(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】骨固定システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/86 20060101AFI20220105BHJP
A61B 17/80 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61B17/86
A61B17/80
(21)【出願番号】P 2018132142
(22)【出願日】2018-07-12
(62)【分割の表示】P 2015528680の分割
【原出願日】2013-08-23
【審査請求日】2018-07-12
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-21
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2012-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
【住所又は居所原語表記】Eimattstrasse 3, CH-4436 Oberdorf, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アペンツェラー・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フルリ・ダニエル
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-83046(JP,A)
【文献】特表2010-517673(JP,A)
【文献】特表2007-507296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80 -17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線に沿って細長い骨固定要素であって、
頭部と、
前記頭部に対して遠位方向に延び、かつ固定部位の中へと押し進められるように構成されている軸とを、備え、
前記頭部が、リッジと、該リッジによって部分的に画定された少なくとも1条のねじ山とを画定し、該少なくとも1条のねじ山の一部分は前記リッジから
連続して遠位
側に延びており、前記リッジが、前記中心軸線と交差しかつ前記中心軸線に垂直である方向に、外側横断面寸法を規定し、前記少なくとも1条のねじ山
の頂が前記方向に大径を規定し、前記少なくとも1条のねじ山の
頂で規定される前記大径が、前記リッジの前記外側横断面寸法より小さく、
前記リッジは、前記中心軸線に対して傾斜する向きにあり、接触位置にて骨インプラントに接触するように構成されたストップ面を更に画定し、前記骨インプラントのねじ付き内壁によって少なくとも部分的に画定される骨固定開口部内へと前記遠位方向に前記頭部がねじ込みによって前進されるとき、前記リッジが、前記ねじ付き内壁を前記ストップ面と前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山との間で圧迫するように構成されており、
前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山が、前記前進されるときに追従表面となる第1の表面と、前記前進されるときに先導表面となる第2の表面とを含み、
前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山の頂で規定される前記大径は、前記骨インプラントの前記ねじ付き内壁のねじ山の谷底で規定される大径よりも小さく、これにより間隙が、前記中心軸線に平行に延びる線に沿って、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山と前記骨インプラントの前記ねじ付き内壁のねじ山との間に画定され、
前記骨固定開口部内で
の前記圧迫によって
、前記頭部が、
前記間隙の第1の部分が、前記第1の表面と前記ねじ付き内壁のねじ山との間に画定されると共に、前記間隙の第2の部分が、前記第2の表面と前記ねじ付き内壁のねじ山との間に画定される、第1の位置から、
前記間隙の全体が、前記第2の表面と前記ねじ付き内壁のねじ山との間に配置される、第2の位置へと移動するとき、前記ストップ面が前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山に対して前記遠位方向に前記骨インプラントを駆動するように構成されている、骨固定要素。
【請求項2】
前記軸が、前記軸が下にある骨の中へと回転可能に押し進められるときに前記下にある骨とねじ込みによって係合するように、少なくとも1条のねじ山を画定する、請求項1に記載の骨固定要素。
【請求項3】
前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山がリードを画定し、前記軸の前記少なくとも1条のねじ山が、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山の前記リードと同等の、またはそれよりも大きいリードを画定する、請求項2に記載の骨固定要素。
【請求項4】
前記リッジは第1のリッジであり、前記頭部は、前記中心軸線に沿って前記遠位方向に前記第1のリッジから遠位側に離間した第2のリッジを更に備え、前記頭部は、前記第1のリッジと前記第2のリッジとの間に延びる溝を更に画定し、前記溝は、前記中心軸線に向かって前記頭部の中へとくぼんでおり、前記第2のリッジは少なくとも1条のねじ山を画定する、請求項1~3のいずれか1項に記載の骨固定要素。
【請求項5】
前記少なくとも1条のねじ山は、複数の絡み合ったねじ山を含む、請求項1に記載の骨固定要素。
【請求項6】
前記頭部は、頭部リードを規定し、前記軸は、軸リードを規定し、前記軸リードは、前記頭部リードとは異なる、請求項1に記載の骨固定要素。
【請求項7】
前記軸リードは、前記頭部リードよりも大きい、請求項6に記載の骨固定要素。
【請求項8】
骨固定システムであって、
請求項1~7のいずれか1項に記載の骨固定要素と、
上面と該上面の反対側の骨対向面とを画定するインプラント本体と、該インプラント本体を通じて前記上面から前記骨対向面へと延びる前記骨固定開口部と、を有し、前記骨固定開口部が、前記ねじ付き内壁によって少なくとも部分的に画定される、前記骨インプラントと、を備え、
前記骨固定要素が回転して前記頭部を前記骨固定開口部内で前記遠位方向に前進させるとき、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山が、前記ねじ付き内壁とねじ係合するように構成されており、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山が前記骨インプラントの前記ねじ付き内壁とねじ係合すると、前記ねじ付き内壁の少なくとも一部分が前記ストップ面と前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山との間で
圧迫される、骨固定システム。
【請求項9】
前記ストップ面が前記遠位方向にて前記骨インプラントと整列される、請求項8に記載の骨固定システム。
【請求項10】
前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山が前記ねじ付き内壁とねじ係合した後に前記骨固定要素が回転することにより、前記ストップ面が前記骨インプラントと接触する、請求項9に記載の骨固定システム。
【請求項11】
前記ストップ面が前記骨インプラントと接触しているときに前記骨固定要素が更に回転することにより、前記ストップ面が前記遠位方向に押し進められ、それによって前記ねじ付き内壁が前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山に対して圧迫される、請求項10に記載の骨固定システム。
【請求項12】
前記先導表面が、前記追従表面に対して前記遠位方向に配置され、前記骨固定要素の更なる回転が、前記ストップ面を前記遠位方向に押し進め、それによって前記ねじ付き内壁を前記先導表面に対して圧迫する、請求項11に記載の骨固定システム。
【請求項13】
1)前記骨インプラントと前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山との接触が、前記骨インプラントが前記遠位方向に前記骨固定要素に対して移動するのを防止し、2)前記骨インプラントと前記ストップ面との接触が、前記骨インプラントが前記遠位方向とは反対の近位方向に前記骨固定要素に対して移動するのを防止する、請求項12に記載の骨固定システム。
【請求項14】
前記リッジが前記骨インプラントと接触した後、前記頭部が最近位表面と最遠位表面とを画定し、前記最遠位表面が、前記遠位方向に前記骨インプラントに対して突出せず、前記最近位表面が、前記遠位方向とは反対の近位方向に前記骨インプラントに対して突出しない、請求項13に記載の骨固定システム。
【請求項15】
前記骨インプラントは、第1及び第2のワイヤ片を備え、前記第1及び第2のワイヤ片はそれぞれ、第1及び第2のねじ付き内壁を画定し、前記第1及び第2のねじ付き内壁は前記ねじ付き内壁を画定するように互いに向かい合っている、請求項8に記載の骨固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2013年3月15日出願の米国特許出願第13/832,518号、2013年3月15日出願の米国特許出願第61/786,937号、2013年3月15日出願の米国特許出願第13/832,364号、2013年3月15日出願の米国特許出願第61/787,082号、及び2012年8月23日出願の米国特許出願第61/692,673号の優先権を主張するものであり、これらの特許出願それぞれの開示内容は、それらのすべてが本明細書に記述されたものとして本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は骨固定システムに関するものであり、具体的には、骨インプラント及び骨固定要素、骨インプラントを骨固定要素に結合するための方法、並びに骨固定のための方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
骨インプラントは、骨折を治癒する及び/又は損傷した組織を置換するのを助けるように設計される。骨インプラント設計の指標となる原理には、破砕片の解剖学的整復術、組織治癒を改善する安定した固定法、局所的な血液供給を保存する最小手術侵襲性、及び、患者が可能な限り早期に正常な機能に回復し得るようにする、早期の無痛の授動術が含まれる。これらの原理は、骨プレート、髄内釘、椎骨インプラントなどの骨インプラント、並びに、目標の組織部位にて所望の位置に骨インプラントを保持するように構成されるねじ及び/又はアンカーの多数の例を開発する指標となっていた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、骨固定システムは、骨インプラントと少なくとも1つの骨固定要素とを含む。骨インプラントは、上面と該上面の反対側の骨対向面とを画定するインプラント本体と、インプラント本体を通じて上面から骨対向面へと延びる少なくとも1つの骨固定開口部と、を有する。骨固定開口部は、ねじ付き内壁によって少なくとも部分的に画定される。骨固定要素は頭部と軸とを有し、その軸は頭部に対して遠位方向に延び、かつ固定部位の中へと押し進められるように構成される。骨固定要素はストップ面を更に画定し、頭部は、遠位方向に沿ってそのストップ面から離間したねじ付き領域を画定する。ねじ付き内壁の少なくとも一部分がストップ面とねじ付き領域との間で捕捉されるまで骨固定要素が回転して頭部を開口部内で遠位方向に前進させるとき、ねじ付き領域は、ねじ付き内壁とねじ係合するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
上記の要約、並びに、本開示の骨固定システムの例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばより良く理解される。しかしながら、理解されたいこととして、本開示は、図示の厳格な略図及び構成に限定されるものではない。図面は以下の通りである。
【
図1A】一実施形態に従って構成された骨固定システムの斜視図であり、この骨固定システムは、骨インプラントと少なくとも1つの骨固定要素とを含み、骨固定要素は、骨インプラントを下にある骨に留め付けるように、骨インプラント及び下にある骨に取り付けられている。
【
図1C】
図1Aに示す骨固定システムの斜視図であり、骨インプラントを骨に留め付ける第1の骨固定要素及び第2の骨固定要素を示している。
【
図2C】
図2Bに示す骨インプラントの線2C-2Cに沿った横断面図である。
【
図4A】
図1Aに示す骨固定システムの横断面図であり、骨インプラントの骨固定開口部への骨固定要素の挿入を示している。
【
図4B】
図4Aに示す骨固定システムの横断面図であるが、骨固定要素が骨固定穴に更に挿入されてストップ面が骨インプラントと当接するようなっているところを示している。
【
図4C】
図4Bに示す骨固定システムの線4Cに沿った拡大横断面図である。
【
図4D】
図4Bに示す骨固定システムの横断面図であるが、ストップ面が骨インプラントに対して圧迫され、それによって骨インプラントが骨固定要素に対して留め付けられるように、骨固定要素が骨固定開口部に更に挿入されているところを示している。
【
図4E】
図4Dに示す骨固定システムの線4Eに沿った拡大横断面図である。
【
図5】
図1Aに示す骨固定システムの斜視図であるが、別の実施形態に従って構成された骨インプラントを示している。
【
図6A】
図1Bに示す骨固定システムの分解斜視図であるが、別の実施形態に従って構成された骨固定要素を示している。
【
図6B】
図6Aに示す骨固定システムの横断面図であるが、骨インプラントに留め付けられた骨固定要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1A~1Cを参照すると、一実施形態による骨固定システム20は、1か所以上の骨折箇所で骨折して複の骨片となった骨を安定化するように構成されている。骨固定システム20は、骨インプラント24と骨固定要素26とを含み、骨固定要素26は、骨インプラント24を下にある固定部位28に留め付けるために、少なくとも部分的に骨インプラント24を介して挿入されるように構成されている。固定部位28は、図示のような骨27、インプラント、又は骨固定要素を受容するように構成された装置によって規定される骨固定部位であり得る。例えば、骨27は、骨27の第1の骨片27aの第1の固定部位28aと骨27の第2の骨片27bの第2の固定部位28bなど、1対の固定部位を画定し得る。骨27は骨間隙27cを規定し得るが、この骨間隙27cは、第1の骨片27aを第2の骨片27bから分離する骨折箇所FLによって規定され得る。固定部位28a~28bは、骨格系のいかなる解剖学的箇所にも位置し得る。例えば、固定部位28a~28bは、頭蓋骨、脊柱、例えば上腕骨、大腿骨、脛骨、腓骨などの任意の長骨、又は、固定が望まれる骨格系上の任意の他の箇所に位置し得る。骨固定部位28はまた、骨に留め付けるために骨固定要素を中に通して受容するように構成された、更なるインプラント、装置又は人工装具であってもよい。
【0007】
骨固定要素26は、
図1Aに示すように骨固定要素26が骨インプラント24に完全に挿入されると、骨インプラント24に結合されるように構成されている。例えば、骨インプラント24はインプラント本体30を有し、インプラント本体30は、実質的にインプラント中心軸線32(
図2A~2Bを参照)に沿って細長い。骨インプラント24は、インプラント中心軸線32に沿って細長くてもよく、所望により、直線的であっても非直線的であってもよい。インプラント本体30は外側面38及び40を有し、外側面38及び40は、インプラント横軸線33又は第2の方向に沿って互いに離間しており、このインプラント横軸線33又は第2の方向は、インプラント中心軸線32に対して角度オフセットされていてよい(例えばインプラント中心軸線32に対して垂直であってよい)。
【0008】
一実施形態によれば、インプラント中心軸線32は長手方向Lに沿って延び得、外側面38及び40は、長手方向Lに実質的に垂直である横方向Aに沿って互いに離間する。したがって、本明細書において長手方向Lと言えば、特に指定がない限り、インプラント中心軸線32を等しく指し得る。更に、本明細書において横方向Aと言えば、特に指定がない限り、インプラント横軸線33又は第2の方向を等しく指し得る。インプラント本体30は、骨インプラント24が固定部位28に留め付けられると固定部位28に面するように構成された骨対向面52と、骨インプラント24が固定部位28に留め付けられると固定部位28から見て外方に向く反対側の面又は上面54とを更に規定し得る。骨対向面52とその反対側の上面54は、長手方向Lと横方向Aの両方に対して実質的に垂直である横断方向Tに沿って互いに離間され得る。骨対向面52は、上面54から遠位方向に離間し、上面54は骨対向面から近位方向に離間している。
【0009】
骨インプラント24は、横断方向Tに沿って上面54から骨対向面52へとインプラント本体30を通じて延びる複数の骨固定開口部56と、上面54と骨対向面52との間に延びかつ各骨固定開口部56を画定する少なくとも1つの内壁53とを画定している。各内壁53の少なくとも一部分は、横断方向Tに沿って延びるときに湾曲し得る。以下で更に詳細に説明するように、内壁53の少なくとも一部分は、骨固定要素26がそれぞれの骨固定開口部56の中に押し進められるときに、骨固定要素26の相補的なねじ山とねじ嵌合するようにねじ付きにされ得る。
【0010】
骨インプラント24は本明細書において、長手方向「L」及び横方向「A」に沿って水平に、かつ横断方向「T」に沿って垂直に延びるものとして記載されている。本明細書で特に明記しない限り、「長手」、「横断」、及び「横」という用語は、様々な骨固定システム構成要素の直交する方向成分及び構成要素の軸線を示すために用いられている。長手方向及び横方向は水平面に沿って延在するものとして示されており、横断方向は垂直面に沿って延在するものとして示されているが、様々な方向を包含する平面は使用中に異なる場合があることを理解されたい。更に、この記述は、「近位端部」と「遠位端部」とを含む、骨固定システム構成要素及び/又はそのような構成要素の各部分を指すものである。したがって、「近位方向」又は「近位側に」とは、概ね遠位端部から近位端部に向かう方向を指す。「遠位方向」又は「遠位側に」とは、概ね近位端部から遠位端部に向かう方向を指す。
【0011】
ここで
図2A~2Cを参照すると、骨インプラント24は、複数の開口部56を有するインプラント本体30を画定するように付形された少なくとも1本のワイヤ100を含み、複数の開口部56は、横断方向Tに向き付けられ得る開口部中心軸線59に沿って、上面54から骨対向面52へとインプラント本体30を通じて延びている。骨インプラント24は、部分的にあるいは完全にワイヤから作製することができ、このワイヤは、任意のインプラント本体と開口部の寸法及び形状を所望の通りに画定し得る。ワイヤ100は、骨インプラントを画定するように付形された第1のワイヤ片102と第2のワイヤ片104とを画定し得る。第1及び第2のワイヤ片102及び104は、ワイヤ100を形成するように単体式及び一体式となり得る。あるいは、第1及び第2のワイヤ片102及び104は、互いから分離しており、かつ異なる2本の対応のワイヤによって画定されていてもよい。ワイヤ片102及び104は、それぞれ1本のワイヤによって画定され得るか、あるいは、それぞれのワイヤ片102及び104を画定するように互いに編まれるか、撚られるか、若しくは別様に付着され得る複数本のワイヤによって画定され得る。ワイヤ100はワイヤ外面101を画定し、ワイヤ外面101は、骨対向面52と、反対側の上面54と、外側面38及び40と、少なくとも1つの内壁53とを画定している。
【0012】
少なくとも1つの内壁53は、第1の内壁53aと第2の内壁53bとを含み得、第2の内壁53bは、長手方向Aに沿って第2の内壁53aに面している。例えば、第1のワイヤ片102は第1の内壁53aを画定するように付形され、第2のワイヤ片104は第2の内壁53bを画定するように付形されており、第1及び第2の内壁53a及び53bは、以下に詳述するように、複数の骨固定開口部56を画定するようになっている。理解されたいこととして、ワイヤ片102及び104は単一の一体式ワイヤ100によって画定されてもよく、あるいはそれに代わって、ワイヤ片102及び104を画定するように互いに隣接して配設された、異なる2本のワイヤによって画定されてもよい。ワイヤ片102及び104は、円形の横断面形状を画定し得、そのため、内壁53a及び53bが横断方向Tに沿って延びるとき、内壁53a及び53bは湾曲し、例えば凸面となり得る。内壁53a及び53bは、それらが長手方向Lに沿って延びるとき、更に湾曲し得る。更に、第1及び第2の内壁53a及び53bの第1の部分42aは、それらが長手方向Lに沿って延びるときに凹面をなして、骨固定開口部56を画定するようになっており、第1の部分42aに隣接する、第1及び第2の内壁53a及び53bの第2の部分42bは、それらが長手方向Lに沿って延びるときに凸面をなして、骨固定開口部56のうちの隣接するもの同士の間に配置されるくびれ部108を画定するようになっている。
【0013】
骨対向面52及び上面54は、横断方向Tに沿って互いに離間しかつ各々が長手方向L及び横方向Aによって規定される、それぞれの平面内に位置し得る。骨インプラント24は
図1A~4Cに示すように第1及び第2のワイヤ片102及び104によって画定され得るが、骨インプラント24はそれに代わって、少なくとも1つの内壁53が以下で更に詳細に説明するように単一の内壁によって画定され得るように、
図5に示す骨プレートによって画定される。特に指定しない限り、本明細書における「内壁53」への言及は、第1及び第2の内壁53a及び53bへの言及、並びに単一の内壁への言及を含めて、少なくとも1つの内壁を識別するために用いられ得る。
【0014】
上述のように、骨インプラント24は、インプラント本体30を貫いて延びる複数の骨固定開口部56を画定している。例えば、第1及び第2の内壁53a及び53bは、第1の開口部56aと、その第1の開口部56aから長手方向Lに沿って離間した第2の開口部56bとを含む複数の開口部56の各々を画定し得る。骨インプラント24は、任意の個数の開口部を所望に応じて有し得る。第1及び第2の開口部56a及び56bは、骨固定要素26のうちの対応する1つを中に受容するように構成されている。具体的に言えば、骨固定システム20は、第1の骨固定開口部56aの中に挿入されるように構成された第1の骨固定要素26aと、第2の骨固定開口部56bの中に挿入されるように構成された第2の骨固定要素26bとを含む、複数の骨固定要素26を含み得る。例えば、骨インプラント24は、第1の骨固定開口部56aが第1の骨片27aと整列され、第2の骨固定開口部56bが第2の骨片27bと整列されるように位置決めされ得る。したがって、骨間隙27cは、第1の骨固定開口部56aと第2の骨固定開口部56bとの間に位置決めされる。第1の骨固定要素26aは、骨インプラント24を第1の骨片27aに留め付けるために、第1の骨固定開口部56aへ、そして第1の骨片27aへ挿入され得、第2の骨固定要素26bは、骨インプラント24を第2の骨片27bに留め付けるために、第2の骨固定開口部56bへ、そして第2の骨片27bへ挿入され得る。このようにして、骨インプラント24は、第1の骨片27aが第2の骨片27bに融合するのを促進するために、固定部位28に留め付けられ得る。
【0015】
上述のように、第1及び第2のワイヤ片102及び104は、複数のくびれ部108を画定しており、くびれ部108は、長手方向Lに沿って骨固定開口部56の一方又は両方の境界を画成し得る。くびれ部108は、第1及び第2の内壁53a及び53bがそれぞれの第2の部分42bにて互いに最も接近する各位置によって画定され得る。例えば、くびれ部108の各位置で、第2の部分42bが長手方向Lに沿って二股に分かれ得る。一実施形態によれば、くびれ部108の各位置は、第1の内壁53aと第2の内壁53bが互いに当接する各交点を規定する。第1及び第2の内壁53a及び53bは更に、くびれ部108の各位置にて、互いに留め付けられ、例えば、ろう付けされるか、溶着されるか、あるいは別様に付着され得る。第1のワイヤ片102は、長手方向Lに沿って隣接するくびれ部108同士の間に延びて第1の内壁53aを画定し、第2のワイヤ片104は、長手方向Lに沿って隣接するくびれ部108同士の間に延びて第2の内壁53aを画定している。第1及び第2のワイヤ片102及び104は長手方向Lに沿って延びて、隣接する1対のくびれ部108によって画定される骨固定開口部56の、離間した長手端部を画定している。このようにして、各骨固定開口部56は、各長手端部のうちの第1の長手端部と、各長手端部のうちの第2の長手端部との間に延び、第2の長手端部は、くびれ部108の隣接する位置の間で、インプラント中心軸線32に沿って各長手端部のうちの第1の長手端部から離間している。くびれ部108の各位置は、中心軸線32に沿って配置され得る。
【0016】
引き続き
図2A~2Cを参照すると、インプラント本体30の内壁53は、各骨固定開口部56に沿ってねじ付きとなっている。したがって、内壁53の少なくとも一部分は、第1の内壁53aの少なくとも一部分と第2の内壁53bの少なくとも一部分とを含めて、ねじ付きとなっていると言うことができる。例えば、第1及び第2の内壁53a及び53bは、それぞれのねじ山58を画定しており、ねじ山58は螺旋状に装置され得るものであり、また骨固定要素26がそれぞれの骨固定開口部56に挿入されるとき、骨固定要素26の対応するねじ山とねじ嵌合するように構成され得るものである。第1の内壁53aのねじ山は、第1の内壁53のねじ山の反対側にある第2の内壁53bのねじ山へと横方向Aに沿って続く場合、螺旋状の経路を画定し得る。したがって、ねじ山58はめねじと呼ばれ得る。ねじ山58は、第1のワイヤ片102によって画定される各第1のねじ山付き領域60、及び第2のワイヤ片104によって画定される各第2のねじ山付き領域62に配設され得る。したがって、第1の内壁53aは第1のねじ山付き領域60を画定し、第2の内壁53bは第2のねじ山付き領域62を画定している。第1のねじ山付き領域60は第1のワイヤ片102に沿って各近位端部から、その近位端部から遠位方向に離間した各遠位端部へと延びている。同様に、第2のねじ山付き領域62は第2のワイヤ片104に沿って各近位端部から、その近位端部から遠位方向に離間した各遠位端部へと延びている。更に、第1及び第2のねじ山付き領域60及び62は、それぞれ内壁53a及び53bの一部分に沿って、長手方向に沿って延びている。例えば、ねじ山58は、各第1及び第2の内壁53a及び53bの第1の部分42aの少なくとも一部に沿って延びている。例えば、ねじ山58は、所望により、それぞれ第1及び第2の内壁53a及び53bの第1及び第2の部分42a及び42bの両方に沿って、各くびれ部108のうちの1つから各くびれ部108のうちの隣接する1つへと延び得る。
【0017】
ここで
図2Cを特に参照すると、内壁53は、各骨固定開口部56の外周の少なくとも一部分を囲んで延びる単一のねじ山58を画定するように結合し得るか、あるいはそれに代わって、多条ねじとして知られるものを画定する複数の絡み合ったねじ山を画定し得る。したがって、内壁53は少なくとも1条のねじ山58を画定すると言うことができる。一実施形態によれば、第1及び第2の内壁53a及び53bの少なくとも1条のねじ山58は、螺旋状の経路に沿って互いに連続し得る。
【0018】
各少なくとも1条のねじ山58は、第1の表面72aと、その反対側の第2の表面72bとを有している。第1及び第2の表面72a及び72bが開口部中心軸線59に向かって延びるとき、第1及び第2の表面72a及び72bの少なくとも一方又は両方が、第1及び第2の表面72a及び72bの他方に向かって収れんする。具体的に言えば、第1及び第2の表面72a及び72bの各々が、ねじ山58の谷底72cからねじ山58の頂72dへと収れんする。インプラント本体30は、したがって骨インプラント24は大径D1を規定し、大径D1は、谷底72cによって規定されるものであり、開口部中心軸線59に対して垂直な方向に沿って延び、かつ開口部中心軸線59と交わるものである。インプラント本体30は、したがって骨インプラント24は小径d1を規定し、小径d1は、頂72dによって規定されるものであり、開口部中心軸線59に対して垂直な方向に沿って延び、かつ開口部中心軸線59と交わるものである。
【0019】
第1の表面72aは、第2の表面72bから近位方向に離間している。したがって、第2の表面72bは、第1の表面から遠位方向に離間している。第1の表面72aは、骨固定要素26をそれぞれの骨固定開口部56に挿入することに関して、先導表面と呼ばれ得るものであり、第2の表面72bは、骨固定要素26をそれぞれの骨固定開口部56に挿入することに関して、追従表面と呼ばれ得るものである。当然ながら、理解されたいこととして、骨固定要素26が骨固定開口部56から取り外される場合は、第2の表面72bが先導表面となり、第1の表面72aが追従表面となる。図示の実施形態によれば、第1及び第2の表面72a及び72bの各々は、開口部中心軸線59によって部分的に規定される平面による横断面において、開口部中心軸線59に対して垂直に向き付けられた基準平面に対して、90°未満である第1の角度を規定する。例えば、第1及び第2の表面72a及び72bは、上記横断面において、基準平面に対して大きさが同じで向きが反対の第1の角度を規定し得る。
【0020】
図示の実施形態によれば、内壁53a及び53bは、例えば1条、2条、又は3条以上の、所望通りの条数の絡み合ったねじ山58を画定し得る。したがって、内壁53a及び53bはリードL1を規定し、リードL1は、少なくとも1条のねじ山58とねじ嵌合され、かつ完全に360度1回転されたときに、骨固定要素26が開口部中心軸線59に沿って軸方向に前進する距離として定義される。内壁53は更にピッチP1を規定し、ピッチP1は、隣接する頂72d同士の間の、開口部中心軸線59に沿った軸方向距離であり、この軸方向距離は、例えば内面53が単一のねじ山を画定する場合は同じねじ山58によって規定され得、あるいは、例えば内壁53が複数の絡み合ったねじ山58を画定する場合は種々のねじ山58によって規定され得る。したがって、リードL1は、ピッチP1に、内壁53によって画定される絡み合ったねじ山58の条数を乗じたものである。内壁53が単一のねじ山58を画定する場合、乗数(multiple)は1であり、リードL1はピッチP1と等しくなる。
【0021】
またここで
図3A~3Bを参照すると、骨固定要素26は、横断方向Tに沿って延び得る中心軸線31に沿って細長く、近位端部29aと遠位端部29bとを規定しており、遠位端部29bは、中心軸線31に沿って近位端部29aから遠位方向に離間している。したがって、近位端部29aは、遠位端部29bから近位方向に離間している。骨固定要素26が骨固定開口部56に配設されると、中心軸線31は開口部中心軸線59と同軸となる。骨固定要素26は、固定部位28に留め付けるように構成されたアンカー、リベット、骨ピン、又はねじであってよい。
【0022】
骨固定要素26は、頭部80と、この頭部80に対して遠位方向に延びる軸82とを有し得る。軸82は、横断方向Tにおける長さを規定し得、この長さは、横断方向Tにおける頭部80の長さよりも長いものである。例えば、軸82が直接、頭部80から延びてもよく、あるいは骨固定要素26が、頭部80とシャフト82との間に延びるくびれ付き領域83を有してもよい。したがって、骨固定要素26の近位端部29aは頭部80によって画定され得、骨固定要素26の遠位端部29bは軸82によって画定され得る。軸82の少なくとも一部分は、横断方向Tに沿ってねじ付きであってよく、また、ねじ山84など、少なくとも1条のおねじを画定し得る。ねじ山84は螺旋状であってよく、中心軸線31から離れる方向に沿って谷底85aから頂85bへと延び得る。軸82はしたがって大径D2を規定するが、大径D2は、頂85bによって規定されるものであり、中心軸線31に垂直な方向に沿って延び、かつ中心軸線31と交差する。軸82は更に小径d2を規定し、小径d2は、谷底85aによって規定されるものであり、中心軸線31に垂直な方向に沿って延び、かつ中心軸線31と交差する。ねじ山84は螺旋状であってもよく、ピッチP2及びリードL2を規定し得る。少なくとも1条のねじ山84は、リードL2がピッチP2と等しくなるように、単一のねじ山であってもよい。あるいは、骨インプラント24のねじ山58に関連して上述したように、軸82は、リードL2がピッチP2の倍数となるように複数の絡み合ったねじ山を画定し得る。
【0023】
骨固定要素26を骨インプラント24に対して回転させることなく、また少なくとも1条のねじ山84を少なくとも1条のねじ山58と干渉させることなく、軸82が、遠位方向に沿って、骨固定開口部56を通じて前進され得るように、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58の小径d1は、軸82の少なくとも1条のねじ山84の大径D2よりも大きくてもよい。したがって、手術中、軸82が固定部位28と接触するまで、軸82は骨固定開口部56のうちの1つを通じて前進され得る。ねじ山84が固定部位28、例えば骨27と係合し(purchases)、それによって軸82が固定部位28に対して留め付けられるように、骨固定要素26は、軸82を含めて、下にある固定部位28の中へと回転可能に押し進められ得る。遠位端部29bにおける軸82のねじ山84は1つ以上の切削刃を画定し得、そのため骨固定要素26がセルフタッピングねじとして構成されるようになっている。あるいは、少なくとも1条のねじ山84は切削刃のないものであってもよく、そのため、骨固定要素26は標準的なねじを画定し、それによって、ねじ山84は、骨27に事前に穴あけされたパイロットホールを通じて骨27と噛み合い、それによって軸82を固定部位28に留め付ける。
【0024】
引き続き
図3A~3Bを参照すると、頭部80はまた、横断方向Tに沿ってねじ付きであってもよく、おねじとして構成され得る少なくとも1条のねじ山88を画定し得る。この少なくとも1条のねじ山は、骨インプラント24の内壁53に関連して上述したように、単一のねじ山を有しても、複数の絡み合ったねじ山を有してもよい。ねじ山88の各々は、第1の表面89aと、その反対側の第2の表面89bとを有している。第1及び第2の表面89a及び89bが中心軸線31から離れて延びるとき、第1及び第2の表面89a及び89bの少なくとも一方又は両方が、第1及び第2の表面89a及び89bの他方に向かって収れんする。具体的に言えば、第1及び第2の表面89a及び89bの各々が、ねじ山88の谷底89cからねじ山88の頂89dへと収れんする。頭部80は大径D3を規定し、大径D3は、頂89dによって規定されるものであり、中心軸線31に垂直な方向に沿って延び、かつ中心軸線31と交差する。頭部80は更に小径d3を規定し、小径d3は、谷底89cによって規定されるものであり、中心軸線31に垂直な方向に沿って延び、かつ中心軸線31と交差する。
【0025】
くびれ付き領域83は、頭部80の大径D3よりも小さい外径D4を規定している。くびれ部付き領域83の外径D4と軸82の大径D2は、骨インプラント24の小径d1よりも小さいものであり、そのため、軸82とくびれ付き領域32は共に、対応する少なくとも1条のねじ山58と干渉することなく、少なくとも1つの骨固定開口部56を通じて前進し得るようになっている。くびれ部付き領域83の外径D4は所望により、軸82の大径D2と小径d2の一方又は双方よりも小さくても、軸82の大径D2と小径d2の一方又は双方よりも大きくても、あるいは、軸82の大径D2と小径d2の一方又は双方と等しくてもよい。
【0026】
頭部80の大径D3は、軸82の大径D2及びくびれ付き領域83の外径D4よりも大きい。例えば、頭部80の大径D3は、骨インプラント24の大径D1よりも小さく、骨インプラント24の小径d1よりも大きい。更に、頭部80の小径d3は、骨インプラント24の小径d1よりも小さい。したがって、骨アンカー24の中心軸線31が開口部中心軸線59と整列され、少なくとも1条のねじ山88の遠位端部が内壁53の少なくとも1条のねじ山58と接触すると、骨アンカー24が第1の回転方向に回転することにより、少なくとも1条のねじ山88が骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58とねじ嵌合することになり、それによって、骨固定要素26が骨インプラント24に対して遠位方向に沿って前進し、したがって、それぞれの骨固定開口部56内の頭部80が遠位方向に前進することになる。更に明らかなこととして、骨固定要素26が第1の方向に回転することによって軸82が、下にある骨27の中へと更に押し進められ得る。骨固定要素26が第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転することによって、頭部80が近位方向に沿ってそれぞれの骨固定開口部56から後退され得、ついには頭部80が骨固定開口部56から取り外されることが認識される。更に、骨固定要素26が第2の回転方向に回転することにより、軸82を下にある骨27から近位方向に沿って後退させることができ、ついには軸82が下にある骨27から取り外される。
【0027】
骨固定要素26は更に、器具係合部材を画定し得、この器具係合部材は、骨固定要素26を第1の回転方向及び第2の回転方向のいずれかに回転させる駆動力を受容するために、駆動器具と嵌合するように構成されたものである。用具係合部材は、例えば、中心軸線31に沿って遠位方向に頭部80の中へと延びる受口93として構成され得る。受口93は、駆動器具を受容するように構成された任意の好適な形状を有し得る。例えば、受口93は、四角形、六角形、十字形、すり割り形、平形、星形、ヘックスローブ(hexalobular)形、又は用具を受容する任意の他の好適な形状であってよい。更に、骨固定要素26は、中心軸線31に沿って、受口93から頭部80を通じ、そして軸82を通じてカニューレ付きとなっていてもよく、また更に、軸82を通じてカニューレへと延びる1つ以上のボアを有していてもよい。カニューレ及びボアは、固定部位28の中に一時的に押し進められ得るキルシュナー鋼線などの一時ガイドワイヤを受容するように構成され得、そのため、骨固定要素26を固定部位28に固定する間、ガイドワイヤは、骨固定要素26を固定部位28へと案内するようになる。ガイドワイヤは次いで、固定部位28及びカニューレから取り除かれ得る。更に、ボアは、一時ガイドワイヤ若しくはキルシュナー鋼線、又は骨27若しくはインプラントに留め付けるために受口93及び横断ボアを通じて挿入され得る更なるねじなど、更なる固定要素をそのボアに通して受容するように構成され得る。ボアはまた骨の内殖をも可能にし得る。
【0028】
第1の表面89aは、第2の表面89bから近位方向に離間している。したがって、第2の表面89bは、第1の表面89aから遠位方向に離間している。第2の表面89bは、骨固定要素26をそれぞれの骨固定開口部56に挿入することに関して、先導表面と呼ばれ得るものであり、第1の表面89aは、骨固定要素26をそれぞれの骨固定開口部56に挿入することに関して、追従表面と呼ばれ得るものである。したがって、頭80の少なくとも1条のねじ山88の先導表面は、頭80が骨固定開口部56内で骨インプラント24とねじ係合するとき、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58の先導表面に面する。当然ながら、理解されたいこととして、骨固定要素26が骨固定開口部56から取り外される場合は、第1の表面89aが先導表面となり、第2の表面89bが追従表面となる。図示の実施形態によれば、第1及び第2の表面89a及び89bの各々は、中心軸線31によって部分的に規定される平面による横断面において、中心軸線31に対して垂直に向き付けられた基準平面に対して、90°未満である第2の角度を規定する。例えば、第1及び第2の表面89a及び89bは、前記横断面において、基準平面に対して大きさが同じで向きが反対の第2の角度を規定し得る。少なくとも1条のねじ山88によって規定される第2の角度は、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58によって規定される第1の角度に実質的に等しい。
【0029】
図示の実施形態によれば、頭部80の外面は、例えば1条、2条、又は3条以上の、所望通りの条数の絡み合ったねじ山88を画定し得る。したがって、頭部80はリードL3を規定し、リードL3は、少なくとも1条のねじ山58とねじ嵌合され、かつ完全に360度1回転されたときに、骨固定要素26が開口部中心軸線59に沿って軸方向に前進する距離として定義される。頭部80は更にピッチP3を規定し、ピッチP3は、隣接する頂89d同士の間の、中心軸線31に沿った軸方向距離であり、この軸方向距離は、例えば頭部80が単一のねじ山を画定する場合は同じねじ山88によって規定され得、あるいは、例えば頭部80が複数の絡み合ったねじ山88を画定する場合は種々のねじ山88によって規定され得る。したがって、リードL3は、ピッチP3に、頭部80よって画定される絡み合ったねじ山88の条数を乗じたものである。頭部80が単一のねじ山88を画定する場合、乗数(multiple)は1であり、リードL3はピッチP3と等しくなる。リードL3は骨インプラント24のリードL1と実質的に等しく、ピッチP3は骨インプラント24のピッチP1と実質的に等しい。更に、頭部80及び骨インプラント24のリードL1及びL2はそれぞれ、軸82のリードL3と実質的に等しくてもよい。したがって、軸82は、頭部80が骨固定開口部56の中へ遠位方向に(例えば、骨インプラント24に対する骨固定要素26の1回転ごとの距離だけ)前進する速度と同じ速度で、骨27の中へ遠位方向に前進する(例えば、骨27に対する骨固定要素26の1回転ごとの距離だけ)。例えば、それぞれの骨固定開口部56の少なくとも1条のねじ山58と、頭部80の少なくとも1条のねじ山88と、軸82の少なくとも1条のねじ山84とが同じ条数のねじ山を画定する場合、頭80及び骨インプラント24のピッチP1及びP2はそれぞれ、更に、軸82のピッチL3と実質的に等しくてもよい。
【0030】
骨固定要素26を骨インプラント24に対して回転させることなく、また少なくとも1条のねじ山84を少なくとも1条のねじ山58と干渉させることなく、軸82が、遠位方向に沿って、骨固定開口部56を通じて前進され得るように、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58の大径D1は、軸82の少なくとも1条のねじ山84の大径D2よりも大きくてもよい。したがって、手術中、軸82が固定部位28と接触するまで、軸82は骨固定開口部56のうちの1つを通じて前進され得る。ねじ山84が固定部位28、例えば骨27と係合し(purchases)、それによって軸82が固定部位28に対して留め付けられるように、骨固定要素26は、軸82を含めて、下にある固定部位28の中へと回転可能に押し込まれ得る。遠位端部29bにおける軸82のねじ山84は1つ以上の切削刃を画定し得、そのため骨固定要素26がセルフタッピングねじとして構成されるようになっている。あるいは、少なくとも1条のねじ山84は切削刃のないものであってもよく、そのため、骨固定要素26は標準的なねじを画定し、それによって、ねじ山84は、骨27に事前に穴あけされたパイロットホールを通じて骨27と噛み合い、それによって軸82を固定部位28に留め付ける。
【0031】
引き続き
図3A~3Bを参照すると、頭部80はリッジ92を画定しており、リッジ92は、近位方向に沿って少なくとも1条のねじ山88から離間するように、頭部80の少なくとも1条のねじ山88に隣接して位置決めされる。したがって、少なくとも1条のねじ山88は、遠位方向に沿ってリッジ92から離間し得る。例えば、少なくとも1条のねじ山88の全体は、遠位方向に沿ってリッジ92から離間し得る。あるいは、少なくとも1条のねじ山88は、少なくとも1条のねじ山88の一部分がリッジ92に対して遠位側に延びるように、リッジ92によって部分的に画定され得る。リッジ92は、長手方向Lと横方向Aによって規定される平面に沿って、外側横断面寸法D5を規定している。外側横断面寸法D5は、頭部80の大径D3よりも大きく、更に骨インプラント24の小径d1よりも大きい。更に、外側横断面寸法D5は骨インプラント24の大径D1より大きくてもよい。リッジ92は、長手方向と横方向に沿って延びる平面に対して、外側横断面寸法D5が直径となるように横断面の形状が円形となり得る。あるいは、リッジ92は所望により、前記横断面において任意の好適な別の形状を画定し得る。リッジ92は、横断方向Tに沿って骨インプラント24の一部分と整列するストップ面を画定している。したがって、以下で更に詳細に説明するように、リッジ92は、頭部80が各固定開口部56内で骨アンカー24とねじ係合するときに、骨インプラント24と当接するように構成されている。リッジ92は、頭部80の周囲で連続的であってもよく、あるいは頭部80の周囲で分断されていてもよい。
【0032】
ここで
図4A~4Cを参照すると、手術中、骨インプラント24は、骨対向面52が下にある固定部位28又は骨27に向かい、上面54が下にある固定部位28又は骨27の反対に向かうように、下にある骨27に対して所望通りの箇所に位置決めされる(
図1Aも参照)。例えば、この箇所は、骨インプラント24が下にある骨27に寄り掛かって位置決めされるような、又は骨インプラント24が所望により下にある骨から離間するようなものであってもよい。骨インプラントは、骨間隙が上述した方式で各骨固定開口部56のうちの第1の骨固定開口部と第2の骨固定開口部との間に配置されるように位置決めされる。第1の骨固定要素26は、各骨固定開口部56のうちの第1の骨固定開口部を通じて第1の固定部位28aへと押し進められ、第2の骨固定要素26は、各骨固定開口部56のうちの第2の骨固定要素を通じて第2の固定部位28bへと押し進められる。具体的に言えば、各骨固定要素26が、それぞれの骨固定開口部56を通じて下にある固定部位28へと押し進められ、固定部位28と骨インプラント24の両方に対して回転されるとき、ねじ付き軸82は、上述した方式で下にある骨27の中へとねじ込みによって押し進められ得る。骨固定要素26は、下にある骨27の中へと押し進められ、ついには、頭部80の少なくとも1条のねじ山88が、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58とねじ嵌合し始める。骨固定要素26が固定部位28と骨インプラント24の双方に対して引き続き回転することにより、少なくとも1条のねじ山88は、頭部90が遠位方向に骨固定開口部56内へと前進するとき、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58と更にねじ嵌合することになる。
【0033】
図4B~4Cに示すように、頭部80の大径D3は骨インプラント24の大径D1よりも小さいため、間隙90が、横断方向Tに、したがって中心軸線31及び開口部中心軸線59に平行に延びる線に沿って、頭部80の少なくとも1条のねじ山88と骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58との間に画定され得る。例えば、間隙90が、頭部80の第1の表面89aと少なくとも1条のねじ山58との間、第2の表面89bと少なくとも1条のねじ山58との間に画定され得るか、あるいは、間隙90の第1の部分が、第1の表面89aと少なく1条のねじ山58との間に画定され得ると共に、間隙90の第2の部分が、第2の表面89bと少なくとも1条のねじ山58との間に画定され得る。例えば、第1の表面89aと少なくとも1条のねじ山58との間に画定される間隙90又は間隙90の第1の部分は特に、第1の表面89aと第2の表面72bとの間に画定され得る。第2の表面89bと少なくとも1条のねじ山との間に画定される間隙90又は間隙90の第2の部分は特に、第2の表面89bと第1の表面72aとの間に画定され得る。更に、間隙90が、頭部80の第1の表面89aと内壁53との間、第2の表面89bと内壁53との間に画定され得るか、あるいは、間隙90の第1の部分が、第1の表面89aと内壁53との間に画定され得ると共に、間隙90の第2の部分が、第2の表面89bと内壁53との間に画定され得る。
【0034】
図1B~1C及び
図4A~4Cを更に参照すると、固定要素26の軸82は、遠位方向に沿って各骨固定開口部56を通じて押し進められ、第1の回転方向に回転されることができ、それにより、下にある骨27によって画定され得る第1の固定部位28aの中に軸82が押し進められるときに、少なくとも1条のねじ山84を第1の固定部位28aとねじ込みによって係合させ(threadedly purchase)ることができる。軸82が第1の固定部位28aに前進されるとき、頭部80の少なくとも1条のねじ山88が、
図4Aに示すように、骨インプラント24の各骨固定開口部56内の少なくとも1条のねじ山58とねじ嵌合する。骨固定要素26が第1の方向に引き続き回転することにより、リッジ92が骨インプラント24に対して遠位側に移動することになり、ついには、
図4B~4Cに示すように、リッジ92、特にリッジ92の頂面が、接触位置95にて骨インプラント24と接触する。接触位置95は内壁53によって規定され得る。理解されたいこととして、骨インプラント24の少なくとも一部分、例えば内壁53の少なくとも一部分は、リッジ92と、少なくとも1条のねじ山88によって画定され得る頭80のねじ付き領域との間に配置される。
【0035】
上述のように、間隙90の少なくとも一部分は、第1の表面89aと、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58、例えば少なくとも1条のねじ山58の第2の表面72bとの間に配置され得る。したがって、
図4A~4Eを参照すると、骨インプラント24は、バックラッシュとしても知られる、間隙90によって与えられるクリアランスが原因で、近位方向と遠位方向の両方において、横断方向Tに沿って骨固定要素26に対して揺動することを防止され得る。例えば、骨固定要素26が第1の回転方向に更に回転することにより、リッジ92、特にリッジ92のストップ面は、接触位置95にてインプラント本体30に寄り掛かるようになり、それによって、少なくとも1条のねじ山58が第1の表面89aと接触するまで、骨インプラント24を少なくとも1条のねじ山88に対して遠位方向に押し進める。このようにして、インプラント本体30、特に内壁53は、したがって骨インプラント24は、ストップ面、例えばリッジ92と、少なくとも1条のねじ山88、例えば少なくとも1条の先導表面との間で圧迫される。具体的に言えば、インプラント本体30の近位端部は、リッジ92によって画定され得るストップ面に寄り掛かり、少なくとも1条のねじ山58が少なくとも1条のねじ山88に寄り掛かる。インプラント本体30は、少なくとも1条のねじ山88が骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58とねじ嵌合されている間、リッジ92と少なくとも1条のねじ山88との間で圧迫される。したがって、間隙90の全体が、第2の表面89bと、少なくとも1条のねじ山58、例えば少なくとも1条のねじ山の第1の表面72aとの間に配置される。したがって、リッジ92と骨インプラント24との接触により、骨インプラント24が骨固定要素26に対して近位方向に移動することが防止される。更に、頭部80の少なくとも1条のねじ山88の第1の表面89aと、骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58の第2の表面72bとの接触により、骨インプラント24が骨固定要素26に対して遠位方向に移動することが防止される。このようにして、横断方向Tに沿った、骨固定要素26と骨インプラント24との間の相対運動が防止される。
【0036】
リッジ92は、接触箇所95からリッジ92の最近位表面への横断方向Tに沿った高さを規定し得、この高さは、接触箇所95から上面54の最近位端部までの骨インプラントの高さ以下のものである。例えば、上面54の最近位端部は、横方向A及び長手方向Lによって規定される第1の平面内に位置し得る。接触箇所95は、横方向及び長手方向Lによって規定される基準平面内に位置し得る。基準平面は、横断方向Tに沿って第1の高さだけ第1の平面から離間している。リッジ92の最近位端部は、横方向A及び長手方向Lによって規定される第2の平面内に位置し得る。第3の平面は、第1の高さ以下である第2の高さだけ、横断方向Tに沿って基準平面から離間している。例えば、リッジ92の第2の高さは第1の高さよりも低くてもよい。それ故に、リッジ92が接触箇所95にて骨インプラント24と接触しているとき、リッジ92は、近位方向に沿って、上面54の最近位端部に対して外に突出しない。
【0037】
更に、リッジ92は、接触箇所95から頭部80の最近位表面への横断方向Tに沿った高さを規定し得るが、この高さは、接触箇所95から骨対向面52の最遠位端部までの骨インプラント24の高さ以下のものである。例えば、上面54の最遠位端部は、横方向A及び長手方向Lによって規定される第3の平面内に位置し得る。この第3の平面は、横断方向Tに第3の高さだけ基準平面から離間している。リッジ92の最遠位端部は、横方向Aと長手方向Lによって規定される第4の平面内に位置し得る。この第4の平面は、第3の高さ以下である第4の高さを規定するように基準平面から離間している。例えば、リッジ92の第4の高さは第3の高さよりも低くてもよい。それ故に、リッジ92が接触箇所95にて骨インプラント24と接触しているとき、リッジ92は、遠位方向に沿って、骨対向面52の最遠位端部に対して外に突出しない。頭部80は、一実施形態によれば、横断方向Tに沿って骨インプラント24に対して外に突出しないため、頭部80は、骨インプラント24に近接する軟組織を刺激しない。
【0038】
一実施形態によれば、骨インプラント24のリードL1及び頭部80のリードL3は軸82のリードL2と実質的に等しいため、軸82がそれぞれの固定部位28にて下にある骨とねじ込みによって係合すると共に、頭部80がそれぞれの固定開口部56内で骨インプラント24とねじ嵌合するとき、骨アンカー24が第1の回転方向に回転することによって、骨インプラント24が実質的に、下にある骨27に向かってあるいは下にある骨27から離れて移動することはない。それに代わって、当然ながら、軸82のリードL2は骨インプラント24のリードL1及び頭部80のリードL3の各々と異なり得る。それ故に、軸82がそれぞれの固定部位28にて下にある骨とねじ込みによって係合すると共に、頭部80がそれぞれの固定開口部56内で骨インプラント24とねじ嵌合するとき、骨インプラント24は、横断方向Tに沿って、下にある骨27に対して移動し得る。例えば、軸82のリードL2は骨インプラント24のリードL1及び頭部80のリードL3の各々より大きくてもよい。それ故に、軸82は、頭部80が骨固定開口部56内で遠位方向に前進する第2の速度よりも速い第1の速度で、骨固定要素が回転する間、固定部位において遠位方向に前進し得る。したがって、軸82がそれぞれの固定部位28にて下にある骨とねじ込みによって係合すると共に、頭部80がそれぞれの固定開口部56内で骨インプラント24とねじ嵌合するとき、骨インプラント24は、下にある骨27に向かって遠位方向に移動し得る。したがって、骨インプラント24は、軸82がそれぞれの固定部位28にて下にある骨27とねじ込みによって係合すると共に、頭部80がそれぞれの固定開口部56内で骨インプラント24とねじ嵌合するとき、骨インプラント24が下にある骨27に対して圧迫されるように、下にある骨27に隣接して定置され得る。更にそれに代わって、軸82のリードL2は骨インプラント24のリードL1及び頭80のリードL3の各々より短くてもよい。それ故に、軸82がそれぞれの固定部位28にて下にある骨とねじ込みによって係合すると共に、頭部80がそれぞれの固定開口部56内で骨インプラント24とねじ嵌合するとき、骨インプラント24は、横断方向Tに沿って、下にある骨27から離れて移動し得る。
【0039】
再び
図1Cを参照すると、少なくとも1つの第1の骨固定要素26aが、上述のように、それぞれの少なくとも1つの第1の骨固定開口部56a内で第1の固定部位28aと骨インプラント24の双方に留め付けられ、少なくとも1つの第2の骨固定要素26bが、それぞれの少なくとも1つの第2の骨固定開口部56b内で第2の固定部位28bと骨インプラント24の双方に留め付けられ得る。骨固定システムは、所望通りの個数の第1の骨固定要素26aと、所望通りの個数の第2の骨固定要素26bとを含み得る。
【0040】
したがって、理解されたいこととして、骨固定要素26を骨インプラント24及び下にある骨27に結合することにより、1)骨固定要素26と骨インプラント24との間に角度安定性がもたらされ、2)骨固定要素26と骨インプラント24との間の、横断方向Tに沿った相対移動が防止される。例えば、複数の骨固定要素26が骨インプラント24に結合され、対応する固定部位28に留め付けられる場合、骨インプラント24が、骨折箇所FLにまたがる安定な橋絡構造を骨固定要素26を用いて形成するため、角度安定性のある固定が達成される。更に、骨固定要素26は、骨インプラント24の少なくとも一部分、例えば内壁53の一部分が、1)骨固定要素26のストップ面、例えば頭部80と、2)頭部80のねじ付き領域と、の間で捕捉されるように、骨インプラント24に結合され得る。例えば、ストップ面はリッジ92によって画定され得、ねじ付き領域はリッジ92から遠位側に設けられ得、頭部80の少なくとも1条のねじ山88によって画定され得る。
【0041】
ここで
図5を参照すると、理解されたいこととして、別段の指定がない限り、骨インプラント24は、任意の好適な別の実施形態に従って構成され得る。例えば、骨インプラント24は上述のように第1及び第2のワイヤ片102及び104によって画定され得るが、骨インプラント24はそれに代わって、インプラント本体30を画定する骨プレート97によって画定され得る。インプラント本体30は、したがって骨プレート97は、上述のように骨対向面52と上面54とを画定し、それぞれの骨固定開口部56を画定する複数の内面53を更に画定しており、骨固定開口部56は、インプラント本体30を通じて上面54から骨対向面52へと延びている。内壁53の少なくとも一部分は、上述の方式で少なくとも1条のねじ山58を画定し、そのため、骨固定要素26の頭部80の少なくとも1条のねじ山88が上述の方式で骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58にねじ込みによって留め付けられ得るようになっている。
【0042】
本明細書で構成される骨固定システム20は、任意の好適な生体適合性材料又はそれらの材料の組合わせを用いて形成され得る。例えば、骨インプラント24は、コバルトクロムモリブデン(CoCrMo)、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、マグネシウム、ガラス金属、セラミック材料などの金属材料、並びに、プラスチック、繊維強化プラスチックを含む高分子材料、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む高分子材料、及び生体吸収性材料又は形状記憶材料から形成され得る。一実施形態において、骨インプラント24は、高分子材料と金属材料との組合わせから形成され得る。例えば、骨インプラント24は、高分子のワイヤ片、金属のワイヤ片、又は高分子のワイヤ片と金属のワイヤ片との組合わせから形成され得る。骨インプラント24は、抗菌コーティング、薬剤溶出コーティング、又はカーボンダイヤモンド(carbon diamond)コーティングなどの表面改質剤を塗膜されてもよい。別の例において、骨インプラント24は、例えば、陽極酸化、電解研磨、化学蒸着、プラズマ処理、又は骨インプラントの表面特性を改善若しくは向上させる任意のプロセスを用いて、化学的に処理されてもよい。骨固定要素26はまた、コバルトクロムモリブデン(CoCrMo)、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニチノールとゴムメタル(Gummetal)(登録商標)、マグネシウム、ガラス金属、セラミック材料などの金属材料、並びに、プラスチック、繊維強化プラスチックを含む高分子材料、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)を含む高分子材料、及び生体吸収性材料又は形状記憶材料から形成され得る。骨固定要素26はまた、金属性であっても、チタンなどの金属合金から形成されてもよい。骨固定要素26はまた、高分子材料と金属材料との組合わせから形成され得る。例えば、骨固定要素26は、高分子の頭部と金属の軸とを有し得る。骨固定要素26は、抗菌コーティング、薬剤溶出コーティング、又はカーボンダイヤモンドコーティングなどの表面改質剤を塗膜されてもよい。別の例において、骨固定要素26は、例えば、陽極酸化、電解研磨、化学蒸着、プラズマ処理、又は骨固定要素の表面特性を改善若しくは向上させる任意のプロセスを用いて、化学的に処理されてもよい。
【0043】
ここで
図6A~6Bを参照すると、理解されたいこととして、骨固定要素26のうちの1つ又は複数(最大ですべて)が、別の実施形態に従って構成され得る。例えば、上述のように、骨固定要素26は頭部80と軸82とを有し、軸82は、中心軸線31に沿って、頭部80に対して遠位方向に延びている。軸82は、横断方向Tにおける長さを規定し得るが、この長さは、横断方向Tにおける頭部80の長さよりも長いものである。例えば、軸82が直接、頭部80から延びてもよく、あるいは骨固定要素26が、頭部80と軸82との間に延びるくびれ付き領域83を有してもよい。したがって、骨固定要素26の近位端部29aは頭部80によって画定され得、骨固定要素26の遠位端部29bは軸82によって画定され得る。頭部80は、第1のリッジとして画定され得るリッジ92を有し得、頭部80は、中心軸線31に沿って遠位方向に第1のリッジ92から遠位側に離間した第2のリッジ94を更に有し得る。頭部は、第1のリッジ92と第2のリッジ94との間に延びる溝96を更に画定している。溝96は、骨インプラント24の内壁53の一部分を受容して骨固定要素26を骨インプラント24に留め付けるように構成されている。溝96は、第1のリッジ92と第2のリッジ94との間で、中心軸線31に向かって頭部80の中へとくぼんでいる。このようにして、中心軸線に交差しかつ垂直である方向に沿った、溝96における頭部80の外側横断面寸法は、第1のリッジ92における頭部80の外側横断面寸法よりも小さいものであり、更には、第2のリッジ94における頭部80の外側横断面寸法より小さくてもよい。図示の実施形態において、溝96はねじ付きではないが、溝96がそれに代わって所望により、溝付きにされ得ることを理解されたい。溝96の横断面寸法は、横断方向Tに沿った長さ方向に沿って変動し得る。例えば、溝96の横断面寸法は3.0mmであっても、1.0mm~15.0mmの任意の好適な他の寸法であってもよい。
【0044】
第1のリッジ92は、骨インプラント24の一部分と係合するように構成されている。第1のリッジ92は中心軸線31に対して概ね凸状であり、それにより第1のリッジ92が中心軸線31から外向きに延びるようになっていてもよい。更に、第1のリッジ92は、頭部80の回りに円周方向に設けられてもよく、また丸み付きであっても円形であってもよい。リッジ92は、所望により、頭部80の回りで連続的であっても、分離されていてもよい。中心軸線31に垂直でありかつ中心軸線31と交差する方向に沿った、第1のリッジ92の外側横断面寸法は、骨固定開口部56の外径の寸法よりも大きく、そのため、第1のリッジ92の少なくとも一部分が、中心軸線31に平行な横断方向Tに沿って骨インプラント24と整列するようになっている。第1のリッジ92の外側横断面寸法は、約3.5mmなど、約1mm~約15mmの範囲に及び得る。骨固定要素26が骨固定開口部56を通じて完全に挿入されているとき、頭部80の最近位表面と上表面54の最近位部分は、長手方向Lと横方向Aに延びる同じ平面上に位置し得る。別の実施形態において、第1のリッジ92の少なくとも一部分が直線的であってもよい。他のリッジ構成も所望により、考えられる。
【0045】
第2のリッジ94はねじ付きであり、したがって、骨固定要素24が骨固定開口部56に挿入されるときに骨インプラント24の少なくとも1条のねじ山58とねじ係合するように構成されている。第2のリッジ94はまた中心軸線31に対して概ね凸状であり、それにより第2のリッジ94が中心軸線31から外向きに延びるようになっていてもよい。第2のリッジ94は、頭部80の回りに円周方向に設けられてもよく、連続的であっても分断していてもよい。第2のリッジ94は、第1のリッジ92の外径と実質的に等しい外径を規定し得るが、理解されたいこととして、第2のリッジ94の外径はそれに代わって、第1のリッジ92の外側横断面寸法より小さくてもよい。第2のリッジ94の外側横断面寸法は、約3.5mmなど、約1mm~約15mmの範囲に及び得る。
【0046】
第2のリッジ94の少なくとも一部分は、骨固定要素26が骨固定開口部56を通じて前進されるときに少なくとも1条のねじ山58とねじ係合するように構成され得る。例えば、第2のリッジ94は、少なくとも1条のねじ山94を画定し得、このねじ山97は、上述した頭部80の少なくとも1条のねじ山88に関連して上述したように構成されるものである。骨固定要素26が、
図6Bに示すように骨固定開口部56に完全に挿入されているとき、少なくとも1条のねじ山97は、少なくとも1条のねじ山58からねじ込み可能に分離し、遠位方向に沿って少なくとも1条のねじ山58から離間する。少なくとも1条のねじ山97が少なくとも1条のねじ山58から分離するとき、骨インプラント24の内壁53の少なくとも一部分が、第1のリッジ56と第2のリッジ94との間に捕捉又は着座される。このようにして、骨固定要素26は、骨インプラント24の少なくとも一部分、例えば内壁53の一部分が、1)骨固定要素26によって画定され得るストップ面、例えば頭部80と、2)頭部80のねじ付き領域と、の間で捕捉されるように、骨インプラント24に結合され得る。例えば、ストップ面はリッジ92によって画定され得、ねじ付き領域はリッジ92から遠位側に設けられ得、第2のリッジ94の少なくとも1条のねじ山97によって画定され得る。
【0047】
引き続き
図6A~6Bを参照すると、溝96は骨インプラント24の一部分を受容するように構成されている。例えば、内壁53の少なくとも一部分は、第1のリッジ92と第2のリッジ94との間で溝96によって受容され得る。上で議論したように、溝96は、形状において、湾曲した内壁53に概ね適合し得るため、骨固定要素26が骨固定開口部56に挿入されるときに、溝96が少なくとも1条のねじ山58に隣接して配置され、かつ少なくとも1条のねじ山58と当接し得るようになっている。図示の実施形態において、溝96は凹状であり、凸状の内壁53並びに上表面54及び骨対向面52の各部分に適合し得る。例えば、溝96の凹性は、内壁53の曲率半径と一致する曲率半径によって定義され得る。第2のリッジ94は、少なくとも1条のねじ山97の頂によって規定される大径D6を規定し、この大径D6は少なくとも1条のねじ山58の小径d1よりも大きいものである。それ故に、第2のリッジ94が遠位方向に沿って少なくとも1条のねじ山58に隣接して配置されるとき、第2のリッジ94の少なくとも1条のねじ山97は、その少なくとも1条のねじ山58と整列され、それによって、横断方向Tに沿って骨固定要素26を並進させることで頭部が骨インプラント24から取り除かれることが防止される。
【0048】
手術中、骨固定要素26の軸82は固定部位28へと押し進められる。例えば、骨固定要素26は、軸82を固定部位28へと前進させるために第1の回転方向に回転され、それにより、少なくとも1条のねじ山84が固定部位28とねじ込みによって係合するようにし得る。骨固定要素26が、第1の回転方向への回転中に遠位方向に前進するとき、第2のリッジ94の少なくとも1条のねじ山97が、頭部80の少なくとも1条のねじ山88とねじ係合する。中心軸線31が開口部中心軸線59と整列されている間に、少なくとも1条のねじ山97が少なくとも1条のねじ山54と係合した後、骨固定要素26が第1の回転方向に回転するとき、第2のリッジ94は少なくとも1条のねじ山54に対して遠位側にねじ込みによって前進し、ついにはその少なくとも1条のねじ山54が、したがって内壁53の一部分が、溝96内に捕捉される。内壁53の一部分が溝96に捕捉されると、第1及び第2のリッジ92及び94は骨インプラント24を骨固定要素26に移動可能に結合する。例えば、骨固定要素26は、固定部位28に対して、骨インプラント24を横断方向Tに沿って再位置決めするために、更に回転され得る。それ故に、横断方向Tに沿った、骨インプラント24と固定部位28との整列は、骨固定要素26が骨インプラント24に結合されるときに調節され得る。
【0049】
理解されたいこととして、本開示の一態様によれば、手術用キットが、本明細書で説明した1つ又は複数(最高ですべて)の実施形態に従って構成された複数の骨インプラント24と、本明細書で説明した1つ又は複数(最高ですべて)の実施形態に従って構成された複数の骨固定要素26とを含み得る。このキットはまた、ドリル及びドリルガイドと、ガイドワイヤとを含んでもよい。ドリルガイドは、骨インプラント24の開口部に挿入するように構成されたねじ付き端部を有してもよく、そのため、骨固定要素26を挿入し得る穴を、ドリルを使用して事前に穴あけできる。
【0050】
本開示について詳細に説明してきたが、種々の変更、代用、及び修正が、添付の特許請求の範囲で定義する本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書においてなされ得ることを理解されたい。更に、本開示の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態に制限されることを意図しない。当業者には容易に理解されることであるが、既存の又は後に開発されるプロセス、機械、製造法、物質組成、手段、方法、又は工程であって、本明細書に記載した対応する実施形態と同じ機能を実施するか、あるいは実質的に同じ結果を得るものは、本開示に従って利用され得る。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) 骨固定システムであって、
上面と該上面の反対側の骨対向面とを画定するインプラント本体と、該インプラント本体を通じて前記上面から前記骨対向面へと延びる骨固定開口部と、を有する骨インプラントであって、前記骨固定開口部が、ねじ付き内壁によって少なくとも部分的に画定される、骨インプラントと、
頭部と軸とを有する骨固定要素であって、前記軸は前記頭部に対して遠位方向に延び、かつ固定部位の中へと押し進められるように構成されている、骨固定要素と、を備え、
前記骨固定要素がストップ面を更に画定し、前記頭部が、前記遠位方向に沿って前記ストップ面から離間したねじ付き領域を画定し、前記ねじ付き内壁の少なくとも一部分が前記ストップ面と前記ねじ付き領域との間で捕捉されるまで前記骨固定要素が回転して前記頭部を前記開口部内で前記遠位方向に前進させるとき、前記ねじ付き領域が、前記ねじ付き内壁とねじ係合するように構成されている、骨固定システム。
(2) 前記ストップ面が前記遠位方向にて前記骨インプラントと整列される、実施態様1に記載の骨固定システム。
(3) 前記ねじ付き領域が前記ねじ付き内壁とねじ係合した後に前記固定要素が回転することにより、前記ストップ面が前記骨インプラントと接触する、実施態様1又は2に記載の骨固定システム。
(4) 前記ストップ面が前記骨インプラントと接触しているときに前記骨固定要素が更に回転することにより、前記ストップ面が前記遠位方向に押し進められ、それによって前記ねじ付き内壁が前記ねじ付き領域に対して圧迫される、実施態様3に記載の骨固定システム。
(5) 前記頭部の前記ねじ付き領域が、追従表面と該追従表面に対して遠位側に配置された先導表面とを有する少なくとも1条のねじ山を画定し、前記固定要素の更なる回転が、前記ストップ面を前記遠位方向に押し進め、それによって前記ねじ付き内壁を前記先導表面に対して圧迫する、実施態様4に記載の骨固定システム。
【0052】
(6) 1)前記骨インプラントと前記ねじ付き領域との接触が、前記骨インプラントが前記遠位方向に前記骨固定要素に対して移動するのを防止し、2)前記骨インプラントと前記ストップ面との接触が、前記骨インプラントが前記遠位方向とは反対の近位方向に前記骨固定要素に対して移動するのを防止する、実施態様4又は5に記載の骨固定システム。
(7) 前記ストップ面が、外側横断面寸法を規定するリッジによって画定され、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山が、前記外側横断面寸法より小さい大径を規定する、実施態様5に記載の骨固定システム。
(8) 前記頭部が前記リッジを画定する、実施態様7に記載の骨固定システム。
(9) 前記リッジが前記骨インプラントと接触した後、前記頭部が最近位表面と最遠位表面とを画定し、前記最遠位表面が、前記遠位方向に前記骨インプラントに対して突出せず、前記最近位表面が、前記遠位方向とは反対の近位方向に前記骨インプラントに対して突出しない、実施態様7又は8に記載の骨固定システム。
(10) 前記頭部が、前記ストップ面と前記ねじ付き領域との間に配置された溝を画定し、前記溝が、前記ストップ面と前記ねじ付き領域との間に前記骨インプラントを捕捉するように構成されている、実施態様1又は2に記載の骨固定システム。
【0053】
(11) 前記内壁の前記少なくとも一部分が前記ストップ面と前記ねじ付き領域との間に捕捉されているとき、前記遠位方向に前記ねじ付き内壁から離間する、少なくとも1条のねじ山を、前記ねじ付き領域が画定する、実施態様1又は2及び10のいずれかに記載の骨固定システム。
(12) 前記溝がねじ付きではない、実施態様10又は11に記載の骨固定システム。
(13) 前記骨インプラントが、前記ねじ付き内壁を画定するように互いに向かい合う第1及び第2のねじ付き内壁を画定する第1及び第2のワイヤ片を備える、実施態様1~12のいずれかに記載の骨固定システム。
(14) 前記骨インプラントが骨プレートを含む、実施態様1~13のいずれかに記載の骨固定システム。
(15) 前記軸が、前記頭部が前記骨固定開口部内にねじ込みによって前進するときに前記固定部位にねじ込みによって係合する(threadedly purchase)ように構成されるべくねじ付きとなっている、実施態様1~14のいずれかに記載の骨固定システム。
【0054】
(16) 中心軸線に沿って細長い骨固定要素であって、
頭部と、
前記頭部に対して遠位方向に延び、かつ固定部位の中へと押し進められるように構成されている軸とを、備え、
前記頭部が、リッジと、該リッジから前記遠位方向に沿って離間した少なくとも1条のねじ山とを画定し、前記リッジが、前記中心軸線と交差しかつ前記中心軸線に垂直である方向に、外側横断面寸法を規定し、前記少なくとも1条のねじ山が前記方向に大径を規定し、前記少なくとも1条のねじ山の前記大径が、前記リッジの前記外側横断面寸法より小さいものであり、
骨インプラントのねじ付き内壁によって少なくとも部分的に画定される骨固定開口部内へと前記遠位方向に前記頭部がねじ込みによって前進されるとき、前記リッジが、前記ねじ付き内壁を前記リッジと前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山との間で圧迫するように構成されている、骨固定要素。
(17) 前記軸が、前記軸が下にある骨の中へと回転可能に押し進められるときに前記下にある骨とねじ込みによって係合するように、少なくとも1条のねじ山を画定する、実施態様16に記載の骨固定要素。
(18) 前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山がリードを画定し、前記軸の前記少なくとも1条のねじ山が、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山の前記リードと同等のリードを画定する、実施態様17に記載の骨固定要素。
(19) 前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山がリードを画定し、前記軸の前記少なくとも1条のねじ山が、前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山の前記リードよりも大きいリードを画定する、実施態様17に記載の骨固定要素。
(20) 開口部を画定するねじ付き内壁を有するインプラントに骨固定要素を取り付ける方法であって、
前記開口部に骨固定要素の軸を挿入する工程と、
前記骨固定要素の頭部の少なくとも1条のねじ山を前記ねじ付き内壁の相補的な少なくとも1条のねじ山と接触させる工程と、
前記骨固定要素のストップ面が前記インプラントと接触するまで、前記頭部を前記開口部内でねじ込みによって遠位方向に前進させるように前記骨固定要素を回転させる工程と、
前記ストップ面が前記インプラントと接触した後、前記ねじ付き内壁を前記ストップ面と前記頭部の前記少なくとも1条のねじ山との間で圧迫するように、前記骨固定要素を引き続き回転させる工程と、を含む方法。