(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20220127BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220127BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220127BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20220127BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220127BHJP
【FI】
F21S2/00 443
G02F1/13357
G02F1/1333
F21Y103:00
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018237999
(22)【出願日】2018-12-20
【審査請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】321010863
【氏名又は名称】トライベイル テクノロジーズ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100184527
【氏名又は名称】渡邉 賢二
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井良 頻忠
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-191495(JP,A)
【文献】国際公開第2012/161260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
G02F 1/1333
F21Y 103/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出射面である第1面と、前記第1面と逆側の第2面とを有する導光板と、
前記導光板と対向して配設され、凸部と、前記凸部に設けられた切り欠きとを有する光学シートと、
前記導光板及び前記光学シートを保持するフレームであって、前記導光板の前記第2面と対向するリアフレームと、光の出射面に対する開口部と凹部とを有するミドルフレームとを含むフレームと、
前記光学シートと対向して配設された表示パネルと、
接着剤と
を備え、
前記光学シートの前記凸部は、前記ミドルフレームの前記凹部に嵌合され、
第1穴が前記リアフレームに設けられ、前記第1穴が、前記導光板と前記光学シートとが対向する方向において前記リアフレームを貫通し、前記光学シートの前記切り欠きと位置が揃えられ、
前記接着剤は、前記第1穴と、前記第1穴に連通し、前記光学シートの前記切り欠きを含む空間とに配設された、表示装置。
【請求項2】
バックライトと、前記バックライトと対向して配設された表示パネルとを備え、
前記バックライトは、
導光板と、
前記導光板に対向して配設されたシート状の光学部材と、
前記導光板及び前記光学部材を内包するフレームと
を備え、
前記導光板と前記光学部材とが対向する方向において前記フレームを貫通する第1穴が設けられ、
前記導光板及び前記光学部材のそれぞれに、前記フレームの前記第1穴と位置が揃えられた切り欠きまたは穴が設けられ、
前記フレームの前記第1穴と、前記第1穴に連通し、前記導光板及び前記光学部材のそれぞれの前記切り欠きまたは前記穴から成る空間とに配設され、前記導光板及び前記光学部材を固定する接着剤をさらに備え
、
前記バックライトとの間に前記表示パネルを挟んだ状態で、前記バックライトの前記フレームの少なくとも一部を覆うフロントフレームをさらに備え、
前記フロントフレームに、前記フレームの前記第1穴に連通する第2穴が設けられ、
前記接着剤は、前記フロントフレームの前記第2穴にも配設されている、表示装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の
表示装置であって、
前記フレームは、
前記導光板の入射された光を出射する出射面と逆側の面を覆うリアフレームと、
前記導光板の前記出射面の端部を覆うミドルフレームと
を含み、
前記リアフレーム及び前記ミドルフレームの少なくとも一方に、前記フレームの前記第1穴が設けられている、
表示装置。
【請求項4】
請求項
2または請求項
3に記載の表示装置であって、
前記接着剤は、前記導光板及び前記光学部材だけでなく前記表示パネルも固定する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学シート、導光板、及び、反射板をリアフレームに収容した状態で、ミドルフレームとリアフレームとを嵌合させたバックライトが知られている。また、当該バックライト、表示パネル、及び、フロントフレームから成る表示装置が知られている。従来、このような表示装置を振動させた場合、バックライトの光学シートなどの内部部材が、バックライトのフレームなどの外部部材に対して移動して、部材同士が接触することにより音が発生したり、部材が傷ついたりすることがあるという問題があった。
【0003】
そのような問題を解決するために、例えば特許文献1及び2などの従来技術では、光学シート、導光板、反射シートを両面粘着テープで固定することによって、内部部材の移動を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-103221号公報
【文献】特開2013-171723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の表示装置のように両面粘着テープを多用する構成では、テープ自体のコスト、さらには貼付作業による製造コストが高くなるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、テープの使用を抑制しつつ、バックライト内の導光板及び光学部材を固定可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、出射面である第1面と、前記第1面と逆側の第2面とを有する導光板と、前記導光板と対向して配設され、凸部と、前記凸部に設けられた切り欠きとを有する光学シートと、前記導光板及び前記光学シートを保持するフレームであって、前記導光板の前記第2面と対向するリアフレームと、光の出射面に対する開口部と凹部とを有するミドルフレームとを含むフレームと、前記光学シートと対向して配設された表示パネルと、接着剤とを備え、前記光学シートの前記凸部は、前記ミドルフレームの前記凹部に嵌合され、第1穴が前記リアフレームに設けられ、前記第1穴が、前記導光板と前記光学シートとが対向する方向において前記リアフレームを貫通し、前記光学シートの前記切り欠きと位置が揃えられ、前記接着剤は、前記第1穴と、前記第1穴に連通し、前記光学シートの前記切り欠きを含む空間とに配設されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、接着剤が、フレームの第1穴と、第1穴に連通し、導光板及び光学部材のそれぞれの切り欠きまたは穴から成る空間とに配設され、導光板及び光学部材を固定する。このような構成によれば、テープの使用を抑制しつつ、バックライト内の導光板及び光学部材を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る表示パネルの構成を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る表示装置の構成を背面から見た平面図である。
【
図4】実施の形態1に係る表示装置の一部の構成を示す断面図である。
【
図5】実施の形態1に係る表示装置の一部の構成を示す分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る切り欠きを示す平面図である。
【
図7】実施の形態1の変形例1に係る表示装置の一部の構成を示す断面図である。
【
図8】実施の形態2に係る表示装置の構成を背面から見た平面図である。
【
図9】実施の形態2に係る表示装置の一部の構成を示す断面図である。
【
図10】実施の形態1及び2の変形例1に係る表示装置の一部の構成を示す断面図である。
【
図11】実施の形態1及び2の変形例2に係る表示装置の一部の構成を示す断面図である。
【
図12】実施の形態1及び2の変形例2に係る表示装置の一部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
<表示装置の全体構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置100の構成を示す分解斜視図である。
図1の表示装置100は、表示パネル1と、バックライト2と、フロントフレーム3と、回路基板4とを備えている。
【0011】
表示パネル1は、バックライト2と対向して配設される。バックライト2は、表示パネル1を背面より光を照射する。フロントフレーム3は、バックライト2との間に表示パネル1を挟んだ状態で、バックライト2の後述するフレームの少なくとも一部を覆う。フロントフレーム3は、バックライト2の光の出射面に開口部を有している。回路基板4は、表示パネル1及び光源26などを電気信号によって制御する。
【0012】
なお、図示しないが、表示パネル1の前面には、画面に対するタッチ操作のタッチ位置を検出するためのタッチパネルと、当該タッチパネルを保護するための概ね透明の保護部材とが備えられてもよい。また、表示パネル1の背面には回路基板4を保護するためのカバーが備えられてもよい。
【0013】
次に、本実施の形態1に係る表示装置100の構成要素について詳細に説明する。
【0014】
<表示パネル>
図2は、表示パネル1の構成を示す斜視図である。表示パネル1は、例えば、液晶の複屈折性を応用する透過型または半透過型の液晶表示パネルである。
図2の表示パネル1は、第1基板11と、第2基板12とを含む。図示しないが、第1基板11は、ガラスなどの絶縁性基板と、CF(カラーフィルタ)と、遮光層と、対向電極とを含んでおり、CF、遮光層及び対向電極は、絶縁性基板上に配設されている。図示しないが、第2基板12は、ガラスなどの絶縁性基板と、スイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)と、画素電極とを含んでおり、TFT及び画素電極は、絶縁性基板上に配設されている。
【0015】
また図示しないが、表示パネル1は、第1基板11と第2基板12との間隔を保持するためのスペーサと、第1基板11と第2基板12とを貼り合わせるためのシール材と、第1基板11と第2基板12との間に狭持される液晶と、液晶を注入する注入口の封止材と、液晶を配光させる配向膜とを含む。そして、表示パネル1は、第1基板11の外側面上に配設された第1偏光板111と、第2基板12の外側面上に配設された図示しない第2偏光板と、駆動用IC(Integrated Circuit)13とを含む。駆動用IC13は、第2基板12の外周部上に配設されるか、または、第2基板12の外周部に接続されたTCP(Tape Carrier Package)及びCOF(Chip On Film)等のテープ状の配線材料上に配設される。
【0016】
<バックライト>
バックライト2は、表示パネル1の表示面(前面)と逆側である第2基板12側から光を出射する。
図1のバックライト2は、光源26と、導光板23と、シート状の光学部材と、フレームと、接着剤28とを含む。
【0017】
光源26は、光を出射する。導光板23は、光源26から出射された光が入射される入射面である側面と、入射面に入射されて伝播された光が出射される出射面である前面と、反出射面である背面とを有する。
【0018】
バックライト2の光学部材は、導光板23と対向して配設されている。本実施の形態1に係る光学部材は、導光板23の出射面と対向して配設された光学シート22と、導光板23の反出射面と対向して配設された反射板24とを含む。光学シート22は、導光板23から出射された光の分布及び広がりを制御する。反射板24は、導光板23から出射された光を反射して導光板23に入射する。
【0019】
バックライト2のフレームは、導光板23、光学シート22及び反射板24を内包する。本実施の形態1に係るフレームは、ミドルフレーム21と、リアフレーム25とを含む。リアフレーム25は、導光板23の出射面と逆側の面、つまり反出射面を覆い、導光板23、光学シート22及び反射板24などを保持する。ミドルフレーム21は、導光板23の出射面の端部を覆い、導光板23、光学シート22及び反射板24などを保持する。
【0020】
<導光板>
導光板23は、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、または、ガラスなどで構成される。導光板23の反出射面及び出射面の少なくともいずれかには、光を出射させ、かつ、面内の光の強度分布及び出射方向を調整するための、散乱用ドットパターン及びプリズム形状の少なくともいずれかが設けられている。
【0021】
<光学シート>
導光板23上には、導光板23の出射光の強度分布及び出射角を調整するための光学シート22が配設されている。光学シート22としては、例えば、集光を目的とするレンズシート、光の均一化を目的とする拡散シート、視野角方向で輝度を調整する視野角調整シートのうち、目的に応じた種類及び必要枚数のシートが用いられる。光学シート22の材料としては、例えば、PC(Polycarbonate)、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等の樹脂材料が用いられる。
【0022】
<ミドルフレーム>
ミドルフレーム21は、導光板23の出射面からの光をバックライト2の外部に出射させるための開口部を有している。ミドルフレーム21の開口部周辺の前面には凸部が設けられており、表示パネル1は、当該凸部によって位置決めされた状態で、ミドルフレーム21の前面に搭載及び保持される。ミドルフレーム21の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属、または、PC(Polycarbonate)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の樹脂材料が用いられる。
【0023】
<反射板>
導光板23下には、導光板23の反出射面から出光した光を出射面側へ反射する反射板24が配設されている。反射板24の材料としては、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)等の樹脂材料が用いられる。
【0024】
<リアフレーム>
リアフレーム25の材料には、光源26から放出される熱を伝導させて効率よく外部に放熱することができるように、熱伝導性が高い金属を使用することが望ましい。特に、リアフレーム25に、熱伝導性が高いアルミニウムまたはアルミニウム合金筐体を用いると、効率よく光源26からの熱を放熱することができるので、バックライト2に熱が籠ることを抑制することができる。
【0025】
ミドルフレーム21及びリアフレーム25は、一般にツメによる引っ掛け構造またはネジ止めにより互いに固定されることによって、バックライト2の他の構成要素及び表示パネル1、回路基板4等を保持する。ただし、ミドルフレーム21及びリアフレーム25には、それぞれが個別である個別部材の代わりに、両者が一体化された単一部材が用いられてもよい。
【0026】
<光源>
光源26には、例えば、RGB(Red:赤、Green:緑、Blue:青)などの光の3原色のLED(Light Emitting Diode)などの点状光源、RGB以外の発光色の点状光源、または、蛍光管ランプが用いられる。光源26に点状光源を用いる構成において、点状光源を実装する光源基板は、一般的なガラスエポキシ樹脂をベースとして含んでもよいし、フレキシブルなフラットケーブルを含んでもよいし、放熱性を高めるために、アルミニウム等の金属またはセラミックをベースとして含んでもよい。光源基板は、導光板23の側面、または、リアフレーム25の内側側面などに貼り付けられて保持される。
【0027】
<フロントフレーム>
フロントフレーム3は、表示パネル1、バックライト2を保持する枠状の部材である。フロントフレーム3は、例えば、薄板の金属成型品または樹脂成型品等により構成され、ツメ状の固定構造またはネジ止め等により、バックライト2と固定される。フロントフレーム3は、単一部材から構成されてもよいし、複数の部材を組み合わせて構成されてもよい。また、フロントフレーム3の側面、前面、背面、または周辺部等に、最終製品への取り付け部(例えばネジまたは取付穴等)を設けてもよい。
【0028】
<回路基板>
回路基板4は、表示パネル1及び光源26を電気信号である入出力信号により制御する。通常、回路基板4の電子部品は、表示パネル1に接続された、フィルム上の基材に配線が配設されて成るFPC(Flexible Printed Circuit)上に実装されるが、これに限ったものではない。例えば、主に表示装置100の背面側(バックライト2の光が出射されない側)において、回路基板4の電子部品が、ハンダによりガラスエポキシ等に接合された銅パターンの表面に実装、配設、及び、固定される構成であってもよい。
【0029】
また、回路基板4を外部からの圧力及び静電気から保護するために、回路基板4は、アルミニウム、ステンレス、亜鉛めっき鋼板等の金属、または、PET(Polyethylene terephthalate)等のフィルム状の薄い樹脂から成る保護カバー(図示せず)に覆われてもよい。金属製の保護カバーを設ける構成では、回路基板4及び回路基板4上の電子部品と、外部との意図しない電気的接触を避ける絶縁対策を行うために、例えばPET等の樹脂製シートを回路基板4側に貼り付けることが望ましい。
【0030】
<切り欠き>
図3は、実施の形態1に係る表示装置100の構成を背面からみた平面図であり、
図4は、
図3のA-A断面線に沿った断面図であり、
図5は、表示装置100のA-A断面線付近の構成を示す分解斜視図である。
【0031】
図3に示すように、本実施の形態1では、少なくとも1つの第1穴251が、表示装置100の表示面側とは反対側のリアフレーム25の表面に設けられている。第1穴251は、導光板23と、光学シート22及び反射板24とが対向する方向においてリアフレーム25を貫通する。第1穴251は、表示装置100の表示への影響がない部分、例えば、表示パネル1の表示領域よりも外側の部分に設けられることが望ましい。
【0032】
図5の分解斜視図に示すように、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれの端部は、ミドルフレーム21の内側側面に設けられた凹部8と嵌合可能な、側方に突出する凸部7を有している。そして、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれの凸部7には、切り欠き6が設けられている。
図6は、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれに設けられた切り欠き6を示す平面図である。本実施の形態1では、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれの切り欠き6は同じ形状を有しているが、多少異なる形状を有していてもよい。
【0033】
図4及び
図5に示すように、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれの切り欠き6は、リアフレーム25の第1穴251と位置が揃えられている。本実施の形態1では、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれの切り欠き6の中心の位置と、リアフレーム25の第1穴251の中心の位置とが揃えられているが、上記空間が維持され、かつ、当該空間が第1穴251と連通している限りにおいて多少ずれていてもよい。これにより、第1穴251に連通し、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれの切り欠き6から成る空間が、フレーム内部に設けられる。
【0034】
なお、切り欠き6は、表示装置100の表示への影響がない部分、例えば、凸部7のように表示パネル1の表示領域よりも外側の部分に設けられることが望ましい。また、導光板23、光学シート22、及び、反射板24のそれぞれには、切り欠き6の代わりに、リアフレーム25の第1穴251と同様の丸穴が設けられてもよい。
【0035】
<接着剤>
図4に示すように、この接着剤28は、リアフレーム25の第1穴251から、上記空間に注入及び充填されることによって、第1穴251と、当該空間とに埋設されている。このように構成された接着剤28は、導光板23、光学シート22、及び、反射板24を固定する。
【0036】
接着剤28は空気中の湿気を取り込み、時間経過とともに徐々に硬化していく。接着剤28としては、通常の接着剤以外にも、熱または紫外線で硬化する接着剤、二液混合型の接着剤を使用することができるため、接着剤28に使用すべき接着剤は、表示装置100に求められる特性に応じて適宜使い分ければよい。
【0037】
なお、注入された接着剤28が、表示装置100の部材間の意図しない隙間に入り込まないようにするために、接着剤28には、粘度が50000mPa・sec以上、300000mPa・sec以下である接着剤を用いることが望ましい。本実施の形態1では、
図5のようなミドルフレーム21の凹部8と嵌合可能な凸部7に切り欠き6を設けることによって、接着剤28が、表示装置100の部材間の意図しない隙間に入り込むことを抑制することが可能となっている。
【0038】
以上の構成により、ミドルフレーム21、光学シート22、導光板23、反射板24、及び、リアフレーム25が接着剤28で一体的に固着される。これにより、各部材の移動が接着剤28によって抑制される。したがって、表示装置100に振動が加わった場合でも、光学シート22、導光板23、及び、反射板24の平面方向に対する移動が抑制され、これらと、リアフレーム25及びミドルフレーム21などの他部材との衝突音、及び、これらが傷つくことが抑制される。
【0039】
<実施の形態1のまとめ>
以上のような本実施の形態1によれば、接着剤28が、リアフレーム25の第1穴251と、第1穴251に連通し、導光板23、光学シート22及び反射板24のそれぞれの切り欠き6から成る空間とに配設され、光学シート22及び反射板24を固定する。このような構成によれば、表示装置100に振動が加わった場合であっても、バックライト2の内部部材の外部部材に対する移動を抑制することができる。そして、このような構成を、両面テープの多用によってではなく、樹脂等の接着剤28の少なくとも一度の注入によって実現することができるため、コストを抑制することができる。なお、両面テープを適宜用いれば、内部部材の固定をより強固に固定することが可能となる。
【0040】
<変形例1>
図7は、本変形例1に係る表示装置100の一部の構成を示す断面図である。
図7では、導光板23に遠い光学シート22の端部が、導光板23の端部から突出する長さが、導光板23に近い光学シート22の端部が、導光板23の端部から突出する長さよりも大きくなっている。また、反射板24の端部は、導光板23の端部から突出している。このような構成によれば、光学シート22及び導光板23と、接着剤28との接触面積が増加するため、接着剤28による光学シート22及び導光板23の固定を強固にすることができる。なお、本変形例1は、後述する実施の形態2においても同様に適用可能である。
【0041】
<変形例2>
実施の形態1では、光学シート22、導光板23、及び、反射板24のすべてに切り欠き6を設けたが、これに限ったものではない。例えば、光学シート22に切り欠き6を設けずに、導光板23及び反射板24に切り欠き6を設け、導光板23及び反射板24を接着剤28で固定してもよい。また、表示パネル1の表示領域に影響しなければ、第1穴251の数は一つではなく、複数であってもよい。そして、複数の第1穴251に対応する複数の切り欠き6を設けることによって、フレーム内部において接着剤28が埋設される空間を増やしてもよい。なお、本変形例2は、後述する実施の形態2においても同様に適用可能である。
【0042】
<実施の形態2>
図8は、本発明の実施の形態2に係る表示装置100の構成を前面からみた平面図であり、
図9は、
図8のB-B断面線に沿った断面図である。以下、本実施の形態2に係る構成要素のうち、上述の構成要素と同じまたは類似する構成要素については同じ参照符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。
【0043】
実施の形態1では、リアフレーム25に少なくとも1つの第1穴251が設けられ、光学シート22、導光板23及び反射板24には第1穴251に連通する空間を成す切り欠き6が設けられ、接着剤28が第1穴251から当該空間に注入及び充填された。
【0044】
これに対して本実施の形態2では、
図9に示すように、第1穴251の代わりに、ミドルフレーム21の前面に少なくとも1つの第1穴211が設けられ、光学シート22、導光板23及び反射板24には第1穴211に連通する空間を成す切り欠き6が設けられている。また、
図8及び
図9に示すように、フロントフレーム3に、ミドルフレーム21の第1穴211に連通する第2穴31が設けられている。そして、
図9に示すように、接着剤28は、フロントフレーム3の第2穴31から、第1穴211及び上記空間に注入及び充填されることによって、第1穴211と、第2穴31と、当該空間とに埋設されている。このように構成された接着剤28は、導光板23、光学シート22、及び、反射板24を固定する。
【0045】
なお、接着剤28が透明である場合、第1穴211及び第2穴31内の接着剤28を介して、光源26の光が表示装置100の外に漏れ出る場合がある。この場合、
図8及び
図9のように、表示装置100の前面に第2穴31を設けた構成では、ユーザが表示装置100の表示を観察時に光漏れを視認する場合がある。これを抑制するためには、接着剤28に黒色の接着剤を用いたり、第2穴31を遮光性のあるテープ等で覆ったりすることが有効である。
【0046】
<実施の形態2のまとめ>
以上のような本実施の形態2によれば、接着剤28が、ミドルフレーム21の第1穴211と、フロントフレーム3の第2穴31と、導光板23、光学シート22及び反射板24のそれぞれの切り欠き6から成る空間とに配設され、リアフレーム25からフロントフレーム3までの内部部材を一括固定する。このような構成によれば、表示装置100に振動が加わった場合であっても、表示装置100の内部部材の外部部材に対する移動を抑制することができる。そして、このような構成を、両面テープの多用によってではなく、樹脂等の接着剤28の少なくとも一度の注入によって実現することができるため、コストを抑制することができる。なお、両面テープを適宜用いれば、内部部材の固定をより強固に固定することが可能となる。
【0047】
<変形例3>
図10は、本変形例3に係る表示装置100の一部の構成を示す断面図である。本変形例3では、少なくとも1つの第1穴251が、リアフレーム25の側面に設けられている。そして、フロントフレーム3に、リアフレーム25の第1穴251に連通する第2穴31が設けられている。そして、接着剤28は、フロントフレーム3の第2穴31から、上記空間に注入及び充填されることによって、第1穴251と、第2穴31と、当該空間とに埋設されている。このように構成された接着剤28は、導光板23、光学シート22、及び、反射板24を固定するので、実施の形態1及び2と同様の効果を得ることができる。
【0048】
なお、
図10の構成において、ミドルフレーム21に、リアフレーム25の第1穴251に連通する図示しない別の第1穴が設けられてもよい。
【0049】
<変形例4>
図11は、本変形例4に係る表示装置100の一部の構成を示す断面図である。本変形例4の構成は、実施の形態2の構成(
図9)において、表示パネル1が接着剤28に接触させた構成と同様である。つまり、本変形例4では、接着剤28は、導光板23、光学シート22及び反射板24だけでなく表示パネル1も固定する。このような構成によれば、ミドルフレーム21と表示パネル1とを固定するテープ等を省くことができる。なお、本変形例4は、上述した実施の形態1においても同様に適用可能である。
【0050】
<変形例5>
図12は、本変形例5に係る表示装置100の一部の構成を示す断面図である。本変形例5の構成は、実施の形態2の構成(
図9)において、フロントフレーム3の第2穴31を設けていない構成と同様である。なお、
図12の構成では、接着剤28の埋設後に、フロントフレーム3がバックライト2に取り付けられることによって製造される。このような構成によれば、接着剤28が透明であっても、第1穴211内の接着剤28を介して、光源26の光が表示装置100の外に漏れ出ることを抑制することができる。
【0051】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 表示パネル、2 バックライト、3 フロントフレーム、6 切り欠き、21 ミドルフレーム、22 光学シート、23 導光板、24 反射板、25 リアフレーム、28 接着剤、31 第2穴、100 表示装置、211,251 第1穴。