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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】判定装置、時計及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   G04G 19/00 20060101AFI20220105BHJP
   G04C 10/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G04G19/00 V
G04C10/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020097662
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021189126
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2020-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500198210
【氏名又は名称】セイコータイムクリエーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】細貝 則充
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 誠人
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-145388(JP,A)
【文献】特開2016-119735(JP,A)
【文献】特開2012-74008(JP,A)
【文献】特開昭51-75485(JP,A)
【文献】特開2020-51967(JP,A)
【文献】特開2004-28777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00 - 99/00
G04C 10/00 - 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1負荷に電力を供給する第1電源の電圧を取得する第1電源電圧取得部と、
前記第1負荷とは異なる第2負荷に電力を供給する電源であって、前記第1電源とは異なる電源である第2電源の電圧を取得する第2電源電圧取得部と、
取得した前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ取得した前記第2電源の電圧が第2閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定した場合に、前記第1負荷と前記第2負荷とに電力を供給することを指示する信号を出力し、前記第1電源の電圧が第1閾値未満または前記第2電源の電圧が第2閾値未満のいずれかの場合に、前記第1負荷及び前記第2負荷に対し電力を供給することを禁止する出力部と
を備える判定装置。
【請求項2】
第1負荷に電力を供給する第1電源の電圧を取得する第1電源電圧取得部と、
前記第1負荷とは異なる第2負荷に電力を供給する電源であって、前記第1電源とは異なる電源である第2電源の電圧を取得する第2電源電圧取得部と、
取得した前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ取得した前記第2電源の電圧が第2閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定した場合に、前記第1負荷と前記第2負荷の少なくとも一方を電力供給可能な状態とし、前記第1電源の電圧が第1閾値未満または前記第2電源の電圧が第2閾値未満のいずれかの場合に、前記第1負荷及び前記第2負荷に対し電力を供給することを禁止する出力部と、
を備える判定装置。
【請求項3】
前記第1電源から駆動に要する電力が供給される電源端子を更に備える
請求項1又は請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
時刻を計時する時計体を有する前記第1負荷と、
時刻を計時する機能以外の機能を備える付加回路を有する前記第2負荷と、
前記第1負荷に電力を供給する前記第1電源と、
前記第2負荷に電力を供給する前記第2電源と、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の判定装置と
を備える時計。
【請求項5】
前記第1負荷は、前記時計体に電力を供給するか否かを切り替える第1スイッチを備え、
前記第2負荷は、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える第2スイッチを備え、
前記出力部は、前記第1スイッチを制御することにより、前記時計体に電力を供給するか否かを切り替え、前記第2スイッチを制御することにより、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える
請求項4に記載の時計。
【請求項6】
前記第1負荷は、前記時計体をリセットさせる第1リセット回路を備え、
前記第2負荷は、前記付加回路をリセットさせる第2リセット回路を備え、
前記出力部は、前記第1リセット回路を制御することにより、前記時計体をリセット状態に制御するか否かを切り替え、前記第2リセット回路を制御することにより、前記付加回路をリセット状態に制御するか否かを切り替える
請求項4に記載の時計。
【請求項7】
前記第1負荷は、前記時計体をリセットさせる第1リセット回路を備え、
前記第2負荷は、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える第2スイッチを備え、
前記出力部は、前記第1リセット回路を制御することにより、前記時計体をリセット状態に制御するか否かを切り替え、前記第2スイッチを制御することにより、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える
請求項4に記載の時計。
【請求項8】
前記第1負荷は、前記時計体をリセットさせる第1リセット回路を備え、
前記判定部は、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定するまで前記第1リセット回路を制御することにより前記時計体をリセット状態に維持する
請求項4に記載の時計。
【請求項9】
第1負荷に電力を供給する第1電源の電圧を取得する第1電源電圧取得工程と、
前記第1負荷とは異なる第2負荷に電力を供給する電源であって、前記第1電源とは異なる電源である第2電源の電圧を取得する第2電源電圧取得工程と、
取得した前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ取得した前記第2電源の電圧が第2閾値以上であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定された場合に、前記第1負荷と前記第2負荷とに電力を供給することを指示する信号を出力し、前記第1電源の電圧が第1閾値未満または前記第2電源の電圧が第2閾値未満のいずれかの場合に、前記第1負荷及び前記第2負荷に対し電力を供給することを禁止する出力工程と
を有する判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、時計及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時計の電池交換をユーザに知らせる方法として、検出手段により電源電圧の低下が検出された場合、1組の針を特定の位置に移動させて保持させる技術があった(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2002-512684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、時計は複数の電池を備えることにより、複数の電池がそれぞれ特定の電源系統に接続された特定の機能を制御するよう構成される場合がある。時計が複数の電池を備える場合、特定の電池が動作可能電圧を下回る場合であっても、他の電池は動作可能電圧以上である場合がある。このような場合、動作可能電圧を下回った電池が接続された特定の機能は動作しないにも関わらず、動作可能電圧を上回っている電池が接続された他の機能のみ動作してしまう。すなわち、従来技術によれば、特定の電池の電圧が所定の閾値を下回った場合に、特定の機能のみ動作してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、複数の電池により、複数の電源系統の負荷を制御する時計において、特定の電池が所定の閾値を下回った場合、当該特定の電池に対応する負荷以外の負荷に対しても電力を供給しないよう制御することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る判定装置は、第1負荷に電力を供給する第1電源の電圧を取得する第1電源電圧取得部と、前記第1負荷とは異なる第2負荷に電力を供給する電源であって、前記第1電源とは異なる電源である第2電源の電圧を取得する第2電源電圧取得部と、取得した前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ取得した前記第2電源の電圧が第2閾値以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定した場合に、前記第1負荷と前記第2負荷とに電力を供給することを指示する信号を出力し、前記第1電源の電圧が第1閾値未満または前記第2電源の電圧が第2閾値未満のいずれかの場合に、前記第1負荷及び前記第2負荷に対し電力を供給することを禁止する出力部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る判定装置は、第1負荷に電力を供給する第1電源の電圧を取得する第1電源電圧取得部と、前記第1負荷とは異なる第2負荷に電力を供給する電源であって、前記第1電源とは異なる電源である第2電源の電圧を取得する第2電源電圧取得部と、取得した前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ取得した前記第2電源の電圧が第2閾値以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定した場合に、前記第1負荷と前記第2負荷の少なくとも一方に電力を供給可能な状態とし、前記第1電源の電圧が第1閾値未満または前記第2電源の電圧が第2閾値未満のいずれかの場合に、前記第1負荷及び前記第2負荷に対し電力を供給することを禁止する出力部とを備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る判定装置は、前記第1電源から駆動に要する電力が供給される電源端子を更に備える。
【0009】
また、本発明の一態様に係る時計は、時刻を計時する時計体を有する前記第1負荷と、時刻を計時する機能以外の機能を備える付加回路を有する前記第2負荷と、前記第1負荷に電力を供給する前記第1電源と、前記第2負荷に電力を供給する前記第2電源と、請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の判定装置とを備える。
【0010】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記第1負荷は、前記時計体に電力を供給するか否かを切り替える第1スイッチを備え、前記第2負荷は、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える第2スイッチを備え、前記出力部は、前記第1スイッチを制御することにより、前記時計体に電力を供給するか否かを切り替え、前記第2スイッチを制御することにより、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える。
【0011】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記第1負荷は、前記時計体をリセットさせる第1リセット回路を備え、前記第2負荷は、前記付加回路をリセットさせる第2リセット回路を備え、前記出力部は、前記第1リセット回路を制御することにより、前記時計体をリセット状態に制御するか否かを切り替え、前記第2リセット回路を制御することにより、前記付加回路をリセット状態に制御するか否かを切り替える。
【0012】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記第1負荷は、前記時計体をリセットさせる第1リセット回路を備え、前記第2負荷は、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える第2スイッチを備え、前記出力部は、前記第1リセット回路を制御することにより、前記時計体をリセット状態に制御するか否かを切り替え、前記第2スイッチを制御することにより、前記付加回路に電力を供給するか否かを切り替える。
【0013】
また、本発明の一態様に係る時計において、前記第1負荷は、前記時計体をリセットさせる第1リセット回路を備え、前記判定部は、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定するまで前記第1リセット回路を制御することにより前記時計体をリセット状態に維持する。
【0014】
また、本発明の一態様に係る時計は、第1負荷に電力を供給する第1電源の電圧を取得する第1電源電圧取得工程と、前記第1負荷とは異なる第2負荷に電力を供給する電源であって、前記第1電源とは異なる電源である第2電源の電圧を取得する第2電源電圧取得工程と、取得した前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ取得した前記第2電源の電圧が第2閾値以上であるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により、前記第1電源の電圧が第1閾値以上であり、かつ前記第2電源の電圧が第2閾値以上であると判定された場合に、前記第1負荷と前記第2負荷とに電力を供給することを指示する信号を出力し、前記第1電源の電圧が第1閾値未満または前記第2電源の電圧が第2閾値未満のいずれかの場合に、前記第1負荷及び前記第2負荷に対し電力を供給することを禁止する出力工程とを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の電池により、複数の電源系統の負荷を制御する時計において、特定の電池が所定の閾値を下回った場合、当該特定の電池に対応する負荷以外の負荷に対しても電力を供給しないよう制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る時計の機能構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る判定装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る判定部の機能構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る判定装置の一連の動作について説明をするための図である。
図5】第2の実施形態に係る時計の回路構成の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態に係る第1電源及び第2電源の状態に応じた電源供給の状態を説明するための図である。
図7】第3の実施形態に係る時計の回路構成の一例を示す図である。
図8】第3の実施形態に係る判定装置の一連の動作について説明をするための図である。
図9】第4の実施形態に係る時計の回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、図1から図4を参照しながら、第1の実施形態について説明する。
【0018】
[時計の機能構成]
図1は、第1の実施形態に係る時計1の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、時計1の機能構成の一例について説明する。
時計1は、電源20と、判定装置10と、負荷30とを備える。本実施形態において時計1は複数の電源20と、複数の電源20に対応する複数の負荷30とを備える。電源20は、電源20に対応する負荷30を駆動するための電力を供給する。以降、時計1が、第1電源21と、第1電源21に対応する第1負荷31と、第2電源22と、第2電源22に対応する第2負荷32とを備える場合の一例について説明する。
なお、第1電源21と第2電源22とを区別しない場合は電源20と記載し、第1負荷31と第2負荷32とを区別しない場合は、負荷30と記載することがある。
【0019】
電源20は、ユーザにより取り外しが可能な電源である。電源20は、例えば1.5Vの乾電池等の一次電池、充電式電池等の二次電池、太陽電池等の物理的なエネルギーを電気エネルギーに変換する物理電池等であってもよい。電源20は、時計1が備える不図示の電池ボックスに備えられ、所定の方法によりユーザが電源20の容量が所定の値以下になったことを認識した場合に、ユーザにより、容量が所定の値以下になった電池とは別の電池に取り換えられる。ここで、ユーザが取り換える別の電池とは、未使用の電池である場合もあるし、ある程度使用したことにより容量が既に減っている電池である場合もある。例えばユーザは、時計1の指針が動かなくなったことを認識した場合又は時計1の特定の機能が使えなくなったことを認識した場合等、時計1の電源20の容量が所定の値以下になったことを認識する。
なお、時計1は、不図示の電池容量低下通報機能を備えていてもよい。電池容量低下通報機能は、電源20の容量が所定の値以下になった場合、所定の方法によりユーザに通知する。
【0020】
判定装置10は、電源20の電源電圧を取得する。本実施形態においては、時計1は、第1電源21と、第2電源22とを備えているため、判定装置10は第1電源21から第1電圧V1を取得し、第2電源22から第2電圧V2を取得する。判定装置10は、第1電圧V1と、第2電圧V2とに基づき、負荷30に供給される電力を制御する。
なお、判定装置10は、3以上の複数の電源を備える場合、それぞれの電源から電源電圧を取得する。
【0021】
判定装置10は、負荷30にイネーブル信号ENを出力する。イネーブル信号ENとは、電源20の電力を負荷30に供給するか否かを制御する信号である。本実施形態においては、時計1は、第1負荷31と、第2負荷32とを備えているため、判定装置10は、第1負荷31に対して第1イネーブル信号EN1を出力し、第2負荷32に対して第2イネーブル信号EN2を出力する。
なお、判定装置10は、3以上の複数の負荷を備える場合、それぞれの負荷に対し、イネーブル信号ENを出力する。それぞれの負荷に対し出力されるイネーブル信号ENは、同一の信号であってもよい。この一例において、第1イネーブル信号EN1と、第2イネーブル信号EN2とは、同一の信号であってもよい。
【0022】
負荷30は、電源20から供給される電力により駆動される。本実施形態において、負荷30は、第1負荷31と、第2負荷32とを備える。第1負荷31は、時計を計時する機能を有する。第1負荷31は、例えば、時計体であってもよい。第2負荷32は時計を計時する機能以外の機能を有する。第2負荷32は、例えば、時計体以外の付加回路であってもよい。
【0023】
本実施形態において、第1負荷31は、時計体すなわちステッピングモータ等の指針を運針するための負荷である場合について説明する。また、本実施形態において、第2負荷32は、時計体以外の付加回路すなわちLED等の装飾用負荷、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)等の通信用負荷であってもよい。
なお、第2負荷32から出力される制御信号により、第1負荷31が備えるステッピングモータ等の指針を運針するために要する機能を駆動させるよう構成してもよい。
【0024】
[判定装置10の機能構成]
図2は、第1の実施形態に係る判定装置10の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、判定装置10の機能構成の一例について説明する。
判定装置10は、第1電圧取得部(第1電源電圧取得部)110と、第2電圧取得部(第2電源電圧取得部)120と、判定部130と、出力部140とを備える。
【0025】
第1電圧取得部110は、第1負荷31に電力を供給する第1電源21の電圧である第1電圧V1を取得する。第1電圧取得部110は、取得した第1電圧V1を、判定部130に提供する。第1電圧取得部110は、例えば、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータであってもよい。この場合、第1電圧V1はデジタル値である。
なお、第1電圧取得部110は、第1電圧V1をアナログ値で提供するよう構成してもよい。
【0026】
第2電圧取得部120は、第2負荷32に電力を供給する第2電源22の電圧である第2電圧V2を取得する。第2負荷32は、第1負荷31とは異なる負荷である。また、第2電源22は、第1電源21とは異なる電源である。したがって、第2電圧取得部120は、第1負荷31とは異なる第2負荷32に電力を供給する電源であって、第1電源21とは異なる電源である第2電源22の第2電圧V2を取得する。第2電圧取得部120は、取得した第2電圧V2を、判定部130に提供する。第2電圧取得部120は、例えば、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータであってもよい。この場合、第2電圧V2はデジタル値である。
なお、第2電圧取得部120は、第2電圧V2をアナログ値で提供するよう構成してもよい。
以後、第1電圧取得部110と第2電圧取得部120とを区別しない場合は、電圧取得部100と記載する。
【0027】
判定部130は、電圧取得部100が所定の閾値以上であるか否かを判定する。具体的には、判定部130は、第1電圧取得部110が取得した第1電源21の第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、かつ第2電圧取得部120が取得した第2電源22の第2電圧V2が第2閾値VREF2以上であるか否かを判定する。判定部130は、第1閾値VREF1及び第2閾値VREF2を記憶する記憶部を備えていてもよいし、第1閾値VREF1及び第2閾値VREF2を所定の方式により、判定装置10の外部に備えられた記憶部等から取得してもよい。
以後、第1閾値VREF1及び第2閾値VREF2を区別しない場合には、閾値VREFと記載する。
【0028】
出力部140は、判定部130が判定した結果に基づき、負荷30に電源20の電力を供給することを指示する制御信号を出力する。具体的には、出力部140は、判定部130が、第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値VREF2以上であると判定した場合に、第1負荷31と第2負荷32とに電力を供給することを指示する制御信号を出力する。
なお、判定装置10は、マイクロコンピュータが備える各機能によって構成されてもよい。判定装置10が、マイクロコンピュータが備える各機能によって構成される場合、出力部140は、マイクロコンピュータの出力端子であってもよい。
【0029】
図3は、第1の実施形態に係る判定部130の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、判定部130の機能構成の一例について説明する。
判定部130は、閾値記憶部131と、比較部132と、AND回路133とを備える。
判定部130は、例えば、マイクロコンピュータが備える各機能によって構成されてもよい。
【0030】
閾値記憶部131は、閾値VREFを記憶する。例えば、判定部130が第1電圧V1及び第2電圧V2をデジタル値で取得するよう構成した場合、閾値VREFはデジタル値で記憶される。閾値VREFをデジタル値で記憶する場合、閾値記憶部131は、例えば、マイクロコンピュータが備える不図示のROM(Read Only Memory)又はマイクロコンピュータの外部に備えられる不図示のROMの特定の領域であってもよい。
【0031】
なお、判定部130が第1電圧V1及び第2電圧V2をアナログ値で取得するよう構成してもよい。判定部130が第1電圧V1及び第2電圧V2をアナログ値で取得するよう構成した場合、閾値VREFはアナログ値で記憶される。閾値VREFがアナログ値で記憶される場合、閾値記憶部131は、例えばシャントレギュレータ等の基準電圧ICに備えられていてもよい。
【0032】
なお、本実施形態において、閾値記憶部131が判定部130に備えられる場合の一例について説明するが、閾値記憶部131は、判定部130の外部に備えられていてもよい。閾値記憶部131が判定部130の外部に備えられている場合、判定部130は、所定の通信方式により閾値記憶部131から閾値VREFを取得する。
【0033】
本実施形態において、時計1は、2つの異なる電源20を備えるため、判定部130は、第1閾値記憶部1311と、第2閾値記憶部1312とを備える。第1閾値記憶部1311は、第1閾値VREF1を記憶する。第2閾値記憶部1312は、第2閾値VREF2を記憶する。第1閾値VREF1は、例えば、第1負荷31の最低動作電圧に基づいて定められていてもよい。第2閾値VREF2は、例えば、第2負荷32の最低動作電圧に基づいて定められていてもよい。
なお、第1閾値VREF1と第2閾値VREF2とが同一の値である場合、第1閾値記憶部1311と第2閾値記憶部1312とは、同一の記憶部であってもよい。
【0034】
比較部132は、閾値記憶部131から閾値VREFを取得し、電圧取得部100から電源20の電圧を取得する。比較部132は、取得した値を比較し、比較した結果をAND回路133に出力する。本実施形態において、比較部132は、第1比較部1321と、第2比較部1322とを備える。
【0035】
第1比較部1321は、第1閾値記憶部1311から、第1閾値VREF1を取得する。また、第1比較部1321は、第1電圧取得部110から、第1電圧V1を取得する。第1比較部1321は、第1閾値VREF1と第1電圧V1とを比較した結果を、第1電圧比較結果COMP1として、出力する。第1電圧比較結果COMP1は、例えば“0”又は“1”による2値の情報である。第1電圧比較結果COMP1が2値の場合において、第1比較部1321は、第1電圧V1が第1閾値VREF1より小さい場合には“0”を、第1電圧V1が第1閾値VREF1より大きい場合には“1”を出力してもよい。
【0036】
第2比較部1322は、第2閾値記憶部1312から、第2閾値VREF2を取得する。また、第2比較部1322は、第2電圧取得部120から、第2電圧V2を取得する。第2比較部1322は、第2閾値VREF2と第2電圧V2とを比較した結果を、第2電圧比較結果COMP2として、出力する。第2電圧比較結果COMP2は、例えば“0”又は“1”による2値の情報である。第2電圧比較結果COMP2が2値の場合において、第2比較部1322は、第2電圧V2が第2閾値VREF2より小さい場合には“0”を、第2電圧V2が第2閾値VREF2より大きい場合には“1”を出力してもよい。
以後、第1電圧比較結果COMP1と第2電圧比較結果COMP2とを区別しない場合には、電圧比較結果COMPと記載する。
【0037】
AND回路133は、比較部132から電圧比較結果COMPを取得する。AND回路133は、取得した電圧比較結果COMPに基づいて、イネーブル信号ENを出力する。本実施形態において、AND回路133は、第1比較部1321から第1電圧比較結果COMP1を取得し、第2比較部1322から第2電圧比較結果COMP2を取得する。AND回路133は、第1比較部1321から取得した第1電圧比較結果COMP1と、第2比較部1322から取得した第2電圧比較結果COMP2とに基づいて、イネーブル信号ENを出力する。
第1電圧比較結果COMP1及び第2電圧比較結果COMP2が上述した2値で表される場合、AND回路133は、第1電圧比較結果COMP1及び第2電圧比較結果COMP2のいずれもが、“1”である場合にイネーブル信号ENを出力する。AND回路133は、イネーブル信号ENを出力部140に出力する。
【0038】
なお、判定装置10は、第1電源21により供給される電力により駆動されてもよい。具体的には、判定装置10は、不図示の電源端子を備え、判定装置10が駆動に要する電力を、第1電源21から得る。
【0039】
図4は、第1の実施形態に係る判定装置10の一連の動作について説明をするための図である。同図を参照しながら判定装置10の一連の動作について説明をする。
(ステップS11)第1電圧取得部110は、第1電源21から第1電圧V1を取得する。
(ステップS13)第2電圧取得部120は、第2電源22から第2電圧V2を取得する。
【0040】
(ステップS15)判定部130は、取得した第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値VREF2以上である場合(すなわち、ステップS15;YES)には、処理をステップS17に進める。判定部130は、取得した第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値VREF2以上である場合ではない場合(すなわち、ステップS15;NO)には、処理をステップS11に進める。
(ステップS17)出力部140は、負荷30に電力を供給することを指示する信号であるイネーブル信号ENを出力する。負荷30は、イネーブル信号ENが入力されることにより、負荷に電力を供給させ、時計機能及び付加機能の動作を開始する。
【0041】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、判定装置10は、第1電圧取得部110と、第2電圧取得部120とを備えることにより、電源20の電源電圧を取得する。判定装置10は、判定部130を備えることにより、第1電圧取得部110が取得した第1電圧V1と第2電圧取得部120が取得した第2電圧V2がいずれも閾値以上である場合に、負荷30に電力を供給することを指示するイネーブル信号ENを出力する。
すなわち、本実施形態によれば、第1電圧V1及び第2電圧V2のいずれもが閾値以上である場合のみ、負荷30に電力を供給する。したがって、判定装置10は、複数の電池により、複数の電源系統の負荷を制御する時計において、特定の電池が所定の閾値を下回った場合、当該特定の電池に対応する負荷以外の負荷に対しても電力を供給しないよう制御することができる。
【0042】
従来、第1負荷31が時計1の指針を運針するステッピングモータ等の負荷であり、第2負荷32が、時計1のステッピングモータを駆動するためのパルス信号を生成するような負荷である場合があった。このような場合、第2負荷32に電力を供給する第2電源22の電圧が所定値以上であっても、第1負荷31に電力を供給する第1電源21の電圧が所定値を下回ると、第2負荷32は、ステッピングモータを駆動するためのパルス信号を生成し続けていた。すなわち、従来技術によれば、ステッピングモータにパルス信号が与えられ続けているにもかかわらず、ステッピングモータは駆動されることができないため、ユーザは、第2電源22が消費され続けていることを認識できない場合があった。したがって、ユーザは第2電源22が、無駄に消費されていることを認識できなかった。本実施形態によれば、判定装置10は、1の電池が所定の閾値を下回った場合、当該電池に対応する負荷以外の負荷に対しても電力を供給しないため、無駄に電力が消費されることを抑止することができる。
【0043】
また、例えば、第1負荷31が自身でパルス信号を生成し、時計1の指針を運針するステッピングモータ等の負荷であり、第2負荷32が、時計1の文字盤をライトアップするためのLED等の負荷である場合において、従来、第1負荷31に電力を供給する第1電源21の電圧が所定値以上であれば、第2負荷32に電力を供給する第2電源22の電圧に関わらず、指針が運針されていた。したがって、ユーザは、指針が運針されているにも関わらず、文字盤のライトアップ機能が使えないといった状況が発生する。このような状況において、ユーザは、文字盤のライトアップ機能が使えない原因が、電池切れによるものか、当該機能の故障によるものかを認識することはできなかった。本実施形態によれば、判定装置10は、特定の電池が所定の閾値を下回った場合、当該特定の電池に対応する負荷以外の負荷に対しても電力を供給しないため、付加機能が使えない場合は、時計の計時機能も使えない。したがって、ユーザは、電池切れにより付加機能を使えないことを認識することができる。
【0044】
また、従来技術による時計によれば、電圧低下等の電圧異常を検知した後、ユーザが電池を交換した場合、電圧低下等の電圧異常は、ユーザからのリセットボタン押下を検知するまで、判定結果を維持していた。すなわち、従来技術による時計によれば、確実に正常動作を行うためにはユーザによりリセットボタンを押下される必要があった。しかしながら、本実施形態によれば、時計1は、判定装置10を備えることにより、ユーザからリセットボタンの押下がされなくても、正常動作を行うことができる。
【0045】
また、従来技術による時計によれば、時計制御回路の電源を投入した後、→付加回路(LED回路)等の順に電池を入れた場合、ユーザによりリセットボタンを押下される必要があった。しかしながら、本実施形態によれば、時計1は、判定装置10を備えることにより、ユーザからリセットボタンの押下がされなくても、正常動作を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態において、判定装置10は、駆動に要する電力を第1電源21から得る。したがって、判定装置10は、駆動に要する電力を別に用意することなく、駆動されることができる。
【0047】
[第2の実施形態]
次に、図5及び図6を参照しながら、第2の実施形態について説明する。
図5は、第2の実施形態に係る時計1Aの回路構成の一例を示す図である。時計1Aは、時計1の一例である。第2の実施形態において、時計1Aは、電圧検出器40により電源20の電圧を検出する。時計1Aは、電源20と、判定装置10Aと、負荷30とを備える。判定装置10Aは、電圧検出器40と、判定回路135とを備える。
【0048】
電圧検出器40には、電源20の電圧が入力される。また、電圧検出器40は、所定の閾値を有する。電圧検出器40は、入力された電圧と、所定の閾値に基づき、出力信号を出力する。電圧検出器40は、例えば、入力された電圧が所定の閾値より大きい場合に、ハイレベルを出力し、入力された電圧が所定の閾値より小さい場合に、ローレベルを出力する。
電圧検出器40は、例えば、シャントレギュレータや、システムリセットIC等の電圧検出器である。
【0049】
本実施形態においては、一例として、時計1Aが第1電源21と第2電源22とを備える場合の一例について説明する。時計1Aは、第1電源21に対応する第1電圧検出器41と、第2電源22に対応する第2電圧検出器42とを備える。第1電圧検出器41及び第2電圧検出器42は、いずれも電圧検出器40の一例である。
【0050】
第1電圧検出器41は、第1電圧取得部110と、第1閾値記憶部1311と、第1比較部1321とを備える。第1電圧検出器41は、第1電圧取得部110により、第1電圧V1を取得する。また、第1電圧検出器41は、第1比較部1321により、取得した第1電圧V1と第1閾値記憶部1311に記憶された第1閾値VREF1とを比較する。第1電圧検出器41は、比較した結果である第1電圧比較結果COMP1を、判定回路135に出力する。すなわち、第1電圧検出器41は、第1の実施形態において、図3で説明した第1電圧取得部110、第1閾値記憶部1311、及び第1比較部1321の具体例である。
【0051】
第2電圧検出器42は、第2電圧取得部120と、第2閾値記憶部1312と、第2比較部1322とを備える。第2電圧検出器42は、第2電圧取得部120により、第2電圧V2を取得する。また、第2電圧検出器42は、第2比較部1322により、取得した第2電圧V2と第2閾値記憶部1312に記憶された第2閾値VREF2とを比較する。第2電圧検出器42は、比較した結果である第2電圧比較結果COMP2を、判定回路135に出力する。すなわち、第2電圧検出器42は、第1の実施形態において、図3で説明した第2電圧取得部120、第2閾値記憶部1312、及び第2比較部1322の具体例である。
【0052】
判定回路135は、取得した第1電圧比較結果COMP1と、第2電圧比較結果COMP2とに基づき、イネーブル信号ENを出力する。判定回路135は、出力部140として、出力部141と、出力部142とを備える。出力部141及び出力部142は、出力部140の一例である。判定回路135は、出力部141から、第1負荷31に電力を供給することを指示する第1イネーブル信号EN1を出力し、出力部142から、第2負荷32に電力を供給することを指示する第2イネーブル信号EN2を出力する。すなわち、本実施形態における判定回路135は、第1の実施形態において、図3で説明したAND回路133の具体例である。
【0053】
なお、判定回路135は、第1電源21から電力が供給される。第1電源21は、時計体を有する第1負荷31に電力を供給するための電源である。
【0054】
第1負荷31は、時計体311と、第1スイッチ312とを備える。
時計体311は、時刻を計時する。
第1スイッチ312は、判定装置10Aにより出力された第1イネーブル信号EN1に基づき、時計体311に電力を供給するか否かを切り替える。
すなわち、第1負荷31は、時刻を計時する時計体311と、時計体311に電力を供給するか否かを切り替える第1スイッチ312とを備える。
【0055】
第1スイッチ312は、例えば、pチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。第1スイッチ312が、pチャネル型MOSFETである場合、第1イネーブル信号EN1は、第1スイッチ312のゲート端子に入力される。第1スイッチ312は、第1イネーブル信号EN1がハイレベルの場合に、ドレイン-ソース間に電流を流すことにより時計体311に電力を供給し、第1イネーブル信号EN1がローレベルの場合に、ドレイン-ソース間に電流を流さないことにより時計体311に電力を供給しない。
【0056】
第2負荷32は、付加回路321と、第2スイッチ322とを備える。
付加回路321は、時刻を計時する機能以外の機能を備える。
第2スイッチ322は、判定装置10Aにより出力された第2イネーブル信号EN2に基づき、付加回路321に電力を供給するか否かを切り替える。
すなわち、第2負荷32は、時刻を計時する機能以外の機能を備える付加回路321と、付加回路321に電力を供給するか否かを切り替える第2スイッチ322とを備える。
【0057】
第2スイッチ322は、例えば、pチャネル型のMOSFETである。第2スイッチ322が、pチャネル型MOSFETである場合、第2イネーブル信号EN2は、第2スイッチ322のゲート端子に入力される。第2スイッチ322は、第2イネーブル信号EN2がハイレベルの場合に、ドレイン-ソース間に電流を流すことにより付加回路321に電力を供給し、第1イネーブル信号EN1がローレベルの場合に、ドレイン-ソース間に電流を流さないことにより付加回路321に電力を供給しない。
【0058】
図6は、第2の実施形態に係る第1電源21及び第2電源22の状態に応じた電源供給の状態を説明するための図である。同図を参照しながら、第2の実施形態に係る第1電源21及び第2電源22の状態に応じた電源供給の状態について説明する
ここで、ユーザが所定の方法により電源20の容量が所定の値以下になったことを認識した場合、ユーザは、電源20を交換する。具体的には、電源20とは電池であるため、ユーザは、時計の指針が運針していないこと等を認識した場合に電池を交換する。本実施形態において、時計1は、電源20として、第1電源21と第2電源22とを備えるため、ユーザは、第1電源21と第2電源22とを交換する。具体的には、ユーザは、第1電源21及び第2電源22のいずれも取り換える場合、第1電源21のみ取り換える場合、第2電源22のみ取り換える場合、第1電源21及び第2電源22のいずれも取り換えない場合がある。このように、ユーザの行動により、時計1Aには、新旧の電池が混在する場合がある。
【0059】
ここで、第1電源21の第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、第2電源22の第2電圧V2が第2閾値VREF2以上である場合を第1状態とする。第1電源21の第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、第2電源22の第2電圧V2が第2閾値VREF2未満である場合を第2状態とする。第1電源21の第1電圧V1が第1閾値VREF1未満であり、第2電源22の第2電圧V2が第2閾値VREF2以上である場合を第3状態とする。第1電源21の第1電圧V1が第1閾値VREF1未満であり、第2電源22の第2電圧V2が第2閾値VREF2未満である場合を第4状態とする。
【0060】
本実施形態においては、図5を参照しながら説明したように、判定装置10Aは、第1電源21から電力が供給される。したがって、第1状態では、第1電源21から判定装置10Aに電力が供給されるため、判定装置10Aは、動作することができる。判定装置10Aは、第1電圧V1及び第2電圧V2に基づき、負荷30にイネーブル信号ENを出力することにより、第1負荷31及び第2負荷32に電力を供給する。よって、図6に示すように、第1状態では、“判定装置への電源供給”が“有り”となり、“負荷への電源供給”が“有り”となる。
【0061】
第2状態では、第1電源21から判定装置10Aに電力が供給されるため、判定装置10Aは、動作することができる。判定装置10Aは、第2電圧V2が第2閾値VREF2未満であるために、負荷30にイネーブル信号ENを出力せず、第1負荷31及び第2負荷32に電力が供給されない。よって、図6に示すように、第2状態では、“判定装置への電源供給”が“有り”となり、“負荷への電源供給”が“無し”となる。
【0062】
第3状態では、第1電源21から判定装置10Aに電力が供給されないため、判定装置10Aは、動作することができない。したがって、第1スイッチ312及び第2スイッチ322は、判定装置10Aにより制御されない。ここで、第1スイッチ312及び第2スイッチ322の電位は、プルダウン抵抗等により、接地されていてもよい。この場合、第1負荷31及び第2負荷32に電力が供給されるか否かは、第1スイッチ312及び第2スイッチ322のゲートの電位に基づく。本実施形態において、第1スイッチ312及び第2スイッチ322のゲートは、プルダウン抵抗により接地電位に固定されているため、第1負荷31及び第2負荷32に電力が供給されない。よって、図6に示すように、第3状態では、“判定装置への電源供給”が“無し”となり、“負荷への電源供給”が“無し”となる。
【0063】
第4状態では、第3状態と同様に、第1電源21から判定装置10Aに電力が供給されないため、判定装置10Aは、動作することができない。したがって、第1スイッチ312及び第2スイッチ322は、判定装置10Aにより制御されず、第1負荷31及び第2負荷32に電力が供給されない。よって、図6に示すように、第4状態では、“判定装置への電源供給”が“無し”となり、“負荷への電源供給”が“無し”となる。
【0064】
以上、図6を参照しながら説明したように、本実施形態において、第1電源21及び第2電源22のいずれかが閾値以下である場合、第1電源21の第1電圧V1が第1閾値VREF1以上である場合には判定装置10Aが判定することにより、第1閾値VREF1未満である場合には第1スイッチ312及び第2スイッチ322のゲート処理により、負荷30に供給される電力は遮断される。
【0065】
[第2の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、時計1Aは、第1スイッチ312を備えることにより時計体311に電極を供給するか否かを切り替え、第2スイッチ322を備えることにより、付加回路321に電力を供給するか否かを切り替える。第1スイッチ312及び、第2スイッチ322は、例えば、MOSFETである。したがって、本実施形態における時計1Aによれば、電力の切り替えのための電力を抑止することができる。
【0066】
[第3の実施形態]
次に、図7及び図8を参照しながら、第3の実施形態について説明する。
図7は、第3の実施形態に係る時計1Bの回路構成の一例を示す図である。時計1Bは、時計1Aの変形例である。第3の実施形態において、時計1Bは、負荷30に代えて負荷30Bを備える点において、時計1Aとは異なる。
【0067】
本実施形態において、時計1Bは、負荷30Bとして、第1負荷31Bと、第2負荷32Bとを備える。
第1負荷31Bは、時計体311Bを備える。時計体311Bは、リセット回路を備える点において、時計体311とは異なる。時計体311Bは、リセット信号RSTにより、リセット状態に制御される。本実施形態において、リセット信号RSTは、例えば第1イネーブル信号EN1であってもよい。時計体311Bが備えるリセット回路を、第1リセット回路とも記載する。
第2負荷32Bは、付加回路321Bを備える。付加回路321Bは、リセット回路を備える点において、付加回路321とは異なる。付加回路321Bは、リセット信号RSTにより、リセット状態に制御される。本実施形態において、リセット信号RSTは、例えば第2イネーブル信号EN2であってもよい。付加回路321Bが備えるリセット回路を、第2リセット回路とも記載する。
【0068】
図8は、第3の実施形態に係る判定装置10Bの一連の動作について説明をするための図である。同図を参照しながら判定装置10Bの一連の動作について説明をする。
(ステップS21)判定装置10Bは、第1負荷31B及び第2負荷32Bにリセット信号RSTを出力したまま、状態を維持する。
(ステップS23)第1電圧取得部110は、第1電源21から第1電圧V1を取得する。
(ステップS25)第2電圧取得部120は、第2電源22から第2電圧V2を取得する。
【0069】
(ステップS27)判定部130は、取得した第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値VREF2以上である場合(すなわち、ステップS27;YES)には、処理をステップS29に進める。判定部130は、取得した第1電圧V1が第1閾値VREF1以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値VREF2以上である場合ではない場合(すなわち、ステップS27;NO)には、処理をステップS21に戻す。
(ステップS29)出力部140は、第1負荷31B及び第2負荷32Bのリセット状態を解除する。第1負荷31B及び第2負荷32Bは、リセット状態が解除されることにより、時計機能及び付加機能の動作を開始する。
【0070】
[第3の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、判定装置10Bは、複数の負荷30が、それぞれリセット回路を備えることにより、負荷30の駆動状態を制御する。したがって、本実施形態によれば、複数の負荷30は、確実にリセット状態を維持することができる。
また、本実施形態によれば、負荷30には、電源が供給されたまま、確実にリセット状態を維持することができる。また、負荷30には電源が供給されているため、LED等の表示により、ユーザに電池の交換を促す表示をすることができる。
【0071】
[第4の実施形態]
次に、図9を参照しながら、第4の実施形態について説明する。
図9は、第4の実施形態に係る時計1Cの回路構成の一例を示す図である。時計1Cは、時計1Aの変形例である。第4の実施形態において、時計1Cは、第1負荷31Bと、第2負荷32とを備える点において、時計1Aとは異なる。
第1負荷31Bは、時計体311Bを備える。時計体311Bは、リセット回路を備える点において、時計体311とは異なる。時計体311Bは、リセット信号RSTにより、リセット状態に制御される。本実施形態において、リセット信号RSTは、例えば第1イネーブル信号EN1であってもよい。時計体311Bが備えるリセット回路を、第1リセット回路とも記載する。
第2負荷32は、付加回路321と、第2スイッチ322とを備える。
付加回路321は、時刻を計時する機能以外の機能を備える。
第2スイッチ322は、判定装置10Aにより出力された第2イネーブル信号EN2に基づき、付加回路321に電力を供給するか否かを切り替える。
【0072】
すなわち、第4の実施形態とは、第2の実施形態において説明したスイッチにより電力の供給を制御する方法と、第3の実施形態において説明したリセット回路により電力の供給を制御する方法とが混在した実施形態である。
本実施形態において、時計1Cは、第1電圧V1又は第2電圧V2の少なくとも一方が所定の閾値以下である場合に、時計体311B及び付加回路321を動作させない。具体的には、時計1Cは、第1電圧V1又は第2電圧V2の少なくとも一方が所定の閾値以下である場合に、時計体311Bのリセット状態を維持し、付加回路321に電力を供給しない。
【0073】
第4の実施形態のおける時計1Cは、換言すれば、第1電圧V1が第1閾値以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値以上である場合に、時計体311B及び付加回路321の少なくとも一方を電力供給可能な状態とする。具体的には、時計1Cは、第1電圧V1が第1閾値以上であり、かつ第2電圧V2が第2閾値以上である場合に、時計体311Bのリセット状態を解除し、付加回路321への電力供給を可能な状態とする。ここで、時計1Cは、正時になったときの時計体311Bからの正時信号をトリガーにして、付加回路321に電源供給が開始され、例えば、からくり動作を行い、からくり動作後、また電源が遮断され付加回路321は電源供給可能な状態が維持される。尚、付加回路321に電源供給が開始されるトリガーとしては、上記に限定されず、モニターボタン等の押圧によるスイッチ信号等であってもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、具体的な構成が上述した実施形態に限られるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更等も含まれる。
【0075】
本実施形態の判定装置の出力部は、第1電圧取得部110が取得した第1電源21の第1電圧V1が第1閾値以下、あるいは、第2電圧取得部120が取得した第2電源22の第2電圧V2が第2閾値以下のいずれかの場合に、第1負荷31を駆動するための電力供給と、第2負荷32を駆動するための電力供給とを共に停止させる機能を更に有してもよい。また、この場合、電池容量低下通報機能により所定の方法により、電源20の容量が所定の値以下になったことをユーザに通知してもよい。
【0076】
これにより、複数の電池のうちのいずれかが所定の閾値を下回った場合にユーザに通知することにより、より確実に、当該特定の電池に対応する負荷以外の負荷に対しても電力を供給しないよう制御することができる。
【0077】
なお、上述した実施形態における時計1及び判定装置10が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0078】
1…時計、10…判定装置、20…電源、21…第1電源、22…第2電源、30…負荷、31…第1負荷、32…第2負荷、100…電圧取得部、110…第1電圧取得部、120…第2電圧取得部、130…判定部、140…出力部、131…閾値記憶部、1311…第1閾値記憶部、1312…第2閾値記憶部、132…比較部、1321…第1比較部、1322…第2比較部、133…AND回路、1331…第1判定部、1332…第2判定部、311…時計体、312…第1スイッチ、V1…第1電圧、V2…第2電圧、EN…イネーブル信号、EN1…第1イネーブル信号、EN2…第2イネーブル信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9