(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】多焦点ディスプレイデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/34 20060101AFI20220127BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220127BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20220127BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
G09G3/34 D
G09G3/20 660X
G09G3/20 633P
G02B27/02
G02F1/133 535
G02F1/133 575
(21)【出願番号】P 2020503846
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2017069088
(87)【国際公開番号】W WO2019020190
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】アタナス・ボエフ
(72)【発明者】
【氏名】パンジ・セティアワン
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0346495(US,A1)
【文献】特表2014-519054(JP,A)
【文献】特表平08-511635(JP,A)
【文献】特開平10-171402(JP,A)
【文献】特開平11-109916(JP,A)
【文献】特開平10-124001(JP,A)
【文献】特開2009-180758(JP,A)
【文献】特開2008-268895(JP,A)
【文献】特開2016-099631(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0112245(KR,A)
【文献】特開2006-251315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/34
G09G 3/20
G02B 27/02
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多焦点ディスプレイデバイスであって、
2つ以上の色を有する画像を生成するように構成されたディスプレイ要素と、
焦点調整可能レンズと、
フレーム期間内の時間期間の間に前記焦点調整可能レンズの焦点を焦平面に調整し、前記画像を生成するために
前記時間期間にわたって
画素について提供されるビット列に従って前記ディスプレイ要素を制御するように構成されたコントローラであって、前記ビット列が
、前記2つ以上の色の各色について
、照明強度を示す部分列を含
み、前記照明強度が異なる重み付けを有する複数のビットで表される、コントローラと、
を備え、
各色について、前記部分列の最初のビットも最後のビットも前記部分列の最上位ビットでな
く、
前記2つ以上の色に対応する部分列のビットが交互配置され、前記交互配置されたビット列において前記部分列の偶数ビットの色の順序が前記部分列の奇数ビットの色の順序と逆である、多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記部分列の前記最初のビットおよび前記最後のビットが、
最も低い重み付けから2つの重み付けを有する、請求項1に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項3】
前記部分列は、前記部分列の前記最初のビットから前記最上位ビットへ
重み付けにおいて単調に増加し、前記部分列の前記最上位ビットから前記最後のビットへ
重み付けにおいて単調に減少する、請求項2に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記
2つ以上の色が、緑色と、赤または青色とを含み、前記
部分列の前記最初のビットまたは前記最後のビット、または前記最初のビットおよび前記最後のビットの両方が、赤または青色のためのものである、請求項1から
3のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項5】
偶数ビットが、前記部分列における奇数ビットの順番に対して逆の順番で前記部分列において配置される、請求項1から
4のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記コントローラが、
高い重み付けを有するビットに前
記時間期間の開始または終了からの時間におけるオフセット
を提供するように構成された、請求項1から
5のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項7】
複数のビットグループを記憶する記憶装置をさらに備え、前記ビット列がこれらのビットグループの連結であり、
前記コントローラが、前
記時間期間の第1のセクションの間に第1のビットグループに従って、前
記時間期間の第2のセクションの間に第2のビットグループに従って、前記ディスプレイ
要素を制御するように構成された、請求項1から
6のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記ディスプレイ要素が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)または液晶オンシリコン(LCOS)を備え、
前記ビット列の各ビットが前記DMDまたは前記LCOSを照明するための光の強度を決定し、
より低い
重み付けのビットが前記光のより低い照明強度に関係する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項9】
異なる色を用いて前記DMDまたはLCOSを照明するための前記光を提供するように構成された色要素をさらに備え、
前記ビット列の各ビットが前記光に提供される色に関係する、請求項
8に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記ディスプレイ要素によって少なくとも18ビットカラー画像を生成するために、前記ビット列が、赤、緑、および青色の各々について、少なくとも6個のビットを含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項11】
前記コントローラが、前記
焦点調整可能レンズ
の焦点を、フレーム期間の間に異なるインデックスの複数の焦
平面
に選択的に調整し、前
記時間期間の間にこれらの焦
平面のうちの1つ
に調整するように構成された、請求項1から1
0のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項12】
前記コントローラが、前
記時間期間の間に焦
平面
のインデックスに依存して、または、以前のまたは次
の時間期間の間に前記焦
平面
のインデックスに依存して、異なるビット列に従って前記ディスプレイ要素を制御するように構成された、請求項1
1に記載の多焦点ディスプレイデバイス。
【請求項13】
フレーム期間内の時間期間の間に焦点調整可能レンズの焦点を焦平面に調整し、2つ以上の色を有する画像を生成するために
前記時間期間にわたって
画素について提供されるビット列に従ってディスプレイ要素を制御するステップを備え、前記ビット列が
、前記2つ以上の色の各色について
、照明強度を示す部分列を含み、
前記照明強度が異なる重み付けを有する複数のビットで表され、
各色について、それぞれの色の前記部分列の最初のビットも最後のビットも前記部分列の最上位ビットでな
く、
前記2つ以上の色に対応する部分列のビットが交互配置され、前記交互配置されたビット列において前記部分列の偶数ビットの色の順序が前記部分列の奇数ビットの色の順序と逆である、多焦点ディスプレイを提供するための方法。
【請求項14】
請求項1から1
2のいずれか一項に記載の多焦点ディスプレイデバイスを制御するためのプログラムコードを備えるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多焦点ディスプレイ(Multifocal Display, MFD)デバイス、および多焦点ディスプレイを提供するための対応する方法に関係する。MFDデバイスは、具体的には、ニア・アイ・ディスプレイ(Near Eye Display, NED)デバイス、ニア・ツー・アイ(Near-To-Eye, NTE)応用またはデバイス、またはヘッド・マウント・ディスプレイ(Head Mounted Display, HMD)デバイスのような光学システム内にあり得る。本発明は、特に、MFDデバイスおよび方法によって創出される画像に色を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
MFDデバイスは、小さい、持ち運びできる、個人の閲覧体験を作り出すそれらの能力に起因して、業界において最近ますます注目を受けている。そのようなMFDデバイスの応用は、特に、シースルーNEDデバイスを通常利用する拡張現実(Augmented Reality, AR)、および没入型NEDデバイスを通常利用する仮想現実(Virtual Reality, VR)のカテゴリ内にある。
【0003】
従来のMFDデバイスの例が
図9に表されている。ここで
図9に表された従来のMFDデバイスは、(空間多重化されたMFDデバイスタイプとは異なる)時間多重化されたタイプのものである。この従来のMFDにおいて、3D画像の潜在的にフリッカーのない知覚を作り出すために、ユーザの目からの単一の2Dディスプレイの閲覧距離が、多焦
平面のフレームの描画と同期して迅速に切り換えられる。
【0004】
これは、一方で、高速焦点変調器要素を要求する。これらの要素は、変倍レンズ(焦点調整可能レンズ)を備えてもよく、レンズの焦点距離(または、同等に、屈折力)を迅速に調節または変調することができる。たとえば、この目的のために、電気的に焦点合わせされる調整可能レンズまたは変形可能な膜ミラーデバイス(deformable membrane mirror device, DMMD)が使用されることが可能である。
図10は、そのようなレンズの屈折力Dが時間にわたってどのように変わり得るかを図示する。通常、屈折力が階段状に変えられ、各屈折力は、知覚される3D画像の異なる焦
平面画像に対応する。MFDデバイスによって用いられる各屈折力レベル(すなわち、各焦
平面画像)(ここで
図10において、4つの屈折力レベルが表されている)は、たとえば、1/60sのフレーム持続時間の間に一度使用される。各屈折力レベル(焦
平面画像)について、(ここで「RGB」として示されている)色情報が提供され、すなわち、それは、たとえば4.2msの、よりいっそう短い時間期間内に提供されなければならない。
【0005】
従って、一方で、たとえば60Hzのフレームレートのフリッカー融合閾値速度でカラー画像を順次に表示するために、超高速ディスプレイ要素が要求される。実際、このディスプレイ要素は、MFDデバイス内で実施されるデジタル光処理(Digital Light Processing, DLP)についてのキー構成要素である。超高速ディスプレイ要素は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micromirror Device, DMD)、または液晶オンシリコン(Liquid Crystal on Silicon, LCOS)デバイス、たとえば強誘電性LCOS(Ferroelectric LCOS, FLCOS)デバイスを備えてもよい。
【0006】
DMDデバイスは、複数のマイクロミラーを含み、各ミラーは、表示されるべき画像の1つの画素である。マイクロミラーは、投影表面またはスクリーン上に明るいまたは暗い画素を作り出すために、光源に向けて(ON)または光源から離れて(OFF)のいずれかに傾くように構成され、光源の光が、マイクロミラーによって投影表面またはスクリーン上に反射されることが可能である。たとえば、パルス幅変調(Pulse Width Modulation, PWM)または可変強度照明方法のいずれかを使用することによって、2n個のグレースケールレベル(または2進数パターン)を表示するために、nビット2進数列が使用されることが可能であり、後者は、著しく高いフレームレートをサポートすることができる。
【0007】
超高速ディスプレイ要素は、たとえば異なる色のセグメントを有する、回転するガラスホイールによって実現される色要素をさらに備えてもよい。色要素は、光源とDMDの間に配置され、DMDを照明する光源の光に色を提供するために用いられる。従って、カラー画像が創出され得る。これは、色要素およびDMDを備えるディスプレイ要素が、色および露光配置を規定する順次の2進数パターン(ビット列)によって制御されることを含意する。これは、フィールド・シーケンシャル・カラー(field sequential color, FSC)動作またはラウンド・ロビンとして通常知られている。
【0008】
カラー画像を表示するための8ビット2進数パターンの例が(ここで赤色についてのみ)
図11に表されている。
図11の上側部分は、それぞれ、R1、R2、R4、R8、R16、R32、R64、およびR128と示される8個のビットを有する8ビット2進数パターンを表す。R1は、最下位ビット(Least Significant Bit, LSB)または第8のビットプレーンである。R128は、最上位ビット(Most Significant Bit, MSB)または第1のビットプレーンである。
【0009】
8ビットのビット列が、ある時間期間にわたってコントローラによって提供され、列の各ビットについて、光源による色要素の照明強度が、ある予め規定された照明重み付けに従って調節される。各照明重み付けについて、対応するビットプレーン(ある画像)が、たとえば、DMDによって提供される。
図11において理解されることが可能であるように、MSBに対応する第1の(最も重要である)ビットプレーンが最も高い照明重み付けを受け、一方、LSBに対応する第8の(最も重要でない)ビットプレーンが最も低い照明重み付けを受ける。例において、第8のビットプレーンは、第1のビットプレーンの照明の1/128のみを受け得る。最後に、ディスプレイ要素によって焦点変調器要素に出力される最終画像を形成するために、異なるビットプレーン、ここで2進数パターンの8個のビットに対応する8個のビットプレーンが重ね合わされる。
【0010】
図12は、従来のMFDデバイスにおいて生じる課題を図示する。上記で述べたように、焦点調整可能レンズの屈折力は、焦点変調器要素内で、すなわち、レンズに制御信号(たとえば、制御された電流)を適用することによって調節される。フレームの間に、
図10に表されているように、(いくつかの焦
平面画像を生成するための)いくつか(たとえば、4つ)の屈折力レベルを生成するために、階段関数の形式での制御信号が適用され得る。残念ながら、レンズの慣性に起因して、振動アーチファクト(オーバーシュート+リンギング)が、立ち上がり時間およびセトリング時間によって特徴付けられるレンズの光学応答において現れる。そのようなアーチファクトは、
図12において、1つの屈折力レベルから他への遷移において現れる。加えて、振動アーチファクトは、屈折力レベルの中間(平坦域)においても現れ得る。
【0011】
図11に表されているように、カラー画像を作り出すための2進数パターンは、1つの屈折力の平坦域の時間期間にわたって提供されるので、
図12に表されているように、2進数パターンの少なくとも開始および終了は、アーチファクトの間に、すなわち、1つのレベルから他への遷移において提供される。これは、最終画像におけるひどい色アーチファクトおよび焦点深度アーチファクトを創出する可能性がある。屈折力におけるリップル、および対応する色および焦点深度アーチファクトは、
図12にも表されているように、制御電流が一定レベルに保たれる間、すなわち、2つの連続したレベル変化の間にも生じ得る。
【0012】
言い換えると、
図9の従来のMFDデバイスにおいて各焦
平面画像について
図11に表された従来の2進数パターンを適用することは、屈折力遷移の間のアーチファクトに少なくとも起因して、画像内に色および焦点深度アーチファクトを創出する可能性があり、というのは、
図13に表されているように、1つの焦
平面画像における特定の2進数色パターンの最も高い強度の照明(たとえば、B128)に、別の焦
平面画像における次の2進数色パターンの最も低い強度の照明(たとえば、R1)が続くからである。これは、全体的な生成された多焦点(カラー)ディスプレイの知覚される画像品質に著しく影響する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記で述べた課題および不利益の観点から、本発明は、従来のMFDデバイスおよび方法を改善することを目的とする。本発明は、多焦点ディスプレイのための改善されたカラー画像を生成するMFDデバイスおよび方法を提供する目的を有する。特に、カラー画像は、より少ない色および焦点深度アーチファクトを有するべきである。特に、焦点調整可能レンズの屈折力遷移に起因するカラー画像への悪い影響が低減され、好ましくは除去されるべきである。
【0014】
この目的は、添付される独立請求項において指定される解決策によって達成される。有利な実装は、従属請求項においてさらに規定される。
【0015】
特に、本発明は、従来の2進数パターン(以下で、単に「ビット列」と呼ばれる)を再順番付けすること、または再配置することによって上記の課題への解決策を提案する。再順番付けすることまたは再配置することは、ディスプレイ要素内のディスプレイデバイスを照明する照明パルスが、それらの強度に従って時間決めされるように行われることが可能である。より具体的には、レンズの光学応答の安定状態の期間の間に高い強度の照明パルスを、安定でない状態の期間の間にまたはその近くでより少ない強度の照明パルスを生成することが提案される。さらに、異なる色への人間の目の感度が考慮されることが可能である。
【0016】
本発明の第1の態様は、画像を生成するように構成されたディスプレイ要素と、1つ以上の色を有する画像を生成するために、決定された時間期間にわたって提供されるビット列に従ってディスプレイ要素を制御するように構成されたコントローラであって、ビット列が各色について異なる重要度の複数のビットを含み、各色について、部分列の最初のビットも最後のビットも部分列の最上位ビットでない、コントローラと、を備えるMFDデバイスを提供する。
【0017】
この方式で、すなわち、ビット列によって指定されるようにビットを配置することは、各色の(最高強度の照明に対応する)MSBが、各フレーム露光列の開始にも終了にも現れないことになり、従って振動アーチファクトが最も強いと予期されるときに使用されないことになるという効果を有する。言い換えると、MSBは、屈折力遷移の間に現れないが、その後に、レンズ振動の振幅が減少したときに現れることになる。従って、焦点調整可能レンズの屈折力遷移の間に生じるアーチファクトは、MSBに影響を及ぼさないことになる。これは、最終的に統合された画像における色および焦点深度アーチファクトを低減し、生成される画像の全体的な品質を改善する。
【0018】
第1の態様の1つの実装形式において、部分列の最初のビットおよび最後のビットは、部分列の2つの最下位ビットである。すなわち、最初のビットがLSBであり、2番目のビットが2番目に低い重要度のビット(2番目のLSBとも呼ばれる)であり、またはその逆である。
【0019】
これは、生成される画像における色および焦点深度アーチファクトを低減する。
【0020】
特定の実装形式において、部分列は、部分列の最初のビットから最上位ビットへ重要度において単調に増加し、部分列の最上位ビットから最後のビットへ重要度において単調に減少する。
【0021】
これは、生成される画像における色および焦点深度アーチファクトを低減する。
【0022】
第1の態様のさらなる実装形式において、そこで、2つ以上の色において、それらの対応するビットの部分列が互いにインターリーブされる。
【0023】
結果として、振動アーチファクトは、主に1つの特定の色に影響を及ぼさないが、等しく全ての色に影響を及ぼし、従って全体的なより良いカラー画像を提供する。
【0024】
第1の態様のさらなる実装形式において、1つ以上の色は、緑色と、赤または青色とを含み、列の最初のビットまたは最後のビット、または最初のビットおよび最後のビットの両方が、赤または青色のためのものである。
【0025】
このようにして、異なる色への人間の目の感度における違いが考慮される。特に、人間の目は、緑に対してより感度が高く、青および赤に対してより感度が低いので、これらの後者の色を、光学応答アーチファクトが生じる位置に配置することが有益である可能性がある。生成される画像におけるアーチファクトは、従ってあまり知覚可能でなくなる可能性がある。知覚される画像の品質は、従って改善することが可能である。
【0026】
第1の態様のさらなる実装形式において、色の偶数ビットは、同じ色の奇数ビットよりもビット列の開始の近くに配置され、一方、同じ色の奇数ビットは、同じ色の偶数ビットよりもビット列の終了の近くに配置され、または、色の奇数ビットは、同じ色の偶数ビットよりもビット列の開始の近くに配置され、一方、同じ色の偶数ビットは、同じ色の奇数ビットよりもビット列の終了の近くに配置される。
【0027】
それは、たとえば、偶数ビットプレーンが、ある色配置に基づいて最初に照明され、奇数ビットプレーンを、たとえば、同じ色配置に基づいて逆にされた順番付けで照明することが続いてもよいことを意味する。指定される奇数/偶数ビット配置の結果である、ビット列の中間における配置の変更は、屈折力遷移の間に特定の色を露光し得る。たとえば、人間の目が最も感度が低い青色が、レンズの屈折力の遷移の間に露光されてもよい。
【0028】
第1の態様のさらなる実装形式において、偶数ビットは、部分列における奇数ビットの順番に対して逆の順番で部分列において配置される。
【0029】
従って、各重要度について、人間の目が最も感度が低い色が、ビット列の開始または終了に近く位置付けられることが可能である。
【0030】
第1の態様のさらなる実装形式において、コントローラは、決定された時間期間にわたって不規則な間隔で、ビット列のビットを提供するように構成される。
【0031】
それによって、特に、フレームレートは、依然として一定で規則的である。たとえば、レンズの屈折力の平坦域内に、すなわちビット列の中間において、予期される主要なリップルが存在するときに、これらのリップルの間の照明パルスを回避するために、ビット列内のおよび/またはビット列の間のタイミング間隔が調節されることが可能である。
【0032】
第1の態様のさらなる実装形式において、コントローラは、予め決定された時間期間の開始および/または終了からの時間におけるオフセットをビット列に提供するように構成される。
【0033】
それによって、焦平面画像の間の屈折力遷移における主要な振動アーチファクトが回避されることが可能である。
【0034】
第1の態様のさらなる実装形式において、MFDデバイスは、複数のビットグループを記憶する記憶装置をさらに備え、ビット列がこれらのビットグループの連結であり、コントローラが、決定された時間期間の第1のセクションの間に第1のビットグループに従って、決定された時間期間の第2のセクションの間に第2のビットグループに従って、ディスプレイデバイスを制御するように構成される。
【0035】
従って、たとえば、レンズの光学応答の中央において主要なリップルが予期されるならば、照明パルスは2つ以上のグループに分割されてもよい。グループは、主要なリップルの位置がグループ間の間隙として残されるように配置されることが可能である。
【0036】
第1の態様のさらなる実装形式において、MFDデバイスは、決定された時間期間内の、少なくとも1つの予め決定された時点または時間範囲を記憶する記憶装置をさらに備え、コントローラは、1つ以上の色のより低い重要度のビットをその時点において、またはその時間範囲内に配置し、これらの色のより高い重要度のビットをその時点においてでなく、またはその時間範囲の外に配置するように構成される。
【0037】
記憶される時点または時間範囲は、たとえば、屈折力の平坦域内の主要なリップルの存在を示すことが可能である。従って、MSBは、この主要なリップルによって影響されないように配置されることが可能である。
【0038】
第1の態様のさらなる実装形式において、ディスプレイ要素がDMDまたはLCOSを備え、ビット列の各ビットがDMDまたはLCOSを照明するための光の強度を決定し、より低い重要度のビットは、光のより低い照明強度に関係する。
【0039】
第1の態様のさらなる実装形式において、MFDデバイスは、異なる色を用いてDMDまたはLCOSを照明するための光を提供するように構成された色要素をさらに備え、ビット列の各ビットは、光に提供される色に関係する。
【0040】
第1の態様のさらなる実装形式において、ディスプレイ要素によって少なくとも18ビットカラー画像を生成するために、ビット列は、赤、緑、および青色の各々について、少なくとも6個のビットを含む。
【0041】
第1の態様のさらなる実装形式において、MFDデバイスが焦点調整可能レンズをさらに備え、コントローラは、レンズの焦点を、フレーム期間の間に異なるインデックスの複数の焦平面に、決定された時間期間の間にこれらの焦平面のうちの1つに、選択的に調整するように構成される。
【0042】
異なる焦平面は、レンズの屈折力を調節することによって選択され、これは、各焦平面について異なる値の制御信号、たとえば、異なる電流強度を有する電流信号を提供することによって達成され得る。
【0043】
第1の態様のさらなる実装形式において、コントローラは、予め決定された時間期間の間に焦平面インデックスに依存して、かつ/または、以前のおよび/または次の決定された時間期間の間に焦平面インデックスに依存して、異なるビット列に従ってディスプレイ要素を制御するように構成される。
【0044】
それによって、特定の屈折力の平坦域の(すなわち、あるインデックスの焦平面の)特性である主要なリップルは、それに従ってビット列を調節することによって考慮されることが可能である。さらに、焦平面遷移の間の焦平面インデックスに依存して、異なる種類のアーチファクトが生じる可能性があり、異なる配置のビット列が要求される可能性がある。すなわち、列内の各光強度が、比較的一定(静止状態応答)の屈折力を有することをレンズの光学応答に達成させることを保証するために、注意深く制御されたビット列が提供され得る。各ビット列は、焦平面において異なるオフセットで現れ得る。
【0045】
本発明の第2の態様は、1つ以上の色を有する画像を生成するために、決定された時間期間にわたって提供されるビット列に従ってディスプレイ要素を制御するステップを備え、ビット列が各色について異なる重要度のビットの部分列を含み、各色について、それぞれの色の部分列の最初のビットも最後のビットも部分列のMSBでない、MFDデバイスを提供するための方法を提供する。
【0046】
第2の態様の一実装形式において、部分列の最初のビットおよび最後のビットは、部分列の2つの最下位ビットである。
【0047】
第2の態様の一実装形式において、部分列は、部分列の最初のビットから最上位ビットへ重要度において単調に増加し、部分列の最上位ビットから最後のビットへ重要度において単調に減少する。
【0048】
第2の態様の一実装形式において、異なる色に関連するビットの部分列は、ビット列内で互いにインターリーブされる。
【0049】
第2の態様のさらなる実装形式において、1つ以上の色は、緑色と、赤または青色とを含み、列の最初のビットまたは最後のビット、または最初のビットおよび最後のビットの両方が、赤または青色のためのものである。
【0050】
第2の態様のさらなる実装形式において、偶数ビットは、部分列における奇数ビットの順番に対して逆の順番で部分列において配置される。
【0051】
第2の態様のさらなる実装形式において、決定された時間期間にわたって不規則な間隔でビット列のビットが提供される。
【0052】
第2の態様のさらなる実装形式において、ビット列は、予め決定された時間期間の開始および/または終了からの時間におけるオフセットが提供される。
【0053】
第2の態様のさらなる実装形式において、方法は、複数のビットグループを記憶するステップをさらに備え、ビット列がこれらのビットグループの連結であり、ディスプレイデバイスが、決定された時間期間の第1のセクションの間に第1のビットグループに従って、決定された時間期間の第2のセクションの間に第2のビットグループに従って、制御される。
【0054】
第2の態様のさらなる実装形式において、方法は、決定された時間期間内の、少なくとも1つの予め決定された時点または時間範囲を記憶するステップをさらに備え、1つ以上の色のより低い重要度のビットがその時点においてまたはその時間範囲内に配置され、これらの色のより高い重要度のビットがその時点において配置されず、またはその時間範囲の外にある。
【0055】
第2の態様のさらなる実装形式において、ディスプレイ要素がDMDまたはLCOSを備え、ビット列の各ビットがDMDまたはLCOSを照明するための光の強度を決定し、より低い重要度のビットは、光のより低い照明強度に関係する。
【0056】
第2の態様のさらなる実装形式において、方法は、異なる色を用いてDMDまたはLCOSを照明するための光を提供するステップをさらに備え、ビット列の各ビットは、光に提供される色に関係する。
【0057】
第2の態様のさらなる実装形式において、ディスプレイ要素によって少なくとも18ビットカラー画像を生成するために、ビット列は、赤、緑、および青色の各々について、少なくとも6個のビットを含む。
【0058】
第2の態様のさらなる実装形式において、方法は、焦点調整可能レンズの焦点を、フレーム期間の間に異なるインデックスの複数の焦平面に、決定された時間期間の間にこれらの焦平面のうちの1つに、選択的に調整するステップをさらに備える。
【0059】
第2の態様のさらなる実装形式において、ディスプレイ要素は、予め決定された時間期間の間に焦平面インデックスに依存して、かつ/または、以前のおよび/または次の決定された時間期間の間に焦平面インデックスに依存して、異なるビット列に従って制御される。
【0060】
第2の態様およびその実装形式の方法を用いて、第1の態様およびその実装形式のMFDデバイスの全ての利点および効果がそれぞれ達成されることが可能である。
【0061】
本発明の第3の態様は、第1の態様またはその実装形式のいずれかに従ってMFDデバイスを制御するためのプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品を提供する。
【0062】
従って、第1の態様のMFDデバイスの利点および効果が達成されることが可能である。
【0063】
本出願において説明された全てのデバイス、要素、ユニット、および手段は、ソフトウェアまたはハードウェア要素またはそれらの任意の種類の組み合わせで実装されることが可能であることが留意されなければならない。本出願において説明された様々なエンティティによって実行される全てのステップ、並びに様々なエンティティによって実行されるように説明された機能は、それぞれのエンティティがそれぞれのステップおよび機能を実行するように適合され、または構成されることを意味するように意図される。特定の実施形態の以下の説明において、外部のエンティティによって実行されるべき特定の機能またはステップが、その特定のステップまたは機能を実行するそのエンティティの特定の詳細な要素の説明においてたとえ反映されていなくても、これらの方法および機能がそれぞれのソフトウェアまたはハードウェア要素、またはそれらの任意の種類の組み合わせで実装されることが可能であることが当業者に明確であるべきである。
【0064】
本発明の上記で説明された態様および実装形式は、同封された図面に関して特定の実施形態の以下の説明において解説されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】本発明の実施形態によるMFDデバイスを表す。
【
図2】本発明の実施形態によるMFDデバイスを表す。
【
図3】本発明の実施形態によるMFDデバイスにおいて使用されるビット列を表す。
【
図5】本発明の実施形態によるMFDデバイスにおいて使用されるビット列を表す。
【
図6】屈折力遷移において使用されるビット列の配置を表す。
【
図7】本発明の実施形態によるMFDデバイスを表す。
【
図8】焦
平面遷移の間のレンズの光学応答を表す。また、本発明の実施形態によるMFDデバイスにおいて使用されるビット列を表す。
【
図10】時間にわたって異なる焦
平面の屈折力遷移を表す。
【
図11】赤色についての従来の8ビット2進数パターン列を表す。
【
図13】力遷移の間の従来のビット列の使用を表す。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1は、本発明の実施形態によるMFDデバイス100を表す。MFDデバイス100は、NEDデバイス、NTEデバイス、またはHMDデバイスであってもよく、または任意のそのようなデバイス内に提供されてもよい。
【0067】
MFDデバイス100は、DMDまたはLCOSを備えてもよいディスプレイ要素101を含み、カラーホイールのような色要素をさらに備えてもよい。さらに、MFDデバイス100は、コンピュータプロセッサ、マイクロコントローラ、または同様のものであってもよいコントローラ102を含む。
【0068】
コントローラ102は、決定された時間期間にわたって提供されるビット列103に従ってディスプレイ要素101を制御するように構成される。すなわち、コントローラ102は、決定された時間期間にわたってビット列103をディスプレイ要素101に提供し、決定された時間期間は、たとえば、1つの焦平面画像の持続時間である。ディスプレイ要素101は、ビット列に従って画像を生成するように構成される。特に、ディスプレイ要素101は、1つ以上の色で画像を生成するように構成され、ビット列103は、この画像の各色について、異なる重要度のビットの部分列を含む。
【0069】
各色について、レンズの屈折力においてオーバーシュートのようなアーチファクトが生じるときにその色のMSBが現れることを回避するために、それぞれの色についての部分列の最初のビットまたは最後のビットのいずれもが、部分列の最上位ビットでない。
【0070】
図2は、本発明の実施形態によるMFDデバイス100を表し、これは
図1に表されたMFDデバイス100に基礎を置く。再び、MFDデバイス100は、ディスプレイ要素101およびコントローラ102を含み、コントローラ102は、ディスプレイ要素101にビット列103を提供する。ここで、ビット列103は、対応するビットプレーンの照明がどれだけ強いかを決定する「照明列」、および/またはそれに従ってディスプレイ要素101が異なるビットプレーンを創出する1つ以上の「2進数パターン」であってもよく、または含んでもよい。ディスプレイ要素101は、具体的には、好ましくはDMD201(またはLCOS)を含み、DMD201は、コントローラ102から1つ以上の2進数パターンを受け取り、2進数パターンは、DMD201がオン「1」に動かされるか、またはオフ「0」に動かされるかを決定する。照明列および2進数パターンは、従ってビット列103から導出され得る。各ビットプレーンは、照明列に従って照明される。
【0071】
図2のディスプレイ要素101は、また、異なる色を用いてDMD201(またはLCOS)を照明する光を提供するように構成された色要素200を含み、ビット列103の各ビットは、光に提供される色に関係する。このようにして、ディスプレイ要素101は、各ビットについてのビットプレーンを生成し、次いで、これらのビットプレーンを1つの焦
平面についての画像に統合する。
【0072】
この画像は、次いで、好ましくは、
図2に表されているように、焦点調整可能レンズ202に提供される。すなわち、
図2のMFDデバイス100は、また、焦点調整可能レンズ202を備える。焦点調整可能レンズ202は、単一レンズまたは複合レンズであってもよい。複合レンズは、2つ以上の基本的なレンズが次々に配置されるレンズ組立体である。コントローラ102は、レンズ202の焦点を、フレーム期間の間に異なるインデックスの複数の焦
平面に、ビット列103が提供される決定された時間期間の間にこれらの焦
平面のうちの1つに、選択的に調整するようにさらに構成される。これは、焦
平調整可能レンズ202に「レンズ制御機能」および「焦
平面配置」を提供するコントローラ102によって達成され得る。
【0073】
図3は、
図1または
図2に従うMFDデバイス100のコントローラ102によって使用されるビット列103を表す。ビットR2、G2、B2がビット列103の開始の近くに配置され、一方、ビットR1、G1、B1がビット列103の終了の近くに配置されることが理解されることが可能である。R1、G1、およびB1は、赤、緑、および青の色のLSBを示す。R2、G2、およびB2は、赤、緑、および青の色の2番目に低い重要度のビットを示す。従って、各色のより低い重要度のビットは、各色のより高い重要度のビットよりも、ビット列103の開始および/または終了により近くに、または同じ距離において配置される。この配置、および次の(または前の)焦
平面画像のために使用される同様のビット列103を用いて、LSBのみが屈折力遷移の間に露光されることになり、これらの遷移において生じるアーチファクトを被ることになる。これは、
図4において図示され、
図4は、時間にわたる屈折力Dの進展、特に、1つの焦
平面から他へレンズ202を制御するための屈折力の階段を表している。各屈折力レベルの持続時間の間に、ビット列103が提供され、屈折力遷移の臨界領域において、LSB B1、R2(およびもしかしたらG2、B2)のみが照明され、従ってアーチファクトによって影響され、一方、従来のMFDデバイスにおいて(比較のために描かれているグレーのビット列を参照されたい)、少なくとも1つのMSBビット、すなわちB128も影響されることが理解されることが可能である。
【0074】
図5は、それぞれ、
図1および
図2のMFDデバイス100によって使用され得る別のビット列103を表す。ここで、人間の目は、緑色に対してより感度が高く、青および赤色に対してより感度が低いので、偶数ビットプレーンが、BRGカラーフィールド配置(たとえば、表されているように、B2, R2, G2, B8, R8, G8, B32, R32, G32, B128, R128, G128)に基づいて最初に照明され、GRBカラーフィールド配置(たとえば、表されているように、G64, R64, B64, G16, R16, B16, G4, R4, B4, G1, R1, B1)に基づいて、逆の順番付けで照明される奇数ビットプレーンが続く。
【0075】
従って、次の焦
平面についてのビットプレーンの後続の露光は、屈折力遷移の間にLSBを露光するのみであり、加えて、ビット列103の中間におけるカラーフィールド配置の変更は、屈折力遷移の間に青色を露光する。これは、
図6において理解されることが可能であり、青のビットB1およびB2は、力遷移にあり、一方、従来のMFDデバイス(比較のためグレーで描かれているビット列)において、赤のビットR1および青色のMSB B128が力遷移にある。特に、光学的遷移に依存して、2つの屈折力の階段、LSB R1、B1およびB2、R2の間に体験されるアーチファクトが取り除かれることさえ可能である。
【0076】
図7は、本発明の実施形態によるMFDデバイス100を表し、これは
図1に表されたMFDデバイス100に基礎を置く。MFDデバイス100は、追加的に記憶装置700を含み、記憶装置700は、複数のビットグループ701を記憶する(異なるビットグループは、ここで、例示的な4つのビットグループについて、701a、701b、701c、および701dとラベル付けされる)。ビット列103は、記憶装置700内のビットグループ701を使用して、コントローラ102によって連結され得る。特に、コントローラ102は、決定された時間期間の第1のセクションの間に第1のビットグループ701bに従って、決定された時間期間の第2のセクションの間に第2のビットグループ701aに従って、ディスプレイデバイス101を制御するように構成される。本例における決定された時間期間の第3のセクションにおいて、ビットグループ701cが続いてもよく、決定された時間期間の第4のセクションは、最終の第4のビットグループ701dに関係してもよい。しかし、また、4つ以上のビットグループが使用されてもよく、異なるビットグループに従って制御される異なるセクションは、ビット列103内の任意の場所にあってもよい。
【0077】
特に、レンズの階段応答の中央において、すなわち、屈折力の平坦域の中央において、主要なリップルが予期されるならば、2つ以上のグループが照明パルスを分割してもよい。これは、たとえば、
図8に表され、
図8において、2つの屈折力の間の屈折力遷移が時間にわたって表されている。最初の屈折力の平坦域の間に主要なリップルはない。ビット列103は、照明光についての光強度が平坦域の中央において最高であるようなものである。より具体的には、より高い重要度のビットは、ビット列103の開始または終了からさらに離れて配置され、一方、より低い重要度のビットは、ビット列103の開始または終了のより近くに配置される。
【0078】
第2の光学的平坦域の間に、主要なリップルが、予め決定された時間期間のほぼ中間において現れる。主要なリップルの位置が前もって知られているので、注意深く調節されたビット列103が、コントローラ102によってディスプレイ要素101に提供されることが可能である。従って、リップル付近において光の強度はスケジュールされない。この目的のために、たとえば、2つのグループがビット列103を分割することが可能である。
【0079】
その代わりに、記憶装置700は、また、決定された時間期間内の、少なくとも1つの予め決定された時点または時間範囲を記憶してもよく、これは、たとえば、主要なリップルの位置および/または持続時間に対応する。次いで、コントローラ102は、その時点において、またはその時間範囲内に、1つ以上の色のより低い重要度のビットを配置し、または全くビットを配置せず、主要なリップルの、その時点においてでなく、またはこの時間範囲の外に、これらの色のより高い重要度のビットを配置するように構成され得る。
【0080】
この技術分野の当業者は、請求項から逸脱することなく、上記で説明された実施形態の変形を考案および実装することが可能である。請求項において、並びに説明において、動詞「備える(comprise)」は、さらなる要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。単一の要素または他のユニットが、請求項に記載されたいくつかのエンティティまたは部材の機能を充足し得る。ある手段が異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利な実装において使用されることが可能でないことを示さない。
【符号の説明】
【0081】
100 多焦点ディスプレイデバイス
101 ディスプレイ要素
102 コントローラ
103 ビット列
200 色要素
201 DMD
202 焦点調整可能レンズ
700 記憶装置
701 ビットグループ