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特許6991909クラウドからローカル、ローカルからクラウドへの切り替えと、医用画像及びデータの同期
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】クラウドからローカル、ローカルからクラウドへの切り替えと、医用画像及びデータの同期
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20220105BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20220105BHJP
【FI】
G06F8/65
G16H10/00
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018055495
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019079485
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】15/698,756
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518032971
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ヘルスケア アメリカズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 孝夫
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-509284(JP,A)
【文献】国際公開第2013/076920(WO,A1)
【文献】特表2016-535370(JP,A)
【文献】特表2016-537746(JP,A)
【文献】特開2015-099547(JP,A)
【文献】特表2015-512100(JP,A)
【文献】特開2016-186745(JP,A)
【文献】特開2008-009799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0026194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/38
G06F 8/60-8/77
G06F 9/44-9/445
G06F 9/451
G16H 10/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバー上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバーに接続された医療施設の複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリとの間で医療データを同期するシステムを更新する方法であって、
前記クラウドサーバーが、前記クラウドサーバー及び前記各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを、更新ファイルを用いて更新する要求を受け取ることと、
前記クラウドサーバーが、前記各ローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する指示であって、前記更新ファイルが含まれている指示を送信することと、
前記クラウドサーバーが、前記ローカルサーバーのいずれかが前記更新ファイルを実行済みであるかどうかにかかわらず、前記更新ファイルを実行して、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションを更新することと、
前記複数のローカルサーバーの1つが前記クラウドサーバーとの接続を確立すると、前記クラウドサーバーに、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数のローカルサーバーの1つが、前記クラウドサーバーとの接続が切れた後に前記クラウドサーバーとの接続を再確立すると、前記クラウドサーバーに、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、
接続を再確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を再確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信させること、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接続を確立又は再確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と同一である場合に限り、前記クラウドサーバーとの接続を確立又は再確立したローカルサーバーは、前記クラウドサーバーと医療データを同期することを許可される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記各ローカルサーバーは、医療施設に設置されたアプリケーションプロキシサーバー(APS)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記更新ファイルは、前記クラウドリポジトリに記憶されており、
前記クラウドサーバーは、全ての前記クラウドサーバー及び前記ローカルサーバーのうち、最初に前記更新ファイルを実行する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記クラウドサーバーが受け取る前記要求には、前記医用同期アプリケーションのバージョン情報、前記クラウドサーバーが前記要求を実行する日時及び前記ローカルサーバーに送信される前記指示に含まれる警告メッセージが含まれる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記クラウドサーバーが受け取る前記要求は、前記クラウドサーバーと接続されたコンピューターが表示するグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を介してユーザーによって、編集可能であり、予定が決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記警告メッセージは、前記複数の各ローカルサーバーと接続されたローカルコンピューターのディスプレイに出現するポップアップウインドウに表示される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポップアップウインドウには、
前記ローカルサーバーが前記更新ファイルを自動的に実行して前記医用同期アプリケーションを更新するまでの残り時間を示すカウントダウンタイマーと、
前記カウントダウンタイマーが時間切れになると、前記医用同期アプリケーションが自動的に終了することをユーザーに通知する追加の警告メッセージとが含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記医用同期アプリケーションを更新する前記要求は、一旦前記クラウドサーバーが前記要求を実行すると取り消しできない、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記各ローカルサーバーは、ディスプレイを備えるローカルコンピューターと接続されており、
前記ローカルコンピューターは、医療施設のモダリティーと接続されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記クラウドサーバーの前記クラウドリポジトリは、クラウドベースの画像保管通信システム(PACS)用のリポジトリである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コンピューターと接続されたクラウドサーバーに、前記クラウドサーバー上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバーに接続された医療施設の複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリとの間で医療データを同期するシステムを更新する動作を実行させる指示を記憶した非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体(CRM)であって、
前記動作は、
前記クラウドサーバーが、前記クラウドサーバー及び前記各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを、更新ファイルを用いて更新する要求を受け取ることと、
前記クラウドサーバーが、前記各ローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する指示であって、前記更新ファイルが含まれている指示を送信することと、
前記クラウドサーバーが、前記ローカルサーバーのいずれかが前記更新ファイルを実行済みであるかどうかにかかわらず、前記更新ファイルを実行して、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションを更新することと、
前記複数のローカルサーバーの1つが前記クラウドサーバーとの接続を確立すると、前記クラウドサーバーに、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信させることと、
を含むCRM。
【請求項14】
前記動作は、
前記複数のローカルサーバーの1つが、前記クラウドサーバーとの接続が切れた後に前記クラウドサーバーとの接続を再確立すると、前記クラウドサーバーに、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、
接続を再確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を再確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信させること、
をさらに含む、請求項13に記載のCRM。
【請求項15】
接続を確立又は再確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と同一である場合に限り、前記クラウドサーバーとの接続を確立又は再確立したローカルサーバーは、前記クラウドサーバーと医療データを同期することを許可される、請求項14に記載のCRM。
【請求項16】
前記更新ファイルは、前記クラウドリポジトリに記憶されており、
前記クラウドサーバーは、全ての前記クラウドサーバー及び前記ローカルサーバーのうち、最初に前記更新ファイルを実行する、請求項13から15のいずれか一項に記載のCRM。
【請求項17】
医療データを同期するシステムであって、
クラウドサーバーと、
前記クラウドサーバー上のクラウドリポジトリと、
前記クラウドサーバーに接続された医療施設の複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリと、を有し、
前記クラウドサーバーは、
前記クラウドサーバー及び前記各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを、更新ファイルを用いて更新する要求を受け取り、
前記各ローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する指示であって、前記更新ファイルが含まれている指示を送信し、
前記ローカルサーバーのいずれかが前記更新ファイルを実行済みであるかどうかにかかわらず、前記更新ファイルを実行して、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションを更新し、
前記複数のローカルサーバーの1つが前記クラウドサーバーとの接続を確立すると、前記クラウドサーバーは、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断し、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信するシステム。
【請求項18】
前記複数のローカルサーバーの1つが、前記クラウドサーバーとの接続が切れた後に前記クラウドサーバーとの接続を再確立すると、前記クラウドサーバーは、さらに、
接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断し、
接続を再確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を再確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
接続を確立又は再確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と同一である場合に限り、前記クラウドサーバーとの接続を確立又は再確立したローカルサーバーは、前記クラウドサーバーと医療データを同期することを許可される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記更新ファイルは、前記クラウドリポジトリに記憶されており、
前記クラウドサーバーは、全ての前記クラウドサーバー及び前記ローカルサーバーのうち、最初に前記更新ファイルを実行する、請求項17から19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医用画像及び医療データは、患者を診断するのに重要な役割を果たしている。医療施設(例えば、病院)では、電子的に保存された医用画像及び医療データの有益性が認識されるようになっている。医用画像及びデータをデジタル化すると、ユーザーが医用画像及び医療データに容易にアクセスできるようになるだけでなく、複数の医療施設の間で画像及びデータを容易に共有することができるようになる。
【0002】
医療産業では、画像保管通信システム(「PACS」)と呼ばれるシステムの使用が、医用画像の保存及びアクセスに便利であることから一般的になりつつある。一般的に、PACSには多数の装置が含まれ、これらが協働して、コンピューター断層撮影(CT)、核磁気共鳴映像法(MRI)、ポジトロン放出断層撮影法(PET)、超音波、X線等の様々な撮像モダリティーにより生成された医用画像を取得、保存、管理、配布及び表示する。PACSによれば、内部又は外部で撮影されたあらゆる種類の画像を、様々な医療施設で共有することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より最近では、従来のPACSの効率及びアクセス性を改善する手段として、クラウドベースのPACSが出現している。一般に、「クラウド」とは、様々な場所にある複数のコンピューターやデバイスの要求に応じて、コンピューティングリソース及びデータへの遠隔アクセスをインターネット経由で提供するオンラインストレージシステムと理解することができる。クラウドベースPACSは、様々な場所にある遠隔又はオフサイトのデータセンターを医用画像の保存に用いるベンダーによって提供されうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概して、一の態様では、本発明は、クラウドサーバー上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバーに接続された医療施設の複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリとの間で医療データを同期するシステムを更新する方法に関する。前記方法は、前記クラウドサーバーが、前記クラウドサーバー及び前記各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを、更新ファイルを用いて更新する要求を受け取ることと、前記クラウドサーバーが、前記各ローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する指示であって、前記更新ファイルが含まれている指示を送信することと、前記クラウドサーバーが、前記ローカルサーバーのいずれかが前記更新ファイルを実行済みであるかどうかにかかわらず、前記更新ファイルを実行して、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションを更新することと、前記複数のローカルサーバーの1つが前記クラウドサーバーとの接続を確立すると、前記クラウドサーバーに、接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信させることと、を含む。
【0005】
概して、一の態様では、本発明は、コンピューターと接続されたクラウドサーバーに、前記クラウドサーバー上のクラウドリポジトリと前記クラウドサーバーに接続された医療施設の複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリとの間で医療データを同期するシステムを更新する動作を実行させる指示を記憶した非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体(CRM)に関する。前記動作は、前記クラウドサーバーが、前記クラウドサーバー及び前記各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを、更新ファイルを用いて更新する要求を受け取ることと、前記クラウドサーバーが、前記各ローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する指示であって、前記更新ファイルが含まれている指示を送信することと、前記クラウドサーバーが、前記ローカルサーバーのいずれかが前記更新ファイルを実行済みであるかどうかにかかわらず、前記更新ファイルを実行して、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションを更新することと、前記複数のローカルサーバーの1つが前記クラウドサーバーとの接続を確立すると、前記クラウドサーバーに、接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信させることと、を含む。
【0006】
概して、一の態様では、本発明は、医療データを同期するシステムに関する。前記システムは、クラウドサーバーと、前記クラウドサーバー上のクラウドリポジトリと、前記クラウドサーバーに接続された医療施設の複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリと、を有し、前記クラウドサーバーは、前記クラウドサーバー及び前記各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを、更新ファイルを用いて更新する要求を受け取り、前記各ローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する指示であって、前記更新ファイルが含まれている指示を送信し、前記ローカルサーバーのいずれかが前記更新ファイルを実行済みであるかどうかにかかわらず、前記更新ファイルを実行して、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションを更新し、前記複数のローカルサーバーの1つが前記クラウドサーバーとの接続を確立すると、前記クラウドサーバーは、接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断し、接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、前記クラウドサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合、接続を確立したローカルサーバーに、前記医用同期アプリケーションを更新する前記指示を送信する。
【0007】
本発明の他の側面及び利点は、以下の説明及び添付の請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】1つ以上の実施形態に係るシステムを示す。
図1B】1つ以上の実施形態に係るシステムを示す。
図2A】1つ以上の実施形態に係る表示メッセージを示す。
図2B】1つ以上の実施形態に係る表示メッセージを示す。
図3】1つ以上の実施形態に係るデータテーブルを示す。
図4】1つ以上の実施形態に係る図1A及び図1Bのシステムの状態を示す。
図5】1つ以上の実施形態に係る図1A及び図1Bのシステムの状態を示す。
図6】1つ以上の実施形態に係る図1A及び図1Bのシステムの状態を示す。
図7】1つ以上の実施形態に係る図1A及び図1Bのシステムの状態を示す。
図8A】1つ以上の実施形態に係るユーザーインターフェイスを示す。
図8B】1つ以上の実施形態に係るユーザーインターフェイスを示す。
図8C】1つ以上の実施形態に係るユーザーインターフェイスを示す。
図8D】1つ以上の実施形態に係るユーザーインターフェイスを示す。
図8E】1つ以上の実施形態に係るユーザーインターフェイスを示す。
図9A】1つ以上の実施形態に係る表示メッセージを示す。
図9B】1つ以上の実施形態に係る表示メッセージを示す。
図10】1つ以上の実施形態に係るコンピューターシステムを示す。
図11】1つ以上の実施形態に係る模式図を示す。
図12A】1つ以上の実施形態の1つ以上に係るフローチャートを示す。
図12B】1つ以上の実施形態の1つ以上に係るフローチャートを示す。
図13A】1つ以上の実施形態に係る実施例を示す。
図13B】1つ以上の実施形態に係る実施例を示す。
図13C】1つ以上の実施形態に係る実施例を示す。
図14】1つ以上の実施形態に係るフローチャートを示す。
図15】1つ以上の実施形態に係るフローチャートを示す。
図16】1つ以上の実施形態に係るフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、添付の図面を参照しながら具体的な実施形態を詳細に説明する。一貫性を保つため、各図面における類似の要素には、類似の参照番号を付している。簡便のため、全ての図において類似の要素に符号を付しているわけではない。
【0010】
本開示における実施形態の以下の詳細な説明には、本開示のより完全な理解のために、多数の細部が具体的に記載されている。しかし、当業者であれば、これらの具体的な細部がなくとも本開示を実施しうることが明らかであろう。他の例においては、説明が不必要に複雑になるのを避けるため、周知の特徴については詳細に記載しないこととした。
【0011】
本出願を通して、序数(例えば、第1、第2、第3等)は、要素(すなわち、本出願におけるあらゆる名詞)の形容詞として用いうる。序数の使用は、例えば「前」、「後」、「単数の」や、その他の用語を使用して明示的に開示されていない限り、要素の特定の序列を示唆するものでも、要素に特定の序列をつけるものでもなく、ある要素を単数に限定するものでもない。むしろ、序数の使用は、要素の区別を目的としている。例えば、第1の要素は、第2の要素と区別され、また、第1の要素は、2つ以上の要素を含んでいてもよく、要素の順序付けとしては第2の要素の後(又は前)であってもよい。
【0012】
文脈上明確に示されていない限り、単数形の「a」、「an」及び「the」は、複数も対象として含まれると理解すべきである。よって、例えば「水平ビーム(a horizontal beam)」への言及には、1つ以上のビームへの言及が含まれる。
【0013】
「おおよそ」、「実質的に」等の用語は、記載される特徴、パラメーター又は値が正確に達成される必要がないことを意味し、例えば許容度、測定誤差、測定の精度限界及びその他の当業者に公知の要因等を含む偏差又は変動が、その特徴により得られるとされる効果を阻害しない程度で起こりうることを意味する。
【0014】
フローチャートに示す工程は、その1つ以上について、省略され、繰り返され、及び/又は記載とは異なる順序で実行されうることを理解すべきである。したがって、本発明の範囲は、フローチャートに示す具体的な工程順に限定されると解するべきではない。
【0015】
多項従属クレームは導入していないものの、1つ以上の実施形態についての従属クレームの主題を、他の従属クレームと組み合わせうることは、当業者にとって明らかであろう。
【0016】
概して、本発明の1つ以上の実施形態によれば、自動的にシステムを更新したり、アプリケーションのバージョンの不一致をチェックしたりする機構を備え、クラウドからローカル、ローカルからクラウドへの切り替えと、医用画像及びデータの同期とのために構成された、方法、非一時的なコンピューター読み取り可能な記録媒体及びシステムが提供される。1つ以上の実施形態に係るクラウドベースPACSによれば、クラウドのデータリポジトリ又はデーターベース(「クラウドリポジトリ」)へのアクセスが許可された全ての医療施設、例えば同じ病院グループ内の施設において、医用画像及びデータを共有することが可能となる。医用画像及びデータには、患者の医用レポート(medical report)も含まれうる。例えば、医療施設は、「ネットワーク内の」(すなわち、クラウドリポジトリの同一部分へのアクセスが許可された)他の医療施設において得られた患者の医用画像及びデータにアクセスして、それを取得することができる。具体的には、1つ以上の実施形態によれば、ネットワーク内の医療施設は、クラウドベースPACSをより効果的に利用して、1つ以上のネットワーク内の複数の医療施設を頻繁に訪れる患者について、医用画像及びデータを共有し、更新することができる。
【0017】
さらに、従来のクラウドベースPACSとは異なり、本発明の1つ以上の実施形態によれば、クラウドベースPACSを利用する医療施設は、クラウドとのネットワーク接続が切れても、稼働を続けることが可能である。具体的には、1つ以上の実施形態を利用するネットワーク内の医療施設は、クラウドベースPACSのユーザー(例えば、医療専門家)からの要請に基づき、ローカルサーバー上にある現場又はローカルのデータリポジトリ又はデータベース(「ローカルリポジトリ」)を、クラウドリポジトリに保存されている患者の最新の画像及びデータで自動的に更新して最新の状態に保つことができる。例えば、ある施設が、ある特定の患者の新たな医用画像を更新又は取得すると、クラウドリポジトリが、その更新された医用画像又は新たな医用画像により自動的に更新されてもよく、同じ患者を治療又は看護するネットワーク内の施設の全てのローカルリポジトリが、クラウドリポジトリと自動的に同期されてもよい。
【0018】
1つ以上の実施形態によれば、接続が失われた場合、接続が切れた医療施設は、クラウドリポジトリに代えてローカルリポジトリへのアクセスに自動的に切り替える。これにより、医療施設は、ネットワークからの切断に起因するダウンタイムを被ることなく、連続して稼働することができる。ネットワーク内の施設は、そのローカルリポジトリがクラウドリポジトリと同期しているので、クラウドとの接続がなくとも、少なくとも一時的に最新のデータにアクセスして業務を行うことができる。しかし、クラウドリポジトリ上の全てのデータを同期する必要はない。1つ以上の実施形態によれば、各施設にとって必要なデータ又は興味のあるデータについてのみ同期が行われる。例えば、ある施設は、自己の施設の患者ではない人に関する医用画像によって、ローカルリポジトリが満杯になったり、ローカルサーバーに負担がかかったりするのを望まないかもしれない。
【0019】
1つ以上の実施形態によれば、接続が再確立すると、ネットワークが切断されていた時にローカルリポジトリに保存された医用画像及びデータが、クラウドリポジトリに自動的にアップロードされる。これにより、ネットワーク内の他の全ての医療施設が、それぞれのローカルリポジトリを最新の医用画像及びデータで更新することが可能となる。
【0020】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドベースPACSは、接続された各装置(すなわち、ローカルサーバー及びクラウド)間で、インストールされているベンダー提供アプリケーションのバージョンの不一致をチェックして、同一のアプリケーションだがバージョンが異なるベンダー提供アプリケーションを備える2つの装置間で医用画像及びデータの同期が行われるのを防止する。バージョンの不一致は、2つの異なる装置に記憶されているベンダー提供アプリケーションのバージョン情報が異なる場合に起こる。バージョンの不一致をチェックすることにより、接続された装置に同一の同期設定が適用されていることだけでなく、接続された装置間で同期された医用画像及びデータが正確かつ整合していることが確実になる。例えば、新しいバージョンのベンダー提供アプリケーションには、同じベンダー提供アプリケーションの古いバージョンでは利用できない、あるいは古いバージョンのものとは異なる、同期設定及び医用画像及びデータの処理設定が含まれるかもしれない。したがって、異なるバージョンのベンダー提供アプリケーションがインストールされた2つのサーバー間で医用画像及びデータの同期が開始されると、同期エラー又は医用画像及びデータの不整合が起こりうる。
【0021】
1つ以上の実施形態は、クラウドサーバー及びローカルサーバー上の医用同期アプリケーションを更新するための所定の更新シーケンスなしで動作する。これにより、クラウドベースPACSシステムがベンダー提供アプリケーションを更新している時に、複数の医療施設のうちの1つにあるローカルサーバーが、クラウドとの接続を失った場合でも、これらの医療施設は、連続的に稼働することが可能となる。例えば、ベンダー提供アプリケーションの更新が完了した医療施設は、クラウドベースPACSシステムとの接続を再確立すると、接続が切断された医療施設のベンダー提供アプリケーションの更新が完了するのを待つ必要がない。
【0022】
図1A及び図1Bは、本発明の1つ以上の実施形態に係るシステム(100)を示す。図1A及び図1Bに示すように、システム(100)は、クラウドリポジトリ(105)を備えるクラウドサーバー(103)を有するクラウド(101)と、種々のネットワーク内の医療施設(参照符号なし)に付随の複数のローカルサーバー(107)(例えば、アプリケーションプロキシサーバー(APS))及びローカルリポジトリ(109)とを有する。複数のローカルサーバー(107)は、クラウドサーバー(103)へのアクセス/閲覧が許可されている。クラウドサーバー(103)上のリモートデータへのアクセス権に加えて、特定のローカルサーバー(107)は、さらにリモートデータの編集権を持っていてもよい。各医療施設は、公共病院、民間病院、医療クリニック、歯科クリニック等の、医療を提供する施設の一種であってもよい。
【0023】
また、図1A及び図1Bに示すように、システム(100)内の各医療施設は、ローカルサーバー(107)と接続された複数のユーザーコンピューター装置(111)(ここでは、「ローカルコンピューター」と称する。)を有する。各ローカルコンピューター(111)は、パーソナルコンピューター(PC)、ラップトップ、モバイルコンピューター装置(例えば、タブレットPC、スマートフォン等)、サーバー、メインフレーム、キオスク等に相当しうる。
【0024】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドリポジトリ(105)を備えるクラウドサーバー(103)は、クラウドベースPACSを提供するベンダー又はそうしたベンダーと関連する別のサードパーティによって運用されうる。1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバー(103)は、アプリケーション及び情報の処理を行う実際の及び/又は仮想のコンピューターインフラストラクチャーである。例えば、クラウドサーバー(103)は、インターネットを介してリモートアクセスされる仮想又は実際のサーバーであってもよい。1つ以上の実施形態によれば、クラウドリポジトリ(105)は、データのオンラインリポジトリである。例えば、クラウドリポジトリは、インターネットを介してリモートアクセスされる仮想データルーム(VDR)又はデータベース(又はデータベース群)であってもよい。
【0025】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバー(103)は、ローカルサーバー(107)から送信された医用画像及びデータを受け取り、その医用画像及びデータをクラウドリポジトリ(105)にリモートデータとして保存するよう構成されている。
【0026】
1つ以上の実施形態によれば、各ローカルサーバー(107)は、それが付随する医療施設により運用される。ローカルサーバー(107)は、ローカルコンピューター(111)から受け取った医用画像及びデータをクラウドサーバー(103)上のクラウドリポジトリ(105)に送信するよう構成されている。各ローカルリポジトリ(109)は、それが付随する医療施設により運用・保守される。ローカルリポジトリ(109)は、ローカルサーバー(107)及びクラウドリポジトリ(105)から受け取った医用画像及びデータをローカルデータとしてローカルで保存しうる。
【0027】
1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューター(111)は、それぞれの医療施設の医療専門家により運用され、医療施設内の1つ以上のモダリティー(図示せず)から取得した医用画像及びデータをローカルサーバー(107)に送信するよう構成されている。1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューター(111)は、ローカルサーバー(107)として構成されうる。1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューター(111)は、ローカルリポジトリ(109)も有していてもよい。
【0028】
1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューターは、クラウド(101)を運営するベンダーにより提供されるアプリケーションを記憶するよう構成されている。1つ以上の実施形態によれば、当該アプリケーションは、ベンダーと関連するサードパーティにより提供される医用同期アプリケーションであってもよい。医用同期アプリケーションは、当該アプリケーションが記憶された装置(すなわち、クラウド(101)又はローカルサーバー(107))に登録された独立したソフトウェアアプリケーションであるか、又はグラフィカルユーザーインターフェイス(「GUI」)を持つウェブブラウザーベースのアプリケーションであってもよく、このアプリケーションによって、ローカルコンピューター(111)は、クラウド(101)にアクセスして医療データをクラウド(101)と同期することが可能となる。
【0029】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバー(103)及び各ローカルサーバー(107)は、それぞれのリポジトリに医用同期アプリケーションのコピーを記憶していてもよい。1つ以上の実施形態によれば、各装置に記憶された医用同期アプリケーションのバージョンについての情報は、医用同期アプリケーションのバージョン情報として、ユーザーに閲覧されたり各装置からアクセスされたりしうる。例えば、1つ以上の実施形態によれば、医用同期アプリケーションのバージョン情報は、「登録された医用同期アプリケーションの現バージョンは、Ver.1.01です。」あるいは「Ver.1.01」と提示されうる。
【0030】
1つ以上の実施形態によれば、バージョンが異なる医用同期アプリケーションは、同期設定及び医用画像及びデータの処理設定が異なるように構成されうる。例えば、新しいバージョンの医用同期アプリケーションは、古いバージョンとは異なるファイル形式を用いて医用画像及びデータを保存しうる。同様に、バージョンが異なる医用同期アプリケーションは、医用画像及びデータに含まれるメタデータを構造化したり保存したりする設定が異なりうる。メタデータには、一般的な患者情報や、患者の各医用画像及び医療データについての診断関連情報が含まれうる。
【0031】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドベースPACSのベンダーの許可ユーザーは、システム(100)に接続される全てのサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションの更新の予定を決めうる。1つ以上の実施形態によれば、医療施設の1つにおけるローカルサーバー(107)で医用同期アプリケーションが更新されている時には、その医療施設のローカルコンピューター(111)のユーザーは、医用同期アプリケーションを使用できないであろう。クラウドサーバー(103)において医用同期アプリケーションが更新されている時には、いずれの医療施設のローカルサーバー(107)も、クラウドサーバー(103)の機能にアクセスすることができないであろう。
【0032】
ローカルサーバー(107)は、クラウドサーバー(103)の機能にアクセスできなければ、クラウドサーバー(103)といかなる医用画像及びデータもやりとり(例えば、同期、送信、取得)することができない。
【0033】
図1Aは、1つ以上の実施形態に係る、ネットワーク内の医療施設とクラウド(101)との接続が安定している例を示す。この状態では、ネットワーク内の複数の医療施設が、クラウド(101)と相互通信しうる。図1Aに示すように、ネットワーク内の医療施設は、ローカルで取得した医用画像及びデータをクラウド(101)に送信して、それらをクラウドリポジトリ(105)に他のネットワーク内の医療施設がアクセス可能なリモートデータとして保存しうる。1つ以上の実施形態によれば、ネットワーク内の医療施設は、クラウド(101)から医用画像及びデータを取得して、それらをそれぞれのローカルリポジトリ(109)にローカルデータとして保存しうる。
【0034】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドリポジトリ(105)に保存されているリモートデータの全てを、ネットワーク内の医療施設が取得してローカルデータとして保存する必要はない。ローカルデータとして取得され保存されるリモートデータは、そのサイズや医療施設での必要性によって、あるいはローカルコンピューター(111)(例えば、医療専門家)の設定によって様々であってもよい。例えば、ネットワーク内のある医療施設は、その施設の患者である特定の個人に基づき、リモートデータを取得し、ローカルリポジトリ(109)にローカルデータとして保存しうる。よって、特定の個人がネットワーク内の特定の医療施設の患者ではない場合、当該医療施設は、当該患者の医用画像及びデータを、ローカルデータとしてクラウド(101)から取得し保存しなくてもよい。これは、記憶装置や処理能力が限られる小規模なローカルサーバー(107)及びローカルリポジトリ(109)を備える小規模な医療施設にとって特に有益でありうる。本発明の1つ以上の実施形態によれば、ネットワーク内のある医療施設は、当該施設の患者である特定の個人に基づくのではなく、特定の医用検査(medical study)、医用シリーズ(medical series)、医用画像又は医用レポートに基づいて、リモートデータを取得し、ローカルリポジトリ(109)にローカルデータとして保存してもよい。
【0035】
1つ以上の実施形態によれば、ネットワーク内の各医療施設におけるローカルコンピューター(111)のユーザーは、クラウドサーバー(103)に記憶されているウェブブラウザーベースのバージョンのアプリケーションを介して、クラウドリポジトリ(105)に保存されている医用画像及びデータを閲覧しうる。ユーザーは、ローカルコンピューター(111)に記憶されているローカルバージョンのアプリケーションを介しても、画像を閲覧しうる。例えば、医療専門家は、ローカルリポジトリ(109)に保存されたローカルデータのいずれかが、ネットワーク内の他の医療施設に属する別の医療専門家により更新されたかどうかを判断し、クラウドリポジトリ(105)から更新されたデータを取得して現在のローカルデータと置き換えてもよい。1つ以上の実施形態によれば、こうしたローカルデータの更新は、例えばローカルコンピューター(111)に記憶されたアプリケーションを通して、システム(100)によって自動的に行われてもよい。
【0036】
例えば、ある個人は、ネットワーク内の複数の医療施設の患者でありうる。ネットワーク内のこれらの各医療施設は、その個人の医用画像及びデータをローカルデータとして保存しうる。1つ以上の実施形態によれば、ネットワーク内の医療施設の1つによって、その個人の医用画像及びデータがクラウドリポジトリ(105)において更新されると、その個人が患者であるネットワーク内の他の医療施設は、自動的にその個人の更新された画像及びデータを取得(同期)して、ローカルリポジトリ(109)のローカルデータを最新の状態に保ちうる。このクラウドリポジトリ(105)の自動更新及び/又は関連するローカルリポジトリ(109)の同期は、個人の医用画像又はデータがクラウド上で更新されるたびに行われても、あるいは所定の間隔で行われてもよい。
【0037】
図1Bは、1つ以上の実施形態に係る、ネットワーク内の医療施設の1つとクラウド(101)との接続が切れた例を示す。この状態では、アプリケーションは、接続が切れた医療施設のローカルコンピューター(111)及びローカルサーバー(107)を自動的に設定して、これらがローカルリポジトリ(109)に保存されているローカルデータにアクセスするようにする。1つ以上の実施形態によれば、接続が切れた医療施設では、接続が切れている間に取得されたり更新されたりした医用画像及びデータは、引き続きローカルリポジトリ(109)に保存され続ける。これにより、接続が切れた医療施設を、クラウド(101)からの切断に起因するダウンタイムを被ることなく、連続的に稼働することができる。
【0038】
そして、接続が切れた医療施設とクラウド(101)との接続が再確立されると、再接続された医療施設のローカルコンピューター(111)及びローカルサーバー(107)は、ローカルリポジトリに保存されている、接続が切れている間に取得されたり更新されたりした全ての医用画像及びデータをクラウド(101)に送信するようアプリケーションによって設定される。そうした医用画像及びデータは、新たなリモートデータとしてクラウドリポジトリ(105)に保存される。クラウド(101)が再接続された医療施設からの医用画像及びデータにより更新される際、ネットワーク内の他の施設のローカルコンピューター(111)に記憶されているアプリケーションは、それぞれのローカルリポジトリ(109)を新たなリモートデータで自動的に更新しうる。
【0039】
図2A及び図2Bは、1つ以上の実施形態に係る表示メッセージ(201)であり、これは、ローカルコンピューター(111)のアプリケーションによりポップアップウインドウの一部としてユーザーに表示されうる。この例では、表示メッセージ(201)には、ユーザー選択可能タブ(203a及び203b)(例えば、ユーザーがマウスのクリックにより選択可能なタブ)及びカウントダウンタイマー(205)が含まれる。表示メッセージ(201)は、ローカルコンピューター(111)のディスプレイにポップアップウインドウとして出現しうる。表示メッセージ(201)には、ネットワーク内の医療施設のローカルサーバー(107)とクラウドサーバー(103)との間の現在の接続状況に関するメッセージが含まれていてもよい。
【0040】
図2Aは、ネットワーク内の医療施設の1つのローカルサーバー(107)とクラウドサーバー(103)との間の接続が切れた時の表示メッセージ(201)の例である。この表示メッセージ(201)には、クラウド(101)との接続が切れた旨と、カウントダウンタイマー(205)が時間切れになると、ローカルコンピューター(111)がローカルリポジトリ(109)に自動的にアクセスする旨のメッセージが含まれるであろう。本明細書の説明によっては、図示のために単一のローカルリポジトリが用いられているが、各医療施設におけるローカルコンピューター及びローカルリポジトリの数は様々でありうる。
【0041】
1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューター(111)を操作しているユーザーは、カウントダウンタイマー(205)が時間切れになるのを待つか、ユーザー選択可能タブ(203a)を直接クリックするかのいずれかにより、クラウドリポジトリ(105)に代えてローカルリポジトリ(109)にアクセスしうる(すなわち、ローカルリポジトリ(109)へのアクセスに切り替えうる。)。
【0042】
図2Bは、接続が切れていたネットワーク内の医療施設の1つのローカルサーバー(107)とクラウドサーバー(103)との間の接続が再確立された時の表示メッセージ(201)の例を示す。この表示メッセージ(201)には、クラウド(101)との接続が再確立された旨のメッセージと、ユーザー(例えば、医療専門家)に引き続きローカルリポジトリ(109)を用いるか、それともクラウドリポジトリ(105)に再アクセスするかを選択するよう促すメッセージとが含まれるであろう。1つ以上の実施形態によれば、システム(100)のアプリケーションは、ローカルリポジトリの使用について、一時的に(例えば、予め定められた又は所定の時間)使用する選択肢しかユーザーに与えない。このような場合、図2Bの例に示すように、表示メッセージ(201)には、カウントダウンタイマー(205)が時間切れになれば、ローカルコンピューター(111)がクラウドリポジトリ(105)に自動的に再アクセスする(すなわち、アクセスを切り替えてクラウドリポジトリ(105)へと戻す)旨のメッセージがさらに含まれうる。
【0043】
また、図2Bにおいて、1つ以上の実施形態によれば、ユーザーは、ネットワークリポジトリ(105)に即座に再アクセスするユーザー選択可能タブ(203a)を選択するか、あるいはローカルリポジトリ(109)を用いてローカルでの作業を続けるユーザー選択可能タブ(203b)を選択しうる。この例においても、クラウドとの接続が再確立した後にローカルリポジトリを引き続き使用することは、制限される。予め定められた時間がすぎると、ユーザーは、別の表示メッセージ(201)によりクラウド(101)に再接続するよう促される。
【0044】
図3は、各医用画像に関連付けされたデータを含むデータテーブル(300)の例を示す。1つ以上の実施形態によれば、データテーブル(300)には、患者ID(301)、患者名(303)、所属施設ID(305)、レポート情報(307)及び画像情報(309)等の患者に関連する情報が含まれうるが、これらに限定されない。
【0045】
1つ以上の実施形態によれば、患者ID(301)は、個人の患者識別番号である。各個人は、単一かつ固有の患者ID(301)を持つことになる。個人の患者ID(301)は、ネットワーク内の医療施設間で共有される。患者名(303)は、個人の実名である。
【0046】
1つ以上の実施形態によれば、所属施設ID(305)は、個人が患者であるネットワーク内の医療施設の識別番号(例えば、個人と関連するネットワーク内の医療施設)であってもよい。ある個人が、ネットワーク内の複数の医療施設の2つ以上を頻繁に利用している場合、その個人は、2つ以上の所属施設ID(305)と関連付けられる。あるいは、1つ以上の実施形態によれば、所属施設ID(305)は、特定の患者について、クラウド(101)に最初にアップロードされた画像を取得したネットワーク内の医療施設の識別番号であってもよく、この場合、患者が2つ以上の所属施設ID(305)を持つことはない。1つ以上の実施形態によれば、所属施設ID(305)は、ネットワーク内の医療施設のユーザー(すなわち、医療専門家)によって直接付与されてもよい。
【0047】
1つ以上の実施形態によれば、レポート情報(307)には、個人の医療診断の情報が含まれる。画像情報(309)には、医用画像の簡単な説明及び医用画像の生成に用いられたモダリティーの名称が含まれる。
【0048】
1つ以上の実施形態によれば、データテーブル(300)中のデータは、医用画像にメタデータとして埋め込まれており、この医用画像は、医用におけるデジタル画像と通信フォーマット(DICOMフォーマット)の画像であってもよい。1つ以上の実施形態によれば、DICOMは、システム(100)を実施するための汎用画像フォーマットであってもよい。テーブル(300)のデータは、ローカルコンピューター(111)に記憶された1つ以上の実施形態に係るアプリケーションを用いて、DICOMフォーマットの画像から抽出することができる。1つ以上の実施形態によれば、データテーブル(300)中のデータは、医療データ中にメタデータとして直接埋め込まれていてもよく、この医療データは、患者の医用画像又は患者の医用レポートのいずれであってもよい。
【0049】
テーブル(300)中のデータは、各種の方法により分類されうる。図3に示す例では、データは、患者により分類されている。しかし、データは、例えば医療専門家の好みに基づいて、患者に関連する情報のいずれか1つを用いる別の方法により分類することもできる。データテーブル(300)のデータが医用画像から抽出されると、医療専門家は、1つ以上の実施形態に係るアプリケーションにより提供されるGUIを用いて、当該データを編集/改変することができる。1つ以上の実施形態によれば、抽出したデータテーブル(300)は、ローカルサーバー(107)に保存される。
【0050】
図4図7は、1つ以上の実施形態に係る図1A及び図1Bのシステムの種々の状態を示す。クラウド(101)、クラウドサーバー(103)、クラウドリポジトリ(105)、ローカルサーバー(107)、ローカルリポジトリ(109)、ローカルコンピューター(111)、表示メッセージ(201)、ユーザー選択可能タブ(203a、203b)及びカウントダウンタイマー(205)は、図1A図1B図2A及び図2Bについて上記したものと同一又は実質的に同様である。以下、このような同様の構成要素については、繰り返し詳細に説明しない。
【0051】
図4及び図5は、ネットワーク内の複数の医療施設のうちの1つの医療施設とクラウド(101)との間の接続が切れた状態をそれぞれ示す。この場合、図4の右側に示すように、接続が切れた医療施設に付随するローカルコンピューター(111)は、まず最初に、クラウド(101)との接続が切れた旨の表示メッセージ(201)を表示しうる。次いで、表示メッセージ(201)によって、ユーザーは、ユーザー選択可能タブ(203a)を選択して、クラウドリポジトリ(105)へのアクセスを、接続が切れた医療施設のローカルリポジトリ(109)へのアクセスに切り替えるよう促される。加えて、又はそれに代えて、表示メッセージ(201)によって、ユーザーにカウントダウンタイマー(205)を示し、タイマーが時間切れになると自動的に切り替えが起こるようにしてもよい。図5の右側は、接続が切れた医療施設に付随するローカルコンピューター(111)及びローカルサーバー(107)が、アクセスをクラウドリポジトリ(105)からローカルリポジトリ(109)へと切り替えたことを示す。
【0052】
図6及び図7は、接続が切れていた医療施設とクラウド(101)との間の接続が再確立された状態をそれぞれ示す。この場合、図6の右側に示すように、再接続された医療施設に付随のローカルコンピューター(111)は、まず最初に、クラウド(101)との接続が回復したこと示す表示メッセージ(201)を示してもよい。次いで、表示メッセージ(201)によって、ユーザーは、(ユーザー選択可能タブ(203a)を選択して)クラウドリポジトリ(105)へ再アクセスするか、(ユーザー選択可能タブ(203b)を選択して)ローカルで作業を続けるかを選択するよう促される。加えて、又はそれに代えて、表示メッセージ(201)によって、ユーザーにカウントダウンタイマー(205)を示して、タイマーが時間切れになると自動的に再アクセスする(すなわち、ローカルリポジトリ(109)へのアクセスをクラウドリポジトリ(105)へのアクセスに戻す)ようにしてもよい。図7の右側は、再接続された医療施設に付随のローカルコンピューター(111)が、接続が切れていた時にローカルリポジトリ(109)に保存したデータをクラウドリポジトリ(105)に送信中であり、クラウドリポジトリ(105)がローカルリポジトリ(109)と同期している旨の表示メッセージ(201)を表示している状態を示す。
【0053】
図4及び図5を参照して論じたように、1つ以上の実施形態によれば、クラウドベースPACSによる医用同期アプリケーションの更新作業中又は作業後に、医療施設の接続が切れた場合、接続が切れた当該医療施設の医用同期アプリケーションのバージョンは、更新されないであろう。図6及び図7を参照して論じたように、接続が切れた医療施設がクラウド(101)に再接続された場合に、クラウド(101)の医用同期アプリケーションの更新が完了済みであるときには、再接続された当該医療施設とクラウド(101)との間で、医用同期アプリケーションのバージョンの不一致が起こるであろう。
【0054】
図8A図8Eは、1つ以上の実施形態に係るメインGUI(800)の例を示し、これは、許可ユーザーに対して、クラウドサーバー(103)又はいずれか1つのローカルサーバー(107)と接続されたコンピューター装置のディスプレイに表示される。1つ以上の実施形態によれば、メインGUI(800)は、許可ユーザーにより医用同期アプリケーションを介してアクセスされうる。1つ以上の実施形態によれば、許可ユーザーは、クラウドベースPACSを提供しているベンダーと直接関連するシステムアドミニストレーターであってもよい。
【0055】
図8Aは、許可ユーザーが医用同期アプリケーションの更新(以下、「同期アプリ更新」と称する。)の予定を決めるためのメインGUI(800)の初期状態を示す。1つ以上の実施形態によれば、メインGUI(800)には、アプリケーション更新インターフェイス(801)及びアプリケーション更新情報(803)が含まれる。アプリケーション更新インターフェイス(801)には、ユーザーが更新スケジュール情報を入力又は編集するためのフィールドが含まれる。更新スケジュール情報とは、医用同期アプリケーションの利用可能なバージョンの情報、クラウドベースPACSシステムに接続された全ての装置の医用同期アプリケーションの更新を実行する日時、及び許可ユーザーが医療施設の全ユーザーに医用同期アプリケーションの更新が予定された旨を通知(すなわち、警告)することを可能とする、ユーザーによりカスタマイズ可能な警告メッセージ等である。
【0056】
1つ以上の実施形態によれば、アプリケーション更新インターフェイス(801)には、許可ユーザーが全ての更新スケジュール情報をクリアすることを可能とする第1のユーザー選択可能タブが含まれる。アプリケーション更新インターフェイス(801)には、許可ユーザーが更新スケジュール情報に基づいて同期アプリ更新の予定を入れることを可能とする第2のユーザー選択可能タブがさらに含まれる。
【0057】
1つ以上の実施形態によれば、アプリケーション更新情報(803)には、同期アプリ更新の状況と、クラウドベースPACSシステムに接続された各装置の情報を含むデータテーブルとが含まれる。
【0058】
1つ以上の実施形態によれば、アプリケーション更新情報(803)のデータテーブルには、クラウドベースPACSシステム内の各サーバーの名前(「サーバー名」)、各医療施設の識別番号(「施設No.」)、医用同期アプリケーションのバージョン(「バージョン」)、更新ファイルの各サーバーへのダウンロード状況(「更新ファイルダウンロード」)及び各サーバーの更新状況(「更新状況」)といった情報が含まれる。アプリケーション更新情報(803)のデータテーブル中の情報は、同期アプリ更新の状況がリアルタイムで許可ユーザーに提示されるように、同期アプリ更新の間中ずっと更新されてもよい。
【0059】
図8Bは、許可ユーザーが更新スケジュール情報を確認し、第2のユーザー選択可能タブを選択して同期アプリ更新の予定を決定した後のメインGUI(800)の状態を示す。1つ以上の実施形態によれば、アプリケーション更新情報(803)中の同期アプリ更新の状況が変更されて、更新スケジュール情報が反映される。許可ユーザーは、同期アプリ更新の実行日時前であれば、同期アプリ更新を取り消しうる。
【0060】
1つ以上の実施形態によれば、一旦同期アプリ更新の予定が決定されると、クラウドサーバー(103)は、医用同期アプリケーションを更新するための更新ファイルを含む指示を、クラウド(101)に接続された各ローカルサーバー(107)に送信する。ローカルサーバー(107)が更新ファイルを受け取ると、当該ローカルサーバー(107)の更新ファイルダウンロード情報が、更新ファイルがローカルサーバー(107)に無事に受け取られた(すなわち、ダウンロードされた)旨を示すように更新される。
【0061】
図8Cは、同期アプリ更新の実行日時が到来した後のメインGUI(800)の状態を示す。1つ以上の実施形態によれば、同期アプリ更新は、一旦実行されると、取り消しできなくなる。アプリケーション更新情報(803)中の同期アプリ更新の状況が更新されて、同期アプリ更新が実行されたことが反映される。
【0062】
図8Dは、同期アプリ更新が完了した後のメインGUI(800)の状態を示す。1つ以上の実施形態によれば、同期アプリ更新の状況及びアプリケーション更新情報(803)のデータテーブル中の情報が更新されて、同期アプリ更新が完了したことが反映される。アプリケーション更新インターフェイス(801)には、許可ユーザーが同期アプリ更新の完了を確認するための第3のユーザー選択可能タブが設けられている。
【0063】
図8Eは、許可ユーザーが第3のユーザー選択可能タブを選択して同期アプリ更新の完了を確認した後のメインGUI(800)の状態を示す。1つ以上の実施形態によれば、メインGUI(800)は、許可ユーザーが次回の同期アプリ更新の予定を入れられるように、図8Aに記載する状態に戻る。
【0064】
図9A及び図9Bは、1つ以上の実施形態に係る表示メッセージ(901)を示し、これは、当該コンピューターのユーザーに対して、ローカルコンピューター(111)上のアプリケーションによってポップアップウインドウの一部として表示されうる。この例では、表示メッセージ(901)には、ユーザー選択可能タブ(903a、903)(例えば、ユーザーがマウスのクリックにより選択可能なタブ)及びカウントダウンタイマー(905)が含まれる。表示メッセージ(901)は、ローカルコンピューター(111)のディスプレイにポップアップウインドウとして出現しうる。表示メッセージ(901)には、ベンダー側の許可ユーザーが同期アプリ更新の予定を決定した旨の警告メッセージが含まれていてもよい。
【0065】
図9Aは、ローカルコンピューター(111)と接続されたローカルサーバー(107)が、クラウドサーバー(103)から医用同期アプリケーションを更新する指示を受け取った時の表示メッセージ(901)の例である。表示メッセージ(901)には、許可ユーザーが図8AのメインGUI(800)に入力した警告メッセージが含まれる。さらに、ローカルコンピューター(111)のユーザーに医用同期アプリケーションからログアウトするよう指示する警告メッセージ及びカウントダウンタイマー(905)が時間切れとなったら医用同期アプリケーションが自動的に終了する旨の警告メッセージが含まれる。
【0066】
1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューター(111)のユーザーは、カウントダウンタイマー(905)が時間切れとなって医用同期アプリケーションが自動的に終了するのを待ってもよい。あるいは、ユーザーは、それまでの状態を保存するために、ユーザー選択可能タブ(903a)をクリックして表示メッセージ(901)を閉じ、それから手動で医用同期アプリケーションを終了してもよい。
【0067】
図9Bは、ユーザーが図9Aに示す表示メッセージ(901)を閉じたが、医用同期アプリケーションは終了していない状況で所定時間が経過した後の表示メッセージ(901)の例を示す。表示メッセージ(901)には、許可ユーザーが図8Aに示すメインGUI(800)に入力した警告メッセージと、医用同期アプリケーションがローカルコンピューター(111)によって強制終了されている旨を示す他のメッセージとが含まれる。
【0068】
1つ以上の実施形態によれば、図9Bに示す表示メッセージ(901)は、カウントダウンタイマー(905)が時間切れとなる30秒程度前に、ユーザーに表示されうる。
【0069】
1つ以上の実施形態によれば、ローカルコンピューター(111)のユーザーは、カウントダウンタイマー(905)が時間切れとなって、医用同期アプリケーションが自動的に終了するのを待ってもよい。あるいは、ユーザーは、ユーザー選択可能タブ(903)をクリックすることにより即座に医用同期アプリケーションを終了し、表示メッセージ(901)を閉じることとしてもよい。
【0070】
本発明の実施形態は、使用されるプラットフォームにかかわらず、実質的にいかなる種類のコンピューターシステム上で実行されてもよい。例えば、コンピューターシステムは、1つ以上のモバイル機器(例えば、ラップトップコンピューター、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピューター又は他のモバイル機器)、デスクトップコンピューター、サーバー、サーバーシャーシのブレード又は他のあらゆる種類のコンピューター装置であってもよく、あるいは、少なくとも本発明の1つ以上の実施形態を実行するための最小限の処理能力、メモリー、出入力装置を備える装置であってもよい。例えば、図10に示すように、コンピューターシステム(1000)は、1つ以上のコンピュータープロセッサー(1002)、付随するメモリー(1004)(例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM)、キャッシュメモリー、フラッシュメモリー等)、1つ以上の記憶装置(1006)(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブ等の光学ドライブ、フラッシュメモリースティック等)及び他の多数の要素及び機能部を有する。コンピュータープロセッサー(1002)は、指示を実行するための集積回路であってもよい。例えば、コンピュータープロセッサーは、プロセッサーの1つ以上のコア又はマイクロコアであってもよい。コンピューターシステム(1000)は、1つ以上の入力装置(1010)も有し、これは、タッチスクリーン、キーボード、マウス、マイクロフォン、タッチパッド、電子ペン、又は他のあらゆる種類の入力装置等である。また、コンピューターシステム(1000)は、1つ以上の出力装置(1008)を有し、これは、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、陰極線管(CRT)モニター、プロジェクター又はその他のディスプレイ装置)、プリンター、外部記憶装置又はその他のあらゆる出力装置等である。1つ以上の出力装置は、入力装置と同一であっても異なっていてもよい。コンピューターシステム(1000)は、ネットワークインターフェイス接続(図示せず)を介して、ネットワーク(1012)(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のワイドエリアネットワーク(WAN)、モバイルネットワーク又は他のあらゆる種類のネットワーク)に接続されうる。出入力装置は、コンピュータープロセッサー(1002)、メモリー(1004)及び記憶装置(1006)に、ローカル又はリモート(例えば、ネットワーク(1012)を介して)で接続されうる。広く種々のコンピューターシステムが存在し、上記の出入力装置は、他の形態であってもよい。
【0071】
本発明の実施形態を実行するためのコンピューター読み取り可能なプログラムコードの形態のソフトウェア命令は、その全部又は一部が、一時的又は永久的に、CD、DVD、記憶装置、ディスケット、テープ、フラッシュメモリー、物理メモリー又は他のあらゆるコンピューター読み取り可能な記憶媒体等の非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体に記憶されうる。具体的には、ソフトウェア命令は、プロセッサーにより実行されると、本発明の実施形態を実行するように構成された、コンピューター読み取り可能なプログラムコードに相当しうる。
【0072】
また、上記のコンピューターシステム(1000)の要素の1つ以上が、遠隔地に位置し、ネットワーク(1012)を介して他の要素と接続されていてもよい。また、本発明の1つ以上の実施形態は、複数のノードを有する分散システムにおいて実施されてもよく、本発明の各部分は、分散システム内の異なるノード上に位置しうる。本発明の実施形態の1つによれば、ノードは、別個のコンピューター装置に相当する。あるいは、ノードは、付随の物理メモリーを備えるコンピュータープロセッサーに相当しうる。あるいは、ノードは、共有メモリー及び/又はリソースを備えるコンピュータープロセッサー又はコンピュータープロセッサーのマイクロコアに相当しうる。
【0073】
図10のコンピューターシステムは、生データ及び/又は比較やその他の処理の結果等である加工データを提示するための機能部を有しうる。例えば、データの提示は、様々な提示方法により行いうる。具体的には、データは、コンピューター装置により提供されるユーザーインターフェイスを通して提示されうる。ユーザーインターフェイスには、コンピューターモニター又は携帯コンピューター装置のタッチスクリーン等のディスプレイ装置に情報を表示するGUIが含まれる。GUIには、どのデータを見せるか、どのようにユーザーにデータを提示するかを構成する様々なGUIウィジェットが含まれる。さらに、GUIは、データをユーザーに直接提示してもよく、例えば、実際のデータ値としてテキストで表したり、あるいは、コンピューター装置によって、データモデルの可視化等によりデータを視覚的な表示として描画したりしうる。
【0074】
例えば、GUIは、まず最初に、特定のデータオブジェクトをGUI内に提示するよう要求する通知をソフトウェアアプリケーションから取得しうる。次に、GUIは、例えばデータオブジェクト型を識別するデータオブジェクト中のデータ属性からデータを取得することにより、特定のデータオブジェクトのデータオブジェクト型を判断しうる。そして、GUIは、そのデータオブジェクト型を表示するよう設計されたあらゆるルールを決定しうる。例えば、データオブジェクトクラス用のソフトウェアフレームワークにより特定されるルールや、GUIにより定義される当該データオブジェクト型を提示するためのあらゆるローカルパラメーターに従ったルールである。最後に、GUIは、特定のデータオブジェクトからデータ値を取得し、指定されたデータオブジェクト型用のルールに従って、ディスプレイ装置に当該データ値の視覚的な表示を描画する。
【0075】
図11は、1つ以上の実施形態に係るシステムの模式図を示す。システムは、クラウドサーバー上のクラウドリポジトリとクラウドサーバーに接続された複数のローカルサーバー上の複数のローカルリポジトリとの間で医用画像及びデータを同期するよう構成されている。複数のローカルサーバーには、第1のローカルサーバーが含まれ、複数のローカルリポジトリには、第1のローカルサーバー上の第1のローカルリポジトリが含まれる。上記で説明したように、序数の使用は、要素の特定の序列を示唆するものでも要素に特定の序列をつけるものでもなく、ある要素を単数に限定するものでもない。例えば、「第1のローカルサーバー」は、クラウドサーバーに接続された複数のローカルサーバーのうちいずれのローカルサーバーであってもよく、説明のために「第1の」と称されるにすぎない。
【0076】
図11に示すシステムは、例えば、(i)第1のローカルサーバーとクラウドサーバーとの間の接続状況に基づいて、以下の工程を行うように構成された指示を実行するように構成された、コンピュータープロセッサー(1106)を備える処理モジュール(1104)を有しうる。
【0077】
一側面によれば、コンピュータープロセッサー(1106)は、クラウドサーバーに、(1)クラウドサーバー及び各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションを更新ファイルを用いて更新する要求を受け取らせ、(2)更新ファイルを含み、医用同期アプリケーションを更新する指示を各ローカルサーバーに送信させ、(3)全てのローカルサーバー上の医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、(4)クラウドサーバーが、全てのローカルサーバーの医用同期アプリケーションが更新されたと判断した場合のみ、更新ファイルを実行してクラウドサーバー上の医用同期アプリケーションを更新させる指示を実行する。
【0078】
別の側面によれば、複数のローカルサーバーの1つがクラウドサーバーとの接続を確立すると、コンピュータープロセッサー(1106)は、クラウドサーバーに、(1)接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報を判断させ、(2)接続を確立したローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が、クラウドサーバー上の医用同期アプリケーションのバージョン情報と異なる場合は、接続を確立したローカルサーバーに医用同期アプリケーションを更新する指示を送信させる。
【0079】
図11に示すシステムは、(ii)医用画像及びデータをユーザーに提示するよう構成されたユーザー装置(1102)をさらに有する。さらに、ベンダー提供アプリケーションに関するPACSアプリケーションデータ(すなわち、PACS情報)(1110)、患者情報(1112)及び医用画像及びデータ(1114)を保存するよう構成されたデータリポジトリ(1108)を有していてもよい。
【0080】
図12A及び図12Bは、1つ以上の実施形態に係る方法のフローチャートを示す。1つ以上の実施形態によれば、図12A及び図12Bに記載の方法は、コンピューターにより実施される方法である。図12A及び図12Bに示す各ステップを以下に説明するが、ネットワーク内の複数の医療施設のうちの1つの医療施設のシステムのみについて説明する。当業者であれば、以下に説明する方法の各ステップは、ネットワーク内の複数の医療施設のシステムのいずれによっても実行できることが明らかであろう。
【0081】
ステップ1205及び1210において、ネットワーク内の医療施設の1つに付随するローカルコンピューターは、当該医療施設のローカルサーバーとクラウド上のクラウドサーバーとの間の接続状況をチェックして、接続が正常であるかどうかを判断する。
【0082】
ステップ1210におけるチェックの結果がYESの場合、ローカルコンピューターは、ステップ1215において、モダリティーにより生成されたデータを、ローカルサーバーを介してクラウドサーバーへアップロードし続け、ステップ1220において、ローカルリポジトリとクラウドリポジトリとの間でデータを同期する。次いで、処理は、ステップ1205に戻る。
【0083】
1つ以上の実施形態によれば、ステップ1215においてクラウドサーバーが更新されると、ネットワーク内の他の施設のローカルコンピューター及びサーバーは、クラウドサーバーから更新されたデータの全て又は一部を受け取る。ネットワーク内の施設の各ローカルコンピューター及びサーバーは、更新されたデータを受け取ると、更新されたデータが以前に存在していなかったものであれば、それぞれのローカルリポジトリに当該更新されたデータを追加し、あるいは、更新されたデータに対応する以前から存在しているローカルに記憶されたデータを当該更新されたデータに置き換える。
【0084】
ステップ1210におけるチェックの結果がNOであった場合、ステップ1225において、医療施設とクラウドとの間の接続が切れた旨のメッセージと、ローカルコンピューター及びサーバーのアクセスをローカルリポジトリへと切り替える旨のメッセージをユーザーに表示する。
【0085】
ステップ1230において、接続が切れた医療施設のローカルコンピューター及びサーバーは、アクセスをローカルリポジトリへと切り替え、ステップ1235において、ローカルコンピューター及びサーバーに記憶されている、ローカルコンピューター及びサーバーのクラウドへのアクセスを可能にするアプリケーションを再起動する。この時点では、医用画像及びデータは、クラウドリポジトリに代えてローカルリポジトリとの間で保存・取得されている。
【0086】
1つ以上の実施形態によれば、このメッセージがユーザーに表示されると、ユーザーは、ユーザー選択可能タブをクリックして、すぐさまアクセスをローカルリポジトリに切り替えるか、あるいはメッセージに表示されたカウントダウンタイマーが時間切れとなってローカルコンピューター及びサーバーが自動的にアクセスをローカルリポジトリに切り替えるのを待つことができる。
【0087】
ステップ1240及び1245において、アプリケーションが再起動されると、接続が切れた医療施設のローカルコンピューターは、チェックを行ってローカルサーバーとクラウドサーバーとの間の接続が正常であるかどうかを判断する。
【0088】
チェックの結果がNOであった場合、ローカルコンピューター及びサーバーは、引き続きローカルでの稼働を続ける。処理はステップ1240及び1245に戻り、ローカルコンピューターは、ローカルサーバーとクラウドサーバーとの間の接続状況をチェックする。
【0089】
チェックの結果がYESであった場合、ステップ1250において、医療施設とクラウドとの間の接続が再確立された旨と、ローカルコンピューター及びサーバーが、アクセスを切り替えて、リモートリポジトリに戻す旨のメッセージをユーザーに表示する。
【0090】
ステップ1260において、メッセージがユーザーに表示されると、ユーザーは、ローカルリポジトリを用いてローカルでの作業を続けたいかどうかを決定するよう促される。メッセージ中のカウントダウンタイマーが時間切れとなるまでにユーザーからの応答が検出されなかった場合、ローカルコンピューター及びサーバーは、自動的にクラウドサーバーに再アクセスする。
【0091】
チェックの結果がYESであった場合、ローカルコンピューター及びサーバーは、予め定められた時間ローカル接続を続けるが、その際、ローカルコンピューターは、ステップ1240において、ローカルサーバーとクラウドサーバーとの間の接続状況をチェックし続ける。予め定められた時間が過ぎると、ユーザーは、別の表示メッセージでクラウドに再接続するよう促される。このときは、ユーザーは、ローカルリポジトリを用いてローカルで作業を続けることを選択できない。
【0092】
チェックの結果がNOであった場合、ローカルコンピューター及びサーバーは、ステップ1265において、クラウドリポジトリに再アクセスするよう設定される。
【0093】
次いで、ステップ1270において、ローカルコンピューター及びサーバーがクラウドリポジトリに再アクセスすると、クラウドリポジトリが同期される。すなわち、再接続の間にローカルリポジトリに保存されたデータや、クラウドサーバーとの再接続後に生成された新たなデータで更新される。接続が切れている間にコンフリクトが発生した場合(例えば、ネットワーク内の異なる医療施設の2人以上のユーザーが、リモートサーバー上の同一のリモートデータに関連付けられた患者情報を同時に更新しようとした場合)、当該コンフリクトは、アプリケーションにより自動的に解決されるか、アプリケーションが提供するGUIを介してユーザーにより手動で解決される。
【0094】
1つ以上の実施形態によれば、コンフリクトは、ネットワーク内の医療施設のローカルサーバーからのローカルデータがクラウドサーバーにアップロードされている時(例えば、各ローカルサーバーとクラウドサーバーとの間で医療データを同期している時)に起こりうる。また、コンフリクトは、ネットワーク内の異なる医療施設の異なるユーザーが、同一のリモートデータの患者情報の同一箇所を、対応するローカルデータ中の当該情報をローカルで編集又は更新することによって同時に更新しようとした時に起こりうる。この場合、クラウドサーバーが受け取った2つの編集済みローカルデータの情報を用いてリモートデータを更新しようとする際に、アプリケーションは、どちらの更新された患者情報が正しいかを判断できないかもしれない。
【0095】
より具体的には、1つ以上の実施形態によれば、ある状況でのコンフリクトは、他の状況の場合よりも複雑である。例えば、2人のユーザーが同一のリモートデータを同時に更新して新たな患者名を反映させようとする場合において、ネットワーク内の医療施設Aのユーザーが、患者名を「AAAAA」から「AAABA」に更新し、ネットワーク内の異なる医療施設のユーザーが、同じ患者名を「AAAAA」から「AAACA」に更新した場合、システムは、2つの新たな名前のどちらが正しいのか判断することができない。この場合、ユーザーは、コンフリクトを手動で解消しなければならない。しかし、2人のユーザーが同一のリモートデータを同時に更新して新たな患者名を反映させようとする場合において、ネットワーク内の医療施設Aのユーザーが患者名を「AAAAA」から「AAABA」に編集し、ネットワーク内の医療施設Bのユーザーが同じ患者名を「AAAAA」から「ACAAA」に編集した場合、アプリケーションは、患者名を「ACABA」に自動的に更新することができる。
【0096】
また、接続が切れた医療施設のローカルコンピューター及びサーバーは、接続が切れていた時にネットワーク内の他の医療施設により更新されたデータをクラウドサーバーから受け取り、更新されたデータが以前に存在していなかったものであれば、ローカルリポジトリに当該更新されたデータを追加し、あるいは、更新されたデータに対応する以前から存在しているローカルに保存されたデータを当該更新されたデータで置き換える。
【0097】
1つ以上の実施形態によれば、ステップ1270においてクラウドサーバーが更新されると、ネットワーク内の他の施設のローカルコンピューター及びサーバーは、クラウドサーバーから更新されたデータの全部又は一部を受け取る。ネットワーク内の施設の各ローカルコンピューター及びサーバーは、更新されたデータを受け取ると、更新されたデータが以前に存在していなかったものであれば、それぞれのローカルリポジトリに当該更新されたデータを追加し、あるいは、更新されたデータに対応する以前から存在しているローカルに保存されたデータを当該更新されたデータで置き換える。
【0098】
ステップ1275において、再接続の間にローカルリポジトリに保存された全てのデータがクラウドリポジトリに送信されると、アプリケーションが再起動され、ローカルコンピューターはステップ1215に戻るように設定される。
【0099】
図13A図13B及び図13Cは、1つ以上の実施形態に係る実施例を示す。図13A図13B及び図13Cに示すように、各機能項目は、大項目(「最上位機能」)及び複数の小項目(「最上位機能の下位機能」)に分類されている。最上位機能及び下位機能は、図12A及び図12Bに示すフローチャートの各ステップにおいて、ユーザー又は図1A及び図1Bに示すシステムの各部により実行される。
【0100】
1つ以上の実施形態によれば、各下位機能の内容は、それらが実行された時に、ユーザー又は図1A及び図1Bに示すシステムの各部が実行することのできる動作を説明するものである。この動作には、特定の下位機能が実行された時に、ユーザーには実行できない動作も示されている。
【0101】
1つ以上の実施形態によれば、設定は、実行の際に、繰り返し行われたり、特定の時間制限が設定されたりしうる特定の下位機能に関して、ユーザーにより設定される間隔又は時間を説明するものである。設定は、アプリケーションを提供するベンダーにより予め定められた、変更不可の設定であってもよい。また、設定は、医療施設内で高い管理権限を持つユーザーが設定することのできる、ユーザー変更可能な設定であってもよい。
【0102】
図14は、1つ以上の実施形態に係るフローチャートを示す。図14に示す方法は、コンピューターにより実施される方法であってもよい。図14に示す各ステップを以下に説明するが、ネットワーク内の複数の医療施設のうちの1つの医療施設のシステムのみについて説明する。当業者であれば、以下に説明する方法の各ステップは、ネットワーク内の複数の医療施設のシステムのいずれによっても実行できることが明らかであろう。
【0103】
ステップ1405において、ネットワーク内の医療施設の1つに付随するローカルサーバーが、クラウド上のクラウドサーバーと接続される。1つ以上の実施形態によれば、ローカルサーバーは、クラウドサーバーに接続されるのが初めてであってもよい。あるいは、ローカルサーバーは、クラウドサーバーとの接続が切れた後に、クラウドサーバーに再接続されているのであってもよい。1つ以上の実施形態によれば、ローカルサーバーは、クラウドサーバーに再接続される前に再起動される。
【0104】
ステップ1410において、ローカルサーバーがクラウドサーバーに接続されると、クラウドサーバーは、ローカルサーバーにインストールされている医用同期アプリケーションのバージョン情報が、クラウドサーバーにインストールされている医用同期アプリケーションのバージョン情報と同一であるかどうかを判断する。これにより、クラウドサーバーは、双方の医用同期アプリケーションのバージョン情報が同一であるかどうかを確認することが可能となる。
【0105】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバーとローカルサーバーの医用同期アプリケーションのバージョン情報が異なる場合、クラウドサーバーとローカルサーバーとの間での医用画像及びデータの同期が禁止される。これにより、接続された装置に同一の同期設定が適用されていることだけでなく、接続された装置間で同期された医用画像及びデータが正確かつ整合していることが確実になる。
【0106】
ステップ1410における判断がNOであった場合、クラウドサーバーは、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを更新する指示をローカルサーバーに送信する。指示を受け取ると、ローカルサーバーは、ステップ1415において、クラウドサーバーから更新ファイルを取得する。
【0107】
1つ以上の実施形態によれば、更新ファイルは、許可ユーザーが医用同期アプリケーションの更新の予定を決める前に、許可ユーザー又はクラウドベースPACSのベンダーによってクラウドサーバーに事前に格納される。
【0108】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバーから送信される指示には、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを、クラウドサーバーの医用同期アプリケーションと同じバージョンに更新するための更新ファイルが含まれている。あるいは、クラウドサーバーにより送信される指示には、ローカルサーバーに、クラウドサーバーから更新ファイルをダウンロードさせる指示が含まれている。
【0109】
ステップ1420において、ローカルサーバーは、更新ファイルを実行して、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを更新する。
【0110】
ステップ1425において、ローカルサーバーは再起動され、クラウドサーバーに再接続され、ローカルサーバーとクラウドサーバーとの間で医用画像及びデータの同期が開始される。
【0111】
ステップ1410の判断がYESであった場合、ローカルサーバーは、クラウドサーバーに接続して、クラウドサーバーとの医用画像及びデータの同期を開始する。
【0112】
図15は、1つ以上の実施形態に係るフローチャートを示す。1つ以上の実施形態によれば、図15に示す方法は、コンピューターにより実施される方法である。
【0113】
ステップ1505において、クラウドサーバーは、クラウドサーバー及びクラウドサーバーに接続された各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションの更新の予定を決める要求を受け取る。
【0114】
1つ以上の実施形態によれば、この要求は、クラウドサーバーに接続されたいかなるコンピューター装置からでもクラウドサーバーに送信することができる。1つ以上の実施形態によれば、医用同期アプリケーションの更新は、クラウドベースPACSのベンダーと関係のある許可ユーザーのみが予定を決めることができる。
【0115】
ステップ1510において、クラウドサーバーは、ローカルサーバーに、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを更新する指示を送信する。ローカルサーバーは、指示を受け取ると、クラウドサーバーから更新ファイルを取得する。
【0116】
1つ以上の実施形態によれば、更新ファイルは、許可ユーザーが医用同期アプリケーションの更新の予定を決める前に、許可ユーザー又はクラウドベースPACSのベンダーによってクラウドサーバーに事前に格納される。
【0117】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバーから送信される指示には、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを、クラウドサーバーの医用同期アプリケーションと同じバージョンに更新するための更新ファイルが含まれている。あるいは、クラウドサーバーにより送信される指示には、ローカルサーバーに、クラウドサーバーから更新ファイルをダウンロードさせる指示が含まれている。
【0118】
ステップ1515において、ローカルサーバーは、更新ファイルを実行して、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを更新する。
【0119】
ステップ1520において、クラウドサーバーは、ローカルサーバーの全ての医用同期アプリケーションが問題なく更新されたかどうかを判断する。
【0120】
ステップ1520における判断がNOであった場合、クラウドは、全てのローカルサーバーが医用同期アプリケーションを更新するのを待ち、所定時間の経過後にステップ1520の判断を繰り返す。1つ以上の実施形態によれば、この所定時間は、いかなる値であってもよく、クラウドベースPACSのベンダーに関係のある許可ユーザーによってクラウドサーバーの設定に事前にプログラムされる。
【0121】
ステップ1520の判断がYESであった場合、クラウドサーバーは、ステップ1525において更新ファイルを実行して、医用同期アプリケーションを更新する。1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバーは、全てのローカルサーバーがそれぞれの医用同期アプリケーションの更新を完了してからのみ、更新ファイルを実行する。
【0122】
図16は、1つ以上の実施形態に係るフローチャートを示す。1つ以上の実施形態によれば、図16に示す方法は、コンピューターにより実施される方法である。
【0123】
ステップ1605において、クラウドサーバーは、クラウドサーバー及びクラウドサーバーに接続された各ローカルサーバーに記憶されている医用同期アプリケーションの更新の予定を決める要求を受け取る。
【0124】
1つ以上の実施形態によれば、この要求は、クラウドサーバーに接続されたいかなるコンピューター装置からでもクラウドサーバーに送信することができる。1つ以上の実施形態によれば、医用同期アプリケーションの更新は、クラウドベースPACSのベンダーと関係のある許可ユーザーのみが予定を決めることができる。
【0125】
ステップ1610において、クラウドサーバーは、ローカルサーバーに、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを更新する指示を送信する。ローカルサーバーは、指示を受け取ると、クラウドサーバーから更新ファイルを取得する。
【0126】
1つ以上の実施形態によれば、更新ファイルは、許可ユーザーが医用同期アプリケーションの更新の予定を決める前に、許可ユーザー又はクラウドベースPACSのベンダーによってクラウドサーバーに事前に格納される。
【0127】
1つ以上の実施形態によれば、クラウドサーバーから送信される指示には、ローカルサーバーの医用同期アプリケーションを、クラウドサーバーの医用同期アプリケーションと同じバージョンに更新するための更新ファイルが含まれている。あるいは、クラウドサーバーにより送信される指示には、ローカルサーバーに、クラウドサーバーから更新ファイルをダウンロードさせる指示が含まれている。
【0128】
ステップ1615において、クラウドサーバーは、更新ファイルを実行して、医用同期アプリケーションを更新する。
【0129】
ステップ1620において、ローカルサーバーは、更新ファイルを実行して、それぞれの医用同期アプリケーションを更新する。
【0130】
1つ以上の実施形態によれば、医用同期アプリケーションを更新する順序は、クラウドサーバー及びローカルサーバー間でランダムである。しかし、クラウドサーバーのクラウドリポジトリには既に更新ファイルが存在しているので、クラウドサーバーが、常に最初に更新ファイルを実行し、医用同期アプリケーションの更新を完了する。これにより、クラウドベースPACSシステムがベンダー提供アプリケーションを更新している時に、複数の医療施設の1つのローカルサーバーがクラウドとの接続を失っても、医療施設は業務を続けることができる。例えば、ベンダー提供アプリケーションの更新を完了した医療施設は、接続が切れた医療施設がクラウドベースPACSシステムとの接続を再確立してベンダー提供アプリケーションの更新を完了するのを待つ必要がない。
【0131】
本発明の1つ以上の実施形態は、ネットワーク内の複数の医療施設間で医用画像及びデータを自動的に共有・更新する能力、同一の個人にサービスを提供するネットワーク内の全ての医療施設の全てのローカルリポジトリを、当該個人の最も新しい医用画像及びデータによって最新の状態に保つ能力、ネットワーク内のいずれかの医療施設と共有クラウドとの接続が切れたことに起因するいかなるダウンタイムを被ることなく、ネットワーク内の全ての医療施設が連続して業務を行うことができる能力、医療施設が現場にてフルサイズのデータセンターを維持する必要がないように、ネットワーク内の各医療施設のローカルリポジトリに保存される医用画像及びデータを選択する能力、自動的にバージョンの不一致をチェックして、クラウドベースPACSに接続された装置の同期と医用画像及びデータの処理設定が最新かつ整合していることを確実にする能力、医用同期アプリケーションの更新作業中に、ネットワーク内のいずれかの医療施設と共有クラウドとの接続が切れたことに起因するいかなるダウンタイムを被ることなく、ネットワーク内の全ての医療施設が連続して業務を行うことができる能力等の利点の1つ以上を有する。
【0132】
以上、限られた数の実施形態により本発明を説明したが、本開示の利益を受ける当業者であれば、ここに開示される発明の範囲から逸脱しない範囲で、他の実施形態を考案できることがわかるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ限定されるべきものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16