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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20220105BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20220105BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/80 G
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2017150076
(22)【出願日】2017-08-02
(65)【公開番号】P2019029588
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦司
(72)【発明者】
【氏名】柏木 淳一
(72)【発明者】
【氏名】梅上 大勝
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056564(JP,A)
【文献】特開2014-187059(JP,A)
【文献】特開2013-153027(JP,A)
【文献】特開2014-229823(JP,A)
【文献】国際公開第2015/033631(WO,A1)
【文献】特開2015-032600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソース電極、第1ドレイン電極および第1ゲート電極を有する、ノーマリーオフである第1トランジスタと、
第2ソース電極、第2ドレイン電極および第2ゲート電極を有する、ノーマリーオンである第2トランジスタと、
前記第1ソース電極に接続されたソース端子と、
前記第1ゲート電極に接続されたゲート端子と、
前記第2ドレイン電極に接続されたドレイン端子と、
前記第1ソース電極に接続され且つ前記第1ソース電極と前記ソース端子との導通経路を構成する、ソースワイヤと、
前記第1ゲート電極に接続され且つ前記第1ゲート電極と前記ゲート端子との導通経路を構成する、ゲートワイヤと、
前記第2ドレイン電極に接続され且つ前記第2ドレイン電極と前記ドレイン端子との導通経路を構成する、ドレインワイヤと、
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの少なくとも一方が直接接合されることにより、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタを支持する支持部と、を備えた半導体装置であって、
前記支持部は、各々が第1方向に平行であり且つ前記第1方向に対して直角である第2方向に離れた一対の第1支持部端縁と、当該一対の第1支持部端縁の両端を繋ぐ一対の第2支持部端縁と、を有し、
前記ソースワイヤ、前記ゲートワイヤおよび前記ドレインワイヤは、平面視において前記一対の第2支持部端縁の少なくともいずれかと交差し、
前記第2ドレイン電極は、前記第1方向を長手方向とする細長状であり、
複数の前記ドレインワイヤを備えており、
前記複数のドレインワイヤの一端は、前記第1方向に並んだ状態で前記第2ドレイン電極に接続されていることを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、前記支持部にそれぞれ直接接合されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2トランジスタは、前記支持部に直接接合されており、
前記第1トランジスタは、前記第2トランジスタを介して前記支持部に支持されている、請求項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの端縁は、各々が前記第1方向に平行であり且つ前記第2方向における距離が最も大の組合せである一対の第1素子端縁を含み、
前記ソースワイヤ、前記ゲートワイヤおよび前記ドレインワイヤは、前記第2方向における前記一対の第1素子端縁の間において、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの端縁と交差する、請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1ソース電極および前記第1ゲート電極と第1ドレイン電極とは、互いに反対側を向く、請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2ソース電極、前記第2ドレイン電極および前記第2ゲート電極は、いずれも同じ側を向く、請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2トランジスタは、III族窒化物半導体を含む層を有する、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ソースワイヤは、一端が前記第1ソース電極に直接接合され、他端が前記ソース端子に直接接合され、
前記ゲートワイヤは、一端が前記第1ゲート電極に直接接合され、他端が前記ゲート端子に直接接合され、
前記ドレインワイヤは、一端が前記第2ドレイン電極に直接接合され、他端が前記ドレイン端子に直接接合されている、請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
金属からなるアイランド部と、当該アイランド部に積層された絶縁層と、当該絶縁層に積層された前記支持部としての金属層と、を備える、請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ゲート端子、前記ドレイン端子および前記ソース端子が、前記支持部に対して前記第1方向一方側に位置する、請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記ゲート端子、前記ドレイン端子および前記ソース端子が、前記支持部に対して前記第1方向の両側に位置する、請求項1ないし9のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項12】
複数の前記ドレイン端子を備える、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
複数の前記ソース端子を備える、請求項11または12に記載の半導体装置。
【請求項14】
1つのみの前記ソース端子および1つのみの前記ドレイン端子を備える、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第2ゲート電極に導通する副ゲート端子をさらに備える、請求項1ないし14のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項16】
前記副ゲート端子に導通する別体の抵抗素子を備える、請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第2トランジスタが、前記副ゲート端子に導通する抵抗素子を内蔵する、請求項15に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるノーマリーオフのトランジスタとノーマリーオンのトランジスタとを備えた半導体装置が、提案されている。図21は、従来の半導体装置の一例を示している(特許文献1)。図示された半導体装置Xは、トランジスタ91とトランジスタ92とを備えている。トランジスタ91は、ノーマリーオフのトランジスタであり、トランジスタ92は、ノーマリーオンのトランジスタである。トランジスタ91およびトランジスタ92は、カスコード接続されている。トランジスタ91のドレイン電極は、アイランド95およびワイヤを介してトランジスタ92のソース電極に接続されている。トランジスタ91のゲート電極は、ワイヤによってゲート端子94Gに接続されている。トランジスタ91のソース電極は、ワイヤによってソース端子94Sに接続されている。また、トランジスタ92のドレイン電極は、ワイヤによってドレイン端子94Dに接続されている。トランジスタ92のゲート電極は、電流抑制部93を介してソース端子94Sに接続されている。
【0003】
半導体装置Xにおいては、トランジスタ91およびトランジスタ92の側方にソース端子94Sが配置されている。このため、トランジスタ91およびトランジスタ92を配置するために必要な領域に加えて、ソース端子94Sを配置するための領域をさらに確保する必要がある。これにより、半導体装置Xの小型化が阻害されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-45979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、小型化を図ることが可能な半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される半導体装置は、第1ソース電極、第1ドレイン電極および第1ゲート電極を有する、ノーマリーオフである第1トランジスタと、第2ソース電極、第2ドレイン電極および第2ゲート電極を有する、ノーマリーオンである第2トランジスタと、前記第1ソース電極に接続されたソース端子と、前記第1ゲート電極に接続されたゲート端子と、前記第2ドレイン電極に接続されたドレイン端子と、前記第1ソース電極に接続され且つ前記第1ソース電極と前記ソース端子との導通経路を構成する、ソースワイヤと、前記第1ゲート電極に接続され且つ前記第1ゲート電極と前記ゲート端子との導通経路を構成する、ゲートワイヤと、前記第2ドレイン電極に接続され且つ前記第2ドレイン電極と前記ドレイン端子との導通経路を構成する、ドレインワイヤと前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの少なくとも一方が直接接合されることにより、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタを支持する支持部と、を備えた半導体装置であって、前記支持部は、各々が第1方向に平行であり且つ前記第1方向に対して直角である第2方向に離れた一対の第1支持部端縁と、当該一対の第1支持部端縁の両端を繋ぐ一対の第2支持部端縁と、を有し、前記ソースワイヤ、前記ゲートワイヤおよび前記ドレインワイヤは、平面視において前記一対の第2支持部端縁の少なくともいずれかと交差することを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、前記支持部にそれぞれ直接接合されている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2トランジスタは、前記支持部に直接接合されており、前記第1トランジスタは、前記第2トランジスタを介して前記支持部に支持されている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの端縁は、各々が前記第1方向に平行であり且つ前記第2方向における距離が最も大の組合せである一対の第1素子端縁を含み、前記ソースワイヤ、前記ゲートワイヤおよび前記ドレインワイヤは、前記第2方向における前記一対の第1素子端縁の間において、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタの端縁と交差する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1ソース電極および前記第1ゲート電極と第1ドレイン電極とは、互いに反対側を向く。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2ソース電極、前記第2ドレイン電極および前記第2ゲート電極は、いずれも同じ側を向く。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2トランジスタは、III族窒化物半導体を含む層を有する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ソースワイヤは、一端が前記第1ソース電極に直接接合され、他端が前記ソース端子に直接接合され、前記ゲートワイヤは、一端が前記第1ゲート電極に直接接合され、他端が前記ゲート端子に直接接合され、前記ドレインワイヤは、一端が前記第2ドレイン電極に直接接合され、他端が前記ドレイン端子に直接接合されている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、金属からなるアイランド部と、当該アイランド部に積層された絶縁層と、当該絶縁層に積層された前記支持部としての金属層と、を備える。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ソース端子、前記ドレイン端子および前記ソース端子が、前記支持部に対して前記第1方向一方側に位置する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ソース端子、前記ドレイン端子および前記ソース端子が、前記支持部に対して前記第1方向の両側に位置する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の前記ドレイン端子を備える。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、複数の前記ソース端子を備える。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、1つのみの前記ソース端子および1つのみの前記ドレイン端子を備える。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2ゲート電極に導通する副ゲート端子をさらに備える。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記副ゲート端子に導通する別体の抵抗素子を備える。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2トランジスタが、前記副ゲート端子に導通する抵抗素子を内蔵する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、半導体装置の小型化を図ることができる。
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図2図1のII-II線に沿う断面図である。
図3図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4図1のIV-IV線に沿う断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図10】本発明の第4実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図11図10のXI-XI線に沿う断面図である。
図12図10のXII-XII線に沿う断面図である。
図13】本発明の第4実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図14】本発明の第5実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図15図14のXV-XV線に沿う断面図である。
図16】本発明の第5実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図17】本発明の第6実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図18】本発明の第6実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図19】本発明の第7実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図20】本発明の第7実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
図21】従来の半導体装置の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1図5は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置を示している。本実施形態の半導体装置A1は、第1トランジスタ1、第2トランジスタ2、リードフレーム3、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gs,複数のワイヤ42Sおよび封止樹脂6を備えている。
【0028】
図1は、半導体装置A1を示す平面図である。図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿う断面図である。図4は、図1のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、半導体装置A1を示す回路図である。なお、図1図4においては、x方向が本発明の第2方向に相当し、y方向が本発明の第1方向に相当する。また、z方向視が、平面視に相当する。また、図1においては、理解の便宜上、封止樹脂6を想像線で示しており、他の実施形態の平面図においても同様である。
【0029】
第1トランジスタ1は、ノーマリーオフのトランジスタであり、素子本体10、第1ソース電極11S、第1ドレイン電極11Dおよび第1ゲート電極11Gを備えている。素子本体10は、第1トランジスタ1の大部分を占める部位であり、たとえばSiからなる。素子本体20には、添加元素が適宜ドーピングされ、n型部分およびp型部分が適宜配置されている。第1ソース電極11Sおよび第1ゲート電極11Gは、素子本体20の上面(表面)に形成されている。第1ドレイン電極11Dは、素子本体20の下面(裏面)に形成されている。
【0030】
第1ソース電極11S、第1ドレイン電極11Dおよび第1ゲート電極11Gは、金属からなり、たとえばめっきによって形成される。ワイヤのボンディングやはんだ接合を好適に行う観点から、第1ソース電極11S、第1ドレイン電極11Dおよび第1ゲート電極11Gの表層は、Auによって構成されていることが好ましい。また、第1ソース電極11S、第1ドレイン電極11Dおよび第1ゲート電極11Gのうち表層に覆われる部分は、たとえばCu、Ni等の金属からなる。
【0031】
本実施形態においては、z方向視において、第1ソース電極11Sは、第1ゲート電極11Gよりも大きい。第1ソース電極11Sは、平面視において凹部を有する略コの字状である。第1ゲート電極11Gは、第1ソース電極11Sの凹部に収容されている。第1ドレイン電極11Dは、素子本体10の裏面の略全面を覆っている。
【0032】
第2トランジスタ2は、ノーマリーオンのトランジスタであり、素子本体20、第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gを備えている。本実施形態の第2トランジスタ2は、図4に示す具体的構造とされている。すなわち、素子本体20は、Si層201、バッファ層202、GaN層203およびAlGaN層204が積層されたものである。また、本実施形態においては、図1に示すように、第2トランジスタ2の平面視寸法が、第1トランジスタ1の平面視寸法よりも大きい。また、図3に示すように、第2トランジスタ2のz方向厚さが、第1トランジスタ1のz方向厚さよりも厚い。
【0033】
Si層201は、たとえばSi単結晶基板を用いて形成されている。バッファ層202は、たとえばAlN層およびAlGaN層が積層された層である。GaN層203は、たとえば不純物が意図的に添加されていないアンドープGaN層として構成されている。ただし、GaN層203は、所定の不純物が意図的にドープされた層であってもよい。AlGaN層204は、たとえば不純物が意図的に添加されていないアンドープAlGaN層として構成されている。ただし、AlGaN層204は、所定の不純物が意図的にドープされた層であってもよい。本実施形態においては、バッファ層202、GaN層203およびAlGaN層204が、III族窒化物半導体を含んでいる。
【0034】
第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gは、AlGaN層204に導通している。また、AlGaN層204は、うち第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gとの導通に必要な箇所を除いて、絶縁層205によって覆われている。なお、図4における第2ゲート配線210Gは、図4に示された箇所から第2ゲート電極21Gへと延びる配線部分であり、絶縁層205によって覆われている。
【0035】
図1に示すように、本実施形態においては、第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gは、素子本体20の上面(表面)に形成されている。図示された例においては、第2ソース電極21Sおよび第2ドレイン電極21Dがy方向を長手方向とする細長状であり、第2ゲート電極21Gが第2ソース電極21Sおよび第2ドレイン電極21Dよりも小さい矩形状である。第2ソース電極21Sおよび第2ゲート電極21Gと第2ドレイン電極21Dとは、x方向において互いに離間して配置されている。第2ソース電極21Sと第2ゲート電極21Gとは、y方向に並んで配置されている。
【0036】
第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gは、金属からなり、たとえばめっきによって形成される。ワイヤのボンディングやはんだ接合を好適に行う観点から、第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gの表層は、Auによって構成されていることが好ましい。また、第2ソース電極21S、第2ドレイン電極21Dおよび第2ゲート電極21Gのうち表層に覆われる部分は、たとえばCu、Ni等の金属からなる。
【0037】
リードフレーム3は、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2を支持するとともに、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2と外部との導通経路を構成するものである。本実施形態においては、リードフレーム3は、アイランド部30、ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsを有する。リードフレーム3は、たとえば、Cu,Ni等の金属からなる金属板材料を用いて打ち抜き加工や折り曲げ加工等を施すことによって形成される。
【0038】
アイランド部30は、z方向視において第1トランジスタ1および第2トランジスタ2の双方と重なっており、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2を支持するものである。アイランド部30の形状や大きさは特に限定されない。本実施形態においては、アイランド部30は、z方向視矩形状であり、z方向視寸法が第1トランジスタ1および第2トランジスタ2のz方向視寸法を合計した大きさよりも大きい。アイランド部30は、z方向において互いに反対側を向く、表面301および裏面302を有する。
【0039】
また、本実施形態においては、アイランド部30の表面301に金属層32が設けられている。金属層32は、たとえばAl,Cu,Ni等から適宜選択される金属または合金からなる層である。図示された例においては、金属層32は、絶縁層33を介してアイランド部30に固定されている。また、金属層32のz方向視寸法は、アイランド部30のz方向視寸法よりも小さい。金属層32の形成手法は特に限定されず、メッキ等による手法によって絶縁層33上に形成してもよいし、予め形成しておいた金属層32を絶縁層33によってアイランド部30に接合してもよい。本実施形態においては、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2の双方が接合層19および接合層29によって金属層32に直接接合されている。金属層32は、本発明における支持部に相当する。なお、第2トランジスタ2は、第2ドレイン電極21Dが接合層29によって金属層32に接合されている。このため、接合層29は、導電性を有する。なお、本実施形態とは異なり、アイランド部30に第1トランジスタ1および第2トランジスタ2の少なくとも一方を直接接合することにより、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2をアイランド部30によって支持してもよい。この場合、アイランド部30が本発明の支持部に相当する。
【0040】
本実施形態においては、図1に示すように、第1トランジスタ1と第2トランジスタ2とがx方向に離間して配置されている。また、図示された例においては、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2は、互いのy方向図中下端が、略一致するように配置されている。
【0041】
金属層32は、端縁320を有する。端縁320は、金属層32のz方向視における全周にわたる端縁である。本実施形態においては、端縁320は、一対の第1支持部端縁321および一対の第2支持部端縁322を含む。一対の第1支持部端縁321は、各々がy方向に平行であり、x方向に離れて配置されている。一対の第2支持部端縁322は、一対の第1支持部端縁321の両端同士をそれぞれ繋ぐ部分である。本実施形態においては、金属層32がz方向視において矩形状である。このため、一対の第2支持部端縁322は、各々がx方向に平行である。
【0042】
また、第1トランジスタ1は、端縁120を有し、第2トランジスタ2は、端縁220を有する。端縁120は、第1トランジスタ1のz方向視における全周にわたる端縁である。本実施形態においては、端縁120が第1素子端縁121を含み、端縁220が第1素子端縁221を含む。第1素子端縁121及び第1素子端縁221は、端縁120および端縁220のうち、各々がy方向に平行な部分であって、x方向における距離が最も大きくなる組合せの部分である。言い換えると、端縁120および端縁220のうち第1素子端縁121および第1素子端縁221以外の部分は、x方向において第1素子端縁121と第1素子端縁221との間に存在する。
【0043】
ソース端子31Sおよびドレイン端子31Dは、半導体装置A1の主電流が入出力される端子である。ゲート端子31Gは、半導体装置A1の制御電圧が印加される端子である。副ゲート端子31Gsは、半導体装置A1の補助的な制御に用いられる端子であり、たとえば半導体装置A1、特に第2トランジスタ2の特性を調整するための抵抗素子が接続される端子である。
【0044】
ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsは、各々がy方向に延びる棒状あるいは帯状である。ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsは、図2に示すように、適宜折り曲げられていてもよい。ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsは、金属層32に対してy方向一方側に位置している。
【0045】
また、本実施形態においては、図1に示すように、x方向においてゲート端子31G、ソース端子31S、副ゲート端子31Gsおよびドレイン端子31Dの順で配置されている。また、ドレイン端子31Dの中心と副ゲート端子31Gsの中心との距離である距離D1は、副ゲート端子31Gsの中心とソース端子31Sの中心との距離である距離D2やソース端子31Sの中心とゲート端子31Gの中心との距離である距離D3よりも大きい。距離D2と距離D3は、略同じである。
【0046】
本実施形態においては、ソース端子31Sが拡幅部311Sを有しており、ドレイン端子31Dが拡幅部311Dを有している。拡幅部311Sは、ソース端子31Sのうち金属層32側の端部であり、x方向寸法が部分的に大きな部分である。拡幅部311Dは、ドレイン端子31Dのうち金属層32側の端部であり、x方向寸法が部分的に大きな部分である。
【0047】
複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsおよび複数のワイヤ42Sは、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2を適切に機能させるための導通経路を構成するものである。複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsおよび複数のワイヤ42Sは、Au、アルミ、Cu等の金属からなる。以下の説明においては、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsおよび複数のワイヤ42Sは、がAuからなる場合を例に説明するが、それぞれの本数はそれぞれの材質によって増減しうる。
【0048】
複数のソースワイヤ41Sは、各々の一端が第1トランジスタ1の第1ソース電極11Sに接続されており、他端がソース端子31Sの拡幅部311Sに接続されている。本実施形態においては、複数のソースワイヤ41Sの一端は、x方向に並んだ状態で第1ソース電極11Sに接続されている。また、複数のソースワイヤ41Sの他端は、x方向に並んだ状態で拡幅部311Sに接続されている。
【0049】
ゲートワイヤ41Gは、一端が第1トランジスタ1の第1ゲート電極11Gに接続されており、他端がゲート端子31Gに接続されている。
【0050】
複数のドレインワイヤ41Dは、各々の一端が第2トランジスタ2の第2ドレイン電極21Dに接続されており、他端がドレイン端子31Dの拡幅部311Dに接続されている。本実施形態においては、複数のドレインワイヤ41Dの一端は、y方向に並んだ状態で第2ドレイン電極21Dに接続されている。また、複数のドレインワイヤ41Dの他端は、x方向に並んだ状態で拡幅部311Dに接続されている。
【0051】
ワイヤ41Gsは、一端が第2トランジスタ2の第2ゲート電極21Gに接続されており、他端がワイヤ41Gsに接続されている。
【0052】
複数のワイヤ42Sは、各々の一端が第2トランジスタ2の第2ソース電極21Sに接続されており、他端が金属層32に接続されている。これにより、第1トランジスタ1の第1ドレイン電極11Dと第2トランジスタ2の第2ソース電極21Sとは、接合層19、金属層32及び複数のワイヤ42Sを介して導通している。
【0053】
図1に示すように、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41Gおよび複数のドレインワイヤ41Dは、すべてが金属層32の一方の第2支持部端縁322と交差している。また、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41Gおよび複数のドレインワイヤ41Dは、すべてがx方向における第1素子端縁121と第1素子端縁221との間において、端縁120および端縁220のいずれかと交差している。
【0054】
図5は、半導体装置A1を示す回路図である。上述した第1トランジスタ1、第2トランジスタ2、アイランド部30、ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31G、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsおよびワイヤ42Sによって、半導体装置A1には、図5の回路が構成されている。すなわち、半導体装置A1においては、ノーマリーオフの第1トランジスタ1とノーマリーオンの第2トランジスタ2とがカスコード接続されている。
【0055】
封止樹脂6は、第1トランジスタ1、第2トランジスタ2、リードフレーム3の一部、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsおよびワイヤ42Sを保護するためのものであり、たとえばエポキシ樹脂等の絶縁樹脂からなる。封止樹脂6は、表面61、裏面62、一対の側面63および一対の端面64を有する。
【0056】
表面61は、アイランド部30の表面301と同じ側を向く面である。裏面62は、アイランド部30の裏面302と同じ側を向く面である。第1トランジスタ1、第2トランジスタ2、リードフレーム3の一部、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsおよびワイヤ42Sは、いずれもが表面61よりもz方向内方に位置する。一方、本実施形態においては、アイランド部30の裏面302が封止樹脂6の裏面62から露出している。
【0057】
一対の側面63は、x方向において互いに反対側を向く面である。一対の側面63は、リードフレーム3よりもx方向外方に位置している。一対の端面64は、y方向において互いに反対側を向く面である。本実施形態においては、一方の側面63から、ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsが突出している。
【0058】
次に、半導体装置A1の作用について説明する。
【0059】
本実施形態によれば、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsは、すべてが金属層32の第2支持部端縁322と交差する。第2支持部端縁322は、一対の第1支持部端縁321の端部同士を繋ぐ部分である。このため、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsと端縁320との全ての交差点は、x方向において一対の第1支持部端縁321の間に位置する。このため、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsと接続されるソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsを、金属層32に支持された第1トランジスタ1および第2トランジスタ2のx方向側方に配置する必要がない。このため、半導体装置A1の小型化を図ることができる。
【0060】
また、本実施形態においては、複数のソースワイヤ41S、ゲートワイヤ41G、複数のドレインワイヤ41D、ワイヤ41Gsは、すべてが第1素子端縁121と第1素子端縁221との間において端縁120または端縁220と交差している。第1素子端縁121および第1素子端縁221は、一対の第1支持部端縁321よりもさらにx方向内側に位置している。したがって、半導体装置A1の小型化をさらに促進させることができる。
【0061】
金属層32は、絶縁層33を介してアイランド部30に設けられており、アイランド部30とは絶縁されている。このため、半導体装置A1の動作時において、アイランド部30は、いずれかの電位が印加される部分ではなく、電気的に中立である。したがって、アイランド部30の裏面302が封止樹脂6の裏面62から露出していても、意図しない導通等が生じるおそれがない。また、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2から発生した熱を、アイランド部30を介して放熱することができる。
【0062】
ソース端子31Sおよびドレイン端子31Dから入出力される主電流の経路は、複数のソースワイヤ41Sおよび複数のドレインワイヤ41Dを含んで構成されている。このため、ソースワイヤ41Sおよびドレインワイヤ41DがAuからなる比較的細いワイヤであっても、主電流を適切に通電することができる。
【0063】
ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsは、y方向において一方側に配置されている。これにより、半導体装置A1の小型化を促進することができる。
【0064】
ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsは、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2に対してy方向に隣接して配置されている。そして、ソース端子31S、ドレイン端子31D、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsと、第1ソース電極11S、第2ドレイン電極21D、第1ゲート電極11Gおよび第2ゲート電極21Gとは、複数のソースワイヤ41S、複数のドレインワイヤ41D、ゲートワイヤ41Gおよびワイヤ41Gsのみによってそれぞれ接続されている。このため、たとえば図24に示す半導体装置Xにおけるトランジスタ91からソース端子94Sへの導通経路が、大きく屈曲した形状部分を有するのに対し、半導体装置A1は、このような屈曲部分を排除することが可能である。これは、半導体装置A1内部の低抵抗化や低インダクタンス化を図るのに好ましい。
【0065】
図5に示すように、半導体装置A1においては、第2トランジスタ2の第2ゲート電極21Gのみに導通する副ゲート端子31Gsが設けられている。半導体装置A1が回路基板等に実装されて使用される際に、副ゲート端子31Gsに抵抗素子(図示略)を接続することにより、半導体装置A1における第2トランジスタ2の応答特性を調整することができる。
【0066】
図6図20は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0067】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置A2を示す平面図であり、図7は、半導体装置A2の回路図である。本実施形態においては、半導体装置A1が抵抗素子51を備えている。また、抵抗素子51を備えることに対応して、金属層32やワイヤの接続構成が上述した実施形態と異なっている。また、上述した実施形態の副ゲート端子31Gsおよびワイヤ41Gsは、備えられていない。なお、本実施形態においても、距離D1は、距離D3よりも大きい。
【0068】
本実施形態においては、金属層32は、主部325と一対の副部326とを有している。主部325は、第1トランジスタ1および第2トランジスタ2が接合された部分である。一対の副部326は、主部325と離間しており、抵抗素子51が接合された部分である。図示された例においては、主部325が矩形状に切り欠かれた部分を有しており、一対の副部326が当該切り欠かれた部分に収容されている。
【0069】
半導体装置A2は、ワイヤ42Gおよびワイヤ45Sを備える。ワイヤ42Gは、第2ゲート電極21Gと一方の副部326とに接続されている。ワイヤ45Sは、第1ソース電極11Sと他方の副部326とに接続されている。このような構成により、半導体装置A2においては、図5に示すように、ソース端子31Sから第1ソース電極11Sに通じる導通経路と、ソース端子31Sから抵抗素子51を介して第2ゲート電極21Gに通じる導通経路とが形成されている。
【0070】
また、図6に示すように、図示された例は、複数のソースワイヤ41S、複数のドレインワイヤ41Dおよびゲートワイヤ41Gのすべてが一方の第2支持部端縁322と交差する。しかし、一部のドレインワイヤ41Dが第1素子端縁221と交差しており、第1素子端縁121と第1素子端縁221との間で端縁120または端縁220と交差する構成ではない。
【0071】
このような構成によっても半導体装置A2の小型化を図ることができる。一部のドレインワイヤ41Dが、第1素子端縁121と第1素子端縁221との間で端縁120または端縁220と交差する構成ではないものの、第2支持部端縁322と交差する構成であることにより、半導体装置A2の小型化に寄与する。
【0072】
半導体装置A2は、抵抗素子51を備えている。抵抗素子51の抵抗値を適宜設定することにより、半導体装置A2における第2トランジスタ2の応答特性を調節することが可能である。また、半導体装置A2によれば、第2トランジスタ2の応答特性を調節するための抵抗素子を、外部に設ける必要がないという利点がある。
【0073】
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置A3を示す平面図であり、図9は、半導体装置A3の回路図である。本実施形態においては、図9に示すように、第2トランジスタ2が抵抗素子25(図8においては図示略)を内蔵している。抵抗素子25は、例えば、第2ゲート電極21Gと素子本体20のAlGaN層204との導通経路に作り込まれている。また、半導体装置A3は、ワイヤ43Gを備えている。ワイヤ43Gは、第2トランジスタ2の第2ゲート電極21Gと第1トランジスタ1の第1ソース電極11Sとに接続されている。
【0074】
このような実施形態によっても、半導体装置A3の小型化を図ることができる。また、図9から理解されるように、抵抗素子25の抵抗値等を適宜設定することにより、第2トランジスタ2の応答特性を調節することが可能である。上述した実施形態における抵抗素子51を備えることに代えて、第2トランジスタ2に抵抗素子25を内蔵する構成とすることは、半導体装置A3の小型化に好ましい。
【0075】
<第4実施形態>
図10は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置A4を示す平面図である。図11は、図10のXI-XI線に沿う断面図であり、図12は、図10のXII-XII線に沿う断面図である。図13は、半導体装置A4の回路図である。
【0076】
本実施形態においては、第1トランジスタ1が、第2トランジスタ2上に搭載されている。より具体的には、第1トランジスタ1の第1ドレイン電極11Dが、接合層19によって第2トランジスタ2の第2ソース電極21Sに直接接合されている。第2トランジスタ2は、上述した実施形態と同様に、接合層29によって金属層32に直接接合されている。すなわち、本実施形態においては、第1トランジスタ1は、第2トランジスタ2を介して金属層32に支持されている。
【0077】
本実施形態においても、複数のソースワイヤ41S、複数のドレインワイヤ41Dおよびゲートワイヤ41Gのすべてが一方の第2支持部端縁322と交差する。本実施形態においては、z方向視において第1トランジスタ1が第2トランジスタ2の内方に位置するこのため、端縁120は、端縁220の内方に位置している。また、端縁220が、一対の第1素子端縁221を有している。そして、一部のドレインワイヤ41Dが第1素子端縁221と交差しており、一対の第1素子端縁221の間で端縁120または端縁220と交差していない。
【0078】
このような実施形態によっても、半導体装置A4の小型化を図ることができる。特に、第2トランジスタ2を第1トランジスタ1に搭載していることにより、z方向視において第1トランジスタ1および第2トランジスタ2の双方を並べて配置可能であるような大きさの領域は不要である。これは、小型化に好ましい。また、第1ドレイン電極11Dと第2ソース電極21Sとが、接合層19によって直接接合されている。これは、第1ドレイン電極11Dと第2ソース電極21Sとの導通経路の低抵抗化や低インダクタンス化に好適である。
【0079】
<第5実施形態>
図14は、本発明の第5実施形態に係る半導体装置A5を示す平面図である。図15は、図14のXV-XV線に沿う断面図である。図16は、半導体装置A5の回路図である。
【0080】
半導体装置A5は、複数のソース端子31Sおよび複数のドレイン端子31Dを備えている。金属層32に対して、複数のソース端子31S、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsがy方向一方側に配置されており、複数のドレイン端子31Dがy方向他方側に配置されている。複数のソース端子31S、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsと複数のドレイン端子31Dとは、封止樹脂6の一対の端面64から突出していない。図示された例においては、複数のソース端子31S、ゲート端子31Gおよび副ゲート端子31Gsと複数のドレイン端子31Dとは、一対の端面64と面一の状態で露出しているが、一対の端面64から露出しない構成であってもよい。
【0081】
半導体装置A5においては、第1トランジスタ1と第2トランジスタ2とがy方向に離間して配置されている。また、抵抗素子51が第2トランジスタ2とともに、第1トランジスタ1に対してy方向一方側に配置されている。ワイヤ42Gによって第2ゲート電極21Gと一方の副部326とが接続されている。また、ワイヤ41Gsによって、他方の副部326と副ゲート端子31Gsとが接続されている。これにより、半導体装置A5においては、図16に示すように、第2ゲート電極21Gと副ゲート端子31Gsとの導通経路に抵抗素子51が含まれた回路構成となっている。
【0082】
このような実施形態によっても、半導体装置A5の小型化を図ることができる。また、複数のソース端子31Sと複数のドレイン端子31Dとを、y方向において互いに反対側に配置することにより、半導体装置A5が搭載される回路基板等において、ソース端子31Sに導通する部分と、ドレイン端子31Dに導通する部分とをより大きな面積とするのに適しており、大電流を流すのに好ましい。
【0083】
<第6実施形態>
図17は、本発明の第6実施形態に係る半導体装置A6を示す平面図である。図18は、半導体装置A6の回路図である。本実施形態の半導体装置A6においては、抵抗素子51の電気的な配置が上述した半導体装置A5と異なっている。
【0084】
ワイヤ42Gによって、第2ゲート電極21Gと一方の副部326とが接続されている。また、ワイヤ41Gsによって、一方の副部326と副ゲート端子31Gsとが接続されている。さらに、ワイヤ45Sによって、他方の副部326と第1ソース電極11Sとが接続されている。これにより、半導体装置A6においては、図18に示すように、第1ソース電極11Sから第2ゲート電極21Gと副ゲート端子31Gsとに通じる導通経路に、抵抗素子51が介在する回路構成となっている。
【0085】
このような実施形態によっても、半導体装置A6の小型化を図ることができる。また、本実施形態から理解されるように、第2トランジスタ2の応答特性を調節するための抵抗素子51を、回路における所望の箇所に適宜配置することが可能であるという利点がある。
【0086】
<第7実施形態>
図19は、本発明の第7実施形態に係る半導体装置A7を示す平面図である。図20は、半導体装置A7の回路図である。
【0087】
本実施形態においては、上述した半導体装置A4と同様に、第2トランジスタ2が第1トランジスタ1上に搭載されている。すなわち、第1トランジスタ1の第1ドレイン電極11Dが、接合層19によって第2トランジスタ2の第2ソース電極21Sに直接接合されている。また、図20に示すように、第2トランジスタ2は、抵抗素子25を内蔵している。抵抗素子25は、第2ゲート電極21Gに導通している。そして、図19に示すように、本実施形態においては、第2ゲート電極21Gは、ワイヤ41Gsによって副ゲート端子31Gsのみに接続されている。すなわち、抵抗素子25は、ゲート端子31Gおよび第2ゲート電極21Gを通過する導通経路にのみ設けられた回路構成となっている。
【0088】
このような実施形態によっても、半導体装置A7の小型化を図ることができる。また、本実施形態から理解されるように、第2トランジスタ2の応答特性を調節するための抵抗素子25を、回路における所望の箇所に適宜配置することが可能であるという利点がある。
【0089】
本発明に係る半導体装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0090】
A1~A7:半導体装置
1 :第1トランジスタ
2 :第2トランジスタ
3 :リードフレーム
6 :封止樹脂
10 :素子本体
11D :第1ドレイン電極
11G :第1ゲート電極
11S :第1ソース電極
19 :接合層
20 :素子本体
21D :第2ドレイン電極
21G :第2ゲート電極
21S :第2ソース電極
25 :抵抗素子
29 :接合層
30 :アイランド部
31D :ドレイン端子
31G :ゲート端子
31Gs :副ゲート端子
31S :ソース端子
32 :金属層(支持部)
33 :絶縁層
41D :ドレインワイヤ
41G :ゲートワイヤ
41S :ソースワイヤ
41Gs,42G,42S,43G,45S:ワイヤ
51 :抵抗素子
61 :表面
62 :裏面
63 :側面
64 :端面
120 :端縁
121 :第1素子端縁
201 :Si層
202 :バッファ層
203 :GaN層
204 :AlGaN層
205 :絶縁層
210G :第2ゲート配線
220 :端縁
221 :第1素子端縁
301 :表面
302 :裏面
311D,311S:拡幅部
320 :端縁
321 :第1支持部端縁
322 :第2支持部端縁
325 :主部
326 :副部
D1,D2,D3:距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21