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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】収納フォルダ
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A63F7/02 355Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017123073
(22)【出願日】2017-06-23
(65)【公開番号】P2019005135
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】506179697
【氏名又は名称】株式会社エルゴジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100125092
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 玲太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】安田 光守
【審査官】中野 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-230644(JP,A)
【文献】特開2015-039533(JP,A)
【文献】特開2009-005895(JP,A)
【文献】実開平05-032101(JP,U)
【文献】特開2016-041167(JP,A)
【文献】特開2013-022084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台の間に配置される取付ベースに設置される収納フォルダであって、
前記取付ベースに対して前記遊技台から離れる方向と前記遊技台に近づく方向に摺動可能に設置され、前記遊技台とは反対側に揺動基部を有する摺動支持部と、
前記揺動基部の一方の側面に、水平になる第1展開位置と垂直になる第1収納位置との間を揺動可能に設けられ、前記第1展開位置において収納された遊技客の第1所有物が転倒しないようにする第1転倒防止部材と、
前記揺動基部の前記一方の側面に、少なくとも一部が水平又は傾斜になる第2展開位置と垂直になる第2収納位置との間を揺動可能に設けられ、前記第2展開位置において収納された前記遊技客の第2所有物が転倒しないようにする第2転倒防止部材と、を備え、
前記第2展開位置における前記第2転倒防止部材の前記揺動基部とは反対側の側部と前記揺動基部との間の水平距離である幅寸法は、前記第1展開位置における前記第1転倒防止部材の前記揺動基部とは反対側の側部と前記揺動基部との間の水平距離である幅寸法よりも大きい、収納フォルダ。
【請求項2】
遊技台の間に配置される取付ベースに設置される収納フォルダであって、
前記取付ベースに対して前記遊技台から離れる方向と前記遊技台に近づく方向に摺動可能に設置され、前記遊技台とは反対側に揺動基部を有する摺動支持部と、
前記揺動基部の一方の側面に、水平になる第1展開位置と垂直になる第1収納位置との間を揺動可能に設けられ、前記第1展開位置において収納された遊技客の第1所有物が転倒しないようにする第1転倒防止部材と、
前記揺動基部の前記一方の側面に設けられ、前記第1展開位置において前記第1所有物の上部を囲む前記第1転倒防止部材の開口部の内側の範囲を分割する上部仕切部材と、を備え、
前記上部仕切部材は、前記第1転倒防止部材の前記開口部に対してスライド可能に架けられている、収納フォルダ。
【請求項3】
前記上部仕切部材は、水平になる仕切部材展開位置と垂直になる仕切部材収納位置との間を揺動可能に設けられている、請求項2に記載の収納フォルダ。
【請求項4】
前記上部仕切部材の揺動軸は、前記第1転倒防止部材の揺動軸の同一線上に位置する、請求項3に記載の収納フォルダ。
【請求項5】
前記第2転倒防止部材は、前記第1転倒防止部材の上側に形成された凹部に載置される載置部を有する、請求項1に記載の収納フォルダ。
【請求項6】
さらに、前記揺動基部の前記一方の側面に、水平になる載置基部展開位置と垂直になる載置基部収納位置との間を揺動可能に設けられ、前記載置基部展開位置にあるとき前記第1転倒防止部材が上方に位置し、前記遊技客の前記第1所有物が載置される第1載置面を少なくとも有する載置基部を備える、請求項1から5のいずれかに記載の収納フォルダ。
【請求項7】
さらに、前記第1転倒防止部材と前記載置基部とに軸支され、それらを連結する連結部材を備える、請求項6に記載の収納フォルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横に並んだ2つの遊技台の間に配置される取付ベースに設置される収納フォルダに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ、パチスロ等の遊技機を取り扱う店舗では、遊技機が設置されている遊技場を喫煙エリアと禁煙エリアとに区分する等の分煙対策を行ったり、遊技場を喫煙エリアと禁煙エリアとに区分せず、喫煙の遊技客と禁煙の遊技客とが混在する状態で隣接する2つの遊技台の間に仕切り板のような手段を施して分煙対策を行ったりする。また、喫煙、禁煙とは別の観点、すなわち、一人ひとりの遊技客の占有空間を明確化して隣り合う遊技客が互いに物理的又は精神的に干渉されないことを目的として、同様の手段を施す店舗もある。
【0003】
このような手段としては、1台の遊技機を完全に又は実質的に個室状態にするもののほかに、概ね、次の2つのタイプのものが提案されている。すなわち、仕切り板、又は、スクリーンを設ける、というものである。仕切り板については、例えば、特開2009-233138号公報(特許文献1)に開示されている。この発明は、遊技機の台間に略コの字型の支持枠を台間に埋め込むように設け、支持枠に分煙パネルすなわち仕切り板をスライド可能に設けるというものである。スクリーンについては、例えば、特開2008-062012号公報(特許文献2)に開示されている。この発明は、遊技機の台間の上部に通路側へ突き出したケーシングを設け、ケーシング内に巻下げ巻上げ自在なロールスクリーンを設けるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-233138号公報
【文献】特開2008-062012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、仕切り板等で仕切られ、遊技客の占有空間が明確になると、遊技客が所有する所有物を収納する収納フォルダを設置できる数に制限が生じる。そこで、携帯電話、スマートフォン、財布、ペットボトル、コップ等、様々な大きさの所有物を効率よく収納することができる収納フォルダが求められている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、遊技客の好みの位置に、様々な大きさの所有物を収納することができる収納フォルダの提供をすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る収納フォルダは、遊技台の間に配置される取付ベースに設置される収納フォルダであって、前記取付ベースに対して摺動可能に設置された摺動支持部と、揺動可能に設けられた第1転倒防止部材と、揺動可能に設けられた第2転倒防止部材と、を備え、第2展開位置における前記第2転倒防止部材の幅寸法は、第1展開位置における前記第1転倒防止部材の幅寸法より、大きいことを特徴とする。
【0008】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る別の収納フォルダは、遊技台の間に配置される取付ベースに設置される収納フォルダであって、前記取付ベースに対して摺動可能に設置された摺動支持部と、揺動可能に設けられた第1転倒防止部材と、第1展開位置において、前記第1転倒防止部材の収容範囲を仕切る上部仕切部材と、を備え、前記上部仕切部材は、スライド可能に設けられている、収納フォルダことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る収納フォルダにおいて、さらに、上部仕切部材は、揺動可能に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る収納フォルダにおいて、前記上部仕切部材の揺動軸が、前記第1転倒防止部材の揺動軸の同一線上に位置することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る収納フォルダにおいて、前記第2転倒防止部材は、前記第1転倒防止部材の上側に載置する載置部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る収納フォルダにおいて、さらに、揺動可能に設けられ、遊技客の第1所有物及び第2所有物がそれぞれ載置される第1載置面及び第2載置面を有する載置基部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る収納フォルダにおいて、さらに、前記第1転倒防止部材と前記載置基部とを連結する連結部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所有物を載置した状態や、載置する際に、載置基部を揺動させることができるので、遊技客の好みの位置に、様々な大きさの所有物を収納することができる収納フォルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る収納フォルダを備えた仕切り体の斜視図である。
図2図1に示した収納フォルダの一部を拡大した斜視図である。
図3図2に示した収納フォルダの正面図である。
図4図2に示した収納フォルダの側面図である。
図5図2に示した収納フォルダの別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。
図6図2に示した収納フォルダのさらに別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。
図7図2に示した収納フォルダのさらに別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。
図8】本発明に係る別の収納フォルダを備えた仕切り体の斜視図である。
図9図8に示した収納フォルダの一部を拡大した斜視図である。
図10図9に示した収納フォルダの別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。
図11図9に示した収納フォルダの正面図である。
図12図9に示した収納フォルダのさらに別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。
図13図9に示した収納フォルダの側面図である。
図14図13に示した収納フォルダの別の状態を示す側面図である。
図15】本発明に係るさらに別の収納フォルダの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態の収納フォルダについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る収納フォルダ10を備えた仕切り体の斜視図である。図2は、図1に示した収納フォルダ10の一部を拡大した斜視図である。図3は、図2に示した収納フォルダ10の正面図である。図4は、図2に示した収納フォルダ10の側面図である。図5は、図2に示した収納フォルダ10の別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。図6は、図2に示した収納フォルダ10のさらに別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。図7は、図2に示した収納フォルダ10のさらに別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。
【0017】
図1から図7を参照して、本発明に係る収納フォルダ10を説明する。収納フォルダ10は、板形状の仕切り体1の取付ベース2に設置される。
仕切り体1は、X方向に横に並んだ2つの遊技台の間に配置され、取付ベース2と、取付ベース2から、遊技台から離れる方向(Y方向のうち遊技台から離れる方向)に引き出される板形状の仕切り板3とを備える。
【0018】
取付ベース2は、上下方向(Z方向)に長く、X方向(Y方向及びZ方向に直交する方向)に薄い板形状を有する。取付ベース2には、収納フォルダ10を収容する収納容器11が取り付けられている。遊技客が収納フォルダ10を遊技台から離れる方向(Y方向)に引っ張ったり、遊技台に近づく方向に押し込んだりすることにより、収納フォルダ10を収納容器11から引き出したり、収納容器11に収納したりする。
【0019】
図1及び図2に示すように、収納フォルダ10は、摺動支持部15と、第1転倒防止部材40と、を備える。収納フォルダ10は、さらに、載置基部60と、第1枢軸C1と、第2枢軸C2と、第3枢軸C3と、上部仕切部材50と、連結部材80と、第2転倒防止部材70と、第4枢軸C4と、第5枢軸C5とを備える。摺動支持部15は、摺動基部20と、摺動基部20に対して揺動可能に接続した揺動基部30とを有する。
【0020】
摺動基部20は、矩形状を有する支持部本体21を有し、取付ベース2に対して摺動可能に、取付ベース2に取り付けられた収納容器11に設置されている。
【0021】
収納容器11は、直方体形状を有し、遊技客が遊技台から離れる側(Y方向のうち、遊技台から離れる側)に開口部11aを有する摺動穴が形成されている。摺動穴は、開口部11aから摺動基部20が摺動可能な矩形状の穴である。
【0022】
摺動穴の側面には、Y方向に伸びる複数のスリット12が形成されている。また、摺動支持部15の支持部本体21の側面には、複数の突起22が形成されている。そして、複数の突起22は、それぞれ、複数のスリット12に案内可能に差し込まれている。これにより、摺動基部20は、Y方向に略平行移動のみすることができ、ひいては、摺動基部20は、揺動基部30が取付ベース2に格納した格納状態及び揺動基部30が取付ベース2から露出した露出状態となるように、取付ベース2に対してY方向に略平行に摺動することができる。ここで、図1から図7は、揺動基部30が取付ベース2から露出した露出状態を示している。
【0023】
図2に示すように、揺動基部30は、摺動基部20に対して揺動可能に設置されている。また、収納フォルダ10は、揺動基部30と摺動支持部15とを軸支し、上下方向(Z方向)に伸びる第1枢軸C1を備える。これにより、揺動基部30は、第1枢軸C1の周り(方向α)を揺動することができる。
【0024】
揺動基部30が所定の揺動角毎に位置するよう、揺動基部30に歯車35を形成し、摺動支持部15に歯車35の歯と歯との間に差し込むように直線移動し、歯車35に向けて付勢力が付与される、くさび形状のストッパ25を形成することにより、揺動基部30を歯車35のピッチ毎に揺動させることができる。なお、摺動支持部15に歯車35を形成し、揺動基部30にストッパ25を形成してもよい。また、揺動基部30は、摺動支持部15に対して揺動可能に設置されているので、揺動基部30の揺動の程度によっては、方向Rと方向Yとは、一致しない。
【0025】
揺動基部30は、板形状を有し、Y方向において遊技台とは反対側の端部に取手31が形成されている。また、揺動基部30は、一方の側面に凹部32が形成されている。凹部32の底部には、後述する上部仕切部材50の上側の一部を収容することができる開口33が形成されている。凹部32の下側は、後述する載置基部収納位置に位置した載置基部60を収納する収納領域32aとされ、凹部32の上側は、後述する第1収納位置に位置した第1転倒防止部材40を収納する収納領域32bとされ、凹部32の収納領域32a及び収納領域32bとは反対側は、第2転倒防止部材70を収納する収納領域32cとされる。収納領域32aには、第1枢軸C1に直交する第2枢軸C2が形成され、収納領域32bには、第1枢軸C1に直交する第3枢軸C3が形成されている。第2枢軸C2と第3枢軸C3とは互いに平行であることが好ましい。
【0026】
載置基部60は、載置基部展開位置と載置基部収納位置との間を揺動可能に摺動支持部15に設けられている。載置基部60は、上面に凹部を有する板形状を有し、凹部内に、載置基部展開位置において、遊技客の第1所有物及び第2所有物がそれぞれ載置される第1載置面61及び第2載置面62を有する。ここで、遊技客の第1所有物は、例えば、財布、化粧品が入ったポーチ等、手のひらサイズの大きさの物である。遊技客の第2所有物は、第1所有物より小さく、例えば、携帯電話、スマートフォン等、板状の物である。
【0027】
載置基部展開位置は、第1載置面61が水平になる位置であり、載置基部収納位置は第1載置面61が垂直になる位置である。載置基部収納位置にある載置基部60は、収納領域32aに収容される。
【0028】
載置基部60は、載置基部展開位置と載置基部収納位置との間を揺動可能に、揺動基部30に第2枢軸C2で軸支されている。載置基部60の第2枢軸C2とは反対側の端部63(載置基部60の摺動支持部15とは反対側の端部63)には、第2枢軸C2と平行に伸びる第4枢軸C4が配置されている。
【0029】
第1転倒防止部材40は、載置基部60が載置基部展開位置にあるとき、第1載置面61の上方に位置している。第1転倒防止部材40は、第1転倒防止部材40を第1展開位置と第1収納位置とに揺動可能に、揺動基部30に第3枢軸C3で軸支されている。
【0030】
第1転倒防止部材40は、第1所有物が転倒しないように、第1展開位置において、第1転倒防止部材に収納された第1所有物の側に位置する。具体的には、第1転倒防止部材40は、第1所有物が転倒しないように、遊技客の所有物1の上部を囲む開口部42を有する略矩形の枠部材41で形成されている。第1転倒防止部材40の枠部材41の一方の側部は、第3枢軸C3で軸支され、他方の側部は、第3枢軸C3と平行に伸びる第5枢軸C5が配置されている。
【0031】
第1展開位置は、第1転倒防止部材40が水平になる位置であり、第1収納位置は第1転倒防止部材40が垂直になる位置である。第1収納位置にある第1転倒防止部材40は、収納領域32bに収容される。
【0032】
上部仕切部材50は、第1転倒防止部材40にスライド可能に架けられている。上部仕切部材50は、方向Rにスライド可能に架けられているが、X方向にスライド可能に架けられていてもよい。上部仕切部材50は、仕切本体51と、仕切本体51の一方の端部に形成された軸支持部55とを有する。仕切本体51は棒形状を有する。軸支持部55は、第3枢軸C3の伸びる方向(方向R)にスライド可能(図4及び図5)に軸支されている。枠部材41の軸支持部55とは反対側の端部は、枠部材41の第5枢軸C5の近傍に載置されている。このため、軸支持部55は、さらに、第3枢軸C3の周りを揺動可能(図6)に、軸支されている。したがって、上部仕切部材50は、仕切部材展開位置と仕切部材収納位置との間を揺動可能に摺動支持部15に設けられている。また、上部仕切部材50の揺動軸が、第1転倒防止部材の揺動軸の同一線上に位置しているが、第1転倒防止部材の揺動軸と異なる位置にあってもよい。
【0033】
図4及び図5に示すように、上部仕切部材50は、方向Rにスライドすることができるので、開口部42の内側の範囲を上部仕切部材50で2分割することができ、第1所有物より小さい遊技客の2つの第3所有物(例えば、コップ、ペットボトル等)をそれぞれ、2分割された範囲に収納することができる。また、上部仕切部材50を方向Rにスライドさせることにより、2分割された開口部42の範囲の割合を変えることができ、互いに異なる大きさの2つの第3所有物を、それぞれ、互いに異なる大きさの2つ範囲に収納することができる。
【0034】
また、図6に示すように、第1転倒防止部材40に載置された上部仕切部材50のみを第3枢軸C3の周りを揺動させることにより、収納領域32bに収納させることができる。これにより、遊技客は、財布、化粧品が入ったポーチ等、手のひらサイズの大きさの物である第1所有物を開口部42の内側の全体の範囲を用いて収納することができる。
【0035】
図2に示すように、第2転倒防止部材70は、載置基部60が載置基部展開位置にあるとき、第2載置面62の上方に位置している。第2転倒防止部材70は、第2転倒防止部材70を第2展開位置と第2収納位置とに揺動可能に、揺動基部30に設けられた第6枢軸C6で軸支されている。第6枢軸C6は、第2枢軸C2と第3枢軸C3との間にあることが好ましく、第2枢軸C2又は第3枢軸C3と同一であってもよい。換言すると、第2転倒防止部材70の揺動軸が、載置基部60の揺動軸又は第1転倒防止部材40の揺動軸の同一線上に位置してもよい。
【0036】
第2転倒防止部材70は、第2所有物が転倒しないように、第2展開位置において、第2転倒防止部材に収納された第2所有物の側に位置する。具体的には、第2転倒防止部材70は、遊技客の所有物2の上部の側に位置する側部71を有する略矩形の枠部材で形成されている。第2転倒防止部材70の枠部材43の一方の側部は、第6枢軸C6で軸支され、他方の側部71は、第3枢軸C3と平行に伸びている。
【0037】
図3及び図4に示すように、第2転倒防止部材70は、第1転倒防止部材40の上側に形成された凹部45に載置する載置部74を有する。
第2収納位置は第2転倒防止部材70が垂直になる位置である。第2収納位置にある第2転倒防止部材70は、収納領域32cに収容される。
【0038】
第2展開位置は、第2転倒防止部材70の側部71が揺動基部30から離れ、載置部74が凹部45に載置した際の位置であり、水平又は傾斜した状態となる位置である。
第2転倒防止部材70は、第6枢軸C6の周りを揺動するが、載置部74が凹部45に載置すると、それより下側に揺動することができなくなる。
第2展開位置にある第2転倒防止部材70の摺動支持部15とは反対側の端部である側部71は、載置基部展開位置において、載置基部60の摺動支持部15とは反対側の端部63より外側に位置することが好ましい。
【0039】
図3に示すように、第2展開位置にある第2転倒防止部材70の側部71と摺動支持部15との間の(第2転倒防止部材70の揺動軸に直交する方向すなわちX方向における)幅寸法X2は、第1展開位置にある第1転倒防止部材40と摺動支持部15との間の(第1転倒防止部材40の揺動軸に直交する方向すなわちX方向における)幅寸法X1より大きいことが好ましい。
【0040】
連結部材80は、第4枢軸C4と第5枢軸C5とに軸支され、載置基部60と第1転倒防止部材40とを連結する。また、載置基部60と、第1転倒防止部材40とは、略平行移動するように、第4枢軸C4と第5枢軸C5との間の距離は、第2枢軸C2と第3枢軸C3との間の距離と略等しく、また、第2枢軸C2と第4枢軸C4との間の距離は、第3枢軸C3と第5枢軸C5との間の距離と略等しいことが好ましい。
【0041】
このような収納フォルダ10は、以下のように使用される。
収納容器11に収納された収納フォルダ10を使用するときは、遊技客が、収納容器11から出ている取手31を持ち、Y方向に引っ張り、摺動基部20を摺動させ、揺動基部30を露出状態にする。このとき、収納領域32a内にある載置基部60は、載置基部展開位置にある。収納領域32b内にある第1転倒防止部材40は、第1収納位置にある。第2転倒防止部材70の載置部74は、凹部45と揺動基部30の凹部32の底面との間に挟まれているので、第2転倒防止部材70は、収納領域32c内にあり、収納領域32c内にある第2転倒防止部材70は、第2収納位置にある。
【0042】
次に、載置基部60又は第1転倒防止部材40をX方向に引き出す。これにより、載置基部60が収納領域32aから引き出されると、第1転倒防止部材40も収納領域32bから引き出され、やがて、載置基部60は、載置基部展開位置に揺動し、第1転倒防止部材40も第1展開位置に揺動する。第1転倒防止部材40が収納領域32bから離れるに従って凹部45と揺動基部30の凹部32の底面との間の距離が広がり、略垂直状態である第2収納位置にある第2転倒防止部材70は、自重により、載置部74が凹部45に載置されながら、第1転倒防止部材40の揺動とともに第6枢軸C6の周りを揺動する。同様に、上部仕切部材50も第3枢軸C3の周りを揺動する。
【0043】
図3に示すように、揺動基部30から距離X2の範囲内に遊技客の体等の障害物がない場合、載置基部60は、載置基部展開位置に揺動すると、第2転倒防止部材70も第2展開位置に揺動する。しかし、揺動基部30から距離X2の範囲内に障害物がある場合、載置基部60は、載置基部展開位置まで揺動しても、第2転倒防止部材70は、第2転倒防止部材70が障害物に接触し、載置された状態になる。このため、載置部74が凹部45から離れ、第2転倒防止部材70の自重による揺動が規制され、第2転倒防止部材70が第2展開位置まで揺動せずに、図7に示すように、例えば、第2転倒防止部材70は、第2転倒防止部材70の側部71が揺動基部30から距離X2と同じ距離X2’の位置になるまで揺動する。
【0044】
すなわち、第2転倒防止部材70には突起状の載置部74が出ており、載置部74が第1転倒防止部材40の上側である凹部45に単純に載っており、収納状態では、載置部74が凹部45に載った状態で第1転倒防止部材40と第2転倒防止部材70とが収納され、第1転倒防止部材40を展開(揺動)すると、載置部74が凹部45に載った状態を維持しながら第2転倒防止部材70も展開(揺動)する。このとき、展開する第2転倒防止部材70が途中で障害物に接触して揺動が止まっても、凹部45に載った載置部74が凹部45から離れるので、単独で第1転倒防止部材40を水平位置(展開位置)まで揺動することができる。
【0045】
このように、障害物がない場合は、第1転倒防止部材40は、幅寸法X1の収納領域を形成し、第2転倒防止部材70は、幅寸法X1より幅が広い幅寸法X2の収納領域を形成する。他方、障害物があっても、第1転倒防止部材40が、幅寸法X1の収納領域を形成することができれば、第2転倒防止部材70は、幅寸法X1と略同じ幅寸法X2’の収納領域を形成することができる。
【0046】
このように、障害物があっても、有効な収納領域を形成することができる。このため、所有物を載置した状態や、載置する際に、載置基部を揺動させることができるので、遊技客の好みの位置に、様々な大きさの所有物を収納することができる収納フォルダ10を提供することができる。
【0047】
収納フォルダ10を収納するときは、載置基部60が垂直位置になるように、第2枢軸C2の周りを揺動させて、揺動基部30の収納領域32bに収納する。この時、連結部材80が載置基部60と第1転倒防止部材40とを連結しているので、載置基部60の揺動にともなって、第1転倒防止部材40及び上部仕切部材50が第3枢軸C3の周りを揺動し、第1収納位置(垂直位置)になり、揺動基部30の収納領域32aに収納する。同様に、上部仕切部材50も、第1転倒防止部材40に押し上げられ、第3枢軸C3の周りを揺動し、収納領域32bに収納する。
第1転倒防止部材40が第3枢軸C3の周りを揺動すると、凹部45が載置部74に接触し、載置部74を押し上げる。これにより、第2転倒防止部材70は、第6枢軸C6の周りを揺動し、収納領域32cに収納される。
【0048】
図8から図14を参照して、本発明に係る収納フォルダ10aを説明する。
図8は、本発明に係る別の収納フォルダ10aを備えた仕切り体の斜視図である。図9は、図8に示した収納フォルダ10aの一部を拡大した斜視図である。図10は、図9に示した収納フォルダ10aの別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。図11は、図9に示した収納フォルダ10aの正面図である。図12は、図9に示した収納フォルダ10aのさらに別の状態を示す一部を拡大した斜視図である。図13は、図9に示した収納フォルダ10aの側面図である。図14は、図13に示した収納フォルダ10aの別の状態を示す側面図である。
図8に示すように、本発明に係る収納フォルダ10aは、収納フォルダ10と同様、板形状の仕切り体1の取付ベース2に設置される。
【0049】
図8及び図9に示すように、収納フォルダ10aは、収納フォルダ10に対して、上部仕切部材50の形状と、第2転倒防止部材70の形状とが異なる。
【0050】
上部仕切部材50は、矩形状の仕切本体51と、仕切本体51の一方の端部に形成された軸支持部55とを有する。仕切本体51には円形状の開口部52が形成されている。軸支持部55は、第3枢軸C3の伸びる方向(方向R)にスライド可能(図9及び図10)に軸支されている。枠部材41の軸支持部55とは反対側の端部は、枠部材41の第5枢軸C5の近傍に載置されている。このため、軸支持部55は、さらに、第3枢軸C3の周りを揺動可能(図12)に、軸支されている。
【0051】
図9及び図10に示すように、開口部52の内径は、第1所有物より小さい遊技客の第3所有物(例えば、コップ、ペットボトル等)が転倒しないように、開口部42の内径より小さい。
【0052】
図11に示すように、スリット12の遊技台から離れる側の端部近傍12aは、上側に蛇行していてもよい。これにより、摺動基部20が露出状態となると、突起22は、端部近傍12aにおいて、蛇行しているスリット12の部分を乗り超えて、最端部に移動する。これにより、露出状態となっている揺動基部30が、遊技台に近づこうとしても、スリット12の最端部にある突起22は、上側に蛇行しているスリット12を乗り越えないといけないので、遊技客が取手31に軽く接触する等、何かの拍子に揺動基部30の取手31に収納容器11に向けて押し込む弱い力が作用しても、揺動基部30は遊技台側に殆ど移動しない。
【0053】
図11及び図12に示すように、第1転倒防止部材40に載置された上部仕切部材50のみを第3枢軸C3の周りを揺動させることにより、収納領域32bに収納させることができる。これにより、遊技客は、財布、化粧品が入ったポーチ等、手のひらサイズの大きさの物である第1所有物を収納フォルダ10に収納することができる。
【0054】
また、図6に示すように、第2転倒防止部材70は、第2載置面62に載置された第2所有物が転倒しないように、第2所有物のX方向の側に位置する側部71と、側部71を支持する支持部72と、支持部72を第4枢軸C4の周りを所定範囲だけ揺動するよう規制するピン81及びスリット73とを有する。第2転倒防止部材70は、さらに、第2所有物のY方向の遊技台から離れる側に位置する棒形状の側部93と、側部93を揺動可能に支持する棒形状の支持部91とを有する側部支持機構90を備える。
【0055】
側部93の一端が第3枢軸C3に揺動可能に軸支され、他端が支持部91の一端に揺動可能に軸支されている。支持部91の他端は、第4枢軸C4に揺動可能に軸支されている。側部93の他端と支持部91の一端とが軸支されている位置は、第5枢軸C5の延長線上にある。このため、側部93は、X方向から見ると、第1転倒防止部材40と常に重なるように揺動する。
【0056】
ピン81は、連結部材80に形成されている。側部71は、載置基部60の揺動基部30とは反対側の端部63より、外側の位置(図13)と、端部63より揺動基部30側に寄った位置(図14)との間を揺動する。側部71が端部63より外側に位置するので、幅の広い第2所有物(例えば、タブレット等)を収納することができる。
また、第2転倒防止部材70が遊技客の体等の障害物に接触した場合、第2転倒防止部材70は、端部63の外側に揺動することができない。これにより、障害物がない場合は、第1転倒防止部材40は、幅寸法X1の収納領域を形成し、第2転倒防止部材70は、幅寸法X1より幅が広い幅寸法X2の収納領域を形成する。他方、障害物があっても、第1転倒防止部材40が、幅寸法X1の収納領域を形成することができれば、第2転倒防止部材70は、幅寸法X1と略同じ幅寸法X2’の収納領域を形成することができる。
【0057】
図15は、本発明に係るさらに別の収納フォルダ10bの正面図である。
図15を参照して、本発明に係る収納フォルダ10bを説明する。収納フォルダ10bは、第2転倒防止部材70の揺動の枢軸が第5枢軸C5となっていること以外は、収納フォルダ10aと同じである。これにより、上下方向(方向Z)における接触する側部71の位置が載置基部60に近いので、所有物の下側が落下することを防止することができる。
【0058】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0059】
C1~C6 第1枢軸~第6枢軸
1 仕切り体
2 取付ベース
3 仕切り板
10、10a、10b 収納フォルダ
11 収納容器
11a 開口部
12 スリット
12a 端部近傍
15 摺動支持部
20 摺動基部
21 支持部本体
22 突起
25 ストッパ
30 揺動基部
31 取手
32 凹部
32a、32b、32c 収納領域
33 開口
35 歯車
40 第1転倒防止部材
41 枠部材
42 開口部
43 枠部材
45 凹部
50 上部仕切部材
51 仕切本体
52 開口部
55 軸支持部
60 載置基部
61 第1載置面
62 第2載置面
63 端部
70 第2転倒防止部材
71 側部
72 支持部
73 スリット
74 載置部
80 連結部材
81 ピン
90 側部支持機構
91 支持部
93 側部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15