(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】機械式係止装置を備えたパネルのセット
(51)【国際特許分類】
F16B 12/10 20060101AFI20220127BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20220127BHJP
F16B 12/46 20060101ALI20220127BHJP
F16B 12/22 20060101ALI20220127BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20220127BHJP
A47B 47/00 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
F16B12/10 Z
A47B96/20 C
A47B96/20 Z
F16B12/46 A
F16B12/22
F16B5/10 J
A47B47/00
(21)【出願番号】P 2019521148
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(86)【国際出願番号】 SE2017051053
(87)【国際公開番号】W WO2018080387
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-12
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】ペーター、デレレブ
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】スイス国特許発明第00365507(CH,A)
【文献】国際公開第99/022150(WO,A1)
【文献】実開昭48-017135(JP,U)
【文献】実開昭53-124850(JP,U)
【文献】特表2014-523996(JP,A)
【文献】特表2006-523290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 43/00-45/00
47/00-47/06
91/00-97/08
E04F 15/00-15/22
F16B 2/00- 2/26
5/00- 5/12
12/00-12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネル(1)と、第2パネル(2)と、前記第1パネルを前記第2パネルに係止するための機械式係止装置からなるセットであって、前記第1パネル(1)は第1縁部面(12)及び第1パネル面(13)を含み、前記第2パネル(2)は第2縁部面(4)及び第2パネル面(3)を含み、
前記第1パネル(1)と、前記第2パネル(2)は、家具製品のフレームの一部を構成し、前記第1縁部面(12)は、前記第1パネル及び前記第2パネルの係止位置で前記第2パネル面(3)に面するセットにおいて、
前記第1パネル及び前記第2パネルの係止位置で、前記第1パネル面(13)は前記第2パネル面(3)と直交し、前記第1パネル面(13)と前記第2パネル面(3)は、前記フレームの内面を構成し、前記第2縁部面(4)は前記フレームの外面を構成し、
前記機械式係止装置は、前記第1縁部面(12)のロッド状エレメント(8)及び前記第2パネル面(3)の挿入溝(7)を含み、
前記機械式係止装置は、前記第2縁部面(4)の縁部溝(5)及び前記縁部溝(5)に位置決めされた可撓性タング(6)を含み、
前記第2縁部面(4)は、前記ロッド状エレメント(8)と直交する方向に延び、かつ前記縁部溝(5)は、前記第2パネル(2)の長手方向に延びる縦溝であり、
前記縁部溝は、前記第2縁部面(4)から前記挿入溝(7)まで延び、
前記ロッド状エレメント(8)は凹所(9)を備えており、
前記ロッド状エレメント(8)は、前記挿入溝(7)に挿入されるように形成されており、
前記可撓性タング(6)は、前記第2パネル面(3)に垂直な第1方向で前記第1パネル(1)を前記第2パネル(2)に係止するため、前記凹所(9)と協働するように形成されており、前記挿入溝(7)は、前記第2パネル面(3)から前記縁部溝(5)まで延びている、ことを特徴とするセット。
【請求項2】
前記機械式係止装置は、前記第1縁部面(12)が第2パネル面(3)に当たった状態で配置されたとき、前記ロッド状エレメント(8)が前記挿入溝(7)に挿入され、前記第1パネル(1)を前記第2パネル(2)に自動的に係止するように形成されている、請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記ロッド状エレメント(8)は、長手方向が前記第1パネル面と平行な細長形状を有する、請求項1又は2に記載のセット。
【請求項4】
前記第2パネル面(3)と平行な平面での前記ロッド状エレメント(8)の第1断面は円形形状又は矩形形状である、請求項1、2、又は3に記載のセット。
【請求項5】
前記第2パネル面と平行な平面での前記挿入溝(7)の第2断面は、前記第2パネル面と平行な平面での前記ロッド状エレメント(8)の第1断面と一致する形状を有する、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項6】
前記挿入溝は、前記縁部溝(5)から所定距離のところに配置された底面(43)を含む、底付きドリル穴等の底付き溝である、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項7】
挿入溝は、前記縁部溝(5)の第1側の第1部分、及び前記縁部溝(5)の第2側の第2部分を含み、前記第2部分は前記底面(43)及び側壁(71、72)を含み、係止位置において、前記ロッド状エレメントは、前記挿入溝の前記第1部分及び前記縁部溝(5)を通って前記挿入溝の前記第2部分内に延びる、請求項6に記載のセット。
【請求項8】
前記ロッド状エレメント(8)は、前記挿入溝の前記第2部分の前記側壁(71、72)と協働するように形成されている、請求項7に記載のセット。
【請求項9】
前記ロッド状エレメント(8)は、前記底面(43)と協働するように形成されている、請求項7又は8に記載のセット。
【請求項10】
前記第1縁部面(12)は、二つ又はそれ以上の前記ロッド状エレメントを含み、前記第2パネル面(3)は、好ましくは直線的に配置された二つ又はそれ以上の前記挿入溝(7)を含み、前記ロッド状エレメントの各々は、前記挿入溝のうちの一つに挿入されるように形成されている、請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項11】
前記縁部溝(5)は、円形断面を有する、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項12】
前記縁部溝(5)は、前記挿入溝(7)から所定距離のところに底面(44)が配置された底付き溝である、請求項
1乃至11のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項13】
前記可撓性タング(6)は、前記凹所(9)と前記縁部溝(5)の前記底面(44)との間に配置されている、請求項
12に記載のセット。
【請求項14】
前記可撓性タングは、係止位置において、前記凹所(9)と前記縁部溝の前記底面(44)との間に配置される、請求項
12又は13に記載のセット。
【請求項15】
前記ロッド状エレメント(8)は、前記第1縁部面(12)の取り付け溝(45)に取り付けられるように形成されている、請求項
1乃至14のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項16】
前記第2縁部面(4)は、前記第2パネル面(3)に対して本質的に垂直である、請求項
1乃至15のうちのいずれか一項に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、互いに垂直に配置され、機械式係止装置によって互いに係止されるパネルに関する。これらのパネルは、組み立てられて互いに係止されることによって、本棚、戸棚、洋服箪笥、箱、引き出し、又は家具構成要素等の家具製品を形成する。係止装置は、可撓性タングを含んでいてもよい。
【背景技術】
【0002】
機械式係止装置を備えた家具製品は、WO2015/038059に記載されているように、当該技術分野で周知である。この家具製品は、挿入溝内の可撓性タングを含む機械式係止装置によって第2パネルに対して垂直に連結された第1パネルを含む。
【0003】
様々な周知の特徴の以上の説明は、出願人のこうした家具製品の特徴であり、以上の説明が従来技術であると考えられることを許可するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上文中に説明した、当該技術分野で周知の技術に対する改良を提供することであり、詳細には、第2パネルの第2パネル面の挿入溝の大きさを小さくすることである。大きさを小さくすることには、係止強度を高める利点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの及び他の目的及び利点の少なくとも幾つかは、第1パネルと、第2パネルと、第1パネルを第2パネルに係止するための機械式係止装置とからなるセットを含む本発明の第1の態様についての説明から明らかになるであろう。第1パネルは、第1縁部面及び第1パネル面を含む。第2パネルは、第2縁部面及び第2パネル面を含む。第1縁部面は、第1及び第2のパネルが係止位置にある場合に第2パネル面に面する。機械式係止装置は、第1縁部面のロッド状エレメント及び第2パネル面の挿入溝を備えている。
【0007】
機械式係止装置は、更に、第2縁部面の縁部溝及び縁部溝に位置決めされた可撓性タングを含む。ロッド状エレメントは凹所を備えていている。ロッド状エレメントは挿入溝に挿入されるように形成されており、可撓性タングは、第1パネルを第2パネル面に対して垂直な第1方向で第2パネルに係止するため、凹所と協働するように形成されている。
【0008】
可撓性タングの係止面は、第1パネルを第2パネルに係止するため、凹所の係止面と協働してもよい。
【0009】
挿入溝は、第2パネルの第2パネル面に、及びコアに形成されていてもよい。
【0010】
第2パネル面は装飾層を備えていてもよく、挿入溝は装飾層を貫通していてもよい。
【0011】
挿入溝は、フライス加工、ドリル加工、又は鋸断等の機械的切削によって形成されていてもよい。
【0012】
ロッド状エレメント及び第2パネル面の挿入溝には、係止装置の溝の大きさが公知の機械式係止装置よりも小さいという利点がある。縁部溝を覆うため、及び第2縁部を強化するため、好ましくは、縁部バンド等の縁部エレメントが第2縁部に取り付けられる。
【0013】
挿入溝をドリル加工によって形成してもよいという別の利点が得られる。これにより、係止位置での第1パネルの第2パネルに対する位置が改善される。
【0014】
第1パネル及び第2パネルは、好ましくは家具製品用のパネルであり、家具製品のフレームの一部であってもよい。
【0015】
セットは、好ましくは、第1パネル面が第2パネル面に対して垂直な状態で、又は本質的に垂直な状態で、第1パネルを第2パネルに係止するように形成されている。
【0016】
機械式係止装置は、ロッド状エレメントが挿入溝に挿入され、第1縁部面が第2パネル面に当たった状態で配置されたとき、第1パネルを第2パネルに自動的に係止するように形成されている。
【0017】
ロッド状エレメントは、第1パネル面に対して垂直な第2方向で第1パネルを第2パネルに係止するため、好ましくは、挿入溝と協働するように形成されている。
【0018】
ロッド状エレメントは、好ましくは、第1方向及び第2方向に対して垂直な第3方向で第1パネルを第2パネルに係止するため、好ましくは、挿入溝と協働するように形成されている。
【0019】
ロッド状エレメントは、好ましくは、長手方向が第1パネル面と平行な縦形状を有する。
【0020】
第2パネル面と平行な平面でのロッド状エレメントの第1断面は、円形形状又は矩形形状であってもよい。
【0021】
第2パネル面と平行な平面での挿入溝の第2断面は、好ましくは、第1断面と一致する形状を有する。
【0022】
挿入溝は、第2パネル面から縁部溝まで延びていてもよい。
【0023】
ロッド状エレメントの外面又は包囲面等のロッド状エレメントの一部は、第2方向で係止するため、挿入溝の側壁と協働するように形成されていてもよい。
【0024】
側壁は、第2パネルのコアの材料でできていてもよい。
【0025】
挿入溝は、縁部溝から所定距離のところに配置された底面と含む、底付きドリル穴等の底付き溝であってもよい。
【0026】
挿入溝は、縁部溝の第1側の第1部分及び縁部溝の第2側の第2部分を含んでいてもよく、第2部分は底面及び側壁を含み、係止位置において、ロッド状エレメントは、挿入溝の第1部分及び縁部溝を通って挿入溝の第2部分内に延びる。
【0027】
第1部分は側壁を備えていてもよく、第2方向で係止するため、ロッド状エレメントの外面又は包囲面等のロッド状エレメントの一部が第1部分の側壁と協働するように形成されていてもよい。
【0028】
ロッド状エレメントは、係止位置において、底面と協働するように形成されていてもよい。
【0029】
第1縁部面は、二つ又はそれ以上のロッド状エレメントを含んでいてもよく、第2パネル面は、好ましくは直線的に配置された二つ又はそれ以上の挿入溝を含んでいてもよく、ロッド状エレメントの各々は、挿入溝のうちの一つに挿入されるように形成されている。
【0030】
縁部溝は、例えばフライス加工、ドリル加工、又は鋸断等の機械的切削によって、第2パネルの第2縁部面に及びコアに形成されていてもよい。
【0031】
縁部溝は、第1パネル面と平行な平面内に円形断面を備えていてもよい。
【0032】
縁部溝は、第2縁部面の長手方向に延びる縦溝であってもよい。
【0033】
縁部溝は、第2縁部面から挿入溝まで延びていてもよい。
【0034】
縁部溝は、挿入溝から所定距離のところに底面が位置決めされた底付き溝であってもよい。
【0035】
可撓性タングは、好ましくは、縁部溝の底面に配置されている。
【0036】
可撓性タングは、係止位置において、凹所と縁部溝の底面との間に配置されていてもよい。
【0037】
ロッド状エレメントは、第1縁部面の取り付け溝に取り付けられるように形成されていてもよい。この実施例の利点は、第1パネルを製造する上での材料の無駄が少なくなるということである。
【0038】
挿入溝は、第2縁部面と隣接していてもよい。
【0039】
第2縁部面は、第2パネル面に対して本質的に垂直であってもよい。
【0040】
縁部溝の長さ方向は、第2縁部に沿って延びていてもよい。
【0041】
可撓性タングは、好ましくは、縁部溝内で変位可能である。
【0042】
可撓性タングは、WO2015/105449に説明されており且つその
図2A-
図2Fに示された可撓性タングによる可撓性タングであってもよい。出典を明示することにより、WO2015/105449の
図2A-
図2F及びこれと関連した第6頁第15行目乃至第7頁第2行目に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0043】
第1パネル及び/又は第2パネルのコアは、好ましくは、MDF、HDF、OSB、WPC、合板、又はパーティクルボードで形成された木材を基材としたコアであってもよい。コアは、熱硬化性プラスチック又は熱可塑性樹脂、例えばビニル、PVC、PU、又はPETを含むプラスチックコアであってもよい。プラスチックコアは、充填材を含んでいてもよい。
【0044】
第1パネル及び/又は第2パネルは、無垢材で形成されていてもよい。
【0045】
第1パネル及び/又は第2パネルには、ホイルやベニヤ等の装飾層が一つ又はそれ以上の表面に設けられていてもよい。
【0046】
本発明の実施例を示す添付の概略図を参照して例として本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施例による可撓性タングの実施例を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、組み立て中の本発明の一実施例の立体図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の一実施例による第1パネルの一実施例の側面図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の一実施例による第1パネルの一実施例の側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による、係止位置の第1パネル及び第2パネルの一実施例の図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施例による、係止位置の第1パネル及び第2パネルの一実施例の断面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の一実施例による可撓性タングの実施例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、組み立て中の本発明の一実施例の立体図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例による第2パネルの一実施例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の一実施例による、係止位置の第1パネル及び第2パネルの一実施例の側面図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の一実施例による、係止位置の第1パネル及び第2パネルの一実施例の側面図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の一実施例による、係止位置の第1パネル及び第2パネルの一実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本発明の特定の実施例を添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの様々な形態で実施されてもよく、本明細書中に説明した実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が完璧であるようにするために提供されるものであり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えようとするものである。添付図面に示す実施例の詳細な説明で使用した用語は、本発明を限定しようとするものではない。添付図面では、同様の参照番号が同様のエレメントに付してある。
【0049】
本発明の第1実施例を
図1A-
図4Bに示す。この実施例は、第1パネル1と、第2パネル2と、第1パネル1を第2パネル2に係止するための機械式係止装置からなるセットを含む。第1パネル1は、第1縁部面12及び第1パネル面13を有する。第2パネル2は、第2縁部面4及び第2パネル面3を有する。第1及び第2のパネルの係止位置において、第1縁部面12は第2パネル面3に面する。機械式係止装置は、第1縁部面12のロッド状エレメント8及び第2パネル面3の挿入溝7を含む。機械式係止装置は、更に第2縁部面4の縁部溝5及びこの縁部溝5に位置決めされた可撓性タング6を含む。ロッド状エレメント8は凹所9を備えている。ロッド状エレメント8は、挿入溝7に挿入されるように形成されている。可撓性タング6は、第2パネル面3に対して垂直な第1方向で第1パネルを第2パネル2に係止するため、凹所9と協働するように形成されている。
【0050】
第1パネル及び第2パネル2は、好ましくは、家具製品用のパネルであり、家具製品のフレームの一部であってもよい。
【0051】
セットは、好ましくは、第1パネル1を第2パネル2に、第1パネル面13が第2パネル面3に対して垂直な状態で又は本質的に垂直な状態で係止するように形成されている。
【0052】
図1Bは、第1実施例を組み立て中の立体図で示す。第1パネルは、第1パネルを第2パネルに対して、第2パネル面3に垂直な方向に変位することによって組み立てられてもよい。機械式係止装置は、ロッド状エレメント8が挿入溝7に挿入され、第1縁部面12が第2パネル面3に当たった状態で配置されたとき、第1パネル1を第2パネル2に自動的に係止するように形成されていてもよい。
【0053】
挿入溝7は、第2パネル2の第2パネル面3に、及びコアに形成されてもよい。
【0054】
第2パネル面3は装飾層を備えていてもよく、挿入溝はこの装飾層を貫通していてもよい。
【0055】
挿入溝は、ドリル加工等の機械式切削によって形成されてもよい。
【0056】
縁部溝5を覆うため、及び第2縁部4を強化するため、好ましくは、縁部バンド等の縁部エレメント10が第2縁部に取り付けられる。縁部エレメント10は、第2縁部に接着されてもよく、又は機械式係止装置によって取り付けられてもよい。この機械式係止装置は、縁部溝5に挿入されるように形成された縁部エレメントから突出した部分を含んでいてもよい。前記部分は、摩擦によって縁部溝5に取り付けられてもよい。可撓性タング6及び縁部溝5が見えるようにするため、縁部エレメントは、
図1Bでは、一部を除去した状態で示してある。可撓性タング6は、縁部溝5に位置決めされる前の状態で示してある。縁部溝5は、円形断面を備えていてもよい。
【0057】
可撓性タング6の一実施例を
図1Aに立体図で示す。可撓性タング6は、好ましくは縁部溝5の円形断面と一致する包囲面を備えていてもよい。可撓性タングの第1部分は、挿入溝と協働するように形成されており、第2部分は、ロッド状エレメント8の凹所9と協働するように形成されている。可撓性タングのこの実施例の利点は、縁部溝の大きさが小さくてもよいということである。縁部溝が小さいことには、第2パネルの第2縁部の強度の効果が限定される、即ち存在しないという利点がある。
【0058】
第2部分は、組み立て中にロッド状エレメント8と協働するように形成された第1面取り部65、及び係止用凹所と協働するように形成された第2面取り部64を含んでいてもよい。
【0059】
可撓性タングは、組み立て中に可撓性タングが縁部溝内で圧縮でき且つ変位できるように、可撓性材料でできていてもよい。
【0060】
可撓性タングは、組み立て中に可撓性タングが縁部溝内で圧縮でき且つ変位できるように可撓性のエレメント、及び係止強度を改善するため、可撓性が低い別のエレメントでできていてもよい。
【0061】
可撓性タング6の包囲面の一部は、縁部溝5の円筒形表面等の表面に当たった状態で変位されるように形成されていてもよい。
【0062】
第1縁部面12には、二つ又はそれ以上の前記ロッド状エレメントが設けられていてもよく、第2パネル面3には、好ましくは直線をなして配置された二つ又はそれ以上の前記挿入溝7が設けられていてもよく、ロッド状エレメントの各々は、挿入溝に一つづつ挿入されるように形成されている。
【0063】
図2Aは、第1パネル1の第1側面図を示し、
図2Bは、第1パネル1の第2側面図を示す。
図2Cは、
図2Bの丸で囲った領域の拡大図を示す。凹所9の一実施例を備えたロッド状エレメント8の一実施例を示す。ロッド状エレメントは縦形状を有し、長さ方向が第1パネル面と平行である。第2パネル面3と平行な平面内のロッド状エレメント8の第1断面は円形形状であってもよく、矩形形状であってもよく、星型形状であってもよく、楕円形形状であってもよく、六角形形状であってもよい。
【0064】
挿入溝7とロッド状エレメント8との間の係止面を協働することによって、第1パネル1を第2パネル2に、第1パネル面に対して垂直な第2方向で係止してもよい。
【0065】
挿入溝7とロッド状エレメント8との間の係止面を協働することによって、第1パネル1を第2パネル2に、第1方向及び第2方向表面に対して垂直な第3方向で係止してもよい。
【0066】
第2パネル面と平行な平面内の挿入溝7の第2断面は、好ましくは、第2パネル面と平行な平面でのロッド状エレメント8の第1断面と一致する形状を有する。これにより、第1パネル1の第2パネル2に対する第2方向での係止が改善されるという利点が得られ、及び/又は第1パネル1の第2パネル2に対する第3方向での係止が改善されるという利点が得られる。
【0067】
図3は、第1パネル1及び第2パネル2の係止位置での側面図を示す。
【0068】
図4Aは、係止位置にある第1パネル及び第2パネルの、
図3で4A線を付した場所の断面を示す。
図4Bは、
図4Aの丸で囲った領域の拡大図を示す。挿入溝は、第2パネル面3から縁部溝5まで延びていてもよい。
【0069】
可撓性タング6の係止面62は、第1パネルを第2パネルに係止するため、凹所81の係止面82と協働する。
【0070】
挿入溝は、縁部溝5から所定距離のところに底面43が配置された底付きドリル穴等の底付き溝であってもよい。
【0071】
挿入溝は、縁部溝5の第1側に第1部分を有し、縁部溝5の第2側に第2部分を有し、第2部分は底面43及び側壁71、72を含み、係止位置では、ロッド状エレメントが挿入溝の第1部分を通り、縁部溝5を通って挿入溝の第2部分内に延びる。
【0072】
ロッド状エレメント8は、第2方向で係止するため、挿入溝の第2部分の側壁71、72と協働するように形成されていてもよい。
【0073】
ロッド状エレメント8は、係止位置において、底面43と協働するように形成されていてもよい。
【0074】
第1部分は側壁73、74を含んでいてもよく、ロッド状エレメント8は、第2方向で係止するため、第1部分の側壁73、74と協働するように形成されていてもよい。
【0075】
側壁は、第2パネルのコアの材料でできていてもよい。
【0076】
縁部溝5は、第2縁部面4から挿入溝7まで延びていてもよい。
【0077】
縁部溝5は、挿入溝7から所定距離のところに底面44が配置された底付き溝であってもよい。
【0078】
可撓性タング6は、縁部溝5の底面44に配置されてもよい。
【0079】
可撓性タングは、係止位置において、凹所9と縁部溝の底面44との間に配置されてもよい。
【0080】
ロッド状エレメント8は、第1縁部面12の取り付け溝45に取り付けられるように形成されていてもよい。
【0081】
ロッド状エレメント8は、第1縁部面12の取り付け溝45に接着されるように形成されていてもよい。
【0082】
ロッド状エレメント8は、摩擦連結によって、又はねじ等の機械的連結によって、又は返し等の係止エレメントによって、取り付け溝45に係止されるように形成されていてもよい。
【0083】
第2縁部面4は、第2パネル面3に対して本質的に垂直であってもよい。
【0084】
本発明の第2実施例を、第1パネル1と、第2パネル2と、第1パネルを第2パネルに係止するための機械式係止装置からなるセットを含む
図5A乃至
図8Bに示す。この実施例は、第2縁部面4の長さ方向に延びる長さ方向溝である縁部溝5の一実施例を含む。
【0085】
図5Bは、組み立て中の第2実施例の立体図を示す。第1パネルは、第1パネルを第2パネルに対して第2パネル面3に対して垂直な方向に変位することによって組み立てられてもよい。機械式係止装置は、ロッド状エレメント8を挿入溝7に挿入し、第1縁部面12が第2パネル面3に当たった状態で配置されたとき、第1パネル1が第2パネル2に自動的に係止するように形成されていてもよい。
【0086】
挿入溝7は、第2パネル面3及び第2パネル2のコアに形成されていてもよい。
【0087】
第2パネル面3は装飾層を含んでいてもよく、挿入溝は装飾層を貫通していてもよい。
【0088】
挿入溝は、フライス加工や鋸断等の機械的切削によって形成されていてもよい。
【0089】
縁部溝を覆うため、及び第2縁部4を強化するため、好ましくは、縁部バンド等の縁部エレメント10が第2縁部に取り付けられる。縁部エレメント10は、第2縁部に接着されていてもよく、縁部エレメントから突出しており且つ縁部溝5に挿入されるように形成された部分を含む機械式係止装置によって取り付けられていてもよい。前記部分は、摩擦によって縁部溝に取り付けられていてもよい。可撓性タング6及び縁部溝5が見えるようにするため、縁部エレメントは、
図5Bでは一部が除去してある。可撓性タング6は、縁部溝5に位置決めされる前の状態で示してある。
【0090】
第2実施例の第1パネル1及びロッド状エレメント8は、夫々、第1実施例の第1パネル1及びロッド状エレメント8と同じであってもよい。
【0091】
可撓性タング6の一実施例を
図5Aに立体図で示す。可撓性タング6は、本質的に直線状の第1縁部、及び屈曲可能部分61を含む第2縁部を含んでいてもよい。屈曲可能部分61は、好ましくは屈曲可能な第1部分及び屈曲可能な第2部分を含む。第1縁部は、好ましくは、ロッド状エレメント8の凹所9と協働するように形成されている。可撓性タングは、好ましくは、前記屈曲可能部分の各々に凹所63を備えている。可撓性タングのこの実施例の利点は、比較的強いばね力が得られ、これにより強固に係止されるということである。第2パネルの幾つかの実施例についての欠点は、縁部溝の大きさが比較的大きくなるため、第2パネル2の第2縁部4が弱くなってしまうということである。
【0092】
第1縁部は、組み立て中にロッド状エレメント8と協働するように形成された第1面取り部65、及び/又は係止用凹所と協働するように形成された第2面取り部64を含んでいてもよい。
【0093】
図6は、第2パネル2の一部の平面図を示す。第2パネルは、前記縁部溝5を二つ又はそれ以上備えていてもよい。これらの縁部溝は隠されており、これらの縁部溝の輪郭は破線で示してある。可撓性タングの湾曲可能部分が縁部溝5の底面と協働してもよい。
【0094】
図7Aは、係止位置の第1パネル1及び第2パネル2の第1側面図を示し、
図7Bは第2側面図を示す。
【0095】
図8Aは、係止位置の第1パネル1及び第2パネル2の
図7Bで8A線を付した場所の断面を示す。
図8Bは、
図8Aの丸で囲った領域の拡大図を示す。挿入溝は、第2パネル面3から縁部溝5まで延びていてもよい。
【0096】
可撓性タング6の係止面62は、第1パネルを第2パネルに係止するため、凹所81の係止面82と協働してもよい。
【0097】
挿入溝は、縁部溝5から所定距離のところに底面43が配置された底付きドリル穴等の底付き溝であってもよい。
【0098】
挿入溝は、縁部溝5の第1側の第1部分及び縁部溝5の第2側の第2部分を含んでいてもよい。第2部分は、底面43及び側壁71、72を含み、係止位置では、ロッド状エレメントが挿入溝の第1部分及び縁部溝5を通って挿入溝の第2部分内に延びる。
【0099】
ロッド状エレメント8は、第2方向で係止するため、挿入溝の第2部分の側壁71、72と協働するように形成されていてもよい。
【0100】
ロッド状エレメント8は、係止位置において、底面43と協働するように形成されていてもよい。
【0101】
第1部分は側壁73、74を含んでいてもよく、ロッド状エレメント8は、第2方向で係止するため、第1部分の側壁73、74と協働するように形成されていてもよい。
【0102】
縁部溝は、第2縁部面4から挿入溝7まで延びていてもよい。
【0103】
縁部溝5は、第1面と、反対側の第2面と、第1面と反対側の第2面との間を延びる底面44とを含んでいてもよい。
【0104】
底面は、挿入溝7から所定距離のところに配置されていてもよい。
【0105】
可撓性タング6の湾曲可能部分61は、縁部溝5の底面44に配置されていてもよい。
【0106】
可撓性タング6は、縁部溝5の底面44に配置されていてもよい。
【0107】
可撓性タングは、係止位置において、凹所9と縁部溝の底面44との間に配置されていてもよい。
【0108】
可撓性タング6の一部が、第1面及び/又は第2面等の縁部溝5の表面に当たった状態で変位するように形成されていてもよい。
【0109】
ロッド状エレメント8は、第1縁部面12の取り付け溝45に取り付けられるように形成されていてもよい。
【0110】
ロッド状エレメント8は、第1縁部面12の取り付け溝45に接着されるように形成されていてもよい。
【0111】
ロッド状エレメント8は、摩擦連結によって、又はねじ等の機械的連結によって、又は返し等の係止エレメントによって、取り付け溝45に係止されるように形成されていてもよい。
【0112】
第2縁部面4は、第2パネル面3に対して本質的に直角であってもよい。
【0113】
可撓性タング6は、WO2015/105449に説明されており且つその
図2A-
図2Fに示された可撓性タングであってもよい。WO2015/105449の
図2A-
図2F及び第6頁第15行目乃至第7頁第2行目の関連した開示を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0114】
第1パネル1及び/又は第2パネル2のコアは、好ましくは、MDF、HDF、OSB、WPC、合板、又はパーティクルボードで形成された木材をベースとしたコアであってもよい。コアは、熱硬化性プラスチック又は熱可塑性樹脂、例えばビニル、PVC、PU、又はPETを含むプラスチックコアであってもよい。プラスチックコアは、充填材を含んでいてもよい。
【0115】
第1パネル1及び/又は第2パネル2は、無垢材で形成されていてもよい。
【0116】
第1パネル1及び/又は第2パネル2には、ホイルやベニヤ等の装飾層が一つ又はそれ以上の表面に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 第1パネル
2 第2パネル
3 第2パネル面
4 第2縁部面
5 縁部溝
6 可撓性タング
7 挿入溝
8 ロッド状エレメント
9 凹所
12 第1縁部面
13 第1パネル面