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特許6992199サンプル流体分析システム用のセンサアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】サンプル流体分析システム用のセンサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20220105BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20220105BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G01N35/08 F
B01J19/00 321
B01J19/00 C
G01N37/00 102
G01N35/08 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020573122
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019038170
(87)【国際公開番号】W WO2020005697
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】62/692,075
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・パダック
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/031786(WO,A1)
【文献】特開2016-052253(JP,A)
【文献】特開2006-281550(JP,A)
【文献】特開2009-148735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0031490(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0245793(US,A1)
【文献】米国特許第06082185(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 - 35/10
G01N 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリであって:
上面、上面とは反対側の下面、および第1のセンサ基板の下面に沿って配設された第1の組のセンサを有する第1のセンサ基板と;
上面、上面とは反対側の下面、および第2のセンサ基板の下面に沿って配設された第2の組のセンサを有する第2のセンサ基板と;
上面、垂直方向に沿ってベースの上面とは反対側の下面、前端部、垂直方向に垂直な長手方向に沿って前端部とは反対側の後端部、ベースの上面から延び、第1のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第1の凹部、ベースの上面から延び、第2のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第2の凹部、流体を受けるための第1の流体通路、および第1の流体通路に対して直列でありそこへ開いている第2の流体通路を有するベースと、を含み、
ここで、第1の組のセンサは第1の流体通路に露出され、第2の組のセンサは第2の流体通路に露出され
第1および第2の流体通路は、流体が第1の流体通路を通って第1の流れ方向に流れ、第2の流体通路を通って、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に流れるように長手方向に沿って延び、
第1と第2のセンサ基板は、長手方向に垂直な横方向に沿って離間配置され、
センサアセンブリは、実質的に横方向に沿って第1の流体通路と第2の流体通路との間に延びる移送通路をさらに含み、
ベースの下面は、流体を受けるための入口、および流体を放出するための出口を画成する
前記センサアセンブリ。
【請求項2】
第1の凹部および第2の凹部はそれぞれ、横方向に沿って実質的に位置合わせされる請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
第1と第2のセンサ基板は、実質的に互いに平行に位置する請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
第1の流体通路は、ベースおよび第1のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成され、第2の流体通路は、ベースおよび第2のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成される請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
第1および第2のセンサ基板はそれぞれ、第1および第2の凹部内に接着剤で固定される請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
第1および第2の組のセンサのうちの一方は電位差測定センサであり、第1および第2の組のセンサのうちの他方は別の種類のセンサを含む請求項1に記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
センサアセンブリであって:
上面、上面とは反対側の下面、および第1のセンサ基板の上面に配設された第1の組のセンサを有する第1のセンサ基板と;
上面、上面とは反対側の下面、および第2のセンサ基板の下面に配設された第2の組のセンサを画成する第2のセンサ基板と;
上面、垂直方向に沿ってベースの上面とは反対側の下面、前端部、垂直方向に垂直な長手方向に沿って前端部とは反対側の後端部、ベースの下面から延び、第1のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第1の凹部、ベースの上面から延び、第2のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第2の凹部、流体を受けるための第1の流体通路、および第1の流体通路に対して直列でありそこへ開いている第2の流体通路を画成する本体を有するベースと、を含み、
ここで、第1の組のセンサは第1の流体通路に露出され、第2の組のセンサは第2の流体通路に露出され
流体は、第1の流体通路を通って第1の流れ方向に流れ、第2の流体通路を通って、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に流れ、
センサアセンブリは、第1の流体通路から第2の流体通路に延びる移送通路をさらに含み、移送通路は、実質的に垂直方向に沿って延び、
ベースの上面は、流体を受けるための入口を画成し、ベースの下面は、流体を放出するための出口を画成する
前記センサアセンブリ。
【請求項8】
第1のセンサ基板は、垂直方向に沿って第2のセンサ基板に重なる位置に保持される請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
第1の流体通路は第1の軸に沿って延び、第2の流体通路は、第1の軸からある角度だけオフセットされた第2の軸に沿って延びる請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
角度は約90度である請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項11】
角度は約180度である請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項12】
第1と第2のセンサ基板は、垂直方向に沿って実質的に位置合わせされる請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項13】
第1の流体通路は、ベースおよび第1のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成され、第2の流体通路は、ベースおよび第2のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成される請求項に記載のセンサアセンブリ。
【請求項14】
第1および第2の組のセンサのうちの一方は電位差測定センサを含み、第1および第2の組のセンサのうちの他方は別の種類のセンサを含む請求項に記載のセンサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年6月29日に出願された米国仮特許出願第62/692,075号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものである。上記特許出願の内容全体を参照によって本明細書に明示的に組み入れる。
【0002】
本開示は、サンプル流体分析システム用のセンサアセンブリに関し、詳細には、そのようなセンサアセンブリ用のセンサアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
診断方法は、サンプルを試験して、サンプル特性を測定すること、および/またはサンプル中に存在し得る対象物質を検出することを含むことがある。血液ガス分析の分野では、センサ基板に配設された一組のセンサを使用することができる。しかし、特に新生児から採取されるサンプルの試験に関する特定の試験シナリオでは、採取可能なサンプル流体の量が限られる、または採取の費用が高くなり得るので、必要なサンプル体積が小さい試験プラットフォームが望ましい。さらに、検出される分析物の数が増加してもサンプル流体の体積を増加させる必要がない試験プラットフォームも望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態は、上面、上面とは反対側の下面、および第1のセンサ基板の下面に沿って配設された第1の組のセンサを有する第1のセンサ基板を含むセンサアセンブリである。また、センサアセンブリは、上面、上面とは反対側の下面、および第2のセンサ基板の下面に沿って配設された第2の組のセンサを有する第2のセンサ基板を含む。さらに、センサアセンブリは、上面、垂直方向に沿ってベースの上面とは反対側の下面、前端部、垂直方向に垂直な長手方向に沿って前端部とは反対側の後端部、ベースの上面から延び、第1のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第1の凹部、ベースの上面から延び、第2のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第2の凹部、流体を受けるための第1の流体通路、および第1の流体通路に対して直列でありそこへ開いている第2の流体通路を有するベースを含む。第1の組のセンサは第1の流体通路に露出され、第2の組のセンサは第2の流体通路に露出される。
【0005】
本開示の別の実施形態は、上面、上面とは反対側の下面、および第1のセンサ基板の下面に沿って配設された第1の組のセンサを有する第1のセンサ基板を含むセンサアセンブリである。また、センサアセンブリは、上面、上面とは反対側の下面、および第2のセンサ基板の上面に配設された第2の組のセンサを画成する第2のセンサ基板を含む。さらに、センサアセンブリは、上面、垂直方向に沿ってベースの上面とは反対側の下面、前端部、垂直方向に垂直な長手方向に沿って前端部とは反対側の後端部、ベースの上面から延び、第1のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第1の凹部、ベースの下面から延び、第2のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第2の凹部、流体を受けるための第1の流体通路、および第1の流体通路に対して直列でありそこへ開いている第2の流体通路を画成するベースを含む。第1の組のセンサは第1の流体通路に露出され、第2の組のセンサは第2の流体通路に露出される。
【0006】
上記の概要、および本出願の例示的実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読めばより良く理解されよう。本出願を例示する目的で、本開示の例示的実施形態を図面に示す。しかし、本出願は、図示されている正確な配置や手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態によるセンサアセンブリの斜視図である。
図2図1に示されるセンサアセンブリの第1のセンサ基板および第2のセンサ基板の斜視図である。
図3A図1に示されるセンサアセンブリのベースの平面斜視透過図であり、第1および第2のセンサ基板を連結する流体経路を示す図である。
図3B図3Aに示されるベースの底面斜視透過図である。
図4A】本開示の別の実施形態によるセンサアセンブリの平面斜視図である。
図4B図4Aに示されるセンサアセンブリの底面斜視図である。
図5図4Aに示されるセンサアセンブリの第1のセンサ基板および第2のセンサ基板の斜視図である。
図6A図4Aに示されるセンサアセンブリのベースの平面斜視透過図である。
図6B図6Aに示されるセンサアセンブリの底面斜視透過図である。
図7A】本開示の別の実施形態によるセンサアセンブリの概略側断面図である。
図7B図7Aでの7B-7B線に沿って取られた、図7Aに示されるセンサアセンブリの断面図である。
図8A】本開示の別の実施形態によるセンサアセンブリの平面概略図である。
図8B図8Aに示されるセンサアセンブリの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、特定の専門用語は、センサアセンブリ10、10a、10b、10cを述べるために便宜上使用されるに過ぎず、限定するものではない。「右」、「左」、「下側」、および「上側」という語は、参照先の図面における方向を示している。「内側」および「外側」という語は、センサアセンブリ10、10a、10b、10c、およびそれらの関連部材を述べる記述における幾何学的中心に向かう方向および幾何学的中心から離れる方向をそれぞれ意味する。「前方」および「後方」という語は、センサアセンブリ10、10a、10b、10c、およびそれらの関連部材に沿った長手方向2の方向、および長手方向2とは反対の方向を表す。上記専門用語は、上に列挙した語、それらの派生語、および類義語を含む。
【0009】
本明細書に特に明記されていない限り、「長手」、「横」、および「垂直」という用語は、長手方向2、横方向3、および垂直方向4として表される、10、10a、10b、10cの様々な構成要素の直交方向成分を述べるために使用される。長手および横方向2、3は水平面に沿って延びているものとして示され、垂直方向4は垂直面に沿って延びているものとして示されているが、様々な方向を包含する平面は使用中に変わることがあることを理解されたい。
【0010】
図1図3Bは、サンプル流体分析システムにサンプル流体を受けて試験するためのセンサアセンブリ10の第1の実施形態を示す。図1は、完全に組み立てられた構成でのセンサアセンブリ10の斜視図を示す。センサアセンブリ10は、第1のセンサ基板70と、第2のセンサ基板80と、第1および第2のセンサ基板70、80を受けるように構成されたベース20とを含む。ベース20は、以下でさらに述べるように、サンプル流体を受けるための複数の流体経路を画成することがある。
【0011】
図1および図3A図3Bを参照すると、ベース20は、センサ基板を互いに対してオフセット構成で保持するように構成されている。当業者に知られているように、ベース20は、サンプル流体の様々な様相を試験、分析、および表示するためのサンプル分析システム(図示せず)に組み込まれるように構成される。図示されているように、ベース20は、上面20a、垂直方向4に沿って上面20aとは反対側の下面20b、前端部20c、長手方向2に沿って前端部20cとは反対側の後端部20d、第1の側面20e、および横方向3に沿って第1の側面20eとは反対側の第2の側面20fを有する。例示される実施形態では、ベース20は、前向きの頂点を有する前端部20cを有する実質的に直方体の形状をした本体を画成する。しかし、ベース20は、望むように他の形状を画成することもできる。例えば、ベース20は、方形、矩形、楕円形でよく、またはサンプル分析システムでの配置および使用を容易にする任意の他の形状を有することができる。
【0012】
ベース20は、センサ基板70および80を保持するための複数の凹部を含むことがある。例示される実施形態によれば、ベース20は、上面20aからベース20内に延び、下面20bの手前の第1の内側表面23aで終端する第1の凹部22aを含む。第1の凹部22aは、第1のセンサ基板70を少なくとも部分的に受けるように構成される。また、ベース20は、上面20aからベース20内に延び、下面20bの手前の第2の内側表面23bで終端する第2の凹部22bを含む。第2の凹部22bは、第2のセンサ基板80を少なくとも部分的に(または完全に)受けることができる。図示される実施形態では、第1と第2の凹部22a、22bは、横方向3に沿って離間配置されている。また、第1と第2の凹部22a、22bは、横方向3に沿って実質的に位置合わせされる。しかし、他の実施形態では、第1および第2の凹部22a、22bのいずれかは、ベース20の上面20aに沿った別の場所に位置することができる。第1および第2の凹部22a、22bはそれぞれ、実質的に矩形状で示されているが、これは、第1および第2の凹部22a、22b内に配設される特定のセンサ基板の形状に応じて変わることがある。第1および第2の凹部22a、22bはそれぞれ、第1および第2のセンサ基板70、80がそれぞれ第1および第2の凹部22a、22b内に完全に配設されたとき、それぞれ第1および第2のセンサ基板70、80の上面がベース20の上面20aと位置合わせされるようにサイズ設定することができる。代替として、第1および第2の凹部22a、22bは、第1および第2の基板70、80が、それぞれ第1および第2の凹部22a、22b内に完全に配設されたときにベース20からわずかに突出する、またはベース20内にわずかに凹むようにサイズ設定することができる。
【0013】
図2を参照すると、第1および第2のセンサ基板70、80はそれぞれ、流体の特定の属性を試験するための複数のセンサを保持する。第1のセンサ基板70は、上面70aと、垂直方向4に沿って上面70aとは反対側の下面70bとを画成する。例示される実施形態では、第1のセンサ基板70が直方体として示されているが、他の形状も考えられる。上面および下面70a、70bはそれぞれ、実質的に平面状で示されているが、上面および下面70a、70bはどちらも、望むように代替の形状にすることができる。第1のセンサ基板70は、その下面70bに配設される第1の組のセンサ74として構成することができる。第1の組のセンサ74は、8つのセンサ78を含むことがあり、各センサは、長手方向2に沿って第1のセンサ基板70上に整列させることができる。しかし、第1の組のセンサ74は、8つよりも多い、または少ないセンサ78を含むことができる。第2の組のセンサ74の配置は、概して第1の流体通路32の形状に位置合わせされるものとし、これについては以下でさらに述べる。しかし、第1の組のセンサ74を、図に示されるものとは異なる配置にすることもできると考えられる。いずれのセンサ78も、サンプル流体の特性を測定するための電位差測定センサでよい。代替として、センサ78は、電流測定、導電率測定、温度測定、光学、および圧電センサなど、別の種類のセンサでもよい。
【0014】
第2のセンサ基板80は、上面80aと、垂直方向4に沿って上面80aとは反対側の下面80bとを画成する。図示されているように、第2のセンサ基板80は直方体を画成するものとして示されているが、他の形状も考えられる。上面および下面80a、80bはそれぞれ、実質的に平面状で示されているが、上面および下面80a、80bはどちらも、望むように代替の形状にすることができる。第2のセンサ基板80は、その下面80bに配設される第2の組のセンサ84を含むことがある。第2の組のセンサ84は、8つのセンサ88を含むことがあり、各センサは、長手方向2に沿って第2のセンサ基板80上に整列させることができる。しかし、第2の組のセンサ84は、8つよりも多い、または少ないセンサ88を含むことができる。第2の組のセンサ84の配置は、概して第2の流体通路48の形状に位置合わせされるものとし、これについては以下でさらに述べる。しかし、第2の組のセンサ84を、明示的に図示されているものとは異なる配置にすることもできると考えられる。いずれのセンサ88も、電位差測定センサでよい。代替として、センサ88は別の種類のセンサでもよい。例えば、センサ88は、電流測定、導電率測定、温度測定、光学、および圧電センサでよい。第1と第2の組のセンサ74、84は実質的に同じものとして示されているが、第1と第2の組のセンサ74、84が、異なる種類、配置、または数のセンサを画成することもできる。例えば、第1および第2の組のセンサ74、84のうちの一方が電位差測定センサを含むことができ、第1および第2の組のセンサ74、84のうちの他方が、電位差測定以外の種類のセンサを含むことができる。
【0015】
第1および第2のセンサ基板70、80はそれぞれ、センサを保持するように設計された材料で形成される。一例では、第1および第2の基板70、80は、当業者に知られている様々なプロセスおよび材料を使用して形成することができる。例えば、第1および第2のセンサ基板70、80は可撓性または剛性でよく、例えばポリマー、標準PCB、フレキシブルPCB、PET、PI、セラミック、ガラスなどを使用して構成されることがある。第1および第2のセンサ基板70、80が形成された後、第1および第2の組のセンサ74、84は、当技術分野で知られている方法によって第1および第2のセンサ基板70、80に取り付けることができる。第1および第2のセンサ基板70、80が完全に形成され、第1および第2の組のセンサ74、84が取り付けられた後、第1のセンサ基板70をベース20の第1の凹部22aに接着剤で取り付けることができる。同様に、第2のセンサ基板80をベース20の第2の凹部22bに接着剤で取り付けることができる。
【0016】
図1に示されているように、第1および第2のセンサ基板70、80は、ベース20に取り付けられるときに、実質的に互いに平行に位置することができる。この構成では、第1のセンサ基板70の一部分が第2のセンサ基板80の一部分に重ならないように、第1と第2のセンサ基板70、80は横方向3に沿って離間配置されているが、横方向3に沿って位置合わせされる。さらに、第1と第2のセンサ基板70、80は、垂直方向で位置合わせすることができるが、いくらかの垂直方向オフセットも考えられる。
【0017】
図1および図3A図3Bを参照すると、ベース20は、センサアセンブリ10を通してサンプル流体を輸送するための複数の通路を画成することができる。ベース20と、ベース20に含まれる通路とは射出成形によって形成することができるが、他の手段も考えられる。ベース20は、サンプル分析システム(図示せず)の別の部分からサンプル流体を受けるための、下面20bに位置する入口24を含むことができる。図に示されているように、入口24は、下面20bに沿って、第1の基板70の一部分および第1の凹部22aに重なる位置に位置させることができ、それにより、入口24から第1の基板70へのサンプル流体の流路長(flow length)が最小限にされる。しかし、入口24は、下面20bに沿った、または代替として上面20aに沿った別の場所に位置することができることを理解されたい。第1の入口通路28は、入口24から第1の流体通路32まで実質的に垂直に延びることができ、第1の流体通路32は、第1の組のセンサ74がサンプル流体に露出される流体チャネルの一部分である。第1の流体通路32は、第1の凹部22aに対して実質的に開かれ、実質的に長手方向2に沿って延びることができる。第1の流体通路32は、第1の凹部22aからベース20内にも延びることができる。例えば、第1の流体通路32は、第1の内側表面23aから下面20bに向かって延び、下面20bの手前で終端することができる。第1の流体通路32は、長手方向2に沿った第1の凹部22aの長さよりも短い、長手方向2に沿った長さを画成することができる。追加として、または代替として、第1の流体通路32は、横方向3に沿った第1の凹部22aの幅よりも狭い、横方向3に沿った幅を画成することができる。この構成では、サンプル流体が第1の流体通路32を通って流れるとき、サンプル流体は、長手方向2に実質的に平行な第1の流れ方向Fに沿って流れる。しかし、第1の流体通路32および第1の流れ方向Fは、長手方向2から角度的にオフセットされている。
【0018】
引き続き図1および図3A図3Bを参照すると、第1の流体通路32は、ベース20によって部分的に画成され、第1のセンサ基板70によって部分的に画成されている。図示されているように、第1の組のセンサ74は、第1の流体通路32を通って流れるサンプル流体が第1の組のセンサ74の各センサ78と接触するように、第1の流体通路32に露出されている。第1の組のセンサ74は、長手方向2に沿って整列されているものとして示されているので、第1の組のセンサ74は、第1の流体通路32と第1の流れ方向Fとの両方に実質的に位置合わせすることができる。
【0019】
センサアセンブリ10は、第1の流体通路32から第2の流体通路48までサンプル流体を輸送する一組の通路を画成することができ、これらの通路は、第1の流体通路32の下流に位置する。図示される実施形態では、この一組の通路は、第1の流体通路32から実質的に垂直方向4に沿って第1の移送通路40まで延びる第1の出口通路36を含む。実質的に横方向3に沿って延びることができる第1の移送通路40は、第1の出口通路36から第2の入口通路44に延びる。第2の入口通路44は、第1の移送通路40から第2の流体通路48に実質的に垂直方向4に沿って延びる。通路の特定の一構成を述べるが、第1と第2の流体通路32、48の間の通路は異なる構成にすることもできると考えられる。
【0020】
引き続き図1および図3A図3Bを参照すると、第2の流体通路48は、第1の流体通路32の下流に直列に位置する。第2の流体通路48は、第2の凹部22bに対して実質的に開いている。第2の流体通路48は、実質的に長手方向2に沿って延びることができる。第2の流体通路48は、第2の凹部22bからベース20内にも延びることができる。例えば、第2の流体通路48は、第2の内側表面23bから下面20bに向かって延び、下面20bの手前で終端することができる。第2の流体通路48は、長手方向2に沿った第2の凹部22bの長さよりも短い、長手方向2に沿った長さを画成することができる。追加として、または代替として、第2の流体通路48は、横方向3に沿った第2の凹部22bの幅よりも狭い、横方向3に沿った幅を有することができる。この構成では、サンプル流体が第2の流体通路48を通って流れるとき、サンプル流体は、長手方向2に実質的に平行であり、第1の流れ方向Fとは反対の第2の流れ方向Fに沿って流れる。しかし、第2の流体通路48は、第2の流体通路48および第2の流れ方向Fが長手方向2から角度的にオフセットされ、したがって第2の流れ方向Fが第1の流れ方向Fに対向しないように、異なる設計にすることもできると考えられる。
【0021】
図示されているように、第2の流体通路48は、ベース20によって部分的に画成され、第2のセンサ基板80によって部分的に画成されている。その結果、第2の組のセンサ84は、第2の流体通路48を通って流れるサンプル流体が第2の組のセンサ84の各センサ88と接触するように、第2の流体通路48に露出される。第2の組のセンサ84は、長手方向2に沿って整列されているものとして示されているので、第2の組のセンサ84は、第2の流体通路48および第2の流れ方向Fの両方と実質的に位置合わせすることができる。
【0022】
ベース20は、第2の流体通路48から出口60に延びる第2の移送通路56を含むことができる。出口60は、廃棄のためにサンプル流体を放出してサンプル分析システムに戻すように構成される。図示されているように、出口60は、ベース20の下面20bに画成され、前端部20cの近くに位置することができる。出口60は、第1または第2のセンサ基板70、80のいずれにも重ならないように位置する。しかし、入口24と同様に、出口60は、下面20bに沿った、または代替として上面20aに沿った別の場所に位置することができることを理解されたい。
【0023】
さらに、ベース20は、上面20aから下面20bまでベース20を通って延びる複数の穴64をさらに含むことができる。各穴64は、着脱可能にまたは恒久的にセンサアセンブリ10をサンプル分析システムに連結するために、ねじやボルトなどの固定具を受けるように構成することができる。ベース20が12個の穴64を含むものとして示されているが、代替として、ベース20は、望むように任意の数または配置の穴64を含むことができる。
【0024】
続いて図4A図6Bを参照すると、センサアセンブリ10aの別の実施形態が示されている。センサアセンブリ10aは、第1のセンサ基板170と、第2のセンサ基板180と、第1および第2のセンサ基板170、180を受けるように構成されたベース120とを含む。ベース120は、以下でさらに述べるように、サンプル流体を受けるための複数の流体経路を画成する。
【0025】
図4A図4Bおよび図6A図6Bを参照すると、ベース120は、センサ基板170、180を保持するように構成されている。ベース120は、上記のベース20と同様の機能目的を有する。図示されているように、ベース120は、上面120a、垂直方向4に沿って上面120aとは反対側の下面120b、前端部120c、長手方向2に沿って前端部120cとは反対側の後端部120d、第1の側面120e、および横方向3に沿って第1の側面120eとは反対側の第2の側面120fを有する。例示される実施形態では、ベース120は、前向きの頂点を有する前端部120cを有する実質的に直方体の形状をした本体を画成する。しかし、ベース120は、望むように他の形状を画成することもできると考えられる。
【0026】
ベース120は、上面120aからベース120内に延び、下面120bの手前の第1の内側表面123aで終端する第1の凹部122aを含む。第1の凹部122aは、第1のセンサ基板170を少なくとも部分的に受けるように構成される。また、ベース120は、下面120bからベース120内に延び、上面120aの手前の第2の内側表面123bで終端する第2の凹部122bを含む。第2の凹部122aは、第2のセンサ基板180を少なくとも部分的に受けるように構成される。図示される実施形態では、第1および第2の凹部122a、122bは、少なくとも部分的に互いに重なっている。したがって、第1および第2の凹部122a、122bは、長手および/または横方向2、3に沿って重なり合う部分を含む。第1および第2の凹部122a、122bはそれぞれ、実質的に矩形状で示されている。しかし、凹部の形状は、特定のセンサ基板の形状に応じて変わることがある。第1の凹部122aは、第1のセンサ基板170が第1の凹部122a内に完全に配設されたとき、第1のセンサ基板170の下面170bがベースの下面120bと位置合わせされるようにサイズ設定することができる。第2の凹部122bは、第2のセンサ基板180が第2の凹部122b内に完全に配設されたとき、第2のセンサ基板180の上面180aがベースの上面120aと位置合わせされるようにサイズ設定することができる。代替として、第1および第2の凹部122a、122bは、第1および第2の基板170、180が、それぞれ第1および第2の凹部122a、122b内に完全に配設されたときにベース120からわずかに突出する、またはベース120内にわずかに凹むようにサイズ設定することができる。
【0027】
図5を参照すると、第1のセンサ基板170は、上面170aと、垂直方向4に沿って上面170aとは反対側の下面170bとを画成する。その結果、第1のセンサ基板170が直方体を画成するものとして示されているが、他の形状も考えられる。上面および下面170a、170bはそれぞれ、実質的に平面状で示されているが、上面および下面170a、170bはどちらも、望むように代替の形状にすることができる。第1のセンサ基板170は、その上面170aに配設された第1の組のセンサ174を有するように構成することができる。第1の組のセンサ174は、8つのセンサ178を含むものとして示され、各センサは、長手方向2に沿って第1のセンサ基板170上に整列させることができる。しかし、第1の組のセンサ174は、8つよりも多い、または少ないセンサ178を含むことができる。第1の組のセンサ174を異なる配置にすることができると考えられるが、第1の組のセンサ174の配置は、全体として第1の流体通路132の形状と位置合わせされ、これについては以下でさらに述べる。いずれのセンサ178も、電位差測定センサでよい。代替として、センサ178は、電流測定、導電率測定、温度測定、光学、または圧電センサでよい。
【0028】
第2のセンサ基板180は、第2の組のセンサ184を保持する。図示されているように、第2のセンサ基板180は、上面180aと、垂直方向4に沿って上面180aとは反対側の下面180bとを画成する。第2のセンサ基板180は、その下面180bに配設される第2の組のセンサ184を有するように構成することができる。この配置により、センサアセンブリ10aが完全に組み立てられたとき、第1と第2の組のセンサ174、184は反対方向を向く。例えば、第1の組のセンサ174は、ベース120の下面120bに向かって下向きに面し、第2の組のセンサ184は、ベース120の上面120aに向かって面する。第2の組のセンサ184は、8つのセンサ188を含むものとして示され、各センサは、長手方向2に沿って第2のセンサ基板180上に整列させることができる。しかし、第2の組のセンサ184は、8つよりも多い、または少ないセンサ188を含むことができる。第2の組のセンサ184を異なる配置にすることができると考えられるが、第2の組のセンサ184の配置は、一般に第2の流体通路148の形状と位置合わせされ、これについては以下でさらに述べる。センサ178と同様に、いずれのセンサ188も電位差測定センサでよい。代替として、センサ188は、電流測定、導電率測定、温度測定、光学、または圧電センサでよい。第1と第2の組のセンサ174、184は実質的に同じものとして示されているが、第1と第2の組のセンサ174、184が、異なる種類、配置、または数のセンサを画成することもできる。例えば、第1および第2の組のセンサ174、184のうちの一方が電位差測定センサを含むことができ、第1および第2の組のセンサ174、184のうちの他方が、電位差測定以外の種類のセンサを含むことができる。
【0029】
第1および第2のセンサ基板170、180はそれぞれ、ベース120に固定される。第1のセンサ基板170が完全に形成され、第1の組のセンサ174、第1の基板170をベース120の第1の凹部122aに接着剤で取り付けることができる。さらに、第2のセンサ基板180をベース120の第2の凹部122bに接着剤で取り付けることができる。図4A図4Bに示されているように、第1および第2のセンサ基板170、180は、ベース120に取り付けられるときに、互いに角度的にオフセットして位置することができる。この構成では、第1のセンサ基板170は、第1の軸Aに沿って位置し、第2のセンサ基板180は、第1の軸Aから角度θだけ角度的にオフセットされた第2の軸Aに沿って位置する。第1および第2の軸A、Aの向きは以下でさらに述べる。この構成では、第1および第2のセンサ基板170、180は、第1のセンサ基板170の少なくとも一部分が第2のセンサ基板180の少なくとも一部分と垂直方向に沿って位置合わせされるように、垂直方向4に沿って少なくとも部分的に互いに重なる。さらに、第1のセンサ基板170の少なくとも一部分は、第2のセンサ基板180の少なくとも一部分と垂直方向に沿って位置合わせされないことがある。
【0030】
ここで、図4A図4Bおよび図6A図6Bを参照すると、ベース120は、センサアセンブリ10aを通してサンプル流体を輸送するための複数の通路を画成することができる。ベース120と、ベース120に含まれる通路とは射出成形によって形成することができるが、他の手段も考えられる。ベース120は、サンプル分析システム(図示せず)の別の部分からサンプル流体を受けるための、上面120aに位置する入口124を含むことができる。図に示されているように、入口は上面120bに沿って、第1の基板170の一部分および第1の凹部122aに重なる位置に位置することができ、それにより、入口124から第1の基板170へのサンプル流体の流路長が最小限にされる。しかし、入口124は、上面120aに沿った、または代替として下面120bに沿った別の場所に位置することができることを理解されたい。第1の入口通路128は、入口124から第1の流体通路132まで実質的に垂直に延びることができ、第1の流体通路132は、第1の組のセンサ174がサンプル流体に露出される流体チャネルの一部分である。第1の流体通路132は、第1の凹部122aに対して実質的に開かれる。例えば、第1の流体通路132は、第1の内側表面123aから下面120bに向かって延び、下面120bの手前で終端することができる。第1の流体通路132は、同じ方向に沿った第1の凹部122aの長さよりも短い長さを画成することができる。追加として、または代替として、第1の流体通路132は、同じ方向に沿った第1の凹部122aの幅よりも狭い幅を画成することができる。第1の流体通路132は、実質的に第1の軸Aに沿って延びることができ、それにより、サンプル流体が第1の流体通路132を通って流れるとき、サンプル流体は、第1の軸Aと同一直線上にある第1の流れ方向Fに沿って流れる。
【0031】
第1の流体通路132は、ベース120によって部分的に画成され、第1のセンサ基板170によって部分的に画成されている。その結果、第1の組のセンサ174は第1の流体通路132に露出され、第1の流体通路132を通って流れるサンプル流体が第1の組のセンサ174の第1のセンサ178それぞれと接触し、それにより、センサ178は、サンプル流体の任意の所望の構成を検出することができる。第1の組のセンサ174は、長手方向2に沿って整列されているものとして示されているので、第1の組のセンサ174は、第1の流体通路132、第1の流れ方向F、および第1の軸Aと実質的に位置合わせすることができる。
【0032】
第1の流体通路132の下流で、センサアセンブリ10aは、サンプル流体を第1の流体通路132から第2の流体通路148に輸送する単一の通路を含むことがある。図示される実施形態では、これは、第1の流体通路132から第2の流体通路148まで実質的に垂直方向4に沿って延びる第1の移送通路140を含む。1つの特定の通路が示されているが、第1および第2の流体通路132、148の間の通路を異なる構成にすることもできると考えられる。
【0033】
引き続き図4A図4Bおよび図6A図6Bを参照すると、第2の流体通路148は、第1の流体通路132の下流に直列に位置する。第2の流体通路148は、第2の凹部122bに対して実質的に開いている。例えば、第2の流体通路148は、第2の内面123bから上面120aに向かって延び、上面120aの手前で終端することができる。第2の流体通路148は、同じ方向に沿った第2の凹部122bの長さよりも短い長さを画成することができる。追加として、または代替として、第2の流体通路148は、同じ方向に沿った第2の凹部122bの幅よりも狭い幅を画成することができる。第2の流体通路148は、第2の軸Aに沿って延びることができ、それにより、第2の流体通路148を通って流れるサンプル流体は、第2の軸Aと同一直線上にある第2の流れ方向Fに沿って流れる。第2の軸Aは、第1の軸Aから角度θだけ角度的にオフセットされている。同様に、第1の流れ方向Fは、第2の流れ方向から角度θだけ角度的にオフセットされている。図示される実施形態では、角度θは約90度である。しかし、代替として、第1および第2の流体通路132、148は、角度θが異なるように向けることもできると考えられる。例えば、角度θは、約0度~約180度でよい。一実施形態では、角度θは0度である。別の実施形態では、角度θは180度である。その結果、第1と第2の流体方向F、Fは、実質的に同じ方向に延びることができる。代替として、第1と第2の流体方向F、Fは互いに反対でもよい。
【0034】
センサアセンブリ10aが完全に組み立てられるとき、第2の流体通路148は、ベース120によって部分的に画成され、第2のセンサ基板180によって部分的に画成される。その結果、第2の組のセンサ184は第2の流体通路148に露出され、第2の流体通路148を通って流れるサンプル流体が第2の組のセンサのセンサ188それぞれと接触し、それにより、センサ188は、サンプル流体の任意の所望の構成を検出することができる。第2の組のセンサ184は、長手方向2に沿って整列されているものとして示されているので、第2の組のセンサ184は、第2の流体通路148、第2の流れ方向F、および第2の軸Aと実質的に位置合わせすることができる。
【0035】
第2の流体通路148の下流で、ベース120は、第2の流体通路148から出口160まで延びる一連の通路を含むことができる。出口160は、廃棄のためにサンプル流体を放出してサンプル分析システムに戻すように構成される。ベース120は、第2の流体通路148から第2の移送通路156に延びる垂直延在出口通路120を含むことができる。第2の移送通路156は、湾曲路に沿って、第2の流体通路148から出口160まで延びることができる。しかし、出口通路120および第2の移送通路156が、サンプル流体を第2の流体通路148から出口160に向けるものとして示されているが、より多い、もしくはより少ない通路、または通路の異なる配置が考えられる。出口160は、ベース120の下面120bに画成され、前端部120cの近くに位置することができる。出口160は、第1または第2のセンサ基板170、180のいずれにも重ならないように位置することができる。しかし、入口160は、下面120bに沿った、または代替として上面120aに沿った別の場所に位置することができることを理解されたい。
【0036】
図7A図7Bを参照すると、センサアセンブリ10bは、センサアセンブリ10aと同様の構成を含み、そのため、同じ参照番号が使用される。センサアセンブリ10bでは、ベース120’は、サンプル流体の様々な側面を試験、分析、および表示するためのサンプル分析システム(図示せず)に組み込まれるように構成される。ベース120’は、上面120a、垂直方向4に沿って上面120aとは反対側の下面120b、前端部120c、長手方向2に沿って前端部120cとは反対側の後端部120d、第1の側面120e、および横方向3に沿って第1の側面120eとは反対側の第2の側面120fを有する。例示される実施形態では、ベース120’は、実質的に直方体の形状を画成する。しかし、ベース120’は、望むように他の形状を画成することもできる。例えば、ベース20は、方形、矩形、楕円形でよく、またはサンプル分析システムでの配置および使用を容易にする任意の他の形状を有することができる。
【0037】
ベース120’は、センサ基板170および180を保持するための複数の凹部を含むことができる。例示される実施形態によれば、ベース120’は、上面120aからベース120’内に延び、第1のセンサ基板170を少なくとも部分的に受けるように構成された第1の凹部122aを含む。また、ベース120’は、下面120bからベース120’内に延び、第2のセンサ基板180を少なくとも部分的に受けるように構成された第2の凹部122bを含む。その結果、第1と第2のセンサ基板170、180は、ベース120’の反対側に沿って位置する。第1と第2の凹部122a、122bは、第1と第2のセンサ基板170、180が互いに重なることができるように、垂直方向4に沿って実質的に位置合わせすることができる。
【0038】
図7Aに示されているように、第1および第2の凹部122a、122b、ならびに同様に第1および第2のセンサ基板170、180は、ベース120’に沿って長手方向に同一に位置することができる。すなわち、第1および第2の凹部122a、122bは、前端部120cおよび後端部120dから等間隔に配置することができる。同様に、図7Bに示されているように、第1および第2の凹部122a、122b、ならびに同様に第1および第2のセンサ基板170、180は、ベース120’に沿って横方向に同一に位置することができる。すなわち、第1および第2の凹部122a、122bは、第1の側部120eおよび第2の側部120fから等間隔に配置することができる。
【0039】
ベース120’は、サンプル流体を受けるための第1および第2の流体通路132、148をさらに含むことができ、第1の流体通路132は第1の凹部122aに開いており、第2の流体通路148は第2の凹部122bに開いている。第1の流体通路132は、一組のセンサ174の各センサ178がサンプル流体に露出されるベース120’の領域を画成し、第2の流体通路148は、第2の組のセンサ184の各センサ180がサンプル流体に露出されるベース120’の領域を画成する。凹部122a、122bおよび基板170、180と同様に、第1と第2の流体通路132、148は、第1と第2の流体通路132、148が垂直方向4に沿って位置合わせされるように、互いに重なることができる。第1の流体通路132は、第1の凹部122aからベース120’内に延びることができる。例えば、第1の流体通路132は、第1の内側表面123aから下面120bに向かって延び、下面120bの手前で終端することができる。さらに、第1の流体通路132は、長手方向2に沿った第1の凹部122aの長さよりも短い、長手方向2に沿った長さを画成することができる。追加として、または代替として、第1の流体通路132は、横方向3に沿った第1の凹部122aの幅よりも狭い、横方向3に沿った幅を画成することができる。第2の流体通路148は、第2の凹部122bからベース120’内に延びることができる。例えば、第2の流体通路148は、第2の内面123bから上面120aに向かって延び、上面120aの手前で終端することができる。第2の流体通路148は、長手方向2に沿った第2の凹部122bの長さよりも短い、長手方向2に沿った長さを画成することができる。追加として、または代替として、第2の流体通路148は、横方向3に沿った第2の凹部122bの幅よりも狭い、横方向3に沿った幅を画成することができる。第1の流体通路132は、第1の軸Aに沿って延びることができ、第2の流体通路148は、第2の軸Aに沿って延びることができ、第1と第2の軸A、Aは互いに実質的に平行である。一実施形態では、第1および第2の軸A、Aはそれぞれ、長手方向2に沿って延びることができる。センサアセンブリ10bの第1と第2の流体通路132、148内の流体の流れの方向は、互いに実質的に反対であり得る。
【0040】
図8Aおよび図8Bを参照して、センサアセンブリ10cを述べる。センサアセンブリ10cがセンサアセンブリ10aと同様の構成を含む場合、同じ参照番号が使用される。センサアセンブリ10cでは、第1および第2のセンサ基板170、180は、ベース120’’の反対側に沿って位置する。第1と第2のセンサ基板170、180は、互いに重ならないように位置することができるが、長手方向2に沿って直列に位置し、長手方向2に沿って実質的に位置合わせされる。同様に、第1と第2の流体通路132、148も、互いに重ならないことがあるが、長手方向2に沿って直列に位置し、長手方向2に沿って実質的に位置合わせされる。センサアセンブリ10cの第1と第2の流体通路132、148内の流体の流れの方向は、実質的に同じであり得る。
【0041】
センサアセンブリ10、10a、10b、および10cは、センサアセンブリ10、10a、10b、および10cを通って延びる流体経路の体積が小さいので、流体サンプル、特に新生児からのものを分析する際に利点をもたらす。センサアセンブリの連続性およびセンサ基板の配置により、複数の分析物を検出するために必要なサンプル流体の体積が最小限にされて、サンプル流体の供給が節約される、および/またはコストが削減される。上で論じたセンサアセンブリ10、10a、10b、および10cの単純な構成は、単一のセンサアセンブリに組み込むことができるセンサの数を最大化し、センサアセンブリに必要な複雑さを低減するという追加の利益を提供する。
【0042】
本発明は、以下の例示的実施形態を含む:
【0043】
実施形態1は、センサアセンブリである。センサアセンブリは、上面、上面とは反対側の下面、および第1のセンサ基板の下面に沿って配設された第1の組のセンサを有する第1のセンサ基板を含む。センサアセンブリは、上面、上面とは反対側の下面、および第2のセンサ基板の下面に沿って配設された第2の組のセンサを有する第2のセンサ基板を含む。センサアセンブリは、ベースを含む。ベースは、上面、垂直方向に沿ってベースの上面とは反対側の下面、および前端部を有する。ベースは、垂直方向に垂直な長手方向に沿って前端部とは反対側の後端部、ベースの上面から延び、第1のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第1の凹部、およびベースの上面から延び、第2のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第2の凹部を有する。ベースは、流体を受けるための第1の流体通路、および第1の流体通路に対して直列でありそこへ開いている第2の流体通路を有する。第1の組のセンサは第1の流体通路に露出され、第2の組のセンサは第2の流体通路に露出される。
【0044】
実施形態2は、第1および第2の流体通路は、流体が第1の流体通路を通って第1の流れ方向に流れ、第2の流体通路を通って、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に流れるように長手方向に沿って延びる実施形態1に記載のセンサアセンブリである。
【0045】
実施形態3は、第1と第2のセンサ基板は、長手方向に垂直な横方向に沿って離間配置される実施形態1に記載のセンサアセンブリである。
【0046】
実施形態4は、第1の凹部および第2の凹部はそれぞれ、横方向に沿って実質的に位置合わせされる実施形態3に記載のセンサアセンブリである。
【0047】
実施形態5は、実質的に横方向に沿って第1の流体通路から第2の流体通路に延びる移送通路をさらに含む実施形態3に記載のセンサアセンブリである。
【0048】
実施形態6は、第1と第2のセンサ基板は実質的に互いに平行に位置する実施形態1に記載のセンサアセンブリである。
【0049】
実施形態7は、第1の流体通路は、ベースの本体および第1のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成され、第2の流体通路は、ベースの本体および第2のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成される実施形態1に記載のセンサアセンブリである。
【0050】
実施形態8は、ベースの下面は、流体を受けるための入口、および流体を放出するための出口を画成する実施形態1に記載のセンサアセンブリである。
【0051】
実施形態9は、第1および第2の組のセンサのうちの一方は電位差測定センサを含み、第1および第2の組のセンサのうちの他方は別の種類のセンサを含む実施形態1に記載のセンサアセンブリである。
【0052】
実施形態10は、センサアセンブリである。センサアセンブリは、上面、上面とは反対側の下面、および第1のセンサ基板の下面に配設された第1の組のセンサを有する第1のセンサ基板を含む。センサアセンブリは、上面、上面とは反対側の下面、および第2のセンサ基板の上面に配設された第2の組のセンサを有する第2のセンサ基板を含む。センサアセンブリはベースを含む。ベースは、上面、垂直方向に沿ってベースの上面とは反対側の下面、および前端部を有する。ベースは、垂直方向に垂直な長手方向に沿って前端部とは反対側の後端部、ベースの上面から延び、第1のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第1の凹部、およびベースの下面から延び、第2のセンサ基板を少なくとも部分的に保持する第2の凹部を有する。ベースは、流体を受けるための第1の流体通路、および第1の流体通路に対して直列でありそこへ開いている第2の流体通路を有する。第1の組のセンサは第1の流体通路に露出され、第2の組のセンサは第2の流体通路に露出される。
【0053】
実施形態11は、第1のセンサ通路は第1の軸に沿って延び、第2のセンサ通路は、ある角度だけ第1の軸からオフセットされた第2の軸に沿って延びる実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0054】
実施形態12は、角度は約90度である実施形態11に記載のセンサアセンブリである。
【0055】
実施形態13は、角度は約180度である実施形態11に記載のセンサアセンブリである。
【0056】
実施形態14は、流体は、第1の流体通路を通って第1の流れ方向に流れ、第2の流体通路を通って、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に流れる実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0057】
実施形態15は、第1のセンサ基板は、垂直方向に沿って第2のセンサ基板に重なる実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0058】
実施形態16は、第1と第2のセンサ基板は、垂直方向に沿って実質的に位置合わせされる実施形態15に記載のセンサアセンブリである。
【0059】
実施形態17は、第1の流体通路から第2の流体通路に延びる移送通路をさらに含み、移送通路は、実質的に垂直方向に沿って延びる実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0060】
実施形態18は、第1の流体通路は、ベースおよび第1のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成され、第2の流体通路は、ベースおよび第2のセンサ基板のそれぞれによって部分的に画成される実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0061】
実施形態19は、ベースの上面は、流体を受けるための入口を画成し、ベースの下面は、流体を放出するための出口を画成する実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0062】
実施形態20は、第1および第2の組のセンサのうちの一方は電位差測定センサを含み、第1および第2の組のセンサのうちの他方は別の種類のセンサを含む実施形態10に記載のセンサアセンブリである。
【0063】
本開示を他の用途にも適用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく修正することができることを当業者も理解されよう。したがって、本開示の範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B