(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】画像処理システム、画像処理装置、端末装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220105BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220105BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220105BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220105BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
B41J29/38
G03G21/00 386
G06F3/12 304
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/16 660
(21)【出願番号】P 2017170370
(22)【出願日】2017-09-05
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】姉崎 和也
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-251261(JP,A)
【文献】特開2012-181634(JP,A)
【文献】特開2017-080900(JP,A)
【文献】特開2008-126565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、
を備える画像処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備え
、
前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれており、
前記案内情報生成手段は、前記複数の言語の中に、前記画像処理装置において予め設定されている設定言語が含まれている場合には前記設定言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、
を備える画像処理システムであって、
前記端末装置は、
アプリケーションからユーザーの言語使用履歴情報を収集する情報収集手段と、
前記言語使用履歴情報に基づいて、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を生成する言語情報生成手段と、
前記言語情報生成手段によって生成される前記言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段
と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、
を備える画像処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備え
、
前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報と、前記端末装置において再生可能な音声情報と、を含んでおり、
前記案内情報生成手段は、前記操作画面情報の言語と、前記音声情報の言語とを一致させることを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、
を備える画像処理システムであって、
前記端末装置は、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段
と、
ユーザーによる操作に基づいて処理速度優先処理と操作性優先処理とのいずれか一方を決定する優先処理決定手段と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備え
、
前記案内情報生成手段は、前記優先処理決定手段により処理速度優先処理が決定された場合には、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、前記画像処理装置において使用中の設定言語に対応する前記案内情報を生成し、前記優先処理決定手段により操作性優先処理が決定された場合には、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、ユーザーの使用頻度が相対的に高い言語を選択して当該言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報を含んでおり、
前記端末装置は、
前記案内情報に含まれる前記操作画面情報に基づいてユーザーが操作可能な操作画面を表示する表示手段と、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づいて操作情報を生成する操作情報生成手段と、
を更に備え、
前記情報送信手段は、前記操作情報を前記画像処理装置へ送信することにより、前記画像処理装置を遠隔操作することを特徴とする請求項1
乃至4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記操作画面は、ユーザーによる操作に基づいて前記案内情報の言語を変更することが可能であり、
前記案内情報生成手段は、前記操作画面において前記案内情報の言語が変更された場合、前記操作情報に基づいて前記案内情報の言語を変更することを特徴とする請求項
5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記案内情報は、前記端末装置において再生可能な音声情報を含んでおり、
前記端末装置は、
前記案内情報に含まれる前記音声情報に基づいて音声出力を行う音声出力手段、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置であって、
前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信手段と、
前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備え
、
前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれており、
前記案内情報生成手段は、前記複数の言語の中に、前記画像処理装置において予め設定されている設定言語が含まれている場合には前記設定言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置であって、
前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信手段と、
前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備え
、
前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報と、前記端末装置において再生可能な音声情報と、を含んでおり、
前記案内情報生成手段は、前記操作画面情報の言語と、前記音声情報の言語とを一致させることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置であって、
前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信手段と、
前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成手段と、
前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、
を備え
、
前記案内情報生成手段は、前記端末装置から送信される処理速度優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、当該画像処理装置において使用中の設定言語に対応する前記案内情報を作成し、前記端末装置から送信される操作性優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、ユーザーの使用頻度が相対的に高い言語を選択して当該言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報を含んでおり、
前記端末装置から送信される前記操作画面情報に基づく操作画面に対するユーザーの操作情報を受信することにより、操作情報に基づく処理を行う操作反映手段を更に備えることを特徴とする請求項
8乃至10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記操作画面は、ユーザーによる操作に基づいて前記案内情報の言語を変更することが可能であり、
前記案内情報生成手段は、前記操作画面において前記案内情報の言語が変更された場合、前記操作情報に基づいて前記案内情報の言語を変更することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置であって、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、
前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、
を備え
、
前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれていることを特徴とする端末装置。
【請求項14】
画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置であって、
アプリケーションからユーザーの言語使用履歴情報を収集する情報収集手段と、
前記言語使用履歴情報に基づいて、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を生成する言語情報生成手段と、
前記言語情報生成手段によって生成される前記言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、
前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項15】
画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置であって、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、
前記画像処理装置において使用中の設定言語に対応した案内通知を行うことを優先する処理速度優先処理と、前記言語情報に含まれる複数の言語の中からユーザーの使用頻度が相対的に高い言語に対応した案内通知を行うことを優先する操作性優先処理とのいずれか一方を決定する優先処理決定手段と、
前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、
を備え
、
前記情報送信手段は、前記優先処理決定手段における決定情報を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置に前記決定情報に対応する前記案内情報を作成させることを特徴とする端末装置。
【請求項16】
前記案内情報に含まれる操作画面情報に基づいてユーザーが操作可能な操作画面を表示する表示手段と、
前記操作画面に対するユーザーの操作に基づいて操作情報を生成する操作情報生成手段と、
を備え、
前記情報送信手段は、前記操作情報を前記画像処理装置へ送信することにより、前記画像処理装置を遠隔操作することを特徴とする請求項
13乃至15のいずれかに記載の端末装置。
【請求項17】
前記操作画面は、ユーザーによる操作に基づいて前記案内情報の言語を変更することが可能であることを特徴とする請求項
16に記載の端末装置。
【請求項18】
前記案内情報は音声情報を含んでおり、
前記案内情報に含まれる前記音声情報に基づいて音声出力を行う音声出力手段、
を更に備えることを特徴とする請求項
13乃至17のいずれかに記載の端末装置。
【請求項19】
ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、
前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信ステップと、
前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成ステップと、
前記案内情報生成ステップによって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信ステップと、
を実行させ
、
前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれており、
前記案内情報生成ステップは、前記複数の言語の中に、前記画像処理装置において予め設定されている設定言語が含まれている場合には前記設定言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項20】
ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、
前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信ステップと、
前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成ステップと、
前記案内情報生成ステップによって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信ステップと、
を実行させ
、
前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報と、前記端末装置において再生可能な音声情報と、を含んでおり、
前記案内情報生成ステップは、前記操作画面情報の言語と、前記音声情報の言語とを一致させることを特徴とするプログラム。
【請求項21】
ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、
前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信ステップと、
前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成ステップと、
前記案内情報生成ステップによって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信ステップと、
を実行させ
、
前記案内情報生成ステップは、前記端末装置から送信される処理速度優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、当該画像処理装置において使用中の設定言語に対応する前記案内情報を作成し、前記端末装置から送信される操作性優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、ユーザーの使用頻度が相対的に高い言語を選択して当該言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とするプログラム。
【請求項22】
画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置において実行されるプログラムであって、前記端末装置に、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信ステップと、
前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信ステップと、
を実行させ
、
前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれていることを特徴とするプログラム。
【請求項23】
画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置において実行されるプログラムであって、前記端末装置に、
アプリケーションからユーザーの言語使用履歴情報を収集する情報収集ステップと、
前記言語使用履歴情報に基づいて、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を生成する言語情報生成ステップと、
前記言語情報生成ステップによって生成される前記言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信ステップと、
前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項24】
画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置において実行されるプログラムであって、前記端末装置に、
ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信ステップと、
前記画像処理装置において使用中の設定言語に対応した案内通知を行うことを優先する処理速度優先処理と、前記言語情報に含まれる複数の言語の中からユーザーの使用頻度が相対的に高い言語に対応した案内通知を行うことを優先する操作性優先処理とのいずれか一方を決定する優先処理決定ステップと、
前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、
を実行させ
、
前記情報送信ステップは、前記優先処理決定ステップにおける決定情報を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置に前記決定情報に対応する前記案内情報を作成させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置、端末装置及びプログラムに関し、特に端末装置から画像処理装置を遠隔制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripherals)などの画像処理装置は、ユーザーがジョブの設定操作などの各種操作を行うためのユーザーインタフェースとして操作パネルを備えており、その操作パネルに様々な操作画面を表示してユーザーによる操作入力を受け付ける。一方、近年のスマートフォンやタブレット端末などのユーザーがタッチ操作可能な端末装置の普及に伴い、画像処理装置が操作パネルに表示する操作画面を端末装置に送信して表示させることにより端末装置からの遠隔操作を受け付けることを可能にした技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
従来の遠隔操作技術では、端末装置において遠隔制御用のアプリケーションが起動されると、端末装置と画像処理装置との連携動作が開始される。画像処理装置は、端末装置との連携動作を開始すると、操作パネルに表示している操作画面に対応する画像データを生成し、その画像データを端末装置へ送信する。したがって、端末装置において表示される操作画面は、画像処理装置の設定言語に対応する画面となる。例えば、画像処理装置の設定言語が英語であれば、端末装置において英語の操作画面が表示されるのに対し、画像処理装置の設定言語が日本語であれば、端末装置において日本語の操作画面が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザーは、出張などで外国の事業所などを訪れた際、普段使用している言語とは異なる設定言語の画像処理装置を使用することがある。この場合、ユーザーの端末装置を画像処理装置と連携させると、ユーザーにとって理解できない言語や、理解し難い言語の操作画面が端末装置に表示されてしまうことがある。そのため、端末装置を用いて画像処理装置を遠隔操作する際の操作性が著しく低下してしまうという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、従来の問題点を改善すべく、端末装置がユーザーの使用可能言語に関する言語情報を画像処理装置に送信することにより、画像処理装置がユーザーの理解しやすい言語で各種操作を案内できるようにした画像処理システム、画像処理装置、端末装置及びプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像処理システムであって、画像処理装置と、前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、を備える画像処理システムであって、前記端末装置は、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段、を備え、前記画像処理装置は、前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備え、前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれており、前記案内情報生成手段は、前記複数の言語の中に、前記画像処理装置において予め設定されている設定言語が含まれている場合には前記設定言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする構成である。
【0008】
請求項2に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、を備える画像処理システムであって、前記端末装置は、アプリケーションからユーザーの言語使用履歴情報を収集する情報収集手段と、前記言語使用履歴情報に基づいて、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を生成する言語情報生成手段と、前記言語情報生成手段によって生成される前記言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、を備え、前記画像処理装置は、前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
請求項3に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、を備える画像処理システムであって、前記端末装置は、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段、を備え、前記画像処理装置は、前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備え、前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報と、前記端末装置において再生可能な音声情報と、を含んでおり、前記案内情報生成手段は、前記操作画面情報の言語と、前記音声情報の言語とを一致させることを特徴とする構成である。
請求項4に係る発明は、画像処理装置と、前記画像処理装置と通信を行う端末装置と、を備える画像処理システムであって、前記端末装置は、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、ユーザーによる操作に基づいて処理速度優先処理と操作性優先処理とのいずれか一方を決定する優先処理決定手段と、を備え、前記画像処理装置は、前記端末装置から受信する前記言語情報に基づいてユーザーに操作を案内するための案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備え、前記案内情報生成手段は、前記優先処理決定手段により処理速度優先処理が決定された場合には、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、前記画像処理装置において使用中の設定言語に対応する前記案内情報を生成し、前記優先処理決定手段により操作性優先処理が決定された場合には、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、ユーザーの使用頻度が相対的に高い言語を選択して当該言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする構成である。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報を含んでおり、前記端末装置は、前記案内情報に含まれる前記操作画面情報に基づいてユーザーが操作可能な操作画面を表示する表示手段と、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づいて操作情報を生成する操作情報生成手段と、を更に備え、前記情報送信手段は、前記操作情報を前記画像処理装置へ送信することにより、前記画像処理装置を遠隔操作することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の画像処理システムにおいて、前記操作画面は、ユーザーによる操作に基づいて前記案内情報の言語を変更することが可能であり、前記案内情報生成手段は、前記操作画面において前記案内情報の言語が変更された場合、前記操作情報に基づいて前記案内情報の言語を変更することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記案内情報は、前記端末装置において再生可能な音声情報を含んでおり、前記端末装置は、前記案内情報に含まれる前記音声情報に基づいて音声出力を行う音声出力手段、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項8に係る発明は、ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置であって、前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信手段と、前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備え、前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれており、前記案内情報生成手段は、前記複数の言語の中に、前記画像処理装置において予め設定されている設定言語が含まれている場合には前記設定言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項9に係る発明は、ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置であって、前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信手段と、前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備え、前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報と、前記端末装置において再生可能な音声情報と、を含んでおり、前記案内情報生成手段は、前記操作画面情報の言語と、前記音声情報の言語とを一致させることを特徴とする構成である。
請求項10に係る発明は、ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置であって、前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信手段と、前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成手段と、前記案内情報生成手段によって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信手段と、を備え、前記案内情報生成手段は、前記端末装置から送信される処理速度優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、当該画像処理装置において使用中の設定言語に対応する前記案内情報を作成し、前記端末装置から送信される操作性優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、ユーザーの使用頻度が相対的に高い言語を選択して当該言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項8乃至10のいずれかに記載の画像処理装置において、前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報を含んでおり、前記端末装置から送信される前記操作画面情報に基づく操作画面に対するユーザーの操作情報を受信することにより、操作情報に基づく処理を行う操作反映手段を更に備えることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の画像処理装置において、前記操作画面は、ユーザーによる操作に基づいて前記案内情報の言語を変更することが可能であり、前記案内情報生成手段は、前記操作画面において前記案内情報の言語が変更された場合、前記操作情報に基づいて前記案内情報の言語を変更することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項13に係る発明は、画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置であって、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、を備え、前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれていることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項14に係る発明は、画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置であって、アプリケーションからユーザーの言語使用履歴情報を収集する情報収集手段と、前記言語使用履歴情報に基づいて、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を生成する言語情報生成手段と、前記言語情報生成手段によって生成される前記言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
請求項15に係る発明は、画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置であって、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信手段と、前記画像処理装置において使用中の設定言語に対応した案内通知を行うことを優先する処理速度優先処理と、前記言語情報に含まれる複数の言語の中からユーザーの使用頻度が相対的に高い言語に対応した案内通知を行うことを優先する操作性優先処理とのいずれか一方を決定する優先処理決定手段と、前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、を備え、前記情報送信手段は、前記優先処理決定手段における決定情報を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置に前記決定情報に対応する前記案内情報を作成させることを特徴とする構成である。
【0023】
請求項16に係る発明は、請求項13乃至15のいずれかに記載の端末装置において、前記案内情報に含まれる操作画面情報に基づいてユーザーが操作可能な操作画面を表示する表示手段と、前記操作画面に対するユーザーの操作に基づいて操作情報を生成する操作情報生成手段と、を備え、前記情報送信手段は、前記操作情報を前記画像処理装置へ送信することにより、前記画像処理装置を遠隔操作することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項17に係る発明は、請求項16に記載の端末装置において、前記操作画面は、ユーザーによる操作に基づいて前記案内情報の言語を変更することが可能であることを特徴とする構成である。
【0025】
請求項18に係る発明は、請求項13乃至17のいずれかに記載の端末装置において、前記案内情報は音声情報を含んでおり、前記案内情報に含まれる前記音声情報に基づいて音声出力を行う音声出力手段、を更に備えることを特徴とする構成である。
【0028】
請求項19に係る発明は、ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信ステップと、前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成ステップと、前記案内情報生成ステップによって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信ステップと、を実行させ、前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれており、前記案内情報生成ステップは、前記複数の言語の中に、前記画像処理装置において予め設定されている設定言語が含まれている場合には前記設定言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする構成である。
【0029】
請求項20に係る発明は、ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信ステップと、前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成ステップと、前記案内情報生成ステップによって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信ステップと、を実行させ、前記案内情報は、前記端末装置において表示可能な操作画面情報と、前記端末装置において再生可能な音声情報と、を含んでおり、前記案内情報生成ステップは、前記操作画面情報の言語と、前記音声情報の言語とを一致させることを特徴とする構成である。
請求項21に係る発明は、ユーザーに操作を案内するための案内情報を端末装置に送信する画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記端末装置から送信されるユーザーの使用可能言語に関する言語情報を受信する情報受信ステップと、前記言語情報に基づいて前記案内情報を生成する案内情報生成ステップと、前記案内情報生成ステップによって生成される前記案内情報を前記端末装置へ送信する案内情報送信ステップと、を実行させ、前記案内情報生成ステップは、前記端末装置から送信される処理速度優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、当該画像処理装置において使用中の設定言語に対応する前記案内情報を作成し、前記端末装置から送信される操作性優先処理情報を受信した場合、前記言語情報に含まれる複数の言語の中から、ユーザーの使用頻度が相対的に高い言語を選択して当該言語に対応する前記案内情報を生成することを特徴とする構成である。
【0030】
請求項22に係る発明は、画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置において実行されるプログラムであって、前記端末装置に、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信ステップと、前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信ステップと、を実行させ、前記言語情報には、ユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれていることを特徴とする構成である。
請求項23に係る発明は、画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置において実行されるプログラムであって、前記端末装置に、アプリケーションからユーザーの言語使用履歴情報を収集する情報収集ステップと、前記言語使用履歴情報に基づいて、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を生成する言語情報生成ステップと、前記言語情報生成ステップによって生成される前記言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信ステップと、前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
請求項24に係る発明は、画像処理装置から送信されるユーザーに操作を案内するための案内情報に基づいた案内通知を行う端末装置において実行されるプログラムであって、前記端末装置に、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報を前記画像処理装置へ送信する情報送信ステップと、前記画像処理装置において使用中の設定言語に対応した案内通知を行うことを優先する処理速度優先処理と、前記言語情報に含まれる複数の言語の中からユーザーの使用頻度が相対的に高い言語に対応した案内通知を行うことを優先する操作性優先処理とのいずれか一方を決定する優先処理決定ステップと、前記画像処理装置から送信される前記案内情報を受信する案内情報受信手段と、を実行させ、前記情報送信ステップは、前記優先処理決定ステップにおける決定情報を前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置に前記決定情報に対応する前記案内情報を作成させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ユーザーが使用可能な言語情報に基づき、画像処理装置が案内情報を生成するため、ユーザーが使用可能な言語でのみ、端末装置から案内通知を行うことが可能である。それ故、ユーザーが案内通知を理解できないことを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】画像処理システムの構成概念を示す図である。
【
図2】画像処理装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
【
図3】端末装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。
【
図4】画面データ及び画面パーツデータの一例を示す図である。
【
図6】言語情報生成部の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】遠隔制御アプリ起動時の画像処理装置及び端末装置で行われる動作プロセスを示す図である。
【
図9】画像処理装置で行われる初期操作画面生成処理の一例を示すフローチャートです。
【
図10】(a)端末装置で行われる言語設定表示付加処理の一例を示すフローチャートである。(b)端末装置に表示される操作画面に言語設表示を付加した一例を示す図である。
【
図11】ユーザー操作により設定言語変更がされた際の画像処理装置及び端末装置で行われる動作プロセスを示す図である。
【
図12】ユーザーによる操作が行われた際の画像処理装置及び端末装置で行われる動作プロセスを示す図である。
【
図13】ユーザーによる操作が行われた際の画像処理装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】端末装置で行われる言語情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する要素に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0034】
[1.画像処理システム1の構成]
[1.1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態である画像処理システム1の構成概念を示す図である。画像処理システム1は、MFPなどで構成される画像処理装置2と、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット端末、スマートフォンなどで構成される端末装置3とを備えている。画像処理装置2と端末装置3とは、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して、或いは、Bluetooth(登録商標)や、WiFi,NFC(Near Field Communication)などの無線通信手段を介して、互いにデータ通信を行うことができる構成である。
【0035】
画像処理装置2は、例えばコピー機能やスキャン機能、プリント機能、FAX機能、BOX機能などの複数の機能を備えており、ユーザーによって選択された機能を動作させてジョブを実行する。尚、BOX機能とは、画像データやドキュメントデータなどを記憶しておくストレージ機能である。この画像処理装置2は、ユーザーが機能の選択操作やジョブの設定操作、ジョブの実行指示を行うためのユーザーインタフェースとなる操作パネル10を備えている。操作パネル10には、カラー液晶ディスプレイなどで構成される表示部11が設けられる。表示部11には、ユーザーが各種操作を行うための操作画面が表示される。そして画像処理装置2は、操作パネル10の表示部11にユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示した状態でユーザーによる操作を受け付ける。画像処理装置2は、様々な言語に対応した操作画面を表示部11に表示することが可能であり、例えば管理者などによって予め指定された設定言語に対応する操作画面を表示部11に表示し、ユーザーによる操作を受け付ける。
【0036】
画像処理装置2は、端末装置3との通信を開始すると、端末装置3からユーザーの使用可能言語に関する言語情報70を受信する。言語情報70には、端末装置3のユーザーが使用可能な少なくとも1つの言語に関する情報が含まれている。例えば端末装置3のユーザーが日本語のみを使用可能であれば、言語情報70には日本語を示す情報が含まれる。また端末装置3のユーザーが英語と日本語の2言語を使用可能であれば、言語情報70には英語と日本語に関する情報が含まれる。そのため、画像処理装置2は、端末装置3から受信する言語情報70に基づいてユーザーが使用可能な言語を把握することができる。そして画像処理装置2は、ユーザーの使用可能言語に対応する案内情報72を生成し、端末装置3へ送信する。案内情報72は、ユーザーに対して画像処理装置2の操作を案内するための情報であり、例えば端末装置3において表示させるための画面データや、端末装置3において音声出力させるための音声データなどを含む情報である。
【0037】
例えば画像処理装置2は、操作パネル10の表示部11に表示している操作画面に対応する画面データを端末装置3へ送信することにより、端末装置3に操作画面を表示させることができる。このとき、画像処理装置2は、ユーザーの使用可能言語に対応する操作画面を生成して端末装置3へ送信する。そして画像処理装置2は、端末装置3から操作画面に対する操作情報を受信すると、その操作情報に基づく処理を行う。また、画像処理装置2は、音声データを端末装置3へ送信することにより、端末装置3に音声ガイダンスを再生出力させることも可能である。このとき、画像処理装置2は、ユーザーの使用可能言語に対応する音声データを端末装置3へ送信する。このように画像処理装置2は、端末装置3に対してユーザーが使用可能な画面データや音声データなどの案内情報72を提供することにより、端末装置3を使用しているユーザーに案内情報72に基づく操作を案内することが可能である。
【0038】
一方、端末装置3は、各種情報を表示するためのカラー液晶ディスプレイなどで構成される表示部40を有している。また端末装置3には、後述するように、画像処理装置2と通信を行って遠隔制御するための遠隔制御プログラム47(
図3参照)が予めインストールされている。端末装置3は、その遠隔制御プログラム47を実行することにより、画像処理装置2との通信を行う。端末装置3は、画像処理装置2との通信を開始すると、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報70を画像処理装置2へ送信する。これにより、端末装置3は、ユーザーの使用可能な言語に対応する案内情報72を取得することができる。
【0039】
端末装置3は、画像処理装置2から画面データや音声データなどの案内情報72を受信すると、その案内情報72に基づいてユーザーに各種操作を案内する。例えば案内情報72に画面データが含まれる場合、端末装置3は、その画面データに基づく操作画面を表示部40に表示する。これにより、ユーザーは、端末装置3において表示される操作画面に対する操作を行うことで画像処理装置2の遠隔操作を行うことができる。
【0040】
また案内情報72に音声データが含まれる場合、端末装置3は、その音声データに基づく音声ガイダンスを再生出力する。例えば、画像処理装置2において紙詰まりなどのエラーが発生した場合、画像処理装置2はそのエラーを解消するための手順などを示す案内情報72を音声データとして端末装置3へ送信する。これにより、ユーザーは、端末装置3の表示画面を見なくても、画像処理装置2のどの扉を開けば用紙を撤去することができるかを容易に把握することができるようになる。
【0041】
[1.2.画像処理装置2の構成]
図2は、画像処理装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。画像処理装置2は、操作パネル10と、ネットワークインタフェース13と、無線通信部14と、記憶部15と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、FAX部18と、制御部19とを備えている。
【0042】
操作パネル10は、上述した表示部11の他、操作部12を備えている。操作部12は、例えば表示部11の表示画面上に配置されるタッチパネルキーと、表示部11の表示画面の周囲に配置される押しボタンキーとによって構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。
【0043】
ネットワークインタフェース13は、画像処理装置2をLANなどのネットワークに接続するものである。無線通信部14は、Bluetooth(登録商標)や、WiFi、NFC(Near Field Communication)などの無線通信を行うものであり、例えば端末装置3と1対1の通信を行うことができる。
【0044】
記憶部15は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部15は、様々なプログラムやデータなどを記憶しておくものである。例えば記憶部15には、
図2に示すように画像処理装置2において実行されるプログラム20、操作パネル10の表示部11で表示する操作画面に関する画面データ21、画面データ21を生成するための画面構成パーツ(コンテンツ)である画面パーツデータ22などが記憶される。
【0045】
画面パーツデータ22には、それぞれ異なる言語である複数の画面パーツデータ22a,22b,22cが含まれる。これらの画面パーツデータ22a,22b,22cは、画像処理装置2において設定可能な言語ごとに予め用意されているデータである。例えば画面パーツデータ22aは日本語の画面データ21を作成するために用いられるデータであり、画面パーツデータ22bは英語の画面データ21を作成するために用いられるパーツデータであり、さらに画面パーツデータ22cは中国語の画面データ21を作成するために用いられるパーツデータである。尚、記憶部15には、さらに他の言語の画面パーツデータが記憶されていても良い。
【0046】
そして画像処理装置2は、管理者によって設定される設定言語に基づき、その設定言語に対応する操作画面の画面データ21を予め生成して記憶部15に保存している。例えば、管理者によって英語が設定言語として設定されている場合、画像処理装置2は、予め英語の画面パーツデータ22bを組み合わせて、コピー機能、キャン機能、プリント機能、FAX機能、BOX機能などの各種機能を操作するための英語の操作画面を予め生成し、それらの操作画面に対応する画面データ21を記憶部15に保存する。
【0047】
これに対し、画像処理装置2は、設定言語とは異なる言語の操作画面を予め生成しない。これにより、記憶部15の記憶領域が、使用されない操作画面の画面データによって占有されることを防止することができる。そのため、設定言語とは異なる言語に対応する操作画面については画面データ21として記憶部15に予め格納されるのではなく、各画面の構成要素が画面パーツデータ22a,22b,22cとして記憶部15に保持されることになる。
【0048】
また記憶部15には、端末装置3の音声出力部42で再生される音声ガイダンス用のデータであって、画像処理装置2の設定言語に対応する音声データ23と、それぞれ異なる言語である複数の音声データ24a,24b,24cを含む音声データ群24とが記憶される。例えば、画像処理装置2の設定言語に対応する音声データ23はそのまま再生可能な状態で記憶部15に保存されるのに対し、音声データ群24に含まれる複数の音声データ24a,24b,24cは圧縮された状態で記憶部15に保存される。尚、
図2では、音声データ群24に、日本語、英語及び中国語の3つの言語に対応する音声データ24a,24b,24cが含まれる場合を例示しているが、これら以外の言語の音声データが含まれるものであっても構わない。
【0049】
上述したように画面データ21は、画面パーツデータ22を組み合わせることにより、操作画面の設定言語に対応する画面データとして生成されている。例えば画像処理装置2の管理者などによって予め設定される操作画面の設定言語が英語である場合の画面データ21は
図4(a)のようなものとなる。この画面データ21は、例えば画面枠を規定する基本画面21aの所定位置に、設定言語である英語の画面パーツデータ22bが配置された構成の画像として生成されるデータである。すなわち、基本画面21aは、設定言語に依存せず、どのような言語にも共通して利用される画像である。これに対し、画面パーツデータ22a,22b,22cは、操作キーなどの画面パーツに対して画像処理装置2の設定言語に応じた文字列等が付与された画像データである。そのため、設定言語が英語であれば、英語の画面パーツデータ22bが基本画面21aに配置された画面データ21が予め生成され、記憶部15に保存されることになる。
【0050】
ここで、操作画面の設定言語が管理者によって英語から日本語に変更された場合、後述する案内情報生成部31は、記憶部15に保存されている画面パーツデータ22から日本語の画面パーツデータ22aを読み出し、その画面パーツデータ22aを基本画面21aに配置して日本語に対応する新たな画面データ21を生成する。例えば
図4(a)に示す英語の画面パーツデータ22bを日本語の画面パーツデータ22aに置き換えていくことにより、
図4(b)に示す日本語に対応した画面データ21を生成するようにしても良い。したがって、操作画面の設定言語が変更された場合には、案内情報生成部31が新たな操作画面を生成するための処理時間が発生する。
【0051】
スキャナ部16は、ユーザーによってコピー機能、スキャン機能、FAX送信機能などが選択された場合に動作し、ユーザーによってセットされた原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。プリンタ部17は、ユーザーによってコピー機能又はプリント機能が選択された場合、或いは、FAX部18が公衆電話回線からFAXデータを受信した場合に動作し、入力する画像データに基づいて印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力するものである。FAX部18は、公衆電話回線を介してFAXデータの送受信を行うものである。
【0052】
制御部19は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成され、CPUがプログラム20を読み出して実行することにより、上述した各部の動作を制御する。特に本実施形態では、CPUがプログラム20を実行することにより、制御部19は、ネットワークインタフェース13又は無線通信部14を介して端末装置3と通信を行い、端末装置3を使用しているユーザーに対して各種操作を案内するように構成される。例えば制御部19は、端末装置3からユーザーの使用可能言語に関する言語情報を取得し、その言語情報に基づいてユーザーに各種操作を案内するときの言語を決定する。そして制御部19は、その決定した言語に対応する案内情報72を生成して端末装置3へ送信することにより、ユーザーが容易に案内情報72によって案内される操作内容を把握できるようにする。一例を挙げると、制御部19は、操作パネル10の表示部11に表示している操作画面に対応する画面データ21を生成して端末装置3へ送信するとき、表示部11に表示している操作画面の言語がユーザーの使用可能言語であるか否かを判定し、ユーザーの使用可能言語でない場合にはユーザーの使用可能言語に対応する操作画面を生成する。
【0053】
このような制御部19は、CPUがプログラム20を実行することにより、情報受信部30、案内情報生成部31、案内情報送信部32、操作位置特定部33及びジョブ制御部34として機能する。これら各処理部は、例えば画像処理装置2が端末装置3との通信を開始することによって機能する。
【0054】
情報受信部30は、ネットワークインタフェース13又は無線通信部14を介して端末装置3から送信される情報を受信する処理部である。画像処理装置2は、端末装置3との通信を開始すると、端末装置3からユーザーの使用可能言語に関する言語情報70を受信する。また画像処理装置2は、言語情報70と共に、後述する優先処理情報71を受信することもある。情報受信部30は、端末装置3から言語情報70や優先処理情報71を受信すると、それらの情報を案内情報生成部31へ出力する。また画像処理装置2が端末装置3に対して操作画面の画面データを含む案内情報72を送信した後に端末装置3から操作画面に対する操作情報74を受信すると、情報受信部30は、操作情報74を操作位置特定部33へ出力する。
【0055】
案内情報生成部31は、端末装置3に送信するための案内情報72を生成する処理部である。案内情報生成部31は、端末装置3から受信する言語情報70に基づき、ユーザーの使用可能言語を判別し、端末装置3に対して送信すべき案内情報72の言語を決定する。言語情報70にユーザーが使用可能な複数の言語に関する情報が含まれる場合、案内情報生成部31は、それら複数の言語のうちのいずれか1つの言語を案内情報72の言語として決定する。そして案内情報生成部31は、決定した言語に対応する案内情報72を生成する。
【0056】
例えば端末装置3において表示すべき操作画面を案内情報72として送信する場合、案内情報生成部31は、操作パネル10の表示部11に表示している操作画面と同じ内容の操作画面であって、ユーザーが使用可能な言語に対応する操作画面を生成する。このとき操作パネル10の表示部11に表示している操作画面の言語が、案内情報72のために決定した言語と同じである場合、案内情報生成部31は、記憶部15に保存されている画面データ21を読み出し、その画面データ21を含む案内情報72を生成する。そのため、画像処理装置2の設定言語が案内情報72の言語と同じであれば、端末装置3に対して送信すべき案内情報72を案内情報生成部31が速やかに取得することができる。これに対し、記憶部15に保存されている画面データ21の言語が案内情報72のために決定された言語と異なる場合、案内情報生成部31は、画面パーツデータ22の中から案内情報72の言語に対応するデータを読み出して新たな画面データ21を生成する。したがって、記憶部15に保存されている画面データ21の言語が案内情報72の言語と異なる場合には、案内情報生成部31が端末装置3に対して送信すべき案内情報72を準備するまでに一定の時間を要することになる。
【0057】
また案内情報生成部31は、端末装置3において音声ガイダンスとして出力すべき音声データを案内情報72として送信する場合、記憶部15に記憶されている音声データ23の言語が案内情報72の言語と同じであれば、記憶部15に記憶されている音声データ23を読み出し、その音声データ23を含む案内情報72を生成する。これに対し、記憶部15に記憶されている音声データ23の言語が案内情報72の言語と異なる場合、案内情報生成部31は、音声データ群24の中から案内情報72の言語に対応する圧縮状態の音声データを読み出して復元することにより、端末装置3に対して送信すべき新たな音声データ23を生成する。したがって、記憶部15に保存されている音声データ23の言語が案内情報72の言語と異なる場合には、案内情報生成部31が端末装置3に対して送信すべき音声データ23を準備するまでに一定の時間を要することになる。
【0058】
案内情報生成部31は、上記のようにして端末装置3に送信すべき案内情報72を生成すると、その案内情報72を案内情報送信部32へ送信する。案内情報送信部32は、ネットワークインタフェース13又は無線通信部14を介して案内情報72を端末装置3に送信する処理部である。例えば、案内情報生成部31によって生成される案内情報72に、端末装置3において表示すべき操作画面の画面データ21が含まれている場合、案内情報送信部32は、画面データ21を含む案内情報72を送信し、端末装置3にユーザーが操作することが可能な操作画面を表示させる。また案内情報生成部31によって生成される案内情報72に、端末装置3において再生出力すべき音声データ23が含まれている場合、案内情報送信部32は、音声データ23を含む案内情報72を送信し、端末装置3に音声ガイダンスを行わせる。
【0059】
操作位置特定部33は、端末装置3から受信する操作情報74に基づいて端末装置3のユーザーがタッチ操作などを行った操作位置を特定する処理部である。すなわち、操作情報74には、端末装置3のユーザーがタッチ操作などを行った位置の座標情報が含まれており、操作位置特定部33は、その座標情報に基づいて操作画面内における操作位置を特定する。そして操作位置特定部33は、その操作位置にある操作キーなどを特定し、ジョブ制御部34又は案内情報生成部31に対して操作キーが操作されたことを通知する。
【0060】
案内情報生成部31は、操作位置特定部33によって端末装置3のユーザーが行った操作に関する通知を受信すると、ユーザーの操作に応じて案内情報72を更新する必要があるか否かを判別する。例えばユーザーの操作に応じて操作画面を更新する必要がある場合、案内情報生成部31は、案内情報72を更新する必要があると判断する。そして案内情報生成部31は、ユーザーの操作に応じた新たな操作画面の画面データ21を生成し、新たな案内情報72を案内情報送信部32へ出力する。案内情報送信部32は、案内情報生成部31によって新たな案内情報72が生成される都度、その案内情報72を端末装置3へ送信する。
【0061】
また画像処理装置2において紙詰まりなどのエラーが発生している場合において、ユーザーが開閉扉などを開いた場合、制御部19は図示を省略するセンサーなどによって下位へ扉が開放されたことを検知する。そのような場合、案内情報生成部31は、次にユーザーが行うべき操作を示す音声データ23を生成し、その音声データ23を含む案内情報72を案内情報送信部32へ出力する。案内情報送信部32は、案内情報生成部31によって音声データ23を含む案内情報72が生成される都度、その案内情報72を端末装置3へ送信する。したがって、画像処理装置2において紙詰まりなどのエラーが発生しているときには、ユーザーが画像処理装置2に対してエラーを解消するための手順を1つ進める度に、端末装置3から次の手順が音声ガイダンスとして出力されるようになる。
【0062】
ジョブ制御部34は、画像処理装置2におけるジョブの実行を制御するものである。ジョブ制御部34は、ユーザーによって行われた操作がジョブの実行開始を指示するものである場合に機能し、スキャナ部16、プリンタ部17及びFAX部18のそれぞれを駆動し、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する。
【0063】
[1.3.端末装置3の構成]
図3は、端末装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。端末装置3は、表示部40と、操作部41と、音声出力部42と、ネットワークインタフェース43と、無線通信部44と、制御部45と、記憶部46とを備えている。操作部41は、例えば表示部40の表示画面上に配置されるタッチパネルによって構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。記憶部46は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置であり、端末装置3に予めインストールされる遠隔制御プログラム47や各種のアプリケーションプログラム48を記憶する。ネットワークインタフェース43は、端末装置3をLANなどのネットワークに接続するものである。無線通信部44は、Bluetooth(登録商標)やWiFi、NFC(Near Field Communication)などの無線通信を行うものであり、例えば画像処理装置2と1対1の通信を行う。
【0064】
制御部45は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成される。制御部45は、端末装置3の電源投入時にオペレーティングシステム49を起動させる。そしてオペレーティングシステム49の起動中にユーザーが遠隔制御プログラム47の実行を指示すると、CPUが遠隔制御プログラム47を読み出して実行する。これにより、制御部45は、オペレーティングシステム49上において画像処理装置2を遠隔制御するための遠隔制御アプリケーション50を機能させる。
【0065】
また制御部45は、ユーザーの指示に基づいて各種のアプリケーションプログラム48を実行することもできる。制御部45においてアプリケーションプログラム48が実行されることにより、端末装置3においてメールアプリケーションや音声入力アプリケーション、チャットアプリケーション、Webブラウザアプリケーションなどが起動し、ユーザーがそれらのアプリケーションによる機能を利用することができるようになる。
【0066】
遠隔制御アプリケーション50は、ネットワークインタフェース13又は無線通信部14を介して画像処理装置2と通信を行い、画像処理装置2と連携した動作を行う。すなわち、遠隔制御アプリケーション50は、制御部45において起動すると、まずネットワークインタフェース43又は無線通信部44を介して通信可能な画像処理装置2を検索し、その検索結果に基づいて一の画像処理装置2との通信を開始する。検索によって複数の画像処理装置2が検出された場合、遠隔制御アプリケーション50は、例えばそれら複数の画像処理装置2のうちから通信対象となる画像処理装置2をユーザーに選択させ、ユーザーによって選択された一の画像処理装置2と通信を開始する。
【0067】
遠隔制御アプリケーション50は、画像処理装置2との通信を開始すると、まず端末装置3のユーザーの使用可能言語に関する言語情報70を画像処理装置2へ送信する。そして遠隔制御アプリケーション50は、画像処理装置2からユーザーの使用可能な言語に対応する案内情報72を受信すると、その案内情報72に基づいてユーザーが行う操作を案内する。例えば、画像処理装置2から受信する案内情報72に操作画面の画面データ21が含まれている場合、遠隔制御アプリケーション50は、その画面データ21に基づいて表示部40にユーザーが操作可能な操作画面を表示する。そしてユーザーが操作画面に対する操作を行った場合、遠隔制御アプリケーション50は、ユーザーの操作に基づく操作情報74を生成し、その操作情報74を画像処理装置2へ送信する。このような遠隔制御アプリケーション50は、案内情報受信部51、優先処理決定部52、情報収集部53、言語情報生成部54、出力制御部55、操作情報生成部56、情報送信部57を備えている。
【0068】
言語情報生成部54は、端末装置3のユーザーが使用可能な言語に関する言語情報70を生成する処理部である。例えば遠隔制御アプリケーション50が起動すると、言語情報生成部54は、ユーザーによって予め設定されている端末装置3の設定言語をオペレーティングシステム49から取得し、その設定言語に基づいて言語情報70を生成する。
【0069】
ただし、端末装置3の設定言語は1つであることが一般的である。そのため、ユーザーが複数の言語を使用可能である場合に、端末装置3の設定言語だけに基づいて言語情報70を生成してしまうと、言語情報70に対してユーザーの使用可能言語が正確に反映されず、漏れが生じてしまうことになる。そこで本実施形態では、情報収集部53がユーザーの使用可能言語に関する情報を収集して言語情報生成部54へ通知するように構成される。
【0070】
情報収集部53は、ユーザーが利用するメールアプリケーションや音声入力アプリケーション、チャットアプリケーション、Webブラウザアプリケーションなどの他のアプリケーションの使用履歴情報を収集する処理部である。
【0071】
例えば端末装置3においてメールアプリケーションが起動して電子メールの送受信が行われると、メールアプリケーションは、電子メールの宛先、差出人、件名、本文などを履歴情報として記憶部46に保存する。また音声入力アプリケーションが起動してユーザーによる音声入力が行われると、音声入力アプリケーションは、ユーザーによる入力音声を認識し、入力音声の言語に対応したテキスト変換などを行う。そして音声入力アプリケーションは、その後の認識効率を高めるため、ユーザーの入力音声と認識結果とを対応付けた履歴情報を生成して記憶部46に保存する。またチャットアプリケーションが起動してユーザーによるチャット入力が行われると、チャットアプリケーションは、ユーザーによって入力されたテキストなどの情報を履歴情報として記憶部46に保存する。さらにWebブラウザアプリケーションが起動してユーザーがWebページの閲覧を行うと、Webブラウザアプリケーションは、ユーザーが閲覧したWebページの言語などを履歴情報として記憶部46に保存する。
【0072】
情報収集部53は、上記のように各アプリケーションが記憶部46に保存している履歴情報を収集し、ユーザーが各アプリケーションで使用した言語に関する情報を含む使用履歴情報を生成する。したがって、ユーザーが各アプリケーションで端末装置3の設定言語とは異なる他の言語を使用した場合には、そのような他の言語に関する情報が使用履歴情報に含まれることとなる。そして情報収集部53は、その使用履歴情報を言語情報生成部54へ出力する。これにより、言語情報生成部54は、情報収集部53から出力される使用履歴情報を参照することにより、ユーザーが各アプリケーションを利用する際に使用した言語に基づいてユーザーの使用可能言語を特定することができるようになる。
【0073】
図5は、そのような言語情報生成部54の詳細な構成例を示す図である。
図5に示すように言語情報生成部54は、言語判別部61と、スコア算出部62と、使用可能言語判断部63と、閾値設定部65とを有している。
【0074】
言語判別部61は、情報収集部53から出力される使用履歴情報75に基づき、ユーザーが各アプリケーションを利用する際に使用した言語を判別する処理部である。例えば、言語判別部61は、メールアプリケーションの履歴情報に基づき、ユーザーが送受信した電子メールの言語を1つずつ判別していく。つまり、言語判別部61は、各アプリケーションの履歴情報に記録されている全ての情報から、ユーザーが使用した言語を判別するのである。そして言語判別部61は、ユーザーが使用した言語の判別結果をスコア算出部62へ出力する。
【0075】
スコア算出部62は、ユーザーが使用した言語ごとにリーディングスコアとリスニングスコアとを算出する処理部である。リーディングスコアとは、ある言語をユーザーがどの程度読み取ることができるかを示すスコアである。またリスニングスコアとは、ある言語をユーザーがどの程度聞き取ることができるかを示すスコアである。
【0076】
図6は、アプリケーションごとのリーディングスコアとリスニングスコアの算出ルールを示す図である。例えばメールアプリケーションの場合、スコア算出部62は、電子メールの受信のみであれば、その電子メールに用いられている言語のリーディングスコアを加点しない。これに対し、ユーザーが送信した電子メールに対する返信メールを受信した場合、或いは、ユーザーが受信した電子メールに対して返信メールを送信している場合は、電子メールの送受信回数に応じて、その電子メールに用いられている言語のリーディングスコアを加点する。またチャットアプリケーションの場合、ユーザーがテキストチャットを投稿していれば、その投稿量に応じてその言語のリーディングスコアを加点する。またユーザーがボイスチャットを投稿していれば、その投稿量に応じてその言語のリスニングスコアを加点する。またWebブラウザアプリケーションの場合、ユーザーが掲示板やSNS等への書き込み履歴に応じて、ユーザーが書き込んだ言語のリーディングスコアを加点する。さらに音声入力アプリケーションの場合、ユーザーの音声入力回数に応じて、ユーザーが入力した言語のリスニングスコアを加点する。このようにスコア算出部62は、ユーザーが複数の言語を使用する場合、各言語の使用頻度に応じたリーディングスコアとリスニングスコアとを算出する。スコア算出部62は、言語ごとのリーディングスコアとリスニングスコアとを算出すると、それらを使用可能言語判断部63へ出力する。
【0077】
使用可能言語判断部63は、言語ごとのリーディングスコア及びリスニングスコアに基づき、ユーザーの使用可能言語を判断する処理部である。使用可能言語判断部63は、閾値設定部65において予め設定されている閾値76を取得し、各言語について算出されたリーディングスコア及びリスニングスコアのそれぞれが閾値76で定められるスコア以上であるか否かを判断する。そしてリーディングスコア及びリスニングスコアの少なくとも一方が閾値76で定められるスコア以上である言語を、ユーザーの使用可能言語として判断する。つまり、使用可能言語判断部63は、ユーザーが複数の言語を使用している場合、使用頻度が高い言語をユーザーの使用可能言語として特定し、使用頻度の低い言語をユーザーの使用可能言語として特定しないようにしている。そのため、リーディングスコア及びリスニングスコアの少なくとも一方が閾値76で定められるスコア以上となる言語が存在しない場合、使用可能言語判断部63は、各アプリケーションの使用履歴情報からユーザーの使用可能言語を特定することができない結果となる。
【0078】
そして使用可能言語判断部63は、リーディングスコア及びリスニングスコアのそれぞれに基づいて判断されるユーザーの使用可能言語と、オペレーティングシステム49から取得する設定言語77とに基づいて言語情報70を生成し、その言語情報70を情報送信部57へ出力する。したがって、言語情報70には、少なくともオペレーティングシステム49において保持されている端末装置3の設定言語77に関する情報が含まれることになる。
【0079】
図3に戻り、情報送信部57は、ネットワークインタフェース43又は無線通信部44を介して画像処理装置2に各種情報を送信する処理部である。例えば、情報送信部57は、言語情報生成部54から言語情報70を取得すると、その言語情報70を画像処理装置2へ送信する。また情報送信部57は、優先処理決定部52から優先処理情報を取得した場合には、その優先処理情報を画像処理装置2へ送信する。
【0080】
優先処理決定部52は、画像処理装置2の案内情報生成部31において案内情報72の言語が決定されるときの優先度を決定するための処理部である。この優先処理決定部52は、例えばユーザーによって指定された場合に機能する。例えば画像処理装置2が自機の設定言語に対応する案内情報72を生成するときには、画面データ21を新たに生成したり、圧縮された音声データを復元したりする必要がないため、処理速度が向上する。これに対し、画像処理装置2が自機の設定言語とは異なる言語であって、端末装置3の設定言語77に対応する案内情報72を生成するときには、画面データ21を新たに生成したり、圧縮された音声データを復元したりする必要があるため、処理速度が低下する。その反面、ユーザーにとっては端末装置3の設定言語77と同一の言語の案内情報72であれば、理解し易く、操作性が向上する。そのため、優先処理決定部52は、処理速度優先処理と操作性優先処理とのいずれか一方をユーザーに選択させるようにしている。
【0081】
図7は、優先処理決定部52が機能した場合に端末装置3の表示部40に表示される設定画面の一例を示す図である。この画面では、処理速度優先処理と操作性優先処理とのいずれか一方をユーザーが選択することができるようになっている。そして優先処理決定部52は、ユーザーによる選択結果に基づいて優先処理情報を情報送信部57へ出力する。この優先処理情報には、処理速度優先処理と操作性優先処理とのいずれか一方を指定する情報が含まれる。情報送信部57は、優先処理決定部52から優先処理情報を受信すると、その優先処理情報を画像処理装置2へ送信する。
【0082】
画像処理装置2は、端末装置3から優先処理情報を受信した場合、その優先処理情報を案内情報生成部31へ通知する。そして案内情報生成部31は、端末装置3から送信される優先処理情報を取得すると、その優先処理情報に基づいて案内情報72の言語を決定する。
【0083】
例えば優先処理情報において処理速度優先処理が指定されている場合、案内情報生成部31は、ユーザーの使用可能言語の中に、画像処理装置2の設定言語が含まれているか否かを判断し、画像処理装置2の設定言語が含まれていれば、画像処理装置2の設定言語に対応する案内情報72を生成する。これに対し、ユーザーの使用可能言語の中に、画像処理装置2の設定言語が含まれていない場合、案内情報生成部31は、端末装置3の設定言語77に対応する案内情報72を生成する。
【0084】
また優先処理情報において操作性優先処理が指定されている場合、案内情報生成部31は、言語情報70に含まれる端末装置3の設定言語77に対応する案内情報72を生成する。このとき、端末装置3の設定言語77が画像処理装置2の設定言語と一致すれば、処理効率を低下させることなく、端末装置3に案内情報72を提供することができるようになる。
【0085】
案内情報受信部51は、画像処理装置2から送信される案内情報72を受信する処理部である。案内情報受信部51は、画像処理装置2から案内情報72を受信すると、その案内情報72を出力制御部55へ出力する。出力制御部55は、案内情報受信部51によって受信された案内情報72を表示部40又は音声出力部42へ出力する処理部である。
【0086】
例えば案内情報72に画面データ21が含まれている場合、出力制御部55は、その画面データ21を表示部40へ出力することにより、画面データ21に対応する操作画面を表示部40に表示させる。このとき、表示部40に表示される操作画面は、ユーザーの使用可能言語で表示される画面となる。したがって、ユーザーは、表示部40に表示される操作画面に対して速やかに操作を行うことができる。
【0087】
また案内情報72に音声データ23が含まれている場合、出力制御部55は、その音声データ23を音声出力部42へ出力することにより、音声データ23に対応する音声ガイダンスを行わせる。このとき、端末装置3から出力される音声ガイダンスは、ユーザーの使用可能言語で行われる。そのため、ユーザーは、端末装置3から出力される音声ガイダンスを容易に理解することができる。
【0088】
操作情報生成部56は、操作部41がユーザーの操作を受け付けた場合に機能し、ユーザーの操作に基づく操作情報を生成する処理部である。操作情報生成部56が操作情報を生成すると、その操作情報は情報送信部57へ出力される。情報送信部57は、操作情報生成部56から操作情報を受信すると、その操作情報を画像処理装置2へ送信する。これにより、ユーザーの操作に応じた新たな案内情報72を画像処理装置2から取得することができる。
【0089】
[2.画像処理システム1の動作]
次に上記のような画像処理システム1で行われる動作について説明する。
図8は、画像処理装置2及び端末装置3で行われる動作プロセスを示す図である。まず端末装置3は、ユーザーによる指示操作に基づいて遠隔制御プログラム47を実行し、遠隔制御アプリケーション50を起動させる(プロセスP1)。端末装置3は、遠隔制御アプリケーション50を起動させると、画像処理装置2との通信状態CNを確立させる(プロセスP2)。端末装置3は、画像処理装置2との通信状態CNを確立させると、言語情報生成部54を機能させ、ユーザーの使用可能言語に関する言語情報70を生成する。そして端末装置3は、画像処理装置2に言語情報70を送信する(プロセスP3)。端末装置3は、言語情報70を画像処理装置2に送信すると、ユーザーによる操作に基づいて優先処理決定部52を機能させ、処理速度優先処理と操作性優先処理のいずれか一方を決定する。そして端末装置3は、情報送信部57を機能させ、優先処理情報71を送信する(プロセスP4)。尚、ユーザーによって処理速度優先処理と操作性優先処理のいずれか一方が選択されなかった場合、端末装置3は、操作性優先処理を指定した優先処理情報71を自動送信するようにしても良い。
【0090】
画像処理装置2は、端末装置3との通信を開始した後に端末装置3から言語情報70と優先処理情報71を受信すると、案内情報生成部31を機能させ、ユーザーの使用可能言語に対応する操作画面を生成する(プロセスP5)。
【0091】
操作画面生成(プロセスP5)における、案内情報生成部31の具体的な動作について説明する。
図9は、案内情報生成部31で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。案内情報生成部31は、この処理を開始すると、まず言語情報70から端末装置3の設定言語77を読み出して特定する(ステップS10)。案内情報生成部31は、端末装置3の設定言語77を特定すると、画像処理装置2の設定言語が端末装置3の設定言語77と同一であるか否かを判断する(ステップS11)。その結果、画像処理装置2の設定言語が端末装置3の設定言語77と同一である場合(ステップS11でYES)、案内情報生成部31は、画像処理装置2の設定言語を案内情報72の言語に決定する(ステップS14)。
【0092】
これに対し、画像処理装置2の設定言語が端末装置3の設定言語77と異なる場合(ステップS11でNO)、案内情報生成部31は、画像処理装置2の設定言語が言語情報70に含まれているか否かを判断する(ステップS12)。その結果、画像処理装置2の設定言語が言語情報70に含まれている場合(ステップS12でYES)、案内情報生成部31は、処理速度優先処理であるか否かを判断する(ステップS13)。その結果、処理速度優先処理である場合(ステップS13でYES)、案内情報生成部31は、画像処理装置2の設定言語を案内情報72の言語に決定する(ステップS14)。
【0093】
また画像処理装置2の設定言語が言語情報70に含まれていない場合(ステップS12でNO)、或いは、処理速度優先処理ではなかった場合(ステップS13でNO)、案内情報生成部31は、端末装置3の設定言語77を案内情報72の言語に決定する(ステップS15)。
【0094】
続いて案内情報生成部31は、案内情報72の言語が画像処理装置2の設定言語に決定されたか否かを判断する(ステップS16)。案内情報72の言語が画像処理装置2の設定言語に決定された場合(ステップS16でYES)、案内情報生成部31は、記憶部15から端末装置3において表示すべき操作画面に対応する画面データ21を読み出す(ステップS17)。この場合、案内情報生成部31が画面データ21を取得するまでの時間は短い。これに対し、案内情報72の言語が端末装置3の設定言語77に決定された場合(ステップS16でNO)、案内情報生成部31は、記憶部15に記憶されている画面パーツデータ22を組み合わせることにより、端末装置3において表示すべき操作画面に対応する画面データ21を新たに生成する(ステップS18)。すなわち、案内情報生成部31は、端末装置3の設定言語77に対応する操作画面の画面データ21を生成するのである。この場合、案内情報生成部31が画面データ21を取得するまでの時間は長くなる。そして案内情報生成部31は、ステップS17又はS18で取得した画面データ21を端末装置3へ送信する(ステップS19)。このような処理により、ユーザーが使用可能な言語に対応する操作画面の画面データ21が端末装置3へ送信されることになる。
【0095】
図8に戻り、画像処理装置2は、上記のようにして操作画面の画面データ21を生成すると、画面データ21を含む案内情報72を端末装置3へ送信する(プロセスP6)。したがって、端末装置3は、画像処理装置2から受信する画面データ21に基づき、画像処理装置2を遠隔操作するための操作画面を表示することができる。
【0096】
ここで、画像処理装置2から端末装置3に送信される画面データ21は、例えばビットマップ画像などのようなデータである。そのため、端末装置3は、画像処理装置2から取得した画面データ21に基づいて操作画面を表示したとしても、その操作画面がどのような言語で表示されているかを把握することができない。そこで、画像処理装置2は、端末装置3に対して案内情報72を送信することに伴い、その案内情報72がどのような言語であるかを示すべく、端末装置3に対して案内言語情報73を送信する(プロセスP7)。この案内言語情報73には、案内情報72の言語に関する情報が含まれる。そのため、端末装置3は、案内言語情報73を解析することにより、画像処理装置2から受信した案内情報72がどのような言語であるかを特定することができるようになる。尚、このような案内言語情報73は、案内情報72のヘッダー部分などに付加しても良い。
【0097】
端末装置3は、画像処理装置2から受信する案内言語情報73に基づき、案内情報72の言語を特定すると、言語設定表示付加判断を行う(プロセスP8)。つまり、端末装置3は、出力制御部55を機能させ、表示部40において表示されている操作画面の言語が端末装置3の設定言語77と異なる場合に、ユーザーが操作画面の言語を設定変更できるようにするか否かを判断するのである。
【0098】
言語設定表示付加判断(プロセスP8)における、出力制御部55の具体的な動作について説明する。
図10(a)は、出力制御部55で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。出力制御部55は、この処理を開始すると、端末装置3の設定言語77と案内情報72の言語が同一であるか否かを判断する(ステップS20)。その結果、端末装置3の設定言語77と案内情報72の言語が同一でなかった場合(ステップS20でNO)、出力制御部55は言語設定表示を操作画面に付加する(ステップS21)。
図10(b)は、端末装置3の設定言語77が日本語であり、案内情報72に基づいて表示されている操作画面の言語が英語である場合に言語設定表示が付加された操作画面の一例である。この例では、操作画面の隅にユーザーが操作可能な操作キーとして、言語設定表示80が表示されている。ユーザーによって言語設定表示80が操作されると、出力制御部55は、例えば操作画面の言語を端末装置3の設定言語77に変更することが可能なサブウィンドウを表示する。この場合、ユーザーは、サブウィンドウに対する操作を行うことにより、操作画面の言語を、端末装置3の設定言語77に変更することができる。またユーザーは、端末装置3の設定言語77以外の所望の言語に変更することも可能である。
【0099】
ユーザーが言語設定表示80を操作して操作画面の設定言語を変更した際の、画像処理システム1で行われる動作について説明する。
図11は、画像処理装置2及び端末装置3で行われる動作プロセスを示す図である。ユーザーが言語設定表示80を操作して操作画面の言語を変更すると(プロセスP9)、端末装置3は、操作情報生成部56を機能させ、操作画面の言語を変更する操作情報74を作成する(プロセスP10)。操作情報74が生成されると、端末装置3は情報送信部57を機能させ、操作情報74を画像処理装置2に送信する(プロセスP11)。画像処理装置2は、操作情報74を受信すると、案内情報生成部31を機能させ、ユーザーによって指定された操作画面の言語に対応した操作画面を新たに生成する(プロセスP12)。操作画面の設定言語に対応した操作画面が生成されると、画像処理装置2は、新たに生成した操作画面の画面データ21を含む案内情報72を生成し、その案内情報72を端末装置3に送信する(プロセスP13)。
【0100】
尚、上記においては、言語設定表示付加判断(
図8内プロセスP8)の処理を行い、表示部40において表示されている操作画面の言語が端末装置3の設定言語77と異なる場合に、言語設定表示80を表示させる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、言語設定表示付加判断の処理を行わずに、全ての操作画面に対して言語設定表示80を表示させるものとしてもよい。
【0101】
次に、ユーザーが操作画面を操作した際の、画像処理システム1で行われる動作について説明する。
図12は、画像処理装置2及び端末装置3で行われる動作プロセスを示す図である。ユーザーが操作画面を操作すると(プロセスP14)、端末装置3は、操作情報生成部56を機能させ、操作情報74を生成する(プロセスP15)。操作情報74が生成されると、端末装置3は情報送信部57を機能させ、操作情報74を画像処理装置2に送信する(プロセスP16)。画像処理装置2は、操作情報74を受信すると、案内情報生成部31を機能させ、操作画面を生成する(プロセスP17)。操作画面が生成されると、画像処理装置2は、その操作画面の画面データ21を含む案内情報72を生成し、その案内情報72を端末装置3に送信する(プロセスP18)。
【0102】
案内情報生成部31が、操作情報74に対応した操作画面を生成する際(プロセスP17)における、画像処理装置2の具体的な動作について説明する。
図13は、画像処理装置2が操作情報74を受信した後の画像処理装置2の処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置2は、操作位置特定部33を機能させ、操作情報74に基づいて操作画面内におけるユーザーの操作位置を特定する(ステップS10)。これにより、端末装置3のユーザーが行った操作がどのような操作であるかが特定される。そして、画像処理装置2は、端末装置3において表示している操作画面を他の操作画面に画面更新するか否かを判断する(ステップS11)。画面更新する場合には(ステップS11でYES)、画像処理装置2は案内情報生成部31を機能させ、操作情報74に基づいて操作画面のレイアウトを決定する(ステップS12)。一方、画面更新しない場合には(ステップS11でNO)、画像処理装置2は処理を終了させる。
【0103】
操作画面のレイアウトが決定すると、案内情報生成部31は、決定したレイアウトに基づき、画像処理装置2の設定言語に対応する操作画面を生成する(ステップS13)。次に案内情報生成部31は端末装置3の設定言語と操作画面の言語が同一であるか否かを判断する(ステップS14)。その結果、端末装置の設定言語と操作画面の言語が同一でない場合(ステップS14でNO)、案内情報生成部31は、その操作画面に対して音声ガイダンスが付くか否かを判断する(ステップS15)。例えば操作画面を表示するときに音声ガイダンスを出力することをユーザーが指定した場合には、操作画面に対して音声ガイダンスが付加される。そのため、案内情報生成部31は、操作画面に対して音声ガイダンスを付加すべきか否かを判断するのである。操作画面に音声ガイダンスが付くものである場合(ステップS15でYES)、案内情報生成部31は、画像処理装置2の設定言語の音声ガイダンスをユーザーが聞き取り可能であるか否かを判断する。(ステップS16)。この判断は、例えば、言語情報70に含まれる言語であってユーザーのリスニングスコアが所定の閾値76以上であると判定された言語の中に、画像処理装置2の設定言語が含まれるか否かを判断することにより行われる。画像処理装置2の設定言語に対応するリスニングスコアが所定の閾値76に対応するスコア以上であれば、ユーザーは画像処理装置2の設定言語で生成された音声ガイダンスを聞き取り可能である、と判断される。そして画像処理装置2の設定言語の音声ガイダンスをユーザーが聞き取り可能でない場合(ステップS16でNO)、案内情報生成部31は、操作画面の設定言語を端末装置3の設定言語77に変更する(ステップS17)。次に案内情報生成部31は、操作画面の言語と画像処理装置2の設定言語が同一であるか否かを判断する(ステップS18)。なお、ステップS14でYES、ステップS15でNO、ステップS16でYESのいずれかであった場合も、案内情報生成部31は、操作画面の言語と画像処理装置2の設定言語が同一であるか否かを判断する(ステップS18)。その結果、操作画面の言語と画像処理装置2の設定言語が同一でない場合(ステップS18でNO)、案内情報生成部31は端末装置3の設定言語77で新たに操作画面を生成する(ステップS19)。つまり、ステップS17で端末装置3の設定言語77が操作画面の言語に変更された場合、ステップS19において端末装置3の設定言語77に対応する操作画面が生成されるのである。
【0104】
図14は、端末装置3において言語情報70を生成するための詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。端末装置3において遠隔制御アプリケーション50が起動されると(ステップS20)、遠隔制御アプリケーション50は言語情報生成部54を機能させる。そして言語情報生成部54は、オペレーティングシステム49から端末装置3の設定言語77を取得し(ステップS41)、その設定言語77を含む言語情報70を生成する(ステップS42)。次に遠隔制御アプリケーション50は、情報収集部53を機能させ、他のアプリケーションによって記録されている履歴情報を収集する(ステップS43)。そして言語情報生成部54は、情報収集部53によって収集された履歴情報を解析し、各言語のリーディングスコア及びリスニングスコアを算出する(ステップS45)。リーディングスコア及びリスニングスコアを算出すると、言語情報生成部54は、各言語のリーディングスコア及びリスニングスコアが所定の閾値76に対応するスコア以上であるか否かを判断する(ステップS46)。その結果、所定の閾値76に対応するスコア以上の言語が存在する場合(ステップS46でYES)、言語情報生成部54は、その言語に関する情報を言語情報70に追加する(ステップS47)。尚、、所定の閾値76に対応するスコア以上の言語が存在しない場合(ステップS46でYES)、言語情報生成部54は、言語情報70に対する追加を行わない。その後、遠隔制御アプリケーション50は、情報送信部57を機能させ、言語情報生成部54によって生成された言語情報70を画像処理装置2へ送信する(ステップS48)。
【0105】
尚、遠隔制御アプリケーション50は、言語情報70を画像処理装置2へ送信してから一定時間が経過した後、他のアプリケーションによって記録される履歴情報が更新されたか否かを判断し、履歴情報が更新されていれば、ステップS43~S48の処理を繰り返し行うようにしても良い。この場合、言語情報70が更新されれば、新たな言語情報70が画像処理装置2に送信されることになる。また言語情報70が更新されなければ、言語情報70を送信する必要はない。
【0106】
また遠隔制御アプリケーション50は、起動時に生成した言語情報70を記憶部15に保存して管理しておき、次回起動時には前回生成した言語情報70を画像処理装置2へ送信するようにしても良い。このような処理を行えば、次回起動時に言語情報70を速やかに画像処理装置2へ送信することが可能となる。
【0107】
以上のように本実施形態の画像処理システム1では、端末装置3は、ユーザーが使用可能である言語情報70を収集し、言語情報70を画像処理装置2に送信する。画像処理装置2は、言語情報70に基づきユーザーが使用可能な言語に対応する操作画面を生成し、端末装置3に送信する構成である。この構成によれば、端末装置3に表示される操作画面が、ユーザーが理解できないような言語で表示されることがない。したがって、ユーザーは確実に操作画面に表示される文字を理解することができる。また、音声ガイダンスについても同様である。
【0108】
更に、本実施形態の画像処理システム1においては、画像処理装置2の設定言語が言語情報70に含まれる場合には、可能な限り画像処理装置2の設定言語に対応する操作画面が端末装置3に表示されることとなる。すなわち、画像処理装置2が、画像処理装置2の設定言語以外の言語に対応する操作画面を新たに生成する処理負担を可能な限り低減している。したがって、画像処理装置2の処理負担が軽減され、処理時間の短縮、ジョブの実行効率などを向上させることができるようになる。
【0109】
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態で説明した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例を適用することが可能である。
【0110】
例えば、上記実施形態では、画像処理装置2がコピー機能やスキャン機能、プリント機能、FAX機能、BOX機能などの複数の機能を備えるMFPである場合を例示したが、画像処理装置2は必ずしもMFPに限られない。すなわち、画像処理装置2は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能、BOX機能などの複数の機能のうち少なくとも1つの機能を有し、ユーザーによる操作に基づいてジョブの設定や実行を行うものであれば良い。
【0111】
また上記実施形態では、端末装置3が画像処理装置2へ言語情報70を送信するとき、端末装置3の設定言語77以外に、ユーザーが各種アプリケーションを使用したときの言語に関する情報を言語情報70に含めることを例示した。しかし、これに限られるものでもない。すなわち、端末装置3は、端末装置3の設定言語77だけを含む言語情報70を生成して画像処理装置2へ送信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 画像処理システム
2 画像処理装置
3 端末装置
30 情報受信部(情報受信手段)
31 案内情報生成部(案内情報生成手段)
32 案内情報送信部(案内情報送信手段)
33 操作位置特定部(操作反映手段)
40 表示部(表示手段)
42 音声出力部(音声出力手段)
51 案内情報受信部(案内情報受信手段)
52 優先処理決定部(優先処理決定手段)
53 情報収集部(情報収集手段)
54 言語情報生成部(言語情報生成手段)
56 操作情報生成部(操作情報生成手段)
57 情報送信部(情報送信手段)