(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】EFEM及びEFEMへの乾燥空気の導入方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220105BHJP
B65G 49/00 20060101ALI20220105BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/00 A
F24F7/06 C
(21)【出願番号】P 2017108658
(22)【出願日】2017-05-31
【審査請求日】2020-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡部 勉
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-038888(JP,A)
【文献】特開2015-023037(JP,A)
【文献】特開2014-116441(JP,A)
【文献】特開2016-162818(JP,A)
【文献】特開2017-028110(JP,A)
【文献】特開2007-095879(JP,A)
【文献】特開2005-142185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/00
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥空気を導入する乾燥空気導入口を備える第1室と、
前記第1室の下方に接続しており人が出入り可能な開放ドアを備える第2室と、
前記第1室と前記第2室との間で循環気流を形成する気流形成部と、
前記第2室から前記第2室の気体を排出する気体排出部と、を有しており、
前記第1室と前記第2室とは、フィルタが設けられており前記循環気流の形成時に前記第1室から前記第2室へ向かう気流が生じる第1連通部と、通気状態変更部によって通気状態を変更可能であって前記循環気流の形成時に前記第2室から前記第1室へ向かう気流が生じる第2連通部と、を介して接続されており、
前記第2室は、下降気流が生じる第2進行領域と、上昇気流が生じる第2戻り領域とを有し、
前記第2進行領域を流れる気体は、前記第2戻り領域を上昇したのち、前記気体排出部から排出されることを特徴とするEFEM。
【請求項2】
前記気体排出部は、前記第2室における前記第1連通部より前記第2連通部に近い位置に接続しており、
前記通気状態変更部は、前記乾燥空気導入口より下方であって前記気体排出部より上方に位置する前記第2連通部に設けられる請求項1に記載のEFEM。
【請求項3】
前記通気状態変更部は、前記第2連通部を介して前記第2室から前記第1室へ気体が移動可能な状態と、前記第2連通部を介して前記第2室から前記第1室へ気体が移動できない状態とで、前記第2連通部の通気状態を切り換え可能なバルブを有することを特徴とする請求項2に記載のEFEM。
【請求項4】
乾燥空気導入口から第1室に乾燥空気を導入する導入ステップと、
前記第1室と、前記第1室の下方に接続する第2室と、を接続する第1及び第2連通部のうち、フィルタが設けられる前記第1連通部における前記乾燥空気の通気量が、前記第2連通部における前記乾燥空気の通気量より多い状態である非循環状態になるように、前記第2連通部の通気状態を変更する変更ステップと、
前記第2室から前記第2室の気体を
気体排出部を介して排出する排出ステップと、
を有し、
前記第2室は、下降気流が生じる第2進行領域と、上昇気流が生じる第2戻り領域とを有し、
前記排出ステップでは、前記第2進行領域を流れる気体は、前記第2戻り領域を上昇したのち、前記気体排出部から排出されるEFEMへの乾燥空気の導入方法。
【請求項5】
前記排出ステップにおいて、前記第2室の気体は、前記第2室における前記第1連通部より前記第2連通部に近い位置に接続する
前記気体排出部より排出される請求項4に記載のEFEMへの乾燥空気の導入方法。
【請求項6】
前記非循環状態であって前記導入ステップの継続中に、前記第2室に設けられ人が出入り可能な開放ドアのロックを解除する解除ステップを、さらに有する請求項4または請求項5に記載のEFEMへの乾燥空気の導入方法。
【請求項7】
前記第1室と前記第2室との間で循環気流を形成する気流形成部の駆動を停止する停止ステップを、さらに有する請求項4から請求項6までのいずれかに記載のEFEMへの乾燥空気の導入方法。
【請求項8】
乾燥空気導入口から第1室に乾燥空気を導入する導入ステップと、
前記第1室と、前記第1室の下方に接続する第2室と、を接続する第1及び第2連通部のうち、フィルタが設けられる前記第1連通部における前記乾燥空気の通気量が、前記第2連通部における前記乾燥空気の通気量より多い状態である非循環状態になるように、前記第2連通部の通気状態を変更する変更ステップと、
前記第2室の気体を排出する排出ステップと、
前記非循環状態であって前記導入ステップの継続中に、前記第2室に設けられ人が出入り可能な開放ドアのロックを解除する解除ステップと、を有するEFEMへの乾燥空気の導入方法。
【請求項9】
乾燥空気導入口から第1室に乾燥空気を導入する導入ステップと、
前記第1室と、前記第1室の下方に接続する第2室と、を接続する第1及び第2連通部のうち、フィルタが設けられる前記第1連通部における前記乾燥空気の通気量が、前記第2連通部における前記乾燥空気の通気量より多い状態である非循環状態になるように、前記第2連通部の通気状態を変更する変更ステップと、
前記第2室の気体を排出する排出ステップと、を有し、
前記導入ステップは、前記第1室と前記第2室との間で循環気流を形成する気流形成部の駆動を停止した状態で行われるEFEMへの乾燥空気の導入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体工場内において、搬送容器内から処理室へウエハを搬送するEFEM及びEFEMへの乾燥空気の導入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程では、フープ(FOUP)やフォスビ(FOSB)等と呼ばれるウエハ搬送容器を用いて、各処理装置の間のウエハの搬送が行われる。また、このようなウエハ搬送容器から処理室へウエハを搬送する際に、EFEM(Equipment Front End Module)が用いられる。EFEMは、ミニエンバイロメント等と呼ばれる、工場内の環境より清浄な空間を形成し、この空間を介して、ウエハ搬送容器と処理室との間でウエハを搬送する。したがって、ウエハが露出する環境は、ウエハ搬送容器から処理室までの搬送中においても清浄に維持され、酸化等からウエハを保護することができる(特許文献1等参照)。
【0003】
また、近年では、EFEMの内部で気体を循環させることのできる循環型のEFEMも提案されている。循環型のEFEMは、たとえば窒素等の置換ガスをEFEM内部で循環させることにより、ガスの消費量を減少させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のEFEMは、メンテナンス等の理由によりEFEMのドアを開いて工場内の気体がEFEM内に流入した場合、再度通常運転に復帰する際にEFEMの内部の湿度を迅速に低下させることができず、メンテナンス等に伴うEFEMの可動停止時間が長いという問題を有している。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、一時的に工場内の気体が内部に流入して湿度が上昇する状態を経た後であっても、EFEMの内部の湿度を迅速に低下させることが可能なEFEM及びEFEMへの乾燥空気の導入方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るEFEMは、
乾燥空気を導入する乾燥空気導入口を備える第1室と、
前記第1室の下方に接続しており人が出入り可能な開放ドアを備える第2室と、
前記第1室と前記第2室との間で循環気流を形成する気流形成部と、
前記第2室から前記第2室の気体を排出する気体排出部と、を有しており、
前記第1室と前記第2室とは、フィルタが設けられており前記循環気流の形成時に前記第1室から前記第2室へ向かう気流が生じる第1連通部と、通気状態変更部によって通気状態を変更可能であって前記循環気流の形成時に前記第2室から前記第1室へ向かう気流が生じる第2連通部と、を介して接続されている。
【0008】
本発明に係るEFEMは、通気状態変更部によって第2連通部の通気状態を変更し、第2連通部を介する気体の移動を制限することにより、第1室に導入される乾燥空気を、効果的に第1連通部に設けられるフィルタへ導くことができる。また、このようなEFEMは、第2室に乾燥していない空気が流入した場合であっても、そのような乾燥していない空気がEFEMの第1室と第2室との間を循環してフィルタに流入することを防ぐことができる。したがって、このようなEFEMでは、EFEMの第2室に工場内の乾燥していない空気が流入した場合にも、そのような空気がフィルタへ向かうことが防止され、フィルタへの水分の付着を防止することができる。これにより、本発明に係るEFEMは、一次的にEFEMの第2室の湿度が上昇しても、湿った空気の流入を遮断した後は迅速に湿度を低下させることができ、メンテナンス等から通常運転に復帰するまでの稼働停止時間を短縮することができる。
【0009】
また、たとえば、前記気体排出部は、前記第2室における前記第1連通部より前記第2連通部に近い位置に接続していてもよく、
前記通気状態変更部は、前記乾燥空気導入口より下方であって前記気体排出部より上方に位置する前記第2連通部に設けられていてもよい。
【0010】
このようなEFEMでは、気体排出部が、フィルタが設けられている第1連通部から離れた位置に配置されており、第2室に乾燥していない空気が流入した場合であっても、乾燥していない空気は効果的に気体排出部に導かれ、フィルタが設けられている第1連通部に乾燥していない空気が流入することを防止できる。
【0011】
また、たとえば、前記通気状態変更部は、前記第2連通部を介して前記第2室から前記第1室へ気体が移動可能な状態と、前記第2連通部を介して前記第2室から前記第1室へ気体が移動できない状態との間で、前記第2連通部の通気状態を切り換え可能なバルブを有してもよい。
【0012】
通気状態変更部がこのようなバルブを有するEFEMは、第2室に乾燥していない空気が流入した場合であっても、そのような乾燥していない空気がEFEMの第1室と第2室との間を循環することを防止し、乾燥していない空気が第1室側からフィルタに流入することを防ぐことができる。
【0013】
本発明に係るEFEMへの乾燥空気の導入方法は、
乾燥空気導入口から第1室に乾燥空気を導入する導入ステップと、
前記第1室と、前記第1室の下方に接続する第2室と、を接続する第1及び第2連通部のうち、フィルタが設けられる前記第1連通部における前記乾燥空気の通気量が、前記第2連通部における前記乾燥空気の通気量より多い状態である非循環状態になるように、前記第2連通部の通気状態を変更する変更ステップと、
前記第2室の気体を排出する排出ステップと、を有する。
【0014】
本発明に係るEFEMへの乾燥空気の導入方法によれば、非循環状態にすることにより第2連通部の通気量を制限し、第1室に導入される乾燥空気を、効果的に第1連通部に設けられるフィルタへ導くことができる。このような乾燥空気の導入方法によれば、第2室に乾燥していない空気が流入した場合であっても、そのような乾燥していない空気がEFEMの第1室と第2室との間を循環してフィルタに流入することを防ぐことができる。したがって、このような乾燥空気の導入方法によれば、EFEMの第2室に工場内の乾燥していない空気が流入した場合にも、そのような空気がフィルタへ向かうことが防止され、フィルタへの水分の付着を防止することができる。
【0015】
また、たとえば、前記排出ステップにおいて、前記第2室の気体は、前記第2室における前記第1連通部より前記第2連通部に近い位置に接続する気体排出部より排出されてもよい。
【0016】
このような乾燥空気の導入方法によれば、フィルタが設けられている第1連通部から離れた位置に気体排出部が配置されているため、第2室に乾燥していない空気が流入した場合であっても、乾燥していない空気は効果的に気体排出部に導かれ、フィルタが設けられている第1連通部に乾燥していない空気が流入することを防止できる。
【0017】
また、たとえば、本発明に係るEFEMへの乾燥空気の導入方法は、前記非循環状態であって前記導入ステップの継続中に、前記第2室に設けられ人が出入り可能な開放ドアのロックを解除する解除ステップを、さらに有してもよい。
【0018】
このような乾燥空気の導入方法は、開放ドアのロックの解除を制御することにより、工場内の乾燥していない空気が第2室に流入するおそれのある開放ドアを開けることができるタイミングを制限し、フィルタが設けられている第1連通部に乾燥していない空気が流入することを確実に防止できる。
【0019】
また、たとえば、本発明に係るEFEMへの乾燥空気の導入方法は、前記第1室と前記第2室との間で循環気流を形成する気流形成部の駆動を停止する停止ステップを、さらに有してもよい。
【0020】
このような乾燥空気の導入方法は、気流形成部の駆動を停止して乾燥空気の導入を行うことにより、第2室に乾燥していない空気が流入した場合であっても、乾燥していない空気は効果的に気体排出部に導かれ、フィルタが設けられている第1連通部に乾燥していない空気が流入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るEFEMの循環気流の形成状態を表す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すEFEMの乾燥空気導入時における乾燥空気の気流を表す概念図である。
【
図3】
図3は、変形例に係るEFEMの乾燥空気導入時における乾燥空気の気流を表す概念図である。
【
図4】
図4は、第2室内の湿度の時間変化およびフィルタ中の水分量の時間変化を、
図1に示すEFEMと従来のEFEMとの間で比較した概念図である。
【
図5】
図5は、
図1に示すEFEMへの乾燥空気の導入方法の一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るEFEM50の概略図であり、EFEM50(イーフェム、Equipment Front End Module)は、半導体工場において、ウエハを搬送するウエハ搬送容器であるフープ(不図示)と、ウエハに対して処理を行う処理室(不図示)との間で、ウエハを受け渡すために用いられる装置である。
【0023】
EFEM50は、ミニエンバイロメントと呼ばれる清浄空間を内部に形成する第2室64を有しており、フープに収納されたウエハは、第2室64を通って処理室に搬送される。なお、
図1には現れていないが、EFEM50は、フープを設置する載置台や、フープ内部と第2室64とを気密に接続するためのドア等を有するロードポート装置を有する。
【0024】
図1における矢印90は、EFEM50の第2室64においてウエハの搬送等が行われる通常運転状態において、EFEM50内に形成される循環気流の状態を表したものである。本実施形態に係るEFEM50では、第2室64の上方(第2室64を1階部分とすれば2階部分)に設けられた第1室54を介して、第1室54の下方に接続する第2室64に、置換ガスとしての窒素ガスが導入される。
【0025】
図1に示すように、第1室54と第2室64との間には2つの連通部である第1連通部58と、第2連通部70とが設けられており、第1連通部58及び第2連通部70は、第1室54と第2室64とを接続する。
【0026】
通常運転状態では、第1室54及び第2室64に導入された窒素ガスは、第1連通部58及び第2連通部70を介して移動し、
図1において矢印90で示されるように、第1室54と第2室64との間を循環する循環気流を形成する。フープと処理室との間のウエハの搬送は、
図1に示すように第1室54と第2室64とを循環する窒素ガスの循環気流を形成した状態で行われる。
【0027】
EFEM50は、第1室54及び第2室64の他に、ガス導入口52、乾燥空気導入口53、気流形成部60、フィルタ62、通気状態変更部74、気体排出部68、開放ドア80等を有する。また、
図1には現れないが、EFEM50は、第2室64に設けられておりウエハを搬送するための搬送ロボットや、フープと第2室64とを接続するためのロードポート装置等を有する。
【0028】
図1に示すように、第1室54は、窒素ガスを導入するガス導入口52と、乾燥空気を導入する乾燥空気導入口53とを備える。ガス導入口52は、第1室54の側壁部又は天井部に設けられており、第1室54には、ガス導入口52により、置換ガスである窒素ガスが導入される。ガス導入口52には、導入流路を介して不図示の窒素ガスタンク等から、窒素ガスが供給される。なお、置換ガスは、窒素ガス以外の他の不活性ガスであってもよい。また、乾燥空気導入口53については、
図2を用いて後ほど述べる。
【0029】
図1に示すように、第1室54は、第2室64の上方に接続しており、第1室54は、第2室64の直上に配置されている。第1室54の広さは、特に限定されないが、たとえば、
図2に示す例では、第1室54の高さ方向の長さは、下方にある第2室64より短く、第1室54の上方からの投影面積は、下方にある第2室64と同じである。第1室54の空間を第2室64の空間より狭くすることで、効率的にフィルタ62に置換ガスや乾燥空気を送ることができるとともに、EFEM50のサイズが大きくなることを防止できる。
【0030】
図1に示すように、第2室64は、第1室54の下方に接続している。
図1に示すように、第2室64は、人が出入り可能な開放ドア80を備える。開放ドア80にはロック機構が備えられており、ロック機構によるロックが解除されることにより、メンテナンス等を行う人82が、開放ドア80を開放して第2室64の中に入ることができる(
図2参照)。開放ドア80のロック機構は、図示しない制御部によって制御されており、たとえば、制御部は、第2室64内の酸素濃度が所定値以上の場合に、開放ドア80のロックを解除する。
【0031】
第2室64は、第2室64の湿度を測定する湿度計65と、第2室64の酸素濃度を測定する酸素濃度計66とを備える。また、第2室64には、圧力計など他の計測器が備えられていてもよい。
【0032】
図1に示すように、第2室64は、ウエハ等を搬送する領域である第2進行領域64aと、リターンダクトで構成される第2戻り領域64bとを有する。第2進行領域64aと第2戻り領域64bとは、水平方向に並べて配置されており、いずれも第1室54の下方に接続している。第2進行領域64aと第2戻り領域64bとは、第2室64の天井部分から下方に延びる中間壁69によって仕切られている。中間壁69の下方には、第2進行領域64aと第2戻り領域64bの互いの下部を繋ぐ下部連通部67が形成されており、第2戻り領域64bは、第2進行領域64aに対して、下部連通部67を介して連通している。
【0033】
図1に示すような循環気流の形成時には、第2室64の第2進行領域64aには下降気流が生じ、第2戻り領域64bには上昇気流が生じる。また、第1室54は、第2進行領域64aの上方に接続する第1進行領域54aと、第2戻り領域64bの上方に接続する第1戻り領域54bを有している。
図1において矢印90で示されるように、循環気流は、第1進行領域54a、第2進行領域64a、第2戻り領域64b、第1戻り領域54b、第1進行領域54a・・・の順番で、第1室54と第2室64とを循環する。
【0034】
図1に示すように、第1室54と第2室64とは、第1連通部58と第2連通部70とを介して接続されている。第1連通部58では、循環気流の形成時に、第1室54から第2室64へ向かう気流(下降気流)が生じる。第1連通部58には、第1室54と第2室64との間で循環気流を形成する気流形成部60と、フィルタ62が設けられている。
【0035】
気流形成部60は、送風ファン61及び送風ファン61を駆動する駆動部を有しており、図示しない制御部からの制御を受けて送風ファン61を回転させ、
図1に示す循環気流をEFEM50の内部に形成する。気流形成部60は、第2室64の第2進行領域64aにダウンフローを形成することにより、第2室64内に浮遊するパーティクルを低減させ、第2室64における第2進行領域64aの清浄度を高めることができる。また、気流形成部60は、さらに第2室64の第2戻り領域64bを上昇したのち第2連通部70を通過して第1室54に戻り、さらに第1室54の第1戻り領域54b及び第1進行領域54aを通って第1連通部58に戻る循環気流を形成することにより、ガス導入口52よりEFEM50に補充される窒素ガスの消費量を抑制することができる。
【0036】
フィルタ62は、第1室54及び第2室64内の気体に含まれるパーティクルや、所定の成分を除去することにより、EFEM50内の清浄度を高める。フィルタ62としては、たとえばパーティクル除去フィルタとケミカルフィルタとを組み合わせたものが挙げられるが、特に限定されない。第1連通部58に備えられる気流形成部60とフィルタ62は、気流形成部60の送風ファン61とフィルタ62とが一体となったファンフィルタユニット(FFU)であってもよく、気流形成部60とフィルタ62とが別体であってもよい。気流形成部60とフィルタ62とが別体である場合、たとえば気流形成部60の送風ファン61は、第1室54の天井部等に配置することができる。
【0037】
図1に示すように、第2連通部70では、循環気流の形成時に、第2室64から第1室54へ向かう気流(上昇気流)が生じる。第2連通部70には、第2連通部70の通気状態を変更する通気状態変更部74が設けられている。通気状態変更部74は、第2連通部70を介して第2室64から第1室54へ気体が移動可能な状態(
図1参照)と、第2連通部70を介して第2室64から第1室54へ気体が移動できない状態(
図2参照)とで、第2連通部70の通気状態を切り換え可能なバルブ75を有する。バルブ75としては、第2連通部70を遮蔽および開放し、第2連通部70の通気量を調整できるバタフライバルブや、ゲートバルブなどが挙げられるが、他のバルブやシャッター等であっても構わない。
【0038】
図2は、
図1に示すEFEM50の乾燥空気導入時における乾燥空気の気流を表す概念図である。
図2に示すように、第1室54の側壁又は天井部には、乾燥空気導入口53が設けられており、乾燥空気導入口53を介して、第1室54内に乾燥空気が導入される。EFEM50が通常運転状態である場合は、
図1に示すようにEFEM内は窒素ガスで満たされているが、たとえばメンテナンス時のように、人82がEFEM50の第2室64に入る必要が生じた場合等には、
図2に示すようにEFEM50内への乾燥空気の導入が行われる。乾燥空気の湿度は、(0~10%)が好ましく、(0~5)%程度がさらに好ましい。なお、乾燥空気は、ドライエア、CDA(clean dry air)、クリーンドライエア、またはドライエアと呼ばれ場合がある。
【0039】
図2に示す状態では、通気状態変更部74のバルブ75が、第2連通部70を遮蔽しており、第1室54と第2室64とは、第1連通部58のみを介して接続されている。また、乾燥空気導入時には、気流形成部60の駆動は停止されているが、第2連通部70を遮蔽した状態において乾燥空気導入口53から継続的に第1室54に乾燥空気が導入されることにより、乾燥空気は、フィルタ62が備えらえる第1連通部58へ導かれ、フィルタ62を介して第2室64の第2進行領域64aに流入する。さらに、第2室64の第2進行領域64aに流入した乾燥空気は、第2進行領域64aを下降したのち下部連通部67を通過して第2戻り領域64bに入り、第2戻り領域64bを上昇したのち気体排出部68から排出される。
【0040】
気体排出部68は、第2室64から第2室64の気体を排出する。気体排出部68からは、
図2に示すように乾燥空気導入口53からEFEM50に導入された乾燥空気や、第1に示すようにガス導入口52から導入された窒素ガスや、開放ドア80から第2室64に流入した工場内の空気等が排出される。
図1に示す循環気流の形成時には、気体排出部68からの気体の排出は停止されていてもよく、また、ガス導入口52からのガスの供給量に相当する量の気体を、気体排出部68から排出してもよい。また、
図2に示す非循環状態では、乾燥空気導入口53からの乾燥空気の供給量に相当する量の気体を、気体排出部68から排出してもよい。
【0041】
気体排出部68は、第2室64の第2戻り領域64bに接続しており、気体排出部68の第2室64への接続位置は、第1連通部58より第2連通部70に近い。
図2に示すように通気状態変更部74により遮蔽される第2連通部70は、第1室54に備えられる乾燥空気導入口53より下方であって、第2室64に接続される気体排出部68より上方に位置する。本実施形態に係る気体排出部68は、ファンのような送風手段を有しない自然排気機構であるが、気体排出部68としては、送風手段を有する強制排出機構であってもよい。
【0042】
図5は、
図1及び
図2に示すEFEM50において実施されるEFEM50への乾燥空気の導入方法の一例を表すフローチャートである。
図5におけるステップS001から開始される乾燥空気の導入方法は、たとえば
図1に示すように、EFEM50内が窒素ガスで満たされている通常運転を実施している時に開始される。
【0043】
図5に示すステップS001では、ガス導入口52から第1室54に窒素ガスを導入する窒素ガス導入ステップを終了する。ステップS001より前の通常運転時には、酸素濃度の上昇防止や、置換ガスの入れ替えなどのために、必要に応じてガス導入口52から第1室54へ窒素ガスが供給される。しかし、乾燥空気の導入時には、窒素ガスの導入は必要ないため、
図5のステップS001以降、ステップS009において窒素ガスの導入が再び開始されるまでの間、EFEM50内への窒素ガスの導入は停止される。
【0044】
図5に示すステップS002では、
図1に示す第1室54と第2室64との間で循環気流を形成する気流形成部60の駆動を停止する停止ステップが行われる。具体的には、図示しない制御部が気流形成部60の駆動を停止することにより、気流形成部60の送風ファン61の回転が停止する。
【0045】
図5に示すステップ003では、EFEM50が非循環状態になるように第2連通部70の通気状態を変更する第1変更ステップを実施する。より具体的には、図示しない制御部が通気状態変更部74のバルブ75を駆動し、
図1に示すようにバルブ75が第2連通部70を遮蔽しない状態から、
図2に示すようにバルブ75が第2連通部70を遮蔽する状態に変更することにより、第2連通部70の通気状態を変更する。
【0046】
図1に示すように、第1室54と第2室64との間で循環気流が形成される通常運転状態では、第1連通部58における気体(窒素ガス)の通気量は、第2連通部70における気体(窒素ガス)の通気量と概ね同様である。これに対して、
図2に示すようにEFEM50が非循環状態になると、フィルタ62が設けられる第1連通部58における気体(乾燥空気)の通気量は、第2連通部70における気体(乾燥空気)の通気量より多くなり、特に、非循環状態では、気体(乾燥空気)が第2連通部70を通過できない状態となることが好ましい。
【0047】
図5に示すステップS004では、乾燥空気導入口53から第1室54に乾燥空気を導入する導入ステップを開始する。ステップS003において第2連通部70がバルブ75によって遮蔽されているため、第1室54に導入された乾燥空気は、
図2に示すように、第1連通部58のフィルタ62へ向かって流れ、さらに乾燥空気がフィルタ62を通過して第2室64に流入することにより、第1室54及び第2室64には、矢印92で示されるような乾燥空気の気流が形成される。
【0048】
図5に示すステップS005では、気体排出部68から第2室54の気体を排出する排出ステップが開始される。気体排出部68が排気用ファン等を使用する強制排気ではなく、自然排気を行う場合には、排出ステップは、ステップS004によって乾燥空気の導入が開始され、さらに第1室54の気体が第2室64に流入し始めることに連動して開始される。気体排出部68からは、通常運転時に第1室54及び第2室64を満たしていた窒素ガスや、導入ステップによってEFEM50内に導入されフィルタ62を通過した乾燥空気が排出される。
【0049】
乾燥空気を第1室54内に導入する導入ステップと、第2室64から第2室64の気体を排出する排出ステップが継続されることにより、第1室54及び第2室64内の気体は、窒素ガスから乾燥空気へ置き換えられ、これに伴い第2室64の酸素濃度が上昇する。
【0050】
図5に示すステップS006では、開放ドア80のロックを解除する解除ステップを行う。解除ステップでは、図示しない制御部がロック機構を駆動し、開放ドア80のロックを解除する。ステップS006の解除ステップが行われることにより、メンテナンスを行う人82(メンテナンス作業者)は、外部から開放ドア80を開放することが可能になる。この際、本実施形態に係るEFEM50の制御部は、EFEM50が非循環状態であって、かつ、乾燥空気を第1室54内に導入する導入ステップが継続中であるという条件を満足するときに、開放ドア80のロックを解除する。また、EFEM50の制御部は、安全確保のために、第2室54に備えられる酸素濃度計66の検出値を確認し、酸素濃度が所定値以上であるという条件を、先述の条件に加えてさらに満足するときに、開放ドア80のロックを解除する。
【0051】
開放ドア80のロックが解除された後、メンテナンスを行う人82は開放ドア80を開閉して第2室64の中に入り、EFEM50内でのメンテナンス作業を行った後、再度開放ドア80を開閉して第2室64の外に出る。人82の出入り等に伴い開放ドア80を開閉する際、EFEM50の設置環境である半導体工場内の乾燥していない空気が、第2室64内に一定程度流入する。しかしながら、
図2において矢印92で示されるような乾燥空気の気流が、EFEM50内に形成されていることにより、開放ドア80の開口を介して第2室64に流入した乾燥していない空気およびこれに含まれる水蒸気は、大半がフィルタ62へ向かって流れることなく気体排出部68から排出される。
【0052】
また、
図5に示すステップS002で停止ステップが行われていることにより、開放ドア80の開閉を行う際、気流形成部60の駆動は停止している。したがって、第2室64における第2進行領域64a内の気体が送風ファン61によってかき混ぜられることが防止され、第2室64に流入した乾燥していない空気およびこれに含まれる水蒸気の一部が、フィルタ62へ流れる問題をさらに効果的に防止できる。
【0053】
メンテナンス作業が終了した後、
図5に示すステップS007では、EFEM50の制御部が乾燥空気導入口53から第1室54への乾燥空気の導入を停止し、乾燥空気の導入ステップを終了する。また、ステップS007で乾燥空気が導入されなくなることに伴い、EFEM50の制御部は、開放ドア80をロックするロックステップを行う(ステップS008)。
【0054】
図5に示すステップS009では、ガス導入口52から第1室54に窒素ガスを導入する窒素ガス導入ステップを開始(再開)する。ガス導入口52から第1室54に供給された窒素ガスは、
図2に示す乾燥空気の流れと同様に、第1連通部58のフィルタ62へ向かって流れ、さらにフィルタ62を通過して第2室64に流入する。ガス導入ステップが継続されることにより乾燥空気が気体排出部68から排出され、第1室54及び第2室64内の気体は、乾燥空気から窒素ガスへ置き換えられる。なお、第1室54および第2室64の窒素ガスへの置換は、EFEM50を
図1に示すような循環状態にして行うことも可能であるが、
図2に示すような非循環状態で行う方が乾燥空気を効率的に排出し、置換に要する時間を短縮することができる。また、同様の理由から、第1室54および第2室64の窒素ガスへの置換は、気流形成部60の駆動を停止した状態で行われる方が好ましい。
【0055】
ステップS010では、
図2に示すようなEFEM50の非循環状態を終了させ、EFEM50の第1室54と第2室64との間で循環気流が形成できるように、第2連通部70の通気状態を変更する第2変更ステップを実施する。より具体的には、EFEM50の制御部は、第2室64に備えられる酸素濃度計66の検出値が所定値を下回る状態となったことを確認した後、通気状態変更部74のバルブ75を駆動し、
図2に示すようにバルブ75が第2連通部70を遮蔽する状態から、
図1に示すようにバルブ75が第2連通部70を遮蔽しない状態に変更することにより、第2連通部70の通気状態を変更する。
【0056】
図5に示すステップS011では、第1室54と第2室64との間で循環気流を形成する気流形成部60の駆動を開始(再開)する再開ステップが行われる。具体的には、図示しない制御部が気流形成部60の駆動を開始することにより、気流形成部60の送風ファン61が回転し、
図1の矢印90で示されるような窒素ガスの循環気流が第1室54及び第2室64に形成される。このようにして、EFEM50は、乾燥空気を第1室54および第2室64に導入してメンテナンス作業を行い、その後再び窒素ガスを第1室54および第2室64に導入して通常運転へ復帰することができる。
【0057】
このような乾燥空気の導入を行うことができるEFEM50は、
図2に示すように通気状態変更部74によって第2連通部70を遮蔽することにより、第1室54に導入される乾燥空気を、第1連通部58に設けられるフィルタ62へ効果的に導くことができる。これにより、このようなEFEM50は、第2室64に乾燥していない空気が流入した場合であっても、そのような乾燥していない空気又はこれに含まれる水蒸気がフィルタに流入してフィルタに水分が付着又は吸着する問題を防ぐことができる。これにより、EFEM50は、一次的にEFEM50の第2室64の湿度が上昇しても、乾燥していない空気の流入を遮断した後は迅速に湿度を低下させることができ、メンテナンス等から通常運転に復帰するまでの稼働停止時間を短縮することができる。
【0058】
図4(a)は、メンテナンス時に乾燥空気の導入を行わない従来のEFEMと、実施形態に示すEFEM50とで、第2室64の湿度の時間変化を比較したものである。
図4(a)におけるt1は、メンテナンス作業において開放ドア80を開くなどして、第2室64に工場内の乾燥していない空気が流入し始める時間を表している。また、
図4(b)におけるt2は、メンテナンス作業が終了した後、第1室54及び第2室64へ窒素ガスの置換を開始した時間を表している。
【0059】
図4(a)に示すように、いずれのEFEMでも同様に、工場内の乾燥していない空気が第2室64に流入することにより、t1からt2までの間、第2室64の湿度が上昇する。しかしながら、第1室54及び第2室64へ窒素ガスの置換を開始した時間であるt2より後は、実施形態に示すEFEM50は迅速に湿度が低下するのに対して、従来のEFEMは湿度の低下が緩やかであり、t1と同等のレベルまで湿度が低下するまでに時間が掛かる。このような違いは、
図4(b)に示すようなフィルタ62の水分量の時間変化に関係があると考えられる。
【0060】
図4(b)は、メンテナンス時に乾燥空気の導入を行わない従来のEFEMと、実施形態に示すEFEM50とで、フィルタ62中の水分量の時間変化を、
図4(a)と同様に比較したものである。従来のEFEMは、第2室64に工場内の乾燥していない空気が流入するt1からt2までの間、乾燥していない空気に含まれる水蒸気がフィルタ62に付着または吸着し、フィルタ62中の水分量が大きく上昇する。フィルタ62に付着または吸着した水蒸気は、フィルタ62に対して比較的強く結合するため、窒素ガスの置換が開始されるt2後における水分量の低下速度は遅い。すなわち、従来のEFEMでは、フィルタ62に付着または吸着した水分が、
図4(a)に示すような緩やかな湿度の回復をもたらすと考えられる。
【0061】
これに対して、実施形態に示すEFEM50は、第2室64に工場内の乾燥していない空気が流入するt1からt2までの間であっても、その間乾燥空気をフィルタ62に流入させ続けることにより、フィルタ62中の水分量の上昇が抑制され、フィルタ62にほとんど水分が蓄積されない。したがって、EFEM50は、
図4(a)に示すように、窒素ガスの置換が開始されるt2後において、迅速に湿度を低下させることができるものと考えられる。
【0062】
また、実施形態に係るEFEM50では、
図2に示すように、気体排出部68を通気状態変更部74が配置される第2連通部70の近くに配置し、フィルタ62が設けられる第1連通部58から離間して配置することにより、乾燥していない空気を効率的に気体排出部68へ導き、フィルタ62が設けられている第1連通部58に乾燥していない空気が流れる問題を防止できる。
【0063】
また、実施形態に係るEFEM50では、通気状態変更部74が、第2連通部70を遮蔽状態と連通状態とに切り換え可能なバルブ75を有しているため、第2室64に乾燥していない空気が流入した場合であっても、そのような乾燥していない空気が第1室54と第2室64との間を循環することを防止し、乾燥していない空気が第1室54側からフィルタ62に流入する問題を防止することができる。
【0064】
以上のように、実施形態を示して本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他の多くの実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。たとえば、
図3は、変形例に係るEFEM150を表す概略図であり、実施形態に係るEFEM50の
図2に対応する。EFEM150は、EFEM50が有する効果に加えて、以下のような効果を奏する。
【0065】
EFEM150は、乾燥空気の流路に熱源177が設けられており、フィルタ62に導入する乾燥空気を加熱することができる点で
図2に示すEFEM50とは異なるが、その他の点についてEFEM50と同様である。EFEM150では、熱源177を制御することにより、フィルタ62に対して加熱した乾燥空気を流入させることが可能であり、これによりフィルタ62に付着又は吸着した水分を効果的に除去することができる。EFEM150に備えられる熱源177としては特に限定されず、熱交換器や電気ヒーター等を用いることができる。
【0066】
また、このようなEFEM150は、フィルタ62中の水分量の上昇をより効果的に防止することができ、さらに、たとえフィルタ62中の水分量が上昇した場合にも、これを迅速に低下させることが可能であるため、フィルタ62中の水分により第2室64の湿度低下が遅延する問題を、効果的に防止することができる。
【0067】
また、EFEM50への乾燥空気の導入方法に関しても、
図5を用いて説明した方法のみに限定されず、必要に応じてステップを追加または削除し、あるいはステップの順序を入れ替えることが可能である。また、各ステップの内容および条件も適宜変更可能であり、たとえば、
図5に示す解除ステップ(ステップS006)では、開放ドア80のロックを解除するための条件に、気流形成部60の駆動が停止されていることが、さらに追加されてもよい。また、EFEM50は、メンテナンス終了後から通常運転開始までにアイドリング時間があるような場合には、メンテナンス終了後において導入するガスを乾燥空気から窒素ガスへ変更する(ステップS007、S009)のではなく、継続して乾燥空気を導入し続けもよい。この場合、EFEM50内が窒素で置換されることはないが、EFEM50内の湿度を低下させることができる。
【0068】
また、
図2および
図5に示すようなEFEM50への乾燥空気の導入は、通常運転時において第1室と第2室との間で乾燥空気を循環させるEFEMにも適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
50…EFEM
52…ガス導入口
53…乾燥空気導入口
54…第1室
54a…第1進行領域
54b…第1戻り領域
58…第1連通部
60…気流形成部
61…送風ファン
62…フィルタ
70…第2連通部
74…通気状態変更部
75…バルブ
64…第2室
64a…第2進行領域
64b…第2戻り領域
65…湿度計
66…酸素濃度計
67…下部連通部
68…気体排出部
69…中間壁
80…開放ドア
82…人
90、92…矢印
177…熱源