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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/202 20210101AFI20220127BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20220127BHJP
   H01M 50/204 20210101ALN20220127BHJP
【FI】
H01M50/202 501C
H01M50/342 101
H01M50/35 101
H01M50/213
H01M50/224
H01M50/531
H01M50/227
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/204 401E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017125295
(22)【出願日】2017-06-27
(65)【公開番号】P2019009042
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直剛
(72)【発明者】
【氏名】神足 昌人
(72)【発明者】
【氏名】安井 俊介
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-140695(JP,A)
【文献】国際公開第2017/043023(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/064096(WO,A1)
【文献】特開2013-131453(JP,A)
【文献】特開2014-170613(JP,A)
【文献】中国実用新案第204189847(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0003513(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/30
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定圧力で開弁する排出弁の排出口を設けてなる端面を排気側端面とし、前記排気側端面と反対側の端面を非排気側端面とする複数の電池セルと、
前記電池セルを定位置に配列してなる電池ホルダーと、
前記電池ホルダーで定位置に配置してなる前記電池セルの前記排出口に連結してなる排出ダクトとを備える電池モジュールであって、
前記電池セルを内部に配置してなる耐圧ケースを備え、
前記耐圧ケースは、前記非排気側端面から排出される漏れガスの温度と圧力に耐える強度を有すると共に、
内蔵する前記電池セルの非排気側端面側を閉塞して、
前記排気側端面側に漏れガスの排出開口を設けており、
前記非排気側端面から排出される漏れガスが、前記耐圧ケースの前記排出開口から排出される構造としてなり、
前記電池セルが、
一端を開口して底面を閉塞してなる外装缶と、
前記外装缶の開口縁に気密に連結されて開口部を密閉し、かつ電極端子を設けてなる封口板とからなる電池ケースを備え、
前記電池セルは、前記外装缶の底面に、設定圧力で薄肉部を破壊する前記排出弁を設けており、
前記外装缶の底面を排気側端面として、前記封口板側を非排気側端面としてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
請求項に記載される電池モジュールであって、
前記電池セルが円筒形電池であることを特徴とする電池モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載される電池モジュールであって、
前記耐圧ケースの前記排出開口が前記排出ダクトに連結されてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項4】
請求項1ないしのいずれかに記載される電池モジュールであって、
前記耐圧ケースが、非排気側端面を閉塞してなる金属筒としてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項5】
請求項に記載される電池モジュールであって、
前記耐圧ケースが非排気側端面に設けてなる前記電池セルの電極端子に接続されてリード板に併用されてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項6】
設定圧力で開弁する排出弁の排出口を設けてなる端面を排気側端面とし、前記排気側端面と反対側の端面を非排気側端面とする複数の電池セルと、
前記電池セルを定位置に配列してなる電池ホルダーと、
前記電池ホルダーで定位置に配置してなる前記電池セルの前記排出口に連結してなる排出ダクトとを備える電池モジュールであって、
前記電池セルを内部に配置してなる耐圧ケースを備え、
前記耐圧ケースは、前記非排気側端面から排出される漏れガスの温度と圧力に耐える強度を有すると共に、
内蔵する前記電池セルの非排気側端面側を閉塞して、
前記排気側端面側に漏れガスの排出開口を設けており、
前記非排気側端面から排出される漏れガスが、前記耐圧ケースの前記排出開口から排出される構造としてなり、
前記耐圧ケースがプラスチック製としてなり、
前記耐圧ケースが、プラスチック製の本体部と、この本体部に一体的に成形して固定してなる前記電池セルの電極端子に接続される金属製のリード端子とを備え、
前記本体部は、前記電池セルの外周面をカバーする筒状カバー部と、前記筒状カバー部の一端に連結されて、前記非排気側端面をカバーする端面カバー部とを有し、
前記リード端子は、筒部と、筒部の一端に連結されて前記電池セルの電極端子に溶接される溶接プレート部と、溶接プレート部の反対側で前記筒部に連結してなるバスバー接続部とからなり、
前記リード端子は、前記筒部がプラスチック製の前記本体部を内側と外側に貫通し、かつ、前記バスバー接続部を前記端面カバー部の外側に配置して、前記溶接プレート部が前記端面カバー部の内側に位置して、前記本体部に一体的に成形して固定され、
前記耐圧ケースの前記本体部の内側に配置される前記電池セルの電極端子に、前記リード端子の前記溶接プレート部が溶接されてなる電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装ケースの内圧上昇を抑制するための排出弁を備えた電池セルを備える電池モジュールに関し、とくに、外装ケースから排出される高温ガスや異物を排出ダクトから正常に排気する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、使用時における充放電の電流値や外的条件によって内圧が異常に高くなることがある。内圧の異常な上昇は電池ケースを破壊する原因となるので、この弊害を防止するために、設定圧力で開弁する排出弁を備えた二次電池が開発されている。この排出弁を備える二次電池は、内圧が設定値より高くなると開弁して、外装ケースの内圧上昇を抑制し、外装ケースが異常な内圧で破壊されることを防止するように構成されている。この種の二次電池を備える電池モジュールは、開弁した排出弁から排出される高温・高圧の排出ガスを外部に排気するための排出ダクトを設けている。排出ダクトは、排出弁の開口部に連結されて開口部から排出される高温・高圧の排出ガスを外部に誘導して排気する。(特許文献1参照)
【0003】
さらに、近年、外装缶の底面に、局部的にリング状の薄肉部を設けて排出弁とする二次電池も開発されている(特許文献2参照)。以上の構成の二次電池は、排気弁の開口面積を比較的広くすることができる特徴がある。この種の二次電池を備える電池モジュールは、外装缶底面に設けた排出弁の開口部に排出ダクトを連結して、外装缶の底面側から排出される高温・高圧の排出ガスを外部に排気する構造として組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-170613号公報
【文献】特開2017-69184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、外装缶の底面に薄肉部を設けて排出弁としている二次電池は、排出弁が位置する面が「排気側端面」となり、封口板が位置する反対側の面が「非排気側端面」となる。このような二次電池を備える電池モジュールは、それぞれの二次電池が同一姿勢で配置され、電池モジュールの一面に排出弁が並ぶように構成することができる。この構成により、排出弁が並ぶ電池モジュールの一面に排出ダクトを配置することで、それぞれの二次電池の排気弁と排出ダクトを連結することができるようになっている。
一方で、二次電池の内圧が異常に高くなった際に、底面側に設けた排出弁が開弁する前に、非排気側端面に位置する封口板側が破壊されて、非排気側端面側から高温・高圧の排出ガスが噴出することがある。二次電池は、外装缶の開口部にカシメ構造やレーザー溶接して封口板を固定する構造とするので、金属板を絞り加工して製作される外装缶の底面に匹敵する強度の実現が難しく、内圧が異常に高くなる状態で封口板側である非排気側端面の破損を皆無にできない。とくに、充放電容量が大きい二次電池は、内部の電極密度が極めて高く、内圧の不均衡が生じるおそれがある。二次電池の内部で発生する内圧の不均衡は、内圧により排気弁が開弁するより前に、排出弁以外の部分を破損する原因となる。
【0006】
以上の構成の電池モジュールは、非排気側端面には排出ダクトが設けられていないため、非排気側端面が破壊されると高温・高圧の排出ガスが電池モジュール内に噴射されて安全性を著しく低下させる原因となる。
【0007】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単な構造で、二次電池の構造を変更することなく、二次電池の非排気側端面から排出される高温・高圧の排出ガスを外部に排気することができる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
本発明のある態様にかかる電池モジュールは、設定圧力で開弁する排出弁の排出口を設けてなる端面を排気側端面として、排気側端面と反対側の端面を非排気側端面とする複数の電池セルと、各々の電池セルを定位置に配列している電池ホルダーと、電池ホルダーで定位置に配置している電池セルの排出口に連結している排出ダクトと、電池セルを内部に配置している耐圧ケースを備え、耐圧ケースは、非排気側端面から排出される漏れガスの温度と圧力に耐える強度を有し、かつ内蔵する電池セルの非排気側端面側を閉塞して、排気側端面側には漏れガスの排出開口を設けており、非排気側端面から排出される漏れガスを、耐圧ケースの排出開口から排出する構造としている。
【0009】
以上の電池モジュールは、簡単な構造としなから、電池セルの構造を変更することなく、電池セルの非排気側端面から排出される高温・高圧の排出ガスを排出ダクトに誘導することができ、高温・高圧の排出ガスを外部に排気することができる。それは、電池モジュールが、電池セルを内部に配置する耐圧ケースを備え、この耐圧ケースが電池セルの非排気側端面側を閉塞して、排気側端面側に排出開口を設けているので、電池セルの非排気側端面が破壊して漏れガスが排出されても、耐圧ケースが漏れガスを非排気側端面から排出することなく排気側端面に導いて排出開口から排出するからである。とくに、以上の電池モジュールは、電池セル自体の構造を変更することなく、電池セルを耐圧ケースに挿入して、非排気側端面から排出される漏れガスを排気側端面に案内して排出する簡単な構造で、非排気側端面が破壊して排出される漏れガスを、耐圧ケースでもって排気側端面に導いて漏れガスが内部に排出される弊害を防止する。
【0010】
本発明のある態様にかかる電池モジュールは、電池セルの電池ケースを、一端を開口して底面を閉塞してなる外装缶と、外装缶の開口縁に気密に連結されて開口部を密閉し、かつ電極端子を設けてなる封口板とで構成し、外装缶の底面には、設定圧力で薄肉部を破壊する排出弁を設けて、外装缶の底面を排気側端面として、封口板側を非排気側端面とすることができる。
【0011】
以上の電池モジュールは、電極端子を設けている封口板側を非排気側端面として、外装缶の底面に薄肉部を設けて排出弁とするので、排出弁の開口面積を大きくして、開弁した排出弁から速やかに高温・高圧の排出ガスを排気できる。さらに、封口板側を非排気側端面としてここに排出される漏れガスを排出ダクトに誘導して排出するので、外装缶と封口板との連結部があって、外装缶の底面側である排気側端面よりも強度が低下して、この部分が破壊されたとしても、耐圧ケースでもって漏れガスを排気側端面に排出することで高い安全性を実現する。
【0012】
本発明のある態様にかかる電池モジュールは、電池セルを円筒形電池とすることができる。この電池モジュールは、電池セルを円筒形電池とすることで、電池セルの容積に対する充放電の容量を高くできる特徴を実現しながら、外装缶の底面に比較して高強度の実現が難しい封口板側の破断をストッパで確実に阻止して、高い安全性を実現できる特徴がある。円筒形電池がその形状から角形電池に比較して充放電容量を大きくできるのは、絶縁セパレータを介して積層した正負の電極板を渦巻き状に巻いて円柱状の電極とし、これを円筒状の外装缶に挿入して組み立てできるからである。積層した電極板を渦巻き状に巻いて製作される円柱状の電極は、巻回工程で電極密度を高くでき、さらに円柱状の電極を円筒状の外装缶に挿入することから電極を高密度な状態で挿入して組み立てして、充放電容量を大きくできる。ただ、円筒形電池は外装缶の開口縁と封口板とをカシメて連結するので、封口板側の強度を外装缶の底面に匹敵する強度とすることが難しく、異常な内圧で封口板側が破壊しやすくなるが、以上の電池モジュールは、底面側に比較して高強度化が難しい封口板側の内圧による破壊をストッパで確実に阻止するので、円筒形電池を使用して高容量化を実現しながら、封口板側の破壊を阻止して高い安全性も実現する特徴がある。
【0013】
本発明のある態様にかかる電池モジュールは、耐圧ケースの排出開口を排出ダクトに連結することができ、この構造によって、非排気側端面に排出される漏れガスを排出ダクトを利用して外部に排出できる特徴がある。
【0014】
本発明のある態様にかかる電池モジュールは、耐圧ケースの形状を、非排気側端面を閉塞している金属筒とすることができる。さらに、本発明のある態様にかかる電池モジュールは、耐圧ケースを、非排気側端面に設けている電池セルの電極端子に接続してリード板に併用することができる。
【0015】
さらにまた、本発明のある態様にかかる電池モジュールは、耐圧ケースをプラスチック製とすることができ、また、耐圧ケースを、プラスチック製の本体部と、この本体部に一体的に成形して固定してなる電池セルの電極端子に接続される金属製のリード端子とで構成し、本体部は、電池セルの外周面をカバーする筒状カバー部と、筒状カバー部の一端に連結されて、非排気側端面をカバーする端面カバー部とを有する形状として、リード端子は、筒部と、筒部の一端に連結されて電池セルの電極端子に溶接される溶接プレート部と、溶接プレート部の反対側で筒部に連結してなるバスバー接続部とからなる形状として、リード端子は、筒部がプラスチック製の本体部を内側と外側に貫通し、かつ、バスバー接続部を端面カバー部の外側に配置して、溶接プレート部が端面カバー部の内側に位置して、本体部に一体的に成形して固定し、耐圧ケースの本体部の内側に配置される電池セルの電極端子に、リード端子の溶接プレート部が溶接する構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例にかかる電池モジュールの概略断面図である。
図2】本発明の他の実施例にかかる電池モジュールの概略断面図である。
図3】本発明の他の実施例にかかる電池モジュールの概略断面図である。
図4図1に示す電池モジュールの一部断面図である。
図5図4に示す電池モジュールのA-A線断面図である。
図6】本発明の他の実施例にかかる電池モジュールの一部断面図である。
図7図2に示す電池モジュールの一部断面図である。
図8】本発明の他の実施例にかかる耐圧ケースの一部横断面図である。
図9】本発明の他の実施例にかかる電池モジュールの一部断面図である。
図10図9に示す耐圧ケースの横断面図である。
図11】本発明の他の実施例にかかる電池モジュールの一部断面図である。
図12図11に示す電池モジュールの金属端子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明は以下のものに特定されない。また、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0018】
以下に示す電池モジュールは、主として、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド車や、モータのみで走行する電気自動車などの電動車両の駆動用電源に適用する例を説明する。なお本発明の電池モジュールを、ハイブリッド車や電気自動車以外の車両に使用したり、電動車両以外の大出力が要求される用途、例えば家庭用、工場用の蓄電装置等に使用してもよい。
【0019】
図1ないし図3に示す電池モジュールは、複数の電池セル1と、電池セル1を内側に配置している耐圧ケース2と、耐圧ケース2でカバーしている各々の電池セル1を定位置に配置する電池ホルダー3と、電池ホルダー3で定位置に配置している電池セル1の電極端子5にリード板を介して接続している厚い金属板のバスバー6と、電池セル1に設けている排出弁7の排出口8に連結している排出ダクト9と、以上のパーツを内蔵している筐体4とを備える。
【0020】
電池セル1は、リチウムイオン二次電池の円筒形電池である。ただ、本発明は電池セルをリチウムイオン二次電池には特定せず、充電できる他の全ての二次電池、たとえばリチウムイオン二次電池以外の非水系電解液二次電池やその他の二次電池とすることができる。電池セル1である円筒形電池は、底を閉塞する円筒状の外装缶10の開口部を封口板11で気密に密閉して電池ケース12としている。外装缶10は金属板を深絞り加工して製作される。封口板11は円盤状で、中心部に凸部の電極端子5を設けている。封口板11は、外装缶10の外周縁に、絶縁材を介してカシメ構造で絶縁して気密構造に固定される。
【0021】
電池セル1は、外装缶10の底面に排出弁7を設けている。排出弁7は電池セル1の内圧が設定圧力よりも高くなると開弁して、内部のガスを外部に排気して電池ケース12の破壊を防止する。電池セル1の内圧は、電池の過充電、過放電、過大電流、物理的衝撃、内部短絡、外部短絡、異常高温などの過酷な条件下において発生する。電池セル1は、内圧が異常に高くなる状態で排出弁7を開弁することで、電池ケース12の破裂などを防止している。
【0022】
排出弁7は、電池セル1の一方の端面に設けられる。図に示す電池セル1は、底面に排出弁7を設けて、上端には排出弁7を設けない。排出弁7を設けた底面は、排出ガスを排出する排気側端面T1となり、排出弁7を設けない上端面は非排気側端面T2として排出ガスを排出しない。
【0023】
図の電池セル1は、外装缶10の底面にリング状に薄肉部を設けて排出弁7としている。この構造の排出弁7は、薄肉部の厚さを調製して開弁する設定圧力をコントロールできる。薄肉部を薄くして開弁する設定圧力を低く、厚くして開弁する設定圧力を高くできる。この排出弁7は、電池セル1の内圧が設定圧力よりも高くなると薄肉部が破断して開弁する。リング状の薄肉部13で構成される排出弁7は、開弁状態で薄肉部13が破断されるので、薄肉部13の内側に排出口8が開口される。
【0024】
電池セル1は、排気側端面T1にのみ排出弁7を設けて、内圧上昇時には排出弁7を開いて高温・高圧の排出ガスを排気側端面T1から電池ケース12の外部に排出する。電池セル1は、排気側端面T1にのみ排出弁7を設けて、反対側の端面を非排気側端面T2として排出弁7を設けない。この電池セル1を使用して、膨大な個数の電池モジュールを多量生産し、さらに各々の電池モジュールが、充放電の条件や外的環境が著しく異なる状態で使用される状態で、全ての電池セル1が非排気側端面T2から漏れガスの排出を皆無にするのは極めて難しい。とくに、電池セル1は、軽量化と大容量化が要求されることから、電池ケースを薄い金属板として軽量化する必要があって、非排気側端面T2からのガス漏れを皆無にするのは極めて難しい。
【0025】
図1ないし図3の電池モジュールは、電池セル1を耐圧ケース2の内側に配置して電池ホルダー3で定位置に配置する。耐圧ケース2は、電池セル1の非排気側端面T2から排出される漏れガスを排気側端面T1に導いて排出する。耐圧ケース2の内側に配置する電池セル1は、仮に非排気側端面T2が破損して漏れガスが噴出されたとしても、耐圧ケース2によって、非排気側端面T2に噴出される漏れガスを排気側端面T1に導いて排出する。
【0026】
耐圧ケース2は、非排気側端面T2から排出される漏れガスの温度と圧力に耐え、非排気側端面T2から噴出される漏れガスを排気側端面T1から排出する。耐圧ケース2は、電池セル1の非排気側端面T2を閉塞する。電池セル1が非排気側端面T2に排出する漏れガスを排出するために、耐圧ケース2は、排出開口14を排気側端面T1に設けている。この耐圧ケース2は、非排気側端面T2から排出される漏れガスを排気側端面T1に導いて排出する。耐圧ケース2は金属板をプレス加工して製作され、あるいは絶縁材のプラスチックを成形して製作される。金属製の耐圧ケース2は、内部に配置する電池セル1の電極端子5に接続するリード板に併用できる。金属製の耐圧ケース2は、内面に絶縁材を配置して外装缶10から絶縁して配置される。耐圧ケース2と内部の電池セル1の外装缶10とに電圧差があるからである。
【0027】
プラスチック製の耐圧ケース2は、一端を電極端子5に接続している引き引出線15を外装缶10と絶縁して配置し、あるいは電極端子5との対向位置に金属端子23を気密に固定して、この金属端子23を介して電極端子5を介してバスバー6に電気接続する。
【0028】
図1の断面図に示す電池モジュールは、耐圧ケース2を金属ケースとする。この耐圧ケース2は、電池セル1の電極端子5である凸部電極をバスバー6に接続するリード板に併用する。この耐圧ケース2は、金属板を深絞り加工して、非排気側端面T2を閉塞プレート部2Aで閉塞する筒状にプレスして製作される。閉塞プレート部2Aは、筒体の内側に配置する電池セル1の電極端子5に溶接されて、電池セル1に固定される。閉塞プレート部2Aは、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶着されて電極端子5に固定される。リード板に併用される図1の耐圧ケース2は、閉塞プレート部2Aの内面を電極端子5に接続して、外面をバスバー6に接続する。
【0029】
金属製の耐圧ケース2は、電池セル1の外装缶10との間に絶縁材17を配置する。図4の耐圧ケース2は、電池セル1の外装缶10と絶縁するために、円筒状の絶縁材17を配置している。絶縁材17はプラスチックを成形して製作される。この絶縁材17は、内径を電池セル1の外形にほぼ等しく、外径を耐圧ケース2の内形にほぼ等しくする筒状にプラスチックを成形して製作され、内側に電池セル1を、外側に耐圧ケース2を配置する。絶縁材17は、非排気側端面T2に排出される漏れガスを排気側端面T1に流動させるために内面にガス溝17Aを設けている。図5は、内面にガス溝17Aを設けた絶縁材17の一部横断面図を示す。この図に示す絶縁材17は、内面に複数列のガス溝17Aを筒の軸方向に延びるように設けている。図4の絶縁材17は、外装缶10の底面の外周部までカバーする。この絶縁材17は、外装缶10の底面までカバーするが、絶縁材は必ずしも外装缶の底面までカバーする必要はなく、また、外装缶の全体をカバーすることなく、外装缶の非排気側端面側の一部(図4において外装缶10の上部)をカバーすることもできる。外装缶10の一部をカバーする絶縁材17は、ガス溝17Aの端部から排出する漏れガスを、電池ホルダー3の内面に設けたガス溝17Aで排出ダクト9に案内する。
【0030】
図1図4の電池モジュールは、仮に電池セル1の非排気側端面T2が破壊されて内部から漏れガスが噴出されても、漏れガスは耐圧ケース2の内側、正確には絶縁材17のガス溝17Aを通過して排出開口14に導かれて、排出ダクト9から外部に排出される。したがって、仮に非排気側端面T2が内圧で破壊されても、漏れガスを電池モジュール内に噴出することがなく、漏れガスによる弊害を防止できる。
【0031】
金属製の耐圧ケース2は、内面に設ける絶縁材17を熱収縮チューブとすることもできる。熱収縮チューブを内側に配置する耐圧ケース2は、プラスチックを成形した絶縁材を使用することなく、電池セル1と絶縁できる。熱収縮チューブが絶縁材となって、耐圧ケース2と外装缶10とを絶縁するからである。この構造の電池モジュールは、図6の一部断面図に示すように、耐圧ケース2にガス溝17Aを設ける。非排気側端面T2に噴出される漏れガスを排気側端面T1に導くためである。この構造の耐圧ケース2は、金属板をプレス加工する工程で、軸方向に延びるガス溝17Aを設けた形状、すなわち筒部を波形に成形してガス溝17Aを設ける。
【0032】
図1図4の電池モジュールは、金属製の耐圧ケース2の内側に、絶縁材17を介して電池セル1を挿入し、耐圧ケース2の閉塞プレート部2Aを電極端子5に溶接して電池ユニットUとして組み立て、この電池ユニットUを電池ホルダー3の電池収納部に配置して、各電池セル1を定位置に配置する。
【0033】
図2の電池モジュールは耐圧ケース2を絶縁材のプラスチック製とする。プラスチック製の耐圧ケース2は、電極端子5に接続している引出線15を外装缶10との間に配置する。図7図2の詳細な断面図を示す。この図の電池モジュールは、耐圧ケース2の内側に外装缶10から絶縁して引出線15を配置する。図2図7の耐圧ケース2は、筒体の一端を閉塞プレート部2Aで閉塞する形状にプラスチックを成形している。引出線15は一端を電極端子5に接続して他端を排気側端面T1に配置するバスバー6に接続している。引出線15は、電池セル1の外装缶10から絶縁するために、外装缶10との間にプラスチック製の絶縁材17を配置している。絶縁材17は、プラスチックを筒状に成形している。この絶縁材17は、図1の絶縁材17と同様に、内形を電池セル1の外形にほぼ等しく、外形を耐圧ケース2の内形にほぼ等しくして内側に電池セル1を、外側に耐圧ケース2を配置する。またこの絶縁材17は、耐圧ケース2との間にリード板を配置するので、外側面には、引出線15を配置する配線溝を設けている。引出線15は配線溝に配置されて、耐圧ケース2との間に配置される。さらに絶縁材17は、図4の絶縁材17と同様に内面にガス溝17Aを設けている。
【0034】
図8の耐圧ケース2の横断面図に示す電池モジュールは、図7に示す筒状の絶縁材17に代わって、電池セル1と引出線15との間に、引出線15を電池セル1の外装缶10から絶縁する部分にのみ絶縁ガイド21を配置する。絶縁ガイド21は、引出線15を案内する配線溝21Aを耐圧ケース側に設けた溝形にプラスチックを成形している。絶縁ガイド21は、引出線15の引き出し方向に延長して、電池セル1の外装缶10と耐圧ケース2との間に配置される。プラスチック製の耐圧ケース2は、絶縁ガイド21を定位置に配置する嵌合凹部22と、ガス溝17Aの両方を内面に設けている。
【0035】
図9の電池モジュールは、引出線15を被覆線として耐圧ケース2の内面に配置する。表面に絶縁被覆のある引出線15は、電池セル1の外装缶10との間に絶縁材や絶縁ガイドを設ける必要がない。絶縁被覆が電池セル1の外装缶10と絶縁するからである。この電池モジュールは、図10の一部横断面図に示すように、耐圧ケース2の内面に、被覆線を配置する配線溝20を筒体の内面に設けて、ここに引出線15を配置する。
【0036】
図7ないし図10の電池モジュールは、電池セル1の電極端子5に引出線15を接続し、引出線15を耐圧ケース2の内面に配置して排出開口14まで引き出して、耐圧ケース2の内側に電池セル1を挿入して電池ユニットUとする。電池ユニットUが、電池ホルダー3の定位置に配置されて電池モジュールとして組み立てられる。
【0037】
図3に示す電池モジュールは、プラスチック製の耐圧ケース2に金属端子23を固定している。この電池モジュールは、図11の詳細図に示すように、金属端子23を介して電極端子5をバスバー6に接続する。金属端子23は金属板をプレス加工して製作される。図12は金属端子23の斜視図を示す。この図の金属端子23は、筒体の一端(図において下端)を接続プレート23Aで閉塞する形状に金属板を加工している。筒体の開口端には接続片23Bを突起して設けている。筒体の外側には、プラスチックケースとの連結強度を向上するために、突出部23Cを設けている。突出部23Cは固定されるプラスチックケースとの連結強度を強くして、金属端子23を位置ずれしないようにプラスチック製の耐圧ケース2に固定する。したがって、噴出される漏れガスを確実に排気側端面T1に排出する。金属端子23は、プラスチックケースを成形する工程でプラスチックに一体的に成形して固定される。金属端子23は、プラスチックケースの内側に接続プレート23Aを、外側に接続片23Bを配置するように、プラスチックケースに固定されて、プラスチックケースの非排気側端面T2を気密に閉塞する。耐圧ケース2に一体的に成形して固定される金属端子23は、プラスチック製耐圧ケース2の非排気側端面T2を理想的な状態で密閉してガス漏れを確実に阻止する。プラスチック製の耐圧ケース2は、内面に複数列のガス溝17Aを設けている。ガス溝17Aは、非排気側端面T2側に排出される漏れガスを排気側端面T1に流動して排出ダクト9に案内する。
【0038】
以上の電池モジュールは、耐圧ケース2に電池セル1を挿入し、耐圧ケース2の金属端子23を電池セル1の電極端子5に接続して電池ユニットUとし、この電池ユニットUを電池ホルダー3の定位置に配置して組み立てられる。
【0039】
電池ホルダー3は、絶縁材料である熱可塑性樹脂等の樹脂を成形して製作される。電池ホルダー3は、好ましくは難燃性と耐熱性に優れた樹脂製とする。このような樹脂として、例えば、PC(ポリカーボネート)やPP(ポリプロピレン)やナイロンなどが使用できる。
【0040】
図1ないし図3に示す電池ホルダー2は、電池ユニットUを電池収納部3Aに配置して、定位置に配置する。図1ないし図3の電池ホルダー3は、電池ユニットUを平行な姿勢であって、耐圧ケース2の開口端側をほぼ同一平面に配置して、電池セル1の排出弁7の排出口8に排出ダクト9を連結する位置に配置する。電池ホルダー2は、複数の電池収納部3Aを有し、電池収納部3Aに電池ユニットUを配置する。電池収納部3Aは、電池ユニットUを配置できる内形として、内側に電池ユニットUを挿入して定位置に配置する。電池ホルダー3は、電池収納部3Aの間に隔壁を有し、隔壁の両側に電池ユニットUを絶縁状態に配置する。
【0041】
図1ないし図3の電池ホルダー3は、電極端子5をバスバー6に接続するための溶接開口3Bを上端に開口している。図の電池ホルダー3は、電池ユニットUの長手方向の中央部で、図において上下のホルダーユニットに分割している。ホルダーユニットは、上下に分割する状態で電池収納部3Aに電池を挿入し、その後連結して電池ユニットUを定位置に配置する。上下に分割して電池ユニットUを電池収納部に配置できる電池ホルダー3は、電池収納部3Aの上下両端に設けている開口部を電池ユニットUの外形よりも小さくして、電池ユニットUを電池収納部3Aから外部に移動しない状態、すなわち電池ユニットUを縦方向に位置ずれしないように保持できる。ただ、図示しないが、電池ホルダーは、端部に電池ユニットを挿入できる開口部を設けて、開口部から電池ユニットを挿入して定位置に配置することもできる。
【0042】
電池ホルダー3は、金属板のバスバー6を定位置に配置している。図1図3の電池モジュールは、電池ホルダー3に設けた電池収納部3Aの両端部に正負のバスバー6を配置する。正負のバスバー6は、矢印で示すリード板を介して電極端子5に接続される。図1図3の電池モジュールは、一方のバスバー6を凸部電極に、他方のバスバー6を外装缶の底面側に接続している。図2の電池モジュールは、電極端子5に接続している引出線15を耐圧ケース2の排出開口14側に引き出しているので、耐圧ケース2の排出開口側に正負のバスバー6を絶縁して配置して、一方のバスバー6には引出線15を、他方のバスバーには外装缶10の底面を接続している。図1ないし図3の電池モジュールは、バスバー6で隣接する電池セル1を並列に接続しているが、本発明の電池モジュールは、バスバーを介して隣接する電池セルを直列に接続することもできる。
【0043】
排出ダクト9は、各々の電池セル1の排出弁7から排出される高温・高圧の排出ガスを筐体4の外部に排出する。排出ダクト9は、電池セル1の排気側端面T1に設けている排出弁7の開口部に連結して配置される。排出ダクト9は、各々の電池セル1の排出弁7の排出口8に連結される複数の開口窓24を有し、先端の開口部を電池モジュールの筐体4の外部に配置している。
【0044】
筐体4は金属ケースで、電池ホルダー3とバスバー6と排出ダクト9とを定位置に固定して配置する。電池ホルダー3と排出ダクト9は、一体構造に連結されて、筐体4の定位置に固定される。バスバー6は、電池ホルダー3の定位置に固定される。排出ダクト9は、図示しないが、電池ホルダーに固定され、あるいは電池ホルダーと筐体に挟まれて定位置に配置される。筐体4は、ネジ止め、嵌合構造などで、電池ホルダー3と排出ダクト9を内部の定位置に固定する。筐体4が電池ホルダー3を定位置に固定し、定位置に固定される電池ホルダー3が耐圧ケース2と電池セル1を定位置に固定する。電池セル1と耐圧ケース2が定位置に固定される電池モジュールは、非排気側端面T2から噴出される漏れガスで耐圧ケース2と電池セル1とが相対運動しない。電池セル1に対して相対運動しない耐圧ケース2は、非排気側端面T2に噴出される漏れガスを排気側端面T1に流動させる。耐圧ケース2と電池セル1との相対運動は、筐体4が電池ホルダー3を定位置に固定して、電池ホルダー3を定位置に配置して、電池ホルダー3が耐圧ケース2と電池セル1とを定位置に固定する構造のみでなく、電池ホルダー3が耐圧ケース2と電池セル1とを定位置に固定する構造によっても実現できる。電池ホルダー3が耐圧ケース2と電池セル1を定位置に固定する構造は、図4に示すように、一対のホルダーユニットに分割された電池ホルダー3内に、電池ユニットUが軸方向に位置ずれしない状態で配置して、一対のホルダーユニットを分離しない構造に連結しても実現できる。電池ユニットUが軸方向に位置ずれしない状態は、電池収納部3Aの両端開口部を電池セル1の外径よりも小さくして実現する。一対のホルダーユニットを分離しない状態に連結する構造は、図示しないが、一方のホルダーユニットに係止アームを設け、この係止アームを他方のホルダーユニットに係止構造で連結し、あるいは一対のホルダーユニットを両端から筐体4で押圧する構造で実現できる。
【0045】
筐体4の内部に配置される金属製のバスバー6は、金属製の筐体4から絶縁して配置される。バスバー6と筐体4との絶縁は、隙間を設け、絶縁性のセパレータ25を配置し、あるいは排出ダクトなどの絶縁材で構成されるパーツを配置して実現される。図1ないし図3の電池モジュールは、非排気側端面T2に配置するバスバー6と筐体4とを対向して配置するので、セパレータ25を電池ホルダー3に一体的に成形して設けている。セパレータ25は、筐体4と対向面に部分的に設けられて、先端面を筐体4の内面まで突起して、筐体4とバスバー6との間に隙間を設けている。この隙間にバスバー6が配置されてバスバー6は筐体4から絶縁して配置される。また、セパレータ25は、筐体4の内面に接触して電池ホルダー3を定位置に配置して、電池ホルダー3の位置ずれを防止する。セパレータ25は筐体4を貫通する止ネジ26で筐体4に固定されて、筐体4と電池ホルダー3とを確実に定位置に固定できる。
【0046】
以上の電池モジュールは、仮に非排気側端面の内圧が上昇して破壊しても、耐圧ケースが漏れガスを排気側端面に導いて排出する。電池セルは、電池ケースをできる限り薄くして、単位重量と単位容積に対する充放電容量を増加できるが、このことは薄い電池ケースの強度が低下するため、非排気側端面の破壊強度を低下させる原因となる。以上の電池モジュールは電池セルの非排気側端面が仮に破壊しても、漏れガスを非排気側端面から排出することなく、排気側端面に導いて排出できるので、このタイプの電池セルを使用する電池モジュールにおいては、高容量化しながら高い安全性を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の電池モジュールは、電池セルの内圧が上昇する状態で、高温・高圧の排出ガスを排気側端面から排出する構造の電源モジュールに有効に使用できる。
【符号の説明】
【0048】
1…電池セル
2…耐圧ケース
2A…閉塞プレート部
3…電池ホルダー
3A…電池収納部
3B…溶接開口
4…筐体
5…電極端子
6…バスバー
7…排出弁
8…排出口
9…排出ダクト
10…外装缶
11…封口板
12…電池ケース
13…薄肉部
14…排出開口
15…引出線
17…絶縁材
17A…ガス溝
20…配線溝
21…絶縁ガイド
21A…配線溝
22…嵌合凹部
23…金属端子
23A…接続プレート
23B…接続片
23C…突出部
24…開口窓
25…セパレータ
26…止ネジ
T1…排気側端面
T2…非排気側端面
U…電池ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12