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  • 特許-電気碍子の入替え取付装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】電気碍子の入替え取付装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
H02G1/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020154595
(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公開番号】P2021061737
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】201910948221.4
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521232441
【氏名又は名称】杭州富陽泳富机械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100115303
【氏名又は名称】岩永 和久
(72)【発明者】
【氏名】楊星
(72)【発明者】
【氏名】栄志強
【審査官】久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/124299(WO,A1)
【文献】実開平5-62114(JP,U)
【文献】特開平7-111714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H02G 7/00
H01B 17/14-17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気碍子の入替え取付装置であって、
昇降機構(1)と、前記昇降機構(1)に固定して取り付けられる取付台(2)と、前記取付台(2)に固定して取り付けられかつ支持碍子を支持できる支持盤構成材(3)と、前記取付台(2)に摺動可能に取り付けられる把持機構(4)と、を含み、
前記取付台(2)は、鉛直断面がU字型をなし、
前記支持盤構成材(3)は、前記取付台(2)の内端面に固定して取り付けられ、
前記把持機構(4)は、前記取付台(2)における二つの内側壁の間に摺動可能に取り付けられる三面囲い枠(41)と、前記三面囲い枠(41)の側壁に垂直に且つ回転自在に取り付けられる第二スクリュー(42)と、前記第二スクリュー(42)に螺合されるナット(43)と、前記ナット(43)にヒンジ接続される二つのリンク(44)と、二つの把持具(45)と、水平に前記三面囲い枠(41)の内側壁の間に固定して取り付けられる案内棒(46)と、を含み、
前記第二スクリュー(42)の中心軸は、前記三面囲い枠(41)の鉛直中心面と重なり合い、
二つの前記リンク(44)は、前記第二スクリュー(42)に対し対称に配列され、
各前記リンク(44)の端部には、いずれも把持具(45)がヒンジ接続され、
二つの前記把持具(45)は、いずれも摺動可能に前記案内棒(46)に互いに対向して設けられ、
前記把持具(45)において前記案内棒(46)の外側に位置する部分は、円弧状をなし、
前記把持具(45)の円弧状をなす部分には、回転可能に取り付けられる三つの把持ローラ(451)が等間隔に配列され、
前記把持ローラ(451)のロール面は、ゴム質であり、
前記案内棒(46)は、前記第二スクリュー(42)に対し垂直となる、
ことを特徴とする電気碍子の入替え取付装置。
【請求項2】
前記昇降機構(1)は、移動可能なベース(11)と、前記ベース(11)の上端面に溶接によって鉛直に固定して取り付けられる二つのガイドピン(12)と、二つの前記ガイドピン(12)に水平に且つ摺動可能に取り付けられる昇降台(13)と、前記ベース(11)に鉛直に且つ回転自在に取り付けられる第一スクリュー(14)と、を含み、
二つの前記ガイドピン(12)は、前記取付台(2)の両外側に対称に配列され、
前記第一スクリュー(14)は、前記昇降台(13)と螺合され、
前記取付台(2)は、前記昇降台(13)に固定して取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気碍子の入替え取付装置。
【請求項3】
前記支持盤構成材(3)は、前記取付台(2)の内端面に溶接によって互いに平行するように固定して取り付けられる二つのガイドブッシュ(31)と、二つの摺動棒(32)と、二つの前記摺動棒(32)に固定して取り付けられる支持盤(33)と、を含み、
二つの前記摺動棒(32)は、二つの前記ガイドブッシュ(31)内に対応して摺動可能に取り付けられ、
前記摺動棒(32)は、前記第二スクリュー(42)に対し平行して設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気碍子の入替え取付装置。
【請求項4】
前記支持盤(33)は、二つの前記摺動棒(32)に固定して取り付けられる回転ベース(11)と、前記回転ベース(11)に回転自在に取り付けられる回転盤(332)と、を含み、
前記回転盤(332)の端面には、邪魔縁(3321)が設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の電気碍子の入替え取付装置。
【請求項5】
前記ナット(43)には、前記三面囲い枠(41)と摺動可能に接続される強化案内板(431)が固定して取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気碍子の入替え取付装置。
【請求項6】
前記第一スクリュー(14)の下端には、第一ハンドホイール(141)が設けられ、
前記三面囲い枠(41)の外側に位置する前記第二スクリュー(42)の端部には、第二ハンドホイール(421)が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気碍子の入替え取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力取付技術分野に関し、具体的には、電気碍子の入替え取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
碍子は、架空送電線において重要な作用を果たす特殊な絶縁体であり、取付方式により、懸水碍子と支持碍子の二種類に分けられている。支持碍子は、変電所で大量に使用され、最も見られている碍子である。
変電所で、絶縁と支持作用に用いられる10kVの支持碍子は、数が膨大である。したがって、支持碍子の取付は、仕事量が大きく、労働強度が強くなる。また、支持碍子は、変電所に取り付けられた後に、使用時間の増加、自身の製造工芸の欠陥、じっとりする室外環境、高温等マイナス要因の影響を受け、金属コネクタのサビ問題が厳しく、碍子の磁器が破損し、塗装が失効する等の問題が生じ、故障した支持碍子を入替えしないと、給電ネットワークが正常に機能できない。
しかしながら、支持碍子の取付において、支持碍子がより重く、支持碍子の取付先の高さが変わり、環境が複雑であり、複数の碍子が故障するなどの問題が生じる場合、支持碍子の入替え任務が煩雑であり、点検修理の困難度が高まる。また、実際の取付過程において、点検修理者は、絶縁はしごにのぼり、安全ベルトを着用し、取付工具を持ちながら、支持碍子をしっかりと支えて入替え作業を行うため、疲労を感じやすく、点検修理者、工具又は支持碍子の転落が発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国特許出願公開第104092144号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電気碍子の入替え取付装置を提供し、上記の従来技術における技術的に問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気碍子の入替え取付装置であって、昇降機構と、前記昇降機構に固定して取り付けられる取付台と、前記取付台に固定して取り付けられかつ支持碍子を支持できる支持盤構成材と、前記取付台に摺動可能に取り付けられる把持機構と、を含み、前記取付台は、鉛直断面がU字型をなし、前記支持盤構成材は、前記取付台の内端面に固定して取り付けられ、前記把持機構は、前記取付台における二つの内側壁の間に摺動可能に取り付けられる三面囲い枠と、前記三面囲い枠の側壁に垂直に且つ回転自在に取り付けられる第二スクリューと、前記第二スクリューに螺合されるナットと、前記ナットにヒンジ接続される二つのリンクと、二つの把持具と、水平に前記三面囲い枠の内側壁の間に固定して取り付けられる案内棒と、を含み、前記第二スクリューの中心軸は、前記三面囲い枠の鉛直中心面と重なり合い、二つの前記リンクは、前記第二スクリューに対し対称に配列され、各前記リンクの端部には、いずれも把持具がヒンジ接続され、二つの前記把持具は、いずれも摺動可能に前記案内棒に互いに対向して設けられ、前記把持具において前記案内棒の外側に位置する部分は、円弧状をなし、前記把持具の円弧状をなす部分には、回転可能に取り付けられる三つの把持ローラが等間隔に配列され、前記把持ローラのロール面は、ゴム質であり、前記案内棒は、前記第二スクリューに対し垂直となる。
【0006】
好ましくは、前記昇降機構は、移動可能なベースと、前記ベースの上端面に溶接によって鉛直に固定して取り付けられる二つのガイドピンと、二つの前記ガイドピンに水平に且つ摺動可能に取り付けられる昇降台と、前記ベースに鉛直に且つ回転自在に取り付けられる第一スクリューと、を含み、二つの前記ガイドピンは、前記取付台の両外側に対称に配列され、前記第一スクリューは、前記昇降台と螺合され、前記取付台は、前記昇降台に固定して取り付けられる。
好ましくは、前記支持盤構成材は、前記取付台の内端面に溶接によって互いに平行するように固定して取り付けられる二つのガイドブッシュと、二つの摺動棒と、二つの前記摺動棒に固定して取り付けられる支持盤と、を含み、二つの前記摺動棒は、二つの前記ガイドブッシュ内に対応して摺動可能に取り付けられ、前記摺動棒は、前記第二スクリューに対し平行して設けられる。
【0007】
好ましくは、前記支持盤は、二つの前記摺動棒に固定して取り付けられる回転ベースと、前記回転ベースに回転自在に取り付けられる回転盤と、を含み、前記回転盤の端面には、邪魔縁が設けられる。
【0008】
好ましくは、前記ナットには、前記三面囲い枠と摺動可能に接続される強化案内板が固定して取り付けられる。
【0009】
好ましくは、前記第一スクリューの下端には、第一ハンドホイールが設けられ、前記三面囲い枠の外側に位置する前記第二スクリューの端部には、第二ハンドホイールが設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、電気碍子入替え取付装置を提供し、昇降機構によって支持碍子を高目の取付位置まで上昇させ、また、把持機構は、支持碍子の取付過程においてずっと防護機能を果たし、点検修理者が支持碍子を支えなくてよく、手を空いて支持碍子の固定を行い、支持碍子の転落が回避され、点検修理者の負担を軽減し、労働強度を下げて安全性を向上させる。
【0011】
支持盤内に回転自在な回転盤を設置し、回転盤に邪魔縁構造を設けることで、把持機構が押し動かされて取付作業台に近づく時に、支持盤が一緒に前方へ進み、支持盤が移動しながら支持碍子の下端を支持し、支持碍子の転落が回避され、取付位置に近接するようになると、回転盤を回して邪魔縁の邪魔を解除することができ、操作が便利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本願に記載の各方向が、図1と同じ向きに装置を見た際の方向である。
【0013】
図1】本発明に関わる電気碍子の入替え取付装置の正面図である。
図2】本発明に関わる電気碍子の入替え取付装置の俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1図2を参照しながら本実施形態について説明する。本発明の実施例に係る技術的内容を明確かつ完全に説明する。明らかに、以下に説明する実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者は、創作的な努力なしで得られるすべての実施例は、本発明の保護範囲内に含まれる。
【0015】
図1~2に示すように、電気碍子の入替え取付装置であって、昇降機構1と、前記昇降機構1に固定して取り付けられる取付台2と、前記取付台2に固定して取り付けられかつ支持碍子を支持できる支持盤構成材3と、前記取付台2に摺動可能に取り付けられる把持機構4と、を含み、前記取付台2は、鉛直断面がU字型をなし、前記支持盤構成材3は、前記取付台2の内端面に固定して取り付けられ、前記把持機構4は、前記取付台2における二つの内側壁の間に摺動可能に取り付けられる三面囲い枠41と、前記三面囲い枠41の側壁に垂直に且つ回転自在に取り付けられる第二スクリュー42と、前記第二スクリュー42に螺合されるナット43と、前記ナット43にヒンジ接続される二つのリンク44と、二つの把持具45と、水平に前記三面囲い枠41の内側壁の間に固定して取り付けられる案内棒46と、を含み、前記第二スクリュー42の中心軸は、前記三面囲い枠41の鉛直中心面と重なり合い、前記三面囲い枠41の外側に位置する前記第二スクリュー42の端部には、第二ハンドホイール421が設けられ、二つの前記リンク44は、前記第二スクリュー42に対し対称に配列され、各前記リンク44の端部には、いずれも把持具45がヒンジ接続され、二つの前記把持具45は、いずれも摺動可能に前記案内棒46に互いに対向して設けられ、前記把持具45において前記案内棒46の外側に位置する部分は、円弧状をなし、前記把持具45の円弧状をなす部分には、回転可能に取り付けられる三つの把持ローラ451が等間隔に配列され、前記把持ローラ451のロール面は、ゴム質であり、前記案内棒46は、前記第二スクリュー42に対し垂直となる。支持碍子を把持する時に、まず二つの把持具45を開き、そして支持碍子を鉛直に支持盤33に置き、第二ハンドホイール421を回し、第二スクリュー42によってナット43を第二ハンドホイール421に近接する側へ連動させ、二つのリンク44がそれぞれ自分とヒンジ接続される把持具45を引き動かし、二つの把持具45が案内棒46に沿って対向して摺動し、二つの把持具45が協働して支持碍子を把持することができ、支持碍子を固定取り付ける時、把持機構4が把持防護機能を果たし、人力に頼らなくても支持碍子を支えることができ、点検修理者の作業強度を軽減し、把持される支持碍子と接触するのは、ゴム質の把持ローラ451であり、把持過程において支持碍子表面の室温シリコーンゴムが摩損することが回避される。
【0016】
更に、前記昇降機構1は、移動可能なベース11と、前記ベース11の上端面に溶接によって鉛直に固定して取り付けられる二つのガイドピン12と、二つの前記ガイドピン12に水平に且つ摺動可能に取り付けられる昇降台13と、前記ベース11に鉛直に且つ回転自在に取り付けられる第一スクリュー14と、を含み、二つの前記ガイドピン12は、前記取付台2の両外側に対称に配列され、前記第一スクリュー14は、前記昇降台13と螺合され、前記第一スクリュー14の下端には、第一ハンドホイール141が設けられ、前記取付台2は、前記昇降台13に固定して取り付けられる。前記昇降機構1は、支持碍子を連れて取付位置まで上昇することができ、具体的には、第一ハンドホイール141と第一スクリュー14とによって昇降台を駆動して鉛直に昇降させる。
【0017】
更に、前記支持盤構成材3は、前記取付台2の内端面に溶接によって互いに平行するように固定して取り付けられる二つのガイドブッシュ31と、二つの摺動棒32と、二つの前記摺動棒32に固定して取り付けられる支持盤33と、を含み、二つの前記摺動棒32は、二つの前記ガイドブッシュ31内に対応して摺動可能に取り付けられ、前記摺動棒32は、前記第二スクリュー42に対し平行して設けられ、前記支持盤33は、二つの前記摺動棒32に固定して取り付けられる回転ベース11と、前記回転ベース11に回転自在に取り付けられる回転盤332と、を含み、前記回転盤332の端面には、邪魔縁3321が設けられる。支持盤33は、支持碍子を置いて支持することができ、邪魔縁3321を設置することで、把持機構4全体が押し動かされて取付台2に沿って支持碍子の取付位置に近づけるように摺動する過程において、支持盤33が把持機構4にしたがって前方へ進み、すなわち摺動棒32がガイドブッシュ31内から外部へ摺動し、これによって支持碍子がずっと支持されて転落することなく、取付位置に近接するようになると、回転盤332を回して邪魔縁3321の邪魔を解除し、その後に引き続き支持碍子を取付作業台にプッシュすることができる。
【0018】
更に、前記ナット43には、前記三面囲い枠41と摺動可能に接続される強化案内板431が固定して取り付けられる。強化案内板431は、ナット43の構造を強化し、ナット43の移動安定性を向上させることができる。
【0019】
作動原理:
支持碍子を取り付ける時に、本発明の入替え取付装置を支持碍子の取付位置に移動し、そして取付待の支持碍子を支持盤33に置き、把持機構4によって支持碍子を把持固定し、昇降機構1が支持碍子を取付高さまで連れて、その後把持機構4全体を押し動かして取付作業台に近づけ、取付作業台に近接するようになると回転盤332を回し、そして引き続き把持機構4を押し動かし、支持碍子の下端を取付作業台に置き、そして支持碍子の上下端をボルトによって固定して取り付け、支持碍子を固定して取り付けた後に二つの把持具45を放し、次の支持碍子を取り付ける。
【符号の説明】
【0020】
1 昇降機構
11 ベース
12 ガイドピン
13 昇降台
14 第一スクリュー
141 第一ハンドホイール
2 取付台
3 支持盤構成材
31 ガイドブッシュ
32 摺動棒
33 支持盤
331 回転ベース
332 回転盤
3321 邪魔縁
4 把持機構
41 三面囲い枠
42 第二スクリュー
421 第二ハンドホイール
43 ナット
431 強化案内板
44 リンク
45 把持具
451 把持ローラ
46 案内棒
図1
図2