(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】グレーチング
(51)【国際特許分類】
E03F 5/06 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
E03F5/06 Z
(21)【出願番号】P 2017118293
(22)【出願日】2017-06-16
【審査請求日】2020-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】592129143
【氏名又は名称】株式会社奥岡製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108280
【氏名又は名称】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】奥岡 稔浩
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-107876(JP,A)
【文献】登録実用新案第3185244(JP,U)
【文献】特開2009-191533(JP,A)
【文献】特開2010-031629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 5/06
E03F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝の左右両側の上端縁に掛ける一対のエンドアングルと、これら両エンドアングルの間を架設するように設けられた複数のメインバーとを備えたグレーチングであって、
前記メインバーには、当該グレーチングの幅方向に突出可能かつ前記側溝の側縁に対して当接可能な幅長可変部材と、この幅長可変部材を所定の位置で固定する固定部材とが設けられて
おり、
前記メインバーの下面側には、左右のエンドアングルを架設する組付板部が厚さ方向を上下とした状態で設けられ、この組付板部にはボルトを挿通可能なボルト挿通孔が開放されており、前記固定部材は、前記ボルト挿通孔を上下方向に貫通するボルトと、前記組付板部の下面側で当該ボルトを回し付け可能な雌ねじを備えたボルト組付孔を設けた固定板とを備えており、前記幅長可変部材には、前記ボルトを挿通させた状態で当該幅長可変部材を左右方向にスライド可能に支持するスライド溝が設けられているグレーチング。
【請求項2】
前記幅長可変部材の側縁からは、前記組付板部の幅方向から突出すると共に、前記グレーチングの上方空間から前記幅長可変部材を前記スライド溝に沿ってスライド移動可能なスライド操作部が設けられている請求項
1に記載のグレーチング。
【請求項3】
前記幅長可変部材は、前記組付板部に対して、表面または裏面のいずれを上方としても、固定可能とされている請求項
1または2に記載のグレーチング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝などを覆うグレーチングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、道路の側溝などの上面側は、グレーチングによって覆われている。グレーチングは、規格品が市販されているだけであり、任意のサイズを入手することは困難である。新設した側溝の場合には、溝幅が規格に一致していることが多いので規格品のグレーチングを用いることができるが、古くから存在している側溝の場合には、側溝の側壁上面の角部分が削れ落ちており、溝幅が大きくなってしまい、適合するサイズのグレーチングが存在しないことがあるという問題があった。
この問題を解決するために、グレーチングのエンドアングルの一方側に幅寸法を変更可能なアタッチメントを付加することで対応する構造が提供されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に開示されたアタッチメントは、複数種類のグレーチングに付加できるものの、作業に手間が掛かることから、更なる工夫が求められていた。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、溝幅の変化に対して、可変に対応することで溝を閉止できるグレーチングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための発明に係るグレーチングは、側溝の左右両側の上端縁に掛ける一対のエンドアングルと、これら両エンドアングルの間を架設するように設けられた複数のメインバーとを備えたものであって、前記メインバーには、当該グレーチングの幅方向に突出可能かつ前記側溝の側縁に対して当接可能な幅長可変部材と、この幅長可変部材を所定の位置で固定する固定部材とが設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、幅長可変部材を側方に突出させて、側溝の側縁に当接したところで、固定部材によって位置決めを行う。このように、溝幅に多少の誤差があったとしても、これを吸収可能なグレーチングとなる。
【0006】
上記発明において、前記メインバーの下面側には、左右のエンドアングルを架設する組付板部が厚さ方向を上下とした状態で設けられ、この組付板部にはボルトを挿通可能なボルト挿通孔が開放されており、前記固定部材は、前記ボルト挿通孔を上下方向に貫通するボルトと、前記組付板部の下面側で当該ボルトを回し付け可能な雌ねじを備えたボルト組付孔を設けた固定板とを備えており、前記幅長可変部材には、前記ボルトを挿通させた状態で当該幅長可変部材を左右方向にスライド可能に支持するスライド溝が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、予め組付板部の下面側に幅長可変部材をあてがい、ボルト挿通孔とスライド溝の位置合わせを行った状態で、ボルトをボルト挿通孔に通し、幅長可変部材の下面側に置いた固定板のボルト組付孔に軽く回し付けることで、幅長可変部材の仮止めをしておく(仮組状態)。次いで、グレーチングを側溝の上に被せ付け、幅長可変部材が適当に側縁に当接する位置でボルトを完全に回し付け、本組状態とすることで、がたつき無くグレーチングを側溝に設置できる。ボルト組付孔は、固定板と一体に形成されているので、ナットを別体として構成する場合に比べると、ボルトを回し付けるときに、ナットが落ちてしまう事態が避けられる。
また、上記発明において、ナットを別体として設けることもできる。そのようにすれば、ボルトは固定板とナットとによって固定されるので、ボルトのゆるみ止め効果が向上する。
【0007】
上記構成において、前記幅長可変部材の側縁からは、前記組付板部の幅方向から突出すると共に、前記グレーチングの上方空間から前記幅長可変部材を前記スライド溝に沿ってスライド移動可能なスライド操作部が設けられていることが好ましい。この構成によれば、グレーチングを側溝の上に被せ付けた後に、スライド操作部を用いて、幅長可変部材の位置を決められるので、操作性が良好となる。
上記発明において、前記幅長可変部材は、左右のエンドアングルの両側に設けられていることが好ましい。このようにすれば、片側のみに幅長可変部材を設けた場合に比べ、グレーチングの位置を側溝の中央付近に載置できるので、安定性が、より良好となる。
上記発明において、前記幅長可変部材は、前記エンドアングルの前端及び後端の両側に設けられていることが好ましい。このようにすれば、エンドアングルの前方及び後方の両側でグレーチングの位置決めを行える。
上記発明において、前記幅長可変部材は、前記組付板部に対して、表面または裏面のいずれを上方としても、固定可能とされていることが好ましい。このようにすれば、一つの幅長可変部材によって、様々な側溝の側縁に対応できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、幅溝の多少の変化に対しても、可変に対応することで溝を閉止可能なグレーチングを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態におけるグレーチングの平面図である。
【
図2】グレーチングにおいて、幅長可変部材が設けられている部分の拡大平面図である。
【
図3】グレーチングにおいて、幅長可変部材が設けられている部分の側面を示す拡大図である。
【
図5】幅長可変部材の正面図(A)、平面図(B)及び側面図(C)である。
【
図6】固定用プレートの平面図(A)及び正面図(B)である。
【
図7】グレーチングの幅長可変部材の動きを示す一部破断正面図である。(A)幅長可変部材を閉止したときの様子を、(B)幅長可変部材を開放したときの様子をそれぞれ示す。
【
図8】グレーチングで側溝を塞ぐ様子を示す一部破断正面図である。
【
図9】グレーチングで側溝を塞ぐ様子を示す一部破断正面図である。
【
図10】幅長可変部材の上下を変えて取り付けたときのグレーチングの一部破断正面図である。
【
図11】第2実施形態のグレーチングにおいて、幅長可変部材が設けられている部分の拡大平面図である。
【
図12】グレーチングの一部破断正面図である。片側の幅長可変部材と反対側の幅長可変部材の上下面を逆として示してある。
【
図13】第3実施形態のグレーチングにおいて、幅長可変部材が設けられている部分の拡大正面図である。(A)幅長可変部材が側縁に突き当たる前の状態、(B)幅長可変部材が側縁に突き当たり得る状態をそれぞれ示す。
【
図14】第4実施形態のグレーチングにおいて、幅長可変部材が設けられている部分の拡大正面図である。(A)幅長可変部材が側縁に突き当たる前の状態、(B)幅長可変部材が側縁に突き当たり得る状態をそれぞれ示す。
【
図15】第5実施形態のグレーチングの正面図である。(A)幅長可変部材が側縁に突き当たる前の状態、(B)幅長可変部材が側縁に突き当たり得る状態をそれぞれ示す。
【
図16】第6実施形態のグレーチングにおいて、幅長可変部材が設けられている部分の拡大正面図である。(A)幅長可変部材が側縁に突き当たる前の状態、(B)幅長可変部材が側縁に突き当たり得る状態をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲まで及ぶ。
<第1実施形態>
図1~
図6を参照しつつ、グレーチング1の構成について説明する。
図2においては、後述の組付板部5が明確となるように、クロス状のパターンを付けて示してあるが、実際にはこのパターンは設けられていない(
図11においても同じ)。
グレーチング1は、道路などの側溝の上部開口を閉止するためのものであり、全体に鉄材で製造されている。
図1に示すように、グレーチング1には、側溝Wの左右両側の上端縁に掛ける一対のエンドアングル3と、これら両エンドアングル3の間を架設するように設けられたメインバー2と、複数のメインバー2の中央をグレーチング1の長さ方向に設けられたセンターバー4が備えられている。エンドアングル3は、
図4に示すように、細長い鉄製の板材を断面がL字状に折り曲げて形成されている。一般のグレーチングでは、エンドアングルの幅寸法Lと高さ寸法Mとは、ほぼ同等となるように構成されている。しかしながら、グレーチング1では、幅方向に広い側溝Wのがたつきを調整するために、幅寸法Lが高さ寸法Mよりも長くなるようにされている(L>M)。
【0011】
グレーチング1の前後両端部において、メインバー2の下面側には、左右のエンドアングル3を架設するようにして、組付板部5が熔接固定されている。組付板部5は、前後一対のメインバー2の間を塞ぐ大きさとされている。この組付板部5の左右両端付近には、ボルト7のネジ軸部を挿通可能なボルト挿通孔12が各一対に(合計4個)開放されている。組付板部5の下面側には、左右それぞれに幅長可変部材10が取り付けられている。幅長可変部材10は、所定の形に切断された板材を折り曲げることで形成されている。幅長可変部材10には、底面板部14と、ここから垂直上方に折り曲げられる側縁当接部11と、同様に垂直上方に折り曲げられるスライド操作部6とが設けられている(
図5を参照)。スライド操作部6の基部は、底面板部14から水平に延設された水平突設部15とされている。また、底面板部14の中央には、メインバー2の長さ方向(グレーチング1の左右幅方向)に、スライド溝13が開放されている。スライド溝13の径は、ボルト7のネジ軸部の径よりも大きく形成されている。
また、幅長可変部材10の下面側には、長方形の板状の固定板8が取り付けられる。固定板8には、ボルト7の雄ねじ部分を回し付け可能な雌ねじを設けた2個のボルト組付孔9が設けられている。また、固定板8の下面側には、ボルト7を回し付け可能なナット16が設けられている。
【0012】
次に、
図7~
図10を参照しつつ、本実施形態の作用及び効果について説明する。
グレーチング1で側溝Wを塞ぐのに先立ち、組付板部5の下面側に、幅長可変部材10と固定板8とを重ね合わせて置く。このとき、ボルト挿通孔12、スライド溝13及びボルト組付孔9の位置を整合させておく。ここで、ボルト7の雄ねじ部分をボルト挿通孔12とスライド溝13を通し、ボルト組付孔9とナット16に軽く回し付ける(仮組状態:
図7を参照)。この仮組状態では、幅長可変部材10は、2個のボルト7をスライド溝13に挿通させた状態で、スライド操作部6または水平突設部15を操作することで、
図7(A)中の矢印P,Q方向にスライド移動が可能とされている。すなわち、
図7(A)及び
図7(B)に示すように、所定の長さ分だけ(詳細には、スライド溝13の長さに応じて)幅長可変部材10の側縁当接部11の位置を側方に変位させることができる。
【0013】
次に、
図8に示すように、仮組状態としたグレーチング1を側溝Wの上面開口を塞ぐように被せ付ける。ここで、メインバー2の上方から左右の幅長可変部材10について、スライド操作部6(または水平突設部15)を指や治具(例えばドライバーなど)で操作して幅方向にスライド移動させ、側縁当接部11が側溝Wの側縁Xに当たるようにしておく。この位置で、ドライバーでボルト7を完全に回し付けて、本組状態とする。この本組状態では、がたつき無くグレーチング1を側溝Wに設置できる(
図9を参照)。
本実施形態のグレーチング1では、
図10に示すように、幅長可変部材10を上下を逆として取り付けることもできる。この場合には、側縁当接部11を下方に垂下した状態で、幅長可変部材10をグレーチング1の左右幅方向にスライド移動させられる。側溝Wと側縁Xの状態によっては、この形態として利用することもできる。この場合には、幅長可変部材10のスライド移動は、水平突設部15を用いる。
【0014】
このように、本実施形態によれば、側溝Wの溝幅に多少の誤差があったとしても、これを吸収可能なグレーチング1を提供できた。
また、ボルト組付孔9は、固定板8と一体に形成されている。このため、ナットを別に設けた場合に比べると、ボルト7を回し付けるときに、ナットが落ちてしまう事態が避けられる。
また、グレーチング1を側溝Wの上に被せ付けた後に、グレーチング1の上方空間からスライド操作部6を用いて、幅長可変部材10の位置を決められるので、操作性が良好となる。
また、幅長可変部材10は、左右のエンドアングル3,3の両側に設けられているので、片側のみに幅長可変部材10を設けた場合に比べると、グレーチング1の固定位置を側溝Wの中央付近に載置できる。このため、設置時の安定性が、より良好となる。
また、幅長可変部材10は、エンドアングル3の前端及び後端の両側に設けられているので、エンドアングル3,3の前方及び後方の両側でグレーチング1の位置決めを行える。
【0015】
<第2実施形態>
次に、
図11及び
図12を参照しつつ、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とにおいて、同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のグレーチング20は、第1実施形態のグレーチング1に比べて、幅の狭い側溝に使用される。このため、センターバー4は設けられていない。
右側及び左側の側縁に当接させるための幅長可変部材10は、メインバー2’の位置を前後にずらしたところに設けた組付板部5’、5’のそれぞれに設けられている。なお、
図11には、グレーチング20の一端側のみの構造を示したが、他端側にも左右一対の幅長可変部材10が設けられている。
このように構成した本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0016】
<第3実施形態>
次に、
図13を参照しつつ、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とにおいて、同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のグレーチング30の幅長可変部材32は、エンドアングル31の下端位置に設けられている。幅長可変部材32は、エンドアングル31の下端に対して、垂直位置(装着するときの位置:
図13(A)に示す位置)と水平位置(グレーチング30を側溝に組み付けたときの位置:
図13(B)に示す位置)との間で回転可能(矢印S及び矢印Tの方向)に組み付けられている。幅長可変部材32の上端回転軸には、バネ33が組み付けられており、常には図中の矢印S方向に付勢している。幅長可変部材32の自由端32Aが、側縁Xに対する側縁当接部を兼ねるようになっている。
図13(A)に示すように、バネ33の付勢力に抗して、幅長可変部材32を垂直下方に向けた状態で、グレーチング30を側溝に被せ付ける。すると、バネ33の付勢力によって、幅長可変部材32が矢印S方向に回転移動し、水平方向に至り、自由端32Aが側縁Xに当接しうる位置に至る(
図13(B))。なお、
図13には、グレーチング30の一端側のみの構造を示したが、他端側にも左右一対の幅長可変部材30が設けられている。
このように構成した本実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0017】
<第4実施形態>
次に、
図14を参照しつつ、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とにおいて、同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のグレーチング40の幅長可変部材42は、エンドアングル41の下端位置において、左右外方(側縁X方向)に突出可能に設けられている。幅長可変部材42は、エンドアングル41の下端において、側縁Xから離間する離間位置(
図14(A))と、側縁Xに当接し得る組付位置(
図14(B))との間を水平方向に移動可能とされている。より詳細には、エンドアングル41に設けられたブラケット43の内部に幅長可変部材42が収容可能とされていると共に、ブラケット43の内部に設けられたつるまき状のバネ43によって、幅長可変部材42が外方に付勢されている。
所定の位置(
図14(A)に示す位置)では、図示しないロックによって、幅長可変部材42が離間位置に固定されるようになっている。ここで、幅長可変部材42を内側方向に押圧すると、ロックが外れ、バネ43によって、幅長可変部材42が組付位置まで突出する。
図14(A)に示すように、幅長可変部材42を離間位置に固定した状態で、グレーチング40を側溝に被せ付ける。次いで、幅長可変部材42を内側方向に押圧し、ロックを外すことで、外方に突出させて、組付位置とする(
図14(B))。このように、幅長可変部材42の外側の端縁が、側縁Xに対する側縁当接部を兼ねるようになっている。なお、
図14には、グレーチング40の一端側のみの構造を示したが、他端側にも左右一対の幅長可変部材42が設けられている。
このように構成した本実施形態においても、第1実施形態~第3実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0018】
<第5実施形態>
次に、
図15を参照しつつ、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とにおいて、同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のグレーチング50の幅長可変部材52,53,54,55は、エンドアングル51の下端位置において、左右両方向に突出可能に設けられている。幅長可変部材には、左右両側において、溝の側縁Xに当接可能な側縁当接部55を備え、内側に雄ねじ部54を備えた一対の軸部材53と、雄ねじ部54を回し付け可能な雌ねじ部材52とが備えられている。軸部材53は、エンドアングル51の下端付近において、左右に開放する孔部に挿通して組み付けられている。また、左右の軸部材53は、エンドアングル51の左右中央付近において、雄ねじ部54が雌ねじ部材52に回し付けられることで、組み付けられている。軸部材53の回転によって、側縁当接部55が内側方向に引き込まれた退避位置(
図15(A)))と、側縁Xに当接する組付位置(
図15(B))との間で移動可能とされている。
図15(A)に示すように、側縁当接部55を退避位置位置とした状態で、グレーチング50を側溝に被せ付ける。次いで、軸部材53を回転することによって、側縁当接部55を外方に突出させて、組付位置とする(
図15(B))。
このように構成した本実施形態においても、第1実施形態~第4実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0019】
<第6実施形態>
次に、
図16を参照しつつ、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とにおいて、同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施形態のグレーチング60の幅長可変部材62,63,64は、エンドアングル61の下端位置において、左右外方(側縁X方向)に突出可能に設けられている。雄ねじ軸63を備えたナットの頭部62が側縁Xに当接する側縁当接部になっている。雄ねじ部63は、エンドアングル61に設けられたネジ穴に回し付けられている。また、ネジ穴において、エンドアングル61の内側には、2個の回し止めナット64が設けられている。雄ねじ部63は、エンドアングル61の下端において、側縁Xから離間する離間位置(
図16(A))と、側縁Xに当接し得る組付位置(
図16(B))との間を水平方向に移動可能とされている。
図16(A)に示すように、雄ねじ部63をエンドアングル61側に回し付けた状態で、グレーチング60を側溝に被せ付ける。次いで、雄ねじ部63を回すことで、頭部62を外方に突出させて、組付位置とする(
図16(B))。なお、
図16には、グレーチング60の一端側のみの構造を示したが、他端側にも同様の幅長可変部材62,63,64が設けられている。
このように構成した本実施形態においても、第1実施形態~第5実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0020】
1,20,30,40,50,60…グレーチング
2,2’…メインバー
3,3’,31,41,51,61…エンドアングル
4…センターバー
5,5’…組付板部(固定部材)
6…スライド操作部
7…ボルト(固定部材)
8…固定板(固定部材)
9…ボルト組付孔
10…幅長可変部材
11,32,42,55,62…側縁当接部
12…ボルト挿通孔
13…スライド溝
15…水平突設部
16…ナット
31,61…エンドアングル(固定部材)
33,43…バネ(固定部材)
52…雌ねじ部材(固定部材)
54…雄ねじ部(固定部材)
64…回し止めナット(固定部材)