(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】自律走行車両運行管理計画
(51)【国際特許分類】
B60W 60/00 20200101AFI20220105BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20220105BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20220105BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220105BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
B60W60/00
B60W30/08
B60W30/10
G08G1/09 H
G08G1/16 D
(21)【出願番号】P 2020528461
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 US2017064089
(87)【国際公開番号】W WO2019108213
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-07-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511257078
【氏名又は名称】ニッサン ノース アメリカ,インク
(73)【特許権者】
【識別番号】507088266
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
【住所又は居所原語表記】One Beacon Street,31st Floor,Boston,Massachusetts 02108
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レイ,カイル ホリンズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィトウィッキ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ジルベルシュテイン,シュロモ
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-139163(JP,A)
【文献】特開2017-081426(JP,A)
【文献】特開2015-191273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 60/00
B60W 30/08
B60W 30/10
G08G 1/09
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両交通ネットワークを通行する際に使用するための方法であって、
自律走行車両によって車両交通ネットワークを通行するステップを含み、
前記車両交通ネットワークを通行するステップは、
計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップであって、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスは、車両運行計画の計画固有の運行制御評価モデルのインスタンスを含み、前記車両運行計画は、合流車両運行計画または通過障害車両運行計画であり、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップは、前記計画固有の運行制御評価モデルのポリシーを特定するステップを含む、ステップと、
前記計画固有の前記運行制御評価モジュールインスタンスから候補車両制御動作を受け取るステップと、
前記候補車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークの部分を通行するステップとを含
み、
前記車両交通ネットワークを通行するステップは、前記自律走行車両の運行環境モニタから、前記車両運行計画を特定する運行環境情報を受信することに対応して、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化するステップを含み、
前記車両運行計画は、前記合流車両運行計画であり、
前記候補車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークの前記部分を通行するステップは、前記車両交通ネットワーク内の第1の車線から前記車両交通ネットワークの後続の合流車線に合流するステップを含み、
前記車両交通ネットワークの前記第1の車線と第2の車線とは、合流交差点において合流して前記後続の合流車線を形成し、
前記計画固有の運行制御評価モデルは、
前記自律走行車両の現在位置と前記後続の合流車線に近接する前記合流交差点の位置との間の距離を表す内在性状態ファクタと、
前記自律走行車両の現在の車線に対する前記自律走行車両の位置を表す自律走行車両相対位置状態ファクタであって、前記現在の車線は、前記第1の車線または前記後続の合流車線である、自律走行車両相対位置状態ファクタと、
前記自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する前記自律走行車両に対応する未決定状態を表す自律走行車両未決定状態ファクタと、
定義された速度基準に対する前記自律走行車両の相対速度を表す自律走行車両相対速度状態ファクタと、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流することによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応する前記車両交通ネットワークの部分の可用性状態を表す可用性状態ファクタと、
車両制御動作を表す車両制御動作動作ファクタと、
前記車両制御動作の速度変更を表す車両制御動作速度変更動作ファクタと、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流するための内在性が、定義された内在性閾値を超えるかどうかの判定を表す内在性観測ファクタと、
前記自律走行車両に対する位置の変化を示す判定を表す自律走行車両相対位置観測ファクタと、
前記自律走行車両に対する速度の変化を表す判定を表す自律走行車両相対速度観測ファクタとを含む、方法。
【請求項2】
前記車両交通ネットワークを通行するステップは、
前記運行環境モニタを操作して、前記第1の車線と前記第2の車線とが合流して前記後続の合流車線を形成するという判定に応じて、前記車両運行計画を特定するステップを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記運行環境情報は、前記車両運行計画における遠隔車両を示し、
前記計画固有の運行制御評価モデルは、
前記遠隔車両の現在の遠隔車両車線に対する前記遠隔車両および前記自律走行車両の位置を表す遠隔車両相対位置状態ファクタであって、現在の遠隔車両車線は、前記第1の車線、前記第2の車線、または前記後続の合流車線である、遠隔車両相対位置状態ファクタと、
前記遠隔車両相対位置状態ファクタの現在値を有する前記遠隔車両に対応する未決定状態を表す遠隔車両相対位置未決定状態ファクタと、
定義された遠隔車両速度基準に対する前記遠隔車両の相対速度を表す遠隔車両相対速度状態ファクタと、
前記遠隔車両の位置の変化を示す判断を表す遠隔車両相対位置観測ファクタと、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流することによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応する前記車両交通ネットワークの前記部分の可用性の変化を示す判定を表す可用性観測ファクタと、
前記遠隔車両の速度の変化を示す判断を表す遠隔車両相対速度観測ファクタと、
前記遠隔車両が前記第1の車線から前記後続の合流車線へと合流することによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応して前記車両交通ネットワークの前記部分が利用可能であるように動作することの発生確率を示す遠隔車両黙諾状態遷移発生確率と、
前記遠隔車両が前記第2の車線で前記自律走行車両を追い越すことの発生確率を示す遠隔車両進行状態遷移発生確率と、
前記自律走行車両の前記現在の車線が自律走行車両の予想経路に沿って遮断されることの発生確率を示す遮断現車線状態遷移発生確率と、
前記遠隔車両が前記自律走行車両の前方の前記自律走行車両の前記現在の車線に合流することの発生確率を示す遠隔車両前方合流状態遷移発生確率と、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流することによって前記車両交通ネットワークを通行するために利用可能な距離が最小閾値を超えることの発生確率を示す第2の車両制御動作状態遷移発生確率と、
前記遠隔車両が前記自律走行車両の前方、かつ、前記後続の合流車線にあることを条件として、前記遠隔車両が非ブロッキング状態からブロッキング状態に変わることの発生確率を示す遠隔車両ブロッキング状態遷移発生確率と、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流することによって車両交通ネットワークを通行することに対応する車両交通ネットワークの部分の可用性についての不確定性発生確率を示すブロッキング不確定性観測発生確率と、
前記遠隔車両の相対位置および速度と、前記遠隔車両に対して判定された位置および発生確率との間の相関を示す遠隔車両観測発生確率と、
前記遠隔車両が遮断されることの発生確率を示す遮断観測発生確率とを含む、請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項4】
車両交通ネットワークを通行する際に使用するための方法であって、
自律走行車両によって車両交通ネットワークを通行するステップを含み、
前記車両交通ネットワークを通行するステップは、
計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップであって、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスは、車両運行計画の計画固有の運行制御評価モデルのインスタンスを含み、前記車両運行計画は、合流車両運行計画または通過障害車両運行計画であり、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップは、前記計画固有の運行制御評価モデルのポリシーを特定するステップを含む、ステップと、
前記計画固有の前記運行制御評価モジュールインスタンスから候補車両制御動作を受け取るステップと、
前記候補車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークの部分を通行するステップとを含み、
前記車両交通ネットワークを通行するステップは、前記自律走行車両の運行環境モニタから、前記車両運行計画を特定する運行環境情報を受信することに対応して、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化するステップを含み、
前記車両運行計画は、前記通過障害車両運行計画であり、
前記計画固有の運行管理評価モデルは、
現在の車線に対する自律走行車両の位置を表す自律走行車両相対位置状態ファクタと、
前記自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する前記自律走行車両に対応する未決定状態を表す自律走行車両相対位置未決定状態ファクタと、
前記現在の車線における前記自律走行車両の前方の障害物の現在の状態を表す前方障害物状態ファクタと、
前記現在の車線内の前記自律走行車両の後方の前記車両交通ネットワークの部分の可用性状態を表す後方可用性状態ファクタと、
車両制御動作を表す車両制御動作動作ファクタと、
事前に特定された車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークを通行することに基づく予測車両運行環境と、前記事前に特定された車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークを通行することに続く現在の車両運行環境との差異が、定義された閾値内であるか否かの判定を表す動作成功観測ファクタと、
前記自律走行車両の前方の前記障害物の前記現在の状態の変化を示す判定を表す前方障害物観測ファクタと、
前記現在の車線における前記自律走行車両の後方の前記車両交通ネットワークの前記部分の前記可用性状態の変化を示す判定を表す後方可用性観測ファクタとを含む
、方法。
【請求項5】
前記運行環境情報は、前記車両運行計画において対向車線内の対向遠隔車両を示し、
前記計画固有の運行制御評価モデルは、
前記自律走行車両からの前記対向遠隔車両の距離を表す対向遠隔車両距離状態ファクタと、
前記対向遠隔車両距離状態ファクタの現在値を有する前記対向遠隔車両に対応する未決定状態を表す対向遠隔車両位置未決定状態ファクタと、
前記対向車線の相対部分を通行することで前記現在の車線の前記障害物を追い越すことによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応して前記対向車線の相対部分の可用性状態を表す可用性状態ファクタと、
前記対向遠隔車両の動作状態の変化を示す判断を表す対向遠隔車両位置観測ファクタと、
前記対向車線の前記相対部分を通行することで前記現在の車線内の前記障害物を追い越すことによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応して前記対向車線の前記相対部分の前記可用性状態の変化を示す判断を表す可用性観測ファクタと、
前記対向遠隔車両が前記対向車線の前記相対部分を通行することで前記現在の車線内の前記障害物を追い越すことによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応して前記対向車線の前記相対部分が利用可能であるように動作することの発生確率を示す対向遠隔車両ブロッキング状態遷移発生確率と、
前記対向車線の前記相対部分を通行することで前記現在の車線内の前記障害物を追い越すことによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応して前記対向車線の前記相対部分の可用性が、別の対向遠隔車両に対応して利用可能状態からブロッキング状態に変化することの発生確率を示す第2の対向遠隔車両状態遷移確率と、
前記対向遠隔車両の前記距離が変化することの発生確率を示す第3の対向遠隔車両状態遷移発生確率と、
前記対向遠隔車両が現在のブロッキング状態から異なるブロッキング状態に遷移することの発生確率を示す第4の対向遠隔車両状態遷移発生確率と、
現在の車線内の前記自律走行車両の後方の前記車両交通ネットワークの前記部分の可用性が、利用可能状態からブロッキング状態に変化することの発生確率を示す後方可用性状態遷移発生確率と、
前記現在の車線における前記自律走行車両の前方の前記障害物が変化することの発生確率を示す前方障害物状態遷移発生確率と、
前記対向車線の前記相対部分を通行することで前記現在の車線の前記障害物を追い越すことによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応する、前記車両交通ネットワークの前記部分の前記可用性についての不確定性発生確率を示すブロッキング不確定性観測発生確率と、
前記自律走行車両と前記対向遠隔車両との間の距離に基づいて前記対向遠隔車両を観測する精度の確率を示す遠隔車両観測確率と、
エッジング車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークを通行することに対応して遮断が解消されることの発生確率を示す遮断解決観測発生確率と、
前記現在の車線における前記自律走行車両の後方の前記車両交通ネットワークの前記部分の前記可用性を決定するための不確定性の発生確率を示す後方可用性観測発生確率と、
前記現在の車線における前記自律走行車両の前方の前記障害物の状態を決定するための不確定性の発生確率を示す前方障害物観測発生確率とを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記候補車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークの前記部分を通行するステップは、
前記現在の車線の第1の部分の通行するステップと、
その後、前記現在の車線の前記第1の部分を通行し、対向車線の第1の部分を通行するステップと、
その後、前記対向車線の前記第1の部分を通行し、前記現在の車線の第2の部分を通行するステップとを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
前記車両交通ネットワークを通行するステップは、
前記運行環境モニタを使用して、前記現在の車線内の前記自律走行車両の前方の前記障害物を特定するステップを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項8】
非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶された命令を実行するように構成されたプロセッサを含み、
前記プロセッサは、
計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させ、
前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスは、車両運行計画の計画固有の運行制御評価モデルのインスタンスを含み、
前記車両運行計画は、合流車両運行計画または通過障害車両運行計画であり、
前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させることは、前記計画固有の運行制御評価モデルのためのポリシーを特定することを含み、
前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスから候補車両制御動作を受け取り、
前記候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの部分を通行
し、
前記プロセッサは、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるために、前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納された前記命令を実行するように構成され、
自律走行車両の運行環境モニタから前記車両運行計画を特定する運行環境情報を受信することに対応して、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化し、
前記車両運行計画は、前記合流車両運行計画であり、
前記プロセッサは、
前記候補車両制御動作に応じて前記車両交通ネットワークの前記部分を通行して、前記車両交通ネットワークの第1の車線から後続の合流車線に合流し、前記第1の車線と前記車両交通ネットワークの第2の車線とが合流交差点において合流して前記後続の合流車線を形成するように、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるために、前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行するように構成され、
前記計画固有の運行制御評価モデルは、
前記自律走行車両の現在位置と前記後続の合流車線に近接する前記合流交差点の位置との間の距離を表す内在性状態ファクタと、
前記自律走行車両の現在の車線に対する前記自律走行車両の位置を表す自律走行車両相対位置状態ファクタであって、前記現在の車線は、前記第1の車線または前記後続の合流車線である、自律走行車両相対位置状態ファクタと、
前記自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する前記自律走行車両に対応する未決定状態を表す自律走行車両未決定状態ファクタと、
定義された速度基準に対する前記自律走行車両の相対速度を表す自律走行車両相対速度状態ファクタと、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流することによって前記車両交通ネットワークを通行することに対応する前記車両交通ネットワークの部分の可用性状態を表す可用性状態ファクタと、
車両制御動作を表す車両制御動作動作ファクタと、
前記車両制御動作の速度変更を表す車両制御動作速度変更動作ファクタと、
前記第1の車線から前記後続の合流車線に合流するための内在性が、定義された内在性閾値を超えるかどうかの判定を表す内在性観測ファクタと、
前記自律走行車両に対する位置の変化を示す判定を表す自律走行車両相対位置観測ファクタと、
前記自律走行車両に対する速度の変化を表す判定を表す自律走行車両相対速度観測ファクタとを含む、自律走行車両。
【請求項9】
前記車両運行計画は、前記通過障害車両運行計画であり、
前記プロセッサは、前記計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させて、前記候補車両制御動作に従って前記車両交通ネットワークの前記部分を通行するように、前記非一時的コンピュータ可読媒体に格納された前記命令を実行するように構成され、
前記車両交通ネットワークの前記部分を通行するために、
現在の車線の第1の部分の通行し、
その後、前記現在の車線の前記第1の部分を通行し、対向車線の第1の部分を通行し、
その後、前記対向車線の前記第1の部分を通行し、前記現在の車線の第2の部分を通行する、請求項
8に記載の自律走行車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律走行車両の運行管理および自動運転に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行車両のような車両は、車両交通ネットワークの一部を通行してもよい。車両交通ネットワークの一部を通行することは、車両のセンサなどによって、車両の運行環境またはその一部を表すデータなどのデータを生成または捕捉することを含むことができる。したがって、自律走行車両運行管理のためのシステム、方法、および装置が有利であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本明細書に開示されているのは、自律走行車両運行管理の態様、特徴、要素、実装、および実施形態である。
【0004】
開示される実施形態の一態様は、自律走行車両によって車両交通ネットワークを通行する際に使用するための方法である。車両交通ネットワークを通行することは、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスを動作させることを含み、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスは車両運行計画の計画固有運行制御評価モデルのインスタンスを含み、車両運行計画は合流車両運行計画または通過障害車両運行計画であり、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスから候補車両制御動作を受信し、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの一部を通行する。
【0005】
開示される実施形態の別の態様は計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるために非一時的なコンピュータ可読媒体上に格納された命令を実行するように構成されたプロセッサを含む自律走行車両であり、計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスは車両運行計画の計画固有の運行制御評価モデルのインスタンスを含み、車両運行計画は合流車両運行計画または通過障害車両運行計画であり、計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスから候補車両制御動作を受信し、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの一部を通行する。
【0006】
開示される実施形態の別の態様は、自律走行車両によって車両交通ネットワークを通行する際に使用するための方法である。この方法は、車両運行計画を特定するための運行環境モニタを含む。運行環境モニタは合流運行環境モニタを含み、合流運行環境モニタによる、車両交通ネットワーク内の第1の車線および車両交通ネットワークの第2の車線が合流して、自律走行車両の予想経路に沿って後続の合流車線を形成するという判定に対応して、運行環境モニタを動作させることは、合流車両運行計画を車両運行計画として特定することを含む。運行環境モニタは通過障害運行環境モニタを含み、通過障害運行環境モニタによる決定に応じて、自律走行車両のための期待される経路が前方障害物を含み、車両交通ネットワークが利用可能な隣接車線を省略し、車両交通ネットワークが隣接する対向車線を含み、運行環境モニタを動作させるステップは、車両運行計画として通過障害車両運行計画を特定するステップを含む。本方法は運行環境モニタから、車両運行計画を特定する運行環境情報を受信することに対応して、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化することを含み、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスは、車両運行計画の計画固有運行制御評価モデルのインスタンスを含む。車両運行計画が合流車両運行計画であるという判断に対応して、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化することは、合流計画固有運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化することを含む。車両運行計画が通過障害車両運行計画であるという判断に対応して、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化することは、通過障害計画固有運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化することを含む。この方法は計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスから候補車両制御動作を受け取り、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの一部を通行するステップを含む。候補車両制御動作に応じて車両交通ネットワークの一部を通行するステップは、車両運行計画が合流車両運行計画であるとの判断に応じて、車両交通ネットワーク内の現在の車線から後続の合流車線に合流し、かつ、車両運行計画が通過障害車両運行計画であるとの判断に応じて、現在の車線の第1の部分を通行し、現在の車線の第1の部分の通行に続いて対向車線の第1の部分を通行し、対向車線の第1の部分の通行に続いて、現在の車線の第2の部分を通行するステップを含む。
【0007】
本明細書で開示される方法、装置、手順、およびアルゴリズムの、これらおよび他の態様、特徴、要素、実装、および実施形態の変形形態を、以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書で開示される方法および装置の様々な態様は、以下の説明および図面で提供される実施例を参照することによって、より明らかになるのであろう。
【0009】
【
図1】
図1は、本明細書で開示される態様、特徴、および要素が実装され得る車両の例の図である。
【
図2】
図2は、本明細書で開示される態様、特徴、および要素が実装され得る、車両輸送および通信システムの一部の例の図である。
【
図3】
図3は、本開示による車両交通ネットワークの一部の図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による自律走行車両運行管理システムの一例の図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による自律走行車両運行管理の一例の流れ図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による合流シーンの一例の図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による合流シーンの別の例の図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態による合流シーンの別の例の図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態による通過障害シーンの一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
自律走行車両、または半自律走行車両などの車両は、車両交通ネットワークの一部を通行することができる。車両は1つまたは複数のセンサを含むことができ、車両交通ネットワークを通行するセンサは、車両の運行環境またはその一部に対応するデータなどのセンサデータを生成または捕捉するセンサを含むことができる。例えば、センサデータは、歩行者、遠隔車両、車両運行環境内の他の物体、車両交通ネットワークの配置、またはそれらの組合せなどの1つまたは複数の外部オブジェクトに対応する情報を含むことができる。
【0011】
自律走行車両は、自律走行車両のためのセンサデータなどの運行環境情報を処理することができる1つまたは複数の運行環境モニタを含み得る自律走行車両運行管理システムを含んでもよい。運行環境モニタは、自律走行車両に時空間的に近接する車両交通ネットワークの部分の可用性情報の発生確率を決定することができるブロッキングモニタを含むことができる。
【0012】
自律走行車両運行管理システムは、外部オブジェクトに対応する、歩道計画、交差点計画、車線変更計画、または任意の他の車両運行計画、または車両運行計画の組合せなどの1つまたは複数の運行計画を検出することができる自律車両運行管理コントローラを含むことができる。
【0013】
自律走行車両運行管理システムは、1つまたは複数の計画固有の運行制御評価モジュールを含むことができる。各計画固有の運行制御評価モジュールは、それぞれの運行計画の、部分的に観測可能なマルコフ決定プロセス(POMDP)モデルなどのモデルとすることができる。自律走行車両運行管理コントローラは、対応する運行計画の検出に対応して、計画固有の運行制御評価モジュールのそれぞれのインスタンスをインスタンス化することができる。
【0014】
自律走行車両運行管理コントローラは、それぞれのインスタンス化された計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスから候補の車両制御動作を受け取り、候補の車両制御動作から車両制御動作を特定することができ、特定された車両制御動作に従って、自律走行車両が車両交通ネットワークの一部を通行するように制御することができる。
【0015】
本明細書では自律走行車両を参照して説明するが、本明細書で説明する方法および装置は自動運転または半自動運転が可能な任意の車両で実施することができる。車両交通ネットワークを参照して説明したが、本明細書で説明する方法および装置は車両がナビゲート可能な任意の領域で動作する自律走行車両を含むことができる。
【0016】
図1は、本明細書で開示される態様、特徴、および要素が実装され得る車両の例の図である。示されるように、車両1000は、シャーシ1100と、パワートレイン1200と、コントローラ1300と、車輪1400とを含む。車両1000は簡略化のために4つの車輪1400を含むものとして示されているが、プロペラまたはトレッドなどの任意の他の1つまたは複数の推進装置を使用することができる。
図1では、パワートレイン1200、コントローラ1300、および車輪1400などの要素を相互接続する線は、データまたは制御信号、電力またはトルクなどの電力、または情報および電力の両方などの情報がそれぞれの要素間で通信され得ることを示す。例えば、コントローラ1300は、パワートレイン1200から動力を受け取り、パワートレイン1200、車輪1400、またはその両方と通信して、車両1000を制御することができ、これは、加速、減速、ステアリング、または他の方法で車両1000を制御することを含み得る。
【0017】
示されるように、パワートレイン1200は、動力源1210と、変速機1220と、ステアリングユニット1230と、アクチュエータ1240とを含む。サスペンション、ドライブシャフト、車軸、又は排気システムのようなパワートレインの他の要素又は要素の組合せを含むことができる。別々に示されるが、車輪1400はパワートレイン1200に含まれてもよい。
【0018】
動力源1210は、エンジン、バッテリ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。動力源1210は、電気エネルギ、熱エネルギ、または運動エネルギなどのエネルギを供給するように作動する任意の装置または装置の組み合わせであってもよい。例えば、動力源1210は、内燃機関などのエンジン、電気モータ、または内燃機関と電気モータとの組み合わせなどを含むことができ、1つまたは複数の車輪1400に動力として運動エネルギを提供するように動作することができる。動力源1210は、ニッケル-カドミウム(NiCd)、ニッケル-亜鉛(NiZn)、ニッケル金属水素化物(NiMH)、リチウム-イオン(Li-ion)、太陽電池、燃料電池、またはエネルギを提供することができる任意の他のデバイスなどの、1つまたは複数の乾電池などのポテンシャルエネルギユニットを含むことができる。
【0019】
変速機1220は、動力源1210から運動エネルギなどのエネルギを受け取り、そのエネルギを車輪1400に伝達して、原動力を提供してもよい。変速機1220は、アクチュエータ1240、またはその両方によって、コントローラ1300によって制御されてもよい。ステアリングユニット1230は、アクチュエータ1240またはその両方をコントローラ1300によって制御することができ、車輪1400を制御して車両を操縦することができる。アクチュエータ1240は、コントローラ1300から信号を受信することができ、車両1000を動作させるために、動力源1210、変速機1220、ステアリングユニット1230、またはそれらの任意の組合せを作動または制御することができる。
【0020】
図示のように、コントローラ1300は、ロケーションユニット1310、電子通信ユニット1320、プロセッサ1330、記憶装置1340、ユーザインタフェース1350、センサ1360、電子通信インターフェース1370、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。単一のユニットとして示されているが、コントローラ1300の任意の1つ以上の要素は、任意の数の分割された物理ユニットに統合されてもよい。例えば、ユーザインタフェース1350およびプロセッサ1330は、第1の物理ユニットに統合されてもよく、記憶装置1340は第2の物理ユニットに統合されてもよい。
図1には示されていないが、コントローラ1300はバッテリなどの動力源を含んでもよい。分割された要素として示されているが、ロケーションユニット1310、電子通信ユニット1320、プロセッサ1330、記憶装置1340、ユーザインタフェース1350、センサ1360、電子通信インターフェース1370、またはそれらの任意の組合せは、1つまたは複数の電子ユニット、回路、またはチップに統合され得る。
【0021】
プロセッサ1330は、光プロセッサ、量子プロセッサ、分子プロセッサ、またはそれらの組合せを含む、信号または現在存在するかまたは今後開発される他の情報を操作または処理することができる任意のデバイスまたはデバイスの組合せを含むことができる。例えば、プロセッサ1330は、1つまたは複数の専用プロセッサ、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のコントローラ、1つまたは複数のマイクロコントローラ、1つまたは複数の集積回路、1つまたは複数の特定用途向け集積回路、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ、1つまたは複数のプログラマブルロジックアレイ、1つまたは複数のプログラマブルロジックコントローラ、1つまたは複数の状態機械、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。プロセッサ1330は、ロケーションユニット1310、記憶装置1340、電子通信インターフェース1370、電子通信ユニット1320、ユーザインタフェース1350、センサ1360、パワートレイン1200、またはそれらの任意の組合せと動作可能に結合され得る。例えば、プロセッサは、通信バス1380を介して記憶装置1340に動作可能に結合され得る。
【0022】
記憶装置1340は、例えば、プロセッサ1330によって、またはそれに関連して使用するために、機械可読命令、またはそれに関連する任意の情報を含む、記憶、通信、または移送することができる、任意の有形の一時的でないコンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読媒体を含むことができる。記憶装置1340は、例えば、1つ以上の半導体ドライブ、1つ以上のメモリカード、1つ以上のリムーバブルメディア、1つ以上の読み出し専用メモリ、1つ以上のランダム・アクセス・メモリ、1つ以上のディスク(ハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、磁気または光カード、または電子情報を記憶するのに適した任意のタイプの非一時的媒体、またはそれらの任意の組み合わせを含む)とすることができる。
【0023】
通信インターフェース1370は、図示されるように、ワイヤレスアンテナ、ワイヤード通信ポート、光通信ポート、または、有線または無線の電子通信媒体1500とインターフェースすることが可能な任意の他の有線または無線ユニットであり得る。
図1は、単一の通信リンクを介して通信する通信インターフェース1370を示しているが、複数の通信リンクを介して通信するように通信インターフェースを構成してもよい。
図1は、単一の通信インターフェース1370を示しているが、車両は任意の数の通信インターフェースを含むことができる。
【0024】
通信ユニット1320は、通信インターフェース1370などを介して、有線または無線の電子通信媒体1500を介して信号を送信または受信するように構成され得る。
図1には明示的に示されていないが、通信ユニット1320は、無線周波数(RF)、紫外線(UV)、可視光、光ファイバ、有線、またはそれらの組合せなどの任意の有線または無線通信媒体を介して送信、受信、またはその両方を行うように構成することができる。
図1は、単一の通信ユニット1320および単一の通信インターフェース1370を示しているが、任意の数の通信装置および任意の数の通信インターフェースを使用することができる。いくつかの実施形態では、通信ユニット1320は、専用短距離通信(DSRC)ユニット、オンボードユニット(OBU)、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0025】
ロケーションユニット1310は、車両1000の経度、緯度、高度、進行方向、または速度などの地理的ロケーション情報を決定することができる。例えば、ロケーションユニットは、広域拡張システム(WAAS)が可能な全国海洋電子機器協会(NMEA)ユニット、無線三角測量ユニット、またはそれらの組み合わせなどの全地球測位システム(GPS)ユニットを含んでもよい。ロケーションユニット1310は、例えば、車両1000の現在の方位、2次元または3次元における車両1000の現在の位置、車両1000の現在の角度方向、またはそれらの組み合わせを表す情報を取得するために使用され得る。
【0026】
ユーザインタフェース1350は、仮想的なまたは物理的なキーパッド、タッチパッド、ディスプレイ、タッチディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、仮想ディスプレイ、拡張現実ディスプレイ、触覚ディスプレイ、視線追跡装置などの特徴追跡装置、スピーカ、マイクロフォン、ビデオカメラ、センサ、プリンタ、またはそれらの任意の組合せなど、人とインターフェースすることができる任意のユニットを含むことができる。ユーザインタフェース1350は、図示のようにプロセッサ1330に、またはコントローラ1300の任意の他の要素に動作可能に結合することができる。ユーザインタフェース1350は、単一のユニットとして示されているが、1つ以上の物理的ユニットを含んでもよい。例えば、ユーザインタフェース1350は、人とのオーディオ通信を行うためのオーディオインターフェースと、人との視覚的かつ接触を基本とした通信を行うためのタッチディスプレイとを含むことができる。ユーザインタフェース1350は、複数の物理的に分割されたユニット、単一の物理的ユニット内の複数の定義された部分、またはそれらの組合せなどの複数のディスプレイを含むことができる。
【0027】
センサ1360は、車両を制御するために使用され得る情報を提供するように動作可能であってもよい各種センサなど、1つ以上のセンサを含んでもよい。センサ1360は、車両1000の現在の動作特性に関する情報を提供してもよい。センサ1360は、例えば、車両1000の現在の動的状況のいくつかの態様に関する情報を報告するように動作可能な、速度センサ、加速度センサ、操舵角センサ、牽引関連センサ、ブレーキ関連センサ、ハンドル位置センサ、アイトラッキングセンサ、着座位置センサ、または任意のセンサ、またはセンサの組合せを含むことができる。
【0028】
センサ1360は、車両1000の周囲の物理的環境に関する情報を取得するように動作可能な1つまたは複数のセンサを含んでもよい。例えば、1つまたは複数のセンサは、車線などの道路の幾何学的形状および特徴、ならびに固定障害物、車両、および歩行者などの障害物を検出することができる。センサ1360は、1つまたは複数のビデオカメラ、レーザ感知システム、赤外線感知システム、音響感知システム、または任意の他の適切なタイプの車載環境感知装置、または現在知られているかまたは今後開発される装置の組合せとすることができ、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ1360およびロケーションユニット1310が組み合わされたユニットであってもよい。
【0029】
別個に図示されていないが、車両1000は、軌道コントローラを含んでもよい。例えば、コントローラ1300は、軌道コントローラを含むことができる。軌道コントローラは、車両1000の現在の状態と、車両1000のために計画された経路とを記述する情報を得るように、また、この情報に基づいて、車両1000のための軌道を決定し、最適化するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、車両1000が軌道コントローラによって決定される軌道に追従するように、軌道コントローラは、車両1000を制御するように動作可能な信号を出力してもよい。例えば、軌道コントローラの出力は、パワートレイン1200、車輪1400、またはその両方に供給され得る最適化された軌道であり得る。いくつかの実施形態では、最適化された軌道は、各舵角がある時点またはある位置に対応する一組の舵角などの制御入力とすることができる。いくつかの実施形態では、最適化された軌道は、1つまたは複数の経路、線、カーブ、またはそれらの組合せとすることができる。
【0030】
車輪1400のうちの1つまたは複数は、ステアリングユニット1230の制御下で操舵角を変えることができる操舵車輪、変速機1220の制御下で車両1000を推進させるためにトルクを加えることができる推進車輪、または車両1000を操舵および推進させることができる操舵および推進車輪とすることができる。
【0031】
図1には示されていないが、車両は筐体、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、近距離無線通信(NFC)モジュール、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニット、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット、スピーカ、またはそれらの任意の組合せなど、
図1には示されていないユニットまたは要素を含むことができる。
【0032】
車両1000は、車両交通ネットワークの一部を通行するように、直接的な人間の介入なしに自律的に制御される自律走行車両であってもよい。
図1には別々に図示されていないが、自律走行車両は、自律走行車両制御ユニットを含んでもよく、自律走行車両経路選定、ナビゲーション、および制御を実行してもよい。自律走行車両制御ユニットは、車両の別のユニットと一体化されてもよい。例えば、コントローラ1300は、自律走行車両制御ユニットを含んでもよい。
【0033】
自律走行車両制御ユニットは、現在の車両運行パラメータに従って、車両交通ネットワークの一部を通行するように、車両1000を制御または動作させてもよい。自律走行車両制御ユニットは、車両1000を制御または動作させて、車両の駐車など、規定された動作または操縦を実行してもよい。自律走行車両制御ユニットは、車両情報、環境情報、車両交通ネットワークを表す車両交通ネットワークデータ、またはそれらの組合せに基づいて、車両1000の現在位置などの起点から目的地までの移動経路を生成することができ、経路に従って車両交通ネットワークを通行するように車両1000を制御または動作させることができる。例えば、自律走行車両制御ユニットは、軌道コントローラに移動経路を出力してもよく、軌道コントローラは、生成された経路を使用して、起点から目的地まで移動するように車両1000を動作させてもよい。
【0034】
図2は、本明細書で開示される態様、特徴、および要素が実装され得る、車両輸送および通信システムの一部の例の図である。車両輸送通信システム2000は、
図1に示す車両1000などの1つまたは複数の車両2100/2110を含むことができ、1つまたは複数の車両交通ネットワーク2200の1つまたは複数の部分を介して移動することができ、1つまたは複数の電子通信ネットワーク2300を介して通信することができる。
図2には明示的に示されていないが、車両は、オフロードエリアのような車両交通ネットワークに明示的または完全には含まれていないエリアを通行することができる。
【0035】
電子通信ネットワーク2300は、例えば、多元接続システムとすることができ、車両2100/2110と1つまたは複数の通信装置2400との間の、音声通信、データ通信、ビデオ通信、メッセージング通信、またはそれらの組合せなどの通信を提供することができる。例えば、車両2100/2110は、ネットワーク2300を介して、通信装置2400から車両交通ネットワーク2200を表す情報などの情報を受信することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、車両2100/2110が有線通信リンク(図示せず)、無線通信リンク2310/2320/2370、または任意の数の有線または無線通信リンクの組合せを介して通信することができる。例えば、図示のように、車両2100/2110は、地上無線通信リンク2310を介して、非地上無線通信リンク2320を介して、またはそれらの組合せを介して通信することができる。地上無線通信リンク2310は、イーサネット(登録商標)リンク、シリアルリンク、ブルートゥースリンク、赤外線(IR)リンク、紫外線(UV)リンク、または電子通信を提供することができる任意のリンクを含むことができる。
【0037】
車両2100/2110は、別の車両2100/2110と通信することができる。例えば、ホストまたは対象の車両(HV)2100は、直接通信リンク2370を介して、またはネットワーク2300を介して、遠隔またはターゲット車両(RV)2110から、基本安全メッセージ(BSM)などの1つまたは複数の自動化された車両間メッセージを受信することができる。例えば、遠隔車両2110は、300メートルなどの定義されたブロードキャスト範囲内のホスト車両にメッセージをブロードキャストすることができる。いくつかの実施形態では、ホスト車両2100が信号中継器(図示せず)または別の遠隔車両(図示せず)などのサードパーティを介してメッセージを受信することができる。車両2100/2110は例えば、100ミリ秒などの定義された間隔に基づいて、1つまたは複数の自動化された車両間メッセージを定期的に送信することができる。
【0038】
自動化された車両間メッセージは、車両特定情報、経度、緯度、または仰角情報などの地理空間状態情報、地理空間位置精度情報、車両加速度情報などの運動状態情報、ヨーレート情報、速度情報、車両ヘッディング情報、ブレーキシステム状態情報、スロットル情報、ハンドル角度情報、または車両ルーティング情報などの車両運行状態情報、または車両サイズ情報、ヘッドライト状態情報、ターンシグナル情報、ワイパー状態情報、送信情報、または送信車両状態に関連する任意の他の情報、または情報の組合せを含むことができる。例えば、送信状態情報は、送信車両の送信がニュートラル状態、パーキング状態、フォワード状態、またはリバース状態であるかどうかを示すことができる。
【0039】
車両2100は、アクセスポイント2330を介して通信ネットワーク2300と通信することができる。コンピューティングデバイスを含むことができるアクセスポイント2330は、有線または無線通信リンク2310/2340を介して、車両2100、通信ネットワーク2300、1つまたは複数の通信装置2400、またはそれらの組合せと通信するように構成することができる。例えば、アクセスポイント2330は、基地局、基地局トランシーバステーション(BTS)、ノードB、強化ノードB(eNode-B)、ホームノードB(HNode-B)、無線ルータ、有線ルータ、ハブ、リレー、スイッチ、または同様の有線または無線装置であってもよい。
図2では単一のユニットとして示されているが、アクセスポイントは任意の数の相互接続された要素を含むことができる。
【0040】
車両2100は、人工衛星2350、または他の非地上通信装置を介して、通信ネットワーク2300と通信してもよい。コンピューティングデバイスを含むことができる人工衛星2350は、1つまたは複数の通信リンク2320/2360を介して、車両2100、通信ネットワーク2300、1つまたは複数の通信装置2400、またはそれらの組合せと通信するように構成することができる。
図2では、単一ユニットとして示されているが、人工衛星は任意の数の相互接続された要素を含んでもよい。
【0041】
電子通信ネットワーク2300は、音声、データ、または任意の他のタイプの電子通信を提供するように構成された任意のタイプのネットワークであってもよい。例えば、電子通信ネットワーク2300は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、携帯電話ネットワーク、インターネット、または他の任意の電子通信システムを含むことができる。電子通信ネットワーク2300は、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、インターネットプロトコル(IP)、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)、ハイパーテキストトランスポートプロトコル(HTTP)、またはこれらの組み合わせなどの通信プロトコルを使用することができる。
図2では単一のユニットとして示されているが、電子通信ネットワークは任意の数の相互接続された要素を含むことができる。
【0042】
車両2100は、車両交通ネットワーク2200の一部または状態を特定することができる。例えば、車両2100は、速度センサ、車輪速度センサ、カメラ、ジャイロスコープ、光学センサ、レーザセンサ、レーダーセンサ、音波センサ、または、車両交通ネットワーク2200の一部または状態を判定または特定することができる任意の他のセンサまたは装置、あるいはそれらの組合せを含むことができる、
図1に示すセンサ1360などの1つまたは複数の車載センサ2105を含むことができる。センサデータは、車線ラインデータ、遠隔車両位置データ、またはその両方を含んでもよい。
【0043】
車両2100は、車両交通ネットワーク2200を表す情報、1つまたは複数の車載センサ2105によって特定される情報、またはそれらの組合せなど、ネットワーク2300を介して通信される情報を利用して、1つまたは複数の車両交通ネットワーク2200の1つまたは複数の部分を通行することができる。
【0044】
簡易的に、
図2は、2つの車両2100、2110、1つの車両交通ネットワーク2200、1つの電子通信ネットワーク2300、および1つの通信装置2400を示すが、任意の数の車両、ネットワーク、またはコンピューティングデバイスを使用することができる。車両輸送通信システム2000は、
図2に示されていない装置、ユニット、または要素を含むことができる。車両2100は単一ユニットとして示されるが、車両は任意の数の相互接続された要素を含んでもよい。
【0045】
車両2100は、ネットワーク2300を介して通信装置2400と通信するように示されているが、車両2100は任意の数の直接または間接通信リンクを介して通信装置2400と通信することができる。例えば、車両2100は、ブルートゥース通信リンクなどの直接通信リンクを介して通信装置2400と通信することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、車両2100/2210が車両のドライバ、オペレータ、または所有者などのエンティティ2500/2510に関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、車両2100/2110に関連付けられたエンティティ2500/2510がスマートフォン2502/2512またはコンピュータ2504/2514などの1つまたは複数の個人用電子デバイス2502/2504/2512/2514に関連付けられ得る。一部の実施形態では、個人用電子装置2502/2504/2512/2514が、直接的または間接的な通信リンクを介して、対応する車両2100/2110と通信してもよい。
図2では、1つのエンティティ2500/2510が1つの車両2100/2110に関連するものとして示されているが、任意の数の車両をエンティティに関連付けることができ、任意の数のエンティティを車両に関連付けることができる。
【0047】
図3は、本開示による車両交通ネットワークの一部の図である。車両交通ネットワーク3000は、建物などの1つまたは複数のナビゲート不能エリア3100、駐車エリア3200などの1つまたは複数の部分的にナビゲート可能な領域、道路3300/3400などの1つまたは複数のナビゲート可能な領域、またはそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、
図1に示す車両1000、
図2に示す車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両などの自律走行車両が車両交通ネットワーク3000の1つまたは複数の部分を通行することができる。
【0048】
車両交通ネットワーク3000は、1つまたは複数のナビゲート可能な、または部分的にナビゲート可能なエリア3200/3300/3400間の1つまたは複数のインターチェンジ3210を含むことができる。例えば、
図3に示される車両交通ネットワーク3000の部分は、駐車エリア3200と道路3400との間にインターチェンジ3210を含む。駐車エリア3200は、駐車区画3220を含むことができる。
【0049】
道路3300/3400などの車両交通ネットワーク3000の一部は、1つまたは複数の車線3320/3340/3360/3420/3440を含むことができ、
図3に矢印で示す1つまたは複数の移動方向に関連付けることができる。
【0050】
図3に示す車両交通ネットワーク3000の一部などの車両交通ネットワーク、またはその一部は、車両交通ネットワークデータとして表すことができる。例えば、車両交通ネットワークデータは、マークアップ言語要素のような要素の階層として表現することができ、これはデータベース又はファイルに記憶することができる。簡易的に、本明細書の図面は、車両交通ネットワークの一部を表す車両交通ネットワークデータを図または地図として示すが、車両交通ネットワークデータは、車両交通ネットワークまたはその一部を表すことができる任意のコンピュータが使用可能な形態で表すことができる。車両交通ネットワークデータは、移動方向情報、制限速度情報、料金情報、傾斜または角度情報などの勾配情報、表面材料情報、景観情報、定義された危険情報、またはそれらの組合せなどの車両交通ネットワーク制御情報を含むことができる。
【0051】
車両交通ネットワークは、歩行者交通ネットワークに関連付けられてもよく、または歩行者交通ネットワークを含んでもよい。例えば、
図3は、歩行者通路であってもよい歩行者交通ネットワークの部分3600を含む。
図3には別個に示されていないが、歩行者横断歩道のような歩行者ナビゲート可能領域は、車両交通ネットワークのナビゲート可能領域または部分的ナビゲート可能領域に対応することができる。
【0052】
車両交通ネットワークの一部または一部の組み合わせは、関心のある地点または目的地として特定されてもよい。例えば、車両交通ネットワークデータは、ナビゲート不能エリア3100などの建物を特定し、隣接する部分的にナビゲート可能な駐車エリア3200を、関心のある地点として特定することができ、車両は関心のある地点を目的地として特定することができ、車両は、車両交通ネットワークを通行することによって出発地から目的地まで移動することができる。ナビゲート不能エリア3100に関連する駐車エリア3200は、
図3ではナビゲート不能エリア3100に隣接するものとして示されているが、目的地は例えば、建物と、建物に物理的または地理空間的に隣接しない駐車エリアとを含むことができる。
【0053】
目的地を特定することは目的地の位置を特定することを含むことができ、目的地は離散的な一意に特定可能な地理的位置とすることができる。例えば、車両交通ネットワークは、目的地のために、通りの住所、郵便の住所、車両交通ネットワークの住所、GPSの住所、またはそれらの組合せなどの定義された場所を含むことができる。
【0054】
目的地は、
図3に示す入口3500などの1つまたは複数の入口に関連付けることができる。車両交通ネットワークデータは、目的地に関連付けられた入口の地理的位置を特定する情報などの、定義された入口位置情報を含むことができる。
【0055】
目的地は、
図3に示すドッキングロケーション3700などの1つまたは複数のドッキングロケーションに関連付けることができる。ドッキングロケーション3700は、乗客の積み込みまたは積み降ろしなどのドッキング動作が実行され得るように、自律走行車両が停止、立ち上がり、または駐車することができる目的地に近接する指定された、または指定されていない位置または領域とすることができる。
【0056】
車両交通ネットワークデータは、目的地に関連付けられた1つまたは複数のドッキングロケーション3700の地理的位置を特定する情報などのドッキングロケーション情報を含むことができる。
図3には別個に示されていないが、ドッキングロケーション情報はドッキングロケーション3700に関連するドッキング動作のタイプを特定することができる。例えば、目的地は、乗客の乗車のための第1のドッキングロケーション及び乗客の降車のための第2のドッキングロケーションに関連付けられてもよい。自律走行車両はドッキングロケーションに駐車することができるが、目的地に関連するドッキングロケーションは、目的地に関連する駐車エリアとは独立しており、区別することができる。
【0057】
図4は、本開示の実施形態による自律走行車両運行管理システム4000の一例の図である。自律走行車両運行管理システム4000は、
図1に示す車両1000、
図2に示す車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両などの自律走行車両で実施することができる。
【0058】
自律走行車両は、車両交通ネットワーク、またはその一部を通行することができ、これは、独自の車両運行計画を通行することを含むことができる。独自の車両運行計画は、自律走行車両の定義された時空間領域、すなわち運行環境内で自律走行車両の動作に影響を及ぼす可能性のある、明確に特定可能な運行条件の任意の集合を含んでもよい。例えば、独自の車両運行計画は、自律走行車両が定義された時空間距離内で通行することができる道路、道路セグメント、または車線の数または濃度に基づくことができる。別の例では、独自の車両運行計画が自律走行車両の定義された時空間領域、すなわち運行環境内で自律走行車両の動作に影響を与え得る1つまたは複数の交通制御装置に基づいてもよい。別の例では、独自の車両運行計画が自律走行車両の定義された時空間領域または運行環境内での自律走行車両の動作に影響を及ぼし得る1つまたは複数の特定可能なルール、規則、または法律に基づくことができる。別の例では、独自の車両運行計画は、自律走行車両の定義された時空間領域、すなわち運行環境内で自律走行車両の動作に影響を及ぼす可能性のある、1つまたは複数の特定可能な外部オブジェクトに基づいてもよい。
【0059】
単純化および明確化のために、同様の車両運行計画を、車両運行計画のタイプまたはクラスを参照して本明細書で説明することができる。車両運行計画のタイプまたはクラスは、計画の定義されたパターンまたは定義されたパターンの集合を指すことができる。例えば、交差点についての計画は、交差点を通行する自律走行車両を含むことができる。歩行者についての計画は、自律走行車両の予想経路を通行している、または予想経路に近づいているような、1人または複数の歩行者を含む、または、その歩行者の定義された近傍内にある車両交通ネットワークの一部分を通行する自律走行車両を含むことができる。車線変更計画は、車線を変更することによって車両交通ネットワークの一部分を通行する自律走行車両を含むことができる。合流計画は、第1の車線から合流された車線に合流することによって車両交通ネットワークの一部分を通行する自律走行車両を含むことができる。通過障害計画は、障害物または障害物を通過することによって車両交通ネットワークの一部分を通行する自律走行車両を含むことができる。歩行者についての車両運行計画、交差点での車両運行計画、車線変更における車両運行計画、合流における車両運行計画、および、通過障害についての車両運行計画が本明細書に記載されているが、任意の他の車両運行計画または車両運行計画タイプを使用してもよい。
【0060】
図4に示されるように、自律走行車両運行管理システム4000は、自律走行車両運行管理コントローラ4100(AVOMC)、運行環境モニタ4200、および運行制御評価モジュール4300を含む。
【0061】
AVOMC4100、または自律走行車両の別のユニットは、車両交通ネットワークまたはその一部を通行するように自律走行車両を制御することができる。車両交通ネットワークを通行するように自律走行車両を制御することは、自律走行車両の運行環境を監視すること、独自の車両運行計画を特定または検出すること、独自の車両運行計画に基づいて候補車両制御動作を特定すること、候補車両制御動作のうちの1つまたは複数に従って車両交通ネットワークの一部を通行するように自律走行車両を制御すること、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0062】
AVOMC4100は、自律走行車両の運行環境を表す運行環境データ、またはその1つまたは複数の態様を受信し、特定し、または、それらにアクセスすることができる。自律走行車両の運行環境は、自律走行車両の定義された時空間領域内、自律走行車両の特定されたルートの定義された時空間領域内、またはそれらの組合せ内の自律走行車両の動作に影響を及ぼすことができる、明確に特定可能な動作状態の設定を含むことができる。例えば、自律走行車両の動作に影響を及ぼし得る動作状態は、センサデータ、車両交通ネットワークデータ、ルートデータ、または車両の定義されたまたは決定された運行環境を表す任意の他のデータまたはデータの組合せに基づいて特定され得る。
【0063】
運行環境データは、自律走行車両の地理空間的位置を示す情報、自律走行車両の地理空間的位置を表す情報、自律走行車両の地理空間的位置を車両交通ネットワークを表す情報に相関する情報、自律走行車両の経路、自律走行車両の速度、自律走行車両の加速状態、自律走行車両の乗客情報、または自律走行車両の動作に関する他の任意の情報など、自律走行車両の車両情報を含んでもよい。運行環境データは特定されたルートに沿った車両交通ネットワークの部分の、300メートルなどの定義された空間距離内など、自律走行車両の特定されたルートに近接する車両交通ネットワークを表す情報を含むことができる。この情報は、車両交通ネットワークの1つまたは複数の態様の配置を示す情報、車両交通ネットワークの表面状態などの状態を示す情報、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。運行環境データは、300メートルなどの自律走行車両の定義された空間距離内など、自律走行車両に近接する車両交通ネットワークを表す情報を含むことができる。この情報は、車両交通ネットワークの1つまたは複数の態様の配置を示す情報、車両交通ネットワークの表面状態などの状態を示す情報、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。運行環境データは、歩行者、非人間動物、自転車またはスケートボードなどの非動力化輸送装置、遠隔車両などの動力化輸送装置、または自律走行車両の動作に影響を及ぼす可能性がある任意の他の外部オブジェクトまたはエンティティを表す情報など、自律走行車両の運行環境内の外部オブジェクトを表す情報を含むことができる。
【0064】
自律走行車両の運行環境の側面は、それぞれの独自の車両運行計画内で表現され得る。例えば、外部オブジェクトの相対的な向き、軌道、予想される経路は、それぞれの独自の車両運行計画内で表すことができる。別の例では、車両交通ネットワークの相対的な配置をそれぞれの独自の車両運行計画内で表すことができる。
【0065】
一例として、第1の独自の車両運行計画は、横断歩道において道路を横断する歩行者に対応することができ、右から左へ横切るための左から右への横断など、歩行者の相対的方向および予想経路は、第1の独自の車両運行計画内に表現することができる。第2の独自の車両運行計画は、交通規則を無視して道路を横断する歩行者に対応することができ、右から左へ横切るための左から右への横断など、歩行者の相対的方向および予想経路は、第2の独自の車両運行計画内に表現することができる。
【0066】
自律走行車両は、複合車両運行計画の態様であり得る、運行環境内での複数の独自の車両運行計画を通行することができる。自律走行車両運行管理システム4000は、安全制約、法的制約、物理的制約、ユーザ受容性制約、または自律走行車両の運行のために定義または導出され得る任意の他の制約または組み合わせなど、定義された制約を受ける独自の車両運行計画を通行するために、自律走行車両を作動または制御してもよい。
【0067】
AVOMC4100は、自律走行車両の運行環境、またはその定義された態様を監視することができる。自律走行車両の運行環境を監視することは、外部オブジェクトを特定し追跡すること、独自の車両運行計画を特定すること、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、AVOMC4100は、自律走行車両の運行環境を用いて外部オブジェクトを特定し、追跡することができる。外部オブジェクトを特定し追跡することは、自律走行車両に対して相対的であり得る各々の外部オブジェクトの時空間位置を特定することと、外部オブジェクトの速度、軌道、またはその両方を特定することを含み得る各々の外部オブジェクトの1つまたは複数の予想経路を特定することとを含み得る。単純化および明確化のために、本明細書では位置、予想位置、経路、予想経路などの説明については、対応する位置および経路が地理空間および時間成分を指すという明示的な指示を省略することができるが、本明細書で明示的に示されない限り、または文脈から明確に明らかでない限り、本明細書で説明される位置、予想位置、経路、予想経路などは地理空間成分、時間成分、またはその両方を含むことができる。自律走行車両の運行環境を監視することは、運行環境モニタ4200から受信した運行環境データを使用することを含むことができる。
【0068】
運行環境モニタ4200は、計画に依存しないモニタ、計画固有のモニタ、またはそれらの組合せを含むことができる。ブロッキングモニタ4210のような計画非依存モニタは、自律走行車両の運行環境を監視し、自律走行車両の運行環境の態様を表す運行環境データを生成し、運行環境データを1つまたは複数の計画固有モニタ、AVOMC4100、またはそれらの組合せに出力することができる。歩行者モニタ4220、交差点モニタ4230、車線変更モニタ4240、合流モニタ4250、または前方障害物モニタ4260などの計画特定モニタは、自律走行車両の運行環境を監視し、自律走行車両の運行環境の計画特定態様を表す運行環境データを生成し、運行環境データを1つまたは複数の計画固有の運行制御評価モジュール4300、AVOMC4100、またはそれらの組合せに出力することができる。例えば、歩行者モニタ4220は歩行者を監視するための運行環境モニタであってもよい。交差点モニタ4230は交差点を監視するための運行環境モニタであってもよい。車線変更モニタ4240は車線変更を監視するための運行環境モニタであってもよい。合流モニタ4250は合流のための運行環境モニタであってもよい。前方障害物モニタ4260は前方障害物を監視するための運行環境モニタであってもよい。運行環境モニタ4270は、自律走行車両運行管理システム4000が任意の数の運行環境モニタ4200を含むことができることを示すために、破線を使用して示されている。
【0069】
運行環境モニタ4200は、自律走行車両の1つまたは複数のセンサによって生成またはキャプチャされた運行環境データ、車両交通ネットワークデータ、車両交通ネットワーク配置データ、ルートデータ、またはそれらの組合せなどの運行環境データを受信するか、または、それらにアクセスすることができる。例えば、歩行者モニタ4220は、自律走行車両の運行環境内の1人または複数の歩行者を示し、対応し、または関連付けることができるセンサデータなどの情報を受信するか、または、それに他の方法でアクセスすることができる。運行環境モニタ4200は、運行環境データ、またはその一部を、歩行者、遠隔車両、または車両交通ネットワークの配置の態様などの外部オブジェクトなどの運行環境、またはその態様に関連付けることができる。
【0070】
運行環境モニタ4200は、運行環境データのフィルタリング、抽象化、またはその他の処理を含むことができる、歩行者、遠隔車両、または車両交通ネットワークの配置の態様などの外部オブジェクトなどを用いて、運行環境の1つまたは複数の態様を表す情報を生成するか、またはその他の形で特定することができる。運行環境モニタ4200は、AVOMC4100によってアクセス可能な自律走行車両の、
図1に示す記憶装置1340などの記憶装置に運行環境の1つまたは複数の態様を表す情報を格納すること、運行環境の1つまたは複数の態様を表す情報をAVOMC4100に送信すること、またはそれらの組合せなどによって、AVOMC4100に運行環境の1つまたは複数の態様を表す情報を出力することができる。運行環境モニタ4200は、AVOMC4100などの自律走行車両運行管理システム4000の1つまたは複数の要素に運行環境データを出力することができる。
図4には示されていないが、計画固有の運行環境モニタ4220、4230、4240、4250、4260は、運行環境データを、ブロッキングモニタ4210などの計画に依存しない運行環境モニタに出力することができる。
【0071】
歩行者モニタ4220は1人または複数の歩行者の動作を特定し、追跡し、または予測するために、運行環境データを相関させ、関連付け、または他の方法で処理することができる。例えば、歩行者モニタ4220は1人または複数の歩行者に対応するかもしれないセンサデータのような情報を受け取ることができ、歩行者モニタ4220はセンサデータを1つ以上の特定された歩行者に関連付けることができ、これには、進行方向、予想経路、現在または予測される速度、現在または予測される加速度レート、またはこれらの組み合わせが含まれ得る。また、歩行者モニタ4220は、AVOMC4100に対して、または、AVOMC4100のアクセスに応じて、特定、関連付け、または生成された歩行者情報を出力する。
【0072】
交差点モニタ4230は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両の動作を特定し、追跡し、または予測するために、自律走行車両の運行環境における交差点またはその態様を特定するために、車両交通ネットワークの配置を特定するために、またはそれらの組合せを特定するために、運行環境データを相関させ、関連付け、または処理することができる。例えば、交差点モニタ4230は、自律走行車両の運行環境における1つ以上の遠隔車両からのセンサデータ、自律走行車両の運行環境における1つ以上の遠隔車両、交差点、またはその1つ以上の側面に対応し得るセンサデータ、自律走行車両の運行環境における1つ以上の特定された遠隔車両、交差点、またはその1つ以上の側面にセンサデータを関連付けることができ、これらのセンサデータは、自律走行車両、車両交通ネットワークの配置、またはその組み合わせを含むことができ、これらの組み合わせは、予測される経路、現在におけるまたは予測される速度、現在におけるまたは予測される加速度率、またはこれらの組み合わせを特定することができる。また、交差点モニタ4230は、特定された、関連する、または生成された交差情報を、AVOMC4100に対して、または、AVOMC4100のアクセスに応じて出力することができる。
【0073】
車線変更モニタ4240は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両の動作を特定、追跡、または予測するために、運行環境データを相関させ、関連付け、または他の方法で処理することができる。運行環境データは、自律走行車両の予想経路に沿った低速の、または、静止している遠隔車両を示す情報などであり、自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、たとえば、自律走行車両の運行環境における車両交通ネットワークの配置、または車線変更動作に地理空間的に対応するそれらの組合せを特定するために処理することができる。例えば、車線変更モニタ4240は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両、自律走行車両の運行環境における自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または車線変更動作に地理空間的に対応するそれらの組合せに対応することができるセンサデータなどの情報を、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の特定された遠隔車両に関連付けることができる。また、車線変更モニタ4240は、情報を自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または車線変更動作に地理空間的に対応するそれらの組合せに関連付けることができる。これは1つまたは複数の特定された遠隔車両について、現在のまたは予測される移動方向、予測される経路、現在のまたは予測される速度、現在のまたは予測される加速度率などの経路、またはそれらの組合せを特定することを含むことができる。車線変更モニタ4240は、特定された、関連する、または生成された車線変更情報を、AVOMC4100に対して、または、AVOMC4100のアクセスに応じて出力することができる。
【0074】
合流モニタ4250は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両の動作を特定、追跡、または予測するために、また、自律走行車両の運行環境における車両交通ネットワークの配置などの自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または合流動作に地理空間的に対応するそれらの組合せを特定するために、運行環境情報を相関させ、関連付け、または他の方法で処理することができる。例えば、合流モニタ4250は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両、自律走行車両の運行環境における自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または合流動作に地理空間的に対応する自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様に対応することができるセンサデータなどの情報を1つまたは複数のセンサから受信することができる。合流モニタ4250は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の特定された遠隔車両、自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または合流動作に地理空間的に対応するそれらの組合せにセンサデータを関連付けることができる。合流モニタ4250は、AVOMC4100に対して、または、AVOMC4100のアクセスに応じて、特定された、関連付けられた、または生成された合流情報を出力することができる。
【0075】
前方障害物モニタ4260は、前方通過障害物動作に地理空間的に対応する自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様を特定するために、運行環境情報を相関させる、関連付ける、または他の方法で処理することができる。例えば、前方障害物モニタ4260は、自律走行車両の運行環境における車両交通ネットワークの配置を特定することができる。前方障害物モニタ4260は、自律走行車両の予想経路に沿って、または自律走行車両の特定されたルートに沿って、低速または静止している遠隔車両など、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の障害物または障害物を特定することができる。前方障害物モニタ4260は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両の動作を特定、追跡、または予測することができる。前方障害物モニタ4250は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の遠隔車両、自律走行車両の運行環境における自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または前方通過障害物動作に地理空間的に対応するそれらの組合せに対応することができるセンサデータなどの情報を1つまたは複数のセンサから受信することができる。前方障害物モニタ4250は、自律走行車両の運行環境における1つまたは複数の特定された遠隔車両、自律走行車両の運行環境の1つまたは複数の態様、または前方通過障害物動作に地理空間的に対応するそれらの組合せにセンサデータを関連付けることができる。これは、1つまたは複数の特定された遠隔車両についての、現在のまたは予測される移動方向、予測される経路、現在のまたは予測される速度、現在のまたは予測される加速度率、またはそれらの組合せなどを特定することを含むことができる。前方障害物モニタ4250は、特定された、関連する、または生成された前方障害物情報を、AVOMC4100に対して、または、AVOMC4100のアクセスに応じて出力することができる。
【0076】
ブロッキングモニタ4210は、自律走行車両の運行環境またはその一態様を表す運行環境データを受信することができる。ブロッキングモニタ4210は、自律走行車両の現在の経路に基づいて特定された予想経路などの自律走行車両の予想経路に対応する車両交通ネットワークの部分を含むことができる、自律走行車両に近接する車両交通ネットワークの部分など、車両交通ネットワークの1つまたは複数の部分について、それぞれの可用性発生確率、または、対応するブロッキング発生確率を決定することができる。可用性発生確率、または対応するブロッキング発生確率は、自律走行車両が遠隔車両または歩行者などの外部オブジェクトによって妨害されないなど、車両交通ネットワークの一部、または車両交通ネットワーク内の空間位置を安全に通行し得る発生確率を示し得る。ブロッキングモニタ4210は、連続的または周期的に、可用性発生確率を決定または更新することができる。ブロッキングモニタ4210は、可用性発生確率、または対応するブロッキング発生確率をAVOMC4100に通信することができる。
【0077】
AVOMC4100は、運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様に基づいて、1つまたは複数の独自の車両運行計画を特定することができる。例えば、AVOMC4100は、運行環境モニタ4200のうちの1つまたは複数によって示される運行環境データを特定することに対応して、またはそれに基づいて、別の車両運行計画を特定することができる。独自の車両運行計画は、経路データ、センサデータ、またはそれらの組み合わせに基づいて特定されてもよい。例えば、AVOMC4100は、ルートの特定に対応して、特定されたルートに対応する地図データなどに基づいて、車両の特定されたルートに対応する1つまたは複数の独自の車両運行計画を特定することができる。運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様に基づいて、複数の独自の車両運行計画を特定することができる。例えば、運行環境データは、自律走行車両の予想経路に沿って、交差点に近づく歩行者を表す情報を含んでもよい。AVOMC4100は、歩行者についての車両運行計画、交差点についての車両運行計画、またはその両方を特定してもよい。
【0078】
AVOMC4100は、運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様に基づいて、1つまたは複数の運行制御評価モジュール4300のそれぞれのインスタンスをインスタンス化することができる。運行制御評価モジュール4300は、歩行者SSOCEM4310、交差点SSOCEM4320、車線変更SSOCEM4330、合流SSOCEM4340、通過障害SSOCEM4350、または、それらの組合せなどの計画固有運行制御評価モジュール(SSOCEM)を含むことができる。SSOCEM4360は、自律走行車両運行管理システム4000が任意の数のSSOCEM4300を含み得ることを示すために破線を使用して示される。例えば、AVOMC4100は、独自の車両運行計画を特定することに対応して、SSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化することができる。AVOMC4100は、運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様に基づいて、1つまたは複数のSSOCEM4300の複数のインスタンスをインスタンス化することができる。例えば、運行環境データは、自律走行車両の運行環境における2人の歩行者を示し、AVOMC4100は、運行環境データに代表される運行環境の1つ以上の側面に基づいて、それぞれの歩行者ごとに歩行者SSOCEM4310のそれぞれの事例をインスタンス化することができる。
【0079】
AVOMC4100は、運行環境データ、またはその1つまたは複数の態様を、ブロッキングモニタ4210、またはSSOCEM4300の1つまたは複数のインスタンスなど、自律走行車両の別のユニットに送ることができる。例えば、AVOMC4100は、ブロッキングモニタ4210から受信した可用性発生確率、または対応するブロッキング発生確率を、SSOCEM4300のそれぞれのインスタンス化されたインスタンスに通信することができる。AVOMC4100は、運行環境データ、またはその1つまたは複数の態様を、自律走行車両の、
図1に示す記憶装置1340などの記憶装置に格納することができる。
【0080】
車両交通ネットワークを通行するように自律走行車両を制御することは、独自の車両運行計画に基づいて候補車両制御動作を特定すること、候補車両制御動作のうちの1つまたは複数に従って車両交通ネットワークの一部を通行するように自律走行車両を制御すること、またはそれらの組合せを含むことができる。例えば、AVOMC4100は、SSOCEM4300のそれぞれのインスタンスから1つまたは複数の候補車両制御動作を受信することができる。AVOMC4100は、候補車両制御動作から車両制御動作を特定することができ、車両制御動作に従って車両交通ネットワークを通行するために、車両を制御することができ、または、別の車両制御ユニットに特定された車両制御動作を提供することができる。
【0081】
車両制御動作は、加速、減速、旋回、停止、または任意の他の車両運行交通ネットワークの一部を通行することに関連して自律走行車両によって実行され得る車両動作の組合せなどの車両制御動作または操作を示し得る。例えば、「前進」の車両制御動作は、数インチまたは1フィートなどの近距離をゆっくりと前方に進行することを含むことができる。「加速」の車両制御動作は、定義された加速度率で加速度すること、または定義された範囲内の加速度率で加速することを含むことができる。「減速」の車両制御動作は、定義された減速率で減速すること、または定義された範囲内の減速率で減速することを含むことができる。「維持」の車両制御動作は、現在の速度、現在の経路またはルート、または現在の車線の向きを維持することなどによって、現在の動作パラメータを維持することを含むことができる。「前進」の車両制御動作は、以前に特定された動作パラメータの集合を開始すること、または、再開することを含むことができる。いくつかの車両制御動作が本明細書で説明されるが、他の車両制御動作が使用されてもよい。
【0082】
車両制御動作は、1つまたは複数の性能基準を含むことができる。例えば、「停止」の車両制御動作は、性能基準として減速度率を含んでもよい。別の例では、「進行」の車両制御動作は、ルートまたは経路情報、速度情報、加速度率、またはそれらの組合せを性能基準として明示的に示すことができ、あるいは、現在のまたは以前に特定された経路、速度、加速度率、またはそれらの組合せが維持され得ることを明示的または暗示的に示すことができる。車両制御動作は、車両制御動作のシーケンス、組合せ、または両方を含むことができる複合車両制御動作とすることができる。例えば、「前進」の車両制御動作は、「前進」の車両制御動作に応じて自律走行車両を制御することが、数インチ又は数フィートのような短い距離をゆっくりと前進するように自律走行車両を制御することを含むべく、「前進」の車両制御動作、定義された減速度率に関連するその後の「加速」の車両制御動作、及び定義された減速率に関連するその後の「停止」の車両制御動作を示すことができる。
【0083】
AVOMC4100は、SSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化しなくてもよい。例えば、AVOMC4100は自律走行車両のための独自の車両運行計画を示すものとして、独自の動作条件の集合を特定し、独自の車両運行計画のためのSSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化し、動作条件を監視する。その後、AVOMC4100は、動作条件のうちの1つまたは複数が満了した、または、自律走行車両の動作に影響を及ぼす発生確率が定義された閾値未満であると判定し、AVOMC4100は、SSOCEM4300のインスタンスを非インスタンス化することができる。
【0084】
AVOMC4100は内在性(immanency)基準、緊急性基準、ユーティリティ基準、許容性基準、またはそれらの組合せなどの1つまたは複数の車両運行管理制御の基準に基づいて、SSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化、および、非インスタンス化することができる。内在性基準は、車両の現在位置から、それぞれの特定された車両運行計画に対応する車両交通ネットワークの一部分まで、車両が車両交通ネットワークを通行するための、予測される距離または近接度であり得る、空間的、時間的、または時空間的距離または近接度を示してもよく、表してもよく、またはそれに基づいていてもよい。緊急性基準は、それぞれの特定された車両運行計画に対応する車両交通ネットワークの一部を通行するように車両を制御するために利用可能な空間的、時間的、または時空間的距離の尺度を示し、表し、またはそれに基づくことができる。ユーティリティ基準は、それぞれの特定された車両運行計画に対応するSSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化する期待値を示すか、表すか、またはそれに基づくことができる。許容性基準は、衝突回避を示す基準などの安全基準、車両交通ネットワーク規則および規制の遵守を示す基準などの車両交通ネットワーク制御装置の遵守基準、車両の最大制動能力を示す基準などの物理的能力基準、ユーザの嗜好などのユーザ定義基準とすることができる。また、他の基準、または基準の組み合わせを使用することもできる。車両運行管理制御基準は、定義されたレート、範囲、または限界を示すことができる。例えば、受容性基準は、定義された目標減速度率、定義された減速度率の範囲、又は定義された最大減速度率を示すことができる。
【0085】
SSOCEM4300は、それぞれ独自の車両運行計画の1つ以上のモデルを含んでもよい。自律走行車両運行管理システム4000は、各々が独自の車両運行計画のモデルを含む、任意の数のSSOCEM4300を含んでもよい。SSOCEM4300は、1つまたは複数のタイプのモデルからの1つまたは複数のモデルを含むことができる。例えば、SSOCEM4300は、部分観測可能マルコフ決定プロセス(POMDP)モデル、マルコフ決定プロセス(MDP)モデル、古典的計画モデル、部分観測可能確率ゲーム(POSG)モデル、分散部分観測可能マルコフ決定プロセス(Dec-POMDP)モデル、強化学習(RL)モデル、人工ニューラルネットワークモデル、またはそれぞれの独自の車両運行計画の任意の他のモデルを含むことができる。それぞれの異なるタイプのモデルは、正確さおよびリソース活用のためのそれぞれの特性を有することができる。例えば、定義された計画のためのPOMDPモデルは、定義された計画のためのMDPモデルよりも、より高い精度、および、より高いリソース活用性を有することができる。SSOCEM4300に含まれるモデルは、精度などに基づいて、階層的などに順序付けられてもよい。例えば、SSOCEM4300に含まれる最も正確なモデルなどの指定モデルは、SSOCEM4300の主要モデルとして特定され、SSOCEM4300に含まれる他のモデルは、二次モデルとして特定され得る。
【0086】
一例では、SSOCEM4300のうちの1つまたは複数は、単一エージェントモデルとすることができるPOMDPモデルを含むことができる。POMDPモデルは、一組の状態(S)、一組の行動(A)、一組の観測値(Ω)、一組の状態遷移確率(T)、一組の条件付き観測確率(O)、報酬関数(R)、又はそれらの組み合わせを用いて、不確定性のモデル化を含み得る独自の車両運行計画をモデル化することができる。POMDPモデルは、タプル<S,A,Ω,T,O,R>として定義または記述することができる。
【0087】
状態の集合(S)に由来する状態は、離散経時的位置における自律走行車両の動作に確率的に影響を及ぼし得る自律走行車両の運行環境において、外部オブジェクトおよび交通制御デバイスなどのそれぞれの定義された態様の独自の状態を表すことができる。状態(S)のそれぞれの集合集合は、各独自の車両運行計画について定義され得る。状態(S)の集合に由来する各状態(状態空間)は、1つまたは複数の定義された状態ファクタを含むことができる。いくつかのモデルについての状態ファクタのいくつかの例が本明細書で説明されるが、本明細書で説明される任意のモデルを含むモデルは任意の数または濃度の状態ファクタを含むことができる。各状態ファクタはそれぞれの計画の定義された態様を表すことができ、それぞれの定義された値の集合を有することができる。いくつかの状態ファクタに対する状態ファクタ値のいくつかの例を本明細書で説明するが、本明細書で説明する任意の状態ファクタを含む状態ファクタは任意の数または濃度の値を含むことができる。
【0088】
動作の集合(A)に由来する動作は、状態の集合(S)内の各状態における利用可能な車両制御動作を示すことができる。それぞれの動作の集合は、各独自の車両運行計画について定義され得る。動作(A)の集合に由来する各動作(アクションスペース)は、1つまたは複数の定義された動作ファクタを含むことができる。いくつかのモデルについての動作ファクタのいくつかの例が本明細書で説明されるが、本明細書で説明される任意のモデルを含むモデルは任意の数または濃度の動作ファクタを含むことができる。各動作ファクタは、利用可能な車両制御動作を表すことができ、それぞれの定義された値のセットを有することができる。いくつかの動作ファクタの動作ファクタ値のいくつかの例を本明細書で説明するが、本明細書で説明する任意の動作ファクタを含む動作ファクタは、任意の数または濃度の値を含むことができる。
【0089】
観測の集合(Ω)に由来する観測は、状態の集合(S)に由来する各状態について、利用可能な観測可能な、測定可能な、または決定可能なデータを示すことができる。それぞれの観測値の集合は、各独自の車両運行計画について定義され得る。観測値(Ω)の集合に由来する各観測値(観測空間)は、1つまたは複数の定義された観測ファクタを含むことができる。いくつかのモデルの観測ファクタのいくつかの例を本明細書で説明するが、本明細書で説明する任意のモデルを含むモデルは、任意の数または濃度の観測ファクタを含むことができる。各々の観測ファクタは、利用可能な観測を表すことができ、それぞれの定義された値の集合を有することができる。いくつかの観測ファクタの観測ファクタ値のいくつかの例を本明細書で説明するが、本明細書で説明する任意の観測ファクタを含む観測ファクタは、任意の数または濃度の値を含むことができる。
【0090】
状態遷移確率の集合(T)に由来する状態遷移確率は、T: S × A × S →[0,1]として表され得る行動の集合(A)によって表され、かつ、自律走行車両の行動に対応する状態の集合(S)によって表されるように、自律走行車両の運行環境への変更を確率的に表すことができる。状態遷移確率(T)のそれぞれの集合は、各独自の車両運行計画について定義され得る。いくつかのモデルについての状態遷移確率のいくつかの例を本明細書で説明するが、本明細書で説明する任意のモデルを含むモデルは、任意の数または濃度の状態遷移確率を含むことができる。例えば、状態、動作、および後続の状態の各組合せを、それぞれの状態遷移確率に関連付けることができる。
【0091】
条件付き観測確率(O)の集合に由来する条件付き観測確率は、動作の集合(A)によって表され、かつ、自律走行車両の運行環境(S)によって表されるように、それぞれの観測を行う確率(Ω)を表すことができ、それは、O: A×S×Ω→[0,1]として表され得る自律走行車両の動作に対応する。条件付き観測確率(O)のそれぞれの集合は、各独自の車両運行計画について定義され得る。いくつかのモデルの状態条件付き観測確率のいくつかの例を本明細書で説明するが、本明細書で説明する任意のモデルを含むモデルは、任意の数または濃度の条件付き観測確率を含むことができる。例えば、動作、後続の状態、および観測の各組み合わせは、それぞれの条件付き観測確率に関連付けられてもよい。
【0092】
報酬関数(R)は、対応する車両制御動作に従った対応する状態から後続の状態へと車両交通ネットワークを通行する自律走行車両の期待値を表すことができ、状態および動作の組合せごとに発生することができるそれぞれの正または負の(コスト)値を決定することができ、これは、次式(1)として表すことができる。
【数1】
【0093】
単純化および明確化のために、本明細書で説明される、状態ファクタ値または観測ファクタ値などのモデルの値の例は、{開始(start), 目標(goal)}または{短(short),長(long)}などのカテゴリ表現を含む。カテゴリ値は定義された離散値を表すことができ、これは相対値とすることができる。例えば、時間的側面を表す状態ファクタは集合{短(short),長(long)}からの値を有することができ、値「短(short)」は3秒などの定義された閾値内、またはそれ未満の時間的距離などの離散的な値を表すことができ、値「長(long)」は、定義された閾値以上などの少なくとも時間的距離などの離散的な値を表すことができる。それぞれのカテゴリ値に対する定義された閾値は、関連するファクタに対して定義されてもよい。例えば、時間ファクタに対する集合{短(short),長(long)}に対する定義された閾値は、相対空間位置ファクタ値に関連付けられてもよく、時間ファクタに対する集合{短(short),長(long)}に対する別の定義された閾値は、別の相対空間位置ファクタ値に関連付けられてもよい。ファクタ値のカテゴリ表現を本明細書で説明するが、他の表現、または表現の組合せを使用することができる。例えば、時間状態ファクタ値の集合は、{短(short)(3秒未満の値を表す)、4、5、6、長(long)(少なくとも7秒の値を表す)}とすることができる。
【0094】
POMDPモデルを実装する実施形態などのいくつかの実施形態では、自律走行車両運行制御計画をモデリングすることは、遮蔽物をモデリングすることを含むことができる。例えば、運行環境データは、運行環境データが自律走行車両の運行環境内の1つまたは複数の遮蔽された外部オブジェクトを表す情報を省略することができるように、自律走行車両の運行環境内のセンサ遮蔽などの1つまたは複数の遮蔽に対応する情報を含むことができる。例えば、遮蔽物は、交通標識、建物、木、特定された外部オブジェクトなどの外部オブジェクト、または定義された時空的な位置で自律走行車両から外部オブジェクトなどの1つまたは複数の他の動作条件を遮蔽することができる任意の他の動作条件、または動作条件の組合せとすることができる。いくつかの実施形態では、運行環境モニタ4200は、遮蔽物を特定することができ、特定された遮蔽物によって外部オブジェクトが遮蔽され、または、隠される発生確率を特定または決定することができ、さらに、AVOMC4100に出力され、または、AVOMC4100によってそれぞれのSSOCEM4300に通信される運行環境データに、遮蔽された車両発生確率情報を加えることができる。
【0095】
自律走行車両運行管理システム4000は、任意の数または組み合わせのタイプのモデルを含んでもよい。例えば、歩行者SSOCEM4310、交差点SSOCEM4320、車線変更SSOCEM4330、合流SSOCEM4340、および通過障害SSOCEM4350は、POMDPモデルであってもよい。別の例では、歩行者SSOCEM4310がMDPモデルであってもよく、交差点SSOCEM4320はPOMDPモデルであってもよい。AVOMC4100は、運行環境データに基づいてSSOCEM4300の任意の数のインスタンスをインスタンス化することができる。
【0096】
SSOCEM4300インスタンスをインスタンス化することは、SSOCEM4300からモデルを特定することと、特定されたモデルのインスタンスをインスタンス化することとを含み得る。例えば、SSOCEM4300は、それぞれの独自の車両運行計画のための一次モデルおよび二次モデルを含むことができる。SSOCEM4300をインスタンス化することは、一次モデルを現在のモデルとして特定することと、一次モデルのインスタンスをインスタンス化することとを含むことができる。モデルをインスタンス化することは、ソリューションまたはポリシーがモデルのために利用可能であるかどうかを決定することを含み得る。モデルをインスタンス化することは、モデルのための利用可能なソリューションまたはポリシーが部分的に解かれるか、または収束して解かれるかを決定することを含むことができる。SSOCEM4300をインスタンス化することは、SSOCEM4300のための特定されたモデルのためのソリューションまたはポリシーのインスタンスをインスタンス化することを含み得る。
【0097】
POMDPモデルなどのモデルを解くことは、発生した報酬を最大化する関数であり得るポリシーまたはソリューションを決定することを含み得る。報酬は、モデルを定義する<S、A、Ω、T、O、R>などのタプルの要素の可能な組合せを評価することによって決定され得る。ポリシーまたはソリューションは、特定された信念状態データに基づいて、報酬最大化された、または最適な候補車両制御動作を特定または出力することができる。確率的であり得る、特定された信念状態データは、それぞれのモデルについての状態値の現在の集合、または状態値の現在の集合についての確率などの、現在の状態データを示すことができ、それぞれの相対的な経時的位置に対応することができる。例えば、MDPモデルを解くことは、状態の集合(S)に由来する状態を特定することと、動作の集合(A)から動作を特定することと、状態遷移確率に従う動作をシミュレートした後に、状態の集合(S)から後続の、または後続の状態を決定することとを含むことができる。各状態は対応する効用値に関連付けられてもよく、MDPモデルを解くことは状態、動作、および後続の状態のそれぞれの可能な組み合わせに対応するそれぞれの効用値を決定することを含んでもよい。後続の状態の効用値は、割引された報酬またはペナルティとすることができる報酬またはペナルティを受ける最大特定効用値として特定することができる。ポリシーは、それぞれの状態の最大効用値に対応する行動を示し得る。POMDPモデルを解くことは、それぞれの状態に対する確率を表し、それぞれの状態に対する観測値を生成することに対応する観測確率に従う、信念状態に基づくことを除いて、MDPモデルを解くことと同様であってもよい。したがって、SSOCEMモデルを解くことは、可能な状態-動作状態遷移を評価することと、それぞれの動作および観測に基づいて、ベイズ規則を使用するなどして、それぞれの信念状態を更新することとを含む。
【0098】
図5は、本開示の実施形態による自律走行車両運行管理5000の一例の流れ図である。自律走行車両運行管理5000は、
図1に示す車両1000、
図2に示す車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両などの自律走行車両で実施することができる。例えば、自律走行車両は、
図4に示す自律走行車両運行管理システム4000などの自律走行車両運行管理システムを実装することができる。
【0099】
図5に示すように、自律走行車両運行管理5000は、1つまたは複数のモジュールまたはその構成要素を含む自動走行車両運行管理システムを実装または動作させることを含む。1つまたは複数のモジュールまたはその構成要素を含む自動走行車両運行管理システムを実装または動作させることは、
図4に示すAVOMC4100などの自律走行車両運行管理コントローラ(AVOMC)5100を動作させることと、
図4に示す1つまたは複数の運行環境モニタ4300のような運行環境モニタ5200を動作させることと、
図4に示すSSOCEM4300のインスタンスなどの計画固有運行制御評価モジュールインスタンス(SSOCEMインスタンス)5300を動作させることとを含むことができる、
【0100】
AVOMC5100は、5110において、自律走行車両の運行環境、またはその定義された態様を監視して、自律走行車両の運行環境、またはその態様を特定することができる。例えば、運行環境モニタ5200は、運行環境の計画固有の態様を監視することができ、運行環境を表す運行環境データをAVOMC5100に送信することができる。自律走行車両の運行環境を監視することは、5110における外部オブジェクトを特定および追跡すること、5120における独自の車両運行計画を特定すること、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、AVOMC5100、運行環境モニタ5200、またはその両方は、運行環境の1つまたは複数の態様を説明するセンサデータ、車両データ、ルートデータ、車両交通ネットワークデータ、以前に特定された運行環境データ、または任意の他の利用可能なデータ、またはデータの組合せに基づいて、運行環境データを特定することができる。
【0101】
運行環境を特定することは、運行環境を表す運行環境データ、またはその1つまたは複数の態様を特定することを含むことができる。運行環境データは、自律走行車両のための車両情報、自律走行車両に近接した車両交通ネットワークを表す情報、自律走行車両のために特定された経路に沿った、または近接した、自律走行車両の運行環境内の外部オブジェクトを表す情報、またはその1つまたは複数の態様、あるいはそれらの組合せを含むことができる。センサ情報は、自律走行車両のセンサ情報処理ユニットからの処理されたセンサ情報などの処理されたセンサ情報であってもよく、自律走行車両のセンサからセンサ情報を受信してもよく、センサ情報に基づいて処理されたセンサ情報を生成してもよい。
【0102】
運行環境データを特定することは、
図1に示すセンサ1360または
図2に示す車載センサ2105などの自律走行車両のセンサから、運行環境の1つまたは複数の態様を示す情報を受信することを含むことができる。センサ、または自律走行車両の別のユニットは、センサ情報を、
図1に示す自律走行車両の記憶装置1340などの記憶装置に格納し、AVOMC5100は、記憶装置からセンサ情報を読み出すことができる。
【0103】
運行環境データを特定することは、車両交通ネットワークデータから運行環境の1つまたは複数の態様を示す情報を特定することを含むことができる。例えば、AVOMC5100は、自律走行車両が交差点に近づいていることを示す車両交通ネットワークデータ、または自律走行車両の300メートル以内など、自律走行車両に近接する車両交通ネットワークの配置または構成を記述する車両交通ネットワークデータを読み取るか、または他の方法で受信することができる。
【0104】
5110で運行環境データを特定することは、遠隔車両または自律走行車両の外部の他の遠隔デバイスから運行環境の1つまたは複数の態様を示す情報を特定することを含むことができる。例えば、自律走行車両は遠隔車両から、無線電子通信リンクを介して、遠隔車両に関する遠隔車両地理空間状態情報、遠隔車両に関する遠隔車両運動状態情報、またはその両方を示す遠隔車両情報を含む遠隔車両メッセージを受信することができる。
【0105】
運行環境データを特定することは、自律走行車両の特定された経路を表す経路データから運行環境の1つまたは複数の態様を示す情報を特定することを含むことができる。例えば、AVOMC5100は、自律走行車両のための、ユーザ入力に応答して特定された経路などの特定経路を表す車両交通ネットワークデータを読み取るか、または他の方法で受信することができる。
【0106】
AVOMC5100および運行環境モニタ5200は、5110、5112、および5210で示されるように、運行環境情報を特定するために通信することができる。代替として、または追加として、運行環境モニタ5200は、自律走行車両のセンサ、または、別の運行環境モニタ5200など、自律走行車両の別の構成要素から運行環境データを受信することができ、または運行環境モニタ5200は、自律走行車両の記憶装置から運行環境データを読み取ることができる。
【0107】
AVOMC5100は、5110において特定された運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様などに基づいて、5120において1つまたは複数の独自の車両運行計画を検出または特定することができる。
【0108】
AVOMC5100は、5120において独自の車両運行計画を特定することに対応するなどして、5130において運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様に基づいて、SSOCEMインスタンス5300をインスタンス化することができる。
図5には、1つのSSOCEMインスタンス5300が示されているが、AVOMC5100は、5110において特定された運行環境データによって表される運行環境の1つまたは複数の態様に基づいて、複数のSSOCEMインスタンス5300をインスタンス化することができる。各SSOCEMインスタンス5300は、5120において検出されたそれぞれの独自の車両運行計画、または5110において特定された独自の外部オブジェクトと、5120において検出されたそれぞれの独自の車両運行計画との組合せに対応する。5130でSSOCEMインスタンス5300をインスタンス化することは、5132で示されるように、自律走行車両の運行環境を表す運行環境データをSSOCEMインスタンス5300に送信することを含むことができる。SSOCEMインスタンス5300は、5310において、自律走行車両の運行環境、または、その1つまたは複数の態様を表す運行環境データを受信することができる。5130においてSSOCEMインスタンス5300をインスタンス化することは、独自の車両運行計画の一次モデルまたは二次モデルなどのモデルを特定すること、モデルのインスタンスをインスタンス化すること、モデルに対応するソリューションまたはポリシーを特定すること、ソリューションまたはポリシーのインスタンスをインスタンス化すること、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0109】
運行環境モニタ5200は、
図4に示されるブロッキングモニタ4210などのブロッキングモニタを含むことができる。ブロッキングモニタは、5220において、自律走行車両に近接する車両交通ネットワークの部分などの車両交通ネットワークの1つまたは複数の部分について、それぞれの可用性発生確率(POA)、または対応するブロッキング発生確率を決定することができ、自律走行車両の現在のルートに基づいて特定される予想経路などの自律走行車両の予想経路に対応する車両交通ネットワークの部分を含むことができる。ブロッキングモニタは、5220において特定された可用性発生確率を、5222においてSSOCEMインスタンス5300に送ることができる。代替的に、または追加的に、ブロッキングモニタは、5220において特定された可用性発生確率を自律走行車両のメモリに記憶することができる。
図5には明示的に示されていないが、ブロッキングモニタは、5220において特定された可用性発生確率をSSOCEMインスタンス5300に送ることに加えて、またはその代わりに、5222においてAVOMC5100に送ることができる。SSOCEMインスタンス5300は、5320において、可用性発生確率を受信することができる。
【0110】
SSOCEMインスタンス5300は、5330において、候補車両制御動作を生成または特定することができる。例えば、SSOCEMインスタンス5300は、5330において、運行環境データ5310の受信、5320における可用性発生確率データの受信、またはその両方に対応して、候補車両制御動作を生成または特定することができる。例えば、独自の車両運行計画のモデルについて、5310においてインスタンス化されたソリューションまたはポリシーのインスタンスは、運行環境データ、可用性発生確率データ、またはその両方に基づいて、候補車両制御動作を出力することができる。SSOCEMインスタンス5300は、5330で特定された候補車両制御動作を5332においてAVOMC5100に送信することができる。代替的に、または追加的に、SSOCEMインスタンス5300は、5330において特定された候補車両制御動作を自律走行車両の記憶装置に格納することができる。
【0111】
AVOMC5100は、5140において、候補車両制御動作を受信することができる。例えば、AVOMC5100は、5140において、SSOCEMインスタンス5300から候補車両制御動作を受信することができる。代替として、または追加として、AVOMC5100は、自律走行車両の記憶装置から候補車両制御動作を読み取ることができる。
【0112】
AVOMC5100は、5150において、候補車両制御動作を承認するか、または、候補車両制御動作を、車両交通ネットワークを通行するように自律走行車両を制御するための車両制御動作として特定することができる。5150において、候補車両制御動作を承認することは、候補車両制御動作に従って、車両交通ネットワークの一部を通行するかどうかを決定することを含んでもよい。
【0113】
AVOMC5100は、5150において特定された車両制御動作に従って、5160において、特定された車両制御動作を、別の車両制御ユニット、車両交通ネットワークを通行する自律走行車両、またはその一部に対して制御することができ、または提供することができる。
【0114】
AVOMC5100は、5170において、自律走行車両の運行環境またはその一態様を特定することができる。5170において自律走行車両の運行環境またはその一態様を特定することは、5110において自律走行車両の運行環境を特定することと同様であってもよく、以前に特定された運行環境データを更新することを含んでもよい。
【0115】
AVOMC5100は、5180において、独自の車両運行計画が解決されているか、または未解決であるかを判定または検出することができる。例えば、AVOMC5100は上述したように、連続的に又は周期的に運行環境情報を受信することができる。AVOMC5100は、運行環境データを評価して、独自の車両運行計画が解決したかどうかを判定することができる。
【0116】
5180において、AVOMC5100はSSOCEMインスタンス5300に対応する独自の車両運行計画が未解決であると判定することができる。5185において示されるように、AVOMC5100は、5170において特定された運行環境データをSSOCEMインスタンス5300に送信することができ、5180においてSSOCEMインスタンス5300を非インスタンス化することは、省略されるか、または異なるものとすることができる。
【0117】
AVOMC5100は、5180において、独自の車両運行計画が解決されたと判定することができ、5190において、5180において解決されると判定された独自の車両運行計画に対応するSSOCEMインスタンス5300を非インスタンス化することができる。例えば、AVOMC5100は、5120において、自律走行車両のための独自の車両運行計画を形成する独自の動作条件の集合を特定することができ、5180において、動作条件のうちの1つまたは複数が満了したか、または自律走行車両の動作に影響を及ぼす発生確率が定義されたしきい値未満であると判定することができ、対応するSSOCEMインスタンス5300を非インスタンス化することができる。
【0118】
図5には明示的に示されていないが、AVOMC5100は、5170において運行環境データの特定または更新を連続的または定期的に繰り返し、5180において独自の車両運行計画が解決されているかどうかを判定し、5180において独自の車両運行計画が未解決であると判定したことに対応して、5180において独自の車両運行計画が解決されているかどうかを判定し、これらが独自の車両運行計画が解決されていると判定することを含むまで、5185で示されるように5170において特定された運行環境データをSSOCEMインスタンス5300に送ることができる。
【0119】
図6~8は、合流計画を含む例を示す。合流計画では、車両交通ネットワークの一部は、第1の道路からの2つの隣接する車線、または第1の道路からの第1の車線、および第2の道路からの第2の車線などの2つ以上の車線を含み、これらの車線は合流交差点で交差し、合流されて、車線の進行方向に対して後続の合流車線を形成する。自律走行車両は、合流交差点で、後続の合流車線に合流することによって、合流計画を通行することができる。合流計画は、本明細書に記載されているか、または文脈から明らかであることを除いて、車線変更計画と同様であってもよい。例えば、合流計画は、車両交通ネットワークの定義された態様に基づくことができる、定義された固定された地理空間的位置(合流交差点)に関連付けることができ、合流計画を含む車両交通ネットワークの一部分を通行するために、後続の合流車線への合流を省略する車両制御動作を利用できないことがある。車線変更計画は相対位置に関連付けられてもよく、車線変更計画を含む車両交通ネットワークの一部分を通行するために、車線変更を省略する車両制御動作が利用可能であってもよい。別の例では、合流計画のための遠隔車両動作の発生確率が同様の車線変更計画とは異なり得る。2つの隣接車線が終了し、後続の合流車線が合流交差点で始まる合流計画の一例が
図6に示されている。第1の隣接車線が終了し、第2の隣接車線が、合流交差点で後続の合流車線になる合流計画の一例を
図7に示す。第1の道路の車線が後続の合流車線となり、合流交差点で第2の道路の車線が終わる合流計画の例を
図8に示す。他の車両交通ネットワーク構成が、合流計画のために使用されてもよい。
【0120】
図6は、本開示の実施形態による合流計画を含む車両交通ネットワークの合流シーン6000の部分の一例の図である。自律走行車両運行管理は、
図1に示される車両1000などの自律走行車両6100、
図2に示される車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両が、
図5に示される自律走行車両運行管理システム5000などの、
図5に示される合流SSOCEM5410などの合流SSOCEMを含む自律走行車両運行管理システムを動作させることを含むことができる。合流SSOCEM5410は、合流交差点6300に近づく第1の車線6210内の第1の道路6200に沿って車両交通ネットワークの一部を通行する自律走行車両6100を含む自律走行車両運行制御計画のモデルを含むことができる(合流計画)。単純化および明確化のために、
図6に示される合流シーン6000に対応する車両交通ネットワークの部分は、上が北に方向づけられ、右が東に方向づけられている。
【0121】
図6に示される合流シーン6000に対応する車両交通ネットワークの部分は、第1の道路6200の第1の車線6210内の道路セグメントに沿って北方向に通行する自律走行車両6100を含み、第1の道路6200の第2の車線6400に隣接し、合流交差点6300に接近する。第1の車線6210および第2の車線6400は、合流交差点6300で合流し、第1の道路6200の後続の合流車線6500を形成する。第1の車線6210、第2の車線6400、および合流車線6500は別々に示されるが、第1の車線6210、第2の車線6400、および合流車線6500のそれぞれの部分は、合流交差点6300において重複してもよい。第1遠隔車両6600は、第2の車線6400を通行し、合流交差点6300に近づく。第2遠隔車両6700は、自律走行車両6100の前方で、後続の合流車線6500を通行している。第3遠隔車両6800は、自律走行車両6100の後方で第1の車線6210を通行している。
【0122】
自律走行車両運行管理システムは、一連の経時的位置の各経時的位置において、連続的又は定期的に作動することができる。一連の経時的位置からの第1の、連続的に最も早い経時的位置は、自律走行車両を動作させることに対応することができ、これは、自律走行車両によって車両交通ネットワークの一部を通行すること、または自律走行車両によって車両交通ネットワークを通行するための特定された経路を受信または特定することを含むことができる。簡易化かつ明確化のために、自律走行車両6100、第1遠隔車両6600、第2遠隔車両6700、および第3遠隔車両6800のそれぞれの地理空間位置は、合流交差点6300に近接する車両交通ネットワーク内の空間位置に対応する一連の経時的位置に由来する経時的位置に従って示される。単純化および明確化のために一連の経時的位置を参照して説明したが、自律走行車両操作管理システムの各ユニットは任意の発生頻度で操作することができ、それぞれのユニットの操作は同期または非同期とすることができ、操作は、1つまたは複数の経時的位置の1つまたは複数の部分と同時に実行することができる。簡易的かつ明確化のために、本明細書で説明される経時的位置間の経時的位置などの1つまたは複数の経時的位置のそれぞれの説明は、本開示から省略され得る。
【0123】
自律走行車両6100の自律走行車両運行管理システムは、
図5に示す合流モニタ5310などの合流モニタを動作させることができ、合流モニタは、合流モニタをインスタンス化することを含むことができる。合流モニタは、自律走行車両6100の特定された経路に対応する部分、自律走行車両6100に空間的に近接する部分、自律走行車両6100の予想経路、またはそれらの組合せなどの車両交通ネットワークの一部を表す、地図データ、センサデータ、またはそれらの組合せなどの車両交通ネットワークデータを処理または評価することができる。例えば、自律走行車両6100の特定されたルート、自律走行車両6100の予想経路、またはその両方は合流交差点6300を含むか、またはその近傍にあってもよく、合流モニタは、合流交差点6300を含む車両交通ネットワークの部分を通行する自律走行車両6100に対応する候補合流計画を特定してもよい。別の例では、自律走行車両6100のセンサは、自律走行車両の予想経路に沿った車両交通ネットワークの配置が合流交差点を含むことを示す情報、遠隔車両6600、6700、6800のうちの1つまたは複数に対応する情報、またはそれらの組合せなど、自律走行車両6100の運行環境に対応する情報を検出することができる。
【0124】
合流モニタは、センサ情報を遠隔車両6600、6700、6800に関連付けることを含むことができる自律走行車両6100の運行環境またはその一態様を表す運行環境情報を特定または生成することができ、遠隔車両6600、6700、6800を表す情報、候補合流計画を特定する情報、またはその両方を含むことができる運行環境情報を自律走行車両運行管理コントローラに出力することができる。
【0125】
自律走行車両6100の自律走行車両運行管理システムは、
図5に示されるブロッキングモニタ5200などのブロッキングモニタを動作してもよい。これは、ブロッキングモニタをインスタンス化することを含み得る。ブロッキングモニタは、車両交通ネットワークの1つまたは複数のエリアまたは部分について、それぞれの可用性発生確率、または対応するブロッキング発生確率を示す可用性発生確率情報を生成することができる。例えば、ブロッキングモニタは、自律走行車両6100のための予想経路6900、第1遠隔車両6600のための予想経路6910、および自律走行車両のための予想経路6900と、合流交差点6300に対応し得る第1遠隔車両6600のための予想経路6910との間の収束点に近接する車両交通ネットワークの領域または一部のための可用性を決定してもよい。
【0126】
自律走行車両運行管理コントローラは、合流モニタによって出力された運行環境情報を含むことができる運行環境情報によって表される運行環境などに基づいて、合流計画を検出または特定することができる。例えば、自律走行車両運行管理コントローラは、候補合流計画を合流計画として特定することができる。
【0127】
自律走行車両運行管理コントローラは、第1遠隔車両6600を含む合流計画を検出または特定することに対応して、1つまたは複数の合流SSOCEMインスタンスをインスタンス化することができ、運行環境情報を合流SSOCEMインスタンスに送信するか、または利用可能にすることができる。加えて、または代替として、自律走行車両運行管理コントローラは、第1遠隔車両6600を含む合流計画を検出または特定することに対応して、新しいまたは更新された運行環境情報などの運行環境情報を、1つまたは複数の以前にインスタンス化された、または動作中の合流SSOCEMインスタンスに送信するか、または利用可能にすることができる。
【0128】
合流交差点を通行する自律走行車両の動作に影響を及ぼし得る合流交差点に近接する車両交通ネットワークの一部を通行する遠隔車両6600、6700、6800のうちの1つまたは複数の遠隔車両は、合流関連遠隔車両として特定され得る。各合流SSOCEMインスタンスは、それぞれの合流関連遠隔車両6600、6700、6800に対応することができる。
【0129】
合流SSOCEMインスタンスをインスタンス化または更新することは、それぞれの合流SSOCEMインスタンスによるアクセスのために、運行環境情報、またはその一部をそれぞれの合流SSOCEMインスタンスに送信すること、または運行環境情報、またはその一部を格納することなどによって、センサ情報または可用性発生確率などの運行環境情報、またはその一部をそれぞれの合流SSOCEMインスタンスに提供することを含むことができる。それぞれの合流SSOCEMインスタンスは、合流計画に対応する運行環境情報を受信するか、または他の方法でアクセスすることができる。
【0130】
合流SSOCEMは、合流計画のPOMDPモデルなどの合流計画のモデルを含むことができる。合流計画のPOMDPモデルは、タプル<S,A,Ω,T,O,R>として表現され得る合流計画に対応する、状態の集合(S)、動作の集合(A)、観測の集合(Ω)、状態遷移確率の集合(T)、条件付き観測確率の集合(O)、報酬関数(R)、またはそれらの組み合わせを定義し得る。独自の合流車両運行計画のPOMDPモデルは、知覚的不確定性、行動の不確定性、またはそれらの組み合わせを含み得る不確定性をモデル化することができる。知覚的不確定性をモデル化することは、センサの不確定性をモデル化すること、遠隔車両が存在しない場合に遠隔車両を不正確に特定することなどの、偽陽性遠隔車両特定の発生確率をモデル化すること、および、遮蔽に対応する等して遠隔車両が存在する場合に遠隔車両が存在しないことを不正確に特定するなどの、偽陰性遠隔車両特定の発生確率をモデル化することと、それらの組合せを含むことができる。挙動の非遮蔽性をモデル化することは、遠隔車両行動のそれぞれの発生確率をモデル化することを含み得る。
【0131】
単純化および明瞭化のために、合流計画のモデルは合流関連遠隔車両として第1遠隔車両6600を使用して記載される。しかしながら、第2遠隔車両6700または第3遠隔車両6800などの別の取り外し車両は、合流関連遠隔車両として使用されてもよい。
【0132】
合流計画のPOMDPモデルのための状態空間(S)に含まれ得る状態ファクタの例は、内在性状態ファクタ、自律走行車両相対位置状態ファクタ、自律走行車両未決定状態ファクタ、自律走行車両相対速度状態ファクタ、遠隔車両相対位置状態ファクタ、遠隔車両相対位置未決定状態ファクタ、可用性状態ファクタ、遠隔車両相対速度状態ファクタ、またはそれらの組み合わせを含むことができ、これらは次式(2)として表され得る。他の状態ファクタが、合流POMDPモデルに含まれてもよい。
【数2】
【0133】
内在性状態ファクタは、自律走行車両6100の現在位置と、後続の合流車線6500に近接する合流交差点6300の位置との間の、空間距離、時間距離、または時空間距離などの距離を示してもよく、{長(long),中(mid),短(short),現在(now)}などの定義された値の集合に由来する値を有する可能性がある。例えば、「長(long)」の内在性状態ファクタは、自律走行車両6100の現在位置と、後続の合流車線6500に近接する合流交差点6300の位置との間の距離が少なくとも、定義された長内在性閾値以上などであることを示すことができる。「中(mid)」の内在性状態ファクタは、自律走行車両6100の現在位置と、後続の合流車線6500に近接する合流交差点6300の位置との間の距離が定義された長内在性閾値未満などの範囲内で、かつ、定義された中内在性閾値以上などの少なくとも範囲内であることを示すことができる。「短(short)」の内在性状態ファクタは、自律走行車両6100の現在位置と、後続の合流車線6500に近接する合流交差点6300の位置との間の距離が定義された中内在性閾値未満などの範囲内で、かつ、少なくとも定義された短内在性閾値以上などの範囲内にあることを示すことができ、これは、
図6に示すように、自律走行車両6100が合流交差点6300に接近することに対応することができる。「現在(now)」の内在性状態ファクタは、自律走行車両6100の現在の位置と、後続の合流車線6500に近接する合流交差点6300の位置との間の距離が合流交差点6300を通行する自律走行車両6100に対応し得る、定義された短内在性閾値未満などの範囲内であることを示してもよい。
【0134】
自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両6100の現在の車線に対する自律走行車両6100のための位置を示してもよく、それは、第1の車線6210または後続の合流車線6500であってもよく、{開始(start),エッジド(edged),内側(inside),目標(goal)}などの定義された値の集合に由来する値を有する可能性がある。例えば、「開始(start)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、図示のように、自律走行車両6100が第1の車線6210内で相対的に中心にあることを示すことができる。「エッジド(edged)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両6100が隣接車線6400に隣接する現在の車線6210の縁部の比較的近くにあることを示すことができ、それは後続の合流車線6500の中心に対応し得る。「内側(inside)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両6100が合流車両制御動作に従って合流交差点6300を通行していることを示すことができる。「目標(goal)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両6100が後続の合流車線6500の中心にあることを示すことができる。
【0135】
自律走行車両未決定状態ファクタは、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両6100に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短(short),長(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「短(short)」という自律走行車両未決定状態ファクタは、定義された未決定状態閾値未満などの自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両6100に対応する未決定状態を示すことができる。「長(long)」という自律走行車両未決定状態ファクタは、定義された未決定閾値以上などの自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両6100に対応する未決定状態を示すことができる。未決定状態閾値は、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値に対して定義されてもよい。例えば、10秒の未決定状態閾値は「開始(start)」の自律走行車両相対位置状態ファクタに対して定義されてもよく、3秒の未決定状態閾値は「エッジド(edged)」の自律走行車両相対位置状態ファクタに対して定義されてもよい。
【0136】
自律走行車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両速度、制限速度、またはその両方であり得る定義された速度基準に対する自律走行車両6100の速度を示してもよく、{スロー(slow),スローミッド(slow-mid),ミッド(mid),ミッドファースト(mid-fast),ファースト(fast)}などの定義された値の集合に由来する値を有する可能性がある。例えば、「スロー(slow)」の自律走行車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両の現在の速度が、定義された相対速度最大差分閾値を超えた、すなわち、それ以上の量だけ、自律走行車両の現在の速度を超えることを示すことができる。「スローミッド(slow-mid)」の自律走行車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両の現在の速度が、定義された相対速度最大差分閾値の範囲内、すなわち、それより小さい量、かつ、定義された相対速度最小差分閾値を超える、すなわち、それ以上の範囲の量だけ自律走行車両の現在の速度を超えることを示すことができる。「ミッド(mid)」の自律走行車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両の現在の速度と自律走行車両の現在の速度との間の差が定義された相対速度最小差分閾値より小さいなど、その範囲内にあることを示してもよく、等しい速度またはほぼ等しい速度に対応してもよい。「ミッドファースト(mid-fast)」の自律走行車両相対速度状態ファクタは、自律走行車両の現在の速度が定義された相対速度最大差分閾値の範囲内、すなわち、それより小さい量、かつ、定義された相対速度最小差分閾値を超える、すなわち、それ以上の範囲の量だけ遠隔車両の現在の速度を超えることを示すことができる。「ファースト(fast)」の自律走行車両相対速度状態ファクタは、自律走行車両の現在の速度が、定義された相対速度最大差分閾値を超える、すなわち、それ以上の量だけ遠隔車両の現在の速度を超えることを示すことができる。
【0137】
遠隔車両相対位置状態ファクタは、遠隔車両と自律走行車両の現在の車線との相対的な遠隔車両のための位置を示すことができ、{空き(empty),後方(behind),アット(at),前方(ahead)}のような定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「空き(empty)」の遠隔車両相対位置状態ファクタは、合流計画が合流関連遠隔車両を省略することを示すことができる。「後方(behind)」の遠隔車両相対位置状態ファクタは、第3遠隔車両6800として示すように、合流関連遠隔車両が自律走行車両6100の予測される経路6900に対して、自律走行車両6100の後方にあることを示してもよい。「アット(at)」の遠隔車両相対位置状態ファクタは、最初の遠隔車両6600として示されるように、合流関連遠隔車両が自律走行車両6100に隣接していることを示すことができる。「前方(ahead)」の遠隔車両相対位置状態ファクタは、第2遠隔車両6700として示されるように、合流関連遠隔車両が自律走行車両6100の予想経路6900に対して、自律走行車両6100の前方であることを示すことができる。
【0138】
遠隔車両相対位置未決定状態ファクタは、遠隔車両位置状態ファクタの現在値を有する遠隔車両に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短(short),長(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「短(short)」の遠隔車両相対位置未決定状態ファクタは、定義された遠隔車両未決定状態閾値未満などの遠隔車両相対位置状態ファクタの現在値を有する遠隔車両6600に対応する未決定状態を示すことができる。「長(long)」の遠隔車両相対位置未決定状態ファクタは、定義された遠隔車両未決定状態閾値以上などの遠隔車両相対位置状態ファクタの現在値を有する遠隔車両6600に対応する未決定状態を示すことができる。遠隔車両未決定状態閾値は、遠隔車両相対位置状態ファクタの現在値に対して定義されてもよい。例えば、10秒の遠隔車両未決定状態閾値は、「後方(behind)」の遠隔車両相対位置状態ファクタに対して定義されてもよく、3秒の遠隔車両未決定状態閾値は、「アット(at)」の遠隔車両相対位置状態ファクタに対して定義されてもよい。
【0139】
可用性状態ファクタ、または対応するブロッキング状態ファクタは、遠隔車両6600、または遠隔車両6100の予想経路6910が、自律走行車両6100が合流車線6500に移行するのを現在ブロックしているかどうかの判定を示すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「はい(yes)」の可用性状態ファクタは、遠隔車両6600、または遠隔車両6600の予想経路6910が自律走行車両6100の予想経路6900をブロックしており、自律走行車両6100が合流交差点6300で合流車線6500に安全に合流することを妨げることの発生確率が、少なくとも遮断閾値以上(可用性遮断状態)であることを示すことができる。「いいえ(no)」の可用性状態ファクタは、遠隔車両6600、または遠隔車両6600の予想経路6910が自律走行車両6100の予想経路6900をブロックしており、自律走行車両6100が合流交差点6300で合流車線6500に安全に合流することを妨げることの発生確率が、遮断閾値未満(利用可能状態)であることを示すことができる。
【0140】
遠隔車両相対速度状態ファクタは、自律走行車両、別の遠隔車両、速度制限、またはこれらの組み合わせなどの定義された遠隔車両速度基準に対する遠隔車両の速度を示すことができ、{スロー(slow),スローミッド(slow-mid),ミッド(mid),ミッドファースト(mid-fast),ファースト(fast)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「スロー(slow)」の遠隔車両相対速度状態ファクタは、自律走行車両の現在速度が、定義された相対速度最大差分閾値を超えた、または、それ以上の量だけ遠隔車両の現在速度を超えることを示すことができる。「スローミッド(slow-mid)」の遠隔車両相対速度状態ファクタは、自律走行車両の現在の速度が、定義された相対速度最大差分閾値の範囲内、すなわち、それよりも小さい量、かつ、定義された相対速度最小差分閾値を超える、すなわち、それ以上の量だけ遠隔車両の現在の速度を超えることを示すことができる。「ミッド(mid)」の遠隔車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両の現在の速度と自律走行車両の現在の速度との差が定義された相対速度最小差分閾値の範囲内、すなわち、それより小さいことを示してもよく、等しい速度またはほぼ等しい速度に対応してもよい。「ミッドファースト(mid-fast)」の遠隔車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両の現在の速度が、定義された相対速度最大差分閾値の範囲内、すなわち、それよりも小さい量、かつ、定義された相対速度最小差分閾値を超える、すなわち、それ以上の量だけ自律走行車両の現在の速度を超えることを示すことができる。「ファースト(fast)」の遠隔車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両の現在の速度が、定義された相対速度最大差分閾値を超えた、または、それ以上の量だけ自律走行車両の現在の速度を超えることを示すことができる。
【0141】
合流計画のPOMDPモデルの動作空間(A)に含まれる可能性がある動作ファクタの例には、車両制御動作動作ファクタ(Al)、車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)、またはその両方が含まれ、これらは、A=Al×Avとして表現される可能性がある。他の動作ファクタが、合流POMDPモデルに含まれてもよい。
【0142】
車両制御動作動作ファクタ(Al)は、車両制御動作を表してもよく、{維持(maintain),エッジ(edge),進行(proceed)}のような定義された値の集合に由来する値を有する可能性がある。例えば、「維持(maintain)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両が自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を維持することに対応し得る、維持の車両制御動作に従って、車両交通ネットワークのすぐ後続の一部を通行することを示すことができる。「エッジ(edge)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両がエッジの車両制御動作に従って、車両交通ネットワークのすぐ後続の一部を通行することを示すことができる。「進行(proceed)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両が進行の車両制御動作に従って車両交通ネットワークのすぐ後続の一部を通行することを示すことができ、これは合流車線6500に合流することを含むことができる。
【0143】
車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)は、車両制御動作動作ファクタ(Al)によって示される車両制御動作のための速度変更を表すことができ、{減速(decelerate),維持(maintain),加速(accelerate)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「減速(decelerate)」の車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)は、自律走行車両が車両制御動作動作ファクタ(Al)に対応する車両制御動作に従って、また、車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)に従って示すことができる定義された量または定義された速度などによって減速することによって、車両交通ネットワークのすぐ後続の一部を通行することを示すことができる。「維持(maintain)」の車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)は、自律走行車両が車両制御動作動作ファクタ(Al)に対応する車両制御動作に従って、車両交通ネットワークのすぐ後続の一部を通行し、現在の速度を維持することを示すことができる。「加速(accelerate)」の車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)は、自律走行車両が車両制御動作動作ファクタ(Al)に対応する車両制御動作に従って、また、車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)に従って示すことができる、定義された量または定義された速度などによって加速することによって、車両交通ネットワークのすぐ後続の一部を通行することを示すことができる。
【0144】
合流計画のPOMDPモデルの観測空間に含めることができる観測ファクタの例は、内在性観測ファクタ、自律走行車両相対位置観測ファクタ、自律走行車両相対速度観測ファクタ、遠隔車両相対位置観測ファクタ、可用性観測ファクタ、遠隔車両相対速度観測ファクタ、または、次式(3)として表すことができるそれらの組合せを含むことができる。他の観測ファクタが、合流モジュールPOMDPモデルに含まれてもよい。
【数3】
【0145】
内在性観測ファクタは、最初の車線からその後の合流車線に合流するための内在性が定義された内在性閾値に適っているかどうかを表す場合があり、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有し得る。例えば、「はい(yes)」の内在性観測ファクタ値は、最初の車線からその後の合流車線への合流のための内在性が定義された内在性閾値の範囲内であること、すなわち、それよりも小さいことを示し得る。「いいえ(no)」の内在性観測ファクタ値は、第1の車線から後続の合流車線への合流のための内在性が少なくとも、定義された内在性閾値以上などであることを示し得る。内在性観測ファクタは内在性状態ファクタと関連していてもよい。
【0146】
自律走行車両相対位置観測ファクタは、自律走行車両の位置の変化を示す判定を表すことができ、{開始(start),エッジド(edged),内側(inside),目標(goal)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。自律走行車両相対位置観測ファクタは、自律走行車両相対位置状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0147】
自律走行車両相対速度観測ファクタは、自律走行車両の速度の変化の判定を示すことができ、{低下(decrease),維持(maintain),上昇(increase)}のような定義された値の集合に由来する値を有し得る。自律走行車両相対速度観測ファクタは、自律走行車両相対速度状態ファクタと関連していてもよい。
【0148】
遠隔車両位置観測ファクタは、遠隔車両の位置の変化を示す決定を表すことができ、{空き(empty),後方(behind),アット(at),前方(ahead)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両位置観測ファクタは、遠隔車両相対位置状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0149】
可用性観測ファクタは、遠隔車両6600、または遠隔車両6100の予想経路6910が、自律走行車両6100が合流車線6500に移行するのを現在阻止しているかどうかの変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。可用性観測ファクタは、可用性状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0150】
遠隔車両相対速度観測ファクタは、遠隔車両の速度の変化の決定を示すことができ、{低下(decrease),維持(maintain),上昇(increase)}のような定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両相対速度観測ファクタは、遠隔車両相対速度状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0151】
合流計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率(T)に由来する状態遷移確率の例は、遠隔車両6600の軌道に対して、遠隔車両6600の前方または前方にある車両交通ネットワークの一部が、自律走行車両6100が後続の合流車線6500へ遷移するために通行するために利用可能であるように、遠隔車両6600が減速する確率である。合流計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率の別の例は、遠隔車両6600の軌道に対して、遠隔車両6600の後続または相対にある車両交通ネットワークの一部が、自律走行車両6100が後続の合流車線6500へ遷移するために通行するために利用可能であるように、遠隔車両6600が加速する確率である。合流計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率の別の例は、自律走行車両6100による車両交通ネットワークの通行が自律走行車両のための予想経路に沿った遠隔車両などの前方障害物(明示的には示されていない)によって影響され、自律走行車両の速度の範囲内、すなわち、当該速度未満、である確率である。合流計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率の別の例は、遠隔車両6600が自律走行車両6100の前方または直前で、後続の合流車線6500に合流する確率である。合流計画のPOMDPモデルの状態遷移確率の別の例は、第1の車線から後続の合流車線への合流に対する内在性が、定義された内在性閾値をパスする確率である。合流計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率の別の例は、自律走行車両6100による通行のために以前に利用可能であった車両交通ネットワークの一部が自律走行車両6100による通行に利用できなくなるように、隣接車線内の自律走行車両6100の前方の遠隔車両(明示的には示さず)が減速する確率である。
【0152】
条件付き観測確率(O)に由来する条件付き観測確率の一例は、可用性観測ファクタに対応する不確定性確率である。条件付き観測確率の別の例は、遠隔車両がセンサの限界などのために、遮蔽されるか、さもなければ検出されない確率である。条件付き観測確率の別の例は、遠隔車両の位置を測定することができない精度の発生確率である。
【0153】
報酬関数(R)は、対応する車両制御動作に従った対応する状態から後続の状態へと車両交通ネットワークを通行する自律走行車両の期待値を表すことができる、状態および動作の組合せごとに発生することができるそれぞれの正または負の(コスト)値を決定することができ、これは、次式(4)として表すことができる。
【数4】
【0154】
合流SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、合流SSOCEMから合流車両運行計画のモデルのためのソリューションまたはポリシーを特定することを含むことができる。合流SSOCEMからの合流車両運行計画モデルのためのソリューションまたはポリシーを特定することは、合流SSOCEMモデルの解を含み得る。合流SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューションまたはポリシーのインスタンスのインスタンス化が含まれ得る。
【0155】
合流SSOCEMソリューションインスタンスは、それぞれのモデル化された計画および対応する運行環境情報に基づいて、「維持(maintain)」、「エッジ(edge)」、または「進行(proceed)」などの候補車両制御動作を生成することができ、それぞれの候補車両制御動作を自律走行車両運行管理コントローラに送信すること、または自律走行車両運行管理コントローラによるアクセスのためにそれぞれの候補車両制御動作を格納することなどによって、それぞれの候補車両制御動作を自律走行車両運行管理コントローラに出力することができる。
【0156】
自律走行車両運行管理コントローラは、それぞれのインスタンス化された合流SSOCEMインスタンスから候補車両制御動作を受信することができ、対応する経時的位置において自律走行車両6100を制御するための受信された候補車両制御動作に基づいて車両制御動作を特定することができ、特定された車両制御動作に従って、自律走行車両が車両交通ネットワーク、またはその一部を通行するように自律走行車両を制御することができる。
【0157】
自律走行車両運行管理コントローラは、検出された車両運行計画のうちの1つまたは複数が期限切れになったかどうかを判定することができ、合流車両運行計画が期限切れになったと判定することに対応して、対応する合流SSOCEMインスタンスを非インスタンス化することができる。
【0158】
図7は、本開示の実施形態による合流計画を含む合流シーン7000の別の例の図である。自律走行車両運行管理は、
図1に示される車両1000などの自律走行車両7100、
図2に示される車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両を含むことができ、
図5に示される自律走行車両運行管理システム5000などの自律走行車両運行管理システムを動作させ、
図5に示される合流SSOCEM5410などの合流SSOCEMを含む。合流SSOCEM5410は、合流交差点7300に近づく第1の車線7210内の第1の道路7200に沿って車両交通ネットワークの一部を通行する自律走行車両7100を含む自律走行車両運行制御計画のモデルを含むことができる(合流計画)。
図7に示される合流シーン7000は、本明細書に記載されるか、または文脈から明らかであることを除いて、
図6に示される合流シーン6000と同様であってもよい。
【0159】
図7に示される合流シーン7000に対応する車両交通ネットワークの部分は、第1の道路7200の第2の車線7220に隣接し、合流交差点7300に接近する第1の道路7200の第1の車線7210内の道路セグメントに沿って北方向に通行する自律走行車両7100を含む。第1の車線7210は、第2の車線7220に合流し、合流交差点7300で終了する。第2の車線7220は、合流交差点7300において、第1の道路7200の後続の合流車線7400となる。第1の車線7210、第2の車線7220、および後続の合流車線7400は別々に示されているが、第1の車線7210、第2の車線7220、および後続の合流車線7400のそれぞれの部分は、合流交差点7300において重なり合うことができる。第1遠隔車両7500は、第2の車線7220を通行し、合流交差点7300に近づく。第2遠隔車両7600は、自律走行車両7100の前方で、後続の合流車線7400を通行している。第3遠隔車両7700は、自律走行車両7100の後方で第1の車線7210を通行している。
【0160】
自律走行車両7100は第1の車線7210に示されるが、自律走行車両は合流交差点7300(図示せず)に近づく第2の車線7220を通行してもよい。第1遠隔車両7500は、
図7の第2の車線7220に示されるが、第1遠隔車両は合流交差点7300(図示せず)に近づく第1の車線7210を通行してもよい。
【0161】
図8は、本開示の実施形態による合流計画を含む合流シーン8000の別の例の図である。自律走行車両運行管理は、
図1に示される車両1000などの自律走行車両8100、
図2に示される車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両を含むことができ、
図5に示される合流SSOCEM5410などの合流SSOCEMを含む、
図5に示される自律走行車両運行管理システム5000などの自律走行車両運行管理システムを動作させる。合流SSOCEM5410は、合流交差点8300に近づく第1の車線8210内の第1の道路8200に沿って車両交通ネットワークの一部を通行する自律走行車両8100を含む自律走行車両運行制御計画のモデルを含むことができる(合流計画)。
図8に示される合流シーン8000は、本明細書に記載されるか、または文脈から明らかであることを除いて、
図6に示される合流シーン6000と同様であってもよい。
【0162】
図8に示される合流シーン8000に対応する車両交通ネットワークの部分は、第1の道路8200の第1の車線8210内の道路セグメントに沿って北方向に通行し、合流交差点8300に近づく自律走行車両8100を含む。第2の車線8410を含む第2の道路8400は、合流交差点8300で第1の道路8100と合流する。第1の車線8210および第2の車線8410は、合流交差点8300で合流し、第1の道路8200の後続の合流車線8500を形成する。第1の車線8210、第2の車線8400、および合流車線8500は別々に示されるが、第1の車線8210、第2の車線8400、および合流車線8500のそれぞれの部分は合流交差点8300において重複してもよい。第1遠隔車両8600は、第2の車線8410を通行し、合流交差点8300に近づく。第2遠隔車両8700は、自律走行車両8100の前方で、後続の合流車線8500を通行している。第3遠隔車両8800は、自律走行車両8100の後方の第1の車線8210を通行する。
【0163】
自律走行車両8100は第1の車線8210に示されるが、自律走行車両は合流交差点8300(図示せず)に近づく第2の車線8410を通行してもよい。第1遠隔車両8600は
図8の第2の車線8410に示されるが、第1遠隔車両は合流交差点8300(図示せず)に近づく第1の車線8210を通行してもよい。
【0164】
図6~8には示されていないが、合流車線の道路は、第1の車線の進行方向において、第2の車線から離れた合流車線に隣接する隣接車線を含むことができ、自律走行車両は、隣接車線に対して車線変更車両制御動作を実行することができる。
【0165】
図9は、本開示の実施形態による通過障害計画を含む通過障害シーン9000の一例の図である。自律走行車両運行管理は、
図1に示す車両1000などの自律走行車両9100、
図2に示す車両2100/2110のうちの1つ、半自律走行車両、または自動運転を実施する任意の他の車両を含むことができ、
図5に示す通過障害SSOCEM5420などの通過障害SSOCEMを含む
図5に示す自律走行車両運行管理システム5000などの自律走行車両運行管理システムを動作させ、これは、障害物9300に接近する第1の車線9210内の第1の道路9200に沿って車両交通ネットワークの一部を通行する自律走行車両9100を含む自律走行車両運行制御計画のモデルを含むことができる(通過障害計画)。単純化および明確化のために、
図9に示される通過障害シーン9000に対応する車両交通ネットワークの部分は、北方向を上に、東方向を右に方向づけられている。通過障害計画は、本明細書に記載されているか、または文脈から明らかである場合を除いて、車線変更計画または合流計画と同様であってもよい。例えば、通過障害計画は、車両交通ネットワークの対向車線の一部を通行することを含む。
【0166】
図9に示される通過障害シーン9000に対応する車両交通ネットワークの部分は、対向車線9400に隣接し、障害物9300に近づく、第1の道路9200の第1の車線9210内の道路セグメントに沿って北向きに通行する自律走行車両9100を含む。障害物9300は、例えば、ゆっくりと動く、または静止した遠隔車両(図示されるように)、または建設現場、歩行者、倒れた木などの第1の車線9210を障害する任意の他の物体または障害物であってもよい。対向遠隔車両9500は、対向車線9400を通行している。後続遠隔車両9600は、自律走行車両9100の後方で第1の車線9210を通行している。車両交通ネットワークの一部は、現在の車線9200の現在の部分9700、対向車線9400の対向部分9710、および現在の車線9200の目標部分9720などの破線楕円を用いて示される。自律走行車両9100に対する予想経路9800は、破線方向ラインによって示される。対向遠隔車両の予想経路9810、9820は、破線方向ラインを用いて示される。障害物9300は、静止しているように示されているが、障害物9300は、動いており、現在の部分9700、対向部分9710、および目標部分9720の位置は、自律走行車両9100および障害物9300に対して相対的であってもよい。
【0167】
自律走行車両運行管理システムは、例えば一連の経時的位置における各経時的位置において、連続的又は定期的に作動することができる。一連の経時的位置からの連続的に最も早い第1の経時的位置は、自律走行車両を動作させることに対応することができ、これは、自律走行車両によって車両交通ネットワークの一部を通行すること、または自律走行車両によって車両交通ネットワークを通行するための特定された経路を受信または特定することを含むことができる。単純化および明瞭化のために、自律走行車両9100、障害物9300、対向遠隔車両9500、および後続遠隔車両9600のそれぞれの地理空間位置は、図示のように、車両交通ネットワーク内の空間位置に対応する一連の経時的位置に由来する経時的位置に従って示される。単純化および明確化のために一連の経時的位置を参照して説明したが、自律走行車両運行管理システムの各ユニットは、任意の周波数で動作することができ、それぞれのユニットの動作は同期または非同期とすることができ、動作は、1つまたは複数の経時的位置の1つまたは複数の部分と同時に実行することができる。単純化および明確化のために、本明細書で説明される経時的位置のうちの経時的位置などの1つまたは複数の経時的位置のそれぞれの説明は、本開示から省略され得る。
【0168】
自律走行車両9100の自律走行車両運行管理システムは、
図4に示す前方障害物モニタ4260などの前方障害物モニタを動作させることができ、前方障害物モニタをインスタンス化することを含むことができる。前方障害物モニタは、自律走行車両9100の特定された経路に対応する部分、自律走行車両9100に空間的に近接する部分、自律走行車両9100の予想経路、またはそれらの組合せなどの車両交通ネットワークの一部を表す、地図データ、センサデータ、またはそれらの組合せなどの車両交通ネットワークデータを処理または評価することができる。例えば、自律走行車両9100の特定された経路、自律走行車両9100の予想経路、またはその両方は、障害物9300を含み、又は、近接することもでき、かつ、前方障害物モニタは、障害物9300に近づく車両交通ネットワークの部分を通る自律走行車両9100の通過に対応する候補通過障害計画を特定することができる。別の例では、自律走行車両9100のセンサは、自律走行車両の予想経路に沿った車両交通ネットワークが障害物9300、障害物9300に対応する情報、対向遠隔車両9500に対応する情報、後続遠隔車両9600に対応する情報、またはそれらの組み合わせを含むことを示す情報など、自律走行車両9100の運行環境に対応する情報を検出してもよい。
【0169】
前方障害物モニタは、センサ情報を障害物9300、対向遠隔車両9500、後続遠隔車両9600、またはそれらの組合せに関連付けることを含むことができる自律走行車両9100の運行環境またはその一態様を表す運行環境情報を特定または生成することができ、障害物9300、対向遠隔車両9500、後続遠隔車両9600、またはそれらの組合せを表す情報を含むことができる運行環境情報、候補通過障害計画を特定する情報、またはその両方を自律走行車両運行管理コントローラに出力することができる。
【0170】
自律走行車両9100の自律走行車両運行管理システムは、ブロッキングモニタをインスタンス化することを含むことができ、
図4に示されるブロッキングモニタ4210などのブロッキングモニタを動作させてもよい。ブロッキングモニタは、現在の部分9700、対向部分9710、および目標部分9720などの車両交通ネットワークの1つまたは複数のエリアまたは部分について、それぞれの可用性発生確率、または対応するブロッキング発生確率を示す可用性発生確率情報を生成することができる。
【0171】
自律走行車両運行管理コントローラは、前方障害物モニタによって出力された運行環境情報を含むことができる運行環境情報によって表される運行環境などに基づいて、通過障害計画を検出または特定することができる。例えば、自律走行車両運行管理コントローラは、候補通過障害計画を通過障害計画として特定することができる。
【0172】
自律走行車両運行管理コントローラは、1つまたは複数の通過障害SSOCEMインスタンスをインスタンス化することができ、経路障害計画の検出または特定に対応して、通過障害SSOCEMインスタンスに運行環境情報を送信するか、さもなければ利用可能にすることができる。加えて、または代替として、自律走行車両運行管理コントローラは、通過障害計画を検出または特定することに対応して、新しい、または更新された運行環境情報などの運行環境情報を、以前にインスタンス化された、または動作中の1つまたは複数の通過障害SSOCEMインスタンスに送信するか、または利用可能にすることができる。
【0173】
通過障害SSOCEMインスタンスをインスタンス化または更新することは、それぞれの通過障害SSOCEMインスタンスによるアクセスのために、運行環境情報、またはその一部をそれぞれの通過障害SSOCEMインスタンスに送信すること、または運行環境情報、またはその一部を格納することなどによって、センサ情報または可用性発生確率などの運行環境情報、またはその一部をそれぞれの通過障害SSOCEMインスタンスに提供することを含むことができる。それぞれの通過障害SSOCEMインスタンスは、通過障害計画に対応する運行環境情報を受信するか、または、それらにアクセスすることができる。
【0174】
通過障害SSOCEMは、通過障害計画のPOMDPモデルなどの通過障害計画のモデルを含むことができる。通過障害計画のPOMDPモデルは、通過障害計画に対応する状態の設定(S)、動作の設定(A)、観測の設定(Ω)、状態遷移確率の設定(T)、条件付き観測確率の設定(O)、報酬関数(R)、またはそれらの組合せを定義することができ、これらはタプル<S,A,Ω,T,O,R>として表すことができる。独自の通過障害車両運行計画のPOMDPモデルは、知覚的不確定性、挙動不確定性、またはそれらの組合せを含むことができる不確定性をモデル化することができる。知覚的不確定性をモデル化することは、センサ不確定性をモデル化することと、遠隔車両が存在しない場合に遠隔車両を不正確に特定するなど、偽陽性遠隔車両特定の発生確率をモデル化することと、遮蔽に対応するなど、遠隔車両が存在する場合に遠隔車両が存在しないことを不正確に特定するなど、偽陰性遠隔車両特定の発生確率をモデル化することと、それらの組合せとを含むことができる。挙動の非遮蔽性のモデル化は、対向遠隔車両9500の動作または後続遠隔車両9600の動作などの遠隔車両の動作のそれぞれの発生確率をモデル化することを含んでもよい。
【0175】
通過障害計画のPOMDPモデルの状態空間(S)に含まれ得る状態ファクタの例は、自律走行車両相対位置状態ファクタ、自律走行車両未決定状態ファクタ、前方障害物状態ファクタ、後方可用性状態ファクタ、対向遠隔車距離状態ファクタ、対向遠隔車両位置未決定状態ファクタ、対向可用性状態ファクタ、または次式(5)として表すことができるそれらの組合せを含むことができる。他の状態因子が通過障害POMDPモデルに含まれていてもよい。
【数5】
【0176】
自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100の現在の車線に対する自律走行車両9100の位置を示してもよく、それは第1の車線9210または対向車線9400であってもよく、{スタート(start),アット(at),エッジド(edged),インサイドスタート(inside-start),インサイドミッド(inside-mid),インサイドエンド(inside-end),ゴール(goal)}など、定義された値の集合に由来する値を有する可能性がある。例えば、「スタート(start)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、障害物9300に接近する前に、図示のように、自律走行車両9100が第1の車線9210の比較的中心にあることを示すことができる。「アット(at)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100が、図示されるように、第1の車線9210の比較的中心にあり、障害物9300に近づいていることを示すことができる。「エッジド(edged)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100が対向車線9400に隣接する現在の車線9210の縁部に比較的近いことを示すことができる。「インサイドスタート(inside-start)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100が現在の部分9700の比較的近くで対向部分9710を通行していることを示すことができる。「インサイドミッド(inside-mid)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100が障害物9300に隣接するなど、現在の部分9700および目標部分9720から等距離またはほぼ等距離で対向部分9710を通行していることを示すことができる。「インサイドエンド(inside-end)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100が目標部分9720の比較的近くで対向部分9710を通行していることを示すことができる。「ゴール(goal)」の自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両9100が目標部分9720の中心にあることを示すことができる。
【0177】
自律走行車両未決定状態ファクタは、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両9100に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短(short),長(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「短(short)」という自律走行車両未決定状態ファクタは、定義された未決定状態閾値未満などの自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両9100に対応する未決定状態を示すことができる。「長(long)」という自律走行車両未決定状態ファクタは、定義された未決定状態閾値以上などの自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両9100に対応する未決定状態を示すことができる。未決定状態閾値は、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値に対して定義されてもよい。例えば、10秒の未決定状態閾値は「開始(start)」の自律走行車両相対位置状態ファクタに対して定義されてもよく、3秒の未決定状態閾値は「エッジド(edged)」の自律走行車両相対位置状態ファクタに対して定義されてもよい。
【0178】
前方障害物状態ファクタは、自律走行車両の予想経路に関連して、現在の車線における自律走行車両の前方の障害物9300の現在のステータスを表すことができ、{停止(stopped),スロー(slow),ノーマル(normal),障害(blocked),歩行者(pedestrians)}のような、定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【0179】
後方可用性状態ファクタは、現在の部分9700の可用性状態を表すことができ、{空き(empty),開(open),閉(closed)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「空き(empty)」の後方可用性状態ファクタ値は、現在の部分9700が空いているか、または利用可能であること、および通過障害計画が後続の遠隔車両を省略することを示すことができる。「開(open)」の後方可用性状態ファクタ値は、現在の部分9700が利用可能であることを示すことができる。「閉(closed)」の後方可用性状態ファクタ値は、現在の部分9700が後続の遠隔車両9600などによってブロックされていることを示すことができる。
【0180】
対向遠隔車両距離状態ファクタは、自律走行車両9100からの対向遠隔車両9500の距離を表すことができ、{空き(empty),遠隔(far),中間(mid),近接(close),アット(at)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「空き(empty)」の対向遠隔車両距離状態ファクタ値は、通過障害計画が対向遠隔車両を省略することを示すことができる。「遠隔(far)」の対向遠隔車両距離状態ファクタ値は、対向遠隔車両9500と自律走行車両9100との間の距離が定義された最大閾値を超えることを示すことができる。「中間(mid)」の対向遠隔車両距離状態ファクタ値は、対向遠隔車両9500と自律走行車両9100との間の距離が定義された最大閾値内にあり、定義された最小閾値を超えることを示すことができる。「近接(close)」の対向遠隔車両距離状態ファクタ値は、対向遠隔車両9500と自律走行車両9100との間の距離が定義された最小閾値内であることを示すことができる。「アット(at)」の対向遠隔車両距離状態ファクタ値は、対向遠隔車両9500が自律走行車両9100に隣接していることを示すことができる。
【0181】
対向遠隔車両位置未決定状態ファクタは、対向遠隔車両距離状態ファクタの現在値を有する対向遠隔車両9500に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を表すことができ、{短(short),長(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「短(short)」の対向遠隔車両位置未決定状態ファクタは、定義された対向遠隔車両未決定状態閾値未満などの、対向遠隔車両9500の現在位置での未決定状態を示すことができる。「長(long)」の対向遠隔車両位置未決定状態ファクタは、定義された対向遠隔車両未決定状態閾値以上などの現在位置を有する対向遠隔車両9500に対応する未決定状態を示すことができる。
【0182】
対向可用性状態ファクタは、対向車線の対向部分9710を通行することで現在の車線の障害物を追い越すことによって車両交通ネットワークを通行することに対応し、対向部分9710の可用性状態を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「はい(yes)」の対向可用性状態ファクタは、対向遠隔車両9500、または対向遠隔車両9500の予想経路9810が自律走行車両9100の予想経路9900を遮断しており、自律走行車両9100が対向部分9710を通行することによって障害物9300を安全に追い越すことを妨げることの発生確率が、少なくとも遮断閾値以上(可用性遮断状態)であることを示してもよい。「いいえ(no)」の対向可用性状態ファクタは、対向遠隔車両9500、または対向遠隔車両9500の予想経路9820が自律走行車両9100の予想経路9900を遮断している発生確率を示すことができ、対向部分9710を通行することによって、自律走行車両9100が障害物9300を安全に追い越すことを妨げることの発生確率が、遮断閾値の範囲内、すなわち、当該値未満(利用可能状態)であることを示すことができる。
【0183】
動作空間(A)は、車両制御動作動作ファクタ(Al)を含むことができる。他の動作ファクタは、通過障害モジュールPOMDPモデルに含まれてもよい。車両制御動作動作ファクタ(Al)は車両制御動作を表し、{エッジ(edge),前進(proceed),戻り(recover),保護(protect)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「エッジ(edge)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両9100がエッジの車両制御動作に従って、例えば、対向車線9400に隣接する第1の車線9200の縁部に接近することによって、または、自律走行車両9100の一部が第1の車線9200に留まるように、例えば、数インチだけ対向車線9400に部分的に入ることによって、車両交通ネットワークのすぐ後続の部分を通行することを示してもよい。エッジング(edging)は、障害物の相対的な向きを変えることなどによって、不確定性を低減することができる。「前進(proceed)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両9100が「前進(proceed)」車両制御動作に従って車両交通ネットワークのすぐ後続の部分を通行することを示すことができ、この「前進(proceed)」車両制御動作は、現在の部分9700から対向部分9710を通り、その後、加速を含むことができる目標部分9720まで通行することを含むことができる。「戻り(recover)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両9100が急速に現在の部分9700に戻ることを示すことができる。例えば、自律走行車両9100は部分的または完全に対向車線9400に入り、続いて、対向部分9710を通って目標部分9720へ安全に通行することができる確率が最小安全閾値内であると判断し、現在の部分9700に戻ることによって、「戻り(recover)」車両制御動作に従って、車両交通ネットワークを通行してもよい。「保護(protect)」の車両制御動作動作ファクタ(Al)は、自律走行車両9100が第1の車線9100から離れた対向車線9400の側方で急速に減速し、マージン(図示せず)に入ることなどによって、安全または衝突回避車両制御動作を実行することを示すことができる。例えば、自律走行車両9100は、対向部分9710を部分的に通行してもよく、対向遠隔車両9500の予想経路9810が自律走行車両9100の現在の予想経路9900に収束すること、対向部分9710を通って目標部分9720に安全に通行することができる確率が最小安全閾値内であること、及び、現在の部分9700にリターンすることによって元に戻ることができる確率が最小安全閾値内であることを特定してもよい。自律走行車両9100は、衝突の可能性を最小化するために、「保護(protect)」の車両制御動作に従って、車両交通ネットワークを通行してもよい。
【0184】
通過障害計画のPOMDPモデルの観測空間(Ω)に含まれ得る観測ファクタの例は、自律走行車両相対位置観測ファクタ、前方障害物観測ファクタ、後方可用性観測ファクタ、対向遠隔車両相対位置観測ファクタ、対向可用性観測ファクタ、または次式(6)として表すことができるそれらの組合せを含むことができる。他の観測ファクタが、通過障害モジュールPOMDPモデルに含まれてもよい。
【数6】
【0185】
自律走行車両相対位置観測ファクタは、自律走行車両の位置の変化を示す判断を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。例えば、「はい(yes)」の自律走行車両相対位置観測ファクタは、自律走行車両のための位置が、車両制御動作に従って、車両交通ネットワークの一部を通行することに対応して、自律走行車両の事前位置から変更されたことを示すことができる。「いいえ(no)」の自律走行車両相対位置観測ファクタは、自律走行車両の位置が自律走行車両の事前位置に対応することを示すことができる。自律走行車両相対位置観測ファクタは、自律走行車両相対位置状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0186】
前方障害物観測ファクタは、障害物9300の状態を示すことができ、{停止(stopped),スロー(slow),通常(normal)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。前方障害物観測ファクタは、前方障害物状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0187】
後方可用性観測ファクタは、現在の部分9700の可用性状態を表すことができ、{空き(empty),開(open),閉(closed)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。後方可用性観測ファクタは、後方可用性状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0188】
対向遠隔車両相対位置観測ファクタは、遠隔車両の位置の変化を示す判断を表すことができ、{空き(empty),後方(behind),アット(at),前方(ahead)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。対向遠隔車両相対位置観測ファクタは、対向遠隔車両位置未決定状態ファクタに関連付けられてもよい。
【0189】
対向可用性観測ファクタは、対向部分9710の通行により現在の車線の障害物を通過させることによって車両交通ネットワークを通行することに対応する対向部分9710の可用性状態を表すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。対向可用性観測ファクタは、対向可用性状態ファクタに関連付けることができる。
【0190】
通過障害計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率(T)に由来する状態遷移確率の例は、対向車両9500に対する予想経路9820が、対向車線9400の対向部分9710を含まず、対向遠隔車両9500の現在の位置が、他の対向車両(図示せず)が対向車線9400の対向部分9710を通行するのを阻止している確率である。通過障害計画のPOMDPモデルの状態遷移確率(T)に由来する状態遷移確率の別の例は、以前に検出されなかった対向車両(図示せず)が、対向車線9400の対向部分9710に接近して検出される確率である。通過障害計画のPOMDPモデルに対する状態遷移確率(T)に由来する状態遷移確率の別の例は、後続遠隔車両9600が現在の車線9200の現在の部分9700を通行して、自律走行車両9100が現在の車線9200の現在の部分9700に戻るのを阻止する確率である。通過障害計画のPOMDPモデルの状態遷移確率(T)に由来する状態遷移確率の別の例は、前方障害物9300の加速などに対応する前方障害物状態ファクタの変化の確率である。
【0191】
条件付き観測確率(O)に由来する条件付き観測確率の例は、自律走行車両9100からの対向遠隔車両9500の相対距離に対応するセンサデータの不確定性確率である。条件付き観測確率の別の例は、可用性観測ファクタに対応する不確定性確率である。条件付き観測確率の別の例は、遮蔽物および外部オブジェクトとの相対的な向きを変更するための「エッジ」の車両制御動作に従って車両交通ネットワークの一部を通行することに対応する遮蔽不確定性が変化する確率である。条件付き観測確率の別の例は、前方障害物状態ファクタを正確に決定することに対応する不確定性確率である。
【0192】
報酬関数(R)は、状態および動作の組合せごとに発生することができるそれぞれの正または負の(コスト)値を決定することができる。報酬関数(R)は、対応する車両制御動作に従った対応する状態から後続の状態へと車両交通ネットワークを通行する自律走行車両の期待値を表すことができる。期待値は、次式(7)として表すことができる。
【数7】
【0193】
通過障害SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、通過障害SSOCEMから通過障害車両運行計画のモデルのためのソリューションまたはポリシーを特定することを含むことができる。通過障害SSOCEMから通過障害車両運行計画のモデルのためのソリューションまたはポリシーを特定することは、通過障害SSOCEMモデルを解くことを含むことができる。通過障害SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、ソリューションまたはポリシーのインスタンスをインスタンス化することを含むことができる。
【0194】
通過障害SSOCEMソリューションインスタンスは、それぞれのモデル化された計画および対応する運行環境情報に基づいて、「維持(maintain)」、「エッジ(edge)」、または「進行(proceed)」などの候補車両制御動作を生成することができ、それぞれの候補車両制御動作を自律走行車両運行管理コントローラに送信すること、または自律走行車両運行管理コントローラによるアクセスのためにそれぞれの候補車両制御動作を格納することなどによって、それぞれの候補車両制御動作を自律走行車両運行管理コントローラに出力することができる。
【0195】
自律走行車両運行管理コントローラは、それぞれのインスタンス化された通過障害SSOCEMインスタンスから候補車両制御動作を受信することができ、受信された候補車両制御動作に基づいて、対応する経時的位置において自律走行車両9100を制御するための車両制御動作を特定することができ、特定された車両制御動作に従って、車両交通ネットワークまたはその一部を通行するように自律走行車両を制御することができる。
【0196】
自律走行車両運行管理コントローラは、検出された車両運行計画のうちの1つまたは複数が期限切れになったかどうかを判定することができ、車両運行計画が期限切れになったと判定することに対応して、対応する通過障害SSOCEMインスタンスを非インスタンス化することができる。
【0197】
いくつかの実施形態では、車両交通ネットワークを通行することは、車両の運行環境モニタから、車両運行計画を特定する運行環境情報を受信することに対応して、計画固有の運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化することを含むことができる。
【0198】
いくつかの実施形態では車両運行計画が合流車両運行計画であってもよく、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの部分を通行することは車両交通ネットワーク内の第1の車線から車両交通ネットワークの後続の合流車線に合流することを含んでもよい。車両交通ネットワークの第1の車線と第2の車線とは合流して後続の合流車線を形成する。
【0199】
いくつかの実施形態では、車両交通ネットワークを通行することは第1の車線および第2の車線が合流して後続の合流車線を形成するという判定に対応して、車両運行計画を特定するように運行環境モニタを動作させることを含むことができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルは、自律走行車両の現在位置と、後続の合流車線に近接する合流交差点の位置との間の距離を表す内在性状態ファクタを含むことができる。
【0201】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルが自律走行車両の現在の車線に対する自律走行車両の位置を表す自律走行車両相対位置状態ファクタを含んでもよい。現在の車線は、第1の車線または後続の合流車線である。
【0202】
いくつかの実施形態では、計画固有運行制御評価モデルは、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両に対応する未決定状態を表す自律走行車両未決定状態ファクタを含むことができる。
【0203】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルは、定義された速度基準に対する自律走行車両の相対速度を表す自律走行車両相対速度状態ファクタを含んでもよい。
【0204】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルは、第1の車線から後続の合流車線に合流することによって車両交通ネットワークを通行することに対応する車両交通ネットワークの一部の可用性状態を表す可用性状態ファクタを含むことができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルが車両制御動作を表す車両制御動作動作ファクタを含むことができる。
【0206】
いくつかの実施形態では、計画固有の運転制御評価モデルは、車両制御動作のための速度変更を表す車両制御動作速度変更動作ファクタを含むことができる。
【0207】
いくつかの実施形態において、計画固有の操作制御評価モデルは、第1の車線から後続の合流車線への合流のための内在性が定義された内在性閾値を通過するかどうかの判断を表す内在性観測ファクタを含むことができる。
【0208】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルは、自律走行車両の位置の変化を示す判断を表す自律走行車両相対位置観測ファクタを含むことができる。
【0209】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルは、自律走行車両に対する速度の変化を示す判断を表す自律走行車両相対速度観測ファクタを含んでもよい。
【0210】
いくつかの実施形態では、計画固有の運行制御評価モデルは、車両運行計画における遠隔車両を示すことができる運行環境情報を含むことができる。計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両の現在の遠隔車両車線に対する遠隔車両および自律走行車両の位置を表す遠隔車両相対位置状態ファクタを含むことができる。現在の遠隔車両車線は、第1の車線、第2の車線、または後続の合流車線である。
【0211】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両相対位置未決定状態ファクタの現在値を有する遠隔車両に対応する未決定状態を表す遠隔車両相対位置未決定状態ファクタを含んでもよい。
【0212】
計画固有の運行制御評価モデルは、定義された遠隔車両速度基準に対する遠隔車両の相対速度を表す遠隔車両相対速度状態ファクタを含んでもよい。
【0213】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両の位置の変化を示す判断を表す遠隔車両相対位置観測ファクタを含んでもよい。
【0214】
計画固有の運行制御評価モデルは、第1の車線から後続の合流車線に合流することによって車両交通ネットワークを通行することに対応する車両交通ネットワークの部分の可用性の変化を示す判定を表す可用性観測ファクタを含むことができる。
【0215】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両の速度の変化を示す判断を表す遠隔車両相対速度観測ファクタを含んでもよい。
【0216】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両が第1の車線から後続の合流車線に合流することによって、車両交通ネットワークを通行することに対応する車両交通ネットワークの部分が利用可能であるように動作することの発生確率を示す遠隔車両黙諾(acquiescence)状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0217】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両が第2の車線で自律走行車両を追い越す発生確率を示す遠隔車両進行状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0218】
計画固有の運転制御評価モデルは、自律走行車両の現在の車線が自律走行車両の予想経路に沿って遮断される発生確率を示す、遮断現車線状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0219】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両が自律走行車両の前方で自律走行車両の現在の車線に合流することの発生確率を示す遠隔車両前方合流状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0220】
計画固有の運行制御評価モデルは、第1の車線から後続の合流車線への合流によって車両交通ネットワークを通行するための利用可能な距離が最小閾値を超えることの発生確率を示す第2の車両制御動作状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0221】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両が自律走行車両より前方にあり、後続の合流車線において、遠隔車両が非ブロッキング状態からブロッキング状態に変化することの発生確率を示す前方遠隔車両ブロッキング状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0222】
計画固有の運行制御評価モデルは、第1の車線から後続の合流車線への合流によって車両交通ネットワークを通行することに対応する車両交通ネットワークの部分に対する可用性に対する不確定性を示すブロッキング不確定性観測確率を含んでもよい。
【0223】
計画固有の運行制御評価モデルは、遠隔車両の相対的位置および速度と、遠隔車両に対して判定された位置および発生確率との間の相関関係を示す遠隔車両観測発生確率を含んでもよい。
【0224】
計画固有の運転制御評価モデルは、遠隔車両が遮断されることの発生確率を示す遮断観測発生確率を含んでもよい。
【0225】
いくつかの実施形態では、車両運行計画は通過障害車両運行計画であってもよく、計画固有の運行制御評価モデルは、現在の車線に対する自律走行車両の位置を表す自律走行車両相対位置状態ファクタを含んでもよい。
【0226】
計画固有の運行制御評価モデルは、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両に対応する未決定状態を表す自律走行車両相対位置未決定状態ファクタを含んでもよい。
【0227】
計画固有の運行制御評価モデルは、現在の車線における自律走行車両の前方の障害物の現在のステータスを表す前方障害物状態ファクタを含むことができる。
【0228】
計画固有の運行制御評価モデルは、現在の車線内の自律走行車両の後方の車両交通ネットワークの一部の可用性状態を表す後方可用性状態ファクタを含むことができる。
【0229】
計画固有の運転制御評価モデルは、車両制御動作を表す車両制御動作動作ファクタを含んでもよい。
【0230】
計画固有の運行制御評価モデルは、事前に特定された車両制御動作に従って車両交通ネットワークを通行することに基づく予測車両運行環境と、事前に特定された車両制御動作に従って車両交通ネットワークを通行することに続く現在の車両運行環境との間の差が定義された閾値内であるかどうかの判定を表す動作成功観測ファクタを含んでもよい。
【0231】
計画固有運行制御評価モデルは、自律走行車両の前方の障害物の現在の状態の変化を示す判定を表す前方障害物観測ファクタを含むことができる。
【0232】
計画固有の運転制御評価モデルは、現在の車線における自律走行車両の後方にある車両交通ネットワークの部分の可用性状態の変化を示す判定を表す後方可用性観測ファクタを含むことができる。
【0233】
いくつかの実施形態では、運行環境情報は、車両運行計画において対向車線内の対向遠隔車両を示すことができる。計画固有の運行制御評価モデルは、自律走行車両からの対向遠隔車両の距離を表す対向遠隔車両距離状態ファクタを含んでもよい。
【0234】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向遠隔車両距離状態ファクタの現在値を有する対向遠隔車両に対応する未決定状態を表す対向遠隔車両位置未決定状態ファクタを含んでもよい。
【0235】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向車線の相対部分を通行することで現在の車線内の障害物を追い越すことによって車両交通ネットワークを通行することに対応する対向車線の相対部分の可用性状態を表す可用性状態ファクタを含んでもよい。
【0236】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向遠隔車両に対する動作状態の変化を示す判定を表す対向遠隔車両位置観測ファクタを含んでもよい。
【0237】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向車線の相対部分を通行して現在の車線内の障害物を追い越すことにより車両交通ネットワークを通行することに対応する対向車線の相対部分の可用性状態の変化を示す判定を表す可用性観測ファクタを含んでもよい。
【0238】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向車線の相対部分を通行することで、現在の車線内の障害物を追い越すことにより車両交通ネットワークを通行することに対応して、対向車が対向車線の相対部分を運行することの発生確率を示す対向遠隔車両ブロッキング状態遷移発生確率が含んでもよい。
【0239】
計画固有の運行制御評価モデルは、第2の対向遠隔車両状態遷移確率を含んでもよい。第2の対向遠隔車両状態遷移確率は、対向車線の相対部分を通行することで現在の車線内の障害物を追い越すことによって車両交通ネットワークを通行することに対応する対向車線の相対部分の可用性が、別の対向遠隔車両に対応して利用可能状態から遮断状態まで変化する確率を示す。
【0240】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向車の距離の変化の確率を表す発生確率を示す第3の対向遠隔車両状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0241】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向車が現在のブロッキング状態から異なるブロッキング状態に遷移することの発生確率を示す第4の対向遠隔車両状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0242】
計画固有の運行制御評価モデルは、現在の車線内の自律走行車両の後方にある車両交通ネットワークの部分の可用性が利用可能状態から遮断状態に変わる発生確率を示す後方可用性状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0243】
計画固有の運行制御評価モデルは、現在の車線における自律走行車両の前方の障害物の変化の発生確率を示す前方障害物状態遷移発生確率を含んでもよい。
【0244】
計画固有の運行制御評価モデルは、対向車線の相対部分を通行することで現在の車線内の障害物を通過させることによって車両交通ネットワークを通行することに対応する車両交通ネットワークの部分に対する可用性に対する不確定性を示すブロッキング不確定性観測確率を含んでもよい。
【0245】
計画固有の運行制御評価モデルは、自律走行車両と遠隔車両との間の距離に基づいて遠隔車両を観測する精度の確率を示す遠隔車両観測確率を含んでもよい。
【0246】
計画固有の運行制御評価モデルは、エッジングの車両制御動作に従って車両交通ネットワークを通行することに対応して遮断状態が解決されることの発生確率を示す遮断解決観測発生確率を含んでもよい。
【0247】
計画固有の運転制御評価モデルは、現在の車線における自律走行車両の後方にある車両交通ネットワークの部分の可用性を決定するための不確定性発生確率を示す後方可用性観測発生確率を含んでもよい。
【0248】
計画固有の運行制御評価モデルは、現在の車線における自律走行車両の前方の障害物の状態を判定するための不確定性発生確率を示す前方障害物観測発生確率を含んでもよい。
【0249】
いくつかの実施形態では、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの部分を通行するステップは、現在の車線の第1の部分を通行するステップと、現在の車線の第1の部分を通行した後に対向車線の第1の部分を通行するステップと、対向車線の第1の部分を通行した後に現在の車線の第2の部分を通行するステップとを含んでもよい。
【0250】
いくつかの実施形態では、車両交通ネットワークを通行することは、運行環境モニタを動作させて、現在の車線内の自律走行車両の前方の障害物を特定することを含んでもよい。
【0251】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、車両の運行環境モニタから車両運行計画を特定する運行環境情報を受信することに対応して、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスをインスタンス化するように、計画固有運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるために、非一時的コンピュータ可読媒体上に格納された命令を実行するように構成され得る。
【0252】
いくつかの実施形態では、車両運行計画は、車両合流運行計画であってもよい。プロセッサは、車両交通ネットワーク内の第1の車線から車両交通ネットワークの後続の合流車線に合流することによって、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの一部を通行するように計画固有運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるように、非一時的コンピュータ可読媒体上に格納された命令を実行するように構成されてもよい。車両交通ネットワークの第1の車線および第2の車線は、後続の合流車線を形成するように合流される。
【0253】
いくつかの実施形態では、車両運行計画は、通過障害車両運行計画とすることができる。プロセッサは、現在の車線の第1の部分を通行し、現在の車線の第1の部分を通行した後に対向車線の第1の部分を通行し、対向車線の第1の部分を通行した後に現在の車線の第2の部分を通行することによって、候補車両制御動作に従って車両交通ネットワークの一部を通行するように計画固有運行制御評価モジュールインスタンスを動作させるように、非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行するように構成することができる。
【0254】
図6~9には区別して示されていないが、
図4に示される歩行者モジュール4310などの歩行者モジュールは、POMDPモデルを含んでもよい。
【0255】
歩行者POMDPモデルは、例えば、自律走行車両相対位置状態ファクタ、歩行者ブロッキング状態ファクタ、歩行者優先状態ファクタ、またはそれらの組合せを含む状態空間を定義することができ、次式(8)として表すことができる。他の状態ファクタが歩行者POMDPモデルに含まれてもよい。自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両のための予想経路と、歩行者の現在位置であり得る歩行者の予想経路との交差点に対する自律走行車両の位置を示すことができ、{開始(start),接近(approaching),アット(at),交差(intersecting),目標(goal)}のような定義された値の集合に由来する値を有することができる。歩行者ブロッキング状態ファクタは、歩行者、または歩行者の予想経路が自律走行車両を現在ブロックしているかどうかを示す判定を示すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。歩行者ブロッキング状態ファクタに直交する歩行者優先状態ファクタは、自律走行車両または歩行者が優先されるかどうか、または逆に、自律走行車両または歩行者が道を譲るという予想が定義された閾値を超えるかどうかを示すことができ、{自律走行車両(AV)、歩行者(pedestrian)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【数8】
【0256】
歩行者POMDPモデルは、{停止(stop),エッジ(edge)、進行(go)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる動作ファクタを含む動作空間を定義することができる。他の動作ファクタが歩道POMDPモデルに含まれてもよい。
【0257】
歩行者POMDPモデルは、現在位置観測ファクタ、可用性観測ファクタ、優先度観測ファクタ、またはそれらの組合せを含む観測空間を定義することができ、次式(9)として表すことができる。他の観測ファクタが歩道POMDPモデルに含まれてもよい。現在位置観測ファクタは、自律走行車両の位置の変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}など、定義された値の集合に由来する値を有することができる。可用性観測ファクタは、歩行者が自律走行車両を現在ブロックしているかどうかの変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。優先度観測ファクタは、自律走行車両または歩行者が優先度を有するかどうかの変化の判定を表すことができ、{自律走行車両(AV),歩行者(pedestrian)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【数9】
【0258】
歩行者POMDPモデルは、横断歩道から規定された距離内に歩行者がいるという判定に対応して歩行者が遮断することの発生確率の増加を表す発生確率、歩行者が横断することの発生確率、障害物から規定距離内に歩行者が特定され得ることの発生確率の増加、歩行者が自律走行車両を避けることの発生確率、歩行者が車両交通ネットワークに近接して現在の位置を維持することの発生確率、またはそれらの組み合わせを表す発生確率修飾子を含む状態遷移(T)を定義してもよい。他の遷移確率は、歩道POMDPモデルに含まれてもよい。
【0259】
歩行者POMDPモデルは、ブロッキングを判定するための歩行者動作のノイズ検出の発生確率、および障害物に近接する未検出の歩行者の発生確率を含む条件付き観測確率(O)を定義することができる。他の条件付き観測発生確率を歩行者POMDPモデルに含めることができる。
【0260】
図6~9には区別して示されていないが、
図4に示す交差モジュール4320などの交差モジュールは、POMDPモデルを含んでもよい。
【0261】
交差点POMDPモデルは、自律走行車両位置状態ファクタ、自律走行車両未決定状態ファクタ、遠隔車両位置状態ファクタ、遠隔車両未決定状態ファクタ、ブロッキング状態ファクタ、優先状態ファクタ、またはそれらの組合せを含む状態空間(S)を定義することができ、次式(10)として表すことができる。他の状態ファクタが、交差点POMDPモデルに含まれてもよい。自律走行車両位置状態ファクタは、計画に対する自律走行車両の位置を示すことができ、{開始(start),接近(approaching),アット(at),エッジド(edged),内側(inside),目標(goal)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。自律走行車両未決定状態ファクタは、自律走行車両位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両に対応する未決定状態または経時的期間の分類を示すことができ、{短い(short),長い(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両位置状態ファクタは、計画に対する遠隔車両の位置を示すことができ、{空き(empty),接近(approaching),アット(at),エッジ(edge),内側(inside)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両未決定状態ファクタは、遠隔車両位置状態ファクタの現在値を有する遠隔車両に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短い(short)、長い(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。ブロッキング状態ファクタは、遠隔車両、または遠隔車両の予想経路が自律走行車両を現在ブロックしているかどうかを示す判定を示すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。優先状態ファクタは、自律走行車両または遠隔車両のような優先度を有する車両を示すことができ、{AV,RV}のような定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【数10】
【0262】
交差点POMDPモデルは、{停止(stop),エッジ(edge),進行(go)}のような定義された値の集合に由来する値を有する動作ファクタを含む動作空間を定義することができる。他の動作ファクタは、交差点POMDPモデルに含まれてもよい。
【0263】
交差点POMDPモデルは、次式(11)として表すことができる、現在位置観測ファクタ、遠隔車両位置観測ファクタ、可用性観測ファクタ、優先度観測ファクタ、またはそれらの組合せを含む観測空間を定義することができる。交差点POMDPモデルには、他の観測ファクタを含めることができる。現在位置観測ファクタは、自律走行車両の位置の変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}など、定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両位置観測ファクタは、遠隔車両の位置の変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}など、定義された値の集合に由来する値を有することができる。可用性観測ファクタは、遠隔車両が自律走行車両を現在ブロックしているかどうかの変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。優先度観測ファクタは、優先度を有する車両の変化の決定を表すことができ、{AV,RV}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【数11】
【0264】
交差点POMDPモデルは、遠隔車両が自律走行車両に優先権を移譲することの発生確率、遠隔車両が優先権に違反することの発生確率、または、遠隔車両が停車標識で停車するかまたはローリングストップ(rolling stop)することの発生確率を含む状態遷移Tを定義することができる。他の遷移確率を交差点POMDPモデルに含めてもよい。
【0265】
交差点POMDPモデルは、遠隔車両が定義された地理空間位置を通行することを検出する確率などの条件付き観測確率(O)を定義することができる。他の条件付き観測確率を交差点POMDPモデルに含めてもよい。
【0266】
図6~9には区別して示されていないが、
図4に示す車線変更モジュール4330のような車線変更モジュールは、POMDPモデルを含むことができる。
【0267】
車線変更POMDPモデルは、自律走行車両相対位置状態ファクタ、自律走行車両未決定状態ファクタ、自律走行車両相対速度状態ファクタ、遠隔車両相対位置状態ファクタ、遠隔車両未決定状態ファクタ、ブロッキング状態ファクタ、遠隔車両相対速度状態ファクタ、またはそれらの組合せを含む状態空間を定義することができ、次式(12)として表すことができる。車線変更POMDPモデルには、他の状態ファクタを含めることができる。自律走行車両相対位置状態ファクタは、自律走行車両の現在の車線に対する自律走行車両の位置を示すことができ、この位置は車線変更前の車線または車線変更後の(目標または目的)車線であってもよく、{開始(start),エッジド(edged),内側(inside),目標(goal)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。自律走行車両未決定状態ファクタは、自律走行車両相対位置状態ファクタの現在値を有する自律走行車両に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短い(short)、長い(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。自律走行車両相対速度状態ファクタは、遠隔車両に対する自律走行車両の速度、制限速度、またはその両方を示すことができ、{スロー(slow),スローミッド(slow-mid),ミッド(mid),ミッドファースト(mid-fast),ファースト(fast)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両相対位置状態ファクタは、遠隔車両の現在の車線に対する遠隔車両の位置を示すことができ、{空き(empty),後方(behind),アット(at),前方(ahead)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両未決定状態ファクタは、遠隔車両位置状態ファクタの現在値を有する遠隔車両に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短い(short)、長い(long)}などの定義された値の集合からの値を有することができる。ブロッキング状態ファクタは、遠隔車両、または遠隔車両の予想経路が、自律走行車両が目標車線に移行するのを現在ブロックしているかどうかを表す判定を示すことができ、{はい(yes)、いいえ(no)}など、定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両相対速度状態ファクタは、自律走行車両、別の遠隔車両、制限速度、またはこれらの組み合わせに対する遠隔車両の速度を示すことができ、{スロー(slow),スローミッド(slow-mid),ミッド(mid),ミッドファースト(mid-fast),ファースト(fast)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【数12】
【0268】
車線変更POMDPモデルは、車両制御動作動作ファクタ(Al)、車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)、またはその両方を含む動作空間を定義することができ、これは、A=Al×Avとして表現することができる。車線変更POMDPモデルには、他の動作ファクタを含めてもよい。車両制御動作動作ファクタ(Al)は、車両制御動作を表してもよく、{停留(stay), エッジ(edge),進行(go)}のような定義された値の集合に由来する値を有してもよい。車両制御動作速度変更動作ファクタ(Av)は、車両制御動作動作ファクタ(Al)によって示される車両制御動作のための速度変更ファクタを表すことができる。
【0269】
車線変更POMDPモデルは、現在位置観測ファクタ、自律走行車両相対速度観測ファクタ、遠隔車両位置観測ファクタ、可用性観測ファクタ、遠隔車両相対速度観測ファクタ、またはそれらの組合せを含む観測空間を定義することができ、次式(13)として表すことができる。車線変更POMDPモデルには、他の観測ファクタを含めることができる。現在位置観測ファクタは、自律走行車両の位置の変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}など、定義された値の集合に由来する値を有することができる。自律走行車両相対速度観測ファクタは、自律走行車両の速度の変化の判定を示すことができ、{低下(decrease),維持(maintain),上昇(increase)}のような定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両位置観測ファクタは、遠隔車両の位置の変化を示す判定を表すことができ、{空き(empty),後方(behind),アット(at),前方(ahead)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。可能性観測ファクタは、遠隔車両が自律走行車両を現在ブロックしているかどうかの変化を示す判定を表すことができ、{はい(yes),いいえ(no)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両相対速度観測ファクタは、遠隔車両の速度の変化の判定を示すことができ、{低下(decrease),維持(maintain),上昇(increase)}のような定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両相対位置状態ファクタは、遠隔車両の現在の車線に対する遠隔車両の位置を示すことができ、{空き(empty),後方(behind),アット(at),前方(ahead)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。遠隔車両未決定状態ファクタは、遠隔車両位置状態ファクタの現在値を有する遠隔車両に対応する未決定状態または経時的期間のカテゴリ化を示すことができ、{短い(short)、長い(long)}などの定義された値の集合に由来する値を有することができる。
【数13】
【0270】
車線変更POMDPモデルは、定義された閾値を超える速度で遠隔車両が加速または減速することの発生確率、遠隔車両がブロッキング状態から非ブロッキング状態に遷移するように車線を変更することの発生確率、および自律走行車両による車両交通ネットワークの通行が前方障害物によって影響を受けることの発生確率を含む状態遷移Tを定義することができる。車線変更POMDPモデルには、その他の遷移確率が含まれてもよい。
【0271】
車線変更POMDPモデルは、例えば、可用性発生確率を正確に特定する発生確率である条件付き観測確率(O)を定義することができる。車線変更POMDPモデルには、他の条件付き観測確率が含まれてもよい。
【0272】
本明細書で使用されるように、用語「コンピュータ」または「コンピューティングデバイス」は、本明細書で開示される、任意の方法またはその任意の部分もしくは一部を実行することが可能な任意のユニット、またはユニットの組合せを含む。
【0273】
本明細書で使用されるように、「プロセッサ」という用語は、1つまたは複数の専用プロセッサ、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のコントローラ、1つまたは複数のマイクロコントローラ、1つまたは複数のアプリケーションプロセッサ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路、1つまたは複数の特定用途向け標準製品、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ、集積回路の任意の他のタイプまたは組合せ、1つまたは複数の状態機械、またはそれらの任意の組合せなどの1つまたは複数のプロセッサを示す。
【0274】
本明細書で使用されるように、用語「記憶装置」は任意のプロセッサによって、または任意のプロセッサに関連して使用され得る任意の信号または情報を、有形に含み、格納し、通信し、または搬送することができる、任意のコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体またはデバイスを示す。例えば、メモリは、1つまたは複数の読み出し専用メモリ(ROM)、1つまたは複数のランダムアクセスメモリ(RAM)、1つまたは複数のレジスタ、低電力ダブルデータレート(LPDDR)メモリ、1つまたは複数のキャッシュメモリ、1つまたは複数の半導体メモリデバイス、1つまたは複数の磁気媒体、1つまたは複数の光媒体、1つまたは複数の光磁気媒体、またはそれらの任意の組合せとすることができる。
【0275】
本明細書で使用されるように、用語「命令」は本明細書で開示される任意の方法、またはその任意の部分もしくは部分を実行するための方向または表現を含むことができ、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実現することができる。例えば、命令は本明細書で説明されるように、それぞれの方法、アルゴリズム、態様、またはそれらの組合せのうちのいずれかを実行するためにプロセッサによって実行され得る、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムなどの情報として実装され得る。いくつかの実施形態では、命令、またはその一部は本明細書で説明されるように、方法、アルゴリズム、態様、またはそれらの組合せのうちのいずれかを実行するための専用ハードウェアを含み得る、専用プロセッサまたは回路として実装され得る。いくつかの実施形態では、命令の一部が単一の装置上、複数の装置上の複数のプロセッサに分散されてもよく、複数の装置はローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネット、またはそれらの組み合わせなどのネットワークを介して直接または通信してもよい。
【0276】
本明細書で使用されるように、用語「例」、「実施形態」、「実装」、「態様」、「特徴」、または「要素」は、例、インスタンス、または例示としての役割を果たすことを示す。明示的に示されない限り、任意の例、実施形態、実装、態様、特徴、または要素は互いに独立しており、任意の他の例、実施形態、実装、態様、特徴、または要素と組み合わせて使用されてもよい。
【0277】
本明細書で使用されるように、用語「判定する」および「特定する」、またはそれらの任意のバリエーションは、本明細書で示され、説明される装置のうちの1つまたは複数を使用して、任意の方法で、選択すること、確認すること、演算すること、探索すること、受信すること、決定すること、確立すること、取得すること、または特定すること、または決定することを含む。
【0278】
本明細書で使用される用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく包含的な「又は」を意味することを意図している。すなわち、特に明記されないか又は文脈から明確でない限り、「XはA又はBを含む」はいずれかの自然な包含順列を示すことを意図している。すなわち、XがAを含む場合、XがBを含む場合、または、XがA及びBの両方を含む場合、「XはA又はBを含む」は、前述のいずれかの場合に充足される。
【0279】
さらに、説明を簡単にするために、本明細書の図面および説明はシーケンスまたは一連のステップまたはステージを含むことができるが、本明細書で開示される方法の要素は、様々な順序で、または同時に発生することができる。さらに、本明細書で開示される方法の要素は、本明細書で明示的に提示され、説明されていない他の要素を用いて発生し得る。さらに、本明細書で説明される方法のすべての要素が、本開示による方法を実施するために必要とされるとは限らない。態様、特徴、および要素は、本明細書では特定の組合せで説明されるが、各態様、特徴、または要素は独立して、または他の態様、特徴、および要素とともに、または他の態様、特徴、および要素なしで、様々な組合せで使用され得る。
【0280】
上記の態様、実施例、および実施形態は、本開示の理解を容易にするために説明されたが、これらに限定されるものではない。それどころか、本開示は添付の特許請求の技術的範囲内に含まれる様々な修正および同等の構成をカバーし、その技術的範囲は法律の下で許されるすべてのそのような修正および同等の構造を包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。