(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】高分解能光源の配線
(51)【国際特許分類】
F21S 41/155 20180101AFI20220127BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220127BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20220127BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20220127BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20220127BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220127BHJP
F21S 41/141 20180101ALI20220127BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20220127BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220127BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220127BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220127BHJP
【FI】
F21S41/155
F21V23/00 140
F21V23/00 150
F21V23/00 160
F21V23/06
F21S43/14
F21S43/145
H01L33/00 L
F21S41/141
F21W102:13
F21W103:00
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2019514268
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2017069846
(87)【国際公開番号】W WO2018050355
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-07-29
(32)【優先日】2016-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ、ルフォドゥー
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ、ド、ランベルトリー
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム、ティン
(72)【発明者】
【氏名】サミラ、ムバタ
(72)【発明者】
【氏名】トマ、キャノン
(72)【発明者】
【氏名】バン-タイ、ホアン
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、デュボワ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ-グザビエ、アミエル
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-37196(JP,A)
【文献】特開2015-167123(JP,A)
【文献】登録実用新案第3172019(JP,U)
【文献】特表2011-527519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/155
F21V 23/00
F21V 23/06
F21S 43/14
F21S 43/145
H01L 33/00
F21S 41/141
F21W 102/13
F21W 103/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのエレクトロルミネセント素子(202)を備えるエレクトロルミネセント光源(200)と、
-前記エレクトロルミネセント素子を制御するように設計される電子装置(220)と、
-前記エレクトロルミネセント光源と前記電子装置とを電気的に接続する(230、232、234)インターポーザ(210)と、
を備え
、
熱放散器が前記インターポーザの1つの面上に配置され、
前記熱放散器が中間素子を介して前記インターポーザの面に当て付いて配置され、前記中間素子は、
-サーマルペースト
-銅の層
の中からの少なくとも1つを備える、
地上車両用の照明素子(20)。
【請求項2】
前記エレクトロルミネセント光源(200)及び前記電子装置(220)が前記インターポーザの少なくとも1つの面上に配置される請求項1に記載の照明素子。
【請求項3】
-前記エレクトロルミネセント光源及び前記電子装置が前記インターポーザの第1の面上に配置され、
-前記熱放散器が前記インターポーザの第2の面に当て付いて配置される、
請求項1及び2に記載の照明素子。
【請求項4】
前記中間素子は、
-接着剤
をさらに備える、請求項1及び3のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項5】
前記インターポーザは、
-無機材料
-有機材料
のうちの少なくとも一方を備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項6】
前記無機材料は、
-シリコン
-ガラス
-セラミック
の中からの少なくとも1つを備える
請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記電子装置が少なくとも1つの電力変換器及び/又は1つの集積回路を備える
請求項1から6のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項8】
受動電子部品及び/又は能動電子部品を更に備える
請求項1から7のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項9】
前記電子部品が前記インターポーザ上及び/又は前記インターポーザ内に配置される
請求項8に記載の照明素子。
【請求項10】
前記インターポーザは、前記電子装置と前記エレクトロルミネセント光源の前記少なくとも1つのエレクトロルミネセント素子とを電気的に接続する少なくとも1つの金属トラックを備える
請求項1から9のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項11】
-前記エレクトロルミネセント光源は、電気的に直列に接続される少なくとも2つのエレクトロルミネセント素子を備え、
-前記インターポーザは、前記電子装置と電気的に直列に接続される前記少なくとも2つのエレクトロルミネセント素子とを電気的に接続する少なくとも1つの金属トラックを備える、
請求項10に記載の照明素子。
【請求項12】
前記インターポーザ上に配置されて前記電子装置に電気的に接続される少なくとも1つの電気コネクタ(240)を備える
請求項1から11のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項13】
前記エレクトロルミネセント光源が発光ダイオードのモノリシックアレイである
請求項1から12のいずれか一項に記載の照明素子。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の照明素子を備える、好ましくは地上車両のための照明装置、特に照明及び/又は信号発信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上車両用の照明モジュールの分野、言い換えると、車両の照明装置に組み込まれ得るとともに、車両が使用されるときに道路又はパッセンジャーコンパートメントを照らす光の投射を可能にし、かつ/又は車両がそれ自体をより見やすくできるようにするモジュールに関する。そのような照明装置の例は、位置表示灯又はロービームライト及び/又はハイビームライト(一般に「ヘッドランプ」と称される)である。
【背景技術】
【0002】
地上車両には、夜間に又は照明状態低下の場合に車両の前方の道路を照らすようになっているフロントヘッドライト又はリアライトなどの特に照明用及び/又は信号発信用の照明装置が備えられる。また、それらの照明装置は、車両のパッセンジャーコンパートメントを照らすために使用される場合もある。これらの照明装置は1つ以上の照明モジュールを備える場合がある。各照明機能が1つ以上のモジュールによって与えられる場合がある。
【0003】
地上車両用のこれらの照明モジュールでは、半導体光源が益々使用されてきている。これらの光源は、発光ダイオード(すなわちLED)、有機発光ダイオード(すなわちOLED)、或いは、ポリマー発光ダイオード(すなわちPLED)から成ってもよい。これらの光源は、特に、例えばフィラメント電球などの従来の光源に対して有利なサイズ及び寿命を与える。
【0004】
これらの新たな光源の使用は、車両の照明装置によりもたらされる照明性能の向上において新たな展望を与える。特に、LEDのモノリシックアレイの使用は、照らされるべきシーンの領域をどんな明るさでも非常に高い精度で選択できるようにする。モノリシックアレイは、同じ基板上に位置される数百又は数千のLEDを備え、これらのLEDはレーン又はストリートによって他から分離される。このモノリシックアレイに関連して、LEDはピクセルとも呼ばれる。しかしながら、各LEDは、他から電気的に独立しており、そのため、アレイの他のLEDから自律して照明する。この目的のために、アレイの各LEDは、その電力供給を管理する電子回路(「ドライバ」と称される回路)によって個々に制御され、このことは、LEDの密度が高ければ高いほど、LEDに電力を供給するための配線の数が多いことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アレイのLEDの電力供給の配線を実現可能にするために、LEDの電力供給を管理する回路(すなわち「ドライバ」)と共にLEDのアレイを積み重ねることにある「スタッキング」と称される技術が知られている。しかしながら、そのようなスタッキングの実現可能性を制限する多くの技術的制約がある。まず第一に、LEDのアレイとそのドライバとのまさにその積み重ねに起因して、熱放散が低下する。これは、LEDによって発生される熱が部品内の温度の上昇をもたらすことにより部品が劣化する可能性及び/又は部品の最適な使用が妨げられる可能性があるため、重要な問題である。更に、ドライバ自体が、熱を発生して、LEDにより生じる熱によって破壊される場合がある。更に、一般にASIC(「特定用途向け集積回路」の頭字語)上に実装されるドライバの幾何学的形態に対する制約がある。実際に、ASICの標準化された寸法は、最も小さい想定し得るサイズの照明モジュールを得るために他の標準規格に準拠するアレイの寸法に対応しなければならない。しかしながら、現在の標準規格は、ドライバとLEDのアレイとの間のサイズの差が大きすぎるようにこれらの様々な寸法間のいかなる対応をも与えない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、少なくとも1つのエレクトロルミネセント素子を備えるエレクトロルミネセント光源と、エレクトロルミネセント素子を制御するように設計される電子装置と、エレクトロルミネセント光源と電子装置とを電気的に接続するインターポーザとを備える地上車両照明モジュールが提供される。
【0007】
様々な例によれば、本発明に係る照明素子は、互いに組み合わされる以下の特徴のうちの1つ以上を備えてもよい。
【0008】
-エレクトロルミネセント光源及び電子装置がインターポーザの少なくとも1つの面上に配置される、
-熱放散器がインターポーザの1つの面上に配置される、
-エレクトロルミネセント光源及び電子装置がインターポーザの第1の面上に配置され、
熱放散器がインターポーザの第2の面に当て付いて配置される、
-熱放散器が中間素子を介してインターポーザの面に当て付いて配置され、中間素子は、サーマルペースト、銅の層、接着剤の中からの少なくとも1つを備える、
-インターポーザは、無機材料、有機材料のうちの少なくとも一方を備える、
-無機材料は、シリコン、ガラス、セラミックの中からの少なくとも1つを備える、
-電子装置が少なくとも1つの電力変換器及び/又は1つの集積回路を備える、
-受動電子部品及び/又は能動電子部品、
-電子部品がインターポーザ上及び/又はインターポーザ内に配置される、
-インターポーザは、電子装置とエレクトロルミネセント光源の前記少なくとも1つのエレクトロルミネセント素子とを電気的に接続する少なくとも1つの金属トラックを備える、
-エレクトロルミネセント光源は、電気的に直列に接続される少なくとも2つのエレクトロルミネセント素子を備え、また、インターポーザは、電子装置と電気的に直列に接続される前記少なくとも2つのエレクトロルミネセント素子とを電気的に接続する少なくとも1つの金属トラックを備える、
-インターポーザ上に配置されて電子装置に電気的に接続される少なくとも1つの電気コネクタ、
-エレクトロルミネセント光源が発光ダイオードのモノリシックアレイである。
【0009】
前述の照明素子を備える、好ましくは地上車両のための照明装置、特に照明及び/又は信号発信装置も提供される。
【0010】
ここで、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態を非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明に係る照明素子の一例を概略的に示す。
【
図3】本発明に係るモノリシックアレイのLEDの配線の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、「積層ASIC」なる用語で従来技術において知られている照明素子の一例を示し、この場合、LEDのアレイは、その電力供給を可能にするASIC回路上にある。LEDアレイとドライバとの間の界面がハッチングで示される。この界面は、LEDのアレイがドライバと接触したままであるようにするために接着剤を備えてもよい。
【0013】
図2は、本発明に係る照明素子の一例を示す。照明素子は、地上車両照明モジュールであってもよい。1つ以上の照明モジュールは、照明装置を構成してもよく、又は、照明装置に組み込まれてもよい。照明装置は、フロントヘッドライト、リアライト、又は、パッセンジャーコンパートメント用の照明器具であってもよい。そのような照明装置の1つ以上のバージョン(例えば、四輪車の場合には前方の1つ以上のバージョンの対及び/又は後方の1つ以上のバージョンの対、或いは、二輪車又は三輪車の場合には前方の1つ以上のバージョン及び/又は後方の1つ以上のバージョン)を備える地上車両も提供される。
【0014】
照明素子20は、少なくとも1つのエレクトロルミネセント素子202を備える少なくとも1つのエレクトロルミネセント光源200を備える。エレクトロルミネセント光源は、少なくとも1つのエレクトロルミネセント素子を備える固体照明光源である。エレクトロルミネセント素子は、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)であってもよいが、これらに限定されない。したがって、エレクトロルミネセント光源は半導体光源であり、また、エレクトロルミネセント光源は基板204を備え、該基板204からエレクトロルミネセント素子が延在する。エレクトロルミネセント素子は、より一般的にはピクセルと呼ばれる。したがって、照明素子は、基板204の第1の面上に配置される又は第1の面から延在する少なくとも1つの複数のピクセルを備える。
【0015】
エレクトロルミネセント素子はそれぞれ半導体素子であってもよく、言い換えると、エレクトロルミネセント素子はそれぞれ少なくとも1つの半導体材料を備える。エレクトロルミネセント素子は大部分が半導体材料から形成されてもよい。この半導体材料は、基板の半導体材料と同じであってもよく或いは異なっていてもよい。エレクトロルミネセント素子は、より一般的には、全てが1つ又は複数の同じ材料から形成されてもよい。エレクトロルミネセント素子は、同じ性質を有してもよく、例えば、ほぼ同一又は類似であってもよい。全てのエレクトロルミネセント素子は、規則的なパターン、例えばグリッドを形成するように位置されてもよい。
【0016】
素子はエレクトロルミネセントである。これは、エレクトロルミネセント素子の材料に電気が供給されるときに素子が光を発することを意味する。したがって、エレクトロルミネセント素子が光を発するときにはピクセルが発光していると称される。エレクトロルミネセント素子は、エレクトロルミネセンスを用いて光を発する。エレクトロルミネセンスは光学的及び電気的な現象であり、この現象中、材料は、該材料を通じて流れる電流に応じて又は高電界に応じて光を発する。これは、化学製品の温度(白熱光)又は作用(化学発光)により発光とは区別されるべきである。
【0017】
第1の例において、エレクトロルミネセント光源は、LEDのモノリシックアレイとも称されるモノリシックエレクトロルミネセント光源である。モノリシックアレイは、同じ基板204上に、好ましくは例えばサファイアから形成されてもよい基板の同じ面上に位置される数百又は数千のエレクトロルミネセント素子を備える。モノリシックアレイのLEDは、「レ-ン」又は「ストリート」によって互いから分離される。そのため、モノリシックアレイは、エレクトロルミネセント素子のグリッド又は他のピクセルのグリッドである。アレイの各エレクトロルミネセント素子は、他のエレクトロルミネセント素子とは電気的に独立しており、アレイの他の素子とは無関係に光を発する又は発しない。アレイの各素子は、「ドライバ」と呼ばれる電子回路によって個別に制御される。或いは、エレクトロルミネセント素子は、管理されるべき素子の数を減らすために、例えば並列又は直列の形態によってエレクトロルミネセント素子に給電することによって電気的にグループ化されてもよい。例えば、これらのグループは2~4個のエレクトロルミネセント素子を備えてもよく、この数は十分にピクセル化された光ビームを保つことができるようにする。ドライバはモノリシックアレイの電力供給を管理し、このことは、要するに、ドライバが各エレクトロルミネセント素子の電力供給を個々に制御するということになる。したがって、ドライバは、エレクトロルミネセント素子のモノリシックアレイの素子を制御するように設計される電子装置である。
【0018】
第2の例において、照明素子は、大部分が半導体材料から形成される基板204を備える少なくとも1つの半導体エレクトロルミネセント光源を備える。したがって、「半導体基板」という表現を用いて基板が言及されてもよい。基板は、1つ以上の他の材料、例えば、非半導体を備えてもよい。エレクトロルミネセント光源は、基板の第1の面から延在するエレクトロルミネセント素子の1つ以上のアセンブリも備える。したがって、照明素子は、基板の第1の面から延在する少なくとも1つの複数のそのような素子を備える。各アセンブリは、基板の第1の面のそれぞれの部分から延在する幾つかの素子から形成される。したがって、エレクトロルミネセント素子は様々な発光領域内で分布されてもよい。一例では、これらの様々な領域が選択的に活性化可能であってもよい。素子は、ロッドの一般的な形状を有してもよく、したがって「ロッド」と称されてもよい。
【0019】
先と同様に、この第2の例でも、一方側では、基板(例を挙げると、例えばカソードを形成する基板)を介してエレクトロルミネセント素子に電流が供給されてもよく、他方側では、エレクトロルミネセント素子を互いに電気的に接続する導電材料の層(例を挙げると、例えばアノードを形成する導電材料の層)を介してエレクトロルミネセント素子に電流が供給されてもよい。したがって、各エレクトロルミネセント素子の半導体材料と基板の半導体材料との間の接触が電気的な導通に適合されてもよい。導電材料の層はエレクトロルミネセント素子を覆ってもよい。また、導電材料の層は、エレクトロルミネセント素子がそこから延在する基板の表面の各部分或いはエレクトロルミネセント素子のアセンブリがそこから延在する基板の表面全体又は面全体を覆ってもよい。導電材料の層は、任意の手段によって基板の半導体材料から電気的に絶縁されてもよい。これにより、エレクトロルミネセント素子に基板を介して電気を供給することができる。したがって、エレクトロルミネセント素子には、簡単な態様で、言い換えると、基板の導電材料に一方の極性を供給するとともに導電材料の層に他方の極性を供給することによって電気が供給されてもよい。
【0020】
先と同様に、この第2の例でも、エレクトロルミネセント光源は、基板に給電するための少なくとも1つのステップと、その後に基板から始まる成長によって基板とロッドとを一体形成するためのステップとを含む方法によって製造されてもよい。導電材料の層は、ロッドの駆動をもたらすために、例えば銅の金属仕上げの堆積のためのステップによって形成されてもよい。また、このステップは、ソースとドライバ構成要素との間のワイヤによる配線用に設計された、基板の一方の面上のアルミニウムパッド又は銅パッドの形成を含んでもよい。ワイヤによる配線(「ワイヤボンディング」又は「リボンボンディング」)は、エレクトロルミネセント光源と光源に電力を供給するための装置との間の電気的接続を行うために使用される技術のうちの1つである。配線は、この目的のために各素子上に設けられる2つの接続ラグの間で半田付けされるワイヤ(又はブリッジ)によって簡単に形成される。半田付けは超音波によって実行されてもよい。ワイヤの材料は、アルミニウム、金、又は、銅であってもよい。ワイヤの直径は20μm程度であってもよい。長方形断面を有するワイヤが使用されてもよい。
【0021】
好ましくは、エレクトロルミネセント光源は、モノリシックエレクトロルミネセント光源、例えば前述の第1の例において記載されたモノリシックエレクトロルミネセント光源である。モノリシック光源は、高密度のピクセル(又はエレクトロルミネセント素子)を有する光源である。実際には、ピクセルの密度が400ピクセル/平方センチメートル(cm2)以上である場合には、エレクトロルミネセント光源がモノリシックエレクトロルミネセント光源であると考えられてもよい。言い換えると、第1のピクセルの中心と第1のピクセルに隣接する第2のピクセルの中心との間の距離は500ミクロン(μm)以下であり、この距離は「ピクセルピッチ」とも呼ばれる。
【0022】
本発明に係る照明素子は、エレクトロルミネセント光源のエレクトロルミネセント素子を制御するように設計される1つ(又は幾つか)の電子装置220を備える。そのような電子装置は、例えば、集積回路又は電力変換器であってもよい。
【0023】
電力変換器は、車両の電力供給システムからの電気供給を所望の照明機能の実施に適合される電気供給へと変換し、潜在的に、前記所望の照明機能の実施のためにエレクトロルミネセント光源に適合される前記電力供給をもたらすための装置である。
【0024】
電子チップとも称される集積回路が、1つ以上の電子機能を再現する電子部品であり、この電子部品は、幾つかのタイプの基本的な電子部品を例えば縮小された体積内(すなわち、小さい基板上)に組み込むことができる。これは回路を実装容易にする。
【0025】
集積回路は例えばASIC又はASSPであってもよい。
【0026】
ASIC(「特定用途向け集積回路」の頭字語)は、少なくとも1つの特定用途向け(すなわち顧客向け)に開発された集積回路である。そのため、ASICは特殊化された(マイクロ電子)集積回路である。一般に、ASICは、多数の独自の機能又はカスタマイズされた機能をグループ化する。
【0027】
ASSP(「特定用途向け標準製品」の頭字語)は、一般的に標準化された用途を満たすために多数の機能をグループ化する集積電子(マイクロ電子)回路である。ASICは、ASSPよりも具体的なニーズに合わせて設計される。
【0028】
エレクトロルミネセント光源、したがってエレクトロルミネセント素子の電力供給は、電子装置を介して実施され、電子装置自体には、例えば少なくとも電子装置を電源に接続するコネクタによって電気が供給される。その後、電子装置がエレクトロルミネセント素子に電気を供給する。したがって、電子装置は、エレクトロルミネセント素子を制御するように設計される。
【0029】
照明素子は、エレクトロルミネセント光源200と電子装置220とを電気的に接続するインターポーザ210も備える。インターポーザは、電気を2つのコネクタ間で経路付けることができるようにする電気的なインタフェースである。言い換えると、インターポーザは、少なくとも2つのコネクタを互いに接続できるようにする基板である。2つのコネクタ間の接続の経路付けは、導電トラックによって達成されてもよい。インターポーザの基板上に、言い換えると、インターポーザの1つ以上の面の表面にトラックが形成されてもよい。インターポーザの基板内にトラックが形成されてもよく、言い換えると、この場合、トラックはインターポーザの基板の内側にある。トラックは、インターポーザの基板上の部分と基板内の部分とを備えてもよい。インターポーザは、前述の3つのタイプのトラックの任意の所定の組み合わせを備えてもよい。トラックは、トラックの各端部のいずれかに位置されてエレクトロルミネセント光源のコネクタ及び電子装置のコネクタとの電気的な接触を可能にする少なくとも2つのコネクタを備える。
図2において、トラック230は、インターポーザの基板の内側に形成されるとともに、エレクトロルミネセント光源200のエレクトロルミネセント素子202のコネクタと接続される第1の端部232と、エレクトロルミネセント光源200のドライバを実装するASIC220のコネクタと接続される第2の端部234とを備える。
【0030】
インターポーザのトラックは一般に金属であり、これは、金属が良好な導電性をもたらすからであり、したがって、例えばトラックは銅から形成される。
【0031】
インターポーザは基板を備え、該基板は、それが備える様々なトラック間の電気的絶縁を与える。インターポーザの基板を構成する1つ又は複数の材料は、無機材料及び/又は有機材料であってもよい。
【0032】
無機材料は、主に、合成及び天然のガラス、エナメル、セラミック、石などを含むが、これらに限定されない。好ましくは、インターポーザの基板は、シリコン、ガラス、セラミックの中から選択される材料又は材料の組み合わせを備えてもよく、シリコン及びガラスは、それらの物理的特性が他の材料により与えられるトラック密度よりも大きいトラック密度を得ることができるようにするため、有利な材料である。言い換えると、シリコン及びガラスは、2つのトラック同士の間に、セラミックなどの他の材料で必要とされる距離よりも短い距離をこれらの2つのトラック間の距離に伴って、電気的絶縁をもたらすことができるようにする。シリコンは、ガラスと比べて最良の熱放散を可能にする材料であり、より安価であるという利点を与える。
【0033】
有機材料は、エポキシ、Kaptonの名称で市販されるようなポリイミド、シリコンを含むが、これらに限定されない。
【0034】
一般的に言って、インターポーザを形成する基板は、熱に対する良好な耐性を有さなければならない。先に与えられたような無機材料の使用は、照明素子からの熱の伝達を容易にする。
【0035】
インターポーザは、2つの対向する面を伴うプレートの一般的な形状を有してもよい。エレクトロルミネセント光源及び電子装置はそれぞれ、インターポーザの異なる面上に配置されてもよく、或いは、インターポーザの同じ面上に配置されてもよい。配置されるとは、インターポーザの1つの面とエレクトロルミネセント光源との間に第1の接触があり、インターポーザの面と電子装置との間に第2の接触があることを意味する。接触は恒久的であることが好ましい。恒久的な接触は、例えば、半田付けによって、ボンディングによって、例えば「フリップチップ」、「リフロー」、「銅ピラー」、「マイクロチューブ」、「サーモソニックAuSn」、「ハイブリッドボンディング」などの任意の所定のプロセスによって行われる。
【0036】
照明素子は、インターポーザの少なくとも1つの面上に配置される少なくとも1つの熱放散器を更に備えてもよい。熱放散器は、エレクトロルミネセント光源からの熱が照明素子の使用中にインターポーザへ伝わるように熱の伝達を可能にする。したがって、エレクトロルミネセント光源と、熱放散器とインターポーザとの間の協働とによって、製造が簡単で車両照明装置に設置するための地上車両照明モジュールを得ることができ、その結果、サイズが比較的小さくなり、コンパクトになるとともに、熱を放散するための良好な能力がもたらされる。
【0037】
熱放散器は、インターポーザの基板との協働によって、言い換えると、熱放散器がエレクトロルミネセント光源によって生じる熱を受ける場合に、熱の放散を可能にする。したがって、熱放散器は、それ自体がエレクトロルミネセント光源と熱的に通じているインターポーザと熱的に通じている。
【0038】
熱伝達は、一例では、熱放散器がインターポーザに対して直接に当て付いて配置されるという事実によってもたらされてもよい。このことは、熱放散器がインターポーザと物理的な(すなわち、物質的な)接触状態にあることを意味する。
【0039】
しかしながら、熱放散器は、代わりに、熱伝達を向上させる中間素子を介してインターポーザに対して当て付いて配置されてもよい。中間素子は、インターポーザと熱放散器との間に配置される。中間素子は、例えば熱化合物又は相変化材料を備えてもよい。中間素子が銅を備えてもよく、例えば、中間素子が銅板である。また、中間素子は、熱放散器がインターポーザに当て付いて保持される状態を維持する接着剤でもよい。
【0040】
図2は、エレクトロルミネセント光源200及び電子装置220がインターポーザ210の同じ面上に配置される一例を示す。この形態は、それによって熱放散器(図示せず)をインターポーザの反対側の面に配置することができるため、特に有利である。
【0041】
先と同様に、
図2の例でも、電子装置は制御電子装置を備え、電子装置がそれらのうちの幾つか備えることが理解される。この電子装置は、例えば各素子からの光の放射又は非放射を個別に制御するために、照明素子のエレクトロルミネセント素子と相互作用するように構成されてもよい。
図2の配置によって照明素子を制御するための電子機器を熱放散器に可能な限り近づけることができることが理解される。これらの電子機器も熱を発生するため、この解決策は熱の放散を最適化できるようにする。更に、この解決策は、主に、照明素子から分離される制御電子装置を避けることによって、したがって、付加的な空間を設けて必要なコネクタを追加することを回避することによって、照明素子のコンパクトさを向上させることができるようにする。実際に、
図1に示されるような従来技術において、LEDモジュールの構成素子に固定されるドライバは、ドライバによるLEDの自己発熱をもたらし、それにより、光強度の性能が低下する可能性がある。同様に、ドライバは、今度はLEDによって加熱されるため、熱的に感度が高くなる。従来技術において、これは、所定のレベルの冷却を目的として熱放散器のサイズの増大をもたらす場合がある。
【0042】
本発明に係る照明素子は、1つ以上の受動電子部品、言い換えると、電気信号を増幅しない電子部品を更に備えてもよい。或いは、本発明に係る照明素子は、1つ以上の能動電子部品、言い換えると、電気信号を増幅する電子部品を更に備えてもよい。照明素子が受動電子部品及び能動電子部品の両方を備えてもよいことが理解される。これらの電子部品は、例えば、ESD保護能力、保護ツェナーダイオード、ビン抵抗器であってもよい。これらの部品は、エレクトロルミネセント光源の制御及び保護のための電子回路の一部を形成してもよい。照明素子の他の素子が受動電子部品及び/又は能動電子部品を備えてもよく、例えば、制御装置が部品能動及び/又は受動電子装置であってもよいことも理解される。
【0043】
この(又はこれらの)受動電子部品及び/又は能動電子部品は、少なくとも部分的に、インターポーザの1つの面上に配置されてもよく、この配置は、例えば、光源及び電子装置に関して前述したように実施される。
【0044】
この(又はこれらの)受動電子部品及び/又は能動電子部品は、インターポーザ内に配置されてもよく、言い換えると、電子部品がインターポーザの基板内に実装される。言い換えると、インターポーザは、導電トラックのための支持媒体の役割を果たすだけでなく、電子部品のための支持媒体の役割も果たす。例えば、インターポーザがエレクトロルミネセント光源のエレクトロルミネセント素子のための基板204として使用されることが想起され得る。また、インターポーザがエレクトロルミネセント素子を制御するように設計される電子装置を実装することも想起され得る。
【0045】
また、照明素子は、インターポーザ上に配置されて電子装置に電気的に接続される少なくとも1つの電気コネクタ240を備えてもよい。コネクタは、該コネクタ240が照明素子の外部の電源に接続されるときに照明素子に電気を供給できるようにする。実際に、照明素子は、DC電流を照明素子に供給するための少なくとも3つのコネクタを備え、例えば、第1のコネクタがモジュールにプラス電圧を供給し、第2のコネクタがマイナス電圧を供給し、第3のコネクタがグランドをもたらす。グランドは低電圧(0ボルト)として作用し得る。コネクタの存在は、SiP(「システムインパッケージ」の頭字語)の原理に基づいてこの照明素子を使用する装置における照明素子の付加又は除去を容易にする。例えば、本発明に係る照明素子は、自動車ヘッドランプへのスナップ嵌合又はねじ込みによって容易に付加することができ、同様に、本発明に係る照明素子は、それが欠陥品であれば、ヘッドランプから容易に除去して交換できる。
【0046】
モノリシックエレクトロルミネセント光源は高密度のピクセルを有する。本発明に係る照明素子のインターポーザは基板を備え、該基板を介して光源と電子装置とを電気的に接続することができる。これは、インターポーザにより、エレクトロルミネセント光源の各素子が電子装置によって制御可能であるように十分に多くの数の電気トラックを設けることができるからである。しかしながら、インターポーザにわたって経路付けられる必要があるトラックの数を減らすために、エレクトロルミネセント光源の幾つかのエレクトロルミネセント素子が電気的に直列に接続されてもよい。このとき、直列に接続される素子は、単一の共通の電源のみを必要とし、言い換えると、電気的に直列に接続されるエレクトロルミネセント素子と電子装置とを電気的に接続するためにインターポーザの単一のトラックのみが必要とされる。光源のピクセルの密度が高すぎる場合にはインターポーザにわたって「経路付け」られる必要があるトラックの数を減らすことができると理解される。
【0047】
直列のエレクトロルミネセント素子の選択は任意の選択であってもよく、例えば、光源の素子が対を成して直列に接続される。この選択も照明素子の使用条件に依存し得る。例えば、照明素子が地上車両のための照明源及び/又は信号源として使用される場合には、エレクトロルミネセント光源の特定の領域のみが完全分解能を必要とし(言い換えると、全てエレクトロルミネセント素子が個々に制御されなければならない)、一方、他の領域はより低い分解能を必要とする(言い換えると、エレクトロルミネセント素子が個々に制御される必要はない)。
【0048】
図3は、LED200のモノリシックアレイが9個の領域に分けられた1つの例を示す。B、D、F、H、Iで示される領域は、最大分解能が保たれた領域である。すなわち、各LEDは電子装置220によって個々に制御される。A、C、E、Gで示される領域は、グループを形成するためにLEDが直列化された領域である。例えば、領域Aは6つのグループA1、A2、A3、A4、A5及びA6に分けられ、また、これらの各グループ内において、LEDは、それらを制御するために単一のトラックのみが必要とされるように直列に接続される。領域A、C、E、Gはアレイの角に位置される。これは、地上車両用の光源としての照明素子の使用時に、これらの領域により照らされる空間が照らされるべきシーンの周囲にあることから高い分解能を必要としないためである。