(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】画像センサ、識別方法、制御システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/20 20170101AFI20220105BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G06T7/20 300Z
G08B25/00 510M
(21)【出願番号】P 2018097115
(22)【出願日】2018-05-21
【審査請求日】2020-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 禎敏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 陽一
【審査官】千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-171526(JP,A)
【文献】特開2016-12873(JP,A)
【文献】特開2011-209794(JP,A)
【文献】特開2009-217448(JP,A)
【文献】特開2009-181220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/20
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間を撮像して画像データを取得する撮像部と、
前記画像データから特徴量を抽出する抽出部と、
前記特徴量に基づいて、前記対象空間における動体の有無を識別する動き識別部と、
前記特徴量に基づいて、前記対象空間における対象が予め登録された物体であるか否かを識別する物体識別部と、
前記動き識別部による識別の結果および前記物体識別部による識別の結果を記憶する記憶部と
、
前記動体の有無と前記登録された物体との組み合わせで定められるカテゴリごとに、前記動き識別部による識別の結果および前記物体識別部による識別の結果を出力する出力部とを具備する、画像センサ。
【請求項2】
前記出力部は、前記対象空間を分割した複数のエリアごとに、前記動き識別部による識別の結果および前記物体識別部による識別の結果を出力する、請求項1に記載の画像センサ。
【請求項3】
前記撮像部は、広角レンズを用いて前記対象空間を見下ろす向きで撮像する、請求項1または2に記載の画像センサ。
【請求項4】
対象空間を撮像して画像データを取得するコンピュータにより実行される人物検知方法であって、
前記コンピュータが、前記画像データから特徴量を抽出する過程と、
前記コンピュータが、前記特徴量に基づいて、前記対象空間における動体の有無を識別する動き識別過程と、
前記コンピュータが、前記特徴量に基づいて、前記対象空間における対象が予め登録された物体であるか否かを識別する物体識別過程と、
前記コンピュータが、前記動き識別過程での識別の結果および前記物体識別過程での識別の結果を記憶する過程と、
前記コンピュータが、前記動体の有無と前記登録された物体との組み合わせで定められるカテゴリごとに、前記動き識別部による識別の結果および前記物体識別部による識別の結果を出力する過程とを具備する、識別方法。
【請求項5】
対象空間を撮像する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像センサと、
前記画像センサによる前記対象空間における人物の検知の結果に基づいて、前記対象空間に設けられた機器を制御する制御装置とを具備する、制御システム。
【請求項6】
対象空間を撮像して画像データを取得する画像センサのコンピュータに、
前記画像データから特徴量を抽出する過程と、
前記特徴量に基づいて、前記対象空間における動体の有無を識別する動き識別過程と、
前記特徴量に基づいて、前記対象空間における対象が予め登録された物体であるか否かを識別する物体識別過程と、
前記動き識別過程での識別の結果および前記物体識別過程での識別の結果を記憶する過程と、
前記動体の有無と前記登録された物体との組み合わせで定められるカテゴリごとに、前記動き識別部による識別の結果および前記物体識別部による識別の結果を出力する過程とを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像センサ、識別方法、制御システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像センサは、CPU(Central Processing Unit)やメモリを備え、いわばレンズ付きの組み込みコンピュータといえる。高度な画像処理機能も有しており、撮影した画像データを分析して、例えば人間の在・不在、あるいは人数などを計算することができる。
【0003】
例えばフレーム間差分法を用いて、動体の有無を検知可能な画像センサも検討されている。フレーム間差分法は、画像データから動くものを検出する手法の一つである。その原理は、基準となる背景画像を予め記憶し、背景画像からの輝度変化をピクセルごとに評価し、その結果から人物などを検知するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-266131号公報
【文献】特開2015-130155号公報
【文献】特開2017-178559号公報
【文献】特開2016-171526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、動体の有無を検知可能な画像センサは知られている。しかし、特定の物体(例えば車椅子、ベビーカー、子供、カート、白杖利用者、徘徊老人、不審人物、迷子、逃げ遅れた人物、等の、予め登録された対象)を識別できるまでには至っていない。特定の物体を識別するためには、依然として目視による確認が必要であった。
【0006】
そこで、目的は、動体の有無および特定の物体を識別可能な画像センサ、識別方法、制御システムおよびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、画像センサは、撮像部と、抽出部と、動き識別部と、物体識別部と、記憶部とを具備する。撮像部は、対象空間を撮像して画像データを取得する。抽出部は、画像データから特徴量を抽出する。動き識別部は、特徴量に基づいて、対象空間における動体の有無を識別する。物体識別部は、特徴量に基づいて、対象空間における対象が予め登録された物体であるか否かを識別する。記憶部は、動き識別部による識別の結果および物体識別部による識別の結果を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像センサを備えるビル管理システムの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、ビルのフロア内の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、ビル管理システムの一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、画像センサ3の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係わる画像センサ3の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
画像センサは、人感センサ、明かりセンサあるいは赤外線センサ等に比べて多様な情報を取得することができる。魚眼レンズや超広角レンズなどを用いれば1台の画像センサで撮影可能な領域を拡大できるし、画像の歪みは計算処理で補正できる。画像センサに学習機能を持たせることも可能である。
【0010】
図1は、実施形態に係る画像センサを備えるビル管理システムの一例を示す模式図である。
図1において、照明機器1、空調機器2、および画像センサ3は、ビル100の各フロアごとに設けられ、制御装置4と通信可能に接続される。各階の制御装置4は、例えばビル管理センタ等に設けられるビル監視装置50と、ビル内ネットワーク500経由で通信可能に接続される。ビル内ネットワーク500の通信プロトコルとしてはBuilding Automation and Control Networking protocol(BACnet(登録商標))が代表的である。
【0011】
ビル監視装置50は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)ベースの通信ネットワーク600経由で、クラウドコンピューティングシステム(クラウド)200に接続されることができる。クラウド200は、サーバ300およびデータベース400を備え、ビル管理に関するサービスを提供する。
【0012】
図2に示されるように、照明機器1、空調機器2の吹き出し口、および画像センサ3は各フロアの例えば天井に配設される。画像センサ3は、視野内に捕えた映像を撮影して画像データを取得する。この画像データは画像センサ3において処理され、環境情報、および/または人物情報が生成される。これらの情報を利用して、照明機器1および空調機器2を制御することができる。
【0013】
画像センサ3は、画像データを処理し、環境情報および人物情報を取得する。環境情報は、撮像対象の空間(ゾーン)の環境に関する情報である。例えば、環境情報は、オフィスの照度や温度などを示す情報である。人物情報は、対象空間における人間に関する情報である。例えば、人物情報は、人の存在または不在(在・不在と称する)、人数、人の行動、人の活動量などを示す情報である。
【0014】
ゾーンを複数に分割した小領域のそれぞれを、エリアと称する。例えば環境情報および人物情報を、エリアごとに算出することが可能である。実施形態では、人物情報の一つとしての歩行・滞留について説明する。歩行・滞留とは、人が歩いているか、または1つの場所に留まっているかを示す情報である。
【0015】
図3は、
図1に示されるビル管理システムの一例を示すブロック図である。
図3において、制御装置4およびビル監視装置5が、基幹ネットワークとしてのビル内ネットワーク500に接続される。例えばBACnet(登録商標)、DALI、ZigBee(登録商標)、ECHONET Lite(登録商標)等を、ビル内ネットワーク500の通信プロトコルとして採用することができる。
【0016】
天井に取り付けられた照明機器1、空調機器2、および画像センサ3は信号線9を介して接続される。このうち、例えば画像センサ3がゲートウェイ(GW)41を介してビル内ネットワーク500に接続され、これにより画像センサ3はビル内ネットワーク500経由で制御装置4およびビル監視装置5と通信できる。また、照明機器1および空調機器2も、ビル監視装置5の配下に置かれる。制御装置4およびビル監視装置5は、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータであり、ビル管理に関する機能を備える。
【0017】
さらに、ユーザ端末61~6n、およびアクセスポイント8等の通信機器が、GW42を介してビル内ネットワーク500に接続される。これによりユーザ端末61~6nや、無線通信機能を持つタブレット端末7等も、ビル内ネットワーク500経由で制御装置4およびビル監視装置5と通信できる。
【0018】
図4は、画像センサ3の一例を示すブロック図である。画像センサ3は、カメラ部31、メモリ32、プロセッサ33、および通信部34を備える。これらは内部バス35を介して互いに接続される。
【0019】
カメラ部31は、魚眼レンズ31a、絞り機構31b、撮像素子31cおよびレジスタ30を備える。魚眼レンズ31aは、対象空間としての室内を、例えば天井から見下ろす向きで視野に捕えて撮像素子31cに結像する。撮像素子31cは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)に代表されるイメージセンサであり、例えば毎秒30フレームのフレームレートの映像信号を生成する。この映像信号はディジタル符号化され、画像データとして出力される。撮像素子31cへの入射光量は絞り機構31bにより調節される。
【0020】
レジスタ30は、カメラ情報30aを記憶する。カメラ情報30aは、例えばオートゲインコントロール機能の状態、ゲインの値、露光時間などの、カメラ部31に関する情報、あるいは画像センサ3それ自体に関する情報である。
【0021】
メモリ32は、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリであり、実施形態に係わる各種の機能をプロセッサ33に実行させるためのプログラム32a、カメラ部31により取得された画像データ32b、および、特徴量データ32c、辞書データ32d、識別データ32eを記憶する。
【0022】
特徴量データ32cは、画像データ32bを画像処理して抽出される、例えば、輝度勾配方向ヒストグラム(histograms of oriented gradients:HOG)特徴量、コントラスト、解像度、S/N比、色調、輝度勾配方向共起ヒストグラム(Co-occurrence HOG:Co-HOG)特徴量、Haar-Like特徴量などの情報である。
【0023】
辞書データ32dは、特徴量データ32cに基づいて対象空間における動体の有無を識別するために用いられる情報である。また、辞書データ32dは、特徴量データ32cに基づいて、対象空間における対象が予め登録された物体であるか否かを識別するために用いられる情報である。辞書データ32dは、例えば機械学習(Machine-Learning)の枠組みに基づいて予め生成され、用意されることができる。
【0024】
識別データ32eは、対象空間における動体の有無、および、対象空間における対象が、予め登録された物体であるか否かを識別した結果を示す情報である。
【0025】
プロセッサ33は、メモリ32に記憶されたプログラムをロードし、実行することで、実施形態において説明する各種の機能を実現する。プロセッサ33は、例えばマルチコアCPU(Central Processing Unit)を備え、画像処理を高速で実行することについてチューニングされたLSI(Large Scale Integration)である。FPGA(Field Programmable Gate Array)等でプロセッサ15を構成することもできる。MPU(Micro Processing Unit)もプロセッサの一つである。
【0026】
通信部34は、信号線9に接続可能で、制御装置4を含む通信相手先(ビル監視装置5、タブレット端末7、他の画像センサ3等)とのデータの授受を仲介する。
【0027】
ところで、プロセッサ33は、実施形態に係る処理機能として、抽出部33a、動き識別部33b、物体識別部33c、および出力部33dを備える。抽出部33a、動き識別部33b、物体識別部33c、および出力部33dは、例えば、プロセッサ33のレジスタにロードされたプログラム32aに従い、プロセッサ33が演算処理を実行することで生成される、プロセスである。
【0028】
抽出部33aは、メモリ32に蓄積された画像データ32bを所定のアルゴリズムで解析して、視野内の人物に係わる特徴量を抽出する。例えば、画像データに含まれるフレームの輝度の変化をピクセルごとにトレースし、その時系列を分析することで動き特徴量を計算することができる。抽出された特徴量はメモリに記憶される(特徴量データ32c)。
【0029】
動き識別部33bは、上記抽出された特徴量データ32cに基づいて、例えばルールベースによる識別処理、あるいは機械学習による識別処理により、対象空間における動体の有無を識別する。
【0030】
物体識別部33cは、例えば動き識別部33bによる動き識別の結果に基づいて、対象空間における物体を検知する。そして、物体識別部33cは、特徴量データ32cに基づいて、例えばルールベースによる識別処理、あるいは機械学習による識別処理により、対象空間で検知された対象(物体)が、予め登録された物体であるか否かを識別する。
動き識別部33bによる識別の結果、および、物体識別部33cによる識別の結果は、識別データ32eとしてメモリ32に記憶される。
【0031】
出力部33dは、例えば、ビル内ネットワーク500経由でビル監視装置5に識別データ32eを出力する。
【0032】
特に、出力部33dは、識別データ32eを複数のカテゴリごとに出力する。ここで、カテゴリとは、動体の有無と、登録された物体との組み合わせで定められる。さらに、識別データ32eは、対象空間を分割した複数のエリアごとに出力されても良い。次に、上記構成における作用を説明する。
【0033】
図5は、実施形態に係わる画像センサ3の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5において、画像センサ3は、対象空間(エリア)内における動体の有無を判定する(ステップS1)。動体ありと判定されると(ステップS2)、画像センサ3は、視野内に特定の物体が有るか否かを識別する(ステップS3)。特定の物体のあることが識別されれば(ステップS3でYes)、『特定の物体に動きあり』との識別結果が生成される(ステップS4)。一方、ステップS3でNo判定であれば、『特定の物体はあるがそれ自体に動きなし』との識別結果が生成される(ステップS7)。
【0034】
一方、ステップS1で、動体なしとの判定がなされれば(ステップS5)、画像センサ3は、視野内に特定の物体が有るか否かを識別する(ステップS6)。特定の物体のあることが判定されれば(Yes)、処理手順はステップS7に至って『特定の物体はあるがそれ自体に動きなし』との識別結果が生成される。
【0035】
さらに、ステップS6でNo判定であれば、『全く動きなし』との識別結果が生成される(ステップS8)。以上の手順は周期的に、あるいは既定のタイミングで繰り返される。これにより、エリア内の状況がリアルタイムで把握される。
【0036】
以上の手順により、この実施形態では『特定の物体に動きあり』、『特定の物体はあるがそれ自体に動きなし』、または、『全く動きなし』の、複数のカテゴリの状態が識別される。それぞれのカテゴリについて想定されるアプリケーションを、以下に例示する。
【0037】
<『特定の物体に動きあり』が識別された場合に想定されるアプリケーション>
1)車椅子を検知して、以下の対応を行う。
・エレベータホール方向への移動検知による該当階のエレベータの優先割付け。
・駅ホームでの検知による駅員への連絡。
・エスカレータ乗車前検知による、エレベータへの誘導放送。
2)ベビーカーを検知して、以下の対応を行う。
・エレベータホール方向への移動検知による該当エレベータの優先割付け。
・駅ホームでの検知による、エレベータ乗り場への誘導放送。
・エスカレータ乗車前検知による、エレベータへの誘導放送。
3)白杖利用者の移動を検知して、移動方向の照明調光・調色制御を行う。
4)エスカレータの乗車状況を検知して、特定範囲よりはみ出している場合には緊急停止を行う。
5)火災発生エリアにて、逃げ場所を失った人物に対して照明誘導等で逃げ道誘導を行う。
6)特老施設等にて、徘徊している老人を検知して外出防止(鍵連動)や管理者連絡する。
7)警戒エリアで不審人物を検知した場合に照明威嚇や警報発報を行う。
8)商業施設等で、徘徊している子供を検知して管理社へ迷子連絡する。
9)オフィスエリア等で特定のモーションを検知した際に、該当箇所の照明調光や空調温度設定変更を行う。
【0038】
<『特定の物体はあるがそれ自体に動きなし』が識別された場合に想定されるアプリケーション>
1)火災発生エリアにて、動かなくなった人物を検知して逃げ遅れ警報を発報する。
2)特殊ガス等を使用する研究施設でガス漏れ警報発生時に動かなくなった人物を検知して逃げ遅れ警報を発報する。
3)特老施設等にて、一定時間以上動きのない老人を検知して警報を発報して管理者連絡する。
4)エスカレータの乗車状況を検知して、特定範囲よりはみ出している場合には緊急停止を行う。
5)商業施設等でカート置き場以外に一定時間放置されているカートを検知して管理者連絡する。
6)オフィスエリア等で特定のマークを検知した際に、該当箇所の照明調光や空調温度設定変更を行う。
【0039】
<『全く動きなし』が識別された場合に想定されるアプリケーション>
1)フリーアドレス執務室にて全く使用されていない座席、サテライトオフィスで使用されていないエリア、全く使用されていない会議室等を識別し、データ管理して、オフィスレイアウトの見直しに活用する。
【0040】
以上説明したようにこの実施形態では、動き識別部33b、および物体識別部33cを画像センサ3に設けることにより、動体の有無に加えて、特定の物体であるか否かを識別できるようにした。そして出力部33dにより、識別結果をカテゴリ別に出力できるようにした。これにより、各種運用の効率化や安全性向上、施設利用者へのサービス提供を実現することが可能となる。
また、画像センサ自身において識別処理を実施できるようにしたので、画像情報を処理するためのサーバ等をシステムに設ける必要が無い。これらのことから、実施形態によれば、動体の有無および特定の物体を識別可能な画像センサ、識別方法、制御システムおよびプログラムを提供することが可能になる。
【0041】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では、『特定の物体に動きあり』、『特定の物体はあるがそれ自体に動きなし』、『全く動きなし』の3種類のカテゴリについて説明した。カテゴリの数はこの3種類に限定されない。例えば、『動体有り、特定の物体有り』、『動体有り、特定の物体無し』、『動体無し、特定の物体有り』、および『動体無し、特定の物体無し』の4つのカテゴリを想定することもできる。このようにすれば、より細分化されたケースについての対応が可能である。
【0042】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…照明機器、2…空調機器、3…画像センサ、4…制御装置、5…ビル監視装置、7…タブレット端末、8…アクセスポイント、9…信号線、15…プロセッサ、30…レジスタ、30a…カメラ情報、31…カメラ部、31a…魚眼レンズ、31b…絞り機構、31c…撮像素子、32…メモリ、32a…プログラム、32b…画像データ、32c…特徴量データ、32d…辞書データ、32e…識別データ、33…プロセッサ、33a…抽出部、33b…動き識別部、33c…物体識別部、33d…出力部、34…通信部、35…内部バス、41…ゲートウェイ、50…ビル監視装置、61~6n…ユーザ端末、100…ビル、200…クラウドコンピューティングシステム、300…サーバ、400…データベース、500…ビル内ネットワーク、600…通信ネットワーク。