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特許6992002携帯型オキシメータプローブ用のスリーブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】携帯型オキシメータプローブ用のスリーブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A61B5/1455
【請求項の数】 43
(21)【出願番号】P 2018555226
(86)(22)【出願日】2017-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2017028700
(87)【国際公開番号】W WO2017184907
(87)【国際公開日】2017-10-26
【審査請求日】2020-04-20
(31)【優先権主張番号】62/325,403
(32)【優先日】2016-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/325,416
(32)【優先日】2016-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/325,413
(32)【優先日】2016-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/325,919
(32)【優先日】2016-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/326,630
(32)【優先日】2016-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/326,644
(32)【優先日】2016-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/326,673
(32)【優先日】2016-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/363,562
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507416414
【氏名又は名称】ビオプティックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VIOPTIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンジンガー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】コールリッジ,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ベクテル,ケイト・リーアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェルチ,ウィリアム
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-110816(JP,A)
【文献】特開2007-054594(JP,A)
【文献】特表2002-524118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0028990(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/1455
A61B 5/00 - 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシメータ装置用のプローブカバーであって、
前記プローブカバーの第1の部分を含み、前記第1の部分は第1の開放端と前記第1の開放端と反対側の第1の封閉端とを含み、前記第1の封閉端は表示パネルを含み、前記プローブカバーはさらに、
前記プローブカバーの第2の部分を含み、前記第2の部分は第2の開放端と前記第2の開放端と反対側の第2の封閉端とを含み、前記第2の封閉端は光センサパネルを含み、前記第2の開放端への前記第1の開放端の連結がオキシメータ装置のための封止されたプローブカバー封包物を構成し、
前記光センサパネルは透明であり、50μm未満の厚さを有し、
前記封止されたプローブカバー封包物において、前記オキシメータ装置の表示が前記プローブカバーの前記表示パネルを通して視認されるとき、前記オキシメータ装置のプローブ先端によって出射された光が前記プローブカバーの前記光センサパネルを通して出射され、前記オキシメータ装置で受光された光が前記プローブカバーの前記光センサパネルを通して出射され、
前記封止されたプローブカバー封包物は、前記封包物の外側からの汚染物質が前記封包物の内側に含まれる前記オキシメータ装置に接触することを防止し、
前記プローブカバーの前記第2の部分は前記第2の封閉端に防護壁を含み、前記防護壁は前記光センサパネルに連結され、前記防護壁は測定される組織上の汚染物質が前記封包物の内部に含まれる前記オキシメータ装置に接触することを防止する、プローブカバー。
【請求項2】
前記光センサパネルは、オキシメータの測定に減衰影響を与えず、50nm~00nmの波長範囲の光を透過させる、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項3】
前記光センサパネルは、50μm未満の厚さを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項4】
前記光センサパネルは、00μm未満の厚さを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項5】
前記光センサパネルは、0μm未満の厚さを含む、請求項1に記載のプローブカバ
ー。
【請求項6】
前記光センサパネルの厚さは、均一である、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項7】
前記光センサパネルの第1面は前記オキシメータ装置のプローブ先端のセンサの表面と一致し、前記第1面は前記プローブ先端の前記センサと隙間なく同一平面となるように構成される、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項8】
前記プローブカバーは、ポリカーボネートを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項9】
前記プローブカバーは、剛性ポリマーを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項10】
前記光センサパネルは、ポリカーボネートを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項11】
前記プローブカバーの前記第2の部分は、剛性ポリマーを含み、
前記光センサパネルは、前記剛性ポリマーに比べて可撓性ポリマーを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項12】
前記プローブカバーの前記第2の部分は、可撓性ポリマーを含み、
前記光センサパネルは、前記可撓性ポリマーに比べて剛性ポリマーを含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項13】
キットであって、
オキシメータプローブを含み、
前記オキシメータプローブは、
本体部を含み、
前記本体部は、第1側面および第2側面によって連結された前方側面および後方側面を含む矩形の管状部と、先端部とを含み、
前記先端部は、
前記前方側面に連結された第1指載置面を含み、前記第1指載置面は、前記前方側面に対して第1転回方向に沿って第1角度で延在する凸面であり、
前記第1指載置面に連結された前方先端面を含み、前記前方先端面は、前記第1指載置面に対して第2転回方向に沿って第2角度で延在し、
前記前方先端面に連結された底面を含み、前記底面は、前記第1指載置面に対して前記第2転回方向に沿って第3角度で延在し、前記底面は、前記装置のセンサヘッドを保持するための開口を含み、
前記後方側面に連結された第2指載置面を含み、前記第2指載置面は、前記後方側面に対して前記第1転回方向に沿って第4角度で延在する凹面であり、
前記第2指載置面と前記底面との間に連結された後方先端面を含み、前記後方先端面は、前記第2指載置面に対して前記第1転回方向に沿って第5の角度で延在する凸面であり、
前記キットは、
前記オキシメータプローブの1つ以上の部分の形状と一致するプローブカバーを含み、
前記プローブカバーは、
前記オキシメータ装置のプローブ先端を前記プローブカバー内に挿入するための開放端を含み、前記プローブ先端は、光センサを含み、前記プローブ先端は、前記プローブカバーに完全に挿入され、
光インターフェイス部を含み、前記光インターフェイス部は、プローブ先端を前記プローブカバーに挿入したときに、前記オキシメータ装置の前記光センサまたは前記プローブ先端に対して位置決めされるように配置され、
前記光インターフェイス部に連結された防護壁を含み、前記防護壁は、前記オキシメータ装置によって測定される組織上の汚染物質が前記プローブ先端に接触することを防止すると共に、前記光センサによって出射された光エネルギーが前記プローブカバーの前記光インターフェイス部を通って前記組織に入り、前記組織によって反射された光エネルギーが前記プローブカバーの前記光インターフェイス部を通って前記光センサに入ることを可能にするものであり、前記光インターフェイス部は、50μm未満の厚さを有する、キット。
【請求項14】
前記光インターフェイス部の第1屈折率と前記光センサの第2屈折率との差は、50%未満である、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記光インターフェイス部は、第1面と第2面との間に設けられ、前記第1面は、前記光センサに対して位置決めされるように配置され、前記第2面は、前記組織に対して位置決めされるように配置され、前記第1面と前記第2面とは、互いに平行である、請求項13に記載のキット。
【請求項16】
方法であって、
スリーブを形成するステップを含み、
前記スリーブを形成するステップは、
前記オキシメータ装置のプローブ先端を前記プローブカバーに挿入可能な前記スリーブの開放端を形成するステップを含み、前記プローブ先端は、光センサを含み、前記光センサはセンサ材料を含み、
第1の剛性を有する光インターフェイス材料を含む光インターフェイス部を形成するステップを含み、前記光インターフェイス部は、前記光インターフェイス材料の円盤形状を含むとともに、前記プローブ先端を前記プローブカバーに挿入したときに、前記オキシメータ装置の前記光センサまたは前記プローブ先端に対して位置決めされるように配置され、
前記光インターフェイス部に連結された防護壁を形成するステップを含み、前記防護壁は前記第1の剛性よりも小さい第2の剛性を有する防護壁材料を含み、前記防護壁は前記オキシメータ装置によって測定される組織上の汚染物質が前記プローブ先端に接触することを防止すると共に、前記光センサによって出射された光エネルギーが前記プローブの前記光インターフェイス部を通って前記組織に入り、前記組織によって反射された光エネルギーが前記プローブカバーの光インターフェイス部を通って前記光センサに入ることを可能にするものであり、
50μm未満の厚さを有する前記光インターフェイス部を形成するステップと、
前記光インターフェイス部の前記第2の材料の第1屈折率と前記光センサの前記第2の材料の第2屈折率との差を50%未満にするステップと、
第1面と第2面との間に前記光インターフェイス部を形成するステップとを含み、前記第1面は、前記光センサに対して位置決めされるように配置されるように構成され、前記第2面は、前記組織に対して位置決めされるように配置されるように構成され、
前記第1面と前記第2面とを互いに平行であるように形成するステップを含む、方法。
【請求項17】
実質的に減衰することなく、50nm~00nmの波長範囲の光を透過させるように前記光インターフェイス部を形成するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記光インターフェイス部は、50μm未満の厚さを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記光インターフェイス部の厚さを均一な厚さに形成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1面は前記光センサの表面と一致し、前記第1面は前記光センサと隙間なく同一平面となるように構成される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記光センサパネルは、円盤形状を含む、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項22】
前記プローブカバーの前記第2の部分は、前記封包物の内部に含まれる前記オキシメータ装置の1つ以上の部分の形状と一致する、請求項21に記載のプローブカバー。
【請求項23】
前記光センサパネルの第1屈折率と前記オキシメータ装置のプローブ先端のセンサの第2屈折率との差は、50%未満である、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項24】
前記プローブカバーの前記第2の開放端への前記第1の開放端の連結は流体封止によって行われる、請求項1に記載のプローブカバー。
【請求項25】
前記プローブカバーの前記光センサパネルは、剛性の円盤形状を含む、請求項24に記載のプローブカバー。
【請求項26】
前記光インターフェイス部は、オキシメータの測定に減衰影響を与えず、50nm~00nmの波長範囲の光を透過させる、請求項13に記載のキット。
【請求項27】
前記光インターフェイス部は、50μm未満の厚さを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項28】
前記光インターフェイス部は、00μm未満の厚さを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項29】
前記光インターフェイス部は、0μm未満の厚さを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項30】
前記光インターフェイス部の厚さは均一な厚さを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項31】
前記第1面は前記光センサの表面と一致し、前記第1面は前記光センサと隙間なく同一平面となるように構成される、請求項13に記載のキット。
【請求項32】
前記プローブカバーは、ポリカーボネートを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項33】
前記プローブカバーは、剛性ポリマーを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項34】
前記光インターフェイス部は、ポリカーボネートを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項35】
前記防護壁は、剛性ポリマーを含み、
前記光インターフェイス部は、前記剛性ポリマーに比べて可撓性ポリマーを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項36】
前記防護壁は、可撓性ポリマーを含み、
前記光インターフェイス部は、前記可撓性ポリマーに比べて剛性ポリマーを含む、請求項13に記載のキット。
【請求項37】
前記光インターフェイス部は、円盤形状である、請求項13に記載のキット。
【請求項38】
前記円盤形状は剛性である、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記防護壁は、前記光センサによって出射された光エネルギーを前記プローブカバーの前記円盤形状を通って前記組織に入らせるとともに、前記組織によって反射された光エネルギーを前記プローブカバーの前記円盤形状を通って前記光センサに入らせる、請求項38に記載のキット。
【請求項40】
前記防護壁は、前記光センサによって出射された光エネルギーを前記プローブカバーの前記光インターフェイス部を通って前記組織にに入らせるとともに、前記組織によって反射された光エネルギーを前記プローブカバーの前記光インターフェイス部を通って前記光センサに入らせる、請求項13に記載のキット。
【請求項41】
前記プローブカバーの前記光インターフェイス部は、剛性の円盤形状である、請求項40に記載のプローブカバー。
【請求項42】
請求項1に記載のプローブカバーであって、
前記オキシメータ装置は、
本体部を含み、
前記本体部は、第1側面および第2側面によって連結された前方側面および後方側面を含み、前記プローブカバーはさらに、
先端部を含み、
前記先端部は、前方先端面と、底面とを含み、
前記底面は前記前方先端面に連結され、前記底面は前記前方先端面に対して第1転回方向に沿って第1角度で延在し、前記底面は前記オキシメータ装置のセンサヘッドを保持するための開口を含み、
前記先端部はさらに、前記底面に連結された後方側面と、前記後方側面に連結された第1指載置面と、前記第1指載置面と前記底面との間の後方先端面とを含み、
前記第1指載置面は、前記後方側面に対して前記第1転回方向に沿って第2角度で延在する凹面である、プローブカバー。
【請求項43】
前記光センサパネルの第1の材料の第1屈折率と前記オキシメータ装置のプローブ先端の第2の材料の第2屈折率との差は、50%未満である、請求項1に記載のプローブカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2016年4月20日に出願された米国特許出願第62/325403号、第62/325416号および第62/325413号、2016年4月21日に出願された米国特許出願第62/325919号、2016年4月22日に出願された第62/326630号、第62/326644号および第62/326,673号、および2016年7月18日に出願された第62/363562号の優先権を主張する。これらの出願は、これらの出願に引用された他の全ての参考文献と共に、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、携帯型オキシメータプローブが使用されている間に、当該オキシメータプローブを覆うためのスリーブに関する。このスリーブは、使用中に患者の組織または体液によるオキシメータプローブの汚染を防止し、オキシメータプローブまたはオキシメータプローブの一部の再使用を容易にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
オキシメータは、様々な目的でヒトおよび生き物の体内組織の酸素飽和度を測定するために使用される医療装置である。例えば、オキシメータは、医療および診断の目的で病院および他の医療施設(例えば、手術を監視するために手術室、患者を監視するために回復室、または低酸素症などを監視するために救急車または他の移動施設)に、競技および運動の目的で(例えば、プロのスポーツ選手を監視するために)スポーツ競技場に、個人の私的または在宅監視(例えば、一般的な健康監視、またはマラソンなどの個人訓練)に、および獣医学用途(例えば、動物の監視)に使用される。これらの環境において、オキシメータは、患者の組織および体液と接触することによって汚染される可能性がある。
【0004】
オキシメータは、比較的高価な装置である。したがって、オキシメータまたはオキシメータの一部の再使用は、オキシメータを使用する医療設備または他の設備のコストを節約することができる。既存のオキシメータの上出来にもかかわらず、再使用することができるオキシメータを提供することによって、オキシメータをさらに改善することが望まれている。
【0005】
したがって、オキシメータ、および使用中にオキシメータを覆い、オキシメータの全体または一部の再使用を容易にするスリーブを改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
携帯型オキシメータプローブ用のスリーブを提供する。このスリーブは、患者の組織および体液がスリーブに浸透してオキシメータプローブの覆われた部分に接触することを防止する。また、このスリーブは、プリオン、ウイルス、細菌、真菌、および他の生物学的汚染物質がスリーブに浸透してオキシメータプローブの覆われた部分に接触することを防止する。これによって、使用中にオキシメータプローブまたはオキシメータプローブの一部を概ね清浄(例えば、衛生的)に、無菌にまたはその両方に保つことができ、再使用することができる。
【0007】
様々な汚染物質がスリーブを通過してスリーブ内のオキシメータプローブと接触することを阻止または防止するために、スリーブの材料は、比較的小さな細孔面を有する。細孔は、血液、血液成分、水、細菌、ウイルス、またはプリオンがスリーブを通ることを抑制することができる。
【0008】
スリーブは、オキシメータプローブの形状と一致する。これによって、スリーブは、プローブに比較的に密着する。したがって、オキシメータプローブがスリーブの内部で動かず、スリーブおよび装置に対する使用者の把持に不利な影響を与えないため、使用者は、スリーブを容易に把持することができる。スリーブは、オキシメータプローブの一般形状を有するパネルを含むことができ、またはキシメータプローブの形状と一致するように伸縮することができる。
【0009】
一実施形態において、オキシメータ装置用のプローブカバーは、オキシメータ装置のプローブ先端をプローブカバーに挿入するための開放端を含み、プローブ先端は、光センサおよび光インターフェイス部を含む。光インターフェイス部は、プローブ先端をプローブカバーに挿入したときに、オキシメータ装置の光センサまたはプローブ先端に対して位置決めされるように配置される。プローブカバーは、光インターフェイス部に連結された防護壁を含む。防護壁は、オキシメータ装置によって測定される組織上の汚染物質がプローブ先端に接触することを防止すると共に、光センサによって出射された光エネルギーがプローブの光インターフェイス部を通って組織に入り、組織によって反射された光エネルギーがプローブカバーの光インターフェイス部を通って光センサに入ることを可能にするものである。光インターフェイス部は、約250μm未満の厚さを有する。光インターフェイス部の第1屈折率と光センサの第2屈折率との差は、50%未満である。光インターフェイス部は、第1面と第2面との間に設けられる。第1面は、光センサに対して位置決めされるように配置される。第2面は、組織に対して位置決めされるように配置される。第1面と第2面とは、互いに平行である。
【0010】
一実施形態において、キットは、オキシメータプローブを含む。オキシメータプローブは、本体部を含む。本体部は、第1側面および第2側面によって連結された前方側面および後方側面を含む矩形の管状部と、先端部とを含む。先端部は、前方側面に連結された第1指載置面を含み、第1指載置面は、前方側面に対して第1転回方向に沿って第1角度で延在する凸面であり、第1指載置面に連結された前方先端面を含み、前方先端面は、第1指載置面に対して第2転回方向に沿って第2角度で延在し、前方先端面に連結された底面を含み、底面は、第1指載置面に対して第2転回方向に沿って第3角度で延在し、底面は、装置のセンサヘッドを保持するための開口を含み、後方側面に連結された第2指載置面を含み、第2指載置面は、後方側面に対して第1転回方向に沿って第4角度で延在する凹面であり、第2指載置面と底面との間に連結された後方先端面を含み、後方先端面は、第2指載置面に対して第1転回方向に沿って第5の角度で延在する凸面である。
【0011】
キットは、オキシメータプローブの1つ以上の部分の形状と一致するプローブカバーを含む。プローブカバーは、プローブ先端をプローブカバー内に挿入するための開放端を含み、プローブ先端は、光センサを含み、プローブ先端は、プローブカバーに完全に挿入され、光インターフェイス部を含み、光インターフェイス部は、プローブ先端をプローブカバーに挿入したときに、オキシメータ装置の光センサまたはプローブ先端に対して位置決めされるように配置され、光インターフェイス部に連結された防護壁を含む。防護壁は、オキシメータ装置によって測定される組織上の汚染物質がプローブ先端に接触することを防止すると共に、光センサによって出射された光エネルギーがプローブの光インターフェイス部を通って組織に入り、組織によって反射された光エネルギーがプローブカバーの光インターフェイス部を通って光センサに入ることを可能にするものである。光インターフェイス部は、約250μm未満の厚さを有する。
【0012】
一実施形態において、方法は、スリーブを形成するステップを含む。スリーブを形成するステップは、オキシメータ装置のプローブ先端をプローブカバーに挿入可能なスリーブの開放端を形成するステップを含み、プローブ先端は、光センサを含み、光インターフェイス部を形成するステップを含む。光インターフェイス部は、プローブ先端をプローブカバーに挿入したときに、オキシメータ装置の光センサまたはプローブ先端に対して位置決めされるように配置される。スリーブを形成するステップは、光インターフェイス部に連結された防護壁を形成するステップを含む。防護壁は、オキシメータ装置によって測定される組織上の汚染物質がプローブ先端に接触することを防止すると共に、光センサによって出射された光エネルギーがプローブの光インターフェイス部を通って組織に入り、組織によって反射された光エネルギーがプローブカバーの光インターフェイス部を通って光センサに入ることを可能にするものである。スリーブを形成するステップは、約250μm未満の厚さを有する光インターフェイス部を形成するステップと、光インターフェイス部の第1屈折率と光センサの第2屈折率との差を50%未満にするステップと、第1面と第2面との間に光インターフェイス部を形成するステップとを含み、第1面は、光センサに対して位置決めされるように配置され、第2面は、組織に対して位置決めされるように配置され、第1面と第2面とを互いに平行であるように形成するステップを含む。
【0013】
一実施態様において、スリーブは、管状部を含み、管状部は、前方側面パネルと、後方側面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルとを含む。前方側面パネルおよび後方側面パネルは、第1側面パネルおよび第2側面パネルによって互いに連結される。スリーブは、先端部を含む。先端部は、前方側面パネルに連結された第1指載置パネルと、第1指載置パネルに連結された底面パネルと、底面パネルと後方側面パネルとの間に連結された第2指載置パネルとを含む。底面パネルは、平行面である上面および下面を有する。管状部と第1指載置パネルと第2指載置パネルとは、第1材料から形成され、底面パネルは、少なくとも第2材料から形成される。オキシメータプローブをスリーブに配置したときに、スリーブは、オキシメータプローブの形状と一致する。オキシメータプローブをスリーブに配置したときに、底面パネルは、オキシメータプローブの面板の第1面に対して位置決めされるように配置される。底面パネルの上面および下面は、面板の第1面と平行である。第2材料の屈折率は、面板の屈折率と同様または類似である。面板の屈折率は、約1~1.6、約1.2~1.5、約1.3~1.5、または約1.33~約1.46である。屈折率の差は、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、約10%以下、約5%以下、約2.5%以下、約1%以下、または約0.5%以下であってもよく、同様または他の値であってもよい。底面パネル以外のパネルは、防護壁と呼ばれることがある。
【0014】
面板の屈折率とスリーブの他のパネルの屈折率とは、同様であってもよく、異なってもよい。例えば、面板の屈折率は、スリーブの他のパネルよりも高くてもよく低くてもよい。例えば、スリーブのパネルの屈折率は、約1.46未満、約1.4未満、約1.35未満、約1.3未満、約1.25未満、約1.2未満、約1.1未満、または他の値であってもよく、面板の屈折率は、他のパネルの屈折率よりも大きくてもよい。
【0015】
底面パネルは、約650nm~約900nm波長の光に対して透明である。
一実施形態において、オキシメータプローブ用のスリーブ装置は、矩形の管状部を含み、矩形の管状部は、前方側面パネルと、後方側面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルとを含む、前方側面パネルおよび後方側面パネルは、第1側面パネルおよび第2側面パネルによって互いに連結される。先端部は、前方側面パネルに連結された第1指載置パネルを含む。第1指載置パネルは、前方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第1角度で延在する凸面パネルである。先端部は、第1指載置パネルに連結された前方先端パネルを含む。前方先端パネルは、第1指載置パネルに対して第2転回方向に沿って第2角度で延在する。先端部は、前方先端パネルに連結された底面パネルを含む。底面パネルは、第1指載置パネルに対して第2転回方向に沿って第3角度で延在する。先端部は、底面パネルと後方側面パネルとの間に連結された第2指載置パネルを含む。第2指載置パネルは、後方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第4角度で延在する凹面パネルである。
【0016】
一実施形態において、オキシメータプローブ用のスリーブ装置は、管状部を含み、管状部は、前方側面パネルと、後方側面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルとを含む。前方側面パネルおよびバック側面パネルは、第1側面パネルおよび第2側面パネルによって連結される。前方側面パネルの第1縁部、バック側面パネル、第1側面パネルおよび第2側面パネルは、第1開口を形成する。スリーブ装置は、凹面連結部を介して前方側面パネルに連結されたカバーパネルを備える頂部を含む。カバーパネルは、前方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第1角度で延在する。頂部は、凸面連結部を介してカバーパネルに連結された表示カバーパネルを含む。表示カバーパネルは、カバーパネルに対して第2転回方向に沿って第2角度で延在する。表示カバーパネルの第2縁部、後方側面パネル、第1側面パネルおよび第2側面パネルは、第1開口に対してスリーブの遠位に第2開口を形成する。
【0017】
一実施形態において、オキシメータプローブ用のスリーブ装置は、矩形の管状部を含み、矩形の管状部は、前方側面パネルと、後方側面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルとを含む。前方側面パネルおよび後方側面パネルは、第1側面パネルおよび第2側面パネルによって互いに連結される。先端部は、前方側面パネルに連結された第1指載置パネルを含む。第1指載置パネルは、前方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第1角度で延在する凸面パネルである。先端部は、第1指載置パネルに連結された前方先端パネルを含む。前方先端パネルは、第1指載置パネルに対して第2転回方向に沿って第2角度で延在する。先端パネルは、前方先端パネルに連結された底面パネルを含む。底面パネルは、第1指載置パネルに対して第2転回方向に沿って第3角度で延在する。先端パネルは、底面パネルと後方側面パネルとの間に連結された第2指載置パネルを含む。第2指載置パネルは、後方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第4角度で延在する凹面パネルである。
【0018】
スリーブは、頂部を含み、頂部は、凹面連結部を介して前方側面パネルに連結されたカバーパネルを含む。カバーパネルは、前方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第5角度で延在する。頂部は、凸面連結部を介してカバーパネルに連結された表示カバーパネルを含む。表示カバーパネルは、カバーパネルに対して第2転回方向に沿って第6角度で延在する。表示カバーパネルの縁部、後方側面の側面パネル、第1側面パネル、および第2側面パネルは、開口を形成する。これによって、オキシメータプローブを開口に挿入することができる。
【0019】
一実施形態において、キットは、オキシメータプローブと、オキシメータプローブの一部を覆うように構成されたスリーブとを含む。スリーブは、矩形の管状部を含み、前方側面パネルと、後方側面パネルと、第1側面パネルと、第2側面パネルとを含む。スリーブの前方側面パネルおよびスリーブの後方側面パネルは、第1側面パネルおよび第2側面パネルによって互いに連結される。スリーブの先端部は、前方側面パネルに連結された第1指載置パネルを含む。第1指載置パネルは、前方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第1角度で延在する凸面パネルである。先端部は、第1指載置パネルに連結された前方先端パネルを含む。前方先端パネルは、第1指載置パネルに対して第2転回方向に沿って第2角度で延在する。先端部は、前方先端パネルに連結された底面パネルを含む。底面パネルは、第1指載置パネルに対して第2転回方向に沿って第3角度で延在する。先端部は、底面パネルと後方側面パネルとの間に連結された第2指載置パネルを含む。第2指載置パネルは、後方側面パネルに対して第1転回方向に沿って第4角度で延在する凹面パネルである。キットは、オキシメータプローブを操作するための取扱説明書と、スリーブを操作するための取扱説明書とを含む。キットは、オキシメータプローブに電力を供給するための電池を含む。キットは、オキシメータプローブまたはスリーブを操作するための簡略指示を記載する1つ以上の「簡単」カードを含むことができる。簡略指示は、取扱説明書内の指示の略語である。
【0020】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することで明らかになるであろう。図面において、同様の参照記号は、全ての図面において同様の特徴を表す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態において、スリーブによって覆われたオキシメータプローブのプローブ先端を示す図である。
図2A】スリーブを示す斜視図である。
図2B】スリーブを示す側面図である。
図3】一実施形態において、スリーブによって覆われたオキシメータプローブのプローブ先端およびプローブユニットを示す図である。
図4】一実施形態において、頂部スリーブおよび底部スリーブによって覆われたオキシメータプローブのプローブ先端およびプローブユニットを示す図である。
図5】オキシメータプローブのプローブ先端およびプローブユニット(プローブ先端は、プローブユニットに脱着可能である)を覆う頂部スリーブおよび底部スリーブを示す図である。
図6】取り外し可能なプローブ先端を迅速且つ容易に交換するように、頂部スリーブによって覆われたプローブユニットおよび覆われていない取り外し可能なプローブ先端を示す図である。
図7】オキシメータプローブ(点線で示す)とオキシメータプローブの一部を覆うスリーブとを示す図である。
図8】スリーブを示す斜視図である。
図9】スリーブをオキシメータプローブに接着するための接着ストリップを有するスリーブを示す図である。
図10】一実施形態において、スリーブを示す図である。
図11】スリーブの底部を示す斜視図である。
図12】一実施形態において、スリーブと、スリーブの内側に配置されたオキシメータプローブとを示す図である。
図13】一実施形態において、スリーブと、スリーブの内側に配置されたオキシメータプローブとを示す図である。
図14】一実施形態において、スリーブと、スリーブの内側に配置されたオキシメータプローブとを示す図である。
図15】オキシメータプローブとスリーブとを含み、出荷単位として販売されるキットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
本発明は、一般的には、オキシメータプローブまたはオキシメータプローブの一部を再使用できるように、オキシメータプローブまたはオキシメータプローブの一部を覆うためのスリーブまたはシースに関する。使用中に、スリーブは、オキシメータプローブの全ての機能性(例えば、光学的に透明)を可能にしながら、衛生および無菌性を保つ(例えば、病原菌の拡散を防止する)ための防護壁として作用する。スリーブは、患者の組織および体液がスリーブによって覆われたオキシメータプローブの部分に接触することを防止する。また、スリーブは、プリオン、ウイルス、細菌、真菌、および他の生物学的汚染物質の1つ以上がオキシメータプローブまたはその一部に接触することを防止する。したがって、スリーブは、使用後、オキシメータプローブまたはその一部を廃棄するのではなく、オキシメータプローブまたはその一部の再使用を容易にする。
【0023】
図1は、オキシメータプローブ101を示す。このオキシメータプローブは、標的組織の酸素飽和度を測定するために使用される。一実施形態において、オキシメータプローブは、組織オキシメータである。他の実施形態において、オキシメータプローブは、パルスオキシメータである。
【0024】
オキシメータプローブ101は、2つの部分、すなわち、プローブユニット105とプローブ先端110とを有する。プローブユニットは、オキシメータプローブの上部を形成し、プローブ先端は、オキシメータプローブの下部を形成する。一実施形態において、使用者は、プローブユニットからプローブ先端を取り外することができ、プローブ先端を異なるプローブ先端に置換することができる。プローブユニットとプローブ先端とを一体に取り付けると、オキシメータプローブは、ケーブルで別のユニットに接続する必要なく、単独の携帯型オキシメータとして動作する。いくつかの実施形態において、プローブ先端は、プローブユニットから取り外すことができない。
【0025】
オキシメータプローブは、ディスプレイ115(例えば、タッチLEDディスプレイなどのLCDディスプレイ)およびボタン120を有する。ボタンが押されると、光線、赤外線(IR)、またはその両方がプローブ先端から測定対象の組織に出射され、測定対象の組織から反射された光線またはIRがプローブ先端に受光される。オキシメータプローブは、受光した光線またはIRから、組織の酸素飽和度を測定する。測定された酸素飽和度を示すインジケータ(例えば、数値またはグラフィックインジケータ)は、ディスプレイに表示される。
【0026】
以下の特許出願は、様々なオキシメータ装置および酸素測定操作を記載しており、以下の特許出願における議論は、任意の組み合わせで本願に記載された本発明の態様と組み合わせることができる。以下の特許出願、すなわち、2015年11月17日に出願された特許出願第14/944139号、2013年5月3日に出願された第13/887130号、2016年5月24日に出願された第15/163565号、2013年5月3日に出願された13/887220号、2016年7月19日に出願された第15/214355号、2013年5月3日に出願された第13/887213号、2015年12月21日に出願された第14/977578号、2013年6月7日に出願された第13/887178号、2016年7月26日に出願された第15/220354号、2013年8月12日に出願された第13/965156号、2016年11月22日に出願された第15/359570号、2013年5月3日に出願された第13/887152号、2016年4月16日に出願された第29/561749号、2012年5月3日に出願された第61/642389号第61/642393号第61/642395号第61/642399号、および2012年8月10日に出願された第61/682146号は、これらの出願に引用された全ての参照文献と共に、引用により本明細書に援用される。
【0027】
本願は、具体的な寸法、測定値および値を用いて、実施形態のいくつかの例を説明する。これらの例は、本発明を網羅的に説明するまたは記載された形態に厳密に限定することを意図していない。
【0028】
いくつかの測定値は、ミリメートルであり、角度は、度であり且つ近似値である。これらの値は、例えば、測定または製造公差もしくは他の要因によって変動してもよい(例えば、±5%、±10%、±15%、または±20%)。さらに、これらの測定値は、特定の実施形態の装置のものであり、他の実施形態は、例えば、より大きな手または装置に適応するように一部の寸法をより大きくすることによって、異なる値を有するができる。
【0029】
記載された具体的な実施形態において、いくつかの特定値、範囲値および数値が提供される。これらの値は、例えば、寸法、角度、範囲、周波数、波長、数値、および他の数量(例えば、センサ、光源、検出器、ダイオード、光ファイバケーブルの数など)を示す。一部の測定値は、特定の実施形態の装置のものであり、他の実施形態は、例えば、より大きなサイズの製品に適応するように一部の寸法をより大きくし、またはより小さいサイズの製品に適応するように一部の寸法をより小さくすることによって、異なる値を有することができる。相対的測定値を比例的に調整することによって(例えば、異なる測定値の間に同様またはほぼ同様の比を維持することによって)、装置を比例的に大きくまたは小さくすることができる。様々な実施形態において、値(数値または数量)は、所定値と同様、所定値とほぼ同様、所定値以上、または所定値以下であってもよく、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。値(数値または数量)は、任意の2つの所定値からなる範囲または2つの所定値を含む範囲内にあってもよい。
【0030】
図1は、プローブ先端を覆うように配置されたスリーブ220を示す。スリーブは、封閉した本体と、開口した頂部とを有する。スリーブは、プローブ先端の底部に位置するプローブ面(図示せず)を覆い、プローブ先端の長さに沿って上方に延在する。本体は、スリーブによって覆われたオキシメータプローブの部分と相補的な形状を有する。オキシメータプローブは、開口した頂部からスリーブに挿入される。スリーブをオキシメータプローブに固定するために、開口した頂部の直ぐ下方に弾性バンド(図示せず)を配置することができる。他の固定装置、例えば、接着剤、O-リング、または他の機械装置を用いて、スリーブをオキシメータプローブに固定することができる。
【0031】
一実施形態において、プローブユニット105は、プローブユニットの底部からプローブ先端110の頂部まで下方に延在するシャフト600を有する。シャフト600は、概ね矩形の形状を有し、前面610と、(図1には示されていないが、参照番号615を有する矢印によって示された)後面615と、(図1には示されていないが、参照番号620を有する矢印によって示された)第1側面620と、第2側面625とを含む。前面および後面は、第1側面および第2側面によって連結される。前面および後面は、第1側面および第2側面よりも広い。
【0032】
プローブ先端110は、第1指載置面(例えば、親指載置面)630と、前方先端面635と、(図1には示されていないが、参照番号640を有する矢印によって示された)底面640と、(図1には示されていないが、参照番号645を有する矢印によって示された)第2指載置面645と、(図1には示されていないが、参照番号650を有する矢印によって示された)第3側面650と、第4側面655とを含む。
【0033】
第1指載置パネル630は、凸面を有し、凹面を介して前面610に接続される。第1指載置面は、シャフト600の第2側面625およびプローブ先端110の第4側面655から見て、前方側面に対して第1転回方向(例えば、矢印664の時計回り方向)に沿って第1転回角度662で延在する。第1指載置面は、使用者の親指に合うように構成することができる。
【0034】
前方先端面635は、シャフト600の第2側面625およびプローブ先端110の第4側面655から見て、第1指載置面630に対して第2転回方向(例えば、矢印668の時計回り方向)に沿って第2転回角度666で延在する。
【0035】
底面640は、シャフト600の第2側面625およびプローブ先端110の第4側面655から見て、前方先端面635に対して第2転回方向(例えば、時計回り方向)に沿って第3転回角度で延在する。
【0036】
第2指載置面645は、凹面であり、シャフト600の第2側面625およびプローブ先端110の第4側面655から見て、底面620に対して第2転回方向に沿って第4転回角度で延在する。一実施形態において、第2指載置面は、平坦面または凸面である。オキシメータプローブを支持する使用者の指(例えば、中指)が、この凹面に載置される。
【0037】
後面615は、シャフト600の第2側面625およびプローブ先端110の第4側面655から見て、第2指載置面645に対して第2転回方向に沿って第5転回角度で延在する。
【0038】
様々な実施形態において、後方側面および底面は、互いに90°~約150°範囲の角度を成した比較的平坦な表面である。底面上方の第1指位置の第1高さは、底面上方の第2指位置の第2高さよりも大きい。第1転回角度は、前方側面に対して90°~約60°の範囲に成した角度である。
【0039】
図2Aおよび2Bは各々、スリーブ220を示す斜視図および側面図である。図2Aの破線は、図示されたスリーブの斜視図では見えないスリーブの特徴を示している。
【0040】
一実施形態において、スリーブ220は、オキシメータプローブの上記表面に対応するパネルと、オキシメータプローブの輪郭および転回角度に対応する輪郭および転回角度とを有する。具体的には、スリーブは、前方パネル710と、後方パネル715と、第1上方側面パネル720と、第2上方側面パネル725と、第1指パネル730と、前方先端パネル735と、底部パネル740と、第2指載置パネル745と、第1下方側面パネル750と、第2下方側面パネル755とを含む。第1上方側面パネルおよび第1下方側面パネルは、第1側面パネルと呼ばれることがある。第2上方側面パネルおよび第2下方側面パネルは、第2側面パネルと呼ばれることがある。
【0041】
第1指載置パネル730は、凸面であり、凹面を介して前方側面パネル710に接続される。第1指載置パネルは、第2上方側面パネル725および第2下方側面パネル755から見て、前方側面パネルに対して第1転回方向(例えば、矢印764aの時計回り方向)に沿って第1転回角度762aで延在する。第1指載置パネルは、第1指載置面630が使用者の親指によって支持されている間に、使用者の親指に接触するように構成されてもよい。
【0042】
前方先端パネル735は、第2上方側面パネル725および第2下方側面パネル755から見て、第1指載置パネル730に対して第2回り方向(例えば、矢印764bの時計回り方向)に沿って第2転回角度762bで延在する。
【0043】
底部パネル740は、比較的平坦なパネル(例えば、平面)であり、第2上方側面パネル725および第2下方側面パネル755から見て、第2転回方向(例えば、矢印764cの時計回り方向)に沿って第3転回角度762cで延在する。
【0044】
底部パネルは、比較的平面で(例えば、空隙なく)オキシメータプローブのプローブ面に対して横たわるように構成されている。底部パネルは、他のパネルと同様の材料または異なる材料で形成することができる。底部パネルは、ガラス、石英、ポリカーボネート、(例えば、研磨された上面および下面を有する)エポキシ、または他の材料で形成することができる。以下で底部パネルをさらに説明する。
【0045】
第2指載置パネル745は、凹面パネルであり、第2上方側面パネル725および第2下方側面パネル755から見て、底部パネル740に対して第2転回方向(例えば、矢印764dの時計回り方向)に沿って第4転回角度762dで延在する。第2指載置パネルは、オキシメータプローブが人差指に載置されている間に、使用者の中指に接触することができる。凹面の第2指載置パネルは、オキシメータプローブの第2指載置表面645の半径と一致するまたは適合する半径を有することができる。例えば、凹面パネルの曲率半径は、1センチメートル(例えば、比較的大きな湾曲)から約10メートル(例えば、比較的小さな湾曲)までの範囲にあってもよい。代替的には、第2指載置パネルは、平面、凸面、または上述した形状の任意の組み合わせであってもよい。オキシメータプローブの第2指載置面645が凸面である場合に、凸面パネルは、第2指載置面645の半径と一致するまたは適合する半径を有することができる。例えば、凸面パネルの曲率半径は、1センチメートル(例えば、比較的大きな湾曲)から約10メートル(例えば、比較的小さな湾曲)までの範囲にあってもよい。
【0046】
後方パネル715は、第2上方側面パネル725および第2下方側面パネル755から見て、第2指載置パネル745に対して第2転回方向(例えば、矢印764eの時計転回方向)に沿って第5転回角度762eで延在する。
【0047】
一実施形態において、頂部開口は、約2~10cmの直径または横方向の長さ(パネル710、715、720および725の各々の長さ)を有することができる。スリーブの本体は、約2cm~40cm範囲の長さを有することができる。図1は、スリーブの様々な実施形態の複数の長さ(例えば、第1長さ、第2長さ、第3長さおよび第4長さ)を示している。例えば、第1スリーブの長さは、約1.5cm~約5cmであってもよく、第2スリーブの長さは、約2.5cm~約20cmであってもよく、第3スリーブの長さは、約3.5cm~約30cmであってもよく、第4スリーブの長さは、約4.5cm~約40cm~であってもよい。
【0048】
これらの異なる長さのスリーブは、異なる使用状況、例えば流体が存在せず、オキシメトリープローブに飛散しないような乾燥使用環境、またはオキシメータプローブが患者の体液に接触する可能性のある湿潤使用環境において使用されてもよい。例えば、前者の使用環境において、比較的短いスリーブを使用してもよく、後者の使用環境において、より長いスリーブを使用してもよい。
【0049】
スリーブは、患者の組織および体液がスリーブによって覆われたオキシメータプローブの部分に接触することを防止する可撓性材料、ゴム材料、プラスチックまたはプラスチック性材料、比較的剛性材料または他の材料から形成される。スリーブは、プリオン、ウイルス、細菌、真菌および他の汚染物質のうち1つ以上がスリーブによって覆われたオキシメータプローブの部分に接触することを防止することができる。
【0050】
スリーブは、組織、体液、プリオン、ウィルス、細菌、真菌または他の汚染物質がオキシメータプローブの覆われた部分に接触することを防止するポリカーボネート、ラテックスゴム、ポリウレタン、ポリイソプレン、ニトリル、シリコン、ポリマー、プラスチック、セロファン、ポリエチレンフィルム、エチレンメチルアクリレートコポリマーとポリエチレンフィルムとの組み合わせ、マイラ(Mylar)のようなポリエステルフィルム、または他の物質から形成される。上述したように、スリーブの底部パネルは、スリーブの他のパネルと同様または異なる材料、例えば、ガラス、石英、ポリカーボネート、(例えば、研磨された上面および下面を有する)エポキシ、または他の材料で形成することができる。スリーブまたはプローブカバーは、上述した材料の任意の組み合わせを含むことができる。例えば、スリーブは、ポリカーボネートおよびポリウレタンまたはポリエチレンを含むことができる。
【0051】
スリーブは、オキシメータプローブの形状と一致することができる。例えば、オキシメータプローブを収容するために、スリーブを平らに折り畳みまたは巻き、開くように提供することができる。スリーブを巻き上げた形で提供する場合、使用時に、プローブと一致するように、スリーブを開いてオキシメータプローブを覆うことができ、使用後に、オキシメータプローブからスリーブを開くまたは切り離すことができる。さらに、1つ以上のパネルが伸縮可能である場合、オキシメータプローブをスリーブの開口に入れるときに、スリーブを伸張させることができ、その後、1つ以上のパネルが収縮することによって、オキシメータプローブの形状と一致することができる。
【0052】
スリーブのパネルは、縫い目のない連続した材料に形成することができ、または接着剤、エポキシ、音波溶接、または他の接続材料および接続技術によって接続される複数のパネルに形成することができる。パネルは、同様の材料または異なる材料で形成することができる。
【0053】
一実施形態において、スリーブは、ウイルスをブロックするために、約100nm以下、約50nm以下、約20nm以下の孔径を有する材料で形成することができ、または既知の最小ウイルスをブロックするために、約15nm以下の孔径を有する材料で形成することができる。一実施形態において、プリオンなどのタンパク質をブロックするために、スリーブは、約5~10nm以下の孔径を有する材料で形成される。一実施形態において、水などの流体をブロックするために、スリーブは、約0.30~0.25nm以下の孔径を有する材料で形成される。
【0054】
スリーブを用いて、様々な環境、例えば、スポット計測、診察室、スポーツイベント(例えば、個人およびプロスポーツ用途)、自宅、養護施設、ホスピスケア、ファーストレスポンダー(例えば、救急医、救急医療技術者、救急車ケア、消防士)、術前ケア、術後ケア、小児ケア、老人ケア、医療リハビリセンター、獣医学用途、および他の用途のための無菌手術環境において、オキシメータプローブまたはプローブの一部を保護することができる。スリーブによって覆われたオキシメータプローブの使用環境は、無菌環境から、一般的に衛生的で清潔な環境(例えば、病院の無菌回収室、診察室および他の医務室、家庭使用および他の環境)、および一般的に衛生的ではない環境、例えば、泥、塵、砂および埃の多い環境、雪(スキー場、スキーパトロール、登山など)、雨、氷、戦場用途、および水域(例えば、スイミングプール、ビーチ、ボート)に及ぶことができる。異なるスリーブ材料、例えば上述したスリーブ材料を用いて、特定の無菌用途または特定の衛生用途のスリーブを作ることができる。
【0055】
使用前にスリーブを無菌状態に維持するために、スリーブは、衛生的な封包物に入れて供給することができる。封包物は、紙、プラスチック塗布紙、プラスチック、マイラ、または他の材料であってもよい。
【0056】
図3は、オキシメータプローブのほぼ頂部まで延在する長さを有するスリーブ320の一実施形態を示す。スリーブ320の下部は、上述したスリーブ220と同様または類似の輪郭および転回角度を有する。また、スリーブ320は、シャフト600を覆うスリーブ延在部(例えば、前方パネル710、後方パネル715、第1上方側面パネル720および第2上方側面パネル725のスリーブ延在部)を有する。
【0057】
また、スリーブ320は、プローブユニット105の全体または一部を覆う複数のパネルを含む。具体的には、スリーブは、ボタンパネル770と、(図1には示されていないが、参照番号775を有する矢印によって示された)第3側面パネル775と、第4側面パネル780と、表示パネル785とを含む。ボタンパネル770は、比較的平坦なパネルであってもよく、ボタン120に適応する輪郭、例えばボタン120の形状と相補的な輪郭を有してもよい。ボタンパネル770は、凸面を介して第3側面パネル775に接続され、凸面を介して第4側面パネル780に接続される。ボタンパネル、第3側面パネルおよび第4側面パネル780は各々、凸面を介して表示パネル785に接続される。
【0058】
第3側面パネル775は、比較的平坦な接続部を介して第1上面パネル720に接続され、第4側面パネル780は、比較的平坦な接続部を介して第2上方側面パネル725に接続される。スリーブ320は、ディスプレイパネルの頂部、第1上方側面パネルおよび第2上方側面パネルの頂部、および後方パネル715の頂部に設けられた頂部開口225を含む。オキシメータプローブは、開口を通ってスリーブに挿入される。
【0059】
一実施形態において、オキシメータプローブの全体をスリーブに封入することが望まれる場合、頂部開口225は、封止可能である。オキシメータプローブをスリーブに配置した後、弾性バンドを用いて、頂部開口を封止することができる。一実施形態において、スリーブは、頂部開口を覆うことによって封止することができる付属フラップを含む。このフラップは、頂部開口を密封する。フラップは、フラップにまたはスリーブの他の部分に設けられた接着剤を介して、頂部開口を密封することができる。使い易さのために、接着剤は、非粘着性の引張りストリップで保護されてもよい。
【0060】
一実施形態において、スリーブがディスプレイを覆う場合、少なくともスリーブのディスプレイパネルは、使用者がスリーブ(例えば、少なくともスリーブのディスプレイパネル)を通ってディスプレイを視認できるように、可視光に対して透明または十分に半透明である。また、スリーブまたは少なくとも底部パネル(例えば、面板)740は、オキシメータプローブから標的組織に出射された放射線に対して透明である。例えば、スリーブ、底部パネル、またはその両方は、可視光、IR、またはその両方に対して透明である。例えば、スリーブ、底部パネル、またはその両方は、約760nmおよび810nm、約760nm、810nmおよび850nm、約760nm、810nm、850nmおよび900nmであり、650nmおよび約900nm、約670nmおよび約900nm、約690nmおよび約900nm、約700nmおよび900nm、約710nmおよび約900nm、約720nmおよび900nm、730nmおよび900nm、750nmおよび900nm、760nmおよび900nm、770nmおよび900nm、または他の範囲、例えば約650nmおよび約890nm、約670nmおよび約890nm、約690nmおよび約890nm、約700nmおよび890nm、約710nmおよび約890nm、約720nmおよび890nm、730nmおよび890nm、740nmおよび890nm、750nmおよび890nm、760nmおよび890nm、770nmおよび890nm、または890nm未満の最長波長を有する他の範囲の光線、IR、またはその両方に対して透明である。列挙された波長および波長範囲は、オキシメータプローブから出射され、患者組織を透過した後にオキシメータプローブによって受信される。面板は、(例えば、90%以上の入射光が面板を通過するように)90%以上、92%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.5%以上の透過率または他の透過率を有する。すなわち、面板の減衰は、10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.5%以下、または他の値である。
【0061】
スリーブの面板および他のパネルは、同様または異なる屈折率を有することができ、同様の厚さまたは異なる厚さを有することができる。例えば、表示パネルおよび面板は、異なる屈折率を有することができる(例えば、面板は、スリーブの他のパネルよりも高い屈折率を有することができる)。面板およびスリーブの他のパネルは、異なる厚さを有することができる。例えば、面板は、10%、20%、50%、100%、200%、300%、1000%、2000%、または他の差で、スリーブの他のパネルよりも薄くてもよい。
【0062】
図4は、オキシメータプローブの一部に沿って重なっている底部スリーブ305および頂部スリーブ310の実施態様を示す。底部スリーブ305は、プローブ先端を覆うと共に、プローブユニットの一部、例えばシャフト600の全体または一部を覆うことができる。底部スリーブ305は、スリーブ220と同様または類似の(例えば、より長いまたはより短い)高さを有することができる。頂部スリーブ310は、プローブユニット105の全体または一部を覆うと共に、シャフト600の全体または一部を覆うことができる。頂部スリーブは、図3に示され、上記で説明したスリーブ320の頂部部分と同様または類似であってもよい。
【0063】
これらのスリーブの一方または両方は、スリーブをオキシメータプローブに固定するための弾性バンド、Oリング、接着剤、または他の装置を有することができる。例えば、図示された頂部スリーブは、頂部スリーブをオキシメータプローブに固定するための弾性バンド322を有する。オキシメータプローブをスリーブに挿入するために、頂部スリーブは、頂部開口325を含むことができる。これらのスリーブが重なることによって、オキシメータプローブをスリーブに容易に配置することができ、汚染物質がオキシメータプローブに接触することを防止すると共に、オキシメータプローブの再使用を容易にすることができる。
【0064】
図5は、2つの部分を有するオキシメータプローブ501を示す。2つの部分は、プローブユニット505と、プローブユニットから取り外し可能なプローブ先端510とを含む。プローブユニットとプローブ先端とは、取り付けられると、実際のオキシメータプローブ501を形成する。上述したスリーブ、例えば底部スリーブ305および頂部スリーブ310のいずれは、オキシメータプローブ501と共に使用することができる。
【0065】
図6は、プローブユニット505と、プローブユニットから取り外し可能なプローブ先端510とを有するオキシメータプローブ501を示す。一実施形態において、頂部スリーブ310は、プローブ先端の頂部を覆うまたはプローブ先端を覆わないように、プローブユニット505を覆っている。スリーブでプローブ先端を部分的に覆うまたはプローブ先端を覆わないようにすることによって、例えばプローブトレイ内の複数のカートリッジとして供給された複数のプローブ先端を用いて、プローブ先端の交換を比較的迅速且つ容易に行うことができる。プローブ先端は、使用前にプローブトレイ内の無菌環境に保存することができる。使用後、使用済みのプローブ先端を破棄して、プローブトレイから滅菌された異なるプローブ先端を取り出してプローブユニットに取り付けることができる。この実施形態において、プローブ先端およびプローブトレイは、カートリッジプローブ先端およびカートリッジプローブトレイである。
【0066】
一実施形態において、光源から光を出射し、検出器で検出するプローブ先端を覆うスリーブの底部パネル(例えば、部分)は、剛性で透明な要素、例えば、剛性で比較的薄いプラスチック要素または剛性で比較的薄いガラス要素を含む。カバーを含むスリーブの一部は、プローブ先端にスナップ嵌めるまたは他の方法でプローブ先端に嵌めることによって、カバーがプローブ先端から滑ることまたは光源および検出器の平面と異なる平面(例えば、非平面)でプローブ先端に位置することを防止するように構成されることができる。底部パネルは、剛性材料からなるリングを含むことができる。このリングは、内側に配置された可撓性パネルを引張ながら平坦に保持する。リングは、オキシメータ装置のプローブ先端にスナップ嵌めるように構成されることができる。
【0067】
一実施形態において、プローブ先端のプローブ面とスリーブとの間に材料層を設けることができる。この材料層の屈折率は、スリーブの屈折率、光源および検出器の上方に設けられ得るエポキシ層の屈折率、またはその両方と同様または類似である。スリーブの屈折率は、約1.2~約1.46の範囲にあってもよい。プローブ先端の面のエポキシ層は、同様の屈折率範囲を有してもよい。スリーブとプローブ先端のエポキシ層との屈折率の差は、0.1~0.2であってもよい。シールドとエポキシ層との間に配置された流体またはゲルは、類似の屈折率を有することができる。
【0068】
材料層は、流体、液体、ゲル、または他の材料であってもよい。材料層は、スリーブと光源との間の反射およびスリーブと検出器との間の反射を抑制することによって、光源および検出器と組織およびスリーブとの光結合(optical coupling)を改善する。また、スリーブとプローブ面との間の界面材料は、光の透過を妨げる可能性のあるスリーブ材料の折り畳み、寄せ集め、またはバンチングを防止または軽減することができる。
【0069】
図7は、オキシメータプローブ801(破線で示す)およびオキシメータプローブの一部を覆うスリーブ820を示す。図8は、スリーブを示す斜視図である。
【0070】
オキシメータプローブ801は、プローブユニット805と、プローブ先端810と、プローブユニットの底部からプローブ先端の頂部まで延在するシャフト818とを含む。オキシメータプローブは、プローブユニットの外部から利用できるディスプレイ815を含む。一実施形態において、スリーブは、プローブ先端とオキシメータプローブのシャフトの一部とを覆う。
【0071】
スリーブ820は、スリーブ220と同様の形状または異なる形状を有することができる。代わりに、スリーブ820は、スリーブ220とは異なる形状を有することができる。例えば、スリーブ220およびスリーブ820の1つ以上のパネルの輪郭(例えば、凹面パネル、凸面パネル、凹面パネル接続部、および凸面パネル接続部)は、同様であってもよく、類似であってもよく、異なってもよい。また、スリーブ820の転回角度は、スリーブ220の転回角度と同様であってもよく、異なってもよい。例えば、第1指載置パネルと前方側面パネルとの間の第1転回角度は、同様であってもよく、異なってもよい(例えば、スリーブ820の方が大きい)。また、前方先端パネルと第1指載置パネルとの間の第2転回角度は、同様であってもよく、異なってもよい(例えば、スリーブ820の方が大きい)。底部パネルと第2前方先端パネルとの間の第3転回角度は、同様であってもよく、異なってもよい(例えば、スリーブ820の方が小さい)。第2指載置パネルと底部パネルとの間の第4転回角度は、同様であってもよく、異なってもよい(例えば、スリーブ820の方が大きい)。後方パネルと第2指載置パネルとの間の第5転回角度は、同様であってもよく、異なってもよい(例えば、スリーブ820の方が大きい)。
【0072】
スリーブ820は、可撓性であり、本明細書に記載された材料のうちの1つ以上から形成されることができる。代わりに、スリーブ820は、剛性プラスチックまたはプラスチック様材料のような比較的剛性材料、例えば、ポリカーボネートから作られた比較的剛性スリーブであってもよい。
【0073】
スリーブ820は、スリーブをオキシメータプローブに固定するための取付装置835を含むことができる。装置835は、Oリング装置、接着剤、(例えば、オキシメータプローブのシャフトに形成された相補形状を有するトレンチと噛み合う)凸起または隆起、(例えば、シャフトに形成された相補形状を有する隆起と噛み合う)トレンチ、または他の装置、またはこれらの装置の任意の組み合わせであってもよい。
【0074】
図9は、スリーブをオキシメータプローブに固定するための接着ストリップ835を有するスリーブ820を示す。接着ストリップは、非粘着性カバーで覆うことができる。スリーブをオキシメータプローブに連結する前に、この非粘着性カバーは、接着ストリップから剥がすことができる。
【0075】
図10は、一実施形態におけるスリーブ920を示す。スリーブ920は、スリーブ820と同様または類似の輪郭および転回角度を含むことができ、スリーブ820と同様または類似の材料から形成された可撓性または比較的剛性ものであってもよい。
【0076】
スリーブ920は、スリーブをオキシメータプローブ801に接着するための装置935を含む。装置935は、オキシメータプローブの磁性材料(例えば、強磁性材料または永久磁石)に磁気的に連結する磁石であってもよく、またはオキシメータプローブは、スリーブの磁性材料に磁気的に連結する磁石を有してもよい。
【0077】
代わりに、装置935は、オキシメータプローブ(例えば、シャフト上の窪み)と連結するための突起またはオキシメータプローブ(例えば、シャフト上の突起)と連結するための窪みであってもよい。装置935は、窪みまたは突起に変形するように構成された軟質材料、または装置を窪みまたは突起に接着するようにスリーブを変形させるように構成された剛性材料であってもよい。装置をスリーブの内側表面に配置するまたはスリーブの厚さ方向に延在することによって、スリーブの外側表面にボタンを形成することができる。これによって、オキシメータプローブにスリーブを容易に取り付けるまたはオキシメータプローブからスリーブを容易に取り外すことができる。
【0078】
図11は、一実施形態におけるスリーブ920の下部斜視図を示す。図11は、底部パネル940および第2指載置パネル945ならびにスリーブの他のパネルを示す斜視図である。底部パネル940は、比較的剛性または変形可能な材料(例えば、ショア押し込み硬度で約30~100の硬度)からなる円盤形状(または他の形状)を有してもよい。底部パネル940の上部(例えば、スリーブの内側)および下部(例えば、スリーブの外側)の表面は、各々平面であってもよく、平行であってもよい。底部パネルの厚さTは、約25μmから約500μmまでまたは他の厚さまでの範囲にあってもよい。例えば、底部パネルの厚さは、約50μm以下、75μm以下、約100μm以下、125μm以下、150μm、175μm、200μm、225μm、250μm以下、275μm以下、300μm以下、325μm、350μm、375μm、400μm、450μm、500μm、または他の厚さであってもよい。
【0079】
底部パネルは、スリーブをオキシメータプローブに連結すると、オキシメータプローブのプローブ面と比較的平行な向きを有するように構成される。平行な構成にすることによって、底部パネルの表面とプローブ面の表面との間に空気を閉じ込めることなく、底部パネルとプローブ面とを連結することができる。
【0080】
底部パネルとプローブ面とは、同様の屈折率(例えば、0.1~0.2の許容変動)を有することができる。これによって、プローブ面から組織への光の方向および組織からプローブ面への光の方向を知ることができ、制御することができる。底部パネルとプローブ面との間の空隙を無くすことによって、プローブ面と底部パネルと組織のうち任意両者の間を通過する光の進行方向を予測することができる。これらの要素の間の光の進行方向を一定にすることによって、組織の特性(例えば、酸素飽和度)の測定精度を改善することができる。
【0081】
一実施形態において、底部パネルの屈折率は、オキシメータプローブの面板(研磨された面板、例えば研磨されたエポキシ層。光が面板を通過して、オキシメータプローブによって検出される)の屈折率と同様である。底部パネルの屈折率は、約1.33~約1.46の範囲にあってもよい。底部パネルとプローブ先端の面(例えば、エポキシ層)との間の屈折率差は、0.1~0.2であってもよい。記載されたスリーブ(例えば、スリーブ120、220および820)の各々の底部パネルを同様に構成することができる。また、底部パネルは、オキシメータプローブによって出射され、標的組織から反射され、底部パネルを通ってオキシメータプローブに進行する光(例えば、IR)の波長に対して透明である。例えば、スリーブ、底部パネル、またはその両方は、約700nm~約890nm、約760nm~約850nm、約760nm~約890nm、約760nm~約900nm、約760nm~約810nm範囲の波長、約760nm、810nm、850nm、および900nm、これらの波長の任意の組み合わせ、または他の波長に対して透明である。
【0082】
シールドとエポキシ層との間に配置された流体またはゲルは、類似の変動を有する類似の屈折率を有することができる。流体またはゲルは、底部パネルとプローブ先端の面との間の反射を抑制することによって、光源および検出器と組織およびスリーブとの光結合を改善することができる。また、流体またはゲルは、光の透過を妨げる可能性のあるスリーブ材料の折り畳み、寄せ集め、またはバンチングを防止または軽減することができる。
【0083】
一実施形態において、スリーブの底部パネルは、圧力センサ942を含む。圧力センサは、底部パネル940と、底部パネルが連結されるスリーブの他のパネルとの間に配置することができる。圧力センサ942は、底部パネルの底面に配置することができる。圧力センサは、底部パネルの両面に配置されるリング(例えば、円形または他の形状)として形成することができる。圧力センサは、材料の電気特性の変化を介して圧力を検出する圧電材料、ピエゾ抵抗材料などであってもよい。スリーブは、圧力情報をディスプレイ上に表示させるために、圧力センサからの電気信号をオキシメータプローブに転送するための電気トレースを含むことができる。ディスプレイに表示された圧力情報は、オキシメータプローブが過度な圧力で標的組織を圧迫するため、オキシメータプローブの圧力が標的組織への血液量または血流速度を変化させたか否かを示す。また、ディスプレイ上の圧力情報は、オキシメータプローブが低すぎる圧力で標的組織を圧迫するため、オキシメータプローブによって出射された光が予測不能な方法で標的組織に結合されるか否かを示す。
【0084】
一実施形態において、スリーブは、光源を含む。光源を点灯するときに、光源からの出射光が標的組織に向けられるように、光源をスリーブのパネルのうち1つに配置することができる。オキシメータプローブが酸素飽和度測定を行うときに、光源を消灯することができる。これによって、光源からの出射光は、酸素飽和度測定値に影響を与えない。光源は、電源と、光源の点灯/消灯を制御するためのパワースイッチとを備えたLEDであってもよい。
【0085】
一実施形態において、スリーブは、オキシメータプローブから取り外されたスリーブの再使用を禁止するための1つ以上の特徴、要素(例えば、装置)、または特徴と装置との組み合わせを含む。取り外されたスリーブの再使用を禁止することによって、異なる患者の間および使用環境と患者との間の組織、流体および他の汚染物質の交叉汚染を抑制することができる。一実施形態において、スリーブが2つの連結可能な部分(例えば、上部スリーブおよび下部スリーブ)を含む場合、スリーブの連結可能部分は、スリーブを分離してオキシメータ装置から取り外すときに損傷を受けるように構成される。例えば、スリーブの2つの部分を接合する接着剤は、2つの部分を分離した後、不活性化することができる。これによって、接着剤は、2次使用の場合に接着できなくなる。接着剤は、スリーブ材料の引裂強度よりも強い接着強度を有することができる。その結果、スリーブは、オキシメータプローブから取り外されるときに破れる。また、スリーブ材料は、例えば、スリーブの長さに沿った優先引裂方向を有する材料を含むことができる。したがって、オキシメータプローブからスリーブを取り外す場合、スリーブは、連結部の接合方向ではなく、優先引裂方向に沿って破れる。
【0086】
一実施形態において、スリーブは、オキシメータプローブがスリーブ内に配置されているか否かを検出するための電子検出器を含む。スリーブは、オキシメータプローブをスリーブ内に配置したことを検出するための検出器(例えば、圧力センサ、光検出器など)を含むことができる。スリーブを再使用しようとする場合、スリーブに別のオキシメータプローブを配置するときに、電子検出器は、このスリーブが過去に使用されたことを示すインジケータ(聴覚、点灯、触覚、表示、これらのインジケータを組み合わせ)を与えることができる。スリーブは、検出器を含み、この検出器は、スリーブの上方ヒンジ部が開かれ、閉められた後、再度開かれたことを検出することによって、このスリーブが既にオキシメータプローブと共に使用されたことを示すことができる。スリーブは、過去の使用を示す任意のインジケータを与えることができる。
【0087】
図12は、一実施形態において、スリーブ1220と、スリーブの内側に配置されたオキシメータプローブ801とを示す。スリーブ1220は、オキシメータプローブ801(例えば、オキシメータプローブの全体)をスリーブの内側に取り囲む。スリーブ1220は、上部スリーブ1231と、下部スリーブ1233とを含む。
【0088】
一実施形態において、下部スリーブ1233は、スリーブ220と同様または類似のパネルを含む。例えば、下部スリーブ1233は、前方パネル1210と、(図12には示されていないが、参照番号1215を有する矢印によって示された)後方パネル1215と、(図12には示されていないが、参照番号1222を有する矢印によって示された)第1上方側面パネル1222と、第2上方側面パネル1225と、第1指パネル1230と、前方頂部パネル1235と、(図12には示されていないが、参照番号1240を有する矢印によって示された)底部パネル1240と、(図12には示されていないが、参照番号1245を有する矢印によって示された)第2指載置パネル1245と、第1下方側面パネル1250と、第2下方側面パネル1255とを含むことができる。第1上方側面パネルおよび第1下方側面パネルは、第1側面パネルと呼ばれることがある。第2上方側面パネルおよび第2下方側面パネルは、第2側面パネルと呼ばれることがある。下部スリーブ1233のパネルは、上述したスリーブ220と同様、類似または異なる輪郭および転回角度を有することができる。
【0089】
上部スリーブ1231は、第3側面パネル1260と、第4側面パネル1265と、(図12には示されていないが、参照番号1270を有する矢印によって示された)第5側面パネル1270と、(図12には示されていないが、参照番号1275を有する矢印によって示された)第6側面パネル1275と、表示パネル1280とを含む。また、上部スリーブは、第3パネル、第4パネル、第5パネルおよび第6パネルを表示パネルに連結するための連結パネル1285(例えば、斜面パネル)を含むことができる。代わりに、第3パネル、第4パネル、第5パネルおよび第6パネルは、凸面連結部によって表示パネルに連結される。
【0090】
第3側面パネルは、凸面連結部または他の形状の連結部によって第4側面パネルに連結され、第4側面パネルは、凸面連結部または他の形状の連結部によって第5側面パネルに連結され、第5側面パネルは、凸面連結部または他の形状の連結部によって第6側面パネルに連結され、第6側面パネルは、凸面連結部または他の形状の連結部によって第3側面パネルに連結される。
【0091】
第3側面パネル、第4側面パネル、第5側面パネルおよび第6側面パネルは、前方パネル1210、後方パネル1215、第1上方側面パネル1222および第2上方側面パネル1225の各々とほぼ同一平面にあってもよく、前方パネルおよび後方パネルならびに第1上方側面パネルおよび第2上方側面パネルに対して傾斜する(例えば、斜角を付ける)ことができ、凸面連結部を介して前方パネルおよび後方パネルならびに第1上方側面パネルおよび第2上方側面パネルに連結することができ、これらの形状の組み合わせまたは他の形状であってもよい。ディスプレイパネルは、オキシメータプローブのディスプレイの形状と相補的な形状を有してもよく、比較的平坦または湾曲であってもよい。
【0092】
上部スリーブおよび下部スリーブは、別々のスリーブに分離することができ、または上部スリーブおよび下部スリーブの2つ以上のパネルによって連結(例えば、スリーブ材料によってヒンジ連結)されてもよい。例えば、後方パネル1215および第5側面パネル1270をヒンジ連結することができ、側面パネル1222および1275をヒンジ連結することができ、前方パネル1210および1260をヒンジ連結することができ、側面パネル1225および1265をヒンジ連結することができ、他の組み合わせでこれらのパネルをヒンジ連結することができる。
【0093】
ヒンジ連結されたパネルは、ヒンジを介いて開閉することができる。これによって、オキシメータプローブをスリーブ1220に挿入することができ、スリーブ1220から取り外すことができる。(例えば、図12に示すように)上側スリーブおよび下側スリーブを閉めたときに、上側スリーブと下側スリーブとの間に視認可能な継ぎ目1290が形成される。例えば、上側スリーブおよび下側スリーブが完全に分離可能である場合、上側スリーブおよび下側スリーブを閉めたときに、継ぎ目1290は、スリーブ1220の頂部の全周に亘って延在する。2つのパネル(例えば、パネル1215および1270)がヒンジ連結されている場合、継ぎ目1290は、ヒンジ連結されていない3つまたはそれ以下の側面に亘って延在する。例えば、後方パネル1215および第5側面パネル1270がヒンジ連結されている場合、シーム1290は、スリーブ1220の前面および側面に沿って延在するが、スリーブの後面(例えば、後方パネル1215および第5側面パネル1270)に沿っては延在しない。
【0094】
継ぎ目は、スリーブ1220の中央よりも高い位置、例えば、スリーブの全高の20%以上でスリーブ1220の中央の上方にある。
【0095】
一実施形態において、表示パネル1280は、ヒンジパネルとして動作する。ディスプレイパネルがヒンジパネルとして動作する場合、継ぎ目1290は、第4側面パネル1265に沿って上方に延在し且つ第6側面パネル1275に沿って上方に延在する継ぎ目部分1290aを含む。
【0096】
パネルの1つ以上の表面は、接着剤を有することができる。これによって、接着剤で上部スリーブおよび下部スリーブの未連結パネルを接着することができる。これらのパネルを接着することによって、上下のスリーブを不注意に分離するまたは開くことを防止することができ、汚染されないようにオキシメータプローブをスリーブ内に保持することができる。接着剤は、縫い目1290の近くに設けられてもよく、オキシメータプローブと共にスリーブを使用する前に使用者が容易に取り外すことができる非粘着性フィルムによって保護されてもよい。代わりに、上部スリーブおよび下部スリーブは、スリーブをプローブに固定するために、オキシメータプローブに接着するたmの接着剤を含むことができる。代わりに、上部スリーブおよび下部スリーブは、スリーブをオキシメータプローブに固定するための弾性バンドを含むことができ、または使用時にスリーブおよびプローブを一体にするための他の装置を含むことができる。一実施形態において、上部スリーブおよび下部スリーブが比較的剛性材料、例えばポリカーボイドで形成された場合、上部スリーブおよび下部スリーブは、(例えば、上部スリーブおよび下部スリーブの上縁および下縁に形成された相補形状のレッジを介して)滑り嵌められることができ、接着剤によって接着されることができ、機械素子(例えば、ラッチ、留め具、または他のコネクタ)または他の連結具によって連結されることができる。
【0097】
上部スリーブおよび下部スリーブは、記載されたスリーブパネルに使用された材料のいずれかで形成することができる。上部スリーブおよび下部スリーブは、同様または異なる材料で形成することができる。上部スリーブおよび下部スリーブの両方は、比較的可撓性であってもよく、比較的剛性であってもよく、または可撓性および剛性で(例えば、上部スリーブは剛性で、下部スリーブは可撓性で、または上部スリーブは可撓性で、下部スリーブは剛性で)あってもよい。底部パネル1240は、図11に示された底部パネル940に関して上述したように形成されてもよく、機能してもよい。
【0098】
図13は、一実施形態において、スリーブ1320と、スリーブの内側に配置されたオキシメータプローブ801とを示す。スリーブ1320は、オキシメータプローブ801(例えば、オキシメータプローブの全体)をスリーブの内側に取り囲む。スリーブ1320は、本体スリーブ1301と、フラップスリーブ1303とを含む。
【0099】
本体スリーブ1301は、様々な実施形態に関して上述した1つ以上のパネルを含むことができる。本体スリーブは、上述した様々な輪郭および転回角度を有することができる。さらに、本体スリーブおよびフラップスリーブのパネルは、上述した様々な材料の任意の組み合わせのうち1つ以上、例えば、上述した様々な可撓性材料または様々な剛性材料から形成することができる。
【0100】
本体スリーブおよびフラップスリーブは、オキシメータプローブをスリーブ内に配置し且つスリーブから取り外すように、互いに連結(例えば、ヒンジ連結)されてもよい。本体スリーブおよびフラップスリーブは、ディスプレイパネル1380の上部1391およびフラップスリーブ1303の上部1393でヒンジ連結されてもよい。本体スリーブおよびフラップスリーブは、後方パネル1315およびフラップスリーブ1303の底部1397でヒンジ連結されてもよい。他の実施態様において、スリーブは、スリーブの他の部分で連結されてもよい。
【0101】
本体スリーブ、フラップスリーブ、またはその両方は、スリーブを互いに接着するために、一方または両方の1つ以上の表面に接着剤を設けることができる。接着剤は、剥離カバーで覆うことができる。これによって、スリーブと共にオキシメータプローブを使用する前に、剥離カバーを剥がして接着を行うことができる。本体およびフラップスリーブの一方または両方は、閉位置でフラップスリーブを本体スリーブに連結することができる他の装置(例えば、機械的な装置)を含むことができる。
【0102】
フラップスリーブは、本体スリーブから分離可能なスリーブであってもよく、接着可能なスリーブであってもよい。本体スリーブおよびフラップスリーブを互いに接着するために、本体スリーブおよびフラップスリーブの一方または両方の1つ以上の表面に接着剤を設けることができる。接着剤を露出させ、フラップスリーブを本体スリーブに押圧することによって、フラップスリーブを本体スリーブに接着することができる。使用者からの引張力によって、接着を比較的容易に切り離すことができる。接着剤は、オキシメータプローブをスリーブに密封することができる。上部スリーブ部分および下部スリーブと共に、他の装置、例えば各部分に形成された相補形状の機械的な輪郭、O-リング、または他の素子を使用することによって、密封を形成することができる。
【0103】
一実施形態において、後方パネル1315は、上方パネル部1315aおよび下方パネル部1315bを有する。フラップスリーブ1303は、上方パネル部1303aおよび下方パネル部1303bを有する。後方パネルおよびフラップスリーブの各々の上方パネル部および下方パネル部は、(例えば、図13に示されるように)比較的平坦であってもよく、湾曲してもよく、または平坦および湾曲の組み合わせであってもよい。後方パネル1315およびフラップスリーブ1303の各々の上方パネル部および下方パネル部は、約170°~約90°の角度、例えば約130°~約140°の角度で互いに角度を付けることができる。
【0104】
図14は、一実施形態において、スリーブ1420と、スリーブの内側に配置されたオキシメータプローブ801とを示す。スリーブ1420は、オキシメータプローブ801(例えば、オキシメータプローブの全体)をスリーブの内側に取り囲む。スリーブ1420は、上部スリーブ1431と、下部スリーブ1433とを含む。上部スリーブと下部スリーブとは、分離可能なスリーブである。上部スリーブと下部スリーブとを分離することによって、オキシメータプローブをスリーブ内に配置することができ、スリーブからオキシメータプローブを取り外すことができる。スリーブ内のオキシメータプローブを使用するために、上部スリーブと下部スリーブとを一体に連結することができる。
【0105】
上部スリーブ1431は、スリーブ1231の上側部分、例えば第1指載置1230上方のスリーブ1231の一部と同様または類似であってもよい。下部スリーブ1433は、下部スリーブ1233と同様または類似であってもよい。
【0106】
上部スリーブ1431および下部スリーブ1433を連結することによって、スリーブ1420の周りに延在する(例えば、スリーブ1420の中央部分でスリーブの全周に延在する)視認可能な継ぎ目1490を形成する。継ぎ目は、スリーブ1420の中央領域、例えばスリーブの全高の20%以上でスリーブの中央の上方または下方に位置することができる。
【0107】
上部スリーブおよび下部スリーブは、1つ以上のOリング1435、1つ以上の接着ストリップ、1つ以上の機械的装置(戻り止め、ボタン、ラッチ、留め具、または他のもの)、磁気ファスナ、または他の装置を介して、オキシメータプローブに連結することができる。上部スリーブおよび下部スリーブは、接着剤、機械的な連結具、滑り嵌め(例えば、一方のスリーブの一部と他方のスリーブとの滑り嵌め)、または他の装置によって互いに連結することができる。
【0108】
上部スリーブおよび下部スリーブは、記載されたスリーブパネルに使用された材料のいずれかで形成することができる。上部スリーブおよび下部スリーブは、同様または異なる材料で形成することができる。上部スリーブおよび下部スリーブの両方は、比較的可撓性であってもよく、比較的剛性であってもよく、または可撓性および剛性で(例えば、上部スリーブは剛性で、下部スリーブは可撓性で、または上部スリーブは可撓性で、下部スリーブは剛性で)あってもよい。上部スリーブおよび下部スリーブは、異なる気孔率を有する材料で作ることができる。
【0109】
図15は、一実施形態におけるキットを示す。キットは、出荷単位として販売することができる。このキットは、オキシメータプローブ801およびスリーブ1520を含む。キットは、オキシメータプローブを使用するための第1取扱説明書1525およびスリーブを使用するための第2取扱説明書をさらに含むことができる。キットは、オキシメータプローブ、スリーブ、およびマニュアルを収容し、出荷単位として販売する容器(例えば、ボックス、図示せず)を含むことができる。キットは、例えば、キットを販売するときにオキシメータプローブの電池室に電池を入れていない場合に、オキシメータプローブと共に使用するための電池1530を含むことができる。電池は、使い捨て電池であってもよく、充電式電池であってもよい。
【0110】
スリーブ1520は、本特許出願に記載されているスリーブのいずれでもよい。スリーブは、使用前にスリーブを無菌状態に保つパケット容器のような保護容器1522に密封することができる。このキットは、オキシメータプローブと共に使用するための多数のスリーブ1520、例えば、10個のスリーブ、20個のスリーブ、30個のスリーブ、40個のスリーブ、50個のスリーブ、60個のスリーブ、70個のスリーブ、80個のスリーブ、90個のスリーブ、100個のスリーブ、より多くまたはより少ないスリーブを含むことができる。キットは、追加の品物、例えば、消毒拭取布または消毒溶液、手袋(例えば、ラテックス、ニトリル、ビニールなどの無菌手袋)、酸素飽和度の正常レベルまたは範囲、異常レベルまたは範囲もしくはその両方を示す簡単ガイド1540(例えば、カード)、オキシメータプローブを使用するための簡略化指示を記載している簡単ガイド1545(例えば、カードまたはページ)、スリーブを使用するための簡単ガイド1550、または他の品物を含む。オキシメータプローブおよびスリーブは、カリフォルニア州ニューアークに位置するViOptix社のIntra.Ox(登録商標)オキシメトリープローブおよび保護スリーブであってもよい。キットは、オキシメータプローブとスリーブとを含んでもよく、オキシメータプローブとスリーブと記載されたキット要素の1つ以上との組み合わせを含んでもよい。
【0111】
例示および説明のために、本発明を説明したが、本発明を網羅的に説明することまたは記載された形態に厳密に限定することを意図しておらず、上記の教示に鑑みて多くの修正および変形が可能である。本発明の原理およびその実際的な応用を最もよく説明するために、実施形態を選択して説明した。この説明によって、当業者は、様々な実施形態でまたは特定の用途に適した様々な修正を加えて、本発明を最適に利用および実施することができるであろう。記載された様々な実施形態の様々な要素は、任意の組み合わせで組み合わせるまたは置換することができる。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15