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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018040014
(22)【出願日】2018-03-06
(65)【公開番号】P2019150479
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2019-07-25
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
【合議体】
【審判長】鉄 豊郎
【審判官】千本 潤介
【審判官】▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-119093(JP,A)
【文献】特開2012-223427(JP,A)
【文献】特開2017-205673(JP,A)
【文献】特開2017-140279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚的に変化する変化部を有する遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者に対して前記操作手段の操作が促される演出であって、当該操作手段の操作により、表示装置に表示される複数種の選択肢画像のうちから遊技者が任意の選択肢画像を選択することが可能な操作演出、および、前記複数種の選択肢画像のそれぞれに対応づけられた複数種の特定演出を実行することが可能演出実行手段と、
を備え、
前記複数種の特定演出のそれぞれは、前記操作演出にてある種の選択肢画像が選択されることを経て当該選択された選択肢画像に対応する種類のものが発生することもあれば、前記操作演出を経ずに発生することもあるように設定されており、
前記操作演出は、前記複数種の選択肢画像のうちのいずれかが他の選択肢画像に比して強調された強調状態とされることで当該強調状態とされた選択肢画像が選択可能であることを示すものであり、いずれの選択肢画像が強調状態とされているかに応じて前記変化部の態様が変化するものであり、
前記複数種の特定演出は、前記操作演出を経ずに発生したときに、遊技者にとって有利な一または複数の高信頼度演出と、当該高信頼度演出よりも遊技者にとって不利な一または複数の低信頼度演出と、に区分けされ、
前記操作演出にて前記複数種の選択肢画像のいずれかが選択される前の状態において、前記複数種の選択肢画像と前記複数種の特定演出の対応関係が遊技者に把握可能とされた上で、前記高信頼度演出に対応づけられた選択肢画像が強調状態とされているときに、前記変化部の態様が通常態様とは異なる特殊態様とされることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者に対して操作手段(押しボタン等)の操作を促し、複数種の選択肢のうちから最終的に一の選択肢が選択されることとなる操作演出(選択演出)を実行することが可能な遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-168193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作演出の趣向性を向上させることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、最終的に複数種の選択肢のうちから一の選択肢が選択される操作演出を実行する操作演出実行手段と、を備え、前記操作手段は、視覚的に変化する変化部を有し、前記操作演出は、前記複数種の選択肢のうちのいずれかが他の選択肢に比して強調された強調状態とされるものであり、いずれの選択肢が強調状態とされているかに応じて前記変化部の態様が変化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、操作演出の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の全体図である。
図2】表示領域に表示された識別図柄を示した図である。
図3】操作手段の概要を説明するための図である。
図4】操作演出(選択演出)の概要を説明するための図である。
図5】態様変化演出の概要を説明するための図である。
図6】操作演出経由の特定演出(a)と操作演出非経由の特定演出(b)の相違点を説明するための図である。
図7】複数種の特定演出について、低信頼度演出と高信頼度演出に区分する一例を示した図である。
図8図7に示した区分の下、実行される態様変化演出の例(第一具体例)を示した図である。
図9】第二具体例を説明するための図である。
図10】第三具体例を説明するための図(その一)である。
図11】第三具体例を説明するための図(その二)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)全体構成
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。
【0010】
表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。なお、一部の図においては、遊技盤90に覆われずに露出する表示領域911の形状を簡略化して記載する(方形状に記載する)が、当該部分の大きさや形状は適宜変更可能である。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄80(図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。なお、一部の図においては、識別図柄80の記載を省略するが、基本的には、当否判定結果を報知する報知演出が実行されている最中は、当該識別図柄80(識別図柄群)が表示され続ける。
【0014】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80(識別図柄群)の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0015】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄(図示せず)が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。保留図柄を表示する専用の表示装置が設けられていてもよい。保留図柄の態様は常に同じであってもよいし、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高まったことを示唆する通常の保留図柄とは異なる態様の一または複数種の特殊図柄が設定されていてもよい。
【0016】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0017】
2)操作手段の基本的構成
操作手段10は、遊技者が演出に関与するために設けられた部材である。本実施形態における操作手段10はいわゆる「押しボタン」である。操作手段10は、原位置と当該原位置よりも所定量下方に変位した操作位置との間を変位可能に設けられている。少なくとも、当該操作手段10が操作位置に位置したことは図示されないセンサにより検出される。当該操作手段10は「押しボタン」に限られるわけではない。遊技者自らが力を加えることで、所定範囲を変位することが可能なものであり、操作位置に位置したことがセンサ等により検出されるものであればよい。また、操作方向(操作態様)が複数設定された構成であってもよい。例えば、前後方向に押し引きすることが可能なレバーであってもよい。また、複数の操作手段10が設けられた構成としてもよい。
【0018】
本実施形態における操作手段10は、視覚的態様が変化する変化部101および当該変化部101を覆うカバー109を有する(図3参照)。カバー109は光透過性材料(本実施形態では無色透明な材料)で形成されているため、遊技者は当該カバー109を通じて変化部101の態様を視認することができる。当該変化部101の変化は、遊技者の視覚によりその変化が把握できるものであればよい。本実施形態における変化部101は、静止した状態(以下、静止状態と称することもある。当該静止状態は通常態様(常態)であるともいえる)(図3(a)参照)と振動した状態(以下、振動状態と称することもある。当該振動状態は通常態様(常態)とは異なるという意味で特殊態様であるともいえる)(図3(b)参照)の一方から他方に変化することが可能なものである。つまり、変化部101が振動状態にあるときには、静止状態と異なる態様であることが、カバー109を通じて視認される。変化部101には、所定の装飾が施されていてもよい。このようにすることで、静止状態と振動状態の差が明確になる。なお、当該変化部101の態様変化をもたらす変化部101から発現される作用は、振動に限られるものではない。変化部101が所定範囲を動作する(振動は当該動作の一態様とみることもできる)ものであってもよい。また、変化部101が輝度や色を変化させることができる光源を有するものとし、当該光源の発光態様により態様変化を実現してもよい。
【0019】
3)操作演出の基本的態様
操作演出は、遊技者に対し、操作手段10を操作することを促す(要求する)演出である。本実施形態にかかる遊技機1は、遊技者に対し、操作手段10を操作して複数の選択肢のうちから任意の選択肢を選択することを促す操作演出(選択演出)(図4参照)を実行することが可能である。各選択肢は表示領域911に画像として表示される(以下、選択肢の画像を候補画像20と称することもある)。当該操作演出では、操作手段10を選択するための選択期間が設定される。当該選択期間は、操作手段10の操作が有効となる操作有効期間であるともいえる。操作演出においては、選択期間の経過時間または残り時間を示すような表示や、操作手段10の操作方法を示す表示等がなされるとよい。
【0020】
本実施形態における操作演出は、複数の選択肢のうち、好みの選択肢を遊技者自らが選択することが可能なものである。最終的に選択される選択肢が内部的に予め決まっているというものではない。このように、好みの選択肢を任意に選択することができるものであれば、操作演出における選択肢としての候補画像20の表示態様や、操作手段10を用いた選択肢の選択方法等は適宜変更可能である。本実施形態では、複数の候補画像20が表示され、選択期間中に、当該候補画像20のいずれかにカーソル19を合わせた状態する選択動作を行った後、決定動作を行うことで、当該カーソル19が合わせられた候補画像20に対応する選択肢が選択される構成である。当該カーソル19が合わせられた候補画像20(選択肢)は、他の候補画像20よりも強調された目立つ状態(以下、強調状態と称することもある)にあるといえる。カーソル19を用いて強調状態を構築する手法はあくまで一例である。例えば、他の候補画像20(選択肢)に比して大きく表示することを強調状態とすることができる。本実施形態では、強調状態にある候補画像20(選択肢)は、選択可能な状態(最終的な選択対象として決定される一つ手前の状態)にあるものであるといえる。つまり、強調状態にある選択肢は、最終的な選択対象としてすぐに決定することができるものである一方、強調状態にない選択肢は、一旦当該選択肢が強調状態とされる手順を踏まないと、当該選択肢を最終的な選択対象として決定することができないものである。
【0021】
選択動作や決定動作は操作手段10を用いて行う。選択動作を行う操作手段と決定動作を行う操作手段が別々のものであってもよい。選択動作は十字キーで行い、決定動作は押しボタン(操作手段10)で行うというような態様を例示することができる(図4参照)。本実施形態における変化部101を有する操作手段10は、選択動作および決定動作の少なくともいずれか一方に使用される(操作演出において全く使用されないというものではない)。選択期間が終了したときには、その時点で強調状態とされている選択肢が選択される。このように、操作演出においては、基本的には遊技者自らが操作手段10を操作して好みの選択肢を選択することが可能である。また、当該操作演出において、いずれの選択肢を選択したかは、その後の演出に影響を与えるが、遊技者の実質的な利益(出玉)に直接的または間接的に影響するものではない。本実施形態では、操作演出後の演出態様が、操作演出において選択された選択肢に対応するものとなる。なお、提示される複数の選択肢のうち、二以上の選択肢が同じ選択肢である態様の操作演出が発生するようにしてもよい。
【0022】
4)態様変化演出
態様変化演出は、上記操作演出(選択演出)とともに発生しうる演出である。態様変化演出は、提示される複数の選択肢(候補画像20)のうち、いずれの選択肢が強調状態とされているかに応じて、変化部101の態様が変化するものである。例えば、操作演出において示されることがある選択肢(候補画像20)として、選択肢A~Dの四種類が設定されているものとする。このうち、選択肢AとCが強調状態とされているときには、変化部101は静止状態とされる(図5(a)(c)参照)ものの、選択肢Dが強調状態とされているときには変化部101は振動状態とされる(図5(b)(d)参照)。つまり、遊技者が操作手段10を操作し、強調状態とされる選択肢(候補画像20)を切り替えたとき、操作手段10の変化部101が静止状態および振動状態の一方から他方に変化することがある。なお、本実施形態では、図示されない十字キー(操作手段10とは異なる別の操作手段)を用いてカーソル19の位置を変更するため、当該変化部101の態様の変化は、操作手段10が操作されていないときにおいても発生しうる。
【0023】
このような態様変化演出が発生するようにすることで、遊技者は、各選択肢が何らかの情報を示しているのではないかということを感じ、それを想像させつつ楽しませる遊技性を実現することが可能である。特に、強調状態とされたときに変化部101が振動状態となる選択肢については、他の選択肢(強調状態とされたときに変化部101が静止状態にあるもの)にはない何かを有しているのではないか、示唆しているのではないかというような印象を遊技者に与えることになる。
【0024】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
【0025】
○第一具体例
上述した通り、操作演出において提示される選択肢は、選択されたときに実行されるその後の演出を示唆するものである。例えば、操作演出において提示されうる選択肢として、選択肢A~Dが設定されており、当該選択肢A~Dのそれぞれが選択された場合に実行される演出を特定演出A~Dとする(例えば、選択肢Aが選択された場合には特定演出Aが実行される)。選択肢A~Dが提示される操作演出が発生した場合、遊技者は選択肢A~Dのいずれも任意に選択することが可能であり、いずれを選択するかは、遊技者の実質的な利益(出玉)に影響するものではないことは上記実施形態と同様である。
【0026】
上記特定演出A~Dは、操作演出を経ずに発生することもある演出であるとする。つまり、操作演出を経て(遊技者に選択されることにより)発生することもあれば、操作演出を経ずに(実行する演出を自動的に決定する手段により決定されて)発生することもある演出であるとする。操作演出を経る場合、遊技者は好みの選択肢(特定演出)を選択することができるのであるから、いずれの特定演出が発生するのかは、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(大当たり信頼度)を示唆するものではない(図6(a)参照)。一方、操作演出を経ない場合には、いずれの特定演出が発生するかが大当たり信頼度を示唆するものとする(図6(b)参照)。例えば、操作演出を経ない場合には、特定演出A(最も低い)、特定演出B、特定演出C、特定演出D(最も高い)の順で大当たり信頼度が高くなるものとする(図7参照)。また、当該複数種の特定演出は、一または複数の高信頼度演出と、一または複数の低信頼度演出とに区分けされるものとする。高信頼度演出に含まれる特定演出のいずれもが、低信頼度演出に含まれる特定演出のいずれよりも信頼度が高くなるように区分けされるのであれば、その区分けの仕方(どこで高信頼度演出と低信頼度演出とを線引きするか)は適宜調整可能である。例えば、特定演出Dが高信頼度演出とされ、特定演出A~Cが低信頼度演出とされる(図7参照)。このように、高信頼度演出は、低信頼度演出よりも、操作演出を経ずに発生したときに遊技者に有利な演出であるということができる。
【0027】
このような設定において、選択肢A~Dの少なくとも一部が提示される操作演出時には、対応する特定演出が高信頼度演出か低信頼度演出かに応じて、各選択肢が強調状態とされたときの操作手段10の変化部101の態様が決まる。具体的には、操作演出において選択肢A~Cのいずれかが強調状態とされているときには、対応する特定演出A~Cは低信頼度演出であることを踏まえ、変化部101は静止状態(通常態様)とされる(図8(a)~(c)参照)。一方、選択肢Dが強調状態とされているときには、対応する特定演出Dが高信頼度演出であることを踏まえ、変化部101は振動状態(特殊態様)とされる(図8(d)参照)。このような構成とされることにより、操作演出において強調状態とされたときに変化部101が振動状態となった選択肢D(特定演出D)は、他の選択肢(他の特定演出)よりも遊技者にとって有利な演出である(厳密には、操作演出を経ずに発生したときに有利な演出である)ことが示唆されることになる。
【0028】
なお、上記特定演出A~Dとしては、その結末により当否判定結果が大当たりであるか否かが報知される演出(いわゆるスーパーリーチ演出)を例示することができる。
【0029】
○第二具体例(第一具体例の変形例)
上記第一具体例は、複数種の特定演出を高信頼度演出と低信頼度演出に区分けした上での制御であることを説明したが、複数種の特定演出のそれぞれに対応づけられた変化部101の態様が設定された構成とする。例えば、変化部101の態様として、常態とは異なる特殊態様A、特殊態様B、特殊態様C、特殊態様Dが設定されたものとする。特殊態様A~Dは、互いに異なる態様であることが遊技者に判別できればよい。例えば、変化部101が種々の発光色で発光可能な発光部を有するものとし、常態は非発光、特殊態様Aは白色発光、特殊態様Bは青色発光、特殊態様Cは緑色発光、特殊態様Dは赤色発光状態であるとする。
【0030】
そして、操作演出において、選択肢A(特定演出A)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様A(図9(a)参照)とし、選択肢B(特定演出B)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様B(図9(b)参照)とし、選択肢C(特定演出A)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様C(図9(c)参照)とし、選択肢D(特定演出D)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様D(図9(d)参照)とする制御を行う。このような構成とすることで、各選択肢(特定演出)が強調状態とされているときにおける変化部101の態様により、操作演出を経ずに発生したときの各特定演出の信頼度が示唆されるものとなる。
【0031】
○第三具体例
上記実施形態における操作演出は、遊技者が任意の選択肢を選択することが可能なもの(遊技者の任意選択)であることを説明したが、自動的に選択されるものであってもよい。例えば、カーソル19が各選択肢間を高速で変位している状態(図11(a)参照)として、遊技者に対して操作手段10の操作を促し、当該操作手段10の操作(または操作有効期間の終了)を契機としてカーソル19が停止し(図11(b)参照)、いずれの選択肢が選択されたのか示されるような態様とする。最終的にいずれの選択肢が選択されるかは予め決まっており(いわゆる「出来レース」であり)、操作手段10の操作の要求は、操作タイミングによって選択されるものが変化しうるかのような印象を遊技者に与えるためのものであり、演出上のもの(形式的なもの)に過ぎない。あくまで、最終的に選択される選択肢は、予め内部抽選により決まっている。
【0032】
このような操作演出において、実際に遊技者の操作が促されるよりも前に(操作有効期間が開始されるよりも前に)、各選択肢(候補画像20)が強調状態とされていくものとする(図10参照)。なお、ここでいう「強調状態」とは、選択される一つ手前の状態という意味ではなく、他の選択肢に比して「目立つ」状態とされるということである。例えば、各選択肢(候補画像20)にカーソル19が合わせられ、各選択肢が順に強調状態とされて遊技者に示されるような期間(以下、特定期間と称することもある)が設けられるものとする。そして、いずれの選択肢が強調状態されているかに応じて、操作手段10の変化部101の態様が制御されるものとする。このように、選択肢が自動的に選択される演出に対しても、上記実施形態と同様の技術事項を適用することが可能である。
【0033】
また、本例の場合、選択肢が自動的に選択される(最終的に選択肢が予め決まっている)構成の場合、大当たり信頼度に応じて、いずれの選択肢が選択されるかを決定するものとすることができる(遊技者の任意選択ではないため、信頼度示唆の演出とすることができる)。
【0034】
例えば、上記第一具体例にて説明したように、信頼度が異なる特定演出A~D(選択肢A~D)が設定され、特定演出Dが高信頼度演出として、特定演出A~Cが低信頼度演出として設定されているのであれば、上記特定期間において、選択肢D(特定演出D)が強調状態とされているときには変化部101を振動状態(特殊態様)とし(図10(d)参照)、選択肢A~C(特定演出A~C)のいずれかが強調状態とされているときには変化部101を静止状態(通常態様)とする(図10(a)~(c)参照)制御を行うことが考えられる。
【0035】
この場合、予め各特定演出について信頼度の高低が設定されているのではなく、その都度(操作演出発生の度に)高信頼度演出となる特定演出(選択肢)の種類が変化しうるものとしてもよい。例えば、ある操作演出においては特定演出Aが低信頼度演出として設定されるものの、別の時期に発生した操作演出においては特定演出Aが高信頼度演出として設定されることがある構成としてもよい。
【0036】
また、図示しないが、例えば上記第二具体例にて説明したように、信頼度が異なる特定演出A~D(選択肢A~D)が設定され、変化部101の態様として特殊態様A~Dが設定されているのであれば、上記特定期間において、選択肢A(特定演出A)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様Aとし、選択肢B(特定演出B)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様Bとし、選択肢C(特定演出A)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様Cとし、選択肢D(特定演出D)が強調状態とされているときには変化部101を特殊態様Dとする制御を行うことが考えられる。
【0037】
この場合、予め各特定演出について信頼度の高低が設定されているのではなく、その都度(操作演出発生の度に)各特殊態様に対応づけられる演出(選択肢)の種類が変化しうるものとしてもよい。例えば、ある操作演出においては特定演出Aが特殊態様Aに対応づけられるものの、別の時期に発生した操作演出においては特定演出Aが特殊態様Dに対応づけられるものとなることがある構成としてもよい。
【0038】
○第四具体例
上記実施形態では、選択肢Dが強調状態とされているときに操作手段10の変化部101が振動状態とされること(その他の選択肢が強調状態とされているときに操作手段10の変化部101が静止状態とされること)を説明したが、操作手段10の変化部101が振動状態や静止状態とされる対象の選択肢の種類はその都度変化しうるものであってもよい。例えば、ある操作演出においては選択肢Dが強調状態とされているときに変化部101が振動状態とされるものの、別の時期に発生した操作演出においては選択肢Dが強調状態とされているときに変化部101が静止状態とされる構成としてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0040】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0041】
○手段1
遊技者に対して前記操作手段の操作を促し、最終的に複数種の選択肢のうちから一の選択肢が選択される操作演出を実行する操作演出実行手段と、
を備え、
前記操作手段は、視覚的に変化する変化部を有し、
前記操作演出は、前記複数種の選択肢のうちのいずれかが他の選択肢に比して強調された強調状態とされるものであり、いずれの選択肢が強調状態とされているかに応じて前記変化部の態様が変化することを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、強調状態となる選択肢を変化させると、操作手段の変化部の態様が変化するという面白みのある演出を実行することが可能である。
【0042】
○手段2
前記操作演出は、前記複数種の選択肢のうちから遊技者が任意の選択肢を選択することが可能なものであり、
前記強調状態は、当該選択肢が選択可能な状態であることを示すものであることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、強調状態とされた選択肢と、その際における変化部の態様により、当該選択肢と他の選択肢の違い等を想像させつつ楽ませる遊技性を実現することが可能である。
【0043】
○手段3
前記複数種の選択肢のそれぞれは、複数種の特定演出のいずれかに対応づけられたものであって、当該複数種の特定演出は、前記操作演出を経て発生することもあれば、前記操作演出を経ずに発生することもあるように設定されており、
前記複数種の特定演出は、前記操作演出を経ずに発生したときに、遊技者にとって有利な一または複数の高信頼度演出と、当該高信頼度演出よりも遊技者にとって不利な一または複数の低信頼度演出と、に区分けされ、
前記操作演出では、前記高信頼度演出に対応づけられた選択肢が強調状態とされているときに、前記変化部の態様が通常態様とは異なる特殊態様とされることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このように、操作演出において、操作演出を経ずに発生した場合における各特定演出の信頼度が示唆されるものとすること可能である。
【0044】
○手段4
前記操作演出は、前記複数種の選択肢のうちから遊技者が任意の選択肢を選択することができないものであり、
前記複数種の選択肢のそれぞれは、複数種の特定演出のいずれかに対応づけられたものであり、
前記複数種の特定演出は、遊技者にとって有利な一または複数の高信頼度演出と、当該高信頼度演出よりも遊技者にとって不利な一または複数の低信頼度演出と、に区分けされ、
前記操作演出では、前記高信頼度演出に対応づけられた選択肢が強調状態とされているときに、前記変化部の態様が通常態様とは異なる特殊態様とされることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
このように、選択肢を遊技者が選択することができない操作演出において、変化部の態様により、いずれの選択肢が選択された場合に遊技者にとって有利であるのかを示唆することが可能である。
【0045】
○手段5
前記変化部の態様の変化は、当該変化部が静止した状態および振動した状態の一方から他方への変化であることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
変化部の振動の有無により、当該変化の態様の変化を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 遊技機
10 操作手段
101 変化部
19 カーソル
20 候補画像(選択肢)
91 表示装置
911 表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11