(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
F16L 21/00 20060101AFI20220104BHJP
F16L 13/08 20060101ALI20220104BHJP
F16L 15/04 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
F16L21/00 C
F16L21/00 F
F16L13/08
F16L15/04 Z
(21)【出願番号】P 2020158080
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2021-01-30
(31)【優先権主張番号】202010150377.0
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521298045
【氏名又は名称】浙江億▲た▼数控机械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100115303
【氏名又は名称】岩永 和久
(72)【発明者】
【氏名】高▲いつ▼
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108474505(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第10046183(DE,A1)
【文献】特開2004-218740(JP,A)
【文献】特開平5-86854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 13/08
F16L 23
F16J 15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ軸線に配置された二本の雌ねじ付き筒(1)を含み、
二本の前記雌ねじ付き筒(1)は互いに接触し且つ互いに固定して接続され、
二本の前記雌ねじ付き筒(1)において隣り合う両端の内壁にはいずれも環状の第一溝(1b)が形成され、
前記第一溝(1b)は前記雌ねじ付き筒(1)と同軸に設けられ、
前記雌ねじ付き筒(1)の軸方向における前記第一溝(1b)の断面はL字型であり、
二つの前記第一溝(1b)が互いに接触して環状溝(3)を形成し、
前記環状溝(3)は断面が凵字型であり、
前記環状溝(3)は、互いに対向する二つの環状溝壁と、前記環状溝壁の間に位置する環状溝底面とから構成され、
前記環状溝(3)の内部には環状密封部品(4)が設けられ、
前記環状密封部品(4)における内側壁の中部には環状の取り付け溝が形成され、
前記取り付け溝の内部には環状体(5)が嵌め込まれており、
前記環状体(5)は形状とサイズが前記取り付け溝と合わせられ、
前記環状体(5)は剛性材料から作られ、且つ前記環状密封部品(4)の両端はそれぞれ前記環状体(5)と二つの前記環状溝壁との間に挟まれて密封を形成し、
前記環状密封部品(4)と前記環状体(5)の内側はいずれも前記雌ねじ付き筒(1)の内孔に延在し、
前記剛性材料はステンレス材料またはプラスチック材料であり、
前記環状溝底面には止まり穴(1c)が形成され、
前記止まり穴(1c)の長さは前記雌ねじ付き筒(1)の軸方向に沿って延在し、
各前記雌ねじ付き筒(1)にはいずれも、前記雌ねじ付き筒(1)の円周方向に沿って配列された前記止まり穴(1c)が少なくとも二つ設けられ、
各前記止まり穴(1c)の内部にはいずれもばね(6)が設けられ、
前記ばね(6)の両端はそれぞれ前記止まり穴(1c)の下壁と前記環状密封部品(4)と当接している、
ことを特徴とする管継手。
【請求項2】
二本の前記雌ねじ付き筒(1)において隣り合う両端の外壁にはいずれも錐面(1a)が設けられ、
前記錐面(1a)は前記雌ねじ付き筒(1)と同軸に設けられ、
二つの前記錐面(1a)は互いに接触して位置決め溝(2)を形成し、
前記位置決め溝(2)はハンダ付用フラックスを貯蔵できる、
ことを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記環状密封部品(4)の端面には柱状の支持部(4a)が一体成型され、
前記支持部(4a)は前記止まり穴(1c)と数量が同じであり、且つ位置も前記止まり穴(1c)と一々対応しており、
前記支持部(4a)は対応する前記止まり穴(1c)に挿設され、
前記ばね(6)は前記支持部(4a)に外装される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手。
【請求項4】
前記雌ねじ付き筒(1)の内孔における前記環状密封部品(4)の両端面には、いずれも環状の押し潰し溝(4b)が形成され、
前記押し潰し溝(4b)は前記環状密封部品(4)と同軸に設けられる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手。
【請求項5】
前記雌ねじ付き筒(1)の軸方向における前記押し潰し溝(4b)の断面は円弧形である、
ことを特徴とする請求項4に記載の管継手。
【請求項6】
前記環状密封部品(4)における両端の内側壁はいずれも円錐形の案内面(4c)であり、
前記案内面(4c)の直径は外側から内側へ徐々に短くなる、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械技術分野に属し、具体的には管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
管と管との連結は一般的に連結器によって実現される。従来の簡単構造の連結器は一般的に雌ねじ付き管であり、従来の管継手は、使用時に、管継手にシールテープを巻き付け、そして管継手をナットにねじ込む。
【0003】
シールテープの巻付け作業は、一定程度のスキルが必要とされるため、初心者にとって作業が難しいである一方、操作も煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許出願公開第103644403号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
管の接続作業を簡単にする管継手を提供することで、上記の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に関わる管継手は、同じ軸線に配置された二本の雌ねじ付き筒を含み、二本の前記雌ねじ付き筒は互いに接触し且つ互いに固定して接続され、
【0007】
二本の前記雌ねじ付き筒において隣り合う両端の内壁にはいずれも環状の第一溝が形成され、前記第一溝は前記雌ねじ付き筒と同軸に設けられ、前記雌ねじ付き筒の軸方向における前記第一溝の断面はL字型であり、二つの前記第一溝が互いに接触して環状溝を形成し、前記環状溝は断面が凵字型であり、前記環状溝は、互いに対向する二つの環状溝壁と、前記環状溝壁の間に位置する環状溝底面とから構成され、前記環状溝の内部には環状密封部品が設けられ、前記環状密封部品における内側壁の中部には環状の取り付け溝が形成され、前記取り付け溝の内部には環状体が嵌め込まれており、前記環状体は形状とサイズが前記取り付け溝と合わせられ、前記環状体は剛性材料から作られ、且つ前記環状密封部品の両端はそれぞれ前記環状体と二つの前記環状溝壁との間に挟まれて密封を形成し、前記環状密封部品と前記環状体の内側はいずれも前記雌ねじ付き筒の内孔に延在し、各前記雌ねじ付き筒にはいずれも、前記雌ねじ付き筒の円周方向に沿って配列された前記止まり穴が少なくとも二つ設けられ、各前記止まり穴の内部にはいずれもばねが設けられ、前記ばねの両端はそれぞれ前記止まり穴の下壁と前記環状密封部品と当接している。
【0008】
取り付け時、二本の管をそれぞれ二本の雌ねじ付き筒にねじ込み、且つ管の端面を対応する環状密封部品の端面に押し付けて密封を形成し、
環状密封部品と環状体から構成される密封構成部品を二本の雌ねじ付き筒の間に挟持固定し、二本の雌ねじ付き筒の間と二本の管の間に緊密な密封を同時に形成し、これでは、構造を簡単化する一方、取り付けステップを減らし、組み立てに有利である。
【0009】
環状密封部品の両端に支持用のばねを設置し、流体が管から流出して環状密封部品に衝突する圧力が緩衝されることで、作業安定性を上げ、環状密封部品の寿命を延ばす。
【0010】
二本の前記雌ねじ付き筒において隣り合う両端の外壁にはいずれも錐面が設けられ、前記錐面は前記雌ねじ付き筒と同軸に設けられ、二つの前記錐面は互いに接触して位置決め溝を形成し、前記位置決め溝はハンダ付用フラックスを貯蔵でき、即ち二本の前記雌ねじ付き筒は溶接によって互いに接続され、メリットとして、構造が簡単であり、取り付けが簡便である。
【0011】
前記環状密封部品の端面には柱状の支持部が一体成型され、前記支持部は前記止まり穴と数量が同じであり、且つ位置も前記止まり穴と一々対応しており、前記支持部は対応する前記止まり穴に挿設され、前記ばねは前記支持部に外装され、前記支持部は前記ばねを支持、案内することによって前記ばねの作業安定性を上げる。
【0012】
前記雌ねじ付き筒の内孔における前記環状密封部品の両端面には、いずれも環状の押し潰し溝が形成され、前記押し潰し溝は前記環状密封部品と同軸に設けられ、前記押し潰し溝は前記環状密封部品の弾性変形に寄与することで前記環状密封部品を緊密に接続対象管に密着させることができ、二本の管の間の密封効果を向上させる。
【0013】
前記雌ねじ付き筒の軸方向における前記押し潰し溝の断面は円弧形である
【0014】
前記環状密封部品における両端の内側壁はいずれも円錐形の案内面であり、前記案内面の直径は外側から内側へ徐々に短くなり、前記案内面は流体を順調に前記環状密封部品によって排出するように案内することで、本発明の作業安定性を上げる。
【発明の効果】
【0015】
環状密封部品と環状体から構成される密封構成部品を二本のライフル管の間に挟み、二本の雌ねじ付き筒の間と二本の管の間に緊密な密封を同時に形成することで、構造を簡単化する上、取り付けステップを減らし、組み立てに便利である。
【0016】
環状密封部品の両端に支持用のばねを設置し、流体が管から流出して環状密封部品に衝突する圧力が緩衝されることで、作業安定性を上げ、環状密封部品の寿命を延ばす。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願に記載の各方向が、
図1と同じ向きに装置を見た際の方向である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、本発明に関わる管継手は、同じ軸線に配置された二本の雌ねじ付き筒1を含み、二本の前記雌ねじ付き筒1は互いに接触し且つ互いに固定して接続され、本実施例において、二本の前記雌ねじ付き筒1の接続方式は後記の通りである:二本の前記雌ねじ付き筒1において隣り合う両端の外壁にはいずれも錐面1aが設けられ、前記錐面1aは前記雌ねじ付き筒1と同軸に設けられ、二つの前記錐面1aは互いに接触して位置決め溝2を形成し、前記位置決め溝2はハンダ付用フラックスを貯蔵でき、即ち二本の前記雌ねじ付き筒1は溶接によって互いに接続され、メリットとして、構造が簡単であり、取り付けが簡便である。
【0019】
図1と
図3に示すように、二本の前記雌ねじ付き筒1において隣り合う両端の内壁にはいずれも環状の第一溝1bが形成され、前記第一溝1bは前記雌ねじ付き筒1と同軸に設けられ、前記雌ねじ付き筒1の軸方向における前記第一溝1bの断面はL字型であり、二つの前記第一溝1bが互いに接触して環状溝3を形成し、前記環状溝3は断面が凵字型であり、前記環状溝3は、互いに対向する二つの環状溝壁と、前記環状溝壁の間に位置する環状溝底面とから構成され、前記環状溝3の内部には環状密封部品4が設けられ、前記環状密封部品4における内側壁の中部には環状の取り付け溝が形成され、前記取り付け溝の内部には環状体5が嵌め込まれており、前記環状体5は形状とサイズが前記取り付け溝と合わせられ、前記環状体5は剛性材料から作られ、且つ前記環状密封部品4の両端はそれぞれ前記環状体5と二つの前記環状溝壁との間に挟まれて密封を形成し、前記環状密封部品4と前記環状体5の内側はいずれも前記雌ねじ付き筒1の内孔に延在し、本実施例において、前記剛性材料はステンレス材料またはプラスチック材料であり、
図1に示すように、前記環状溝底面には止まり穴1cが形成され、前記止まり穴1cの長さは前記雌ねじ付き筒1の軸方向に沿って延在し、各前記雌ねじ付き筒1にはいずれも、前記雌ねじ付き筒1の円周方向に沿って配列された前記止まり穴1cが少なくとも二つ設けられ、各前記止まり穴1cの内部にはいずれもばね6が設けられ、前記ばね6の両端はそれぞれ前記止まり穴1cの下壁と前記環状密封部品4と当接している。本実施例において、各前記雌ねじ付き筒1に二つの前記止まり穴1cを設けることが好ましい。
【0020】
図2に示すように、前記環状密封部品4の端面には柱状の支持部4aが一体成型され、前記支持部4aは前記止まり穴1cと数量が同じであり、且つ位置も前記止まり穴1cと一々対応しており、前記支持部4aは対応する前記止まり穴1cに挿設され、前記ばね6は前記支持部4aに外装され、前記支持部4aは前記ばね6を支持、案内することによって前記ばね6の作業安定性を上げる。
【0021】
図2に示すように、前記雌ねじ付き筒1の内孔における前記環状密封部品4の両端面には、いずれも環状の押し潰し溝4bが形成され、前記押し潰し溝4bは前記環状密封部品4と同軸に設けられ、前記押し潰し溝4bは前記環状密封部品4の弾性変形に寄与することで前記環状密封部品4を緊密に接続対象管に密着させることができ、二本の管の間の密封効果を向上させる。前記雌ねじ付き筒1の軸方向における前記押し潰し溝4bの断面は円弧形であることが好ましい。前記環状密封部品4における両端の内側壁はいずれも円錐形の案内面4cであり、前記案内面4cの直径は外側から内側へ徐々に短くなり、前記案内面4cは流体を順調に前記環状密封部品4によって排出するように案内することで、本発明の作業安定性を上げる。
【0022】
取り付け時、二本の管をそれぞれ二本の雌ねじ付き筒1にねじ込み、且つ管の端面を対応する環状密封部品4の端面に押し付けて密封を形成し、環状密封部品4と環状体5から構成される密封構成部品を二本の雌ねじ付き筒1の間に挟持固定し、二本の雌ねじ付き筒1の間と二本の管の間に緊密な密封を同時に形成し、これでは、構造を簡単化する一方、取り付けステップを減らし、組み立てに有利である。
【0023】
当業者は、本発明の範囲内で作業方式に応じて様々な変更を行える。
【符号の説明】
【0024】
1 雌ねじ付き筒
1a 錐面
1b 第一溝
1c 止まり穴
2 位置決め溝
3 環状溝
4 環状密封部品
4a 支持部
4b 押し潰し溝
4c 案内面
5 環状体
6 ばね