(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】情報収集装置及び情報収集プログラム並びに情報収集システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220105BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
(21)【出願番号】P 2020136602
(22)【出願日】2020-08-13
(62)【分割の表示】P 2016093958の分割
【原出願日】2016-05-09
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】伊久美 智則
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高畠 政実
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-355254(JP,A)
【文献】特開2003-058086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0177059(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末の出力デバイスに商品での回答を求める設問を出力する出力手段と、
前記ユーザ端末の入力デバイスから前記設問に対する回答として入力された商品を検出する検出手段と、
前記ユーザ端末のユーザを特定する情報と関連付けて、前記検出手段により検出された商品に係る情報を取り込む取込手段と、
前記検出手段により検出された商品が前記設問の正解であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により
不正解であると判定されると、
前記取込手段により取り込んだ前記商品に係る情報を記憶する情報記憶手段と、
を具備する情報収集装置。
【請求項2】
前記判定手段により
同じ設問に対して不正解であると判定された
誤答回数を計数する計数手段と、
前記誤答回数を記憶する回数記憶手段と、
をさらに具備する請求項1記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記判定手段により不正解であると判定されると、前記ユーザ端末で報知させる報知制御手段、
をさらに具備する請求項1又は2記載の情報収集装置。
【請求項4】
ユーザ端末とのインターフェースを備えたコンピュータに、
前記ユーザ端末の出力デバイスに商品での回答を求める設問を出力させる機能、
前記ユーザ端末の入力デバイスから前記設問に対する回答として入力された商品を検出させる機能、
前記ユーザ端末のユーザを特定する情報と関連付けて、前記検出された商品に係る情報を取り込ませる機能、
前記検出された商品が前記設問の正解であるか否かを判定させる機能、及び、
前記
判定させる機能により不正解であると判定されると、
前記取り込ませる機能により取り込んだ前記商品に係る情報を記憶部に記憶させる機能、
を実現させるための情報収集プログラム。
【請求項5】
ユーザ端末と情報収集装置とを含み、
前記ユーザ端末は、
設問を出力するための出力デバイスと、
前記設問に対する回答を入力するための入力デバイスと、
を具備し、
前記情報収集装置は、
前記出力デバイスに、商品での回答を求める設問を出力させる出力手段と、
前記入力デバイスから前記設問に対する回答として入力された商品を検出する検出手段と、
前記ユーザ端末のユーザを特定する情報と関連付けて、前記検出手段により検出された商品に係る情報を取り込む取込手段と、
前記検出手段により検出された商品が前記設問の正解であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により不正解であると判定されると、前記取込手段により取り込んだ前記商品に係る情報を記憶する情報記憶手段と、
を具備する情報収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、買物客の思考に係る情報を収集する装置及びコンピュータを当該情報収集装置として機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗におけるマーケティング(売上を上げる活動)に有益な情報として、買物客の行動データがある。例えば買物客が特定の売場で留まった場合、その売場で販売されている商品に興味があると推測できる。そして、買物客が実際に購入した商品の中にこの売場の商品が含まれていない場合、買物客にとって魅力的な商品が品揃えされていないと分析できる。このような行動データを収集するシステムは既に知られている。
しかしながら現状のシステムで収集される情報は、買物客の行動から推測された情報であり、買物客の思考に直接結びつくものではない。買物客の思考に基づく情報を収集することで、より精度の高いマーケティングを実現できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、買物客の思考に基づく情報を簡便に収集できる情報収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、情報収集装置は、出力手段と、検出手段と、取込手段と、判定手段と、情報記憶手段と、を含む。出力手段は、ユーザ端末の出力デバイスに商品での回答を求める設問を出力する。検出手段は、前記ユーザ端末の入力デバイスから前記設問に対する回答として入力された商品を検出する。取込手段は、前記ユーザ端末のユーザを特定する情報と関連付けて、前記検出手段により検出された商品に係る情報を取り込む。判定手段は、前記検出手段により検出された商品が前記設問の正解であるか否かを判定する。情報記憶手段は、前記判定手段により不正解であると判定されると、前記取込手段により取り込んだ前記商品に係る情報を記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態である店舗システムを示すブロック図。
【
図3】支援サーバのプロセッサが、サーバプログラムに基づき実行する開始処理の手順を示す流れ図。
【
図4】支援サーバのプロセッサが、サーバプログラムに基づき実行する思考収集支援処理の手順を示す流れ図。
【
図5】支援サーバのプロセッサが、サーバプログラムに基づき実行する回答評価処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、買物客の思考に基づく情報を簡便に収集できる情報収集装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、スーパーマーケット等の実存する店舗に構築される店舗システム10の一例を示すブロック図である。図示するように店舗システム10は、POS(Point Of Sales)サーバ11、会員サーバ12、支援サーバ13、収集サーバ14、POS端末15、情報端末16及び中継器17を含む。そして、これらの機器をLAN(Local Area Network)等のネットワーク18で接続することにより、店舗システム10が構築される。ネットワーク18は、例えば有線LANでもよいし、無線LANでもよい。中継器17は、買物客が所持するユーザ端末20と無線を利用してデータ通信を行う。
【0008】
かかる構成の店舗システム10は、買物客がユーザ端末20を操作して買上商品のデータを自ら登録することを可能にしたセルフ登録を実施可能とする。買物客が自ら買上商品のデータを登録することで、POS端末15での買上商品登録操作を簡略化できる。また店舗システム10は、ユーザ端末20を操作する買物客の思考に基づく情報を収集することを可能にしたイベントを実施可能とする。思考に基づく情報とは、例えば「喉が渇いたときに飲みたい飲み物は何か」という設問に対して買物客が推測する商品の情報である。買物客は、このような設問に対して複数の商品を推測する。店舗システム10は、買物客が設問に対してどのような商品をどのような順番で推測したかという情報、すなわち思考に基づく情報を、クイズ形式のイベントによって収集することを可能とする。店舗システム10で収集された情報は、例えば買物客の性別、年齢等の客層別に分類し分析することで、マーケティングに有益な情報として活用できる。そこで、買物客が積極的にクイズ形式のイベントいわゆるクイズイベントに参加するように、店舗システム10は、クイズイベントに参加した買物客に対して特定のインセンティブを与える仕組みを有する。
【0009】
各サーバ11,12,13,14は、例えば店舗の事務所に設置される。POS端末15、情報端末16及び中継器17とデータ通信が可能であれば、各サーバ11,12,13,14の設置場所は特に限定されない。店舗外の任意の場所に各サーバ11,12,13,14が設置されてもよい。例えば、インターネット上のクラウドコンピューティングとして、各サーバ11,12,13,14が設置されてもよい。
【0010】
POS端末15は、例えば店舗の会計場(レジ)に設置される。POS端末15は、買物客が買い上げる商品(買上商品)の販売データをメモリに登録処理する。この登録処理により、買上商品の代金が算出される。またPOS端末15は、買上商品の代金を決済する決済処理を行う。決済処理には、現金支払いに対する決済処理、クレジット支払いに対する決済処理等がある。このような登録処理及び決済処理は、POS端末15において周知の処理であるため、詳細な説明は省略する。
【0011】
因みにPOS端末15は、通常、キャッシャと称される店員によって操作される。POS端末15は、買物客が自ら操作するセルフ方式であってもよい。また、登録処理を行う登録部と決済処理を行う決済部とを分離し、登録部については店員が操作し、決済部については買物客が操作するセミセルフ方式であってもよい。
【0012】
情報端末16は、例えば店舗の売場あるいは出入口の近傍に設置される。情報端末16は、マンマシンI/F(interface)としてタッチパネルを有し、買物客が必要なサービス情報を取得するために利用する。情報端末16は、バーコードを読み取るためのスキャナを備えている。情報端末16は、プリンタを搭載してもよい。
【0013】
中継器17は、例えば店舗の売場に設置される。中継器17は、売場で買物中の買物客が所持するユーザ端末20との間で無線通信網を確立する。そして中継器17は、ユーザ端末20から発信された無線データ信号を受信し、ネットワーク18を介していずれかのサーバ11,12,13,14に転送する。また中継器17は、いずれかのサーバ11,12,13,14から受けたユーザ端末20宛のデータ信号を無線データ信号に変換して、宛先のユーザ端末20に送信する。
【0014】
ユーザ端末20は、無線通信機能を有するコンピュータ機器である。ユーザ端末20は、店舗で買物をする際に買物客が携帯して使用する。例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等がユーザ端末20として用いられる。
【0015】
なお、
図1では、POS端末15、情報端末16及び中継器17をいずれも1台のみ示すが、これらは1台に限定されるものではない。典型的には、2台以上のPOS端末15、情報端末16及び中継器17がネットワーク18に接続されて、店舗システム10が構築される。また、ユーザ端末20は、各買物客がそれぞれ所持するものである。このため、中継器17は同時に多くのユーザ端末20との間で無線データ信号の中継を行うことが可能である。
【0016】
POSサーバ11は、商品データベース(商品DB)11Dを有する。商品データベース11Dは、POSサーバ11の補助記憶デバイスに記憶される。
商品データベース11Dは、商品毎に作成される商品レコードを保存する。POSサーバ11は、商品データベース11Dにアクセスして、商品レコードの読込み又は書込みを行う。
商品レコードは、商品ID、分類ID、商品名、単価等のデータ項目で構成される。商品IDは、各商品を識別するために商品毎に割り当てられた固有のコードである。分類IDは、商品の分類を識別するために分類毎に割り当てられた固有のコードである。分類は、食品の場合、「穀物類」、「豆類」、「肉類」、「魚介類」、「海藻類」、「野菜類」、「果物類」、「茸類」、「乳製品」等である。商品名は、対応する商品IDで識別される商品の名称である。単価は、同商品の1点当たりの価格である。
【0017】
会員サーバ12は、会員データベース(会員DB)12Dを有する。会員データベース12Dは、会員サーバ12の補助記憶デバイスに記憶される。
会員データベース12Dは、会員毎に作成される会員レコードを保存する。会員サーバ12は、会員データベース12Dにアクセスして、会員レコードの読込み又は書込みを行う。
会員レコードは、会員ID、個人情報、客層区分等のデータ項目で構成される。会員IDは、各会員を個々に識別するために会員毎に割り当てられた固有のコードである。個人情報は、対応する会員IDで識別される会員の会員名、性別、年齢等である。客層区分は、同会員の性別と年齢とから区分される客層を特定する情報である。客層は、例えば男女別に10代以下、20代、30代、40代、50代及び60代以上の年代毎に区分され、それぞれに固有の客層区分が割り当てられる。
【0018】
支援サーバ13は、プロセッサ131、主記憶デバイス132、補助記憶デバイス133及び通信I/F134等を備える。プロセッサ131と、主記憶デバイス132、補助記憶デバイス133及び通信I/F134とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路135によって接続される。
支援サーバ13は、プロセッサ131、主記憶デバイス132及び補助記憶デバイス133と、これらを接続するシステム伝送路135とによってコンピュータを構成する。
【0019】
プロセッサ131は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ131は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、支援サーバ13としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
主記憶デバイス132は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス132は、不揮発性のメモリ領域(ROM:Read Only Memory)と揮発性のメモリ領域(RAM:Random Access Memory)とを含む。主記憶デバイス132は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。主記憶デバイス132は、プロセッサ131が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。また主記憶デバイス132は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ131によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0020】
補助記憶デバイス133は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス133は、プロセッサ131が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ131での処理によって生成されたデータを保存する。また補助記憶デバイス133は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
通信I/F134は、ネットワーク18を介して行うデータ通信のインターフェースである。
【0021】
このような構成の支援サーバ13は、買物客の思考に基づく情報を収集する情報収集装置として機能するために、補助記憶デバイス133にサーバプログラム13Pと設問データベース(設問DB)13Dとを記憶し、主記憶デバイス132に回答者メモリ13Mとしての領域を確保する。回答者メモリ13Mは、揮発性のメモリ領域に設けられる。
サーバプログラム13Pは常駐プログラムであり、支援サーバ13が通常の動作状態にあるときにはプロセッサ131により常時実行される。サーバプログラム13Pは、後述する端末プログラム20Pに基づいて動作するユーザ端末20と協働して、支援サーバ13が買物客の思考に基づく情報を収集するように、プロセッサ131をコントロールする処理手順を表す。
【0022】
設問データベース13Dは、設問毎に作成される設問レコードを保存する。プロセッサ131は、設問データベース13Dにアクセスして、設問レコードの読込みまたは書込みを行う。
設問は、買物客の思考に基づく情報を収集することを目的としたものである。具体的には、例えば「喉が渇いたときに飲みたい飲み物は何か」というように、回答者に商品での回答を求める設問を用意する。そして、このような設問に対して特定の飲料商品を正答とする。
設問レコードは、設問番号、設問データ、正答データ等のデータ項目で構成される。設問番号は、設問毎に例えば“1”から順に割付される一連番号である。設問データは、対応する設問番号で特定される設問のテキストデータである。正答データは、当該設問の正答として設定された商品の商品IDである。
【0023】
回答者メモリ13Mは、
図2に示すエリア構造を有する。すなわち回答者メモリ13Mは、会員情報エリアと、設問番号毎の正答情報、正解フラグ、誤答回数、誤答履歴の各エリアとを含む。会員情報エリアには、回答者の会員情報が格納される。クイズイベントに参加する買物客が回答者となる。会員情報のすべてのデータ項目が会員情報エリアに格納される必要はない。少なくとも会員IDと客層区分とが記憶されていればよい。正答情報エリアには、対応する設問番号で特定される設問の正答データが格納される。正解フラグエリアには、デファルトの値が“0”であり、正解すると“1”に更新される1ビットのフラグ(以下、正解フラグと称する)が格納される。誤答回数エリアには、対応する設問に対して回答者が誤答した回数が格納される。誤答履歴エリアには、その回答者が誤答した商品の商品IDが、回答順に格納される。
【0024】
収集サーバ14は、収集データベース(収集DB)14Dを有する。収集データベース14Dは、収集サーバ14の補助記憶デバイスに記憶される。
収集データベース14Dは、支援サーバ13で生成された回答者メモリ13Mのデータレコードを保存する。収集サーバ14は、支援サーバ13で生成された回答者メモリ13Mのデータレコードを、ネットワーク18を介して収集し、収集データベース14Dに書き込む。
【0025】
ユーザ端末20は、プロセッサ201、主記憶デバイス202、補助記憶デバイス203、無線ユニット204、カメラユニット205及びタッチパネル206等を備える。プロセッサ201と、主記憶デバイス202、補助記憶デバイス203、無線ユニット204、カメラユニット205及び通信I/F206とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含むシステム伝送路207によって接続される。
ユーザ端末20は、プロセッサ201、主記憶デバイス202、補助記憶デバイス203、無線ユニット204、カメラユニット205及び通信I/F206と、これらを接続するシステム伝送路207とによってコンピュータを構成する。
【0026】
プロセッサ201は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、ユーザ端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
主記憶デバイス202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス202は、不揮発性のメモリ領域(ROM)と揮発性のメモリ領域(RAM)とを含む。主記憶デバイス202は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。主記憶デバイス202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。また主記憶デバイス202は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ201によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0027】
補助記憶デバイス203は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ201での処理によって生成されたデータを保存する。また補助記憶デバイス203は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
無線ユニット204は、中継器17との間で無線通信を利用してデータの送受信を行う無線回路を含む。カメラユニット205は、バーコードを撮影可能な解像度を有するカメラデバイスを含む。タッチパネル206は、ユーザ端末20の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。タッチパネル206には、上記のアプリケーションプログラムを起動するためのアイコンが表示される。
【0028】
このような構成のユーザ端末20は、端末プログラム20Pをインストールすることによって、店舗システム10を利用したセルフ登録及びクイズイベントの対応機器となる。端末プログラム20Pは、ユーザ端末20をセルフ登録及びクイズイベントの対応機器として動作させるために、プロセッサ201をコントロールする処理手順を表す。端末プログラム20Pは、補助記憶デバイス203に保存される。
【0029】
図3乃至
図5は、支援サーバ13のプロセッサ131が、サーバプログラム13Pに基づき、端末プログラム20Pがインストールされたユーザ端末20との間で実行する主要な処理手順を示す流れ図である。以下、
図3乃至
図5を用いて店舗システム10の主要な動作について説明する。なお、
図3乃至
図5の流れ図に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であり、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できるものである。
【0030】
来店した買物客は、ユーザ端末20のタッチパネル206に表示される端末プログラム20Pのアイコンにタッチして、端末プログラム20Pの起動を指示する。端末プログラム20Pが起動すると、タッチパネル206にログイン画面が表示されるので、買物客は、会員IDを用いてログインを行う。ログインを行うと、会員サーバ12でログイン認証が行われる。そしてその認証結果がユーザ端末20宛に通知される。ログインが承認されると、タッチパネル206にモード選択画面が表示される。モード選択画面は、買物モードとクイズモードとの選択を買物客に促す画面である。買上商品のデータを自ら登録する買物客は買物モードを選択する。クイズイベントに参加する買物客はクイズモードを選択する。
【0031】
サーバプログラム13Pが常駐している支援サーバ13のプロセッサ131は、Act1として買物客のログインが承認されるのを待機している。会員サーバ12からの通知により買物客のログインが承認されたことを検知すると(Act1にてYES)、プロセッサ131は、Act2としてその買物客の会員情報を取得する。すなわちプロセッサ131は、会員サーバ12にアクセスして、ログインの際に入力された会員IDで特定される会員レコードを要求する。この要求に対し、会員サーバ12のプロセッサは、会員データベース12Dから該当する会員レコードを読み出し、ネットワーク18を介して支援サーバ13に送出する。支援サーバ13のプロセッサ131は、会員レコードから会員ID、個人情報、客層区分等の会員情報を取得する。そしてプロセッサ131は、この会員情報を主記憶デバイス132のワークエリアに格納する。
【0032】
会員情報を取得したプロセッサ131は、買物客のログインが承認されたユーザ端末20において、Act3として買物モードが選択されたか否かを確認する。買物モードが選択されていない場合(Act3にてNO)、プロセッサ131は、クイズモードが選択されたか否かを確認する(Act4)。クイズモードも選択されていない場合(Act4にてNO)、プロセッサ131は、Act3に戻る。ここにプロセッサ131は、Act3及びAct4の処理により、買物モードが選択されるかクイズモードが選択されるのを待ち受ける。
買物モードが選択された場合(Act3にてYES)、プロセッサ131は、買物支援処理を実行する。クイズモードが選択された場合(Act4にてYES)、プロセッサ131は、思考収集支援処理を実行する。
【0033】
先ず、買物支援処理について説明する。買物モードを選択した買物客は、購入しようとする商品いわゆる買上商品のバーコードをユーザ端末20のカメラユニット205で撮影してからショッピングカード等に収容する。カメラユニット205で買上商品のバーコードが撮影されると、ユーザ端末20のプロセッサ201は、そのバーコードデータを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット204を制御する。この制御により、ユーザ端末20から支援サーバ13にバーコードデータが無線送信される。バーコードデータには、ログイン認証の際に入力された会員ID(以下、会員IDxと表す)が付加される。
【0034】
支援サーバ13のプロセッサ131は、買物支援処理を開始すると、主記憶デバイス132に会員IDx用のユーザメモリを作成する。このユーザメモリには、ワークエリアから会員IDxの会員情報が格納される。
プロセッサ131は、ユーザ端末20から無線送信されるバーコードデータを待ち受ける。そして通信インターフェース134を介してバーコードデータを受信する毎に、プロセッサ131は、そのバーコードデータを解析する。バーコードデータから商品IDが検出されると、プロセッサ131は、POSサーバ11にアクセスして、当該商品IDを含む商品レコードを要求する。この要求に対し、POSサーバ11のプロセッサは、商品データベース11Dから該当する商品レコードを読み出し、支援サーバ13宛に送信する。支援サーバ13のプロセッサ131は、通信インターフェース134を介して商品レコードを受信すると、その商品レコードから商品ID、分類ID、商品名、単価等の商品情報を取得する。そしてプロセッサ131は、この商品情報を、会員IDx用のユーザメモリに格納する。またプロセッサ131は、この商品情報の例えば商品名と単価とがタッチパネル206に表示されるようにユーザ端末20を制御するデータ信号を、ユーザ端末20宛に送信する。このデータ信号を受けて、ユーザ端末20のタッチパネル206には、カメラユニット205でバーコードが撮影された商品の商品名と単価とが表示される。
【0035】
買物を終えた買物客は、POS端末15が設置された会計場(レジ)に移動する。POS端末15には、固有のPOSIDを示すバーコードが表記されている。買物客または会計担当の店員は、このPOSIDを示すバーコードをユーザ端末20のカメラユニットで撮影する。カメラユニット205でPOSIDのバーコードが撮影された場合も、ユーザ端末20のプロセッサ201は、そのバーコードデータを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット204を制御する。この制御により、ユーザ端末20から支援サーバ13にバーコードデータが無線送信される。このバーコードデータにも会員IDxが付加される。
【0036】
支援サーバ13のプロセッサ131は、通信インターフェース134を介して受信したバーコードデータからPOSIDが検出されると、会員IDx用のユーザメモリに格納されている商品情報を読み出す。そしてプロセッサ131は、この商品情報をPOSIDで特定されるPOS端末15宛に送信するように通信インターフェース134を制御する。この制御により、会員IDx用のユーザメモリに格納されていた商品情報が一括して支援サーバ13からPOS端末15に送信される。
POS端末15のプロセッサは、支援サーバ13から受信した商品情報を基に買上商品の販売データをメモリに登録処理する。この登録処理により、買上商品の代金が算出されるので、買物客は代金を支払う。この代金の支払いを受けて、POS端末15のプロセッサは、決済処理を実行する。
【0037】
次に、思考収集支援処理について、
図4及び
図5を用いて説明する。
支援サーバ13のプロセッサ131は、思考収集支援処理を開始すると、Act11として主記憶デバイス132に会員IDx用の回答者メモリ13Mを作成する。この回答者メモリ13Mには、ワークエリアから会員IDxの会員情報が格納される。なお、会員情報の全てのデータ項目を回答者メモリ13Mに格納しなくてもよい。少なくとも、会員IDと客層区分とが回答者メモリ13Mに格納されればよい。
【0038】
プロセッサ131は、Act13として設問番号カウンタnを“0”にリセットする。設問番号カウンタnは、例えば主記憶デバイス132の揮発性メモリ領域に形成されている。プロセッサ131は、Act14として設問番号カウンタnを“1”だけカウントアップする。そしてプロセッサ131は、Act15として設問番号カウンタnが設問数Nを超えたか否かを判断する。設問数Nは、設問データベース13Dに設定されている設問レコードの総数である。設問数Nは、例えば補助記憶デバイス133に予め記憶されている。
【0039】
設問番号カウンタnが設問数Nを超えていない場合(Act15にてNO)、プロセッサ131は、Act16として誤答数カウンタeを“0”に初期化する。誤答数カウンタeは、例えば主記憶デバイス132の揮発性メモリ領域に形成されている。またプロセッサ131は、設問データベース13Dから設問番号nの設問レコードを読み込む。設問番号nは、設問番号カウンタnのカウント値である。設問番号nの設問レコードを読み込んだならば、プロセッサ131は、Act17として当該設問レコードの正答データを、会員IDx用の回答者メモリ13Mにおける設問番号nに対応する正答情報エリアにセットする。またプロセッサ131は、Act18として当該設問レコードに含まれる設問データの設問がタッチパネル206に表示されるようにユーザ端末20を制御するデータ信号を、ユーザ端末20宛に送信する。このデータ信号を受けて、ユーザ端末20のタッチパネル206には、設問が表示される。ここにプロセッサ131は、ユーザ端末20のタッチパネル206(出力デバイス)に商品での回答を求める設問を出力する出力手段を構成する。
【0040】
クイズモードを選択した買物客(以下、回答者と称する)は、タッチパネル206に設問が表示されたならば、正答となる商品を推測する。そして回答者は、推測した商品を店内から探し出し、その商品に付されているバーコードをユーザ端末20のカメラユニット205で撮影する。なお、タッチパネル206には、設問とともにイベント終了を指示する終了アイコンも表示される。クイズイベントへの参加を中止する場合、回答者は、終了アイコンにタッチする。
【0041】
カメラユニット205で商品のバーコードが撮影されると、ユーザ端末20のプロセッサ201は、そのバーコードデータを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット204を制御する。この制御により、ユーザ端末20から支援サーバ13にバーコードデータが無線送信される。このバーコードデータにも会員IDxが付加される。一方、終了アイコンがタッチされた場合には、プロセッサ201は、終了コマンドを支援サーバ13宛に送信するように無線ユニット204を制御する。この制御により、ユーザ端末20から支援サーバ13に終了コマンドが無線送信される。この終了コマンドにも会員IDxが付加される。
【0042】
支援サーバ13のプロセッサ131は、Act19として終了コマンドを受信したか否かを確認する。終了コマンドを受信していない場合(Act19にてNO)、プロセッサ131は、Act20として商品IDを受信したか否かを確認する。商品IDを受信していない場合(Act20にてNO)、プロセッサ131は、Act19の処理に戻る。かくしてプロセッサ131は、Act19及びAct20の処理により、終了コマンドまたは商品IDを受信するのを待ち受ける。
【0043】
通信インターフェース134を介して受信したバーコードデータを解析した結果、商品IDが検出されると、プロセッサ131は、商品IDを受信したと認識する。商品IDを受信すると(Act20にてYES)、プロセッサ131は、Act21としてその商品IDで識別される商品が設問に対する正答であるか否かを確認する。すなわちプロセッサ131は、会員IDx用の回答者メモリ13Mから設問番号nに対応する正答情報を読み出す。そしてプロセッサ131は、この正答情報の商品IDとバーコードデータを解析して得られた商品IDとを照合する。その結果、両者が一致する場合、プロセッサ131は、正解であると判定する。両者が一致しない場合、プロセッサ131は、不正解であると判定する。ここにプロセッサ131は、ユーザ端末20のカメラユニット205(入力デバイス)から設問に対する回答として入力された商品を検出する検出手段を構成する。またプロセッサ131は、この検出手段により検出された商品が設問の正解であるか否かを判定する判定手段を構成する。
【0044】
不正解であると判定された場合(Act21にてNO)、プロセッサ131は、Act22として不正解であることが報知されるようにユーザ端末20を制御するデータ信号を、ユーザ端末20宛に送信する。このデータ信号を受けて、ユーザ端末20のタッチパネル206には、不正解であることを報知するメッセージが表示される。なお、メッセージとともに音声によって不正解であることを報知してもよい。あるいは音声だけで不正解であることを報知してもよい。
【0045】
また、不正解であると判定された場合(Act21にてNO)、プロセッサ131は、Act23として誤答数カウンタeを“1”だけカウントアップする。そしてプロセッサ131は、Act24として誤答履歴データを記憶する。すなわちプロセッサ131は、会員IDx用の回答者メモリ13Mにおける設問番号nに対応する誤答履歴エリアに、誤答数カウンタeのカウント値と関連付けて、バーコードデータから検出された商品IDを格納する。その後プロセッサ131は、Act19の処理に戻る。そしてAct19以降の処理を上記と同様に実行する。ここにプロセッサ131は、ユーザ端末20のユーザを特定する情報(会員ID)と関連付けて、検出手段により検出された商品に係る情報(商品ID)を取り込む取込手段を構成する。
【0046】
一方、正解であると判定された場合には(Act20にてYES)、プロセッサ131は、Act25として正解であることが報知されるようにユーザ端末20を制御するデータ信号を、ユーザ端末20宛に送信する。このデータ信号を受けて、ユーザ端末20のタッチパネル206には、正解であることを報知するメッセージが表示される。なお、メッセージとともに音声によって正解であることを報知してもよい。あるいは音声だけで正解であることを報知してもよい。
【0047】
また正解であると判定された場合(Act20にてYES)、プロセッサ131は、Act26として正解フラグFを“1”にセットし、Act27として誤答回数eを記憶する。すなわちプロセッサ131は、会員IDx用の回答者メモリ13Mにおける設問番号nに対応するフラグエリアの正解フラグFを“0”から“1”に変更する。さらにプロセッサ131は、誤答カウンタeのカウント値を、同設問番号nに対応する誤答回数エリアに格納する。その後プロセッサ131は、Act14の処理に戻る。そしてAct14以降の処理を上記と同様に実行する。ここにプロセッサ131は、判定手段により正解であると判定されると、設問に対する回答の取込みを終了する終了手段を構成する。
【0048】
このように、回答者が設問から推測される商品のバーコードをカメラユニット205で撮影すると、正解であるか否かが報知される。そして不正解の場合、設問は変わらない。回答者は、同じ設問から推測される別の商品のバーコードをカメラユニット205で撮影する。このような動作は、回答者が正解である商品のバーコードをカメラユニット205で撮影するまで繰り返される。正解である商品のバーコードがカメラユニット205で撮影されると、次の設問に移る。そしてこの設問に対しても、回答者が正解である商品のバーコードをカメラユニット205で撮影するまで、同様な動作が繰り返される。
【0049】
かくして、会員IDx用の回答者メモリ13Mには、設問毎に、会員IDxで識別される回答者が正解に至るまでの誤答回数と誤答履歴データとが記憶される。誤答履歴データは、誤答した順番に誤答した商品の商品IDを蓄積したデータである。
【0050】
カウント値nが設問数Nを超えるか(Act15にてYES)、終了コマンドを受信した場合(Act19にてYES)、プロセッサ131は、回答評価処理を開始する。
図5は、回答評価処理の手順を具体的に示す流れ図である。回答評価処理が開始されると、プロセッサ131は、Act31として正解数rをカウントする。すなわちプロセッサ131は、会員IDx用の回答者メモリ13Mに記憶される設問番号毎の正解フラグFのうち、“1”にセットされている正解フラグFの数を計数する。そしてプロセッサ131は、この数を正解数rとする。ここにプロセッサ131は、判定手段により正解であると判定された回数を計数する計数手段を構成する。
【0051】
正解数rをカウントすると、プロセッサ131は、Act32として正解数rがインセンティブの判定値R以上であるか否かを判断する。判定値Rは、例えば補助記憶デバイス133に予め設定されている。本実施形態では、正解数rが判定値Rに達した回答者に対して割引販売のインセンティブを与えるものとする。割引販売のインセンティブを与えることにより、多くの買物客は、クイズイベントに参加するものと考えられる。
【0052】
正解数rが判定値R以上の場合(Act32にてYES)、プロセッサ131は、Act33として割引率を決定する。例えば支援サーバ13は、正解数が増加するに従いに割引率が大きくなるように、正解数と割引率とを対応付けて設定した割引率テーブルを有する。割引率テーブルは、例えば補助記憶デバイス133に記憶される。プロセッサ131は、この割引率テーブルを検索して、正解数rに応じた割引率を決定する。
【0053】
割引率を決定したならば、プロセッサ131は、Act34としてその割引率と割引対象となる商品のリストとを会員IDx用のユーザメモリに格納する。割引対象となる商品は、例えば回答者メモリ13Mにおいて、各設問の正答情報として格納された商品IDで特定される商品である。割引対象となる商品は、誤答履歴データとして記憶された商品IDで特定される商品を割引対象としてもよい。あるいは予め設定された商品IDの商品を割引対象としてもよい。どのような商品を割引対象とするかは任意である。後述するが、会員IDxで識別される買物客は、割引対象となる商品のうち少なくとも一品をユーザメモリに格納された割引率で割引した価格で購入することができる。ここにプロセッサ131は、計数手段により計数された回数に応じてユーザ端末20のユーザに特典を付与する付与手段を構成する。
【0054】
なお、回答者である買物客がクイズイベントに参加する前に買物モードを選択して買物を始めていた場合、すなわち買物客が買物の途中でクイズイベントに参加した場合、支援サーバ13の主記憶デバイス132に会員IDx用のユーザメモリが形成されている。しかし、買物の前にクイズイベントに参加した回答者については、主記憶デバイス132に会員IDx用のユーザメモリが形成されていない。その場合には、プロセッサ131は、主記憶デバイス132に会員IDx用のユーザメモリを作成し、このユーザメモリに割引率と割引対象となる商品のリストとを格納する。
【0055】
割引率を決定したならば、プロセッサ131はまた、Act35としてその割引率と割引対象となる商品のリストとがタッチパネル206に表示されるようにユーザ端末20を制御するデータ信号を、ユーザ端末20宛に送信する。このデータ信号を受けて、ユーザ端末20のタッチパネル206には、割引率と割引対象となる商品のリストとが表示される。したがって回答者は、割引率と割引対象となる商品のリストとを確認することができる。
【0056】
正解数rが判定値R以上であり(Act32にてYES)、Act33乃至Act35の処理を実行するか、正解数rが判定値Rに達していない場合(Act32にてNO)、プロセッサ131は、会員IDx用の回答者メモリ13Mに記憶されているデータを収集サーバ14へ保存する。すなわちプロセッサ131は、会員IDx用の回答者メモリ13Mから会員情報と設問番号順の正答情報、正解フラグ、誤答回数及び誤答履歴データを読み出す。そしてプロセッサ131は、これらのデータから回答者メモリ13Mのデータレコードを生成し、このデータレコードを収集サーバ14宛に送信するように通信インターフェース134を制御する。この制御により、回答者メモリ13Mのデータレコードは、ネットワーク18を介して収集サーバ14に送信され、収集データベース14Dに保存される。ここにプロセッサ131は、回答者メモリ13Mを用いて取込手段により取り込んだ情報を保存するように制御する制御手段を構成する。
【0057】
以上で、プロセッサ131は、回答評価処理を終了する。
回答評価処理を終了すると、プロセッサ131は、会員IDxでログインが承認されたユーザ端末20において買物モードが選択されるのを待機する。買物モードが選択されると、プロセッサ131は、買物支援処理を実行する。この買物支援処理において、プロセッサ131は、ユーザ端末20から無線送信されるバーコードデータから会員IDx用のユーザメモリに記憶されている割引対象となる商品の商品IDが検出されると、割引処理を行う。すなわちプロセッサ131は、その商品IDで識別される商品の単価を割引率で割引した価格に変更して、以後の処理を行う。なお、割引処理する回数の上限値を予め設定しておき、変更処理の回数が上限値に達したならば、割引処理を行わないようにしてもよい。
【0058】
このように、支援サーバ13によれば、買物客が使用するユーザ端末20のタッチパネル206に、商品での回答を求める設問を表示することができる。そして、買物客がこの設問に対して回答した履歴を取り込むことができる。この履歴は、買物客が設問に対してどのような商品をどのような順番で推測したかという情報、すなわち思考に基づく情報である。したがって、買物客の思考に基づく情報を簡便に収集できる。
【0059】
また支援サーバ13によれば、回答した履歴だけでなく、正答に至るまでの回答数も取り込むことができる。例えばこの回答数の平均が他の設問と比較して少ない場合、多くの顧客が設問に対して正答とした商品を先に推測すると考えられる。したがって、この回答数も買物客の思考に基づく情報として収集できる。
【0060】
また支援サーバ13によれば、設問に正解した数に応じて買物客に割引の特典を付与することができる。したがって、クイズイベントに参加する買物客のモチベーションが高まるので、多くの買物客の思考に基づく情報を簡便に収集することができる。
【0061】
また支援サーバ13によれば、ユーザ端末20から取り込んだ買物客の思考に基づく情報を収集サーバ14で蓄積保存することができる。したがって、この収集サーバ14で蓄積保存された情報を、例えば買物客の年齢、性別などの客層別に分類し分析することによって、より精度の高いマーケティングに有益な情報を得ることができる。
【0062】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、設問に対して正答を予め決めておき、正答が回答されるとその設問に対する情報収集を取り止める。しかしこの運用では、買物客が直ぐに正答を回答してしまうと、設問に対してどのような商品をどのような順番で推測したかという情報を十分に収集できなくなる懸念がある。そこで、設問に対する回答数を計数し、所定回数(例えば5回)に達したとき正答とするという運用を採用してもよい。この場合、所定回数はランダムに変更することが好ましい。
【0063】
また前記実施形態では、クイズイベントに参加した買物客に対して与えるインセンティブを割引価格での販売としたが、インセンティブの種類は特に限定されるものではない。例えば正解数に応じて景品を与えるようなインセンティブであってもよい。
【0064】
また前記実施形態では、設問に対して正答となる商品を1つとしたが、2つ以上の商品を正答としてもよい。2つ以上の商品を正答とする場合、いずれか1つの正答が得られると正解とみなす運用と、全ての正答が得られないと正解としない運用とが考えられる。また、同じ設問でも客層又は時間帯等によって正答を変更してもよい。
【0065】
また前記実施形態では、買物客(回答者)の客層に係らず設問を共通としたが、例えば男性用の設問と女性用の設問とを用意するというように客層毎に設問を変えてもよい。この場合、設問レコードに客層情報を付加することで対応することができる。
【0066】
また前記実施形態では、実店舗において買物客の思考に係る情報を収集する場合を例示した。例えばインターネットに接続されたパソコン、スマートフォン等をユーザ端末20とし、このユーザ端末20を操作する買物客がインターネット上の仮想店舗にアクセスして設問に回答することで、買物客の思考に係る情報を収集することも可能である。
【0067】
なお、情報収集装置である支援サーバ13の譲渡は一般に、情報収集プログラムであるサーバプログラム13Pが補助記憶デバイス133に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、支援サーバ13が備える主記憶デバイス132にサーバプログラム13Pが記憶された状態にて行われてもよい。あるいは、コンピュータ装置とは別に譲渡されたサーバプログラム13Pがユーザの操作に応じてコンピュータ装置に書き込まれたものであってもよい。サーバプログラム13Pの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0068】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]ユーザ端末の出力デバイスに商品での回答を求める設問を出力する出力手段と、前記ユーザ端末の入力デバイスから前記設問に対する回答として入力された商品を検出する検出手段と、前記ユーザ端末のユーザを特定する情報と関連付けて、前記検出手段により検出された商品に係る情報を取り込む取込手段と、を具備する情報収集装置。
[2]前記検出手段により検出された商品が前記設問の正解であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により正解であると判定されると、前記設問に対する回答の取込みを終了する終了手段と、をさらに具備する付記[1]記載の情報収集装置。
[3]前記判定手段により正解であると判定された回数を計数する計数手段と、前記回数に応じて前記ユーザ端末のユーザに特典を付与する付与手段と、をさらに具備するふき[2]記載の情報収集装置。
[4]前記取込手段により取り込んだ情報を保存するように制御する制御手段、をさらに具備する付記[1]乃至[3]のうちいずれか1記載の情報収集装置。
[5]ユーザ端末とのインターフェースを備えたコンピュータに、前記ユーザ端末の出力デバイスに商品での回答を求める設問を出力させる機能、前記ユーザ端末の入力デバイスから前記設問に対する回答として入力された商品を検出させる機能、及び、前記ユーザ端末のユーザを特定する情報と関連付けて、前記検出された商品に係る情報を取り込ませる機能、を実現させるための情報収集プログラム。
【符号の説明】
【0069】
10…店舗システム、11…POSサーバ、12…会員サーバ、13…支援サーバ、14…収集サーバ、20…ユーザ端末、13D…設問データベース、13P…サーバプログラム、13M…回答者メモリ。