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  • 特許-方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】方法および装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/00 20060101AFI20220105BHJP
   F24F 3/044 20060101ALI20220105BHJP
   F24F 11/47 20180101ALI20220105BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20220105BHJP
【FI】
F24F3/00 B
F24F3/044
F24F11/47
F24F11/70
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020513647
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018082920
(87)【国際公開番号】W WO2019106059
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】17204317.6
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520071973
【氏名又は名称】アスコー、トム
(73)【特許権者】
【識別番号】520071984
【氏名又は名称】アスコー、ショーン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アスコー、トム
(72)【発明者】
【氏名】アスコー、ショーン
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-227798(JP,A)
【文献】特開2009-138997(JP,A)
【文献】特開2012-172905(JP,A)
【文献】特開平05-044959(JP,A)
【文献】特開昭48-011851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/00
F24F 3/044
F24F 11/47
F24F 11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調のための方法であって、前記方法は、
第1換気システムにおいて、冷却流体および冷却器を有する冷却システムに接続された第1冷却コイルに第1空気流を流す段階であって、前記第1冷却コイルを通過するときの前記第1空気流の温度は、前記第1冷却コイルを流れる前記冷却流体の温度より低く、前記第1空気流が前記第1冷却コイルを通過するときに前記第1空気流は加熱され、前記第1冷却コイルを流れる前記冷却流体は冷却される、段階と、
第2冷却エミッタを冷却する段階であって、前記第2冷却エミッタは、前記冷却システムに接続され、前記冷却流体は、前記第2冷却エミッタにも流れ、前記冷却流体は、前記第2冷却エミッタを流れる間に加熱される、段階と、
を備える方法。
【請求項2】
前記方法は、好ましくは吸気ダンパを通じて、ある温度の外気を前記第1換気システムに吸引する段階であって、その結果、前記外気が前記第1空気流を構成する、段階と、前記第1換気システムの温度設定点を規定する段階であって、前記温度設定点、および、前記第1冷却コイルを流れる前記冷却流体の温度は、前記外気の温度より高い、段階を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は更に、前記第1冷却コイルに前記第1空気流を流す前に、第1加熱コイルに前記第1空気流を流すことによって、前記第1空気流を加熱する段階と、前記第1冷却コイルに前記第1空気流を流した後に、第2加熱コイルに前記第1空気流を流すことによって前記第1空気流を更に加熱する段階とを備え、前記第1加熱コイルおよび前記第2加熱コイルは、加熱器を有する加熱システムに接続される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ドレイントレイを有するコイルを前記第1冷却コイルとして使用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記第1空気流を加熱するために、前記冷却システムにおける前記冷却流体の残留熱を使用する段階と、任意選択で、前記冷却器を停止させるか、または、前記冷却器の出力を低減する段階とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は更に、第2冷却コイルを有する第2換気システムにおける第2空気流を冷却する段階を備え、前記第2冷却コイルは、前記冷却システムに接続され、前記冷却流体は、前記第2冷却コイルにも流れ、前記冷却流体は、前記第2冷却コイルを流れる間に加熱される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、施設のために空調を提供する段階を備え、前記方法は更に、好ましくは給気ファンを用いて前記第1空気流を前記第1換気システムから前記施設の第1領域に吹き出す段階を備え、第2空気流は、前記第1領域と重複してよい前記施設の第2領域から第2換気システムに吸引され、前記第2空気流は、前記第2換気システムから、前記第1領域および/または前記第2領域と重複してよい前記施設の第3領域に吹き出される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は更に、
外気温、第1冷却流体の温度、および/または、前記施設の前記第1領域、前記第2領域、および/または前記第3領域における周囲温度を測定する段階と、
好ましくは、前記給気ファンおよび/または吸気ダンパを調整することによって前記第1空気流および/または前記第2空気流の流量を制御し、好ましくは、前記冷却システムにおけるバルブおよび/またはポンプを使用および調整することによって前記冷却流体の流量を制御し、好ましくは、加熱システムにおけるバルブおよび/またはポンプを使用および調整することによって前記加熱システムにおける加熱流体の流量を制御し、および/または、前記冷却器および/または加熱器の電力を制御する段階と
を備える、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は更に、好ましくは、パネルフィルタおよび/またはバッグフィルタによって、前記第1換気システムにおいて前記第1空気流を濾過する段階、および/または、加湿器を用いて、前記第1換気システムにおける前記第1空気流を加湿する段階を備える、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
空調のための装置であって、
好ましくは屋外に接続され、より一層好ましくは、前記接続は吸気ダンパを含む、前記第1空気流と、好ましくは、冷却器を有する冷却システムに接続された、前記第1換気システムにおいてドレイントレイを含む第1冷却コイルとを含む第1換気システムと、
前記冷却システムに接続された第2冷却コイルが中に配置される第2空気流を有する第2換気システムと
を備え、制御装置が請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実行する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調のための方法に関し、当該方法は、第1換気システムにおいて、冷却流体および冷却器を有する冷却システムに接続される第1冷却コイルに第1空気流を流す段階を備える。更に、当該方法は、本発明に係る方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調システム、特に、エアハンドリングユニット(AHU)または暖房換気空調(HVAC)システムは、空気流を冷却するための冷却器および冷却コイルを含む冷却システム、ならびに、空気流を加熱するための加熱器および加熱コイルを含む加熱システムを使用する。加熱および/または冷却に投入する必要があるエネルギー量を低減することが期待される、様々なそのようなシステムが知られている。
【0003】
例えば、US 2013/0213608 A1は、冷却システムによって外気が冷却および除湿される装置を示している。空気を冷却するプロセスの後により高い温度を有する冷却システムの冷却流体の一部は、加熱システムに戻される。この目的のために、冷却コイルは、流体を出すための出口を有し、加熱コイルは、流体を受け入れるための入口を有する。加熱システムは、空気が屋内空間に放たれる前に、冷却および除湿された空気を加熱する。戻された冷却流体から放たれる熱を使用することにより、加熱システムの加熱電力を低減でき、その結果、電力を節約できる。
【0004】
しかしながら、これらのシステムはすべて、適用可能となるためには、専門的な方式で構築される必要があるという点で、または、既存のシステムがアップグレードされる必要があるという点で共通している。したがって、本発明によって解決される1つの課題は、空調システムにおけるエネルギーを節約するための容易な方法を提供することである。別の課題は、既存のシステムを使用して、または、既存のシステムに対して最低限の変更を適用するだけで、エネルギーを節約できるようにすることである。更に、本発明の方法および装置によって、新しく構築される空調システムにおけるエネルギーを節約するための容易な手段を提供することも可能なはずである。更に、好ましくは、そのような空調システムの構築において、より少ないリソースが使用されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
これは、第1空気流の温度によって解決される。冷却コイルを通過するとき、第1空気流の温度は、第1冷却コイルを流れる冷却流体の温度より低く、第1空気流は加熱され、第1空気流が第1冷却コイルを通過するとき、冷却コイルを流れる冷却流体は冷却される。更に、本発明に係る方法を実行するための制御装置を備える装置によって解決される。
【0006】
これにより、空調システムは、冷却システムを使用して空気を加熱できる。更に、冷却システムにおける加熱は既に利用可能であり、製造される必要がないので、システムはエネルギーを節約できる。追加的に、冷却流体は、このプロセスで冷却されるので、冷却流体を冷却するためにエネルギーを消費する必要なく冷却流体の温度が下げられる。他の応用のためにどれだけの冷却流体を冷却する必要があるかに応じて、冷却器は、フルパワーモード、省電力モードで動作できる、または、オフに切り替えることができる。
【0007】
好ましくは、方法は更に、外気が第1空気流を構成するように、更に好ましくは吸気ダンパを通じて第1換気システムへ外気を吸引する段階を備える。更に、外気、または、一般的には第1換気システムにおける空気流を加熱すべき温度を規定する温度設定点を設定することができる。本発明の方法は、温度設定点と、第1冷却コイルに流れる冷却流体の温度とが、外気の温度より高い場合に、特に適用可能である。温度設定点が屋外温度より高く、第1冷却コイルを流れる冷却流体の温度が屋外温度より高いので、冷却システムおよび冷却コイルを使用して、吸引される外気と同等である第1空気流を加熱することが可能である。方法の好ましい変形例において、この空気は次に、加熱コイルによって加熱される。特に、第1換気システムが、冷却、または加熱および冷却の混合、または、異なる加熱供給温度を必要とする領域に供給するとき、空気のこの予熱は、第1換気システムの温度供給設定点を満たすのに十分であり得る。追加の加熱を必要とする領域は、ローカルの第2加熱システムから補充熱を供給されることができる、および/または、第1換気システムにおける再加熱コイル(提供される場合)は、第1冷却コイルを通過することによって予熱された後に、補充熱を第1空気流に提供することを担当することできる。通常、空気を予熱するための温度設定点は、摂氏12度から摂氏19度の間である。したがって、好ましい実施形態における空間温度設定点要件を満たすように、加熱システムが任意の必要な補充熱を提供し続けることが可能なので、温度設定点は、空調システムによる影響を受ける人に快適性を保証する。これは、主に人の快適性以外の目的で空気が調節されるプロセス空気供給システムにも適用される。追加的に、外気温が低い場合、冷却システムは、高められた温度で動作できる。
【0008】
本方法の好ましい変形例において、方法は更に、第1冷却コイルに第1空気流を流す前に、第1加熱コイルに第1空気流を流すことによって、第1空気流を加熱する段階、および/または、第1冷却コイルに空気流を流した後に、第2加熱コイルに第1空気流を流すことによって第1空気流を更に加熱する段階を備える。第1加熱コイルおよび第2加熱コイルは、加熱器を有する加熱システムに接続される。少なくとも1つの追加的な加熱コイルをこのように使用することによって、第1空気流の温度を、冷却システムを単独で使用することによって可能となる温度より、更に高めることができる。システムはまた、加熱コイルのうち1つだけを含むことができるか、または、加熱コイルのうち1つだけを利用することができるか、または、様々な可能な配置を有する2つより多くの加熱コイルを含むことができる。当然、システムは、第1冷却コイルおよび加熱コイルに対して異なる位置に配置された1つより多くの冷却コイルも含むことができる。更に、第1加熱コイルは予熱コイルであってよく、第1空気流、特に、吸引されている外気の温度に応じて、冷却コイルを霜から保護できる。第2加熱コイルは特に、再加熱コイルであってよい。その結果、本発明が適用可能でないことがあるときの条件下において、冷却コイルにおける空気流を冷却し、再加熱コイルにおいて再加熱することによって、空気を除湿するためにシステムを使用できる。したがって、方法は、加熱、冷却、加湿(加湿器が提供される場合)および/または除湿された空気を提供するために使用できる、既に使用されている通常の空調システムに応用可能である。
【0009】
加熱コイルだけでなく、冷却コイルも、本発明の方法において加熱のために使用されるので、より低い温度で加熱器が動作すること、すなわち、より少ないエネルギーを消費すること、加熱システムにおける流量がより低いこと、および/または、コイルの領域がより小さい、または、この方法が無ければ必要となったであろう大きさよりコイルを小さくすることが可能である。追加的に、特定の条件下において、加熱器をオフに切り替えることが可能であり得る。更に、特定の条件下において、予熱コイルの必要性を回避し、代わりに、予熱/加熱のために冷却コイルを使用することが可能であり得る。
【0010】
好ましくは、方法において、加熱コイルの1つまたはすべてより多くの列/フィンを有するコイルが冷却コイルに使用される。これにより、1つだけの冷却コイル、または、加熱コイルより少ない冷却コイルの使用が可能になり、冷却流体と第1空気流との間の温度差がより小さくすることが可能になる。更に、冷却コイルは、好ましくはドレイントレイを使用する。それにより、空気の除湿に使用されるとき、ドレイントレイは凝縮水を回収する。
【0011】
好ましくは、方法は更に、第1空気流を加熱するために、冷却システムにおいて冷却流体の残留熱を使用する段階を備える。これにより、第1空気流を加熱するために任意の追加のエネルギーを提供する必要が無くなり、したがって、空調システムによって通常使用されるエネルギーを節約する。好ましくは、そのような変形例において、利用可能な残留熱の量を低減しないように、冷却器はオフに切り替えられる。追加のエネルギーが冷却システムに与えられない限り、この方法は、限定された時間量だけにわたって使用されることができることは明らかである。なぜなら、残留熱は最終的には使い果たされるか、または、温度差が低すぎて、効果的な熱交換ができないからである。
【0012】
方法の別の好ましい変形例において、方法は更に、第2冷却コイルを有する第2換気システムにおける第2空気流を含み、第2冷却コイルは、冷却システムに接続され、冷却流体は、第2冷却システムおよび第2冷却コイルにも流れ、冷却流体は、第2冷却コイルを流れる間に加熱される。したがって、冷却システムへ入力される熱があり、これは、第1冷却コイルにおいて再び放出されることができ、加熱器によって提供される必要がある熱量を低減する。逆に、冷却流体は、第1冷却コイルにおいて冷却され、第2冷却コイルを介する冷却を提供するために冷却器によって必要とされる電力量を低減する。したがって、加熱器および冷却器の両方、またはそれらの1つにおいて、エネルギーが節約される。
【0013】
本方法の別の好ましい変形例において、方法は更に、第2冷却エミッタ(例えばチルドビーム)を含み、第2冷却エミッタは、冷却システムに接続され、冷却流体は、第2冷却エミッタにも流れ、冷却流体は、第2冷却エミッタを流れる間に加熱される。したがって、冷却システムへ入力される熱があり、これは、第1冷却コイルにおいて再び放出されることができ、加熱器によって提供される必要がある熱量を低減する。逆に、冷却流体は、第1冷却コイルにおいて冷却され、第2冷却エミッタを介する冷却を提供するために冷却器によって必要とされる電力量を低減する。したがって、加熱器および冷却器の両方、またはそれらの1つにおいて、エネルギーが節約される。
【0014】
好ましくは、方法は、施設のための空調を提供する段階を更に備える。より一層好ましくは、方法は更に、任意選択で給気ファンを用いて、第1空気流を第1換気システムから施設の第1領域に吹き出す段階を備え、第2空気流は、第1領域と重複してよい施設の第2領域から第2換気システムに吸引され、第2空気流は、第2換気システムから、第1領域および/または第2領域と重複してよい施設の第3領域に吹き出される。したがって、空調システムは、施設のいくつかの領域に冷却を提供でき、一方で、いくつかの他の領域に加熱を提供することもできる。加熱は、冷却が提供される領域と重複することもできる。これらの領域はまた、どこで冷却および加熱の必要があるかに応じて変更できる。
【0015】
方法は更に、屋外温度、第1冷却流体および/または第2冷却流体の温度、および/または、施設における第1、第2、および/または第3領域における周囲温度を測定する段階を含むことが好ましい。これにより、方法を適用できる正確なパラメータを決定することがより容易になる。更に好ましくは、第1空気流および/または第2空気流の流量を、より一層好ましくは給気ファンおよび/または吸気ダンパを調整することによって、冷却流体の流量を、より一層好ましくは冷却システムにおけるバルブおよび/またはポンプを使用および調整することによって、加熱システムにおける加熱流体の流量を、より一層好ましくは加熱システムにおけるバルブおよび/またはポンプ、および/または、冷却器および/または加熱器の電力を使用および調整することによって制御する。これらの手段はすべて、消費されるエネルギーを低減しながら、各空気流の正しい温度に到達することを容易にする、または、換気システムまたは加熱および/または冷却システムにおいて、より小さいコイル、より弱い加熱器および/または冷却器、および/または、より小さい流量を使用することを可能にする。
【0016】
好ましくは、方法は更に、第1換気システムにおける第1空気流を濾過する段階を備え、この段階は、パネルフィルタおよび/またはバッグフィルタを使用することによって行われることが、より一層好ましい。したがって、空調システムによって提供される空気は、より高い質を有することができる。更に、第1空気流が、第1換気システムにおいても加湿されることが好ましい。本発明の方法は、屋外温度が低いとき、好ましくは、摂氏15度未満の温度であるとき、より一層好ましくは、摂氏10度未満であるとき、もっとも好ましくは、摂氏7度未満であるときに、特に適用可能であるので、第1空気流の相対湿度は、加熱されるときに低減される。したがって、第1空気流が加湿される場合、本発明の方法は、より高い空気質、および、空調システムによって影響を受ける可能性がある人に対するより高い快適性を提供できる。
【0017】
本発明の別の変形例において、第1空気流を除湿する段階も含んでよい。
【0018】
好ましくは、第1換気システムについての上述の好ましい手段のいくつか、またはすべては、第2換気システムにも適用される。
【0019】
更に、本発明は、空調のための装置を含み、当該装置は、第1換気システムであって、好ましくは屋外に接続された(より一層好ましくは、当該接続は吸気ダンパを含む)第1空気流と、好ましくは、冷却器を有する冷却システム(好ましくは、冷却システムにおいてバルブおよび/またはポンプを更に含む)に接続された、好ましくは第1換気システムにおいてドレイントレイを含む第1冷却コイルと、加熱器、および、第1換気システムに配置された第1加熱コイルおよび第2加熱コイルを有する加熱システム(より一層好ましくは、第1加熱コイルおよび第2加熱コイルは、冷却コイルより少ない列および/またはフィンを有し、および/または、加熱システムは、バルブおよび/またはポンプを含む)を有する第1換気システムと、第2空気流および/または第2冷却エミッタを有する第2換気システムであって、その中で、第1換気システムに接続された同一の冷却システムに接続された第2冷却コイル/エミッタが配置された、第2換気システムとを備え、上述の方法を実行するために制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1換気システム2、冷却システム3、および加熱システム4を備える空調システム1を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以降、図面の図1に図示される好ましい実施形態に基づいて、発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、この好ましい実施形態に限定されるものとみなされるべきでない。
【0022】
特に、図1は、第1換気システム2、冷却システム3、および加熱システム4を備える空調システム1を示す。第1換気システム2は、吸気ダンパ112を備え、それを通って、例えば摂氏2度の外気101が第1換気システム2に吸引される(外気101は温度102を有する)。吸引された外気101は第1空気流5を構成する。その結果、第1換気システム2における第1空気流5は、パネルフィルタ113およびバッグフィルタ114を通じて濾過される。
【0023】
次に、第1空気流5は、予熱コイルとも称されてよい第1加熱コイル106を通過し、ここで、第1空気流5は、外気温102、例えば摂氏2度から、より高い温度、例えば摂氏5度に加熱される。外気温102が凝固点温度より低い、特に、冷却流体6の凝固点温度より低い場合、第1空気流5の温度は、第1加熱コイル106によって、少なくとも凝固点温度より上に高められるべきである。
【0024】
その後、第1空気流5は第1冷却コイル107を通過する。第1冷却コイル107直前の第1空気流5の温度は、第1冷却コイル107を流れる冷却流体6の温度より低い。したがって、第1空気流5は、第1冷却コイル107を通過すると加熱され、一方、冷却流体6は冷却される。冷却コイルを通過した後の、第1空気流5の高められた温度は、例えば、摂氏13度であってよい。一方、第1冷却コイル107を流れる直前の冷却流体6の温度は、高められた温度に対応する摂氏16度であってよく、年のうち季節的な冷房期間では通常あり得る。冷却コイル107を通過後の冷却流体の温度は、例えば、摂氏14度であってよい。したがって、冷却流体6は、「無料」の冷却を受け、一方、第1空気流5は、「無料」の加熱を受ける。ここで、「無料」とは、追加のエネルギーが加熱器または冷却器において消費されないことを意味する。
【0025】
続いて、第1空気流5は第2加熱コイル108を通過し、第1空気流5の温度は、例えば摂氏18度であってよい最終温度111に更に高められる。第2加熱コイル108はまた、再加熱コイルと称されてよい。なぜなら、本発明が適用可能でなくてよい条件下では、第1冷却コイル107において、第1空気流5が冷却されてから除湿された後に、第1空気流5を再加熱するために使用されることがあり得るからである。次に、第1空気流5は、必要な場合に余分な加湿お提供できる加湿器115を通過する。
【0026】
最後に、給気ファン105によって、最終温度111で、第1空気流5が施設の第1領域103に吹き出される。
【0027】
第1冷却コイル107は、冷却流体6を含む冷却システム3に接続される。冷却システムは更に、ポンプ119、冷却制御バルブ121、および冷却器109を含む。冷却システムは更に、第2換気システム(図1では不図示)および/または第2冷却エミッタ123(例えば、チルドビームまたはファンコイル)に接続された第2冷却コイルを含んでよい。第2換気システムの条件に応じて、冷却器109は、フルパワーモード、省電力モードで動作してよい、または、オフに切り替えられてよい。
【0028】
第1加熱コイルおよび第2加熱コイルは、加熱システム4に接続され、加熱システム4は更に、加熱器110、予熱制御バルブ120、再加熱制御バルブ122およびポンプ118を含む。例示的に、本発明の方法を使用することによって、加熱システム4は、第1空気流5を摂氏2~5度から摂氏13~18度に加熱するだけでよい。一方、本発明の方法を使用しない場合、第1空気流5を摂氏2度から18度に加熱する必要がある。
【0029】
HVACシステムコンポーネントのいくつかまたはすべてを制御するための制御装置7が提供される。第1冷却コイル107直前の第1空気流5の温度が、第1冷却コイル107を流れる冷却流体6の温度より低い場合、制御装置7を用いることにより、特に冷却システムポンプ119が作動される。
【0030】
空調システムの模式図の下の2つのチャートは、第1空気流5の温度チャート(上)および冷却流体6の温度チャート(下)である。第1空気流温度チャートにおける双方向矢印は、本発明を実装することによって節約できる加熱エネルギーの例を示す。冷却流体温度チャートにおける双方向矢印は、本発明を実装することによって、冷却器109からの追加のエネルギーの消費なしで達成される冷却の例を示す。温度チャートにおける値は、上述の例示的な値に従う。
【0031】
図に図示され、本明細書において説明される好ましい実施形態は、発明を説明する役割を有するだけであり、決して発明を本実施形態に限定するものではない。
[項目1]
空調のための方法であって、上記方法は、第1換気システムにおいて、冷却流体および冷却器を有する冷却システムに接続された第1冷却コイルに第1空気流を流す段階であって、上記第1冷却コイルを通過するときの上記第1空気流の温度は、上記第1冷却コイルを流れる上記冷却流体の温度より低く、上記第1空気流が上記第1冷却コイルを通過するときに上記第1空気流は加熱され、上記第1冷却コイルを流れる上記冷却流体は冷却される、段階を備える方法。
[項目2]
上記方法は、好ましくは吸気ダンパを通じて、ある温度の外気を上記第1換気システムに吸引する段階であって、その結果、上記外気が上記第1空気流を構成する、段階と、上記第1換気システムの温度設定点を規定する段階であって、上記温度設定点、および、上記第1冷却コイルを流れる上記冷却流体の温度は、上記外気の温度より高い、段階を備える、項目1に記載の方法。
[項目3]
上記方法は更に、上記第1冷却コイルに上記第1空気流を流す前に、第1加熱コイルに上記第1空気流を流すことによって、上記第1空気流を加熱する段階と、上記第1冷却コイルに上記第1空気流を流した後に、第2加熱コイルに上記第1空気流を流すことによって上記第1空気流を更に加熱する段階とを備え、上記第1加熱コイルおよび上記第2加熱コイルは、加熱器を有する加熱システムに接続される、項目1または2に記載の方法。
[項目4]
ドレイントレイを有するコイルを上記第1冷却コイルとして使用する、項目3に記載の方法。
[項目5]
上記方法は、上記第1空気流を加熱するために、上記冷却システムにおける上記冷却流体の残留熱を使用する段階と、任意選択で、上記冷却器を停止させるか、または、上記冷却器の出力を低減する段階とを備える、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
上記方法は更に、第2冷却コイルを有する第2換気システムにおける第2空気流を冷却する段階を備え、上記第2冷却コイルは、上記冷却システムに接続され、上記冷却流体は、上記第2冷却コイルにも流れ、上記冷却流体は、上記第2冷却コイルを流れる間に加熱される、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
上記方法は更に、第2冷却エミッタを冷却する段階であって、上記第2冷却エミッタは、上記冷却システムに接続され、上記冷却流体は、上記第2冷却エミッタにも流れ、上記冷却流体は、上記第2冷却エミッタを流れる間に加熱される、段階を備える、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
上記方法は、施設のために空調を提供する段階を備え、上記方法は更に、好ましくは給気ファンを用いて上記第1空気流を上記第1換気システムから上記施設の第1領域に吹き出す段階を備え、第2空気流は、上記第1領域と重複してよい上記施設の第2領域から第2換気システムに吸引され、上記第2空気流は、上記第2換気システムから、上記第1領域および/または上記第2領域と重複してよい上記施設の第3領域に吹き出される、項目7に記載の方法。
[項目9]
上記方法は更に、
外気温、第1冷却流体および/または第2冷却流体の温度、および/または、上記施設の上記第1領域、上記第2領域、および/または上記第3領域における周囲温度を測定する段階と、
好ましくは、上記給気ファンおよび/または吸気ダンパを調整することによって上記第1空気流および/または上記第2空気流の流量を制御し、好ましくは、上記冷却システムにおけるバルブおよび/またはポンプを使用および調整することによって上記冷却流体の流量を制御し、好ましくは、加熱システムにおけるバルブおよび/またはポンプを使用および調整することによって上記加熱システムにおける加熱流体の流量を制御し、および/または、上記冷却器および/または加熱器の電力を制御する段階と、
を備える、項目8に記載の方法。
[項目10]
上記方法は更に、好ましくは、パネルフィルタおよび/またはバッグフィルタによって、上記第1換気システムにおいて上記第1空気流を濾過する段階、および/または、加湿器を用いて、上記第1換気システムにおける上記第1空気流を加湿する段階を備える、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
空調のための装置であって、
好ましくは屋外に接続され、より一層好ましくは、上記接続は吸気ダンパを含む、上記第1空気流と、好ましくは、冷却器を有する冷却システムに接続された、上記第1換気システムにおいてドレイントレイを含む第1冷却コイルとを含む第1換気システムと、
上記冷却システムに接続された第2冷却コイルが中に配置される第2空気流を有する第2換気システムと、
を備え、制御装置が項目1から10のいずれか一項に記載の方法を実行する、装置。
図1