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特許6992123自動車の少なくとも1つの電気部品を封入するハウジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】自動車の少なくとも1つの電気部品を封入するハウジング
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20220105BHJP
   H05K 5/04 20060101ALI20220105BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H05K9/00 C
H05K5/04
B60R16/02 610A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020090049
(22)【出願日】2020-05-22
(62)【分割の表示】P 2018506599の分割
【原出願日】2016-08-31
(65)【公開番号】P2020150268
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】15183729.1
(32)【優先日】2015-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518238850
【氏名又は名称】ヴィオニア スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ウィグレン、ロゲル
(72)【発明者】
【氏名】グンス、メリ
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2802200(EP,A2)
【文献】特開2003-243057(JP,A)
【文献】特開2014-60093(JP,A)
【文献】実公昭48-28592(JP,Y1)
【文献】実開昭57-88990(JP,U)
【文献】特開2000-145099(JP,A)
【文献】特開2003-90319(JP,A)
【文献】特開2005-90736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 5/04
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の少なくとも1つの電子部品を封入するハウジング(10)であって、
外面に第1の周縁接続面(21)を有する第1のハウジング部材(20)と、
内面に第2の周縁接続面(31)を有する第2のハウジング部材(30)とを備え、
前記ハウジング部材(20、30)は、前記第1及び第2の周縁接続面(21、31)が接続状態において互いに面して位置するように設計され、
前記第1のハウジング部材(20)は、対応する前記第1の周縁接続面(21)から突出する複数の食込み要素(22)を備え、
前記食込み要素(22)は、前記第1の周縁接続面(21)に沿って見たときに、前記接続方向において前部が後部より狭くなるようなテーパ状に成形されるとともに、前記第1の周縁接続面(21)に対向する方向から見たときに、前記前部の方が前記後部よりも幅が狭くなるように成形され、
前記第2のハウジング部材(30)にはパッシベーション膜が形成され、
前記第1及び第2のハウジング部材(20,30)同士が接続された状態では、前記食込み要素(22)が前記パッシベーション膜を貫通することを特徴とするハウジング。
【請求項2】
前記食込み要素(22)は、前記第1の周縁接続面(21)に沿って見たときに、前記後端部側に傾斜していない直線部(27)を有し、
前記第1のハウジング部材(20)は、前記第2のハウジング部材(30)と接続されるときに、当該第2のハウジング部材(30)の前縁部が当接する停止面(42)を形成するフランジ(41)を備え、
前記食込み要素(22)の前記直線部(27)の後端は、前記停止面(42)まで延在することを特徴とする請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記第1及び第2の周縁接続面(21、31)は、前記接続方向に対して互いに平行に延びることを特徴とする請求項1又は2に記載のハウジング。
【請求項4】
前記食込み要素(22)は、前記第1の周縁接続面(21)上に分散配置されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のハウジング(10)。
【請求項5】
前記食込み要素(22)の、前記接続方向における前部(25)は、他方の前記第2の周縁接続面(31)よりも小さい寸法を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のハウジング。
【請求項6】
前記第2の周縁接続面(31)は、平坦面であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のハウジング。
【請求項7】
前記ハウジング部材(20、30)は、アルミニウム、好ましくはダイカストアルミニウムから作製されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のハウジング。
【請求項8】
前記食込み要素(22)は、前記第1の周縁接続面(21)に沿って等間隔に離間していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の少なくとも1つの電気部品を封入するハウジングに関する。ハウジングは、少なくとも、第1の周縁接続面を有する第1のハウジング部材と、第2の周縁接続面を有する第2のハウジング部材とを備え、これらのハウジング部材は、上記第1の周縁接続面及び上記第2の周縁接続面が接続状態において互いに面して位置するよう、接続方向に沿って互いに接続するように設計される。
【背景技術】
【0002】
自動車用のビジョンシステムのカメラデバイスは、通常、金属ハウジングによって保護される。ハウジングは、機械的応力又は損傷に対する保護を与えるだけでなく、電磁波も遮蔽すべきである。しかしながら、ハウジングが2つ以上のハウジング部材によって構成される場合、ハウジング部材によって構築されるファラデーケージが、ハウジング部材の接続面において隙間を有し得る。そのような場合、電磁波がハウジング内に侵入し、ハウジング内の電気部品の不具合を引き起こす可能性がある。また、ハウジング内の電気部品から生じる電磁波が、ハウジングの外部に侵出し、自動車における他の電気デバイスの不具合を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある問題は、ハウジング内外の電気部品を電磁波からより良好に保護及び遮蔽する信頼性の高いファラデーケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、この課題を、独立請求項に記載の特徴によって解決する。協働する第1のハウジング部材及び第2のハウジング部材は、それぞれ周縁接続面を有し、これらのハウジング部材は、上記周縁接続面がハウジング部材の接続状態において互いに面して位置するよう、接続面に沿って互いに接続するように設計される。本発明によれば、ハウジング部材のうちの少なくとも一方は、対応する周縁接続面から突出する複数の食込み要素(cutting elements)を備える。食込み要素の少なくとも一部は、この食込み要素が、ハウジング部材を接続する間に他方の周縁接続面に食い込むように、他方の周縁接続面よりも大きい寸法を有する。食込み要素は、周縁接続面の周囲にわたって分散されている。本発明の食込み要素は、周縁接続面の周囲にわたって分散された金属間接点をもたらし、それにより、ハウジング部材によって構築されるファラデーケージを閉鎖し、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材との間の隙間を架け渡し、電磁波がハウジングに侵入又はハウジングから侵出することができないようにする。
【0005】
第1のハウジング部材と第2のハウジング部材との間の良好な嵌合を達成するために、第1のハウジング部材及び第2のハウジング部材の周縁接続面は、接続方向に対して平行に向いていることが有利であり、それにより、接続を単純な平行移動動作によって達成することができる。
【0006】
食込み要素は、第1のハウジング部材及び第2のハウジング部材の接続面に対して平行に向いている長手方向軸を有することが好ましい。この場合、ハウジング部材のうちの一方を接続方向に反して押す横方向の力が生じず、単純な平行移動動作によって双方のハウジング部材の固定が可能である。
【0007】
食込み要素は、対応する周方向面に向かって見た場合、接続方向においてテーパー状になっていることが好ましい。それにより、接続プロセス中の力が、第1のハウジング部材及び第2のハウジング部材を接続する際に増大し、接続プロセスを確実に制御することができるようになる。
【0008】
食込み要素は、対応するハウジング部材の前縁部に対して距離を有して設けられ、この前縁部は、ハウジング部材を接続する間、他方の上記ハウジング部材と最初に接触することが好ましい。その結果、一方のハウジング部材の縁部は、双方のハウジング部材を接続する間、センタリング手段として用いることができ、それにより、接続プロセスが容易になる。
【0009】
上記食込み要素の前部は、他方の周縁接続面よりも小さい寸法を有することが好ましい。それにより、食込み要素の前部は、他方のハウジング部材に容易に嵌合する。ハウジング部材のうちの一方の食込み要素の後部が、他方のハウジング部材の周縁接続面に有利に圧入されると、接続が強化される。
【0010】
本発明の好ましい一実施形態において、ハウジング部材のうちの少なくとも一方は、平坦面を有し、ハウジング部材のうちの一方の食込み要素が、他方のハウジング部材の上記平坦面に擦る又は食い込むことができるようになっている。
【0011】
ハウジング部材は、アルミニウム製であることが好ましい。アルミニウムは、比較的軽量であるとともに高い導電率を有し、したがって、ハウジング部材に対して好ましい材料である。ハウジング部材は、ダイカストアルミニウム製であることがより好ましい。なぜなら、ダイカストプロセスは、周縁接続面及び食込み要素を含むハウジング部材の複雑な幾何形状を構築することが可能であるためである。ダイカストアルミニウムの製造公差は、ハウジング等の構成要素の公差に達するのに十分である。
【0012】
食込み要素の好ましいテーパーにより、接続プロセスの第1の状態における大きな力が回避される。第2のハウジング部材の周縁接続面よりも食込み要素の後部の寸法が大きいことにより、食込み要素の後部が他方のハウジング部材の表面に食い込むと、安全で確実な圧入が可能になる。食込み要素の表面は、ハウジング部材を接続する際の大きな力を回避するために、食込み要素を通る長手方向軸に対して比較的小さい角度を有するべきである。信頼性の高いファラデーケージを構築するために、食込み要素の長さは、2mm~15mmであることが好ましく、5mm~10mmであることがより好ましい。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態において、食込み要素は、互いに対して50mm以下、好ましくは35mm以下、より好ましくは20mm以下の距離だけ離間している。高効率のファラデーケージは、ケージの表面において外場に反作用する渦電流が誘起されることで、高周波交番磁界から保護する。この遮蔽効果は、この場合、遮蔽減衰及びハウジングへの侵入が限定されることによって特徴付けられ、それにより、ハウジング内の電子部品が保護される。通常、食込み要素間の距離は小さい方が好ましく、それは、侵入がより少なくなり、遮蔽効果がより確実になるためである。
【0014】
食込み要素は、ハウジング部材の接続状態において周縁接続面間の隙間が大きくなる最大厚さを有することが好ましい。したがって、食込み要素は、周縁接続面への圧入、擦り、又は食込み動作によって、他方のハウジング部材に嵌合し、それにより、アルミニウムハウジング部材の任意のパッシベーション層に貫通する。ここでは、食込み要素の厚さは、ハウジング部材の非接続状態において測定されている。
【0015】
本発明の好ましい一実施形態によれば、食込み要素は、ナイフ形状、針形状、スパイク形状、又はピラミッド形状である。このような形状は、他方のハウジング部材に食い込み、パッシベーション層に貫通し、ファラデーケージを構築するのに好ましい。
【0016】
ハウジング部材は、金属ハウジング部材、すなわち、金属製とすることができ、又は、金属コーティングのような導電性コーティング若しくは金属層のような導電層を有するプラスチックハウジング部材のような、基本的に非金属のハウジング部材としてもよい。通常、ハウジング部材は、互いに接続されるとファラデーケージを形成するように設計され、したがって、ハウジング遮蔽部分となる。食込み要素及び/又は他方の上記周縁接続面は、金属製であるか又は金属表面コーティングを有することが好ましい。
【0017】
以下、本発明を、添付図面を参照して、好ましい実施形態に基づいて説明するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ハウジング部材が非接続状態において示されている、本発明に係る金属ハウジングの概略図である。
図2】ハウジング部材が接続状態において示されている、本発明に係る金属ハウジングの概略図である。
図3】本発明に係る第1のハウジング部材の斜視図である。
図4図3の第1のハウジング部材の後側の図である。
図5図3及び図4の第1のハウジング部材を通る断面における食込み要素の詳細な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、図示されていない1つ以上のカメラモジュール等の自動車の少なくとも1つの電子部品を封入するハウジング10を示している。ハウジング10は、第1の周縁接続面21を有する第1の金属ハウジング部材20と、第2の周縁接続面31を有する第2の金属ハウジング部材30とを備える。金属ハウジング部材20、30の周縁接続面21、31は、平坦面である。第1の金属ハウジング部材20及び第2の金属ハウジング部材30は、周縁接続面21、31がこれらの金属ハウジング部材20、30の接続状態において互いに面して位置するよう、接続方向40に沿って互いに接続するように設計される。
【0020】
第1の金属ハウジング部材20は、周縁接続面21の平坦面から突出する複数の食込み要素22を備える。食込み要素21は、第1の金属ハウジング部材20の前縁部24に対して距離を有して設けられる。食込み要素22は、2mm~15mm、好ましくは5mm~10mmの長さを有する。各食込み要素は、前部25及び後部26を有し、直線部27を有してもよい。前部25は、第2の金属ハウジング部材30の周縁接続面31よりも小さい寸法を有し、後部26は、第2の金属ハウジング部材30の周縁接続面31よりも大きい寸法を有する。直線部27も、周縁接続面31よりも大きい寸法を有することができる。
【0021】
食込み要素22は、周縁接続面21、31に沿って、好ましくは、互いに対して50mm以下、好ましくは35mm以下、より好ましくは20mm以下の距離だけ等間隔に離間している。食込み要素22は、スパイク形状を有するが、例えば、ナイフ形状、針形状、又はピラミッド形状を有することもできる。
【0022】
接続方向40は、図1の双方の金属ハウジング部材20、30の横にある矢印によって示されている。符号1~5は、非接続状態1から開始し、完全接続状態5に至る接続プロセスの異なる状態に関連する。状態2において、第1の金属ハウジング20の前縁部24は、第2の金属ハウジング部材30内に潜り込み、そこでは、第1の金属ハウジング部材20の前縁部24が第2の金属ハウジング部材30のカラー32よりも小さい寸法を有するため、接触は生じない。状態3において、食込み要素22の前部25を、食込み要素22が第2の金属ハウジング部材30の接続面31と接触するまで、第2の金属ハウジング部材30のカラー32に潜り込ませる。状態4において、食込み要素22の後部26が第2の金属ハウジング部材30の接続面31に食い込む。状態4に続いて、食込み要素27の直線部27は、接続面31と圧入接触し、ついには完全接続状態5に達する。
【0023】
図2は、第1の金属ハウジング部材20及び第2の金属ハウジング部材30が、図1の段階5に対応する完全接続状態にある、ハウジング10を示している。ここでは、食込み要素22の少なくとも後部26、及び存在する場合は直線部27が、第2のハウジング部材30の周縁接続面31よりも大きい寸法を有する。
【0024】
周縁接続面21、31は、金属ハウジング部材20、30の接続方向40に対して平行に向いている。第1の金属ハウジング部材20及び第2の金属ハウジング部材30は、双方の金属ハウジング部材20、30が互いに接続される場合、食込み要素22に沿って圧入をもたらす。したがって、金属ハウジング部材20、30は、周縁接続面21、31に沿ってファラデーケージを構築し、食込み要素22によって2つの金属ハウジング部材20、30間の隙間が閉鎖されるようになっている。食込み要素22の最大厚さは、第1の金属ハウジング部材20及び第2の金属ハウジング部材30の接続状態における周縁接続面21、31間の隙間よりも大きい。
【0025】
金属ハウジング部材20、30は、機械的な保護を提供するだけでなく、ハウジング10内外の電子部品の電磁波からの遮蔽も提供する。食込み要素22は、2つのハウジング部材20、30の接続方向に対して平行に向いている長手方向軸23を有する。食込み要素22は、対応する周縁接続面21に向かって、かつ対応する周縁接続面21に沿って見た場合、接続方向においてテーパー状になっている。
【0026】
金属ハウジング部材20、30は、アルミニウム、好ましくはダイカストアルミニウム等の導電性材料から作製され、鋳造プロセスにおいて構築される。したがって、金属ハウジング部材20、30及び食込み要素22は、同じ材料から作製されることが有利である。
【0027】
図3図5は、第1のハウジング部材20の実際的な実施形態の異なる図を示している。第1の金属ハウジング部材20は、カメラモジュールを収容する開口29と、冷却用リブ又は補強用リブ等のリブ28とを有する。第1の金属ハウジング部材20は、平坦な基部を有する周縁接続面21を有する。複数の食込み要素22が、上記周縁接続面21の周囲にわたって分散され、上記平坦な基部から突出している。食込み要素22は、接続面21の周囲にわたって等距離に離間し、或る食込み要素22と隣り合う食込み要素22との間の距離は、8mm~10mmである。第1のハウジング部材20は、周方向フランジ41を有することが好ましく、周方向フランジ41は、第1のハウジング部材20及び第2のハウジング部材30が接続されるときに、停止面42として用いることができる。
【0028】
図4の細部Fは、食込み要素22のうちの1つの拡大図を示している。食込み要素22は、テーパー状になっており、後部26よりも小さく薄い前部25を有する。細部Fは、フランジ41及び停止面42の拡大図も示している。したがって、完全接続状態5の段階はまた、第2のハウジング部材30の前縁部が第1のハウジング部材20のフランジ41の停止面42に接触する段階にあることができる。
【0029】
図5は、第1の金属ハウジング部材20の拡大断面図を示している。図5に示されているように、食込み要素22は、第1の金属ハウジング部材20の前縁部24から距離を置いており、前部25と、後部26と、直線部27とを有する。直線部27は、好ましくは周方向フランジ41まで延在し、停止面42は、2つのハウジング部材20、30が接続方向40において接続されるときの、第2のハウジング部材の前縁部に対する停止部をなすことができる。
【0030】
ハウジング10が組み立てられる場合、第1の金属ハウジング部材10及び第2の金属ハウジング部材20が接続方向に沿って接続され、周縁接続面21、31は、接続方向に対して平行に向けられる。第1のハウジング部材20の前縁部24が第2のハウジング部材30のカラー9に潜り込むとき、これらの2つのハウジング部材20、30間には隙間が存在する。第1の金属ハウジング部材20の周縁接続面21における食込み要素22の前部25は、第2の金属ハウジング部材30の他方の周縁接続面31よりも小さい寸法を有する。食込み要素22のテーパー形状と、食込み要素22が、接続状態における2つの金属ハウジング部材20、30間の隙間よりも大きい厚さを有することとに起因して、各食込み要素22の後部26は、他方の周縁接続面31に擦る又は食い込む。したがって、食込み要素22は、第2の金属ハウジング部材30のアルミニウム上のパッシベーション層に貫通する。さらに、2つの金属ハウジング部材20、30が完全接続状態に接続されると、食込み要素22の直線部27は、第2の金属ハウジング部材30の接続面31と圧入接触し、それにより、2つの金属ハウジング部材20、30の密接な接続を形成する。停止面42は、完全接続状態5が、圧入接続の力によって規定されるだけでなく、規定の停止部によっても規定されるように、接続プロセスを補助することができる。
【0031】
通常、一方のハウジング部材、この場合、第1の金属ハウジング部材20だけでなく、双方のハウジング部材、この場合、第2の金属ハウジング部材30にも、食込み要素22を有することが可能である。図示されていない一実施形態において、食込み要素22は、双方の金属ハウジング部材20、30に交互に分散させることができ、それにより、第1の金属ハウジング部材の食込み要素22が、第2の金属ハウジング部材の第2の周縁接続面31の平坦部に食い込み、第2の金属ハウジング部材30の食込み要素22が、第1の金属ハウジング部材20の第1の周縁接続面21の平坦部に食い込む。
図1
図2
図3
図4
図5