(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】選択的エチレンオリゴマー化のための還元ポリマー形成
(51)【国際特許分類】
B01J 31/24 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B01J31/24 Z
(21)【出願番号】P 2018562227
(86)(22)【出願日】2017-05-11
(86)【国際出願番号】 US2017032199
(87)【国際公開番号】W WO2017205071
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-10
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303175
【氏名又は名称】シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファーン、ジャレド
(72)【発明者】
【氏名】シドーラ、オーソン
(72)【発明者】
【氏名】キルゴア、ユーライア
(72)【発明者】
【氏名】ビショッフ、スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス、エリック
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-521586(JP,A)
【文献】特表2013-516417(JP,A)
【文献】特表2015-527311(JP,A)
【文献】特表2005-533872(JP,A)
【文献】特表2014-500251(JP,A)
【文献】特表2019-517483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
C07B 31/00 - 63/04
C07C 1/00 - 409/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、
a)C
3+オレフィンおよび任意に有機反応媒体を含有する反応帯域であって、エチレンを実質的に含まない、反応帯域に、
i)エチレン
を含む供給原料混合物と、
ii)(a)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
(b)アルミノキサンを含む触媒系と、
iii)前記有機反応媒体と、
iv)任意に水素と、を導入することと、
b)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+オレフィン、および前記C
3+オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス
であり、
前記「エチレンを実質的に含まない」とは、反応部の最大エチレン分圧が69kPaであることを意味し、
前記反応帯域時間が5分以上6時間以下の範囲であり、
前記C
3+
オレフィンがC
6
~C
12
オレフィンである、
プロセス。
【請求項2】
プロセスであって、
a)反応帯域において
i)エチレンと、
ii)(a)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
(b)アルミノキサンを含む触媒系と、
iii)有機反応媒体と、
iv)任意に水素と、を
接触させることと、
b)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
エチレン、前記触媒系、および有機反応媒体が前記反応帯域内に導入され、C
3+オレフィン/エチレン供給時間の間、C
3+オレフィンが前記反応帯域内に導入され、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+オレフィン、および前記C
3+オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス
であり、
前記反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間が5分以上6時間以下の範囲であり、
前記C
3+
オレフィンがC
6
~C
12
オレフィンである、
プロセス。
【請求項3】
エチレン、前記有機反応媒体、および前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間の間、前記C
3+オレフィンが、前記反応帯域内に別々に導入される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記エチレンを前記触媒系と接触させる前に、前記エチレンを前記有機反応媒体の少なくとも一部と接触させて、供給原料混合物を形成し、
前記供給原料混合物、および前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間の間、前記C
3+オレフィンは、前記反応帯域に別々に導入される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記エチレン、前記触媒系、または前記エチレンおよび前記触媒系の両方を前記反応帯域に導入する前に、前記C
3+オレフィンを前記反応帯域に導入することをさらに含む、請求項3または4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記エチレンを前記触媒系と接触させる前に、前記エチレンと、前記有機反応媒体の少なくとも一部と、前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間の間、前記C
3+オレフィンとを接触させて、供給原料混合物を形成する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
プロセスであって、
a)触媒系を反応帯域に供給することであって、前記触媒系が、
i)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
ii)アルミノキサンを含む、供給することと、
b)一定時間の間、前記反応帯域にエチレンを含む供給原料混合物と、
i)C
3+オレフィン、
又は
ii)
C
3+
オレフィン及び有機反応媒体の少なくとも一部
の組み合わせ
を別々に供給することであって、
前記供給原料混合物は前記触媒系を
含まない、供給することと、
c)前記反応帯域において前記触媒系および前記供給原料混合物を接触させることと、
d)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+オレフィン、および前記C
3+オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス
であり、
前記反応帯域時間が5分以上6時間以下の範囲であり、
前記C
3+
オレフィンがC
6
~C
12
オレフィンである、
プロセス。
【請求項8】
プロセスであって、
a)i)エチレンと、
ii)有機反応媒体の少なくとも一部と、
iii)一定時間の間、C
3+オレフィンと、を接触させて、供給原料混合物を形成することと、
b)a)に続いて、
反応帯域において、前記供給原料混合物を、
i)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
ii)アルミノキサンを含む触媒系と接触させることと、
c)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+オレフィン、および前記C
3+オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス
であり、
前記反応帯域時間が5分以上6時間以下の範囲であり、
前記C
3+
オレフィンがC
6
~C
12
オレフィンである、
プロセス。
【請求項9】
プロセスであって、
a)触媒系を反応帯域に供給することであって、前記触媒系が、
i)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
ii)アルミノキサンを含む、供給することと、
b)前記反応帯域に、
i)エチレン、
ii)有機反応媒体、および
iii)一定時間の間、C
3+オレフィンを含む供給原料混合物を供給して、前記触媒系と接触させることであって、
反応帯域始動中に、前記供給原料混合物C
3+オレフィン:エチレン重量比が周期的または連続的に減少する、接触させることと、
c)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、
d)前記反応帯域の始動に続いて、ほぼ定常状態の条件下で前記反応帯域を操作することと、を含み、
i)エチレン、ii)C
3+オレフィン、およびiii)有機反応媒体を含む前記供給原料混合物が、一定時間の間、前記反応帯域に供給され、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+オレフィン、および前記C
3+オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス
であり、
前記反応帯域時間が5分以上6時間以下の範囲であり、
前記C
3+
オレフィンがC
6
~C
12
オレフィンである、
プロセス。
【請求項10】
前記
C
3+
オレフィン/エチレン供給時間の間、前記供給原料混合物を前記反応帯域内に導入/供給する前に、前記C
3+オレフィンが前記供給原料混合物中に分散される、請求項7~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
エチレンを前記触媒系と接触させる前に、エチレンが前記供給原料混合物内に分散される、請求項7~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記
C
3+
オレフィン/エチレン供給時間が、前記反応帯域が前記エチレンオリゴマー生成物を生成していない時点で開始する、請求項5~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
C
3+オレフィン/エチレン供給時間にわたって、前記反応帯域に供給/導入されるC
3+オレフィン:エチレン重量比が、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値に減少する、請求項5~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記C
3+オレフィンおよび前記触媒系を前記反応帯域に導入または供給する前に、前記C
3+オレフィンを前記触媒系と接触させることをさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間の後にC
3+オレフィンが前記反応帯域に
導入または供給され
ない、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記供給原料混合物を形成するための前記エチレンおよび前記有機反応媒体の
接触が、排他的ではないが、前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間の後
に行われ
る、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記エチレンの
全てが、前記供給原料混合物を介して前記反応帯域に導入される、請求項15または16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記触媒系が、前記供給原料混合物とは別に前記反応帯域内に導入される、請求項15~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記触媒系
が希釈剤を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記希釈剤が前記有機反応媒体を含む、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物が、前記反応帯域から除去される、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
ヘキセンおよび/またはオクテンが、前記反応
帯域
からの流出物から分離される、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記供給原料混合物、前記触媒系、および任意に水素が、周期的または連続的に前記反応帯域内に導入され、前記エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物が、周期的または連続的に前記反応帯域から除去される、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量が、C
3+オレフィン:エチレン重量比が前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間にわたって減少しない
プロセスにおける前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量が、i)エチレンの前記触媒系との接触前にエチレンを前記有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、またはii)前記供給原料混合物を前記触媒系とは別に前記反応帯域内に導入または供給しない
プロセスにおける前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない、請求項1~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記反応帯域C
3+オレフィン:エチレン重量比が前記
反応帯域時間及び/又はC
3+
オレフィン/エチレン供給時間にわたって減少しない
プロセスにおける生産性よりも高い生産性を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
i)エチレンの前記触媒系との接触前にエチレンを前記有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、またはii)前記供給原料混合物を前記触媒系とは別に前記反応帯域内に導入または供給しない
プロセスにおける生産性よりも高い生産性を有する、請求項
4~26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
反応系であって、
反応帯域と、
(a)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
(b)アルミノキサンを含む触媒系を前記反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、
エチレン
を含む供給原料混合物、有機反応媒体、および任意に水素を前記反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、
前記第1の反応帯域入口、前記第2の反応帯域入口、またはC
3+オレフィンを前記反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と流体連通するC
3+オレフィン供給ラインと、
前記反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む
反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含む、反応系
であり、
前記C
3+
オレフィンがC
6
~C
12
オレフィンである、
反応系。
【請求項29】
前記触媒系を前記第1の反応帯域入口に流す触媒系供給ラインと、
エチレンを含むエチレン供給ラインと、
前記有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ラインと、をさらに含み、
前記有機反応媒体供給ラインおよび前記エチレン供給ラインが組み合わされて、
供給原料混合物供給ライン及び前記第2の反応帯域入り口を介して前記反応帯域に導入される前記供給原料混合物が得られ、
前記C
3+オレフィン供給ラインが、前記触媒系供給ライン、前記エチレン供給ライン、前記有機反応媒体供給ライン、前記供給原料混合物供給ライン、または第2の反応帯域入口を介して前記反応帯域に流す前に前記供給原料混合物を混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給ラインのうちの少なくとも1つと組み合わされる、請求項28に記載の反応系。
【請求項30】
前記第2の反応帯域入口と流体連通し、前記エチレン供給ラインおよび前記有機反応媒体供給ラインが接合する点の上流に位置して前記供給原料混合物を生成するポンプと、
i)前記エチレン供給ラインおよび前記有機反応媒体供給ラインの前記接合と、
ii)前記供給原料混合物が前記反応帯域に入る前に、前記エチレンおよび前記有機反応媒体を分散させるための前記第2の反応帯域入口との間に位置付けられた混合装置と、をさらに含む、請求項
29に記載の反応系。
【請求項31】
定常状態動作中に、前記第1の反応帯域入口が、周期的または連続的に前記触媒系を前記反応帯域に導入するように構成され、前記第2の反応帯域入口が、周期的または連続的に前記供給原料混合物を前記反応帯域に導入するように構成され、前記1つ以上の反応帯域出口が、周期的または連続的に前記反応帯域からの前記反応帯域流出物を排出するように構成されている、請求項28~30のいずれか一項に記載の反応系。
【請求項32】
前記C
3+オレフィンが、C
4~C
16内部オレフィンまたはアルファオレフィンを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載のプロセス、または請求項28~31のいずれか一項に記載の反応系。
【請求項33】
前記C
3+オレフィンが、1-ヘキセン、1-オクテン、または1-ヘキセンおよび1-オクテンを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載のプロセス、または請求項28~31のいずれか一項に記載の反応系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エチレンの選択的オリゴマー化のためのプロセス、系、および/または反応系構成に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒系の一部としてトリエチルアルミニウム(TEA)を利用しない線状アルファオレフィン(C6~C20)の選択的生成のためのアルファオレフィンオリゴマー化技術の開発が課題となっている。TEAベースの技術の経済性および相対効率はいずれも、代替技術において一致させることが困難であった。均質な触媒系を使用する代替技術を用いて商業的に成功したものもあるが、これらの技術は、ブテンまたはワックスなどの望ましくない画分/生成物から線状アルファオレフィンを回収するために、拡張二次加工を必要とする。選択的エチレンオリゴマー化のための他の代替触媒系が開発されている。選択的エチレンオリゴマー化触媒系は、均質な触媒系を使用する代替技術の欠点を伴わずに、所望の線状アルファオレフィンを生成することができる。選択的エチレンオリゴマー化技術の改良が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
a)C3+オレフィン(本明細書に開示されるいずれか)および任意に有機反応媒体(本明細書に開示されるいずれか)を含有する反応帯域であって、エチレンを実質的に含まない反応帯域内に、i)エチレンと、ii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、iii)有機反応媒体と、およびiv)任意に水素と、を導入することと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、C3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセスが本明細書に開示される。
【0004】
a)反応帯域においてi)C3+オレフィン(例えば、本明細書に開示されるいずれか)と、ii)エチレンと、iii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物の複合体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、iv)有機反応媒体(本明細書に開示されるいずれか)と、v)任意に水素と、を反応帯域内に接触させることと、c)エチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、C3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセスもまた本明細書に開示される。
【0005】
a)反応帯域において、i)エチレンと、ii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、iii)有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)と、iv)任意に水素と、を接触させることと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、エチレン、触媒系、および有機反応媒体が反応帯域内に導入され、一定時間の間、C3+オレフィンが反応帯域内に導入される、プロセスもまた本明細書に開示される。
【0006】
a)触媒系を反応帯域に供給することであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む、供給することと、b)一定時間の間、エチレンと、i)C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、およびii)有機反応媒体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)の少なくとも一部、またはiii)i)およびii)の組み合わせとを含む供給原料混合物を反応帯域に別々に供給することとであって、該供給原料混合物は触媒系を実質的に含まない、供給することと、c)反応帯域において触媒系および供給原料混合物を接触させることと、d)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含む、プロセスもまた本明細書に開示される。
【0007】
a)i)エチレンと、ii)有機反応媒体(例えば、本明細書に開示されるいずれか)の少なくとも一部と、iii)一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に開示されるいずれか)と、を接触させて供給原料混合物を形成することと、b)a)に続いて、反応帯域において供給原料混合物を、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含む、プロセスもまた本明細書に開示される。
【0008】
a)反応帯域においてエチレンを触媒系と接触させる前に、有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)の少なくとも一部、一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、または一定時間の間、有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)の少なくとも一部およびC3+オレフィンの添加によってエチレンを希釈して供給原料混合物を形成することと、b)反応帯域において供給原料混合物を触媒系と接触させることであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む、接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含むプロセスもまた本明細書に開示される。
【0009】
a)エチレン、有機反応媒体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、および一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)を含む供給原料混合物と、b)i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、c)触媒流が別に供給原料混合物を受ける反応帯域と、を含む系もまた本明細書に開示される。
【0010】
a)触媒系を反応帯域に供給することであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む、供給することと、b)i)エチレン、ii)有機反応媒体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、およびiii)一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)を含む供給原料混合物を反応帯域に別々に供給して、触媒系と接触させることとであって、反応帯域の指導中に、供給原料混合物C3+オレフィン:エチレン重量比が周期的または連続的に減少する、接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、d)反応帯域の始動に続いて、ほぼ定常状態の条件下で反応帯域を操作することと、を含み、該一定時間は、反応帯域時間またはC3+オレフィン/エチレン供給時間である、プロセスもまた本明細書に開示される。
【0011】
反応帯域の始動のためのプロセスであって、反応帯域において、1)エチレンと、2)a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびb)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、3)有機反応媒体と、4)任意に水素と、を接触させて、エチレンオリゴマー生成物を形成することであって、該触媒系は反応帯域に供給され、i)エチレン、ii)有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)、およびiii)一定時間の間、C3+オレフィン(本明細書に記載されるいずれか)を含む供給原料混合物は反応帯域に供給され、該供給原料混合物は、反応帯域における接触の前に触媒系を実質的に含まない、形成することと、を含む、プロセスもまた本明細書に開示される。
【0012】
反応帯域と、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系を反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、エチレン、有機反応媒体、および任意に水素を反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、第1の反応帯域入口、第2の反応帯域入口、またはC3+オレフィンを反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と流体連通するC3+オレフィン供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含む反応系もまた本明細書に開示される。
【0013】
反応系であって、反応帯域と、触媒系、エチレン、有機反応媒体、およびC3+オレフィンを反応帯域に導入するように構成された反応帯域入口と、エチレンを含むエチレン供給ライン、C3+オレフィンを含むC3+オレフィン供給ライン、有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ライン、および任意に水素を含む水素供給ラインであって、これらは全て反応帯域入口と流体連通し、有機反応媒体供給ラインは、エチレン供給ラインと組み合わされて、反応帯域入口と流体連通する供給原料混合物供給ラインを形成する、エチレン供給ライン、C3+オレフィン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、および任意に水素供給ラインと、反応帯域入口と流体連通する触媒系を含む触媒系供給ラインであって、触媒系供給ラインは、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、または供給原料混合物を混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給材料と組み合わされる、触媒系供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含み、該触媒系は、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせ、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含み、該C3+オレフィン供給ラインは、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、分散供給原料混合物供給ライン、または触媒系供給ラインおよび分散供給原料混合物供給ラインを接合することによって形成された混合供給ラインのうちの1つ以上と接合する、反応系もまた本明細書に開示される。
【0014】
反応系であって、反応帯域と、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、または(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系を反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、エチレンおよび任意に水素を反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、有機反応媒体を反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と、第1の反応帯域入口、第2の反応帯域入口、第3の反応帯域入口、またはC3+オレフィンを反応帯域に直接導入するように構成された第4の反応帯域入口のうちの1つ以上と流体連通するC3+オレフィン供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含む、反応系もまた本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
詳細な説明について、添付の図面を参照する。
【0016】
【
図1】本開示による別の反応系のプロセスフロー図を示す。
【
図2】本開示による別の反応系のプロセスフロー図を示す。
【
図3】本開示による別の反応系のプロセスフロー図を示す。
【
図4】実施例3について、触媒の生産性、選択性、転化率、および重選択性対時間のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書の説明において、様々な範囲および/または数値限界は、以下に明示的に述べることができる。別段の記載がない限り、エンドポイントは交換可能であることが意図されていることを認識すべきである。さらに、いかなる範囲も、明示的に述べられた範囲または限界内に入る同様の大きさの反復範囲を含む。
【0018】
さらに、本明細書で意図される本発明の範囲内で様々な変更が可能であり、本発明の実施形態は、明示的に請求されているもの以外の特徴の組み合わせを含むことができる。特に、本明細書に明示的に記載されたもの以外のフローの配置は本発明の範囲内である。
【0019】
別段の指定がない限り、「接触する」および「組み合わせる」という用語、ならびにこれらの派生語は、開示された実施形態の2つ以上の構成要素を接触させるかまたは組み合わせるための任意の付加順序、順、または濃度を指すことができる。オリゴマー化成分の組み合わせまたは接触ことは、好適な接条件、例えば温度、圧力、接触時間、流速などの下で1つ以上の反応帯域において行うことができる。
【0020】
請求項の移行用語または句に関して、「含む(including)」、「含有する」、「有する」、または「を特徴とする」と同義である「含む(comprising)」という移行用語は、包括的かつ非制限的であり、引用されていないさらなる要素または方法工程を排除しない。「からなる」という移行句は、その請求項で指定されていないいかなる要素、工程、または成分も排除する。「から本質的になる」という移行句は、特許請求の範囲を、指定された材料または工程、ならびに特許請求される発明の基本的および新規の特徴(複数可)に重大な影響を及ぼさないものに制限する。「から本質的になる」請求項は、「からなる」形式で記載された排他的な請求項と、「含む」形式で起草された完全に非制限的な請求項との間の、中間領域を占める。矛盾する指示がない場合、「から本質的になる」組成物または方法を記載するとき、「含む」と解釈されるものではなく、該用語が適用された組成物または方法を有意に改変しない材料を含む、列挙された構成要素を記載するものと意図される。例えば、材料Aから本質的になるオレフィン供給原料は、材料Aの工業的に製造されたかまたは市販されている試料中に通常存在する不純物を含み得る。請求項が異なる特徴および/または特徴の種類(例えば、他の可能性のうち、方法工程、供給原料の特徴、および/または生成物の特徴)を含む場合、含む、から本質的になる、およびからなるという移行用語は、利用される特徴の種類に対してのみ適用され、請求項内の異なる特徴については、異なる移行用語または句を用いることが可能である。例えば、ある方法は、いくつかの列挙された工程(および他の列挙されていない工程)を含み得るが、特定の工程からなる触媒系調製物を利用してもよく、列挙された構成要素および他の列挙されていない構成要素を含む触媒系を利用してもよい。
【0021】
本明細書において、「含む」または同等の表現の使用は、非制限的な表現への代替的な実施形態として、「から本質的になる(consisting essentially of)」、「から本質的になる(consists essentially of)」、または同等の句の使用を企図する。さらに、本明細書における「含む」もしくは同等の表現、または「から本質的になる」の使用は、それぞれ非制限的な表現または中間的な表現への代替として、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists of)」、または同等の句の使用を企図する。例えば、「含む」は、別段明記されない限り、本明細書に提示される態様、特徴、および/または要素のための代替的な実施形態として、「から本質的になる」および「からなる」を含むものと理解されるべきである。
【0022】
組成物および方法は、様々な構成要素または工程を「含む」として記載されるが、組成物および方法はまた、様々な構成要素または工程「から本質的になる」かまたは「からなる」こともできる。
【0023】
別段明記されない限り、「a」、「an」、および「the」という用語は、複数形、例えば、少なくとも1つを含むことが意図される。例えば、「トリアルキルアルミニウム化合物」の開示は、別段指定されない限り、1つのトリアルキルアルミニウム化合物、または2つ以上のトリアルキルアルミニウム化合物の混合物もしくは組み合わせを包含することを意味する。
【0024】
別段示されない限り、これらの定義が本開示に適用される。ある用語が本開示に使用されるが、本明細書で具体的に定義されていない場合、適用される定義が、本明細書に適用される任意の他の開示または定義と矛盾しない限り、あるいはその定義が適用され得るいずれの請求項も不明瞭または不可能にしない限り、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd Ed(1997)からの定義が適用され得る。参照により本明細書に組み込まれる任意の文書により提供される任意の定義または使用が、本明細書に提供される定義または使用と矛盾する範囲では、本明細書に提供される定義または使用が優先される。
【0025】
周期表の元素の族は、Chemical and Engineering News,63(5),27,1985において公表された元素の周期表のバージョンにおいて示された付番方式を使用して示される。いくつかの場合において、元素の族は、族に割り当てられた一般名、例えば、1族元素についてはアルカリ金属、2族元素についてはアルカリ土類金属、3~12族元素については遷移金属、および17族元素についてはハロゲンを使用して示され得る。
【0026】
本明細書に開示される任意の特定の化合物について、別段示されない限り、提示される一般構造または名称は、特定の置換基のセットから生じ得る全ての構造異性体、配座異性体、および立体異性体を包含することも意図される。したがって、化合物への一般的な言及は、別段明記されない限り、全ての構造異性体を含み、例えば、ヘキセンへの一般的な言及は、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、および6個の炭素原子(直鎖状、分岐状、または環状)および単一の炭素炭素二重結合を有する任意の他の炭化水素を含む。さらに、一般構造または名称への言及は、エナンチオマーまたはラセミ体であるかどうかにかかわらず、文脈が許容または要求するように、全てのエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の光学異性体、ならびに立体異性体の混合物を包含する。提示される任意の特定の式または名称について、提示される任意の意パン式または名称もまた、特定の置換基のセットから生じ得る全ての配座異性体、位置異性体、および立体異性体を包含する。
【0027】
化学的「基」は、その基がこの様式で文字通り合成されていない場合であっても、その基が参照または「親」化合物からどのように形式的に誘導されるかに従って、例えば、その基を生成するために親化合物から形式的に除去された水素原子の数によって記載される。例として、「アルキル基」は、アルカンから1個の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができ、「アルキレン基」は、アルカンから2個の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができる。さらに、親化合物から任意の数(「1個以上」)の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができる多様な基を包含するためにより一般的な用語を使用することができ、この例では「アルカン基として記載することができ、これは「アルキル基」、「アルキレン基」、および状況に応じて3個以上の水素原子がアルカンから除去された材料を包含する。全般にわたって、置換基、リガンド、または他の化学的部分の開示は、特定の「基」を構成することができることは、記載されるようにその基が用いられる場合、化学構造および結合の周知の規則に従うことを意味する。ある基が「によって誘導される」、「から誘導される」、「によって形成される」、または「から形成される」と記載する場合、そのような用語は形式的な意味で使用され、別段指定されない限り、あるいは文脈が別段必要としない限り、任意の特定の合成方法または手順を反映することを意図しない。
【0028】
「オルガニル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、官能基にかかわらず、炭素原子において1つの自由原子価を有する有機置換基である。同様に、「オルガニレン基」とは、官能タイプにかかわらず、1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子のいずれかで2個の水素原子を有機化合物から除去することによって誘導された有機基を指す。「有機基」とは、有機化合物の炭素原子から1個以上の水素原子を除去することによって形成された一般化された基を指す。したがって、「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」は、炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)を含有することができ、すなわち、有機基は、炭素および水素に加えて官能基および/または原子を含み得る。例えば、炭素および水素以外の原子の非限定的な例としては、ハロゲン、酸素、窒素、リンなどが挙げられる。官能基の非限定的な例としては、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、スルフィド、アミン、ホスフィンなどが挙げられる。「オルガニル基」、「オルガニレン基」、または「有機基」は、環式もしくは非環式を含む脂肪族であってもよく、または芳香族であってもよい。「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」はまた、ヘテロ原子含有環、ヘテロ原子含有環系、ヘテロ芳香族環、およびヘテロ芳香族環系を包含する。「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」は、別段指定されない限り、直鎖または分岐鎖であり得る。最後に、「オルガニル基」、「オルガニレン基」、または「有機基」の定義には、それぞれ「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、「炭化水素基」が含まれ、員として「アルキル基」、「アルキレン基」、および「アルカン基」が含まれる。
【0029】
本出願の目的のために、「不活性官能基からなるオルガニル基」という用語のまたはその変形は、官能基に存在する炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)が、金属化合物と錯体を形成せず、かつ/または本明細書に定義される処理条件下で不活性である、炭素および水素以外の官能基(複数可)および/または原子(複数可)に制限されるオルガニル基を指す。したがって、「不活性官能基からなるオルガニル基」という用語またはその変形は、不活性官能基からなるオルガニル基内に存在し得る特定のオルガニル基をさらに定義する。さらに、「不活性官能基からなるオルガニル基」という用語は、オルガニル基内の1つ以上の不活性官能基の存在を指してもよい。「不活性官能基からなるオルガニル基」という用語またはその変形の定義は、(他の基の中でも)ヒドロカルビル基を員として含む。同様に、「不活性官能基からなるオルガニレン基」とは、不活性官能基からなる有機化合物の1個または2個の炭素原子から2個の水素原子を除去することによって形成される有機基を指し、「不活性官能基からなる有機基」とは、不活性官能基からなる有機化合物の1個以上の炭素原子から1個以上の水素原子を除去することによって形成される不活性官能基からなる一般化された有機基を指す。
【0030】
本出願の目的のために、「不活性官能基」は、不活性官能基を有する材料が関与し、かつ/または金属錯体の金属化合物と錯体を形成しない、本明細書に記載されるプロセスに実質的に干渉しない基である。「金属化合物と錯体を形成しない」という用語は、金属化合物と錯体を形成することができる基を含み得るが、本明細書に記載される特定の分子においてリガンド内のその位置関係により金属化合物と錯体を形成しない。例えば、エーテル基は金属化合物と錯体を形成することができるが、単一の金属化合物は単一の金属化合物中のパラエーテル基およびN2-ホスフィニルアミジン基の両方と錯体を形成することができないため、N2-ホスフィニルアミジン中の置換フェニルホスフィニル基のパラ位に位置するエーテル基は、不活性官能基であり得る。したがって、特定の官能基の不活性は、官能基が本質的に金属化合物と錯体化することができないことに関連するだけでなく、金属錯体内の官能基の位置にも関連し得る。本明細書に記載されるプロセスに実質的に干渉しない不活性官能基の非限定的な例としては、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード)、ニトロ、ヒドロカルボキシ基(例えば、中でも、アルコキシおよび/またはアロキシ)、スルフィジル基、および/またはヒドロカルビル基が挙げられ得る。
【0031】
「炭化水素」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、炭素および水素のみを含有する化合物を指す。炭化水素中の特定の基の存在を示すために他の識別子を利用することができる(ハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の同等の数の水素原子を置換する1個以上のハロゲン原子の存在を示す)。「ヒドロカルビル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、炭化水素から水素原子を除去することによって形成された1価の基である。同様に、「ヒドロカルビレン基」とは、1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子のいずれかで2個の水素原子を炭化水素から除去することによって形成された基を指す。したがって、本明細書で使用される用語法に従い、「炭化水素基」とは、炭化水素から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された一般化された基を指す。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、非環式もしくは環式基であり得、かつ/または直鎖または分枝鎖であり得る。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、炭素および水素のみを含有する環、環系、芳香族環、および芳香族環系を含むことができる。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」には、例として、他の基の中でも、アリール、アリーレン、アレーン、アルキル、アルキレン、アルカン、シクロアルキル、シクロアルキレン、シクロアルカン、アラルキル、アラルキレン、およびアラルカン基が員として含まれる。
【0032】
「アルカン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、飽和炭化水素化合物を指す。アルカン中の特定の基の存在を示すために他の識別子を利用することができる(ハロゲン化アルカンは、アルカン中の同等の数の水素原子を置換する1個以上のハロゲン原子の存在を示す)。「アルキル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、アルカンから水素原子を除去することによって形成された1価の基である。同様に、「アルキレン基」とは、(1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子から1個の水素原子のいずれかで)2個の水素原子をアルカンから除去することによって形成された基を指す。「アルカン基」とは、アルカンから1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された基を指す一般用語である。「アルキル基」、「アルキレン基」、および「アルカン基」は、別段指定されない限り、非環式もしくは環式基であり得、かつ/または直鎖または分枝鎖であり得る。第一級、第二級、および第三級アルキル基は、それぞれアルカンの第一級、第二級、または第三級炭素原子から水素原子を除去することによって誘導される。n-アルキル基は、直鎖アルカンの末端炭素原子から水素原子を除去することによって誘導され得る。
【0033】
脂肪族化合物は、芳香族化合物を除いた、非環式または環式の、飽和または不飽和炭素化合物である。したがって、脂肪族化合物は、芳香族化合物を除いた、非環式または環式の、飽和または不飽和炭素化合物であり、すなわち、脂肪族化合物は、非芳香族有機化合物である。「脂肪族基」とは、脂肪族化合物の炭素原子から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された一般化された基である。脂肪族化合物、およびしたがって脂肪族基は、炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)を含有することができる。
【0034】
「置換された」という用語は、化合物または基を説明するために使用される場合、例えば、特定の化合物または基の置換類似体を指す場合、その基中の水素を形式的に置換する任意の非水素部分を説明することを意図し、非限定的であることが意図される。1つまたは複数の基はまた、本明細書において、「非置換(unsubstituted)」として、または非水素部分がその基内の水素を置換しない元の基を指す「非置換(non-substituted)」などの同等の用語によって表すこともできる。「置換された」とは、非限定的であることが意図され、無機置換基または有機置換基が含まれる。
【0035】
「オレフィン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、芳香族環または芳香族環系の一部ではない少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する炭化水素を指す。別段に具体的に示されない限り、「オレフィン」という用語は、芳香族環または環系の一部ではない少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する脂肪族および芳香族、環式および非環式、かつ/または直鎖および分岐鎖の炭化水素を含む。1つのみ、2つのみ、3つのみなどの炭素-炭素二重結合を有するオレフィンは、オレフィンの名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」などの用語を使用することによって識別され得る。オレフィンは、炭素-炭素二重結合(複数可)の位置によってさらに識別され得る。
【0036】
「アルケン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素オレフィンを指す。1つのみ、2つのみ、3つのみなどの炭素-炭素二重結合を有するアルケンは、名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」などの用語を使用することによって識別され得る。アルケンは、炭素-炭素二重結合(複数可)の位置によってさらに識別され得る。アルケン中の特定の基の存在または不在を示すために他の識別子を利用してもよい。例えば、ハロアルケンとは、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたアルケンを指す。
【0037】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「アルファオレフィン」という用語は、炭素原子の最も長い連続する鎖の第1の炭素原子と第2の炭素原子との間に炭素-炭素二重結合を有するオレフィンを指す。別段明記されない限り、「アルファオレフィン」という用語には、直鎖および分岐鎖アルファオレフィンが含まれる。分岐鎖アルファオレフィンの場合、分岐は、オレフィン二重結合に対して2位(ビニリデン)および/または3位以上にあり得る。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ビニリデン」という用語は、オレフィン二重結合に対して2位に分枝を有するアルファオレフィンを指す。別段明示されない限り、「アルファオレフィン」という用語自体では、他の炭素-炭素二重結合の存在または不在を示さない。
【0038】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ノルマルアルファオレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間に炭素-炭素二重結合を有する直鎖脂肪族モノオレフィンを指す。「直鎖アルファオレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間の二重結合および追加の二重結合を有する直鎖オレフィン化合物を含み得るので、「ノルマルアルファオレフィン」は、「線状アルファオレフィン」と同義ではないことに留意されたい。
【0039】
「反応帯域流出物」という用語およびその派生語は、一般に、反応混合物を排出する反応帯域出口を介して反応帯域を出る全ての物質を指し、反応系供給物(複数可)(例えば、エチレン、触媒系もしくは触媒系成分、および/もしくは有機反応媒体)、ならびに/または反応生成物(例えば、オリゴマーおよび非オリゴマーを含むオリゴマー生成物)を含むことができる。「反応帯域流出物」という用語およびその派生語は、追加の修正用語を使用することによってある特定の部分を指すように修正することができる。例えば、反応帯域流出物とは、反応帯域出口/排出部を介して反応系を出る全ての物質を指す一方、反応帯域オリゴマー生成物流出物とは、反応帯域流出物内のオリゴマー生成物のみを指す。
【0040】
「室温」または「周囲温度」という用語は、本明細書において、外部の熱源または冷却源が反応容器に直接適用されない、15℃~35℃の任意の温度を表すために使用される。したがって、「室温」および「周囲温度」という用語は、外部の熱源または冷却源が反応に直接適用されない、個々の温度、ならびに15℃~35℃のあらゆる全ての範囲、部分範囲、および部分範囲の組み合わせを包含する。「大気圧」という用語は、本明細書において、外部の圧力変更手段が利用されていない地球の気圧を表すために使用される。一般に、極端な地上高度で実施されない限り、「大気圧」は約1気圧(あるいは、約14.7psiまたは約101kPa)である。
【0041】
最小値として提供される本開示内の特徴は、「少なくとも」本明細書に開示される特徴の任意の記載された最小値、または「それ以上」として代替的に述べることができる。最大値として提供される本開示内の特徴は、本明細書に開示された特徴に対して「それ以下」として代替的に述べることができる。
【0042】
本開示内では、有機命名法の通常の規則が優先される。例えば、置換化合物または基に言及する場合、置換パターンへの言及は、示される基(複数可)が示された位置に位置し、全ての他の示されていない位置が水素であることを示す。例えば、4-置換フェニル基への言及は、4位に位置する非水素置換基、ならびに2、3、5、および6位に位置する水素が存在することを示す。示された位置に加えた位置に置換基を有する化合物または基への言及は、含むまたは他の代替言語を使用して参照することができる。例えば、4位に置換基を含むフェニル基への言及は、4位に非水素置換基を有し、2、3、5、および6位に水素または任意の非水素基を有するフェニル基を指す。
【0043】
特許請求の範囲の任意の要素に関する「任意に」という用語の使用は、対象要素が必要とされるか、代替的には必要とされないことを意味することが意図される。両方の代替が、請求項の範囲内にあることが意図される。
【0044】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、本明細書に独立して記載される工程、特徴、化合物、および/または器具を利用することができる。本明細書に記載されるプロセスおよび/または方法は、工程の識別子(例えば、中でも、1)、2)など、a)、b)など、i)、ii)など、または第1、第2など)、特徴の識別子(例えば、中でも、1)、2)など、a)、b)など、i)、ii)など、または第1、第2など)、ならびに/または化合物および/もしくは組成物の識別子(例えば、中でも、1 )、2)など、a)、b)など、i)、ii)など、または第1、第2など)を含んでも含まなくてもよい。しかしながら、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、複数の工程、特徴(例えば、他の考慮事項の中でも、試薬比、形成条件)、ならびに/または記述子を使用しないか、もしくは同じ一般識別子を有することがある複数の化合物および/もしくは組成物を有し得ることに留意されたい。結果として、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、本明細書に記載される特定の態様および/または実施形態において利用される工程、特徴、および/または化合物の識別子にかかわらず、適切な工程または特徴の識別子(例えば、中でも、1)、2)など、a)、b)など、または第1、第2など)、特徴の識別子(例えば、中でも、1)、2)など、a)、b)など、i)、ii)、ii)など、または第1、第2など)、ならびに/または化合物の識別子(例えば、第1、第2など)を使用するように変更され得ること、ならびに一般的な開示を減じることなくプロセス、系、および/または反応系内で利用される個々の異なる工程/特徴/化合物を示すために工程または特徴の識別子が追加および/または変更され得ることに留意されたい。
【0045】
エチレンオリゴマー生成物を生成するためのプロセス、系、および/または反応系が本明細書に記載される。かかるプロセスは、一般に、エチレンと触媒系とを接触させて、オリゴマー化条件下でエチレンオリゴマー生成物を形成することを含む。本明細書で使用される場合、「オリゴマー化」という用語およびその派生語は、2~30個のエチレン単位を含有する生成物を少なくとも70重量パーセント含有する生成物の混合物を生成するプロセスを指す。同様に、本明細書で使用される場合、「エチレンオリゴマー」は、2~3 0個のエチレン単位を含有する生成物である一方、「エチレンオリゴマー生成物」は、「エチレンオリゴマー」を含むプロセスによって生成された全ての生成物、および「エチレンオリゴマー」ではない生成物(例えば、30個超のモノマー単位を含有する生成物)を含む。さらに、「エチレンオリゴマー生成物」および「エチレンオリゴマー化生成物」という用語は、交換可能に使用することができる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「三量体化」という用語およびその派生語は、3個、かつ3個のみのエチレン単位を含有する生成物を少なくとも70重量パーセント含有する生成物の混合物を生成するプロセスを指す。本明細書中で使用される場合、「三量体」は、3個、かつ3個のみのエチレン単位を含有する生成物である一方、「三量化生成物」には、三量体および三量体ではない生成物(例えば、二量体または四量体)を含む、三量体化プロセスによって作製された全ての生成物が含まれる。一般に、エチレンを使用する「三量体化」プロセスは、少なくとも70重量パーセントのヘキセン(複数可)を含有するオリゴマー生成物を生成する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「四量体化」という用語およびその派生語は、4個、かつ4個のみのエチレン単位を含有する生成物を少なくとも70重量パーセント含有する生成物の混合物を生成するプロセスを指す。本明細書中で使用される場合、「四量体」は、4個、かつ4個のみのエチレン単位を含有する生成物である一方、「四量化生成物」には、四量体および四量体ではない生成物(例えば、二量体または三量体)を含む、四量体化プロセスによって作製された全ての生成物が含まれる。一般に、エチレンを使用する「四量体化」プロセスは、少なくとも70重量パーセントのオクテン(複数可)を含有するオリゴマー生成物を生成する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「三量体化および四量体化」という用語およびその派生語は、3および/または4個、かつ3および/または4個のみのエチレン単位を含有する生成物を少なくとも70重量パーセント含有するオリゴマー生成物を生成するプロセスを指す。本明細書中で使用される場合、「三量体化および四量体化生成物」には、三量体、四量体、および三量体または四量体ではない生成物(例えば、二量体)を含む、「三量体化および四量体化」プロセスによって作製された全ての生成物が含まれる。一般に、エチレンを使用する「三量体化および四量体化」プロセスは、少なくとも70重量パーセントのヘキセン(複数可)および/またはオクテン(複数可)を含有するオリゴマー生成物を生成する。
【0049】
本明細書中で使用される場合、任意の形態の質量および重量(例えば、質量または重量、質量比または重量比)は、交換可能に使用することができる。
【0050】
本明細書で使用される場合、「C3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない」、「C3+オレフィン、および反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比のC3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない」、「反応帯域のC3+オレフィン、および/またはC3+オレフィン:エチレン重量比のC3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない」という句、および本明細書で使用される同様の用語は、本明細書に開示される特定の態様および実施形態において使用されるC3+オレフィンを指す。特に、これらの句は、それらが指すC3+オレフィンが、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではないことを具体的に示す。すなわち、それらが指すC3+オレフィンは、反応帯域で形成されたエチレンオリゴマーの同一性を有することができる一方、それらが指すC3+オレフィンは、反応帯域において生じるオリゴマー化反応の結果として反応において形成されなかった。例えば、1-ヘキセンおよび/または1-オクテンを含むオレフィンは、1-ヘキセンおよび/または1-オクテンを生成する反応に添加することができるが、1-ヘキセンおよび/または1-オクテンが反応に添加されたため、それは反応帯域内でその場で生成されたエチレンオリゴマーではなく、したがって記載された句で考慮されることになる一方、反応帯域内で生成された1-ヘキセンおよび/または1-オクテンは、記載された句で考慮されない。
【0051】
本明細書に記載される様々な態様および実施形態は、置換基または化合物を指し得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。一実施形態では、各ヒドロカルビル置換基は、C1~C10ヒドロカルビル基、または代替的にはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、各ヒドロカルボキシ基は、C1~C10ヒドロカルボキシ基、または代替的にはC1~C5ヒドロカルボキシ基であり得る。
【0052】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のハロゲン化物置換基は、フッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物、代替的にはフッ化物または塩化物であり得る。いくつかの実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のハロゲン化物置換基は、フッ化物、代替的には塩化物、代替的には臭化物、または代替的にはヨウ化物であり得る。
【0053】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のヒドロカルビル置換基は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基、代替的にはアルキル基、代替的にはアリール基、または代替的にはアラルキル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアルキル置換基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-1-ブチル基、tert-ペンチル基、3-メチル-1-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、もしくはネオ-ペンチル基、代替的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、もしくはネオ-ペンチル基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはイソプロピル基、代替的にはtert-ブチル基、または代替的にはネオ-ペンチル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアリール置換基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的にはフェニル基、代替的にはトリル基、代替的にはキシリル基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアラルキル置換基は、ベンジル基もしくはエチルフェニル基(2-フェニルエチル-1-イルもしくは1-フェニルエチル-1-イル)、代替的にはベンジル基、代替的にはエチルフェニル基、代替的には2-フェニルエチル-1-イル基、または代替的には1-フェニルエチル-1-イル基であり得る。
【0054】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のヒドロカルボキシ置換基は、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはアラルコキシ基、代替的にはアルコキシ基、代替的にはアリールオキシ基またはアラルコキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、2-ペントキシ基、3-ペントキシ基、2-メチル-1-ブトキシ基、tert-ペントキシ基、3-メチル-1-ブトキシ基、3-メチル-2-ブトキシ基、もしくはネオ-ペントキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基、もしくはネオ-ペントキシ基、代替的にはメトキシ基、代替的にはエトキシ基、代替的にはイソプロポキシ基、代替的にはtert-ブトキシ基、または代替的にはネオ-ペントキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアリールオキシ置換基は、フェノキシ基、トルオキシ(toloxy)基、キシルオキシ(xyloxy)基、もしくは2,4,6-トリメチルフェノキシ基、代替的にはフェノキシ基、代替的にはトルオキシ基、代替的にはキシルオキシ基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェノキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアラルコキシ置換基は、ベンゾキシ基であり得る。
【0055】
本明細書に開示される態様は、「または」という用語で限定された実施形態の特定の特徴を満たすために好適であるものとして列挙される材料を提供することができる。例えば、開示される主題の特定の特徴は、以下のように開示され得る:特徴Xは、A、B、またはCであり得る。また、各特徴について、「特徴XはA、代替的にB、または代替的にCである」という文が、それが明示的に記載されているかどうかにかかわらず、本開示の実施形態でもあるような代替案のリストとして記述することもできることが企図される。
【0056】
線状ノルマルアルファオレフィン(NAO)を含むエチレンオリゴマー生成物を形成するためのエチレンのオリゴマー化のためのプロセス、系、および/または反応系が本明細書に開示される。特に、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、エチレンを選択的に三量体化、四量体化、または三量体化および四量体化して、ヘキセン(例えば、1-ヘキセン)および/またはオクテン(例えば、1-オクテン)を含有するエチレンオリゴマー生成物を生成することができる。本明細書に開示される触媒系を使用する選択的エチレンオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系は、特定の反応器供給条件に感受性であることが予期せず見出された。多量のポリマーは、選択的エチレンオリゴマー化の反応帯域の始動中に形成し得ることが予期せず見出された。このポリマー形成は、反応帯域のオンストリーム時間が増加するにつれて減少する。特に、理論に縛られることは望まないが、有意な量のC3+オレフィンが存在しない場合、本明細書に開示される触媒系は、ポリマーを生成する傾向がより大きいと考えられている。その結果、C3+オレフィンがごくわずかに存在する場合、反応帯域の始動中に、触媒系は大量のポリマーを生成する。選択的エチレンオリゴマー化の初期段階中(例えば、選択的エチレンオリゴマー化反応帯域の開始中)にC3+オレフィンが存在すると、形成されるポリマーの量を減少させることができ、選択的エチレンオリゴマー化のためのプロセス、系、および/または反応系の動作の改善をもたらすことができる。理論に限定されることなく、本明細書に開示される選択的オリゴマー化触媒系の使用により、エチレンの濃縮部分を触媒系と接触させると、ポリマーが形成し得るとも考えられている。したがって、高濃度のエチレンと選択的エチレンオリゴマー化触媒系との接触は、反応帯域成分のポリマー閉塞および/または汚れをオリゴマー生成における制限因子とし得る別の状況であり得る。この後者の状況において、エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体と接触させる(または希釈する)と、高濃度のエチレンを触媒系と接触させる場合と比較してポリマー形成を減少させることができ、プロセス、系、および/または反応系の動作の改善を提供することができることが発見されている。さらに、1)選択的エチレンオリゴマー化の初期段階中のC3+オレフィンの存在、および2)選択的エチレンオリゴマー化の初期段階中、選択的エチレンオリゴマー化の初期段階後、またはその両方で、エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体と接触させる(または希釈する)ことにより、選択的エチレンオリゴマー化のためのプロセス、系、および/または反応系の動作の改善をもたらすことができることが見出されている。開示されたプロセス、系、および/または反応系は、1)選択的エチレンオリゴマー化反応の始動中に形成されるポリマーの量を低減させ、2)選択的エチレンオリゴマー化反応の通常動作中に形成されるポリマーの量を低減させ、かつ/または3)ヘキセンおよび/またはオクテンの生産性および/または生成を増加させ、したがって反応帯域および/または反応系成分の汚れおよび/または閉塞を回避することができる。
【0057】
開示されるプロセス、系、および反応系(例えば、
図1~
図3に示されるもの)は、a )i)エチレンと、ii)(a)N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせ、および(b)アルミノキサンを含む触媒系と、iii)有機反応媒体と、iv)任意に水素と、を接触させることと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。一実施形態では、C
3+オレフィンは、一定時間の間、開示されるプロセス、系、および反応系の反応帯域中に存在してもよく、C
3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない。本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系の組み合わせ可能な実施形態では、反応帯域は、一定時間にわたって、少なくとも初期の値(本明細書に開示されるいずれか)から最終値(本明細書に開示されるいずれか)未満へと減少するC
3+オレフィン:エチレンの重量比を有し得る。本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系の一実施形態では、一定時間は、反応帯域がエチレンオリゴマー生成物を生成していない時点、および/またはエチレンの流量がゼロの時点で開始することができる。
【0058】
開示されるプロセスは、a)C3+オレフィンおよび任意に有機反応媒体を含有する反応帯域であって、エチレンを実質的に含まない場合がある反応帯域内に、i)エチレンと、ii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサンを含む触媒系と、iii)有機反応媒体と、およびiv)任意に水素と、を導入することと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。このプロセスの実施形態では、C3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない。このプロセスの組み合わせ可能な実施形態では、反応帯域は、一定時間にわたって、少なくとも初期の値(本明細書に開示されるいずれか)から最終値(本明細書に開示されるいずれか)未満へと減少するC3+オレフィン:エチレンの重量比を有し得る。
【0059】
開示されるプロセスまたは系は、a)反応帯域においてi)C3+オレフィンと、ii)エチレンと、iii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物の複合体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサンを含む触媒系と、iv)有機反応媒体と、v)任意に水素と、を反応帯域内に接触させることと、c)エチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。別の開示されるプロセスは、a)反応帯域において、i)エチレンと、ii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサンを含む触媒系と、iii)有機反応媒体と、iv)任意に水素と、を接触させることと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得、エチレン、触媒系、および有機反応媒体が反応帯域内に導入され、一定時間の間、C3+オレフィンが反応帯域内に導入される。一実施形態では、エチレン、有機反応媒体、および一定時間の間、C3+オレフィンを反応帯域内に別々に導入してもよく、代替的には、エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンおよび有機反応媒体の少なくとも一部を接触させて供給原料混合物を形成してもよく、供給原料混合物は反応帯域内に導入されてもよく、一定時間の間、C3+オレフィンを別々に反応帯域に導入してもよく、または代替的には、エチレンを触媒系と接触させる前にエチレン、有機反応媒体の少なくとも一部、および一定時間の間、C3+オレフィンを接触させて供給原料混合物を形成してもよく、供給原料混合物は反応帯域内に導入されてもよい。エチレンおよびC3+オレフィンが反応帯域内に別々に導入される場合、プロセスは、エチレン、触媒系、またはエチレンおよび触媒系の両方を反応帯域に導入する前に、C3+オレフィンを反応帯域に導入することをさらに含み得る。一実施形態では、反応帯域は、一定時間にわたって、少なくとも初期の値(本明細書に開示されるいずれか)から最終値(本明細書に開示されるいずれか)未満へと減少するC3+オレフィン:エチレンの重量比を有することができ、C3+オレフィンおよび反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比のC3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない。
【0060】
開示されるプロセスは、a)触媒系を反応帯域に供給することであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサンを含む、供給することと、b)一定時間の間、エチレンと、i)C3+オレフィン、およびii)有機反応媒体の少なくとも一部、またはiii)i)およびii)の組み合わせとを含む供給原料混合物を反応帯域に別々に供給することとであって、該供給原料混合物は触媒系を実質的に含まない、供給することと、c)反応帯域において触媒系および供給原料混合物を接触させることと、d)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。別の開示されるプロセスは、a)i)エチレンと、有機反応媒体の少なくとも一部と、一定時間の間、C3+オレフィンと、を接触させて供給原料混合物を形成することと、b)a)に続いて、反応帯域において供給原料混合物を、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサンを含む触媒系と接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。さらなる開示されるプロセスは、a)反応帯域においてエチレンを触媒系と接触させる前に、i)有機反応媒体の少なくとも一部、ii)一定時間の間、C3+オレフィン、またはiii)一定時間の間、有機反応媒体の少なくとも一部およびC3+オレフィンの添加によってエチレンを希釈して供給原料混合物を形成することと、b)反応帯域において供給原料混合物を触媒系と接触させることであって、該触媒系が、i)クロム化合物を含むクロム成分、ii)ヘテロ原子リガンド、およびii)アルミノキサンを含む(代替的には触媒系は、i)ヘテロ原子リガンドクロム化合物錯体、およびii)アルミノキサンを含む)、接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み得る。開示される系は、a)エチレン、有機反応媒体、および一定時間の間、C3+オレフィンを含む供給原料混合物と、b)i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサンを含む触媒系と、c)触媒流が別に供給原料混合物を受ける反応帯域と、を含み得る。一実施形態では、系は、反応帯域において形成されたエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物ラインをさらに含み得る。プロセスおよび系のいくつかの実施形態では、1)供給原料混合物を反応帯域内に導入/供給する前に、一定時間の間、C3+オレフィンが供給原料混合物中に分散されてもよく、かつ/または2)エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンが供給原料混合物内で分散されてもよい。プロセスおよび系の別の組み合わせ可能な実施形態では、供給原料混合物の反応帯域内への導入前に、エチレンが供給原料混合物内で分散されてもよい。プロセスおよび系の一実施形態では、一定時間は、反応帯域の始動中に生じ得る。
【0061】
開示されるプロセスは、a)触媒系を反応帯域に供給することであって、該触媒系は、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサンを含む、供給することと、b)反応帯域に、i)エチレン、ii)有機反応媒体、およびiii)一定時間の間、C 3+オレフィンを供給して、触媒系と接触させることと、を含み得る。一実施形態では、一定時間は、反応帯域の始動中に生じ得る。別の開示されるプロセスは、反応帯域の始動のためのものであってもよく、該プロセスは、反応帯域において、1)エチレンと、2)a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびb)アルミノキサンを含む触媒系と、3)有機反応媒体と、4)任意に水素と、を接触させて、エチレンオリゴマー生成物を形成することであって、該触媒系は反応帯域に導入/供給されてもよく、i)エチレン、ii)有機反応媒体の少なくとも一部、およびiii)一定時間の間、C3+オレフィンを含む供給原料混合物は反応帯域に導入/供給され、該供給原料混合物は、反応帯域において供給原料混合物を触媒系と接触させる前に触媒系を実質的に含まない、形成することと、を含み得る。これらのプロセスの一実施形態では、C3+オレフィンが反応帯域に導入/供給された供給原料混合物の一部である一定時間の間、供給原料混合物を反応帯域内に導入/供給する前に、C3+オレフィンが供給原料混合物中に分散されてもよく、かつ/またはエチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンが供給原料混合物内で分散されてもよい。
【0062】
開示される反応系は、反応帯域と、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサンを含む触媒系を反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、エチレン、有機反応媒体、および任意に水素を反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、第1の反応帯域入口、第2の反応帯域入口、またはC3+オレフィンを反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と流体連通するC3+オレフィン供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含み得る。一実施形態では、反応系は、触媒系を第1の反応帯域入口に流す触媒系供給ラインと、エチレンを含むエチレン供給ラインと、有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ラインと、をさらに含んでもよく、有機反応媒体供給ラインおよびエチレン供給ラインは組み合わされて、第2の反応帯域入口を介して反応帯域に導入され得る供給原料混合物を得ることができ、C3+オレフィン供給ラインは、触媒系供給ライン、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、または第2の反応帯域入口を介して反応帯域に流す前に供給原料混合物を混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給ラインのうちの少なくとも1つと組み合わされ得る。組み合わせ可能な実施形態では、反応系は、第2の反応帯域入口と流体連通し、エチレン供給ラインおよび有機反応媒体供給ラインが接合する点の上流に位置して供給原料混合物を生成することができるポンプと、i)エチレン供給ラインおよび有機反応媒体供給ラインの間の接合と、ii)第2の反応帯域入口との間に配置されて、供給原料混合物が反応帯域に入る前にエチレンおよび有機反応媒体を分散させる混合装置と、をさらに含み得る。別の組み合わせ可能な反応系の実施形態では、定常状態動作中に、第1の反応帯域入口は、周期的または連続的に触媒系を反応帯域に導入するように構成されてもよく、第2の反応帯域入口は、周期的または連続的に供給原料混合物を反応帯域に導入するように構成され、1つ以上の反応帯域出口は、周期的または連続的に反応帯域からの反応帯域流出物を排出するように構成されてもよい。
【0063】
別の開示される反応系は、反応帯域と、触媒系、エチレン、有機反応媒体、およびC3+オレフィンを反応帯域に導入するように構成された反応帯域入口と、エチレンを含むエチレン供給ライン、C3+オレフィンを含むC3+オレフィン供給ライン、有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ライン、および任意に水素を含む水素供給ラインであって、これらは全て反応帯域入口と流体連通し、有機反応媒体供給ラインは、エチレン供給ラインと組み合わされて、反応帯域入口と流体連通する供給原料混合物供給ラインを形成し得る、エチレン供給ライン、C3+オレフィン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、および任意に水素供給ラインと、反応帯域入口と流体連通する触媒系を含む触媒系供給ラインであって、触媒系供給ラインは、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、または供給原料混合物供給ラインを混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給材料と組み合わされる、触媒系供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含み得、該触媒系は、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせ、および(b)アルミノキサンを含み、該C3+オレフィン供給ラインは、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、分散供給原料混合物供給ライン、または触媒系供給ラインおよび分散供給原料混合物供給ラインを接合することによって形成された混合供給ラインのうちの1つ以上と接合し得る。一実施形態では、反応系は、i)エチレン供給ラインおよび有機反応媒体供給ラインの接合と、ii)反応帯域入口との間に位置して、供給原料混合物が触媒系と接合し、反応帯域に入る前に、供給原料混合物内にエチレンを分散させる混合装置をさらに含み得る。組み合わせ可能な実施形態では、反応帯域入口は、周期的または連続的に触媒系および供給原料混合物を反応帯域に導入するように構成されてもよく、1つ以上の反応帯域出口は、周期的または連続的に反応帯域からの反応帯域流出物を排出するように構成されてもよい。
【0064】
さらなる開示される反応系は、反応帯域と、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、または(b)アルミノキサンを含む触媒系を反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、エチレンおよび任意に水素を反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、有機反応媒体を反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と、第1の反応帯域入口、第2の反応帯域入口、第3の反応帯域入口、またはC3+オレフィンを反応帯域に直接導入するように構成された第4の反応帯域入口のうちの1つ以上と流体連通するC3+オレフィン供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含み得る。一実施形態では、反応系は、触媒系を第1の反応帯域入口に流す触媒系供給ラインと、エチレンを第2の反応帯域入口に流すエチレン供給ラインと、有機反応媒体を第3の反応帯域入口に流す有機反応媒体供給ラインと、を含んでもよく、C3+オレフィン供給ラインは、i)触媒系供給ライン、エチレン供給ライン、または有機反応媒体供給ラインのうちの少なくとも1つと組み合わされてもよく、またはii)第4の反応帯域入口に直接流れてもよい。
【0065】
一実施形態では、本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系は、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を除去する/抜き出すことをさらに含み得る。一実施形態では、本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系は、連続的なプロセス、系、および/または反応系であってもよく、供給物(例えば、エチレン、触媒系または触媒系成分、有機反応媒体、C3+(プロセス、系、および/または反応系に適用できる場合)、および任意の他の供給物が周期的または連続的に反応帯域に導入/供給されてもよく、エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物は、周期的または連続的に反応帯域から除去され/抜き出されてもよい。
【0066】
本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系の一実施形態では、反応帯域は、一定時間にわたって減少するC3+オレフィン:エチレンの重量比を有するか、または代替的には、初期の値(本明細書に開示されるいずれか)から最終値(本明細書に開示されるいずれか)未満へと減少する、反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレンの重量比を有し得る。一般に、反応帯域のC3+オレフィン、および/またはC3+オレフィン:エチレン重量比のC3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない。組み合わせ可能な実施形態では、本明細書に開示される適用可能なプロセス、系、および/または反応系は、反応帯域内に供給/導入された(別々に、供給原料混合物中で一緒に、またはその両方で)エチレンおよびC3+オレフィンを有し得、反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレンの重量比は減少し得るか、または代替的には、一定時間にわたって少なくとも初期の値から最終値未満まで減少し得る。さらなる組み合わせ可能な実施形態では、C3+オレフィン:エチレンの重量比、および/または反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレンの重量比は、段階的に減少し得るか、または相対的には、周期的または連続的に減少し得る。
【0067】
一般に、触媒系、触媒系成分(例えば、中でも、クロム成分、アルミノキサン)、有機反応媒体、エチレンオリゴマー生成物、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)条件、C3+オレフィン、反応帯域、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比、反応帯域時間、供給原料混合物のC3+オレフィン:エチレン重量比、供給混合物時間、エチレン対有機反応媒体の質量比、(エチレン+C3+オレフィン)対有機反応媒体の質量比、反応系の成分、ならびに本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系のために本明細書に開示される任意の他の特徴は、本明細書において独立して記載される。さらに、プロセス、系、および/または反応系において利用され得るさらなる工程は、本明細書において独立して開示される。これらの独立した説明は、本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用することができる。特に、これらの独立した説明は、一定時間の間、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではないC3+オレフィンが反応帯域に存在する、プロセス、系、および/または反応系をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用することができる。
【0068】
反応帯域時間中、反応帯域におけるC3+オレフィン:エチレンの重量比は、少なくとも初期の値から最終値未満へと減少し得る。一実施形態では、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の少なくとも初期の値は独立して、本明細書に開示される少なくとも初期の値のいずれかであり得、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の最終値未満は独立して、本明細書に開示される最終値未満のいずれかであり得る。一実施形態では、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の少なくとも初期値は、少なくとも0.5:1、0.75:1、1:1、1.5:1、2:1、3:1、5:1、10:1、25:1、50:1、または100:1の値であり得る。一実施形態では、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の最終値未満は、0.2:1、0.15:1、0.1:1、0.08:1、0.06:1、0.04:1、0.02:1、または0.01:1の値であり得る。一実施形態では、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比は、本明細書に開示される初期値より大きい任意の反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比から、本明細書に開示される最終値未満より小さい任意の反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比へと減少し得る。したがって、いくつかの非限定的な実施形態では、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比は、少なくとも0.5:1から0.2:1未満へ、少なくとも1:1から0.2:1未満へ、少なくとも2:1から0.15:1未満へ、少なくとも3:1から0.1:1未満へ、少なくとも5:1から0.15:1未満へ、少なくとも10:1から0.2:1未満へ、または少なくとも100:1から0.1:1未満へと減少し得る。反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比が反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の初期の値から反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の最終値へと減少し得る他の実施形態は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明白である。一実施形態では、反応帯域時間は、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比が、初期の値よりも大きい反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比を下回ったときに開始することができる。一実施形態では、反応帯域時間は、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比が、最終値未満に低下したときに終了することができる。一実施形態では、反応帯域時間は、反応帯域がエチレンオリゴマー生成物を生成していないとき、および/または反応帯域へのエチレンの流量がゼロであるときに開始することができる。一実施形態では、反応帯域時間は、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比が約1:0から約0:1へと減少する時間を包含することができる。一実施形態では、反応帯域時間は、反応帯域の始動を表す。
【0069】
エチレンおよびC3+オレフィンが反応帯域に供給/導入される(別々に、供給原料混合物中で一緒に、またはその両方で)任意の実施形態では、反応帯域に供給/導入された(別々に、供給原料混合物中で一緒に、またはその両方で)C3+オレフィン:エチレン重量比は、一定時間にわたって少なくとも初期の値から最終値未満まで減少し得る。一実施形態では、反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレン重量比の少なくとも初期の値は独立して、本明細書に開示される少なくとも初期の値のいずれかであり得、反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレン重量比の最終値未満は独立して、本明細書に開示される最終値未満のいずれかであり得る。一実施形態では、少なくとも初期値は、少なくとも0.5:1、0.75:1、1:1、1.5:1、2:1、3:1、5:1、10:1、25:1、50:1、または100:1の値であり得る。一実施形態では、最終値未満は、0.2:1、0.15:1、0.1:1、0.08:1、0.06:1、0.04:1、0.02:1、または0.01:1の値であり得る。一実施形態では、C3+オレフィン:エチレン重量比は、本明細書に開示される初期値より大きいいずれかから、本明細書に開示される最終値未満より小さいいずれかへと減少し得る。したがって、いくつかの非限定的な実施形態では、反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレン重量比は、少なくとも0.5:1から0.2:1未満へ、少なくとも1:1から0.2:1未満へ、少なくとも2:1から0.15:1未満へ、少なくとも3:1から0.1:1未満へ、少なくとも5:1から0.15:1未満へ、少なくとも10:1から0.2:1未満へ、少なくとも100:1から0.1:1未満へと減少し得る。反応帯域に供給/導入されたC3+オレフィン:エチレン重量比が初期の値から最終値へと減少し得る他の実施形態は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明白である。C3+オレフィンおよびエチレンが反応帯域に供給/導入される一実施形態では、一定時間は、C3+オレフィン:エチレン重量比が初期の値超を下回ったときに開始することができる。C3+オレフィンおよびエチレンが反応帯域に供給/導入される一実施形態では、一定時間は、供給原料混合物のC3+オレフィン:エチレン重量比が最終値未満を下回ったときに終了することができる。エチレンおよびC3+オレフィンが反応帯域に供給/導入される別の実施形態では、一定時間は、供給原料混合物が約1:0の初期C3+オレフィン:エチレン重量比を有するとき、または代替的にはエチレンの流量が約ゼロであるときに開始することができる。エチレンおよびC3+オレフィンが反応帯域に供給/導入される一実施形態では、一定時間は、供給原料混合物が約0:1のC3+オレフィン:エチレン重量比を有するとき、または代替的にはC3+オレフィンの流量が約0であるときに終了することができる。エチレンおよびC3+オレフィンが反応帯域に供給/導入される一実施形態では、一定時間は、供給原料混合物のC3+オレフィン:エチレン重量比が約1:0から約0:1へと減少する時間を包含することができる。C3+オレフィンおよびエチレンが反応帯域に供給/導入される一実施形態では、一定時間は、反応帯域の始動中に生じ得る。
【0070】
一実施形態では、反応帯域時間、および/またはそれにわたってC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得る(例えば、本明細書に開示される少なくとも初期の値から、本明細書に記載される最終値未満まで)C3+オレフィン/エチレン供給時間は、本明細書に記載されるエチレンオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系に利益(例えば、本明細書に記載される他の利点の中でも、ポリマー生成の減少)を提供することができる。一実施形態では、反応帯域時間、および/またはそれにわたってC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得るC3+オレフィン/エチレン供給時間は、5、10、15、20、25、または30分以上、代替的または追加的には、6、4、3、2、1.5、または1時間以下であり得る。一実施形態では、反応帯域時間、および/またはそれにわたってC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得るC3+オレフィン/エチレン供給時間は、本明細書に記載される値以上から、本明細書に記載される値以下の範囲であり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、反応帯域時間、および/またはそれにわたってC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得るC3+オレフィン/エチレン供給時間は、5分以上~6時間以下、代替的には10分以上~4時間以下、代替的には15分以上~4時間以下、代替的には20分以上~3時間以下、代替的には25分以上~3時間以下、代替的には30分以上~3時間以下、代替的には30分以上~2時間以下、または代替的には30分以上~1.5時間以下の範囲であり得る。反応帯域時間、および/またはそれにわたってC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得るC3+オレフィン/エチレン供給時間が減少し得る他の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明白である。さらに、反応帯域時間、および/またはC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得るC3+オレフィン/エチレン供給時間が減少し得る複数の時間を利用することが出来、これらの複数の時間は、同じ長さであってもよく、または代替的には、複数の時間は、複数の時間のうちの少なくとも別のものの長さとは異なる長さを有し得る。
【0071】
反応帯域時間、およびC3+オレフィン:エチレン重量比が減少し得るC3+オレフィン/エチレン供給時間は、同じときに、例えば同時に生じることができる。代替的には、反応帯域時間の一部は、C3+オレフィン/エチレン供給時間の一部と重複してもよい。例えば、反応帯域110の滞留時間を考慮すると、C3+オレフィン:エチレン重量比の減少が反応帯域110への供給において認められるときと、C3+オレフィン:エチレン重量比の減少が反応帯域110自体において認められるときとの間に時間の遅れがあるため、反応帯域時間は、C3+オレフィン/エチレン供給時間より遅れる場合がある。代替的には、反応帯域時間およびC3+オレフィン/エチレン供給時間は重複しない。例えば、C3+オレフィン:エチレン重量比の減少が反応帯域110への供給において認められるときと、C3+オレフィン:エチレン重量比の減少が反応帯域110自体において認められるときとの間に時間の遅れは、一定時間(例えば、反応帯域時間、およびC3+オレフィン/エチレン供給時間)が順次、または連続して(経時的に)生じる程十分に長い場合がある。
【0072】
エチレンおよびC3+オレフィンが反応帯域に供給/導入される(別々に、供給原料混合物中で一緒に、またはその両方で)任意の実施形態では、エチレン、C3+オレフィン、またはその両方は、触媒系と接触させる前に、有機反応媒体(例えば、有機反応媒体の少なくとも一部)と接触させることができる。他の実施形態では、エチレン、C3+オレフィン、またはその両方は、触媒系と接触させる前に、有機反応媒体(例えば、有機反応媒体の少なくとも一部)と共に分散され得る。
【0073】
供給原料混合物がエチレンおよび有機反応媒体(例えば、有機反応媒体の少なくとも一部)を含む実施形態では、エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンおよび有機反応媒体を接触させることができる。一実施形態では、エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンは有機反応媒体(例えば、有機反応媒体の少なくとも一部)中に分散され得る。いくつかの実施形態では、エチレンおよび有機反応媒体を接触させることができ、かつ/またはエチレンを反応帯域において触媒系と接触させる前、もしくは代替的には、エチレンを反応帯域の外側で触媒系と接触させる前に、エチレンを有機反応媒体中に分散させることができる。エチレンおよび有機反応媒体を接触させ、かつ/またはエチレンを反応帯域において触媒系と接触させる前にエチレンが有機場媚態中に分散される実施形態では、接触および/または分散は、反応帯域時間の間(例えば、反応帯域の始動中)、または反応帯域時間の後(例えば、反応帯域の始動後)に生じ得る。
【0074】
供給原料混合物がエチレン、C3+オレフィン、および有機反応媒体(例えば、有機反応媒体の少なくとも一部)を含む実施形態では、エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレン、C3+オレフィン、および有機反応媒体を接触させることができる。一実施形態では、供給原料混合物を触媒系と接触させる前に、エチレンおよび/またはC3+オレフィンは有機反応媒体(例えば、有機反応媒体の少なくとも一部)中に分散され得る。いくつかの実施形態では、エチレンおよび/またはC3+オレフィンと有機反応媒体とを接触させることができ、かつ/またはエチレンおよび/またはC3+オレフィンを反応帯域において触媒系と接触させる前、もしくは代替的には、エチレンを反応帯域の外側で触媒系と接触させる前に、エチレンを有機反応媒体中に分散させることができる。
【0075】
開示されるプロセス、系、および/または反応系の別の態様では、一定時間の間の反応帯域中のC3+オレフィンの存在、および/または一定時間の間の反応帯域へのC3+オレフィンの導入/供給を、エチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触することと併せて利用して、エチレンを触媒系と接触させる前に供給原料混合物を形成することができる。この態様では、エチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させることは、C3+オレフィンが一定時間の間、反応帯域中に存在するか、もしくはC3+オレフィンが反応帯域に導入/供給される時間の間、代替的には、C3+オレフィンが一定時間の間、反応帯域中に存在するか、もしくはC3+オレフィンが反応帯域に導入もしくは供給される時間の後、または代替的には、C3+オレフィンが一定時間の間、反応帯域中に存在するか、もしくはC3+オレフィンが反応帯域に導入もしくは供給される時間の間および後に生じ得る。エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させて供給原料混合物を形成するいくつかの実施形態では、C3+オレフィンが反応帯域に導入/供給される時間の間、C3+オレフィンが供給原料混合物中に存在し得る。この状況では、C3+オレフィンは、1)エチレンを有機反応媒体と接触させる前にエチレンと、2)エチレンを有機反応媒体と接触させる前に有機反応媒体と、かつ/または3)エチレンを有機反応媒体と接触させた後に供給原料混合物と接触させることができる。C3+オレフィンが反応帯域に導入/供給され得る時間の間にC3+オレフィンが供給原料混合物の一部である実施形態では、供給原料混合物中の最小(エチレン+C3+オレフィン)濃度は、供給原料混合物の総質量に基づき4質量%、10質量%、25質量%、35質量%、または40質量%であり得、代替的または追加的には、供給原料混合物の最大(エチレン+C3+オレフィン)濃度は、供給原料混合物中の総質量に基づき65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、48質量%であり得る。一実施形態では、供給原料混合物中の(エチレン+C3+オレフィン)濃度は、本明細書に開示される供給原料混合物中の任意の最小(エチレン+C3+オレフィン)濃度~本明細書に開示される供給原料混合物中の任意の(エチレン+C3+オレフィン)濃度であり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、供給原料混合物中の(エチレン+C3+オレフィン)濃度は、供給原料混合物中の総質量に基づき、4質量%~60質量%、10質量%~60質量%、25質量%~55質量%、35質量%~50質量%、または40質量%~48質量%の範囲であり得る。利用され得る供給原料混合物中の他の(エチレン+C3+オレフィン)濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0076】
i)エチレンを反応帯域に導入/供給する前、もしくはエチレンが有機反応媒体と接合して供給原料混合物を形成する前に、C
3+オレフィンをエチレンと組み合わせること、ii)有機反応媒体を反応帯域に導入/供給する前、もしくはエチレンが有機反応媒体と接合して供給原料混合物を形成する前に、C
3+オレフィンを有機反応媒体と組み合わせること、iii)C
3+オレフィンを反応帯域に直接導入/供給すること、iv)触媒系が反応帯域に導入/供給される前、もしくは触媒系が反応帯域の外側で別のラインと組み合わされる前に、C
3+オレフィンを触媒系と組み合わせること、v)C
3+オレフィンを供給原料混合物と組み合わせること、vi)反応帯域に入る前に供給原料混合物が分散されているときにC
3+オレフィンと分散供給原料混合物と組み合わせること、vii)反応帯域に供給/導入される前に、C
3+オレフィンを、エチレン、有機反応媒体、および触媒系を含む組み合わされた供給流と組み合わせること、またはviii)i)~vii)の任意の組み合わせによって、開示されるプロセス、系、および反応系の反応帯域(例えば、
図1~3)中にC
3+オレフィンが存在し得ることが企図される。
【0077】
エチレンを含む供給原料混合物が形成されるとき、供給原料混合物を反応帯域の内側(この例は
図2に示される)、または反応帯域の外側(この例は
図3に示される)で触媒系と接触させることができることも企図される。エチレンおよび有機反応媒体は、供給原料混合物を反応帯域に導入する前、および供給原料混合物と触媒系との接触前または接触後に、エチレンおよび有機反応媒体が供給原料混合物中に分散され得ることもさらに企図される。例えば、
図2に示されるように、触媒系は、供給原料混合物(以下に詳細に考察されるように、反応帯域入口113に供給するライン192を介する)とは別に、反応帯域内に導入され得る(以下に詳細に考察されるように、第1の反応帯域入口111に供給するライン152を介する)。代替的には、
図3に示されるように、反応帯域110に入る前に、触媒系および供給原料混合物を接触させることができる(ライン152は、成分が本明細書に詳細に考察される反応帯域入口119に入る前に分散ライン192と組み合わされる)。
【0078】
一実施形態では、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比が減少する反応帯域時間の間に、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域は動作条件を有し得る)。いくつかの実施形態では、エチレンオリゴマー生成物形成条件(または反応帯域動作条件)は、反応帯域がエチレンおよびC3+オレフィンの両方を含有し、かつ/またはC3+オレフィン:エチレンの反応帯域重量比が減少している(例えば、中でも、反応帯域のエチレン濃度、エチレン対クロム質量比)実施形態および態様を考慮しない任意のエチレンオリゴマー生成物形成条件(または反応帯域動作条件)を除く、本明細書に記載されるエチレンオリゴマー生成物形成条件(または反応帯域動作条件)のいずれかであり得る。代替的には、エチレンオリゴマー生成物形成条件(または反応帯域動作条件)は、反応帯域がエチレンおよびC3+オレフィンの両方を含有すること、および/またはC3+オレフィン:エチレンの反応帯域重量比が減少している(例えば、中でも、反応帯域のエチレン濃度、エチレン対クロム質量比)ことを考慮した、本明細書に記載されるエチレンオリゴマー生成物形成条件(または反応帯域動作条件)のいずれかであり得る。
【0079】
本開示の態様は、本明細書に記載される任意のプロセス、系、および/または反応系(例えば、
図1~3)において反応帯域のエチレンオリゴマー化を開始すること(始動)に関する。始動は、反応帯域(例えば、
図1~
図3の反応帯域110)が空であるとき、または反応帯域の洗浄(ハード始動)の後、または反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)がエチレンオリゴマー化反応のための成分を含有するが、エチレンオリゴマー生成物を生成しない(ソフト始動)ときに生じ得る。ソフト始動状況の例は、プロセス、系、または反応系の問題に対処するためにエチレンおよび/または触媒系の流れが一時的に停止され、反応帯域(例えば、
図1~
図3の反応帯域110)を空にするおよび/または洗浄することなくオリゴマー化反応を再開することが望ましい場合である。
【0080】
本明細書に記載される任意のプロセス、系、および/または反応系(例えば、
図1~3)の始動は、反応帯域開始段階(以降、開始段階)および/または反応帯域整相段階(以降、整相段階)を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセス、系、および/または反応系(例えば、
図1~
図3)の始動は、任意の反応帯域充填段階(以下、充填段階)をさらに含み得る。一時的に、充填段階は、開始段階および整相段階の前に生じることがある。
【0081】
本明細書に記載される任意のプロセス、系、および/または反応系(例えば、
図1~3)の充填段階は、空であるか、エチレンオリゴマー化反応のための成分を既に含有するか、またはエチレンオリゴマー化反応のための1つ以上の成分を同時に含む反応帯域(例えば、反応帯域110)を、C
3+オレフィンで充填する(例えば、
図1~3におけるいずれか1つ以上の適切なC
3+オレフィンラインを使用して)ことを伴いうる。反応帯域の充填は、所望量のC
3+オレフィンを反応帯域に供給する(または本明細書に開示される任意の所望の反応帯域C
3+オレフィン:エチレン比を達成する)ために必要な任意の時間にわたって生じ得る。一態様では、反応帯域(例えば、反応帯域110)をC
3+オレフィンで充填することができ、エチレンは反応帯域に供給または導入されない。代替的には、反応帯域(例えば、反応帯域110)をC
3+オレフィンおよびエチレンで充填することができる(本明細書に開示される任意のC
3+オレフィン:エチレン重量比を使用して、または本明細書に開示される任意の反応帯域C
3+オレフィン対エチレンC
3+オレフィン重量比を達成するため)。いくつかの実施形態では、反応帯域は、有機反応媒体、触媒系、水素、および/またはスクラブ剤を含有してもよく、またはこれらを実質的に含まなくてもよい。
【0082】
開始段階は、1つ以上のエチレンオリゴマー化成分を反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入することを伴い得る。開始段階中、エチレンが反応帯域に供給/導入される前に、有機反応媒体、触媒系、任意にC
3+オレフィン、および任意に水素が反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入され得る。有機反応媒体、触媒系、任意にC
3+オレフィン、および任意に水素は、1つ以上を同時に添加することを含む、任意の様式および/または任意の順序で反応帯域に供給/導入され得る。例えば、始動中にエチレンオリゴマー化成分を反応帯域に供給/導入する非限定的な順序は、最初に有機反応媒体を反応帯域に供給/導入し(例えば、
図1~3におけるいずれか1つ以上の適切なライン162、191、192、および193を使用して)、次いで、触媒系および任意に水素を反応帯域に任意の順序で供給/導入し(例えば、
図1~3における触媒系供給ライン152、ならびに水素流のための1つ以上の適切なライン144、142、191、102、および193を使用して)、そしてその後、C
3+オレフィンを反応帯域に供給/導入する(例えば、
図1~3におけるいずれか1つ以上の適切なライン146、および147a、b、c、d、e、f、またはgを使用して)ことであり得る。始動中にエチレンオリゴマー化成分を反応帯域に供給/導入する別の非限定的な順序は、最初に有機反応媒体を反応帯域に供給/導入し(例えば、
図1~3におけるいずれか1つ以上の適切なライン162、191、192、および193を使用して)、次いで、C
3+オレフィンを反応帯域に供給/導入し(例えば、
図1~3におけるいずれか1つ以上の適切なライン146、および147a、b、c、d、e、f、またはgを使用して)、そしてその後次いで、触媒系および任意に水素を反応帯域に任意の順序で供給/導入する(例えば、
図1~3における触媒系供給ライン152、ならびに水素流のための1つ以上の適切なライン144、142、191、102、および193を使用して)ことであり得る。始動中にエチレンオリゴマー化成分を反応帯域に供給/導入する他の順序は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明白である。
【0083】
代替において、C
3+オレフィンは、整相段階において反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入されてもよい(例えば、同時に導入されるが、必ずしもエチレンとは組み合わされない)。かかる代替において、有機反応媒体、触媒系、および任意に水素は、開始段階において本明細書に記載されるものなどの任意の順序で反応帯域に供給/導入されてもよい。別の代替では、C
3+オレフィンは、充填段階において反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入されてもよく(
図1~
図3のいずれか1つ以上の適切なC
3+オレフィン供給ライン146、および147a、b、c、d、e、f、またはgを使用して)、すなわち、C
3+オレフィンは、開始段階または整相段階において反応帯域に導入されない。
【0084】
本明細書に記載される任意にプロセス、系、および/または反応系(例えば、
図1~3 )の整相段階は、一定時間にわたって反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)のC
3+オレフィン:エチレン重量比を減少させることを伴い得る。一実施形態では、一定時間にわたって反応帯域のC
3+オレフィン:エチレン重量比を減少させることは、C
3+オレフィンを含有する反応帯域にエチレンを供給/導入すること、ならびに/または反応帯域に供給/導入されているC
3+オレフィンおよびエチレンのC
3+オレフィン:エチレンを減少させることによって達成することができる。一態様では、C
3+オレフィンは、反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入されてもよく(例えば、
図1~3のいずれか1つ以上の適切なC
3+オレフィン供給ライン146、および147a、b、c、d、e、f、またはgを使用して)、続いて、
図1~3のいずれか1つ以上の適切なライン142、191、192、および193を使用してエチレンを反応帯域に供給/導入することによって反応帯域のC
3+オレフィン:エチレン重量比を減少させることができる。別の態様では、エチレンおよびC
3+オレフィンは、反応帯域に供給/導入されるC
3+オレフィン:エチレン重量比および/または反応帯域のC
3+オレフィン:エチレン重量比が一定時間にわたって、少なくとも初期の値から最終値未満まで減少するように、反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入されてもよい(エチレンのための任意の適切なライン142、191、192、および193、ならびにC
3+オレフィンのための1つ以上の適切なライン146、および147a、b、c、d、e、f、またはgを使用して)。反応帯域のC
3+オレフィン:エチレン重量比の減少および反応帯域に供給/導入されるC
3+オレフィン:エチレン重量比の減少は本明細書に独立して提供され、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系(例えば、
図1~3)の整相段階をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。理論によって限定されることなく、反応帯域中にC
3+オレフィンを有すること、および/または反応帯域の始動中にC
3+オレフィンを反応帯域に供給することにより、本明細書に記載されるように、反応帯域の始動(ハード始動またはソフト始動)中のポリマーの形成を低減させることができる。
【0085】
一態様では、整相段階は、エチレンを反応(例えば、エチレンの流れのための任意の適切なライン142、191、192、および193を使用して、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入することによって開始され得る。整相段階は、C
3+オレフィンを反応帯域(例えば、エチレンの流れのための任意の適切なライン142、191、192、および193を使用して、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入した後、またはそれと同時に開始され得る。
【0086】
反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の減少および/または整相中に反応帯域に供給/導入されるC3+オレフィン:エチレン重量比の減少は、特定の技術に限定されず、線形の減少(例えば、所与の時間にわたる一定の増加)、または段階的変化による減少(例えば、一定時間の間の設定時間で設定値を変えることによる減少)、またはこれらの組み合わせを介して生じ得る。整相段階中、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の減少および/または反応帯域に供給/導入されるC3+オレフィン:エチレン重量比の減少は、所望の反応帯域C3+オレフィン:エチレン重量比および/またはC3+オレフィン:エチレン重量比が達成されるまで、反応帯域へのエチレン流量を増加させ、かつ/またはC3+オレフィン流量を減少させることによって達成することができる。代替的には、反応帯域のC3+オレフィン:エチレン重量比の減少および/または反応帯域に供給/導入されるC3+オレフィン:エチレン重量比の減少は、所望の反応帯域C3+オレフィン:エチレン重量比および/またはC3+オレフィン:エチレン重量比が達成されるまで、反応帯域へのエチレン流量を増加させ、かつC3+オレフィン流量を減少させることによって達成することができる。
【0087】
整相段階を終了した後、エチレン、有機反応媒体、触媒系、および任意に水素を反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に供給/導入して、所望のエチレンオリゴマー化動作および/または反応帯域条件(例えば、定常状態動作を達成するためのエチレンオリゴマー化および/または反応帯域条件)を達成することができる。一態様では、反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)の定常状態動作中に、相当量のC
3+オレフィンが反応帯域に供給/導入されないことが企図される。したがって、定常状態動作中に、反応帯域入口(例えば、
図1~3の任意の反応帯域入口)を介して相当量のC
3+オレフィンが反応帯域に導入されない。本明細書で使用される場合、反応帯域の定常状態動作中に相当量のC
3+オレフィンが供給/導入されないとは、0.1:1、0.08:1、0.06:1、0.04:1、0.02:1、または0.01:1未満の、反応帯域に供給/導入されるC
3+オレフィン:エチレン重量比として定義される。
【0088】
定常状態動作中に、周期的または連続的にエチレン、有機反応媒体、触媒系、および任意に水素が反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)に導入されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、周期的または連続的に反応帯域流出物が反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)から除去されてもよい。例えば、反応帯域入口(例えば、
図1~
図3の反応帯域入口)は、周期的または連続的に触媒系、エチレン、有機反応媒体、および任意に水素を反応帯域に導入/供給するように構成されてもよく、反応帯域出口(例えば、
図1~3の反応帯域出口)は、周期的または連続的に反応帯域流出物を反応帯域から排出または除去するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、所望のエチレンオリゴマー化操作は、エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンを有機反応媒体と接触させて、供給原料混合物を形成することを含み得る。さらに、エチレンを触媒反応系と接触させる前に、エチレンを有機反応媒体と接触させて供給原料混合物を形成するとき、エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体と共に分散させてもよい。エチレンおよび有機反応媒体を接触させ、かつ/または反応帯域(例えば、
図1~3の反応帯域110)においてエチレンを触媒系と接触させる前にエチレンが有機反応媒体中に分散され得る一死形態では、反応帯域においてエチレンを触媒系と接触させてもよく、または代替的には反応帯域の外側でエチレンを触媒系と接触させてもよい。
【0089】
一実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセス、系、および/または反応系は、触媒系を調製することをさらに含み得る。一実施形態では、触媒系は、1)クロム成分(本明細書に記載されるいずれか)およびアルミノキサン化合物(本明細書に記載されるいずれか)を接触させて触媒系混合物を形成することと、2)エチレンの実質的な不在下で触媒系混合物を老化させて、触媒系混合物を形成および老化させることによって調製することができる。一実施形態では、触媒系混合物を一定時間の間、老化させることができる。典型的には、最小の老化時間は、5秒、10秒、30秒、1分、5分、10分、または20分であり得、追加的または代替的には、最大の老化時間は、48時間、36時間、24時間、18時間、12時間、6時間、4時間、または2時間であり得る。一般に、老化時間は、本明細書に開示される任意の最小時間~本明細書に開示される任意の最大時間の範囲であり得る。したがって、老化時間の好適な非限定な範囲は、5秒~48時間、10秒~36時間、30秒~24時間、1分~18時間、5分~6時間、10分~4時間、または20分~2時間を含み得る。老化時間についての他の適切な範囲は、本開示から容易に明白である。さらなる実施形態では、触媒系の混合物を、周囲温度未満から、周囲温度(約25℃)、高温までの範囲の任意の好適な温度で老化させることができる。これに限定されるものではないが、触媒系の混合物は、0℃~100℃、10℃~75℃、15℃~60℃、または20℃~40度の範囲の温度で老化させることができる。これらの実施形態および他の実施形態では、これらの温度範囲はまた、触媒系混合物が、単一の固定温度ではなく、それぞれの範囲内にある一連の異なる温度で老化され得る状況を包含することを意味する。非限定的な実施形態では、エチレンの実質的な不在は、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、0.5:1、0.25:1、または0.1:1のエチレン対クロム成分の最大モル比であり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、エチレンの実質的な不在は、最大エチレン分圧10psig(69kPa)、5psig(34kPa)、4psig(28kPa)、3psig(21kPa)、2psig(14kPa)、1psig(7kPa)、または0.5psig(3.4kPa)であり得る。いくつかの実施形態では、触媒系は、希釈剤および/または溶媒をクロム成分(本明細書に記載させるいずれか)およびアルミノキサン(本明細書に記載されるいずれか)と接触させることによって形成され得る。一実施形態では、希釈剤および/または溶媒は、本明細書に記載の任意の有機反応媒体であり得る。触媒系が、希釈剤および/または溶媒をクロム成分(本明細書に記載されるいずれか)およびアルミノキサンと接触させることによって形成され得る実施形態では、クロム成分対溶媒および/または希釈剤の重量比は、1:100~1:15,000、または1:150~1:10,000の範囲であり得る。
【0090】
図1は、本開示による反応系100のプロセスフロー図を示す。系100は、エチレン供給ライン142と流体連通するエチレン供給源140と、C
3+供給ライン146と連通するC
3+オレフィン供給源145と、触媒系供給ライン152と流体連通する触媒系源150と、有機反応媒体供給ライン162と流体連通する有機反応媒体供給源160と、スクラブ剤供給ライン172と連通する任意のスクラブ剤供給源170と、エチレン供給ライン142に供給する任意の水素供給ライン144と、任意のポンプ180と、第1の反応帯域入口111、第2の反応帯域入口213、第3の反応帯域入口215、第4の反応帯域入口115、および1つ以上の反応帯域出口を表す反応帯域出口117を有する反応帯域110と、熱交換器120と、のうちの1つ以上を含む。
図1の反応系100は、適切な器具(例えば、弁、制御装置、センサ、電気的書き込み、断熱材)を含み得、これらは
図1に示されないが、本開示の助けを借りて当業者によって含まれ得ることが企図される。
【0091】
第1の反応帯域入口111(1つ以上の反応帯域入口を表す)は、本明細書に記載されるように触媒系(任意に一定時間の間、C3+オレフィンと組み合わされてもよい)を反応帯域110に導入するように構成されてもよく、第2の反応帯域入口213(1つ以上の反応帯域入口を表す)は、エチレン(任意に一定時間の間、C3+オレフィンと組み合わされてもよい)を反応帯域110に導入するように構成されてもよく、第3の反応帯域入口215(1つ以上の反応帯域入口を表す)は、有機反応媒体(任意に一定時間の間、C3+オレフィンと組み合わされてもよい)を反応帯域110に導入するように構成されてもよく、反応帯域出口117(1つ以上の反応帯域出口を表す)は、ライン118を介して反応帯域110からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出または除去するように構成されてもよい。ライン118において弁130を使用して、ライン118中の反応帯域流出物の流れを制御し、かつ/または反応帯域110の圧力を制御することができる。次いで、ライン118中の反応帯域流出物は、反応帯域流出物からの様々な流れ(例えば、所望のオリゴマー)を単離するために器具(図示せず)に供給される。
【0092】
開示される系およびプロセスの一態様は、任意の第4の反応帯域入口115(1つ以上の反応帯域入口を表す)が、一定時間の間、C
3+オレフィンを反応帯域110に導入するように構成され得ることである。
図1に示される反応帯域110の構成の場合、入口111および213は、可能な限り互いから遠く離れて配置されてもよい。一態様では、入口111は、入口213を介して導入されたエチレンを接触させる前に、反応帯域110内の触媒系の分散を改善するために、反応帯域110中の撹拌の近くに配置される。さらに、入口111、115、213、および215は、出口117から可能な限り離れていてもよい。入口111、115、213、および215、ならびに出口117の配置に関する他の検討事項は、例えば、反応帯域110が再循環特徴を含む場合に考慮され得る。
【0093】
触媒系は、触媒系供給源150から触媒系供給ライン152を通って第1の反応帯域入口111に流れることができ、そこで触媒系は反応帯域110に供給され得る。触媒系供給ライン152は、任意に、触媒系と共に溶媒および/または希釈剤を含むことができる。溶媒および/または希釈剤は、本明細書に記載の任意の有機反応媒体であり得る。溶媒および/または希釈剤は、プロセス、系、または反応系に利用される有機反応媒体であり得る。触媒系は、触媒系供給ライン152中の溶媒および/または希釈剤中に分散され得る。例えば、触媒系供給ライン152は、
図2について本明細書に記載される混合装置190と同様の、または予備接触(precontactor)器具(図示せず)中の混合装置(図示せず)を含むことができ、これは、触媒系が第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110に入る前に触媒系を溶媒および/または希釈剤中に分散させるように構成され得る。溶媒および/または希釈剤、ならびに触媒系が
図1の触媒系供給ライン152中に存在する場合、クロム:溶媒および/または希釈剤の質量比は、本明細書に開示されるいずれかであり得る。
【0094】
任意に、スクラブ剤(本明細書に開示される)は、スクラブ剤供給ライン172中を流れることができる。一実施形態では、触媒系のアルミノキサンの一部または全てがスクラブ剤供給ライン172中を流れることができる。例えば、触媒系のアルミノキサンの全ては、触媒系のその場での生成において、スクラブ剤供給ライン172を流れることができ、または代替的には、アルミノキサンは、触媒系供給ライン152およびスクラブ剤供給ライン172の両方を流れることができる。一実施形態では、スクラブ剤は、触媒系のアルミノキサンでなくてもよい。
【0095】
有機反応媒体は、有機反応媒体供給源160からポンプ180の吸引側181へ、有機反応媒体供給ライン162を流れることができる。
【0096】
反応帯域110への導入前に、有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、本明細書に記載されるいずれかのアルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図1は、ライン162がスクラブ剤および有機反応媒体の両方を含有するように、スクラブ剤が供給ライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体供給ライン172中の有機反応媒体と組み合わされなくてもよい。触媒系が反応帯域110内でその場で形成される非限定的な実施形態では、アルミノキサンをスクラブ剤として利用することができ、触媒系のアルミノキサン成分の全てまたは一部であり得る。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体中の有機反応媒体と組み合わされない。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系100に利用され得る。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系100に利用され得る。
【0097】
有機反応媒体およびエチレンを接触させて供給原料混合物を形成する実施形態では、有機反応媒体の少なくとも一部をエチレンと接触させる前に、有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、本明細書に記載されるいずれかのアルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図1は、有機反応媒体供給ライン162とエチレン供給ライン142とを組み合わせることによって有機反応媒体をエチレンと接触させる前に、スクラブ剤がライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系100に利用され得る。
【0098】
図1において、有機反応媒体のすべてが、ライン162を介して反応帯域に供給され得る。しかしながら、本明細書で考察されるように、系100に使用される有機反応媒体の総量の一部のみがライン162中にあり、反応帯域110への導入前にスクラブ剤と任意に接触され、例えば、他の部分は、触媒系供給ライン152中の触媒系と混合され得ることが企図される。
【0099】
エチレンは、エチレン源140から第2の反応帯域入口213へ、エチレン供給ライン142中を流れる。
【0100】
選択的エチレンオリゴマー化反応を制御するために、水素を任意に使用することができる。任意の水素は、水素供給ライン144を介してエチレン供給ライン142内に供給され得る。エチレン供給ライン144における水素およびエチレンの組み合わせは、
図1に示すように弁143の上流、または代替的には弁143の下流であり得る。
図1中の水素供給ライン144は、エチレン供給ライン142に供給するように示されているが、水素供給ライン144は、直接、または別のライン(例えば、ライン146、ライン147a、b、c、またはd、ライン152、ライン162、またはライン172)を介して、任意の反応帯域入口(例えば、反応帯域入口111、反応帯域入口115、反応帯域入口213、または反応帯域入口215)に流体接続し得ることが企図される。
【0101】
C3+オレフィンは一定時間の間、ライン147a~d(代替的な性質は破線で示される)のうちの1つ以上を介して反応系100に導入され得る。例えば、一定時間の間導入され得るC3+オレフィンは、ライン146と、i)エチレン供給ライン142中を流れるエチレンと組み合わせるためにライン147a、ii)ライン162中を流れる有機反応媒体と組み合わせるためにライン147b、iii)C3+オレフィンを反応帯域110に直接添加するためにライン147c、およびiv)ライン152中を流れる触媒系と組み合わせるためにライン147dのうちの1つ以上と、を介してC3+オレフィン供給源145から流れることができる。
【0102】
ライン146およびライン147aを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、エチレン供給ライン142中を流れるエチレンと組み合わされてもよい。エチレン供給ライン142(エチレン、C3+オレフィン、および任意に水素を含む)は、第2の反応帯域入口213を介して反応帯域110に接続することができる。ライン146およびライン147aを介して一定時間の間、C3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147a、および142を介して流れることができる。
【0103】
ライン146およびライン147bを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、有機反応媒体供給ライン162中を流れる有機反応媒体(これは任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)と組み合わされてもよい。有機反応媒体供給ライン162(有機反応媒体、C3+オレフィン、および任意にスクラブ剤を含む)は、第3の反応帯域入口215を介して反応帯域110に接続することができる。ライン146およびライン147bを介して一定時間の間、C3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147b、および162を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0104】
ライン146およびライン147cを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、C3+オレフィンを一定時間の間、反応帯域110に導入するように構成され得る第4の反応帯域入口115を介して直接、反応帯域110へ流れることができる。
【0105】
ライン146およびライン147dを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、触媒系供給ライン152中を流れる触媒系と組み合わされてもよい。かかる態様では、触媒系は一定時間の間、C3+オレフィンと共に第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110へ、ライン152中を流れることができる。
【0106】
一定の時間の間のエチレンの流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、および/または147dのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、エチレンの流れの前またはそれと同時に開始することができる。代替的には、C3+オレフィンの流れは、エチレンの流れの前に開始し(例えば、ハード始動中に反応帯域110が空であるとき、または例えば、プロセスまたは系の問題に対処するための反応帯域110へのエチレンおよび/または触媒の流れの中断後のソフト始動中に反応帯域110が材料を既に含有するとき)、その後一時的に停止、その後、エチレンおよび/または触媒系の流れの前またはそれと同じとき(同時)に再び開始してもよい。一定の時間の間の触媒系の流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、および/または147dのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、触媒系の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。一定の時間の間の有機反応媒体の流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、および/または147dのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、有機反応媒体の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。一定の時間の間のスクラブ剤の流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、および/または147dのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、スクラブ剤の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。
【0107】
図1の系100において、エチレンは、触媒系に対して、および有機反応媒体に対して別々に反応帯域110に供給され得ることに留意されたい。すなわち、触媒系は、ライン152を介して、および第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110に供給されてもよく、かつ有機反応媒体は、ライン162を介して、および第3の反応帯域入口215を介して反応帯域110に供給されてもよい一方、エチレンは、ライン142を介して、および第2の反応帯域入口213を介して反応帯域110に供給されてもよい。
【0108】
別々に供給されたエチレンは、触媒系、または触媒系の少なくともクロム成分を実質的に含まない場合がある。「実質的に含まない」とは、反応帯域110に入る触媒系の総重量に基づき、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1重量%以下の触媒系がエチレンに存在することを意味する。
【0109】
図2は、本開示による反応系200のプロセスフロー図を示す。系200は、エチレン供給ライン142と流体連通するエチレン供給源140と、C
3+供給ライン146と連通するC
3+オレフィン供給源145と、触媒系供給ライン152と流体連通する触媒系源150と、有機反応媒体供給ライン162と流体連通する有機反応媒体供給源160と、スクラブ剤供給ライン172と連通する任意のスクラブ剤供給源170と、エチレン供給ライン142に供給する任意の水素供給ライン144と、任意のポンプ180と、任意の混合装置190と、第1の反応帯域入口111、第2の反応帯域入口113、任意の第3の反応帯域入口115、および1つ以上の反応帯域出口を表す反応帯域出口117を有する反応帯域110と、熱交換器120と、のうちの1つ以上を含む。
図2の反応系200は、適切な器具(例えば、弁、制御装置、センサ、電気的書き込み、断熱材)を含み得、これらは
図2に示されないが、本開示の助けを借りて当業者によって含まれ得ることが企図される。
【0110】
第1の反応帯域入口111(1つ以上の反応帯域入口を表す)は、本明細書に記載されるように触媒系(任意に一定時間の間、C3+オレフィンと組み合わされてもよい)を反応帯域110に導入するように構成されてもよく、第2の反応帯域入口113(1つ以上の反応帯域入口を表す)は、供給原料混合物(任意に一定時間の間、C3+オレフィンと組み合わされてもよい)を反応帯域110に導入するように構成されてもよく、反応帯域出口117(1つ以上の反応帯域出口を表す)は、ライン118を介して反応帯域110からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出または除去するように構成されてもよい。ライン118において弁130を使用して、ライン118中の反応帯域流出物の流れを制御し、かつ/または反応帯域110の圧力を制御することができる。次いで、ライン118中の反応帯域流出物は、反応帯域流出物からの様々な流れ(例えば、所望のオリゴマー)を単離するために器具(図示せず)に供給される。
【0111】
開示される系およびプロセスの一態様は、任意の第3の反応帯域入口115(1つ以上の反応帯域入口を表す)が、一定時間の間、C
3+オレフィンを直接、反応帯域110に導入するように構成され得ることである。
図2に示される反応帯域110の構成の場合、入口111および113は、可能な限り互いから遠く離れて配置されてもよい。一態様では、入口111は、入口113を介して導入されたエチレンを接触させる前に、反応帯域110内の触媒系の分散を改善するために、反応帯域110中の撹拌の近くに配置される。さらに、入口111、113、および115は、出口117から可能な限り離れていてもよい。入口111、113、および115、ならびに出口117の配置に関する他の検討事項は、例えば、反応帯域110が再循環特徴を含む場合に考慮され得る。
【0112】
触媒系は、触媒系供給源150から触媒系供給ライン152を通って第1の反応帯域入口111に流れることができ、そこで触媒系は反応帯域110に供給され得る。触媒系供給ライン152は、任意に、触媒系と共に溶媒および/または希釈剤を含むことができる。溶媒および/または希釈剤は、本明細書に記載の任意の有機反応媒体であり得る。溶媒および/または希釈剤は、プロセス、系、または反応系に利用される有機反応媒体であり得る。触媒系は、触媒系供給ライン152中の溶媒および/または希釈剤中に分散され得る。例えば、触媒系供給ライン152は、混合装置190と同様の、または予備接触器具(図示せず)中の混合装置(図示せず)を含むことができ、これは、触媒系が第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110に入る前に触媒系を溶媒および/または希釈剤中に分散させるように構成され得る。溶媒および/または希釈剤、ならびに触媒系が
図2の触媒系供給ライン152中に存在する場合、クロム:溶媒および/または希釈剤の質量比は、本明細書に開示されるいずれかであり得る。
【0113】
任意に、スクラブ剤(本明細書に開示される)は、スクラブ剤供給ライン172中を流れることができる。一実施形態では、触媒系のアルミノキサンの一部または全てがスクラブ剤供給ライン172中を流れることができる。例えば、触媒系のアルミノキサンの全ては、触媒系のその場での生成において、スクラブ剤供給ライン172を流れることができ、または代替的には、アルミノキサンは、触媒系供給ライン152およびスクラブ剤供給ライン172の両方を流れることができる。一実施形態では、スクラブ剤は、触媒系のアルミノキサンでなくてもよい。有機反応媒体およびエチレンを接触させて供給原料混合物を形成する実施形態では、有機反応媒体の少なくとも一部をエチレンと接触させる前に、有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、本明細書に記載されるいずれかのアルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図2は、有機反応媒体供給ライン162とエチレン供給ライン142とを組み合わせることによって有機反応媒体をエチレンと接触させる前に、スクラブ剤がライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系200に利用され得る。
【0114】
有機反応媒体(任意に触媒系と組み合わされる)は、有機反応媒体供給源160からポンプ180を通り、エチレン供給ライン142および有機反応媒体供給ライン162が接合する点へ、有機反応媒体供給ライン162中を流れることができる。
【0115】
反応帯域110への導入前に、有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、本明細書に記載されるいずれかのアルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図2は、ライン162がスクラブ剤および有機反応媒体の両方を含有し得るように、スクラブ剤が供給ライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体供給ライン162中の有機反応媒体と組み合わされなくてもよい。触媒系が反応帯域110内でその場で形成される非限定的な実施形態では、アルミノキサンをスクラブ剤、および触媒系のアルミノキサン成分の全てまたは一部として利用することができる。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系200に利用され得る。
【0116】
有機反応媒体およびエチレンを接触させて供給原料混合物を形成する実施形態では、有機反応媒体の少なくとも一部をエチレンと接触させる前に、有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、アルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図2は、有機反応媒体供給ライン162とエチレン供給ライン142とを組み合わせることによって有機反応媒体をエチレンと接触させる前に、スクラブ剤がライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体供給ライン162中の有機反応媒体と組み合わされなくてもよい。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系200に利用され得る。
【0117】
図2において、有機反応媒体のすべてが、ライン162を介して反応帯域に供給され得る。しかしながら、本明細書で考察されるように、系200に使用される有機反応媒体の総量の一部のみがライン162中にあり得、反応帯域110への導入前にスクラブ剤と任意に接触され、例えば、他の部分は、触媒系供給ライン152中の触媒系と混合され得、かつ/または反応帯域110に直接供給するバイパスラインに含まれ得ることが企図される。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体と組み合わされなくてもよく、有機反応媒体供給ライン162は、ポンプ180の吸引側181に直接流れることができる。
【0118】
エチレン(一定時間の間、C3+オレフィンと任意に組み合わされてもよく、かつ/または水素と任意に組み合わされてもよい)は、エチレン供給減140からエチレン供給ライン142中を流れることができ、ポンプ180のヘッド側182上のライン162中を流れる有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤および/またはC3+オレフィンと組み合わされてもよい)と組み合わされてもよい。代替的には、エチレンは、ポンプ180の吸引側181上のライン162中を流れる有機反応媒体と組み合わされてもよい。
【0119】
ライン142中のエチレンとライン162中の有機反応媒体とを組み合わせることによって、供給原料混合物供給ライン191中の供給原料混合物を得ることができる。供給原料混合物は、任意の混合装置190を通って流れることができ、そこでエチレンおよび有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤および/またはC3+オレフィンと組み合わされてもよい)は分散されてもよく、その後、分散供給原料混合物として分散供給原料混合物供給ライン192を介して第2の反応帯域入口113に流れることができる。
【0120】
オリゴマー化反応を制御するために、水素を任意に使用することができる。任意の水素は、水素供給ライン144を介して反応系200のエチレン供給ライン142内に供給され得る。エチレン供給ライン144における水素およびエチレンの組み合わせは、
図2に示すように弁143の上流、または代替的には弁143の下流であり得る。
図2中の水素供給ライン144は、エチレン供給ライン142に供給するように示されているが、水素供給ライン144は、直接、または別のライン(例えば、ライン146、ライン147a、b、c、d、e、またはf、ライン152、ライン162、ライン172、ライン191、またはライン192)を介して、任意の反応帯域入口(例えば、反応帯域入口111、反応帯域入口113、または反応帯域入口115)に流体接続し得ることが企図される。
【0121】
C3+オレフィンは一定時間の間、ライン147a~f(代替的な性質は破線で示される)のうちのいずれか1つ以上を介して反応系200に導入され得る。例えば、一定時間の間、反応帯域に導入/供給され得るC3+オレフィンは、ライン146を介して、かつi)エチレンが、供給ライン162中を流れる有機反応媒体と接合して供給原料混合物ライン191中の供給原料混合物を形成する前に、エチレン供給ライン142中を流れるエチレンと組み合わせるためにライン147aを介して、ii)有機反応媒体エチレンと接合して供給原料混合物ライン191中の供給原料混合物を形成する前に、ライン162中を流れる有機反応媒体と組み合わせるためにライン147bを介して、iii)C3+オレフィンを反応帯域110に直接添加するためにライン147cを介して、iv)ライン152中を流れる触媒系と組み合わせるためにライン147dを介して、v)ライン191中を流れる供給原料混合物と組み合わせるためにライン147eを介して、vi)ライン192中を流れる分散供給原料混合物と組み合わせるために147fを介して、またはvii)i)~vi)の任意の組み合わせで、C3+オレフィン供給源145から流れることができる。
【0122】
ライン146およびライン147aを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、エチレン供給ライン142中を流れるエチレンと組み合わされてもよい。エチレン供給ライン142(エチレン、C3+オレフィン、および任意に水素を含む)は、有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)ライン162と接合して、供給原料混合物ライン191を形成することができる。すなわち、C3+オレフィンがライン147a中を流れる態様では、供給原料混合物は、エチレン、有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)、およびC3+オレフィン(および任意に水素)を含む。供給原料混合物は、任意の混合装置190内に流れることができ、そこでエチレン、有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)、C3+オレフィン、および任意に水素が供給原料混合物中に分散される。ライン191中の分散成分は、分散供給原料混合物ライン192中の混合装置190から第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147aを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147a、142、191、および192を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0123】
ライン146およびライン147bを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、有機反応媒体供給ライン162中を流れる有機反応媒体(これは任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)と組み合わされてもよい。有機反応媒体供給ライン162(有機反応媒体、C3+オレフィン、および任意にスクラブ剤を含む)は、エチレン供給ライン142(エチレンおよび任意に水素を含む)と接合して、供給原料混合物ライン191を形成することができる。すなわち、C3+オレフィンがライン147b中を流れる態様では、ライン191中の供給原料混合物は、エチレン、有機反応媒体、およびC3+オレフィン(ならびに任意にスクラブ剤および/または水素)を含む。供給原料混合物は、任意の混合装置190内に流れることができ、そこでエチレン、有機反応媒体、ならびにC3+オレフィン(および任意にスクラブ剤および/または水素)が供給原料混合物中に分散され得る。分散供給原料混合物は、分散供給原料混合物ライン192中の混合装置190から第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147bを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147b、162、191、および192を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0124】
ライン146およびライン147cを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、C3+オレフィンを反応帯域110に導入するように構成された反応帯域入口115を介して直接、反応帯域110へ流れることができる。
【0125】
ライン146およびライン147dを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、触媒系供給ライン152中を流れる触媒系と組み合わされてもよい。かかる態様では、触媒系は一定時間の間、C3+オレフィンと共に第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110へ、ライン152中を流れることができる。ライン146およびライン147dを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147d、および152を介して、かつ第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0126】
ライン146およびライン147eを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、ライン191中の供給原料混合物と組み合わされてもよい。かかる態様では、任意の混合装置190に入る供給原料混合物は、エチレンおよび有機反応媒体(ならびに任意にスクラブ剤および/または水素)に加えて、C3+オレフィンを含有することができる。混合装置190において、エチレン、有機反応媒体、ならびにC3+オレフィン(および任意にスクラブ剤および/または水素)が供給原料混合物中に分散され得る。分散供給原料混合物は、分散供給原料混合物ライン192中の混合装置190から第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に流れる。ライン146およびライン147eを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは一定時間の間、ライン146、147e、191、および192を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0127】
ライン146およびライン147fを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、ライン192中の分散供給原料混合物と組み合わされてもよい。かかる態様では、混合装置190に入る供給原料混合物は、エチレンおよび有機反応媒体(ならびに任意にスクラブ剤および/または水素)を含み得、任意の混合装置190を出る分散供給原料混合物は、供給原料混合物中に分散されたエチレンおよび有機反応媒体(ならびに任意にスクラブ剤および/または水素)を含み得、C3+オレフィンを含有するライン147cがライン192と組み合わされた後に、分散供給原料混合物はC3+オレフィンをさらに含み得る。ある特定の態様では、C3+オレフィンは、ライン192に収容された分散供給原料混合物中に分散されてもされなくてもよい。C3+オレフィンをさらに含有する分散供給原料混合物は、第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147fを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147f、および192を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0128】
一定の時間の間のエチレンの流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、および/または147fのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、エチレンの流れの前またはそれと同時に開始することができる。代替的には、C3+オレフィンの流れは、エチレンの流れの前に開始し(例えば、ハード始動中に反応帯域110が空であるとき、または例えば、プロセスまたは系の問題に対処するための反応帯域110へのエチレンおよび/または触媒の流れの中断後のソフト始動中に反応帯域110が材料を既に含有するとき)、その後一時的に停止、その後、エチレンおよび/または触媒系の流れの前またはそれと同じとき(同時)に再び開始してもよい。一定の時間の間の触媒系の流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、および/または147fのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、触媒系の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。一定の時間の間の有機反応媒体の流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、および/または147fのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、有機反応媒体の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。一定の時間の間のスクラブ剤の流れに対するC3+オレフィンの流れのタイミングに関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、および/または147fのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、スクラブ剤の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。
【0129】
図2の系200において、エチレンおよび有機反応媒体の少なくとも一部(
図2の場合には、系200に使用される有機反応媒体の全て)を含む供給原料混合物は、触媒系とは別に反応帯域110に供給され得ることに留意されたい。すなわち、触媒系は、ライン152を介して、および第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110に供給されてもよい一方、供給原料混合物は、ライン191および192を介して、および第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に供給される。
【0130】
ライン191および192のいずれかにおいて別々に供給された供給原料混合物は、触媒系、または触媒系の少なくともクロム成分を実質的に含まない場合がある。「実質的に含まない」とは、反応帯域110に入る供給原料混合物の重量に基づき、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1重量%以下の触媒系が供給原料混合物に存在することを意味する。
【0131】
図3は、本開示による別の反応系300のプロセスフロー図を示す。系300は、エチレン供給ライン142と流体連通するエチレン供給源140と、触媒系供給ライン152と流体連通する触媒系源150と、C
3+供給ライン146と連通するC
3+オレフィン供給源145と、有機反応媒体供給ライン162と流体連通する有機反応媒体供給源160と、スクラブ剤供給ライン172と連通する任意のスクラブ剤供給源170と、エチレン供給ライン142に供給する任意の水素供給ライン144と、任意のポンプ180と、任意の混合装置190と、反応帯域入口119、C
3+オレフィンのための任意の反応帯域入口115、および1つ以上の反応帯域出口を表す反応帯域出口117を有する反応帯域110と、熱交換器120と、のうちの1つ以上を含む。
図3の反応系300は、適切な器具(例えば、弁、制御装置、センサ、電気的書き込み、断熱材)を含み得、これらは
図3に示されないが、本開示の助けを借りて当業者によって含まれ得ることが企図される。
【0132】
反応帯域入口119(1つ以上の反応帯域入口を表す)は、触媒系および供給原料混合物を反応帯域110に導入するように構成されてもよく、反応帯域出口117(1つ以上の反応帯域出口を表す)は、ライン118を介して反応帯域110からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成されてもよい。ライン118において弁130を使用して、ライン118中の反応帯域流出物の流れを制御し、かつ/または反応帯域110の圧力を制御することができる。次いで、ライン118中の反応帯域流出物は、反応帯域流出物からの様々な流れ(例えば、所望のオリゴマー)を単離するために器具(図示せず)に供給される。
【0133】
開示される系およびプロセスの一態様は、任意の反応帯域入口115が、一定時間の間、C
3+オレフィンを反応帯域110に導入するように構成され得ることである。
図3に示される反応帯域110の構成の場合、入口115および119は、出口117から遠く離れて配置されてもよい。入口115および119、ならびに出口117の配置に関する他の検討事項は、例えば、反応帯域110が再循環特徴を含む場合に考慮され得る。
【0134】
触媒系は、触媒系供給源150から触媒系供給ライン152を通って流れて、ライン192において任意に分散された供給原料混合物(エチレン、有機反応媒体、触媒系、任意に水素、および任意に一定時間の間、C
3+オレフィンを含有する)と組み合わされる。ライン152およびライン192を接合することにより、
図3において、反応帯域出口119を介して反応帯域110に供給し得る、組和された供給ライン193が得られる。
【0135】
代替的には(図示せず)、触媒系供給ライン152は、ライン191中の供給原料混合物と組み合わされてもよく、供給原料混合物供給ライン191(エチレン、有機反応媒体、触媒系、任意に水素、および任意に一定時間の間、C3+オレフィンを含有する)は、反応帯域入口119を介して反応帯域110に直接流れることができるか、または混合装置190を通って流れて分散混合物(エチレン、有機反応媒体、触媒系、任意に水素、および任意に一定時間の間、C3+オレフィンを含む分散供給原料混合物含有する)をもたらし、これはその後、ライン192および反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れる。
【0136】
代替的には(図示せず)、触媒系供給ライン152は、有機反応媒体供給ライン162と組み合わされてもよい。かかる態様では、有機反応媒体供給ライン162(有機反応媒体および触媒系を含有する)は、エチレン供給ライン142と接合して、エチレン、有機反応媒体、触媒系、任意に水素、および任意に一定時間の間、C3+オレフィンを含む供給原料混合物ライン191を形成することができる。触媒系をさらに含むライン191は、反応帯域入口119を介して反応帯域110に直接流れることができるか、または混合装置190を通って流れて分散混合物(エチレン、有機反応媒体、触媒系、任意に水素、および任意に一定時間の間、C3+オレフィンを含有する)をもたらし、これはその後、ライン192および反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れる。
【0137】
上述の代替的な触媒系注入態様のいずれかにおいて、触媒系供給ライン152がライン192(例えば、
図3に示されるライン147dを介して)、ライン191、ライン162、またはライン142のいずれかと接合する前に、C
3+オレフィンは一定時間の間、触媒系供給ライン152と組み合わされてもよい。
【0138】
触媒系供給ライン152は、任意に、触媒系と共に溶媒および/または希釈剤を含むことができる。溶媒および/または希釈剤は、本明細書に記載の任意の有機反応媒体であり得る。溶媒および/または希釈剤は、本プロセスに利用される有機反応媒体であり得る。触媒系は、触媒系供給ライン152中の溶媒および/または希釈剤中に分散され得る。例えば、触媒系供給ライン152は、混合装置190と同様の、または予備接触器具(図示せず)中の混合装置(図示せず)を含むことができ、これは、触媒系がライン192中の分散供給原料混合物と組み合わされる前に触媒系を溶媒および/または希釈剤中に分散させるように構成されている。溶媒および/または希釈剤、ならびに触媒系が
図3の触媒系供給ライン152中に存在する場合、クロム:希釈剤の質量比は、本明細書に開示されるいずれかであり得る。
【0139】
有機反応媒体(任意に触媒系と組み合わされる)は、有機反応媒体供給源160からポンプ180を通り、エチレン供給ライン142および有機反応媒体供給ライン162が接合する点へ、有機反応媒体供給ライン162中を流れることができる。
【0140】
図2の系200と同様に、反応帯域110への有機反応媒体の一部の導入前に、
図3の系300中の有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、本明細書に記載されるいずれかのアルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図3は、有機反応媒体供給ライン162が有機反応媒体およびスクラブ剤の両方を含有し得るように、スクラブ剤が供給ライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体供給ライン162中の有機反応媒体と組み合わされなくてもよい。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系300に利用され得る。
【0141】
同じく、
図2の系200と同様に、有機反応媒体の一部とエチレンとの接触前に、
図3の系300中の有機反応媒体の少なくとも一部をスクラブ剤(例えば、本明細書に記載されるいずれかのアルキルアルミニウム化合物)と接触させることができる。
図3は、有機反応媒体供給ライン162とエチレン供給ライン142とを組み合わせることによって有機反応媒体をエチレンと接触させる前に、共触媒がライン172を介して有機反応媒体供給ライン162に添加され得ることを示す。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体供給ライン162中の有機反応媒体と組み合わされなくてもよい。スクラブ剤は、本明細書において独立して開示され、さらに記載される反応系300に利用され得る。
【0142】
図3において、有機反応媒体のすべてが、ライン162を介して反応帯域に供給され得る。しかしながら、本明細書で考察されるように、系300に使用される有機反応媒体の総量の一部のみがライン162中にあり、反応帯域110への導入前にスクラブ剤と任意に接触され、例えば、他の部分は、触媒系供給ライン152中の触媒系と混合され得、かつ/または反応帯域110に直接供給し得るバイパスラインに含まれ得ることが企図される。代替的には、スクラブ剤は、有機反応媒体と組み合わされなくてもよく、有機反応媒体供給ライン162は、ポンプ180の吸引側181に直接流れることができる。
【0143】
エチレン(一定時間の間、C3+オレフィンと任意に組み合わされてもよく、かつ/または水素および/もしくは触媒系と任意に組み合わされてもよい)は、エチレン供給減140からエチレン供給ライン142中を流れることができ、ポンプ180のヘッド側182上のライン162中を流れる有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤、C3+オレフィン、および/または触媒系と組み合わされる)と組み合わされてもよい。代替的には、エチレンは、ポンプ180の吸引側181上のライン162中を流れる有機反応媒体と組み合わされてもよい。
【0144】
ライン142中のエチレンとライン162中の有機反応媒体とを組み合わせることによって、供給原料混合物ライン191中の供給原料混合物が得られる。供給原料混合物は、任意の混合装置190を通って流れ、そこでエチレンおよび有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤および/またはC3+オレフィンと組み合わされてもよい)は分散されてもよく、その後、分散供給原料混合物供給ライン192中の分散供給原料混合物として流れる。
【0145】
供給原料混合物の反応帯域110への導入前に、供給原料混合物を触媒系と接触させてもよい。
図3において、ライン192中の分散供給原料混合物の形態の供給原料混合物は、ライン152中の触媒系と組み合わされて、反応帯域入口119に流れることができ、かつ反応帯域110に供給する組み合わされた供給ライン193を形成することができる。代替的には、ライン191との組み合わせを介して、かつ供給原料混合物が任意の混合装置190に入る前に、供給原料混合物をライン152中の触媒系と接触させてもよい。
【0146】
オリゴマー化反応を制御するために、水素を任意に使用することができる。任意の水素は、水素供給ライン144を介して反応系300のエチレン供給ライン142内に供給され得る。エチレン供給ライン144における水素およびエチレンの組み合わせは、
図3に示すように弁143の上流、または代替的には弁143の下流であり得る。
図3中の水素供給ライン144は、エチレン供給ライン142に供給するように示されているが、水素供給ライン144は、直接、または別のライン(例えば、ライン146、ライン147a、b、c、d、e、f、またはg、ライン152、ライン162、ライン172、ライン191、ライン192、またはライン193)を介して、任意の反応帯域入口(例えば、反応帯域入口115または反応帯域入口119)に流体接続し得ることが企図される。
【0147】
C
3+オレフィンは一定時間の間、ライン147a~g(代替的な性質は
図3において破線で示される)のうちのいずれか1つ以上を介して反応系300に導入され得る。例えば、一定時間の間、反応帯域に導入/供給され得るC
3+オレフィンは、ライン146を介して、かつi)エチレンが、供給ライン162中を流れる有機反応媒体と接合して供給原料混合物ライン191中の供給原料混合物を形成する前に、エチレン供給ライン142中を流れるエチレンと組み合わせるためにライン147aを介して、ii)有機反応媒体エチレンと接合して供給原料混合物ライン191中の供給原料混合物を形成する前に、ライン162中を流れる有機反応媒体と組み合わせるためにライン147bを介して、iii)任意の反応帯域入口115を介してC
3+オレフィンを反応帯域110に直接添加するためにライン147cを介して、iv)ライン152中を流れる触媒系と組み合わせるためにライン147dを介して、v)ライン191中を流れる供給原料混合物と組み合わせるためにライン147eを介して、vi)ライン192中を流れる分散供給原料混合物と組み合わせるためにライン147fを介して、vii)反応帯域入口119を介して反応帯域110に入る前に、組み合わされた供給原料混合物193の成分と組み合わせるためにライン147gを介して、またはviii)i)~vii)の任意の組み合わせで、C
3+オレフィン供給源145から流れることができる。
【0148】
ライン146およびライン147aを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、エチレン供給ライン142中を流れるエチレンと組み合わされてもよい。エチレン供給ライン142(エチレン、C3+オレフィン、任意に水素、および任意に触媒系を含む)は、有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)ライン162と接合して、供給原料混合物ライン191を形成することができる。すなわち、C3+オレフィンがライン147a中を流れる態様では、供給原料混合物は、エチレン、有機反応媒体(任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)、およびC3+オレフィン(および任意に水素、および任意に触媒系)を含む。供給原料混合物供給ライン191は、任意の混合装置190内に流れることができ、そこで、ライン191中の成分が分散される。分散成分(例えば、分散供給原料混合物)は、任意の混合装置190から分散ライン192中を流れることができる。触媒系が事前に反応帯域入口119の上流のラインと接合されていない態様では、分散ライン192中の成分は、触媒系供給ライン152と接合して、ライン191の分散成分および触媒系を含有する組み合わされた供給ライン193を形成することができる。その後、ライン193は、反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147aを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147a、142、191、192、および193を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0149】
ライン146およびライン147bを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、有機反応媒体供給ライン162中を流れる有機反応媒体(これは任意に事前にスクラブ剤と組み合わされてもよい)と組み合わされてもよい。有機反応媒体供給ライン162(有機反応媒体、C3+オレフィン、任意に触媒系、および任意にスクラブ剤を含む)は、エチレン供給ライン142(エチレンおよび任意に水素を含む)と接合して、供給原料混合物ライン191を形成することができる。すなわち、C3+オレフィンがライン147b中を流れる態様では、ライン191中の供給原料混合物は、エチレン、有機反応媒体、およびC3+オレフィン(任意にスクラブ剤、任意に水素、および/または任意に触媒系)を含む。供給原料混合物供給ライン191は、任意の混合装置190内に流れることができ、そこで、ライン191中の成分が分散され得る。分散成分(例えば、分散供給原料混合物)は、任意の混合装置190から分散ライン192中を流れることができる。触媒系が事前に反応帯域入口119の上流のラインと接合されていない態様では、分散ライン192中の成分は、触媒系供給ライン152と接合して、ライン191の分散成分および触媒系を含有する組み合わされた供給ライン193を形成することができる。その後、ライン193は、反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147bを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147b、162、191、192、および193を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0150】
ライン146およびライン147cを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、C3+オレフィンを反応帯域110に導入するように構成された反応帯域入口115を介して直接、反応帯域110へ流れることができる。
【0151】
ライン146およびライン147dを介して一定時間の間、C
3+オレフィンを導入する場合、C
3+オレフィンは、触媒系供給ライン152中を流れる触媒系と組み合わされてもよい。かかる態様では、触媒系は一定時間の間、C
3+オレフィンと共にライン152中を流れて、反応帯域110の外側で供給原料混合物と接合することができる。
図3において、ライン152は、ライン192中の分散供給原料混合物と組み合わされて、組み合わされた供給原料流193を形成し、これは、反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れる。ライン146およびライン147dを介してC
3+オレフィンが導入される態様では、C
3+オレフィンは、ライン146、147d、152、および193を介して、かつ反応帯域入口119を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0152】
ライン146およびライン147eを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、ライン191中の供給原料混合物と組み合わされてもよい。供給原料混合物供給ライン191は、任意の混合装置190内に流れることができ、そこで、ライン191中の成分(C3+オレフィンを含む)が分散され得る。分散成分(例えば、分散供給原料混合物)は、任意の混合装置190から分散ライン192中を流れることができる。触媒系が事前に反応帯域入口119の上流のラインと接合されていない態様では、分散ライン192中の成分は、触媒系供給ライン152と接合して、ライン191の分散成分および触媒系を含有する組み合わされた供給ライン193を形成することができる。その後、ライン193は、反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147eを介して一定時間の間、C3+オレフィンが導入/供給され得る態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147e、191、192、および193を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0153】
ライン146およびライン147fを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、ライン192中の分散供給原料混合物と組み合わされてもよい。かかる態様では、混合装置190に入る供給原料混合物は、エチレン、有機反応媒体(任意にスクラブ剤、水素、および/または触媒系)を含むことができる。分散成分(例えば、分散供給原料混合物)は、任意の混合装置190から分散ライン192中を流れることができる。C3+オレフィンを含有するライン147fは、分散ライン192と組み合わされてもよい。触媒系が事前に反応帯域入口119の上流のラインと接合されていない態様では、分散ライン192中の成分(C3+オレフィンを含む)は、触媒系供給ライン152と接合して、ライン192の成分(例えば、分散供給原料混合物およびC3+オレフィン)ならびに触媒系を含有し得る組み合わされた供給ライン193を形成することができる。その後、ライン193は、反応帯域入口119を介して反応帯域110に流れることができる。ライン146およびライン147fを介してC3+オレフィンが導入される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147f、192、および193を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0154】
ライン146およびライン147gを介して一定時間の間、C3+オレフィンを導入する場合、C3+オレフィンは、組み合わされた供給ライン193中の組み合わされた供給成分と組み合わされてもよい。ライン146およびライン147gを介して一定時間の間、C3+オレフィンが導入/供給される態様では、C3+オレフィンは、ライン146、147g、および193を介して反応帯域110へ流れることができる。
【0155】
一定の時間の間のエチレンの流れに対するC3+オレフィンの流れの開始に関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、147f、および/または147gのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れの開始は、エチレンの流れの前またはそれと同時に開始することができる。代替的には、C3+オレフィンの流れは、エチレンの流れの前に開始し(例えば、ハード始動中に反応帯域110が空であるとき、または例えば、プロセスまたは系の問題に対処するための反応帯域110へのエチレンおよび/または触媒の流れの中断後のソフト始動中に反応帯域110が材料を既に含有するとき)、その後一時的に停止、その後、エチレンおよび/または触媒系の流れの前またはそれと同じとき(同時)に再び開始してもよい。
【0156】
一定の時間の間の触媒系の流れに対するC3+オレフィンの流れの開始に関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、147f、および/または147gのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れの開始は、触媒系の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。
【0157】
一定の時間の間の有機反応媒体の流れの開始に対するC3+オレフィンの流れの開始に関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、147f、および/または147gのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、有機反応媒体の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。
【0158】
一定の時間の間のスクラブ剤の流れの開始に対するC3+オレフィンの流れの開始に関して、C3+オレフィンがライン147a、147b、147c、147d、147e、147f、および/または147gのいずれを流れるかにかかわらず、C3+オレフィンの流れは、スクラブ剤の流れの前、それと同時に、またはその後に開始することができる。
【0159】
図1~3の反応帯域110は、連続撹拌タンク構成を有する連続モードで動作する単一の連続撹拌タンク反応器として示されている。所望のエチレンオリゴマー化結果を達成することができる様々な代替的な構成および/または動作モードが、反応帯域110について企図され、本明細書でより詳細に考察される。
図1~3において、熱電対114は、反応が進行するにつれて反応帯域110の温度を読み取ることができる。モータ112によって作動される
図1~3の撹拌器116は、反応帯域110の内容物を撹拌することができる。
図1~3の撹拌器116は、ロッドを介してモータ112に結合したインペラであり得る。
図1~3の熱交換器120は、ライン122を受け取ることができ、反応帯域110の温度を維持するためにライン124を反応帯域110に提供することができる。
【0160】
図1~
図3の反応帯域110で形成されたエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物は、反応帯域出口117からライン118中を流れることができる。いくつかの実施形態では、ライン118中のエチレンオリゴマー生成物は、生成物回収ゾーン(図示せず)に流れることができる。生成物回収ゾーンは、触媒系の不活性化、エチレンオリゴマー生成物分離(エチレンオリゴマー生成物(例えば、ヘキセンおよび/もしくはオクテン)は、本開示の助けを借りて当該技術分野で既知の技術(例えば、蒸留、フラッシング、吸収、ストリッピング)を介して回収することができる)、副生成物分離および/もしくは単離、ならびに/または反応帯域流出物の取り扱いおよび所望のエチレンオリゴマーの単離を容易にすることができる任意の工程を含んでもよい。
【0161】
任意のプロセス、系、および/または反応系の反応帯域(例えば、図の反応帯域110)は、エチレンをエチレンオリゴマー生成物にオリゴマー化することができる任意の反応器を含み得る。一実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセス、系、または反応系の反応帯域は、撹拌タンク反応器、プラグフロー反応器、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には撹拌タンク反応器、または代替的にはプラグフロー反応器を含み得る。一実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセス、系、または反応系の反応帯域は、オートクレーブ反応器、連続撹拌タンク反応器、ループ反応器、気相反応器、溶液反応器、管状反応器、再循環反応器、気泡反応器、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはオートクレーブ反応器、代替的には攪拌タンク反応器、代替的にはループ反応器、代替的には気相反応器、代替的には溶液反応器、代替的には管状反応器、代替的には再循環反応器、または代替的には気泡反応器を含み得る。いくつかの実施形態では、反応帯域は、複数の反応器、代替的には反応器上のみを含むことができる。複数の反応器が存在する場合、反応器の各々は、同一または異なる種類の反応器であり得る。反応帯域(例えば、反応帯域110)は、バッチモードまたは連続モード、代替的には連続モードで動作する本明細書に開示される種類のいずれかの単一または複数の反応器を含むことができる。
【0162】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系の態様および/または実施形態は、ポンプを利用することができる。一実施形態では、ポンプは、有機反応媒体を反応帯域に圧送することができる任意のポンプであり得る。一般に、ポンプは、有機反応媒体を受ける吸引側と、反応帯域への流れに適した圧力で有機反応媒体を提供するヘッド側と、を有することができる。
図1、
図2、および
図3は、吸引側181およびヘッド側182を有するポンプ180を利用し得る反応系の非限定的な例を提供する。
図1において、ポンプ180は、反応帯域入口215と流体連通している。
図2において、ポンプ180は、反応帯域入口113と流体連通している。
図3において、ポンプ180は、反応帯域入口119と流体連通している。
図1、
図2、および
図3は、ポンプ180が、エチレン(例えば、エチレン供給ライン142から)および有機反応媒体(例えば、スクラブ剤および/または触媒系を任意に含有する有機反応媒体供給ライン162から)が接合して/組み合わされて供給原料混合物を形成する点の上流に位置してもよい。この構成でエチレンを供給すると、フラッシングおよび再圧縮を低減することができます。一実施形態では、ポンプ180は、有機反応媒体と組み合わされた触媒系および/またはスクラブ剤をポンプ180の吸引側181上で受けるように構成されてもよく、代替的には、触媒系および/またはスクラブ剤は、ポンプ180のヘッド側182上で有機反応媒体と組み合わされてもよく、代替的にはスクラブ剤がポンプのヘッド側182上で有機反応媒体および触媒系と組み合わされてもよい一方、触媒系は、ポンプ180の吸引側181上で有機反応媒体と組み合わされてもよく、代替的には、触媒系がポンプ180のヘッド側182上で有機反応媒体およびスクラブ剤と組み合わされてもよい一方、スクラブ剤は、ポンプ180の吸引側181上で有機反応媒体と組み合わされてもよい。
図3の系300において、ポンプ180は、有機反応媒体と組み合わされた触媒系を吸引側181上で受け取り、かつポンプ180のヘッド側182上で有機反応媒体および任意のスクラブ剤と組み合わされた触媒系を圧送するように構成され得る。
【0163】
反応帯域110が再循環特徴を有する構成では、ポンプは、反応帯域110の内容物を熱交換器へと通すのに適した反応帯域110の経路内に含まれ得る。例えば、反応帯域の内容物を圧送するのに適したポンプを
図1、
図2、または
図3のライン122中に配置して、内容物を熱交換器120へと通すことができる。
【0164】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系の態様および/または実施形態は、エチレンおよび有機反応媒体を混合/分散させるための混合装置を利用することができる。一実施形態では、混合装置は、有機反応媒体およびエチレンを供給原料混合物中で混合/分散させることができる任意の装置であり得る。かかる混合/分散を実装して、供給原料混合物用混合物内の高エチレン濃度の領域を最小化することができる。混合装置は、内部を通る流れの撹拌を介してエチレンおよび有機反応媒体の混合を提供することができる。例えば、混合装置は、ハウジング内に配置された固定バッフル(例えば、らせん状構成または任意の他のバッフル構成で)を有する静的ミキサであり得、バッフルは、エチレンおよび有機反応媒体を連続的にブレンドして、供給原料混合物中でエチレンおよび有機反応媒体を分散させる。代替的には、混合装置は、プロペラまたはインペラなどの可動部分を有することができる。
図2は、供給原料混合物が反応帯域110に入る前にエチレンおよび有機反応媒体が供給原料混合物中で分散されるように、i)エチレン供給ライン142および有機反応媒体供給ライン162の接合と、ii)第2の反応帯域入口113との間に位置することができる任意の混合装置190を示す。
図3は、エチレン供給原料が触媒系と組み合わされる前、かつ供給原料混合物が反応帯域110に入る前にエチレンおよび有機反応媒体が供給原料混合物中で分散されるように、i)エチレン供給ライン142および有機反応媒体供給ライン162の接合と、ii)反応帯域入口119との間に位置することができる任意の混合装置190を示す。いくつかの実施形態では、エチレンおよび有機反応媒体の混合/分散は、混合装置を有する容器などの予備接触装置を使用して達成することができる。
【0165】
図に示されるライン118、122、124、142、146、147a~g、152、162、172、191、192、および193は、エチレンオリゴマー化反応系成分のための適切な金属パイプまたはチューブであり得る。
【0166】
図に示される反応帯域入口111、113、115、119、213、および215、ならびに反応帯域出口117は、供給成分を受け、かつ反応帯域110からの反応帯域流出物を除去するためのフランジ、ならびに/または適切なパイプおよび弁の形態であり得る。反応帯域出口117は、1つ以上の物理的出口であり得る。例えば、
図1、
図2、および
図3に示される反応帯域110は、1つの出口117を有することができ、代替的には、反応帯域110は、出口117に加えて1つ以上の他の出口を有することができ、代替的には、反応帯域110は、反応帯域110を画定する複数の反応器の収集のために2つ以上の出口に等しい単一または複数の出口を各々有する複数の反応器を含むことができる。さらに、単一反応帯域入口として示される各反応帯域入口は、指定された材料を反応帯域に供給する1つ以上の反応入口を表すことができる。
【0167】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系のいずれか(例えば、エチレン供給源140)のためのエチレンは、オリゴマー化または重合等級のエチレンであり得る。「オリゴマー化または重合等級のエチレン」とは、エチレンが、エチレン組成物(例えば、エチレン供給ライン142)中の成分の総モル数に基づき少なくとも98.0、98.5、99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9、99.99、99.999モル%の量でエチレン供給ライン142中に存在することを意味する。プロセス、系、および/または反応系(例えば、エチレン供給源140)のいずれかのエチレンは、オリゴマー化または重合等級のエチレンの任意の供給源、例えば、分解プロセス、モノマー回収プロセスなどからの貯蔵タンクまたはラインであり得る。本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系100および200)の実施形態では、エチレンの実質的に全てを触媒系と接触させ、かつ/または供給原料混合物を介して反応帯域(例えば、反応帯域110)に導入/供給することができる。「実質的に全て」とは、系200または300中の全エチレンの少なくとも99.0、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9、99.99、99.999モル%が、供給原料を介して反応帯域に供給され得ることを意味する。
【0168】
C3+オレフィンは、3個以上の炭素原子を有するオレフィンの1つまたは組み合わせであり得る。一態様では、C3+オレフィンは、C3~C18オレフィン、C4~C14オレフィン、またはC6~C12オレフィンであり得る。一実施形態では、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系で利用できる任意のオレフィンは、内部オレフィンまたはアルファオレフィンであり得る。いくつかの実施形態では、内部オレフィンまたはアルファオレフィンは、分枝鎖または直鎖、代替的には分岐鎖、または代替的には直鎖であり得る。いくつかの実施形態では、C3+オレフィンとして、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系で利用できる任意のオレフィンは、通常のアルファオレフィンであり得る。C3+オレフィンの好適な非限定的な例としては、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上があげられる。一実施形態では、C3+オレフィンは、イソ-ブテンを含むことができる。一実施形態では、C3+オレフィンは、プロペン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキセデセン、1-オクタセン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドセン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には1-ヘキセン、1-オクテン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはプロペン、代替的には1-ブテン、代替的には1-ヘキセン、代替的には1-オクテン、代替的には1-デセン、または代替的には1-ドデセンを含むか、またはこれらから本質的になることができる。本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系のためのC3+オレフィン供給源(例えば、C3+オレフィン供給源145)は、エチレンオリゴマー生成物から回収されたC3+オレフィンをC3+オレフィン供給ライン146に流す再循環ラインを含む、本明細書に記載されるオレフィン(複数可)の任意の供給源であり得る。
【0169】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、有機反応媒体を使用することができる。一般に、有機反応は、本明細書に記載されるプロセスにおいて溶媒または希釈剤として作用し得る。一態様では、有機反応媒体は、例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、またはこれらの組み合わせであり得る。有機反応媒体として使用することができる炭化水素およびハロゲン化炭化水素には、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、石油蒸留物、ハロゲン化脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。有機反応媒体として有用であり得る脂肪族炭化水素には、例えば、C3~C20脂肪族炭化水素、またはC4~C15脂肪族炭化水素、またはC5~C10脂肪族炭化水素が含まれる。別段指定されない限り、有機反応媒体として使用することができる脂肪族炭化水素は、環式もしくは非環式であり得、かつ/または直鎖もしくは分岐鎖であり得る。単独または任意の組み合わせで利用することができる好適な非環式脂肪族炭化水素有機反応媒体の非限定的な例としては、プロパン、イソ-ブタン、n-ブタン、ブタン(n-ブタン、もしくは直鎖および分岐鎖C4非環式脂肪族炭化水素の混合物)、ペンタン(n-ペンタン、もしくは直鎖および分岐鎖C5非環式脂肪族炭化水素の混合物)、ヘキサン(n-ヘキサン、もしくは直鎖および分岐鎖C6非環式脂肪族炭化水素の混合物)、ヘプタン(n-ヘプタン、もしくは直鎖および分岐鎖C7非環式脂肪族炭化水素の混合物)、オクタン(n-オクタン、もしくは直鎖および分岐鎖C8非環式脂肪族炭化水素の混合物)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。有機反応媒体として使用することができる好適な環式脂肪族炭化水素の非限定的な例としては、例えば、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンが挙げられる。有機反応媒体として有用であり得る芳香族炭化水素には、C6~C10芳香族炭化水素が含まれる。単独または任意の組み合わせで利用することができる好適な芳香族炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン(オルソ-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、もしくはこれらの混合物を含む)、エチルベンゼン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。有機反応媒体として有用であり得るハロゲン化脂肪族炭化水素には、例えば、C1~C15ハロゲン化脂肪族炭化水素、C1~C10ハロゲン化脂肪族炭化水素、またはC1~C5ハロゲン化脂肪族炭化水素が含まれる。別段指定されない限り、有機反応媒体として使用することができるハロゲン化脂肪族炭化水素は、環式もしくは非環式であり得、かつ/または直鎖もしくは分岐鎖であり得る。有機反応媒体として利用することができる好適なハロゲン化脂肪族炭化水素の非限定的な例としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。有機反応媒体として有用であり得るハロゲン化芳香族炭化水素には、例えば、C6~C20ハロゲン化芳香族炭化水素またはC6~C10ハロゲン化芳香族炭化水素が含まれる。溶媒として使用することができる好適なハロゲン化芳香族炭化水素の非限定的な例としては、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0170】
有機反応媒体の選択は、加工の利便性に基づいて行われ得る。例えば、イソブタンは、本明細書に記載されるプロセスの生成物(複数可)を使用する(例えば、後続の加工工程におけるポリマーの形成のために生成物を使用する)プロセスで使用される溶媒および希釈剤と適合するように選択され得る。いくつかの実施形態では、有機反応媒体は、エチレンオリゴマー生成物中の1つ以上のオリゴマーから容易に分離できるように選択することができる。いくつかの実施形態では、エチレンオリゴマー生成物のオリゴマーを反応系溶媒として利用することができる。例えば、1-ヘキセンがエチレン三量体化プロセスのオリゴマーである場合、1-ヘキセンを反応系溶媒として選択して分離の必要性を低減することができる。
【0171】
有機反応媒体供給源(例えば、有機反応媒体供給源160)は、有機反応媒体の貯蔵タンク、およびオリゴマー化プロセス、ポリマー化プロセス、モノマー回収プロセスなどからの任意のラインを含む、有機反応媒体のための任意の供給源であり得る。
【0172】
図1、
図2、および
図3において、有機反応媒体の供給全体が有機反応媒体供給源160から反応帯域110へ、ライン162中を流れて示されているが、系100、200、および300に使用される有機反応媒体の総量の一部のみがライン162中を流れ、かつ有機反応媒体の別の部分(例えば、任意の他の反応成分と組み合わされていない部分)を反応帯域110に直接、かつライン162と平行な流れで流すためにバイパスラインが代替的に利用され得ることが企図される。追加的または代替的には、系100、200、または300中の有機反応媒体の総量の一部を触媒系供給ライン152に利用することができる。すなわち、有機反応媒体の一部は、希釈するか、または触媒系供給ライン152中の触媒系のための輸送用流体として作用するために使用され得る。
【0173】
本明細書に記載されるように、開示されるプロセス、系、および/または反応系の態様および実施形態は、エチレンおよび有機反応媒体を組み合わせて供給原料混合物を形成することを含み得る。供給原料混合物中の最小エチレン濃度は、供給原料混合物中の総質量に基づき4質量%、10質量%、25質量%、35質量%、または40質量%であり得、代替的または追加的には、供給原料混合物の最大エチレン濃度は、反応帯域中の総質量に基づき65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、48質量%であり得る。一実施形態では、供給原料混合物中のエチレン濃度は、本明細書に開示される供給原料混合物中の任意の最小エチレン濃度~本明細書に開示される供給原料混合物中の任意のエチレン濃度であり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、供給原料混合物中のエチレン濃度は、反応帯域中の総質量に基づき、4質量%~60質量%、10質量%~60質量%、25質量%~55質量%、35質量%~50質量%、または40質量%~48質量%の範囲であり得る。利用され得る供給原料混合物中の他のエチレン濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0174】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系の本発明の態様および実施形態は、(a)N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサンを含む触媒系を利用することができる。いくつかの実施形態では、触媒系は、i)N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体を含むクロム成分、およびii)アルミノキサン、代替的にはi)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体を含むクロム成分、およびii)アルミノキサン、または代替的にはi)N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体を含むクロム成分、およびii)アルミノキサンを含み得る。一般に、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、アルミノキサン、および本命最初に記載される触媒系の任意の他の要素は、触媒系の独立した要素である。これらの触媒系要素は、本明細書において独立して記載され、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系の態様および/または実施形態に利用される触媒系をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用することができる。
【0175】
一実施形態では、本明細書に記載される触媒系に利用されるN
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体は、構造NPFCr1を有するN
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれであり得る。一実施形態では、本明細書に記載される触媒系に利用されるN
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体は、構造NPACr1を有するN
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれであり得る。一実施形態では、本明細書に記載される触媒系に利用されるN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体は、構造GuCr1、GuCr2、GuCr3、GuCr4、もしくはGuCr5を有するN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、代替的には、代替的には構造GuCr1を有するN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、代替的には構造GuCr2を有するN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、代替的には構造GuCr3を有するN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、代替的には構造GuCr4を有するN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、または代替的には構造GuCr5を有するN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれであり得る。
【化1】
N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体およびN
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体内で、中心炭素原子との二重結合に関与する窒素はN
1窒素と称され、中心炭素原子との単結合に関与する窒素原子はN
2窒素と称される。同様に、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体内で、グアニジンコアの中心炭素原子との二重結合に関与する窒素はN
1窒素と称され、グアニジンコアの中心炭素原子との単結合およびホスフィニル基のリン酸原子との結合に関与する窒素原子はN
2窒素と称され、グアニジンコアの中心炭素原子との単結合に関与する残りの窒素原子はN
3窒素と称される。N
2-ホスフィニルグアニジン遷移金属錯体中のグアニジンのグアニジン基は、その名称にグアニジンを含まないより大きい基の一部であり得ることに留意されたい。例えば、化合物7-ジメチルホスフィニルイミダゾ[1,2-a]イミダゾールは、イミダゾ[1,2-a]イミダゾールコアを有する化合物(またはホスフィニルイミダゾ[1,2-a]イミダゾール基を有する化合物)として分類され得る一方、7-ジメチルホスフィニルイミダゾ[1,2-a]イミダゾールは、それがグアニジン化合物の定義された一般構造を含有するため、グアニジンコアを有する化合物として(またはグアニジン基を有する化合物として)分離され得る。
【0176】
構造NPFCr1を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、構造NPACr1を有するN2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および構造GuCr1、GuCr2、GuCr3、GuCr4、および/またはGuCr5を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体内の、R1、R3、R4、およびR5は、本明細書において独立して説明され、構造NPFCr1を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、構造NPACr1を有するN2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および構造GuCr1、GuCr2、GuCr3、GuCr4、および/またはGuCr5を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。同様に、構造NPACr1を有するN2-ホスフィニルアミジンクロム化合物内のR2は、本明細書において独立して説明され、構造NPACr1を有するN2-ホスフィニルアミジンクロム化合物をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。同様に、構造GuCr1、GuCr2、GuCr3、GuCr4、またはGuCr5を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体内のR2a、R2b、L12、L22、およびL23は、本明細書において独立して説明され、構造GuCr1、GuCr2、GuCr3、GuCr4、またはGuCr5を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、およびN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のMXp、Q、およびqは、本明細書において独立して説明され、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、およびN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。さらに、MXp、Q、およびqは、R1、R2、R2a、R2b、R3、R4、R5、L12、L22、および/またはL23を有する本明細書に記載される適切なN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、およびN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体をさらに説明するために、限定することなく、独立して記載されるR1、R2、R2a、R2b、R3、R4、R5、L12、L22、およびL23と組み合わされてもよい。
【0177】
一般に、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1は、オルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1オルガニル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体の不活性官能基から本質的になるR1オルガニル基は、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1ヒドロカルビル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。
【0178】
一実施形態では、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1は、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、または置換アラルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1は、アルキル基もしくは置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、代替的にはアラルキル基もしくは置換アラルキル基、または代替的にはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはアラルキル基であり得る。他の実施形態では、R1基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1は、アルキル基、代替的には置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基、代替的には置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基、代替的にはアラルキル基、または代替的には置換アラルキル基であり得る。
【0179】
本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1は、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得る置換アルキル基は、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5置換アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得るシクロアルキル基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得る置換シクロアルキル基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得るアリール基は、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得る置換アリール基は、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得るアラルキル基は、C7~C20、C7~C15、またはC7~C10アラルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R1として利用され得る置換アリール基は、独立してC7~C20、C7~C15、またはC7~C10置換アラルキル基であり得る。置換アルキル基(一般または特異的)、置換シクロアルキル基(一般または特異的)、置換アリール基(一般または特異的)、および/または置換アラルキル基(一般または特異的)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基(一般または特異的)、および置換ヒドロカルボキシ基(一般または特異的)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R1をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0180】
一実施形態では、R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの実施形態では、R1のうちの1つ以上は、メチル基、エチル基、n-プロピル(1-プロピル)基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、またはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。いくつかの実施形態では、R1として利用され得るアルキル基は、置換されていてもよい。置換アルキル基(一般または特異的)の各置換基は、独立して、ハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基は、R1として利用され得る置換アルキル基をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0181】
一実施形態では、R1は、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基もしくは置換シクロペンチル基、または代替的にはシクロヘキシル基もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、または代替的には置換シクロヘキシル基であり得る。一実施形態では、R1として利用され得る置換シクロアルキル基は、2-置換シクロヘキシル基、2,6-二置換シクロヘキシル基、2-置換シクロペンチル基、もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基もしくは2,6-二置換シクロヘキシル基、代替的には2-置換シクロペンチル基もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基もしくは2-置換シクロペンチル基、代替的には2,6-二置換シクロヘキシル基もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基、代替的には2,6-二置換シクロヘキシル基、代替的には2-置換シクロペンチル基、または代替的には2,6-二置換シクロペンチル基であり得る。一実施形態では、R1として利用され得る多置換シクロアルキル基の1つ以上の置換基は、同じかまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同じであってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が異なっていてもよい。指定された数の環炭素原子を有する置換シクロアルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R1として利用され得る置換シクロアルキル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0182】
非限定的な実施形態では、R1は、シクロヘキシル基、2-アルキルシクロヘキシル基、もしくは2,6-ジアルキルシクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、2-アルキルシクロペンチル基、もしくは2,5-ジアルキルシクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、代替的には2-アルキルシクロヘキシル基、代替的には2,6-ジアルキルシクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には2-アルキルシクロペンチル基、または代替的には、もしくは2,5-ジアルキルシクロペンチル基.アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、R1として利用され得るアルキルシクロヘキシル基(一般的および特定の)、ジアルキルシクロヘキシル基(一般的および特定の)、アルキルシクロペンチル基(一般的および特定の)、および/またはジアルキルシクロペンチル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。一般に、二置換シクロヘキシル基もしくはジアルキルシクロペンチル基のアルキル置換基は同じであってもよく、または代替的には、ジアルキルシクロヘキシル基もしくはジアルキルシクロペンチル基のアルキル置換基は異なっていてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、R1のうちの1つ以上は、2-メチルシクロヘキシル基、2-エチルシクロヘキシル基、2-イソプロピルシクロヘキシル基、2-tert-ブチルシクロヘキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル基、または2,6-ジ-tert-ブチルシクロヘキシル基であり得る。他の非限定的な実施形態では、R1のうちの1つ以上は、2-メチルシクロヘキシル基、2-エチルシクロヘキシル基、2-イソプロピルシクロヘキシル基、もしくは2-tert-ブチルシクロヘキシル基、または代替的には、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル基、もしくは2,6-ジ-tert-ブチルシクロヘキシル基であり得る。
【0183】
一実施形態では、R1は、フェニル基、置換フェニル基、代替的にはフェニル基、または代替的には置換フェニル基であり得る。一実施形態では、R1として利用され得る置換フェニル基は、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基もしくは3,5-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基もしくは4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。一実施形態では、R1として利用され得る多置換フェニル基の1つ以上の置換基は、同じかまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同じであってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基は異なる。置換フェニル基(一般的または特定の)は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R1として利用され得る置換フェニル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0184】
非限定的な実施形態では、R1は、フェニル基、2-アルキルフェニル基、3-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、3,5-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には3-アルキルフェニル基もしくは3,5-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、代替的には4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基、代替的には2,6-ジアルキルフェニル基、または代替的には2,4,6-トリアルキルフェニル基であり得る。アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、R1として利用され得る任意のアルキル置換フェニル基をさらに説明するために限定することなく利用することができる。一般に、ジアルキルフェニル基(一般的または特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的または特定の)のアルキル置換基は同じであってもよく、または代替的には、ジアルキルフェニル基もしくはトリアルキルフェニル基のアルキル置換基は異なっていてもよい。非限定的な実施形態では、R1のうちの1つ以上は、独立して、フェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジ-n-プロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的にはフェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、もしくは2-tert-ブチルフェニル基、代替的にはフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジ-n-プロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。
【0185】
非限定的な実施形態では、R1は、フェニル基、2-アルコキシフェニル基、もしくは4-アルコキシフェニル基であり得る。非限定的な実施形態では、R1は、フェニル基、2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、2-tert-ブトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、もしくは4-tert-ブトキシフェニル基、代替的には2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、もしくは2-tert-ブトキシフェニル基、または代替的には4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、もしくは4-tert-ブトキシフェニル基であり得る。
【0186】
非限定的な実施形態では、R1は、フェニル基、2-ハロフェニル基、4-ハロフェニル基、もしくは2,6-ジハロフェニル基であり得る。一般に、ジハロフェニル基のハロゲン化物は同じであってもよく、または代替的にはジハロフェニル基のハロゲン化物は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、R1は、フェニル基、2-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、もしくは2,6-ジフルオロフェニル基であり得る。
【0187】
一実施形態では、R1は、ベンジル基もしくは置換ベンジル基、代替的にはベンジル基、または代替的には置換ベンジル基であり得る。置換ベンジル基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R1として利用され得る置換ベンジル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0188】
一般に、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2は、オルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2オルガニル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、不活性官能基から本質的になるN2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2オルガニル基は、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2ヒドロカルビル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、C1~C5ヒドロカルビル基であり得る。
【0189】
一実施形態では、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2は、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、または置換アラルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2は、アルキル基もしくは置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、代替的にはアラルキル基もしくは置換アラルキル基、または代替的にはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはアラルキル基であり得る。他の実施形態では、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体のR2は、アルキル基、代替的には置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基、代替的には置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基、代替的にはアラルキル基、または代替的には置換アラルキル基であり得る。
【0190】
本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得るアルキル基は、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、アルキル基、代替的にはC1から、もしくはC1~C5置換アルキル基。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得るシクロアルキル基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得る置換シクロアルキル基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得るアリール基は、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得る置換アリール基は、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得るアラルキル基は、C7~C20、C7~C15、またはC7~C10アラルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2として利用され得る置換アリール基は、独立してC7~C20、C7~C15、またはC7~C10置換アラルキル基であり得る。置換アルキル基(一般または特異的)、置換シクロアルキル基(一般または特異的)、置換アリール基(一般または特異的)、および/または置換アラルキル基(一般または特異的)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R2をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0191】
一実施形態では、R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの実施形態では、R2のうちの1つ以上は、メチル基、エチル基、n-プロピル(1-プロピル)基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、またはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。いくつかの実施形態では、R2として利用され得るアルキル基は、置換されていてもよい。置換アルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基は、R2として利用され得る置換アルキル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0192】
一実施形態では、R2は、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基もしくは置換シクロペンチル基、または代替的にはシクロヘキシル基もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、または代替的には置換シクロヘキシル基であり得る。一実施形態では、R2として利用され得る置換シクロアルキル基は、2-置換シクロヘキシル基、2,6-二置換シクロヘキシル基、2-置換シクロペンチル基、もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基もしくは2,6-二置換シクロヘキシル基、代替的には2-置換シクロペンチル基もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基もしくは2-置換シクロペンチル基、代替的には2,6-二置換シクロヘキシル基もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基、代替的には2,6-二置換シクロヘキシル基、代替的には2-置換シクロペンチル基、または代替的には2,6-二置換シクロペンチル基であり得る。一実施形態では、R2として利用され得る多置換シクロアルキル基の1つ以上の置換基は、同じかまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同じであってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が異なっていてもよい。指定された数の環炭素原子を有するシクロアルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R2として利用され得る置換シクロアルキル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0193】
非限定的な実施形態では、R2は、シクロヘキシル基、2-アルキルシクロヘキシル基、もしくは2,6-ジアルキルシクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、2-アルキルシクロペンチル基、もしくは2,5-ジアルキルシクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、代替的には2-アルキルシクロヘキシル基、代替的には2,6-ジアルキルシクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には2-アルキルシクロペンチル基、または代替的には、もしくは2,5-ジアルキルシクロペンチル基.アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、R2として利用され得るアルキルシクロヘキシル基(一般的もしくは特定の)、ジアルキルシクロヘキシル基(一般的もしくは特定の)、アルキルシクロペンチル基(一般的もしくは特定の)、および/またはジアルキルシクロペンチル基(一般的もしくは特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。一般に、二置換シクロヘキシルもしくはシクロペンチル基のアルキル置換基は同じであってもよく、または代替的にはジアルキルシクロヘキシルもしくはシクロペンチル基のアルキル置換基は異なっていてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、R2のうちのいずれか1つ以上は、2-メチルシクロヘキシル基、2-エチルシクロヘキシル基、2-イソプロピルシクロヘキシル基、2-tert-ブチルシクロヘキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル基、または2,6-ジ-tert-ブチルシクロヘキシル基であり得る。他の非限定的な実施形態では、R2のうちの1つ以上は、2-メチルシクロヘキシル基、2-エチルシクロヘキシル基、2-イソプロピルシクロヘキシル基、もしくは2-tert-ブチルシクロヘキシル基、または代替的には、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル基、もしくは2,6-ジ-tert-ブチルシクロヘキシル基であり得る。
【0194】
一実施形態では、R2は、フェニル基、置換フェニル基、代替的にはフェニル基、または代替的には置換フェニル基であり得る。一実施形態では、R2として利用され得る置換フェニル基は、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基もしくは3,5-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基もしくは4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。一実施形態では、R2として利用され得る多置換フェニル基の1つ以上の置換基は、同じかまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同じであってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が異なっていてもよい。置換フェニル基(一般的または特定の)は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的または特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的または特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R2として利用され得る置換フェニル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0195】
非限定的な実施形態では、R2は、フェニル基、2-アルキルフェニル基、3-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、3,5-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には3-アルキルフェニル基もしくは3,5-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、代替的には4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基、代替的には2,6-ジアルキルフェニル基、または代替的には2,4,6-トリアルキルフェニル基であり得る。アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、R2として利用され得る任意のアルキル置換フェニル基をさらに説明するために限定することなく利用することができる。一般に、ジアルキルフェニル基(一般的または特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的または特定の)のアルキル置換基は同じであってもよく、または代替的には、ジアルキルフェニル基もしくはトリアルキルフェニル基のアルキル置換基は異なっていてもよい。非限定的な実施形態では、R2のうちの1つ以上は、独立して、フェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジ-n-プロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的にはフェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、もしくは2-tert-ブチルフェニル基、代替的にはフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジ-n-プロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。
【0196】
非限定的な実施形態では、R2は、フェニル基、2-アルコキシフェニル基、もしくは4-アルコキシフェニル基であり得る。非限定的な実施形態では、R2は、フェニル基、2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、2-tert-ブトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、もしくは4-tert-ブトキシフェニル基、代替的には2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、もしくは2-tert-ブトキシフェニル基、または代替的には4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、もしくは4-tert-ブトキシフェニル基であり得る。
【0197】
非限定的な実施形態では、R2は、フェニル基、2-ハロフェニル基、4-ハロフェニル基、もしくは2,6-ジハロフェニル基であり得る。一般に、ジハロフェニル基のハロゲン化物は同じであってもよく、または代替的にはジハロフェニル基のハロゲン化物は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、R2は、フェニル基、2-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、もしくは2,6-ジフルオロフェニル基であり得る。
【0198】
一実施形態では、R2は、ベンジル基もしくは置換ベンジル基、代替的にはベンジル基、または代替的には置換ベンジル基であり得る。置換ベンジル基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R2として利用され得る置換ベンジル基をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0199】
一般に、R2aおよび/またはR2b基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよび/またはR2bは、水素もしくはオルガニル基、代替的には水素、または代替的にはオルガニル基であり得る。別の態様では、R2aおよび/またはR2b基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよび/またはR2bは、不活性官能基から本質的になる水素もしくはオルガニル基、代替的には水素、または代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基であり得る。一態様では、R2aおよび/またはR2b基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよび/またはR2bは、水素もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、R2aおよび/またはR2bオルガニル基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよびR2bオルガニル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。いくつかの実施形態では、不活性官能基からなるR2aおよび/またはR2bオルガニルを有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体の不活性官能基からなるR2aおよび/またはR2bオルガニル基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。他の実施形態では、R2aおよび/またはR2bヒドロカルビル基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよび/またはR2bヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。
【0200】
一実施形態では、R2aおよび/またはR2bオルガニル基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよびR2bは、独立して、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、または置換アラルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、R2aおよび/またはR2bオルガニル基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよびR2bは、独立して、アルキル基もしくは置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、代替的にはアラルキル基もしくは置換アラルキル基、または代替的にはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはアラルキル基であり得る。他の実施形態では、R2aおよび/またはR2bオルガニル基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよびR2bは、独立して、アルキル基、代替的には置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基、代替的には置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基、代替的にはアラルキル基、または代替的には置換アラルキル基であり得る。
【0201】
本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2aおよび/またはR2bは独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2aおよび/またはR2bとして利用され得るシクロアルキル基は、独立して、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2aおよび/またはR2bとして利用され得る置換シクロアルキル基は、独立して、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2aおよび/またはR2bとして利用され得るアリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R2aおよび/またはR2bとして利用され得る置換アリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基であり得る。置換シクロアルキル基(一般または特異的)および/または置換アリール基(一般または特異的)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R2aおよび/またはR2bをさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0202】
一態様では、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR1およびR2aを接合して基L12を形成することができ、L12、N1窒素原子、およびN3窒素原子は、環または環系を形成することができる。別の態様では、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3およびR2bを接合して基L23を形成することができ、L23、N2窒素原子、およびN3窒素原子は、環または環系を形成することができる。一実施形態では、L12基および/またはL23基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL12および/またはL23は、独立して、オルガニレン基、代替的には不活性官能基からなるオルガニレン基、または代替的にはヒドロカルビレン基であり得る。L12基および/またはL23基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL12および/またはL23として利用され得るオルガニレン基は、独立して、C2~C20、C2~C15、C2~C10、またはC2~C5オルガニレン基であり得る。L12基および/またはL23基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL12および/またはL23として利用され得る不活性官能基からなるオルガニレン基は、独立して、不活性官能基からなるC2~C20、C2~C15、C2~C10、またはC2~C5オルガニレン基であり得る。L12基および/またはL23基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL12および/またはL23として利用され得るヒドロカルビレン基は、独立して、C2~C20、C2~C15、C2~C10、またはC2~C5ヒドロカルビレン基であり得る。
【0203】
一実施形態では、L
12および/またはL
23は、表1に提供される任意の構造を有することができる。いくつかの実施形態では、L
12および/またはL
23は、構造1L、構造2L、構造3L、構造4L、または構造5Lを有することができる。いくつかの実施形態では、L
12および/またはL
23は、構造2Lまたは構造3L、代替的には構造4Lまたは構造5Lを有することができる。他の実施形態では、L
12および/またはL
23は、構造1L、代替的には構造2L、代替的には構造3L、代替的には構造4L、または代替的には構造5Lを有することができる。いくつかの実施形態において、L
12および/またはL
23は、構造6Lを有し得る。L
12が構造6Lを有する場合、N
2-ホスフィニルグアニジン金属錯体のN
3窒素原子との二重結合リンクにより、対応するR
2bは欠損している(実際には描かれているが、芳香族共鳴によって非局在化することができる)。
【表1】
表1の構造内で、未指定の原子価は、存在する場合、L
12および/またはL
23がN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のそれぞれの窒素原子に結合する点を表す。一般に、mは、2~5の範囲の整数であり得る。さらなる実施形態では、mは、2もしくは3であり得、代替的にはmは2であり得、または代替的にはmは3であり得る。構造1Lを有する結合基のR
L1およびR
L2、構造2Lを有する結合基のR
L3、R
L4、R
L5、およびR
L6、構造3Lを有する結合基のR
L3、R
L4、R
L5、R
L6、R
L7、およびR
L8、構造4Lを有する結合基のR
L11およびR
L12、構造5Lを有する結合基のR
L23、R
L24、R
L25、およびR
L26、構造6Lを有する結合基のR
L27、R
L28、およびR
L29は、独立して、水素もしくは非水素置換基、または代替的には水素であり得る。非水素置換基(一般的および特定の)は本明細書において独立して開示され、構造1L、構造2L、構造3L、構造4L、および/または構造5Lを有する結合基をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。一実施形態では、L
12および/またはL
23は、エト-1,2-イレン基(-CH
2CH
2-)、エテン-1,2-イレン基(-CH=CH-)、プロプ-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH
2-)、1-メチルエテン-1,2-イレン基(-C(CH
3)=CH-)、ブト-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH(CH
3)-)、3-メチルブト-1,3-イレン基(-CH
2CH
2C(CH
3)
2-)、フェニ-1,2-イレン基であり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、L
12および/またはL
23は、エト-1,2-イレン基(-CH
2CH
2-)、プロプ-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH
2-)、1-メチルエテン-1,2-イレン基(-C(CH
3)=CH-)、ブト-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH(CH
3)-)、または3-メチルブト-1,3-イレン基(-CH
2CH
2C(CH
3)
2-)、代替的にはエト-1,2-イレン基(-CH
2CH
2-)、エテン-1,2-イレン基(-CH=CH-)、プロプ-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH
2-)、またはフェニ-1,2-イレン基、代替的にはエト-1,2-イレン基(-CH
2CH
2-)、またはプロプ-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH
2-)、代替的にはエテン-1,2-イレン基(-CH=CH-)またはフェニ-1,2-イレン基であり得る他の実施形態では、L
12および/またはL
23は、エト-1,2-イレン基(-CH
2CH
2-)、代替的にはエテン-1,2-イレン基(-CH=CH-)、代替的にはプロプ-1,3-イレン基(-CH
2CH
2CH
2-)、代替的には1-メチルエテン-1,2-イレン基(-C(CH
3)=CH-)、代替的にはブト-,3-レン基(-CH
2CH
2CH(CH
3)-)、代替的には3-メチルブト-1,3-イレン基(-CH
2CH
2C(CH
3)
2-)、または代替的にはフェニ-1,2-イレン基であり得る。いくつかの実施形態では、L
12および/またはL
23は、-CH=CH-CH=基であり得る。
【0204】
一実施形態では、L12は、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のN1窒素原子に結合した炭素原子上に位置する少なくとも1つの置換基を含み得る構造、またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のN1窒素に結合した炭素原子上に位置する1つのみの置換基を含み得る構造、または代替的にはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のN1窒素に結合した炭素原子上に位置する2つの置換基を含み得る構造を有することができる。別の実施形態では、L12は、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のN1窒素に結合した炭素原子上に位置する1つの置換基からなり得る構造、または代替的にはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のN1窒素に結合した炭素原子上に位置する2つの置換基からなり得る構造を有することができる。
【0205】
一実施形態では、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR2aおよびR2bを接合して基L22を形成することができ、R2a、R2b、およびN3窒素原子(またはL22およびN3窒素原子)は、環または環系を形成する。一実施形態では、L22基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL22は、オルガニレン基、代替的には不活性官能基からなるオルガニレン基、または代替的にはヒドロカルビレン基であり得る。L22基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL22として利用され得るオルガニレン基は、C3~C20、C3~C15オルガニレン、またはC3~C10オルガニレン基であり得る。L22基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL22として利用され得る不活性官能基からなるオルガニレン基は、不活性官能基からなるC3~C20、C3~C15、またはC3~C10オルガニレン基であり得る。L22基を有するN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL22として利用され得るヒドロカルビレン基は、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10ヒドロカルビレン基であり得る。
【0206】
一実施形態では、L
22は、表2に提供される任意の構造を有することができる。いくつかの実施形態では、L
22は、構造11L、構造12L、構造13L、構造14L、構造15L、または構造16Lを有することができる。他の実施形態では、L
22は、構造11L、代替的には構造12L、代替的には構造13L、代替的には構造14L、または代替的には構造15Lを有することができる。
【表2】
表2の構造内で、未指定の原子価は、存在する場合、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のL
22がN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のN
3窒素原子に結合する点を表す。一般に、n、4~7の範囲の整数であり得る。さらなる実施形態では、nは、4もしくは5であり得、代替的にはnは4であり得、または代替的にはnは5であり得る。構造11Lを有する結合基のR
L31およびR
L32、構造12Lを有する結合基のR
L41、R
L42、R
L43、R
L44、R
L45、R
L46、R
L47、およびR
L48、構造13Lを有する結合基のR
L41、R
L42、R
L43、R
L44、R
L45、R
L46、R
L47、R
L48、R
L49、およびR
L50、構造14Lを有する結合基のR
L41、R
L42、R
L43、R
L44、R
L45、R
L46、R
L47、およびR
L48、ならびに構造15Lを有する結合基のR
L41、R
L42、R
L43、R
L44、R
L45、R
L46、R
L47、およびR
L48は、独立して、水素もしくは非水素置換基、または代替的には水素であり得る。非水素置換基は本明細書において独立して開示され、構造11L、構造12L、構造13L、構造14L、および/または構造15Lを有する結合基をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。一実施形態では、L
22は、ブト-1,4-イレン基、ペント-1,4-イレン基、ペント-1,5-イレン基、ヘキサ-2,5-イレン基、ヘキサ-1,5-イレン基、ヘプタ-2,5-イレン基、ブタ-1,3-ジエン-1,4-イレン基、ビス(エト-2-イル)エーテル基、代替的にはブト-1,4-イレン基、ペント-1,5-イレン基、もしくはビス(エト-2-イル)エーテル基、代替的にはブト-1,4-イレン基、代替的にはペント-1,5-イレン基、代替的にはブタ-1,3-ジエン-1,4-イレン基、または代替的にはビス(エト-2-イル)エーテル基であり得る。
【0207】
一般に、R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3は、水素もしくはオルガニル基、水素もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、代替的にはオルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3として利用され得るオルガニル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3として利用され得る不活性官能基から本質的になるオルガニル基は、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3として利用され得るヒドロカルビル基は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。他の実施形態では、R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3は、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。なお他の実施形態では、R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR3は、フェニル基もしくはC6~C20置換フェニル基、代替的にはフェニル基もしくはC6~C15置換フェニル基、または代替的にはフェニル基もしくはC6~C10置換フェニル基であり得る。置換基(一般的および特定の)は本明細書に提供され、これらの置換基は、非水素R3基を有するN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのR3として利用され得る置換フェニル基をさらに説明するために利用することができる。
【0208】
一般に、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR5は、独立して、オルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR5オルガニル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体の不活性官能基から本質的になるR4および/またはR5オルガニル基は、独立して、不活性官能基から本質的になるC1~C20、C1~C15、C1~C10、またはC1~C5オルガニル基であり得る。一実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR5ヒドロカルビル基は、独立して、C1~C20、C1~C15、C1~C10ヒドロカルビル、またはC1~C5ヒドロカルビル基であり得る。さらなる実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR 5は接合して、環または環系を形成することができる。
【0209】
一実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR5は、独立して、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、または置換アラルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR5は、独立して、アルキル基もしくは置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基もしくは置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基もしくは置換アリール基、代替的にはアラルキル基もしくは置換アラルキル基、または代替的にはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、もしくはアラルキル基であり得る。他の実施形態では、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のR4および/またはR5は、独立して、アルキル基、代替的には置換アルキル基、代替的にはシクロアルキル基、代替的には置換シクロアルキル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基、代替的にはアラルキル基、または代替的には置換アラルキル基であり得る。
【0210】
本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各アルキル基は、独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各置換アルキル基は、独立して、C1~C20、C1~C10、またはC1~C5置換アルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各シクロアルキル基は、独立して、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各置換シクロアルキル基は、独立して、C4~C20、C4~C15、またはC4~C10置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各アリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各置換アリール基は、独立して、C6~C20、C6~C15、またはC6~C10置換アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各アラルキル基は、独立して、C7~C20、C7~C15、またはC7~C10アラルキル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る各置換アリール基は、独立して、C7~C20、C7~C15、またはC7~C10置換アラルキル基であり得る。置換アルキル基(一般または特異的)、置換シクロアルキル基(一般または特異的)、置換アリール基(一般または特異的)、および/または置換アラルキル基(一般または特異的)の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R4および/またはR5をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0211】
一実施形態では、R4およびR5は独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの実施形態では、R4およびR5は独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル(1-プロピル)基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、またはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。いくつかの実施形態では、R4および/またはR5として利用され得るアルキル基は、置換されていてもよい。置換アルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲンおよび置換ヒドロカルボキシ基は、R4および/またはR5として独立して利用され得る置換アルキル基をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0212】
一実施形態では、R4およびR5は独立して、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基もしくは置換シクロペンチル基、または代替的にはシクロヘキシル基もしくは置換シクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には置換シクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、または代替的には置換シクロヘキシル基であり得る。一実施形態では、R4およびR5のために利用され得る置換シクロアルキル基は、2-置換シクロヘキシル基、2,6-二置換シクロヘキシル基、2-置換シクロペンチル基、もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基もしくは2,6-二置換シクロヘキシル基、代替的には2-置換シクロペンチル基もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基もしくは2-置換シクロペンチル基、代替的には2,6-二置換シクロヘキシル基もしくは2,6-二置換シクロペンチル基、代替的には2-置換シクロヘキシル基、代替的には2,6-二置換シクロヘキシル基、代替的には2-置換シクロペンチル基、または代替的には2,6-二置換シクロペンチル基であり得る。置換シクロアルキル基(一般的または特定の)が1つ以上の置換基を有する実施形態では、置換基は同じであっても異なっていてもよく、代替的には同じであってもよく、または代替的には異なっていてもよい。指定された数の環炭素原子を有するシクロアルキル基の各置換基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的または特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的または特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R4および/またはR5として利用され得る置換シクロアルキル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0213】
非限定的な実施形態では、R4およびR5は独立して、シクロヘキシル基、2-アルキルシクロヘキシル基、もしくは2,6-ジアルキルシクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、2-アルキルシクロペンチル基、もしくは2,5-ジアルキルシクロペンチル基、代替的にはシクロヘキシル基、代替的には2-アルキルシクロヘキシル基、代替的には2,6-ジアルキルシクロヘキシル基、代替的にはシクロペンチル基、代替的には2-アルキルシクロペンチル基、または代替的には、もしくは2,5-ジアルキルシクロペンチル基.アルキル置換基(一般的または特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、R4およびR5として利用され得るアルキルシクロヘキシル基(一般的もしくは特定の)、ジアルキルシクロヘキシル基(一般的もしくは特定の)、アルキルシクロペンチル基(一般的もしくは特定の)、および/またはジアルキルシクロペンチル基(一般的もしくは特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。一般に、二置換シクロヘキシルもしくはシクロペンチル基のアルキル置換基は同じであってもよく、または代替的にはジアルキルシクロヘキシルもしくはシクロペンチル基のアルキル置換基は異なっていてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、R4およびR5は独立して、2-メチルシクロヘキシル基、2-エチルシクロヘキシル基、2-イソプロピルシクロヘキシル基、2-tert-ブチルシクロヘキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル基、または2,6-ジ-tert-ブチルシクロヘキシル基であり得る。他の非限定的な実施形態では、R4およびR5は独立して、2-メチルシクロヘキシル基、2-エチルシクロヘキシル基、2-イソプロピルシクロヘキシル基、もしくは2-tert-ブチルシクロヘキシル基、または代替的には2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジエチルシクロヘキシル基、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル基、もしくは2,6-ジ-tert-ブチルシクロヘキシル基であり得る。
【0214】
一実施形態では、R4およびR5は独立して、フェニル基、置換フェニル基、代替的にはフェニル基、または代替的には置換フェニル基であり得る。一実施形態では、R4および/またはR5のために利用され得る置換フェニル基は、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基もしくは3,5-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基もしくは4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基もしくは2,6-二置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には3-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。一実施形態では、R4および/またはR5として利用され得る多置換フェニル基の1つ以上の置換基は、同じかまたは異なってもよく、代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基が同じであってもよく、または代替的には多置換シクロアルキル基の全ての置換基は異なる。置換フェニル基(一般的または特定の)は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的または特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的または特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R4および/またはR5として利用され得る置換フェニル基(一般的および特定の)をさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0215】
非限定的な実施形態では、R4およびR5は独立して、フェニル基、2-アルキルフェニル基、3-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、3,5-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、4-アルキルフェニル基、2,4-ジアルキルフェニル基、2,6-ジアルキルフェニル基、もしくは2,4,6-トリアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には3-アルキルフェニル基もしくは3,5-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基もしくは2,6-ジアルキルフェニル基、代替的には2-アルキルフェニル基、代替的には4-アルキルフェニル基、代替的には2,4-ジアルキルフェニル基、代替的には2,6-ジアルキルフェニル基、または代替的には2,4,6-トリアルキルフェニル基であり得る。アルキル置換基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して記載され、これらのアルキル置換基は、R4および/またはR5として利用され得る任意のアルキル置換フェニル基をさらに説明するために限定することなく利用することができる。一般に、ジアルキルフェニル基(一般的または特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的または特定の)のアルキル置換基は同じであってもよく、または代替的には、ジアルキルフェニル基(一般的もしくは特定の)もしくはトリアルキルフェニル基(一般的もしくは特定の)のアルキル置換基は異なっていてもよい。非限定的な実施形態では、R4およびR5は独立して、フェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジ-n-プロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的にはフェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-n-プロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、もしくは2-tert-ブチルフェニル基、代替的にはフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジ-n-プロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-イソプロピル-6-メチルフェニル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。
【0216】
非限定的な実施形態では、R4および/またはR5は、フェニル基、2-アルコキシフェニル基、もしくは4-アルコキシフェニル基であり得る。非限定的な実施形態では、R4および/またはR5は、フェニル基、2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、2-tert-ブトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、もしくは4-tert-ブトキシフェニル基、代替的には2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、もしくは2-tert-ブトキシフェニル基、または代替的には4-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、もしくは4-tert-ブトキシフェニル基であり得る。
【0217】
非限定的な実施形態では、R4および/またはR5は独立して、フェニル基、2-ハロフェニル基、4-ハロフェニル基、もしくは2,6-ジハロフェニル基であり得る。一般に、ジハロフェニル基のハロゲン化物は同じであってもよく、または代替的にはジハロフェニル基のハロゲン化物は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、R4およびR5は独立して、フェニル基、2-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基、もしくは2,6-ジフルオロフェニル基であり得る。
【0218】
一実施形態では、R4およびR5は独立して、ベンジル基もしくは置換ベンジル基、代替的にはベンジル基、または代替的には置換ベンジル基であり得る。置換ベンジル基は、独立して、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。置換基ハロゲン、置換基ヒドロカルビル基(一般的および特定の)、および置換基ヒドロカルボキシ基(一般的および特定の)は、本明細書において独立して開示される。これらの置換ハロゲン、置換ヒドロカルビル基、および置換ヒドロカルボキシ基は、R4および/またはR5として利用され得る置換ベンジルをさらに説明するために限定することなく利用することができる。
【0219】
一般に、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のクロム化合物は、式CrXp(式中、Xは、モノアニオン性リガンドを表し、pは、モノアニオン性リガンドの数(およびクロム化合物中のクロムの酸化状態)を表す)を有する。モノアニオン性リガンド(X)およびpは、クロム化合物の独立した要素であり、本明細書において独立して記載される。モノアニオン性リガンド
(X)およびpの独立した記載は、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のクロム化合物をさらに説明するために、限定することなく利用することができる。
【0220】
一般に、クロム化合物(CrXp)のクロム原子は、クロム原子に利用可能である任意の正の酸化状態を有し得る。一実施形態では、クロム原子は、+2~+6、代替的には+2~+4、または代替的には+2~+3の酸化状態を有し得る。いくつかの実施形態は、クロム化合物(CrXp)のクロム原子は、+1、代替的には+2、代替的には+3、または代替的には+4の酸化状態を有し得る。
【0221】
クロム化合物のモノアニオンXは、任意のモノアニオンであり得る。一実施形態では、モノアニオンXは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、β-ジケトナート、ヒドロカルボン酸塩、硝酸塩、または塩素酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、モノアニオンXは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、β-ジケトナート、またはヒドロカルボン酸塩であり得る。任意の態様または実施形態では、ヒドロカルボン酸塩は、アルコキシド、アリールオキシド、またはアラルコキシドであり得る。一般に、ヒドロカルボン酸塩(およびヒドロカルボン酸塩の副区分)は、ヒドロカルボキシ基のアニオン類似体である。他の実施形態では、モノアニオンXは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、β-ジケトナート、もしくはアルコキシド、または代替的にはハロゲン化物もしくはβ-ジケトナートであり得る。他の実施形態では、モノアニオンXは、ハロゲン化物、代替的にはカルボン酸塩、代替的にはβ-ジケトネート、代替的にはヒドロカルボン酸塩、代替的にはアルコキシド、または代替的にはアリールオキシドであり得る。一般に、モノアニオンの数pは、金属原子の酸化状態に等しくてもよい。一実施形態では、モノアニオンの数pは、2~6、代替的には2~4、代替的には2~3、代替的には1、代替的には2、代替的には3、または代替的には4であり得る。
【0222】
一般に、クロム化合物の各ハロゲン化物モノアニオンXは、独立して、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、または代替的には塩素、臭素、もしくはヨウ素であり得る。一実施形態では、クロム化合物の各ハロゲン化物モノアニオンXは、塩素、代替的には臭素、または代替的にはヨウ素であり得る。
【0223】
一般に、クロム化合物の各カルボン酸モノアニオンは独立して、C1~C20カルボン酸塩、または代替的にはC1~C10カルボン酸塩であり得る。一実施形態では、クロム化合物の各カルボン酸モノアニオンは、独立して、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、もしくはドデカン酸塩、または代替的にはペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、またはドデカン酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、クロム化合物の各カルボン酸モノアニオンは、独立して、酢酸塩、プロピオン酸塩、n-酪酸塩、吉草酸塩(n-ペンタン酸塩)、ネオ-ペンタン酸塩、カプロン酸塩(n-ヘキサン酸塩)、n-ヘプタン酸塩、カプリル酸塩(n-オクタン酸塩)、2-エチルヘキサン酸塩、n-ノナン酸塩、カプリン酸塩(n-デカン酸塩)、n-ウンデカン酸塩、もしくはラウリン酸塩(n-ドデカン酸塩)、代替的には吉草酸塩(n-ペンタン酸塩)、ネオ-ペンタン酸塩、カプロン酸塩(n-ヘキサン酸塩)、n-ヘプタン酸塩、カプリル酸塩(n-オクタン酸塩)、2-エチルヘキサン酸塩、n-ノナン酸塩、カプリン酸塩(n-デカン酸塩)、n-ウンデカン酸塩、もしくはラウリン酸塩(n-ドデカン酸塩)、代替的にはカプロン酸塩(n-ヘキサン酸塩)、代替的にはn-ヘプタン酸塩、代替的にはカプリル酸塩(n-オクタン酸塩)、または代替的にはエチルヘキサン酸塩であり得る。いくつかの実施形態において、クロム化合物のカルボン酸モノアニオンは、トリフレート(トリフルオロ酢酸塩)であり得る。
【0224】
一般に、クロム化合物の各β-ジケトネートモノアニオンは、独立して、任意のC1~C20β-ジケトネート、または代替的には任意のC1~C10β-ジケトネートであり得る。一実施形態では、クロム化合物の各β-ジケトネートモノアニオンは、アセチルアセトネート(すなわち、2,4-ペンタンジオネート)、ヘキサフルオロアセチルアセトン(すなわち、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオネート)もしくはベンゾイルアセトネート、代替的にはアセチルアセトネート、代替的にはヘキサフルオロアセチルアセトン、または代替的にはベンゾイルアセトネートであり得る。
【0225】
一般に、クロム化合物の各ヒドロカルボン酸モノアニオンは、独立して、任意のC1~C20ヒドロカルボン酸塩、または代替的には任意のC1~C10ヒドロカルボン酸塩であり得る。一実施形態では、クロム化合物の各ヒドロカルボン酸モノアニオンは、独立して、C1~C20アルコキシド、代替的にはC1~C10アルコキシド、代替的にはC6~C20アリールオキシド、または代替的にはC6~C10アリールオキシドであり得る。一実施形態では、クロム化合物の各アルコキシドモノアニオンは、独立して、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、またはブトキシドであり得る。いくつかの実施形態では、クロム化合物の各アルコキシドモノアニオンは、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、もしくはtert-ブトキシド、代替的にはメトキシド、代替的にはエトキシド、代替的にはイソ-プロポキシド、または代替的にはtert-ブトキシドであり得る。一態様では、アリールオキシドは、フェノキシドであってもよい。
【0226】
非限定的な実施形態では、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのクロム化合物は、ハロゲン化クロム(II)、ハロゲン化クロム(III)、カルボン酸クロム(II)、カルボン酸クロム(III)、クロム(II)β-ジケトネート、またはクロム(III)β-ジケトネートを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、本明細書に記載される本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのクロム化合物は、ハロゲン化クロム(II)、カルボン酸クロム(II)、クロム(II)β-ジケトネート、または代替的にはハロゲン化クロム(III)、カルボン酸クロム(III)、もしくはクロム(III)β-ジケトネートを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなってもよい。他の非限定的な実施形態では、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのクロム化合物は、ハロゲン化クロム(II)、代替的にはハロゲン化クロム(III)、代替的にはカルボン酸クロム(II)、代替的にはカルボン酸クロム(III)、代替的にはクロム(II)β-ジケトネート、または代替的にはクロム(III)β-ジケトネートを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなってもよい。
【0227】
非限定的な実施形態では、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのクロム化合物は、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、フッ化クロム(II)、フッ化クロム(III)、臭化クロム(II)、臭化クロム(III)、ヨウ化クロム(II)、ヨウ化クロム(III)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、2-エチルヘキサン酸クロム(II)、2-エチルヘキサン酸クロム(III)、クロム(II)トリフレート、クロム(III)トリフレート、硝酸クロム(II)、硝酸クロム(III)、クロム(II)アセチルアセトネート、クロム(III)アセチルアセトネート、クロム(II)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、クロム(III)ベンゾイルアセトネート、またはクロム(III)ベンゾイルアセトネートを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなってもよい。非限定的な実施形態では、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのクロム化合物は、塩化クロム(III)、フッ化クロム(III)、臭化クロム(III)、ヨウ化クロム(III)、塩化クロム(III)を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなってもよい。錯体、酢酸クロム(III)、2-エチルヘキサン酸クロム(III)、クロム(III)トリフレート、硝酸クロム(III)、クロム(III)アセチルアセトネート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトネート、またはクロム(III)ベンゾイルアセトネートを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなってもよい。さらなる実施形態では、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかのクロム化合物は、塩化クロム(III)もしくはクロム(III)アセチルアセトネート、代替的には塩化クロム(III)、または代替的にはクロム(III)アセチルアセトネートであり得る。
【0228】
一般に、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかの中性リガンドQは、存在する場合、独立して、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体と単離可能な化合物を形成する任意の中性リガンドであり得る。一態様では、各中性リガンドは、独立して、ニトリルもしくはエーテル、代替的にはニトリル、または代替的にはエーテルであり得る。中性リガンドqの数は、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体と単離可能な化合物を形成する任意の数であり得る。一態様では、本明細書に記載されるN2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体のいずれかの中性リガンドの数は、0~6、代替的には0~3、代替的には0、代替的には1、代替的には2、代替的には3、または代替的には4であり得る。
【0229】
一般に、各ニトリルリガンドは独立して、C2~C20ニトリル、または代替的にはC2~C10ニトリルであり得る。一実施形態では、各ニトリルリガンドは独立して、C2~C20脂肪族ニトリル、C7~C20芳香族ニトリル、C8~C20アラルカンニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはC2~C20脂肪族ニトリル、代替的にはC7~C20芳香族ニトリル、または代替的にはC8~C20アラルカンニトリルであり得る。いくつかの実施形態では、各ニトリルリガンドは独立して、C2~C10脂肪族ニトリル、C7~C10芳香族ニトリル、C8~C10アラルカンニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはC1~C10脂肪族ニトリル、代替的にはC7~C10芳香族ニトリル、または代替的にはC8~C10アラルカンニトリルであり得る。一実施形態では、各脂肪族ニトリルは、独立して、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはアセトニトリル、代替的にはプロピオニトリル、代替的にはブチロニトリル、または代替的にはベンゾニトリルであり得る。
【0230】
一般に、各エーテルリガンドは独立して、C2~C40エーテル、代替的にはC2~C30エーテル、または代替的にはC2~C20エーテルであり得る。一実施形態では、各エーテルリガンドは独立して、C2~C40脂肪族エーテル、C3~C40脂肪族環式エーテル、C4~C40芳香族環式エーテル、代替的にはC2~C40脂肪族非環式エーテルもしくはC3~C40脂肪族環式エーテル、代替的にはC2~C40脂肪族非環式エーテル、代替的にはC3~C40脂肪族環式エーテル、または代替的にはC4~C40芳香族環式エーテルであり得る。いくつかの実施形態では、各エーテルリガンドは独立して、C2~C30脂肪族エーテル、C3~C30脂肪族環式エーテル、C4~C30芳香族環式エーテル、代替的にはC2~C30脂肪族非環式エーテルもしくはC3~C30脂肪族環式エーテル、代替的にはC2~C30脂肪族非環式エーテル、代替的にはC3~C30脂肪族環式エーテル、または代替的にはC4~C30芳香族環式エーテルであり得る。他の実施形態では、各エーテルリガンドは独立して、C2~C20脂肪族エーテル、C3~C20脂肪族環式エーテル、C4~C20芳香族環式エーテル、代替的にはC2~C20脂肪族非環式エーテルもしくはC3~C20脂肪族環式エーテル、代替的にはC2~C20脂肪族非環式エーテル、代替的にはC3~C20脂肪族環式エーテル、または代替的にはC4~C20芳香族環式エーテルであり得る。いくつかの実施形態では、各エーテルリガンドは独立して、ジメチルエーテル、ジエチルーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルエーテル、代替的にはジエチルエーテル、代替的にはジプロピルエーテル、代替的にはジブチルエーテル、代替的にはメチルエチルエーテル、代替的にはメチルプロピルエーテル、代替的にはメチルブチルエーテル、代替的にはテトラヒドロフラン、代替的にはジヒドロフラン、代替的には1,3-ジオキソラン、代替的にはテトラヒドロピラン、代替的にはジヒドロピラン、代替的にはピラン、代替的にはジオキサン、代替的にはフラン、代替的にはベンゾフラン、代替的にはイソベンゾフラン、代替的にはジベンゾフラン、代替的にはジフェニルエーテル、または代替的にはジトリルエーテルであり得る。
【0231】
非限定的な実施形態では、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体は、NPFCr I、NPFCr II、NPFCrR III、NPFCr IV、NPFCr V、およびNPFCr VIのうちのいずれか1つ以上であり得る。非限定的な実施形態では、N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体は、NPACR I、NPACR II、NPACr III、NPACr IV、NPACr V、NPACr VI、NPACr VII、NPACr VIII、NPACr IX、NPACr X、NPACr XI、およびNPACr XIIのうちのいずれか1つ以上であり得る。非限定的な実施形態では、N
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体は、GuFCr I、GuCr II、GuCr III、GuCr IV、GuCr V、およびGuCr VIのうちのいずれか1つ以上であり得る。非限定的な実施形態では、NPFCr I、NPFCr II、NPFCrR III、NPFCr IV、NPFCr V、NPFCr VI、NPACR I、NPACR II、NPACr III、NPACr IV、NPACr V、NPACr VI、NPACr VII、NPACr VIII、NPACr IX、NPACr X、NPACr XI、NPACr XII、GuFCr I、GuCr II、GuCr III、GuCr IV、GuCr V、およびGuCr VIのいずれかのクロム化合物CrX
3は、塩化クロム(III)もしくはクロム(III)アセチルアセトネート、代替的には塩化クロム(III)、または代替的にはクロム(III)アセチルアセトネートであり得る。
【化2-1】
【化2-2】
【0232】
一般に、プロセス、系、および/または反応系において利用される触媒系に利用されるアルミノキサンは、N
2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN
2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体と併せて、エチレンオリゴマー生成物の形成を触媒することができる任意のアルミノキサンであり得る。非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、式Iによって特徴づけられる繰返し単位を有し、
【化3】
式中、R’は、直鎖または分枝鎖アルキル基である。金属アルキル化合物のアルキル基は本明細書において独立して記載され、式Iを有するアルミノキサンをさらに説明するために、限定することなく利用することができる。一般に、式Iのnは、1より大きいか、または代替的には2より大きい。一実施形態では、nは、2~15の範囲、または代替的には3~10の範囲であり得る。
【0233】
一態様では、アルミノキサンの各アルキル基は、C1~C20アルキル基、代替的にはC1~C10アルキル基、または代替的にはC1~C6アルキル基であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。一実施形態では、アルミノキサンの各アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基、またはオクチル基、代替的にはメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、またはオクチル基であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、アルミノキサンの各アルキル基は、独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、n-ヘキシル基、もしくはn-オクチル基、代替的にはメチル基、エチル基、n-ブチル基、もしくはイソ-ブチル基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル基、代替的にはn-ブチル基、代替的にはイソ-ブチル基、代替的にはn-ヘキシル基、または代替的にはn-オクチル基であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。
【0234】
非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、n-プロピルアルミノキサン、イソ-プロピル-アルミノキサン、n-ブチルアルミノキサン、sec-ブチルアルミノキサン、イソ-ブチルアルミノキサン、t-ブチルアルミノキサン、1-ペンチルアルミノキサン、2-ペンチルアルミノキサン、3-ペンチル-アルミノキサン、イソ-ペンチル-アルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、またはこれらの混合物であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、イソブチルアルミノキサン、tブチルアルミノキサン、またはこれらの混合物であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。他の非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、代替的にはエチルアルミノキサン、代替的には修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、代替的にはn-プロピルアルミノキサン、代替的にはイソ-プロピル-アルミノキサン、代替的にはn-ブチルアルミノキサン、代替的にはsec-ブチルアルミノキサン、代替的にはイソ-ブチルアルミノキサン、代替的にはt-ブチルアルミノキサン、代替的には1-ペンチル-アルミノキサン、代替的には2-ペンチルアルミノキサン、代替的には3-ペンチル-アルミノキサン、代替的にはイソ-ペンチル-アルミノキサン、または代替的にはネオペンチルアルミノキサンであってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。
【0235】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系のいずれかの態様および実施形態に利用され得るスクラブ剤は、エチレンをオリゴマー化する触媒系の能力に対して有害である水、酸素、および/または他の種を除去することができる任意の化合物(複数可)であり得る。いくつかの実施形態では、スクラブ剤は、有機アルミニウム化合物であってもよい。一実施形態では、有機アルミニウム化合物は、アルキルアルミニウム化合物であってもよい。一実施形態では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはトリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、もしくはこれらの任意の組み合わせ、または代替的にはトリアルキルアルミニウムであり得る。他の実施形態では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、代替的にはハロゲン化アルキルアルミニウム、代替的にはアルキルアルミニウムアルコキシドであり得る。なお他の実施形態では、スクラブ剤として利用され得るアルキルアルミニウム化合物は、アルミノキサン(本明細書に記載される)であってもよい。非限定的な実施形態では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、またはこれらの混合物であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物、代替的にはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物、代替的にはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。他の非限定的な実施形態では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、代替的にはトリエチルアルミニウム、代替的にはトリプロピルアルミニウム、代替的にはトリ-n-ブチルアルミニウム、代替的にはトリ-イソブチルアルミニウム、代替的にはトリヘキシルアルミニウム、または代替的にはトリ-n-オクチルアルミニウムであってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。非限定的な実施形態では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、またはこれらの混合物であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、またはこれらの混合物であってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。他の非限定的な実施形態では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、代替的には臭化ジエチルアルミニウム、代替的には二塩化エチルアルミニウム、または代替的にはエチルアルミニウムセスキクロリドであってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。本発明の特定の態様では、有機アルミニウム化合物には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリ-n-プロピルアルミニウム(TNPA)、トリ-n-ブチルアルミニウム(TNBA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、塩化ジエチルアルミニウム、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。
【0236】
一実施形態では、スクラブ剤として利用され得るアルキルアルミニウム化合物は、アルミノキサンであってもよい。アルミノキサンは、本明細書において独立して開示され(例えば、触媒系の成分として)、本明細書に開示される一般的または特定のアルミノキサンはいずれも、限定することなく、本明細書に開示されるプロセス、系、および/または反応系に利用されるスクラブ剤として利用することができる。
【0237】
本明細書に開示されるスクラブ剤(複数可)は任意に、スクラブ剤供給源170から供給ライン172を介して反応帯域110に間接的に導入されてもよい。系100、200、または300に存在する場合、スクラブ剤供給ライン172は、少なくとも1つのスクラブ剤を有するものと定義される。
図1、
図2、および
図3においてスクラブ剤は有機反応媒体供給ライン162内に供給するように示されているが、スクラブ剤は代替的に、ライン142、ライン152、ライン191、ライン192、およびライン193のいずれにも供給し得ることが企図される。
【0238】
一般に、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系を使用して生成され得るエチレンオリゴマー生成物は、1)エチレンオリゴマー生成物の形成を促進し、2)所望のエチレンオリゴマー生成物形成速度を提供し、3)許容される触媒系の生産性を提供し、4)許容されるオリゴマーの選択性を提供し、かつ/または5)許容されるポリマー形成を提供することができる条件下で形成され得る(または代替的には、反応帯域は任意の条件を有し得る)。一実施形態では、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または代替的には、反応帯域は任意の条件を有し得る)条件には、触媒系成分比率、クロム濃度、圧力、エチレン分圧、エチレン濃度、水素の存在(およびその分圧および/または水素対エチレン重量比)、温度、反応時間、シングルパスエチレン転換、ならびに触媒系の生産性のうちの1つ以上が含まれ得る。触媒系成分比率、クロム濃度、圧力、エチレン分圧、エチレン濃度、水素の存在(およびその分圧および/または水素対エチレン重量比)、温度、反応時間、シングルパスエチレン転換、ならびに触媒系の生産性は、本明細書において独立して記載され、これらの独立した記載は、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系のいずれかのためにエチレンオリゴマー生成物が形成され得るプロセス、系、および/または反応帯域の条件を説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで使用することができる。
【0239】
一実施形態では、10:1、50:l、75:1、または100:1の最小アルミノキサンのアルミニウム対クロム成分(例えば、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体)のクロムモル比(すなわち、最小Al対Crモル比)で、代替的または追加的に、5,000:1、3,000:1、2,000:1、1,500:1、または1,000:1の最大アルミノキサンのアルミニウム対クロム成分(例えば、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体)のクロムモル比(すなわち、最大Al対Crモル比)で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小Al対Crモル比~本明細書に開示される任意の最大Al対Crモル比の範囲のAl対Crモル比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。非限定的な実施形態では、Al~Crモル比は、10:1~5,000:1、50:1~3,000:1、50:1~3,000:1、75:1~2,000:1、100:1~2,000:1、または100:1~1,000:1の範囲であり得る。利用され得るAl対Crモル比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0240】
一実施形態では、1×10-6Cr当量/リットル、1×10-5Cr当量/リットル、または1×10-4当量/リットルのクロム成分(例えば、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体)濃度の最小反応帯域クロム濃度(すなわち、最小クロム濃度)で、代替的または追加的に、1Cr当量/リットル、5×10-1Cr当量/リットル、または1×10-1Cr当量/リットルのクロム成分(例えば、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、および/またはN2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体)濃度の最大反応帯域クロム濃度(すなわち、最大クロム濃度)で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小クロム濃度~本明細書に開示される任意の最大クロム濃度の範囲の反応帯域クロム濃度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。非限定的な実施形態では、反応帯域クロム濃度は、1×10-6Cr当量/リットル~1Cr当量/リットル、1×10-5Cr当量/リットル~5×10-1Cr当量/リットル、5×10-4Cr当量/リットル~1×10-1Cr当量/リットルの範囲であり得る。利用され得るクロム濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0241】
一実施形態では、5psi(34.5kPa)、50psi(345kPa)、100psi(689kPa)、150psi(1.03MPa)、250psi(1.72MPa)、500psi(3.5MPa)、または600psi(4.1MPa)の最小圧力で、代替的または追加的には、2,500psi(17.2MPa)、2,000psi(13.8MPa)、1,500psi(10.3MPa)、1400psi(9.65MPa)、1250psi(8.62MPa)、または1000psi(6.89MPa)の最大圧力で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小圧力~本明細書に開示される任意の最大圧力の範囲の圧力で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、5psi(34.5kPa)~2,500psi(17.2MPa)、5psi(34.5kPa)~2,000psi(13.8MPa)、50psi(345kPa)~2,000psi(13.8MPa)、100psi(689kPa)~2,000psi(13.8MPa)、100psi(689kPa)~1,500psi(10.3MPa)、500psi(3.5MPa)~1500psi(10.3MPa)、150psi(1.03MPa)~1250psi(8.62MPa)、250psi(1.72MPa)~1000psig(6.89MPa)、または600psi(4.1MPa)~1400psi(9.65MPa)の圧力で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る圧力の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0242】
一実施形態では、5psi(34.5kPa)、50psi(345kPa)、100psi(689kPa)、150psi(1.03MPa)、250psi(1.72MPa)、または500psi(3.5MPa)の最小エチレン分圧で、代替的または追加的には、2,500psi(17.2MPa)、2,000psi(13.8MPa)、1,500psi(10.3MPa)、1250psi(8.62MPa)、または1000psi(6.89MPa)の最大圧力で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小エチレン分圧~本明細書に開示される任意の最大エチレン分圧の範囲のエチレン分圧で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、5psi(34.5kPa)~2,500psi(17.2MPa)、5psi(34.5kPa)~2,000psi(13.8MPa)、50psi(345kPa)~2,000psi(13.8MPa)、100psi(689kPa)~2,000psi(13.8MPa)、100psi(689kPa)~1,500psi(10.3MPa)、500psi(3.5MPa)~1500psi(10.3MPa)、150psi(1.03MPa)~1250psi(8.62MPa)、150psi(1.03MPa)~1250psi(8.62MPa)、または250psi(1.72MPa)~1000psig(6.89MPa)のエチレン分圧で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。他のエチレン分圧の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0243】
一実施形態では、反応帯域中の総質量に基づき4質量%、10質量%、25質量%、3 5質量%、または40質量%の最小エチレン濃度、代替的または追加的には、反応帯域中の総質量に基づき70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、48質量%の最大エチレン濃度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小エチレン濃度~本明細書に開示される任意の最大エチレン濃度の範囲のエチレン濃度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、反応帯域中の総質量に基づき4質量%~70質量%、4質量%~60質量%、10質量%~60質量%、25質量%~55質量%、35質量%~50質量%、または40質量%~48質量%のエチレン濃度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得るエチレン濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0244】
50,000:1、150,000:1、250,000:1、または400,000:1の最小エチレン:クロム質量比、代替的または追加的には、5,000,000:1、2,500,000:1、1,500,000:1、または1,000,000:1.の最大エチレン:クロム質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小エチレン:クロム質量比~本明細書に開示される任意の最大エチレン:クロム質量比の範囲のエチレン:クロム質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、50,000:1~5,000,000:1、150,000:1~2,500,000:1、250,000:1~1,500,000:1、または400,000:1~1,000,000:1のエチレン:クロム質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得るエチレン:クロム質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0245】
水素が利用される実施形態では、1psi(6.9kPa)、2psi(14kPa)、5psi(34kPa)、10psi(69kPa)、または15psi(103kPa)の最小水素分圧、代替的または追加的には、200psi(1.4MPa)、150psi(1.03MPa)、100psi(689kPa)、75psig(517kPa)、または50psi(345kPa)の最大水素分圧で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小水素分圧~本明細書に開示される任意の最大水素分圧の範囲の水素分圧で、オリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。水素が利用されるいくつかの非限定的な実施形態では、1psi(6.9kPa)~200psi(1.4MPa)、5psi(34kPa)~150psi(1.03MPa)、10psi(69kPa)~100psi(689kPa)、または15psi(100kPa)~75psig(517kPa)の水素分圧で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る水素分圧の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0246】
水素が利用される実施形態では、(水素0.05g)/(エチレン1kg)、(水素0.1g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)、または(水素0.5g)/(エチレン1kg)の最小水素対エチレン質量比、代替的または追加的には、(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素3g)/(エチレン1kg)、(水素2.5g)/(エチレン1kg)、(水素2g)/(エチレン1kg)、または(水素1.5g)/(エチレン1kg)の最大水素対エチレン質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小水素:エチレン質量比~本明細書に開示される任意の最大水素:エチレン質量比の範囲の水素:エチレン質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、(水素0.05g)/(エチレン1kg)~(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)~(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)~(水素4g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素3g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素2.5g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素2g)/(エチレン1kg)、または(水素0.5g)/(エチレン1kg)~(水素2g)/(エチレン1kg)の水素対エチレン質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る水素対エチレン質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0247】
一実施形態では、1:1、50:1、100:1、または200:1の最小水素:クロム質量比で、代替的または追加的には、100,000:1、50,000:1、10,000:1、または3,000:1の最大水素:クロム質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小水素:クロム質量比~本明細書に開示される任意の最大水素:クロム質量比の範囲の水素:クロム質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、1:1~100,000:1、50:1~50,000:1、100:1~10,000:1、または200:1~3,000:1の水素:クロム質量比で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る水素:クロム質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0248】
一実施形態では、0℃、25℃、40℃、または50℃の最小温度、代替的または追加的には、200℃、150℃、100℃、または90℃の最大温度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、本明細書に開示される任意の最小温度~本明細書に開示される任意の最大温度の範囲の温度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、0℃~200℃、25℃~150℃、40℃~100℃、50℃~100℃、または50℃~90℃の温度で、エチレンオリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る温度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0249】
例えば、反応帯域における反応時間(または滞留時間)は、所望量のエチレンオリゴマー生成物を生成することができる任意の時間、代替的には所望の触媒系生産性を提供することができる任意の反応時間(または滞留時間)、代替的には所望のエチレン転換を提供することができる任意の反応時間(または滞留時間)を含み得る。エチレンオリゴマー生成物の形成に関連して、エチレンオリゴマー生成物は、所望量のオレフィン生成物もしくはポリマー生成物を提供し、所望の触媒系生産性を提供し、かつ/またはモノマーの所望の転換を提供することができる一定時間(または平均時間)にわたって形成され得る。いくつかの実施形態では、時間は、1分~5時間の範囲、代替的には5分~2.5時間の範囲、代替的には10分~2時間の範囲、または代替的には15分~1.5時間の範囲であり得る。(連続プロセスの実施形態における)いくつかの実施形態では、反応時間(または滞留時間)、平均反応時間(または平均滞留時間)として述べられてもよく、1分~5時間の範囲、代替的には5分~2.5時間の範囲、代替的には10分~2時間の範囲、または代替的には15分~1.5時間の範囲であり得る。
【0250】
一実施形態では、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、少なくとも30%、35%、40%、または45%のエチレン転化率を有し得る。
【0251】
一実施形態では、本明細書に記載されるプロセスおよび/または反応系は、クロム1グラム当たり、10,000、50,000、100,000、150,000、200,000、300,000、または400,000グラム超の(C6+C8)の触媒系生産性を有し得る。いくつかの実施形態(しかし全ての実施形態ではない)では、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させない、代替的には、供給原料混合物を触媒系とは別に反応帯域内に導入もしくは供給しない、さもなければ同様のプロセスにおける生産性よりも高い生産性、または代替的には、i)エチレンの触媒系との接触前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、かつ/またはii)供給原料混合物を触媒系とは別に反応領域内に導入または供給しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における生産性よりも高い生産性を有し得る。一実施形態(しかし全ての実施形態ではない)では、生産性は、少なくとも5%、7.5%、10%、または12.5%増加し得る。
【0252】
いくつかの態様および/または実施形態(しかし必ずしも全ての態様および/または実施形態ではない)では、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、i)エチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させないか、ii)供給原料混合物を触媒系とは別に反応帯域内に導入もしくは供給しないか、iii)C3+オレフィンが反応帯域に導入されないか、またはiv)エチレンが、C3+オレフィンを含有しない反応帯域内に導入される、さもなければ同様のプロセスよりも少ない、エチレンオリゴマー生成物1グラム当たりのポリマーを生成することができる。一実施形態(しかし全ての実施形態ではない)では、反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量は、10%、25%、40%、50%、60%、70%、または80%減少し得る。
【0253】
利用される触媒系に応じて、本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、エチレンオリゴマー化プロセス、系、および/もしくは反応系、エチレン三量体化プロセス、系、もしくは反応系、エチレン四量体化プロセス、系、もしくは反応系、またはエチレン三量体化および四量体化プロセス、系、および/もしくは反応系、代替的にはエチレンオリゴマー化プロセス、系、もしくは反応系、代替的にはエチレン三量体化プロセス、系、もしくは反応系、代替的にはエチレン四量体化プロセス、系、もしくは反応系、または代替的にはエチレン三量体化および四量体化プロセス、系、もしくは反応系であり得る。エチレン三量体化の実施形態では、エチレンオリゴマー生成物は、エチレンオリゴマー生成物の重量に基づき、少なくとも70重量%のヘキセン、少なくとも75重量%のヘキセン、少なくとも80重量%のヘキセン、少なくとも85重量%のヘキセン、または少なくとも90重量%のヘキセンを含み得る。いくつかのエチレン三量体化の実施形態では、エチレンオリゴマー生成物は、エチレンオリゴマー生成物の重量に基づいて、70重量%~99.8重量%のヘキセン、75重量%~99.7重量%のヘキセン、または80重量%~99.6重量%のヘキセンを含み得る。エチレン四量体化の実施形態では、エチレンオリゴマー生成物は、エチレンオリゴマー生成物の重量に基づき、少なくとも70重量%のオクテン、少なくとも75重量%のオクテン、少なくとも80重量%のオクテン、少なくとも85重量%のオクテン、または少なくとも90重量%のオクテンを含み得る。いくつかのエチレン四量体化の実施形態では、エチレンオリゴマー生成物は、エチレンオリゴマー生成物の重量に基づいて、70重量%~99.8重量%のオクテン、75重量%~99.7重量%のオクテン、または80重量%~99.6重量%のオクテンを含み得る。エチレン三量体化および四量体化の実施形態では、エチレンオリゴマー生成物は、エチレンオリゴマー生成物の重量に基づき、少なくとも70重量%のヘキセンおよびオクテン、少なくとも75重量%のヘキセンおよびオクテン、少なくとも80重量%のヘキセンおよびオクテン、少なくとも85重量%のヘキセンおよびオクテン、または少なくとも90重量%のヘキセンおよびオクテンを含み得る。いくつかのエチレン三量体化および四量体化の実施形態では、エチレンオリゴマー生成物は、エチレンオリゴマー生成物の重量に基づいて、70重量%~99.8重量%のヘキセンおよびオクテン、75重量%~99.7重量%のヘキセンおよびオクテン、または80重量%~99.6重量%のヘキセンおよびオクテンを含み得る。
【0254】
エチレンオリゴマー化、エチレン三量体化、またはエチレン三量体化および四量体化の実施形態では、エチレン三量体は、エチレン三量体の少なくとも85重量%の1-ヘキセン、代替的には少なくとも87.5重量%の1-ヘキセン、代替的には少なくとも90重量%の1-ヘキセン、代替的には少なくとも92.5重量%の1-ヘキセン、代替的には少なくとも95重量%の1-ヘキセン、代替的には少なくとも97重量%の1-ヘキセン、もしくは代替的には少なくとも98重量%の1-ヘキセン、またはエチレン三量体の85重量%~99.9重量%の1-ヘキセン、87.5重量%~99.9重量%の1-ヘキセン、代替的には90重量%~99.9重量%の1-ヘキセン、代替的には92.5重量%~99.9重量%の1-ヘキセン、代替的には95重量%~99.9重量%の1-ヘキセン、代替的には97重量%~99.9重量%の1-ヘキセン、もしくは代替的には98重量%~99.9重量%の1-ヘキセンを含み得る。
【0255】
エチレンオリゴマー化、エチレン四量体化、またはエチレン三量体化および四量体化の実施形態では、エチレン四量体は、エチレン四量体の少なくとも85重量%の1-オクテン、代替的には少なくとも87.5重量%の1-オクテン、代替的には少なくとも90重量%の1-オクテン、代替的には少なくとも92.5重量%の1-オクテン、代替的には少なくとも95重量%の1-オクテン、代替的には少なくとも97重量%の1-オクテン、もしくは代替的には少なくとも98重量%の1-オクテン、またはエチレン四量体の85重量%~99.9重量%の1-オクテン、87.5重量%~99.9重量%の1-オクテン、代替的には90重量%~99.9重量%の1-オクテン、代替的には92.5重量%~99.9重量%の1-オクテン、代替的には95重量%~99.9重量%の1-オクテン、代替的には97重量%~99.9重量%の1-オクテン、もしくは代替的には98重量%~99.9重量%の1-オクテンを含み得る。
【0256】
本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系は、様々な利点を提供することができる。理論に限定されるものではないが、選択的オリゴマー化プロセスまたは反応系の初期始動中のC3+オレフィンの存在は、オリゴマー化プロセス、系、および/または反応系の始動中のポリマーの質量を減少させることができると考えられている。本明細書に記載されるオリゴマー化プロセス、系、および/または反応系の始動中のポリマーの質量のこの低減は、プロセス、系、および/または反応系の操作性および/または生産性の改善をもたらし得る。高濃度のエチレンが触媒系に接触すると、ポリマー形成の別の供給源が生じる可能性がある。本明細書に記載されるプロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系100、200、および/または300)は、エチレンオリゴマー化の初期段階中のC3+オレフィンの使用によって、かつ/またはエチレンを触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させることによって、形成されるポリマーの量を低減させることができる。例えば、本明細書に提供される実施例に見られるように、反応帯域(例えば、反応系100、200、および300における反応帯域110)中のオリゴマーの質量当たりのポリマー(例えば、エチレンの所望のオリゴマーに対するポリエチレン)の質量は、C3+オレフィンが反応帯域110に導入されないか、またはエチレンが、C3+オレフィンを含有しない反応帯域110内に導入される、さもなければ同様のプロセス、系、および/または反応系の反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない場合がある。
【0257】
さらに、プロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系200および300)のための反応帯域(例えば、反応帯域110)中のオリゴマーの質量当たりのポリマー(例えば、エチレンの所望のオリゴマーに対するポリエチレン)の質量は、エチレンを本明細書に開示される触媒系と接触させる前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させることを含まない、さもなければ同様の系またはプロセスの反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない場合がある。プロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系200および300)のための反応帯域(例えば、反応帯域110)中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量は、供給原料混合物を、本明細書に開示される触媒系とは別に反応帯域に導入または供給しない、さもなければ同様の系またはプロセスの反応帯域中のエチレンオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない場合がある。
【0258】
さらに、プロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系100、200、および300)の生産性は、C3+オレフィンが反応帯域110に導入されず、かつ/またはエチレンが、C3+オレフィンを含有しない反応帯域110内に導入される、さもなければ同様のプロセス、系、および/または反応系よりも高くてもよい。生産性は、クロムまたはアルミニウムの質量当たりに形成された液状エチレンオリゴマー生成物(または代替的には、C6生成物、C8生成物、または(C6+C8)生成物)の質量として定義される。
【0259】
さらに、プロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系200および300)の生産性は、エチレンを本明細書に開示される触媒系のクロム成分と接触させる前にエチレンを有機反応媒体と接触させない、他の同様の系およびプロセス、系、および/または反応系よりも大きくてもよい。プロセス、系、および/または反応系(例えば、反応系200および300)の生産性は、供給原料混合物を本明細書に開示される触媒系とは別に導入または供給しない、他の同様のプロセス、系、および/または反応系よりも大きくてもよい。
【0260】
開示されるプロセス、系、および/または反応系は、エチレンオリゴマー化における触媒の使用のための商業的な適用性の改善を提供することができる。理論に拘束されることを望むものではないが、開示される系およびプロセスは、オリゴマー化中のポリマー化を低減することができ、そのためオリゴマー化反応器成分中に生じ得る問題のある汚れおよび閉塞のレベルを低減することができるため、より長い動作時間が可能であると考えられている。
【0261】
さらに、開示される系およびプロセスは、エチレンオリゴマー生成物における改善されたエチレン転換およびより高いC6純度によって示される、改善されたエチレン利用を提供する。
【実施例】
【0262】
主題が一般的に記載されてきたが、以下の実施例は、本開示の特定の態様として、かつその実践および利点を実証するために提供される。実施例は例示目的のために提供され、いかなる様式においても以下の特許請求の範囲の明細書を限定することは意図されないことを理解されたい。
【0263】
25~30mgのクロム成分Iを6mLのエチルベンゼンに混合することによって乾燥ボックス中で触媒系を調製し、クロム成分が完全に溶解するまで撹拌した。次いで、800:1のAl:Crモル比を達成するための量でアルミノキサンMMAO-3A(7重量% Al)をクロム成分/エチルベンゼン混合物に添加し、5~10分間混合した。次いで、クロム成分/エチルベンゼン/アルミノキサン混合物をメチルシクロヘキサン(MCH)で希釈して、0.025mg Cr/mLの濃度を有する触媒系混合物を得た。
【化4】
【0264】
表3は、実施例1~3において提示されたエチレンの選択的オリゴマー化の動作パラメータの要約を提供する。
【表3】
【0265】
表3および本明細書に含まれる他の表において、「g」はグラムを指し、「h」は時間を指し、「mL」はミリリットルを指し、「min」は分を指し、「sccm」は1分当たりの標準立方センチメートルを指し、「MPag」はメガパスカルゲージを指し、「psig」はゲージポンド毎平方インチを指す。
【0266】
有機反応媒体(シクロヘキサン)を、エチレンオリゴマー化に使用する前にモルシーブ(mole seive)および酸化銅で処理した。
【0267】
実施例1(比較例)
実施例1(比較例)では、反応帯域始動中に反応帯域においてC3+オレフィンを使用せずにエチレンのオリゴマー化を実施した。
【0268】
図2に示される供給ライン構成を有する300ccのオートクレーブ反応器を、実施例1のための反応帯域110および反応系として使用した。
図2の系200を実施例1に使用したものの、C
3+オレフィンを提供することができるライン146および147a~fは実施例1に使用しなかった。すなわち、実施例3との比較の目的のために、実施例1ではC
3+オレフィンを利用しなかった。理解されるように、エチレン供給ライン142は、有機反応媒体供給ライン162と接合して、実施例1では静的ミキサであった混合装置190を通って流れる供給原料混合物供給ライン191が得られる。分散供給原料混合物は、第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に供給するライン192を通って混合装置190を出る。触媒系供給ライン152は、他の流れとの任意の組み合わせまたは希釈を伴わずに、第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110に供給する。実施例1の場合、
図2に示される制御弁130は、並流に配置された一対の制御弁であり、2つの制御弁の第2の弁は、もしも閉塞が生じた場合に、第1の制御弁の閉塞に際してのみ使用される。すなわち、2つの制御弁のうちの第2の制御弁は、必要に応じて実験を継続するために、2つの制御弁のうちの第1の制御弁のバックアップとして使用した。
【0269】
始動前に、反応器を窒素で加圧試験し、パージして、残留空気または水分が反応器内に存在しないことを確認した。
【0270】
始動のために、ポンプ180を使用して有機反応媒体(無水シクロヘキサン)を有機反応媒体供給源160からライン162、ライン191、混合装置190、およびライン192を介して反応帯域110に圧送した。いったん有機反応媒体の流れが確率されると、反応帯域110の圧力を900psig(6.21MPag)に調節し、オートクレーブの温度を70℃まで増加させた。圧力および温度が達した後、ライン144、ライン142、ライン191、混合装置190、およびライン192を介した24sccmの水素流を開始し、ライン152を介して15.7mLの触媒系を反応器に充填した。次いで、触媒系の流速を15.7mL/時に設定した。触媒系の流速を設定した30分後に、ライン142、ライン191、混合装置190、およびライン192を介してエチレンを50g/時で反応帯域110に供給した。その後15分毎に、250g/時に達するまでエチレン流速を50g/時で増加させた。2つの制御弁のうちの第1の弁は、187分で閉塞した。この時点で高い触媒生産性が認められた。運転は、オートクレーブ反応器の閉塞/汚れ、および2つの制御弁のうちの第2の弁のさらなる閉塞により、307分で終結させた。反応帯域流出物ライン118上に位置する試料ポートを介して反応帯域流出物の試料を30分毎に採取した。運転が完了した後、反応器を分解し、ポリマーを回収し、秤量した。反応器から回収したポリマーの量を、さらなるエチレンオリゴマー化実験データと共に表5に報告する。
【0271】
実施例2(比較例)
実施例2(比較例)では、反応帯域始動中にC3+オレフィンを使用せずにエチレンのオリゴマー化を実施した。
【0272】
図2に示される供給ライン構成を有する300ccのオートクレーブ反応器を、実施例2のための反応帯域110および反応系として使用した。
図2の系200を実施例2に使用したものの、C
3+オレフィンを提供することができるライン146および147a~fは実施例2に使用しなかった。すなわち、実施例3との比較の目的のために、実施例2ではC
3+オレフィンを利用しなかった。理解されるように、エチレン供給ライン142は、有機反応媒体供給ライン162と接合して、(静的ミキサであった)混合装置190を通って流れる供給原料混合物供給ライン191が得られる。分散供給原料混合物は、第2の反応帯域入口113を介して反応帯域110に供給するライン192を通って混合装置190を出る。触媒系供給ライン152は、他の流れとの任意の組み合わせまたは希釈を伴わずに、第1の反応帯域入口111を介して反応帯域110に直接供給する。実施例2の場合、
図2に示される制御弁130は、並流に配置された一対の制御弁であり、2つの制御弁の第2の弁は、もしも閉塞が生じた場合に、第1の制御弁の閉塞に際してのみ使用される。すなわち、2つの制御弁のうちの第2の制御弁は、必要に応じて実験を継続するために、2つの制御弁のうちの第1の制御弁のバックアップとして使用した。
【0273】
始動前に、反応器を窒素で加圧試験し、パージして、残留空気または水分が反応器内に存在しないことを確認した。
【0274】
始動のために、ポンプ180を使用して有機反応媒体(無水シクロヘキサン)を有機反応媒体供給源160からライン162、ポンプ180、ライン191、混合装置190、およびライン192を介して反応帯域110に圧送した。いったん有機反応媒体の流れが確率されると、反応帯域110の圧力を900psig(6.21MPag)に調節し、オートクレーブ反応器の温度を70℃まで増加させた。圧力および温度が達した後、ライン144、ライン142、ライン191、混合装置190、およびライン192を介した24sccmの水素流を開始し、ライン152を介して15.7mLの触媒系を反応器に充填した。次いで、ライン152中の触媒系の流速を30分間、15.7mL/時に設定した。30分後、ライン142、ライン191、混合装置190、およびライン192を介してエチレンを50g/時で反応帯域110に供給した。15分毎に、200g/時に達するまでエチレン流速を50g/時で増加させた。2つの制御弁のうちの第1の弁は、165分で閉塞した。運転は、オートクレーブ反応器の閉塞/汚れ、運転の触媒系混合物の完全な消化により、285分で終結させた。運転中、反応帯域流出物ライン118上に位置する試料ポートを介して反応帯域流出物試料を周期的に除去した。運転が完了した後、反応器を分解し、ポリマーを回収し、秤量した。反応器から回収したポリマーの量を、さらなるエチレンオリゴマー化実験データと共に表5に報告する。
【0275】
実施例3
実施例3では、反応帯域始動中にC3+オレフィンとして1-ヘキセンを使用してエチレンのオリゴマー化を実施した。
【0276】
図2に示される構成を有する300ccオートクレーブ反応器を使用した。触媒系供給ライン152を反応帯域110に直接供給し、エチレンおよび水素を有機反応媒体供給ライン162と組み合わせて、ライン191中の供給原料混合物が得られた。実施例3では、1-ヘキセンは、ライン146、ライン147a、ライン142、ライン191、(静的ミキサであった)混合装置190、およびライン192を通って反応帯域110に流れた。実施例3の場合、
図2に示される制御弁130は、並流に配置された一対の制御弁であり、2つの制御弁の第2の弁は、もしも閉塞が生じた場合に、第1の制御弁の閉塞に際してのみ使用される。すなわち、2つの制御弁のうちの第2の制御弁は、必要に応じて実験を継続するために、2つの制御弁のうちの第1の制御弁のバックアップとして使用した。
【0277】
始動前に、反応器を窒素で加圧試験し、パージして、残留空気または水分が反応器内に存在しないことを確認した。
【0278】
始動のために、ポンプ180を使用して有機反応媒体(無水シクロヘキサン)を有機反応媒体供給源160からライン162、ライン191、混合装置190、およびライン192を介して反応帯域110に圧送した。いったん有機反応媒体の流れが確率されると、反応帯域110の圧力を900psig(6.21MPag)に調節し、オートクレーブ反応器の温度を70℃まで増加させた。圧力および温度が達した後、ライン144、ライン142、ライン191、混合装置190、およびライン192を介した24sccmの水素流を開始し、ライン152を介して15.7mLの触媒系を反応器に充填した。次いで、触媒系の流速を30分間、15.7mL/時に設定した。30分間の触媒流の後、ライン146、ライン147a、ライン142、ライン191、(静的ミキサであった)混合装置190、およびライン192を介して、200g/時で1-ヘキセン流を開始した。15分後、1-ヘキセンの流速を50g/時で減少させ、ライン142、ライン191、混合装置190、およびライン192を介して、50g/時でエチレン流を開始した。その後15分毎に、1-ヘキセンの流速がゼロになり、かつエチレンの流速が200g/時になるまで、1-ヘキセンの流速を50g/時で減少させ、エチレンの流速を50g/時で増加させ、これは、1-ヘキセン流を開始した1時間後に達成された。エチレンオリゴマー化は、345分で触媒系混合物が完全に消費されるまで継続された。運転中、反応帯域流出物ライン118上に位置する試料ポートを介して反応帯域流出物試料を周期的に除去した。運転が完了した後、反応器を分解し、ポリマーを回収し、秤量した。
【0279】
実施例3の性能測定基準が
図4に示される。理解されるように、約50分の流入時間後、触媒生産性はNAO450,000g/Cr1g超に達し、残りの運転の間、このレベルに留まった。
図4はまた、選択性、エチレン転換率、および重選択性を示す。
【0280】
反応器から回収したポリマーの量を、さらなるエチレンオリゴマー化実験データと共に表5に報告する。
【表4】
【0281】
表5に見られるように、実施例3は、パギング(pugging)を伴わない改善された動作時間、ポリマー生成、ポリマー比率、およびポリマー形成速度の低減を提供した。実施例1および2と比較して、実施例3は、定常状態ではるかに長い時間を有する(180分および150分と比較して285分)。さらに、実施例1において制御弁および反応器が閉塞し、実施例2において制御弁が閉塞した一方、実施例3のオートクレーブ反応器および制御弁のいずれもポリマーで閉塞しなかった。実施例3で生成されたC
6およびC
8の合計は、
図1および2に匹敵することに留意されたい一方で、実施例3における運転は、制御弁および反応器が閉塞しなかったためより長い運転を有することができた。実施例1を実施例2と比較すると、最大エチレン流速を実施例1における250g/時から実施例2における200g/時に低下させることによって、実施例2において1つの制御弁のみが閉塞したように、より少ない閉塞が提供された。
【0282】
驚くことに、かつ予想外に、実施例で回収したポリエチレンの量(0.0008g)は、比較例1から回収されたポリエチレンの量よりも11倍超少なく(6.377g)、比較例2から回収されたポリエチレンの量よりも5倍近く少なかった(2.708g)。さらに、比較例1のポリマー対C6およびC8比は、実施例3のものよりも大きく、比較例2の固体比は実施例3の5倍超大きかった。さらに、実施例3の固体形成速度は、実施例1および2の固体形成速度よりもはるかに小さい。
【0283】
比較例1の運転は、反応器および2つの制御弁の閉塞により終結した。比較例2は運転条件の終了により終結したものの、1つの制御弁が閉塞し、運転が継続されていた場合には他方の制御弁もいずれ閉塞したであろうことが予測される。実際、実施例2における反応器の解体後、エチレンオリゴマー化運転が終結したときに、追加の弁が閉塞に近いことが認められた。対照的に、実施例3は、優れたエチレンオリゴマー化運転安定性を呈し、反応器の解体時に反応器の制御値が閉塞に近くないことが認められたため、さらに多くの時間継続することができたであろう。
【0284】
要約すると、開示された系およびプロセスの驚くべきかつ予想外の結果には、以下が含まれる:
i)実施例1および実施例2の反応器から回収されたポリエチレンに対する、実施例3の反応器から回収されたポリエチレンの5~11倍の減少、
ii)実施例1および実施例2と比較した、実施例3の運転安定性の改善、
iii)実施例3を実施例1と比較したときの固体比の数倍の低減、および実施例3を実施例2と比較したときの固体比の有意な低減、ならびに
iv)実施例3のオリゴマー化反応は、装置の閉塞を伴わずに運転の終了によってのみ終結した。
【0285】
実施例3は、
図2に示される系200の構成を利用したが、理論に制限されることなく、
図1において供給原料混合物が利用されず、
図3においてエチレンと触媒系との接触が反応帯域110の外側であるにもかかわらず、任意のエチレンが反応条件でC
3+オレフィンの存在下でなお触媒系と接触しているため、
図1の系100、
図3の系300の構成、およびC
3+オレフィンの存在下で反応帯域中でエチレンオリゴマー化を開始する他の類似の方法が同様に実施されることが予想される。したがって、系100および系300は、系200と同じ驚くべき予想外の結果を有し得ることが予想される。
【0286】
追加の開示
したがって、保護の範囲は、上記の説明によって制限されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は、特許請求の範囲の主題の全ての等価物を含む。各請求項は、本発明の一態様として明細書に組み込まれる。したがって、特許請求の範囲は、さらなる説明であり、本発明の詳細な説明への追加である。本明細書に引用される全ての特許、特許出願、および刊行物の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0287】
実施形態1.a)C3+オレフィン(本明細書に開示されるいずれか)および任意に有機反応媒体(本明細書に開示されるいずれか)を含有する反応帯域であって、エチレンを実質的に含まない反応帯域内に、i)エチレンと、ii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、iii)有機反応媒体と、およびiv)任意に水素と、を導入することと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、C3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
【0288】
実施形態2.a)反応帯域においてi)C3+オレフィン(例えば、本明細書に開示されるいずれか)と、ii)エチレンと、iii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物の複合体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、iv)有機反応媒体(本明細書に開示されるいずれか)と、v)任意に水素と、を反応帯域内に接触させることと、c)エチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、C3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
【0289】
実施形態3.a)反応帯域において、i)エチレンと、ii)(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、iii)有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)と、iv)任意に水素と、を接触させることと、b)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、エチレン、触媒系、および有機反応媒体が反応帯域内に導入され、一定時間の間、C3+オレフィンが反応帯域内に導入される、プロセス。
【0290】
実施形態4.エチレン、有機反応媒体、および一定時間の間、C3+オレフィンが、反応帯域内に別々に導入される、実施形態2または3に記載のプロセス。
【0291】
実施形態5.エチレンを触媒系および供給原料混合物と接触させる前に、エチレンと有機反応媒体の少なくとも一部とを接触させて、供給原料混合物を形成し、一定時間の間、C3+オレフィンが、反応帯域に別々に導入される、実施形態2または3に記載のプロセス。
【0292】
実施形態6.エチレン、触媒系、またはエチレンおよび触媒系の両方を反応帯域に導入する前に、C3+オレフィンを反応帯域に導入することをさらに含む、実施形態4または5に記載のプロセス。
【0293】
実施形態7.エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンと、有機反応媒体の少なくとも一部と、一定時間の間、C3+オレフィンとを接触させて、供給原料混合物を形成する、実施形態2または3に記載のプロセス。
【0294】
実施形態8.a)触媒系を反応帯域に供給することであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む、供給することと、b)一定時間の間、エチレンと、i)C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、およびii)有機反応媒体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)の少なくとも一部、またはiii)i)およびii)の組み合わせとを含む供給原料混合物を反応帯域に別々に供給することとであって、該供給原料混合物は触媒系を実質的に含まない、供給することと、c)反応帯域において触媒系および供給原料混合物を接触させることと、d)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含む、プロセス。
【0295】
実施形態9.a)i)エチレンと、ii)有機反応媒体(例えば、本明細書に開示されるいずれか)の少なくとも一部と、iii)一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に開示されるいずれか)と、を接触させて供給原料混合物を形成することと、b)a)に続いて、反応帯域において供給原料混合物を、N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含む、プロセス。
【0296】
実施形態10.a)反応帯域においてエチレンを触媒系と接触させる前に、i)有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)の少なくとも一部、ii)一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、またはiii)一定時間の間、有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)の少なくとも一部およびC3+オレフィンの添加によってエチレンを希釈して供給原料混合物を形成することと、b)反応帯域において供給原料混合物を触媒系と接触させることであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む、接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含むプロセス。
【0297】
実施形態11.a)エチレン、有機反応媒体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、および一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)を含む供給原料混合物と、b)i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、c)触媒流血が別に供給原料混合物を受ける反応帯域と、を含む系。
【0298】
実施形態12.反応帯域において形成されたエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物ラインをさらに含む、実施形態11に記載の系。
【0299】
実施形態13.一定時間の間、供給原料混合物を反応帯域内に導入/供給する前に、C3+オレフィンが供給原料混合物中に分散される、実施形態7~11のいずれか一項の主題。
【0300】
実施形態14.エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンが供給原料混合物内に分散される、実施形態5~13のいずれか一項の主題。
【0301】
実施形態15.供給原料混合物の反応帯域内への導入前に、エチレンが有機反応媒体と共に分散される、実施形態5~14のいずれか一項の主題。
【0302】
実施形態16.一定時間が、反応帯域の始動中に生じる、実施形態5~14のいずれか一項の主題。
【0303】
実施形態17.a)触媒系を反応帯域に供給することであって、該触媒系が、i)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびii)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む、供給することと、b)i)エチレン、ii)有機反応媒体(例えば、本明細書に記載されるいずれか)、およびiii)一定時間の間、C3+オレフィン(例えば、本明細書に記載されるいずれか)を含む供給原料混合物を反応帯域に別々に供給して、触媒系と接触させることとであって、反応帯域の指導中に、供給原料混合物C3+オレフィン:エチレン重量比が周期的または連続的に減少する、接触させることと、c)反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、d)反応帯域の始動に続いて、ほぼ定常状態の条件下で反応帯域を操作することと、を含み、i)エチレン、ii)C3+オレフィン、およびiii)有機反応媒体を含む供給原料混合物が一定時間の間、反応帯域に供給される、プロセス。
【0304】
実施形態18.反応帯域の始動のためのプロセスであって、反応帯域において、1)エチレンと、2)a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、およびb)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系と、3)有機反応媒体と、4)任意に水素と、を接触させて、エチレンオリゴマー生成物を形成することであって、該触媒系は反応帯域に供給され、i)エチレン、ii)有機反応媒体(本明細書に記載されるいずれか)、およびiii)一定時間の間、C3+オレフィン(本明細書に記載されるいずれか)を含む供給原料混合物は反応帯域に供給され、該供給原料混合物は、反応帯域において供給原料混合物を触媒系と接触させる前に触媒系を実質的に含まない、形成することと、を含む、プロセス。
【0305】
実施形態19.一定時間の間、供給原料混合物を反応帯域内に導入/供給する前に、C3+オレフィンが供給原料混合物中に分散される、実施形態17または18に記載のプロセス。
【0306】
実施形態20.エチレンを触媒系と接触させる前に、エチレンが供給原料混合物内に分散される、実施形態17~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【0307】
実施形態21.一定時間が、反応帯域がエチレンオリゴマー生成物を生成していない時点で開始する、実施形態5~20のいずれか一項の主題。
【0308】
実施形態22.C3+オレフィン/エチレン供給時間にわたって、反応帯域に供給/導入されるC3+オレフィン:エチレンの重量比が、少なくとも0.5:1の値(または本明細書に開示される任意の他の少なくともの値)から0.2:1未満の値(または本明細書に開示される任意の他の未満の値)に減少する、実施形態5~21のいずれか一項の主題。
【0309】
実施形態23.C3+オレフィン:エチレン重量比が、約1:0の初期値を有する、実施形態5~22のいずれか一項の主題。
【0310】
実施形態24.C3+オレフィン:エチレン重量比が、約0:1の値まで減少する、実施形態5~23のいずれか一項の主題。
【0311】
実施形態25.反応帯域時間にわたって、反応帯域が、少なくとも0.5:1の値(または本明細書に開示される任意の他の反応帯域の少なくともの値)から0.2:1未満の値(または本明細書に開示される任意の他の反応帯域の未満の値)に減少するC3+オレフィン:エチレン重量比を有し、反応帯域中のC3+オレフィンおよびC3+オレフィン:エチレン重量比のC3+オレフィンは、反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、実施形態1~24のいずれか一項の主題。
【0312】
実施形態26.C3+オレフィンおよび触媒系を反応帯域に導入または供給する前に、C3+オレフィンを触媒系と接触させることをさらに含む、実施形態1~25のいずれか一項の主題。
【0313】
実施形態27.一定時間の後にC3+オレフィンが反応帯域に実質的に導入または供給されず、一定時間が、反応帯域時間またはC3+オレフィン/エチレン供給時間である、実施形態1~26のいずれか一項の主題。
【0314】
実施形態28.反応帯域が、一定時間の後に(または反応帯域の始動時間に続いて)定常状態条件下で動作し、一定時間が、反応帯域時間またはC3+オレフィン/エチレン供給時間である、実施形態1~27のいずれか一項の主題。
【0315】
実施形態29.供給原料混合物を形成するためのエチレンおよび有機反応媒体の接触が、排他的ではないが、時間の後(または反応帯域の始動後)に行われ、一定時間が、反応帯域時間またはC3+オレフィン/エチレン供給時間である、実施形態1~27のいずれか一項の主題。
【0316】
実施形態30.エチレンの実質的に全てが、供給原料混合物を介して反応帯域に導入される、実施形態27~29のいずれか一項の主題。
【0317】
実施形態31.触媒系が、供給原料混合物とは別に反応帯域内に導入される、実施形態27~30のいずれか一項の主題。
【0318】
実施形態32.有機反応媒体の少なくとも一部の反応帯域への導入前に、有機反応媒体の少なくとも一部をアルキルアルミニウム化合物と接触させる、実施形態1~31のいずれか一項の主題。
【0319】
実施形態33.エチレンと有機反応媒体の少なくとも一部との接触前に、有機反応媒体の少なくとも一部をアルキルアルミニウム化合物と接触させる、実施形態1~32のいずれか一項の主題。
【0320】
実施形態34.触媒系混合物が希釈剤を含む、実施形態1~33のいずれか一項の主題。
【0321】
実施形態35.希釈剤が有機反応媒体を含む、実施形態34の主題。
【0322】
実施形態36.エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物が、反応帯域から除去される、実施形態1~35のいずれか一項の主題。
【0323】
実施形態37.ヘキセンおよび/またはオクテンが、反応域流出物から分離される、実施形態1~36のいずれか一項の主題。
【0324】
実施形態38.供給原料混合物、触媒系、および任意に水素が、周期的または連続的に反応帯域内に導入され、エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物が、周期的または連続的に反応帯域から除去される、実施形態1~37のいずれか一項の主題。
【0325】
実施形態39.反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量が、C3+オレフィン:エチレンの重量比が一定時間にわたって減少しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない、実施形態1~38のいずれか一項の主題。
【0326】
実施形態40.反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量が、i)エチレンの触媒系との接触前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、またはii)供給原料混合物を触媒系とは別に反応領域内に導入または供給しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない、実施形態1~39のいずれか一項の主題。
【0327】
実施形態41.反応帯域C3+オレフィン:エチレンの重量比が一定時間にわたって減少しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における生産性よりも高い生産性を有する、実施形態1~40のいずれか一項の主題。
【0328】
実施形態42.i)エチレンの触媒系との接触前にエチレンを有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、またはii)供給原料混合物を触媒系とは別に反応領域内に導入または供給しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における生産性よりも高い生産性を有する、実施形態1~41のいずれか一項の主題。
【0329】
実施形態43.反応帯域と、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系を反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、エチレン、有機反応媒体、および任意に水素を反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、第1の反応帯域入口、第2の反応帯域入口、またはC3+オレフィンを反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と流体連通するC3+オレフィン供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含む反応系。
【0330】
実施形態44.触媒系を第1の反応帯域入口に流す触媒系供給ラインと、エチレンを含むエチレン供給ラインと、有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ラインと、をさらに含み、有機反応媒体供給ラインおよびエチレン供給ラインは組み合わされて、第2の反応帯域入口を介して反応帯域に導入される供給原料混合物が得られ、C3+オレフィン供給ラインは、触媒系供給ライン、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、または第2の反応帯域入口を介して反応帯域に流す前に供給原料混合物を混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給ラインのうちの少なくとも1つと組み合わされる、実施形態43に記載の反応系。
【0331】
実施形態45.反応系は、第2の反応帯域入口と流体連通し、エチレン供給ラインおよび有機反応媒体供給ラインが接合する点の上流に位置して供給原料混合物を生成するポンプと、i)エチレン供給ラインおよび有機反応媒体供給ラインの間の接合と、ii)第2の反応帯域入口との間に配置されて、供給原料混合物が反応帯域に入る前にエチレンおよび有機反応媒体を分散させる混合装置と、をさらに含む、実施形態43または44に記載の反応系。
【0332】
実施形態46.定常状態動作中に、第1の反応帯域入口が、周期的または連続的に触媒系を反応帯域に導入するように構成され、第2の反応帯域入口が、周期的または連続的に供給原料混合物を反応帯域に導入するように構成され、1つ以上の反応帯域出口が、周期的または連続的に反応帯域からの反応帯域流出物を排出するように構成されている、実施形態43~45のいずれか一項に記載の反応系。
【0333】
実施形態47.反応系であって、反応帯域と、触媒系、エチレン、有機反応媒体、およびC3+オレフィンを反応帯域に導入するように構成された反応帯域入口と、エチレンを含むエチレン供給ライン、C3+オレフィンを含むC3+オレフィン供給ライン、有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ライン、および任意に水素を含む水素供給ラインであって、これらは全て反応帯域入口と流体連通し、有機反応媒体供給ラインは、エチレン供給ラインと組み合わされて、反応帯域入口と流体連通する供給原料混合物供給ラインを形成する、エチレン供給ライン、C3+オレフィン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、および任意に水素供給ラインと、反応帯域入口と流体連通する触媒系を含む触媒系供給ラインであって、触媒系供給ラインは、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、または供給原料混合物供給ラインを混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給材料と組み合わされる、触媒系供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含み、該触媒系は、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせ、および(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含み、該C3+オレフィン供給ラインは、エチレン供給ライン、有機反応媒体供給ライン、供給原料混合物供給ライン、分散供給原料混合物供給ライン、または触媒系供給ラインおよび分散供給原料混合物供給ラインを接合することによって形成された混合供給ラインのうちの1つ以上と接合する、反応系。
【0334】
実施形態48.i)エチレン供給ラインおよび有機反応媒体供給ラインの接合と、ii)反応帯域入口との間に位置して、供給原料混合物が触媒系と接合し、反応帯域に入る前に、エチレンおよび有機反応媒体を分散させる混合装置をさらに含む、実施形態47に記載の反応系。
【0335】
実施形態49.反応帯域入口が、周期的または連続的に触媒系および供給原料混合物を反応帯域に導入するように構成され、1つ以上の反応帯域出口が、周期的または連続的に反応帯域からの反応帯域流出物を排出するように構成されている、実施形態47~48のいずれか一項に記載の反応系。
【0336】
実施形態50.反応系であって、反応帯域と、(a)N2-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N2-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、または(b)アルミノキサン(本明細書に開示されるいずれか)を含む触媒系を反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、エチレンおよび任意に水素を反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、有機反応媒体を反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と、第1の反応帯域入口、第2の反応帯域入口、第3の反応帯域入口、またはC3+オレフィンを反応帯域に直接導入するように構成された第4の反応帯域入口のうちの1つ以上と流体連通するC3+オレフィン供給ラインと、反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含む、反応系。
【0337】
実施形態51.触媒系を第1の反応帯域入口に流す触媒系供給ラインと、エチレンを第2の反応帯域入口に流すエチレン供給ラインと、有機反応媒体を第3の反応帯域入口に流す有機反応媒体供給ラインと、を含み、C3+オレフィン供給ラインは、i)触媒系供給ライン、エチレン供給ライン、または有機反応媒体供給ラインのうちの少なくとも1つ組み合わされるか、またはii)第4の反応帯域入口に直接流れる、実施形態50に記載の反応系。
【0338】
実施形態52.C3+オレフィンが、C4~C16内部オレフィンまたはアルファオレフィンを含む、実施形態1~51のいずれか一項の主題。
【0339】
実施形態53.C3+オレフィンが、1-ヘキセン、1-オクテン、または1-ヘキセンおよび1-オクテンを含む、実施形態1~51のいずれか一項の主題。
【0340】
本明細書に例示的に開示された発明は、好適には、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素および/または本明細書に開示される任意の要素の不在下で実施することができる。組成物および方法は、様々な構成要素または工程を「含む(comprising)」、「含有する」、または「含む(including)」として記載されるが、組成物および方法はまた、様々な構成要素および工程「から本質的になる」かまたは「からなる」こともできる。上に開示された全ての数および範囲は、ある量だけ変動し得る。下限および上限を有する数値範囲が開示されるときはいつでも、範囲内の任意の数および任意の包含範囲が具体的に開示される。特に、本明細書に開示されるあらゆる値の範囲(「約a~約b(from about a to about b)」、または同等に「約a~b(from approximately a to b)」、または同等に「約a~b(from approximately a-b)」の形態)は、より広い値の範囲内に包含されるあらゆる数および範囲を記載するものと理解されるべきである。
【0341】
本明細書で言及される全ての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で言及される全ての刊行物および特許は、例えば、本明細書に記載される発明に関連して使用され得る、刊行物に記載された構造および方法論を説明および開示する目的のために利用することができる。本文中で議論された刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書中のいかなるものも、発明者が先行発明によりそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるものではない。
【0342】
したがって、本発明は、上述した目的および利点、ならびにその固有の目的および利点を達成するために十分に適合する。ここで、詳細な説明を終える。上述の特定の実施形態は、本明細書の教示の利益を有する当業者には明らかである、異なるが同等の方法で修正および実施することができるため、例示的なものに過ぎない。さらに、以下の特許請求の範囲に記載されるもの以外に、本明細書に示される構造または設計の詳細に制限を加えるものではない。したがって、上に開示された特定の実施形態は、変更または修正することができ、そのような全ての変形形態は、本発明の範囲および趣旨内にあると考えられることは明らかである。したがって、本明細書において求められる保護は、本明細書の特許請求の範囲に記載される通りである。
本発明の一態様を以下に示す。
[発明1]
プロセスであって、
a)C
3+
オレフィンおよび任意に有機反応媒体を含有する反応帯域であって、エチレンを実質的に含まない、反応帯域に、
i)エチレンと、
ii)(a)N
2
-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
(b)アルミノキサンを含む触媒系と、
iii)前記有機反応媒体と、
iv)任意に水素と、を導入することと、
b)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+
オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+
オレフィン、および前記C
3+
オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+
オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
[発明2]
プロセスであって、
a)反応帯域において
i)エチレンと、
ii)(a)N
2
-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
(b)アルミノキサンを含む触媒系と、
iii)有機反応媒体と、
iv)任意に水素と、を
接触させることと、
b)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
エチレン、前記触媒系、および有機反応媒体が前記反応帯域内に導入され、C
3+
オレフィン/エチレン供給時間の間、C
3+
オレフィンが前記反応帯域内に導入され、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+
オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+
オレフィン、および前記C
3+
オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+
オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
[発明3]
エチレン、前記有機反応媒体、および前記一定時間の間、前記C
3+
オレフィンが、前記反応帯域内に別々に導入される、発明2に記載のプロセス。
[発明4]
前記エチレンを前記触媒系と接触させる前に、前記エチレンを前記有機反応媒体の少なくとも一部と接触させて、供給原料混合物を形成し、
前記供給原料混合物、および前記一定時間の間、前記C
3+
オレフィンは、前記反応帯域に別々に導入される、発明2に記載のプロセス。
[発明5]
前記エチレン、前記触媒系、または前記エチレンおよび前記触媒系の両方を前記反応帯域に導入する前に、前記C
3+
オレフィンを前記反応帯域に導入することをさらに含む、発明3または4に記載のプロセス。
[発明6]
前記エチレンを前記触媒系と接触させる前に、前記エチレンと、前記有機反応媒体の少なくとも一部と、前記一定時間の間、前記C
3+
オレフィンとを接触させて、供給原料混合物を形成する、発明2に記載のプロセス。
[発明7]
プロセスであって、
a)触媒系を反応帯域に供給することであって、前記触媒系が、
i)N
2
-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
ii)アルミノキサンを含む、供給することと、
b)一定時間の間、前記反応帯域にエチレンを含む供給原料混合物と、
i)C
3+
オレフィン、
ii)有機反応媒体の少なくとも一部、または
iii)i)およびii)の組み合わせと、を別々に供給することであって、
前記供給原料混合物は前記触媒系を実質的に含まない、供給することと、
c)前記反応帯域において前記触媒系および前記供給原料混合物を接触させることと、
d)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+
オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+
オレフィン、および前記C
3+
オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+
オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
[発明8]
プロセスであって、
a)i)エチレンと、
ii)有機反応媒体の少なくとも一部と、
iii)一定時間の間、C
3+
オレフィンと、を接触させて、供給原料混合物を形成することと、
b)a)に続いて、
反応帯域において、前記供給原料混合物を、
i)N
2
-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
ii)アルミノキサンを含む触媒系と接触させることと、
c)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、を含み、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+
オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+
オレフィン、および前記C
3+
オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+
オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
[発明9]
プロセスであって、
a)触媒系を反応帯域に供給することであって、前記触媒系が、
i)N
2
-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
ii)アルミノキサンを含む、供給することと、
b)前記反応帯域に、
i)エチレン、
ii)有機反応媒体、および
iii)一定時間の間、C
3+
オレフィンを含む供給原料混合物を供給して、前記触媒系と接触させることであって、
反応帯域始動中に、前記供給原料混合物C
3+
オレフィン:エチレン重量比が周期的または連続的に減少する、接触させることと、
c)前記反応帯域においてエチレンオリゴマー生成物を形成することと、
d)前記反応帯域の始動に続いて、ほぼ定常状態の条件下で前記反応帯域を操作することと、を含み、
i)エチレン、ii)C
3+
オレフィン、およびiii)有機反応媒体を含む前記供給原料混合物が、一定時間の間、前記反応帯域に供給され、
反応帯域時間にわたって、前記反応帯域は、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値まで減少するC
3+
オレフィン:エチレン重量比を有し、
前記反応帯域中の前記C
3+
オレフィン、および前記C
3+
オレフィン:エチレン重量比の前記C
3+
オレフィンは、前記反応帯域内でその場で形成されたエチレンオリゴマーではない、プロセス。
[発明10]
前記一定時間の間、前記供給原料混合物を前記反応帯域内に導入/供給する前に、前記C
3+
オレフィンが前記供給原料混合物中に分散される、発明7~9のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明11]
エチレンを前記触媒系と接触させる前に、エチレンが前記供給原料混合物内に分散される、発明7~10のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明12]
前記一定時間が、前記反応帯域が前記エチレンオリゴマー生成物を生成していない時点で開始する、発明5~11のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明13]
C
3+
オレフィン/エチレン供給時間にわたって、前記反応帯域に供給/導入されるC
3+
オレフィン:エチレン重量比が、少なくとも0.5:1の値から0.2:1未満の値に減少する、発明5~12のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明14]
前記C
3+
オレフィンおよび前記触媒系を前記反応帯域に導入または供給する前に、前記C
3+
オレフィンを前記触媒系と接触させることをさらに含む、発明1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明15]
前記一定時間の後にC
3+
オレフィンが前記反応帯域に実質的に導入または供給されず、前記一定時間が、反応帯域時間またはC
3+
オレフィン/エチレン供給時間である、発明1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明16]
前記供給原料混合物を形成するための前記エチレンおよび前記有機反応媒体の前記接触が、排他的ではないが、前記一定時間の後(または反応帯域の始動後)に行われ、前記一定時間が、反応帯域時間またはC
3+
オレフィン/エチレン供給時間である、発明1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明17]
前記エチレンの実質的に全てが、前記供給原料混合物を介して前記反応帯域に導入される、発明15または16に記載のプロセス。
[発明18]
前記触媒系が、前記供給原料混合物とは別に前記反応帯域内に導入される、発明15~17のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明19]
前記触媒系混合物が希釈剤を含む、発明1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明20]
前記希釈剤が前記有機反応媒体を含む、発明19に記載のプロセス。
[発明21]
前記エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物が、前記反応帯域から除去される、発明1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明22]
ヘキセンおよび/またはオクテンが、前記反応域流出物から分離される、発明1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明23]
前記供給原料混合物、前記触媒系、および任意に水素が、周期的または連続的に前記反応帯域内に導入され、前記エチレンオリゴマー生成物を含む反応帯域流出物が、周期的または連続的に前記反応帯域から除去される、発明1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明24]
前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量が、C
3+
オレフィン:エチレン重量比が前記一定時間にわたって減少しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない、発明1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明25]
前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量が、i)エチレンの前記触媒系との接触前にエチレンを前記有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、またはii)前記供給原料混合物を前記触媒系とは別に前記反応帯域内に導入または供給しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における前記反応帯域中のオリゴマーの質量当たりのポリマーの質量よりも少ない、発明1~24のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明26]
前記反応帯域C
3+
オレフィン:エチレン重量比が前記一定時間にわたって減少しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における生産性よりも高い生産性を有する、発明1~25のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明27]
i)エチレンの前記触媒系との接触前にエチレンを前記有機反応媒体の少なくとも一部と接触させず、またはii)前記供給原料混合物を前記触媒系とは別に前記反応帯域内に導入または供給しない、さもなければ同様のプロセスまたは系における生産性よりも高い生産性を有する、発明1~26のいずれか一項に記載のプロセス。
[発明28]
反応系であって、
反応帯域と、
(a)N
2
-ホスフィニルアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルホルムアミジンクロム化合物錯体、N
2
-ホスフィニルグアニジンクロム化合物錯体、またはこれらの任意の組み合わせを含むクロム成分、および
(b)アルミノキサンを含む触媒系を前記反応帯域に導入するように構成された第1の反応帯域入口と、
エチレン、有機反応媒体、および任意に水素を前記反応帯域に導入するように構成された第2の反応帯域入口と、
前記第1の反応帯域入口、前記第2の反応帯域入口、またはC
3+
オレフィンを前記反応帯域に導入するように構成された第3の反応帯域入口と流体連通するC
3+
オレフィン供給ラインと、
前記反応帯域からのエチレンオリゴマー生成物を含む前記反応帯域流出物を排出するように構成された1つ以上の反応帯域出口と、を含む、反応系。
[発明29]
前記触媒系を前記第1の反応帯域入口に流す触媒系供給ラインと、
エチレンを含むエチレン供給ラインと、
前記有機反応媒体を含む有機反応媒体供給ラインと、をさらに含み、
前記有機反応媒体供給ラインおよび前記エチレン供給ラインが組み合わされて、前記第2の反応帯域入り口を介して前記反応帯域に導入される前記供給原料混合物が得られ、
前記C
3+
オレフィン供給ラインが、前記触媒系供給ライン、前記エチレン供給ライン、前記有機反応媒体供給ライン、前記供給原料混合物供給ライン、または第2の反応帯域入口を介して前記反応帯域に流す前に前記供給原料混合物を混合装置に通すことによって形成される分散供給原料混合物供給ラインのうちの少なくとも1つと組み合わされる、発明28に記載の反応系。
[発明30]
前記第2の反応帯域入口と流体連通し、前記エチレン供給ラインおよび前記有機反応媒体供給ラインが接合する点の上流に位置して前記供給原料混合物を生成するポンプと、
i)前記エチレン供給ラインおよび前記有機反応媒体供給ラインの前記接合と、
ii)前記供給原料混合物が前記反応帯域に入る前に、前記エチレンおよび前記有機反応媒体を分散させるための前記第2の反応帯域入口との間に位置付けられた混合装置と、をさらに含む、発明28または29に記載の反応系。
[発明31]
定常状態動作中に、前記第1の反応帯域入口が、周期的または連続的に前記触媒系を前記反応帯域に導入するように構成され、前記第2の反応帯域入口が、周期的または連続的に前記供給原料混合物を前記反応帯域に導入するように構成され、前記1つ以上の反応帯域出口が、周期的または連続的に前記反応帯域からの前記反応帯域流出物を排出するように構成されている、発明28~30のいずれか一項に記載の反応系。
[発明32]
前記C
3+
オレフィンが、C
4
~C
16
内部オレフィンまたはアルファオレフィンを含む、発明1~27のいずれか一項に記載のプロセス、または発明28~31のいずれか一項に記載の反応系。
[発明33]
前記C
3+
オレフィンが、1-ヘキセン、1-オクテン、または1-ヘキセンおよび1-オクテンを含む、発明1~27のいずれか一項に記載のプロセス、または発明28~31のいずれか一項に記載の反応系。