【0478】
態様100。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル環、C3-6ヘテロシクロアルキル環、C3-6シクロアルキル環またはC3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し、
R2が単結合であり、
R3がC1-3アルキルである、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0479】
態様101。各R1がそれらが結合している炭素原子と一緒になって、C3-6ヘテロシクロアルキル環またはC3-6ヘテロシクロアルキル環を形成する、態様100の化合物。
【0480】
態様102。1つ以上のヘテロ原子が酸素であり、1つ以上の置換基が=Oである、態様101の化合物。
【0481】
態様103。各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、ジヒドロフラン-2(3H)-オン環を形成し、
R2が単結合であり、
R3がメチルである、
態様100の化合物。
【0482】
態様104。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1がC1-3アルキルから独立して選択され、
R2が、単結合およびメタンジイルから選択され、
R3が、-O-C(O)-R4および-C(O)-O-R4から選択され、式中、R4はC1-10アルキルおよび置換フェニルから選択される、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0483】
態様105。R2が単結合である、態様104の化合物。
【0484】
態様106。R2がメタンジイルである、態様104の化合物。
【0485】
態様107。R3が-O-C(O)-R4である、態様104~106のいずれか1つに記載の化合物。
【0486】
態様108。R2がメタンジイルであり、R3が-O-C(O)-R4である、態様104~106のいずれか1つに記載の化合物。
【0487】
態様109。R3が-C(O)-O-R4である、態様104~106のいずれか1つに記載の化合物。
【0488】
態様110。R2が単結合であり、R3が-C(O)-O-R4である、態様104~106のいずれか1つに記載の化合物。
【0489】
態様111。R2が単結合であり、R3が-C(O)-O-R4であり、R4がC1-3アルキルである、態様104の化合物。
【0490】
態様112。R4がC1-10アルキルである、態様104~111のいずれか1つに記載の化合物。
【0491】
態様113。R4がC1-4アルキルである、態様104~111のいずれか1つに記載の化合物。
【0492】
態様114。R4が置換フェニルである、態様104~111のいずれか1つに記載の化合物。
【0493】
態様115。R2がメタンジイルであり、R3が-O-C(O)-R4であり、R4が置換フェニルである、態様104の化合物。
【0494】
態様116。1つ以上の置換基が、ハロゲン、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから独立して選択される、態様115の化合物。
【0495】
態様117。置換フェニルが2,6-置換フェニルである、態様115の化合物。
【0496】
態様118。置換基のそれぞれが、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから選択される、態様117の化合物。
【0497】
態様119。置換フェニルが2,5,6-置換フェニルである、態様115の化合物。
【0498】
態様120。2位および6位の置換基のそれぞれが、C1-3アルキルおよびC1-3アルコキシから独立して選択され、5位の置換基がハロゲンである、態様119の化合物。
【0499】
態様121。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1がC1-3アルキルから独立して選択され、
R2が単結合であり、
R3が-CH=C(R4)2であり、各R4が-C(O)-O-R8であるか、または各R4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換ヘテロシクロヘキシル環を形成し、
各R8がC1-4アルキルである、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0500】
態様122。各R4が-C(O)-O-R8である、態様121の化合物。
【0501】
態様123。各R4が-C(O)-O-R8であるか、または各R4が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換ヘテロシクロヘキシル環を形成している、態様121の化合物。
【0502】
態様124。置換ヘテロシクロヘキシル環において、1つ以上のヘテロ原子が酸素である、態様122に記載の化合物。
【0503】
態様125。置換ヘテロシクロヘキシル環において、1つ以上の置換基がC1-3アルキルおよび=Oから独立して選択される、態様123~124のいずれか1つに記載の化合物。
【0504】
態様126。置換ヘテロシクロアルキル環が、2,2-ジメチル-5-イル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオンである、態様123の化合物。
【0505】
態様127。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1がC1-3アルキルから独立して選択され、
R2が単結合およびメタンジイルから選択され、
R3は置換フェニルであり、式中、1つ以上の置換基は-CH2-O-C(O)-R4および-O-C(O)-R4から独立して選択され、式中、R4がC1-10アルキルおよびフェニルから選択される、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0506】
態様128。R2が単結合である、態様127の化合物。
【0507】
態様129。R2がメタンジイルである、態様127の化合物。
【0508】
態様130。R2が2-置換フェニルである、態様127の化合物。
【0509】
態様131。1つ以上の置換基が、-CH2-O-C(O)-R4である、態様127~130のいずれか1つに記載の化合物。
【0510】
態様132。1つ以上の置換基が、-O-C(O)-R4である、態様127~130のいずれか1つに記載の化合物。
【0511】
態様133。R4がC1-10アルキルである、態様127~132のいずれか1つに記載の化合物。
【0512】
態様134。R4が、メチル、エチル、イソプロピル、ピバロイル、およびフェニルから選択される、態様127~132のいずれか1つに記載の化合物。
【0513】
態様135。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1がC1-3アルキルから独立して選択され、
R2が、-C(R8)2-および-CH2-C(R8)2-から選択され、式中、各R8はC1-3アルキルから独立して選択され、
R3が、-C(O)-O-R4および-O-C(O)-R4から選択され、式中、R4が、C1-10アルキル、C1-10ヘテロアルキル、置換C1-10アルキル、置換C1-10ヘテロアルキルおよび4(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択される、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0514】
態様136。各R1がメチルである、態様135の化合物。
【0515】
態様137。R2が、-C(R8)2-である、態様135~136のいずれか1つに記載の化合物。
【0516】
態様138。R2が-CH2-C(R8)2-である、態様135~136のいずれか1つに記載の化合物。
【0517】
態様139。各R8がメチルである、態様135~138のいずれか1つに記載の化合物。
【0518】
態様140。各R1がメチルであり、各R8がメチルである、態様135~138のいずれか1つに記載の化合物。
【0519】
態様141。R3が-C(O)-O-R4である、態様135~140のいずれか1つに記載の化合物。
【0520】
態様142。R3が-O-C(O)-R4である、態様135~140のいずれか1つに記載の化合物。
【0521】
態様143。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1が、それが結合している炭素原子と一緒になって、置換C5-6複素環式環を形成し、
R2が単結合であり、
R3がC1-3アルキルである、
態様1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【0522】
態様144。置換C5-6複素環式環において、1つ以上のヘテロ原子が酸素であり、1つ以上の置換基が、C1-3アルキルおよび=Oから独立して選択される、態様143の化合物。
【0523】
態様145。各R1が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン環を形成する、態様143の化合物。
【0524】
態様146。R5、R6およびR7のそれぞれが水素であり、
各R1がC1-3アルキルから独立して選択され、
R2が、C2-4アルカンジイルから選択され、
R3が、置換C5-6ヘテロシクロアルキルであり、式中、1つ以上のヘテロ原子は独立してNおよびOから選択され、1つ以上の置換基は、C1-3アルキルおよび=Oから独立して選択される、
態様143の化合物。
【0525】
態様147。R
4が式(6)の構造を有し、
【化21】
式中、R
9は、水素、C
1-6アルキル、C
4-6シクロアルキル、C
1-6ヘテロアルキル、C
4-6ヘテロシクロアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
4-6シクロアルキル、置換C
1-6ヘテロアルキルおよび置換C
4-6ヘテロシクロアルキルから選択される、態様146の化合物。
【0526】
態様148。R9が水素およびC1-6アルキルから選択される、態様147の化合物。
【0527】
態様149。式(4)の構造を有する化合物であって、
【化22】
式中、
各R
1がC
1-6アルキルから選択され得、
R
4が、C
1-6アルキル、C
1-6ヘテロアルキル、C
5-6シクロアルキルおよびC
5-6ヘテロシクロアルキルから選択され得、
R
7が、水素、C
1-6アルキル、C
1-6ヘテロアルキルおよび4-(イル-メチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オンから選択され得る、化合物。
【0528】
態様150。各R1が、C1-3アルキルから選択され得、R4が、C1-6アルキルおよびC5-6シクロアルキルから選択され得、R7が、水素およびC1-6アルキルから選択され得る、態様149の化合物。
【0529】
態様151。以下から選択された化合物:
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-オキソ-3-プロポキシプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸;
メチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
プロピル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-メトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
メチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-エトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-エトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
プロピル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-エトキシ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
メチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
プロピル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート;
前述のいずれかの薬学的に許容可能な塩;および
前述のいずれかの組合せ。
【0530】
態様152。態様65~151のいずれか1つに記載の化合物および薬学的に許容可能なビヒクルを含む医薬組成物。
【0531】
態様153。抗生物質を更に含む、態様152に記載の医薬組成物。
【0532】
態様154。抗生物質がβ-ラクタム抗生物質を含む、態様152~149のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0533】
態様155。医薬組成物が経口投与製剤を含む、態様152~154のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0534】
態様156。医薬組成物が経口投与剤形を含む、態様152~155のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0535】
態様157。患者の細菌感染症の治療に有効である、請求項65~151のいずれか1項に記載の化合物の所定量を含む、態様152~156のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0536】
態様158。β-ラクタマーゼ阻害剤を更に含む、態様152~157のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0537】
態様159。β-ラクタマーゼ阻害剤が経口で生物学的に利用可能なβ-ラクタマーゼ阻害剤を含む、態様56および158のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0538】
態様160 β-ラクタマーゼ阻害剤が、β-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体を含み、それが患者に経口投与されると、患者の体循環中にβ-ラクタマーゼ阻害剤を提供する、態様158~159のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0539】
態様161。態様160の医薬組成物であって、β-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体が式(20)の構造:
【化23】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
Aは単結合(-)であり、R
7は水素であるか、またはAは二重結合(=)であり、R
7はC
1-3アルキルである、医薬組成物。
【0540】
態様162。β-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体が、アビバクタムの誘導体、レレバクタムの誘導体、ナクバクタムの誘導体、または前述のいずれかの組合せを含む、態様160~161のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0541】
態様163。態様160~162のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、アビバクタムの誘導体が式(20a)の構造を有し、レレバクタムの誘導体が式(21)の構造を有し、ナクバクタムの誘導体が式(22)の構造:
【化24】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1とそれらが結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、医薬組成物。
【0542】
態様164。態様160~162のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、レレバクタムの誘導体が式(23)の構造を有し、ナクバクタムの誘導体が式(24)の構造:
【化25】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
6は、式(10)の部分、式(11)の部分、式(12)の部分、および式(13)の部分から選択され、
【化26】
式中、
各R
7は、水素、C
1-8アルキルから独立して選択されるか、または各R
7およびそれらが結合しているジェミナル炭素原子は、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
nは1~4の整数であり;
XはOおよびNHから選択され;
R
8は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
9は水素およびC
1-6アルキルから選択され;
R
10は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキル;C
1-6アルキルから選択され;
R
11は水素およびC
1-6アルキルから選択され;また
R
12は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択される、医薬組成物。
【0543】
態様165。態様160~162のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、アビバクタムの誘導体が式(20a)の構造:
【化27】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1とそれらが結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、医薬組成物。
【0544】
態様166。患者の細菌感染症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項65~151のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【0545】
態様167。投与することが、経口投与することを含む、態様166の方法。
【0546】
態様168。投与することは、経口投与剤形を投与することを含む、態様166~167のいずれか1つに記載の方法。
【0547】
態様169。抗生物質を患者に投与することを更に含む、態様166から168のいずれか1つに記載の方法。
【0548】
態様170。抗生物質がβ-ラクタム抗生物質を含む、態様169に記載の方法。
【0549】
態様171。患者にβ-ラクタマーゼ阻害剤を投与することを更に含む、態様166~170のいずれか1つに記載の方法。
【0550】
態様172。β-ラクタマーゼ阻害剤の投与が、β-ラクタマーゼ阻害剤を経口投与することを含む、態様171の方法。
【0551】
態様173。β-ラクタマーゼ阻害剤を投与することが、治療有効量のβ-ラクタマーゼ阻害剤を提供する化合物を経口投与することを含む、態様172の方法。
【0552】
態様174 β-ラクタマーゼ阻害剤が、患者に経口投与されると患者の体循環中にβ-ラクタマーゼ阻害剤を提供する、β-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体を含む、態様171~174のいずれか1つに記載の方法。
【0553】
態様175。態様174に記載の医薬組成物であって、β-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体が式(20)の構造:
【化28】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
Aは単結合(-)であり、R
7は水素であるか、またはAは二重結合(=)であり、R
7はC
1-3アルキルである、医薬組成物。
【0554】
態様176。β-ラクタマーゼ阻害剤の誘導体が、アビバクタムの誘導体、レレバクタムの誘導体、ナクバクタムの誘導体、または前述のいずれかの組合せを含む、態様174に記載の医薬組成物。
【0555】
態様177。態様176に記載の医薬組成物であって、アビバクタムの誘導体が式(20a)の構造を有し、レレバクタムの誘導体が式(21)の構造を有し、ナクバクタムの誘導体が式(22)の構造:
【化29】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1とそれらが結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
5は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
R
6は水素、C
1-6アルキル、C
5-8シクロアルキル、C
6-12シクロアルキルアルキル、C
2-6ヘテロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
1-6アルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
6-12シクロアルキルアルキル、置換C
2-6ヘテロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキルおよび置換C
6-12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される医薬組成物。
【0556】
態様178。態様176のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、レレバクタムの誘導体が式(23)の構造を有し、ナクバクタムの誘導体が式(24)の構造:
【化30】
またはその薬学的に許容可能な塩を有し、式中、
各R
1はC
1-6アルキルから独立して選択されるか、または各R
1と各R
1が結合するジェミナル炭素原子が、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R
2は、単結合、C
1-6アルカンジイル、C
1-6ヘテロアルカンジイル、C
5-6シクロアルカンジイル、C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、C
6アレーンジイル、C
5-6ヘテロアレーンジイル、置換C
1-6アルカンジイル、置換C
1-6ヘテロアルカンジイル、置換C
5-6シクロアルカンジイル、置換C
5-6ヘテロシクロアルカンジイル、置換C
6アレーンジイルおよび置換C
5-6ヘテロアレーンジイルから選択され;
R
3は、C
1-6アルキル、-O-C(O)-R
4、-S-C(O)-R
4、-NH-C(O)-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-S-C(O)-O-R
4、-NH-C(O)-O-R
4、-C(O)-O-R
4、-C(O)-S-R
4、-C(O)-NH-R
4、-O-C(O)-O-R
4、-O-C(O)-S-R
4、-O-C(O)-NH-R
4、-S-S-R
4、-S-R
4、-NH-R
4、-CH(-NH
2)(-R
4)、C
5-6ヘテロシクロアルキル、C
5-6ヘテロアリール、置換C
5-6シクロアルキル、置換C
5-6へテロシクロアルキル、置換C
5-6アリール、置換C
5-6ヘテロアリールおよび-CH=C(R
4)
2から選択され、式中、
R
4は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
6は、式(10)の部分、式(11)の部分、式(12)の部分、および式(13)の部分から選択され:
【化31】
式中、
各R
7は、水素、C
1-8アルキルから独立して選択されるか、または各R
7およびそれらが結合しているジェミナル炭素原子は、C
3-6シクロアルキル環、C
3-6ヘテロシクロアルキル環、置換C
3-6シクロアルキル環または置換C
3-6ヘテロシクロアルキル環を形成し;
nは1~4の整数であり;
XはOおよびNHから選択され;
R
8は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択され;
R
9は水素およびC
1-6アルキルから選択され;
R
10は、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキル;C
1-6アルキルから選択され;
R
11は水素およびC
1-6アルキルから選択され;また
R
12は、水素、C
1-8アルキル、C
1-8ヘテロアルキル、C
5-8シクロアルキル、C
5-8ヘテロシクロアルキル、C
5-10シクロアルキルアルキル、C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、C
6-8アリール、C
5-8ヘテロアリール、C
7-10アリールアルキル、C
5-10ヘテロアリールアルキル、置換C
1-8アルキル、置換C
1-8ヘテロアルキル、置換C
5-8シクロアルキル、置換C
5-8ヘテロシクロアルキル、置換C
5-10シクロアルキルアルキル、置換C
5-10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C
6-8アリール、置換C
5-8ヘテロアリール、置換C
7-10アリールアルキルおよび置換C
5-10ヘテロアリールアルキルから選択される、医薬組成物。
【0557】
態様179。投与することが経口投与することを含む、態様166~178のいずれか1つに記載の方法。
【0558】
態様180。投与することが、経口投与剤形を投与することを含む、態様166~179のいずれか1つに記載の方法。
【0559】
態様181。細菌感染症はグラム陰性菌感染症を含む、態様166~180のいずれか1つに記載の方法。
【0560】
態様182。細菌感染症は、治療有効量のアズトレオナムで治療することが可能である、態様166~181のいずれか1つに記載の方法。
【0561】
態様183。細菌感染症は、治療有効量のβ-ラクタマーゼ阻害剤と同時投与される場合、治療有効量のアズトレオナムで治療することが可能である、態様166~182のいずれか1つに記載の方法。
【0562】
態様184。アズトレオナムの誘導体を合成する方法であって、
3-アミノ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-酪酸ベンジルエステルとクロロスルホニルオキシエステルを、塩基の存在下で反応させて、対応する((2R、3R)-4-(ベンジルオキシ)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソブタン-2-イル)スルホニルオキシエステルを提供することと、
((2R、3R)-4-(ベンジルオキシ)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソブタン-2-イル)スルホニルオキシエステルを水素化して、対応する(2R、3R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタン酸エステルを提供することと、
(2R、3R)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタン酸エステルを、環化剤の存在下で環化して、対応するβ-ラクタムを提供することと、を含む、方法。
【0563】
態様185。アズトレオナムの誘導体を合成する方法であって、
tert-ブチル(2S、3R)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)-アミノ)ブタノアートとクロロスルホニルオキシエステルとを、塩基の存在下で反応させて、対応するtert-ブチル(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタン酸エステルを提供することと、
tert-ブチルエステルの除去後、tert-ブチル(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-((スルホニルオキシ)アミノ)ブタン酸エステルを環化剤の存在下で環化して、対応するβ-ラクタムを提供することと、を含む、方法。
【実施例】
【0564】
例
以下の例は、式(1)の化合物の合成、式(1)の化合物の特徴付け、および式(1)の化合物の使用を詳細に説明している。本開示の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更を実施できることが、当業者には明らかであろう。
【0565】
一般的な手順
すべての試薬は、商業的供給業者から購入し、更なる精製を行うことなく使用した。すべての溶媒は試薬、すなわちHPLCグレードであった。シリカゲル60F254プレートで分析TLCを実行し、UV、KMnO
4含浸による染色、またはEtOH含浸液中のリンモリブデン酸による可視化を実施した。充填済シリカカラムを備えた自動システムを使用して、フラッシュクロマトグラフィを実施した。収率とは、純粋化合物の単離された収量を指す。
1H-NMRおよび
13C-NMRスペクトルは、25℃で300MHz分光計を用いて記録した。化学シフトは、重水素化溶媒またはTMS内部標準に対する百万分率(ppm)で報告される。多重度は、s=一重線、d=二重線、t=三重線、m=多重線、br=ブロードとして報告される。飛行時間型質量分析計を使用して、高分解能質量スペクトルを記録した。
例1
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)
【化32】
【0566】
工程1:(E)-2-((((2-アミノチアゾール-4-イル)(カルボキシ)メチレン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1a)の合成。
【化33】
【0567】
(E)-2-((((2-アミノチアゾール-4-イル)(カルボキシ)メチレン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1a)は、Singh et al.,Organic Process Research&Development,2002,8,863-868に記載の方法に従って合成される。
【0568】
工程2:N-((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)-l1-ボランカルボキサミド(1b)の合成。
【化34】
【0569】
tert-ブチル((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)カルバマート(1b)は、Miller et al.,Journal American Chemical Society,1980,102,7026に従って合成された。
【0570】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)の合成。
【0571】
(E)-2-((((2-アミノチアゾール-4-イル)(カルボキシ)メチレン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1a)およびtert-ブチル((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)カルバマート(1b)を、TFAなどの強塩基およびカップリング剤の存在下で組み合わせて、表題化合物(1)を得る。
例2
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(2)の合成
【化35】
【0572】
工程1:3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(2a)の合成。
【化36】
【0573】
塩化ベンゾイル(4.0mL、34.5mmol)を、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(10.8g、103.4mmol)、ピリジン(5.8mL、71.6mmol)および約0℃のジクロロメタン(207mL)中のN,N-4-ジメチルアミノピリジン(840mg、6.9mmol)の撹拌溶液に滴下した。混合物を室温まで徐々に温めながら一晩撹拌し、0℃で1N HCl(100mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンで2回抽出した。組み合わせた有機抽出物を飽和NaHCO
3水溶液(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空下で濃縮して粗残渣を残した。残渣を2つのバッチに分け、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:4)を使用し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(2a)(5.95g、99%)を無色の油として得た(注:油は真空下で2日間乾燥させた)。
【数1】
【0574】
工程2:3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(2b)の合成。
【化37】
【0575】
J.Am.Chem.Soc.2006,128,1605-1610が参照される。Et
2O(15mL)中、蒸留した塩化スルフリル(1.2mL、15.8mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(2a)(3.0g、14.4mmol)およびEt
2O(3.0mL)中のピリジン(1.2mL、14.4mmol)の溶液を、シリンジで1時間かけて滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。アセトン/CO
2浴を取り外し、混合物を室温まで温めた後、室温で4時間撹拌した。TLC分析(EtOAc/ヘキサン、3:7)は完全な反応を示さなかったため、-78℃に再冷却し、SO
2Cl
2(0.1mL)を追加し、室温まで温め、更に2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(2b)(3.97g、89%)を油として得た。
【数2】
【0576】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(2)の合成。
【化38】
【0577】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(2b)と塩基の存在下で反応させて、表題化合物を得る。
例3
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(3)
【化39】
【0578】
工程1:エチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(3a)の合成。
【化40】
【0579】
Et
2O(10mL)中、蒸留した塩化スルフリル(0.55mL、7.5mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、エチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(2a)(1.0g、6.8mmol)およびEt
2O(1.0mL)中のピリジン(0.55mL、6.8mmol)の溶液を、シリンジで1時間かけて滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。アセトン/CO
2浴を取り外し、混合物を室温まで温めた後、室温で4時間撹拌した。TLC分析(EtOAc/ヘキサン、3:7)は完全な反応を示さなかったため、-78℃に再冷却し、SO
2Cl
2(0.11mL)を追加し、室温まで温め、更に2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(3a)を得た(収率は定量的であると推定された)。
【数3】
【0580】
工程2:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(3)の合成。
【化41】
【0581】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、エチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(3a)と塩基の存在下で反応させて、表題化合物(3)を得る。
【0582】
例4
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(4)の合成
【化42】
【0583】
工程1:ベンジル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(4a)の合成
【化43】
【0584】
Et
2O(10mL)中、蒸留した塩化スルフリル(0.77mL、10.6mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、エチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(Sigma-Aldrich、2.0g、9.6mmol)およびEt
2O(2.0mL)中のピリジン(0.85mL、10.6mmol)の溶液を、シリンジで1時間かけて滴下した。シリンジをEt
2Oですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。アセトン/CO
2浴を取り外し、混合物を室温まで温めた後、室温で30分間撹拌した。TLC分析(EtOAc/ヘキサン、3:7)は完全な反応を示さなかったため、-78℃に再冷却し、SO
2Cl
2(0.07mL)を追加し、室温まで温め、更に1時間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌し、次いで濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(4a)(2.19g、75%)を得た。
【数4】
【0585】
工程2:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ベンジルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(4)の合成
【化44】
【0586】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でベンジル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(4a)と反応させて、表題化合物(4)を得る。
例5
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(5)の合成
【化45】
【0587】
工程1:2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(5a)の合成。
【化46】
【0588】
THF(150mL)中の2,2-ジメチルコハク酸(10.0g、68.4mmol)の溶液を、0℃(氷浴)でTHF(80mL)中の水素化アルミニウムリチウム(8.3g、219.0mmol)の懸濁液に滴下した。混合物を20分かけて室温まで温め、その後1.5時間加熱還流した。還流終了時(溶離液としてMeOH/CH
2Cl
2を5:95で使用し、TLCで反応を観察した)、非常に慎重に、水(10mL)、3MのNaOH(15mL)、および水(20mL)を滴下して反応をクエンチした。混合物を室温で20分間撹拌し、固体をCelite(登録商標)のパッドで濾過した。フィルターケーキをTHFで徹底的にすすいだ。濾液を真空下で濃縮し、表題化合物(5a)と未同定の副生成物の混合物を粗油として得た。溶離液としてMeOH/CH
2Cl
2(0:1~1:9)を使用し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより油を精製して、生成物(4.649g、57%)を油として得た。
【数5】
【0589】
工程2:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(5b)の合成。
【化47】
【0590】
無水ジクロロメタン(9mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(5a)(0.30g、2.5mmol)の撹拌溶液に、塩化ベンゾイル(0.30mL、2.5mmol)、Et
3N(0.71mL、5.1mmol)、および触媒量のN,N-4-ジメチルアミノピリジンを0℃(氷浴)で加えた。混合物を徐々に室温まで温め、一晩撹拌した。出発物質が完全に消費された後(溶離液としてEtOAc/ヘキサンを2:8で使用し、TLCで反応を観察した)、0℃(氷浴)で1N HCl(20mL)を加えて反応をクエンチし、混合物をジクロロメタンで2回抽出した。組み合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を濃縮して、少なくとも2つの生成物の混合物を透明で無色の油として得た。油を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:6)を使用してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(5b)(0.29g、51%)を油として得た(高真空下で2日間乾燥させた)。
【数6】
【0591】
工程3:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(5c)の合成。
【化48】
【0592】
Et
2O(3mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.11mL、1.5mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(5b)(0.28g、1.3mmol)およびEt
2O(2mL)中のピリジン(0.10mL、1.3mmol)の溶液を、冷却した溶液に滴下した(1時間以上)。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した(溶離液としてEtOAc/ヘキサンを2:8で使用し、TLCにより反応を観察した)。混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(0.02mL)を加えた。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(5c)(0.305g、75%)を得た。
【数7】
【0593】
工程4:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-(ベンゾイルオキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(5)の合成。
【化49】
【0594】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下で4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(5c)と反応させて、表題化合物(5)を得る。
例6
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-4-(プロピオニルオキシ)ブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(6)の合成
【化50】
【0595】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(6a)の合成。
【化51】
【0596】
無水ジクロロメタン(5mL)中の塩化プロピオニル(0.74mL、8.5mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃にて、無水ジクロロメタン(20mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(5a)(1.00g、8.5mmol)、Et
3N(2.4mL、16.9mmol)、および4-N,N-ジメチルアミノピリジン(52mg)の撹拌溶液に加えた。混合物を10分間撹拌し、その後室温まで温めた。室温で1時間撹拌し、その後-78℃に再冷却して、混合物を冷浴中に留めることで室温までゆっくりと温め、ドライアイスを昇華させた(全試薬を加えた後、-78℃から室温まで温めることを推奨する)。出発物質が完全に消費された後(50%のEtOAc/ヘキサン、TLC)、0℃の0.5N HCl(10mL)を加えて反応をクエンチした。有機層と水層を分配し、水層をジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、その後乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空下で濃縮して粗油を残した。この油を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:1)を使用し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィによって精製し、生成物(6a)(463mg、22%)を油として得たが、かなりのEtOAc溶媒残渣が混入していた。
【数8】
【0597】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(6b)の合成。
【化52】
【0598】
Et
2O(3.5mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.15mL、2.0mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(6a)(純度73%、残りは441mg、1.8mmolのEtOAc)の溶液およびEt
2O(2.5mL)中のピリジン(0.15mL、1.8mmol)を、冷却した溶液に1時間以上滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌し(30%のEtOAc/ヘキサンのTLCにより観察)、-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(0.03mL)およびピリジン(0.03mL)を加えた。これを室温に温め、30分間撹拌した。再び、混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリルを更に一部(0.15mL)を加えた。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(6b)(401mg、79%)を得た。
【数9】
【0599】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-4-(プロピオニルオキシ)ブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(6)の合成。
【化53】
【0600】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下で4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(6b)と反応させて、表題化合物(6)を得る。
例7
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-((6-(ベンジルオキシ)-6-オキソヘキサノイル)オキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(7)の合成
【化54】
【0601】
工程1:ベンジル(ペルフルオロフェニル)アジパート(7a)の合成。
【化55】
【0602】
アジピン酸モノベンジルエステル(1.03g、4.3mmol)およびEtOAc(18.7mL)中のペンタフルオロフェノール(0.87g、4.7mmol)の撹拌溶液に、0℃でN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.97g、4.7mmol)を加えた。混合物を室温まで温めた後、一晩撹拌した。得られた固体を、Celite(登録商標)のパッドで真空濾過することにより除去した。フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液をシリカゲルに乾式充填し、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:6)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製し、生成物(7a)(1.59g、93%)を固体として得た。
【数10】
【0603】
工程2:ベンジル(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アジパート(7b)の合成。
【化56】
【0604】
無水ジクロロメタン(4mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(5a)(0.22g、1.8mmol)の、約0℃(氷浴)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下にて、ベンジル(ペルフルオロフェニル)アジパート(7a)(0.36g、0.9mmol)、Et
3N(0.25mL、1.8mmol)および触媒量の4-N,N-ジメチルアミノピリジン(未計量の少量)を加えた。混合物を徐々に室温まで温め、その後室温で一晩温めた。混合物をシリカゲル上に乾式充填し、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、位置異性体である生成物が混入した生成物を得た。この混合物を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより再精製して、純粋な生成物(7b)(113mg、38%)を得た。
【数11】
反応を繰り返して、大量の物質を得ることができた。
【0605】
工程3:(4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル)アジパート(7c)の合成。
【化57】
【0606】
新たに蒸留した塩化スルフリル(0.12mL、1.6mmol)のEt
2O(5mL)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ベンジル(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アジパート(7b)(446mg、1.3mmol)およびEt
2O(3.5mL)中のピリジン(0.11mL、1.3mmol)溶液を、冷却液に1時間かけて滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した(30%EA/hexのTLCにより観察した)。反応は完了していなかったため、混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(0.05mL)およびピリジン(0.05mL)を加えた。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(7c)(446mg、77%)を得た。
【数12】
【0607】
工程4:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-((6-(ベンゾイルオキシ)-6-オキソヘキサノイル)オキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(7)の合成。
【化58】
【0608】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下で(4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル)アジパート(7c)と反応させて、表題化合物(7)を得る。
例8
6-(4-((((2S、3S)-3-((E)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブトキシ)-6-オキソヘキサン酸(8)の合成
【化59】
【0609】
MeOH(14mL)中、2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((4-((6-(ベンジルオキシ)-6-オキソヘキサノイル)オキシ)-2,2-ジメチルブトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(7)(93%純度、50mg、0.1mmol)を充填したParrフラスコに、パラジウム炭素(10重量%、13mg)を加える。混合物を1atmのH
2(バルーン)で、室温で30分間水素化する。混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、フィルターケーキをMeOH(約20mL)ですすぐ。濾液を真空下で濃縮し、その後、溶離液としてMeOH/CH
2Cl
2(0:1~4:96)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、表題化合物(8)を得る。
例9
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(9)の合成。
【化60】
【0610】
工程1:メチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(9a)の合成。
【化61】
【0611】
Et
2O(45mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(3.3mL、45.4mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。メチル2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピオナート(3.0g、22.7mmol)およびEt
2O(20mL)中のピリジン(2.2mL、27.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分かけて滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、反応混合物にすすぎ液を加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EA/hexで30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、メチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(9a)(5.6g、収率70%)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数13】
【0612】
工程2:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-メトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(9)の合成。
【化62】
【0613】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でメチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(9a)と反応させて、表題化合物(9)を得る。
例10
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-イソプロポキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(10)の合成
【化63】
【0614】
工程1:イソプロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(10a)の合成。
【化64】
【0615】
ドイツ出願公開DE3045373号が参照される。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、イソプロパノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。放冷後、混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水性混合物をH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して静置し、生成物(10a)を油として得た。更なる精製を行うことなく、生成物を次の工程で直接使用した。
【数14】
【0616】
工程2:イソプロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(10b)の合成。
【化65】
【0617】
Et
2O(45mL)中、塩化スルフリル(2.7mL、37.5mmol)の溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。イソプロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(10a)(3.0g、18.7mmol)およびEt
2O(20mL)中のピリジン(1.82mL、22.5mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分、30%EA/hex)により、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、イソプロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(10b)(4.1g、85%収率)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数15】
【0618】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-イソプロポキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(10)の合成。
【化66】
【0619】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でイソプロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(10b)と反応させて、表題化合物(10)を得る。
例11
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(11)の合成
【化67】
【0620】
工程1:ヘキシル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(11a)の合成。
【化68】
【0621】
ドイツ出願公開DE3045373号が参照される。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、1-ヘキサノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。放冷後、混合物を真空下で濃縮し(高真空ポンプが必要となる)、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水性混合物をH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮し、生成物(11a)を油として得た。更なる精製を行うことなく、生成物を次の工程で直接使用した。
【数16】
【0622】
工程2:ヘキシル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(11b)の合成。
【化69】
【0623】
Et
2O(40mL)中、塩化スルフリル(2.1mL、29.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ヘキシル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(11a)(3.0g、14.8mmol)およびEt
2O(15mL)中のピリジン(1.4mL、17.8mmol)の溶液を塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分、30%EA/hex)により、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(11b)(3.7g、83%収率)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数17】
【0624】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(11)の合成。
【化70】
【0625】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でヘキシル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(11b)と反応させて、表題化合物(11)を得る。
例12
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘプチルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(12)の合成
【化71】
【0626】
工程1:ヘプチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(12a)の合成。
【化72】
【0627】
ドイツ出願公開DE3045373号が参照される。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、1-ヘプタノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。混合物を冷却した後、混合物を真空下で濃縮し(高真空ポンプが必要となる)、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水性のものをH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)、およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮し、生成物(12a)を油として得た。更なる精製を行うことなく、生成物を次の工程で直接使用した。
【数18】
【0628】
工程2:ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(12b)の合成。
【化73】
【0629】
Et
2O(40mL)中、塩化スルフリル(2.0mL、27.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ヘプチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(12a)(3.0g、13.9mmol)およびEt
2O(15mL)中、ピリジン(1.4mL、16.6mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分間、30%EA/hex)により観察しながら、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(12b)(3.3g、75%)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数19】
【0630】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(ヘプチルオキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(12)の合成。
【化74】
【0631】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(12b)と反応させて、表題化合物(12)を得る。
例13
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(tert-ブトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(13)の合成
【化75】
【0632】
工程1および工程2:tert-ブチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(13a)の合成。
【化76】
【0633】
この化合物は、PCT国際公開番号第WO2007116922号に従って合成された。水素化ナトリウム(鉱油中60%、2.0g)を、THF(100mL)中、tert-ブチルメチルマロナート(4g)の冷却溶液に、Ar雰囲気下にて0℃で加えた。混合物を0℃で10分間撹拌した。Mel(3.2mL)を混合物に加え、撹拌を3時間続けた(この時点まで、混合物は室温であった)。ブラインとEtOAcを混合物に加え、有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空下で濃縮して生成物(約4.5g)を得て、これを次の工程で直接使用した。
【0634】
固体のトリ-tert-ブトキシ-アルミノヒドリドリチウム(7.1g、28mmol)を、THF(100mL)中、メチル2,2-ジメチル-マロン酸tert-ブチル(2.2g)の溶液に、Ar雰囲気下にて15分にわたって少しずつ加えた。次に、混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。室温に冷却した後、NH
4Clの飽和溶液およびEtOAcを加え、水層と有機層を分離した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して、粗残渣を得た。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(13a)(900mg)を油として得た。
【数20】
【0635】
工程3:tert-ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(13b)の合成。
【化77】
【0636】
Et
2O(6mL)中の塩化スルフリル(0.31mL、4.2mmol)の溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。tert-ブチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(13a)(0.49g、2.8mmol)およびEt
2O(6mL)中のピリジン(0.25mL、3.1mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。混合物を-78℃で90分間撹拌し、TLCにより反応が完了していないことが明らかになった後(10%EtOAc/ヘキサン)、23℃まで温めた。混合物を-78℃に再冷却し、追加の1当量の塩化スルフリルを加え、10分間撹拌し、混合物を23℃に温めた(注:混合物は、添加後および加温期間中合計1時間撹拌した)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、tert-ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(13b)(961mg、収率は定量的であると推定された)を透明な油として得た。
【数21】
【0637】
工程4:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(tert-ブトキシ)-2、2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(13)の合成。
【化78】
【0638】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でtert-ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(13b)と反応させて、表題化合物(13)を得る。
例14
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(2-メトキシエトキシ)-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(14)の合成
【化79】
【0639】
工程1:2-メトキシエチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(14a)の合成。
【化80】
【0640】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(1.2g、10.3mmol)およびCs
2CO
3(3.4g、10.4mmol)を、23℃のDMF(25mL)中に懸濁し、次いで2-ブロモエチルメチルエーテル(1.0mL、10.4mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。冷却後、混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過した。濾液をEtOAc(150mL)で希釈し、混合物を水(3×100mL)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して粗残渣を残した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1:4~4:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(14a)(1.3g、粗重量)を油として得た。
【数22】
【0641】
工程2:2-メトキシエチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(14b)の合成。
【化81】
【0642】
Et2O(7.0mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.2mL、2.8mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-メトキシエチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(14a)(0.48g、2.7mmol)およびEt2O(1mL)中のピリジン(0.24mL、3.0mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液もまた、反応混合物に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/hexで30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して生成物(14b)(0.5g、67%)を油として得て、これを更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。注:1H-NMRは、ピリジンの残渣を含み、出発物質を伴った所望の生成物を示した。
【0643】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((3-(2-メトキシエトキシ)-2、2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(14)の合成。
【化82】
【0644】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下で2-メトキシエチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(14b)と反応させて、表題化合物(14)を得る。
例15
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-(オキセタン-3-イルオキシ)-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(15)の合成
【化83】
【0645】
工程1:オキセタン-3-イル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(15a)の合成。
【化84】
【0646】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(4.7g、40mmol)およびCs2CO3(13.0g、40mmol)を、23℃のDMF(100mL)中に懸濁し、次いで3-ヨードオキセタン(7.4g、40mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。冷却後、混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、混合物を水(3×100mL)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して粗残渣を得た。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(15a)(3.6g、51%)を油として得た。
【0647】
工程2:オキセタン-3-イル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(15b)の合成。
【化85】
【0648】
Et
2O(3mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.2mL、2.7mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。オキセタン-3-イル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(15a)(0.46g、2.6mmol)およびEt
2O(2mL)中のピリジン(0.2mL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液もまた、反応混合物に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/hexで30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(15b)(0.5g、69%)を油として得た。これを更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。
【数23】
【0649】
工程3:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-((2,2-ジメチル-3-(オキセタン-3-イルオキシ)-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(15)の合成。
【化86】
【0650】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でオキセタン-3-イル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(15b)と反応させて、表題化合物(15)を得る。
例16
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロヘキシル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(16)の合成
【化87】
【0651】
工程1:エチル1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシラート(16a)の合成。
【化88】
【0652】
Et2O(3mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(77μL、1.1mmol)の溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシラート(0.2g、1.0mmol)およびEt2O(2mL)中のピリジン(85μL、1.1mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応液に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/hexで約30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物を油として得て、精製せずに次の工程で直接使用した。476mgの出発アルコールを使用した2番目のバッチでは、600mgの生成物(16a)が得られた(1H-NMRにより、純度約85%)。
【0653】
工程2:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロヘキシル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(16)の合成。
【化89】
【0654】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でエチル1-((((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシラート(16a)と反応させて、表題化合物(16)を得る。
例17
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロペンチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(17)の合成
【化90】
【0655】
工程1:エチル1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシラート(17a)の合成。
【化91】
【0656】
新たに蒸留した塩化スルフリル(200μL、2.7mmol)のEt2O(3mL)溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロペンタンカルボキシラート(0.48g、2.7mmol)およびEt2O(2mL)中のピリジン(222μL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に7分にわたって滴下した。フラスコをEt2O(2×1mL)ですすぎ、両方のすすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。沈殿物を濾過し、フィルターケーキをEt2O(4mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(17a)を油として得て、これを更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。
【0657】
工程2:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロペンチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(17)の合成。
【化92】
【0658】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下で1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロプロパンカルボン酸エチル(17a)と反応させて、表題化合物(17)を得る。
例18
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロブチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(18)
【化93】
【0659】
工程1:1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロブタンカルボン酸エチル(18a)の合成。
【0660】
新たに蒸留した塩化スルフリル(451μL、6.2mmol)のEt2O(5mL)溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロブタンカルボキシラート(1.0g、6.1mmol)およびEt2O(10mL)中のピリジン(500μL、6.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液も反応混合物に加えた。混合物を-78℃で撹拌し、周囲温度まで4時間以内で温めた。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(18a)(1.2g、76%)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直接使用した。注:1H-NMRは、出発物質とともに所望の生成物を示した。
【0661】
工程2:2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-1-(((1-(エトキシカルボニル)シクロブチル)メトキシ)スルホニル)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(18)の合成。
【化94】
【0662】
2-((((E)-1-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)アミノ)-2-オキソエチリデン)アミノ)オキシ)-2-メチルプロパン酸(1)を、塩基の存在下でエチル1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロブタンカルボキシラート(18a)と反応させて、表題化合物(18)を得る。
例19
(2S、3R)-ベンジル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシブタノアート(19)の合成
【化95】
【0663】
0℃でDMF(465mL)中、Boc-L-トレオニン(15.0g、68.4mmol)の溶液に、NaHCO
3(16.0g、190.2mmol)およびベンジルブロマイド(40.6mL、342.1mmol)を加えた。25℃で一晩撹拌した後、水を加え、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、濃縮した。乾燥した残渣を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィ(0~60%、EA/Hex)で精製して、ベンジルエステル生成物(19)(18.8g、収率89%)を無色の油として得た。
【数24】
例20
(2S、3S)-ベンジル3-アジド-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタノアート(20)の合成
【化96】
【0664】
-78℃の無水DCM(90mL)中、例19のベンジルエステル(16.08g、51.98mmol)の溶液に、Tf
2O(10.94mL、62.37mmol)を連続的に滴下し、2,6-ルチジン(7.87mL、67.57mL)をゆっくりと加えた。同じ温度で1.5時間撹拌し、TLC(EtOAc/Hex 2:8)で観察した後、無水DCM(90mL)中のBu
4NN
3(36.38g、127.87mmol)をゆっくりと加えた。上記温度で更に1時間撹拌した後、冷却浴を取り外し、反応物を1.5時間25℃に到達させた。飽和水溶液NaHCO
3溶液を加え、水相をEtOAcで抽出した。残渣をシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィ(0~20%、EtOAc/Hex)を用いて精製し、表題化合物(20)(15.24g、87%収率)を無色の油として得た。
【数25】
例21
(2S、3S)-ベンジル3-アミノ-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタノアート(21)の合成
【化97】
【0665】
THF(88mL)中、例20のアジド化合物(2.11g、6.31mmol)の溶液に、Ph
3P(3.31g、12.62mmol)および水(2.0mL)を加え、反応物を一晩60℃に加熱し、TLC(50%EtOAc/Hex)を用いて観察した。反応が完了したら、溶媒を真空下で除去し、残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィ(0~80%EtOAc/Hex)で精製し、表題化合物(21)(1.84g、94%収率)を無色の油として得た。
【数26】
例22
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(2-エトキシカルボニル-2-メチル-プロポキシスルホニルアミノ)-酪酸ベンジルエステル(22)の合成
【化98】
【0666】
ジクロロメタン(20mL)中、3-アミノ-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-酪酸ベンジルエステル(21)(2.83g、9.18mmol、1.0eq)およびトリエチルアミン(6.40mL、45.9mmol、5.0eq)の溶液に、0℃のジメチルアミンピリジン(224mg、1.84mmol、0.20eq)を加えた。ジクロロメタン(5mL)中、3-クロロスルホニルオキシ-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(3a)(4.49g、18.4mmol、2.0eq)を加えた。混合物を同じ温度で1.5時間維持し、室温まで2時間温めた。反応物を濃縮乾固させた。残渣を酢酸エチルで希釈し、10%クエン酸で洗浄した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固させた。残渣を分取HPLCにより精製して、表題化合物(22)(1.44g、30%)を固体として得た。
【数27】
例23
2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(2-エトキシカルボニル-2-メチル-プロポキシスルホニルアミノ)-酪酸(23)の合成
【化99】
【0667】
酢酸エチル(20mL)中、2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(2-エトキシカルボニル-2-メチル-プロポキシスルホニルアミノ)-酪酸ベンジルエステル(22)(1.32g、25.6mmol、1.0eq)の溶液に、Pd/C(132mg)を加えた。懸濁液を3回脱気し、水素を補充した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過した。濾液を濃縮乾固させて、表題化合物(23)(1.08g、100%)を得た。
【数28】
例24
エチル3-(((((2S、3S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(24)の合成
【化100】
【0668】
DMF(2mL)中、2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(2-エトキシカルボニル-2-メチル-プロポキシスルホニルアミノ)-酪酸(23)(198mg、0.465mmol、1.0eq)の溶液に、HATU(212mg、0.558mmol、1.2eq)およびジイソプロピルエチルアミン(162μL、0.930mmol、2.0eq)を0℃で加えた。反応物を0℃で10分間撹拌し、10%クエン酸でクエンチした。混合物を分取HPLCにより精製して、表題化合物(24)(104mg、55%)を得た。
【数29】
例25
3-(3-アミノ-2-メチル-4-オキソ-アゼチジン-1-スルホニルオキシ)-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(25)の合成
【化101】
【0669】
エチル3-((((2S、3S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(24)(12mg)を、TFA/DCM(1:10、1mL)を用いて、25℃で一晩処理した。反応混合物を濃縮乾固させて、表題化合物のトリフルオロ酢酸塩(25)を得た。
【数30】
例26
エチル3-((((2S、3S)-3-((Z)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)-2-(2-(トリチルアミノ)チアゾール-4-イル)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(26)の合成
【化102】
【0670】
DCM(7.0mL)中、(Z)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)酢酸(tert-ブチル1a)(459mg、1.39mmol)の混合物に、25℃のDIPEA(557μL、3.20mmol)およびトリチルクロリド(855mg、3.07mmol)を加え、混合物を3時間25℃で撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAc(20mL)に溶解し、HCl(0.01N、10mL×3)で洗浄した。次いで、有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をEt
2Oに再溶解し、ヘキサンの添加により生成物が沈殿した。濾過により、生成物(26)をオフホワイトの固体として収集した。濾液を濃縮し、Et
2Oに溶解し、ヘキサンで沈殿させて追加の生成物(370mg)を収集した。
【数31】
例27
エチル3-((((2S、3S)-3-((E)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)-2-(2-(tert-ブチルアミノ)チアゾール-4-イル)アセトアミド)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアートの合成
【化103】
【0671】
DCM(0.5mL)中、(Z)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)-2-(2-(トリチルアミノ)チアゾール-4-イル)酢酸(26)(17.2mg、0.030mmol)の溶液を、TCFH(12.6mg、0.045mmol)およびNMM(3.0μL、0.027mmol)で処理した。DCM(0.15mL)中の3-(3-アミノ-2-メチル-4-オキソ-アゼチジン-1-スルホニルオキシ)-2,2-ジメチル-プロピオン酸エチルエステル(25)(12.2mg、0.030mmol)の溶液を25℃で反応混合物に加え、2時間撹拌した。反応をLCMSで観察した。アミンが消費されたら、反応物を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィによる精製に供し(2回のカラム精製が必要となる)、表題化合物(27)(2.8mg、11%)を得た。
【数32】
例28
テトラブチルアンモニウム(2S、3S)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-スルホナート(28)の合成
【化104】
【0672】
EtOH(600mL)とH
2O(300mL)の混合物中、(2S、3S)-3-アミノ-2-メチル-4-オキソ-1-アゼチジンスルホン酸(55.0g、305.2mmol)の溶液に、Et
3N(159.5mL、915.7mmol)、続いてベンジルオキシカルボニルN-スクシンイミド(83.7g、335.8mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。エタノールを真空下で除去し、残渣をH
2O(200mL)で希釈した。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。EtOAcは廃棄された。H
2O中、40%w/vの水酸化テトラブチルアンモニウム(207.9g、320.5mmol)を加え、得られた水層をCHCl
3(5×150mL)で抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮して、表題化合物(28)(160g、94%)を固体として得た。
【数33】
例29
ベンジル((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)カルバマート(29)の合成
【化105】
【0673】
(2S、3S)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-スルホナートテトラブチルアンモニウム塩(28)(131g、235.7mmol)を乾燥THF(2.8L)およびH
2O(12.8mL、710.5mmol)に溶解した。得られた溶液を氷浴で冷却した。トリフルオロ酢酸(280mL)を滴下し、混合物を25℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をDCM(1.5L)で希釈し、その後、氷浴で冷却した。混合物のpHが8~9になるまで、10%NaOH水溶液をゆっくりと加えた。有機層をH
2Oで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、EtOAc/ヘキサン(1:9~1:0)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、表題化合物(29)(30.1g、54%)を固体として得た。
【数34】
例30
(2S、3R)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸HCl塩(30)の合成
【化106】
【0674】
(((2S、3S)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-3-イル)カルバミン酸ベンジル(29)(6.0g、25.6mmol)を、溶媒を加えずにギ酸(50mL)に溶解した。H
2O(50mL)を加え、得られた混合物を25℃で18時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、(2S、3R)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸ギ酸塩を固体として得た。ギ酸塩をMeCN(10mL)に溶解した。ジオキサン中の4N HCl(15mL)を加え、得られた溶液を真空下で濃縮乾固させた。ジオキサン中、4N HClを更に一部(15mL)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌して固体を得た。Et
2O(50mL)を加え、濾過により固体を収集して、表題化合物(30)(6.8g、92%)を得た。
【数35】
例31
tert-ブチル(2S、3R)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)-アミノ)ブタノアート(31)の合成
【化107】
【0675】
-10℃の1,4-ジオキサン(36mL)中、(2S、3S)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸塩酸塩(30)(4.5g、15.5mmol)の溶液に、濃H
2SO
4(4.9ml、92.8mmol)を滴下した。反応混合物をドライアイス-アセトン浴に配置し、イソブチレン(36g、622.5mmol)を加えた。反応容器に蓋をし、反応混合物を25℃で48時間撹拌した。溶液に窒素を通すことによりイソブチレンを除去し、混合物をH
2O(150mL)と飽和Na
2CO
3水溶液(50mL)との混合物に注いだ。水層をEtOAc(3×100mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、DCM/MeOH(1:0~9:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより、透明な油として表題化合物(31)(2.83g、59%)に精製した。
【数36】
例32
tert-ブチル(2S、3R)-2-((((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)アミノ)ブタノアート(32)の合成
【化108】
【0676】
0℃のDCM(30mL)中、tert-ブチル(2S、3R)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)-アミノ)ブタノアート(29)(2.55g、8.3mmol)およびN-メチルモルホリン(2.73mL、24.8mmol)の溶液に、エチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(3a)(3.65g、14.5mmol)を滴下した。混合物を40℃で6時間撹拌した。溶媒を真空下で濃縮し、残渣をEt
2O/ヘキサン(1:9~1:0)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、表題化合物(32)(2g、47%)を透明な油として得た。
【数37】
(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)アミノ)ブタン酸(32)の代替合成
【化109】
【0677】
(2S、3S)-3-アミノ-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)ブタン酸塩酸塩(30)(1.0g、3.5mmol)およびEt
3N(2.9mL、20.8mmol)をCDCl
3(30mL)へと懸濁させた。混合物を氷浴で冷却し、冷却した混合物に、溶媒を加えずにエチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(3a)(1.31g、5.2mmol)を加えた。アリコートを除去し、NMR分析により、いずれのベンジルプロトンも存在しないことが示された。反応物を0℃で3時間撹拌し、温め、16時間撹拌した。溶液を飽和NH
4Cl水溶液(3×15mL)、ブライン(2×15mL)で抽出し、乾燥(Na
2SO
4)、濾過、濃縮した。粗生成物のNMR分析は複雑であり、LCMSは、ネガティブモードで所望の459のm/zの存在を示した。粗物質をMeCN/H
2O(3:1)の混合物に溶解し、0.45-μmのPTFEカートリッジで濾過し、溶離液としてMeCN/H
2O(1:9~9:1、修飾剤なし)を使用する分取HPLCで、20分の実行時間にわたって精製した。画分をLCMSで分析し、純粋な画分をプールし、凍結乾燥させて、表題化合物(32)(330mg、21%)を油として得た。
【数38】
例33
(2S、3S)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)アミノ)ブタン酸(33)の合成
【化110】
【0678】
tert-ブチル(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)-アミノ)ブタノアート(32)(115mg、0.22mmol)および純粋なギ酸(0.7mL)の溶液を、25℃で5時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(2mL)とヘキサン(1mL)の混合物に溶解した。有機層をH
2O(3×1mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濃縮した。物質をTFAに30分間溶解させ、蒸発させて、表題化合物(33)(97mg、96%)を透明な油として得た。
例34
エチル3-((((2S、3S)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(34)の合成
【化111】
【0679】
(2S、3R)-2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-(((3-エトキシ-2,2-ジメチル-3-オキソプロポキシ)スルホニル)アミノ)ブタン酸(33)(197mg、0.4mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(447μL、2.6mmol)を、DMF(4.0mL)と混合した。溶液を氷浴で冷却し、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)(253mg、0.7mmol)を一度に加えた。混合物を0℃で35分間撹拌し、30分間の実行時間にわたって、粗混合物をMeCN/H
2O(1:9~9:1、修飾剤なし)を用いる分取HPLCにより直接精製した。注:生成物は約18分で溶出した。生成物を含有する画分を凍結乾燥し、得られた油をNMRで分析して、構造に一致したスペクトルおよび不純物としての少量のDIPEAを得た。不純な固体をDCMに溶解し、シリカゲル(1.5g)に吸着させ、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~7:3)を使用する、シリカゲル(4gカートリッジ)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、表題化合物(34)(40mg、21%)を油として得た。
【数39】
例35
エチル3-((((2S、3S)-3-アミノ-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアートTFA塩(35)の合成
【化112】
【0680】
NMRチューブにおいて、エチル3-((((2S、3S)-3-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-メチル-4-オキソアゼチジン-1-イル)スルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(34)(5mg)を、CD
3OD(0.65mL)に溶解し、混合物を窒素でフラッシュした。パラジウム炭素(1mg)をNMRチューブに加え、チューブをゴム栓で密封した。水素を充填したバルーンを使用して、ボルテックス混合と超音波処理を交互に行いながらNMRチューブをフラッシュした。30分後、サンプルをNMRで分析し、出発物質が存在しないことがわかった。TFAを1滴加えた後、溶液を0.2μm PTFEフリットで濾過し、メタノール(3×0.6mL)ですすぎ、濃縮して、表題化合物(35)のフィルムを得た。
【数40】
例36
アミドカップリング反応
【0681】
次の図は、(Z)-2-(((1-(tert-ブトキシ)-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)オキシ)イミノ)-2-(2-(トリチルアミノ)チアゾール-4-イル)酢酸(26)と、3-(3-アミノ-2-メチル-4-オキソ-アゼチジン-1-スルホニルオキシ)-2,2-ジメチル-プロピオン酸エステル(25)の溶液をカップリングするための、反応スキームを示す。
【化113】
例37
アズトレオナム誘導体の合成
【0682】
アズトレオナムの他の誘導体は、例29~33に開示されている方法および例38~98に開示されているクロロスルホニルを使用して合成され得る。
例38
2-メトキシエチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(38)の合成
【化114】
【0683】
Et
2O(10mL)中、蒸留塩化スルフリル(0.51mL、6.2mmol)の溶液を、窒素下で-78℃に冷却した。次に、2-メトキシエチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(15a)(1.0g、5.68mmol)およびEt
2O(2.0mL)中のピリジン(0.46mL、5.68mmol)の溶液を、シリンジで1時間かけて滴下した。反応物を-78℃で1時間撹拌し、その後、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。混合物を濾過した後、濾液を真空下で濃縮して、生成物(38)を無色の液体として得た(1.5g、収率96%)。
【数41】
例39
ヘキシル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(39)の合成
【化115】
【0684】
工程1:ヘキシル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(39a)の合成。
【化116】
【0685】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、1-ヘキサノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。放冷後、混合物を真空下で濃縮し(高真空ポンプが必要となる)、次いで、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水相をH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、生成物を油として得た。シリカゲルクロマトグラフィを使用して生成物を精製することは困難であった。したがって、生成物を47℃で高真空下で蒸留し、4.92gの純粋なエステル生成物(39a)を得た(収率61%)。
【数42】
【0686】
工程2:ヘキシル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(39b)の合成。
【化117】
【0687】
Et
2O(10mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.60mL、7.4mmol)の溶液を、N
2雰囲気下にて-78℃に冷却した。ヘキシル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(39a)(1.0g、4.94mmol)およびEt
2O(5mL)中のピリジン(0.48mL、5.93mmol)の溶液を塩化スルフリル溶液に20分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分、30%EA/ヘキサン)により、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して粗生成物(39)を固体フォームとして得て、更なる精製を行うことなく次の工程で使用した。
【数43】
例40
ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(40)の合成
【化118】
【0688】
工程1:ヘプチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(40a)の合成。
【化119】
【0689】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、1-ヘプタノール(70mL)および濃硫酸(1mL)の混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。放冷後、混合物を真空下で濃縮し(高真空ポンプが必要となる)、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水相をH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮し、生成物を油として得た。生成物を高真空下で65℃で蒸留して、表題化合物(40a)を油として得た(6.7g、収率77%)。
【数44】
【0690】
工程2:ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(40)の合成
【化120】
【0691】
Et
2O(15mL)中の塩化スルフリル(0.6mL、7.4mmol)の溶液を、N
2雰囲気下にて-78℃に冷却した。ヘプチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(40a)(1.0g、4.94mmol)およびEt
2O(1mL)中のピリジン(479μL、5.93mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分間、30%EA/ヘキサン)により観察しながら、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(40b)(1.37g、収率92%)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程で使用した。
【数45】
例41
エチル1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシラート(41)の合成
【化121】
【0692】
工程1:エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシラート(41a)の合成。
【化122】
【0693】
シクロヘキサン-1,1-ジカルボン酸ジエチル(2.12g、9.29mmol)をTHF(50mL)に溶解し、LiAl(OtBu)
3(5.9g、23.2mmol)を少しずつ加えた。この反応混合物を、還流させながら一晩撹拌した。反応物を氷浴で冷却し、10%KHSO
4水溶液(30mL)で、10分間撹拌しながら慎重に処理した。形成された沈殿物を、Celite(登録商標)のパッドで濾過した。濾液をEtOAc(3×40mL)で抽出し、有機相を組み合わせ、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮させた。残渣を、0~5%MeOH/DCM中、CombiFlash(登録商標)(SiO
2)で精製し、所望の生成物(41a)を油として得た(1.23g、収率71%)。
【数46】
【0694】
工程2:エチル1-((((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシラート(41)の合成。
【化123】
【0695】
Et
2O(10mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(294μL、3.63mmol)の溶液を、窒素雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシラート(41a、0.615g、3.3mmol)およびEt
2O(6mL)中のピリジン(294μL、3.63mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分間滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応物に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/ヘキサンで約30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(41)を定量的収率で0.94gの油として得て、これを精製せずに次の工程で直接使用した。
【数47】
例42
(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(42)の合成
【化124】
【0696】
工程1:(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(42a)の合成。
【化125】
【0697】
0℃のDMF(45mL)中、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(4.0g、33.9mmol)および炭酸カリウム(4.68g、33.9mmol)の撹拌溶液に、DMF(5mL)中の4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン(5.03g、33.9mmol)を1時間かけて滴下した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して粗残渣を得た。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1:4~2:3)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(42a)を黄色液体として得た(1.6g、収率21%)。
【数48】
【0698】
工程2:(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(42)の合成。
【化126】
【0699】
Et
2O(15mL)中、蒸留した塩化スルフリル(0.61mL、7.53mmol)の溶液を窒素下で-78℃に冷却した。Et
2O(1mL)中、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル)メチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(42a)(1.48g、6.43mmol)の溶液を加えた。その後、Et
2O(1mL)中のピリジン(0.55mL、6.86mmol)の溶液を1時間にわたって加えた。反応物を-78℃で1時間撹拌した。混合物を濾過した後、濾液を真空下で濃縮して、生成物(42)を黄色油として得た(1.6g、収率76%)。
【数49】
例43
3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(43)の合成
【化127】
【0700】
工程1:3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(43a)の合成。
【化128】
【0701】
塩化ベンゾイル(4.0mL、34.5mmol)を、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(10.8g、103.4mmol)、ピリジン(5.8mL、71.6mmol)および約0℃のジクロロメタン(207mL)中のN,N-4-ジメチルアミノピリジン(840mg、6.9mmol)の撹拌溶液に滴下した。混合物を室温まで徐々に温めながら一晩撹拌し、0℃で1N HCl(100mL)を加えてクエンチし、ジクロロメタンで2回抽出した。組み合わせた有機抽出物を飽和NaHCO
3水溶液(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空下で濃縮して粗残渣を残した。残渣を2つのバッチに分け、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:4)を使用するシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(43a)(5.95g、99%)を無色の油として得た(注:油を真空下で2日間乾燥)。
【数50】
【0702】
工程2:3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(43)の合成。
【化129】
【0703】
J.Am.Chem.Soc.2006,128,1605-1610が参照される。Et
2O(15mL)中、蒸留した塩化スルフリル(1.2mL、15.8mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルベンゾアート(43a)(3.0g、14.4mmol)およびEt
2O(3.0mL)中のピリジン(1.2mL、14.4mmol)の溶液をシリンジで1時間かけて滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。アセトン/CO
2浴を取り外し、混合物を室温まで温めた後、室温で4時間撹拌した。TLC分析(EtOAc/ヘキサン、3:7)は完全な反応を示さなかったため、-78℃に再冷却し、SO
2Cl
2(0.1mL)を追加し、室温まで温め、更に2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(43)(3.97g、89%)を油として得た。
【数51】
例44
エチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(44)の合成
【化130】
【0704】
Et
2O(10mL)中、蒸留した塩化スルフリル(0.55mL、7.5mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、エチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(1.0g、6.8mmol)およびEt
2O(1.0mL)中のピリジン(0.55mL、6.8mmol)の溶液を、シリンジで1時間かけて滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。アセトン/CO
2浴を取り外し、混合物を室温まで温めた後、室温で4時間撹拌した。TLC分析(EtOAc/ヘキサン、3:7)は、反応が完了したことを示さなかった。混合物を-78℃に再冷却し、更にSO
2Cl
2(0.11mL)を加え、混合物を室温まで温め、更に2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(44)を得た(収率は定量的であると推定された)。
【数52】
例45
ベンジル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(45)の合成
【化131】
【0705】
Et
2O(10mL)中、蒸留した塩化スルフリル(0.77mL、10.6mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、エチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(Sigma-Aldrich、2.0g、9.6mmol)およびEt
2O(2.0mL)中のピリジン(0.85mL、10.6mmol)の溶液を、シリンジで1時間かけて滴下した。シリンジをEt
2Oですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。アセトン/CO
2浴を取り外し、混合物を室温まで温めた後、室温で30分間撹拌した。TLC分析(EtOAc/ヘキサン、3:7)は完全な反応を示さなかったため、-78℃に再冷却し、SO
2Cl
2(0.07mL)を追加し、室温まで温め、更に1時間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌し、次いで濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(45)(2.19g、75%)を得た。
【数53】
例46
フェニルスルホクロリダート(46)の合成
【化132】
【0706】
J.Am.Chem.Soc.2013、135、10638-10641が参照される。Et
2O(30mL)中、蒸留した塩化スルフリル(2.6mL、35.1mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。次いで、Et
2O(3.0mL)中のフェノール(3.0g、31.9mmol)とピリジン(2.6mL、31.9mmol)の溶液を同時に加えたが、異なるシリンジから1時間にわたって滴下した。シリンジをそれぞれEt
2Oですすぎ、各すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を室温までゆっくりと温め、室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(4.65g)を得たが、他の生成物およびフェノール出発物質が混入していた。フェニルスルホクロリダート生成物(46)を更に精製せず、次の工程で直接使用した。
例47
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(47)の合成
【化133】
【0707】
工程1:2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)の合成。
【化134】
【0708】
THF(150mL)中の2,2-ジメチルコハク酸(10.0g、68.4mmol)の溶液を、0℃(氷浴)でTHF(80mL)中の水素化アルミニウムリチウム(8.3g、219.0mmol)の懸濁液に滴下した。混合物を20分かけて室温まで温め、その後1.5時間加熱還流した。還流終了時(溶離液としてMeOH/CH
2Cl
2を5:95で使用し、TLCで反応を観察した)、非常に慎重に、水(10mL)、3MのNaOH(15mL)、および水(20mL)を滴下して反応をクエンチした。混合物を室温で20分間撹拌し、固体をCelite(登録商標)のパッドで濾過した。フィルターケーキをTHFで徹底的にすすいだ。濾液を真空下で濃縮し、表題化合物と未同定の副生成物の混合物を粗油として得た。溶離液としてMeOH/CH
2Cl
2(0:1~1:9)を使用し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより油を精製して、油として生成物(47a)(4.649g、57%)を得た。
【数54】
【0709】
工程2:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(47b)の合成。
【化135】
【0710】
無水ジクロロメタン(9mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)(0.30g、2.5mmol)の撹拌溶液に、塩化ベンゾイル(0.30mL、2.5mmol)、Et
3N(0.71mL、5.1mmol)および触媒量のN,N-4-ジメチルアミノピリジンを0℃(氷浴)で加えた。混合物を徐々に室温まで温め、一晩撹拌した。出発物質が完全に消費された後(溶離液としてEtOAc/ヘキサン(2:8)を使用し、TLCにより反応を観察)、0℃(氷浴)で1N HCl(20mL)を加えて反応をクエンチし、混合物をジクロロメタンで2回抽出した。組み合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を濃縮して、少なくとも2つの生成物の混合物を透明で無色の油として得た。油を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:6)を使用してシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、油として生成物(47b)(0.29g、51%)を得た(高真空下で2日間乾燥させた)。
【数55】
【0711】
工程3:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(47)の合成。
【化136】
【0712】
Et
2O(3mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.11mL、1.5mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。この冷却した溶液に、4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルベンゾアート(47b)(0.28g、1.3mmol)およびEt
2O(2mL)中のピリジン(0.10mL、1.3mmol)の溶液を滴下した(1時間以上)。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した(溶離液としてEtOAc/ヘキサンを2:8で使用し、TLCにより反応物を観察した)。混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(0.02mL)を加えた。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(47)(0.305g、75%)を得た。
【数56】
例48
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(48)の合成
【化137】
【0713】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(48a)の合成。
【化138】
【0714】
無水ジクロロメタン(5mL)中の塩化プロピオニル(0.74mL、8.5mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃にて、無水ジクロロメタン(20mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)(1.00g、8.5mmol)、Et
3N(2.4mL、16.9mmol)、および4-N,N-ジメチルアミノピリジン(52mg)の撹拌溶液に加えた。混合物を10分間撹拌し、その後室温まで温めた。室温で1時間撹拌し、その後-78℃に再冷却して、混合物を冷浴中に留めることで室温までゆっくりと温め、ドライアイスを昇華させた(全試薬を加えた後、-78℃から室温まで温めることを推奨する)。出発物質が完全に消費された後(50%のEtOAc/ヘキサン、TLC)、0℃の0.5N HCl(10mL)を加えて反応をクエンチした。有機層と水層を分配し、水層をジクロロメタン(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、その後乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を真空下で濃縮して粗油を残した。この油を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:1)を使用し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィによって精製し、生成物(48a)(463mg、22%)を油として得たが、かなりのEtOAc溶媒残渣が混入していた。
【数57】
【0715】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(48)の合成。
【化139】
【0716】
Et
2O(3.5mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.15mL、2.0mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルプロピオナート(48a)(純度73%、残りは441mg、1.8mmolのEtOAc)およびEt
2O(2.5mL)中のピリジン(0.15mL、1.8mmol)の溶液を、冷却した溶液に1時間以上滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌し(30%のEtOAc/ヘキサンのTLCにより観察)、-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(0.03mL)およびピリジン(0.03mL)を加えた。これを室温に温め、30分間撹拌した。再び、混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリルを更に一部(0.15mL)を加えた。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(48)(401mg、79%)を得た。
【数58】
例49
ベンジル(4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル)アジパート(49)の合成
【化140】
【0717】
工程1:ベンジル(ペルフルオロフェニル)アジパート(49a)の合成。
【化141】
【0718】
アジピン酸モノベンジルエステル(1.03g、4.3mmol)およびEtOAc(18.7mL)中のペンタフルオロフェノール(0.87g、4.7mmol)の撹拌溶液に、0℃でN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.97g、4.7mmol)を加えた。混合物を室温まで温めた後、一晩撹拌した。得られた固体を、Celite(登録商標)のパッドで真空濾過することにより除去した。フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液をシリカゲルに乾式充填し、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~4:6)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製し、生成物(49a)(1.59g、93%)を固体として得た。
【数59】
【0719】
工程2:ベンジル(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アジパート(49b)の合成。
【化142】
【0720】
無水ジクロロメタン(4mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)(0.22g、1.8mmol)の、約0℃(氷浴)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下にて、ベンジル(ペルフルオロフェニル)アジパート(49a)(0.36g、0.9mmol)、Et
3N(0.25mL、1.8mmol)および触媒量の4-N,N-ジメチルアミノピリジン(未計量の少量)を加えた。混合物を徐々に室温まで温め、その後室温で一晩温めた。混合物をシリカゲル上に乾式充填し、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、位置異性体である生成物が混入した生成物を得た。この混合物を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより再精製して、純粋な生成物(49b)(113mg、38%)を得た。
【数60】
反応を繰り返して、より多量の物質を得ることができた。
【0721】
工程3:ベンジル(4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル)アジパート(49)の合成
【化143】
【0722】
新たに蒸留した塩化スルフリル(0.12mL、1.6mmol)のEt
2O(5mL)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ベンジル(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)アジパート(49b)(446mg、1.3mmol)およびEt
2O(3.5mL)中のピリジン(0.11mL、1.3mmol)溶液を、冷却液に1時間かけて滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した(30%EA/hexのTLCにより観察した)。反応は完了していなかったため、混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(0.05mL)およびピリジン(0.05mL)を加えた。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を数分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(49)(446mg、77%)を得た。
【数61】
例50
メチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(50)の合成
【化144】
【0723】
Et
2O(45mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(3.3mL、45.4mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。メチル2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロピオナート(3.0g、22.7mmol)およびEt
2O(20mL)中のピリジン(2.2mL、27.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分かけて滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、反応混合物にすすぎ液を加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EA/hexで30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、メチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(50)(5.6g、収率70%)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数62】
例51
イソプロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(48)の合成
【化145】
【0724】
工程1:イソプロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(51a)の合成。
【化146】
【0725】
ドイツ出願公開DE3045373号が参照される。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、イソプロパノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。放冷後、混合物を真空下で濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水性混合物をH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して静置し、生成物を油として残して得た。更なる精製を行うことなく、生成物(51a)を次の工程で直接使用した。
【数63】
【0726】
工程2:イソプロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(51)の合成。
【化147】
【0727】
Et
2O(45mL)中、塩化スルフリル(2.7mL、37.5mmol)の溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。イソプロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(51a)(3.0g、18.7mmol)およびEt
2O(20mL)中のピリジン(1.82mL、22.5mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分、30%EA/hex)により、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、イソプロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(51)(4.1g、85%収率)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数64】
例52
ヘキシル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(52)の合成
【化148】
【0728】
工程1:ヘキシル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(52a)の合成。
【化149】
【0729】
ドイツ出願公開DE3045373号が参照される。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、1-ヘキサノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。放冷後、混合物を真空下で濃縮し(高真空ポンプが必要となる)、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水性混合物をH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して、生成物(52a)を油として得た。更なる精製を行うことなく、生成物(49a)を次の工程で直接使用した。
【数65】
【0730】
工程2:ヘキシル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(52)の合成。
【化150】
【0731】
Et
2O(40mL)中、塩化スルフリル(2.1mL、29.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ヘキシル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(52a)(3.0g、14.8mmol)およびEt
2O(15mL)中のピリジン(1.4mL、17.8mmol)の溶液を塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分、30%EA/hex)により、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(52)(3.7g、83%収率)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数66】
例53
ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(53)の合成
【化151】
【0732】
工程1:ヘプチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(53a)の合成。
【化152】
【0733】
ドイツ出願公開DE3045373号が参照される。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピオン酸(4.7g、40mmol)、1-ヘプタノール(70mL)および濃硫酸(または発煙硫酸、1mL)の混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。混合物を冷却した後、混合物を真空下で濃縮し(高真空ポンプが必要となる)、残渣をEtOAc(100mL)と飽和NaHCO
3水溶液(100mL)に分配した。水性のものをH
2O(50mL)、飽和NaHCO
3(50mL)、およびブライン(50mL)で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮し、生成物(53a)を油として得た。更なる精製を行うことなく、生成物を次の工程で直接使用した。
【数67】
【0734】
工程2:ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(53)の合成。
【化153】
【0735】
Et
2O(40mL)中、塩化スルフリル(2.0mL、27.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ヘプチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(53a)(3.0g、13.9mmol)およびEt
2O(15mL)中のピリジン(1.4mL、16.6mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に30分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×5mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を、TLC(30分間、30%EA/hex)により観察しながら、完了するまで-78℃で撹拌した。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、ヘプチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(53)(3.3g、75%)を得た。混合物を-78℃で保存し、更なる精製を行うことなく次の工程に直ちに使用した。
【数68】
例54
tert-ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(54)の合成
【化154】
【0736】
工程1および工程2:tert-ブチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(54a)の合成。
【化155】
【0737】
この化合物は、PCT国際公開番号第WO2007116922号に従って合成された。水素化ナトリウム(鉱油中60%、2.0g)を、THF(100mL)中、tert-ブチルメチルマロナート(4g)の冷却溶液に、Ar雰囲気下にて0℃で加えた。混合物を0℃で10分間撹拌した。Mel(3.2mL)を混合物に加え、撹拌を3時間続けた(この時点まで、混合物は室温であった)。ブラインとEtOAcを混合物に加え、有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空下で濃縮して生成物(約4.5g)を得て、これを次の工程で直接使用した。
【0738】
固体のトリ-tert-ブトキシ-アルミノヒドリドリチウム(7.1g、28mmol)を、THF(100mL)中、メチル2,2-ジメチル-マロン酸tert-ブチル(2.2g)の溶液に、Ar雰囲気下にて15分にわたって少しずつ加えた。次に、混合物を加熱還流し、一晩撹拌した。室温に冷却した後、NH
4Clの飽和溶液およびEtOAcを加え、水層と有機層を分離した。有機層をH
2Oおよびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して、粗残渣を得た。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(54a)(900mg)を油として得た。
【数69】
【0739】
工程3:tert-ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(54)の合成。
【化156】
【0740】
Et
2O(6mL)中の塩化スルフリル(0.31mL、4.2mmol)の溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。tert-ブチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(54a)(0.49g、2.8mmol)およびEt
2O(6mL)中のピリジン(0.25ml、3.1mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。混合物を-78℃で90分間撹拌し、TLCにより反応が完了していないことが明らかになった後(10%EtOAc/ヘキサン)、23℃まで温めた。混合物を-78℃に再冷却し、追加の1当量の塩化スルフリルを加え、10分間撹拌し、混合物を23℃に温めた(注:混合物は、添加後および加温期間中合計1時間撹拌した)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、tert-ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(54)(961mg、収率は定量的であると推定された)を透明な油として得た。
【数70】
例55
2-メトキシエチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(55)の合成
【化157】
【0741】
工程1:2-メトキシエチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(55a)の合成。
【化158】
【0742】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(1.2g、10.3mmol)およびCs
2CO
3(3.4g、10.4mmol)を、23℃のDMF(25mL)中に懸濁し、次いで2-ブロモエチルメチルエーテル(1.0mL、10.4mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。冷却後、混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過した。濾液をEtOAc(150mL)で希釈し、混合物を水(3×100mL)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して粗残渣を残した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1:4~4:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(55a)(1.3g、粗重量)を油として得た。
【数71】
【0743】
工程2:2-メトキシエチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(55)の合成。
【化159】
【0744】
Et
2O(7.0mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.2mL、2.8mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-メトキシエチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(55a)(0.48g、2.7mmol)およびEt
2O(1mL)中のピリジン(0.24mL、3.0mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液もまた、反応混合物に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/hexで30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(55)(0.5g、67%)を油として得た。これを更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。注:
1H-NMRは、ピリジンの残渣を含み、出発物質を伴った所望の生成物を示した。
例56
オキセタン-3-イル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(56)の合成
【化160】
【0745】
工程1:オキセタン-3-イル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(56a)の合成。
【化161】
【0746】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(4.7g、40mmol)およびCs2CO3(13.0g、40mmol)を、23℃のDMF(100mL)中に懸濁し、次いで3-ヨードオキセタン(7.4g、40mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。冷却後、混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、混合物を水(3×100mL)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮して粗残渣を得た。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(56a)(3.6g、51%)を油として得た。
【0747】
工程2:オキセタン-3-イル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(56)の合成。
【化162】
【0748】
Et
2O(3mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.2mL、2.7mmol)の溶液をAr雰囲気下にて-78℃に冷却した。オキセタン-3-イル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(56a)(0.46g、2.6mmol)およびEt
2O(2mL)中のピリジン(0.2mL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液もまた、反応混合物に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/hexで30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、生成物(56)(0.5g、69%)を油として得た。これを更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。
【数72】
例57
エチル1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロヘキサンカルボキシラート(57)の合成
【化163】
【0749】
Et
2O(3mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(77μL、1.1mmol)の溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンカルボキシラート(0.2g、1.0mmol)およびEt
2O(2mL)中のピリジン(85μL、1.1mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応液に加えた。混合物を完了するまで-78℃で撹拌した(30%EtOAc/hexで約30分、TLCにより観察)。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(57)を油として得て、精製せずに次の工程で直接使用した。476mgの出発アルコールを使用した2番目のバッチでは、600mgの生成物(57)が得られた(
1H-NMRにより、純度約85%)。
例58
工程1:エチル1-((((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロペンタン-1-カルボキシラート(58)の合成
【化164】
【0750】
新たに蒸留した塩化スルフリル(200μL、2.7mmol)のEt
2O(3mL)溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロペンタンカルボキシラート(0.48g、2.7mmol)およびEt
2O(2mL)中のピリジン(222μL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に7分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×1mL)ですすぎ、両方のすすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で1.5時間撹拌した。沈殿物を濾過し、フィルターケーキをEt
2O(4mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(58)を油として得て、これを更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。
例59
エチル1-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)シクロブタンカルボキシラート(59)の合成
【化165】
【0751】
新たに蒸留した塩化スルフリル(451μL、6.2mmol)のEt
2O(5mL)溶液を、Ar雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル1-(ヒドロキシメチル)シクロブタンカルボキシラート(1.0g、6.1mmol)およびEt
2O(10mL)中のピリジン(500μL、6.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に11分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液も反応混合物に加えた。混合物を-78℃で撹拌し、周囲温度まで4時間以内で温めた。沈殿物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(59)(1.2g、76%)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直接使用した。注:
1H-NMRは、出発物質とともに所望の生成物(19a)を示した。
例60
エチル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(60)の合成
【化166】
【0752】
工程1:エチル5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタノアート(60a)の合成。
【化167】
【0753】
テトラヒドロフラン(39mL)とDMF(13mL)の混合物中、5-エトキシ-2,2-ジメチル-5-オキソペンタン酸ナトリウム(3.77g、17.9mmol)の懸濁液に、0℃のトルエン(27.0mL、27.0mmol)中、クロロギ酸イソプロピル1.0Mの溶液を加えた。混合物を0℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、2時間撹拌した。溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.21g、35.9mmol)を加えた。混合物を20分間撹拌し、次いでメタノール(6.5mL)を溶液に加えた。10分間撹拌した後、数滴のトリエチルアミンで修飾した酢酸エチル(25mL)およびNH4Clの飽和水溶液(25mL)を加えた。層を分離し、水層をEtOAc(2×40mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を、0.1%TEA(5:95~4:6)で修飾したEtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製し、無色の油として生成物(60a)(2.01g、64%粗製)を得た。ラクトン化を抑制するために、トリエチルアミン1滴を生成物に加えた。
【0754】
工程2:エチル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(60)の合成。
【化168】
【0755】
Et
2O(10mL)中の塩化スルフリル(0.64mL、8.7mmol)の溶液を、窒素雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタン酸エチル(60a)(0.76g、4.4mmol)およびEt
2O(10mL)中のピリジン(0.39mL、4.8mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液も混合物に加えた。混合物を-78℃で1.5時間撹拌し、追加のピリジン(0.9当量)を加え、混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮して、生成物(60)(0.897g)を無色の油として得た。これを更なる精製を行うことなく次の工程で使用した。
例61
ヘキシル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(61)の合成
【化169】
【0756】
工程1:ナトリウム-5-(ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-5-オキソペンタノアート(61a)の合成。
【化170】
【0757】
1-ヘキサノール(50mL)中、2,2-ジメチルグルタル酸無水物(5.0g、35.2mmol)の溶液に、1-ヘキサノール中のナトリウムヘキサン-1-オラート(5.4g、43.5mmol)の溶液を加えた。20時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、得られた固体をジエチルエーテル(80mL)に懸濁した。混合物を濾過し、固体をジエチルエーテル(2×40mL)で洗浄した。固体を高真空下で乾燥させて、生成物(61a)(3.84g、41%)を固体として得た。
【数73】
スペクトルは、生成物に少量の未同定物質が混入していることを明らかにした。
【0758】
工程2:ヘキシル5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタノアート(61b)の合成。
【化171】
【0759】
THF(31mL)とDMF(10mL)の混合物中、ナトリウム5-(ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-5-オキソペンタノアート(61a)(3.84g、14.4mmol)の懸濁液に、0℃のトルエン中、1.0Mのクロロギ酸イソプロピル(21.6mL、21.6mmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。室温で3.3時間撹拌した後、溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.98g、28.8mmol)を加えた。混合物を20分間撹拌し、MeOH(5.2mL)を溶液に加えた(溶離液として2:8の酢酸エチル/ヘキサンを使用するTLCにより、反応を観察した)。15分後、数滴のトリエチルアミンを加えた。更に15分間撹拌した後、酢酸エチル(25mL)および飽和NH4Cl水溶液を加えた(25mL)。有機層と水層を分離し、水層をEtOAc(2×40mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣を、0.1%Et3N(5:95~3:7)で修飾したEtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製し、無色の油として生成物(61b)(2.16g、65%)を得た。ラクトン化を抑制するために、Et3Nを1滴加えた。
【0760】
工程3:ヘキシル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(61)の合成。
【化172】
【0761】
Et
2O(8.5mL)中、塩化スルフリル(0.38mL、5.2mmol)の溶液を、窒素雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタン酸ヘキシル(61b)(0.60g、2.6mmol)およびEt
2O(8.5mL)中のピリジン(0.42mL、5.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分間にわたって滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液もまた混合物に加えた。混合物を4.5時間撹拌した(溶離液として2:8のEtOAc/ヘキサンを使用するTLCにより、反応を観察した)。固体を濾別し、溶媒を真空で濃縮して、生成物(61)を定量的収率で無色の油として得た。これに3mLのTHFを加え、溶液を-78℃で保存した。これを更なる精製を行うことなく次の工程で使用した。
例62
5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタン酸ヘプチル(62)の合成
【化173】
【0762】
工程1:5-(ヘプチルオキシ)-2,2-ジメチル-5-オキソペンタン酸ナトリウム(62a)の合成。
【化174】
【0763】
1-ヘプタノール(40mL)中の2,2-ジメチルグルタル酸無水物(5.0g、35.2mmol)の溶液に、1-ヘプタノール(30mL)中のナトリウムヘプタン-1-オラート(6.01g、43.5mmol)の溶液を加えた。一晩撹拌した後、溶媒を蒸発させ、得られた固体をEt
2O(80mL)に懸濁した。混合物を濾過し、固体をEt
2O(2×40mL)で洗浄した。固体を高真空下で乾燥させて、生成物(62a)(7.89g、80%)を固体として得た。
【数74】
スペクトルは、生成物に少量の未同定物質が混入しているいることを明らかにした。
【0764】
工程2:5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタン酸ヘプチル(62b)の合成。
【化175】
【0765】
THF(61mL)とDMF(20mL)の混合物中、5-(ヘプチルオキシ)-2,2-ジメチル-5-オキソペンタン酸ナトリウム(62a)(7.89g、28.1mmol)の懸濁液に、0℃のトルエン中、1.0Mのクロロギ酸イソプロピル(42.2mL、42.2mmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。室温で4時間撹拌した後、懸濁液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.9g、56.3mmol)を加えた。混合物を20分間撹拌し、次いでMeOH(10mL)を溶液に加えた(2:8の酢酸エチル/ヘキサンを使用するTLCにより、反応を観察した)。30分間撹拌した後、EtOAc(50mL)、数滴のEt3N、およびNH4Clの飽和水溶液(50mL)を加えた。水層と有機層を分離し、水層をEtOAc(2×80mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、濾液を真空で濃縮した。残留溶液をH2O(3×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。すべての抽出中、数滴のEt3Nを有機層に加えて、ラクトン化を抑制した。残渣を、溶離液として0.1%Et3N(0:1~3:7)で修飾したEtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィで精製し、生成物(62a)(3.35g、49%粗製)を無色の油として得た。
【0766】
工程3:ヘプチル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(62)の合成。
【化176】
【0767】
Et
2O(13mL)中、塩化スルフリル(0.60mL、8.2mmol)の溶液を、窒素雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタン酸ヘプチル(62a)(1.0g、4.1mmol)およびEt
2O(13mL)中のピリジン(0.66mL、8.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。シリンジをジエチルエーテル(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液も混合物に加えた。混合物を4.5時間撹拌した(溶離液として2:8の酢酸エチル/ヘキサンを使用して、TLCにより反応を観察した)。固体を濾別し、濾液を真空で濃縮して、生成物(62)(1.13g)を無色の油として得た。これに3mLのTHFを加え、溶液を-78℃で保存した。これを更なる精製を行うことなく次の工程で使用した。
例63
2-メトキシエチル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(63)の合成
【化177】
【0768】
工程1:ナトリウム5-(2-メトキシエトキシ)-2,2-ジメチル-5-オキソペンタノアート(63a)の合成。
【化178】
【0769】
2-メトキシエタノール(30mL)中の2,2-ジメチルグルタル酸無水物(5.0g、35.2mmol)の溶液に、2-メトキシエタノール(30mL)中のナトリウム2-メトキシエタノラート(4.27g、43.5mmol)の溶液を加えた。20時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、得られた固体をEt
2O(80mL)に懸濁させた。混合物を濾過し、固体をEt
2O(2×40mL)で洗浄した。固体を高真空下で乾燥させて、生成物(63a)(6.44g、76%)を固体として得た。
【数75】
スペクトルは、生成物に少量の未同定物質が混入していることを明らかにした。
【0770】
工程2:2-メトキシエチル5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタノアート(63b)の合成。
【化179】
【0771】
THF(58mL)とDMF(19mL)の混合物中、5-(2-メトキシエトキシ)-2,2-ジメチル-5-オキソペンタン酸ナトリウム(63a)(6.44g、26.8mmol)の懸濁液に、0℃のトルエン中、1.0Mのクロロギ酸イソプロピル(40.2mL、40.2mmol)を加え、混合物を10分間撹拌した。室温で4時間撹拌した後、溶液を-78℃で一晩保存した。懸濁液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.81g、53.6mmol)を加えた。混合物を20分間撹拌し、次いでMeOH(9.6mL)を溶液に加えた(溶離液として、3:7のEtOAc/ヘキサンを使用するTLCにより反応を観察した)。30分間撹拌した後、数滴のEt3Nを加えたEtOAc(50mL)、続いて飽和NH4Cl水溶液(50mL)を加えた。層を分離し、水層をEtOAc(2×80mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(63b)(2.54g、46%粗製)を得た。
【0772】
工程3:2-メトキシエチル5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンタノアート(63)の合成。
【化180】
【0773】
Et
2O(8mL)中の塩化スルフリル(0.36mL、4.9mmol)の溶液を、窒素雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタン酸2-メトキシエチル(63b)(0.50g、2.4mmol)およびEt
2O(8mL)中のピリジン(0.40mL、4.9mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分間にわたって滴下した。シリンジをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液もまた混合物に加えた。混合物を4.5時間撹拌した(溶離液として2:8のEtOAc/ヘキサンを使用するTLCにより、反応を観察した)。固体を濾別し、濾液を真空で濃縮して、生成物(63)(0.60g、2.0mmol)を無色の油として得た。これに3mLのTHFを加え、溶液を-78℃で保存した。これを更なる精製を行うことなく次の工程で使用した。
例64
5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチルプロピオナート(64)の合成
【化181】
【0774】
工程1:5,5-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(64a)の合成。
【化182】
【0775】
ジクロロメタン(683mL)中の5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンタン酸エチル(57a)(26.5g、152.1mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(1.75mL、22.8mmol)を加えた。混合物を室温で3日間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)で反応をクエンチし、30分間急速に撹拌し、層を分離した。有機層をブライン(150mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~45:55)を使用する、シリカゲルフラッシュを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(64a)(8.79g、45%)を無色の油として得た。生成物は更なる精製を行うことなく次の工程で使用され、少量の未同定の副生成物が混入していた。
【数76】
【0776】
工程2:3,3,5,5-テトラメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(64b)の合成。
【化183】
【0777】
5,5-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(64a)(8.79g、68.6mmol)を無水DMF(150mL)に溶解し、得られた溶液をアルゴンの不活性雰囲気下にて0℃に冷却した。鉱油中、60%の水素化ナトリウム(8.23g、205.7mmol)を一度に加え、混合物を20分間撹拌した。これに続いて、Mel(17.1mL、274.3mmol)を滴下した。得られた溶液を0℃で20分間、次いで室温で3日間撹拌した。混合物をEtOAc(350mL)で希釈し、次いで、NH
4Clの飽和水溶液(100mL)を注意深く滴下することにより、0℃でクエンチした。水層と有機層を分離し、水層をEtOAc(350mL)で抽出した。組み合わせた有機層をH
2O(6×300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1:9)を使用する、シリカを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(64b)(3.42g、32%)を得た。生成物は更なる精製を行うことなく次の工程で使用され、少量の種々の未同定の未確認の副生成物が混入していた。
【数77】
【0778】
工程3:2,2,4,4-テトラメチルペンタン-1,5-ジオール(64c)の合成。
【化184】
【0779】
Et
2O(126mL)中の95%LiAlH
4(0.87g、21.6mmol)の撹拌スラリーを含有する、一つ口丸底フラスコをアルゴン雰囲気下にて0℃に冷却した。このスラリーに、Et
2O(50mL)中の3,3,5,5-テトラメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(64b)(2.94g、18.8mmol)の溶液を、アルゴンの不活性雰囲気下にて加えた。これを室温に温め、一晩撹拌した。混合物をH
2O(80mL)、次に3MのNaOH(120mL)で慎重にクエンチし、30分間撹拌した。混合物をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、パッドをEt
2Oで完全にすすいだ。水層と有機層を分離し、水層をEt
2O(3×100mL)で抽出した。組み合わせた有機層を真空下で濃縮し、残渣を溶離液としてEtOAc/ヘキサン(2:8~6:4)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(64c)(2.59g、86%)を固体として得た。
【数78】
【0780】
工程4:5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチルプロピオナート(64d)の合成。
【化185】
【0781】
2,2,4,4-テトラメチルペンタン-1,5-ジオール(64c)(0.48g、3.0mmol)およびDCM(20mL)中のピリジン(0.24mL、3.0mmol)の撹拌溶液に、塩化プロピオニル(0.26mL、3.0mmol)を0℃(氷浴)で約30分にわたって滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をH
2O(20mL)で希釈し、層を分離した。水層をDCM(2×20mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(5:95~6:4)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(64d)(411mg、63%)を得た。
【数79】
【0782】
工程5:5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチルプロピオナート(64)の合成。
【化186】
【0783】
Et
2O(6.4mL)中の塩化スルフリル(0.136mL、1.9mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチルプロピオナート(39d)(404mg、1.9mmol)およびEt
2O(6.4mL)中のピリジン(0.15mL、1.9mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。混合物を室温まで温め、70分間撹拌した。固体を濾過して、Et
2O中の生成物(64)溶液を濾液として得た。収率は定量的であると想定され、混合物は更なる精製を行うことなく次の工程で使用された。
例65
5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチルベンゾアート(65)の合成
【化187】
【0784】
工程1:5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチルベンゾアート(65a)の合成。
【化188】
【0785】
2,2,4,4-テトラメチルペンタン-1,5-ジオール(64c)(0.48g、3.0mmol)およびDCM(20mL)中のピリジン(0.24mL、3.0mmol)の撹拌溶液に、塩化ベンゾイル(0.37mL、3.0mmol)を、アルゴン雰囲気下にて約0℃(氷浴)で30分にわたって滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をH
2O(20mL)で希釈し、層を分離した。水層をDCM(2×20mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(5:95~1:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(65a)(548mg、69%)を油として得た。
【数80】
【0786】
工程2:5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチルベンゾアート(65)の合成。
【化189】
【0787】
Et
2O(8.5mL)中の塩化スルフリル(0.15mL、2.0mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチルベンゾアート(65a)(541mg、2.0mmol)およびEt
2O(8.5mL)中のピリジン(0.17mL、2.0mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。混合物を0℃で20分間、次いで室温で90分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を使用して、Et
2O中の生成物(65)溶液(約20mL)を得た。収率は定量的であると想定され、生成物は更なる精製を行うことなく次の工程で使用された。
例66
5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(66)の合成
【化190】
【0788】
工程1:5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(66a)の合成。
【化191】
【0789】
2,2,4,4-テトラメチルペンタン-1,5-ジオール(61c)(0.48g、3.0mmol)およびDCM(20mL)中のピリジン(0.24mL、3.0mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメチルベンゾイルクロリド(0.45mL、3.0mmol)を、アルゴン雰囲気下にて、約0℃(氷浴)で30分にわたって滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をH
2O(20mL)で希釈し、層を分離した。水層をDCM(2×20mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(5:95~1:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(66a)(462mg、53%)を油として得た。
【数81】
【0790】
工程2:5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(66)の合成。
【化192】
【0791】
Et
2O(7mL)中の塩化スルフリル(0.11mL、1.5mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(66a)(453mg、1.5mmol)およびEt
2O(7mL)中のピリジン(0.13mL、1.5mmol)の溶液を、10分にわたって塩化スルフリル溶液に滴下した。混合物を氷浴で20分間撹拌し、次いで室温で90分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を保存して、Et
2O(約20mL)中、生成物(66)の溶液を得た。収量は定量的であると推定された。この混合物を、更なる精製を行うことなく次の工程で使用した(少量を真空下で濃縮し、残渣のNMRを取得した)。
【数82】
例67
(3-メチル-2-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)メチルスルホクロリダート(67)の合成
【化193】
【0792】
ピリジン(0.28mL、3.5mmol)を、3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(Synlett 2010、2625-2627に従って調製)(0.30g、2.3mmol)およびEt
2O(8mL)の撹拌混合物にアルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(3mL)中の塩化スルフリル(0.28mL、3.5mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、次いで室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して生成物(67)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
例68
3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピルピバラート(68)の合成
【化194】
【0793】
工程1:3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルピバラート(68a)の合成。
【化195】
【0794】
アルゴン雰囲気下にて、0℃のDCM(50mL)中の2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(5.07g、48.7mmol)の撹拌溶液に、トリメチルアセチルクロリド(2.0mL、16.2mmol)、ピリジン(2.63mL、32.5mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.4g、3.2mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、1N HCl(50mL)を加えて反応をクエンチし、DCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、その後、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:5)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(68a)を油として得た。
【数83】
【0795】
工程2:3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピルピバラート(68)の合成。
【化196】
【0796】
ピリジン(0.75mL、9.3mmol)を、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルピバラート(68a)(1.17g、6.2mmol)およびEt
2O(20mL)の撹拌混合物に、アルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(8mL)中の塩化スルフリル(0.75mL、9.3mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して生成物(68)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
例69
3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル3-クロロ-2,6-ジメトキシベンゾアート(69)の合成
【化197】
【0797】
工程1:3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル2,6-ジメトキシベンゾアート(69a)の合成。
【化198】
【0798】
アルゴン雰囲気下にて、0℃のDCM(40mL)の2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(3.89g、37.4mmol)撹拌溶液に、2,6-ジメトキシベンゾイルクロリド(純度80%、3.13g、12.5mmol)、ピリジン(2.02mL、24.9mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.3g、2.5mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、1N HCl(50mL)の添加により反応をクエンチし、DCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、その後、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:5)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(69a)を油として得た。
【数84】
【0799】
工程2:3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル3-クロロ-2,6-ジメトキシベンゾアート(69)の合成。
【化199】
【0800】
ピリジン(0.16mL、2.0mmol)を、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル2,6-ジメトキシベンゾアート(69a)(0.35g、1.3mmol)およびEt
2O(10mL)の撹拌混合物に、アルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(8mL)中の塩化スルフリル(0.16mL、2.0mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して生成物(69)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
【数85】
例70
4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(70)の合成
【化200】
【0801】
工程1:2,2,3,3-テトラメチルブタン-1,4-ジオール(70a)の合成。
【化201】
【0802】
Et
2O(28mL)中、3,3,4,4-テトラメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(米国特許第3,658,849号に従って調製)(1.0g、7.0mmol)の溶液を、Et
2O(28mL)中、LiAlH
4(95%、0.32g、8.1mmol)の撹拌スラリーに、0℃、アルゴン雰囲気下にて加えた。混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。フラスコ内の泡立ちが停止するまで、硫酸ナトリウム十水和物をゆっくりと加えた。固体をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、パッドをEtOAcで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~7:3)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(70a)(0.7g)を固体として得た。
【数86】
【0803】
工程2:4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(70b)の合成。
【化202】
【0804】
アルゴン雰囲気下にて、0℃のDCM(15mL)中の2,2,3,3-テトラメチルブタン-1,4-ジオール(70a)(0.71g、4.9mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメチルベンゾイルクロリド(0.2mL、1.6mmol)、ピリジン(0.26mL、3.2mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.04g、0.3mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、反応物を1N HCl(15mL)の添加によりクエンチし、次いでDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、その後、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:2)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(70b)を油として得た(266mg)。
【数87】
【0805】
工程3:4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(70)の合成。
【化203】
【0806】
ピリジン(0.11mL、1.3mmol)を、4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(70b)(0.26g、0.9mmol)およびEt
2O(10mL)の撹拌混合物に、アルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(3mL)中の塩化スルフリル(0.11mL、1.3mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、次いで室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して生成物(70)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
例71
4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチルベンゾアート(71)の合成
【化204】
【0807】
工程1:4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチルベンゾアート(71a)の合成。
【化205】
【0808】
アルゴン雰囲気下にて、0℃のDCM(15mL)中の2,2,3,3-テトラメチルブタン-1,4-ジオール(67a)(0.74g、5.0mmol)の撹拌溶液に、塩化ベンゾイル(0.25mL、2.0mmol)、ピリジン(0.33mL、4.0mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.05g、0.4mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、反応物を1N HCl(15mL)の添加によりクエンチし、次いでDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、その後、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:2)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(71a)を油として得た。
【数88】
【0809】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチルベンゾアート(71)の合成。
【化206】
【0810】
ピリジン(0.29mL、3.6mmol)を、4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチルベンゾアート(71a)(0.70g、2.8mmol)およびEt
2O(10mL)の撹拌混合物に、アルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(3mL)中の塩化スルフリル(0.29mL、3.6mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して生成物(71)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
例72
4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチルプロピオナート(72)の合成
【化207】
【0811】
工程1:4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチルプロピオナート(72a)の合成。
【化208】
【0812】
アルゴン雰囲気下にて、0℃のDCM(15mL)中の2,2,3,3-テトラメチルブタン-1,4-ジオール(70a)(0.59g、4.0mmol)の撹拌溶液に、プロピオニルクロリド(0.25mL、3.1mmol)、ピリジン(0.33mL、4.0mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.05g、0.4mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、反応物を1N HCl(15mL)の添加によりクエンチし、次いでDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、その後、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:2)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、ジアシル化物質を得て、続いて生成物(72a)(300mg)を油として得た。
【数89】
【0813】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチルプロピオナート(72)の合成。
【化209】
【0814】
ピリジン(0.16mL、1.9mmol)を、4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチルプロピオナート(72a)(0.30g、1.5mmol)およびEt
2O(10mL)の撹拌混合物に、アルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(3mL)中の塩化スルフリル(0.16mL、1.9mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して生成物(72)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
例73
(3-メチル-2-オキソテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチルスルホクロリダート(73)の合成
【化210】
【0815】
工程1:3-((ベンジルオキシ)メチル)-3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(73a)の合成。
【化211】
【0816】
δ-バレロラクトン(5.23g、52.2mmol)を、アルゴン雰囲気下にてTHF(120mL)とHMPA(9.2mL)の混合物に溶解した。反応混合物を-78℃に冷却し、10分間撹拌した。THF中、2.0Mのリチウムジイソプロピルアミドの溶液(28.7mL、57.5mmol)を5分かけて滴下した。反応物を-78℃で30分間撹拌し、その後、純粋なMel(3.3mL、52.8mmol)を反応物に5分かけて加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌し、その後、冷却浴から取り出し、0℃まで温め、30分間撹拌した(注:この間に混合物は徐々に黄色になった)。混合物を-78℃に再冷却し、10分間撹拌し、次いでTHF中、2.0Mの追加量のリチウムジイソプロピルアミド(28.7mL、57.5mmol)を5分かけて加えた。反応物を-78℃で30分間撹拌し、次いで純粋なベンジルクロロメチルエーテル(70%、10.5mL、52.8mmol)を5分かけて加えた。混合物を静置して室温まで温め、16時間撹拌した。次に、溶媒を真空下で除去し、残渣を飽和塩化アンモニウム(200mL)とEtOAc(200mL)に分配した。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮した(19g)。残渣をシリカゲルに乾式充填し、溶離液としてEtOAc/ヘキサンを使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ(120gカートリッジ)により精製し、不純物が混入した生成物(6.9g)を得た。残渣を、溶離液としてDCM/ヘキサン(0:1~4:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより再精製し、液体として生成物(73a)(1.76g)を得た。
【数90】
【0817】
工程2:3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(73b)の合成。
【化212】
【0818】
3-((ベンジルオキシ)メチル)-3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(73a)(0.52g、2.2mmol)を、2-プロパノール(25mL)に溶解し、溶液を脱気し、アルゴンを用いてバックフラッシュした。(注:水素化中にラクトンを開環させ得るため、溶媒としてMeOHを使用してはいけない)。10%(0.26g、0.2mmol)のパラジウム炭素を混合物に加え、系を密閉した。反応物を脱気し、水素でバックフラッシュし(3回)、水素雰囲気下にて2時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)のパッドで濾過し、フィルターケーキを新規2-プロパノール(2×50mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、生成物(73b)を更なる精製を行うことなく使用した。
【数91】
【0819】
工程3:(3-メチル-2-オキソテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチルスルホクロリダート(73)の合成。
【化213】
【0820】
3-(ヒドロキシメチル)-3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(73b)(0.32g、2.2mmol)およびEt
2O(10mL)中のピリジン(0.21mL、2.6mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。純粋な塩化スルフリル(
0.21mL、2.6mmol)を、シリンジで上記溶液に滴下した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、フラスコを室温に温め、1時間撹拌した(EtOAc/ヘキサンを3:7で、TLCにより観察)。沈殿物が形成され、濃厚な懸濁液が得られた。懸濁液を0.45μM Teflon(登録商標)フィルタで濾過し、フィルターケーキを新規Et
2O(2×5mL)ですすいだ。アリコート(0.5mL)を採取して濃縮し、混合物についてNMRを得た。生成物(73)を含有する残りの溶液は、次の工程で直接使用された。
【数92】
例74
2-(3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルアセタート(74)の合成
【化214】
【0821】
工程1:エチル3-(2-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルプロパノアート(74a)の合成。
【化215】
【0822】
THF中の、2.0Mのリチウムジイソプロピルアミド(26.6mL、53.2mmol)の撹拌溶液を、THF(100mL)で希釈し、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却し、5分間撹拌した。純粋なイソブチル酸エチル(6.68mL、49.7mmol)を15分かけて滴下し、混合物を-78℃で1時間撹拌した。THF(100mL)中の1-(ブロモメチル)-2-メトキシベンゼン(J.Am.Chem.Soc.2013、135、11951に従って調製)(12.0g、59.7mmol)の溶液を、30分かけて滴下した。混合物を室温まで温め、20時間撹拌した。反応をブライン(100mL)でクエンチし、Et
2O(4×100mL)で抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空下で濃縮した。粗残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~5:95)を使用する、シリカゲル(120gカラム)を用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(74a)を液体(8.06g、68%)として得た。
【数93】
【0823】
工程2:3,3-ジメチルクロマン-2-オン(74b)の合成。
【化216】
【0824】
エチル3-(2-メトキシフェニル)-2,2-ジメチルプロパノアート(74a)(8.1g、34.2mmol)をDCM(200mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下にて0℃に冷却した。DCM(100mL)中のBBr
3(3.6mL、37.7mmol)の溶液を、冷溶液に滴下した。混合物を室温まで温め、一晩撹拌した(反応中に固体が形成された)。着色懸濁液を氷水浴で冷却し、水(150mL)を混合物に加えた。有機層と水層を分離し、水層をDCM(3×75mL)で抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(MgSO
4、注:溶液が濃色化した)、濾過し、真空下で濃縮して、生成物(74b)(4.85g、80%)を油として得た。この物質は、更なる精製を行うことなく使用された。
【数94】
【0825】
工程3:2-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェノール(74c)の合成。
【化217】
【0826】
LiAlH
4(1.94g、51.1mmol)をアルゴン雰囲気下にてEt
2O(52.5mL)に懸濁し、混合物を氷水浴で0℃に冷却した。Et
2O(50mL)中の3,3-ジメチルクロマン-2-オン(74b)(4.85g、27.5mmol)の溶液を、30分かけて懸濁液に滴下した。混合物を室温まで温め、20時間撹拌した。混合物を氷水浴で冷却し、水(2mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(2mL)および水(6mL)をゆっくりと連続的に加えた。混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。無水MgSO
4を懸濁液に加え、混合物を15分間撹拌した。混合物を濾過し、フィルターケーキをEt
2O(3×50mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、生成物(74c)(4.34g、88%)を固体として得た。この物質は、更なる精製を行うことなく使用された。
【数95】
【0827】
工程4:2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェノール(74d)の合成
【化218】
【0828】
2-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェノール(74c)(4.0g、22.2mmol)およびイミダゾール(3.8g、56.0mmol)の溶液をDMF(50mL)に溶解し、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(4.0g、26.6mmol)を溶液に加え、2時間撹拌した。溶媒を高真空下で除去し、残渣を、溶離液としてヘキサン(5:95~2:3)を使用してシリカゲル(40gカートリッジ)を用いたカラムクロマトグラフィで精製し、生成物(74d)を油(7.34g、>100%)として得た。化合物の純度は約90%であり、更なる精製を行うことなく次の工程で直接使用した。
【数96】
【0829】
工程5:2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルアセタート(74e)の合成。
【化219】
【0830】
2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェノール(74d)(約90%純度、2.5g、7.6mmol)およびTHF(90mL)中のEt
3N(2.3g、22.9mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて氷浴で0℃に冷却した。塩化アセチル(0.65mL、9.2mmol)を混合物に滴下し、添加完了後、氷浴を取り外した。反応物を室温まで温め、2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、固体を新規THF(2×20mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲル上に乾式装填し、次いで、溶離液として0~8%EtOAc/ヘキサン(0:1~8:92)を使用する、シリカゲル(40gカートリッジ)を用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(74e)(2.16g、84%)を油として得た。
【数97】
【0831】
工程6:2-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルアセタートと3-(2-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルプロピルアセタート(74f)の合成。
【化220】
【0832】
ピリジンヒドロフルオリド(70%、1.3mL、10.4mmol)を、2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルアセタート(74e)(0.70g、2.1mmol)およびTHF(25mL)中のピリジン(2.5mL、31.2mmol)の撹拌溶液に、室温でアルゴン雰囲気下にて加えた。混合物を24時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し(浴温を25℃に設定)、残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、ブライン(3×75mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して、65:35で所望のアルコールおよび3-(2-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルプロピルアセタートの混合物を得た。NMR分析により、生成物(74f)の両方のエステルの存在が示された。更なる精製を行うことなく、この物質を次の工程で直接使用した。
【数98】
【0833】
工程7:2-(3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルアセタート(74)の合成。
【化221】
【0834】
Et
2O(6.8mL)中の塩化スルフリル(172μL、2.1mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルアセタート(74f)(0.43g、1.9mmol)およびEt
2O(2.0mL)中のピリジン(172μL、2.1mmol)の溶液を、カニューレを介して塩化スルフリル溶液に滴下した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いでフラスコを室温まで温め、1.5時間撹拌した(30%EtOAc/ヘキサン、TLCにより観察)。懸濁液を0.45μm PTFEシリンジフィルタで濾過し、シリンジフィルタを新規Et
2O(10mL)ですすいで、生成物(74)を得た。更なる精製を行うことなく、この濾液を次の工程で直ちに使用した。収率は定量的であると推定された。
例75
2-(3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルピバラート(75)の合成
【化222】
【0835】
工程1:2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルピバラート(75a)の合成。
【化223】
【0836】
2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェノール(0.9g、3.1mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.93g、7.6mmol)を、THF(50mL)にアルゴン雰囲気下にて溶解した。トリメチルアセチルクロリド(0.45mL、3.7mmol)を室温で該混合物に滴下して、直ちに白色の固体を形成し、懸濁液が形成されるまで添加を続けた。反応物を室温で2時間撹拌し、次いで濾過し、フィルターケーキをTHF(10mL)で洗浄した。濾液をシリカゲル(15g)上に乾式充填し、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~6:94)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィで精製して、NMR分析による、約3%の出発物質が混入した生成物(75a)を得た。この物質は、更なる精製を行うことなく使用された。
【数99】
【0837】
工程2:2-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルピバラート(75b)の合成。
【化224】
【0838】
ピリジンヒドロフルオリド(70%、1.3mL、10.4mmol)を、2-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルピバラート(75a)(0.70g、1.8mmol)およびTHF(25mL)中のピリジン(2.5mL、31.2mmol)の撹拌溶液に、室温でアルゴン雰囲気下にて加えた。混合物を24時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し(浴温を25℃に設定)、残渣をEtOAc(100mL)に溶解し、ブライン(3×75mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮して所望の生成物(75b)を油として得た。更なる精製を行うことなく、この物質を次の工程で直接使用した。
【数100】
【0839】
工程3:2-(3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)フェニルピバラート(75)の合成。
【化225】
【0840】
Et
2O(7.5mL)中の塩化スルフリル(173μL、2.1mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)フェニルピバラート(75b)(0.47g、1.8mmol)およびEt
2O(2.2mL)中のピリジン(173μL、2.1mmol)の溶液を、カニューレを介して塩化スルフリル溶液に滴下した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いでフラスコを室温まで温め、1.5時間撹拌した(30%EtOAc/ヘキサン、TLCにより観察)。懸濁液を0.45-μmPTFEシリンジフィルタで濾過し、シリンジフィルタを新規Et
2Oですすいで、生成物(75)を得た。更なる精製を行うことなく、この濾液を次の工程で直ちに使用した。収率は定量的であると推定された。
例76
S-(4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル)エタンチオアート(73)の合成
【化226】
【0841】
新たに蒸留した塩化スルフリル(271μL、3.7mmol)のEt
2O(5mL)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。S-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル)エタンチオアート(Chem.Commun.2011,47,2038に従って調製)(500mg、2.8mmol)およびEt
2O(3mL)中のピリジン(267μL、3.3mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをジエチルエーテル(2×5mL)ですすぎ、すすぎ液も反応混合物に加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、室温まで温め、室温で更に20分間撹拌した。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(12mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(76)を油として得て、これを更なる精製を行うことなく、次の工程に直ちに使用した。
例77
S-(5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチル)エタンチオアート(77)の合成
【化227】
【0842】
工程1:5-ブロモ-2,2-ジメチルペンタン-1-オール(74a)の合成。
【化228】
【0843】
DCM(18mL)をLiBH
4(0.66g、30.4mmol)に加え、続いてアルゴン雰囲気下にて20分かけ、無水MeOH(1.2ml、30.4mmol)を滴下した。H
2の発泡が停止した後、DCM(10mL)中の5-ブロモ-2,2-ジメチルペンタン酸エチル(PCT国際公開公報第2011046771号に従って調製)(4.5g、19.0mmol)溶液を20分かけて滴下した。反応混合物を16時間加熱還流し、室温に冷却し、飽和NH
4Cl溶液(30mL)で慎重に加水分解した。懸濁液をDCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を1N HCl(26mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮して、生成物(77a)(3.61g、97%)を油として得た。
【数101】
【0844】
工程2:S-(5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンチル)エタンチオアート(77b)の合成。
【化229】
【0845】
5-ブロモ-2,2-ジメチルペンタン-1-オール(77a)(2.0g、10.3mmol)およびアセトン(22mL)中のチオ酢酸カリウム(2.34g、20.5mmol)溶液を、不活性雰囲気下にて室温で、23時間撹拌した。真空下にて室温で溶媒を除去した後、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~2:3)を使用する、シリカゲルカラムを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(77b)(1.2g、61%)を油として得た。
【数102】
【0846】
工程3:S-(5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチル)エタンチオアート(77)の合成。
【化230】
【0847】
Et2O(8mL)中の、新たに蒸留した塩化スルフリル(379μL、5.2mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。S-(5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンチル)エタンチオアート(77b)(700mg、3.6mmol)およびEt2O(4mL)中のピリジン(374μL、4.6mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いでこの混合物を室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt2O(10mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(77)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程に直ちに使用した。
例78
S-(3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)エタンチオアート(78)の合成
【0848】
工程1:S-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)エタンチオアート(78a)の合成。
【化231】
【0849】
アルゴン雰囲気下にて、チオ酢酸カリウム(4.1g、35.8mmol)をDMF(20mL)に溶解した。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル4-メチルベンゼンスルホナート(PCT国際公開公報第2012165648号に従って調製)(4.2g、16.3mmol)を加え、混合物を80℃で2.5時間撹拌した。冷却後、ブライン(100mL)を加え、混合物をEt
2O(3×100mL)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(5×50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮した(高真空により残留DMFを除去した)。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~15:85)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(78a)(1.06g、40%)を油として得た。
【数103】
【0850】
工程2:S-(3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル)エタンチオアート(78)の合成。
【化232】
【0851】
Et
2O(4mL)中、新たに蒸留した塩化スルフリル(283μL、3.9mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。S-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)エタンチオアート(78a)(520mg、3.1mmol)およびEt
2O(6mL)中のピリジン(327μL、4.0mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(10mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(78)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程に直ちに使用した。
例79
3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル2,6-ジメチルベンゾアート(79)の合成
【化233】
【0852】
工程1:3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル2,6-ジメチルベンゾアート(79a)の合成。
【化234】
【0853】
アルゴン雰囲気下にて約0℃(氷浴)にて、DCM(60mL)中の2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(2.5g、24.3mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメチルベンゾイルクロリド(1.2mL、8.1mmol)、ピリジン(1.1mL、13.7mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(99mg、0.8mmol)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を一晩撹拌した。反応を1N HClの添加によりクエンチし、混合物をDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機抽出物をNaHCO
3の飽和水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(1:9~2:3)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(79a)(1.5g、78%)を油として得た。
【数104】
【0854】
工程2:3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル2,6-ジメチルベンゾアート(79)の合成。
【化235】
【0855】
Et
2O(6mL)中の、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.25mL、3.9mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル2,6-ジメチルベンゾアート(79a)(500mg、2.1mmol)およびEt
2O(6mL)中のピリジン(0.26mL、3.3mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いで室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(12mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(79)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程にて直ちに使用した。
例80
3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル(3r、5r、7r)-アダマンタン-1-カルボキシラート(80)の合成
【化236】
【0856】
工程1:3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル(3r、5r、7r)-アダマンタン-1-カルボキシラート(80a)の合成。
【化237】
【0857】
アルゴン雰囲気下にて約0℃(氷浴)にて、DCM(60mL)中の2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(2.5g、24.3mmol)の撹拌溶液に、1-アダマンタン-カルボニルクロリド(1.36g、6.9mmol)、ピリジン(1.1mL、13.7mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(99mg、0.8mmol)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を一晩撹拌した。反応を1N HClの添加によりクエンチし、混合物をDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機抽出物をNaHCO
3の飽和水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、濾過し、真空下で濃縮して、生成物(80a)(1.82g、100%)を油として得た。
【数105】
工程2:3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロピル(3r、5r、7r)-アダマンタン-1-カルボキシラート(80)の合成。
【化238】
【0858】
Et
2O(4mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(266μL、3.3mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル-アダマンタン-1-カルボキシラート(80a)(600mg、2.2mmol)およびEt
2O(4mL)中のピリジン(0.28mL、3.5mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(5mL)ですすぎ、すすぎ液も反応混合物に加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(12mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(80)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した。
例81
ジエチル2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-メチルマロナート(81)の合成
【化239】
【0859】
工程1:ジエチル2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルマロナート(81a)の合成。
【化240】
【0860】
EtOH(150mL)中のパラホルムアルデヒド(1.3g、43.3mmol)およびK
2CO
3(11g、79mmol)の懸濁液に、ジエチル2-メチルマロナート(4.5mL、26.3mmol)を加えた。混合物を室温で17時間撹拌し、その後、Celite(登録商標)のパッドで濾過し、フィルターケーキをEtOH(2×30mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:2)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(81a)(4.0g、74%)を油として得た。
【数106】
【0861】
工程2:ジエチル2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-メチルマロナート(81)の合成。
【化241】
【0862】
Et
2O(8mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(248μL、3.0mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。ジエチル2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルマロナート(81a)(500mg、2.4mmol)およびEt
2O(4mL)中のピリジン(0.26mL、3.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(5mL)ですすぎ、すすぎ液も反応混合物に加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(12mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(81)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した。
例82
プロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(82)の合成
【化242】
【0863】
工程1:プロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(82a)の合成。
【化243】
【0864】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(1.15g、9.7mmol)、1-プロパノール(15mL)および濃H
2SO
4(70μL、1.3mmol)の混合物を20mLのマイクロウェーブ用バイアルに投入して室温で撹拌し、次いで80℃にてマイクロウェーブで2時間加熱し、室温で一晩撹拌した。所望の生成物をTLC(EtOAc/ヘキサン、3:7)により同定すると、混合物を真空下(40℃)で濃縮し、EtOAc(80mL)およびH
2O(30mL)で希釈した。有機層をH
2O(2回)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、生成物(82a)(1.18g、76%)を油として得た。この物質は精製せず、次の工程で直接使用した。
【数107】
【0865】
工程2:プロピル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(82)の合成。
【化244】
【0866】
Et
2O(1.0mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(194μL、2.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。プロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(82a)(0.42g、2.6mmol)およびEt
2O中のピリジン(215μL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で5分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(82)(0.56g、83%)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した。
【数108】
例83
ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(83)の合成
【0867】
工程1:ブチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(83a)の合成。
【化245】
【0868】
3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(1.15g、9.7mmol)、1-ブタノール(15mL)および濃H
2SO
4(70μL、1.3mmol)の混合物を20mLのマイクロウェーブ用バイアルに投入して室温で撹拌し、次いで80℃にてマイクロウェーブで2時間加熱し、次いで室温で一晩撹拌した。所望の生成物をTLC(EtOAc/ヘキサン、3:7)により同定すると、混合物を真空下(40℃、トルエンで3回同時蒸発させた)で濃縮し、EtOAc(80mL)およびH
2O(30mL)で希釈した。有機層をH
2O(2回)およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、生成物(83a)(1.24g、81%)を油として得た。この物質は精製せず、次の工程で直接使用した。
【数109】
【0869】
工程2:ブチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルプロパノアート(83)の合成。
【化246】
【0870】
Et
2O(1.0mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(198μL、2.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。プロピル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパノアート(83a)(0.47g、2.7mmol)およびEt
2O中のピリジン(219μL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3×1mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で5分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(83)(0.52g、72%)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した。
【数110】
例84
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルピバラート(84)の合成
【化247】
【0871】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルピバラート(84a)の合成。
【化248】
【0872】
アルゴン雰囲気下にて、約0℃(氷浴)のDCM(9mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)(0.86g、7.3mmol)の撹拌溶液に、トリメチルアセチルクロリド(0.89mL、7.3mmol)、Et
3N(1.17mL、14.5mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(触媒量)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を一晩撹拌した。混合物を1N HCl(50mL)の添加によりクエンチした。有機層と水層を分配し、水層をDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、所望の生成物(84a)(0.42g、28%)を得た。
【数111】
【0873】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルピバラート(84)の合成。
【化249】
【0874】
Et
2O(4.5mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(153μL、2.1mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルピバラート(84a)(0.42g、2.1mmol)およびEt
2O(3mL)中のピリジン(203μL、2.5mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に60分にわたって滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(84)を得た。これに更なる精製を行うことなく、次の工程にて直ちに使用した。
【数112】
例85
2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-エチルブタン酸エチル(85)の合成
【化250】
【0875】
Et
2O(3.2mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(126μL、1.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)ブタン酸エチル(ex-enamine)(0.30g、1.7mmol)およびEt
2O(2.1mL)中のピリジン(153μL、1.9mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に60分にわたって滴下した。混合物を室温まで温め、30分間撹拌した。混合物を-78℃に再冷却し、塩化スルフリル(20μL)を加え、反応物を室温に温め、更に30分間撹拌した。Et
2O(5mL)を加え、混合物を5分間撹拌し、その後濾過した。濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(85)を得た。これに更なる精製を行うことなく、次の工程にて直ちに使用した。
【数113】
例86
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(86)の合成
【化251】
【0876】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(86a)の合成。
【化252】
【0877】
アルゴン雰囲気下にて、約0℃(氷浴)のDCM(9mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)(0.84g、7.1mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメチルベンゾイルクロリド(1.0g、5.9mmol)、ピリジン(0.96mL、11.9mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(触媒量)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を一晩撹拌した。混合物を1N HCl(50mL)の添加によりクエンチした。有機層と水層を分配し、水層をDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、次いで乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、所望の生成物(86a)(0.42g、28%)を得た。
【数114】
【0878】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(86)の合成。
【化253】
【0879】
Et
2O(1.0mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(122μL、1.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメチルベンゾアート(86a)(0.42g、1.7mmol)およびEt
2O(1.5mL)中のピリジン(136μL、1.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(86)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した(純粋ではない)。
【数115】
例87
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルアダマンタン-1-カルボキシラート(87)の合成
【化254】
【0880】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアダマンタン-1-カルボキシラート(87a)の合成。
【化255】
【0881】
アルゴン雰囲気下にて約0℃(氷浴)にて、DCM(20mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(45a)(0.72g、6.1mmol)の撹拌溶液に、1-アダマンタン-カルボニルクロリド(1.1g、10.1mmol)、ピリジン(0.82mL、10.1mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.03g、0.3mmol)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を一晩撹拌した。混合物を1N HClの添加によりクエンチした。有機層と水層を分配し、水層をDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:1)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、所望の生成物(87a)(0.49g、35%)を得た。
【数116】
【0882】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチルアダマンタン-1-カルボキシラート(87)の合成。
【化256】
【0883】
Et
2O(1.2mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(127μL、1.7mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチルアダマンタン-1-カルボキシラート(87a)(0.48g、1.7mmol)およびEt
2O(1.7mL)中のピリジン(141μL、1.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(87)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した(純粋ではない)。
【数117】
例88
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメトキシベンゾアート(88)の合成
【化257】
【0884】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメトキシベンゾアート(88a)の合成。
【化258】
【0885】
アルゴン雰囲気下にて、約0℃(氷浴)のDCM(28mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(47a)(1.85g、15.7mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメトキシベンゾイルクロリド(80%、3.93g、15.7mmol)、Et
3N(2.5mL、31.3mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(触媒量)を加えた。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を一晩撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、EtOAcに懸濁させ、その後濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~2:3)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、所望の生成物(88a)(約80%の純度、0.92g)を得た。
【数118】
【0886】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメトキシベンゾアート(88)の合成。
【化259】
【0887】
Et
2O(1.9mL)中の、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.2mL、2.7mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル2,6-ジメトキシベンゾアート(88a)(約80%の純度、0.97g、2.7mmol)およびEt
2O(2.7mL)中のピリジン(222μL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(88)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した(純粋ではない)。
例89
5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチルベンゾアート(89)の合成
【化260】
【0888】
工程1:5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンチルベンゾアート(89a)の合成。
【化261】
【0889】
アルゴン雰囲気下にて約0℃(氷浴)にて、DCM(20mL)中の2,2-ジメチルペンタン-1,5-ジオール(J.Org.Chem.2010,75,1892-1897、PCT国際公開公報第WO2002092606号)(1.55g、11.7mmol)の撹拌溶液に、ベンゾイルクロリド(1.5mL、12.9mmol)を加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣にEtOAcを加え、混合物を撹拌した。残渣を溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:4)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製しながら濾液を濃縮し、生成物(89a)(1.38g、50%)を油として得た。
【数119】
【0890】
工程2:5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチルベンゾアート(89)の合成。
【化262】
【0891】
Et
2O(1.9mL)中の、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.2mL、2.7mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルペンチルベンゾアート(89a)(0.76g、3.2mmol)およびEt
2O(2.7mL)中のピリジン(218μL、2.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(89)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した(純粋ではない)。
【数120】
例90
5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(90)の合成
【化263】
【0892】
工程1:5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(90a)の合成。
【化264】
【0893】
アルゴン雰囲気下にて0℃で、ピリジン(8.3mL)中の2,2-ジメチルペンタン-1,5-ジオール(1.5g、11.3mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメトキシベンゾイルクロリド(80%、1.4g、5.6mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で3時間温めた。反応混合物を濃縮乾固させ、EtOAcを加えた。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(90a)(0.65g、39%)を油として得た。
【数121】
【0894】
工程2:5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(90)の合成。
【化265】
【0895】
Et
2O中、新たに蒸留した塩化スルフリル(0.16mL、2.2mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(90a)(0.65g、2.2mmol)およびEt
2O中のピリジン(177μL、2.2mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油として表題化合物(90)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した(純粋ではない)。
【数122】
例91
5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(91)の合成
【化266】
【0896】
工程1:5-ヒドロキシ-3,3-ジメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(91a)の合成。
【化267】
【0897】
アルゴン雰囲気下にて0℃で、ピリジン(8.3mL)中の2,2-ジメチルペンタン-1,5-ジオール(1.1g、8.3mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメチルベンゾイルクロリドを一度に加えた。反応混合物を室温まで3時間温めた。反応物を濃縮乾固させ、EtOAcを加えた。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:4)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(91a)(0.44g、25%)を油として得た。
【数123】
【0898】
工程2:5-((クロロスルホニル)オキシ)-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(91)の合成。
【化268】
【0899】
Et
2O中、新たに蒸留した塩化スルフリル(122μL、1.7mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-4,4-ジメチルペンチル2,6-ジメチルベンゾアート(91a)(0.44g、1.7mmol)およびEt
2O中のピリジン(135μL、1.7mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(91)を得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した。
【数124】
例92
4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル2-メチルベンゾアート(92)の合成
【化269】
【0900】
工程1:4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル2-メチルベンゾアート(92a)の合成。
【化270】
【0901】
アルゴン雰囲気下にて約0℃(氷浴)で、ピリジン(5mL)中の2,2-ジメチルブタン-1,4-ジオール(45a)(0.80g、6.8mmol)の撹拌溶液に、塩化トルオイル(0.89mL、6.8mmol)を滴下した。反応混合物を室温まで徐々に温め、混合物を4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、EtOAcに懸濁させ、その後濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:7)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィで精製して、所望の生成物(92a)(0.7g、44%)を得た。
【数125】
【0902】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-3,3-ジメチルブチル2-メチルベンゾアート(92)の合成。
【化271】
【0903】
Et
2O(0.8mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(96μL、1.3mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチル2-メチルベンゾアート(92a)(0.31g、1.3mmol)およびEt
2O(1.1mL)中のピリジン(106μL、1.3mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌し、その後室温まで温め、30分間撹拌した。混合物を濾過し、生成物(92)を更なる精製を行うことなく、次の工程にて直ちに使用した。
【数126】
例93
4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチル3-クロロ-2,6-ジメトキシベンゾアート(93)の合成
【化272】
【0904】
工程1:4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチル2,6-ジメトキシベンゾアート(93a)の合成。
【化273】
【0905】
アルゴン雰囲気下にて、0℃のDCM(20mL)中の2,2,3,3-テトラメチルブタン-1,4-ジオール(67a)(0.7g、4.8mmol)の撹拌溶液に、2,6-ジメトキシベンゾイルクロリド(80%、0.55g、2.2mmol)、ピリジン(0.36mL、4.4mmol)およびN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.05g、0.4mmol)を加えた。混合物を室温まで温め、室温で一晩撹拌した。混合物を0℃に冷却し、反応物を1N HCl(15mL)の添加によりクエンチし、次いでDCMで抽出した(2回)。組み合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄し、その後、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:2)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(93a)を油として得た。
【数127】
【0906】
工程2:4-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,3,3-テトラメチルブチル3-クロロ-2,6-ジメトキシベンゾアート(93)の合成
【化274】
【0907】
ピリジン(0.15mL、1.8mmol)を、4-ヒドロキシ-2,2,3,3-テトラメチルブチルプロピオナート(93a)(0.30g、1.5mmol)およびEt
2O(10mL)の撹拌混合物に、アルゴン雰囲気下にて加えた。溶液を-78℃に冷却し、Et
2O(3mL)中の塩化スルフリル(0.15mL、1.8mmol)を-78℃でゆっくりと加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物を濾過してピリジン塩を除去し、濾液を真空下で濃縮して表題化合物(93)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直接使用した(収率は定量的であると推定された)。
例94
2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジベンゾアート(94)の合成
【化275】
【0908】
工程1:2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジベンゾアート(91a)の合成。
【化276】
【0909】
塩化ベンゾイル(2.46mL、20.0mmol)を、2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(1.2g、10.0mmol)、ピリジン(2.02mL、25.0mmol)および室温のDCM(30mL)中の、N,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.06g、0.4mmol)の混合物に滴下した。室温で一晩撹拌した後、有機相を1MのHCl、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~2:3)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(94a)(1.3g、40%)を油として得た。
【数128】
【0910】
工程2:2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジベンゾアート(94)の合成。
【化277】
【0911】
Et
2O(5mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(0.3mL、3.7mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジベンゾアート(94a)(800mg、2.4mmol)およびEt
2O(5mL)中のピリジン(0.32mL、3.9mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(3mL)ですすぎ、すすぎ液もまた混合物に加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(12mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(94)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程で直ちに使用した。
例95
2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアセタート(95)の合成
【化278】
【0912】
工程1:2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアセタート(95a)の合成。
【化279】
【0913】
無水酢酸(3.46mL、36.6mmol)を、2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(2.2g、18.0mmol)、ピリジン(12mL、25.0mmol)および室温のN,N-4-ジメチルアミノピリジン(0.05g)の混合物に滴下した。室温で一晩撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。混合物をEtOAc(100mL)に懸濁し、H
2O(20mL)を0℃でゆっくりと加えた。水層と有機層を分配し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、次いで真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~3:2)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(95a)(1.0g、26%)を得た。
【数129】
【0914】
工程2:2-(((クロロスルホニル)オキシ)メチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアセタート(95)の合成。
【化280】
【0915】
Et
2O(4mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(0.33mL、4.0mmol)溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイルジアセタート(95a)(550mg、2.7mmol)およびEt
2O(4mL)中のピリジン(0.35mL、4.3mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に5分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(5mL)ですすぎ、すすぎ液もまた混合物に加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、その後、室温まで温めた。沈殿物を(迅速に)濾過し、フィルターケーキをEt
2O(12mL)ですすいだ。濾液を真空下にて室温で濃縮して、表題化合物(95)を油として得て、これに更なる精製を行うことなく、次の工程に直ちに使用した。
例96
5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(96)の合成
【化281】
【0916】
工程1:5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(96a)の合成。
【化282】
【0917】
2,2,4,4-テトラメチルペンタン-1,5-ジオール(64c)(0.64g、4.0mmol)およびDCM(27mL)中のピリジン(0.32mL、4.0mmol)の撹拌溶液に、DCM(10mL)中の2,6-ジメトキシベンゾイルクロリド(80%、1.0g、4.0mmol)を、アルゴン雰囲気下にて、約0℃(氷浴)で30分にわたって滴下した。反応混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。混合物をH2O(30mL)で希釈し、層を分離した。水層をDCM(2×30mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空下で濃縮した。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~2:98)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(96a)(927mg、71%)を油として得た。推定するところ、ジアシル化した副生成物が化合物に混入していた。更なる精製を行うことなく、この物質を次の工程で使用した。
【0918】
工程2:5-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(96)の合成。
【化283】
【0919】
Et
2O(13mL)中の塩化スルフリル(0.21mL、2.8mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。5-ヒドロキシ-2,2,4,4-テトラメチルペンチル2,6-ジメトキシベンゾアート(96a)(921mg、2.8mmol)およびEt
2O(13mL)中のピリジン(0.23mL、2.8mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に10分にわたって滴下した。混合物を-78℃で5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を保存して、生成物(96)のEt
2O(約20mL)溶液を得た。収率は定量的であると推定された。更なる精製を行うことなく、この混合物を次の工程で使用した。
例97
R/S-エチル3-((クロロスルホニル)オキシ)-2,2-ジメチルブタノアート(97)の合成
【化284】
【0920】
Et
2O(0.2mL)中の新たに蒸留した塩化スルフリル(148μL、2.0mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。エチル3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルブタノアート(J.Med.Chem.1987,30,366-374およびAd.Synth.Catal.2009,351,3128-3132に従って調製)(324mg、2.0mmol)およびEt
2O(0.2mL)中のピリジン(164μL、2.0mmol)の溶液を、塩化スルフリル溶液に15分にわたって滴下した。フラスコをEt
2O(2×20mL)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。混合物を濾過し、生成物(97a)を次の工程にて、想定された定量的収率で直接使用した。
【数130】
例98
(3,5,5-トリメチル-2-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)メチルスルホクロリダート(98)の合成
【化285】
【0921】
工程1:3,5,5-トリメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(98a)の合成。
【化286】
【0922】
5,5-ジメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(4.7g、41.2mmol)をTHF(94mL)に溶解し、混合物をアルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。THF中、2.0Mのリチウムジイソプロピルアミド溶液(22.6mL、45.2mmol)を10分かけて滴下した。反応物を-78℃で2時間撹拌し、次いで純粋なMel(2.6mL、41.6mmol)を5分かけて反応物に加えた。反応物を-78℃で45分間撹拌し、次いで混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。反応物を飽和NH
4Cl(25mL)でクエンチし、混合物を濃縮してTHFを除去した。水性残渣をH
2Oで希釈して固体を溶解し、次いで酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。組み合わせた有機層を真空下で濃縮し、残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~2:3)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、放置すると固化する液体を得た。この固体をクーゲルロール蒸留により更に精製して、生成物(98a)(3.2g)を油として得た。
【数131】
【0923】
工程2:3-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5,5-トリメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(98b)の合成。
【化287】
【0924】
3,5,5-トリメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(98a)(3.2g、25.0mmol)をTHF(60mL)に溶解し、混合物をアルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。THF中、2.0Mのリチウムジイソプロピルアミド溶液(13.7mL、27.5mmol)を10分かけて滴下した。混合物を-78℃で30分間撹拌し、その後、純粋なベンジルクロロメチルエーテル(90%、4.2mL、27.5mmol)を5分かけて加えた。混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。飽和NH
4Cl(10mL)およびH
2O(10mL)を加え、溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAc(2×75mL)で抽出し、組み合わせた有機層をブライン(2×75mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、真空下で濃縮した(5.8g)。残渣を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~2:3)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物(2.27g)および不純な画分(1.35g)を得た。不純な画分を、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1~1:4)を使用する、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィにより再精製して、更に純粋な生成物(98b)(1.39g)を得た。生成物(3.66g)は油であった。
【数132】
【0925】
工程3:3-(ヒドロキシメチル)-3,5,5-トリメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(98c)の合成。
【化288】
【0926】
3-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5,5-トリメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(98b)(1.8g、7.2mmol)を、2-プロパノール(60mL)に溶解し、溶液をアルゴンで脱気した。固体である10.0%パラジウム炭素(0.31g、0.3mmol)をフラスコに加えた。フラスコを密閉し、真空脱気し、その後、水素でバックフラッシュした(3回)。反応物を6時間撹拌した。懸濁液をCelite(登録商標)で濾過し、フィルターケーキを2-プロパノール(15mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、生成物(98c)を粗油として得た。
【数133】
【0927】
工程4:(3,5,5-トリメチル-2-オキソテトラヒドロフラン-3-イル)メチルスルホクロリダート(98)の合成。
【化289】
【0928】
3-(ヒドロキシメチル)-3,5,5-トリメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン(98c)(0.50g、3.2mmol)およびEt
2O(10mL)中のピリジン(0.28mL、3.5mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下にて-78℃に冷却した。純粋な塩化スルフリル(0.28mL、3.5mmol)を、上記の溶液にシリンジで滴下した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いでフラスコを室温まで温め、1時間撹拌した(30%EA/ヘキサン、TLCにより観察)。沈殿物が形成され、濃厚な懸濁液が得られた。懸濁液を0.45-μM Teflon(登録商標)フィルタで濾過し、フィルターケーキを新規Et
2O(2×5mL)ですすいだ。アリコート(0.5mL)を採取して濃縮し、混合物用にNMRを得た。生成物を含有する残りの溶液(98)は、次の工程で直接使用された。
【数134】
【0929】
例99
プロドラッグからのアズトレオナム放出
2018年3月23日に出願され、米国特許第10,085,999号として発行された、米国特許出願第15/934,497号は、本明細書に開示されたものと同様のプロモエティを有する、β-ラクタマーゼ阻害剤である、アビバクタムの誘導体を開示している。いくつかのアビバクタム誘導体は、ラット、イヌおよびサルへの経口投与後、親薬物であるアビバクタムの経口バイオアベイラビリティを示した。これらの結果に基づき、式(1)~(4)の化合物を含む、本明細書に開示されているアズトレオナムの誘導体は、同様の放出機構に従い、親薬物であるアズトレオナムの経口バイオアベイラビリティを示すことが期待され得る。
【0930】
例100
経口バイオアベイラビリティ
2mg/kgのアズトレオナムおよび10mg/kgの試験化合物をそれぞれ、静脈内(IV)投与および経口(PO)投与した後、血漿中のアズトレオナムを測定し、3匹のオスのスプラーグドーリー(SD)ラットでの薬物動態(PK)研究を実施できる。
【0931】
アズトレオナムは、静脈内(IV)注射用に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH 7.5)に0.4mg/mLで溶解される。経口投与用の化合物は、10%エタノール/40%ポリエチレングリコール(PEG)400/50%注射用水(WFI)(pH 6.5)で、1mg/mLで製剤化する。投与容量は、IVには5mL/kgおよびPOには10mL/kgである。飼育、実験方法および動物の処分を含む、この作業の全態様は、全般に、“Guide for the Care and Use of Laboratory Animals:Eighth Edition”(National Academies Press,Washington,D.C.,2011)およびSuckow et al.,Ed.The Laboratory Rat.2nd Edition.Academic Press.New York.2005に従い実施される。動物は、標準的な実験動物用飼料とオートクレーブされた水道水を自由に摂取する。
【0932】
血液のアリコート(300μL~400μL)を、頸静脈カテーテル挿入ラットから収集して、種々の時点でリチウムヘパリンを用いたコーティング済チューブへと入れる。チューブを穏やかに混合して氷上で保持し、その後、収集後1時間以内に2,500rpmで、4℃で15分間遠心分離する。対照群の動物については、心臓穿刺により血液を収集し、血漿を採取し、更に分析するまで-70℃で凍結保存する。Beaudoin et al.,Bioanalytical method validation for the simultaneous determination of ceftazidime and aztreonam in rat plasma.Bioanalysis.2016 8:111-22.
【0933】
血漿サンプルはアセトニトリル沈殿を使用して処理され、LC-MS/MSで分析される。指定された濃度レベルの試験物質を加えて、薬物を含まない血漿のアリコートで血漿較正曲線を作成する。加えられた血漿サンプルは、同じ手順を使用して未知の血漿サンプルと一緒に処理される。処理済の血漿サンプルは、LC-MS/MS分析を受信するまで-70℃で保存され得る。LC-MS/MS分析では時間あたりのピーク面積が記録され、それぞれの較正曲線を使用して未知の血漿サンプル中の被験物質の濃度が決定される。定量下限(LLQ)とともに、アッセイの報告可能な線形範囲が決定される。時間に対する化合物の血漿濃度のグラフが作成される。IVおよびPO投与後の化合物の薬物動態パラメータ(AUClast、AUCINF、T1/2、TmaxおよびCmax)は、WinNonlinを使用した血漿データの非コンパートメント分析(NCA)から取得される。(WinNonlin(商標登録)Certara L.P.Pharsight,St.Louis,MO.)
【0934】
例101
最小発育阻止濃度
モノバクタム系抗生物質の最小発育阻止濃度(MIC)値は、グラム陰性菌株のパネルに対し、臨床および検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI).Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard-Tenth Edition.CLSI document M07-A10.CLSI,950 West Valley Road,Suite 2500,Wayne,PA 19087-1898 USA,2015;CLSI,Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing:Twenty-Sixth Informational Supplement.CLSI document M100-S26.CLSI,950 West Valley Road,Suite 2500,Wayne,PA 19087 USA,2016)のガイドラインに従って実施される、微量液体希釈感受性試験によって決定される。化合物は乾燥粉末として保存され、試験前には-20℃で保存される。これらの化合物および比較抗生物質は、アッセイ当日に適切な溶媒に可溶化される。すべての抗生物質は例えば、0.001μg/mL~64μg/mLの範囲内での濃度を使用して試験される。抗生物質は、例えば4μg/mLの一定濃度で試験される。分離菌を適切な培地に画線し、35℃で一晩インキュベートする。MIC値は、陽イオン調整したミューラーヒントンブロス(MHBII、BD、Sparks、MD)を使用して、96ウェルフォーマットプレートのCLSIガイドラインに従って測定される。35℃で18時間インキュベートした後、MICを記録する。MICは、生物が目に見えて成長するのを阻害する抗生物質の最低濃度として読み取られ、記録される。
【0935】
最後に、本明細書に開示されている実施形態を実施する別の方法があることに留意すべきである。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、特許請求の範囲は、本明細書で与えられる詳細に限定されるべきではなく、その範囲および均等物内で修正され得る。