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特許6992192切断片の切断方法、コンピュータプログラム製品および切断装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】切断片の切断方法、コンピュータプログラム製品および切断装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20220127BHJP
   B26D 5/00 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
B23K26/38 A
B23K26/38 Z
B26D5/00 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020547291
(86)(22)【出願日】2018-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018082398
(87)【国際公開番号】W WO2019105863
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-07-28
(31)【優先権主張番号】102017128394.3
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520189544
【氏名又は名称】ヘーファ ホールディングス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HEFA Holding GmbH
【住所又は居所原語表記】Wiesenweg 28, 63150 Heusenstamm Deutschland
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘルト、 グンナー
(72)【発明者】
【氏名】チンケ、 アヒム
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-082491(JP,A)
【文献】国際公開第2016/082915(WO,A1)
【文献】特公昭52-040075(JP,B1)
【文献】特表2005-513642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/38
B26D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全長に渡って一定の幅を有するロール材料のウェブである無限の材料ウェブ(19)から、切断パターン(7)を形成する切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の切断方法であって、
前記切断方法は、前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)を切断(106)するステップを含み
前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)が、無限の前記材料ウェブ(19)の長方形の繰り返しセクション(9、9‘)に配置され、
前記繰り返しセクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の配置は、いくつかの連続するセクションにおける配置と同じであり、
前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)のうちの少なくとも1つ、または少なくとも1つの前記切断パターン(7)が部分的に前記繰り返しセクション(9、9‘)に含まれ
前記繰り返しセクション(9、9‘)の幅は前記材料ウェブ(19)の幅に対応し、
切断する切断パターン(7)の最大数または切断長または達成する必要のある最小の材料無駄が入力パラメータとして指定され、
切断パターン(7)のすべての切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の配置のための前記材料ウェブ(19)の予め定めた長さを維持しない、切断方法。
【請求項2】
前記材料ウェブ(19)が織り込まれていて前記切断パターン(7)の前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)がエアバッグを形成する、または前記材料ウェブが織り込まれた工業用布である、請求項1に記載の切断方法。
【請求項3】
前記材料ウェブ(19)が、以下の材料、すなわち、
織り込まれた工業用布、
金属板、
ホイル、
紙または板紙、および/または
不織布、
のうちの1つから作られる、請求項1に記載の切断方法。
【請求項4】
前記切断ステップの前に、前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)が無限の前記材料ウェブ(19)の前記繰り返しセクション(9、9‘)に配置され、前記配置は、
前記セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の少なくとも1つの配置変形のために、前記材料ウェブ(19)の前記セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の必要スペースを計算するステップ(103)であって、前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の少なくとも1つまたは切断パターン(7)が部分的(10、11)に前記セクション(9、9‘)に含まれる、ステップと、
前記計算するステップの結果に基づいて、前記セクション(9、9‘)の前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の前記配置変形を選択するステップ(105)と、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項5】
前記選択された配置変形がすべての前記繰り返しセクション(9、9‘)に適用される、請求項4に記載の切断方法。
【請求項6】
前記材料ウェブ(19)の前記セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の前記必要スペースを計算する前記ステップ(103)は、前記セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の単一種類の配置に基づいて配置変形として実行される、請求項4または5に記載の切断方法。
【請求項7】
前記材料ウェブ(19)の前記セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の前記必要スペースを計算する前記ステップ(103)は、前記セクション(9、9‘)における異なる前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)のサブセットに基づいて配置変形として実行される、請求項4~6のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項8】
前記異なる切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)を選択する前記ステップは、前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の領域および/または前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の形状に従ったサブセットに基づく、請求項7に記載の切断方法。
【請求項9】
前記材料ウェブ(19)の前記セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の前記必要スペースを計算する前記ステップ(103)は、前記セクション(9、9‘)における少なくとも1つの切断パターン(7)のすべての前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)に基づいて配置変形として実行される、請求項4~8のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項10】
前記配置変形を選択する前記ステップ(105)は、材料無駄の所定の閾値(20)に到達すると直ちに、または計算時間が所定の閾値を超えると直ちに実行される、請求項4~9のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項11】
前記セクション(9、9‘)は、前記方法の入力パラメータとして設定し得る所定の長さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項12】
切断されるいくつかの少なくとも1つの切断パターン(7)が予め定められている、請求項1~11のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項13】
前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の少なくとも1つが、セクション(9、9‘)における前記切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)の前記配置について、別の切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)を基準に移動または回転されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の切断方法。
【請求項14】
無限の材料ウェブ(19)のセクション(9、9‘)に切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)を配置するためのコンピュータプログラム製品であって、プログラム部分は、請求項1~13のいずれか一項に記載の切断方法の実行を支援するプログラムメモリから取り出し得る、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
無限の材料ウェブ(19)から切断片(1、2、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18)を切断するための切断装置であって、
切断工具と、
請求項1~13のいずれか一項に記載の切断方法を実行するように構成されたコントローラと、
を備えた、切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、単層材料ウェブ上に配置された切断片を切断する方法、および切断工具によって切断するための装置に関する。本発明による方法は、材料ウェブからエアバッグ用の切断片を切り出すのに特に適している。この方法は、好ましくは、切断工具としてのレーザ切断装置と組み合わせて使用される。
【背景技術】
【0002】
たとえば、独国特許出願公開第102014017501号明細書は、切断装置を使用して、少なくとも部分的に2層の材料ウェブから物体を切り取る方法を記載している。これらの物体は、切断パターンの切断片に基づいて材料ウェブから切断される。これらの物体は、衣料品、家具の室内装飾品、および/またはエアバッグであってもよい。
【0003】
たとえば、材料はロール材料として提供される。材料は、ロールから指定された長さに巻き出され、切断テーブル上に載置される。次いで、材料の別の層が同じ指定された長さに従ってロールから巻き出され、材料の最初の層の真上に配置される。このさらなる層の配置は、材料の所望の数の層が切断テーブル上で互いの上に配置されるまで繰り返される。この数の層は、今や切断工具を用いて同時に切断され得る。このようにして、切断工具が効率的に使用され、個々の材料層の個々の切断片が同時に切断されるため、材料の切断が促進される。
【0004】
エアバッグ片の製造など、これらの切断方法の多くの用途では、たとえば、物体内で高圧が使用されている場合など、物体の耐久性のすべての安全関連の側面を満たすために、切断片を正確に切断する必要がある。多くの材料ウェブが互いに重なり合って同時に切断される場合、切断片の形状が正しく切断されないことを避けるように、個々の切断片間と各材料ウェブの外縁とに安全マージンを規定する必要がある。これらの安全距離または安全領域は数センチの大きさであり、材料ウェブの層ごとの材料消費を大幅に増加させる。
【0005】
切断後、使用されなかった部分、または他の部分に使用できない部分を材料無駄という。この材料無駄は、たとえば、切断後に余剰になる材料ウェブの部分が次の切断片に対して小さすぎるため、または材料ウェブの残りの部分に、切断パターンのさらなる切断片が十分に配置され得る領域がないために発生する。したがって、この材料無駄は通常再利用できず、切断プロセスにおける廃棄物である。特にエアバッグ製造などのコストのかかる材料ウェブでは、材料ウェブの残りの部分を最小限に抑える必要がある。
【0006】
「切断セット(cut-set)」としても知られているパターンをウェブから切り出す場合、材料無駄を最小限に抑えるために、個々の切断片を省スペースで配置する必要がある。たとえば、特殊なネスティング方法を使用して、切断パターンに属する切断セットを省スペースで配置する。
【0007】
現在、これらのネスティング方法は、材料ウェブの長方形セクション専用に設計されており、1つまたは複数の切断パターンの切断片が配置される長方形の長さまたは離散幅に関してのみ材料を最適化する。重ね合わせた多数のウェブ層、たとえば最大40層を同時に切断すること、および考慮すべき安全距離のため、これらのネスティング方法および結果として生じる廃棄物が従来の切断方法の使用を望ましくないほど高価にするにもかかわらず、材料無駄が多すぎる。通常、材料ウェブの各層の最初と最後に25~50ミリメートルの安全マージンが追加される。これは、たとえば複数の層を切断するときに、層間のずれを補正するために必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】独国特許出願公開第102014017501号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、切断パターンの切断片を切断するときの材料消費を大幅に削減することである。
【0010】
この目的は、独立請求項の特徴によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0011】
特に、この目的は、切断片を切断する方法によって解決される。切断片は切断パターンを形成する。この方法は、切断片を切断することを含み、切断片は、連続した材料ウェブの長方形の繰り返しセクションに配置され、少なくとも1つの切断片または少なくとも1つの切断パターンが、部分的に上記繰り返しセクションに含まれる。
【0012】
切断パターン(cutting pattern)はカットパターン(cut pattern)とも呼ばれ、素材を切断するテンプレートを指す。切断パターンは、たとえば、有限数の異なるおよび/または同一の切断片を有し、それに従って材料が切断される。切断片の形状はさまざまであり、切断片によって大きく異なる。さらに、切断パターンの個々の切断片は複数回存在する可能性があるため、切断パターンは、たとえば、第1の形状の第1の数の切断片と、同じまたは異なる数の第2の形状の切断片とから構成され得る。たとえば、エアバッグの切断パターンが切断され得る。エアバッグの切断パターンは、切断パターンに少なくとも1つの切断片を含むが、一般的には数個の切断片を含み、好ましくは5~10個の異なる形状の切断片を含む。これらの異なる形状の切断片のそれぞれは、エアバッグを形成するために、切断パターン中に少なくとも一回、通常は数回存在する。したがって、切断パターンは、多数の均一および/または異なる形状の切断片から形成され得る。
【0013】
好ましい実施形態では、材料ウェブは、織り込まれた工業用布(woven technical textile)(「織布(woven fabric)」)である。これには、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、または炭素繊維もしくはガラス繊維を含む混合材料または他の合成材料もしくは織物が含まれる(またはそれらからなる)。織り込まれた工業用布は、他のプラスチックまたは織物を含み得る。織られた織物のパラメータは、使用されている繊維材料(パーセンテージ、たとえば綿50%)、g/mの面重量、糸密度(単位長さあたりの縦糸と横糸の数)および織り方の種類である。
【0014】
好ましい実施形態では、材料ウェブは、金属シート、好ましくは、たとえば自動車部品用、金属産業用、電気工学用の、EN10130もしくはEN10346に準拠した3ミリメートル未満の材料厚さを有する薄い金属シート、または、たとえば造船およびボート建造におけるEN1007に準拠した3ミリメートルを超える材料厚さの重金属シートである。
【0015】
好ましい実施形態では、材料ウェブは、ホイル、好ましくは材料の厚さが60マイクロメートル未満の金属、たとえば鋼ホイル、アルミニウムホイル、スズホイルまたは金ホイル(gold foil)(金箔(gold leaf))である。あるいは、ホイルはプラスチックまたはゴム材料であってもよい。これらのホイルは、たとえば、接着ホイル、ガラス装飾ホイル、接着ホイル、気泡シート、管状ホイル、収縮ホイル、日焼け防止ホイル、または伸縮性ホイルである。このホイルは、たとえばバッテリホイルまたはソーラホイルとして使用され得る。
【0016】
好ましい実施形態では、材料ウェブは、段ボール(cardboard)(段ボール箱(cardboard box))でできている。段ボールには、単層でカウチ加工されるとともに、接着、一緒に接着、含浸、またはコーティングもされている固体の段ボール、パルプまたは古紙で作られた包まれた段ボール、保護材またはインターリーブ材としての灰色/茶色の段ボール、ボディボード、靴のボード、ジャカードボード、スーツケースボード、パンチングされた段ボール、大理石模様の段ボール(marbled cardboard)、焦げた段ボール(burnt cardboard)などの硬い段ボール、軽い段ボール、アーカイブまたは細かい段ボール(archive or fine cardboard)、の区別がある。一実施形態では、材料ウェブが紙でできているとは、したがって、本質的に繊維からなる平らな材料である。
【0017】
紙(paper)、段ボール(cardboard)、板紙(paperboard)は、単位面積あたりの質量によって分類される。DIN6730は、段ボールという用語を避け、限界値225g/mに基づいて紙と段ボールのみを区別する。ただし、一般的には、段ボールは150g/m~600g/mの範囲の材料を表す一般的な用語であり、通常は紙よりも厚くて硬い。
【0018】
好ましい実施形態では、材料ウェブは、不織布、制限された長さの繊維の構造、連続繊維または断糸で作られ、互いに接合されて不織布(繊維層、繊維パイル)を形成し、なんらかの方法で、たとえば摩擦もしくは摩擦/形状の係合によって機械的に、または化学的もしくは熱的に、互いに結合される。この不織布は、たとえば、自動車のエアフィルタなどのフィルタ材料として使用され得る。
【0019】
以下において、「切断片(cut piece)」は、任意の形状の二次元形状、すなわち、任意の形状の周囲を有する材料ウェブ上の表面として定義される。切断片は、少なくとも部分的に、ユークリッド幾何学または非ユークリッド幾何学の同種または異種の図を形成する。
【0020】
切断片および切断パターンは、材料ウェブ上にマーク付けされる必要はない。つまり、切断工具コントロールは、たとえば材料ウェブ上のマーカポイント/ラインを検出せずに切断工具の動きを実行する。本発明の実施形態では、コントロールが切断工具の位置の目標/実際の比較を行うことができるようにするために、材料ウェブ上にエッジマーキングのみが存在する。
【0021】
「材料ウェブ(material web)」という用語は、その幅が材料ウェブの全長にわたって一定である材料のウェブを意味する。その幅は数メートルになることがあり、好ましくは、ウェブの幅は1または2メートルより大きい。
【0022】
材料ウェブは「無限(endless)」である。これは、材料ウェブをロール材料として提供することができ、その材料が準無限に提供されることを意味する。「無限」は、切断用の材料ウェブが、切断片を配置するための固定された開始点および固定された終了点を持たないことを意味すると理解され得る。そのような材料の提供は、従来の切断方法、特に、互いの上にある所定の長さの材料ウェブのいくつかの層の同時切断に対する実質的な違いを表す。
【0023】
材料ウェブは単層(single layer)であってもよい。「単層」という用語は、切断工具の切断動作ごとに1つの切断片のみが切断される、すなわち、特に、複数の切断片に対して複数の層が切断されない材料ウェブを説明するために使用される。「セクション(section)」は、切断プロセスにおいて定義される。このセクションは、材料ウェブの横方向の外側限界によって制限できる。この場合、セクションの幅はウェブの幅に対応する。セクションも長方形である。これらの2つの垂直断面境界の間に、切断パターンの少なくとも一部および/または切断片の1つが配置され得る。
【0024】
セクションは、切断パターンや切断片の特定の配置によって材料ウェブの繰り返し領域を規定する。「繰り返し」という用語は、セクションで選択された切断パターンや切断片の配置が、いくつかの連続するセクションで同じであるため、後続のセクションでも繰り返されることを意味する。
【0025】
材料ウェブが無限であり、切断ステップの後にさらに輸送できる場合、切断片および/または切断パターンは重ねて配置され得る。したがって、本発明によれば、材料ウェブの一部に部分的にのみ切断片および/または切断パターンを配置することができる。
【0026】
切断パターンの部分的な配置は、特に、仮想的に規定された繰り返しセクションに、切断パターンの少なくとも1つの切断片が完全に含まれる必要がなく、つまり、その形状が切断パターンに従って規定されておらず、たとえば、次のセクション-たとえば、次の切断パターンの切断片の間に配置されることを意味する。このことはまた、この切断片がセクション内で全周に配置される必要がないことを意味する。
【0027】
切断片の部分的な配置とは、特に、切断片が長方形セクションに完全に含まれていないことを意味する。一定の(constant)(ある(certain))配置の切断片を伴ってセクションが繰り返されるため、切断片および/または切断パターンは同じ場所でセクションに切断され得る。
【0028】
特に、少なくとも1つの切断片および/または切断パターンの配置は部分的であるので、多数の切断片および/または切断パターンは、整数を含まない有理数のセット、すなわち実数に対応する。たとえば、あるセクションに4.6個が配置されると、複数の切断片のうち1つの切断片の60%だけがそのセクションに配置され、切断片の残りの40%は後続のセクションに配置される。
【0029】
さらに、切断パターンは、第1部分のみ、すなわち部分的に配置することもでき、その結果、この切断パターンの残りの部分は、後続のセクションに配置される。これは、切断片の第1部分が第1のセクションに配置され、この切断片の残りの第2部分が後続のセクションに配置されることを意味する。
【0030】
このようにして、特に切断パターンのすべての切断片の完全な配置のために材料ウェブの所定の長さを維持しないことによって、材料ウェブの長さに最適化されたネスティング方法をさらに改善することができる。このことは、関連する安全距離をなくし得ることを意味する。たとえば、垂直断面境界で材料ウェブの所定の長さを維持するための安全距離を規定する必要はない。これにより、材料を大幅に節約できる。材料ウェブの最初と最後の安全領域を節約することにより、材料の使用量を約0.5~1%削減できる。
【0031】
本発明によれば、対応する数の切断片を備えた材料ウェブ上に配置される切断パターンは、材料ウェブの長方形セクションの外側に部分的に配置することもできる。材料ウェブ上の個々の切断パターンの間の境界は、もはや必ずしも直線ではなく、境界は、たとえば、曲がっていてもよく、すなわち直線でなくてもよい。したがって、切断パターン間の境界は、ウェブの2つの外縁の間の最短距離よりも長い長さを有し得る。
【0032】
好ましい実施形態では、材料ウェブは織布で作られる。この種のウェブは正確な切断を必要とするため、切断片や切断パターンを密に入れ子に配置することは非常に困難である。切断パターンの切断片および/または切断パターンは、エアバッグを形成し得る。これらの切断片は、安全要件および使用目的を満たすために正確に切断する必要がある。
【0033】
好ましい実施形態では、材料ウェブは、紙、段ボール、板金、不織布、ホイルなどの不織布材料でできている。好ましい実施形態では、切断前にレイアウトアルゴリズムを適用することができる。この場合、切断片は連続単層材料ウェブの繰り返しセクションに次のように配置される。すなわち、まず、材料ウェブのセクション内における切断片の必要スペースが、このセクション内における切断片の少なくとも1つの配置変形に対して計算され、少なくとも1つの切断片および/または1つの切断パターンは材料ウェブのセクションに部分的にのみ含まれる。
【0034】
1つまたは複数の切断パターンにおける切断片の配置は入れ子になっている、すなわちネスティング方法が使用されている。この方法では、少なくとも1つの切断パターンの切断片が、別の切断パターンの切断片または別の切断パターンの隣に、これらの切断片が同じ方向に配置された場合および/または材料ウェブ上のグリッド上に配置された場合よりも材料無駄が少なくなるような省スペースな方法で配置される。使用されるネスティング方法は、1つまたは複数の切断パターンにおける1つまたは複数の切断片に適用され得る。
【0035】
本発明の一実施形態では、切断片の配置は、たとえば、切断片または切断パターンの負荷要件を満たすために、材料ウェブにおける織布の横糸および縦糸の向きに依存する。
【0036】
不織材料を使用すると、代替の配置(例:切断片の回転)によって材料特性が変化しないため、織物に比べると、材料ウェブ上の切断片の向きの自由度が高い。
【0037】
「配置変形」という用語は、切断片および/または切断パターンが特定の配置で配置され、必要スペースがこの特定の配置変形について計算されるという事実を指す。
【0038】
必要スペースは、特に、必要に応じて材料ウェブの外側領域および/または考慮する必要がある隣接する切断片までの安全距離とともに、繰り返しセクションの切断片および/または材料ウェブ上の切断パターンの材料要件として理解される。
【0039】
計算ステップの後、当該計算ステップの結果に基づいて、このセクションにおける切断片の配置変形を選択することができる。選択ステップにより、以前に必要スペースが計算された特定の配置変形が定義または決定される。
【0040】
配置変形の選択は、特定の配置変形に対して行われることが好ましく、材料ウェブの連続する、すなわち反復するセクションに使用される。したがって、決定された配置変形は、多数の切断片および/または切断パターンに使用することができ、材料無駄が大幅に削減される。本方法の場合、繰り返しセクションに対して切断パターンの好ましい配置変形が計算され、このようにして決定された配置変形が、その後、多数の連続するセクションに対して繰り返される。
【0041】
代替的にまたは追加的に、選択は、規定された数の連続するセクションに対して行うこともでき、一連のセクションにおける各セクションに対して異なる配置変形を選択することができる。このようにして、比較的大きな切断パターンまたは大きな切断片を、いくつかのセクションにわたって省スペースで配置することができる。次いで、この一連のセクションに対して、効率的な配置変形が規定される。これは、切断工具によって切断される材料ウェブの領域が、切断される片またはパターンの領域よりも小さい場合に役立つ。
【0042】
代替的にまたは追加的に、選択は、各切断プロセスの前に行うこともでき、いわば、切断される切断片または切断パターンのオンザフライ計算が各セクションに対して行われる。このようにして、材料無駄を常に最小限に抑えながら、完全に異なる切断パターンを非常に柔軟に配置し、その後自発的に切断することができる。
【0043】
好ましい実施形態では、材料ウェブのセクションにおける切断片の必要スペースは、配置変形としての切断片の純粋なまたは単一種類の配置に基づいて計算される。本発明によれば、純粋なまたは単一種類の配置は、同一の、すなわち同一の形状の切断片のみが入れ子状に配置される配置変形である。これらの切断片はすべて同じ形状およびサイズを有する。
【0044】
さらに好ましい実施形態では、単一種類の切断片が配置され、この配置に必要なスペースが計算される。第1の別形では、配置される単一種類の切断片の数は、切断される切断パターンの数に部分的にのみ依存している。たとえば、切断パターンの数が非常に多い場合、たとえば、500個を超える場合、配置は、切断片の最大数が材料ウェブの最小の長さに配置されるように選択される。このようにして、ウェブセクションあたりの切断片の密度が最大である場合、必要な最大数の切断片に対して、比較的少数の過剰な切断片をウェブ上に配置することができる。この少数は、それでも代替の配置よりも低い材料要件を表す。第2の配置変形では、切断パターンに必要なこの特定の切断片の数に従って単一種類の切断片が配置され、必要スペースが計算される。
【0045】
代替の実施形態では、所定の数の切断パターンに必要なこの特定の切断片の数に従って単一種類の切断片が配置され、この配置について必要スペースが計算される。
【0046】
あるいは、単一種類の切断片がいくつかの異なる切断パターンに含まれている場合、それらに必要な数に応じて切断片を配置し、この配置に必要なスペースが計算される。
【0047】
代替的にまたは追加的に、切断片は、材料ウェブの最小長さ(材料ウェブの所与の幅について)に対して最大数、すなわち最大密度で配置される。この場合、材料ウェブの所定のサブセクションに最大数の切断片が配置され、このサブセクションに関してこの切断片の最大密度が達成される。この配置に対して必要スペースが決定される。計算の次のステップでは、このセクションに対して切断片のサブセット、たとえば2つまたは3つの切断パターンの切断片が選択され、計算が繰り返される。必要に応じて、この計算ステップが異なるサブセットに対して繰り返され、最終的に最小の必要スペースを有する配置変形が選択される。これらのサブセクションは、材料ウェブの繰り返しセクションの一部となり得る。したがって、単一種類の配置または最大数の切断片または切断片のサブセットが最小の可能な領域に配置される。この配置は、材料ウェブの繰り返し長方形セクションで行われ得る。
【0048】
このようにして、単一種類の切断片をグループ内で非常に柔軟に配置でき、必要な材料が少ないレイアウトの別形が計算および選択され得る。
【0049】
好ましい実施形態では、材料ウェブのセクションにおける切断片の必要スペースは、配置変形としての異なる切断片のサブセットに基づいて計算される。切断片のサブセットまたはサブグループは、少なくとも1つの切断パターンに必要なすべての切断片のサブセットである。サブセットは、1つおよび/または複数の切断パターンの少なくとも2つの異なる切断片を含む。このようにして、特定の切断片を一緒に配置することができ、材料を必要としない配置変形を計算して選択することができる。
【0050】
好ましい実施形態では、サブセットとして、切断片の面積および/または切断片の形状に基づいて異なる切断片の選択が行われる。したがって、同じサイズおよび/または形状の切断片が入れ子状に配置され得る。さらに、組み合わせが省スペースの配置を可能にする場合、異なる切断片を組み合わせて配置することができる。たとえば、第1の切断片の切り抜きまたは穴に第2の切断片が配置され得る。
【0051】
好ましい実施形態では、材料ウェブ上の必要スペースは、配置変形として、少なくとも1つの切断パターンのすべての切断片に基づいて計算され得る。このように、スペースを節約するために切断パターンの切断片がセクションに配置され得る。
【0052】
異なる配置変形、および、特に材料ウェブのセクションにおける必要スペースの計算の結果により、どの配置変形が規定または決定されるかが決定される。特に、単一種類の切断片および/または切断片のサブセットでの配置は、材料の浪費を最小限に抑えることができ、したがって材料の節約を達成できる場合に有利である。
【0053】
好ましい実施形態では、材料の廃棄物が所定の閾値に達するか、計算時間が所定の閾値を超えるとすぐに、配置変形が選択される。この閾値は、プロセスのパラメータとして入力することができ、特に、材料ウェブの繰り返しセクションにおける切断片および/または切断パターンの配置の終了条件として機能する。所定の閾値は、たとえば、最終的な最適化値であるので、配置変形の選択は有限時間で行われる、すなわち、配置アルゴリズムは、最適に達したときに終了条件を有する。たとえば、第1の特定の配置変形のために配置されるべきすべての切断片の面積が計算される。この第1の値は、材料ウェブのセクションの面積から差し引かれて、第1の材料無駄値が得られる。次に、第2の特定の配置変形のために配置されるべきすべての切断片の面積が計算される。この第2の値もセクションの面積から差し引かれ、第2の材料無駄値が得られる。そして、第1の材料無駄値が第2の材料無駄値から減算されて、材料無駄差分値が取得される。この材料無駄差分値は、所定の閾値と比較される。比較結果が、材料無駄差分値が所定の閾値以下であることを示す場合、切断片および/または切断パターンを配置する方法は終了する。
【0054】
好ましくは、切断片間の安全距離値が定義され、プロセスにおいて考慮される。切断片間の安全距離は非常に小さく、たとえば2ミリメートル未満にすることができる。安全距離を省略することもでき、つまり、0ミリメートルに等しいため、隣接する切断片が切断端を共有する。理想的には、切断中に使用される材料の量は、切断片の計算に含まれる。
【0055】
好ましい実施形態では、セクションは、プロセスの入力パラメータとして設定される所定の長さを有する。したがって、切断片および/または切断パターンを配置するために利用可能な材料ウェブの領域が制限および定義され得る。
【0056】
好ましい実施形態では、切断されるいくつかの少なくとも1つの切断パターンが指定される。代替的または追加的に、異なる切断パターンの切断のために、異なる切断パターンのそれぞれに番号を指定することができる。
【0057】
たとえば、第1の切断パターンは、第1の車種の第1のエアバッグを表す。第2の切断パターンは、第1の車種または第2の車種の第2のエアバッグを表す。エアバッグは、運転席/助手席および/またはサイドエアバッグであり得る。本発明によれば、これらの切断パターンは、材料ウェブ上に個々に入れ子に配置することができる。代替的にまたは追加的に、切断パターンを組み合わせて配置することもできる。
【0058】
好ましい実施形態では、切断片を1つのセクションに配置するために、切断片の少なくとも1つが別の切断片に対してシフトおよび/または回転される。このようにして、個々の切断片の入れ子が単純化される。
【0059】
この目的は、無限材料ウェブのセクションに切断片を配置するためのコンピュータプログラム製品によっても解決され、上記の方法のいずれかで方法の実行をサポートするプログラム部分をプログラムメモリから検索することができる。材料ウェブは単層にすることができる。あるいは、いくつかの無限材料ウェブ、たとえば2~10の材料ウェブ、好ましくは5つの材料ウェブを、互いの上に置くことができる。これにより、切断プロセスの効率が向上する。
【0060】
この目的は、上記の例の1つによる方法を実行するように構成された制御システムを備えた無限単層材料ウェブから切断片を切断するための装置によっても解決される。したがって、単層の無限材料ウェブを使用して、切断片を切断する。したがって、切断は個々の重ねられた材料ウェブではなく、単層の無限材料ウェブで行われる。これにより、たとえば、セクションの最初と最後において安全領域を節約することができる。
【0061】
切断工具は、レーザ切断のためのレーザ切断装置であってもよい。このレーザ切断は、レーザビーム切断とも呼ばれ、材料の溶発を用いて、連続またはパルスのレーザ放射によって材料ウェブを切断することができる。布、紙、段ボール、金属など、ほとんどすべての材料をこのレーザ光線で切断できる。波長、平均パワー、パルスエネルギー、パルス持続時間などのレーザビームのパラメータは、用途に適合させる必要がある。微視的な溶発メカニズムおよび熱効果は、本質的にパルス持続時間および放射照度によって決定される。ここではレーザ切断を使用して、非常に複雑な輪郭のある切断パターンの切断片を正確かつ迅速に、通常は毎分最大30メートル、時には毎分300メートル(リモート切断では5m/秒)で切断する。レーザ切断は非接触でほとんど力がかからない。使用されるレーザ切断装置は、通常、集束された高出力レーザであり、ほとんどがガスレーザとしてのCO2レーザ、または固体レーザとしてのネオジムYAG(Nd-YAG)レーザと、簡単に集束できるファイバレーザである。
【0062】
本発明によれば、切断片および/または切断パターンを配置するために材料ウェブの真っ直ぐな終端は使用されないので、少なくとも1つの切断片および/または切断パターンは、繰り返し長方形セクションに部分的にのみ配置できる。このようにして、切断パターンが入れ子にされて配置され得る。したがって、切断パターンは、第1のセクションで開始され、第1のセクションに続く第2のセクションで終了し得る。セクションの繰り返しは、すぐに、または代替の配置変形のセクションの特定のシーケンスの後でのみ行うことができる。
【0063】
この方法では、最小の必要スペースを計算するために、最適化された材料の長さだけでなく、さまざまな配置変形に対してさまざまな計算方法が使用される。個々の特定の配置変形の必要スペースが計算される。計算に基づいて、材料無駄が最も少ない特定の配置変形が選択される。このようにして、材料ウェブの潜在的な数パーセントの節約が可能である。
【0064】
本発明によれば、切断は、無限材料ウェブ上で実行され、切断パターンの切断片は、材料を節約する方法で配置される。エアバッグの場合、完全な切断パターンは、非常に異なる形状のいくつかの異なる切断片で構成される。
【0065】
長方形の無限材料ウェブからさまざまな切断片を切り出す場合、個々のセクションを直接隣り合わせに配置できるため、材料ウェブの最初と最後に数センチの安全領域がもはや不要になる。材料ウェブの長さが8メートルの場合、これは1.25%の材料を節約できることを意味する。
【0066】
少なくとも1つの切断パターンの切断片を、たとえば単一種類の切断片もしくはサブセットまたは完全な切断パターンに配置する場合(つまり、少なくとも1つの切断パターンのすべての異なる切断片を使用する場合)、単一種類の切断片または切断片のサブセットを、賢い回転や材料ウェブのシフトなどにより、はるかに省スペースで入れ子にできる場合があるので、本発明によれば、かなりの材料節約を達成することができる。
【0067】
本発明の利点は、材料ウェブの搬送方向に対して横方向に入れ子配置の直線部分の終端が必要ないという事実に基づいているが、曲げられた、すなわち非直線部分の終端も使用できる。したがって、切断片および/または切断パターンのその後の配置の始まりは、前の入れ子配置の間隙に配置することができる。従来の方法は常に直線部分の終端を必要とするため、このような切断プロセスの従来の入れ子方法では、この入れ子は不可能である。したがって、セクションに部分的に配置された切断片のみを完成させることはできず、材料無駄のために切断プロセスがより高価になる。本発明によれば、第1のセクションで始まり、第2のセクション、すなわち第1のセクションの最初の繰り返しで終わるように、セクションにわたって切断片または切断パターンを配置することもできる。
【0068】
このようにして、切断する材料の数パーセントを節約できる。エアバッグ製造の分野では、材料を1%節約することで、ユニット数が非常に多い車両の年間コストを大幅に節約できる。
【0069】
本発明によれば、この技術は、材料のロールから繰り返し切断パターンが作成されるすべてのプロセスにおいて使用され得る。配置は、異なる配置変形の計算に基づいており、単一種類の配置に加えて、切断パターンの異なる切断片のサブセットの組み合わせが計算され、考慮される。
【0070】
以下において、本発明または本発明のさらなる実施形態および利点は、図によってより詳細に説明され、図は、単に本発明の実施形態を説明する。図中の同一の構成要素には、同一の参照符号が付されている。図は実物大であるとは見なされない。つまり、図の個々の要素は、誇張して大きく、または簡略化した形で表わされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】エアバッグ用の切断片を備えた切断パターンの例である。
図2】必要なすべての切断片を使用する、図1による同一の切断パターンのグループの配置変形である。
図3】本発明による必要な切断片のサブセットを使用する、図1による同一の切断パターンのグループの代替の配置変形である。
図4a】本発明による切断片の1つを使用する、図1による同一の切断パターンのグループの単一種類の配置変形を示す。
図4b】本発明による切断片の1つを使用する、図1による同一の切断パターンのグループの単一種類の配置変形を示す。
図4c】本発明による切断片の1つを使用する、図1による同一の切断パターンのグループの単一種類の配置変形を示す。
図5】第1の配置変形のエアバッグ用の切断片を備えた切断パターンの代替例である。
図6a】本発明による切断片の1つを使用する同じ切断パターンのグループに対する単一種類の配置変形を示す図である。
図6b】本発明による切断片の1つを使用する同じ切断パターンのグループに対する単一種類の配置変形を示す図である。
図6c】本発明による切断片の1つを使用する同じ切断パターンのグループに対する単一種類の配置変形を示す図である。
図6d】本発明による切断片の1つを使用する同じ切断パターンのグループに対する単一種類の配置変形を示す図である。
図7】本発明による必要な切断片のサブセットを使用する同じ切断パターンのグループの代替の配置変形である。
図8】本発明による方法のフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1にエアバッグの切断パターン7を示す。切断パターン7は、切断片2、切断片4、切断片6がそれぞれ2回ずつ存在する合計9個の切断片1~6からなる。これら9個の切断片1~6は、たとえば自動車用エアバッグの切断パターン7を形成する。切断片1~6の形状やサイズは大きく異なる。
【0073】
切断パターン7のこれら9つの切断片1~6を、最少量の材料無駄で材料ウェブ19上に省スペースに配置してそれらを切断するために、本発明による方法が使用される。
【0074】
本発明によれば、切断パターン7の異なる配置変形および/または同じ切断パターン7の少なくとも1つのグループ8、8‘の切断片1~6、または異なる切断パターンもシミュレーション、すなわち計算される。
【0075】
切断パターン7の個々の切断片1~6は、たとえば、(図4a~4cに示すように)単一種類の方法で配置され、それぞれの切断片に必要なスペースが決定される。
【0076】
さらなる配置の変形例では、切断パターン7の個々の切断片1~6は、たとえば(図3でより詳細に説明されるように)サブセットで配置され、それぞれの切断片1~6に必要なスペースが決定される。サブセットごとの1~6個の切断片は、サイズまたは形状に応じて選択される。サブセットごとの異なる切断片1~6の数、および切断片1~6自体の数は制限されない。
【0077】
最後に、(たとえば図2に示すように)切断パターン7のすべての異なる切断片1~6を配置して、セクション9のすべての異なる切断片1~6または切断パターン7のグループ8、8‘を有するそれぞれの切断パターン7に必要なスペースが決定され得る。
【0078】
各々の配置変形について、必要スペースおよび材料無駄が計算され、最終的に、最小の材料無駄が計算された配置変形が選択される。この目的のために、さまざまな入力パラメータをプロセスに指定でき、たとえば、切断する切断パターンの最大数または切断長、または達成する必要のある材料無駄を最小限にできる。
【0079】
図2には、図1に示される切断パターン7の9つの切断片1~6の第1の特定の配置変形が例示的に示されている。図1の同じ切断パターン7は、図2では合計5回配置されているので、図2では、5つの同一の切断パターン7のグループ8が示されている。図2の配置変形では、5つの切断パターン7、ここでは5つのエアバッグを材料ウェブ19から切断できる。図2には、45個の切断片1~6が示され、配置されている。
【0080】
5つの切断パターン7のグループ8のすべての切断片1~6は、幅2335ミリメートル、長さ6593ミリメートルの長方形セクション9に配置され、この例示的な配置では、横側(つまり、材料ウェブを横切る側面の長さ19)あたり30ミリメートルの安全距離が含まれている、つまり、60ミリメートルの合計安全距離を追加する必要がある。図2によるこの配置変形はまた、材料ウェブ19のいくつかの層を用いた切断プロセスおよび切断工具による従来の同時切断に使用することができる。図2によるこの配置の変形では、5つの切断パターン7のグループ8に対して材料ウェブの長さが6593ミリである必要があるため、各切断パターンにつき1318.6ミリメートル(6593ミリメートルを5で割った長さ)が必要である。
【0081】
本発明によれば、材料無駄を最小限にするために、切断パターン7あたりの必要スペースがさらに低減される。この目的のために、さまざまな配置変形に対して、必要なスペースが最初に計算される。
【0082】
図3には、たとえば、図1の切断片1~6を有する切断パターン7のさらなる配置変形が示されている。図3には、無限材料ウェブ19上の2つの連続するセクション9、9‘が示されている。これらのセクション9、9‘は長方形であり、それらの幅は材料ウェブ19の幅と同一である。材料ウェブ19は、たとえばロール材料として入手可能である。
【0083】
図3のセクション9では、図1の切断パターン7のすべての切断片1~6のサブセットのみが配置されている。ここで、切断片1、4、6は、同じ切断パターン7のすべての切断片1~6のサブセットとして配置されたものである。したがって、切断パターン7は、セクション9に部分的にのみ含まれている。図1による切断パターン7の切断片1、4および6からなるこのサブセットは、3043ミリメートルの材料ウェブ長さを必要とする。必要スペースは、2つの切断片1の間に切断片4および6をうまく配置することで削減できる。したがって、必要スペースを計算すると、切断パターン7の各サブセットメニューに必要な材料のウェブ長は609ミリメートル(3043ミリメートルを5で割った値)になる。
【0084】
本発明によれば、無限単層材料ウェブ19から多数の切断パターン7が切断されることになる。したがって、5つを超える切断パターン7を材料ウェブ19に配置する場合、最初の5つの切断パターン7におけるグループ8の大面積の切断片1は、必要スペースをさらに削減するために、さらに5つの切断7パターンで構成される次のグループ8‘に入れ子にされる。さらに、切断パターン7の次のグループ8‘から5つの切断片6‘がセクション9にすでに配置されている。さらに、無限材料ウェブ19により、図2で使用されるセクション9と9‘との間の安全距離を省略することができる。材料ウェブ19は、複数の層を有することができる。
【0085】
図4a~図4cでは、5つの同一の切断パターン7からのグループ8の残りの切断片5、3および2が、図1による特定の配置変形に配置され、それらの必要スペースが決定される。
【0086】
たとえば、切断片5については、図1の切断パターン7の切断片5が図4aに従って単一種類の方法で配置される配置変形が選択される。個々の切断片5は、それらの必要スペースが最小化されるように、材料ウェブ上で最初にシフトおよび/または回転される。図4aによれば、第1のグループ8の24個の切断片5が、2197ミリメートルの長さに配置される。この配置変形では、必要スペースを計算すると、切断片5ごとに必要な長さはわずか91.54ミリメートル(2197ミリメートルを24で割った値)になる。
【0087】
無限単層材料ウェブ19から切断される切断パターン7が多数あるため、図4aに示されるように、材料ウェブ19上には5つを超える切断パターン7も配置され、その結果、最初の24個の切断パターン7のグループ8からの切断片5は、次の切断パターン7で構成される次のグループ8‘に入れ子にされる。さらに、無限単層材料ウェブ19により、図2で使用されている個々のセクション間の安全距離(ここでは明示的に示されていない)が省略され得る。
【0088】
さらに、たとえば、切断片3の場合、図1の切断パターン7の切断片3が図4bに従って単一種類の方法で配置される配置変形も選択される。個々の切断片3は、それらの必要スペースが最小化されるように、材料ウェブ19上で最初にシフトおよび/または回転される。図4bによれば、第1のグループ8の24個の切断片3が3395ミリメートルの長さに配置される。この配置変形では、必要スペースの計算の結果、切断片3あたりに必要な長さは141.46ミリメートル(3395ミリメートルを数24で割ったもの)のみである。
【0089】
無限単層材料ウェブ19から切断される切断パターン7が多数あるため、図4bに示されるように、材料ウェブ19上には5つを超える切断パターン7も配置され、最初の24個の切断パターン7のグループ8からの切断片3が、次の切断パターン7からなる次のグループ8‘に入れ子にされる。切断片2は、セクション全体にわたって配置される。したがって、第1のセクション9では、合計3つの切断片3の第1部分10が配置され、後続の第2のセクション9‘(完全に図示せず)では、3つの切断片3の対応する第2部分11が配置される。加えて、無限単層材料ウェブ19により、図2で使用される個々のセクション間の安全距離(ここでは明示的に示されていない)が省略され得る。
【0090】
加えて、たとえば、切断片2の場合、図1の切断パターン7の切断片2が図4cに従って単一種類で配置される配置変形も選択される。個々の切断片2は、最初に、それらの必要スペースが最小化されるように材料ウェブ19上でシフトおよび/または回転される。図4cによれば、第1のグループ8の8個の切断片2が、1440ミリメートルの長さに配置される。この配置では、必要スペースを計算すると、各切断片2に180ミリメートル(1440ミリメートルを8の数で割った値)の長さが必要になる。切断パターン7では、切断片2が2回必要になるため、単一種類の配置では切断片2の必要スペースが2倍の360ミリメートルになる。
【0091】
無限単層材料ウェブ19から切断される切断パターン7が多数あるため、図4cに示されるように、材料ウェブ19上には5つを超える切断パターン7も配置され、最初の8つの切断パターン7のグループ8からの切断片2が、次の切断パターン7からなる次のグループ8‘に入れ子にされる。この場合、切断片2はセクション全体にわたって配置される。したがって、第1のセクション9では、合計4つの切断片2の第1部分10が配置され、続く第2のセクション9‘では、4つの切断片2の対応する第2部分11が配置される。無限単層材料ウェブ19により、図2で使用される個々のセクション9と9‘との間の安全距離も省略できる。
【0092】
計算ステップでは、図3図4a~図4cによる配置変形の切断パターン7を切り出すために、図1の切断パターン7ごとの合計必要スペースが決定される。切断パターン7は、その切断片1~6が図3図4a~図4cに従って配置される場合、1202ミリメートルの全長を必要とする。この全長は、個々の切断片の必要スペースの合計に対応する。つまり、切断片1、4、6のサブセットは609ミリメートルであり、切断片2は360ミリメートル(ダブル)であり、切断片3は141.46ミリメートルであり、切断片5は91.54ミリメートルである。
【0093】
図1の切断パターン7が図3図4a~図4cに従って配置される場合、図2の配置変形による切断パターン7あたり必要な1318.6ミリメートルが、図3図4a~図4cの配置変形による切断パターン7あたり1202ミリメートルに低減されるので、8%の材料節約が可能である。
【0094】
9個の切断片1~6からなる1つの切断パターン7の切断時間は、7.2秒である。この切断時間は次のように構成されている。
【0095】
図3による材料ウェブ19のセクション9の切断パターン7のサブセットの配置変形は、毎分10.3メートルの材料ウェブを切断することができるので、18秒で切断される。したがって、切断片1、4(ダブル)および6(ダブル)のサブセットごとに、3.6秒の切断時間が必要である(18秒を5で割った値)。
【0096】
図4aによる材料ウェブ19のセクション9における切断パターン7の切断片5の配置変形は、毎分合計7.3メートルの材料ウェブを切断することができるので、18秒で切断される。したがって、切断片5あたり0.75秒の切断時間が必要である(18秒を24で割った値)。
【0097】
図4bによる材料ウェブ19のセクション9における切断パターン7の切断片3の配置変形は、毎分合計8.1メートルの材料ウェブを切断することができるので、25秒で切断される。したがって、切断片3あたり1.04秒の切断時間が必要である(25秒を24で割った値)。
【0098】
図4cによる材料ウェブ19のセクション9における切断パターン7の切断片2の配置変形は、毎分合計14メートルの材料ウェブを切断することができるので、6.2秒で切断される。したがって、切断片2ごとに0.8秒の切断時間が必要である(6.2秒を8で割った値)。図1に示すように、切断パターン7では2つの切断片2が必要であるため、切断片2の切断時間は2倍の1.6秒になる。
【0099】
最後に、以前の計算に基づいて、切断パターン7の特定の配置変形が選択され、決定される。そして、この配置変形は、切断される多数の切断パターン7に使用され、切断プロセスの基礎を形成する。切断片1~6は、無限単層材料ウェブ19の長方形の繰り返しセクション9に配置され、少なくとも1つの切断片1~6または少なくとも1つの切断パターン7は、セクション9に部分的に(のみ)含まれる。
【0100】
図5図7には、図1に代わる切断パターンの配置変形が示されている。図5に示す切削パターンは、7つの異なる切断片12~18により形成されている。
【0101】
この場合、図5の切断パターンの個々の切断片12~18は、たとえば、種類(図6a~図6dに示されるように)に従って配置され、スペースは、それぞれの切断片に対して個別に決定され得る。
【0102】
さらなる配置変形では、切断パターンの個々の切断片12~18は、たとえば、(図7でより詳細に説明されるように)サブセットに配置され、切断片12~18のそれぞれのサブセットに必要とされるスペースが決定される。サブセットごとの切断片12~18は、サイズまたは形状に応じて選択される。サブセットごとの異なる切断片12~18の数も、切断片12~18自体の数も制限されない。
【0103】
最後に、(たとえば、図5に示すように)切断パターンのすべての異なる切断片12~18を配置して、すべての切断片12~18または同じ切断パターンのグループ8を含む切断パターン全体に必要なスペースが決定され得る。
【0104】
各々の配置変形について、必要スペースと材料無駄とが計算され、次いで、最小材料無駄が計算された配置変形が選択される。この目的のために、たとえば、切断する切断パターンの最大数やセクション長、または達成すべき最小の材料無駄など、さまざまな入力パラメータがプロセス用に指定され得る。
【0105】
図5には、8つの同一の切断パターンのグループ8に対する7つの異なる切断片12~18の従来の配置が一例として示されている。図5の配置変形では、8つの切断パターン、ここでは8つのエアバッグを材料ウェブ19から切断できる。図5では、合計56個の切断片12~18が示され、配置されている。例示の目的で、3つの異なる切断片12~18が文字a~cで示されている。
【0106】
切断パターンのグループ8のすべての切断片12~18が、6800ミリメートルの長さに配置される。この例示的な配置では、横側(すなわち、材料ウェブ19を横切る側の長さ)あたり30ミリメートルの安全距離が考慮されなければならず、その結果、60ミリメートルの合計安全距離が含まれる。図5によるこの配置変形は、材料ウェブ19のいくつかの層を用いた切断プロセスおよび切断工具による従来の同時切断にも使用することができる。図5によるこの配置変形は、8つの切断パターンのグループ8に対して6860ミリメートルの材料ウェブの長さを必要とするので、各切断パターンに対して857.5ミリメートル(6860ミリメートルを数8で割った長さ)が必要である。
【0107】
本発明によれば、材料無駄を最小限にするために、切断パターンごとのこの必要スペースがさらに低減される。この目的のために、他のさまざまな配置変形に対して必要スペースが計算される。
【0108】
図6a~図6dでは、同じ切断パターンのグループ8の切断片12、13、14および18が種類に従って配置されている。
【0109】
たとえば、切断片12の場合、図6aに従って切断片12が配置される配置変形が選択される。個々の切断片12は、最初に、それらの必要スペースが最小化されるように材料ウェブ上でシフトおよび/または回転される。図6aによれば、同じ切断パターンのグループにおける28個の切断片12が、798ミリメートルの長さに配置される。この配置変形では、必要スペースの計算により、各切断片12に必要な長さは29ミリメートル(798ミリメートルを数28で割ったもの)だけになる。
【0110】
無限の材料ウェブ19から切断される多数の切断パターンにより、図6aに示されるように、より多くの切断パターンが材料ウェブ19上に配置され、その結果、切断パターンのグループ8の28個の切断片12が、追加の切断パターンまたは追加の切断片12からなる次のグループ8‘のすぐ隣に入れ子にされる。さらに、無限の材料ウェブ19により、図5で使用されている個々のセクション間の安全距離(ここでは明示的に示されていない)を省略することができる。
【0111】
切断片は、材料ウェブ19の繰り返しセクション9に最小長さかつ最大密度で配置され得る。このセクション9に配置される切断片の数は、指定された数の切断パターンに対して配置される切断片の最大数より少なくてもかまわない。
【0112】
さらに、たとえば、切断片13が図6bに従って配置される切断片13の配置変形も選択される。この場合、個々の切断片13は、それらの必要スペースが最小化されるように、材料ウェブ19上で最初にシフトおよび/または回転される。図6bでは、切断片13は、このグループ8の隣接する切断片13に対して180°回転されている。図6bによれば、グループ8の12個の切断片13は、262ミリメートルの長さにわたって収容される。この配置変形では、必要スペースの計算により、切断片13あたり22ミリメートル(262ミリメートルを数12で割ったもの)の長さのみが必要となる。
【0113】
無限単層材料ウェブ19から切断される切断パターンが多数あるため、図6bに示されるように、材料ウェブ19上にはより多くの切断パターンが配置され、最初の12個の切断パターンのグループ8の切断片13は、次の切断パターンまたは切断片13からなる次のグループ8‘のすぐ隣に入れ子にされる。さらに、図5で使用されている個々のセクション間の安全距離(ここでは明示されていない)は、無限単層材料ウェブ19では省略できる。
【0114】
加えて、たとえば、図6cに従って切断片14が配置される切断片14の配置変形も選択される。個々の切断片14は、それらの必要スペースが最小化されるように、材料ウェブ19上で最初にシフトおよび/または回転される。図6cによれば、グループ8の9つの切断片14が、268ミリメートルの長さに配置される。この配置変形では、必要スペースの計算により、切断片14ごとに30ミリメートル(268ミリメートルを9の数で割った長さ)の長さのみが必要になる。
【0115】
無限単層材料ウェブ19から切断される切断パターンが多数あるため、図6cに示されるように、材料ウェブ19上にはより多くの切断パターンを配置することができ、最初の9つの切断パターンのグループ8からの切断片14は、さらなる切断パターンまたは切断片13からなる次のフォルダ8‘のすぐ隣に入れ子にされている。さらに、図5で使用されている個々のセクション間の安全距離(ここでは明示されていない)は、無限単層材料ウェブ19では省略できる。
【0116】
加えて、たとえば、切断片18に対して、切断片18が図6dに従って配置される配置変形も選択される。個々の切断片18は、それらの必要スペースが最小化されるように、材料ウェブ19上で最初にシフトおよび/または回転される。図6dによれば、グループ8の4つの切断片18が1927ミリメートルの長さに配置される。この配置変形では、必要スペースの計算により、切断片18あたり必要な長さは482ミリメートル(1927ミリメートルを数4で割ったもの)だけになる。
【0117】
無限単層材料ウェブ19から切断される切断パターンが多数あるため、図6dに示されるように、材料ウェブ19上により多くの切断パターンを配置することができ、そのため、最初の4つの切断パターンのグループ8の切断片18は、さらなる切断パターンまたは切断片18で構成される後続のグループ8‘に入れ子にされる。さらに、無限単層材料ウェブ19により、図5で使用されている個々のセクション間の安全距離(ここでは明示的に示されていない)を省略することができる。
【0118】
図7は、切断パターンの異なる切断片12~18のサブセットのみを有する切断パターンのさらなる配置変形を示す。図7では、同じ切断パターンのすべての異なる切断片12~18からの切断片15、16および17からなるサブセットのみが配置されている。切断片15、16、17からなるこのサブセットの6つには、1670ミリメートルの材料ウェブ長さが必要である。したがって、必要スペースを計算すると、切断パターンのサブセットごとに、材料のウェブ長さが278ミリメートル(1670ミリメートルを6で割った値)になる。
【0119】
本発明によれば、無限単層材料ウェブ19から多数の切断パターンが切断されることになる。したがって、材料ウェブ19に5つ以上の切断パターン7を配置する場合、最初の6つの切断パターンのグループ8における大面積の切断片1は、必要スペースをさらに削減するために、さらに5つの切断パターン7で構成される次のグループ8‘に入れ子にされる。さらに、図5で使用されているセクション9と9‘との間の安全距離は、無限単層材料ウェブ19では省略できる。
【0120】
計算ステップでは、切断パターンを切断するために必要なスペースを削減するために、切断パターンごとの総必要スペースが、図6a~6dおよび図7の配置変形から決定される。切断パターン12~18が図6a~6dおよび図7に従って配置されている場合、切断パターンの全長は841ミリメートルである。この全長は、個々の切断片の必要スペースの合計に対応する。すなわち、切断片15、16、17のサブセットは278ミリメートル、切断片12は29ミリメートル、切断片13のは22ミリメートル、切断片14は30ミリメートル、切断片18は482ミリメートルである。
【0121】
切断パターンが図5による配置の代わりに図6a~図6dおよび図7の配置により配置されている場合、2%の材料節約が可能になる(図6a~図6dおよび図7の配置変形による切断パターン当たり841ミリメートルと比較して、図5の配置変形による切断パターン当たり857.5ミリメートル)。
【0122】
切断パターンの1つの切断時間は、2つのレーザ切断スキャナの場合は6.6秒、1つのレーザ切断スキャナの場合は13秒である。
【0123】
最後に、以前の計算に基づいて、切断パターンの特定の配置変形が選択され、決定される。次いで、この配置変形は、切断される多数の切断パターンに使用され、切断プロセスの基礎を形成する。切断片12~18は、無限単層材料ウェブ19の長方形の繰り返しセクション9に配置され、少なくとも1つの切断片12~18または少なくとも1つの切断パターンが、セクション9に部分的に(のみ)含まれる。
【0124】
材料の削減を達成するべく、図5に示される切断パターンは、材料を節約する配置変形を決定するために、本発明による方法を使用して最適化される。
【0125】
図8は、本発明による方法100のフローチャートの例を示す。任意選択の方法ステップ101では、たとえばセクション9の長さ、または切断される切断パターンの数など、方法のパラメータ入力が行われる。特に、配置する切断パターンの数、切断パターンごとの切断片の数などを指定できる。ステップ102において、材料ウェブ上に少なくとも1つの切断パターンの切断片の配置が行われる。ステップ103において、システムは、ステップ102で配置された配置変形に必要なスペースを計算する。配置変形の必要スペースが計算されている場合、計算された必要スペースまたは結果として生じる材料無駄は、次の任意選択のステップ104において閾値Xと比較される。材料無駄が指定された閾値Xよりも大きい場合(比較ステップ104で「いいえ」)、ステップ102において別の配置変形が配置され、ステップ103においてこの別形の必要スペースが再度計算され、比較ステップ104が再び実行される。材料無駄が閾値Xを下回るとすぐに(比較ステップ104で「はい」)、ステップ105において配置が規定される。この規定された配置は、次いで、プログラムメモリに保存され得る。ステップ106において、材料ウェブは、規定された配置変形に従って切断される。
【0126】
本発明の範囲内で、すべての説明されたおよび/または描かれたおよび/または請求された要素は、任意の方法で互いに組み合わせることができる。
【0127】
特に、最小必要スペースは、いくつかの異なる配置変形に対して計算される。たとえば、切断パターンの切断片が最初に材料ウェブ上に置かれる。この配置は、最小の長さで最大密度の原理に従って実行される。このようにして、切断片の単一種類の配置に必要なスペースを計算できる。この配置は、最大数の単一種類の配置を含む最小の必要スペースを計算するために、最初に各切断片に対して個別に行うことができる。
【0128】
本発明の次のステップでは、切断パターンの第1の切断片を、切断パターンの第2の切断片と組み合わせることができる。この組み合わせの最小必要スペース(以前はサブセットと呼ばれていた)が、組み合わせの最大数に対して計算される。異なる計算において組み合わせ中の異なる切断片の数は変わり得るので、材料ウェブの長さあたりの最小必要スペースは、最初に切断パターンの2つの切断片に対して計算され、次に切断パターンの3つ以上の切断片に対して計算される。
【0129】
このように、さまざまな組み合わせを単一種類の配置と組み合わせて使用して、材料無駄を最小限に抑えた配置変形を作成できる。配置変形は、少なくとも1つの長方形の繰り返しセクションを含み、その中に、切断片が部分的にのみ含まれる。必要な数だけの切断片が配置されるとは限らない。むしろ、必要な数の切断片は、セクションを複数回繰り返すことによって達成される。その後、組み合わせ(サブセット)を計算すると、この組み合わせを繰り返すことにより、必要な数の切断片が最終的に得られる。
【符号の説明】
【0130】
1~6 切断片1~6
7 切断パターン
8、8‘ 同一の切断片のグループ
9、9‘ 繰り返しセクション
10 切断片の第1部分
11 切断片の第2部分
12a~c 切断片1
13a~c 切断片2
14a~c 切断片3
15a~c 切断片4
16a~c 切断片5
17a~c 切断片6
18a~c 切断片7
19 材料ウェブ
20 材料無駄用の閾値
101~106 方法のステップ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8