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特許6991496冷暖房システムおよび熱交換冷暖房システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】冷暖房システムおよび熱交換冷暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/16 20060101AFI20220104BHJP
   F24D 7/00 20220101ALI20220104BHJP
【FI】
F24D3/16 D
F24D7/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017019651
(22)【出願日】2017-02-06
(65)【公開番号】P2018128165
(43)【公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】509081539
【氏名又は名称】秋山 光則
(73)【特許権者】
【識別番号】517039494
【氏名又は名称】保 太生
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】秋山 光則
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-001356(JP,A)
【文献】特開2004-085108(JP,A)
【文献】特開2014-062672(JP,A)
【文献】特開2011-007476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/16
F24D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒体の循環によって加熱機構からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部と、前記熱交換部からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部とを循環部を介して接続してなる冷暖房システムにおいて、
前記熱交換部は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース中にエチレングリコール液にセラミックス粉体を混入した熱媒体を収納して構成し、しかも、前記熱交換部の前記熱媒体は前記循環部を介して前記放熱部の放熱パイプと往復循環するように構成し、前記循環部に配設された循環パイプの復路途中に設けた開閉可能な開閉バルブと、前記開閉バルブの開放時に前記熱媒体を冷却するための冷熱交換器と、前記冷熱交換器の前記熱媒体を冷却する冷却水の水温を検知するための水温センサーと、前記水温センサーの水温に応じて冷却水を地表面に散布するかどうかの判断を行う水温管理盤と、前記水温管理盤の判断に従い前記冷却水を地表面に散布可能な排出ポンプとを備えたことを特徴とする冷暖房システム。
【請求項2】
前記熱媒体貯留ケースはステンレスまたはアルミのいずれか一方を素材とした扁平方形状のケースとしたことを特徴とする請求項1に記載の冷暖房システム。
【請求項3】
前記循環部に配設された前記循環パイプの往路途中に前記熱媒体の熱膨張を逃がすための膨張空間タンクを分岐連結したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷暖房システム。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の冷暖房システムを備えた熱交換暖房システムであって
、前記放熱部の前記放熱パイプが配設された室内空間を構成する天井面、壁面、および床面の少なくともいずれかに断熱材を敷設したことを特徴とする熱交換暖房システム。
【請求項5】
前記断熱材を発泡スチロールにアルミ箔を貼付したもので構成したことを特徴とする請求項4に記載の熱交換暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内を輻射熱によって均一に暖房するための熱交換器および熱交換暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
熱エネルギーは温度の高いところから低いところへと流れる。この現象を熱移動と呼んでおり、熱移動を微視的に見た場合、その機構には明確に区別される2つの様式がある。一方は熱エネルギーの伝播により拡散される熱伝導であり、他方は電磁波により熱エネルギーが移動する放射(輻射)である。
【0003】
従来、室内を暖房する手段としてストーブや温風暖房機などが使用されており、
これらの暖房手段は熱伝導と対流熱を利用して室内空間を暖める。しかし、この方法では熱源である暖房機器の周辺の空気を暖め、その空気が室内を対流することで室内空間を暖めるため、熱源近傍と遠方とでは温度差が大きくなる。
【0004】
また、室内を暖房する別の手段として輻射熱を利用した方法があり、その代表的な暖房手段が床暖房である。先行技術文献1に記載されている床暖房装置では、基礎をなす基体の上に断熱材を介して下地板が配設され、その下地板と床材の間にヒートパイプが組み込まれた床暖房パネルが配置されている。ヒートパイプは床暖房パネル内に規則的な蛇行パターンを持って一様に組み込まれており、ヒートパイプ内には室外に設置された温水供給器から供給される温水が循環するようになっている。
【0005】
この暖房システムでは、ヒートパイプと床材に空間を設け、設けられた空間内のヒートパイプに接合する空気を暖めることで空気の対流を発生させ、対流伝熱により床材に熱を伝導し、暖まった床材が輻射熱を発生させる。先行文献1では、上記のように対流伝熱により暖められた床材から室内空間に対して熱放射を行うと共に
暖められた床材から室内の空気に対して熱伝導も行う。
【0006】
しかし、上記内容の室内暖房システムでは、対流伝熱を利用しているため床の温度に斑ができ室内を均一に暖めるための暖房手段にはなりにくく、斑のある床面から室内に対して熱伝導と熱放射により室内が暖められるが床面の温度斑と熱伝導による室内の熱斑により室内を均一に暖房するのに十分ではない。
【0007】
ところで、建物内を通過する熱移動の内、熱放射による割合は75%を占めると言われている。床面、天井面、壁面方向に対する熱放射による熱移動は、それぞれ93%、50~70%、65~80%となっており、熱伝導による熱移動は何れの方向に対しても5~7%程度と言われている。そのため、大部分の熱移動は熱放射によるものである。これを踏まえると、熱交換器を利用した暖房システムだけでは、効率的に室内を均一に暖房することが困難であり、室内空間にも暖められた室温を維持する為の断熱機構を備える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2000-193256
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、その目的は、熱交換部で取得した熱量の損失を可及的に低減して放熱箇所まで対流し、所定の箇所にて室内を暖めるのに十分な熱放射が可能となるようにした熱交換効率の良い熱交換器と室内壁面、天井面、床面から逃げる輻射熱を室内に留める断熱システムとを合わせることで効率的に室内空間を均一に暖房できる暖房システムを提供すると共に、室外からの熱移動を緩和し水冷熱交換部にて室温を冷却する冷房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様の1つは、熱媒体の循環によって加熱機構からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部と、熱交換部からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部とを循環部を介して接続してなる加熱システムにおいて、
熱交換部は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース中にエチレングリコール液にセラミックス粉体を混入した熱媒体を収納して構成し、しかも、熱交換部の熱媒体は循環部を介して放熱部の放熱パイプと往復循環するように構成したことを特徴とする熱交換器である。
【0011】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記熱交換器は、前記熱媒体貯留ケースはステンレスやアルミニウムを素材とした扁平方形状のケースとし、内部に熱媒体を循環可能に収納したことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記熱交換器は、前記熱媒体貯留ケースは円筒状のケースとし、内部に熱媒体を循環可能に収納したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記熱交換器は、循環パイプの往路途中に熱媒体の熱膨張を逃がすための膨張空間タンクを分岐連結したものである。
【0014】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記熱交換器は、前記循環部に配設された前記循環パイプの復路途中に設けた開閉可能な開閉バルブと、前記開閉バルブの開放時に前記熱媒体を冷却するための冷熱交換器と、前記冷熱交換器の前記熱媒体を冷却する冷却水の水温を検知するための水温センサーと、前記水温センサーの水温に応じて冷却水を地表面に散布するかどうかの判断を行う水温管理盤と、前記水温管理盤の判断に従い前記井戸水を地表面に散布可能な排出ポンプとを備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、熱媒体の循環によって加熱機構からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部と、熱交換部からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部とを循環部を介して接続してなる加熱システムにおいて、熱交換部は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース中にエチレングリコール液にセラミックス粉体を混入した熱媒体を収納して構成し、しかも、熱交換部の熱媒体は循環部を介して放熱部の放熱パイプと往復循環するように構成した熱交換器を備えた熱交換暖房システムであって、前記放熱部の前記放熱パイプが配設された室内空間において、断熱材を天井面、壁面、床面に敷設したことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記断熱素材を発泡スチロール又はアキレスボードにアルミ箔を敷設したもので構成したことを特徴とする請求項5に記載の熱交換暖房システムである。
【発明の効果】
【0017】
この態様に係る熱交換器は、熱媒体の循環によって加熱機構からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部と、熱交換部からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部とを循環部を介して接続してなる加熱システムにおいて、
熱交換部は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース中にエチレングリコール液にセラミックス粉体を混入した熱媒体を収納して構成し、しかも、熱交換部の熱媒体は循環部を介して放熱部の放熱パイプと往復循環するように構成したことにより、
熱媒体中のエチレングリコール液が低い比熱により加熱初期から迅速な温度上昇が行われやすく、その分熱媒体が流動しやすくなるため循環部を介した放熱部との熱循環が迅速で容易となり熱交換効率が飛躍的に向上する効果がある。
他方、熱伝導率の面からみれば熱媒体中のエチレングリコール液は熱伝導率が低く、周りの物体に対する熱伝導効率が小さいため、エチレングリコール液の放熱による温度低下分の熱量は放熱部における熱放射に変換され、室内空間を均一に暖めることができる。
また、熱媒体中に混入したセラミックス粉体は、比熱がエチレングリコール液同様に低いため温度上昇しやすく、しかもセラミックス粉体は熱伝導率が高いため、上昇した温度分の熱量を周りのエチレングリコール液に伝播することができる。
また、セラミックス粉体は、放射率がエチレングリコール液と似ており相互に吸収、放射を繰り返すことで加熱器具の外部へ放出される熱損失を可及的に防止することができる。
また、前記循環部に配設された前記循環パイプの復路途中に設けた開閉可能な開閉バルブと、前記開閉バルブの開放時に前記熱媒体を冷却するための冷熱交換器と、前記冷熱交換器の前記熱媒体を冷却する冷却水の水温を検知するための水温センサーと、前記水温センサーの水温に応じて冷却水を地表面に散布するかどうかの判断を行う水温管理盤と、前記水温管理盤の判断に従い前記井戸水を地表面に散布可能な排出ポンプとを備えたことを特徴とするため、一定の温度に保たれる地下に配設された水を利用することで冷水熱交換後に室内を循環する熱媒体の温度を一定に保つことができる。また、地下水の水温を検知するセンサーを設けることで、基準温度を超過した場合に排出ポンプを作動させ地表面に地下水を散布する。そのため、熱交換に利用される水温を一定に保つことができる。
また、地表面に散布された水は地中にしみこみ再度熱交換箇所に蓄積されるため水の循環利用ができる。さらに、開閉可能なバルブを設けることで、冷却機能が必要な場合と暖房機能が必要な場合で循環経路を変更し熱交換と冷熱交換で利用を使い分けることができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、熱媒体貯留ケースをステンレスまたはアルミニウムのいずれか一方を構成素材とした扁平方形状のケースとし、内部に熱媒体を循環可能に収納したことにより、暖められた熱媒体から放射される電磁波がステンレスまたはアルミニウムのいずれか一方により反射され熱媒体貯留ケース内に留められる。そのため、熱放射による熱の損失が発生しにくくなり、また、扁平方形状とすることで加熱機構からの熱を可及的に熱媒体貯留ケースに伝達することができる。
【0020】
請求項に係る発明によれば、循環ポンプと熱媒体貯留ケースの間に膨張空間タンクを配設することにより、加熱機構により熱せられた熱媒体から生じる熱膨張による循環パイプ内の圧力上昇を緩和することができ、循環ポンプ、循環パイプへのダメージを軽減することができる。
【0022】
請求項に係る発明によれば、熱媒体の循環によって加熱機構からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部と、熱交換部からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部とを循環部を介して接続してなる加熱システムにおいて、熱交換部は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース中にエチレングリコール液にセラミックス粉体を混入した熱媒体を収納して構成し、しかも、熱交換部の熱媒体は循環部を介して放熱部の放熱パイプと往復循環するように構成した熱交換器を備えた熱交換暖房システムであって、前記放熱部の前記放熱パイプが配設された室内空間において、断熱材を天井面、壁面、床面に敷設したことを特徴とするため、天井面、壁面、床面からの熱伝導と熱放射による室内空間からの熱損失を可及的に低減することができる。
【0023】
請求項に係る発明によれば、前記断熱素材を発泡スチロールにアルミ箔を敷設した断熱材とすることで、アルミ箔による反射作用により熱放射の遠赤外線を外部に放出することなく室内空間内に留めておくことが可能となり、室内空間の温度低下を可及的に低減できる。さらに、空気の層を多分に含む発泡スチロールを有することで、熱伝導による熱量の損失を低減することが可能となり効率的な熱交換暖房システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態の暖房システムを模式的に示した図である。
図2】本実施形態の熱媒体貯留ケースの形状を示した図である。
図3】本実施形態の熱媒体貯留ケースの断面図と加熱機構を示した図である。
図4】本実施形態の暖房システムに冷房システムを付加した冷暖房システムを模式的に示した図である。
図5】本実施形態の放熱部の断熱機構を示した図である
図6】本実施形態の放熱部の別の断熱機構を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本実施形態に係る熱交換器は、熱媒体の循環によって加熱機構からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部と、熱交換部からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部とを循環部を介して接続してなる加熱システムにおいて、熱交換部は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース中にエチレングリコール液にセラミックス粉体を混入した熱媒体を収納して構成し、しかも、熱交換部の熱媒体は循環部を介して放熱部の放熱パイプと往復循環するように構成した熱交換器である。
また、熱媒体貯留ケースはステンレスやアルミニウムを素材とした扁平方形状のケースとし、内部に熱媒体を循環可能に収納した熱交換器である。
また、熱媒体貯留ケースは円筒状のケースとし、内部に熱媒体を循環可能に収納した熱交換器である。
また、循環パイプの往路途中に熱媒体の熱膨張を逃がすための膨張空間タンクを分岐連結した熱交換器である。
また、放熱部の天井面、壁面、床面に発泡スチロールにアルミ箔を敷設した断熱材を備えた熱交換暖房システムである。
また、熱媒体の循環によって冷却機構にて熱放出するための水冷熱交換部と、水冷熱交換部で放出した熱エネルギーを所定の場所で熱吸収するための吸熱部とを循環部を介して接続してなる冷却システムにおいて、前記循環部に配設された前記循環パイプの復路途中に設けた開閉可能な開閉バルブと、前記開閉バルブの開放時に前記熱媒体を冷却するための冷熱交換器と、前記冷熱交換器の前記熱媒体を冷却する冷却水の水温を検知するための水温センサーと、前記水温センサーの水温に応じて冷却水を地表面に散布するかどうかの判断を行う水温管理盤と、前記水温管理盤の判断に従い前記井戸水を地表面に散布可能な排出ポンプとをさらに備えた熱交換器である。
【0026】
このように構成された熱交換冷暖房システムは、熱媒体貯留ケース内における熱損失を可及的に低減できる。特に、熱媒体は熱伝導率が低く、熱伝導による熱損失が発生しにくい材料であるために、循環後の熱媒体の温度低下は熱放射による輻射熱作用となり、同様に室内空間を暖める作用も熱放射による輻射熱作用となるために室内空間を均一に暖めることができる機能を果たすことができる。さらに、夏季には開閉バルブを開放し冷却水のある水冷熱交換部を介することで熱媒体を冷却し、併せて熱交換部の機能を停止して循環経路として利用することで冷房システムとして機能することができる。
【0027】
以下、図面を参照しつつ本実施形態に係る加熱システム100と熱交換暖房システム200について具体的に説明する。
図1は、本実施形態の加熱システム100を模式的に示した図である。また、図2は本実施形態の熱媒体貯留ケース11の形状を示した図である。また、図3は本実施形態の熱媒体貯留ケース11の断面図と熱交換部10の加熱機構20を示した図である。また、図4は本実施形態の加熱システム100に冷房機能を付加した冷暖房システム300を模式的に示した図である。また、図5は本実施形態の放熱部50の断熱機構を示した図であり、図6は本実施形態の放熱部50の別の断熱機構を示した図である。
図1に示すように本発明の実施例の加熱システム100は次のように構成されている。
すなわち、本発明の加熱システム100は、熱媒体14の循環によって加熱機構20からの熱エネルギーと熱交換するための熱交換部10と、熱交換部10からの熱エネルギーを所定の場所で熱放射するための放熱部50とを循環部60を介して接続している。
熱交換部10は多層に積層して構成した熱媒体貯留ケース11中にエチレングリコール液12にセラミックス粉体13を混入した熱媒体14を収納して構成し、しかも、熱交換部10の熱媒体14は循環部60を介して放熱部50の放熱パイプ52と往復循環するように構成している。
また、熱媒体貯留ケース11はステンレスやアルミニウムを素材とした扁平方形状のケース又は円筒状のケースとし、内部に熱媒体を循環可能に収納している。
また、循環パイプの往路途中には、熱媒体の熱膨張を逃がすための膨張空間タンク30を分岐連結している。
また、図4に示すように本発明の冷暖房システム300は、熱媒体14の循環時に冷却機構にて熱交換するための水冷熱交換部80と、水冷熱交換部80にて放出された熱エネルギーを所定の場所で熱吸収するための放熱部50とを循環部60を介して接続している。
水冷熱交換部80は循環部60に配設された第2循環パイプ53の復路途中に設けた開閉可能な第1開閉バルブ83と第2開閉バルブ88と第3開閉バルブ89と、前記第1開閉バルブ83と前記第2開閉バルブ88を開放し、前記第3開閉バルブ89の閉塞時に前記熱媒体14を冷却するための水温センサー84と、前記水温センサー84の水温に応じて冷却水85を地表面に散布するかどうかを判断する水温管理盤86と、水温管理盤86の判断に従い冷却水85を地表面に散布可能な排出ポンプ87とで構成している。
また、図5に示すように放熱部50の天井面、壁面、床面には発泡スチロールにアルミ箔を敷設した断熱材を備えている。
以下、本件発明の各構成部材について説明する。
【0028】
熱媒体貯留ケース11は、外部からの熱伝導により暖められるため、外部からの熱を可及的に吸収できるように外部との接触面積を拡大し、内部の熱媒体14の温度を効率よく上昇させるのに適した形状を有することが好ましく、例えば、図2(a)、図2(b)に図示しているように扁平方形状もしくは、円筒形状で中心部がくり抜かれたドーナツ形状であることが好ましい。さらに、熱媒体貯留ケース11は、熱媒体貯留ケース11内にて暖められた熱媒体14より発生した遠赤外線を反射する材質で構成されていることが好ましく、例えば、ステンレスやアルミニウムで構成されていることが好ましい。
【0029】
また、熱媒体貯留ケース11内には、セラミックス粉体13を混入したエチレングリコール液12を封入している。エチレングリコール液12は、比熱が小さく温度上昇しやすい特性を有する。そのため、暖められた直後からエチレングリコール液12の流動性が高まり、熱媒体貯留ケース11内において対流が生じ、熱媒体14の効率的な温度上昇ができる。また、エチレングリコール液12は熱伝導率が低いため、熱伝導による熱損失が少ない。すなわち、循環部60と放熱部50を通過する際の熱媒体14の温度低下が熱伝導によるものではなく、熱放射による作用で生じていることを示している。このことから、室内空間を熱放射により暖房し、室内空間を均一に暖めることができる。
【0030】
セラミックス粉体13は、比熱が大きいため保有熱量が多く熱放射される箇所まで温度低下しにくい。さらに、セラミックス粉体13は熱伝導率が高いため、上昇した温度分の熱量を周りのエチレングリコール液12に伝播することができる。また、セラミックス粉体13は、放射波長の割合がエチレングリコール液12と似ており、エチレングリコール液12とセラミックス粉体13の間で相互に吸収、放射を繰り返すことで外部へ放出される熱損失を可及的に低減している。
さらに、セラミックス粉体13が、循環ポンプ40により循環させられることで循環経路内にあるスケールと接触し、配管内部やボイラー内部のスケール防止効果を有する。
また、セラミックス粉体13は、黒体に近い放射率を有するため、加熱して温度上昇させることで放射される遠赤外線量が他物質よりも多く、室内の遠赤外線量を増加させる効果を有する。セラミックス粉体13は、上記のような特徴を有した材料であることが好ましく、例えば、炭化ケイ素やジルコニアで構成していることが好ましい。
また、エチレングリコール液12は熱交換部での温度上昇に伴い一部が熱分解され水が生成される。そのため、加熱時に発生した水分が配管内部の継ぎ目から徐々に蒸発発散し熱媒体14から水分が減少する。これにより、エチレングリコール液12が常温へと温度下降する際に流動性を失いゲル状態となり循環機能が低下する。しかし、エチレングリコール液12にセラミックス粉体13を混入することで、エチレングリコール液12の熱分解を阻害しエチレングリコール液12のゲル化を可及的に低減する。
また、原液のエチレングリコール液12は、セラミックス粉体13を混入することで熱分解作用を抑制し、液体の損失変化が抑制出来る。これにより、毎年3%程度のガス化による損失を補填する以外のメンテナンスを必要としないメンテナンスフリーの熱交換暖房システムが実現できる。
【0031】
加熱機構20は、熱媒体貯留ケース11を熱伝導により加熱する機構であり、本実施形態では都市ガスの燃焼熱を利用した加熱機構としているが、加熱媒体は電熱によるもの、重油燃焼によるもの、その他の熱源は問わない。
【0032】
循環部60は、膨張空間タンク30と、循環ポンプ40と、第1循環パイプ51と第2循環パイプ53と、サプライヘッダー61とリターンヘッダー62とにより構成されている。
【0033】
膨張空間タンク30は、熱交換部10において加熱機構20により暖められた熱媒体14による熱膨張を緩和吸収するための機構である。膨張空間タンク30を有することで、熱媒体14の熱膨張に伴う圧力上昇により循環ポンプ40と第1循環パイプ51に与えられるダメージを防止し、最も負荷の高い使用開始時に加熱システムが故障するのを防止する構成となっている。さらに、エチレングリコール液12の熱分解により生じるガスが循環往復路内に留まることを防止しエア噛みが発生しない構成となっている。
【0034】
また、循環ポンプ40は熱交換部10と放熱部50との往復路を熱媒体14が循環するために利用されるポンプである。循環ポンプ40を有することで、加熱システム100内を循環する熱媒体14の流速を一定に保つことができる。熱媒体14の流速を一定に保つことで、熱交換部10の加熱機構20から熱媒体14への与熱量を一定に保つことができる。そのため、熱媒体貯留ケース11から排出される際の熱媒体14の温度が熱放射に適した温度を有し、放熱パイプ52を通過する際に放出される放射伝熱量を一定に保つことができる。すなわち、室内空間の温度分布を均一に保つことができる。
【0035】
サプライヘッダー61は、加熱機構20にて暖められた熱媒体14を放熱部50内に配設された複数の放熱パイプ52に分配するための分配機構を有する。そのため、サプライヘッダー61は必要な箇所に対して熱媒体14を循環させることができるという選択性を有しており、不要な箇所での熱放射による温度低下を防止することができる。
【0036】
また、リターンヘッダー62は放熱部50にて複数の放熱パイプ52に分配した熱媒体14を1本のパイプに集約するための集約機構を有する。リターンヘッダー62にて熱媒体14を集約することで、伝熱が不要な箇所での温度低下を防止することができ、熱交換部10での過熱を必要最小限とすることができる。
【0037】
第1循環パイプ51は、熱交換部10から循環ポンプ40を経由してサプライヘッダー61に到達するまでの循環経路である。第1循環パイプ51は、放熱部50に到達するまで降温しにくい材質と流路径を有することが好ましく、例えば、ポリブデン管のように熱伝導率が低く、管内径が21.2mm以上であることが好ましい。
【0038】
また、第2循環パイプ53は、リターンヘッダー62から熱交換部10に到達するまでの循環経路である。第2循環パイプ53は、第1循環パイプ51と同様に降温しにくい材質と流路径であることが好ましく、例えば、ポリブデン管のように熱伝導率が低く、管内径が21.2mm以上であることが好ましい。
【0039】
放熱部50は、複数の放熱パイプ52で構成されている。放熱パイプ52は、室内全体を均一に暖房するために細管を使用することが好ましく、本実施形態では例えば、管内径が9.8mmの細管を採用している。そのため、床面配設時の曲げ半径を小さくすることができ、放熱パイプ52を床面全体に隙間無く敷き詰めることができる。さらに、床面全体に隙間無く敷き詰めることで、室内空間を暖めるのに十分な放射面積を備えることができる。
【0040】
かかる構成とすることで、熱交換部で取得した熱量の損失を可及的に低減して放熱箇所まで対流し、所定の箇所にて室内を暖めるのに十分な熱放射が可能となるようにした熱交換効率の良い熱交換器を提供し、室内空間を遠赤外線放射による熱放射にて均一に暖める暖房システムを提供することができる。
尚、熱交換部10では、暖められたエチレングリコール液12とセラミックス粉体13より放射される近赤外領域の電磁波を熱媒体貯留ケース11内で反射・屈折することで遠赤外線に波長変換することができ、従来の熱交換器と比較して多量の遠赤外線を放射することが出来る。
【0041】
かかる加熱システム100の構成を図4に図示しているように、加熱システム100を構成する放熱部50と熱交換部10の間の循環部60における第2循環パイプ53に水冷熱交換部80を備えることで開閉バルブにて冷暖房の経路選択をし、冷暖房システム300とすることもできる。
水冷熱交換部80は、分岐サプライヘッダー81と分岐リターンヘッダー82と第1開閉バルブ83と水温センサー84と冷熱交換タンク85と水温管理盤86と排出ポンプ87と第2開閉バルブ88と第3開閉バルブ89とで構成している。
【0042】
分岐サプライヘッダー81と分岐リターンヘッダー82では熱媒体14を冷却した際に流動性が低下し特定の箇所での圧力上昇を緩和する役割を担い、配管の損傷や循環ポンプの故障を可及的に低減できる。
【0043】
第1開閉バルブ83と第2開閉バルブ88と第3開閉バルブ89は、開放状態と閉塞状態の2つの状態を選択できるようになっており、それぞれのバルブの開放状態により地下を経由するか経由しないかを選択することができる。夏季は、第1開閉バルブ83と第2開閉バルブ88を開放し、第3開閉バルブ89を閉塞することで熱媒体14を地下水にて冷却し冷媒体として室温を吸熱し室内の温度を下げる。また、第1開閉バルブ83と第2開閉バルブ88を閉塞し、第3開閉バルブ89を開放することで地下を経由することなく熱交換器を介して熱媒体14を加熱することができ、加熱システム100として利用することができる。
【0044】
冷熱交換タンク85は、熱媒体14が循環するための第3循環パイプ54と第4循環パイプ55と循環する熱媒体14を冷却するための冷却水を備えた冷却水を貯留するためのタンクである。
【0045】
排出ポンプ87は、冷熱交換タンク85に設置された水温センサー84と連動して作動する。排出ポンプ87の作動可否の判断は水温管理盤86にて管理しており、水温センサー84が基準水温を上回ったと判断した際に排出ポンプ87が作動し、地表面に温度が上昇した水を散布する。
【0046】
加熱システム100を利用した熱交換暖房システム200は、床面Fと壁面Wと天井面Cとで構成された室内空間Rを有しており、図5に一例として熱交換暖房システム200を適用した室内空間Rの断面を図示している。
【0047】
床面Fは、土台コンクリート220と発泡断熱材223と床断熱材73とモルタル224と該モルタル224内に収納された放熱パイプ52と床材210が屋外から順次積層されている。
発泡断熱材223は、約100mmの厚さで土台コンクリート220の上部に載置されており、完全密閉状態の気泡部分を含有しているため、外部からの熱伝導を可及的に遮断し、室内の温度変化を生じにくくしている。
床断熱材73は、発泡断熱材223の上部に載置されている。床断熱材73は発泡スチロールにアルミ箔を貼設して構成されており、室内空間R側にアルミ箔を配設し、室外側に発泡スチロールを配設している。このように構成することで、室内空間R からの輻射熱を室外に放出することなく室内に留め、外部との熱伝導を発泡スチロールが含有する空気により遮断することで室内と室外での熱の授受を低減できる。
モルタル22は、床断熱材73の上部に載置している。モルタル22は、放熱パイプ52を収納して揺動しないように固定し、モルタル22上部に配設した床材210との位置関係が変動しないように構成している。
【0048】
壁面Wは、壁体コンクリート221と壁根太板231と空気層233と壁面断熱材72と壁板211とで構成している。
壁根太板231は、壁体コンクリート221と壁面断熱材72の間に配設され、ある一定の高さを有することで両者の間に空気層233を形成している。空気層233を設けることで、壁体コンクリート221が含有している熱量を壁面断熱材72に伝達するのを阻害する。
壁面断熱材72は、壁体コンクリート221の内側に設けられた壁根太板231の内側に配設されている。壁面断熱材72は発泡スチロールにアルミ箔を貼設して構成されており、室内空間R側にアルミ箔を配設し、室外側に発泡スチロールを配設している。これにより、室内空間Rからの輻射熱を室外に放出することなく留め、外部との熱伝導を発泡スチロールが含有する空気により遮断することで室内と外部との熱の授受を低減できる。壁面断熱材72の内側には、壁板211が配設されている。
【0049】
天井面Cは、天井コンクリート222と空気層230と天井根太板232と天井断熱材71と天井板212との順番で屋外より順次配設されている。
天井コンクリート222と天井根太板232または天井断熱材71との間には空気層230を形成しており、外部から室内への熱の授受を低減できる。
天井断熱材71は、天井根太板232の下部に配設している。天井断熱材71は発泡スチロールにアルミ箔を貼設して構成されており、室内空間R側にアルミ箔を配設し、室外側に発泡スチロールを配設している。これにより、室内空間Rからの輻射熱を室外に放出することなく室内空間Rに留め、外部との熱伝導を発泡スチロールが含有する空気により遮断して室内空間Rと外部との熱の授受を低減できる。また、天井断熱材71の内側に、天井板212が配設されている。
【0050】
かかるように構成することで、室内と室外との熱の授受を可及的に低減し、室温変化が生じにくい空間を提供できると共に、加熱システム100を利用することで所定の室温が維持できる熱交換暖房システム200を提供することができる。
【0051】
さらに、室内の熱損失を低減する方法として、断熱材と断熱材の間に空気の層を設けても良い。すなわち、図6に示すように壁板211の上部と天井面212に敷設した断熱材を多層に積層し、空気の熱伝導率の低さを利用して更なる熱損失の低減が実現できる。
【0052】
加熱システム100を利用した熱交換暖房システム200´は、床面F´と壁面W´と天井面C´とで構成された室内空間R´を有している。図6に熱交換暖房システム200の別の例として熱交換暖房システム200´を適用した室内空間R´の断面を図示している。
【0053】
床面F´は、図5に図示した室内空間Rと同様に土台コンクリート220と発泡断熱材223と床断熱材73とモルタル224と該モルタル224内に収納された放熱パイプ52と床材210が屋外から順次積層されている。
【0054】
壁面W´は、壁面上部側W1と壁面下部側W2にて構成されており、壁面下部側W2は壁体コンクリート221と壁根太板231と壁面断熱材72とモルタル238と放熱パイプ52と壁板211とで構成している。また、壁面上部側W1は壁体コンクリート221と壁根太板231と壁面断熱材72と壁板211とで構成している。
壁面下部側W2において壁根太板231は、壁体コンクリート221と壁面断熱材72の間に配設され、ある一定の高さを有することで両者の間に空気層234を形成している。空気層234を設けることで、壁体コンクリート221が含有している熱量を壁面断熱材72に直接伝達するのを防止する。
壁面下部側W2において壁面断熱材72は、壁体コンクリート221の内側に設けられた壁根太板231の内側に配設されている。壁面断熱材72は発泡スチロールにアルミ箔を貼設して構成されており、室内空間R´側にアルミ箔を配設し、室外側に発泡スチロールを配設している。これにより、室内空間R´からの輻射熱を室外に放出することなく留め、外部との熱伝導を発泡スチロールが含有する空気により遮断することで室内と外部との熱の授受を低減できる。
壁面下部側W2においてモルタル238は壁面断熱材72の内側に配設している。モルタル238は放熱パイプ52を揺動しないように収納し、モルタル238の室内空間R´側に設けた壁板211との位置関係が変動しないように構成している。
壁面上部側W1において壁根太板231は、壁体コンクリート221と壁面断熱材72の間に配設され、ある一定の高さを有することで両者の間に空気層235を形成している。空気層235を設けることで、壁面断熱材72に直接壁体コンクリート221が含有した熱量が直接伝達するのを阻害する。
壁面上部側W1において壁面断熱材72は、壁体コンクリート221の内側に設けられた壁根太板231の内側に配設されている。壁面断熱材72は発泡スチロールにアルミ箔を貼設して構成されており、室内空間R´側にアルミ箔を配設し、室外側に発泡スチロールを配設している。これにより、室内空間R´からの輻射熱を室外に放出することなく留め、外部との熱伝導を発泡スチロールが含有する空気により遮断することで室内と外部との熱の授受を低減できる。
さらに、壁面上部側W1において天井面付近は熱の対流作用により室内の高温域の空気が集中しやすく、室内空間R´から外部へ熱が逃げやすい状態であり、壁面断熱材72の内側にさらに壁根太板231と壁面断熱材72を設けることで壁面断熱材72同士の間に形成された空気層235により、外部への熱損失が可及的に低減できる。
【0055】
天井面C´は、天井コンクリート222と空気層230と天井根太板232と3層に形成された天井断熱材71と天井断熱材71同士の間に形成された空気層236及び空気層237と天井板212との順番で屋外より順次配設される。
天井コンクリート222と天井面根太板232または天井断熱材71との間に空気層230を形成しており、外部から室内への熱の授受を低減できる。
さらに、空気層230の下部には、天井断熱材71と天井根太板232を1セットとして3層を配置している。それぞれの天井断熱材71同士の間に空気層236及び空気層237が形成され室内からの熱損失を可及的に低減することができる。
天井断熱材71は発泡スチロールにアルミ箔を貼設して構成されており、室内空間R´側にアルミ箔を配設し、室外側に発泡スチロールを配設している。これにより、室内空間Rからの輻射熱を室外に放出することなく室内空間Rに留め、外部との熱伝導を発泡スチロールが含有する空気により遮断することで室内と外部との熱の授受を低減できる。また、天井断熱材71の室内空間R´側に、天井板212が配設されている。
【0056】
かかるように構成することで、室内と室外との熱の授受を可及的に低減し、室温変化が生じにくい空間を提供できると共に、加熱システム100を利用することで適切な熱交換暖房システム200´を提供することができる。
【0057】
また、上記の熱交換暖房システム200及び熱交換暖房システム200´に加熱機構100の代替として冷却機能を付加した冷暖房システム300を利用することで熱交換冷却システム400及び熱交換冷却システム400´とすることもできる。
【0058】
かかる構成とすることで、熱放射にて均一に暖められた空間の熱損失を可及的に低減し、所定の室温を維持することが可能となる。この熱交換暖房システム200及び熱交換暖房システム200´と加熱システム100を組み合わせることで大幅なランニングコストの低減を実現すると共に室内空間を均一に暖める暖房環境を提供することができる。さらに、熱交換冷却システム400及び熱交換冷却システム400´と冷暖房システム300を組み合わせることで、夏場の室温を可及的に低減し一定の温度に保つと共に大幅なランニングコストの低減を実現することができる。
【0059】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
100:加熱システム
10:熱交換部
11:熱媒体貯留ケース
12:エチレングリコール液
13:セラミックス粉体
14:熱媒体
20:加熱機構
30:膨張空間タンク
40:循環ポンプ
50:放熱部
51:第1循環パイプ
52:放熱パイプ
53:第2循環パイプ
54:第3循環パイプ
55:第4循環パイプ
60:循環部
61:サプライヘッダー
62:リターンヘッダー
63:第3開閉バルブ
70:断熱機構
71:天井断熱材
72:壁面断熱材
73:床面断熱材
80:水冷熱交換部
81:分岐サプライヘッダー
82:分岐リターンヘッダー
83:第1開閉バルブ
84:水温センサー
85:冷熱交換タンク
86:水温管理盤
87:循環ポンプ
88:第2開閉バルブ
89:第3開閉バルブ
90:冷熱交換器
91:冷却サプライヘッダー
92:冷却リターンヘッダー
200:熱交換暖房システム
210:床板
211:壁板
212:天井板
220:土台コンクリート
221:壁体コンクリート
222:天井コンクリート
223:発泡断熱材
224:モルタル
230:空気層
231:壁根太板
232:天井根太板
233:空気層
234:空気層
235:空気層
236:空気層
237:空気層
300:冷暖房システム
400:熱交換冷却システム
C:天井面
C´:天井面
F:床面
F´:床面
R:室内空間
R´:室内空間
W:壁面
W1:壁面上部
W2:壁面下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6