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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20220101AFI20220105BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H02K1/27 501A
H02K1/27 501K
H02K1/27 501M
H02K1/22 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017139792
(22)【出願日】2017-07-19
(65)【公開番号】P2019022360
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2019-11-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】脇本 裕章
(72)【発明者】
【氏名】宮路 剛
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/072967(WO,A1)
【文献】特表2013-539348(JP,A)
【文献】特開2009-153365(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0103768(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0007131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って複数枚の板材を積層して構成されたロータコアと、前記ロータコアに埋め込まれた磁石と、周方向に分散して配置された複数の磁極と、を備えたロータであって、
前記ロータコアは、
軸方向に沿って形成されて前記磁石が挿入された磁石挿入孔と、
前記磁石挿入孔における径方向外側の端部から径方向内側に離間した位置に配置され、前記磁石を径方向外側から支持する支持部と、
前記磁石の磁極面に沿う方向において前記磁石を挟んで前記支持部とは反対側に配置されていると共に、前記磁石挿入孔の内側に突出した突出部と、
前記磁極面に沿う方向において、前記突出部を挟んで前記磁石とは反対側に形成された内側磁気抵抗部と、を備え、
軸方向に直交する面内において、前記磁極面に直交する方向を磁極面直交方向とし、前記磁極の周方向の中心を通る仮想面を磁極中心面として、
前記支持部は、前記磁石挿入孔における前記磁極面直交方向に対向する内縁及び外縁のうち、前記磁極中心面に近い側である前記内縁から前記外縁の側に向かって前記磁極面直交方向に突出し、
前記突出部は、前記磁石挿入孔における前記内縁から前記外縁の側に向かって前記磁極面直交方向に突出し、
前記支持部の前記内縁からの突出量と前記突出部の前記内縁からの突出量とが同等であり、
1つの前記磁石挿入孔において前記突出部を形成する前記板材の枚数が、前記支持部を形成する前記板材の枚数よりも少ないロータ。
【請求項2】
前記ロータコアに、複数の前記磁石挿入孔が形成され、複数の前記磁石挿入孔のそれぞれに前記磁石が挿入され、
周方向に隣り合う一対の前記磁石により1つの前記磁極が形成され、
1つの前記磁極を形成する一対の前記磁石が挿入される一対の前記磁石挿入孔の前記内側磁気抵抗部の間に、前記板材の一部により構成された孔間ブリッジ部が形成されている請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記内側磁気抵抗部は、前記磁極面に沿う方向に沿って延びる延設部と、前記延設部に連続すると共に前記延設部に対して屈曲して周方向に延びる屈曲部と、を備える請求項1又は2に記載のロータ。
【請求項4】
前記突出部は、前記磁石挿入孔の内部において前記ロータコアの軸方向に離間して少なくとも2箇所に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
複数の前記突出部が、前記磁石挿入孔における軸方向の中央部に対して、鏡対称に配置されている請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記ロータコアは前記磁石挿入孔を周方向に均等な間隔で複数備え、
複数枚の前記板材のそれぞれが、前記磁石挿入孔を構成する複数の開口部を備えると共に、複数の前記開口部のうち一部の開口部にのみ前記突出部を構成する突出片部を有し、
複数枚の前記板材が、前記ロータコアの軸方向周りの位相が異なる状態で積層されており、
複数の前記磁石挿入孔の全てに前記突出部が配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸方向に沿って複数枚の板材を積層して構成されたロータコアと、ロータコアに埋め込まれた磁石と、を備えたロータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献1(特開2014-7926号公報)には、ロータコアに磁石が埋め込まれた、いわゆる磁石埋込型(IPM:Interior Permanent Magnet)のロータが開示されている。特許文献1の技術では、ロータコアの一部を磁石挿入孔(3)の内側に向けて突出して形成した位置決め部(22,23)によって、磁石挿入孔(3)内における磁石の位置決めを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-7926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、回転電機用のロータコアにおいて生じる漏れ磁束は、ステータに鎖交せずトルクに寄与しないため、高効率化の観点等からなるべく低減させることが望ましい。しかしながら、特許文献1の技術では、位置決め部(22,23)が、磁束抵抗として機能するフラックスバリア(32,33)に向けて突出しており、その分、フラックスバリア(32,33)の占有領域が小さくなっている。このようにフラックスバリアの占有領域が小さくなると、その分だけ磁束が通り易くなり、漏れ磁束が多くなる可能性がある。
【0005】
そこで、磁石の位置決め機能を有し、漏れ磁束を少なく抑えることが可能なロータの実現が望まれる。
【0006】
本開示に係るロータは、
軸方向に沿って複数枚の板材を積層して構成されたロータコアと、前記ロータコアに埋め込まれた磁石と、を備えたロータであって、
前記ロータコアは、
軸方向に沿って形成されて前記磁石が挿入された磁石挿入孔と、
前記磁石を径方向外側から支持する支持部と、
前記磁石の磁極面に沿う方向において前記磁石を挟んで前記支持部とは反対側に配置されていると共に、前記磁石挿入孔の内側に突出した突出部と、を備え、
前記突出部を形成する前記板材の枚数が、前記支持部を形成する前記板材の枚数よりも少ない。
【0007】
本構成によれば、磁極面に沿う方向において磁石の両側に配置される支持部と突出部とにより、磁石挿入孔の内部における磁石の位置決めを適切に行うことができる。ここで、磁石を径方向外側から支持する支持部に比べて、突出部の方が、ロータの回転中に磁石に作用する慣性力によって磁石側から受ける荷重は小さい。そのため、突出部の方が、支持部に比べて、板材の枚数を少なくしても強度不足になり難い。これを利用して、支持部を形成する板材の枚数よりも突出部を形成する板材の枚数を少なくすることで、支持部及び突出部のそれぞれについて必要な強度を確保しつつ漏れ磁束の低減を図ることができる。すなわち、本構成によれば、磁石の位置決め機能を有することに加え、支持部及び突出部に必要な強度を確保しつつ漏れ磁束を少なく抑えることが可能なロータを実現することができる。
【0008】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ロータの斜視図
図2】軸方向視におけるロータの要部拡大図
図3図2におけるIII-III断面図
図4】突出片部を有しない開口部を有する板材の要部拡大図
図5】第2の実施形態に係る板材の全体形状を示す図
図6】第2の実施形態に係る磁石と突出部との関係を示す模式図
図7】別実施形態に係るロータの軸方向視要部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.第1の実施形態
実施形態に係るロータ100について図面を参照して説明する。本実施形態のロータ100は、回転電機に備えられる。ここで、回転電機は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。ロータ100は、回転電機のステータに対向配置され、当該ステータから発生する磁界によって回転軸心AXまわりに回転する(図1参照)。
【0011】
以下の説明では、特に区別して明記している場合を除き、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向C」は、回転軸心AXを基準として定義している。また、「径方向外側R1」は、径方向Rに沿って回転軸心AXから遠ざかる側を指し、「径方向内側R2」は、その逆側(回転軸心AXに向かう側)を指す。
【0012】
なお、本明細書では、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態をも含む概念として用いるものとする。
【0013】
図1に示すように、ロータ100は、軸方向Lに沿って複数枚の板材Eを積層して構成されたロータコア1と、ロータコア1に埋め込まれた磁石3と、を備えている。ロータ100は、いわゆる磁石埋込型(IPM:Interior Permanent Magnet)として構成されている。
【0014】
板材Eは、本例では強磁性体としての電磁鋼板であり、円環板状に形成されている。板材Eは、例えば0.1mm~0.5mmの厚さを有しており、一般的には、0.35mm程度の厚さを有している。ロータコア1は、複数の板材Eがその厚さ方向、すなわち回転軸心AXに沿う方向に積層されることで得られる。
【0015】
磁石3は、界磁磁束を形成する永久磁石として構成されている。磁石3は、ロータコア1に埋め込まれている。そして、周方向Cに隣り合う一対の磁石3が、1つの磁極Mを形成している。本例では、1つの磁極Mを形成する一対の磁石3は、軸方向L視で、周方向Cの間隔が径方向内側R2に向かうに従って狭くなるV字状に配置されている。
【0016】
図1に示すように、本例では、ロータ100は、8つの磁極Mを有している。但し、ロータ100は、複数の磁極Mを有していれば良く、自極数は8つに限られない。また、1つの磁極Mを形成する磁石3の数は、2つに限られない。3つ以上の磁石3によって1つの磁極Mが形成されていても良い。
【0017】
以下の説明では、回転軸心AXを面内に含み、各磁極Mの周方向Cの中心を通る仮想面を磁極中心面Fdと称する。図2には、この磁極中心面Fdを一点鎖線で示している。本実施形態では、磁極中心面Fdは、各磁極Mを構成する一対の磁石3の周方向Cにおける中間に位置している。
【0018】
図2に示すように、本実施形態では、軸方向Lに直交する平面での磁石3の断面(径方向断面)が、長方形状(矩形状)に形成されている。そして、磁石3における長方形断面の長辺を形成する2つの面が、磁極面31Fとなっている。磁極面31Fは、磁石3のN極又はS極を形成する面である。
【0019】
本実施形態では、磁石3における磁極面31F以外の面を、非磁極面とする。図2に示す例では、磁石3における長方形断面の短辺を形成する2つの面のうち径方向外側R1に配置される面を、外側非磁極面32Fとする。また、外側非磁極面32Fとは反対方向を向くと共に、当該外側非磁極面32Fよりも径方向内側R2に配置される面を、内側非磁極面33Fとする。非磁極面32F,33Fは、磁極面31Fに比べて出入りする磁束が少ない。
【0020】
なお、以下の説明では、軸方向Lに直交する面内において、各磁石3における一対の磁極面31F,31Fの双方に直交する方向を、磁極面直交方向Vとする。また、軸方向Lに直交する面内において、各磁石3における一対の磁極面31F,31Fに平行な方向を磁極面方向Wとする。磁極面直交方向Vと磁極面方向Wとは、軸方向L視において直交している。本実施形態では、磁極面方向Wが「磁極面に沿う方向」に相当する。
【0021】
図1図3に示すように、ロータコア1は、軸方向Lに沿って形成されて磁石3が挿入された磁石挿入孔2を備えている。本実施形態では、磁石3の数と同じ数の磁石挿入孔2が、ロータコア1に設けられている。より具体的には、1つの磁極Mに対して、一対の磁石挿入孔2が設けられている。本実施形態では、1つの磁極Mに対応する一対の磁石挿入孔2は、軸方向L視で、周方向Cの間隔が径方向内側R2に向かうに従って狭くなるV字状に形成されている。
【0022】
本実施形態では、ロータコア1は、一対の磁石挿入孔2を周方向Cに均等な間隔で複数組備えている。図1に示す例では、ロータコア1は、一対の磁石挿入孔2を8組備えている。そして、各磁石挿入孔2の内部に磁石3が固定されている。磁石3は、例えば、接着剤により磁石挿入孔2の内面に接着して固定され、或いは、磁石3と磁石挿入孔2との隙間に充填された樹脂により磁石挿入孔2の内部に固定される。
【0023】
図2に示すように、磁石挿入孔2の径方向外側R1には、外周側ブリッジ部12が形成されている。図示の例では、外周側ブリッジ部12は、磁石挿入孔2における径方向外側R1の端部とロータコア1の外周面11との間に形成されている。
【0024】
図2に示すように、1つの磁極Mを形成する一対の磁石挿入孔2の間には、孔間ブリッジ部13が形成されている。図示の例では、孔間ブリッジ部13は、一対の磁石挿入孔2における径方向内側R2の端部どうしの間に形成されている。本実施形態では、孔間ブリッジ部13は、磁極中心面Fdに沿って形成されている。
【0025】
図2に示すように、磁石挿入孔2は、磁石3が挿入される部分を除く部分により磁気抵抗部23,24を形成している。磁気抵抗部23,24は、ロータコア1内における磁束の流れを制限する磁気抵抗(フラックスバリア)として機能する。本実施形態では、ロータコア1は、磁石3に対して径方向外側R1に形成された外側磁気抵抗部23と、磁石3に対して径方向内側R2に形成された内側磁気抵抗部24とを有している。なお、磁石3が接着剤により磁石挿入孔2の内面に接着して固定される場合には磁気抵抗部23,24は空間となり、磁石が磁石挿入孔2に充填された樹脂により固定される場合には磁気抵抗部23,24にも樹脂が充填される。
【0026】
本実施形態では、内側磁気抵抗部24には、延設部24Aと屈曲部24Bとが含まれる。延設部24Aは、磁極面方向Wに沿って延びる部分である。屈曲部24Bは、延設部24Aに連続すると共に延設部24Aに対して屈曲して周方向Cに沿って延びる部分である。図2に示す例では、一対の磁石挿入孔2のそれぞれに対応する2つの屈曲部24Bどうしが、周方向Cにおいて互いに接近する方向に延びている。上述の孔間ブリッジ部13は、一対の屈曲部24Bどうしの間に形成されている。
【0027】
図2に示すように、ロータコア1は、磁石3を径方向外側R1から支持する支持部4と、磁石3の磁極面31Fに沿う方向(磁極面方向W)において磁石3を挟んで支持部4とは反対側に配置されていると共に、磁石挿入孔2の内側に突出した突出部5と、を備えている。
【0028】
支持部4は、磁石3に対して径方向外側R1に配置されている。支持部4は、磁石挿入孔2の内部における磁石3の位置決めとしての機能を有すると共に、ロータ100の回転時に生じる磁石3の慣性力(特に遠心力)を支持する機能を有する。これらの機能を担保するため、支持部4は、その少なくとも一部が磁石3に対して径方向外側R1に設けられていれば良い。また好ましくは、支持部4は、磁極面方向Wに沿って見て磁石3と重複する位置に設けられていると良い。これにより、遠心力によって磁石挿入孔2の内面(磁極面方向W)に沿って径方向外側R1に移動しようとする磁石3を支持することができる。なお、支持部4による位置決めの機能は、例えば磁石が磁石挿入孔2の内部に挿入される時など、磁石3が磁石挿入孔2の内部に接着剤等によって固定されるまでの間で、少なくとも発揮されれば良い。
【0029】
本実施形態では、支持部4は、磁石挿入孔2の内側に突出する突状部とされている。図示の例では、支持部4は、磁石挿入孔2における磁極面直交方向Vに対向する内縁25及び外縁26のうち、磁極中心面Fdに近い側の内縁25から外縁26側に向かって磁極面直交方向Vに突出している。
【0030】
図2に示すように、支持部4は、磁石3の外側非磁極面32Fに対向する支持面部4Fを有している。本実施形態では、支持面部4Fは、外側非磁極面32Fに平行な平面に沿うように形成されている。より具体的には、支持面部4Fは、軸方向L視で、外側非磁極面32Fに平行な直線状に形成されている。この支持面部4Fにより、磁石3に作用する慣性力(特に遠心力)を径方向外側R1から適切に支持することができると共に、磁石3の位置決め機能も適切に果たすことができる。なお、支持面部4Fの形状は、このような構成に限らず、軸方向L視で、一部又は全部が曲線状に形成されていても良い。また、支持部4における支持面部4F以外の面についても、形状は特に限定されず、図示のように軸方向L視で直線状とされていても良いし、一部又は全部が曲線状に形成されていても良い。
【0031】
図3に示すように、支持部4は、複数の板材Eが形成する複数の支持片部41によって構成されている。より具体的には、複数の支持片部41が軸方向Lに沿って配列されることによって、支持部4が、軸方向Lに沿って延びるように形成されている。本実施形態では、磁石挿入孔2における軸方向Lの全体に亘って、支持部4が形成されている。これにより、上述した磁石3の慣性力(特に遠心力)を径方向外側R1から支持するために必要な支持部4の強度を確保している。
【0032】
図2に示すように、突出部5は、磁極面方向Wにおいて磁石3を挟んで支持部4とは反対側に配置されている。従って、突出部5は、磁石3に対して径方向内側R2に配置されている。突出部5は、磁石挿入孔2の内部における磁石3の位置決めとしての機能を有する。また、突出部5に、ロータ100の回転時に生じる磁石3の慣性力を支持する機能を持たせても良い。なお、突出部5による位置決めの機能は、例えば磁石が磁石挿入孔2の内部に挿入される時など、磁石3が磁石挿入孔2の内部に接着剤等によって固定されるまでの間で、少なくとも発揮されれば良い。
【0033】
本実施形態では、突出部5は、支持部4と同様、磁石挿入孔2の内側に突出する突状部とされ、支持部4と同じ側に突出している。すなわち、図示の例では、突出部5は、磁石挿入孔2における内縁25から外縁26側に向かって磁極面直交方向Vに突出している。
【0034】
図2に示すように、突出部5は、磁石3の内側非磁極面33Fに対向する突出面部5Fを有している。本実施形態では、突出面部5Fは、内側非磁極面33Fに平行な平面に沿うように形成されている。より具体的には、突出面部5Fは、軸方向L視で、内側非磁極面33Fに平行な直線状に形成されている。この突出面部5Fにより、磁石3の位置決め機能を適切に果たすことができる。なお、突出面部5Fの形状は、このような構成に限らず、軸方向L視で、一部又は全部が曲線状に形成されていても良い。また、突出部5における突出面部5F以外の面についても、形状は特に限定されず、図示のように軸方向L視で直線状とされていても良いし、一部又は全部が曲線状に形成されていても良い。
【0035】
図3に示すように、突出部5は、複数の板材Eが形成する複数の突出片部51によって構成されている。より具体的には、軸方向Lに沿って複数の突出片部51が互いに離間して配列され、或いは軸方向Lに沿って複数枚の突出片部51が互いに隣接して配置されている。
【0036】
ここで、支持部4を構成する支持片部41の数が多くなるに従って当該支持部4の剛性が高くなり磁石3を支持する強度も向上する。同様に、突出部5を構成する突出片部51の数が多くなるに従って当該突出部5の剛性が高くなり磁石3を支持する強度が向上する。その反面、支持部4及び突出部5は、磁気抵抗部23,24に向かって突出していることから、支持部4及び突出部5が有ることによってこれらが無い場合に比べて、磁気抵抗部23,24の占有領域が小さくなる。磁気抵抗部23,24の占有領域が小さくなれば、その分だけ磁束が通り易くなり、漏れ磁束が増加する。
【0037】
そこで、このロータ100においては、図3に示すように、突出部5を形成する板材Eの枚数が、支持部4を形成する板材Eの枚数よりも少なくなるように設定されている。これによれば、突出部5を形成する板材Eの枚数が少ない分(突出片部51の数が少ない分)、磁気抵抗部(ここでは内側磁気抵抗部24)の占有領域を大きく確保することができ、漏れ磁束の低減を図ることが可能となる。また、磁石3を径方向外側R1から支持する支持部4に比べて、突出部5の方が、ロータ100の回転中に磁石に作用する遠心力を受けにくい分、磁石に作用する慣性力によって磁石3から受ける荷重は小さい。従って、支持部4に比べて板材Eの枚数を少なくしても強度不足になり難い。そのため、上記構成により、支持部4及び突出部5のそれぞれについて必要な強度を確保することも可能となる。
【0038】
ところで、複数枚の板材Eのそれぞれは、磁石挿入孔2を構成する複数の開口部21を備えている。そして、複数枚の板材Eのそれぞれに形成された複数の開口部21が軸方向Lに沿って並ぶことにより一つの磁石挿入孔2が形成される。すなわち、各板材Eにおける複数の開口部21は、ロータコア1の周方向Cに並んで配置された複数の磁石挿入孔2の配置に対応するように配置され、各磁石挿入孔2の軸方向Lに直交する断面の形状に対応した形状を有している。そして、本実施形態では、複数枚の板材Eにおける複数の開口部21の一部にのみ突出片部51が設けられ、残りの開口部21に突出片部51が設けられていない。これにより、磁石挿入孔2の軸方向Lの一部の領域のみに突出片部51が配置された構成を実現している。
【0039】
本例では、図3に示すように、支持部4を形成する板材Eの枚数は、ロータコア1を構成するために積層される板材Eの枚数と等しくなるように設定されている。一方、1つの突出部5を形成する板材Eの枚数は、2枚に設定されている。また、突出部5は、磁石挿入孔2の内部において軸方向Lに離間して少なくとも2箇所に形成されている。本実施形態では、突出部5は、磁石挿入孔2の内部における軸方向Lの両端部の2箇所に設けられている。但し、このような構成に限られることなく、1つの突出部5を形成する板材Eの枚数は、1枚に設定されていても良いし、3枚以上に設定されていても良い。また、軸方向Lの全域における突出部5を形成する板材Eの枚数は、突出部5に必要な強度の確保と、漏れ磁束の低減と、を両立するように、板材Eの強度や材質等に基づいて、適宜設定されると良い。なお、支持部4を形成する板材Eの枚数についても、上記に限定されるものではなく、軸方向Lの全体での枚数が突出部5を形成する板材Eの枚数よりも多く、支持部4に必要な強度が確保できる範囲で、適宜設定されると良い。
【0040】
また本実施形態では、図3に示すように、複数の突出部5が、磁石挿入孔2における軸方向Lの中央部22に対して、鏡対称に配置されている。このように配置された複数の突出部5(図示の例では2つ)により、軸方向Lにおける複数個所において、磁石挿入孔2への磁石3の挿入時などにおける磁石3の位置決めを適切に行うことが容易となると共に、磁石挿入孔2の内部において、磁石3を軸方向Lに沿った姿勢で配置することが容易となる。
【0041】
このように、突出部5を形成する板材Eの枚数が、支持部4を形成する板材Eの枚数よりも少なくなるようにするために、本実施形態では、板材Eとして、周方向Cに並ぶ複数の開口部21の全てに突出片部51が形成された第1の板材E1と、全ての開口部21に突出片部51が形成されていない第2の板材E2とを用いてロータコア1を構成している。第1の板材E1では、周方向Cに並ぶ複数の開口部21の全てが、図2に示すように突出片部51を有した形状の開口部21となっている。一方、第2の板材E2では、周方向Cに並ぶ複数の開口部21の全てが、図4に示すように突出片部51を有しない形状の開口部21となっている。そして、図3に示す例では、ロータコア1の軸方向Lの両端部のそれぞれ2枚ずつを第1の板材E1とし、それ以外を第2の板材E2として積層することにより、ロータコア1を構成している。
【0042】
2.第2の実施形態
次に、ロータ100の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、同一種類の板材Eを複数枚用いてロータ100を構成する点が、2種類の板材Eを用いてロータ100を構成する第1の実施形態とは異なる。以下の説明では、主として、第1の実施形態と異なる点について説明するものとする。特に説明しない点については第1の実施形態と同様である。
【0043】
図5に示すように、本実施形態では、複数枚の板材Eのそれぞれが、複数の開口部21のうち一部の開口部21にのみ突出片部51を有している。図示の例では、複数の磁極Mのうちの1つに対応する一対の開口部21にのみ、突出片部51が形成され、残りの磁極Mに対応する開口部21には突出片部51が形成されていない。そして、複数枚の板材Eが、ロータコア1の軸方向L周りの位相が異なる状態で積層されており、複数の磁石挿入孔2の全てに突出部5が配置されている。
【0044】
本実施形態では、複数枚の板材Eが、軸方向L周り、すなわち回転軸心AX周りの回転位相位置をずらしながら、軸方向Lに積層されている。本実施形態おいて「回転位相位置」とは、図5に示すように、各板材Eの回転軸心AXまわりの向きを表す。より詳細には、「回転位相位置」は、各板材Eにおける各磁極Mの磁極中心面Fdの周方向Cの位置に相当する。本例では、8つの磁極Mに対応して、各磁極Mの回転位相位置を、図5における時計回りに、第1回転位相位置P1~第8回転位相位置P8とする。ここでは、突出片部51を有する一対の開口部21に対応する磁極Mの磁極中心面Fd(図5に示す例では、第1回転位相位置P1に位置する磁極中心面Fd)を、基準磁極中心面Fsと定義する。そして、基準磁極中心面Fsが第n回転位相位置Pnに在る状態の板材Eを、第n位相の板材Eと称する。なお、「n」は自然数である。本例では「n」は、1~8のうちいずれかの自然数となる。
【0045】
図6に示すように、本例では、2つの突出片部51が軸方向Lに連なることにより1つの突出部5が形成されている。そのため、1つの突出部5を形成するために、同じ位相状態である第n位相の板材Eが2枚積層される。例えば、基準磁極中心面Fsが第1回転位相位置P1に在る状態の板材Eである第1位相の板材Eが、2枚隣り合うように積層される。これにより、周方向Cに並ぶ複数の磁石挿入孔2のうち、第1回転位相位置P1に対応する一対の磁石挿入孔2に、突出部5が配置される。
【0046】
この次に積層される板材Eを、例えば、第2位相の板材Eとする場合には、基準磁極中心面Fsが第2回転位相位置P2に位置するように、第1回転位相位置P1から転積角度θだけ回転した状態で積層される。第2位相の板材Eも、第1位相の板材Eと同様に、2枚積層される。なお、本実施形態では、転積角度θは、隣り合う各磁極M間の位相差である45°に設定している。以降も同様に、2枚毎に転積角度θ回転させながら規定枚数の板材Eを積層することで、ロータコア1が構成されている。
【0047】
上記のように、ロータコア1の軸方向Lの全域に亘って2枚毎に一定の転積角度θで複数枚の板材Eを積層(転積)した場合、16枚積層する毎に基準磁極中心面Fsの回転位相位置が1周することになる。そのため、本実施形態では、図6に示すように、1つの磁石挿入孔2の内部において軸方向Lに隣り合う2つの突出部5の間隔である突出部軸方向間隔Laが、周方向Cに並ぶ複数の磁石挿入孔2のいずれにおいても同じとなっている。一方、各突出部5が配置される軸方向Lの位置は、複数の磁石挿入孔2のそれぞれで異なる位置となっている。なお、転積角度θを一定にせず、ロータコア1の軸方向Lの領域によって異なる転積角度θとすることによって、突出部軸方向間隔Laが一定とならないように積層してもよい。
【0048】
本実施形態によれば、同一種類の板材Eを用いて全ての磁石挿入孔2に突出部5が配置されたロータコア1を実現することができる。従って、板材Eを複数種類用いる場合に比べて、部品点数を削減することが可能となっている。
【0049】
3.その他の実施形態
次に、ロータ100のその他の実施形態について説明する。
【0050】
(1)上記の各実施形態では、支持部4が磁石挿入孔2の内縁25から突出している例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、例えば、支持部4は、磁石挿入孔2の外縁26から突出していても良い。また、突出部5についても同様に、内縁25からではなく、外縁26から突出していても良い。
【0051】
(2)上記の各実施形態では、支持部4と突出部5とが同じ側に突出している例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、支持部4と突出部5とは、異なる側に突出していても良い。例えば、支持部4が内縁25から外縁26に向かって突出するように構成され、これとは反対に、突出部5は、外縁26から内縁25に向かって突出するように構成されていても良い。また、その逆の構成、すなわち、支持部4が外縁26から突出し、突出部5が内縁25から突出する構成であっても良い。
【0052】
(3)上記の各実施形態では、支持部4が磁石挿入孔2の内側に向けて突出している例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、図7に示すように、支持部4は、磁石挿入孔2の縁(壁部)に配置されていても良い。この場合、磁石挿入孔2の径方向外側R1の内面の全体が、磁石3の外側非磁極面32Fに対向する支持面部4Fとして構成される。
【0053】
(4)上記の各実施形態では、支持部4が、磁石挿入孔2の軸方向Lの全域に亘って形成されている例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、支持部4は、ロータコア1の軸方向Lの一部の領域にのみ形成されていても良い。例えば、支持部4が、ロータコア1の軸方向Lに沿って断続的に形成されていても良い。この構成によれば、支持部4の占有領域を減縮できる分、更なる漏れ磁束の抑制が可能である。この場合、支持部4を形成する板材Eの枚数(支持片部41の数)は、強度との兼ね合いで適宜設定されると良い。但し、いずれの場合であっても、支持部4を構成する板材Eの枚数は、突出部5を構成する板材Eの枚数よりも多い枚数に設定される。
【0054】
(5)上記の各実施形態では、1つの磁石挿入孔2に対して2箇所に突出部5が配置されている例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、3箇所以上に突出部5が配置されていても良い。なお、突出部5を奇数箇所に配置する場合には、1つの突出部5の配置箇所を磁石挿入孔2の中央部22とすることで、複数の突出部5を全体として鏡対称に配置することが可能となる。突出部5が偶数箇所に配置される場合には、磁石挿入孔2の中央部22に突出部5を配置することなく、複数の突出部5を全体として鏡対称に配置すると好適である。
【0055】
(6)上記の第1の実施形態では2種類の板材Eを用いてロータコア1が構成されている例について、また、上記の第2の実施形態では1種類の板材Eを用いてロータコア1が構成されている例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、3種類以上の形状が異なる板材Eを用いてロータコア1が構成されていても良い。この場合、用いられる板材Eの種類数に応じて、1枚の板材Eにおける複数の開口部21に形成される突出片部51の数や、積層される各板材Eの位相状態が適宜設定されると良い。
【0056】
(7)上記の各実施形態では、軸方向Lに直交する平面での磁石3の断面(径方向断面)が、長方形状(矩形状)に形成されている例について説明した。しかし、このような構成に限定されることなく、磁石3の断面形状は、一部又は全部が曲線状となるように構成されていても良い。例えば、磁石3の全体の断面形状が、円弧状に形成されていても良い。
【0057】
(8)上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0058】
4.上記実施形態の概要
以下、上記実施形態の概要について説明する。
【0059】
軸方向(L)に沿って複数枚の板材(E)を積層して構成されたロータコア(1)と、前記ロータコア(1)に埋め込まれた磁石(3)と、を備えたロータ(100)であって、
前記ロータコア(1)は、
軸方向(L)に沿って形成されて前記磁石(3)が挿入された磁石挿入孔(2)と、
前記磁石(3)を径方向外側(R1)から支持する支持部(4)と、
前記磁石(3)の磁極面(31F)に沿う方向(W)において前記磁石(3)を挟んで前記支持部(4)とは反対側に配置されていると共に、前記磁石挿入孔(2)の内側に突出した突出部(5)と、を備え、
前記突出部(5)を形成する前記板材(E)の枚数が、前記支持部(4)を形成する前記板材(E)の枚数よりも少ない。
【0060】
本構成によれば、磁極面(31F)に沿う方向(W)において磁石(3)の両側に配置される支持部(4)と突出部(5)とにより、磁石挿入孔(2)の内部における磁石(3)の位置決めを適切に行うことができる。ここで、磁石(3)を径方向外側(R1)から支持する支持部(4)に比べて、突出部(5)の方が、ロータ(100)の回転中に磁石(3)に作用する慣性力によって磁石(3)側から受ける荷重は小さい。そのため、突出部(5)の方が、支持部(4)に比べて、板材(E)の枚数を少なくしても強度不足になり難い。これを利用して、支持部(4)を形成する板材(E)の枚数よりも突出部(5)を形成する板材(E)の枚数を少なくすることで、支持部(4)及び突出部(5)のそれぞれについて必要な強度を確保しつつ漏れ磁束の低減を図ることができる。すなわち、本構成によれば、磁石(3)の位置決め機能を有することに加え、支持部(4)及び突出部(5)に必要な強度を確保しつつ漏れ磁束を少なく抑えることが可能なロータ(100)を実現することができる。
【0061】
また、前記突出部(5)は、前記磁石挿入孔(2)の内部において前記ロータコア(1)の軸方向(L)に離間して少なくとも2箇所に形成されていると好適である。
【0062】
本構成によれば、磁石挿入孔(2)の内部における軸方向(L)に離間した少なくとも2箇所において、少なくとも2つの突出部(5)により、磁石(3)の位置決めを行うことができる。これにより、磁石挿入孔(2)の内部において、磁石(3)を軸方向(L)に沿った姿勢で配置することが容易となる。従って、本構成によれば、上述した効果に加えて、磁石挿入孔(2)への磁石(3)の挿入時などにおける磁石(3)の位置決めを適切に行うことが容易となる。
【0063】
また、上記構成において、複数の前記突出部(5)が、前記磁石挿入孔(2)における軸方向(L)の中央部(22)に対して、鏡対称に配置されていると好適である。
【0064】
本構成によれば、磁石挿入孔(2)の内部において、磁石(3)を軸方向(L)に沿った姿勢で配置することが更に容易となる。
【0065】
また、前記ロータコア(1)は前記磁石挿入孔(2)を周方向(C)に均等な間隔で複数備え、
複数枚の前記板材(E)のそれぞれが、前記磁石挿入孔(2)を構成する複数の開口部(21)を備えると共に、複数の前記開口部(21)のうち一部の開口部(21)にのみ前記突出部(5)を構成する突出片部(51)を有し、
複数枚の前記板材(E)が、前記ロータコア(1)の軸方向(L)周りの位相が異なる状態で積層されており、
複数の前記磁石挿入孔(2)の全てに前記突出部(5)が配置されていると好適である。
【0066】
本構成によれば、複数の磁石挿入孔(2)の全てにおいて、支持部(4)と突出部(5)とによる磁石(3)の位置決めを行うことができる。また、複数枚の板材(E)を、ロータコア(1)の軸方向(L)周りの位相が異なる状態で積層することによって複数の磁石挿入孔(2)の全てに突出部(5)を配置させるので、突出片部(51)の有無やその配置が異なる複数種類の板材(E)を用いる必要性を低減できる。従って、本構成によれば、上述した効果に加えて、ロータコア(1)を構成する板材(E)の種類数を少なく抑えることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本開示に係る技術は、軸方向に沿って複数枚の板材を積層して構成されたロータコアと、ロータコアに埋め込まれた磁石と、を備えたロータに利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
100 :ロータ
1 :ロータコア
2 :磁石挿入孔
3 :磁石
4 :支持部
5 :突出部
21 :開口部
22 :中央部
31F :磁極面
41 :支持片部
51 :突出片部
E :板材
P1~P8:第1~第8の回転位相位置
V :磁極面直交方向
W :磁極面方向(磁極面に沿う方向)
L :軸方向
R :径方向
C :周方向
θ :転積角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7