(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】ワイヤ成形装置
(51)【国際特許分類】
B21F 1/00 20060101AFI20220104BHJP
B21F 35/00 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
B21F1/00 Z
B21F35/00 Z
(21)【出願番号】P 2020068621
(22)【出願日】2020-04-06
【審査請求日】2020-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】392020026
【氏名又は名称】株式会社板屋製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】金澤 研二
(72)【発明者】
【氏名】安藤 尚
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特許第5798162(JP,B2)
【文献】特開2008-030058(JP,A)
【文献】特開2004-122195(JP,A)
【文献】特開2005-111545(JP,A)
【文献】特開2007-44707(JP,A)
【文献】特許第5148759(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 1/00
B21F 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤをワイヤガイド(91)の先端の成形空間に送り出し、放射状に配置された複数のツール(T1、T2)を用いて所望の形状に加工するワイヤ成形装置(1)において、
テーブル本体(21)に回転自在に支持され、前記ツール(T1、T2)が着脱可能であって、前記ワイヤガイド(91)に対する前記ツール(T1、T2)の相対的な位置を回転により変更可能な回転テーブル(22)と、
前記テーブル本体(21)に支持され、前記回転テーブル(22)を回転させるテーブル駆動機構(40)と、
前記回転テーブル(22)に取り付けられ、前記複数のツール(T1、T2)のうち前記ワイヤガイドに向かってスライド可能なスライドツール(T1)を支持する
1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)と、
前記テーブル本体(21)に支持され、前記スライドツール(T1)をスライドさせる駆動力を前記スライドツールユニット(100A)に伝達するツールスライド機構(60)と、
前記回転テーブル(22)に取り付けられ、前記複数のツール(T1、T2)のうちツール軸まわりに回転可能な回転ツール(T2)を支持する1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)と、
前記回転テーブル(22)に支持され、前記回転ツール(T2)をツール軸まわりに回転させる駆動力を前記回転ツールユニット(100B)に伝達するツール回転機構(70)と、を備え、
前記回転テーブル(22)は、当該回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)および1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)の前記ワイヤガイド(91)のワイヤ軸線を中心とした回転位置が可変であり、
前記ツールスライド機構(60)は、前記テーブル本体(21)に回転自在に支持された単一の
第1の動力伝達部材(61)を有し、
前記第1の動力伝達部材(61)は、内周部にギヤ(62)が形成されたリング状の外形を有し、
前記
第1の動力伝達部材(61)の回転による駆動力が、前記回転テーブル(22)に取り付けられた
前記1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)に支持されたスライドツール(T1)に共通に伝達され
、かつ、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)に共通に伝達されるように構成され
、
前記第1の動力伝達部材(61)は、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)に支持されたスライドツール(T1)を前記ワイヤガイド(91)に向かってスライドさせる駆動力を前記スライドツールユニット(100A)に伝達すると共に、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)と、を前記ワイヤガイド(91)に向かってスライドさせる駆動力を前記回転ツールユニット(100B)に伝達し、
前記ツール回転機構(70)は、前記回転テーブル(22)に回転自在に支持された単一の第2の動力伝達部材(71)を有し、前記第2の動力伝達部材(71)は、外周部にギヤ(73a、73b)が形成されたリング状の外形を有し、
前記第2の動力伝達部材(71)の回転による駆動力が、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)に共通に伝達されるように構成され、
前記第2の動力伝達部材(71)は、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)をツール軸まわりに回転させる駆動力を前記回転ツールユニット(100B)に伝達することを特徴とするワイヤ成形装置。
【請求項2】
前記ツールスライド機構(60)は、前記
内周部に形成されたギヤ(62)を介して前記
第1の動力伝達部材(61)を回転させるモータ(M2)を含むことを特徴とする請求項
1に記載のワイヤ成形装置。
【請求項3】
前記ツール回転機構(70)は、前記
外周部に形成されたギヤ(73a)を介して前記
第2の動力伝達部材(71)を回転させるモータ(M3)を含むことを特徴とする請求項
1または
2に記載のワイヤ成形装置。
【請求項4】
前記回転テーブル(22)には、前記
第1の動力伝達部材(61)の駆動力を、前記回転テーブル(22)に取り付けられた全てのスライドツール(T1)および回転ツール(T2)をスライドさせる駆動力として各ツールユニット(100A、100B)に伝達するカム機構(26)が設けられていることを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載のワイヤ成形装置。
【請求項5】
前記カム機構(26)は、前記ワイヤガイド(91)のワイヤ軸線(W)から放射状に前記回転テーブル(22)の前面部に等間隔に配置され、前記回転テーブル(22)におけるツール取り付け位置に対応して設けられ、
前記スライドツールユニット(100A)は、前記スライドツール(T1)が取り付けられ、前記カム機構(26)の偏心カム(26a)に当接してスライドするスライダ(102)を有し、
前記カム機構(26)の偏心カム(26a)の回転軸(26b)に設けられたギヤ(26c)が前記
第1の動力伝達部材(61)の
前記内周部に形成されたギヤ(62)に噛合して前記偏心カムを回転され、回転する前記偏心カム(26a)が前記スライダに当接することにより前記スライドツール(T1)をスライドさせることを特徴とする請求項
4に記載のワイヤ成形装置。
【請求項6】
前記回転ツールユニット(100B)は、前記回転ツール(T2)が取り付けられるツール軸(112)を回転自在に支持するベース部材(111)と、前記ベース部材(111)に回転自在に支持された第1のギヤ部(114A)と第2のギヤ部(114B)を備え、
前記
第2の動力伝達部材(71)の
前記外周部に形成されたギヤ(73b)が前記第1のギヤ部(114A)の軸に形成されたギヤ(115)に噛合し、前記第1のギヤ部(114A)に噛合する前記第2のギヤ部(114B)が前記ツール軸(112)を回転させることにより前記回転ツール(T2)をツール軸まわりに回転させることを特徴とする請求項
1から5のいずれか1項に記載のワイヤ成形装置。
【請求項7】
前記第1のギヤ部(114A)と前記第2のギヤ部(114B)は傘ギヤであり、前記
第2の動力伝達部材(71)の回転軸の方向を90度変換して前記ツール軸に伝達することを特徴とする請求項
6に記載のワイヤ成形装置。
【請求項8】
前記回転テーブル(22)は、外周部にギヤ(28)が形成され、前面部に前記ツール(T1、T2)のツールユニット(100A、100B)が着脱可能な中空円盤状の外形を有し、
前記
第2の動力伝達部材(71)は、
前記外周部に2列のギヤ(73a、73b)が形成されたリングギヤであり、
前記2列のギヤの一方のギヤ(73b)が前記第1のギヤ部(114A)に噛合することを特徴とする請求項
6または7に記載のワイヤ成形装置。
【請求項9】
前記ワイヤガイド(91)を支持し、前記ワイヤを前記ワイヤガイド(91)に送り出すワイヤフィーダ(30)と、
前記ワイヤフィーダ(30)を、前記ワイヤの送出方向に沿って移動させるフィーダ移動機構(38)と、をさらに有し、
前記ワイヤフィーダ(30)は、前記ワイヤガイド(91)が前記成形空間に位置する成形位置と、前記ワイヤガイド(91)が前記成形空間から退避した退避位置との間で移動されることを特徴とする請求項1から
8のいずれか1項に記載のワイヤ成形装置。
【請求項10】
前記ワイヤフィーダ(30)は、前記ワイヤを供給するワイヤ供給機構(31)と、前記ワイヤ供給機構(31)からワイヤを引き出して前記ワイヤガイド(91)に送り出すワイヤ送出機構(32)とを備え、
前記フィーダ移動機構(38)は、サーボモータ(M6)の駆動力により前記ワイヤフィーダ(30)を移動させることを特徴とする請求項
9に記載のワイヤ成形装置。
【請求項11】
前記ワイヤフィーダ(30)は、前記ワイヤをワイヤ軸線(W)まわりに回動させないで送り出すことを特徴とする請求項
9または
10に記載のワイヤ成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤを所望の形状に加工するワイヤ成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤ成形装置では、ワイヤを最終的な製品形状に加工するために、ワイヤを折曲、湾曲あるいは捲回させる処理の他に、送り出したワイヤをワイヤ軸線まわりに回転させる(ねじる)処理が必要な場合がある。従来のワイヤ成形装置では、ワイヤを回転させる処理は、ワイヤを成形テーブル上にフィードするフィードローラにより行っていた。すなわち、一対のフィードローラでワイヤを挟圧しながらフィードローラをワイヤ軸線まわりに回動させることでワイヤを回転させている。
【0003】
しかしながら、ワイヤを回転させる処理は、ワイヤが巻き方向に湾曲するような大きな曲率の曲げ癖を持っているので、ワイヤを回転する度に曲げ癖の方向が上下左右に変化し、最終的な製品形状にバラツキが出るなど加工に影響を及ぼしてしまう。また、ワイヤを回転させる処理は、一対のフィードローラでワイヤを挟圧しているものの、長時間にわたって繰り返しワイヤを回転していると、フィードローラとワイヤとの間にわずかな滑りが生じ、それが蓄積されていくと製品形状が不安定になる。さらに、ワイヤを回転させる処理によってワイヤ供給機構からフィードローラまでの間でワイヤがねじられることも、製品形状の安定性に影響する。ワイヤ供給機構からフィードローラまでの距離を十分とることによって、ねじりの影響は低減できるが、完全に取り除くことはできず、ワイヤの線径が細くなるほど著しくなる。
【0004】
特許文献1、2には、ワイヤを回転させる処理を行わずに、ツールをワイヤの軸線まわりに回転可能としたワイヤ成形装置が提案されている。
【0005】
特許文献1には、回転テーブル上に放射状に複数のツールスライドを配置し、回転テーブルの周囲の成形テーブル上にツールスライドに対応した個数の駆動機構を放射状に配置した構成が記載されている。特許文献2には、2次元方向に移動可能なテーブル上に回転テーブルを配置し、回転テーブル上に放射状に複数のツールスライドを配置し、ツール軸まわりに回転する回転ツール(スピナ)を回転テーブルにより任意の回転角度に設定可能とすると共に、回転ツールの角度位置によらずに回転ツールを駆動可能とした構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5148759号公報
【文献】特許第5798162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、回転テーブル上に放射状に複数のツールスライドが配置され、回転テーブルの周囲の成形テーブル上にツールスライドに対応した個数の駆動機構が放射状に配置されている。
【0008】
ところが、回転テーブルの回転位置にかかわらず、常にツールを駆動可能にするためには、ツールスライドに対応した個数の駆動機構を成形テーブル上に配置する必要がある。さらに、特許文献1では、ツールスライドが取り付けられた回転テーブルを回転させる場合には、成形テーブル上の駆動機構を後方に退避させる必要がある。
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明のワイヤ成形装置は、ワイヤをワイヤガイド(91)の先端の成形空間に送り出し、放射状に配置された複数のツール(T1、T2)を用いて所望の形状に加工するワイヤ成形装置(1)において、テーブル本体(21)に回転自在に支持され、前記ツール(T1、T2)が着脱可能であって、前記ワイヤガイド(91)に対する前記ツール(T1、T2)の相対的な位置を回転により変更可能な回転テーブル(22)と、前記テーブル本体(21)に支持され、前記回転テーブル(22)を回転させるテーブル駆動機構(40)と、前記回転テーブル(22)に取り付けられ、前記複数のツール(T1、T2)のうち前記ワイヤガイドに向かってスライド可能なスライドツール(T1)を支持する1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)と、前記テーブル本体(21)に支持され、前記スライドツール(T1)をスライドさせる駆動力を前記スライドツールユニット(100A)に伝達するツールスライド機構(60)と、前記回転テーブル(22)に取り付けられ、前記複数のツール(T1、T2)のうちツール軸まわりに回転可能な回転ツール(T2)を支持する1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)と、前記回転テーブル(22)に支持され、前記回転ツール(T2)をツール軸まわりに回転させる駆動力を前記回転ツールユニット(100B)に伝達するツール回転機構(70)と、を備え、前記回転テーブル(22)は、当該回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)および1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)の前記ワイヤガイド(91)のワイヤ軸線を中心とした回転位置が可変であり、前記ツールスライド機構(60)は、前記テーブル本体(21)に回転自在に支持された単一の第1の動力伝達部材(61)を有し、前記第1の動力伝達部材(61)は、内周部にギヤ(62)が形成されたリング状の外形を有し、前記第1の動力伝達部材(61)の回転による駆動力が、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)に支持されたスライドツール(T1)に共通に伝達され、かつ、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)に共通に伝達されるように構成され、前記第1の動力伝達部材(61)は、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数のスライドツールユニット(100A)に支持されたスライドツール(T1)を前記ワイヤガイド(91)に向かってスライドさせる駆動力を前記スライドツールユニット(100A)に伝達すると共に、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)と、を前記ワイヤガイド(91)に向かってスライドさせる駆動力を前記回転ツールユニット(100B)に伝達し、前記ツール回転機構(70)は、前記回転テーブル(22)に回転自在に支持された単一の第2の動力伝達部材(71)を有し、前記第2の動力伝達部材(71)は、外周部にギヤ(73a、73b)が形成されたリング状の外形を有し、前記第2の動力伝達部材(71)の回転による駆動力が、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)に共通に伝達されるように構成され、前記第2の動力伝達部材(71)は、前記回転テーブル(22)に取り付けられた前記1つまたは複数の回転ツールユニット(100B)に支持された回転ツール(T2)をツール軸まわりに回転させる駆動力を前記回転ツールユニット(100B)に伝達する。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ワイヤをワイヤ軸線まわりに回転する動作を行うことなく、回転テーブル上に配置されたツールのスライド駆動や回転駆動、テーブルの回転を簡単な駆動機構を用いて高速に行うことができ、回転テーブル上に配置するツールの種類や個数も自由に設定できるワイヤ成形装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、ワイヤをワイヤガイド(91)の先端の成形空間に送り出し、放射状に配置された複数のツール(T1、T2)を用いて所望の形状に加工するワイヤ成形装置(1)において、テーブル本体(21)に回転自在に支持され、前記ツール(T1、T2)が着脱可能であって、前記ワイヤガイド(91)に対する前記ツール(T1、T2)の相対的な位置を回転により変更可能な回転テーブル(22)と、前記テーブル本体(21)に支持され、前記回転テーブル(22)を回転させるテーブル駆動機構(40)と、前記回転テーブル(22)に取り付けられ、前記複数のツール(T1、T2)のうち前記ワイヤガイドに向かってスライド可能なスライドツール(T1)を支持するスライドツールユニット(100A)と、前記テーブル本体(21)に支持され、前記スライドツール(T1)をスライドさせる駆動力を前記スライドツールユニット(100A)に伝達するツールスライド機構(60)と、を備え、前記ツールスライド機構(60)は、前記テーブル本体(21)に回転自在に支持された単一の動力伝達部材(61)を有し、前記動力伝達部材(61)の回転による駆動力が、前記回転テーブル(22)に取り付けられた複数のスライドツール(T1)に共通に伝達されるように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ワイヤをワイヤ軸線まわりに回転する動作を行うことなく、回転テーブル上に配置されたツールのスライド駆動や回転駆動、テーブルの回転を簡単な駆動機構を用いて高速に行うことができ、回転テーブル上に配置するツールの種類や個数も自由に設定できるワイヤ成形装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態のスプリング製造装置の前面斜視図である。
【
図2】本実施形態のスプリング製造装置の正面図(a)および左側面図(b)である。
【
図5】
図1とはツールの配置が異なる成形テーブルの正面図である。
【
図6】
図3の成形テーブルからツールを取り除いた状態の前面斜視図である。
【
図7】
図3の成形テーブルからツールを取り除いた状態の正面図である。
【
図8】
図4のI-I断面であって、成形テーブルからワイヤフィーダおよびワイヤガイドユニットを取り除いた状態を示す断面図である。
【
図9】
図7のII-II断面であって、成形テーブルからワイヤフィーダおよびワイヤガイドユニットを取り除いた状態を示す断面図である。
【
図13】本実施形態のスプリング製造装置の制御系のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
なお、以下では、本発明のワイヤ成形装置を、ワイヤを所望の形状のスプリングに成形するスプリング製造装置に適用した例を説明するが、スプリング以外の部品を成形する装置にも適用可能である。
【0016】
[装置構成]まず、
図1から
図12を参照して、本実施形態のスプリング製造装置の構成および機能について説明する。
【0017】
図1および
図2に示すように、本実施形態のスプリング製造装置1は、箱体状のベース10と、ベース10の上部に取り付けられる成形テーブル20と、成形テーブル20の背面に配置されたワイヤフィーダ30と、成形テーブル20の前面部に取り付けられるツールユニット100と、を備える。
【0018】
図3から
図9に示すように、成形テーブル20は、外枠を構成する矩形状のテーブル本体21と、テーブル本体21の中央部に配置される回転テーブル22と、を備える。テーブル本体21は、左右両側(Y方向の両端部)に設けられた補強部材21aによりベース10の上部に強固に支持される。テーブル本体21は、中央部に円形状の開口部23が形成され、開口部23より径方向外側に全周にわたって外周溝部24が形成されている。回転テーブル22は、テーブル本体21の外周溝部24に回転自在に設けられ、中央部が開口した中空円盤状の外形を有する部材であり、前面部に後述する1つまたは複数のツールユニット100の取り付けおよび取り外しが可能である。
【0019】
テーブル本体21には、回転テーブル22を回転駆動するテーブル駆動機構40と、回転テーブル22に取り付けられたツールユニット100のスライドツールT1または回転ツールT2をスライド駆動させるツールスライド機構60と、回転ツールT2をツール軸まわりに回転駆動させるツール回転機構70と、が設けられている。
【0020】
回転テーブル22には、テーブルの中空状の中央開口部22aにワイヤガイドユニット90が配置され、ワイヤガイド91のワイヤ軸線Wを中心として複数のツールユニット100が放射状に配置される。また、回転テーブル22の外周部22bの背面側には、全周にわたって外ギヤ28が形成されている。
【0021】
回転テーブル22は、テーブル本体21の外周溝部24に設けられたベアリング27を介してテーブル本体21に回転自在に支持されている。また、回転テーブル22には、ワイヤガイドユニット90のワイヤ軸線Wからの距離が同じ位置に複数の孔部25が形成されている。本実施形態では、45度の等間隔で8個の孔部25が形成されている。これら孔部25には、それぞれカム機構26が配置されている。すなわち、カム機構26は、回転テーブル22の前面部に45度の等間隔で8個配置され、回転テーブル22におけるツール取り付け位置に対応して設けられる。カム機構26は、回転軸26bの前面側に偏心カム26aが取り付けられ、背面側にギヤ26cが形成され、回転軸26bがベアリング26dにより円筒状のケース26e内に回転自在に支持されて構成されている。また、回転テーブル22の外周部22
bの前面側にはベアリング72を介してツール回転機構70のリングギヤ71が回転自在に支持されている。回転テーブル22は、その前面部に1つまたは複数のツールユニット100(本例では、45度の等間隔で8個のツールユニット100A、100B)が着脱可能である。なお、回転テーブル22に配置可能なツールユニット数は8個に限らず、変更可能である。回転テーブル22は、テーブル本体21の背面部に設けられたテーブル駆動機構40のサーボモータM1の駆動力により時計方向および反時計方向に任意の角度で回動可能である。テーブル駆動機構40は、サーボモータM1の不図示の駆動ギヤが回転テーブル22の外ギヤ28に噛合し、サーボモータM1により回転駆動される。テーブル駆動機構40は、
図13で後述するコントローラからの制御指令に従って、サーボモータM1の回転を外ギヤ28などを介して回転テーブル22に伝達することで、回転テーブル22を予め設定した角度に回動できる。
【0022】
ツールスライド機構60は、内周部の全周に内ギヤ62が形成されたリング状の外形を有するリング部材61を有し、テーブル本体21の開口部23の内周部に設けられたベアリング63を介して回転自在に支持されている。リング部材61は、テーブル本体21の背面部に設けられたツールスライド機構60のサーボモータM2の駆動力により回転可能である。サーボモータM2の駆動ギヤ2がリング部材61の内ギヤ62に噛合し、リング部材61は、サーボモータM2により回転駆動される。ツールスライド機構60は、
図13で後述するコントローラからの制御指令に従って、サーボモータM2の回転を内ギヤ62などを介してリング部材61に伝達することで、リング部材61を回転テーブル22とは独立して所定の速度で相対回転できる。
【0023】
ツール回転機構70は、外周部の全周に2列の外ギヤ73a、73bが形成されたリング状の外形を有するリングギヤ71を有し、回転テーブル22の外周部に設けられたベアリング72を介して回転自在に支持されている。リングギヤ71は、テーブル本体21の背面部に設けられたツール回転機構70のサーボモータM3の駆動力により回転可能である。サーボモータM3の駆動ギヤ3がリングギヤ71の背面側の外ギヤ73aに噛合し、リングギヤ71は、サーボモータM3により回転駆動される。ツール回転機構70は、
図13で後述するコントローラからの制御指令に従って、サーボモータM3の回転を外ギヤ73aなどを介してリングギヤ71に伝達することで、リングギヤ71を回転テーブル22とは独立して所定の速度で相対回転できる。
【0024】
回転テーブル22に取り付けられるツールユニット100は、スライドツールT1をワイヤ軸線Wに向けてスライドさせるスライドツールユニット100Aと、回転ツールT2をワイヤ軸線Wに向けてスライドさせると共に、ツール軸まわりに回転させる回転ツールユニット100Bと、を含む。なお、スライドツールT1は、ワイヤを強制的に折曲するツール、ワイヤに当接して強制的に湾曲、捲回させるツール、ワイヤを切断するツールを含む。回転ツールT2は、ワイヤを強制的に折曲、捲回させるツールを含む。
【0025】
スライドツールユニット100Aには、スライドツールT1がスライド可能に取り付けられる。スライドツールユニット100Aは、スライドツールT1を保持しスライドさせるためのスライダ102を備え、スライダ102がカム機構26の偏心カム26aに当接することでツールT1をスライドさせる。カム機構26は、偏心カム26aの回転軸26bの背面側に設けられたギヤ26cがツールスライド機構60のリング部材61の内ギヤ62に噛合して偏心カム26aが回転する。
【0026】
回転ツールユニット100Bには、回転ツールT2が回転可能に取り付けられる。ツールT2はスピナと呼ばれる。回転ツールユニット100Bは、回転ツールT2を保持し回転させるための軸ユニット112と、軸ユニット112をスライド可能に保持するスライダ111とを備え、スライダ111がカム機構26の偏心カム26aに当接することでツールT2を保持する軸ユニット112をスライドさせ、軸ユニット112がツール回転機構70のリングギヤ71に噛み合う傘ギヤ対114a、114bを介して回転駆動されることでツールT2をツール軸まわりに回転駆動させる。
【0027】
スプリング成形中において、ワイヤガイド91に対するスライドツールT1と回転ツールT2の位置は、回転テーブル22の回転方向および回転角度によって設定され、ワイヤガイド91に接近または退避するスライドツールT1と回転ツールT2のスライド動作はカム機構26の偏心カム26aのカムプロファイルおよび回転角度により設定され、回転ツールT2の回転動作はツール回転機構70のリングギヤ71の回転角度により設定される。
【0028】
[スライドツールを駆動させる構成]
次に、
図8および
図9を参照して、スライドツールT1を駆動させる構成について説明する。
【0029】
スライドツールユニット100Aは、回転テーブル22に取り付けられるベース部材101と、ベース部材101にスライド可能に支持されるスライダ102と、スライダ102に取り付けられるツール保持部材103とを有する。
【0030】
スライダ102は、ワイヤガイド91とは反対方向の端部に、ベース部材101に固定された2本の圧縮バネ104が取り付けられ、これら圧縮バネ104によりワイヤガイド91とは反対方向に常時付勢されている。スライドツールユニット100Aが回転テーブル22に取り付けられた状態で、スライダ102は、ワイヤガイド91とは反対方向の端部がカム機構26の偏心カム26aに常時当接し、偏心カム26aがツールスライド機構60のリング部材61により回転することで、圧縮バネ104の付勢力に抗してワイヤガイド91に向けてスライドする。カム機構26は、偏心カム26aの回転軸26bの背面側に設けられたギヤ26cがツールスライド機構60のリング部材61の内ギヤ62に噛合して偏心カム26aを回転され、回転する偏心カム26aがスライダ101に当接することによりカムプロファイルに応じてツールT1をスライドさせる。
【0031】
そして、カム機構26の回転軸26bに形成されたギヤ26cが、回転テーブル22とは独立して相対回転するツールスライド機構60のリング部材61の内ギヤ62に常時噛合していることで、スライドツールユニット100Aが回転テーブル22によりどの位置に回転移動された状態でも回転ツールT1をスライド駆動可能となっている。
【0032】
このような構成により、単一のリング部材61を駆動力伝達部材として回転させることで、リング部材61の回転による駆動力が、回転テーブル22に取り付けられている複数のスライドツールT1に共通に伝達され、回転テーブル22に取り付けられている全てのスライドツールユニット100AのスライドツールT1を駆動させることができるようになる。
【0033】
[回転ツールを駆動させる構成]
次に、
図8および
図9を参照して、回転ツールT2を駆動させる構成について説明する。
【0034】
回転ツールユニット100Bは、回転テーブル22に取り付けられるベース部材110と、ベース部材110にスライド可能に支持されるスライダ111と、スライダ111に回転自在に支持される軸ユニット112と、軸ユニット112に接続されるツール保持部材113とを有する。
【0035】
スライダ111は、ワイヤガイド91とは反対方向の端部に、ベース部材110に固定された2本の圧縮バネ104が取り付けられ、これら圧縮バネ104によりワイヤガイド91とは反対方向に常時付勢されている。回転ツールユニット100Bが回転テーブル22に取り付けられた状態で、スライダ111は、ワイヤガイド91とは反対方向の端部がカム機構26の偏心カム26aに常時当接し、偏心カム26aがツールスライド機構60のリング部材61により回転することで、圧縮バネ104の付勢力に抗してワイヤガイド91に向けてスライドする。カム機構26は、偏心カム26aの回転軸26bの背面側に設けられたギヤ26cがツールスライド機構60のリング部材61の内ギヤ62に噛合して偏心カム26aを回転され、回転する偏心カム26aがスライダ101に当接することによりカムプロファイルに応じてツールT2をスライドさせる。
【0036】
また、ベース部材110は、傘ギヤ対114を回転自在に支持する。傘ギヤ対114は、第1のギヤ部114Aと、第2のギヤ部114Bを備える。第1のギヤ部114Aは、一端部にリングギヤ71の前面側の外ギヤ73bに噛合する第1の平ギヤ115が形成され、他端部に第1の傘ギヤ116が取り付けられている。第2のギヤ部114Bは、軸ユニット112の端部に第2の傘ギヤ117が取り付けられている。
【0037】
第1のギヤ部114Aの第1の傘ギヤ116と、第2のギヤ部114Bの第2の傘ギヤ117が噛合していることで、ツール回転機構70のリングギヤ71が回転すると、
第1のギヤ部114Aの回転軸の方向を90度変換して第2のギヤ部114Bに駆動力が伝達され、第2のギヤ部114Bの回転駆動力により軸ユニット112が回転して、軸ユニット112に接続されるツールT2を保持するツール保持部材113が回転するように構成されている。
【0038】
そして、第1のギヤ部114Aが、回転テーブル22とは独立して相対回転するツール回転機構70のリングギヤ71の前面側の一方の外ギヤ73bに常時噛合していることで、回転ツールユニット100Bが回転テーブル22によりどの位置に回転移動された状態でも回転ツールT2をツール軸まわりに駆動可能となっている。
【0039】
なお、ベース部材110には、カム機構26の偏心カム26aを貫通させる開口部110aが形成されており、回転ツールユニット100Bは、カム機構26が回転ツールT2と干渉しないように回転テーブル22に取り付け可能となっている。
【0040】
このような構成により、単一のリング部材61を駆動力伝達部材として回転させることで、リング部材61の回転による駆動力が、回転テーブル22に取り付けられている複数の回転ツールT2に共通に伝達され、回転テーブル22に取り付けられている全ての回転ツールユニット100Bの回転ツールT2を駆動させることができるようになる。
【0041】
また、単一のリングギヤ71を駆動力伝達部材として回転させることで、リングギヤ71の回転による駆動力が、回転テーブル22に取り付けられている複数の回転ツールT2に共通に伝達され、回転テーブル22に取り付けられている全ての回転ツールユニット100Bの回転ツールT2を駆動させることができるようになる。
【0042】
上述した構成によれば、スライドツールT1や回転ツールT2の駆動源をツールユニットと同数設ける必要がなく、また、駆動源の位置によってツールの回転位置が制限されず、退避動作なども行わずに、回転テーブル22上に配置されたツールT1、T2のスライド駆動やツールT2の回転駆動、回転テーブル22の回転を簡単な駆動機構を用いて高速に行うことができる。また、
図4および
図5に示すように、成形するスプリングの形状に応じた回転テーブル22上に配置するツールT
1、T2の種類や個数も自由に設定できる。
図4では、5個のスライドツールユニット100Aと、3個の回転ツールユニット100Bを回転テーブル22に取り付けた状態を例示している。
図5では、2個のスライドツールユニット100Aと、6個の回転ツールユニット100Bを回転テーブル22に取り付けた状態を例示している。
【0043】
また、ワイヤをワイヤ軸線まわりに回転する動作を行う必要がないので、ワイヤの曲げ癖による製品形状への影響を最小限に抑えることができる。
【0044】
また、ワイヤガイド91を回動させないで、回転テーブル22によりワイヤガイド91に対するツールT1、T2の相対的な位置を変更可能である。これにより、ワイヤガイド91を回動させる場合と同様に、ワイヤガイド91の傾斜面92側の空間を変化させることでスプリング成形空間を変化させ、ツールの取り付け位置に関係無く所望形状のスプリングを成形できるようになる。
【0045】
[ワイヤフィーダの構成]
次に、
図10から
図12を参照して、ワイヤフィーダの構成について説明する。
【0046】
図10から
図12に示すように、ワイヤフィーダ30は、ワイヤが巻き回された状態で保持されるワイヤ供給機構31と、ワイヤ供給機構31からワイヤを引き出して成形テーブル20に送り出すワイヤ送出機構32と、ワイヤ送出機構32に支持されるワイヤガイドユニット90と、を備える。ワイヤ供給機構31はワイヤ送出機構32に支持されており、ワイヤ送出機構32と一体的に構成される。
【0047】
ワイヤ送出機構32は、フィーダ移動機構38のサーボモータM6によりワイヤの送出方向(Z方向)に沿ってレール38a上を移動可能な本体部33を有し、本体部33の後方に、ワイヤ供給機構31が取り付けられる。フィーダ移動機構38は、支持部材39により成形テーブル20の背面部に固定される。
【0048】
また、ワイヤ供給機構31が取り付けられた本体部33の内部にはワイヤの曲げ癖を矯正する機構34と、上下一対のフィードローラ35とが設けられ、本体部33の前面部にはワイヤガイドユニット90が回動可能に支持されている。
【0049】
ワイヤ送出機構32は、上下一対のフィードローラ35によりワイヤを挟持しつつ回転することで、ワイヤ供給機構31からワイヤを引き出し、ワイヤガイドユニット90まで案内する。フィードローラ35がワイヤを挟持する押圧力は本体部33の上部に設けられたハンドル36により調整可能である。
【0050】
曲げ癖矯正機構34は、上下に千鳥状に配置された小径の複数のローラにより構成され、ワイヤ供給機構31から引き出されるワイヤの曲げ癖を矯正した上で、フィードローラ35に送り出す。
【0051】
ワイヤガイドユニット90は、フィードローラ35により送り出されるワイヤを、ワイヤガイド91により先端部のスプリング成形空間に向けて送り出す。ワイヤガイドユニット90は、ワイヤ送出機構32の本体部33の上部に設けられたサーボモータM5の駆動力がベルトを介して伝達されて回動される。スプリング成形空間として機能するのは、ワイヤガイド91の傾斜面92と、上記各ツールT1、T2とで囲まれたスペースである。フィードローラ35は、フィードローラ駆動機構37のサーボモータM4によりワイヤの送出方向に回転駆動される。
【0052】
このようにワイヤガイド91を回動させた場合も、ワイヤガイド91を回動させずに回転テーブル22を回転させる場合と同様に、ワイヤガイド91の傾斜面92側の空間を変化させることでスプリング成形空間を変化させ、ツールの取り付け位置に関係無く所望形状のスプリングを成形できるようになる。
【0053】
また、ワイヤ送出機構32がフィーダ移動機構38によりワイヤの送出方向(Z方向)に前後進可能であるので、ワイヤガイド91がスプリング成形空間に位置する成形位置と、ワイヤガイド91がスプリング成形空間から退避した退避位置との間で移動可能となる。このように、ワイヤフィーダ30をワイヤの送出方向に移動可能にしたことで、ワイヤガイド91をスプリング成形空間から十分に後退させてツールT1、T2の交換作業が容易になる。
【0054】
[コントローラの構成]
次に、
図13を参照して、本実施形態のスプリング製造装置1のコントローラの構成について説明する。
【0055】
図13に示すように、CPU201はコントローラの全体を統括制御する。ROM202はCPU201の動作処理内容(プログラム)及び各種フォントデータを記憶している。RAM203はCPU201のワークエリアとして使用される。表示部204は各種設定を行ったり、その内容の表示、更には製造の過程等をグラフ表示するために設けられる。外部記憶装置205はメモリカード等であり、外部からプログラムを供給したり、あるいはワイヤ成形加工のための各種設定内容を保存するために使用される。この結果、例えば、ある成形加工(例えばスプリングであればその自由長やコイル径等)のためのパラメータを記憶しておくことで、いつでもそのメモリカードをセットして実行することで、同じ形状のスプリングを製造することが可能になる。
【0056】
キーボード206は各種パラメータを設定するために設けられ、センサ群207はワイヤの送り出し量や、スプリングの自由長等を検知するために設けられる。
【0057】
各モータ208-1~208-nは、テーブル駆動機構40のサーボモータM1、ツールスライド機構60のサーボモータM2、ツール回転機構70のサーボモータM3、フィードローラ駆動機構37のサーボモータM4、ワイヤガイドユニット90のサーボモータM5、フィーダ移動機構38のサーボモータM6に相当し、各モータ208-1~208-nは、夫々に対応するモータドライバ209-1~209-nにより駆動される。
【0058】
なお、本例では、CPU201は、キーボード206から入力された指示に従い、例えば、各種モータをそれぞれ独立して駆動したり、外部記憶装置205との入出力、更には表示部204を制御することになる。
【0059】
なお、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば、ツールの種類や個数や配置は、本実施形態で例示した構成に限定されず、ワイヤの線径や製品形状に応じて任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0060】
10…ベース
20…成形テーブル
21…テーブル本体
21a…補強部材
22…回転テーブル
22a…中央開口部
22b…外周部
23…開口部
24…外周溝部
25…孔部
26…カム機構
26a…偏心カム
26b…回転軸
26c…ギヤ
26d…ベアリング
26e…ケース
27…ベアリング
28…外ギヤ
30…ワイヤフィーダ
31…ワイヤ供給機構
32…ワイヤ送出機構
33…本体部
34…曲げ癖矯正機構
35…フィードローラ
36…ハンドル
37…フィードローラ駆動機構
38…フィーダ移動機構
38a…レール
39…支持部材
40…テーブル駆動機構
60…ツールスライド機構
61…リング部材(動力伝達部材)
62…内ギヤ
63…ベアリング
70…ツール回転機構
71…リングギヤ(動力伝達部材)
72…ベアリング
73a、73b…外ギヤ
100A…スライドツールユニット
100B…回転ツールユニット
101…ベース部材
102…スライダ
103…ツール保持部材
104…圧縮バネ
110…ベース部材
110a…開口部
111…スライダ
112…軸ユニット
113…ツール保持部材
114…傘ギヤ対
114A…第1のギヤ部
114B…第2のギヤ部
115…第1の平ギヤ
116…第1の傘ギヤ
117…第2の傘ギヤ
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…表示部
205…外部記憶装置
206…キーボード
207…センサ群
M1~M6、208-1~208-n…サーボモータ
209-1~209-n…モータドライバ
T1、T2…ツール
W…ワイヤ軸線