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特許6991640入口および出口バルブを有する積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】入口および出口バルブを有する積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/60 20060101AFI20220104BHJP
   B01D 15/22 20060101ALI20220104BHJP
   C12M 1/12 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
G01N30/60 P
B01D15/22
C12M1/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018531161
(86)(22)【出願日】2016-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2016080000
(87)【国際公開番号】W WO2017102482
(87)【国際公開日】2017-06-22
【審査請求日】2019-11-07
(31)【優先権主張番号】1522177.3
(32)【優先日】2015-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516105833
【氏名又は名称】サイティバ・バイオプロセス・アールアンドディ・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ハーマンソン,ダン
(72)【発明者】
【氏名】ギバウアー,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ルンドクヴィスト,マッツ
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-527473(JP,A)
【文献】特開2001-074187(JP,A)
【文献】特公昭59-032711(JP,B2)
【文献】特表2013-516315(JP,A)
【文献】特開2007-253154(JP,A)
【文献】特表2008-519277(JP,A)
【文献】特開2010-008410(JP,A)
【文献】特開平05-064717(JP,A)
【文献】特開2004-251408(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0011821(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/46 - 30/60
B01D 15/22
C12M 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラム入口(303)およびカラム出口(304)に流体接続されたカラムチャンバ(2)を備える、同様のクロマトグラフィーモジュールと積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュール(1)であって、前記カラム入口(303)および前記カラム出口(304)のうちのいずれか一方は、a)同様のクロマトグラフィーモジュールのカラム出口(304)もしくは入口(303)、またはb)流体プレート(6)の出口もしくは入口との前記カラム入口(303)もしくは出口(304)の接続時に、閉位置から開位置に移動するように配置されたバルブ(305)を備え、
前記バルブ(305)が、前記バルブ(305)が前記閉位置にあるときにバルブシート(309)に載置するばね付勢されたバルブ部材(308)を備え、同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(303)または出口との接続時に、バルブ開放部材(307)が、前記バルブ部材(308)を前記バルブシート(309)から離すように付勢することによって前記バルブ(305)を開位置に移動させ、
前記バルブ部材(308)が、弾性を有し、前記バルブ部材(308)から延び、ボア環状リム(320)に係合する一体的な突起(313)によって本質的にばね付勢される、クロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
【請求項2】
前記バルブ部材(308)が、前記バルブ(305)が閉位置にあるとき、前記カラム入口(303)または出口(304)の円錐台状ボアセグメント(311)に対して密封当接する円錐台状セグメント(310)を備える、請求項1に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
【請求項3】
各カラム入口(303)および出口(304)が、当接するコネクタの対応するフィルム(105)と共に引き出されるように配置された折り畳まれた保護フィルム(105)を備える無菌コネクタである、請求項1又は2に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
【請求項4】
前記折り畳まれた保護フィルム(105)が、前記カラム入口(303)または出口(304)を取り囲む、軸方向に移動可能なまたは変形可能な外側側壁(108)に装着された、またはその一体的な部分を形成するフランジ(109)に剥離可能に接着し前記外側側壁(108)が、前記カラム入口(303)または出口(4;104;204;304)に対して入れ子式に移動可能である請求項に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
【請求項5】
前記折り畳まれた保護フィルム(105)が、前記カラム入口(303)または出口(304)を取り囲む、軸方向に移動可能なまたは変形可能な外側側壁(108)に装着された、またはその一体的な部分を形成するフランジ(109)に剥離可能に接着し、前記外側側壁(108)が、熱可塑性であるベローズを備える、請求項3に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
【請求項6】
第1のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(303)が、第2のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム出口(304)と流体接続される、請求項1乃至のいずれか1項に記載の少なくとも2つの同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のスタック。
【請求項7】
第1のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(303)が、流体プレート(6)の出口と流体接続され、前記流体プレート(6)の入口が、第2のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム出口(304)と流体接続される、請求項1乃至のいずれか1項に記載の少なくとも2つの同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のスタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィーカラムに関し、具体的には、バイオ医薬品の処理のための積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュールに関する。本発明はまた、クロマトグラフィーカラムモジュールのスタック、およびこのようなスタックを生体分子の精製に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
予め充填された積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュールまたはカートリッジの使用は、パイロットおよびプロセス規模のバイオ製造における柔軟性を高める可能性がある。柔軟性は、多数の標準化されたモジュールの必要とされる容量および汚染物質除去のためのより大きなシステムを構築する能力から生じる。モジュールは予め充填されて供給されるので、ユーザは複雑な充填作業を行う必要がなく、使い捨て製品として使用することができ、すなわち、1つまたは複数のバッチまたはキャンペーンの後に廃棄することができることを意味する。
【0003】
予め充填されたモジュールの問題は、クロマトグラフィー樹脂が液体で充填され、モジュールが互いにまたはシステムに接続されたときに液体が漏出する可能性があることである。これは、使用後にモジュールを分離するとき、特にそれらが生体有害性または有毒物質の処理に使用されている場合にも問題となるさらに、多くのバイオプロセス操作では、高度の衛生または無菌性が必要とされる。この理由から、接続中に外部からのモジュール内容物の汚染を避けることも望ましい。
【0004】
したがって、クロマトグラフィーカラムモジュールの漏れのない接続/分離を可能にする簡便な解決策、ならびにモジュールの衛生的な接続を可能にする解決策が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2016/015952号
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様は、スタックで同様のクロマトグラフィーカラムモジュールと簡便に接続することができる積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュールを提供することである。これは、特許請求の範囲に定義されるモジュールによって達成される。
【0007】
1つの利点は、クロマトグラフィーカラムモジュールを、モジュールから液体が漏れることなく接続および/または分離することができることである。
【0008】
本発明の第2の態様は、液体が漏れることなく組み立ておよび/または分解することができるクロマトグラフィーカラムモジュールのスタックである。これは、特許請求の範囲に定義されるスタックによって達成される。
【0009】
本発明の第3の態様は、生体分子を分離するためのクロマトグラフィーカラムモジュールスタックの使用を提供することである。これは、特許請求の範囲に定義される使用によって達成される。
【0010】
本発明のさらなる適切な実施形態は、従属請求項に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のクロマトグラフィーカラムモジュールの断面図(側面図)である。
図2】本発明のクロマトグラフィーカラムモジュール(側面図)である。
図3】本発明の2つのクロマトグラフィーカラムモジュールのスタックの断面図(側面図)である。
図4】本発明の2つのクロマトグラフィーカラムモジュールのスタック(側面図)である。
図5】本発明の2つの接続されたクロマトグラフィーカラムモジュールの入口および出口の詳細な断面図(側面図)である。
図6】接続前の本発明の2つのクロマトグラフィーカラムモジュールの入口および出口の詳細な断面図(側面図)である。
図7】接続前の本発明の2つのクロマトグラフィーカラムモジュールの無菌コネクタ入口および出口の詳細な断面図(側面図)である。
図8】接続前の本発明の2つのクロマトグラフィーカラムモジュールの無菌コネクタ入口および出口の詳細な断面図(側面図)である。
図9】本発明によるクロマトグラフィーカラムモジュールおよび流体プレートのスタック(概略側面図)である。
図10】接続前の本発明の2つのクロマトグラフィーカラムモジュールの入口および出口の詳細な断面図(側面図)である。
図11】本発明の2つの接続されたクロマトグラフィーカラムモジュールの入口および出口の詳細な断面図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図9に示す一態様では、本発明は、同様のクロマトグラフィーモジュールと積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュール1を開示する。クロマトグラフィーカラムモジュールは、典型的には、クロマトグラフィー樹脂粒子および液体の充填床を含むことができるカラムチャンバ2を備える。カラムチャンバは、カラム入口3;103;203;303およびカラム出口4;104;204;304に流体接続され、カラム入口およびカラム出口は各々、a)同様のクロマトグラフィーモジュールのカラム出口もしくは入口、またはb)流体プレート6の出口もしくは入口とのカラム入口もしくは出口の接続時に、閉位置から開位置に移動するように配置されたバルブ5;305を備える。入口と出口の両方は、円形の断面を有してもよく、典型的には、カラムチャンバと流体接続する内側開口14と、当接面16で外側開口12との流体接続を可能にするボア15と、閉位置にあるときはボアを閉じ、開位置にあるときはボアを開いたままにするバルブ部材8;308とを備える。同様のクロマトグラフィーモジュールまたは流体プレートとの結合のために、入口は、たとえば密封Oリング21を有する雄コネクタ17を備えてもよく、出口は、雌コネクタ18を備えてもよく(またはその逆)、それぞれの入口および出口の外側開口12および当接面16は、互いに接触する。流体プレート6は、たとえば、並列および/または直列モードの様々な組合せでモジュールの柔軟な接続を可能にするために、同時係属出願第PCT EP2015/065311号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている流れ制御ブロックとすることができる。しかしこれは、たとえば、濃度検出器および/またはバルブ50と、たとえば定期的な逆流クロマトグラフィーなどの連続的なクロマトグラフィー設定で有用な、特定の条件で流れを分流または追加するための分岐線51とを備えるプレートとすることもできる(たとえば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20120091063号参照)。カラム入口およびカラム出口の各々は、好適には、接続時に同様のクロマトグラフィーカラムモジュールまたは流れプレートのカラム入口または出口のバルブに作用するように配置されたバルブ開放部材7;307をさらに備えることができる。バルブ開放部材は、典型的には、入口と出口が接続されるときにバルブ部材を機械的に係合し、バルブ部材を開位置に付勢することができる。バルブは、たとえば、バルブが閉位置にあるときにバルブシート9;309に載置するばね付勢されたバルブ部材8;308を備えてもよく、同様のクロマトグラフィーカラムモジュールのカラム入口または出口との接続時に、バルブ開放部材7;307は、バルブ部材をバルブシートから離すように付勢することによってバルブを開位置に移動させ、入口または出口を通る開放通路を形成する。バルブ部材は、たとえば、バルブが閉位置にあるとき、カラム入口または出口ボア15の円錐台状ボアセグメント11;311に対して密封当接する円錐台状セグメント10;310を備えてもよい。ばね付勢は、たとえば、ばね13によって達成されてもよく、バルブ部材環状リング19とボア環状リム20を係合する。バルブ開放部材は、バルブ部材と一体とすることができ、非接続状態(すなわち、バルブが閉位置にあるとき)のときに、それぞれカラム入口および出口の外側開口12を通って延びることができる。したがって、入口と出口とが接続され、当接面16が接触すると、両方のバルブ開放部材が内側(内側開口に向かう方向)に押し込まれ、両方のバルブ部材8をバルブシート9から離して開位置に付勢する。
【0013】
図10および図11に示す特定の実施形態では、バルブ部材308は、シリコーンゴムなどのエラストマーからなる弾性を有し、バルブ部材から内側開口に向かう方向に延び、ボア環状リム320に係合する一体的な突起313(たとえば、矩形または扇形)によって本質的にばね付勢される。閉位置では、バルブ部材の円錐台状セグメント310は、カラム入口または出口ボア15の円錐台状ボアセグメント311と密封当接することができる。別のカラム入口または出口に接続して、バルブ開放部材、たとえば入口または出口の突起307は、バルブ部材を内側開口に向かう方向に付勢し、円錐台状セグメント310を円錐台状ボアセグメント311から離れるように移動させることで、バルブが開位置にあり、液体はボアを通って突起307の間を、セグメント310と311との間の空間および突起313の間を通って流れることができる。図10および図11は、バルブ部材を有する雌コネクタ、およびバルブ開放部材を有する雄コネクタを示しているが、代替の構成が可能であり、たとえば、バルブ部材は、雄コネクタにあり、バルブ開放部材は、雌コネクタから延びる。
【0014】
図7および図8に示すいくつかの実施形態では、各カラム入口103;203および出口104;204は、典型的にはタブ106を使用して、当接するコネクタの対応するフィルム105と共に引き出されるように配置された折り畳まれた保護フィルム105を備える無菌コネクタである。折り畳まれた保護フィルムは、カラム入口または出口を取り囲む、軸方向に移動可能なまたは変形可能な外側側壁108;208に装着された、またはその一体的な部分を形成するフランジ109;209に剥離可能に接着することができる。フィルムは、たとえば、フランジ表面に取り付けられたフォームドーナツ107(または別の適切な圧縮可能な基材)に感圧接着剤で取り付けられてもよい。外側側壁108は、たとえば密封のためにOリング110を使用して、カラム入口または出口に対して軸方向にたとえば入れ子式に移動可能とすることができる。あるいは、外側側壁208は、圧延または変形可能な折り畳み可能なベローズまたは可撓性ダイヤフラムを備えてもよい。いくつかの実施形態では、外側側壁は、接続後に取り外されるように構成することができる。これは、たとえば、壁の弱化線と、タブが引っ張られたときに弱化線に沿って壁を裂開させるように配置されたタブによって達成することができる。他の実施形態では、接続後に壁を適所に残すことができる。次に、接続部の周りに二次的なエンクロージャを形成してもよく、これは偶発的な液体漏れを収容する。壁が可撓性かつ溶接可能である場合、たとえば熱可塑性ベローズの場合には、モジュールの完全に密閉された分離を達成することも可能である。入口と出口を互いに分離することができ、使い捨て装置を有するバイオプロセス設備で一般的に利用可能な無菌溶接装置を使用して、ベローズを延ばし、切断して密封することができる。
【0015】
図3図5に示す第2の態様では、本発明は、上述の少なくとも2つの同様のクロマトグラフィーカラムモジュール1のスタックを開示し、第1のクロマトグラフィーカラムモジュールのカラム入口は、第2のクロマトグラフィーカラムモジュールのカラム出口と流体接続される。クロマトグラフィーカラムモジュールは、同一のクロマトグラフィー樹脂で充填されてもよいし、または異なる樹脂で充填されてもよく、スタックで複数のステップを実行することを可能にする。
【0016】
図9に示す第3の態様では、本発明は、上述の少なくとも2つの同様のクロマトグラフィーカラムモジュール1のスタックを開示し、第1のクロマトグラフィーカラムモジュールのカラム入口は、流体プレート6の出口と流体接続され、流体プレートの入口は、第2のクロマトグラフィーカラムモジュールのカラム出口と流体接続される。上記のように、カラムモジュールは、同一の樹脂または異なる樹脂で充填されてもよい。
【0017】
第4の態様では、本発明は、生体分子を分離するための上述のスタックの使用を開示する。生体分子は、たとえば、バイオ医薬品として使用されるタンパク質(たとえば、免疫グロブリン)、ペプチド、ウイルスまたは核酸であってもよい。生体分子は、生の供給、たとえば清浄化した細胞ブロス、または半精製形態、たとえば前のクロマトグラフィーステップから回収されたもので提供することができる。分離は、生体分子のホスト細胞タンパク質、ウイルス、エンドトキシンまたは凝集体、フラグメント、変種などの不純物または汚染物質の除去を含むことができる。この使用には、i)上記のようにスタックを組み立てるステップと、ii)平衡緩衝液をスタックに通すステップと、iii)生体分子を含むサンプルをスタックに通すステップと、iv)ステップiii)においてスタックの通過後にサンプル中の生体分子を回収するか、または溶出緩衝液をスタックに通して、スタックの通過後に溶出緩衝液中の生体分子を回収するステップとを含む方法を含む。
【0018】
本明細書は、最良の様式を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差のない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図されている。本文に述べられたすべての特許および特許出願は、個別に組み込まれたかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[実施態様1]
カラム入口(3;103;203;303)およびカラム出口(4;104;204;304)に流体接続されたカラムチャンバ(2)を備える、同様のクロマトグラフィーモジュールと積み重ね可能なクロマトグラフィーカラムモジュール(1)であって、前記カラム入口(3;103;203;303)および前記カラム出口(4;104;204;304)は各々、a)同様のクロマトグラフィーモジュールのカラム出口(4;104;204;304)もしくは入口(3;103;203;303)、またはb)流体プレート(6)の出口もしくは入口との前記カラム入口(3;103;203;303)もしくは出口(4;104;204;304)の接続時に、閉位置から開位置に移動するように配置されたバルブ(5;305)を備える、クロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様2]
前記カラム入口(3;103;203;303)および前記カラム出口(4;104;204;304)の各々が、接続時に同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(3;103;203;303)または出口の前記バルブ(5;305)に作用するように配置されたバルブ開放部材(7;307)をさらに備える、実施態様1に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様3]
前記バルブ(5;305)が、前記バルブ(5;305)が前記閉位置にあるときにバルブシート(9;309)に載置するばね付勢されたバルブ部材(8;308)を備え、同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(3;103;203;303)または出口との接続時に、バルブ開放部材(7;307)が、前記バルブ部材(8;308)を前記バルブシート(9;309)から離すように付勢することによって前記バルブ(5;305)を開位置に移動させる、実施態様1または2に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様4]
前記バルブ部材(8;308)が、前記バルブ(5;305)が閉位置にあるとき、前記カラム入口(3;103;203;303)または出口(4;104;204;304)の円錐台状ボアセグメント(11;311)に対して密封当接する円錐台状セグメント(10;310)を備える、実施態様3に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様5]
前記バルブ開放部材(7;307)が、前記バルブ部材(8;308)と一体である、実施態様2乃至4のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様6]
前記バルブ開放部材(7;307)が、前記カラム入口(3;103;203;303)または出口(4;104;204;304)の外側開口(12)を通って延びる、実施態様2乃至5のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様7]
前記バルブ部材(308)が、弾性を有し、前記バルブ部材(308)から延び、ボア環状リム(320)に係合する一体的な突起(313)によって本質的にばね付勢される、実施態様3または4に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様8]
各カラム入口(103;203)および出口(104;204)が、当接するコネクタの対応するフィルム(105)と共に引き出されるように配置された折り畳まれた保護フィルム(105)を備える無菌コネクタである、実施態様1乃至7のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様9]
前記折り畳まれた保護フィルム(105)が、前記カラム入口(3;103;203;303)または出口(4;104;204;304)を取り囲む、軸方向に移動可能なまたは変形可能な外側側壁(108)に装着された、またはその一体的な部分を形成するフランジ(109)に剥離可能に接着する、実施態様8に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様10]
前記外側側壁(108)が、前記カラム入口(3;103;203;303)または出口(4;104;204;304)に対して入れ子式に移動可能である、実施態様9に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様11]
前記外側側壁(208)が、ベローズを備える、実施態様9に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様12]
前記ベローズが、熱可塑性である、実施態様11に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様13]
前記外側側壁(108;208)が、接続後に取り外されるように構成される、実施態様8乃至12のいずれか1項に記載のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)。
[実施態様14]
第1のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(3;103;203;303)が、第2のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム出口(4;104;204;304)と流体接続される、実施態様1乃至13のいずれか1項に記載の少なくとも2つの同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のスタック。
[実施態様15]
第1のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム入口(3;103;203;303)が、流体プレート(6)の出口と流体接続され、前記流体プレート(6)の入口が、第2のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のカラム出口(4;104;204;304)と流体接続される、実施態様1乃至13のいずれか1項に記載の少なくとも2つの同様のクロマトグラフィーカラムモジュール(1)のスタック。
[実施態様16]
生体分子を分離するための、実施態様14乃至15のいずれか1項に記載のスタックの使用。
【符号の説明】
【0019】
1 クロマトグラフィーカラムモジュール
2 カラムチャンバ
3 カラム入口
4 カラム出口
5 バルブ
6 流体プレート
7 バルブ開放部材
8 バルブ部材
9 バルブシート
10 円錐台状セグメント
11 円錐台状ボアセグメント
12 外側開口
13 ばね
14 内側開口
15 ボア
16 当接面
17 雄コネクタ
18 雌コネクタ
19 バルブ部材環状リング
20 ボア環状リム
21 密封Oリング
50 濃度検出器/バルブ
51 分岐線
103 カラム入口
104 カラム出口
105 保護フィルム
106 タブ
107 フォームドーナツ
108 外側側壁
109 フランジ
110 Oリング
203 カラム入口
204 カラム出口
208 外側側壁
209 フランジ
303 カラム入口
304 カラム出口
305 バルブ
307 バルブ開放部材、突起
308 バルブ部材
309 バルブシート
310 円錐台状セグメント
311 円錐台状ボアセグメント
313 突起
320 ボア環状リム
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11