(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】ゲル状芳香剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61L 9/01 20060101AFI20220104BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
A61L9/01 V
C11B9/00 Z
(21)【出願番号】P 2017179686
(22)【出願日】2017-09-20
【審査請求日】2020-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208086
【氏名又は名称】大洋香料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【氏名又は名称】塩田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】足立 尚也
(72)【発明者】
【氏名】日垣 浩一
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-190264(JP,A)
【文献】特開平07-299127(JP,A)
【文献】国際公開第2016/180893(WO,A1)
【文献】特開2009-067953(JP,A)
【文献】特開2009-179711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00- 9/22
C11B 1/00-15/00
C11C 1/00- 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸塩及び前記脂肪酸塩の溶剤としてヘキシルアセテートを含んでなることを特徴とする自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
【請求項2】
前記脂肪酸塩が高級脂肪酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
【請求項3】
前記高級脂肪酸塩がステアリン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2に記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
【請求項4】
前記ヘキシルアセテートと共に、香料を含んでなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物を容器に収容してなる自然揮散型ゲル状芳香剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自然揮散型ゲル状芳香剤組成物及び自然揮散型ゲル状芳香剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲル状芳香剤には、ゲル化剤の溶剤としてパラフィン系炭化水素、テルペン系炭化水素やアルコール系溶剤が主に用いられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公昭57-50502号公報
【文献】特公昭57-16818号公報
【文献】特公平3-23069号公報
【文献】特公昭61-8696号公報
【文献】特開2013-192611号公報
【文献】特開平7-299127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、溶剤として、パラフィン系炭化水素を用いた場合は、溶剤自体が油臭のような異臭を有するため、別途、香料を添加する必要がある(特許文献1及び3)。
【0005】
また、溶剤として、テルペンを用いた場合は、香料を添加せずともテルペン自体が芳香を有する(特許文献2及び3)が、エッセンシャルオイルとして知られる精油の成分でもあるテルペンは単離が難しく、高価であるという問題もある。
【0006】
また、溶剤として、アルコール系溶剤を用いた場合は、溶剤自体が特有の異臭を有していることが多く、溶剤そのものを香気成分として用いることができない。また、アルコール系溶剤は揮発性が低く、溶剤と共に混合された香気成分を自然揮散によって揮散させ、自然揮散型ゲル状芳香剤として十分な効果を発揮させることが難しい(特許文献4及び5)。
【0007】
一方、エステルは、エステル自身が香気成分として用いることができる化合物として知られる。また、エステルはテルペンと比較して安価であり、扱いやすく、安定した供給が可能であるという経済的利点も有する。しかし、自然揮散型のゲル状芳香剤の溶剤として有用なエステルは知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、前記課題を解決する手段としては、以下の通りである。
〔1〕 脂肪酸塩及び前記脂肪酸塩の溶剤としてヘキシルアセテートを含んでなることを特徴とする自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
〔2〕前記脂肪酸塩が高級脂肪酸塩であることを特徴とする〔1〕に記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
〔3〕前記高級脂肪酸塩がステアリン酸ナトリウムであることを特徴とする〔2〕に記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
〔4〕前記ヘキシルアセテートと共に、香料を含んでなることを特徴とする〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物。
〔5〕〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の自然揮散型ゲル状芳香剤組成物を容器に収容してなる自然揮散型ゲル状芳香剤。
【0009】
自然揮散とは、常温・常圧条件下、ファン等の送風装置を用いずとも、静置された状態において、揮発性の物質が蒸発して空間中に広がっていくことを言う。
【0010】
脂肪酸塩とは、長鎖炭化水素の1価のカルボン酸とアルカリから生成される塩である。また、高級脂肪酸塩とは、脂肪酸塩の中でも、脂肪酸の炭素数が12個以上のものをいう。
【0011】
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸ナトリウムの他に、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、または、ベヘン酸ナトリウム等を用いることができる。
【0012】
ゲル状体(ゲル)とは、コロイド溶液、すなわちゾルが流動性を失って弾性を持ち、離液がなく、系全体としてゼリー様の固体状になったものである。
【0013】
本発明によれば、ヘキシルアセテートを用いることで、エステルを溶剤とした自然揮散型ゲル状芳香剤として適したゲル状体が形成できることを初めて見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エステルであるヘキシルアセテートをゲル化剤である脂肪酸塩の溶剤としてゲル状体を構成し、揮発成分である溶剤自体が香気成分で構成されている自然揮散型ゲル状芳香剤組成物を提供することができる。
【0015】
また、揮散速度が一定で、ゲル状芳香剤としての使用には好適な揮散速度であるゲル状芳香剤組成物を提供することができる。
【0016】
さらに、従来の自然揮散型ゲル状芳香剤用組成物よりも、かぐわしい香りを強く発するにも関わらず、他の香料を混合した際の混合された香気成分から感じられる香りに対する嗜好性の低下もなく、より多くの人に好まれる多様な香気成分を有する自然揮散型ゲル状芳香剤組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1、比較例1、比較例7~11について、時間を横軸に示し、表4に表した揮散量[g]を縦軸に示した線グラフ。
【実施例】
【0018】
以下、試験例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。なお、本実施例における説明及び表中の各成分の含有量を示す%は重量%で示されているものとする。
【0019】
(試料の作製)
ステアリン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び溶剤を混合し、90℃まで加熱後、常温の水(イオン交換水)を加え、80~90℃でステアリン酸ナトリウムが完全に溶解するまで攪拌した。香料を添加する場合には、ここで香料を加え、良く攪拌した。その後、容器に充填し、ゲル化を試みた。
【0020】
なお、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエンを添加し、香料やゲルの酸化による劣化を防止する。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、界面活性剤である。
【0021】
ここで、溶剤をヘキシルアセテートとしたものを実施例1とし、実施例1にアップル香料を加えたものを実施例2とし、実施例1にレモン香料を加えたものを実施例3とした。
また、溶剤をD-リモネンとしたものを比較例1とし、比較例1にアップル香料を加えたものを比較例3とし、比較例1にレモン香料を加えたものを比較例5とした。
また、溶剤をイソパラフィンとしたものを比較例2とし、比較例2にアップル香料を加えたものを比較例4とし、比較例2にレモン香料を加えたものを比較例6とした。
さらに、溶剤をテルピノレンとしたものを比較例7、溶剤をα-ピネンとしたものを比較例8、溶剤をジヒドロミルセノールとしてものを比較例9、溶剤をリナロールとしたものを比較例10、溶剤をベンジルアルコールとしたものを比較例11、溶剤をベンジルアセテートとしたものを比較例12、溶剤をシトラールとしたものを比較例13、溶剤を2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(以下、VERDOXという)としたものを比較例14、溶剤を4-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート(以下、P-T-BCHAという)としたものを比較例15、溶剤をプロピレングリコールジアセテートとしたものを比較例16とした。
なお、各実施例及び比較例における含有成分をその含有量と共に表1に示す。また、ゲル化の結果について、ゲル化したものは〇とし、ゲル化しなかったものは×として示した。
【0022】
【0023】
表2には、前記アップル香料の含有成分((a))及びレモン香料の含有成分((b))を示した。
【0024】
【0025】
(ゲル状体形成の可否について)
ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1、2及び3については、離液がなく弾性を有する良好なゲル状体が得られた。比較例1~11についても、良好なゲル状体が得られた。
【0026】
ベンジルアセテートを溶剤として用いた比較例12については、ステアリン酸ナトリウムが溶けなかったため、ゲル化しなかった。
【0027】
シトラールを溶剤として用いた比較例13については、非常に柔らかく、離液が確認され、ゲル状芳香剤に適さない形態であった。
【0028】
VERDOXを溶剤として用いた比較例14については、ステアリン酸ナトリウムが完全に溶解せず発泡し、離液が確認され、ゲル状芳香剤に適さない形態であった。
【0029】
P-T-BCHAを溶剤として用いた比較例15については、ステアリン酸ナトリウムが完全に溶解せず発泡し、離液が確認され、ゲル状芳香剤に適さない形態であった。
【0030】
本発明と同様、溶剤としてアセテートを用いた発明もある(特許文献6)。しかし、当該発明で使用したプロピレングリコールジアセテートは、香料の揮散調整溶剤として機能するものであり、ヘキシルアセテートがゲル化剤である脂肪酸塩の溶剤として含まれてなる本発明に係るヘキシルアセテートとは用途が異なる。また、本発明と同様の処方でゲル化を試みたが、プロピレングリコールジアセテートを溶剤とした比較例16の処方については、ステアリン酸ナトリウムが完全に溶解せず発泡し、離液が確認され、ゲルにはならなかった。また、溶剤の臭いはペンキのような塗料に似た溶剤臭であり、臭かった。
【0031】
溶剤としてアセテートを用いたサンプルは、実施例1、比較例12、14、15及び16であるが、実施例1以外はゲル状体を形成できなかった。よって、本発明におけるヘキシルアセテートは、自然揮散型ゲル状芳香剤の溶剤としての用途に適し、良好なゲル状体を形成するエステルとして新たに見出されたものである。
【0032】
(香りの強度と香りの嗜好性についての官能評価)
実施例1~3及び比較例1~6について、8名のパネラーによって、下記スコア基準を設けたうえで、香りの強度と嗜好性について官能評価をおこなった。その際、比較例1を3点とし、他のサンプルと比較するためのブランクとした。
【0033】
(香りの強度と香りの嗜好性の官能評価基準)
香りの強度の官能評価基準については、以下の通りスコアを設定し評価した。
1点:非常に弱い。
2点:弱い。
3点:普通。
4点:強い。
5点:非常に強い。
【0034】
嗜好性の強度の官能評価基準については、以下の通りスコアを設定し評価した。
1点:非常に不快。
2点:不快。
3点:違和感がない。
4点:好ましい。
5点:非常に好ましい。
【0035】
表3には、実施例1~3及び比較例1~6について、8人のパネラーから得た評価スコアの平均値を示した。
【0036】
【0037】
官能評価の結果については、表1の中の香りの項目にも示したが、その際、ブランク(3点)を基準とし、3点を・、3点を超え4点以下を〇、4点を超え5点以下を◎とし、2点以上3点未満を△、1点以上2点未満を×とした。
【0038】
(香りの強度と香りの嗜好性の官能評価の結果)
表3から、リモネンを溶剤として用いた比較例1のブランクと比較し、リモネンにレモン香料を添加した比較例5は、香りの強度と香りの嗜好性ともにスコアがブランクと同じであったが、リモネンにアップル香料を添加した比較例3は、香りの強度がブランクよりも0.9点下回り、香りの嗜好性は1.1点下回った。これにより、リモネンには相性の悪い香料があり、香料との組み合わせを考える必要があることが分かった。
【0039】
また、イソパラフィンを溶剤として用いた比較例2は、香りの強度がブランクよりも1.8点下回り、香りの嗜好性は1.9点下回った。どちらのスコアもブランクより大きく下回っており、イソパラフィン自体が有する特有の油臭がスコアを大きく下げていることが分かる。イソパラフィンにアップル香料を添加した比較例4は、香りの強度がブランクよりも1.0点上回り、香りの嗜好性は1.2点上回っている。一方、イソパラフィンにレモン香料を添加した比較例3は、香りの強度がブランクよりも0.9点下回り、香りの嗜好性は1.1点下回っている。つまり、イソパラフィンにも相性の悪い香料があり、香料との組み合わせを考える必要があることが分かった。
【0040】
一方、ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1は、香りの強度のスコアが、ブランクよりも1.1点上回り、香りの嗜好性も1.1点上回っている。ヘキシルアセテートにアップル香料を添加した実施例2は、香りの強度のスコアが、ブランクよりも1.5点上回り、香りの嗜好性も1.4点上回っている。ヘキシルアセテートにレモン香料を添加した実施例3は、香りの強度のスコアが、ブランクよりも1.0点上回り、香りの嗜好性も0.8点上回っている。
つまり、ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1、2及び3は、香りの強度のスコアがブランクよりも1~1.5点も高く、香りの嗜好性のスコアが0.8~1.4点も高いことが分かる。よって、ヘキシルアセテートは香料との相性が良く、ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1、2及び3は、香りの強度及び嗜好性のどちらも、ブランクよりスコアが高いことが分かった。
【0041】
表3(b)は、表3(a)をスコアが高い順にランキング形式で示したものであるが、(b)の上位に、ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1、2及び3が位置していることが見て取れる。
【0042】
従って、従来からゲル状芳香剤に用いられてきたリモネンを溶剤としたゲル(比較例1、比較例3及び5)やイソパラフィンを溶剤としたゲル(比較例2、比較例4及び6)と比較しても、ヘキシルアセテートを溶剤としたゲルは、香りの強度についても、香りの嗜好性についても、従来型ゲルよりスコアが高く、香料との相性も良いことから、優秀な結果を示したと言える。
【0043】
表4及び
図1には、一定期間にわたり、実施例1、比較例1、比較例7~11の揮散量を調べた結果を示した。試験期間は、自然揮散型ゲル状芳香剤の一般的な使用期間である8週間とした。
【0044】
揮散量は、室温条件・無風状態の下、生成したゲルについて、1週間ごとに電子天秤で重量を測定して得た。なお、揮散試験当初のゲル状体の重量は50gであり、揮散試験に用いた容器は、上端が開放された有底円筒型で無色透明なガラス容器(日本山村硝子株式会社製、外径53.5mm、高さ53mm、容量80ml)である。
【0045】
【0046】
揮散試験の結果については、表1の中の揮散の項目にも示したが、その際、試験期間内における揮散量が試験開始時の50%以上でかつ揮散速度が一定なものを○、試験期間内における揮散量は試験開始時の50%以上であるが揮散速度が一定でないものを△、揮散速度は一定であるが試験期間内における揮散量が試験開始時の50%未満のものを×とした。
【0047】
(揮散試験の結果)
ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1、リモネンを溶剤として用いた比較例1については、ほぼ同様に、一定の揮散量及び揮散速度を示し、安定した揮散傾向を示した。どちらも8週間経過時において約40gの揮散量を示し、これは混合した溶剤の重量とほぼ同程度であった。揮散試験終了時の芳香剤の状態は、試験開始時に比べて体積が収縮し、固く固化した状態であった。
【0048】
テルピノレンを溶剤として用いた比較例7については、揮散試験開始から4週間に至るまでは、実施例1および比較例1とほぼ同様の揮散状態を示していたが、残りの4週間では揮散量が落ち、最後まで一定した揮散状態とはならなかった。また、試験開始時には透明であったサンプルの色が経時変化し、最後には暗緑色の濁りが発生し外観を損なうものとなった。
【0049】
α-ピネンを溶剤として用いた比較例8については、初めの4週間で急激に揮散し、固い固形物が残った。残りの4週間では僅かしか揮散せず、全体を通してみると、揮散量の割合は一定ではなかった。
【0050】
ジヒドロミルセノールを溶剤として用いた比較例9については、試験終了時において溶剤の17%程度の約7gしか揮散しておらず、自然揮散型ゲル状芳香剤組成物としては揮散速度が遅すぎるため不適であった。
【0051】
リナロールを溶剤として用いた比較例10については、試験終了時において溶剤の17%程度の約7gしか揮散しておらず、自然揮散型ゲル状芳香剤組成物としては揮散速度が遅すぎるため不適であった。
【0052】
ベンジルアルコールを溶剤として用いた比較例11については、試験終了時において溶剤の7%程度の約3gしか揮散しておらず、自然揮散型ゲル状芳香剤組成物としては揮散速度が遅すぎるため不適であった。
【0053】
よって、これらの揮散試験の結果から、ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1は、比較例7~11と比較し、試験期間全体を通して揮散量が十分であり、また揮散速度も一定していた。なお、従来からゲル状芳香剤として用いられている、リモネンを溶剤とする比較例1と比較しても、ヘキシルアセテートを溶剤として用いた実施例1は、揮散傾向において遜色ないことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るゲル状芳香剤組成物を自然揮散型ゲル状芳香剤として用いることで、良好なゲル状体、高い香りの強度及び高い香りの嗜好性を有し、ゲルの揮発性溶剤の全てが香気成分で構成されているため無駄がなく、テルペンを溶剤に用いたゲル状芳香剤に比べコストが削減できることから、産業上の利用においてメリットが大きいと言える。