IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】状況表示を備える針格納マガジン
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220105BHJP
   A61M 5/00 20060101ALI20220105BHJP
   A61M 5/50 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A61M5/32
A61M5/00 510
A61M5/50 530
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018554540
(86)(22)【出願日】2017-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 US2017025311
(87)【国際公開番号】W WO2017189167
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-03-12
(31)【優先権主張番号】62/328,649
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スダーサン スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド シフ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ローソン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ヒュー マギル
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-146912(JP,A)
【文献】特表2014-534022(JP,A)
【文献】国際公開第2008/150715(WO,A1)
【文献】特開2012-050820(JP,A)
【文献】特表2015-500110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達用薬物ペンと係合するように構成された複数の針を格納するマガジンであって、前記マガジンは、
取り付け用凹部含むマガジンハウジング、
り付け用突出部含み、および複数の針ハブのうちの1つを各々が包含する複数のハブ室を有する、取り外し可能アレイであって、前記取り付け用突出部は前記取り付け用凹部と係合して、前記取り外し可能アレイを前記マガジンハウジングに固定する、取り外し可能アレイ、
前記複数のハブ室の各々内のコネクタであって、各コネクタは前記複数の針ハブのうちの1つと係合する、コネクタ、
前記複数のハブ室のうちの1つを各々封止する複数のクロージャ、および
前記複数の針ハブの状況を特定するための電子表示器、
含み
前記電子表示器は、前記複数の針ハブのうちの幾つが使用されていないかを特定することを特徴とする、マガジン。
【請求項2】
前記取り外し可能アレイは、前記取り外し可能アレイ内の前記複数の針ハブが全て使用されたときに、交換されることを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
前記取り外し可能アレイは、互いに反対側に配置された2つの取り外し可能アレイを含むことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項4】
前記電子表示器は、複数のLEDを含むことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項5】
前記複数のLEDの各々は、前記複数のハブ室のうちの1つに位置合わせされることを特徴とする請求項4に記載のマガジン。
【請求項6】
前記複数のハブ室のうちの1つに対応する前記複数のLEDのうちの1つが選択された色で点灯するとき、前記複数の針ハブのうちの対応する針ハブが使用されることを特徴とする請求項4に記載のマガジン。
【請求項7】
前記複数のハブ室のうちの1つに対応する前記複数のLEDのうちの1つが選択された色で点灯するとき、前記複数の針ハブのうちの対応する針ハブは、新しく、および使用のために利用可能であることを特徴とする請求項4に記載のマガジン。
【請求項8】
前記マガジンハウジングは、回路基板を含むことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項9】
前記回路基板は、振動を検出する慣性測定ユニットを含み、前記慣性測定ユニットは、予め定められた振動値が超過されたときに、前記回路基板のオペレーションをトリガすることを特徴とする請求項8に記載のマガジン。
【請求項10】
前記電子表示器は、赤外光を放射して前記複数の針ハブの状況を決定する赤外反射システムを含むことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項11】
前記赤外反射システムは、複数の赤外線放射体および複数の赤外検出器を含み、ならびに前記複数の赤外線放射体のうちの1つおよび前記複数の赤外検出器のうちの1つは、前記複数のハブ室の1つ1つにおいて互いに位置合わせされることを特徴とする請求項10に記載のマガジン。
【請求項12】
受信された赤外光反射に基づいて、前記赤外反射システムは、空のハブ室、前記ハブ室内の使用されていない針ハブおよび前記ハブ室内の使用された針ハブのうちの1つを特定することを特徴とする請求項10に記載のマガジン。
【請求項13】
前記マガジンハウジングは赤外透光性材料を含み、および
前記複数の針ハブは赤外反射性材料を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項14】
前記電子表示器は電子ディスプレイを含むことを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項15】
前記電子ディスプレイは、バッテリーレベル、使用状況、現在の状態、および使用されていない針ハブの数のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14に記載のマガジン。
【請求項16】
前記現在の状態は、現在の日付および時刻を表示することを特徴とする請求項15に記載のマガジン。
【請求項17】
前記使用状況は、前記複数の針ハブのうちの直近の針ハブが前記マガジンハウジングから取り外された時刻を表示することを特徴とする請求項15に記載のマガジン。
【請求項18】
マガジンの複数の針を使用する方法であって、
前記複数の針は、薬物送達用薬物ペンと係合するように構成され、
前記マガジンは、
取り付け用凹部を含むマガジンハウジング、
取り付け用突出部を含み、および複数の針ハブのうちの1つを各々が包含する複数のハブ室を有する、取り外し可能アレイであって、前記取り付け用突出部は前記取り付け用凹部と係合して、前記取り外し可能アレイを前記マガジンハウジングに固定する、取り外し可能アレイ、および
前記複数のハブ室のうちの1つを各々封止する複数のクロージャ、
を含み、
前記方法は、
前記複数のクロージャのうちの選択されたクロージャを取り外して、前記マガジンハウジング内の前記複数の針ハブのうちの選択された針ハブを露出させる工程、
前記選択された針ハブに薬物送達用薬物ペンを係合させる工程、
前記選択された針ハブを前記マガジンハウジングから係合解除して、前記薬物送達用薬物ペンを準備する工程、
前記複数の針ハブのうちの幾つが使用されていないかを特定することによって、前記複数の針の状況を示す工程、および
前記複数の針の全てが使用された後に、前記取り付け用突出部を前記取り付け用凹部から係合解除して前記取り外し可能アレイを前記マガジンから取り外し、および前記取り外し可能アレイを交換する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記取り外し可能アレイは、直線状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項20】
前記取り外し可能アレイは、前記取り外し可能アレイ内の前記複数の針ハブの各々への独立したアクセスを提供することを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【請求項21】
前記取り外し可能アレイ内の前記複数のハブ室は、操作の間、前記マガジンハウジング内に位置固定されることを特徴とする請求項1に記載のマガジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2016年4月28日に出願された米国仮特許出願シリアル番号62/328,649号の利益を請求する。
【0002】
本発明の様々な例示的実施形態は、薬物(medication)ペンのための針格納に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物ペンは、典型的には、患者に薬物を注射するために使用される。薬物の投与量を定期的に自己注射しなければならない者は、典型的には、薬物ペンおよび単回使用(single-use)ペン針を担持することとなる。薬物ペンは、安全および無菌のために設計される。しかしながら、非効率性および不便が生じる。
【発明の概要】
【0004】
薬物送達用薬物ペンと係合するように構成された複数の針を格納するマガジンを提供することは、本発明の態様である。そのようなマガジンは、ペン針包装のサイズを最小化する点、構成要素を製造するために使用されるプラスチックの体積を最小化する点、および多数のペン針を一緒にグループ化しそれらの使用および担持を容易にする点で利点を提供する。さらに、マガジンは、使用者に、バッテリーレベル、針ハブ使用状況、現在の状態、および使用されていない針ハブの数のうちの少なくとも1つを有利にも提供する電子表示器を含む。
【0005】
薬物送達のために利用可能な針のマガジンを有することは、針の再使用を低減させる。針の再使用は、少なくとも以下の理由のために、望まれない。針は、単回使用(single use)後に鈍り、およびそのため、その次の使用は、患者に痛みを引き起こす可能性がある。多数回の針の使用は、また、針先の強度を低減させ、これは潜在的な破損を引き起こす可能性がある。また、針の再使用は、保健衛生上の心配事および患者に対する健康リスクを増大させる。
【0006】
本発明の針組立品は、有利には、少なくとも以下の理由のために再使用を低減させる。患者は、針を多数回使用することから財政的に利益を得ることを望むかもしれないが、針組立品は、複数の針の各々が1回を超えて使用されるのを防止するように構成される。便利さは、患者が針を再使用する別の理由である。患者は、また、使用のために利用可能な別の針を有していないこと、または供給源(supplies)に対するアクセスを有していないことも心配かもしれない。しかしながら、針組立品は、便利には、使用されていない針がより容易に利用可能であるように、多数の針を提供する。
【0007】
本発明の先述のおよび/または他の態様を、薬物送達用薬物ペンと係合するように構成された複数の針を格納するマガジンを提供することによって実現することができ、マガジンは、複数の針ハブのうちの1つを各々包含する(enclosing)複数のハブ室を有する取り外し可能(removable)アレイを包含するマガジンハウジング、複数のハブ室の各々内のコネクタであって各コネクタは複数の針ハブのうちの1つと係合するコネクタ、複数のハブ室のうちの1つを各々封止する複数のクロージャ、および複数の針ハブの状況を特定するための電子表示器を含み、電子表示器は、複数の針ハブのうちの幾つが使用されていないかを特定する。
【0008】
好ましくは、マガジンハウジングは取り付け用凹部を含み、取り外し可能アレイは取り付け用突出部を含み、および前記取り付け用突出部は前記取り付け用凹部と係合して、取り外し可能アレイをマガジンハウジングに固定する。取り外し可能アレイは、取り外し可能アレイ内の複数の針ハブが全て使用されたときに交換され(replaced)、および取り外し可能アレイは、互いに反対側に配置された2つの取り外し可能アレイを含む。
【0009】
好ましくは、電子表示器は複数のLEDを含み、複数のLEDの各々は、複数のハブ室のうちの1つに位置合わせされる。複数のハブ室のうちの1つに対応する複数のLEDのうちの1つが選択された色で点灯(illuminates)するとき、複数の針ハブのうちの対応する針ハブが使用される。複数のハブ室のうちの1つに対応する複数のLEDのうちの1つが別の選択された色で点灯するとき、複数の針ハブのうちの対応する針ハブは、新しく、および使用のために利用可能である。
【0010】
好ましくは、マガジンハウジングは、振動を検出する慣性測定ユニットを含む回路基板を含み、慣性測定ユニットは、予め定められた振動値が超過されたときに、回路基板のオペレーションをトリガする。
【0011】
好ましくは、電子表示器は、赤外光を放射して複数の針ハブの状況を決定する赤外反射システムを含む。赤外反射システムは、複数の赤外線放射体および複数の赤外検出器を含む。複数の赤外線放射体のうちの1つおよび複数の赤外検出器のうちの1つは、複数のハブ室の1つ1つにおいて、互いに位置合わせされる。受信された赤外光反射に基づいて、赤外反射システムは、空のハブ室、ハブ室内の使用されていない針ハブ、およびハブ室内の使用された針ハブのうちの1つを特定する。マガジンハウジングは、好ましくは、赤外透光性材料(infrared translucent material)であり、および複数の針ハブは、好ましくは、赤外反射性材料である。
【0012】
好ましくは、電子表示器は、電子ディスプレイを含む。電子ディスプレイは、バッテリーレベル、使用状況、現在の状態、および使用されていない針ハブの数のうちの少なくとも1つを含む。現在の状態は、現在の日付および時刻を表示し、および使用状況は、複数の針ハブのうちの直近の針ハブがマガジンハウジングから取り外された時刻を表示する。
【0013】
本発明の先述のおよび/または他の態様を、また、マガジン内の複数の針を使用する方法によって実現することができ、複数の針は、薬物送達用薬物ペンと係合するように構成され、方法は、複数のクロージャのうちの選択されたクロージャを取り外して、マガジンハウジング内の複数の針ハブのうちの選択された針ハブを露出させる工程、選択された針ハブに薬物ペンを係合させる工程、選択された針ハブをマガジンハウジングから係合解除して、薬物送達用薬物ペンを準備する工程、および複数の針ハブのうちの幾つが使用されていないかを特定することによって、複数の針の状況を表示する工程、を含む。
【0014】
上述の様々な実施形態の好ましいまたは任意選択的な特徴の各々は、他の好ましいまたは任意選択的な特徴と組み合わされてもよいことは理解されたい。加えて、1つの特定の実施形態と組み合わせて記載された特徴は、他の実施形態の1つと組み合わされてもよい。
【0015】
本発明の付加的なおよび/または他の態様ならびに利点は、続く記載において明らかにされ、または記載から明らかとなり、または発明の実施によって学習されてもよい。
【0016】
本発明の上記態様および特徴は、添付図面への言及を伴う本発明の例示的実施形態に関する記載から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】取り外し可能マガジンアレイの左斜視図である。
図2】マガジンハウジングの左斜視図である。
図3】マガジンハウジング内に配置された取り外し可能マガジンアレイの左斜視図である。
図4】例示的マガジンの左斜視図である。
図5】薬物ペンに接続された例示的アダプタの右斜視図である。
図6】マガジンハウジング内の針ハブと係合する前の薬物ペンの右斜視図である。
図7】マガジンハウジング内で針ハブと係合し始めた図5の薬物ペンの部分断面図である。
図8】針ハブと係合した薬物ペンがマガジンハウジングから取り外される(removed)ところのマガジン組立品の左斜視図である。
図9】マガジンハウジング内で針ハブと完全に係合した図5の薬物ペンの部分断面図である。
図10】薬物ペンがマガジンハウジングに針ハブを返却するところのマガジン組立品の右斜視図である。
図11】非ロック位置(unlocked position)におけるマガジンハウジング内の針ハブの右斜視図である。
図12】ロック位置(locked position)におけるマガジンハウジング内の針ハブの右斜視図である。
図13】針ハブの左斜視図である。
図14】マガジンハウジング内のプリント回路基板の左斜視図である。
図14A】マガジンハウジング内のプリント回路基板のオペレーションのブロック図である。
図15】赤外反射システムを含むマガジンハウジングに接続された取り外し可能マガジンアレイの部分断面図である。
図16】使用されていない針ハブを検出する赤外反射システムを備える図15のマガジンハウジングに接続された取り外し可能マガジン組立品の部分断面図である。
図17】空のハブ室を検出する赤外反射システムを備える図15のマガジンハウジングに接続された取り外し可能マガジン組立品の部分断面図である。
図18】複数の針ハブの状況を特定するためのLEDである電子表示器を含むマガジンの図である。
図19】カバーによって包含されるマガジンの別の実施形態を示す図である。
図20】カバーが取り外されたおよびディスプレイを含む図19のマガジンを示す図である。
図21】針ハブがマガジンハウジングから取り外された図20のマガジンを示す図である。
図22】使用された針ハブがマガジンハウジングに戻され、および取り外し可能マガジンアレイがマガジンハウジングと係合解除している、図20のマガジンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1つの実施形態によると、図1から図4は、薬物送達用薬物ペン2によって使用される複数の針またはカニューレを格納するマガジン18を示す。マガジン18は、マガジンハウジング20、各々コネクタ28を含む複数のハブ室22、選択されたハブ室24、およびマガジンアレイ26を含む。マガジンハウジング20は、クレジットカードの形状であり、および複数の針またはカニューレの各々を包含する。
【0019】
図1に示されるように、マガジンハウジング20は、2つのマガジンアレイ26を含む。マガジンアレイ26の各々は、複数のハブ室22の各々内に複数の針ハブ50のうちの1つを担持する。好ましくは、各マガジンアレイ26は、8つのハブ室22を含むが、より多いまたはより少ない数が考えられる。図3および4に示されるように、マガジンアレイ26は、長手方向の互いに反対側にあり、複数の針ハブ50は、一列に並び(are inline)および互いに隣接している。
【0020】
マガジンアレイ26は、また、取り外し可能でもある。具体的には、マガジンアレイ26内の複数の針ハブ50の全てが使用されたとき、マガジンアレイ26を、廃棄しおよび交換することができる。従って、マガジンハウジング20は、再使用可能である。これは、マガジンハウジング20は電子機器を含有しおよび従ってより高価であるので、有利である。
【0021】
そのような構成は、有利にも、複数の針ハブ50の小さい(small)、コンパクトな(compact)および最適化された配置を提供し、ならびにマガジン18が最小量の材料から製造されることを可能にする。加えて、複数の針ハブ50の各々は、複数のハブ室22の各々内に個別に配置されて、有利にも、各針ハブ50のための別個の空洞を提供する。
【0022】
複数のハブ室22の各々は、複数の針ハブ50の各々を固定するコネクタ28を含む。コネクタ28は、好ましくは直角回し(quarter turn)バヨネット接続であるが、プッシュプル戻り止めコネクタを使用することもできる。コネクタ28のさらなる詳細は、以下に記載される。
【0023】
複数のハブ室22の各々は、剥離タブまたはクロージャ30によって包含される。複数の剥離タブ30は、好ましくは、ホイルタブである。剥離タブ30は、好ましくは、赤外反射性材料で構成されまたはコーティングされている。剥離タブ30は、複数のハブ室22内に配置される複数の針ハブ50の各々を個別に封止しおよび無菌環境を提供する。そのような構成は、有利には、複数の針ハブ50の各々への独立したアクセスを提供する。結果として、複数の針ハブ50のうちの1つは、残る針ハブ50の無菌環境を変えることなく使用される。
【0024】
図1は、また、複数のハブ室22のうちの選択されたハブ室24を露出するために取り外された複数の剥離タブ30のうちの1つを示す。選択されたハブ室24は、使用のための準備ができている選択された針ハブ52を含む。
【0025】
図2は、マガジンアレイ26が取り外されたマガジンハウジング20を示す。マガジンハウジング20は、好ましくは、赤外透光性材料製であり、および電子表示器62を含む。1つの実施形態によると、電子表示器62は、複数のLED80である。複数のLED80は、複数の針ハブ50の状況を表示する。複数のLED80の各々は、複数のハブ室22のうちの対応する1つに対して位置決めされる。
【0026】
図18に示されるように、LED80は、複数の針ハブ50の状況を表示する色を点灯する。例えば、LED80が緑色として点灯する場合、複数の針ハブ50のうちの対応する針ハブ50は、新しく(使用されておらず)、および使用のために利用可能である。LED80が赤色として点灯する場合、複数の針ハブ50のうちの対応する針ハブ50は、使用されており、および再使用されるべきではない。LED80がオレンジ色として点灯する場合、複数のハブ室22のうちの対応するハブ室22は、空であり、および複数の針ハブ50のうちの1つによって占められていない。換言すれば、選択された針ハブ52は、使用のためにマガジンハウジング20から取り除かれている。複数のLED80は、さらに下述されるように、赤外反射システム68と協働して、複数の針ハブ50の各々のデバイス状況を決定する。
【0027】
マガジンハウジング20は、また、マガジンアレイ26の各々と係合しおよび固定する取り付け用凹部21を含む。図3は、取り付け用凹部21がマガジンハウジング20の両側に配置されていることを示す。取り付け用凹部21は、各マガジンアレイ26のために対になっている。図3は、また、マガジンハウジング20と係合し始めたマガジンアレイ26の両側の取り付け用突出部27を示す。他のマガジンアレイ26の取り付け用突出部27は、マガジンハウジング20の取り付け用凹部21と完全に係合して、マガジンアレイ26をマガジンハウジング20内に固定する。図4は、マガジンハウジング20内に固定された両方のマガジンアレイ26を示す。
【0028】
マガジンアレイ26とマガジンハウジング20との間のこの接合部分(interface)は、有利には、全ての針ハブ50が使用されたときにマガジンアレイ26が交換されることを可能にする。マガジンハウジング20に固定されおよびマガジンハウジングから取り外されるマガジンアレイ26は、有利には、全ての針ハブ50が使用された後にマガジンハウジング20が廃棄されるのを防止する。代わりに、マガジンハウジング20は、新しいマガジンアレイ26と共に再使用される。
【0029】
図5は、1つの実施形態による、アダプタ4に接続された薬物ペン2を示す。アダプタ4は、標準的な再使用可能な薬物ペン2(すなわち、ペン注射器)に取り付け可能である。アダプタ4の構成要素は、図7および図9に示される。図6は、薬物ペン2に接続され、および選択された針ハブ52と係合し始めた、アダプタ4を示す。
【0030】
図7に示されるように、アダプタ4は、アダプタ本体6、アダプタカニューレ8およびアダプタセプタム10を含む。アダプタ本体6は、好ましくは、アダプタセプタム10を包含しおよび固定するツーピース圧入組立品である。アダプタ本体6の近位端は、薬物ペン2内のねじ山と係合するように構成されたねじ山を含む。アダプタ本体6の遠位端は、開口を含む。開口は、複数の針ハブ50のうちの1つと係合するように構成されている。
【0031】
好ましくは、アダプタセプタム10は、アダプタカニューレ8が貫通するための予め形成された開口を含む。あるいはまた、アダプタカニューレ8の鋭くされた遠位端は、アダプタセプタム10を貫通して、流体連通を確立する。アダプタセプタム10は、好ましくは、シリコンゴム製である。
【0032】
アダプタカニューレ8は、アダプタ本体6に固定される。アダプタカニューレ8は、アダプタ本体6の近位端に配置され、および薬物ペン2のセプタム(不図示)を貫通して、薬物ペン2と流体連通を確立するように構成される。アダプタカニューレ8の遠位端は、アダプタセプタム10内に配置される。アダプタカニューレ8のアダプタセプタム10とのオペレーションは、下述される。
【0033】
アダプタセプタム10は、薬物ペン2と選択された針ハブ52との間の薬剤(medicament)の流れを調節する。アダプタセプタム10は、その自然状態において閉鎖されている。図7に示されるように、アダプタセプタム10は、閉鎖位置においてその遠位端でアダプタカニューレ8と部分的に係合する。選択された針ハブ52はアダプタ4と完全には係合されないので、アダプタセプタム10は、閉鎖位置にとどまる。すなわち、図7のアダプタセプタム10は、その自然状態にある。
【0034】
図9は、開放位置(open position)におけるアダプタセプタム10を示す。選択された針ハブ52は、他の方法が考えられるが、プッシュプル戻り止めを介してアダプタ本体6に固定される。選択された針ハブ52がアダプタ本体6に固定されたときに、選択された針ハブ52は、アダプタセプタム10に軸方向の力を加える。軸方向の力は、アダプタセプタム10を屈曲させ(または圧縮させ)、ならびにアダプタカニューレ8がアダプタセプタム10を貫通し、および選択された針ハブ52内に延びることを可能にする。軸方向の力は、また、封止表面を確立して、選択された針ハブ52の近位端とアダプタセプタム10の遠位表面との間の接合部分における漏れ経路を防止する。従って、選択された針ハブ52は、今や、薬物ペン2と流体連通している。
【0035】
1つの実施形態によると、図8は、選択された針ハブ52が、アダプタ4(図9も参照のこと)を介して薬物ペン2と接続されており、およびマガジン18から取り外されているマガジン組立品1を示す。具体的には、選択された針ハブ52は、マガジンハウジング20の選択されたハブ室24内でコネクタ28を係合解除する。複数の針ハブ50の各々を、アダプタ4を使用することなく、マガジンハウジング20から容易に取り外すことはできない。薬物ペン2は、今や、薬物送達のための準備ができている。
【0036】
図10は、1つの実施形態によると、選択された針ハブ52が薬物送達のために薬物ペン2によって使用された後に、薬物ペン2は、選択された針ハブ52をマガジンハウジング20に戻し返すことを示す。具体的には、選択された針ハブ52は、マガジンハウジング20の選択されたハブ室24内でコネクタ28と係合する。選択された針ハブ52は、それがもともと封止されていた、選択されたハブ室24に戻る。図11および図12は、複数の針ハブ50のうちの1つと係合する直角回しバヨネット接続であるコネクタ28のオペレーションを示す。コネクタ28のオペレーションは、下述される。
【0037】
図13は、1つの実施形態によると、複数の針ハブ50のうちの1つを示す。複数の針ハブ50は、好ましくは赤外反射性材料製であり、および複数の針ハブ50の各々は、ハブ本体54、ハブカニューレ56、および半径方向のつまみ(radial lug)58を含む。ハブ本体54の近位端および遠位端は、好ましくは、ねじ山またはプッシュプル戻り止めを含む。ハブ本体54の近位端は、アダプタ4に取り付けられるように構成され、およびハブ本体54の遠位端は、マガジンハウジング20内でコネクタ28に取り付けられるように構成される。
【0038】
ハブカニューレ56は、ハブ本体54に固定され、およびハブ本体54の遠位端から延びる。ハブカニューレ56は、患者に薬剤を送達するための手段を提供する。具体的には、複数の針ハブ50のうちの1つが薬物ペン2に接続されたときに、流体連通が確立される。従って、薬剤は、針ハブ50に進み、およびハブカニューレ56を通って出る。示されていないが、ハブカニューレ56の遠位端は、組織に入り込むように(to penetrate)構成された、鋭くされたベベルカットを含む。
【0039】
半径方向のつまみ58は、ハブ本体54の遠位端においてねじ山またはプッシュプル戻り止めに近接して配置される。半径方向のつまみ58は、マガジンハウジング20内でコネクタ28に対する二次的保持手段としての役目を果たす。2つの半径方向のつまみ58は、好ましくは、およそ180°離れてハブ本体54上に配置される。
【0040】
図11に示されるように、使用された針ハブ50がマガジンハウジング20に戻されたとき、使用された針ハブ50は、半径方向のつまみ58を介して、直角回しコネクタ28と係合する。使用された針ハブ50は、次いで、図12に示されるように、およそ90°回転させられて、マガジンハウジング20の直角回しコネクタ28と係合する。従って、直角回しコネクタ28は、半径方向のつまみ58を介して、針ハブ52に固定される。
【0041】
1つの実施形態によると、マガジンハウジング20は、プリント回路基板64を含む。プリント回路基板64は、図14に示されるように、マガジン18内の様々な電子機器構成要素が配置されおよび動作することを可能にする。例えば、プリント回路基板64は、慣性測定ユニット66、バッテリー74、コントローラ76、メモリーチップ77および無線モジュール78を含む。
【0042】
慣性測定ユニット66は、マガジン18によって経験された任意の振動を検出する。慣性測定ユニット66は、好ましくは加速度計であるが、また、例えばジャイロスコープを含むこともできる。慣性測定ユニット66は、検出された振動、回転運動、または他のジェスチャー運動が閾値を超えたときに、プリント回路基板64上のコントローラ76をスリープ状態から起こすことによってマガジン18のオペレーションを開始しおよびその周辺機器を作動させるように較正される。バッテリーは常にオンであり接続されている。
【0043】
マガジン18が使用されていないとき、コントローラ76は、低出力の(low power)スリープモードで動作し、および慣性測定ユニット66によってトリガされたときのみに起こされる。この方法で、マガジン18は、針ハブ50を搭載する準備中に使用者によって取り扱われるときのみであるが、連続的な高出力の使用下にない。従って、慣性測定ユニット66は、有利には、マガジン18の電力消費を最適化する。
【0044】
あるいはまた、慣性測定ユニット66は、使用された針ハブ50がマガジンハウジング20に戻されるときに、使用された針ハブ50をマガジンアレイ26のコネクタ28上に留めることによって生成された振動、回転運動または他のジェスチャー運動を検出するように構成される。慣性測定ユニット66を、薬物送達のためにマガジンアレイ26のコネクタ28から針ハブ50を取り外すより前に、針ハブ50上に留まるアダプタ4によって生成される振動、回転運動または他のジェスチャー運動を検出するように構成することもできる。いずれの場合においても、閾値を超過する振動は、慣性測定ユニット66に、コントローラ76に警告をさせ、および赤外反射システム68を介して針ハブ50の状況をチェックさせる。
【0045】
プリント回路基板64は、マガジンハウジング20の電気的な構成要素を操作(operate)するための一定電圧源の電力を調整しおよび提供するバッテリー74をさらに含む。好ましくは、バッテリー74は、最適に寸法付けられおよび十分に電力が供給された(powered)コインセルバッテリーである。
【0046】
コントローラ76もまた、プリント回路基板64上に配置される。コントローラ76は、以下の機能的利益を提供する。コントローラ76は、時刻およびデータならびに任意の他の使用者情報をBluetooth送信機のような無線モジュール78を介して受信する。具体的には、コントローラ76は、全地球測位システム(GPS)を通して時間を測定し、または代替的に、リアルタイムクロック75(例えば、AbraconのAB-RTCMCリアルタイムクロックモジュールまたはその等価物)を含む。リアルタイムクロック75は、正確な時刻を維持し、およびメモリーチップ77内の検層データ(logging data)に対応する時刻を記憶する。
【0047】
以下に記載されるように、コントローラ76は、赤外反射システム68と協働して、複数の針ハブ50の各々の状況を決定する。これは、マガジンアレイ26がマガジンハウジング20内に取り付けられたとき、およびマガジン18のオペレーションの間の任意の時点に起こる。続いて、コントローラ76は、電子表示器62と通信して、複数の針ハブ50の状況を使用者に表示する。具体的には、コントローラ76は、上述された色で定義された方法で(in the color defined manner)、適切なLED80を作動させる。コントローラ76は、また、リアルタイムにおける複数の針ハブ50の状況に関するデータを転送する。この転送は、以下に記載されるように、Wi-FiテクノロジーまたはBluetooth送信機のような無線モジュール78を介して起こる。
【0048】
メモリーチップ77もまた、プリント回路基板64上に配置される。メモリーチップ77は、赤外反射システム68およびコントローラ76からのデータを記憶する不揮発性メモリ記憶媒体である。コントローラ76は、データ通信のために、データを、メモリーチップ77へおよびメモリーチップ77から、ならびに無線モジュール78へ、転送する。コントローラ76は、また、メモリーチップ77に処理データを記憶する。
【0049】
無線モジュール78もまた、プリント回路基板64上に配置される。無線モジュール78は、マガジン18とスマートフォンまたはコンピュータのような外部システムとの間のデータ通信を提供する。あるいはまた、同様の目的のために、無線モジュール78の代わりにWi-Fiテクノロジーを使用することができる。
【0050】
代替的な構成において、標準的なBluetoothチップに含まれるコントローラおよびメモリーチップは、充分であり、およびこれらの構成要素をプリント回路基板64上に別個に必要としない可能性がある。この例において、Bluetoothチップは、正常に機能するために、抵抗器、蓄電器(capacitators)およびダイオードのような様々な簡単な回路素子を必要とすることとなる。
【0051】
図14Aは、マガジン18内のプリント回路基板64のオペレーションを示すブロック図を示す。具体的には、メモリーチップ77、クロック75、バッテリー74およびLED80は、上述のような適切なオペレーションのために、コントローラ76と協働する。コントローラ76は、また、効率的な電力使用およびデータの転送のために、慣性測定ユニット66および無線モジュール78と通信する。
【0052】
図14Aのブロック図は、また、電子ディスプレイ82、赤外線放射体70のアレイおよび赤外検出器72のアレイと通信するコントローラ76を示す。これらの特徴のオペレーションは、さらに下述される。
【0053】
1つの実施形態によると、マガジン18は、赤外反射システム68をさらに含む。図15から図17は、赤外線放射体70のアレイおよび赤外検出器72のアレイを含む赤外反射システム68を示す。赤外線放射体70のアレイは、複数のハブ室22のそれぞれのハブ室22に各々割り当てられる複数の赤外線放射体70である。
【0054】
赤外線LEDドライバとも呼ばれる赤外線放射体70は、マガジンハウジング20内に配置され、およびマガジンハウジング20内の開口内に(またはマガジンハウジング20の壁を通して)、およびハブ室22内に、赤外光を放射または放出する(emit or radiate)。換言すれば、赤外線放射体70は、マガジンハウジング20のマガジン庫(bay)内に赤外光を発散する(beams)。
【0055】
同様に、フォトトランジスタアレイとも呼ばれる赤外検出器72のアレイは、複数のハブ室22のそれぞれのハブ室22に各々割り当てられる複数の赤外検出器72である。赤外検出器72は、マガジンハウジング20内に配置され、および反射された赤外光を受信または検出する。換言すれば、赤外検出器72は、マガジンハウジング20のマガジン庫内部で、反射された赤外を読み込む。
【0056】
上述のように、マガジンハウジング20は、赤外透光性材料から構成され、および複数の針ハブ50は、赤外反射性材料から構成される。複数の剥離タブ30もまた、赤外反射性材料から構成される。あるいはまた、これらの構成要素は、赤外反射性または赤外透過性コーティングを有する。この構成は、赤外光がマガジンハウジング20を通って進み、および針ハブ50の前面に入射したときまたは剥離タブ30に入射したときに反射することを可能にする。 この方法で、針ハブ50の存在は、ハブ室22内で検出される。赤外検出器72は、赤外検出器72からの信号がコントローラ76によって処理されおよびメモリーチップ77、無線モジュール78および/または電子表示器62に伝達されるように、プリント回路基板64に接続される。
【0057】
赤外反射システム68は、以下のように動作する。図16および17に示されるように、赤外線放射体70の各々は、ハブ室22の各々に向かって赤外光を放射する。赤外検出器72の各々は、好ましくは、複数のハブ室22内の3つの状態、(1)ハブ室22は剥離タブ30によって封止されており、および針ハブ50は使用されておらずおよび使用のために利用可能である、(2)ハブ室22は空であり、針ハブ50が使用されていることを示す、および(3)ハブ室22は針ハブ50を保持しているが、ハブ室22は封止されておらず、針ハブ50が使用されたことを示す、を検出する。
【0058】
好ましくは、図16に示されるように、針ハブ50はハブ室22内に存在し、および剥離タブ30はハブ室22を封止している場合(状態1)、赤外光の最大量は、針ハブ50の前面に入射し、および赤外検出器72に反射し戻される。これは、ハブ室22が針ハブ50を含有しおよび剥離タブ30によって封止されているためである。さらに、針ハブ50および剥離タブ30は、光を反射して赤外検出器72に戻すために、赤外反射性材料製である。状態1は、緑色に点灯されるLED80によって表示される。
【0059】
図17に示されるように、ハブ室22は針ハブ50がマガジンハウジング20から取り外されているために空であり、および剥離タブ30は取り外されている場合(状態2)、赤外光の大部分は、ハブ室22から出射し、および赤外検出器72に反射し戻されない。ハブ室22内に、赤外光を赤外検出器72に反射し戻させるための赤外反射性材料はほとんどない。状態2は、オレンジ色に点灯されるLED80によって表示される。
【0060】
針ハブ50はハブ室22内に存在するが、剥離タブ30はハブ室22から取り外されている場合(状態3)、赤外光の公称量は、赤外検出器72に反射し戻されることとなる。これは、剥離タブ30は取り外されているので、赤外光のいくらかは針ハブ50のハブカニューレ56を通って進み、およびハブ室22から出射することとなるためである。他方、赤外光のいくらかは、針ハブ50の前面に入射され、および赤外検出器72に反射し戻される。状態3は、赤色に点灯されるLED80によって表示される。
【0061】
赤外検出器72は、上述の状態の各々に対応する、3つの異なる、反射された赤外の輝度値の範囲を検出するために較正される。ハブ室22内に封止された新しい針ハブ50は、最大の(the greatest)反射された赤外光を提供する。ハブ室22内に封止されていない使用されたハブ50は、新しい針ハブ50よりも小さい(less)反射された赤外光を提供する。空のハブ室22は、3つの状態全てのうち最小の(the least)反射された光を提供する。
【0062】
変化する周囲の照明条件に起因して、赤外検出器72データから照明オフセットを除去するためにアルゴリズムを使用して、より正確な測定値(readings)を提供することができる。各針ハブ50は、赤外線放射体70の電源が入れられておよび入れられずに測定されて、周囲条件と放射体が点けられた条件との間で生み出される示差測定を提供する。測定における任意のノイズを平均するために、各ハブ室22に関して複数の測定が行われる。最後に、ハブ室22は、互いに対して、および動的な赤外感知閾値(dynamic infrared sensing thresholds)に対して比較される。
【0063】
コントローラ76は、次いで、赤外検出器72のアレイから信号を受信し、および適切な信号を電子表示器62に伝達する。図18に示されるように、複数のハブ室22のうちの1つのLED80は、針ハブ50は使用されたこと(状態3)を表示する赤色である。残るハブ室22に対応する残るLED80は、ハブ室22は剥離タブ30によって封止されておりおよび針ハブ50は使用されていないこと(状態1)を表示する緑色である。
【0064】
別の実施形態によると、マガジン18は、カバー60および電子ディスプレイ82である電子表示器62を含む。図19は、マガジン18を示す。マガジンハウジング20を包含するカバー60を含む。カバー60は、マガジン18内の針ハブ50を不注意な使用から保護する。
【0065】
図20から図22は、電子ディスプレイ82である電子表示器62を示す。電子ディスプレイ82は、好ましくは、LCDディスプレイであり、または代替的に、電子インクディスプレイである。電子ディスプレイ82は、マガジン18の状況を説明する情報を使用者に提示する。例えば、電子ディスプレイ82は、バッテリーレベル84、いつ最後の針ハブ50がマガジンハウジング20から取り外されたのかを表示する使用状況86、日付および時刻を表示する現在の状態88、および存在している針ハブの数90を示す。針ハブ50の使用に基づいて、コントローラ76は、また、マガジン18のまたはマガジンアレイ26の計画された交換時期を決定する。電子ディスプレイ82は、上述のように、コントローラ76、メモリーチップ77および赤外反射システム68と通信して、マガジン18のこれらの特性を決定しおよび表示する。
【0066】
具体的には、バッテリーレベル84は、マガジン18を操作するためのバッテリー74内にどれくらいの電力が残っているかを表示する。使用状況86は、いつ最後の針ハブ50がマガジンハウジング20から取り外されたかの月日を表示する。現在の状態88は、リアルタイムにおける日時を表示する。最後に、存在している針ハブの数90は、マガジンアレイ26内にある複数の針ハブ50の数を表示する。あるいはまた、存在している針ハブの数90は、使用されていない針ハブ50の数を表示することができる。
【0067】
図20は、使用のために選択された針ハブ52を露出させるために、選択されたハブ室24から取り外されている剥離タブ30を示す。図21は、選択された針ハブ52と係合し、および選択された針ハブ52をマガジンハウジング20のマガジンアレイ26内の選択されたハブ室24から取り外す、アダプタ4に接続された薬物ペン2を示す。結果として、存在している針ハブの数90を表示する電子ディスプレイ82は、16から15に低減される。
【0068】
図22は、マガジンハウジング20のマガジンアレイ26に戻された、使用された針ハブ50を示す。したがって、マガジンアレイ26のうちの1つは、使用された針ハブ50と7つの使用されていない針ハブ50とを含む。他のマガジンアレイ26は、マガジンハウジング20から取り外される。結果として、存在している針ハブの数90を表示する電子ディスプレイ82は、16から8に低減される。電子ディスプレイ82は、有利には、針ハブ50についての重要な情報を使用者に対して提供して、マガジン18の使用を最適化しおよび針ハブ50の再使用を防止する。加えて、マガジンハウジング20は、有利には、全ての針ハブ50が使用されたときにマガジンアレイ26を交換することによって、再使用可能である。
【0069】
幾つかの例示的な実施形態の先述の詳細な説明は、本発明の原理およびその実際的適用を説明する目的のために提供されてきており、それにより、当業者が、様々な実施形態に関して、および検討される特定の使用に適しているような様々な修正と共に、本発明を理解することを可能にする。この記載は、必ずしも、徹底的でありまたは本発明を開示された正確な実施形態に限定するように意図されるものではない。本明細書に開示される任意の実施形態および/または要素は、それらが互いに矛盾しない限りは、互いに組み合わせて、具体的に開示されていない様々な付加的な実施形態を形成してもよい。従って、付加的な実施形態は、可能であり、および本明細書の範囲および本発明の範囲に含まれることが意図される。明細書は、別の方法で達成されてもよい、より一般的な目標を達成するために、具体例を記載する。
【0070】
本明細書において使用される際に、用語「前(front)」、「後(rear)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「上方へ(upwardly)」、「下方へ(downwardly)」、および他の方向に関する記載は、本発明の例示的な実施形態の記載を容易にすることを意図しており、および本発明の例示的な実施形態の構造を何らかの特定の位置または配向に制限することを意図するものではない。「実質的(substantially)」または「およそ(approximately)」のような程度の用語は、当業者によって、与えられた値の外側の合理的範囲、例えば、記載された実施形態の製造、組み立て、および使用と関連付けられる一般公差をいうものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図14A
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22