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特許6992118ユーティリティメータにおける改竄検出のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ユーティリティメータにおける改竄検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/86 20130101AFI20220105BHJP
【FI】
G06F21/86
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020083062
(22)【出願日】2020-05-11
(62)【分割の表示】P 2015019820の分割
【原出願日】2015-02-04
(65)【公開番号】P2020144902
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2020-05-25
(31)【優先権主張番号】14/175,833
(32)【優先日】2014-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516083760
【氏名又は名称】アクララ ミーターズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・マシュー・エイケン
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/118257(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーティリティメータであって、
ユーティリティの消費をモニタするように構成された計量回路、
1つまたは複数の波長の光を放射するように構成された放射器、および
射された前記光を受け取るように、かつ受け取った前記放射された光を示す信号を生成するように構成された検出器を支持する本体と、
前記本体に対して取り外し可能に取り付けられ、前記本体に対して閉位置から開位置に移動可能なメータカバーであって、反射面と通信する光修正機構を備え、この光修正機構は、前記カバーが前記閉位置にある間、前記ユーティリティメータの前記反射面と前記放射器および前記検出器の両方との間に配置されて、前記ユーティリティメータの前記反射面上のある位置へ向かって前記放射された光を集束するように構成されたレンズを備える、前記メータカバーと、
前記放射器及び前記検出器と通信可能に結合され、前記検出器によって生成された前記信号に基づいて、前記メータカバーが前記閉位置にあるか、または開位置にあるかを判定するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサが前記検出器によって生成された信号を受信すると前記メータカバーが前記閉位置にあると判定し、前記プロセッサが前記信号を受信しないと前記メータカバーが開位置にあると判定する、前記プロセッサとを備えるユーティリティメータ。
【請求項2】
前記反射面が前記レンズに向かって前記光を反射するように構成され、前記レンズが前記反射面から反射された前記光を前記検出器へ向けるように構成される、請求項1記載のユーティリティメータ。
【請求項3】
本体と前記本体に取り外し可能に取り付けられ且つ閉位置から開位置へ移動可能なメータカバーとを有するユーティリティメータのための改竄検出システムであって、
1つまたは複数の波長の光を放射するように構成された放射器と、
射された前記光を受け取るように構成された検出器と、
前記メータカバーが前記閉位置にある間、前記ユーティリティメータの反射面と前記放射器および前記検出器の両方との間に配置されるように構成されたレンズを備える光修正機構と、
前記放射器及び前記検出器と通信可能に結合され、前記検出器によって生成された信号に基づいて、前記メータカバーが前記閉位置にあるか、または開位置にあるかを判定するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサが前記検出器によって生成された信号を受信することによって前記メータカバーが前記閉位置にあると判定し、前記プロセッサが前記信号を受信しないと前記メータカバーが開位置にあると判定する、前記プロセッサと
を備える改竄検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題は、ユーティリティメータにおける改竄検出に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーティリティ消費を測定するユーティリティメータによって、電気提供業者などのユーティリティ提供業者は、消費者のユーティリティの使用量をモニタすることが可能な場合がある。ユーティリティメータは、手動で読み取られるが、これは、コストがかかり、非能率的で、間違いを生じる可能性がある。場合によっては、ユーティリティ提供業者は、通信ネットワークを介してユーティリティメータを遠隔からモニタすることができる。そうした場合、ユーティリティ提供業者の技能者は、ユーティリティメータに物理的にアクセスして、例えば、メータの保守を行う、またはユーティリティメータの1つまたは複数の動作パラメータに対する調整を行うことができる。したがって、ユーティリティメータは、ユーティリティメータへの物理的なアクセスを容易にするために取外し可能なカバーを含む場合がある。残念なことに、ある状況では、認定されていない人が、例えば、ユーティリティ消費データを変えようとして、またはユーティリティの代金を払っていない住宅にユーティリティを復旧しようとして、カバーを取り外し、ユーティリティメータに物理的にアクセスしようとする場合がある。したがって、あるユーティリティメータは、改竄または不正使用を受ける場合がある。
【0003】
本明細書に開示されるある実施形態の要約について以下に述べる。これらの態様は、読者にこれらのある実施形態の概要を単に提供するために提示されており、これらの態様が本開示の範囲を限定することは意図されていないことを理解されたい。実際、本開示は、以下で述べられない場合がある様々な態様を包含することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2013/0076340号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、ユーティリティメータは、ユーティリティの消費をモニタするように構成された計量回路を支持する本体、1つまたは複数の波長の光を放射するように構成された放射器、ならびに光を受け取り、かつ受け取った光を示す信号を生成するように構成された検出器を含む。また、ユーティリティメータは、本体に対して配置するように構成されたメータカバーを含む。メータカバーは、メータカバーの内部表面に結合された光修正機構を含む。光修正機構は、メータカバーが本体に対して閉位置にある限りは、放射光の向きを変え、放射光を検出器に向けるように構成される。また、ユーティリティメータは、検出器によって生成された信号に基づいて、メータカバーが閉位置にあるか、または開位置にあるかを判定するように構成されたプロセッサを含む。
【0006】
一実施形態において、システムは、ユーティリティメータのための改竄検出システムを含む。改竄検出システムは、光を放射するように構成された放射器、および光を受け取るように構成された検出器を含む。また、改竄検出システムは、メータカバーがユーティリティメータに対して閉位置にある限りは、光を放射器から検出器までの経路に沿って導くのを支援するように構成された光修正機構であって、メータカバーがユーティリティメータに対して開位置にある場合は経路が遮断される、光修正機構を含む。
【0007】
一実施形態において、ユーティリティメータの改竄を検出する方法は、ユーティリティメータに結合された放射器によって光を放射するステップと、カバーがユーティリティメータに対して閉位置にある限りは、ユーティリティメータのカバーに結合された光修正機構によって、放射器によって放射された光の向きを変え、光をユーティリティメータに結合された検出器に向けるステップとを含む。また、本方法は、ユーティリティメータのプロセッサを使用するステップと、ユーティリティメータの検出器で受け取った光の強度をモニタするステップと、検出器で受け取った光の強度を所定のしきい値強度と比較するステップと、検出器で受け取った光の強度が所定のしきい値を下回る場合に、ユーティリティメータの改竄事象の識別を行うステップとを含む。
【0008】
これらならびに他の本発明の特徴、態様および利点は、図面全体にわたって同様の文字が同様の部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、一層よく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電力消費をモニタし、改竄事象を検出するように構成されたエネルギーメータを有する電気系統の実施形態のブロック図である。
図2】改竄事象を検出するように構成されたエネルギーメータの実施形態のブロック図である。
図3図2のエネルギーメータの実施形態の正面図である。
図4図2のエネルギーメータとともに使用されることがあるカバーの実施形態の斜視図である。
図5】改竄事象の検出を容易にするために、光学部品、および180度だけ光の向きを変えるように構成された光修正機構を有するカバーを含むエネルギーメータの実施形態の分解斜視図である。
図6】カバーが閉位置にあり、光修正機構が光学部品に近接して配置された図5のエネルギーメータの実施形態の一部切欠き斜視図である。
図7】カバーが閉位置にあり、光修正機構が光学部品に近接して配置された図5のエネルギーメータの一部の概略側面図である。
図8】改竄事象の検出を容易にするために、光学部品、および90度だけ光の向きを変えるように構成された光修正機構を有するカバーを含むエネルギーメータの実施形態の斜視図である。
図9】カバーが閉位置にあり、光修正機構が光学部品に近接して配置された図8のエネルギーメータの一部の概略上面図である。
図10】改竄事象の検出を容易にするために、光学部品、および光を集束するように構成された光修正機構を有するカバーを含むエネルギーメータの実施形態の斜視図である。
図11】カバーが閉位置にあり、光修正機構が光学部品に近接して配置された図10のエネルギーメータの一部の概略上面図である。
図12】改竄事象を検出するための方法の実施形態のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態について以下に記載する。これらの実施形態を簡潔に記載するため、実際の実施態様のすべての特徴については本明細書で記載されない場合がある。いかなるそうした実際の実施態様の開発においても、いかなるエンジニアリングまたは設計プロジェクトにおいても同様だが、開発者の特有の目標、例えばシステム関連およびビジネス関連の制約の順守を達成するために、数多くの実施態様特有の決定を行わなければならず、これらの決定が実施態様ごとに変わることがあることを理解されたい。さらに、そうした開発努力は、複雑で時間がかかることがあるが、それにもかかわらず、本開示の利点を有する当業者にとっては設計、作製、および製造のルーチン作業になるであろうことを理解されたい。
【0011】
本発明の様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、および「前記(said)」は、要素の1つまたは複数があることを意味することが意図されている。用語「備える」、「含む」、および「有する」は、包括的であり、列挙された要素以外の追加の要素があってもよいことを意味することが意図されている。さらに、以下の議論におけるいかなる数値例も、非限定的であることが意図されており、したがって追加の数値、範囲、および割合は、開示された実施形態の範囲内にある。
【0012】
あるユーティリティメータは、ユーティリティメータのカバーを取り外してユーティリティメータの制御要素にアクセスすることによって改竄を受けることがある。ユーティリティメータには、エネルギーメータ、水道メータおよび下水メータが含まれる。エネルギーメータには、電気メータ、および天然ガスメータなどのガスメータが含まれてもよい。さらに、以下で論じるように、ユーティリティメータには、スマートユーティリティメータが含まれてもよい。改竄検出システムは、ユーティリティメータのいずれで使用されてもよいが、以下の議論は、開示された改竄検出システムから利益を得ることができる一例として、電気メータなどのエネルギーメータに焦点を当てる。上記したように、認定されていないユーザがエネルギーメータのカバーを取り外し、エネルギーメータのある制御要素を操作することによって電気を復旧しようとし、またはユーティリティ消費データを変更しようとする場合がある。したがって、ユーティリティメータのカバーの取外しを検出して改竄事象を検出するように構成されたシステムおよび方法が本明細書に開示される。
【0013】
開示された実施形態は、光学技法を利用してカバーの取外しを検出し、このカバーがユーティリティメータに対して透き通った(例えば、透明な)カバーであってもよい。ユーティリティメータのカバーの取外しは、改竄事象を示すことがある。開示された実施形態がない場合、ユーティリティメータのカバーの取外しおよび改竄事象を検出するための技法は、ユーティリティメータの透明カバーに結合されたスイッチまたは不透明な反射部品を利用することがある。そうした技法は、様々な部品間(例えば、スイッチとメータ回路間、またはカバーと不透明な部品間)の物理的接触を必要とし、したがって輸送中に損傷し、落下し、または他の機械的な力を受ける。さらに、そうした技法は、本明細書で開示された実施形態と比較して、ユーティリティメータのある内部部分の視認性を妨げることがあり、追加の部品が必要な場合があり、より複雑な構造を有することがあり、かつ/またはより高いコストがかかる場合がある。
【0014】
前述の点を念頭において、本実施形態は、改竄事象の検出を容易にするために、ユーティリティメータ内部に配置された光学部品(例えば、放射器および検出器)を含むことができる。放射器は、1つまたは複数の波長の光を放射するように構成されえて、検出器は、光を検出するように構成されうる。検出器で受け取った光は、カバーがユーティリティメータ上に適切に配置されたかどうかを判定するためにモニタされうる。ユーティリティメータのカバーは、カバーがユーティリティメータに対して閉位置(例えば、オンの位置)にある限りは、放射光を検出器に向けるように構成された光修正機構を含むことができる。例えば、光修正機構は、検出器へ向かう光を反射するように構成されたプリズム、または検出器へ向かう光を集束するように構成されたレンズであってもよい。したがって、放射光が検出器で受け取られている限りは、ユーティリティメータに関連付けられたプロセッサは、カバーが閉位置にあり、ユーティリティメータ上に適切に配置されていると判定することができる。しかし、放射光が検出器で受け取られない限り、または検出器で受け取った光の強度が所定のしきい値強度を下回る限りは、プロセッサは、カバーが開位置(例えば、オフの位置)にあり、またはユーティリティメータ上に適切に配置されておらず、したがって、改竄事象が起こったと判定することができる。改竄事象が起こったと判定すると、プロセッサは、例えば、可能性がある改竄事象をユーティリティメータに(例えば、不揮発性メモリに)ローカルに記録することができ、かつ/またはユーティリティ提供業者が適切な処置を講ずることができるようにユーティリティ提供業者に改竄事象を(例えば、通信網を介して)通知することができる。
【0015】
開示された実施形態は、改竄事象を検出するように構成されたエネルギーメータの文脈において論じられているが、他のタイプのユーティリティも目下考慮されていることに留意されたい。例えば、上述したように、開示された実施形態によるユーティリティメータは、電気、熱、ガス、水、またはその他のユーティリティのいずれか1つあるいはそれらの組合せをモニタすることができる。したがって、開示された実施形態は、改竄検出エネルギーメータの文脈において提示されているが、他の改竄検出ユーティリティメータ、例えば改竄検出熱メータ、改竄検出ガスメータ、改竄検出水量メータ、またはそれらの組合せが目下考慮されている。さらに、目下論じられているようなエネルギーメータは、ガスメータ、電気メータまたはそれらの組合せを含むことができる。
【0016】
前述の点を念頭において、図1は、電力を電力網14へ供給する電力会社12を含む電気系統10のブロック図を示す。電力網14上の負荷は、例えば、居住用および/または商用の施設16を含んでもよい。改竄検出エネルギーメータ20は、施設16による電力消費をモニタすることができる。上述したように、かつ以下でより詳細に述べるように、改竄検出エネルギーメータ20は、それぞれのカバーの取外しを検出し、改竄事象の識別を容易にするように構成される。
【0017】
通常の動作状態では、改竄検出エネルギーメータ20は、それらが取り付けられた施設16によって消費された電力をモニタすることができる。さらに、改竄検出エネルギーメータ20は、通信ネットワークの一部であることがあるデータ通信リンク22を介して電力会社12と通信することができる。そうしたデータ通信リンク22は、有線(例えば、有線の電気通信インフラによる)であっても、あるいは無線(例えば、セルラネットワークまたはWiMaxなどの他の無線ブロードバンド)であってもよい。同様に、電力会社12は、様々な改竄検出エネルギーメータ20と通信するように構成された通信リンク24を用いることができる。例えば、改竄検出エネルギーメータ20は、通信リンク22を介して改竄事象を示すデータを伝えることができる。
【0018】
また、以下でより詳細に論じるように、改竄検出エネルギーメータ20は、例えば、不払い、天候もしくは地震活動などの自然の出来事により施設16の1つまたは複数に電気が提供されていない場合に、あるいは改竄検出エネルギーメータ20の製造中および1つまたは複数の施設16への輸送中に低電力状態で改竄事象を検出するように構成されてもよい。例えば、ある実施形態によると、改竄検出エネルギーメータ20は、太陽光電源またはバッテリ電源(すなわち、エネルギー貯蔵ユニットもしくはバッテリからの電気エネルギー)などの任意の適切な電力源を利用して、改竄検出エネルギーメータ20の低電力状態(すなわち、無電力状態または基本電力状態)においてある構成部品の動作を維持することができる。
【0019】
改竄検出エネルギーメータ20は、様々な形態のいずれもとることができる。改竄検出エネルギーメータ20の一実施形態を図2に示す。図示するように、改竄検出エネルギーメータ20は、電力網14につながれている。電力は、ACライン26から1つまたは複数の施設16(例えば、AC負荷)に流れる。図示する実施形態では、ACライン26は、1つまたは複数の位相線28および中立線30を介して送電することができる。改竄検出エネルギーメータ20は、改竄検出エネルギーメータ20の内部電力消費用の、1つまたは複数の位相線28および中立線30に結合することができる電源回路32を介して電力を得ることができる。停電が起きた場合に電力消費データをバックアップするために、例えば、電源回路32は、バッテリおよび/またはスーパコンデンサ34(すなわち、エネルギー貯蔵ユニット)を充電することもできる。代替実施形態では、バックアップ電力は、再充電できないバッテリによって供給されてもよい。また、以下で詳細に論じるように、バッテリ/スーパコンデンサ34は、改竄検出エネルギーメータ20の様々な要素に電気エネルギーを提供することによって、低電力状態での改竄検出を可能とする場合がある。
【0020】
計量回路36は、1つまたは複数の施設16へのACライン26を伝わる電圧および電流をモニタすることによって、電力消費を確認することができる。電流変圧器(CT)40および電流検知回路42は、1つまたは複数の位相線28を通って流れる電流を求めることができる。一部の実施形態では、計量回路36は、液晶表示装置(LCD)などの電子表示装置44および/またはプロセッサ46に現在の電力消費値を出力することができる。計量回路36は、電圧および電流の入力を検知し、対応するパルスをプロセッサ46へ送ることができ、このプロセッサ46がエネルギー蓄積、力率、有効電力、無効電力、最大需要電力などのデータを計算する。データは、メモリ48および/または不揮発性記憶装置50に保存されてもよい。
【0021】
また、一部の実施形態では、プロセッサ46は、改竄事象を検出するようにかつ/または改竄事象に関連する情報を決定するように構成されてもよい。そうした情報は、メモリおよび/または不揮発性記憶装置50に保存されてもよい。例えば、改竄検出エネルギーメータ20のカバーが取り外された時間および/または日付が記録され保存されてもよい。以下で論じるように、改竄事象および/または改竄事象に関係する情報を示す信号は、例えば、通信リンク22を介してユーティリティ提供業者に送信されてもよい。情報は、非限定的な例を挙げると、改竄事象の時間および/または日付、改竄検出エネルギーメータ20の識別データ、顧客の識別名、GPSデータ、あるいはそれらの任意の組合せを含んでもよい。改竄検出エネルギーメータ20のプロセッサ46は、改竄事象を判定または識別することができるが、別個の処理装置(例えば、別個のモニタリングシステムまたは計算機システムの一部)を利用して、改竄事象を判定または識別することができることを理解されたい。例えば、信号または情報は、例えば、通信リンク22を介して別個の処理装置に提供されてもよく、別個の処理装置が信号を処理および/または分析して、改竄事象を識別することができる。別個の処理装置は、プロセッサ46に関して論じたものと同様の処理機構を有することができる。
【0022】
プロセッサ46は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、例えば、1つまたは複数の「汎用」マイクロプロセッサ、1つまたは複数の特定用途向けプロセッサ(ASIC)、フィールドプログラマブルアレイ(FPA)、あるいはそうした処理構成要素の組合せを含んでもよく、これらが改竄検出エネルギーメータ20の一般的な動作を制御することができる。例えば、プロセッサ46は、1つまたは複数の命令セットプロセッサ(例えば、RISC)および/または他の関連するチップセットを含んでもよい。メモリ48および/または不揮発性記憶装置50は、電流および/またはある電力消費履歴値を保存し、さらにプロセッサ46が改竄事象の発生を検出または判定し、改竄事象に関連する情報を決定することができるように、かつこの決定に基づいてある処置を講ずることができるように命令を提供することができる。
【0023】
改竄事象を検出するためにプロセッサ46によって実行されるプログラムまたは命令は、実行される命令またはルーチンを少なくともひとまとめにして保存する1つまたは複数の不揮発性の、有形の、コンピュータ可読媒体を含む任意の適切な構成要素、例えば、限定されないが、以下に記載されるメモリ装置および記憶装置に保存されてもよい。また、そうしたコンピュータプログラム製品上でエンコードされたこれらのプログラムは、改竄検出エネルギーメータ20が様々な機能、例えば、ユーティリティ提供業者12との通信および/または改竄事象の表示装置44上での視覚的な表示を行うことができるように、プロセッサ46によって実行されてもよい命令を含むこともできる。
【0024】
例えば、プロセッサ46によって処理される命令またはデータは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、読取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリ、またはRAMデバイスとROMデバイスの組合せを含むことができるメモリ48に保存されてもよく、あるいはプロセッサ46および/または計量回路36内部に保存されてもよい。メモリ48は、改竄検出エネルギーメータ20のためのファームウェア、例えば、基本入出力システム(BIOS)、オペレーティングシステム、様々なプログラム、アプリケーション、あるいはユーザインターフェース機能、プロセッサ機能、通信機能、画像取得機能、オーディオ代替機能、媒体再生機能などを含む、改竄検出エネルギーメータ20上で実行されうるその他のルーチンを保存することができる。プロセッサ46がそうした情報および/またはファームウェアをその内部メモリ内に保存することができる場合、メモリ48は、任意選択であってもよい。上記したように、改竄事象、改竄検出エネルギーメータ20、顧客、またはそれらの任意の組合せに関係する情報も、ユーティリティ提供業者に提供されてもよい。
【0025】
上述したように、改竄検出エネルギーメータ20は、電力会社12と通信して、改竄事象に関連する情報を含む、様々なデータおよび情報を提供することができる。そうした通信は、1つまたは複数の通信リンク22を介して行われてもよく、この通信リンク22には、ブルートゥースネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(PAN)、802.11xWi-Fiネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)、3Gまたは4Gのセルラネットワーク(例えば、WiMax)などの広域ネットワーク(WAN)、赤外線(IR)通信リンク、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、および/または電力線通信(PLC)もしくは電力線搬送通信(PLCC)などの電力線データ伝送ネットワークのためのインターフェースが含まれてもよい。さらに、改竄検出エネルギーメータ20は、計算装置(例えば、コンピュータもしくは携帯電話)または入力装置(例えば、キーボード)などの様々な周辺装置56と接続することができる。
【0026】
ある実施形態では、電力会社12は、改竄検出エネルギーメータ20と通信して、1つまたは複数の施設16への電力の流れを遠隔から制御することができる。通信リンク22を介して電力会社12から受け取った命令に基づいて、プロセッサ46は、相応してリレー制御回路58にリレー59を開く、または閉じるように命じることができる。例えば、消費者が、受け取っている電力の代価を払っていない場合、リレー59を開いて、1つまたは複数の施設16をACライン26から切断することができる。
【0027】
不揮発性記憶装置50は、改竄検出に関連するデータおよび/または命令を永続的に保存するために利用されてもよい。不揮発性記憶装置50は、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または他の光学、磁気、および/または固体の記憶媒体を含んでもよい。非限定的な例を挙げると、不揮発性記憶装置50を使用して、計量回路36によって求められるような電力消費の履歴、ならびに電力会社12によって改竄検出エネルギーメータ20に伝えられるような消費者の計量勘定収支情報、動的な電力価格、改竄事象、および/または電力網14上の異常活動の表示などのデータファイルを保存することができる。例えば、ある実施形態では、不揮発性記憶装置50は、改竄事象の時間および/または日付を保存することができる。
【0028】
図示するように、改竄検出エネルギーメータ20は、プロセッサ46と通信可能に結合された放射器60および検出器62を含む。放射器60は、1つまたは複数の波長の光を放射するように構成されえて、検出器62は、1つまたは複数の波長の光を検出するように構成されうる。一部の実施形態では、放射器62は、任意の適切な波長の光、例えば、1つまたは複数の波長の赤外(IR)光を放射するように構成された発光ダイオード(LED)であってもよい。例えば、一部の実施形態では、放射器60は、およそ700nm~990nm、およそ750nm~900nm、またはおよそ800nm~850nmの光を放射するように構成されてもよい。一部の実施形態では、放射器62は、光を連続的に放射するように構成されてもよい。ある実施形態では、放射器62は、光を周期的に(例えば、所定間隔で、例えば、約1分、5分、15分、60分ごとに、またはより長い間隔で)放射するように構成されてもよい。任意の適切な検出器62が設けられてもよく、一部の実施形態では、検出器62は、フォトダイオードである。一部の実施形態では、検出器62は、放射器62によって放射された1つまたは複数の波長の光を検出するように調整されてもよく、こうして、周辺光の検出を妨げるように構成されてもよい。
【0029】
一部の実施形態では、放射器60および/または検出器62は、例えば、プロセッサ46、表示装置44、および/または改竄検出エネルギーメータ20の他の要素、例えば、計量回路36、NV記憶装置50、メモリ48、1つまたは複数の通信装置54、様々な周辺装置56、またはそれらの任意の組合せを支持する回路板53(例えば、主メータ組立体回路板)と結合および/または一体化されてもよい。そうした場合、放射器60および/または検出器62は、改竄検出ユーティリティメータ20の反射面から適切な距離(例えば、不透明なまたは反射する壁など)に配置されてもよい。例えば、放射器60および/または検出器62は、改竄検出ユーティリティメータ20の反射面から少なくともおよそ2ミリメートル(mm)~7mm離れて配置されてもよい。
【0030】
放射器60および検出器62は、改竄検出センサー64、またはその一部をともに形成することができる。プロセッサ46は、放射器60によって放射された光が検出器62で受け取られたかどうかに基づいて改竄事象を検出するように構成されてもよく、それによって、以下でより詳細に論じるように、改竄検出エネルギーメータ20のカバーが閉位置にあるかまたは開位置にあるかを示すことができる。一部の実施形態では、検出器62で受け取った光の強度は、プロセッサ46などによってモニタされてもよい。そうした場合、プロセッサ46は、検出器62で受け取った光の強度の変化が所定のしきい値割合を上回る場合、および/または検出器で受け取った光の強度が所定のしきい値強度を下回る場合に、改竄事象を検出するように構成されてもよい。
【0031】
図3は、カバー70および本体72を有する改竄検出エネルギーメータ20、以降「メータ」の実施形態の正面図である。図示するように、カバー70の上部壁74(例えば、前面壁)の少なくとも一部は、メータ20の様々な内部構成要素を見やすくするために実質的に透明であるが、一部の実施形態では、カバー70はすべて透明である。メータ20は、略矩形の幾何学形状を有することができるが、メータ20、本体72、および/またはカバー70は、任意の適切な形状または幾何学形状、例えば、正方形、矩形、三角形、円形、半円形、もしくは楕円形であってもよい。
【0032】
図示するように、カバー70は、カバー70を本体72に結合するように構成されたカバー留め具76を含む。任意のカバー留め具76が目下考えられるが、非限定的な例を挙げると、カバー留め具76は、ねじ部品(例えば、ボルトまたはねじ)、歯、締まり嵌め、摩擦嵌め、スナップ嵌め(例えば、凹部または開口部に係合するテーパ付けされたリップ)、留め金、またはそれらの任意の組合せによってカバー70を本体72に結合することができる。図示する実施形態では、カバー留め具76は、上部壁74の外部表面77に近接して配置され、かつアクセス可能であり、カバー留め具76は、ねじおよび/または締まり嵌めもしくは摩擦嵌めを使用する回転可能な継ぎ手であり、カバー70を本体72から取り外しにくくする。そうした耐性の提供は、人がカバー70を本体72から取り外すことができる容易さおよび速さを制御するのに望ましいことがある。
【0033】
図4は、図2のメータ20とともに利用することができるカバー70の斜視図である。図示する実施形態では、カバー70は、カバー70の向かい合った側壁78間に延在する上部壁74を含む。また、カバー70は、以下でさらに詳細に論じるように、改竄検出を可能にするための光修正機構80を含む。光修正機構80は、改竄検出センサー64の一部であってもよく、または放射器60および検出器62とともに改竄検出センサー64を形成してもよい。光修正機構80は、上部壁76の内部表面82から延出(例えば、突出)することができ、相対する側壁78間に配置されてもよい。ある実施形態では、光修正機構80は、上部壁70から垂直に延出してもよく、かつ/または相対する側壁78と実質的に平行であってもよい。
【0034】
ある実施形態では、光修正機構80は、カバー70と一体的に、ギャップなしに、かつ/または連続的に形成されてもよい。ある実施形態では、カバー70および光修正機構80は、均質な単一の材料(例えば、一体型の構造)から形成されてもよい。例えば、光修正機構80を有するカバー70は、均質な単一の材料を所望の構成に成型することによって形成されてもよい。したがって、一部の実施形態では、光修正機構80は、カバー70と物理的に分離していない。一部の実施形態では、カバー70および光修正機構80は、同じ光学特性を有してもよい。例えば、ある実施形態では、カバー70の一部もしくはすべて、および/または光修正機構80の一部もしくはすべては、透明であってもよい。したがって、本開示によるメータ20は、改竄事象を検出するように構成されえて、さらに全体的に低コストの、簡単な、かつ/または頑丈な構成を有することができる。
【0035】
図5は、改竄事象の検出を容易にするために、光学部品、および180度だけ光の向きを変えるように構成された光修正機構80を有するカバー70を含むメータ20の実施形態の分解斜視図である。図示するように、カバー70は、開位置84にあり、本体72に矢印88の方向に取り付けられるように構成される。上記したように、他の実施形態では、カバー70および/または本体72は、任意の適切な形状、幾何学形状、および/または構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、一部の実施形態では、カバー70は、カバー70を本体72に付けるために、本体72に対して回転および/または枢動することができる。一部のそうした構成では、カバー70は、例えば、メータ20の中心軸を中心に、またはメータ20のヒンジを中心に回転することができる。
【0036】
図示するように、本体72は、回路板53などの、メータ20のある構成要素を保護するように構成された面板90を含む。面板90は、メータ20のある構成要素を見えなくするために不透明であってもよい。一部の実施形態では、放射器60および検出器62は、任意の適切な方法で回路板53に結合されてもよく、こうして面板90によってやはり保護されてもよい。図示する実施形態では、放射器60および検出器62は、回路板53に結合された(例えば、取り付けられた)ハウジング92内部に配置される。
【0037】
本体72およびカバー70は、カバー70が本体72に付けられるときに、光修正機構80と放射器60および検出器62との位置合せが容易となるように構成されてもよい。例えば、1つまたは複数の位置合せガイド(例えば、突起および対応するスロット)が本体72および/またはカバー70上に設けられてもよい。別の例を挙げると、本体72の面板90は、カバー70の光修正機構80を受けるように構成された開口部94を含むことができる。そうした場合、カバー70が本体72に付けられるときに、光修正機構80は、開口部94を通って延出し、放射器60および検出器62と位置合せされ、放射器60および検出器62に近接して配置される。光修正機構80は、例えば、矩形または三角形などの任意の適切な水平の断面形状を有してもよい。光修正機構80は、光修正機構80の長さ96に沿って均一な水平の断面形状を有することができる。以下でより詳細に論じるように、光修正機構80の端部98は、光の向きを修正するために、1つまたは複数の反射面または傾斜面などの構造要素を含んでもよい。
【0038】
図6は、カバー70が閉位置100にあり、放射器60および検出器62に近接して配置された光修正機構80の端部98を有する図5のメータ20の実施形態の一部切欠き斜視図である。カバー70が閉位置100にある限りは、放射器60によって放射された光は、光修正機構80に当たる。図示する実施形態では、光修正機構80は、放射光の向きをおよそ180度だけ変えるように構成された構造要素を含む。例えば、以下でより詳細に論じるように、構造要素は、分岐反射面(例えば、v字形状構造または分岐構造)を含むことができる。したがって、カバーが閉位置100にある限りは、放射光は、光修正機構80によって放射器60に隣接する検出器62に向かって反射される。
【0039】
図7は、カバー70が閉位置100にある図5および図6のメータ20の一部の概略側面図である。図示するように、光修正機構80は、カバー70が閉位置100にある限りは、放射器60によって放射された光を検出器62に向かって反射する。図示する実施形態では、放射器60および検出器62は、互いに並んでまたは隣接して配置される。さらに、光修正機構80は、2つの反射面110、112(例えば、分岐反射面または分岐反射器)を互いに対してある角度114(例えば、90度)で配置した光反射機構(例えば、プリズムまたはポロプリズム)である。放射器60によって放射された光は、第1の経路116に沿って進み、第1の反射面110に当たる。光は、第1の反射面110から反射されて第2の経路118に沿って第2の反射面112へ向かう。第2の反射面112は、第1の経路114と平行に、第3の経路120に沿って光を検出器62に向かって反射する。一部の実施形態では、光修正機構80は、第1の経路116および第2の経路118に対して垂直に配置された底部表面119を含み、それによって光が底部表面119を通過することによって分散または変更されないようにする。放射光は、光修正機構80の第1および第2の反射面110、112によって内部に全反射されてもよい。光修正機構80は、光を180度の全角度を通して反射することができ、検出器62に向かって反射された光は、放射器62によって放射された光と距離122だけずれもよい。したがって、検出器62は、図示するように、放射器60に隣接して放射器60から距離122に配置されてもよく、カバー70が閉位置100にある限りは、光修正機構80による光の反射により放射光を検出することができる。他の実施形態では、光修正機構80の第1および第2の反射面110、112は、任意の適切な全角度(例えば、60~120度、70~110度、または80~100度)を通して光を反射するように構成されてもよく、放射器60および検出器62は、本明細書に開示されるように、改竄検出のための光の放射および検出が可能となるように適正な位置に配置することができる。
【0040】
しかし、カバー70が閉位置100にない(例えば、カバー70がメータ20から取り外されている)限りは、光修正機構80は、放射器60および検出器62に近接して配置されない。したがって、カバー70が閉位置100にない場合、放射器60によって放射された光は、第1の経路116に沿って進み、反射面110、112によって検出器62に向かって反射されない。プロセッサ46は、光が検出器62で受け取られたかどうかに基づいて、カバー70がメータ20から取り外された、かつ改竄事象が起こったと判定するように構成されてもよい。一部の実施形態では、検出器62で受け取った光の強度がモニタされてもよい。そうした場合、プロセッサ46は、検出器62で受け取った光の強度が所定のしきい値強度を下回る場合に、改竄事象が起こったと判定するように構成されてもよい。改竄事象が検出される場合、プロセッサ46は、上で論じたように、改竄事象を記録することができ、かつ/または改竄事象をユーティリティ提供業者に伝えることができる。ある実施形態では、メータ20をロックする、ユーティリティのサービスを終了するなどの他の制御動作をとることができる。
【0041】
上記したように、一部の状況では、電力が1つまたは複数の施設16に(例えば、停電により)提供されていない場合でさえ、メータ20が改竄事象を検出し続けることができることが望ましい場合がある。そうした場合、メータ20は、ACライン26(図2)などの外部電源から電力を取り出すことができない可能性があり、太陽光電源および/またはバッテリ/スーパコンデンサ34(図2)などの任意の適切な電源によって電力が供給されてもよい。メータ20は、あるプロセス、例えば、間欠通信、不揮発性記憶装置50、メモリ48、および/またはプロセッサ46内部に保存されたデータの維持、ならびに/あるいは改竄事象の検出のためにのみバッテリ/スーパコンデンサ34から電力を取り出すように構成されてもよい。一部の実施形態では、メータ20は、そうした状況においてメータ20の改竄検出センサー64の動作を引き延ばすために、太陽光電力またはバッテリ/スーパコンデンサ24からの電力でのみメータ20が動作しているときに、放射器60が光を放射する頻度を調整する(例えば、光を連続的にではなく周期的に、あるいはそれほど頻繁でない時間間隔で放射する)ように構成されてもよい。したがって、メータ20は、放射器60が第1の頻度で光を放射する通常の改竄検出モードを有してもよく、放射器60が第1の頻度よりも少ない第2の頻度で光を放射する低電力改竄検出モード(例えば、太陽光電源および/またはバッテリ/スーパコンデンサ34によって電力が供給される場合)を有してもよい。
【0042】
図8は、改竄事象を検出するために、光学部品、および90度だけ光の向きを変えるように構成された光修正機構80を有するメータ20の実施形態の一部切欠き斜視図である。図示するように、放射器60および検出器62は、斜め構成で、例えば、互いに対して垂直に配置されてもよく、回路板53に結合されてもよく、またはその他の方法でメータ20の本体72に間隔を置いて結合されてもよい。一部のそうした実施形態では、放射器60は、第1のハウジング130内部に配置されてもよく、検出器62は、第2のハウジング132内部に配置されてもよい。図3図6に関して上で論じたように、光修正機構80は、カバー70の上部壁74の内部表面82から延出することができ、端部98は、カバー70が閉位置100にある限りは、放射器60および検出器62に近接して(例えば、近くに、または隣接して)配置されてもよい。上記したように、光修正機構80は、任意の適切な断面積を有することができる。図示するように、光修正機構80は、その長さ96(図4)の一部に沿って矩形の断面形状を有し、かつ端部98で三角形の断面形状を有することができる。他の実施形態ではあるが、光修正機構80は、その長さ96に沿って略均一な三角形または矩形の断面を有することができる。光修正機構80の断面形状とは無関係に、カバー70および本体は、例えば開口部94を介して、光修正機構80と放射器60および検出器62とが位置合せされるように構成されてもよい。したがって、放射器60および検出器62は、斜め構成、ならびに放射器60が光修正機構80へ向かって光を放射することができ、検出器62が光修正機構80から反射された光を検出することができる構成で、光修正機構80に対して配置される。
【0043】
図9は、カバー70が閉位置100にある図8のメータ20の一部の概略上面図である。図示するように、光修正機構80は、放射器60および検出器62の両方に対してある角度で1つの反射面134を有するプリズムである。放射器60は、第1の経路136に沿って光を光修正機構80へ向かって放射するように構成される。反射面134は、図示する実施形態では約90度である角度137だけ光を反射し、反射光は、第2の経路138に沿って検出器62に向かって進む。光修正機構80は、三角形の水平断面(例えば、正三角形の水平断面)を有することができる。第1の壁140および第2の壁142は、互いに対して、かつ第1の経路136および第2の経路138に対してそれぞれ垂直に配置されてもよく、それによって壁140、142を通過することによって光が分散または変更されないようにする。図示する構成では、放射器60および検出器62は、斜め構成で(例えば、互いに傾斜して)配置される。放射器60および検出器62が、約90度、60~120度、70~110度、または80~100度などの、互いに対して任意の適切な角度で配置されてもよいことを理解されたい。さらに、放射器60、検出器62、および光修正機構80は、カバー100が閉位置にある限りは、検出器62での放射光の検出を容易にするように配置される。
【0044】
図7に関して上で論じたように、カバー70が閉位置100にない(例えば、カバー70がメータ20から取り外されている)場合、光修正機構80は、放射器60および検出器62に近接して配置されていない。カバー70が閉位置100にない限りは、放射器60によって放射された光は、反射面134によって検出器62へ向かって反射されない。プロセッサ46は、光が検出器62で受け取られたかどうかに基づいて、カバー70がメータ20から取り外された、かつ改竄事象が起こったと判定するように構成されてもよい。上記のように、改竄事象が検出される場合、プロセッサ46は、上で論じたように、改竄事象を記録することができ、かつ/またはユーティリティ提供業者に改竄事象を伝えることができる。メータ20をロックする、サービスを終了するなどの他の制御動作がとられてもよい。
【0045】
図8および図9に示す光修正機構80は、光の向きを90度だけ変えるように構成されているが、任意の適切な方法で、または任意の適切な角度だけ光の向きを変えるように構成されてもよいことを理解されたい。例えば、光修正機構80は、光の向きをおよそ10~170度、およそ20~150度、およそ50~125度、およそ75~100度、または他の任意の適切な角度137、例えば、45、60、75、80、105、120、135、150、165、もしくは180度だけ変えることができる。そうした場合、放射器60、検出器62、および光修正機構80は、カバーが閉位置100にある限りは、反射およびそれに続く検出器62での放射光の検出を容易にするように互いに対して配置される。
【0046】
図10は、改竄事象の検出を容易にするために、光学部品、および光を集束するように構成された光修正機構80を有するカバー70を有するメータ20の実施形態の一部切欠き斜視図である。光修正機構80は、レンズなどの光を集束するための任意の適切な形態を有することができる。さらに、光修正機構80は、光が1つまたは複数の方向に光修正機構80を通過することができる(例えば、光を透過させるまたは伝達することができる)ように構成されてもよい。図示するように、放射器60および検出器62は、互いに隣接して配置されてもよく、回路板53に結合されてもよい。一部の実施形態では、放射器60および検出器62は、回路板53に結合されたハウジング152内部に配置される。図3に関して上で論じたように、光修正機構80は、カバー70の上部壁74の内部表面82から延出してもよい。光修正機構80は、メータ20の側壁154などの、メータ20の任意の適切な光反射部分と放射器60および検出器62の一方または両方との間に配置されてもよい。側壁154は、不透明であってもよく、またはその他の方法で光を反射するように構成されてもよい。以下でより詳細に論じるように、放射器60、検出器62、光修正機構80、および側壁154は、放射器60が、光修正機構80を通って側壁154へ向かって光を放射することができ、検出器62が、側壁154によって反射され、光修正機構80によって集束された光を検出することができる構成に配置される。
【0047】
図11は、カバー70が閉位置100にある図10のメータ20の一部の概略上面図である。図示するように、放射器60および検出器62は、並んだ構成で配置される。放射器62によって放射された光は、第1の経路156に沿って光修正機構80へ向かって進む。光修正機構80は、光が光修正機構80を通過する場合に、光の方向または向きを変える(例えば、集束する)ことができる。光修正機構80は、光を第2の経路158に沿って側壁154の位置160(例えば、光反射領域)に向けることができる。光は、側壁154によって反射されえて、第3の経路162に沿って光反射機構80へ向かって進むことができる。光反射機構80は、光の方向または向きを再び変えることができ、光を第4の経路164に沿って検出器62に向けることができる。したがって、放射器60、検出器62、光修正機構80、および/または側壁54は、カバー100が閉位置にある限りは、放射光の検出器62での検出を容易にするように配置される。
【0048】
図7および図9に関して上で論じたように、カバー70が閉位置100にない(例えば、カバー70がメータ20から取り外されている)場合、光修正機構80は、放射器60および検出器62に近接して配置されていない。したがって、カバー70が閉位置100にない場合、放射器60によって放射された光は、検出器62に到達するように光修正機構80によって集束されず、または変更されない。プロセッサ46は、光が検出器62で受け取られたかどうかに基づいて、カバー70がメータ20から取り外された、かつ改竄事象が起こったと判定するように構成されてもよい。上記のように、改竄事象が検出された場合、上で論じたように、プロセッサ46は、改竄事象を記録することができ、かつ/またはユーティリティ提供業者に改竄事象を伝えることができる。
【0049】
図12は、ユーティリティメータ、例えば、メータ20で改竄事象を検出する方法の実施形態を示すプロセスフロー図である。具体的には、図12は、メータ20の動作の方法200の実施形態を示す。方法200は、コンピュータ実施方法であってもよく、方法200の各ステップは、例えば、持続的な機械可読媒体(例えば、不揮発性記憶装置50またはメモリ48)に保存されたコードまたは命令に基づいて行われてもよく、例えば、1つまたは複数のプロセッサ46によって実行されてもよい。方法200は、放射器60による光の放射から開始されてもよい(ブロック202)。上記のように、光は、任意の適切な波長であってもよく、連続的にまたは所定の間隔で放射されてもよい。
【0050】
プロセッサ46は、光が検出器62で受け取られたかどうかをモニタすることができる(ブロック204)。例えば、光が検出器62で受け取られる場合、検出器62は、プロセッサ46に送信される信号を生成することができる。しかし、光が検出器62で受け取られない場合は、検出器62は、プロセッサ46に信号を送信しない。場合によっては、検出器62で受け取った光の強度が、例えば、検出器62によって生成された信号の強度に基づいてモニタされてもよい。プロセッサ46は、検出器62で受け取った光に基づいて、改竄事象が起こったかどうかを判定することができる(ブロック206)。プロセッサ46は、例えば、光が検出器62で受け取られない場合、または放射器60によって放射された光の波長に対応する光が検出器62で受け取られない場合、改竄事象が起こったと判定することができる。場合によっては、プロセッサ46は、検出器62で受け取った光の強度が所定のしきい値を下回る場合に、改竄事象が起こったと判定することができる。
【0051】
改竄事象が検出される場合、プロセッサ46は、改竄事象が起こったことを示すことができる(ブロック208)。ブロック208によって表される行為には、非限定的な例を挙げると、カバー取外しに関連するデータ(例えば、取外しの日付および/または時間)を記録すること(例えば、保存)、ユーティリティ提供業者12に改竄事象が起こったと伝えること、表示装置44を介して改竄事象の可視表示を行うこと、メータ20または他の適切な位置で警報(例えば、視覚警報または可聴警報)を作動させること、あるいはそれらの任意の組合せが含まれてもよい。プロセッサ46は、メータ20の通信リンク22に命じて、1つまたは複数の外部機器、例えば、いくつか例を挙げると、外部の計量インフラ、携帯電話、パーソナルコンピュータ、または同様の機器と通信することができる。具体的には、メータ20が改竄事象を検出したという1つまたは複数の表示は、これらの機器のいずれか1つまたはそれらの組合せに伝えられてもよい。表示には、消費者および/またはメータ20の識別情報、可能性のある改竄が起こった時間および/または日付、あるいはそれらの任意の組合せが含まれてもよい。さらに、ある状況では、プロセッサ46は、表示装置44に可能性のある改竄状況が検出されたことを短く(例えば、数秒)可視的に表示させることができる。一部の実施形態では、表示装置44は、例えば、技能者または同様の認定された人がメータ20を通常動作にリセットするまで、この表示にロックされてもよい。非限定的な例を挙げると、一実施形態において、表示装置44は、「カバー取外し検出(COVER REMOVAL DETECTED)」もしくは「改竄検出(TAMPER DETECTED)」を表示することができ、さらにまたはあるいは、改竄事象の日付および/または時間を表示することができる。さらに、一部の実施形態では、メータ20は、例えば、認定されたコードおよび/または認定されたハードウェアを使用してメータ20をリセットすることによって改竄表示がメータ20から消去されるまで、メータ20の他の動作または計量されるユーティリティの使用を妨げることができる。一部の実施形態では、例えば、改竄表示がメータ20から消去されるまで、ユーティリティの提供を停止することができる。
【0052】
目下開示された実施形態の技術的な効果は、ユーティリティメータの改竄事象を検出するシステムおよび方法を含む。特に、ユーティリティメータは、1つまたは複数の光学部品および光修正機構を使用してカバーの取外しを検出するように構成されてもよく、カバー取外しの検出を利用して改竄事象を識別することができる。また、本明細書に開示された改竄検出システムは、例えば、改竄事象の表示、メータのロックなどの適切な応答または制御動作を開始するように構成されてもよい。
【0053】
本明細書は、最良のモードを含む、本発明を開示し、かつまたあらゆる当業者が、あらゆる装置またはシステムを作り使用すること、および組み込まれたあらゆる方法を行うことを含む、本発明を実行することができる例を使用する。本発明の特許の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思い付く他の例を含むことができる。そうした他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言と実質的な差がない等価な構造要素を含んでいる場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0054】
10 電気系統
12 電力会社
14 電力網
16 施設
20 改竄検出エネルギーメータ
22 通信リンク
24 通信リンク
26 ACライン
28 位相線
30 中立線
32 電源回路
34 バッテリ/スーパコンデンサ
36 計量回路
40 電流変圧器
42 電流検知回路
44 電子表示装置
46 プロセッサ
48 メモリ
50 不揮発性記憶装置
53 回路板
54 通信装置
56 周辺装置
58 リレー制御回路
59 リレー
60 放射器
62 検出器
64 改竄検出センサー
70 カバー
72 本体
74 上部壁
76 カバー留め具
77 外部表面
78 側壁
80 光修正機構
82 内部表面
84 開位置
88 矢印
90 面板
92 ハウジング
94 開口部
96 長さ
98 端部
100 閉位置
110 反射面
112 反射面
114 角度
116 第1の経路
118 第2の経路
119 底部表面
120 第3の経路
122 距離
130 ハウジング
132 ハウジング
134 反射面
136 第1の経路
137 角度
138 第2の経路
140 第1の壁
142 第2の壁
152 ハウジング
154 側壁
156 第1の経路
158 第2の経路
160 位置
162 第3の経路
164 第4の経路
200 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12