(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】点火プラグ
(51)【国際特許分類】
H01T 13/20 20060101AFI20220105BHJP
H01T 13/32 20060101ALI20220105BHJP
H01T 21/02 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H01T13/20 B
H01T13/32
H01T21/02
H01T13/20 E
(21)【出願番号】P 2019010919
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】特許業務法人鳳国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関澤 崇
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 智克
(72)【発明者】
【氏名】坂倉 靖
【審査官】北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/087076(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/067199(WO,A1)
【文献】特開2013-178912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 13/00-13/60
H01T 13/32
H01T 21/02-21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地電極と中心電極とを備え、
前記接地電極と中心電極との少なくとも一方の電極は、電極本体と、放電面を有する電極チップと、前記電極本体と前記電極チップとの間に形成される溶融部と、を備える点火プラグであって、
前記放電面の重心を通り、前記放電面と垂直な第1断面において、
前記溶融部と前記電極チップとが接触し、かつ、前記溶融部と前記電極本体とが接触する前記放電面と平行な方向の範囲を第1接触範囲とし、
前記第1接触範囲における前記溶融部の輪郭線のうち、前記電極チップと接触する部分を第1輪郭線とし、前記電極本体と接触する部分を第2輪郭線とし、
前記放電面と垂直な方向のうち、前記電極本体から前記電極チップに向かう方向を第1方向とし、前記第1方向の反対方向を第2方向とし、
前記第1接触範囲を前記放電面と平行な方向に0.05mmの間隔で分割して複数個の第1区間を特定し、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第1区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第1区間における前記第1輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第1区間の第1点とし、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第1区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第1区間における前記第2輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第1区間の第2点とし、
複数個の前記第1区間に対応する複数個の前記第1点を結ぶ第1線の線長をL1とし、前記第1線における極大点および極小点の個数をN1とし、
複数個の前記第1区間に対応する複数個の前記第2点を結ぶ第2線の線長をL2とし、前記第2線における極大点および極小点の個数をN2とするとき、
L1<L2、かつ、(2×N1)<N2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【請求項2】
請求項1に記載の点火プラグであって、
前記第1線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第1の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第1の極小点とし、
前記第2線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第2の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第2の極小点とするとき、
前記第1の極大点と前記第1の極小点との合計の個数M1と、前記第2の極大点と前記第2の極小点との合計の個数M2とは、(5×M1)<M2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の点火プラグであって、
前記放電面の重心を通り、前記放電面と垂直で、かつ、前記第1断面と垂直な第2断面において、
前記溶融部と前記電極チップとが接触し、かつ、前記溶融部と前記電極本体とが接触する前記放電面と平行な方向の範囲を第2接触範囲とし、
前記第2接触範囲における前記溶融部の輪郭線のうち、前記電極チップと接触する部分を第3輪郭線とし、前記電極本体と接触する部分を第4輪郭線とし、
前記第2接触範囲を前記放電面と平行な方向に0.05mmの間隔で分割して複数個の第2区間を特定し、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第2区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第2区間における前記第3輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第2区間の第3点とし、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第2区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第2区間における前記第4輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第2区間の第4点とし、
複数個の前記第2区間に対応する複数個の前記第3点を結ぶ第3線の線長をL3とし、前記第3線における極大点および極小点の個数をN3とし、
複数個の前記第2区間に対応する複数個の前記第4点を結ぶ第4線の線長をL4とし、前記第4線における極大点および極小点の個数をN4とするとき、
L3<L4、かつ、(2×N3)<N4を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【請求項4】
請求項3に記載の点火プラグであって、
前記第3線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第3の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第3の極小点とし、
前記第4線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第4の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第4の極小点とするとき、
前記第3の極大点と前記第3の極小点との合計の個数M3と、前記第4の極大点と前記第4の極小点との合計の個数M4とは、(5×M3)<M4を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
【背景技術】
【0002】
点火プラグの電極において、火花が発生するギャップを形成する部分には、従来から耐火花消耗性に優れた貴金属製の電極チップが用いられている。該電極チップを電極本体に接合する方法には、例えば、レーザ溶接を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に示すように、電極チップと電極本体との接触面にレーザ溶接によって形成される溶融部の形状として、様々なものが提案されている。例えば、電極チップと電極本体との接合強度を高めるために、電極チップと電極本体との接触面の全体を接合することが知られている。この点火プラグでは、電極チップと電極本体との間に層状の溶融部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような点火プラグでは、電極チップと電極本体とは別の材料で形成されるので、2つの材料間の線膨張係数の差に起因して、溶融部には熱応力がかかる。このために、該熱応力に起因して電極チップが電極本体から剥離することに対する耐性(耐剥離性)を向上する技術が求められている。また、電極チップの近傍では燃料ガスの爆発が発生するので、電極チップには当該爆発の衝撃が加わる。このために、電極チップの耐衝撃性を向上できる技術が求められている。
【0006】
本明細書は、電極チップと電極本体とが溶融部を介して接合された点火プラグにおいて、電極チップの耐剥離性および耐衝撃性を向上できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]接地電極と中心電極とを備え、
前記接地電極と中心電極との少なくとも一方の電極は、電極本体と、放電面を有する電極チップと、前記電極本体と前記電極チップとの間に形成される溶融部と、を備える点火プラグであって、
前記放電面の重心を通り、前記放電面と垂直な第1断面において、
前記溶融部と前記電極チップとが接触し、かつ、前記溶融部と前記電極本体とが接触する前記放電面と平行な方向の範囲を第1接触範囲とし、
前記第1接触範囲における前記溶融部の輪郭線のうち、前記電極チップと接触する部分を第1輪郭線とし、前記電極本体と接触する部分を第2輪郭線とし、
前記放電面と垂直な方向のうち、前記電極本体から前記電極チップに向かう方向を第1方向とし、前記第1方向の反対方向を第2方向とし、
前記第1接触範囲を前記放電面と平行な方向に0.05mmの間隔で分割して複数個の第1区間を特定し、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第1区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第1区間における前記第1輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第1区間の第1点とし、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第1区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第1区間における前記第2輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第1区間の第2点とし、
複数個の前記第1区間に対応する複数個の前記第1点を結ぶ第1線の線長をL1とし、前記第1線における極大点および極小点の個数をN1とし、
複数個の前記第1区間に対応する複数個の前記第2点を結ぶ第2線の線長をL2とし、前記第2線における極大点および極小点の個数をN2とするとき、
L1<L2、かつ、(2×N1)<N2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【0009】
上記構成によれば、溶融部と電極チップとの接触面積と比較して、溶融部と電極本体との接触面積を十分に大きくすることができる。この結果、使用時に高温となる電極チップの近傍の熱が電極本体に伝わる伝熱性が向上するので、点火プラグの熱引き性能を向上することができ、ひいては、電極チップの熱膨張収縮の程度を小さくできる。また、溶融部と電極チップとの接触面と比較して、溶融部と電極本体との接触面が凹凸の多い形状となるので、楔効果によって溶融部と電極本体との間の接合強度を向上できる。この結果、電極チップの耐剥離性を向上できる。さらに、溶融部と電極本体との接触面と比較して、溶融部と電極チップとの接触面が凹凸の少ない形状となるので、電極チップの近傍で発生する燃料ガスの爆発による衝撃が特定点(例えば、凸凹の先端や後端)に集中することを抑制できるので、点火プラグの耐衝撃性を向上することができる。
【0010】
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記第1線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第1の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第1の極小点とし、
前記第2線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第2の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第2の極小点とするとき、
前記第1の極大点と前記第1の極小点との合計の個数M1と、前記第2の極大点と前記第2の極小点との合計の個数M2とは、(5×M1)<M2を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【0011】
上記構成によれば、楔効果によって溶融部と電極本体との間の接合強度をさらに向上できるとともに、燃料ガスの爆発による衝撃が特定点に集中することをさらに抑制できる。したがって、電極チップの耐剥離性および耐衝撃性をさらに向上できる。
【0012】
[適用例3]適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記放電面の重心を通り、前記放電面と垂直で、かつ、前記第1断面と垂直な第2断面において、
前記溶融部と前記電極チップとが接触し、かつ、前記溶融部と前記電極本体とが接触する前記放電面と平行な方向の範囲を第2接触範囲とし、
前記第2接触範囲における前記溶融部の輪郭線のうち、前記電極チップと接触する部分を第3輪郭線とし、前記電極本体と接触する部分を第4輪郭線とし、
前記第2接触範囲を前記放電面と平行な方向に0.05mmの間隔で分割して複数個の第2区間を特定し、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第2区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第2区間における前記第3輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第2区間の第3点とし、
前記放電面と平行な方向の位置が前記第2区間の中心の位置であり、前記放電面と垂直な方向の位置が前記第2区間における前記第4輪郭線の前記第1方向の端から前記第2方向の端までの範囲の中心の位置である点を前記第2区間の第4点とし、
複数個の前記第2区間に対応する複数個の前記第3点を結ぶ第3線の線長をL3とし、前記第3線における極大点および極小点の個数をN3とし、
複数個の前記第2区間に対応する複数個の前記第4点を結ぶ第4線の線長をL4とし、前記第4線における極大点および極小点の個数をN4とするとき、
L3<L4、かつ、(2×N3)<N4を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【0013】
上記構成によれば、溶融部と電極チップとの接触面積と比較して、溶融部と電極本体との接触面積をさらに大きくすることができるので、点火プラグの熱引き性能をさらに向上することができる。また、溶融部と電極チップとの接触面と比較して、溶融部と電極本体との接触面がさらに凹凸の多い形状となるので、溶融部と接地電極本体との間の接合強度をさらに向上できる。この結果、電極チップの耐剥離性を向上できる。さらに、溶融部と電極本体との接触面と比較して、溶融部と電極チップとの接触面がさらに凹凸の少ない形状となるので、点火プラグの耐衝撃性をさらに向上することができる。
【0014】
[適用例4]適用例3に記載の点火プラグであって、
前記第3線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第3の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第3の極小点とし、
前記第4線上において、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極小点の間に位置する前記極大点を第4の極大点とし、
前記放電面と平行な方向の距離が0.5mm以下である2個の前記極大点の間に位置する前記極小点を第4の極小点とするとき、
前記第3の極大点と前記第3の極小点との合計の個数M3と、前記第4の極大点と前記第4の極小点との合計の個数M4とは、(5×M3)<M4を満たすことを特徴とする、点火プラグ。
【0015】
上記構成によれば、楔効果によって溶融部と電極チップとの間の接合強度をさらに向上できるとともに、燃料ガスの爆発による衝撃が特定点に集中することをさらに抑制できる。したがって、電極チップの耐剥離性および耐衝撃性をさらに向上できる。
【0016】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関、点火プラグの電極、点火プラグの電極と電極チップの溶接方法、点火プラグの電極の製造方法等の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の点火プラグ100の断面図である。
【
図2】第2放電面391の近傍を軸線方向に沿って後端方向BDから先端方向FDに向かって見た図である。
【
図3】点火プラグ100の先端近傍を特定面で切断した断面図である。
【
図4】第1断面CF1における第1輪郭線OL1の近傍の拡大図である。
【
図5】第1断面CF1における第2輪郭線OL2の近傍の拡大図である。
【
図6】接地電極30の製造方法のフローチャートである。
【
図7】接地電極30の製造方法の第1の説明図である。
【
図8】接地電極30の製造方法の第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
A.実施形態
A-1.点火プラグの構成
図1は本実施形態の点火プラグ100の断面図である。
図1の一点破線は、点火プラグ100の軸線COを示している。軸線COと平行な方向(
図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線COを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、軸線COを中心とする円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。
図1における下方向を先端方向FDと呼び、上方向を後端方向BDとも呼ぶ。
図1における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、
図1における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
【0019】
点火プラグ100は、詳細は後述する中心電極20と接地電極30との間に形成される間隙(火花ギャップ)に、火花放電を発生させる。点火プラグ100は、内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、絶縁体としての絶縁体10と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、を備える。
【0020】
絶縁体10は、アルミナ等を焼成して形成されている。絶縁体10は、軸線方向に沿って延び、絶縁体10を貫通する貫通孔である軸孔12を有する略円筒形状の部材である。絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、段部15と、脚長部13と、を備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。
【0021】
主体金具50は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼材)で形成され、内燃機関のエンジンヘッド(図示省略)に点火プラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具50は、軸線COに沿って貫通する貫通孔59が形成されている。主体金具50は、絶縁体10の径方向の周囲(すなわち、外周)に配置される。すなわち、主体金具50の貫通孔59内に、絶縁体10が挿入・保持されている。換言すれば、主体金具50は、中心電極20の周囲に配置され、中心電極20を、絶縁体10を介して絶縁保持している。中心電極をの先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。
【0022】
主体金具50は、点火プラグレンチが係合する六角柱形状の工具係合部51と、内燃機関に取り付けるための取付ネジ部52と、工具係合部51と取付ネジ部52との間に形成された鍔状の座部54と、を備えている。取付ネジ部52の呼び径は、例えば、M8(8mm(ミリメートル))、M10、M12、M14、M18のいずれかとされている。
【0023】
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌挿されている。ガスケット5は、点火プラグ100が内燃機関に取り付けられた際に、点火プラグ100と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。
【0024】
主体金具50は、さらに、工具係合部51の後端側に設けられた薄肉の加締部53と、座部54と工具係合部51との間に設けられた薄肉の圧縮変形部58と、を備えている。主体金具50における工具係合部51から加締部53に至る部位の内周面と、絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間に形成される環状の領域には、環状のリング部材6、7が配置されている。当該領域における2つのリング部材6、7の間には、タルク(滑石)9の粉末が充填されている。加締部53の後端は、径方向内側に折り曲げられて、絶縁体10の外周面に固定されている。主体金具50の圧縮変形部58は、製造時において、絶縁体10の外周面に固定された加締部53が先端側に押圧されることにより、圧縮変形する。圧縮変形部58の圧縮変形によって、リング部材6、7およびタルク9を介し、絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。これにより、金属製の環状の板パッキン8を介して、主体金具50の取付ネジ部52の内周に形成された段部56(金具側段部)によって、絶縁体10の段部15(絶縁体側段部)が押圧される。この結果、内燃機関の燃焼室内のガスが、主体金具50と絶縁体10との隙間から外部に漏れることが、板パッキン8によって防止される。
【0025】
中心電極20は、軸線方向に延びる棒状の中心電極本体21と、中心電極チップ29と、を備えている。中心電極本体21は、絶縁体10の軸孔12の内部の先端側の部分に保持されている。中心電極本体21は、電極母材21Aと、電極母材21Aの内部に埋設された芯部21Bと、を含む構造を有する。電極母材21Aは、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。芯部21Bは、電極母材21Aを形成する合金よりも熱伝導性に優れる銅または銅を主成分とする合金、本実施形態では、銅で形成されている。
【0026】
また、中心電極本体21は、軸線方向の所定の位置に設けられた鍔部24(フランジ部とも呼ぶ。)と、鍔部24よりも後端側の部分である頭部23(電極頭部)と、鍔部24よりも先端側の部分である脚部25(電極脚部)と、を備えている。鍔部24は、絶縁体10の段部16に支持されている。脚部25の先端部分、すなわち、中心電極本体21の先端は、絶縁体10の先端より先端側に突出している。
【0027】
中心電極チップ29は、略円柱形状を有する部材であり、中心電極本体21の先端(脚部25の先端)に、例えば、レーザ溶接を用いて、接合されている。中心電極チップ29の先端面は、後述する接地電極チップ39との間で火花ギャップを形成する第1放電面295である。中心電極チップ29は、高融点の貴金属を主成分とする材料で形成されている。中心電極チップ29は、例えば、イリジウム(Ir)やIrなどの貴金属、または、該貴金属を主成分とする合金を用いて形成された貴金属チップである。
【0028】
接地電極30は、主体金具50の先端に接合された接地電極本体31と、四角柱形状の接地電極チップ39と、を備えている。接地電極本体31は、断面が四角形の棒状体である。接地電極本体31の一端は、自由端313であり、他端は、接続端312である。接続端312は、主体金具50の先端面50Aに、例えば、抵抗溶接によって、接合されている。これによって、主体金具50と接地電極本体31とは、電気的に、かつ、物理的に接続される。接地電極本体31は、自由端313を含み、軸線COと垂直な方向に伸びる先端部31aと、接続端312を含み、軸線方向に伸びる後端部31bと、を備えている。先端部31aと後端部31bとの間は、湾曲している部分である。
【0029】
接地電極本体31は、例えば、ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。接地電極本体31は、耐腐食性の高い金属(例えば、ニッケル合金)で形成された母材と、熱伝導性が高い金属(例えば、銅)を用いて形成され、母材に埋設された芯部と、を含む2層構造を有しても良い。接地電極チップ39は、中心電極チップ29と同様の合金を用いて形成された貴金属チップとすることができる。ただし、好適には、イリジウム(Ir)やIrを主成分とする合金、または、Ptを主成分としIrを含む合金を用いて形成された貴金属チップである。
【0030】
端子金具40は、軸線方向に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、端子金具40の表面には、防食のための金属層(例えば、Ni層)がめっきなどによって形成されている。端子金具40は、軸線方向の所定位置に形成された鍔部42(端子顎部)と、鍔部42より後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42より先端側の脚部43(端子脚部)と、を備えている。端子金具40のキャップ装着部41は、絶縁体10より後端側に露出している。端子金具40の脚部43は、絶縁体10の軸孔12に挿入されている。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、火花放電を発生するための高電圧が印加される。
【0031】
絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40の先端(脚部43の先端)と中心電極20の後端(頭部23の後端)との間には、火花発生時の電波ノイズを低減するための抵抗体70が配置されている。抵抗体70は、例えば、主成分であるガラス粒子と、ガラス以外のセラミック粒子と、導電性材料と、を含む組成物で形成されている。軸孔12内において、抵抗体70と中心電極20との隙間は、導電性シール60によって埋められている。抵抗体70と端子金具40との隙間は、導電性シール80によって埋められている。導電性シール60、80は、例えば、B2O3-SiO2系等のガラス粒子と金属粒子(Cu、Feなど)とを含む組成物で形成されている。
【0032】
A-2.接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成
接地電極30の接地電極チップ39近傍の構成について、さらに、詳細に説明する。
図2は、接地電極チップ39の第2放電面391の近傍を、軸線方向に沿って後端方向BDから先端方向FDに向かって見た図である。
図3は、点火プラグ100の先端近傍を特定面で切断した断面図である。
【0033】
接地電極チップ39の後端面は、中心電極チップ29の第1放電面295(
図1)と対向する第2放電面391である。
図3(A)の第1断面CF1は、第2放電面391の重心GCを通り、かつ、第2放電面391と垂直で、かつ、棒状の接地電極本体31の軸線と平行な断面である。
図3(B)の第2断面CF2は、第2放電面391の重心GCを通り、かつ、第2放電面391と垂直で、かつ、第1断面CF1と垂直な断面である。本実施形態では、第2放電面391の重心GCを通り、かつ、第2放電面391と垂直な線は、点火プラグ100の軸線COと一致する。
【0034】
なお、第2放電面391の重心は、第2放電面391に均等に質量が分布していると仮定した場合の重心である。第2放電面391は、例えば、以下のように決定される。第2放電面391を後端方向BD側から先端方向FDに向かって撮影してデジタル画像を取得する。該デジタル画像において第2放電面391を構成する複数個の画素の座標の平均座標を算出する。該平均座標によって示される位置を第2放電面391の重心とする。
【0035】
接地電極チップ39の厚さ方向、すなわち、第2放電面391と垂直な方向であって、接地電極本体31から接地電極チップ39に向かう方向(本実施例では後端方向BD)を第1方向D1とし、第1方向D1の反対方向(本実施例では先端方向FD)を第2方向D2とする。
【0036】
第2放電面391の重心GCから、第2放電面391に沿って自由端313に向かう方向、すなわち、
図2の左方向を、第3方向D3とする。第2放電面391の重心GCから、第2放電面391に沿って自由端313から離れる方向、すなわち、第3方向D3の反対方向を、第4方向D4とする。
【0037】
接地電極本体31の自由端313(自由端面)と連接する4つの側面のうち、第1放電面295と対向する側面を、内側面311とする。接地電極本体31の4つの側面のうち、内側面311と連接する2個の側面、すなわち、
図2の上下方向に位置する側面を、側面315、316とする。そして、第2放電面391の重心GCから、側面315に向かう方向、すなわち、
図2の上方向を第5方向D5とし、第5方向D5の反対方向を第6方向D6とする。
【0038】
接地電極チップ39は、四角柱状の部材である。すなわち、接地電極チップ39は、四角形(本実施例では正方形)の第2放電面391と、第2放電面391に連接する4つの側面393~396とを備えている。これらの4つの側面のうち、側面393は、自由端313の側(第3方向D3)を向いており、側面394は、接続端312の側(第4方向D4)を向いている。接地電極チップ39は、該四角形の第2放電面391の一辺の長さW、すなわち、接地電極チップ39の第3方向D3の長さ、および、第5方向D5の長さは、例えば、2.0mm以上であり、好適には2.5mm以上である。接地電極チップ39の平均厚さ(軸線方向の長さの平均)は、例えば、0.2mm~1.0mmである。
【0039】
接地電極チップ39は、接地電極本体31の先端部31aにおいて、内側面311に沿って配置されている。接地電極チップ39は、接地電極本体31に対して、レーザ溶接によって接合されている。このために、接地電極チップ39と接地電極本体31との間には、レーザ溶接によって形成された溶融部35が配置されている。溶融部35は、溶接前の接地電極チップ39の一部分と、接地電極本体31の一部分と、が溶融・凝固した部分である。このために、溶融部35は、接地電極チップ39の成分と、接地電極本体31の成分と、を含んでいる。接地電極チップ39は、溶融部35を介して、接地電極本体31の内側面311に接合されている、と言うことができる。
【0040】
図2から解るように、軸線方向に沿って見た溶融部35の形状は、軸線方向に沿って見た接地電極チップ39の形状よりわずかに大きな略相似形(本実施形態では、四角形)である。そして、溶融部35の4つの方向D3~D6の側面353~356は、接地電極チップ39の対応する側面393~356より径方向の外側に位置しており、外部に露出している。
【0041】
溶融部35は、接地電極チップ39の側面393~396のうちの先端方向FD側の部分を覆う溶融ダレ35nを有している(
図3)。溶融ダレ35nは、接地電極チップ39の全周に亘って形成されている。
【0042】
溶融部35の後端方向BD側の接触面351(
図3)は、接地電極チップ39の第2放電面391の反対側の面(先端方向FDの面)との接触面である。接地電極チップ39の第2放電面391の反対側の面(先端方向FDの面)の全てが、溶融部35と接触している。溶融部35の先端方向FD側の接触面352(
図3)は、全体が接地電極本体31に接触している。接触面351をチップ接触面とも呼び、接触面352を本体接触面とも呼ぶ。
【0043】
本体接触面352は、チップ接触面351と比較して凹凸が多く、表面が粗い。
図3では、このことを概念的に示すために、チップ接触面351は直線で図示され、本体接触面352は、ギザギザの線で図示されている。
【0044】
ここで、
図3(A)の第1断面CF1において、溶融部35と接地電極チップ39とが接触し、かつ、溶融部35と接地電極本体31とが接触する第3方向D3の範囲を第1接触範囲RG1とする。第1接触範囲RG1は、チップ接触面351と接触面352との両方が存在する第3方向D3の範囲であるとも言うことができる。
【0045】
第1接触範囲RG1における溶融部35の輪郭線のうち、中心電極チップ29と接触する部分を第1輪郭線OL1とし、中心電極本体21と接触する部分を第2輪郭線OL2とする。第1輪郭線OL1は、チップ接触面351のうちの第1接触範囲RG1内に部分であり、第2輪郭線OL2は、接触面352のうちの第1接触範囲RG1内の部分である、とも言うことができる。
【0046】
図4は、第1断面CF1における第1輪郭線OL1の近傍の拡大図である。
図5は、第1断面CF1における第2輪郭線OL2の近傍の拡大図である。第1断面CF1において、第1接触範囲RG1を第2放電面391と平行な方向(例えば、第3方向D3)に0.05mmの間隔で分割して特定される区分を分割区分CLと呼ぶ。
図4には、分割区分CL11~分割区分CL18が示されている。
図5には、分割区分CL21~CL28が示されている。
図4、
図5の長さLは、上述したように0.05mmである。
【0047】
各分割区分CLおいて、第3方向D3の位置が当該分割区分CLの中心の位置であり、第1方向D1の位置が当該分割区分CLにおける第1輪郭線OL1の第1方向D1の端から第2方向D2の端までの範囲の中心の位置である点を、分割区分CLの第1輪郭線OL1の代表点P1とする。
図4には、分割区分CL11~CL18の第1輪郭線OL1の代表点P11~P18が示されている。
【0048】
同様に、各分割区分CLおいて、第2放電面391と平行な方向(例えば、第3方向D3)の位置が当該分割区分CLの中心の位置であり、第1方向D1の位置が当該分割区分CLにおける第2輪郭線OL2の第1方向D1の端から第2方向D2の端までの範囲の中心の位置である点を、分割区分CLの第2輪郭線OL2の代表点P2とする。
図5には、分割区分CL21~CL28の第2輪郭線OL2の代表点P21~P28が示されている。
【0049】
例えば、
図5において、分割区分CL21の第2輪郭線OL2の代表点P21の第3方向D3の位置は、分割区分CL21の第3方向D3の中心である。したがって、代表点P21から分割区分CL21の第3方向D3の端までの距離、および、代表点P21から分割区分CL21の第4方向D4の端までの距離は、(L/2)、すなわち、0.025mmである。また、代表点P21の第1方向D1の位置は、分割区分CL21における第2輪郭線OL2の第1方向D1の端Pa1から第2方向D2の端Pb1までの範囲の中心である。したがって、第1方向D1の端Pa1から第2方向D2の端Pb1までの第1方向D1の距離をHaとすると、代表点P21から第1方向D1の端Pa1までの第1方向D1の距離、および、代表点P21から第2方向D2の端Pb1までの第1方向D1の距離は、(Ha/2)である。
【0050】
第1輪郭線OL1の複数個の代表点(例えば、
図4の代表点P11~P18)を結ぶ仮想的な線を、第1輪郭線OL1の評価用仮想線VL1(
図4)とする。同様に、第2輪郭線OL2の複数個の代表点(例えば、
図5の代表点P21~P28)を結ぶ仮想的な線を、第2輪郭線OL2の評価用仮想線VL2(
図5)とする。
【0051】
図4、
図5において、丸で囲まれた代表点P11、P14、P18、P21、P23、P25、P26は、評価用仮想線VL1、VL2の極大点または極小点である。例えば、
図5の代表点P23は、評価用仮想線VL2上において自身を挟む2個の代表点P22、P24の両方が、自身よりも第2方向D2に位置するので、極大点である。また、
図5の代表点P25は、評価用仮想線VL2上において自身を挟む2個の代表点P24、P26の両方が、自身よりも第1方向D1に位置するので、極小点である。
【0052】
ここで、評価用仮想線VL1の線長をL1とし、評価用仮想線VL1における極大点および極小点の個数をN1とする。評価用仮想線VL2の線長をL2とし、評価用仮想線VL2における極大点および極小点の個数をN2とする。本実施例では、本体接触面352がチップ接触面351と比較して十分に粗いので、L1、L2、N1、N2は、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2を満たす。
【0053】
ここで、評価用仮想線(例えば、VL1、VL2、および、後述するVL3、VL4)上において、第3方向D3の距離が0.5mm以下である2個の極小点の間に位置する極大点を、特定極大点SPbとする。また、評価用仮想線上において、第3方向D3の距離が0.5mm以下である2個の極大点の間に位置する極小点を、特定極小点SPsとする。
【0054】
例えば、
図4の評価用仮想線VL1上において、極小点P14は、極小点P14から見て第4方向D4に位置する最も近い極大点P18と、極小点P14から見て第3方向D3に位置する最も近い極大点P11と、に挟まれている。極小点P14を挟む2個の極大点P11、P18の間の第3方向D3の距離Laは、(7×0.05)=0.35mmであるので、0.5mm以下である。したがって、極小点P14は、特定極小点SPsである。
【0055】
同様に、
図5の評価用仮想線VL2上において、極大点P23は、極大点P23から見て第4方向D4に位置する最も近い極小点P26と、極大点P23から見て第3方向D3に位置する最も近い極小点P21と、に挟まれている。極大点P23を挟む2個の極小点P21、P26の間の第3方向D3の距離Lbは、(4×0.05)=0.2mmであるので、0.5mm以下である。したがって、極大点P23は、特定極大点SPbである。また、極小点P25は、極小点P25から見て第4方向D4に位置する最も近い極大点P26と、極小点P25から見て第3方向D3に位置する最も近い極大点P23と、に挟まれている。極小点P25を挟む2個の極大点P23、P26の間の第3方向D3の距離Lcは、(3×0.05)=0.15mmであるので、0.5mm以下である。したがって、極小点P25は、特定極小点SPsである。
【0056】
ここで、評価用仮想線VL1における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M1と、評価用仮想線VL2における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M2とは、(5×M1)<M2を満たす。
【0057】
ここで、
図3(B)の第2断面CF2において、溶融部35と接地電極チップ39とが接触し、かつ、溶融部35と接地電極本体31とが接触する第5方向D5の範囲を第2接触範囲RG2とする。第2接触範囲RG2は、チップ接触面351と接触面352との両方が存在する第5方向D5の範囲であるとも言うことができる。
【0058】
第2接触範囲RG2における溶融部35の輪郭線のうち、中心電極チップ29と接触する部分を第3輪郭線OL3とし、中心電極本体21と接触する部分を第4輪郭線OL4とする(
図3(B))。第3輪郭線OL3は、チップ接触面351のうちの第2接触範囲RG2内に部分であり、第4輪郭線OL4は、接触面352のうちの第2接触範囲RG2内の部分である、とも言うことができる。
【0059】
図4を参照して説明した第1輪郭線OL1の評価用仮想線VL1の特定方法と同様の方法によって、第3輪郭線OL3の評価用仮想線VL3が特定される(図示省略)。すなわち、第2断面CF2において、第2接触範囲RG2を第2放電面391と平行な方向(例えば、第5方向D5)に0.05mmの間隔で分割して分割区分CLが特定される。各分割区分CLおいて、第5方向D5の位置が当該分割区分CLの中心の位置であり、第1方向D1の位置が当該分割区分CLにおける第3輪郭線OL3の第1方向D1の端から第2方向D2の端までの範囲の中心の位置である点を、分割区分CLの第3輪郭線OL3の代表点とする。第3輪郭線OL3の複数個の代表点を結ぶ仮想的な線を、第3輪郭線OL3の評価用仮想線VL3(図示省略)とする。
【0060】
図5を参照して説明した第2輪郭線OL2の評価用仮想線VL2の特定方法と同様の方法によって、第4輪郭線OL4の評価用仮想線VL4が特定される(図示省略)。すなわち、第2断面CF2における各分割区分CLおいて、第5方向D5の位置が当該分割区分CLの中心の位置であり、第1方向D1の位置が当該分割区分CLにおける第4輪郭線OL4の第1方向D1の端から第2方向D2の端までの範囲の中心の位置である点を、分割区分CLの第4輪郭線OL4の代表点とする。第4輪郭線OL4の複数個の代表点を結ぶ仮想的な線を、第4輪郭線OL4の評価用仮想線VL4(図示省略)とする。
【0061】
評価用仮想線VL3の線長をL3とし、評価用仮想線VL3における極大点および極小点の個数をN3とする。評価用仮想線VL4の線長をL4とし、評価用仮想線VL4における極大点および極小点の個数をN4とする。本実施例では、本体接触面352がチップ接触面351と比較して十分に粗いので、L3、L4、N2、N4は、L3<L4、かつ、(2×N3)<N4を満たす。
【0062】
さらに、評価用仮想線VL3、VL4においても、
図4、
図5を参照して説明した特定極小点SPsと、特定極大点SPbと、を特定することができる。評価用仮想線VL3における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M3と、評価用仮想線VL4における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M4とは、(5×M3)<M4を満たす。
【0063】
A-3.製造方法
点火プラグ100の製造方法について、接地電極30の製造方法を中心に説明する。
図6は、接地電極30の製造方法のフローチャートである。
図7、
図8は、接地電極30の製造方法の説明図である。先ず、曲げられる前の棒状の接地電極本体31が準備される。そして、接地電極本体31に溶接される前の接地電極チップ39が準備される。
【0064】
S10では、固定台400に対して接地電極本体31を固定する。具体的には、
図8に示すように、固定台400の上面に、内側面311を上向きにした状態で接地電極本体31が配置される。そして、内側面311のうち、接地電極チップ39が接合されるべき部分よりも第4方向D4の部分が、押さえ部材500によって第2方向D2(
図8の下向き)に押さえられる。押さえ部材500および固定台400は、熱伝導率が比較的高い金属材料(例えば、鉄)で形成されている。
【0065】
S20では、接地電極本体31の内側面311に、
図7(A)、
図8に示すように、溶接前の四角柱状の接地電極チップ39が配置される。この状態では、接地電極チップ39の先端側の面39Sと、内側面311と、が互いに接触する。この先端側の面39Sと接地電極本体31の内側面311との接触面、すなわち、接地電極チップ39と接地電極本体31との間の接合すべき面を、チップ接合面BSとも呼ぶ。
【0066】
S30では、レーザ溶接のためのレーザを走査・出力して、チップ接合面BSのうち、第5方向D5側の約半分が溶接される。なお、本実施形態では、レーザとしてファイバレーザが用いられる。ファイバレーザは、例えば、YAGレーザと比較して、集光性が高いために、形成できる溶融部35の形状の自由度が高いので、
図2に示すように、厚さが比較的薄く、かつ、軸線と垂直な方向(例えば、第5方向D5)の長さが比較的長い形状の溶融部35を形成できる。
【0067】
図7(A)のレーザLZ1は、S30の溶接工程(第1溶接工程とも呼ぶ)の開始時点におけるレーザを示し、レーザLZ2は、第1溶接工程の終了時点におけるレーザを示している。レーザは、
図7(A)に示すように、側面395より第5方向D5側から第6方向D6に照射される。
図7(A)、
図8に示すように、第1溶接工程では、側面395におけるチップ接合面BSより僅かに第1方向D1側の部位を、第4方向D4の端点P1から第3方向D3の端点P2まで第3方向D3に照射位置を移動しながら、レーザが連続して照射される。第3方向D3の端点P3から第4方向D4の端点P4までの間で、照射位置の移動速度およびレーザの照射のエネルギーは、接地電極チップ39の大きさや融点に応じて適宜に調整される。
【0068】
図7(B)において、ハッチングされた溶融部35Aは、第1溶接工程にて形成された溶融部である。第1溶接工程によって、チップ接合面BSのうちの第5方向D5側の約半分が溶接される。
【0069】
第1溶接工程後のS40では、再び、レーザを走査・出力して、チップ接合面BSのうちの残りの約半分、すなわち、第6方向D6側の約半分が溶接される。
【0070】
図7(B)のレーザLZ3は、S40の溶接工程(第2溶接工程とも呼ぶ)の開始時点におけるレーザを示し、レーザLZ4は、第2溶接工程の終了時点におけるレーザを示している。レーザは、
図7(B)に示すように、側面396より第6方向D6側から第5方向D5に照射される。第2溶接工程では、側面396におけるチップ接合面BSより僅かに後端方向BD側の部位を、第3方向D3の端点P3から第4方向D4の端点P4まで第4方向D4に照射位置を移動しながら、レーザが連続して照射される。第3方向D3の端点P3から第4方向D4の端点P4までの間で、照射位置の移動速度およびレーザの照射のエネルギーは、接地電極チップ39の大きさや融点に応じて適宜に調整される。
【0071】
以上説明した第1溶接工程と第2溶接工程との2回の工程によって、
図2、
図3を参照して説明した溶融部35が形成され、接地電極本体31と接地電極チップ39との溶接が完了する。
【0072】
第1溶接工程、および、第2溶接工程において、溶融部35が形成される際に、接地電極本体31は、押さえ部材500および固定台400に接触している。このために、第1溶接工程および第2溶接工程において、接地電極本体31の熱は、
図8の矢印AR1、AR2で示すように、押さえ部材500および固定台400に伝わる。これに対して、溶融部35が形成される際に、接地電極チップ39は、金属製の押さえ部材500および固定台400よりも熱伝導率が低い空気に接触しているだけである。このために、接地電極チップ39の熱は、外部に逃げ難い。このように、溶融部35のうち、接地電極チップ39側では、熱引き量が接地電極本体31側より少なくなる。さらに、貴金属製の接地電極チップ39の熱伝導率は、一般的に、ニッケル合金製の接地電極本体31の熱伝導率よりも高い。この結果、溶融部35の形成時において、溶融部35と接地電極チップ39との間の界面近傍は、溶融部35と接地電極本体31との界面近傍と比較して高温で均一になり、溶融部35と接地電極本体31との界面近傍は、溶融部35と接地電極チップ39との間の界面近傍よりも低温で不均一になる。この結果、
図3に示すように、溶融部35の本体接触面352は、溶融部35のチップ接触面351と比較して、粗くなる。この粗度の違いは、接地電極チップ39のチップ接合面BSが大きい場合に得られやすいと考えられる。したがって、接地電極チップ39の第3方向D3の長さ、および、第5方向D5の長さは、2.5mm以上であることが好ましい。
【0073】
なお、接地電極本体31と接地電極チップ39との溶接は、例えば、主体金具50に棒状の接地電極本体31が溶接された後に、行われても良い。また、接地電極本体31と接地電極チップ39とが溶接された後に、主体金具50に接地電極本体31が溶接されても良い。
【0074】
さらに、絶縁体10と中心電極20と導電性シール60と抵抗体70と導電性シール80と端子金具40とを有する組立体が、公知の方法で作成される。例えば、中心電極20、導電性シール60の材料、抵抗体70の材料、導電性シール80の材料を、絶縁体10の軸孔12に、後端方向BD側から、この順番に挿入する。そして、絶縁体10を加熱した状態で端子金具40を軸孔12に後端方向BD側から挿入することによって、組立体が製造される。
【0075】
その後、主体金具50に組立体が固定される。具体的には、主体金具50の貫通孔59内に、組立体と、タルク9と、リング部材6、7とが配置される。絶縁体10の段部15と主体金具50の段部56との間には、板パッキン8が介在される。そして、主体金具50の加締部53を内側に折り曲げるように加締めることによって、主体金具50と絶縁体10とが組み付けられる。そして、棒状の接地電極30が曲げられて、中心電極チップ29と接地電極チップ39との間のギャップが形成される。以上により、点火プラグ100が完成する。
【0076】
以上説明した本実施形態の点火プラグ100によれば、第1断面CF1(
図3(A))において、評価用仮想線VL1の線長をL1とし、評価用仮想線VL1における極大点および極小点の個数をN1とし、評価用仮想線VL2の線長をL2とし、評価用仮想線VL2における極大点および極小点の個数をN2とするとき、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2を満たす。
【0077】
この結果、溶融部35と接地電極チップ39との接触面積(すなわち、チップ接触面351の面積)と比較して、溶融部35と接地電極本体31との接触面積(すなわち、本体接触面352の面積)を十分に大きくすることができる。この結果、使用時に高温となる接地電極チップ39の近傍の熱が接地電極本体31に伝わる伝熱性が向上するので、点火プラグ100の熱引き性能を向上することができ、ひいては、接地電極チップ39の熱膨張収縮の程度を小さくできる。また、溶融部35と接地電極チップ39との接触面(すなわち、チップ接触面351)と比較して、接触面352が凹凸の多い形状(面が粗い形状)となるので、楔効果によって溶融部35と接地電極本体31との間の接合強度を向上できる。この結果、接地電極チップ39の耐剥離性を向上できる。また、点火プラグ100の使用時には、接地電極チップ39の第2放電面391近傍で火花が発生し、該火花によって燃料ガスの爆発が発生する。このために、接地電極チップ39の第2放電面391には、燃料ガスの爆発による衝撃が加えられる。この際に、チップ接触面351に凹凸が存在すると、該凹凸の先端や後端などの特定点に、燃料ガスの爆発による衝撃が集中して、溶融部35が損傷を受けやすい。本実施形態によれば、本体接触面352と比較して、チップ接触面351が凹凸の少ない形状(面が滑らかな形状)となるので、接地電極チップ39の近傍で発生する燃料ガスの爆発による衝撃が特定点(例えば、凹凸の先端や後端)に集中することを抑制できるので、点火プラグ100の耐衝撃性を向上することができる。このように、本実施形態の点火プラグ100によれば、接地電極チップ39の耐剥離性および耐衝撃性を向上できる。なお、接地電極チップ39の第3方向D3の長さ、および、第5方向D5の長さが2.5mm以上であると、チップ接触面351の面積と本体接触面352の面積とが十分大きくなるので、上記の効果は顕著となる。
【0078】
さらに、本実施形態の点火プラグ100によれば、評価用仮想線VL1における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M1と、評価用仮想線VL2における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M2とは、(5×M1)<M2を満たす。特定極小点SPsおよび特定極大点SPbは、他の極小点および極小点よりも尖った点であると言うことができる。このため、特定極小点SPsおよび特定極大点SPbには、燃料ガスの爆発による衝撃が集中しやすいので、チップ接触面351においては少ないことが好ましい。また、特定極小点SPsおよび特定極大点SPbは、楔効果による接合強度の向上に寄与するので、本体接触面352においては多いことが好ましい。本実施形態によれば、チップ接触面351において特定極小点SPsおよび特定極大点SPbを十分に少なくするとともに、本体接触面352において特定極小点SPsおよび特定極大点SPbを十分に多くすることができる。したがって、楔効果によって溶融部35と接地電極本体31との間の接合強度をさらに向上できるとともに、燃料ガスの爆発による衝撃がチップ接触面351における特定点に集中することをさらに抑制できる。したがって、接地電極チップ39の耐剥離性および耐衝撃性をさらに向上できる。
【0079】
さらに、本実施形態の点火プラグ100によれば、第2断面CF2(
図3(B))において、評価用仮想線VL3の線長をL3とし、評価用仮想線VL4における極大点および極小点の個数をN3とし、評価用仮想線VL4の線長をL4とし、評価用仮想線VL4における極大点および極小点の個数をN4とするとき、L3<L4、かつ、(2×N3)<N4を満たす。
【0080】
上記構成によれば、チップ接触面351の面積と比較して、本体接触面352の面積をさらに大きくすることができるので、点火プラグ100の熱引き性能をさらに向上することができ、ひいては、接地電極チップ39の熱膨張収縮の程度を小さくできる。また、チップ接触面351と比較して、本体接触面352がさらに凹凸の多い形状となるので、溶融部35と接地電極チップ39との間の接合強度をさらに向上できる。この結果、接地電極チップ39の耐剥離性を向上できる。さらに、本体接触面352と比較して、チップ接触面351がさらに凹凸の少ない形状となるので、点火プラグ100の耐衝撃性をさらに向上することができる。
【0081】
さらに、本実施形態の点火プラグ100によれば、評価用仮想線VL3における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M3と、評価用仮想線VL4における特定極大点SPbと特定極小点SPsとの合計の個数M4とは、(5×M3)<M4を満たす。したがって、楔効果によって溶融部35と接地電極本体31との間の接合強度をさらに向上できるとともに、燃料ガスの爆発による衝撃がチップ接触面351における特定点に集中することをさらに抑制できる。したがって、接地電極チップ39の耐剥離性および耐衝撃性をさらに向上できる。
【0082】
以上の説明から解るように、本実施形態の評価用仮想線VL1は、第1線の例であり、評価用仮想線VL2は、第2線の例であり、評価用仮想線VL3は、第3線の例であり、評価用仮想線VL4は、第4線の例である。また、評価用仮想線VL1上の特定極小点SPsおよび特定極大点SPbは、第1の極小点および第1の極大点の例であり、評価用仮想線VL2上の特定極小点SPsおよび特定極大点SPbは、第2の極小点および第2の極大点の例であり、評価用仮想線VL3上の特定極小点SPsおよび特定極大点SPbは、第3の極小点および第3の極大点の例であり、評価用仮想線VL4上の特定極小点SPsおよび特定極大点SPbは、第4の極小点および第4の極大点の例である。
【0083】
B.変形例:
(1)上記実施形態の点火プラグ100では、第1断面CF1において、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2が満たされ、第2断面CF2において、L3<L4、かつ、(2×N3)<N4が満たされている。これに代えて、第1断面CF1において、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2が満たされ、第2断面CF2において、L3<L4、かつ、(2×N3)<N4が満たされていなくても良い。また、第1断面CF1において、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2が満たされず、第2断面CF2において、L3<L4、かつ、(2×N3)<N4が満たされていても良い。
【0084】
(2)上記実施形態の点火プラグ100では、第1断面CF1において、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2が満たされ、さらに、(5×M1)<M2が満たされているが、(5×M1)<M2が満たされていなくても良い。同様に、上記実施形態の点火プラグ100では、第2断面CF2において、L3<L4、かつ、(2×N3)<N4が満たされ、さらに、(5×M3)<M4が満たされているが、(5×M3)<M4が満たされていなくても良い。
【0085】
(3)上記実施形態の点火プラグ100の接地電極30の接地電極チップ39や接地電極本体31の形状は一例であり、これに限られない。例えば、接地電極チップ39は、円柱形状であっても良いし、八角柱の形状であっても良い。また、上記実施形態では、第1放電面295と第2放電面391とが軸線方向に対向する縦放電型の点火プラグであるが、これ代えて、第1放電面と第2放電面とが軸線と垂直な方向に対向する横放電型の点火プラグであっても良い。
【0086】
(4)中心電極本体21と中心電極チップ29とがレーザ溶接によって接合され、中心電極本体21と中心電極チップ29との間に溶融部が形成される場合には、本発明は、中心電極20に対して適用されても良い。この場合には、溶融部と中心電極本体21とが接触する本体接触面が、溶融部と中心電極チップ29とチップ接触面よりも粗く形成される。そして、第1放電面295の重心を通り、第1放電面295と垂直な断面において、中心電極チップ29と溶融部とが接触する部分における溶融部の輪郭線について、上述した評価用仮想線VL1と同様な評価用仮想線を特定し、該評価用仮想線の線長をL1とし、該評価用仮想線における極大点および極小点の個数をN1とする。さらに、中心電極本体21と溶融部とが接触する部分における溶融部の輪郭線について、上述した評価用仮想線VL2と同様な評価用仮想線を特定し、該評価用仮想線の線長をL2とし、該評価用仮想線における極大点および極小点の個数をN2とする。この場合に、L1<L2、かつ、(2×N1)<N2を満たしても良い。
【0087】
(5)上記実施形態の点火プラグ100の具体的な構成は、一例であり、適宜に変形され得る。例えば、接地電極チップ39、接地電極30、主体金具50、中心電極20、絶縁体10等の材質、寸法、形状等は、様々に変更可能である。例えば、主体金具50の材質は、亜鉛めっきまたはニッケルめっきされた低炭素鋼でも良いし、めっきがなされていない低炭素鋼でも良い。また、絶縁体10の材質は、アルミナ以外の様々な絶縁性セラミックスでもよい。
【0088】
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0089】
5…ガスケット、6…リング部材、8…板パッキン、9…タルク、10…絶縁体、12…軸孔、13…脚長部、15…段部、16…段部、17…先端側胴部、18…後端側胴部、19…鍔部、20…中心電極、21…中心電極本体、21A…電極母材、21B…芯部、23…頭部、24…鍔部、25…脚部、29…中心電極チップ、30…接地電極、31…接地電極本体、31a…先端部、31b…後端部、35…溶融部、35A…溶融部、35n…溶融ダレ、39…接地電極チップ、39S…面、40…端子金具、41…キャップ装着部、42…鍔部、43…脚部、50…主体金具、50A…先端面、51…工具係合部、52…取付ネジ部、53…加締部、54…座部、56…段部、58…圧縮変形部、59…貫通孔、60…導電性シール、70…抵抗体、80…導電性シール、100…点火プラグ、295…第1放電面、311…内側面、312…接続端、313…自由端、351…チップ接触面、352…本体接触面、353~356…側面、391…第2放電面、393~396…側面、400…固定台、500…押さえ部材、BS…チップ接合面、CF1…第1断面、CF2…第2断面、RG1…第1接触範囲、RG2…第2接触範囲、OL1~OL4…輪郭線、VL1~VL4…評価用仮想線