(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】発光デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20220105BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20220105BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220105BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20220105BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20220105BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H01L33/50
H01L33/62
H01L23/12 Q
H01L21/56 J
H01L23/30 F
(21)【出願番号】P 2019535864
(86)(22)【出願日】2017-12-29
(86)【国際出願番号】 US2017068981
(87)【国際公開番号】W WO2018126152
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2019-08-27
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヴァムポーラ,ケネス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パセラ,ナン
(72)【発明者】
【氏名】パテール,アミル
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-523583(JP,A)
【文献】特開2007-305773(JP,A)
【文献】特開2010-129583(JP,A)
【文献】特開2015-133403(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0205695(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01L 23/12
H01L 21/56
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスを製造する方法であって、
第1の複数の半導体ダイオードジャンクションと第2の複数の半導体ダイオードジャンクションとを取り付けて、基板の第1の面上に半導体ダイオードジャンクションのアレイを形成し、
前記基板の前記第1の面とは反対側の前記基板の第2の面上に、第1グループの直列に相互接続された透明導電体と、第2グループの直列に相互接続された透明導電体とを配置し、前記第1グループの透明導電体は、前記第1の複数の半導体ダイオードジャンクションのうちの対応するジャンクションの反対側で前記基板上に配置され、前記第2グループの透明導電体は、前記第2の複数の半導体ダイオードジャンクションのうちの対応するジャンクションの反対側で前記基板上に配置され、
前記第1グループの相互接続された透明導電体に第1の電圧を印加して、電気泳動堆積(EPD)により第1の複数の波長コンバータを形成し、前記第1の複数の波長コンバータは各々、前記第1グループの相互接続された透明導電体のうちの対応する1つ上に形成され、
前記第2グループの相互接続された透明導電体に第2の電圧を印加して、EPDにより第2の複数の波長コンバータを形成し、前記第2の複数の波長コンバータは各々、前記第2グループの相互接続された透明導電体のうちの対応する1つ上に形成される、
ことを有する方法。
【請求項2】
前記第1グループの相互接続された透明導電体に前記第1の電圧を印加しながら、前記第2グループの相互接続された透明導電体に第3の電圧を印加する、ことを有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2グループの相互接続された透明導電体に前記第2の電圧を印加しながら、前記第1グループの相互接続された透明導電体に第4の電圧を印加する、ことを有する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の電圧と前記第3の電圧とが反対の極性を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各波長コンバータを、対応する半導体ダイオードジャンクションよりも小さいフットプリントを有するように形成する、ことを有する請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記波長コンバータをそれらの間の隙間によって離隔させて形成する、ことを有する請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記波長コンバータを互いに当接させて形成する、ことを有する請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1の複数の波長コンバータを冷白色蛍光体から形成し、前記第2の複数の波長コンバータを温白色蛍光体から形成することを有し、前記半導体ダイオードジャンクションは青色発光半導体ダイオードジャンクションである、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
発光デバイスを製造する方法であって、
メタライゼーションされた基板のパッド上に複数の半導体ダイオードジャンクションを取り付け、前記複数の半導体ダイオードジャンクションは互いに少なくとも部分的に電気絶縁され、
前記複数の半導体ダイオードジャンクションのうちの第1の複数の半導体ダイオードジャンクションに第1の電圧を印加するとともに前記複数の半導体ダイオードジャンクションのうちの第2の複数の半導体ダイオードジャンクションに第2の非ゼロの電圧を印加することによって、電気泳動堆積(EPD)を実行して、前記第1の複数の半導体ダイオードジャンクションの上に第1の複数の波長コンバータを形成し、
前記第2の複数の半導体ダイオードジャンクションに第3の電圧を印加するとともに前記第1の複数の半導体ダイオードジャンクションに第4の非ゼロの電圧を印加することによって、EPDを実行して、前記第2の複数の半導体ダイオードジャンクションの上に第2の複数の波長コンバータを形成する、
ことを有する方法。
【請求項10】
前記複数の半導体ダイオードジャンクションのうちの或る複数の半導体ダイオードジャンクションに電圧を印加することは、該複数の半導体ダイオードジャンクションに並列に、直列に、又はこれらの組み合わせで該電圧を印加することを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の複数の波長コンバータは冷白色蛍光体層を有し、前記第2の複数の波長コンバータは温白色蛍光体層を有し、前記複数の半導体ダイオードジャンクションは青色発光半導体ダイオードジャンクションを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の非ゼロの電圧は、前記第1の電圧と反対の極性を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
当該方法は更に、前記複数の半導体ダイオードジャンクションの上に単一の一次光学部品を設けることを有し、前記一次光学部品は、オーバーモールドされたシリコーンレンズ若しくは窓、オーバーモールドされたガラスレンズ若しくは窓、プリフォームされたシリコーンレンズ若しくは窓、又は、プリフォームされたガラスレンズ若しくは窓を有する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、色変化する発光デバイスパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
アドレス指定可能な色変化可能LED構造
色変化する発光デバイスパッケージを構築することには幾つかの手法が存在している。異なる色の多数の個別の発光ダイオード(LED)が、単一の一次光学部品の下に配置され得る。しかしながら、これは色を混合することに難しさを呈する。混合がない場合、一部の一次光学部品は異なる色を異なる方向に投射することになる。混合が付加されるとき、それは、実効的な光源サイズを大きくし、あるいは、一次光学部品の設計を損ねる。その結果は、ビーム制御が悪化するか、より大きな一次光学部品が必要とされるか、のいずれかである。これらは、パッケージの全体的な性能、フォームファクタ、及び価格に影響を及ぼす。
【0003】
あるいは、異なる色の多数の個別のLEDが各々、それ自身の一次光学部品の下に配置され得る。この場合、特に近い距離において、ビームが完全には重ならないことがある。これは、影の境界付近にカラーアーチファクトを作り出してしまい得る。また、これは、光学設計に対して制限を導入する。2つ以上の一次光学部品が必要とされ、これは審美的に好ましくないことがある。これは、色変化するフラッシュモジュールの現行ソリューションである。
【0004】
例えば色変化可能なディスプレイ用の低電力アドレス指定可能LEDアレイなど、LEDピクセルに基づくLED光源がディスプレイ用に検討されている。米国特許第9041025号(特許文献1)は、4つのピクセルのグループに配列されたLEDピクセルを開示しており、全てのピクセルに関してLEDが単色の光を放つ。LEDピクセルの上に配置されたモールドが、各グループの個々のLEDピクセル用の蛍光体を受け入れる。モールド内の蛍光体は、各グループのLEDピクセルのそれぞれに対して少なくとも3原色を透過する。グループ内の4番目のLEDピクセルは白色光を透過することができる。
【0005】
高出力のアドレス指定可能LED構造
オン又はオフにされることができるアドレス指定可能な個別の又はグループのLEDピクセルに基づくLED光源が検討されている。
【0006】
多数の個別のLEDが、各々それ自身の一次光学部品の下で、アレイにて互いの近くに配置され得る。しかしながら、これは多数のLED及び一次光学部品を必要とし、多大なスペースを要することになる。
【0007】
オスラム社のマイクロ先進前方照明システム(Micro Advanced Forward-lighting System;μAFS)コンセプトは、アクティブドライバ集積回路(IC)に直接的に取り付けられたマルチピクセルフリップチップLEDアレイを開示している。シリアルデータバスを介して、合計1024ピクセルを個別にアドレス指定することができる。幾つかのこれらユニットをプロトタイプのヘッドランプに統合して、評価車両にて先進的な配光パターンを実現し得る。
【0008】
車両製造者は、ヘッドライト用の選択的にアドレス指定可能なLEDアレイの利点を認識している。例えば、米国特許第8314558号(特許文献2)は、アレイとなるように位置付けられた複数のLEDを有する車両ヘッドランプを開示している。そのアレイは、少なくとも1行及び少なくとも2列を有し、各LEDが行と列の交点に配置される。LEDは、そのLEDの位置に対応する行と列に信号を選択的に与えることによって点灯される。
【0009】
ウエハ上に蛍光体が堆積された高度に調整可能なLED
LEDピクセルが互いに近接しているとき、同一のウエハ又はタイル上のLEDピクセル上に異なる種類の蛍光体をコーティングすることは困難である。1つのLEDピクセル用の蛍光体が、隣接するLEDピクセルの蛍光体の上にあふれて、それと混ざってしまい得る。また、隣接するLEDピクセルの蛍光体間での光クロストークが、パッケージ間でカラーエンドポイントを異ならせ、カラーエンドポイント間の色調整範囲を狭める。
【0010】
LED用の改良された蛍光体堆積システム
色の混ざり合いを改善するためのマルチチップLEDフィクスチャの使用が検討されている。例えば、Acclaimライティング社は、混合色を有するとともに色のハロー又はシャドーイングが最小限である一様なビームを生成するための、単一のレンズを使用した色混合アプリケーションを説明している。このようなマルチチップパッケージは、クリー社、オスラム社、プロライト・オプト・テクノロジー社、オプトテック社から入手可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第9041025号明細書
【文献】米国特許第8314558号明細書
【発明の概要】
【0012】
アドレス指定可能な色変化可能LED構造
本開示の一部の例は、色変化する発光デバイスパッケージを提供する。パッケージ内に1つのみのLEDダイが存在するので、1つのみの光学部品が必要とされる。
【0013】
そのLEDダイは、各々が異なる色の光を発する複数のセグメントからなる。各セグメントから発せられる光の量を変えることができる。その結果は、LEDダイ全体の平均色における変化である。これら複数のセグメントは、LEDダイの外側の光学部品内での効率的な色混合を可能にするよう、ともに近接して配置される。これが意味することは、より小さい光学部品を用いて、より良好な光学制御を達成することができ、それがコストを低減させるとともにフォームファクタを縮小するということである。
【0014】
セグメントは、単一のジャンクション(接合)又は複数のジャンクションで構成されることができる。単純な一例において、LEDダイが、各々が個別に制御されるジャンクションで構成された、異なる色の2つのセグメントに分割される。より複雑な一例において、LEDダイが、各々が並列又は直列の9個のジャンクションで構成された、異なる色の2つのセグメントに分割される。
【0015】
単一のセグメント内の複数のジャンクションは、連続的又は不連続とすることができる。例えば、各々が9個の個別ジャンクションで構成される2つの異なる色のセグメントの場合、異なるセグメント(色)のジャンクションが、ランダムに又は規則的なパターンで散りばめられ(互いの間に配置され)得る。規則的なパターンは、色ジャンクションが交互になった市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は異なる(交互の)色ジャンクションの同心円セグメントとし得る。
【0016】
セグメントは、LEDダイの色調整可能な領域の境界を定める。異なる色の2つのセグメントが存在する場合、平均色は、それら終点(エンドポイント)色のいずれか又はそれら終点色間の直線上の任意の色に調整されることができる。異なる色の3つのセグメントが存在する場合、個々のセグメントの色をコーナーが持つ三角形によって、色域が定められる。より多くのセグメントは、色空間内のいっそう多くの形状をもたらすことになる。一部の例において、各セグメントが異なるスペクトルコンテンツを有していてもよい。これが意味することは、全てのセグメントが同じ色を有し得るが、一部は異なる演色評価数(CRI)又はR9(赤)値を有し得るということである。
【0017】
各色のジャンクションは小さくあるべきであり、好ましくは、ランダムに又は規則的なパターンで散りばめられるべきである。応用の観点からは、全てが1つの色の大きいジャンクションを少し持つよりも、市松模様のように色を散りばめる方が良い。色セグメントのジャンクション1つずつの大きさを小さくするべきである。応用の観点からは、LEDダイを、2色の2×2グリッドよりも、2色の50×50の市松模様グリッドに分割する方が良い。一方で、より少なくて大きい要素を持つグリッドの方が製造は容易である。一部の例において、LEDダイは、幅/高さが約50-200マイクロメートル(μm)の個々の色のジャンクションを含み、4-20要素×4-20要素程度のグリッドサイズを有する。他の例において、LEDダイは、幅/高さが約50-500μmの個々の色のジャンクションを含む。個々のジャンクションのサイズ又は個数は一様である必要はない。
【0018】
LEDダイの電極は周辺部にルーティングされ、そこでそれらが1つ以上のドライバによってアクセスされる。これを配線することには多数の手法が存在する。
【0019】
ジャンクションは共通のカソードを共有し得る。各ジャンクションのアノードが、周辺部に個別にルーティングされる。カソード接続は、LEDレベル(ジャンクションが物理的に分離されていない場合)又はパッケージレベルで行われることができる。
【0020】
ジャンクションは共通のアノードを共有してもよい。各ジャンクションのカソードが、周辺部に個別にルーティングされる。アノード接続は、LEDレベル(ピクセルが物理的に分離されていない場合)又はパッケージレベルで行われることができる。
【0021】
全てのジャンクションが直列に接続されてもよい。対(ペア)にされない2つの接続と同様に、各対のジャンクションを接続する配線も周辺部にルーティングされる。斯くして、任意のジャンクションを短絡させて、それをオフにすることができる。パルス幅変調方式を用いて、なおも調光を達成することができる。
【0022】
1つのグループのジャンクションは、上述の方法のいずれかを用いて接続されることができ、他のグループは、上述の方法のいずれかを用いて別々に接続される。例えば、1番目の行のジャンクションを直列に接続することができ、2番目の行のジャンクションも直列に、ただし異なるストリングにて、接続することができる。
【0023】
上述のルーティングは全て、全体としてのLEDダイに適用されてもよいし、特定のセグメント(色)のジャンクションに適用されてもよい。例えば、1つの色のジャンクションの全てを直列ストリングにするとともに、異なる1つの色のセグメントの全てを別の直列ストリングにすることができる。
【0024】
特定のセグメント(色)の全てのLEDジャンクションが並列に接続されてもよい。例えば、色1のジャンクションの全てを単一の並列ストリングにするとともに、色2のジャンクションを別個の並列ストリングにすることができる。
【0025】
全ての配線が周辺部にルーティングされる。これは、上述の構成のいずれもがパッケージの外側で行われ得るので、この上ないドライバ柔軟性を提供する。
【0026】
高出力のアドレス指定可能LED構造
本開示の一部の例は、アドレス指定可能なジャンクションを有する単一のLEDダイを備えた発光デバイスパッケージを提供する。各ジャンクションは、個別に又はグループ(セグメント)でのいずれかでアドレス指定されることができる。ジャンクションは個別にターンオンされ、ターンオフされ、又は中間値に“調光”され得る。これは、ビームステアリング、スポットリダクション、ハイライト、動的イフェクト機能を可能にする。
【0027】
ソースパッケージが二次結像光学部品を介して結像されるとき、ビームパターンが変化される。変化するビームパターンは幾つもの手法で使用されることができる。ビームは、1つの位置から別の位置へとステアリングされ得る。ビームの一部を上に向けて、或る位置をハイライトし得る。ビームの一部を下に向けて又はターンオフして、望まれない場所の光を低減又は除去し得る。例えば、眩しさを減らすために、ビームの一部を下に向ける又はターンオフし得る。それはまた、必要な光のみを生成することによってエネルギーを節約することができる。動的イフェクトを作り出し得る。これは、何かをハイライトすることができ、移動する物体を照らすことができ、あるいは、芸術的な効果のために使用されることができる。
【0028】
ジャンクションは互いに完全にアイソレートされてもよいし、共通のカソード又はアノードを共有してもよい。
【0029】
これらのジャンクションは、隣接ジャンクションからの蛍光体のあふれ及び光クロストークの量を許容可能なものとする蛍光体堆積をなおも可能にしながら、可能な限り近く配置される。例えば、2つの隣接するジャンクションの活性領域が、例えば1つの方向に37.9μm離され、直交する方向に25.9μm離されるなど、1-100μm離される。これは、なおも全てを一緒にしながら、モノリシックアレイとして、これらのジャンクションを一度に取り付けることによって遂行され得る。ジャンクションは、例えば成長基板のレーザリフトオフによってなどで、取り付けプロセス後に分離されてもよい。
【0030】
アレイはそのまま使用されてもよいし、波長変換層が適用されてもよい。これは、白色ピクセルのアレイを作成するために使用され得る。
【0031】
ジャンクションへの配線が周辺部にルーティングされ、そこでそれらが1つ以上のドライバによってアクセスされ得る。
【0032】
上述のように、本開示の一部の例は、個々の光学素子を備えた大きな別々のパッケージを必要とすることなく、低コストのビームステアリングを可能にする。この発光デバイスパッケージは、コスト、熱膨張係数(システムへの統合に影響を及ぼす)、熱抵抗、機械的堅牢性を選択することにおいていっそう大きい自由を提供するものであるセラミック基板の使用を可能にする。
【0033】
本開示の一部の例は、より少ない数のLEDを使用して、ピクセル化された光源を達成する。例えば、18ピクセルを望む場合、ディスクリートLEDの場合には18個のLEDを必要とすることになる。各LEDが0.5mm2にならざるを得ない場合、総LED面積は9mm2である。これを、たった2mm2の単一のマルチジャンクションLEDと比較されたい。
【0034】
本開示の一部の例は、より少ない光学部品、より少ない取り付けステップ、及びより少ない光学アライメントステップを使用する。取り付けるべき多数のLED及び多数の光学部品とは対照的に、一度のLEDダイ取り付け及び1つの光学部品が存在するのみである。これはまた、特に多数のLEDダイがLEDの駆動不足をもたらすことになるであろう場合に、発光デバイスパッケージに関するいっそう低いコストをもたらす。
【0035】
光学部品及び光源のサイズも小さくなる。ディスクリートLEDの場合には光学部品の大きなアレイが必要とされるのに対し、この発光デバイスパッケージは1つのみの光学部品を使用する。光学部品のサイズは、単一の標準的なLEDに必要とされるものよりも大きくなり得るが、光学部品のアレイほど大きくはない。一部の用途では、光学部品の大きいアレイに十分なスペースは存在しない。一部の用途では、組み合わせられる光学部品のサイズを小さくすることに美的価値が存在する。
【0036】
ウエハ上に蛍光体が堆積された高度に調整可能なLED
本開示の一部の例は、複数のジャンクションを有するLEDダイの成長基板上に堆積されることが可能な、例えばアンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、又は銀ナノワイヤなどの、透明導電体の離散的なストリング、ライン、又はブロックを提供する。透明導電体をグループにした各々が、別々の異なるライン又はブロックにて堆積され得る。複雑な曲線、円形、又は巻線レイアウトが可能である。
【0037】
特定の透明導電体ストリングへの電圧の印加を用いて、その透明導電体上のみに蛍光体が電気泳動堆積され得る。電圧継続時間を変えることが、それに対応して、堆積される蛍光体の量及び厚さを変えることになる。
【0038】
下に位置する透明導電体ストリングの幅を増加又は減少させることによって、蛍光体ライン同士の隔たりが調節され得る。
【0039】
本開示の一部の例は、サファイア上への蛍光体の低コストウエハレベル堆積を提供する。複数のタイプ及び厚さの蛍光体を使用することができる。ウエハをLEDダイに個片化するとき、蛍光体クロストークによるバラつきが最小化されて、色の調整性が向上される。
【0040】
LED用の改良された蛍光体堆積システム
本開示の一部の例において、特定のジャンクションに対して電気泳動堆積(EPD)によって蛍光体が適用される。電気的に接続された特定のグループのジャンクションに電圧を印加することができる。離散的なストリング、ライン、ブロック、複雑な曲線、円形、巻線、又は市松模様のレイアウトが可能である。堆積中の電圧又は堆積の継続時間を変えることが、それに対応して、堆積される蛍光体の量及び厚さを変化させ得る。
【0041】
密集したジャンクション間でのEPD中の電気スパーク発生のリスクを減らすために、隣接するジャンクションを非ゼロの電圧に保持することができる。例えば、EPD中に第1のストリングのジャンクションを800ボルトに保持しながら、隣接するジャンクションを0ボルトではなく400ボルトに保持し得る。
【0042】
蛍光体の量、種類、又は厚さの鋭い推移が、密集したジャンクション間に望まれる場合、隣接するジャンクションはまた、EPD中に反対の電圧に保持されることもできる。例えば、EPD中に第1のストリングのジャンクションを800ボルトに保持しながら、隣接するジャンクションを0ボルトではなく-400ボルトに保持し得る。
【0043】
一部の例において、高電圧EPDに先立って、ジャンクション間に耐衝撃層又は絶縁層を堆積させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
以下の図を含む添付図面を参照して、例として、本発明を更に詳細に説明する。
【
図1-1】本開示の一部の例における発光ダイオード(LED)ダイの上面図である。
【
図1-2】本開示の一部の例における
図1-1のLEDダイの断面図である。
【
図2】
図2及び
図3は、本開示の一部の例における発光デバイスパッケージのアセンブリを例示している。
【
図3】
図2及び
図3は、本開示の一部の例における発光デバイスパッケージのアセンブリを例示している。
【
図4】本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板の上面図である。
【
図5】本開示の一部の例における、
図4のメタライゼーションされた基板のパッド上への、
図1-2のLEDダイのジャンクションの配置を、ファントムにて例示している。
【
図6】本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板の上面図である。
【
図7】本開示の一部の例における、
図6のメタライゼーションされた基板のパッド上への、
図1-2のLEDダイのジャンクションの配置を、ファントムにて例示している。
【
図8】本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板の上面図である。
【
図9】本開示の一部の例における、
図8のメタライゼーションされた基板のパッド上への、
図1-2のLEDダイのジャンクションの配置を、ファントムにて例示している。
【
図10】本開示の一部の例におけるLEDダイの断面図である。
【
図11】本開示の一部の例におけるLEDダイの断面図である。
【
図12】本開示の一部の例における、
図4のメタライゼーションされた基板のパッド上への、
図10又は
図11のLEDダイのジャンクションの配置を、ファントムにて例示している。
【
図13】本開示の一部の例における、
図6のメタライゼーションされた基板のパッド上への、
図10又は
図11のLEDダイのジャンクションの配置を、ファントムにて例示している。
【
図14】本開示の一部の例における、電気泳動堆積(EPD)を用いて波長コンバータを形成するための成長基板上の透明導電体のパターンを例示している。
【
図15-1】本開示の一部の例における、EPDを用いて波長コンバータを形成するための成長基板上の透明導電体の他のパターンを例示している。
【
図15-2】本開示の一部の例における、下に位置するジャンクションよりも小さいフットプリントを有する波長コンバータを例示している。
【
図15-3】本開示の一部の例における、互いに当接する異なる色の波長コンバータを例示している。
【
図16】本開示の一部の例における、冷白色及び温白色の蛍光体層を有する
図1-2のLEDダイの仮想色調整範囲を例示する国際照明委員会(CIE)1976カラーチャートである。
【
図17】
図17及び
図18は、それぞれ、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板の上面図及び底面図である。
【
図18】
図17及び
図18は、それぞれ、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板の上面図及び底面図である。
【
図19-1】
図19-1及び
図19-2は、本開示の一部の例における、
図17のメタライゼーションされた基板上への
図1-2のLEDダイのジャンクションの配置を例示している。
【
図19-2】
図19-1及び
図19-2は、本開示の一部の例における、
図17のメタライゼーションされた基板上への
図1-2のLEDダイのジャンクションの配置を例示している。
【
図20】本開示の一部の例における、
図17のメタライゼーションされた基板のバリエーションであるメタライゼーションされた基板の、電気接続されたストリングを例示している。
【
図21】本開示の例における発光デバイスパッケージを製造する方法のフローチャートである。
【
図22】本開示の例におけるLEDダイを製造する方法のフローチャートである。
【
図23】本開示の例における
図3の発光デバイスパッケージの用途を例示している。
【0045】
複数の異なる図における同一の参照符号の使用は、同様又は同一の要素を指し示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1-1は、本開示の一部の例における発光ダイオード(LED)ダイ100の上面図である。LEDダイ100は、セグメント化されたLEDダイ又はマルチジャンクションLEDダイとし得る。LEDダイ100は、成長基板104上に形成されたジャンクション(接合)102-1、102-2、…、及び102-n(集合的に“複数のジャンクション102”として、又は個別に一般的な“ジャンクション102”として参照する)のアレイを含んでいる。LEDダイ100のジャンクション102のアレイは、如何なるサイズ又は形状にも限定されない。成長基板104までのトレンチ106が、ジャンクション102を取り囲んで、それらを互いに完全に電気絶縁している。トレンチ106は、ウェットエッチング、ドライエッチング、機械的ソーイング、レーザースクライブ、又は他の好適技術によって形成され得る。
【0047】
図1-2は、本開示の一部の例におけるLEDダイ100の断面図である。各ジャンクション102は、n型半導体層110とp型半導体層112との間に活性領域108を含む半導体構造を有する。各ジャンクション102は、絶縁体(誘電体)層内の開口を通るオーミックpコンタクトによってそのn型半導体層110に結合されたカソード114を有し、また、各ジャンクション102は、絶縁体層内の開口を通るオーミックnコンタクトによってそのp型半導体層112に結合されたアノード116を有する。成長基板104上で、例えば光電気化学(PEC)エッチング又は機械的な粗面化などの表面処理が実行されてもよく、あるいは、反射防止コーティングの薄膜が適用されてもよい。一部の例において、LEDダイ100が別の機械的支持体に取り付けられた後に、LEDダイ100から成長基板104が除去される。
【0048】
LEDダイ100は、成長ウエハ上に形成される。成長ウエハ上にLEDダイ100の半導体構造に関する層が成長され、それにオーミックコンタクト、そして、カソード及びアノードが続く。これらの層内に成長ウエハまでトレンチ106が形成されて、各LEDダイ100内にジャンクション102が作り出される。得られたデバイスウエハから個々のLEDダイ100は個片化される。
【0049】
LEDダイ100は、個々の波長コンバータ118を含んでいる。波長コンバータは、蛍光体層又はセラミック蛍光体プレートとし得る。各波長コンバータ118が、異なるジャンクション102の上に置かれる。波長コンバータ118は、成長基板104上に形成され、あるいは、LEDダイ100が別の機械的支持体に取り付けられた後にLEDダイ100から成長基板104が取り外された場合にはジャンクション102上に直に形成される。波長コンバータ118は、例えば、異なる相関色温度(CCT)の白色、又は赤、緑、青の原色などの、異なる色の光を生成するように、幾つかの異なる材料で製造される。個々の波長コンバータ118の代わりに、同じ材料の単一の連続した波長コンバータを使用して、単色の光を生成してもよい。波長コンバータ118はまた、ジャンクション102がそのバンドギャップエネルギーに基づくそれら本来の(1つ以上の)色の光を放出するように省略されてもよい。
【0050】
波長コンバータ118は、デバイスウエハからLEDダイ100が個片化される前に、成長ウエハ上に形成されてもよいし、あるいは、デバイスウエハからLEDダイ100が個片化された後の成長基板104上に形成されてもよい。あるいは、波長コンバータ118は、LEDダイ100が他の機械的支持体に取り付けられた後にLEDダイ100から成長基板104が除去された後に、LEDダイ100のジャンクション102上に直に形成される。
【0051】
図2及び
図3は、本開示の一部の例における単色の又は色変化する発光デバイスパッケージ300のアセンブリを例示している。パッケージ300は、LEDダイ100、メタライゼーションされた基板202、及び一次光学部品204を含んでいる。メタライゼーションされた基板202上にLEDダイ100がマウントされ、そして、メタライゼーションされた基板202上のLEDダイ100の上に一次光学部品204がマウントされる。メタライゼーションされた基板202上にLEDダイ100をマウントする代わりに、デバイスウエハから個片化された個々のジャンクション102が、メタライゼーションされた基板202上にピックアンドプレースされてもよい。
【0052】
メタライゼーションされた基板202は、単層又は多層のタイルであり、それらは、窒化アルミニウムセラミック、酸化アルミニウムセラミック、又は他の好適材料で製造され得る。メタライゼーションされた基板202は、頂面206と、頂面206上の頂部パッド208と、頂面206上の頂部配線210と、底面212とを有している。頂部パッド208は、LEDダイ100のジャンクション102の電極(カソード114及びアノード116)を受けるように、頂面206の中心付近に配置されている。カソード114及びアノード116は、金-金相互接続、大面積金-金相互接続、はんだ、又は他の好適な相互接続によって、頂部パッド208に取り付けられる。頂部配線210は頂部パッド208に接続するとともに、頂部配線210が外部駆動回路に接続され得るところであるメタライゼーションされた基板202の周辺部までファンアウトしている。頂部配線210は、複数の異なるジャンクション102からの特定の頂部パッド208を、直列に、並列に、又はこれらの組み合わせで接続し得る。
【0053】
メタライゼーションされた基板202が多層タイルであるとき、それは、底面212上の底部パッド214と、頂部パッド208を底部パッド214に接続するビア216とを含み得る。メタライゼーションされた基板202はまた、より低階層の(埋め込み)配線218と、頂部パッド208を配線218に接続するビア220とを含み得る。配線218は、複数の異なるジャンクション102からの特定の頂部パッド208を、直列に、並列に、又はこれらの組み合わせで接続し得る。配線218も、それらが外部駆動回路に接続され得るところであるメタライゼーションされた基板202の周辺部までファンアウトし得る。
【0054】
一次光学部品204は、メタライゼーションされた基板202上のLEDダイ100を覆って成形されたシリコーン半球レンズ又はフラットウィンドウである。あるいは、一次光学部品204は、メタライゼーションされた基板202上のLEDダイ100の上にマウントされたプリフォームされたシリコーン又はガラスの半球レンズ又はフラットウィンドウである。一次光学部品204は散乱粒子を含んでいてもよい。メタライゼーションされた基板202上に取り付けられて図示されているが、一次光学部品204は、メタライゼーションされた基板から離間されてもよい。典型的に、一次光学部品は、LEDの光取り出し効率及び放射パターンを調整するために使用される。色変化する発光デバイスパッケージでは、一次光学部品はまた、パッケージの色の彩度及びカラークロストークを調整するためにも使用され得る。例えば、半球レンズは、より多くの光をLEDダイ100から取り出し得るが、フラットウィンドウは、LEDダイ100からのポンプ(例えば、青色)光のうちいっそう多くを波長コンバータ118中で再循環させることによって、より飽和した色を作り出し得る。一次光学部品204は、色の彩度を高めるとともに異なる材料の波長コンバータ118間のクロストークを抑制するように整形され得る。一部の例において、一次光学部品204は、例えばマイクロレンズアレイなどのビームホモジナイザとし得る。
【0055】
図4は、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板400の上面図である。メタライゼーションされた基板400は、パッケージ300(
図3)内のメタライゼーションされた基板202とし得る。メタライゼーションされた基板400は単層タイルである。メタライゼーションされた基板400は、6×7アレイの頂部パッド402(4つのみにラベルを付している)と、頂部パッド402に接続された頂部配線404とを含んでいる。頂部配線404は、メタライゼーションされた基板400の周辺部までファンアウトしている。頂部パッド402及び頂部配線404のレイアウトを理解する助けとなるよう、特定のパッドをその行番号及び列番号によって識別し、特定の配線をそれのパッドの行番号及び列番号によって識別している。例えば、一番目(最も上)の行の一番目(最も左)のパッドを402(1,1)として識別し、パッド402(1,1)への配線を404(1,1)として識別している。また、頂部配線404の経路を記述するために基本方位を使用する。
【0056】
第1行のパッド402において、配線404(1,1)及び404(1,7)は、メタライゼーションされた基板400の周辺部に向かって、それぞれ、西及び東にファンアウトしている。配線404(1,2)から404(1,6)は、メタライゼーションされた基板400の周辺部に向かって北にファンアウトしている。
【0057】
第2行のパッド402において、配線404(2,1)及び404(2,7)は、メタライゼーションされた基板400の周辺部に向かって、それぞれ、西及び東にファンアウトしている。配線404(2,2)は、北西に斜めに、次いでパッド402(1,1)と402(2,1)との間を通るように西にファンアウトしている。配線404(2,3)は、北に、次いで北西に斜めに、そして最終的にパッド402(1,2)と402(1,3)との間を通るように北にファンアウトしている。配線404(2,4)は、北に、次いで北西に斜めに、そして最終的にパッド402(1,3)と402(1,4)との間を通るように北にファンアウトしている。配線404(2,5)は、北に、次いで北東に斜めに、そして最終的にパッド402(1,5)と402(1,6)との間を通るように、北にファンアウトしている。配線404(2,6)は、北東に斜めに、次いでパッド402(1,7)と402(2,7)との間を通るように東にファンアウトしている。
【0058】
第3行のパッド402において、配線404(3,1)及び404(3,7)は、メタライゼーションされた基板400の周辺部に向かって、それぞれ、西及び東にファンアウトしている。配線404(3,2)は、北西に斜めに、次いでパッド402(2,1)と402(3,1)との間を通るように西にファンアウトしている。配線404(3,3)は、北西に斜めに、次いでパッド402(2,2)と402(2,3)との間を通るように北にファンアウトしている。配線404(3,3)は、北西に斜めに、パッド402(1,2)と402(2,2)との間を通るように西に、北西に斜めに、そして最終的にパッド402(1,1)と402(1,2)との間を通るように北に続いている。配線404(3,4)は、北東に斜めに、次いでパッド402(2,4)と402(2,5)との間を通るように北にファンアウトし、そして、パッド402(1,4)と402(1,5)との間を通るように北に続いている。配線404(3,5)は、北東に斜めに、次いでパッド402(2,5)と402(2,6)との間を通るように北にファンアウトしている。配線404(3,5)は、北東に斜めに、パッド402(1,6)と402(2,6)との間を通るように東に、北東に斜めに、そして最終的にパッド402(1,6)と402(1,7)との間を通るように北に続いている。配線404(3,6)は、北東に斜めに、次いでパッド402(2,7)と402(3,7)との間を通るように東にファンアウトしている。
【0059】
第4行、第5行、及び第6行のパッド402に関する配線404は、第3行、第2行、及び第1行の配線404の構成の鏡映しである。
【0060】
図5は、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板400のパッド402(1つのみにラベルを付している)上へのLEDダイ100内のジャンクション102(明瞭さのため6つのみにラベルを付している)の配置を、ファントムにて例示している。この構成では、各ジャンクション102が、異なる対のパッド402に接続している。破線は、第1の色の光を放つ第1タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示し、二点鎖線は、第2の色の光を放つ第2タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示している。同一タイプの波長コンバータ118を有する1つ以上のジャンクション102が、LEDダイ100内の1つのセグメントを形成する。異なるセグメント(色)からのジャンクション102が、例えば(図示のような)市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は同心円セグメントなどの規則的なパターンで、互いに散在している。異なるセグメントからのジャンクション102はまた、ランダムに散在していてもよい。
【0061】
図6は、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板600の上面図である。メタライゼーションされた基板600は、パッケージ300(
図3)内のメタライゼーションされた基板202とし得る。メタライゼーションされた基板600は単層タイルである。メタライゼーションされた基板600は、4×10アレイの頂部パッド602(6つのみにラベルを付している)と、パッド602に接続された頂部配線604(6つのみにラベルを付している)とを含んでいる。頂部配線604は、メタライゼーションされた基板600の周辺部までファンアウトしている。頂部パッド602及び頂部配線604のレイアウトを理解する助けとなるよう、特定のパッドをその行番号及び列番号によって識別し、特定の配線をそれのパッドの行番号及び列番号によって識別している。また、頂部配線604の経路を記述するために基本方位を使用する。
【0062】
第1行のパッド602において、配線604(1,1)から604(1,10)は、メタライゼーションされた基板600の周辺部に向かって北にファンアウトしている。
【0063】
第2行のパッド602において、配線604(2,1)から604(2,10)は、北西に斜めに、次いで、メタライゼーションされた基板600の周辺部に向かって北にファンアウトしている。具体的に、配線604(2,2)はパッド602(1,1)と602(1,2)との間を通り、配線604(2,3)はパッド602(1,2)と602(1,3)との間を通り、…、配線604(2,10)はパッド602(1,9)と602(1,10)との間を通る。
【0064】
第3行及び第4行のパッド602に関する配線604は、第2行及び第1行のパッド602に関する配線604の構成の鏡映しである。
【0065】
図7は、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板600のパッド602(1つのみにラベルを付している)上へのLEDダイ100内のジャンクション102(8つのみにラベルを付している)の配置を、ファントムにて例示している。この構成では、各ジャンクション102が、異なる対のパッド602に接続している。破線は、第1の色の光を放つ第1タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示し、二点鎖線は、第2の色の光を放つ第2タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示している。同一タイプの波長コンバータ118を有する1つ以上のジャンクション102が、LEDダイ100内の1つのセグメントを形成する。異なるセグメント(色)からのジャンクション102が、例えば(図示のような)市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は同心円セグメントなどの規則的なパターンで、互いに散在している。異なるセグメントからのジャンクション102はまた、ランダムに散在していてもよい。
【0066】
図8は、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板800の上面図である。メタライゼーションされた基板800は、パッケージ300(
図3)内のメタライゼーションされた基板202とし得る。メタライゼーションされた基板800は多層タイルである。メタライゼーションされた基板800は、2×6アレイの頂部パッド802と、頂部パッド802に接続された配線804-1、804-2、…、及び804-8(集合的に“配線804”)とを含んでいる。配線804は、メタライゼーションされた基板の周辺部までファンアウトしている。メタライゼーションされた基板800のレイアウトを理解する助けとなるよう、特定のパッドをその行番号及び列番号によって識別している。また、頂部配線804の経路を記述するために基本方位を使用する。
【0067】
第1行のパッド802において、頂部配線804-1は、パッド802(1,1)からファンアウトし、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって北に進んでいる。頂部配線804-2は、パッド802(1,2)と802(2,3)とを接続する斜め部分と、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって該斜め部分から北に延在する直線部分とを有している。頂部配線804-3は、パッド802(2,4)と802(1,5)とを接続する斜め部分と、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって該斜め部分から北に延在する直線部分とを有している。頂部配線804-4は、パッド802(1,6)からファンアウトし、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって北に進んでいる。
【0068】
第2行のパッド802において、頂部配線804-5は、パッド802(2,1)からファンアウトし、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって南に進んでいる。より下の階層の配線804-6は、パッド802(2,2)と802(1,3)とを接続する斜め部分と、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって該斜め部分から南に延在する直線部分とを有している。より下の階層の配線804-7は、パッド802(1,4)と802(2,5)とを接続する斜め部分と、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって該斜め部分から南に延在する直線部分とを有している。頂部配線804-8は、パッド802(2,6)からファンアウトし、メタライゼーションされた基板800の周辺部に向かって南に進んでいる。
【0069】
図9は、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板800のパッド802(1つのみにラベルを付している)上へのLEDダイ100内のジャンクション102-1、102-2、…、及び102-6の配置を、ファントムにて例示している。この構成では、各ジャンクション102が、異なる対のパッド802に接続している。破線は、第1の色の光を放つ第1タイプの波長コンバータ118を有するジャンクション102-1、102-3、及び102-5を指し示し、二点鎖線は、第2の色の光を放つ第2タイプの波長コンバータ118を有するジャンクション102-2、102-4、及び102-6を指し示している。ジャンクション102-1、102-3、及び102-5は、これらジャンクションが直列接続するLEDダイ100内の第1セグメントを形成する。ジャンクション102-2、102-4、及び102-6は、これらジャンクションが直列接続するLEDダイ100内の第2セグメントを形成する。異なるセグメント(色)からのジャンクション102が、例えば(図示のような)市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は同心円セグメントなどの規則的なパターンで、互いに散在している。異なるセグメントからのジャンクション102はまた、ランダムに散在していてもよい。セグメント内の一対のパッド802上に取り付けられたいずれのジャンクション102も、それら2つのパッド802に接続された2つの配線804を短絡させることによってバイパスされ得る。例えば、第1セグメント内のジャンクション102-5がバイパスされるべきであるとき、パッド802(2,3)及び802(2,4)に接続された配線804-2及び804-3が、外部スイッチ(ファントムにて示している)によって短絡され得る。
【0070】
図10は、本開示の一部の例におけるLEDダイ1000の断面図である。LEDダイ1000は、LEDダイ100(
図1-2)と同様であるが、そのジャンクション102が、LEDダイ1000内の1つのジャンクション102にとって代わる共通カソード1014を共有している。LEDダイ1000においては、トレンチ1006がジャンクション102を取り囲む。トレンチ1006は、下方にn型半導体層1010まで達しており、故に、ジャンクション102は、連続的なn型半導体層1010を共有しているので、互いに部分的にのみ電気絶縁される。この構成では、全てのジャンクション102がカソード114(
図1-2)を持っていない。
【0071】
図11は、本開示の一部の例におけるLEDダイ1100の断面図である。LEDダイ1100は、そのジャンクション102が、LEDダイ1100内の1つのジャンクション102にとって代わる共通アノード1116を共有していることを除いて、LEDダイ100(
図1-2)と同様である。LEDダイ1100においては、各ジャンクションのn型半導体層110及び活性領域108の周りにトレンチが形成される。これらのトレンチを絶縁体1106が充填した後に、連続したp型半導体層1112が形成される。ジャンクション102は、p型半導体層1112を共有しているので、互いに部分的にのみ電気絶縁されている。この構成では、全てのジャンクション102がアノード116(
図1-2)を持っていない。
【0072】
図12は、本開示の一部の例における、メタライゼーションされた基板400のパッド402(1つのみにラベルを付している)上への、LEDダイ1000(
図10)又は1100(
図11)のジャンクション102(1つのみにラベルを付している)の配置を、ファントムにて例示している。この構成では、各ジャンクション102のアノード116又はカソード114(
図10又は
図11)が異なるパッド402に接続し、共通カソード1014又は共通アノード1116(
図10又は
図11)が1つのパッド402に接続している。破線は、第1の色の光を放つ第1タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示し、二点鎖線は、第2の色の光を放つ第2タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示している。同一タイプの波長コンバータ118を有する1つ以上のジャンクション102が、LEDダイ1000又は1100内の1つのセグメントを形成する。異なるセグメント(色)からのジャンクション102が、例えば(図示のような)市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は同心円セグメントなどの規則的なパターンで、互いに散在している。異なるセグメントからのジャンクション102はまた、ランダムに散在していてもよい。
【0073】
2つの蛇状セグメントのレイアウトを理解する助けとなるよう、特定のジャンクション102をその行番号及び列番号によって識別している。第1のセグメント(色)のジャンクション102は、ジャンクション102(3,4)、(3,5)、(4,5)、(5,5)、(5,4)、(5,3)、(5,2)、(4,2)、(3,2)、(2,2)、(1,2)、(1,3)、(1,4)、(1,5)、(1,6)、(1,7)、(2,7)、(3,7)、(4,7)、及び(5,7)を含み得る。第2のセグメント(色)のジャンクション102は、残りのジャンクション102で構成され得る。
【0074】
図13は、本開示の一部の例における、メタライゼーションされた基板600のパッド602(1つのみにラベルを付している)上への、LEDダイ1000(
図10)又は1100(
図11)のジャンクション102(1つのみにラベルを付している)の配置を、ファントムにて例示している。この構成では、各ジャンクション102のアノード116又はカソード114(
図10又は
図11)が異なるパッド602に接続し、共通カソード1014又は共通アノード1116(
図10又は
図11)が1つのパッド602に接続している。破線は、第1の色の光を放つ第1タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示し、二点鎖線は、第2の色の光を放つ第2タイプの波長コンバータ118を備えたジャンクション102を指し示している。同一タイプの波長コンバータ118を有する1つ以上のジャンクション102が、LEDダイ1000又は1100内の1つのセグメントを形成する。異なるセグメント(色)からのジャンクション102が、例えば(図示のような)市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は同心円セグメントなどの規則的なパターンで、互いに散在している。異なるセグメントからのジャンクション102はまた、ランダムに散在していてもよい。
【0075】
図14は、本開示の一部の例における、電気泳動堆積(EPD)を用いて波長コンバータ118(
図1-2)を形成するための、例えばサファイア基板などの成長基板104上の透明導電体のパターン1400を例示している。透明導電体は、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、又は銀ナノワイヤとし得る。透明導電体は、ブロック1402及び斜めのライン1404を含んでいる。各ブロック1402が、LEDダイ100、1000、又は1100(
図1-2、
図10、又は
図11)の異なるジャンクション102(2つのみをファントムにて示している)の上に位置している。正方形として示されているが、ブロック1402は、例えば長方形、円形、及び楕円形などの他の形状であってもよい。各ブロック1402は、横方向の隙間1406及び縦方向の隙間1408だけ、隣接するブロック1402から離隔されている。ライン1404がブロック1402を接続して、例えばパターン1400内の斜めのストリングなど、直列接続されたブロック1402のストリングを形成している。高電圧EPDに先立って、ジャンクション102間に耐衝撃層又は絶縁層が堆積され得る。
【0076】
図15-1は、本開示の一部の例における、EPDを用いて波長コンバータ118(
図1-2)を形成するための成長基板104上の透明導電体の他のパターン1500を例示している。ライン1404がブロック1402を接続して、パターン1500内の斜めに行ったり来たり(1つおきのジャンクション)のストリングを形成している。
【0077】
例示の目的で、LEDダイ100が、青色光を発するジャンクション102を含み、波長コンバータ118が、青色光をそれぞれ冷白色及び温白色に変換する冷白色及び温白色蛍光体層であると仮定する。第1のEPDプロセスにて、パターン1400又は1500内の第1グループのストリングに第1の電圧が印加されて、第1グループのストリング上に冷白色蛍光体が電気泳動堆積される。第1のEPDプロセス中、パターン1400又は1500内の第2グループのストリングに、第2グループのストリング上には冷白色蛍光体が形成されないよう、第2の電圧が印加される。隣接するストリング間での電気スパーク発生のリスクを減らすために、第2グループのストリングに非ゼロの第2の電圧が印加される。例えば、第1の電圧は800ボルトとすることができ、第2の電圧は400ボルトとすることができる。隣接するストリング間に蛍光体の量、種類、又は厚さの鋭い推移を作り出すためには、反対極性の第2の電圧が第2グループのストリングに印加される。例えば、第1の電圧は800ボルトとすることができ、第2の電圧は-400ボルトとすることができる。あるいは、パターン1400又は1500の内の第2グループのストリングは、バイアスされずに、フローティングのままにされる。
【0078】
第2のEPDプロセスにて、第2グループのストリングに第3の電圧が印加されて、第2グループのストリング上に温白色蛍光体が電気泳動堆積される。この第2のEPDプロセス中、第1グループのストリングには、第1グループのストリング上に温白色蛍光体が形成されないよう、第4の電圧が印加される。隣接するストリング間での電気スパーク発生のリスクを減らすために、第1グループのストリングに非ゼロの第2の電圧が印加される。隣接するストリング間に蛍光体の量、種類、又は厚さの鋭い推移を作り出すためには、反対極性の第4の電圧が第1グループのストリングに印加される。また、第1のEPDプロセスに関して記載したのと同じ又は異なる電圧が、第2のEPDプロセスで使用され得る。あるいは、パターン1400又は1500の内の第1グループのストリングは、バイアスされずに、フローティングのままにされる。なお、これらのEPDプロセスは、デバイスウエハ内の複数のLEDダイ100に対してウエハスケールで適用されてもよいし、デバイスウエハから個片化されたディスクリートLEDダイ100に対して個別に適用されてもよい。
【0079】
各蛍光体層(波長コンバータ)118は、蛍光体層118に入る光を完全に又は実質的に変換するのに十分な厚さを有する。蛍光体厚さは、EPDプロセスにおける印加電圧、印加電流、又は印加継続時間によって制御される。
【0080】
蛍光体層118のサイズは、下に位置する透明導電体ブロック1402のサイズを増減させることによって調節され得る。透明導電体ブロック1402のサイズは、蛍光体層118のフットプリントを下に位置するジャンクション102よりも大きくするために増大されることができ、また、本開示の一部の例では、
図15-2に示すように、透明導電体ブロック1402のサイズは、蛍光体層118のフットプリントを下に位置するジャンクション102よりも小さくするために縮小されることができる。蛍光体層118の離隔は、下に位置する透明導電体ブロック1402間の隙間1406及び1408を増減させることによって調節されることができる。本開示の一部の例では、
図15-3に示すように、隙間1406及び1408を減少させることにより、異なる色の蛍光体層118が互いに当接してもよい。隙間1406及び1408を増大させることにより、異なる色の蛍光体層118が、それらの間の隙間によって離隔されてもよい。
【0081】
図16は、本開示の一部の例における、冷白色及び温白色の蛍光体層を有するLEDダイ100の仮想色調整範囲を例示する国際照明委員会(CIE)1976カラーチャートである。LEDダイ100の実際の色調整範囲は、シミュレーション又は実験により決定され得る。LEDダイ100は、理論的には、冷白色セグメントがターンオンされ且つ温白色セグメントがターンオフされるとき、ポイント1602にある冷白色のみを生成する。LEDダイ100は、理論的には、温白色セグメントがターンオンされ且つ冷白色セグメントがターンオフされるとき、ポイント1604にある温白色のみを生成する。LEDダイ100は、冷白色セグメント及び温白色セグメントのジャンクション102の組み合わせがターンオンされるとき、カラーエンドポイント1602とカラーエンドポイント1604との間に描かれる線1606に沿った色を生成する。下に位置するジャンクション102によって発せられる青色光の色は、ポイント1608として示されている。
【0082】
冷白色及び温白色のセグメントのジャンクション102からの青色光が漏れることを可能にすることにより、カラーエンドポイント1602及び1604をより望ましい色に変更することが望ましいことがある。冷白色セグメントのジャンクション102からの青色光が漏れることを可能にするため、各冷白色蛍光体層118が、その下に位置するジャンクション102よりも小さいフットプリントで作製される。変換されない領域に対する変換される領域の比と、冷白色蛍光体層118を通って逃げ出る青色光それ自体とが、冷白色蛍光体層118に関する青色光リークを決定し、そして、漏れた青色光を持つ新たな冷白色をポイント1610に設定する。同様に、各温白色蛍光体層118が、その下に位置するジャンクション102よりも小さいフットプリントで作製される。変換されない領域に対する変換される領域の比と、温白色蛍光体層118を通って逃げ出る青色光それ自体とが、温白色蛍光体層118に関する青色光リークを決定し、そして、漏れた青色光を持つ新たな温白色をポイント1612に設定する。
【0083】
LEDダイ100の実際の色調整範囲は、新たなエンドポイント1610と1612との間にはない。これは何故なら、1つのジャンクション102のエッジ付近で放射される青色光が別のジャンクションの蛍光体層118に入って異なる色に変換されることによって引き起こされる隣接ジャンクション102間でのクロストークにより、実際の色調整範囲が狭められるからである。従って、実際の色調整範囲1614は、漏れた青色光とクロストークとを持つポイント1616の冷白色と、漏れた青色光とクロストークとを持つポイント1618の温白色との間である。幸いなことに、蛍光体層118が隣接蛍光体層118から離隔されるよう、各蛍光体層118がその下に位置するジャンクション102を部分的にのみ覆う。この離隔が、隣接するジャンクション102の蛍光体層118間でのクロストークを抑制し、それにより、LEDダイ100の実際の色調整範囲1614を増加させる。
【0084】
図17及び
図18は、それぞれ、本開示の一部の例におけるメタライゼーションされた基板1700の上面図及び底面図であり、
図19は、本開示の一部の例における、メタライゼーションされた基板1700上へのLEDダイ100(
図1-2)のジャンクション102(1つのみにラベルを付している)の配置をファントムにて例示している。メタライゼーションされた基板1700上にLEDダイ100をマウントする代わりに、デバイスウエハから個片化された個々のジャンクション102が、メタライゼーションされた基板1700上にピックアンドプレースされてもよい。メタライゼーションされた基板1700は、パッケージ300(
図3)内のメタライゼーションされた基板202とし得る。メタライゼーションされた基板1700は多層タイルである。メタライゼーションされた基板1700は、例えば冷白色セグメント及び温白色セグメントなどの2つのセグメントにて、LEDダイ100の複数のジャンクション102を接続するように構成されている。各セグメントが、そのジャンクションを並列に接続して有し、冷白色セグメントからのジャンクション102と温白色セグメントからのジャンクション102とが、例えば(
図19-1及び
図19-2に示すような)市松模様、外側に螺旋状になって互いを取り巻く蛇状セグメント、又は同心円セグメントなどの規則的なパターンで、互いに散りばめられている。冷白色セグメントからのジャンクション102及び温白色セグメントからのジャンクション102はまた、ランダムに散在されてもよい。他の例では、セグメントは飽和色又は純粋な青であってもよい。例えば、2つのセグメントは、赤色セグメント及び緑色セグメントとし得る。
【0085】
図17を参照するに、メタライゼーションされた基板1700の頂面は、6×6アレイの頂部パッド1702(2つのみにラベルを付している)と、頂部パッド1702に接続された頂部配線1704-1、1704-2、1704-3、及び1704-4(集合的に“配線1704”)とを含んでいる。頂部パッド1702のレイアウトを理解する助けとなるよう、特定のパッドをその行番号及び列番号によって識別している。メタライゼーションされた基板は、ビア1708-1、1708-2、1708-3、及び1708-4を含んでいる。
図18を参照するに、メタライゼーションされた基板1700の底面は、それぞれビア1708-1、1708-2、1708-3、及び1708-4に接続された底部パッド1706-1、1706-2、1706-3、及び1706-4を含んでいる。
【0086】
図19-1及び
図19-2を参照するに、配線1704-1は、ビア1708-1を介して底部パッド1706-1(
図17)に接続している。配線1704-1は更に、パッド1702(1,1)、(1,3)、(1,5)、(5,1)、(4,2)、(5,3)、(4,4)、(5,5)、(4,6)に接続している。メタライゼーションされた基板1700上にLEDダイ100のジャンクション102が取り付けられると、配線1704-1は、第1のセグメントのジャンクション102のアノード116を並列に、底部(アノード)パッド1706-1に接続する。第1(例えば、温白色)のセグメントのジャンクション102は、破線によって示されており、第1の色の光(例えば、温白色)を放つ第1タイプの波長コンバータ118を有する。
【0087】
配線1704-3は、ビア1708-3を介して底部パッド1706-3(
図17)に接続している。配線1704-3は更に、パッド1702(6,1)、(6,3)、(6,5)、(3,6)、(3,4)、(3,2)、(2,1)、(2,3)、(2,5)に接続している。メタライゼーションされた基板1700上にLEDダイ100のジャンクション102が取り付けられると、配線1704-3は、第1のセグメントのジャンクション102のカソード114を並列に、底部(カソード)パッド1706-3に接続する。
【0088】
配線1704-2は、ビア1708-2を介して底部パッド1706-2(
図17)に接続している。配線1704-2は更に、パッド1702(1,6)、(1,4)、(1,2)、(4,1)、(4,3)、(4,6)、(5,6)、(5,4)、(5,2)に接続している。メタライゼーションされた基板1700上にLEDダイ100のジャンクション102が取り付けられると、配線1704-2は、第2のセグメントのジャンクション102のカソード114を並列に、底部(カソード)パッド1706-2に接続する。第2(例えば、冷白色)のセグメントのジャンクション102は、二点鎖線によって示されており、第2の色の光(例えば、冷白色)を放つ第2タイプの波長コンバータ118を有する。
【0089】
配線1704-4は、ビア1708-4を介して底部パッド1706-4(
図17)に接続している。配線1704-4は更に、パッド1702(6,2)、(6,4)、(6,6)、(2,6)、(3,5)、(2,4)、(3,3)、(2,2)、(3,1)に接続している。メタライゼーションされた基板1700上にLEDダイ100のジャンクション102が取り付けられると、配線1704-4は、第2のセグメントのジャンクション102のアノード116を並列に、底部(アノード)パッド1706-4に接続する。
【0090】
メタライゼーションされた基板1700の頂面は、それぞれビア1708-2及び1708-3に接続されたバイアスライン1710及び1712を含んでいる。バイアスライン1710及び1712は、波長コンバータ118を形成するためにEPD中に2つのセグメントをバイアスする(電圧を印加する)ために使用される。
【0091】
メタライゼーションされた基板1700の頂面は、各ストリングの全長を物理的に短縮し、それ故に、総寄生抵抗を低減させるために、バイアスライン1710及び1712への補助経路を含んでいる。例えば、配線1714(ファントムにて示している)が配線1704-2の遠端をバイアスライン1710に接続し、配線1716(ファントムにて示している)が配線1704-3の遠端をバイアスライン1712に接続する。
【0092】
メタライゼーションされた基板1700は、各セグメントに対して過渡電圧抑制(TVS)ダイオードを含み得る。例えば、メタライゼーションされた基板1700は、配線1704-1を介して底部(アノード)パッド1706-1に接続されたTVSダイオード1718と、TVSダイオード1718を底部(カソード)パッド1706-3に接続するビア1720とを含んでいる。メタライゼーションされた基板1700は、配線1704-4を介して底部(アノード)パッド1706-4に接続されたTVSダイオード1722と、TVSダイオード1722を底部(カソード)パッド1706-2に接続するビア1724とを含んでいる。
【0093】
図20は、本開示の一部の例における、メタライゼーションされた基板1700のバリエーションであるメタライゼーションされた基板2000の、電気接続されたストリングを例示している。メタライゼーションされた基板2000は、各セグメントが並列に接続された3組のジャンクション102を有するように頂部配線が変更されていることを除いて、メタライゼーションされた基板1700と同様である。
【0094】
第1(例えば、温白色)のセグメントにおいて、配線2004-1が、ビア1708-1をパッド1702(1,1)、(1,3)、(1,5)に接続している。配線2004-2が、パッド1702(2,1)をパッド1702(3,6)に、パッド1702(2,3)をパッド1702(3,2)に、そしてパッド1702(2,5)をパッド(3,4)に接続している。配線2004-3が、パッド1702(4,2)をパッド1702(5,3)に、パッド1702(4,4)をパッド1702(5,5)に、そしてパッド1702(4,6)をパッド1702(5,1)に接続している。配線2004-4が、パッド1702(6,1)、(6,3)、及び(6,5)をビア1708-3に接続している。
【0095】
メタライゼーションされた基板2000上にLEDダイ100のジャンクション102が取り付けられると、配線2004は、ビア1708-1と1708-3の間に、3組のジャンクション102を並列に接続する。第1組は、パッド1702(1,1)と(2,1)との対、パッド1702(3,6)と(4,6)との対、及びパッド1702(5,1)と(6,1)との対に取り付けられるジャンクション102を含む。第2組は、パッド1702(1,3)と(2,3)との対、パッド1702(3,2)と(4,2)との対、及びパッド1702(5,3)と(6,3)との対に取り付けられるジャンクション102を含む。第3組は、パッド1702(1,5)と(2,5)との対、パッド1702(3,4)と(4,4)との対、及びパッド1702(5,5)と(6,5)との対に取り付けられるジャンクション102を含む。
【0096】
第2(例えば、冷白色)のセグメントにおいて、配線2006-1が、ビア1708-4をパッド1702(6,2)、(6,4)、(6,6)に接続している。配線2006-2が、パッド1702(5,2)をパッド1702(4,1)に、パッド1702(5,4)をパッド1702(4,3)に、そしてパッド1702(5,6)をパッド(4,5)に接続している。配線2006-3が、パッド1702(3,1)をパッド1702(2,2)に、パッド1702(3,3)をパッド1702(2,4)に、そしてパッド1702(3,5)をパッド1702(2,6)に接続している。配線2006-4が、パッド1702(1,2)、(1,4)、及び(1,6)をビア1708-2に接続している。
【0097】
メタライゼーションされた基板2000上にLEDダイ100のジャンクション102が取り付けられると、配線2006は、ビア1708-4と1708-2の間に、3組のジャンクション102を並列に接続する。第1組は、パッド1702(6,2)と(5,2)との対、パッド1702(4,1)と(3,1)との対、及びパッド1702(2,2)と(1,2)との対に取り付けられるジャンクション102を含む。第2組は、パッド1702(6,4)と(5,4)との対、パッド1702(4,3)と(3,3)との対、及びパッド1702(2,4)と(1,4)との対に取り付けられるジャンクション102を含む。第3組は、パッド1702(6,6)と(5,6)との対、パッド1702(4,5)と(3,5)との対、及びパッド1702(2,6)と(1,6)との対に取り付けられるジャンクション102を含む。
【0098】
例示の目的で、メタライゼーションされた基板1700又は2000に取り付けられたLEDダイ100のジャンクション102から成長基板104が除去されており、ジャンクション102に、EPDを使用して、冷白色蛍光体層及び温白色蛍光体層が形成されると仮定する。第1のEPDプロセスにて、ビア1708-1を介して温白色セグメントに第1の電圧が印加されて、温白色セグメントのジャンクション102上に温白色蛍光体が電気泳動堆積される。第1のEPDプロセス中、ビア1708-4を介して冷白色セグメントに、冷白色セグメントのジャンクション102上には温白色蛍光体が形成されないよう、第2の電圧が印加される。隣接するストリング間での電気スパーク発生のリスクを減らすために、冷白色セグメントに非ゼロの第2の電圧が印加される。例えば、第1の電圧は800ボルトとすることができ、第2の電圧は400ボルトとすることができる。これら2つのセグメント間に蛍光体の量、種類、又は厚さの鋭い推移を作り出すためには、反対極性の第2の電圧が冷白色セグメントに印加される。例えば、第1の電圧は800ボルトとすることができ、第2の電圧は-400ボルトとすることができる。あるいは、冷白色セグメントはバイアスされずにフローティングのままにされる。
【0099】
第2のEPDプロセスにて、ビア1708-4を介して冷白色セグメントに第3の電圧が印加されて、冷白色セグメントのジャンクション102上に冷白色蛍光体が電気泳動堆積される。この第2のEPDプロセス中、ビア1708-1を介して温白色セグメントに、温白色セグメントのジャンクション102上には冷白色蛍光体が形成されないよう、第4の電圧が印加される。隣接するストリング間での電気スパーク発生のリスクを減らすために、温白色セグメントに非ゼロの第4の電圧が印加される。これら2つのセグメント間に蛍光体の量、種類、又は厚さの鋭い推移を作り出すためには、反対極性の第4の電圧が温白色セグメントに印加される。第1のEPDプロセスに関して記載したのと同じ電圧が、第2のEPDプロセスにも使用され得る。温白色セグメントはバイアスされずにフローティングのままにされる。
【0100】
図21は、本開示の例における発光デバイスパッケージ300を製造する方法2100のフローチャートである。方法2100は、ブロック2102にて開始し得る。
【0101】
ブロック2102にて、LEDダイが用意される。LEDダイはジャンクションを含む。LEDダイは、LEDダイ100、1000、又は1100(
図1-2、
図10、又は
図11)とし得る。LEDダイは、そのジャンクションの上の成長基板上に波長コンバータを含み得る。ブロック2102の後にブロック2104が続く。
【0102】
ブロック2104にて、メタライゼーションされた基板が用意される。メタライゼーションされた基板は、パッドと、それらパッドに接続された配線とを有する。メタライゼーションされた基板は、メタライゼーションされた基板400、600、800、1700、又は2000(
図4、
図6、
図8、
図17、又は
図20)とし得る。ブロック2104の後にブロック2106が続き得る。
【0103】
ブロック2106にて、メタライゼーションされた基板上にLEDダイがマウントされる。例えば、個別にアドレス指定可能なセグメントを作り出すよう、メタライゼーションされた基板のパッド上にジャンクションがマウントされる。各セグメントが1つ以上のジャンクションを有する。LEDダイに波長コンバータが存在していない場合、メタライゼーションされた基板にLEDダイがマウントされた後に、LEDダイの成長基板上に波長コンバータが形成される。あるいは、LEDダイの成長基板が除去され、LEDダイのジャンクション上に波長コンバータが形成される。ブロック2106の後にブロック2108が続き得る。
【0104】
ブロック2108にて、LEDダイの上に一次光学部品が取り付けられる。
【0105】
図22は、本開示の例におけるLEDダイを製造する方法2200のフローチャートである。方法2200は、ブロック2202にて開始し得る。
【0106】
ブロック2202にて、互いに少なくとも部分的に電気絶縁されたジャンクションが形成される。ブロック2202の後にブロック2204が続き得る。
【0107】
ブロック2204にて、波長コンバータが形成される。各波長コンバータが、異なるジャンクションの上に配置されるとともに、隣接する波長コンバータから隙間によって離隔される。
【0108】
上述のデバイスは、例えば一般照明、背面照明、又は特殊照明用途など、任意の好適な用途で使用され得る。
図23は、本開示の一部の例におけるシステム2300を示している。システム2300は、プリント回路基板(PCB)2302にマウントされたパッケージ300を含んでいる。パッケージ300は、PCB2302上の1つ以上のドライバ2304及び2306にPCB配線によって接続された、そのジャンクションへの配線を有しており、ドライバ2304及び2306はマイクロコントローラ2308によって制御される。システム2300は、自動車2312のヘッドライトアセンブリ2310の一部とすることができ、ヘッドライトアセンブリ2310は、ビームステアリング、スポットリダクション、ハイライト、及び動的イフェクト機能を行うことが可能である。色変化するパッケージ300では、システム2300は、携帯電話2318のカメラ2316用のフラッシュ2314の一部とすることができ、フラッシュ2314は色調整を行うことが可能である。
【0109】
上述のデバイスは、配光のきめ細かい強度制御、空間制御、及び時間制御の恩恵を受ける用途をサポートする発光ピクセルアレイとし得る。これは、以下に限られないが、ピクセルブロック又は個々のピクセルからの放射光の正確な空間パターニングを含み得る。用途に応じて、放射光は、スペクトル的に区別可能であり、経時的に適応可能であり、且つ/或いは環境に反応し得る。発光ピクセルアレイは、様々な強度パターン、空間パターン、又は時間パターンにて、事前プログラムされた配光を提供し得る。放射光は、受信されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいてもよく、光無線通信に使用されてもよい。関連する光学部品は、ピクセル、ピクセルブロック、又はデバイスレベルで区別され得る。一例の発光ピクセルアレイは、共通に制御される高輝度ピクセルの中央ブロックが関連する共通の光学部品を備える一方でエッジピクセルが個別の光学部品を有し得るデバイスを含み得る。発光ピクセルアレイによってサポートされる一般的な用途は、カメラフラッシュ、自動車ヘッドライト、建築エリア照明、街路照明、及び情報ディスプレイを含む。
【0110】
発光ピクセルアレイは、モバイル装置用のカメラフラッシュ用途によく適している。典型的に、画像キャプチャをサポートするために、高輝度LEDからの強い短時間のフラッシュ光が使用される。残念ながら、従来のLEDフラッシュでは、光のうち多くが、既に十分に照らされているか、その他の理由で照明される必要がないか、である領域の照明に浪費される。発光ピクセルアレイの使用は、決定された時間量でのシーンの部分の制御された照明を提供し得る。これは、カメラフラッシュが、例えば、ローリングシャッタキャプチャ中に撮像される領域のみを照明すること、キャプチャされる画像にわたって信号対雑音比を最小化するとともに人や被写体にかかる影を最小化する均一照明を提供すること、及び/又は影を強調する高コントラスト照明を提供することを可能にし得る。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に区別可能である場合、フラッシュ照明の色温度を動的に調整することで、望みの色調又は温かさを提供し得る。
【0111】
道路の選択されたセクションのみをアクティブに照らす自動車ヘッドライトも、発光ピクセルアレイによってサポートされる。赤外線カメラをセンサとして用いて、発光ピクセルアレイは、歩行者又は対向車の運転手の目をくらましてしまい得るピクセルを非アクティブにしながら、道路を照らすのに必要なピクセルのみをアクティブにする。さらに、運転手の環境認識を向上させるために、道路外の歩行者、動物、又は標識を選択的に照らしてもよい。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に区別可能である場合、昼光条件、薄明条件、又は夜間条件にそれぞれ従って光の色温度が調整され得る。一部のピクセルが光無線車車間(車両間)通信に使用されてもよい。
【0112】
建築エリア照明も、発光ピクセルアレイの恩恵を受け得る。視覚的な表示の改善のため、又は照明コストを削減するために、建物又は領域を選択的且つ適応的に照明するよう、発光ピクセルアレイが使用され得る。また、発光ピクセルアレイを使用して、装飾的なモーション又はビデオ効果用のメディアファサードを投影してもよい。追跡用のセンサ及び/又はカメラと連動して、歩行者周りの領域の選択的な照明が可能であり得る。照明の色温度を調整するため、及び波長特定的な園芸照明をサポートするために、スペクトル的に区別可能なピクセルが使用されてもよい。
【0113】
街路照明は、発光ピクセルアレイの使用から大いに恩恵を受け得る重要なアプリケーションである。単一タイプの発光アレイを使用して、様々な街路灯タイプを模倣することができ、例えば、選択したピクセルの適切なアクティブ化又は非アクティブ化によって、タイプIの線形街路灯とタイプIVの半円形街路灯との間での切り換えを可能にし得る。さらに、環境条件又は使用時間に従って光ビームの強度又は分布を調整することにより、街路照明のコストが低減され得る。例えば、歩行者が存在しないとき、光強度及び分布の面積が減少され得る。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に区別可能である場合、昼光条件、薄明条件、又は夜間条件にそれぞれ従って光の色温度が調整され得る。
【0114】
発光アレイはまた、直接表示又は投影表示を必要とする用途をサポートすることにもよく適している。例えば、警告標識、緊急標識、又は情報標識はどれも、発光アレイを用いて表示又は投影され得る。これは、例えば、色変化したり点滅したりする出口標識を投影することを可能にする。発光アレイが多数のピクセルで構成されている場合、テキスト又は数値の情報が提示されてもよい。方向矢印又は同様のインジケータも提供され得る。
【0115】
開示された実施形態の機構の様々な他の適応及び組み合わせは、本発明の範囲内である。数多くの実施形態が、以下の請求項によって包含される。