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特許6992048クリーンルームのためのファンアセンブリ
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  • 特許-クリーンルームのためのファンアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】クリーンルームのためのファンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20220127BHJP
   F24F 7/003 20210101ALN20220127BHJP
【FI】
F24F7/06 C
F24F7/003
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019504971
(86)(22)【出願日】2017-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2017068652
(87)【国際公開番号】W WO2018019771
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】102016000078030
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519027925
【氏名又は名称】アイ.エム.エー. インダストリア マッキーネ アウトマティケ ソシエタ ペル アチオニ
【氏名又は名称原語表記】I.M.A. INDUSTRIA MACCHINE AUTOMATICHE S.P.A.
【住所又は居所原語表記】VIA EMILIA 428-442, 40064 OZZANO DELL’EMILIA BOLOGNA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】特許業務法人森脇特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガブシ ガブリエーレ
(72)【発明者】
【氏名】トレッビ クラウディオ
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-054739(JP,A)
【文献】特開2012-000576(JP,A)
【文献】特公昭47-026136(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
B01L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーンルームのためのファンアセンブリであって、前記ファンアセンブリは、
床面(4)と、2枚の対向する側壁(2a)と、上方壁(2b)とによって画定されるチャンバ(2)と、
前記床面(4)に向けて、前記チャンバ(2)に層流の気体を導入するための、前記チャンバ(2)の上方壁(2b)に配置される導入ユニット(100)と、を備え、
前記チャンバ(2)は、前記導入ユニット(100)により導入される前記気体により内部が包まれるように配置され、
前記ファンアセンブリはさらに、前記床面(4)に位置し前記チャンバ(2)内に存在する前記気体及び液体の搬送路(3)を備え、
前記搬送路(3)は、上方壁(5b)と、2枚の対向する側壁(5a)とにより画定されるケース(5)によって覆われ、
前記ケース(5)の前記側壁(5a)のそれぞれは、前記チャンバ(2)を前記搬送路(3)と連通させる貫通開口部(6)を備え、
前記ケース(5)の前記対向する側壁(5a)はそれぞれ、前記チャンバ(2)の対向する側壁(2a)から離隔され配置され、
前記搬送路(3)は、前記搬送路(3)の下部に前記液体を回収するための長手方向排出ダクト(9)を備えると共に、
前記長手方向排出ダクト(9)の上方の前記搬送路(3)の側壁に通路(10)が画定されており、かつ前記通路(10)は気体吸引部材に接続され、
前記液体は前記通路(10)に対して低い高さで搬送され、それにより前記気体吸引部材による前記通路(10)を介した前記液体の吸引が防止される
ことを特徴とする、ファンアセンブリ。
【請求項2】
前記ケース(5)の対向する前記側壁(5a)は、互いに平行であることを特徴とする、請求項1記載のファンアセンブリ。
【請求項3】
前記ケース(5)は、前記チャンバ(2)の前記床面(4)の中心位置に配置されることを特徴とする、請求項1又は2記載のファンアセンブリ。
【請求項4】
前記搬送路(3)は、前記チャンバ(2)内の液体用排出口(7)を備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項記載のファンアセンブリ。
【請求項5】
前記床面(4)は、前記チャンバ(2)の前記側壁(2a)ぞれぞれから前記搬送路(3)の方に傾斜することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項記載のファンアセンブリ。
【請求項6】
前記ケース(5)から前記気体を排出する吸引機構を更に備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項記載のファンアセンブリ。
【請求項7】
前記ケース(5)は、前記開口部(6)に、前記気体は通過させ、異物は通過させない少なくとも1つの格子(8)を備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項記載のファンアセンブリ。
【請求項8】
前記液体用排出口(7)は、前記長手方向の排出ダクト(9)の下部に位置されることを特徴とする、請求項記載のファンアセンブリ。
【請求項9】
前記液体が前記液体用排出口(7)から流出するのを促進するために、前記長手方向の排出ダクト(9)は、前記液体用排出口(7)の方へ傾斜することを特徴とする、請求項4又は8記載のファンアセンブリ。
【請求項10】
層流の前記気体の前記導入ユニット(100)は、ファン圧縮器(14)と、前記ファン圧縮器(14)の下流に接続されるパイプ(15)と、前記チャンバ(2)の前記上方壁(2b)に位置する複数の排出ノズル(12)と、を備えることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項記載のファンアセンブリ。
【請求項11】
前記導入ユニット(100)と、前記導入ユニット(100)により導入される前記気体を濾過するためのチャンバ(2)との間に配置されるフィルタ(13)を備えることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項記載のファンアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームのためのファンアセンブリを対象とする。
【背景技術】
【0002】
製薬業界で行われる多くの製造工程は必ず、クリーンルーム空間、もしくは浮遊微粒子(パーティクル)の濃度が所定の限度(清浄度)内に制御されるチャンバ内で実行されなければならないことが知られている。
【0003】
この目的に向けた頼みの綱は、そのチャンバ内における通常の上下方向の気体の層流を分配することであり、運搬又は加工ラインは、この層流に包み込まれる。
【0004】
この流れによって、処理対象の殺菌した材料から微粒子が除去される。そして、これらの微粒子は吸引ユニットにより捕らえられ、吸引ユニットは、これらの微粒子を含む気体をチャンバの外側に排出する。
【0005】
一般的に、この1つの吸引ユニットは、チャンバの側壁に画定される吸引ダクトを備える。
【0006】
米国特許第4832717号には、チャンバの側壁に作られた貫通穴を空気が通過し、一側面のみから排出が行われる「クリーンエアキャビネット」について記載されている。
【0007】
吸引ダクトを横側に配置することにより生じる制限は、効果的に微粒子を除去するのを妨げる乱流が発生する場合があるということである。
【0008】
また、吸引ユニットそれぞれにつながっている吸引穴を備えた、床(床面)の使用も公知である。
【0009】
この種の床材を使用する大きな欠点の1つは、微粒子を含む気体をチャンバの外側へ確実に排出するためには、床材全体に亘り一様に分散した吸引が必要であるということである。
【0010】
さらに、各種デバイス又は処理対象の生産物を消毒するために用いられる洗浄及び殺菌流体が異物を運んできてしまい、床材の孔が塞がってしまうことがある。
【0011】
従っていずれの解決策でも、微粒子を完全に除去し、その濃度の維持を所定の限度(清浄度)内で保証することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許第4832717号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、クリーンルーム(クリーン空間)のためのファンアセンブリ(システム)を提案することによって上記課題を解決することである。前記ファンアセンブリは、気体をチャンバの外側へ効果的に排出させるのに適しているので、浮遊微粒子の濃度を確実に所定の限度内に保つ。
【0014】
この目的の背景において、本発明の目的の1つは、チャンバ内で循環する空気の流れに微視的乱流が発生するのを防止する、クリーンルームのためのファンアセンブリを提案することであり、微粒子を効果的に除去することが可能となる。
【0015】
本発明の別の目的は、費用、比較的単純な実施例、及び安全な適用を含む、クリーンルームのためのファンアセンブリを提供することである。
【0016】
この目標及び目的は、請求項1によるクリーンルームのためのファンアセンブリにより達成される。
【0017】
本発明の更なる特徴及び効果は、添付の図面の非限定的な実施例として図示され、本発明によるクリーンルームのためのファンアセンブリの好適であるが、非排他的な実施例の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ファンアセンブリの不等角投影図である。
図2】ファンアセンブリの側面図である。
図3】平面III―IIIにおける図2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
個々の図において、クリーンルーム(クリーンベンチ)2のファンアセンブリ(換気システム)は、参照番号1で、全体的に示される。
【0020】
製薬業界で行われる製造工程は実際のところ、必ず浮遊微粒子の濃度が所定の限度内に制御されるクリーンルーム空間、又はチャンバにおいて実行されなくてはならい。
【0021】
この目的のためにアセンブリ1は、運搬ラインへ向けられた層状気流(層流)の導入(インレット)ユニット100(チャンバ2の上方壁2bに配置される)、及び気体をチャンバ2から排出するための空気の吸引部材(吸引機構)(図示なし)を備える。
【0022】
チャンバ2は、床面4と、2枚の対向する側壁2aと、上方壁2bとによって画定される。
【0023】
本発明によればアセンブリ1は、運搬ラインでチャンバ2の床面4上、好適には実質的に中心位置に、チャンバ2に存在する気体及び液体のための少なくとも1本の搬送路(輸送路)3を備える。
【0024】
この搬送路3はケース(ケーシング)5に覆われている。このケース5は、上方壁5bと、2枚の対向する側壁5aにより画定される。ケース5の側壁5aはそれぞれ、チャンバ2を搬送路3と連通させる貫通穴6を備える。ケース5の対向する側壁5aはそれぞれ、チャンバ2の対向する側壁2aから離隔され配置される。
【0025】
この搬送路3は、チャンバ2の吸引部材ともつながっている。
【0026】
導入ユニットにより分配された気体は、その後開口部6を通過する。そしてこの気体は吸引部材によって取り出される。
【0027】
この配置では、微視的乱流(マイクロタービュランス)が発生することなく、確実に層状気流(層流)がチャンバ2を循環できるので極めて有利である。そして、チャンバ2内に滞留する可能性のある空気中に浮遊する微粒子又は汚染物質及び、そこに含まれる成分がチャンバ2から排出されるようにする。
【0028】
特に実用的かつ有用な1つの解決案によれば、搬送路3は、チャンバ2内部に存在する液体のための排出口7を備えることができる。
【0029】
塵及び残留物を完全に除去するため、チャンバ2及びそこに含まれる構成要素に対して洗浄及び消毒操作を行うことが可能である。
【0030】
洗浄液及び殺菌流体はそれから、排出口7を介してチャンバ2の外側へ順に排出されるよう、搬送路3の方へ運ばれる。
【0031】
例えば洗浄及び殺菌流体は好適には、水、水蒸気、過酸化水素、過酸化水素蒸気、溶媒、溶剤蒸気、オゾン含有ガス混合物、液体混合物、ガス混合物等から選択されることができる。
【0032】
液体が搬送路3の開口6を介して流出するのを更に促進するため、床面4はチャンバ2の各側壁2aから搬送路3の方へ傾斜していてもよい。
【0033】
さらに、前記ケース5は開口部6に、気体は通過させ、異物は通過させないようにするのに適した少なくとも1つの格子8を備えることができる。
【0034】
また、液体を収集するため、搬送路3の下部に長手方向に排出ダクト9を備えることができることを明記すべきである。そしてこの長手方向の排出ダクト9の下部に排出口7を配置することができる。
【0035】
さらに、搬送路3が吸引部材へのそれぞれの連結ダクト11のための通路10を備える可能性は排除されない。
【0036】
この通路10は、搬送路3の側壁に画定されることができる。
【0037】
従って、排出ダクト9があるおかげで液体は通路10より低い位置で運ばれるので、液体が空気吸引ユニットを介して排出される可能性は、更に防止される。
【0038】
実際、液体は重力のため、搬送ダクト(路)3の底部に、そして具体的には長手方向の排出ダクト9に溜まる傾向がある。
【0039】
(連結)ダクト11が、チャンバ2の床材4の下に配置される第1部分と、チャンバ2自体の側壁2aに沿った第2部分とを有してもよい。
【0040】
液体が排出口7から流出するのを更に促進するため、長手方向の排出ダクト9は、排出口7の方に傾斜していてもよい。
【0041】
層状気流(層流)の導入ユニット100が、ファン圧縮器14、圧縮器14の下流に接続されるパイプ15、及び運搬ラインを覆う複数の分配ノズル12を備える点に留意する必要がある。ノズルは、チャンバ2の上方壁2bに配置される。
【0042】
このようにして、全運搬ライン及びその上に存在するそれぞれの製造物に沿って流れる下方への層状気流(層流)を生成することができる。
【0043】
好適には、導入の装置(ユニット)によって導入される気体は、適切なフィルタ13で予防的に濾過される空気であることが示される。
気体がチャンバ2に到達する前に、導入ユニット100により導入される気体を濾過するために、フィルタ13が導入ユニット100とチャンバ2の間に配置される。
特定の応用への必要性により不活性ガスや窒素等といった他のタイプの気体を使用することも排除されない。
【0044】
有利には、チャンバ2の外側に気体を排出させるのに適した、クリーンルーム2のためのファンアセンブリ(換気システム)1を提案することによって、本発明は上述した課題を解決する。そして、浮遊微粒子の濃度を所定の限度内に保つ。
【0045】
好適にはクリーンルーム2のためのファンアセンブリ1は、微粒子を効果的に排除できるチャンバ2内部において、循環する空気の流れの中に微視的乱流が発生するのを防止する。
【0046】
このように考案される本発明には、多くの変更及び変形例が可能である。そして、その全ては本発明の概念に一致する。さらに、詳細すべては他の技術的に等価な要素と置き換えることが可能である。
【0047】
図示される実施例において、特定の実施例と関連して説明される個々の特性は、他の実施例に存在する他の異なる特性と実際に置き換えることが可能である。
【0048】
実際には、どのような材料も、どのような大きさであっても、要件及び従来技術に従って用いることができる。
図1
図2
図3