IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジー・オー・ピー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-運搬台車 図1
  • 特許-運搬台車 図2
  • 特許-運搬台車 図3
  • 特許-運搬台車 図4
  • 特許-運搬台車 図5
  • 特許-運搬台車 図6
  • 特許-運搬台車 図7
  • 特許-運搬台車 図8
  • 特許-運搬台車 図9
  • 特許-運搬台車 図10
  • 特許-運搬台車 図11
  • 特許-運搬台車 図12
  • 特許-運搬台車 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】運搬台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/04 20060101AFI20220104BHJP
【FI】
B62B3/04 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020135797
(22)【出願日】2020-08-11
(62)【分割の表示】P 2015225180の分割
【原出願日】2015-11-17
(65)【公開番号】P2020179855
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
【審査官】米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-187772(JP,U)
【文献】実開昭55-136639(JP,U)
【文献】米国特許第5774948(US,A)
【文献】実開平1-108843(JP,U)
【文献】特開2009-227042(JP,A)
【文献】実開昭62-77077(JP,U)
【文献】特開平9-150675(JP,A)
【文献】実開昭60-103048(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0174344(US,A1)
【文献】独国実用新案第202011001237(DE,U1)
【文献】特開平10-278804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車本体部と、走行部と、運搬物の脱落を防ぐ結束部材を引っ掛けるための引っ掛け部を有する引っ掛け部材と、を備える運搬台車であって、
前記台車本体部は、
前側フレーム部、後側フレーム部、右側フレーム部、および、左側フレーム部により、平面視で見て左右方向よりも前後方向に長い矩形状の四方のフレーム枠が構成され、
前記引っ掛け部材は、
前記引っ掛け部が前記台車本体部の上面よりも上側に位置することができるように前記前後方向に沿った回動軸線の回りに回動自在に設けられ、前記引っ掛け部材が前記回動軸線の回りに回動したときの前記引っ掛け部の軌跡が前記台車本体部の左右方向の外側にはみ出すことを特徴とする運搬台車。
【請求項2】
前記回動軸線が、前記台車本体部の左右方向の外側に位置することを特徴とする請求項1に記載の運搬台車。
【請求項3】
前記引っ掛け部材は、
前記右側フレーム部または前記左側フレーム部の外側の側面に沿って垂下した状態になるように回自在に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の運搬台車。
【請求項4】
前記引っ掛け部材は、
平面視で見て、前記引っ掛け部が前記右側フレーム部または前記左側フレーム部の上面と重なり合う状態になるように回自在に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の運搬台車。
【請求項5】
前記引っ掛け部材は、
前記右側フレーム部または前記左側フレーム部の外側の側面に沿って垂下した状態と、
平面視で見て、前記引っ掛け部が前記右側フレーム部または前記左側フレーム部の上面と重なり合う状態とに遷移するように回自在に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の運搬台車。
【請求項6】
前記走行部は、
前記台車本体部の4隅に配置される4つのキャスターと、前後方向の略中央であって左右に離れて配置される2つのキャスターとを有し、
前記引っ掛け部材は、
前記左右方向に沿った側面視で見て、前記右側フレーム部および前記左側フレーム部のうち、前記前後方向の略中央に配置されたキャスターを挟んで前後方向に離れた位置に設けられることを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載の運搬台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品を運搬するための運搬台車が知られている。運搬台車は台車本体の下面の4隅にキャスターが取り付けられ、荷台に運搬物を積載し、運搬することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-138922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場では運搬物を効率よく運搬するために、作業者は運搬台車の荷台に多くの運搬物を積載することがある。このような場合には荷台から運搬物が脱落する、いわゆる荷崩れが発生してしまうことがある。荷崩れが発生することで作業者は、再び荷積めしなければならず、効率よい運搬をすることができない。また、脱落した運搬物が破損する虞もある。
【0005】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、台車本体部に積載された運搬物の脱落を防止できる運搬台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、台車本体部と、走行部と、運搬物の脱落を防ぐ結束部材を引っ掛けるための引っ掛け部を有する引っ掛け部材と、を備える運搬台車であって、前記台車本体部は、前側フレーム部、後側フレーム部、右側フレーム部、および、左側フレーム部により、平面視で見て左右方向よりも前後方向に長い矩形状の四方のフレーム枠が構成され、前記引っ掛け部材は、前記引っ掛け部が前記台車本体部の上面よりも上側に位置することができるように前記前後方向に沿った回動軸線の回りに回動自在に設けられ、前記引っ掛け部材が前記回動軸線の回りに回動したときの前記引っ掛け部の軌跡が前記台車本体部の左右方向の外側にはみ出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の運搬台車によれば、結束部材を引っ掛けることができることから、台車本体部に積載された運搬物の脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の運搬台車を示す斜視図である。
図2図1の運搬台車を後側から見た図である。
図3図1の運搬台車を右側から見た図である。
図4図1の運搬台車を上側から見た図である。
図5図1の運搬台車を下側から見た図である。
図6】結束部材を引っ掛け部に引っ掛けて固縛する状態を示す図である。
図7】第2の実施形態の運搬台車を示す斜視図である。
図8】第3の実施形態の運搬台車を示す斜視図である。
図9】第4の実施形態の運搬台車の一部を示す図である。
図10】第5の実施形態の運搬台車の一部を示す図である。
図11】第6の実施形態の運搬台車の一部を示す図である。
図12】第7の実施形態の運搬台車の一部を示す図である。
図13】第8の実施形態の運搬台車の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る運搬台車について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は運搬台車10の斜視図である。図2は運搬台車10を後側から見た図である。図3は運搬台車10を右側から見た側面図である。図4は運搬台車10を上側から見た平面図である。図5は運搬台車10を下側から見た底面図である。以下の図面では便宜上、矢印Frを前側、矢印Rrを後側、矢印Rを右側、矢印Lを左側として図示する。ただし、運搬台車10は、走行面上を前後左右の何れの方向にも走行することができる。
【0010】
運搬台車10は、台車本体部20と、走行部30とを備えている。
台車本体部20は、複数のフレーム部などが連結して構成され、平面視で見て左右方向よりも前後方向に長く、一対の長辺と一対の短辺からなる矩形状である。図4および図5に示すように、台車本体部20は、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21d、コーナ部材22、補強フレーム部(補強部)25a、25b、25c等を有している。
【0011】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dは、例えばアルミニウム合金製の角状の中空状パイプ等を用いることができる。また、コーナ部材22は、例えば押出し成形により形成されるアルミニウム合金製である。コーナ部材22は、上方に開口する挿入孔23と、下方を閉塞するストッパ部24とを有する。コーナ部材22の挿入孔23には、図1に示す手押部材100a~100dが挿入可能である。挿入孔23に挿入された手押部材100a~100dの下端はストッパ部24によって支持される。手押部材100a~100dは、例えば、鉄製またはアルミニウム合金製で断面円形の直線状のパイプ、いわゆる単管パイプが適用できる。
【0012】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、および、左側フレーム部21dは、コーナ部材22により4つの角部で結合されることで、矩形状の四方のフレーム枠を構成する。フレーム枠内は複数の補強フレーム部25a、25b、25cが前後左右方向に付き合わされ、ネジ、リベット、溶接などで接合されることで補強される。補強フレーム部25a、25b、25cは、例えばアルミニウム合金製の角状の中空状パイプや断面凹凸状のプレートなどを用いることができる。ここでは、前後方向に長尺な2本の補強フレーム部25a、25bに対して左右方向に短尺な12本の補強フレーム部25cを接合することで、平面視で見て前後方向に3列、左右方向に4列に区分けされた複数の矩形状の空間26が形成される。
また、台車本体部20は、複数の空間26のうち後述する取付板32a、32bによって閉塞されていない空間26の上部に載置板27が取り付けられる。載置板27は運搬物を載置するための平面状の板である。載置板27は、各フレーム部や各補強フレーム部にリベットやネジにより結合される。
【0013】
走行部30は、台車本体部20および運搬物の荷重を支持しながら走行面を走行する。走行部30は、複数のキャスター31a、31bを有している。図5に示すように、走行部30は、台車本体部20の4隅に配置される4つのキャスター31aと、前後方向の略中央であって左右に離れて配置される2つのキャスター31bとの6つのキャスターを有する。キャスター31a、31bは、一対のフォークに車輪が回転自在に軸支される。また、キャスター31a、31bは、空間26を下側から塞ぐような態様で各フレーム部や各補強クレーム部に結合された取付板32a、32bを介して台車本体部20に取り付けられる。
【0014】
取付板32aは一つの角部が切り欠かれた形状であり、取付板32bは隣接する2つの角部が切り欠かれた形状である。取付板32a、32bはネジやリベットを用いて下側から各フレーム部や各補強フレーム部に結合される。ここで、キャスター31a、31bは、取付板32a、32bに対して鉛直方向に沿った旋回軸線Cを中心に旋回可能である。また、キャスター31aは、ブレーキペダル33を有し、ブレーキペダル33を上側から下側に向かって押し込むことで車輪をロックすることができる。一方、キャスター31bは、ブレーキペダル33を有していない。
また、2つのキャスター31bの左右の間隔は、4つのキャスター31aの左右の間隔よりも広く確保されている。このように、走行部30が6つのキャスター31a、31bを有し、中央のキャスター31bの左右の間隔を広くすることで、運搬台車10を安定して走行させることができる。
【0015】
次に、本実施形態の運搬台車10は、ロープなどの結束部材を引っ掛けるための引っ掛け部材40を有する。引っ掛け部材40は、例えば金属製であって、略コ字状あるいは略U字状に形成される。引っ掛け部材40は、留部としての引っ掛け部41と、取付部42とを有する。引っ掛け部41は、結束部材を引っ掛ける部位であって、略円弧状に形成される。取付部42は、台車本体部20に取り付ける部位であって、引っ掛け部41の端部にそれぞれ形成される。取付部42にはリベットやネジを挿通させるための図示しない孔が形成されている。
【0016】
引っ掛け部材40は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材40は、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材40は、取付部42の孔を通して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ外側の側面にリベットやネジで結合される。各引っ掛け部材40は、空間26に対して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dを介して隣接して位置している。また、引っ掛け部材40が台車本体部20に取り付けられた状態では、引っ掛け部41は台車本体部20の上面よりも上側に位置する。また、引っ掛け部材40の引っ掛け部41と、台車本体部20とで囲まれた空間によって、結束部材が挿通される孔が形成される。この孔は、開口方向が左右方向である。
【0017】
次に、結束部材を引っ掛け部41に引っ掛けて台車本体部20に積載した運搬物を固縛する方法について説明する。
図6(a)は、結束部材としてのベルト110を示す図である。
ベルト110は、第1長尺部111aと、第2長尺部111bと、第1フック部112aと、第2フック部112bと、留具113とを有する。
第1長尺部111aおよび第2長尺部111bは、例えばナイロン製であって、帯状あるいは紐状に形成される。第1フック部112aおよび第2フック部112bは、例えば鉄製であって、略C字状に形成される。第1フック部112aは第1長尺部111aの端部に取り付けられ、第2フック部112bは第2長尺部111bの端部に取り付けられる。留具113は、例えば鉄製であって、略口字状に形成される。留具113は、第1長尺部111aおよび第2長尺部111bのそれぞれに係合する。留具113と、第1長尺部111aおよび第2長尺部111bとの係合位置を変化させることで、ベルト110の全長を変更することができる。
【0018】
図6(b)は、運搬台車10に運搬物をベルト110で固縛した状態を示す斜視図である。
ここでは、台車本体部20の前後方向に沿って積載した円筒状の複数のパイプPを上述したベルト110を介して固縛することを想定する。具体的には、3つのベルト110を用意し、1つ目のベルト110の第1フック部112aおよび第2フック部112bをそれぞれ前側で左右に対向している2つの引っ掛け部41に引っ掛け、2つ目のベルト110の第1フック部112aおよび第2フック部112bをそれぞれ中央で左右に対向している2つの引っ掛け部41に引っ掛け、3つ目のベルト110の第1フック部112aおよび第2フック部112bをそれぞれ後側で左右に対向している2つの引っ掛け部41に引っ掛ける。この後、各ベルト110の留具113の係合位置を変化させて、ベルト110の全長を短くする。したがって、台車本体部20に積載された運搬物を、引っ掛け部41に引っ掛けられたベルト110を用いて固縛することができる。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、台車本体部20と、走行部30とを備える運搬台車10であって、運搬物の脱落を防ぐ結束部材を引っ掛けるための引っ掛け部41を有することから、結束部材を引っ掛け部41に引っ掛けて運搬物を固縛することができる。したがって、台車本体部20に積載された運搬物の脱落を防止することができる。
また、本実施形態の運搬台車10は、引っ掛け部41が台車本体部20の外縁側に位置することから、引っ掛け部41と干渉することなく運搬物を台車本体部20に積載することができる。
【0020】
また、本実施形態の運搬台車10は、運搬台車10を平面視で見て、台車本体部20が矩形状であって、引っ掛け部41は対向する一対の長辺側にそれぞれ位置している。通常、長尺の運搬物を台車本体部20に積載する場合、運搬物の長手方向を運搬台車10の長辺と略平行になるように積載する。このとき、引っ掛け部41が対向する一対の長辺にそれぞれ位置しているので、結束部材を各引っ掛け部41にそれぞれ引っ掛けて運搬物を固縛したときに、運搬物の長手方向に対して結束部材を横切るように交差させることができる。したがって、台車本体部20に積載された運搬物の脱落をより防止することができる。
【0021】
また、本実施形態の運搬台車10は、運搬台車10を側面視で見て、引っ掛け部41が台車本体部20の上面よりも上側に位置しているので、結束部材を容易に引っ掛け部41に引っ掛けることができる。
また、本実施形態の運搬台車10は引っ掛け部41を有する引っ掛け部材40を備え、引っ掛け部材40は台車本体部20の側面に取り付けられている。したがって、引っ掛け部材40の取付位置と干渉することなく、運搬物を台車本体部20に積載することができる。このとき、台車本体部20の側面にリベットやネジを介して引っ掛け部材40を取り付けることで、台車本体部20の上面に取り付ける場合に比べて引っ掛け部材40に対して上側に引き抜かれるような力が掛かったときの耐久性を向上させることができる。
【0022】
また、本実施形態の運搬台車10は、引っ掛け部41と台車本体部20とで囲まれた空間によって、結束部材が挿通される孔が形成される。したがって、孔に結束部材を挿通させることで、容易に結束部材を引っ掛け部41に引っ掛けることができる。
【0023】
なお、上述した実施形態の運搬台車10では、引っ掛け部材40が右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に取り付ける場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ中央に1箇所(左右合わせて2箇所)、あるいは、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dの前側、後側に2箇所(左右合わせて4箇所)に取り付けてもよい。
【0024】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材40の取付位置について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図7は、第2の実施形態の運搬台車11を示す斜視図である。本実施形態の運搬台車11では、引っ掛け部材40が右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、後側の2箇所(左右合わせて4箇所)に間隔を空けて取り付けられる。したがって、第1の実施形態の運搬台車10と同様、結束部材を引っ掛け部41に引っ掛けて運搬物を固縛することができるので、台車本体部20に積載された運搬物の脱落を防止することができる。
【0025】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材40の取付位置について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図8は、第3の実施形態の運搬台車12を示す斜視図である。
本実施形態の引っ掛け部材40は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材40が右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材40は、取付部42の孔を通して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ内側の側面にリベットやネジで結合される。各引っ掛け部材40は、平面視で見て、各空間26内に位置している。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、引っ掛け部材40は台車本体部20の内側の側面に取り付けられることから、引っ掛け部材40は台車本体部20の幅寸法(左右方向の幅寸法)に収めることができ、運搬台車12が幅方向に大型化するのを防止することができる。
なお、第3の実施形態では、引っ掛け部材40が台車本体部20に取り付けられた状態では、引っ掛け部41は台車本体部20の上面よりも上側に位置するが、引っ掛け部41(引っ掛け部41の上端)は台車本体部20の上面と同じ高さ、または、上面よりも下側であってもよい。この場合、引っ掛け部41はそれぞれ右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dから内側に離しておくことが好ましい。
【0027】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材50について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図9(a)は、第4の実施形態の運搬台車13の一部を示す斜視図である。図9(b)は、運搬台車13の一部を後側から見た図である。
本実施形態の引っ掛け部材50は、例えば金属製であって、引っ掛け部51と回動部52とを有する。引っ掛け部51は、結束部材を引っ掛ける部位であって、略U字状あるいは略コ字状に形成される。回動部52は、引っ掛け部51の各端部を折り曲げることで形成され、取付部材53によって回動自在に支持される。
【0028】
引っ掛け部材50は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材50は、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材50は、取付部材53が右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dの外側の側面にリベットやネジで結合されることで取り付けられる。
また、図9(b)に示すように、引っ掛け部材50の回動部52は、台車本体部20の上面よりも下側であり、台車本体部20の側面より外側である。したがって、引っ掛け部材50を使用しないときには、起立している引っ掛け部材50を矢印で示すように回動部52を介して回動させて、図9(b)の二点鎖線で示すように台車本体部20の側面に沿って垂下させることができる。なお、引っ掛け部材50を回動させて垂下させた状態では、引っ掛け部材50は引っ掛け部51が台車本体部20の下面から下側に突出しないように設定されている。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、引っ掛け部材50が回動可能であることから、使用しないときに引っ掛け部材50を回動させることで、台車本体部20の上面から上側への突出しないようにすることができ、引っ掛け部材50と干渉することなく運搬物を台車本体部20に積載することができる。
【0030】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材60について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図10(a)は、第5の実施形態の運搬台車14の一部を示す斜視図である。図10(b)は、運搬台車14の一部を後側から見た図である。
本実施形態の引っ掛け部材60は、例えば金属製であって、引っ掛け部61と取付部62とを有する。引っ掛け部61は、結束部材を引っ掛ける部位であって、一部(外側)が開放された孔状、換言すると略J字状あるいは略フック状に形成される。取付部62は、台車本体部20に取り付ける部位であって、平板状に形成される。取付部62にはリベットやネジを挿通させるための図示しない孔が形成されている。
【0031】
引っ掛け部材60は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材60は、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材60は、取付部62の孔を通して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dの上面にリベットやネジで結合される。各引っ掛け部材60は、空間26に隣接して位置している。
また、図10(b)に示すように、引っ掛け部材60が台車本体部20に取り付けられた状態では、引っ掛け部61は台車本体部20の幅寸法(左右方向の幅寸法)内に収まる。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、引っ掛け部材60は台車本体部20の上面に取り付けられることから、引っ掛け部材60は台車本体部20の幅寸法(左右方向の幅寸法)に収めることができ、運搬台車14が幅方向に大型化するのを防止することができる。
なお、第5の実施形態では、引っ掛け部材60の引っ掛け部61は一部が開放された孔状である場合について説明したが、図10(b)の二点鎖線で示すように閉塞された孔状であってもよい。この場合には、孔の開口方向は、前後方向である。
【0033】
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材70について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図11(a)は、第6の実施形態の運搬台車15の一部を示す斜視図である。図11(b)は、運搬台車15の一部を後側から見た図である。
本実施形態の引っ掛け部材70は、例えば金属製であって、引っ掛け部71と取付部72とを有する。引っ掛け部71は、結束部材を引っ掛ける部位であって、一部(下側)が開放された孔状、換言すると略U字状あるいは略フック状に形成される。取付部72は、台車本体部20に取り付ける部位であって、平板状に形成される。取付部72にはリベットやネジを挿通させるための図示しない孔が形成されている。
【0034】
引っ掛け部材70は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材70は、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材70は、取付部72の孔を通して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ外側の側面にリベットやネジで結合される。各引っ掛け部材70は、空間26に対して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dを介して隣接して位置している。
また、図11(b)に示すように、引っ掛け部材70が台車本体部20に取り付けられた状態では、引っ掛け部71は台車本体部20(各フレーム部)の高さ寸法(上下方向の寸法)内に収まる。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、引っ掛け部材70の引っ掛け部71は台車本体部20(フレーム部)の上面と同一高さ、または、上面よりも低いことから、引っ掛け部71と干渉することなく運搬物を台車本体部20に積載することができる。また、引っ掛け部材70の引っ掛け部71は台車本体部20(フレーム部)の下面と同一高さ、または、下面によりも高いことから、運搬台車15をフォークリフトで持ち上げるときにフォークリフトの爪が引っ掛け部材70に接触して引っ掛け部材70が破損してしまうことを防止することができる。
なお、第6の実施形態では、引っ掛け部材70の引っ掛け部71は一部が開放された孔状である場合について説明したが、図11(b)の二点鎖線で示すように閉塞された孔状であってもよい。この場合には、孔の開口方向は、前後方向である。
【0036】
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材80について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図12(a)は、第7の実施形態の運搬台車16の一部を示す斜視図である。図12(b)は、運搬台車16の一部を後側から見た図である。
本実施形態の引っ掛け部材80は、例えば金属製であって、引っ掛け部81と取付部82とを有する。引っ掛け部81は、結束部材を引っ掛ける部位であって、一部(内側)が開放された孔状、換言すると略J字状あるいは略フック状に形成される。取付部82は、台車本体部20に取り付ける部位であって、平板状に形成される。取付部82にはリベットやネジを挿通させるための図示しない孔が形成されている。
【0037】
引っ掛け部材80は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材80は、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材80は、取付部82の孔を通して右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dの下面にリベットやネジで結合される。各引っ掛け部材80は、キャスター31a、31bが旋回したときに干渉しない位置に取り付けられる。
また、図12(b)に示すように、引っ掛け部材80が台車本体部20に取り付けられた状態では、引っ掛け部81は台車本体部20の幅寸法(左右方向の幅寸法)内に収まる。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、引っ掛け部材80は台車本体部20の下面に取り付けられることから、引っ掛け部材80は台車本体部20の幅寸法(左右方向の幅寸法)に収めることができ、運搬台車16が幅方向に大型化するのを防止することができる。
なお、第7の実施形態では、引っ掛け部材80の引っ掛け部81は一部が開放された孔状である場合について説明したが、図12(b)の二点鎖線で示すように閉塞された孔状であってもよい。この場合には、孔の開口方向は、前後方向である。
【0039】
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、第1の実施形態と異なる引っ掛け部材90について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成は、同一符号を付して、その説明を適宜、省略する。
図13(a)は、第8の実施形態の運搬台車17の一部を示す斜視図である。図13(b)は、運搬台車17の一部を後側から見た図である。
本実施形態の引っ掛け部材90は、例えば金属製であって、引っ掛け部91と回動部92とを有する。引っ掛け部91は、結束部材を引っ掛ける部位であって、略U字状あるいは略コ字状に形成される。回動部92は、引っ掛け部91の各端部を折り曲げることで形成され、取付部材93によって回動自在に支持される。
【0040】
引っ掛け部材90は台車本体部20の外縁側に取り付けられる。具体的には、引っ掛け部材90は、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に間隔を空けて取り付けられる。ここでは、引っ掛け部材90は、取付部材93が右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dの外側の側面および上面にリベットやネジで結合されることで取り付けられる。
また、図13(b)に示すように、引っ掛け部材90の回動部92は、台車本体部20の上面よりも上側であり、台車本体部20の側面より外側である。したがって、引っ掛け部材90を使用しないときには、起立している引っ掛け部材90を矢印で示すように回動部92を介して回動させて、台車本体部20の上面に重ね合わせたり、台車本体部20の側面に沿って垂下させたりすることができる。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、引っ掛け部材90が回動可能であることから、使用しないときに引っ掛け部材90を回動させることで、台車本体部20からの突出を抑制でき、運搬台車17が大型化するのを防止することができる。
なお、第7の実施形態では、引っ掛け部材90は台車本体部20の上面に重ね合わせたり、台車本体部20の側面に沿って垂下させたりする方向に回動できる場合について説明したが、この場合に限られず、何れの一つの方向のみに回動できる構成であってもよい。
【0042】
以上、本発明を上述した実施形態と共に説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更などが可能であり、上述した実施形態を適宜、組み合わせてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、結束部材としてベルト110を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、フック部や留具等を有さないベルト、ロープ、ゴムなどの結束部材であってよい。
【0043】
また、上述した第3~第7の実施形態では、引っ掛け部材40、50、60、70、80、90が右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ前側、中央、後側の3箇所(左右合わせて6箇所)に取り付ける場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dのそれぞれ中央に1箇所(左右合わせて2箇所)、あるいは、右側フレーム部21cおよび左側フレーム部21dの前側、後側に2箇所(左右合わせて4箇所)に取り付けてもよい。
【0044】
また、上述した各実施形態の走行部30は、4隅に4つのキャスター31aを取り付け、中央に2つのキャスター31bを取り付ける場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、走行部30は、4隅に4つのみキャスター31aを取り付ける場合であってもよく、中央に2つ以上のキャスター31bを取り付けてもよい。また、中央の2つのキャスター31bは、4隅の4つのキャスター31aと同様のキャスターであってもよい。
また、上述した各実施形態の台車本体部20は、載置板27を有する場合について説明したが、この場合に限られず、載置板27を省略してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10~17:運搬台車 20:台車本体部 21a:前側フレーム部 21b:後側フレーム部 21c:右側フレーム部 21d:左側フレーム部 26:空間 30:走行部 31a、31b:キャスター 32a、32b:取付板 40:引っ掛け部材 41:引っ掛け部 42:取付部 50:引っ掛け部材 51:引っ掛け部 52:回動部 60:引っ掛け部材 61:引っ掛け部 62:取付部 70:引っ掛け部材 71:引っ掛け部 72:取付部 80:引っ掛け部材 81:引っ掛け部 82:取付部 90:引っ掛け部材 91:引っ掛け部 92:回動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13