(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】プレススルーパックの包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20220105BHJP
B65D 75/34 20060101ALI20220105BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B65D77/04 A
B65D75/34
B65D83/04 D
(21)【出願番号】P 2018109124
(22)【出願日】2018-06-07
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000202154
【氏名又は名称】相互印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】松本 宙也
(72)【発明者】
【氏名】徳田 修
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3206243(JP,U)
【文献】特表2012-516818(JP,A)
【文献】特開2006-248545(JP,A)
【文献】特開2018-002172(JP,A)
【文献】特開2015-009887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0112719(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0103680(US,A1)
【文献】米国特許第5242055(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
B65D 75/34
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に被収容物を各々収容可能な複数の突出部を有する収容シートと、前記複数の突出部における各開口端を閉塞可能に前記収容シートに装着される蓋シートとを含み、前記複数の突出部が、行方向と列方向とに、行列状に配列されているプレススルーパックを包装する、プレススルーパックの包装体であって、
前記複数の突出部と各々嵌合する複数の第1透孔を有する第1挟持シートと、前記複数の突出部における前記各開口端と対応する位置に、前記被収容物を各々通過可能に配設される複数の第2透孔を有する第2挟持シートとを含み、前記第1挟持シートと前記第2挟持シートとによって、前記プレススルーパックを挟持する第1挟持体と、
前記複数の第1透孔を前記第1挟持体の外側から覆う第3挟持シートと、前記複数の第2透孔を前記第1挟持体の外側から覆う第4挟持シートとを含み、前記第3挟持シートと前記第4挟持シートとによって、前記第1挟持体を前記列方向に沿って移動可能に挟持するとともに、前記第1挟持体の移動を規制するストッパ部を有する第2挟持体
とを備え、
前記第1挟持シート及び前記第2挟持シートの少なくとも一方は、前記複数の突出部が前記列方向に配列される間隔に対応する間隔で、前記ストッパ部に近い側から順次に切離可能に前記列方向に沿って配設される複数の切離片を有し、前記複数の切離片は、各々、当該切離片よりも前記ストッパ部に近い位置に他の切離片がないときに、前記ストッパ部に当接可能であり、
前記複数の切離片のうち前記ストッパ部に最も近い位置に配設される第1切離片は、当該切離片が前記ストッパ部に当接しているとき、前記複数の第1透孔の全てが前記第3挟持シートによって覆われる位置に配設され、前記第1切離片の次に前記ストッパ部に近い位置に配設される第2切離片は、当該切離片が前記ストッパ部に当接しているとき、前記複数の第1透孔のうち1つの行の第1透孔が前記第3挟持シートによって覆われなくなる位置に配設される、プレススルーパックの包装体。
【請求項2】
前記複数の切離片は、各々、前記複数の突出部に収容される複数の前記被収容物のうちの特定の被収容物であって、前記複数の第1透孔のうち、当該切離片が切離されたときに新たに前記第3挟持シートによって覆われなくなる1つの行の第1透孔に対応する特定の被収容物の用法用量に関する用法用量情報を表示する表示部を有する、請求項1に記載のプレススルーパックの包装体。
【請求項3】
前記第3挟持シート及び前記第4挟持シートは、前記複数の切離片のうち、次に切離すべき切離片を前記第2挟持体の外部から操作可能に配設される切欠部を有する、請求項1又は請求項2に記載のプレススルーパックの包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレススルーパックを包装するプレススルーパックの包装体に関し、特に、服薬遵守を補助するプレススルーパックの包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレススルーパックを包装するプレススルーパックの包装体として、特許文献1には、一枚の台紙から組み立てられる包装体が記載されている。特許文献1に記載の包装体においては、包装体によって包装されるプレススルーパックに錠剤が収容されており、大人にとっては簡単な操作によって、包装体に包装されているプレススルーパックから錠剤を取出せるように、包装体が形成されている。一方、幼い子供にとっては、プレススルーパックから錠剤を取出すことが困難なように、包装体が形成されている。従って、幼い子供が錠剤を誤飲することを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の包装体は、例えば使用者の錯誤によって、処方された用法用量に従わずに錠剤が服用されることは防止できず、服薬遵守を補助できない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えば使用者の錯誤によって、処方された用法用量に従わずに錠剤が服用されることを防止でき、服薬遵守を補助できるプレススルーパックの包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する包装体は、プレススルーパックを包装する、プレススルーパックの包装体であって、第1挟持体と、第2挟持体とを備える。前記プレススルーパックは、収容シートと、蓋シートとを含む。前記収容シートは、内側に被収容物を各々収容可能な複数の突出部を有する。前記蓋シートは、前記複数の突出部における各開口端を閉塞可能に前記収容シートに装着される。前記複数の突出部は、行方向と列方向とに、行列状に配列されている。
【0007】
前記第1挟持体は、第1挟持シートと第2挟持シートとを含み、前記第1挟持シートと前記第2挟持シートとによって、前記プレススルーパックを挟持する。前記第1挟持シートは、複数の第1透孔を有する。前記複数の第1透孔は、前記複数の突出部と各々嵌合する。前記第2挟持シートは、複数の第2透孔を有する。前記複数の第2透孔は、前記複数の突出部における前記各開口端と対応する位置に、前記被収容物を各々通過可能に形成される。
【0008】
前記第2挟持体は、第3挟持シートと第4挟持シートとを含み、前記第3挟持シートと前記第4挟持シートとによって、前記第1挟持体を前記列方向に沿って移動可能に挟持する。前記第3挟持シートは、前記複数の第1透孔を前記第1挟持体の外側から覆う。前記第4挟持シートは、前記複数の第2透孔を前記第1挟持体の外側から覆う。また、前記第2挟持体は、ストッパ部を有する。前記ストッパ部は、前記第1挟持体の移動を規制する。
【0009】
前記第1挟持シート及び前記第2挟持シートの少なくとも一方は、複数の切離片を有する。前記複数の切離片は、前記複数の突出部が前記列方向に配列される間隔に対応する間隔で、前記ストッパ部に近い側から順次に切離可能に前記列方向に沿って配設される。また、前記複数の切離片は、各々、当該切離片よりも前記ストッパ部に近い位置に他の切離片がないときに、前記ストッパ部に当接可能である。
【0010】
そして、前記複数の切離片のうち前記ストッパ部に最も近い位置に配設される第1切離片は、当該切離片が前記ストッパ部に当接しているとき、前記複数の第1透孔の全てが前記第3挟持シートによって覆われる位置に配設される。また、前記第1切離片の次に前記ストッパ部に近い位置に配設される第2切離片は、当該切離片が前記ストッパ部に当接しているとき、前記複数の第1透孔のうち1つの行の第1透孔が前記第3挟持シートによって覆われなくなる位置に配設される。
【0011】
本願に開示する包装体において、前記複数の切離片は、各々、表示部を有する。前記表示部は、前記複数の突出部に収容される複数の前記被収容物のうちの特定の被収容物の用法用量に関する用法用量情報を表示する。前記特定の被収容物は、前記複数の第1透孔のうち、当該切離片が切離されたときに新たに前記第3挟持シートによって覆われなくなる1つの行の第1透孔に対応するものである。
【0012】
また、本願に開示する包装体において、前記第3挟持シート及び前記第4挟持シートは、切欠部を有する。前記切欠部は、前記複数の切離片のうち次に切離すべき切離片を前記第2挟持体の外部から操作可能に配設される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のプレススルーパックの包装体によれば、1つの切離片を切離するごとに、1つの行の突出部に対応する一単位の被収容物がプレススルーパックから取出可能となり、例えば使用者の錯誤によって、処方された用法用量に従わずに被収容物が服用されることを防止でき、服薬遵守を補助できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係るプレススルーパックの包装体を示す平面図である。
【
図2】(a)
図1のA-A矢視断面図である。(b)
図1のB-B矢視断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る第1挟持体を示す展開図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る第2挟持体を示す展開図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る第1挟持体を示す平面図である。
【
図6】(a)第1状態における上記プレススルーパックの包装体を示す平面図である。(b)第2状態における上記プレススルーパックの包装体を示す平面図である。
【
図7】第3状態における上記プレススルーパックの包装体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る包装体に関する実施の形態について、添付の図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。
【0016】
図1、
図2を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプレススルーパックの包装体を示す平面図である。
図2(a)は、
図1のA-A矢視断面図である。
図2(b)は、
図1のB-B矢視断面図である。
【0017】
図1、
図2に示すように、実施形態に係るプレススルーパックの包装体は、プレススルーパック10を包装するものであり、第1挟持体20と、第2挟持体30とを備える。プレススルーパック10は、収容シート11と、蓋シート12とを含む。収容シート11は、被収容物としての錠剤Sを内側に各々収容可能な複数の突出部13を有する。複数の突出部13は、行方向X1と列方向X2とに、行列状に配列されている。蓋シート12は、複数の突出部13における各開口端13aを閉塞可能に収容シート11に装着され、各開口端13aと対応する部分において破断可能である。
【0018】
次に、
図1~
図3を参照して、第1挟持体20を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る第1挟持体を示す展開図である。第1挟持体20は、第1挟持シート21と、第2挟持シート22とを含み、第1挟持シート21と第2挟持シート22とによって、プレススルーパック10を挟持する。実施形態においては、第1挟持シート21及び第2挟持シート22は、山折り線23を介して連結されており、山折り線23に対して線対称となる形状を有している。
【0019】
また、第1挟持シート21は、複数の第1透孔21aを有する。複数の第1透孔21aの個数は、複数の突出部13の個数に対応している。複数の第1透孔21aは、
図2(a)に示すように、複数の突出部13と各々嵌合する。複数の突出部13が複数の第1透孔21aと嵌合することによって、複数の突出部13の少なくとも先端は第1挟持体20の外部から視認可能である。第2挟持シート22は、複数の第2透孔22aを有する。複数の第2透孔22aは、複数の突出部13における各開口端13aと対応する位置に、錠剤Sを各々通過可能に配設される。
【0020】
次に、
図1、
図2、
図4を参照して、第2挟持体30を説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る第2挟持体30を示す展開図である。第2挟持体30は、第3挟持シート31と、第4挟持32シートとを含み、第3挟持シート31と第4挟持シート32とによって、第1挟持体20を列方向X2に沿って移動可能に挟持する。第3挟持シート31は、複数の第1透孔21aを第1挟持体20の外側から覆う。第4挟持シート32は、複数の第2透孔22aを第1挟持体20の外側から覆う。
【0021】
図4に示すように、実施形態においては、第3挟持シート31と第4挟持シート32とは、山折り線33を介して連結されており、山折り線33に対して線対称となる形状を有している。また、第3挟持シート31と第4挟持シート32とは、矩形状であり、山折り線33に交差する2辺に沿って、
図4における紙面の裏側面に、少なくとも1つの粘着層41が配設される。少なくとも1つの粘着層41は、配設位置において、第3挟持シート31と第4挟持シート32とを接着する。
【0022】
また、第3挟持シート31には、山折り線33に対向する辺に沿って、細長い透孔から成る少なくとも1つの被係合部31aが形成されている。一方、第4挟持シート32には、山折り線33に対向する辺に沿って、切込線32aによって形成される、突片状の少なくとも1つの係合部32bが形成されている。少なくとも1つの被係合部31aに少なくとも1つの係合部32bが係合されることによって、第4挟持シート32は第3挟持シート31に、山折り線33において折り畳まれた状態で係止される。なお、少なくとも1つの被係合部31aと、少なくとも1つの係合部32bとに代えて、少なくとも1つの粘着層41を第3挟持シート31及び第4挟持シート32における山折り線33に対向する各辺に沿って配設することもできる。
【0023】
図1、
図4に示すように、第2挟持体30は、ストッパ部40を有する。ストッパ部40は、第1挟持体20の移動を規制する。実施形態においては、ストッパ部40は、第1挟持体20を列方向X2に沿って引き抜くときの引抜方向X21への第1挟持体20の移動を規制する。また、ストッパ部40は、後述するように、切欠部70に隣接して形成される。
【0024】
次に、
図1、
図3、
図5~
図7を参照して、第1挟持体20を更に詳しく説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る第1挟持体を示す平面図である。
図6(a)は、第1状態におけるプレススルーパックの包装体を示す平面図である。
図6(b)は、第2状態におけるプレススルーパックの包装体を示す平面図である。
図7は、第3状態におけるプレススルーパックの包装体を示す平面図である。
【0025】
図3、
図5に示すように、第1挟持シート21及び第2挟持シート22の少なくとも一方は、複数の切離片50を有している。複数の切離片50は、複数の突出部13が列方向X2に配列される間隔L1に対応する間隔L2で、ストッパ部40に近い側から順次に切離可能に列方向X2に沿って配設される。実施形態においては、間隔L1は一定であり、間隔L2も一定である。また、間隔L1と間隔L2とは等しい間隔である。
【0026】
また、実施形態においては、第1挟持シート21及び第2挟持シート22の両方に、複数の切離片50が互いに各々重合せ可能に形成されている。複数の切離片50が列方向X2に沿って配設される個数は、複数の突出部13の行数より1つ多い個数に設定されている。すなわち、実施形態においては、
図5に示すように、複数の突出部13の行数は「5」であり、列方向X2に沿って配設される複数の切離片50の個数は「6」である。
【0027】
複数の切離片50は、
図3に示すように、第1挟持シート21における矩形状の本体部21bと、第2挟持シート22における矩形状の本体部22bとに、ミシン目線21c、ミシン目線22cを介して連結される。複数の切離片50のうち、隣り合う2つの切離片50は、ミシン目線21c、ミシン目線22cに直交するミシン目線を介して互いに連結される。
【0028】
図5に示すように、複数の切離片50は、各々、当該切離片50よりストッパ部40に近い位置に他の切離片50がないときに、ストッパ部40に当接可能に配設される。実施形態においては、複数の切離片50は、方形状であり、
図1に示すように、列方向X2の2つの端部のうち、ストッパ部40に近い側の一端部51において、ストッパ部40に当接可能である。
【0029】
図6(a)に示すように、複数の切離片50のうちストッパ部40に最も近い位置に配設される第1切離片50Aは、当該切離片がストッパ部40に当接しているとき、複数の第1透孔21aの全てが第3挟持シート31によって覆われる位置に配設される。また、
図6(b)に示すように、第1切離片50Aの次にストッパ部40に近い位置に配設される第2切離片50Bは、当該切離片がストッパ部40に当接しているとき、複数の第1透孔21aのうち1つの行の第1透孔21aが第3挟持シート31によって覆われなくなる位置に配設される。
【0030】
以上の構成によれば、
図6(a)に示す第1状態において、第1切離片50Aを切離することによって、
図6(b)に示す第2状態のように、第1挟持体20を第2挟持体30から引出可能となる。第2状態においては、複数の突出部13のうち、1つの行の第1透孔21aに対応する1つの行の突出部13だけが視認可能である。視認可能な1つの行の突出部13を各々押し潰し、蓋シート12を対応位置で破断させることによって、錠剤Sは、第2透孔22aを介して取出可能となる。
【0031】
また、
図5に示すように、複数の切離片50は、複数の突出部13が列方向X2に配列される間隔L1と同じ間隔L2で列方向X2に沿って配設されている。従って、複数の切離片50をストッパ部40に近い位置から順次に切離することによって、複数の突出部13を1行ずつ順次に視認可能にすることができ、錠剤Sを1行分ずつ順次に取出可能にすることができる。従って、1つの行の突出部13に、1回服用分の錠剤Sが収容されるように、1つの行の突出部13の個数、又は1錠あたりの成分量を調整することによって、使用者は処方された用量に従って錠剤を服用できる。
【0032】
また、
図7に示す第3状態においては、複数の切離片50のうち、ストッパ部40から最も離れた位置に位置する第3切離片50Cだけが切離されることなく残存している。第3切離片50Cよりストッパ部40に近い他の切離片50は、ストッパ部40に近い側から5番目の切離片50まで全て切離されている。そして、当該第3状態においては、当該5番目の切離片50に対応する5行目の第1透孔21aが新たに第3挟持シート31によって覆われなくなっており、引抜方向X21の先端側から5行目の各突出部13に対応する錠剤Sが取出可能になっている。
【0033】
以上、
図1~
図7を参照して説明したように、実施形態の包装体によれば、第1切離片50Aは、当該切離片がストッパ部40に当接しているとき、複数の第1透孔21aの全てが第3挟持シート31によって覆われる位置に配設される。また、第2切離片50Bは、当該切離片がストッパ部40に当接しているとき、複数の第1透孔21aのうち1つの行の第1透孔21aが第3挟持シート31によって覆われない位置に配設される。複数の切離片50は、複数の突出部13が列方向X2に配列される間隔L1に対応する間隔L2で、ストッパ部40に近い側から順次に切離可能に列方向X2に沿って配設される。従って、1つの切離片50を切離するごとに、一単位の突出部13に対応する一単位の錠剤Sがプレススルーパック10から取出可能となり、例えば使用者の錯誤によって、処方された用法用量に従わずに錠剤Sが服用されることを防止でき、服薬遵守を補助できる。
【0034】
次に、
図1、
図5を参照して、複数の切離片50を更に詳しく説明する。複数の切離片50は、表示部60を各々有する。表示部60は、複数の突出部13に収容される複数の錠剤Sのうち、特定の錠剤Sの用法用量に関する用法用量情報を表示する。特定の錠剤Sとは、当該切離片が切離されたときに新たに第3挟持シート31によって覆われなくなる1つの行の第1透孔21aに対応する錠剤Sである。
【0035】
実施形態においては、1日1回の服用として、第1切離片50Aの表示部60には、第1切離片50Aに対応する特定の錠剤Sを服用すべき日付が表示される。第1切離片50Aに対応する特定の錠剤Sは、引抜方向X21における最先端の行の突出部13に収容されている錠剤Sである。第2切離片50Bの表示部60には、第2切離片50Aに対応する特定の錠剤Sを服用すべき日付が表示される。第2切離片50Aに対応する特定の錠剤Sは、引抜方向X21の先端側から2番目の行の突出部13に収容されている錠剤Sである。以下、順次、各行の突出部13に収容されている錠剤Sを服用すべき日付が、用法用量情報として各切離片50Aの表示部60に表示される。
【0036】
また、1日に複数回の服用であれば、用法用量情報は、例えば、日付と、朝、昼、晩といった時間帯とを示す情報を含んでもよく、時間帯を示す情報だけを含んでもよい。なお、用法用量情報は、用法用量が理解できるものであればよく、文字に限らず、時間帯を示すような記号、絵柄、図柄、又は色彩であってもよい。
【0037】
以上、
図1、
図5を参照して説明したように、実施形態の包装体によれば、複数の切離片50が、各々、用法用量情報を表示する表示部60を有する。表示部60は、当該切離片50に対応する特定の錠剤Sの用法用量に関する用法用量情報を表示する。従って、使用者は、複数の切離片50を順次に切離するとき、当該切離片に対応する特定の錠剤Sの用法用量を確認することができ、より確実に服薬遵守を補助できる。
【0038】
次に、
図2、
図4、
図6を参照して、第2挟持体30を更に詳しく説明する。第2挟持体30において、第3挟持シート31及び第4挟持シート32は、切欠部70を有する。切欠部70は、複数の切離片50のうち、次に切離すべき切離片50を第2挟持体30の外部から操作可能に配設される。すなわち、
図6(a)に示す第1状態においては、切欠部70を介して、次に切離すべき第1切離片50Aが第2挟持体30の外部から操作可能である。また、
図6(b)に示す第2状態においては、切欠部70を介して、次に切離すべき第2切離片50Bが第2挟持体30の外部から操作可能である。
【0039】
また、
図4、
図6に示すように、実施形態においては、ストッパ部40が切欠部70に隣接して配設される。すなわち、実施形態においては、切欠部70は、方形状であり、列方向X2における2つの端部のうち、引抜方向X21側の端部にストッパ部40が形成される。より具体的には、切欠部70に引抜方向X21側で隣接する領域に粘着層41が配設され、当該粘着層41によって、第3挟持シート31と第4挟持シート32とが接着され、ストッパ部40が、切欠部70における引抜方向X21側の端部に形成される。従って、粘着層41によって、第3挟持シート31と第4挟持シート32とを接着するだけの簡易な工程によって、ストッパ部40を形成することができる。
【0040】
以上、
図2、
図4、
図6を参照して説明したように、実施形態の包装体によれば、切欠部70が、複数の切離片50のうち、次に切離すべき切離片50を第2挟持体30の外部から操作可能に配設される。従って、使用者が次に切離すべき切離片50を特定しやすくなり、使用者の錯誤を抑制でき、服薬遵守を補助できる。また、用法用量情報が表示部60に表示されているとき、切欠部70を介して用法用量情報を確認できる。従って、より確実に使用者の錯誤を抑制でき、より確実に服薬遵守を補助できる。
【0041】
以上、図面(
図1~
図7)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(2))。
【0042】
(1)
図5を参照して説明したように、実施形態においては、間隔L1、間隔L2は一定であり、間隔L2は、間隔L1と等しい間隔であったが、これに限られず、間隔L2は、複数の切離片50を順次に切離することによって、複数の第1透孔21aを1行ずつ順次に第3挟持シート31によって覆われなくする間隔であればよい。
【0043】
例えば、間隔L1が一定でなく、変化するなら、間隔L2も間隔L1の変化に対応して変化するように設定してもよい。また、複数の切離片50を順次に切離することによって、複数の第1透孔21aを1行ずつ順次に第3挟持シート31によって覆われなくする間隔であれば、間隔L1と間隔L2とは厳密に一致していなくともよい。
【0044】
(2)
図5を参照して説明したように、実施形態においては、列方向X2に沿って配列される切離片50の個数は、複数の突出部13における行数よりも「1」だけ多い個数に設定されたが、これに限られず、切離片50の個数と複数の突出部13における行数とは、例えば同数であってもよい。切離片50の個数が、複数の突出部13における行数と同数以上であれば、複数の突出部13における全ての行を各切離片50に対応付けることができ、複数の第1透孔21aが1行ずつ順次に第3挟持シート31によって覆われなくなるように、第1挟持体20の移動をストッパ部40によって規制できる。
【符号の説明】
【0045】
L1、L2…間隔
X2…列方向
10…プレススルーパック
11…収容シート
12…蓋シート
13…突出部
13a…開口端
20…第1挟持体
21…第1挟持シート
21a…第1透孔
22…第2挟持シート
22a…第2透孔
30…第2挟持体
31…第3挟持シート
32…第4挟持シート
40…ストッパ部
50、50A、50B、50C…切離片
70…切欠部